IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイニチ工業株式会社の特許一覧 ▶ 東京瓦斯株式会社の特許一覧 ▶ 京セラ株式会社の特許一覧

特開2024-52054燃料電池装置、制御方法およびプログラム
<>
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図1
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図2
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図3
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図4
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図5
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図6
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図7
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図8
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図9
  • 特開-燃料電池装置、制御方法およびプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052054
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】燃料電池装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04664 20160101AFI20240404BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20240404BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20240404BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20240404BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20240404BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20240404BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/04228
H01M8/04694
H01M8/04225
H01M8/04302
H01M8/04955
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158493
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩之
(72)【発明者】
【氏名】河越 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崇之
(72)【発明者】
【氏名】末永 高史
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆寿
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB23
5H127AC17
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA33
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB37
5H127DA01
5H127DB50
5H127DC47
5H127DC99
5H127GG03
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を維持しつつ、停止回数が異常であることをユーザに的確に認知させる。
【解決手段】制御ユニット30は、基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する判定部32と、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を報知部50に報知させる報知制御部33と、判定部32における判定結果に基づいて、燃料電池モジュール10の運転状態を制御する運転制御部34と、を備え、停止回数異常状態である場合に、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、ユーザの発電指示操作に伴って、運転制御部34が燃料電池モジュール10を再起動させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置であって、
前記制御ユニットが、
現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する計測部と、
基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する判定部と、
前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、
前記判定部における判定結果に基づいて、前記燃料電池モジュールの運転状態を制御する運転制御部と、
を備え、
前記停止回数異常状態である場合に、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池装置。
【請求項4】
燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、計測部と判定部と報知制御部と運転制御部と、を備え、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置における制御方法であって、
前記計測部が、現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する第1の工程と、
前記判定部が、基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する第2の工程と、
前記報知制御部が、前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程において、前記停止回数異常状態であると判定された場合に、前記制御ユニットが、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、前記第3の工程において、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする制御方法。
【請求項5】
前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、計測部と判定部と報知制御部と運転制御部と、を備え、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置における制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記計測部が、現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する第1の工程と、
前記判定部が、基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する第2の工程と、
前記報知制御部が、前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程において、前記停止回数異常状態であると判定された場合に、前記制御ユニットが、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、前記第3の工程において、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、次世代エネルギーとして、水素ガスと酸素含有ガスとを用いて電力を得ることができる燃料電池と、この燃料電池を稼動するための補機類とを外装ケースに収納してなる燃料電池装置およびその運転方法が提案されている。
【0003】
燃料電池は、燃料が内包している化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するシステムとして優れた利便性を有する。
また、燃料電池は、燃料である水素と酸化剤である酸素とを電気化学的に反応させて直接電気を取り出すものであるため、高い効率で電気エネルギーを取り出すことができると同時に、静かで有害な排ガスを出さないという利点を有し、環境に優しいシステムである。
【0004】
一方で、燃料電池を含む燃料電池装置では、起動・停止を頻繁に繰り返すと、燃料電池に設けられているセルや改質触媒などの劣化が進行して、予め定められた耐用年数よりも寿命が短くなる場合がある。
特に、固体酸化物形燃料電池を利用したシステムでは、燃料電池の作動温度が非常に高いためにこのような劣化が進行し易い。
また、燃料電池システムを緊急停止した場合には、燃料電池のセルや改質触媒に対して劣化を抑制するための適切なパージ処理が行われる前に、燃料ガスの供給が停止されることによって、寿命が極めて短くなる場合があった。
【0005】
上記のような問題に対して、利用者都合等で頻繁に起動・停止が行われようとした場合でも耐用年数までの寿命確保を図ることを目的とし、燃料電池の現累積停止回数を計測する処理と、燃料電池の累積運転時間が増加するほど許容停止回数を増加させる形態で示された累積運転時間と許容停止回数との関係に基づいて、現時点における燃料電池の現累積運転時間から、現時点における現許容停止回数を生成する処理と、現許容停止回数を基準停止回数とし、現累積停止回数が基準停止回数X以上となる状態を停止回数異常と判定する処理と、停止回数異常が判定されたことを認識可能な情報を表示部に出力する処理と、を実行する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-225445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、停止回数異常が判定されてから所定のリセット操作が実行されるまでは、燃料電池の再起動を禁止している。
また、所定のリセット操作では、ユーザは、予め設定されたパスワード等を入力する等の操作を実行しなければならない。
そのため、燃料電池の再起動の禁止を回避するためには、ユーザに操作負担を強いることとなり、ユーザがリセット操作を実行しなければ、強制的に、燃料電池の再起動を禁止することから、ユーザの利便性を損なう虞があった。
【0008】
本発明は、ユーザの利便性を維持しつつ、停止回数が異常であることをユーザに的確に認知させる燃料電池装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置であって、前記制御ユニットが、現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する計測部と、基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する判定部と、前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる報知制御部と、前記判定部における判定結果に基づいて、前記燃料電池モジュールの運転状態を制御する運転制御部と、を備え、前記停止回数異常状態である場合に、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする燃料電池装置を提案している。
【0010】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とする燃料電池装置を提案している。
【0011】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする燃料電池装置を提案している。
【0012】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、計測部と判定部と報知制御部と運転制御部と、を備え、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置における制御方法であって、前記計測部が、現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する第1の工程と、前記判定部が、基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する第2の工程と、前記報知制御部が、前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる第3の工程と、を備え、前記第2の工程において、前記停止回数異常状態であると判定された場合に、前記制御ユニットが、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、前記第3の工程において、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする制御方法を提案している。
【0013】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とする制御方法を提案している。
【0014】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とする制御方法を提案している。
【0015】
形態7;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールの作動状態を報知する報知部と、計測部と判定部と報知制御部と運転制御部と、を備え、前記燃料電池モジュールの作動制御および報知制御を実行する制御ユニットと、を備えた燃料電池装置における制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記計測部が、現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数を計測する第1の工程と、前記判定部が、基準停止回数と現時点における前記燃料電池モジュールの累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する第2の工程と、前記報知制御部が、前記停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を前記報知部に報知させる第3の工程と、を備え、前記第2の工程において、前記停止回数異常状態であると判定された場合に、前記制御ユニットが、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、前記第3の工程において、ユーザの発電指示操作に伴って、前記運転制御部が前記燃料電池モジュールを再起動させることをコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0016】
形態8;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、前記停止回数異常状態となった場合には、前記警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御を実行させないことを特徴とするプログラムを提案している。
【0017】
形態9;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御ユニットは、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが前記停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、前記ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、前記燃料電池モジュールを再起動させることを特徴とするプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0018】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、ユーザの利便性を維持しつつ、停止回数が異常であることをユーザに的確に認知させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る燃料電池装置の構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る制御系の構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る制御ユニットの構成を示す図である。
図4】本実施形態に係る燃料電池装置において、通常停止エラーが発生し、停止回数過多の場合の処理を示す図である。
図5】本実施形態に係る燃料電池装置において、通常停止エラーが発生し、停止回数過多の場合の表示態様を示す図である。
図6】本実施形態に係る燃料電池装置において、シャットダウンエラーによる停止が発生し、停止回数過多の場合の処理を示す図である。
図7】本実施形態に係る燃料電池装置において、シャットダウンエラーによる停止が発生し、停止回数過多の場合の表示態様を示す図である。
図8】本実施形態に係る燃料電池装置において、ユーザの指示による停止が発生し、停止回数過多の場合の処理を示す図である。
図9】本実施形態に係る燃料電池装置において、ユーザの指示による停止が発生し、停止回数過多の場合の表示態様を示す図である。
図10】本実施形態に係る燃料電池装置において、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生し、停止回数過多の場合の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態>
図1から図10を用いて、本実施形態に係る燃料電池装置1について説明する。
【0021】
<燃料電池装置1の構成>
図1に示すように、燃料電池装置1は、燃料電池モジュール10と、セルスタック11と、改質器12と、被改質ガス供給部13と、酸素含有ガス供給部14と、換気ファン17と、第1の熱交換器22と、蓄熱タンク23と、ラジエータ24と、第2の熱交換器25と、凝縮水タンク26と、制御ユニット30と、パワーコンディショナー40と、温度センサTSと、燃料ポンプB1と、空気ブロアB2と、電磁弁V1と、熱媒ポンプP1と、改質水ポンプP2と、を含んで構成されている。
【0022】
燃料電池モジュール10は、箱状の収容容器の内部にセルスタック11と、改質器12と、温度センサTSとを収容して構成されている。
燃料電池モジュール10は、燃料電池セルが複数積み重なったスタック構造となっている。
燃料電池セルは、平板型、中空平板型、円筒型、横縞型等、公知のタイプのものを利用することができる。燃料電池セルスタックは、例えば、内部を燃料ガスが長手方向(稼動時上下方向)に流通する燃料ガス流路(図示せず)を有する中空平板型の燃料電池セルを立設させた状態で一列に配列し、隣接する燃料電池セル間が集電部材を介して電気的に直列に接続されて構成されている。
【0023】
改質器12は、天然ガスやLPガス等の被改質ガスに対して水蒸気改質を行い、燃料電池モジュール10に供給する燃料ガスを生成する。
改質器12には、後述する被改質ガス供給部13と、改質水を供給する改質水ポンプP2とが接続されており、被改質ガスと改質水とは、加熱された改質器12において改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0024】
温度センサTSは、箱状の収容容器内部に設けられ、例えばセルスタック11や改質器12の温度を検出するセンサであり、常時測定対象の温度をモニタし、そのモニタ値を後述する制御ユニット30に出力する。
【0025】
被改質ガス供給部13は、燃料ポンプB1と電磁弁V1とを介して、外部から被改質ガスを供給する。
被改質ガスとしては、天然ガス、LPガスや灯油等を例示することができる。
酸素含有ガス供給部14は、空気ブロアB2を介して、外部から酸素含有ガスを供給する。
【0026】
換気ファン17は、後述する制御ユニット30により制御され、燃料電池装置1の内部を強制的に換気する。
【0027】
第1の熱交換器22には、配管を介して、蓄熱タンク23、熱媒ポンプP1およびラジエータ24が接続され、第1熱媒循環ラインが形成されている。この第1熱媒循環ラインには熱媒体(水)が導入されており、第1の熱交換器22では、この熱媒体と排ガスと間で熱交換が行われ、熱媒体が加熱される。
【0028】
蓄熱タンク23は、熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク23に蓄えられた熱媒体は、ラジエータ24に送られて冷却され、再び第1の熱交換器22において排ガスとの間で熱交換を行った後、蓄熱タンク23に還流する。これにより、蓄熱タンク23には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0029】
ラジエータ24は、蓄熱タンク23に蓄えられた熱媒体を冷却するものであり、冷却ファンが設けられている。
【0030】
第2の熱交換器25は、外部から供給流路を介して供給された水道水を、蓄熱タンク23に貯留された高温の熱媒体を用いて加温する。そして、加温された水は、外部の給湯器等の再加熱装置に向けて送給流路29を介して送給される。
【0031】
凝縮水タンク26は、燃料電池モジュール10において生じる排ガス中に含まれる水蒸気から分離された水としての凝縮水を貯水する。凝縮水タンク26に貯水された凝縮水は、改質水ポンプP2により、改質器12で必要となる水の量に応じて、改質器12に供給される。
【0032】
制御ユニット30は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにより、燃料電池装置1全体の動作を制御する。
【0033】
パワーコンディショナー40は、燃料電池モジュール10で発電された直流電力を交流電力に変換し、商用電力系統に供給する。
【0034】
<制御系の構成>
図2に示すように、本実施形態に係る制御系は、燃料電池モジュール10と、制御ユニット30と、報知部50と、を含んで構成されている。
ここで、燃料電池装置1の運転停止の種類としては、エラーによる停止、ユーザ指示による停止、FC都合による停止が挙げられる。
エラーによる停止には、通常の停止工程を経て運転を停止するエラーである通常停止エラー、緊急停止が必要な重大エラーであって、停止工程が通常エラーの停止工程とは異なるシャットダウンエラーがある。
そして、エラーによる停止では、発電設定は発電入が維持されるため、エラーが解除されれば、発電運転が再開される。
また、ユーザ指示による停止は、ユーザがリモコンから発電運転の停止を指示した場合の停止である。
そして、ユーザ指示による停止では、発電設定は発電切になるため、再度発電入を指示しない限り発電運転は再開されない。
また、FC都合による停止は、ガスメータの内管漏洩検知機能が作動しないようにするため、運転が所定期間継続すると自動で運転を停止する(内管漏洩検知回避)場合や運転を停止した方が、メリットがあると判定した場合の停止(メリット低下抑制)、凝縮水の回収量が少なく、外部から補水しなければ運転が続けられない場合の停止(水自立停止)等を例示することができ、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止である。
そして、FC都合による停止では、発電設定は発電入が維持されるので、発電再開条件が満たされると発電運転が再開される。
【0035】
制御ユニット30は、現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数を計測し、基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定し、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を報知部50に報知させる。
そして、制御ユニット30は、停止回数異常状態である場合に、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、ユーザの発電指示操作に伴って、再度、警告を報知させつつ、燃料電池モジュール10を再起動させる。
また、制御ユニット30は、エラー停止あるいはユーザの指示以外による停止によって、停止回数異常状態となった場合には、警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御、警告を伴う再起動制御を実行しない。
また、制御ユニット30は、報知部50の一部である表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、停止過多メッセージを表示させる。
【0036】
なお、上記においてはエラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示ではない停止として、3つのエラーモードを提示したが、この3つのエラーモード全てを警告の報知を行わない対象としてもよい。
【0037】
報知部50は、リモコンの表示部を含み、テキスト情報や図形、イラスト表示、音声等により、制御ユニット30の指示に応じて、警告情報を報知する。
【0038】
<制御ユニット30の構成>
図3に示すように、本実施形態に係る制御ユニット30は、計測部31と、判定部32と、報知制御部33と、運転制御部34と、停止回数情報記憶部35と、を含んで構成されている。
【0039】
計測部31は、現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数を計測する。
計測部31は、計測した累積停止回数情報を後述する停止回数情報記憶部35に記憶させる。
【0040】
判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態であるか否かを判定する。
ここで、基準停止回数は、過去のデータや知見等に基づいて定められた値である。
判定部32は、判定結果を後述する報知制御部33および運転制御部34に出力する。
【0041】
報知制御部33は、判定部32において、燃料電池装置1が停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を報知部50に報知させる。
具体的には、報知制御部33は、報知部50の一部である表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、停止過多メッセージを表示させる。
【0042】
運転制御部34は、判定部32における判定結果に基づいて、燃料電池モジュール10の運転状態を制御する。
具体的には、運転制御部34は、判定部32において、燃料電池装置1が停止回数異常状態であると判定され、警告が報知され、発電設定が自動的に発電切となった後に、ユーザの発電指示操作に伴って、燃料電池モジュール10を再起動させる。
【0043】
停止回数情報記憶部35は、RAM(Random Access Memory)等により構成され、基準停止回数情報、累積停止回数情報等を格納する。
停止回数情報記憶部35内の情報は、判定部32により読み出しが行われる。
【0044】
<制御ユニット30において通常停止エラーが発生し、停止回数過多の場合の処理>
図4図5を用いて、本実施形態に係る制御ユニット30における通常停止エラーが発生し、停止回数過多の場合の処理について説明する。
【0045】
まず、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1に通常停止エラーが発生したか否かを判定する(ステップS110)。
そして、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1に通常停止エラーが発生していないと判定する場合(ステップS110の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0046】
一方で、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1に通常停止エラーが発生していると判定する場合(ステップS110の「YES」)には、計測部31は、現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数を計測する(ステップS120)。
計測部31において計測された累積停止回数は、停止回数情報記憶部35に記憶される。
【0047】
判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する(ステップS130)。
そして、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態にはなっていないと判定する場合(ステップS130の「NO」)には、処理を終了する。
【0048】
一方で、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態になっていると判定する場合(ステップS130の「YES」)には、報知制御部33は、図5(A)に示すように、判定部32において、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な停止回数増加警告を報知部50に報知させる(ステップS140)。
また、報知制御部33は、図5(B)に示すように、報知部50の一部であるリモコンの表示部にエラーコードを表示させる(ステップS150)。
【0049】
さらに、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1における発電設定モードを自動的に「切」と設定する(ステップS160)。
【0050】
次いで、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったか否かを判定する(ステップS170)。
そして、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作がないと判定する場合(ステップS170の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0051】
一方で、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったと判定する場合(ステップS170「YES」)には、運転制御部34は、燃料電池装置1を再起動させる制御を行い(ステップS180)、処理を終了する。
なお、この時、報知制御部33は、図5(C)に示すような画像表示の後に、運転制御部34による燃料電池装置1の再起動制御が実行されると、図5(D)に示すような画像を表示する。
【0052】
<制御ユニット30においてシャットダウンエラーによる停止が発生し、停止回数過多の場合の処理>
図6図7を用いて、本実施形態に係る制御ユニット30におけるシャットダウンエラーによる停止が発生し、停止回数過多の場合の処理について説明する。
【0053】
まず、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1にシャットダウンエラーによる停止が発生したか否かを判定する(ステップS210)。
そして、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1にシャットダウンエラーによる通常停止が発生していないと判定する場合(ステップS210の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0054】
一方で、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1にシャットダウンエラーによる停止が発生していると判定する場合(ステップS210の「YES」)には、計測部31は、現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数を計測する(ステップS220)。
計測部31において計測された累積停止回数は、停止回数情報記憶部35に記憶される。
【0055】
判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する(ステップS230)。
そして、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態にはなっていないと判定する場合(ステップS230の「NO」)には、処理を終了する。
【0056】
一方で、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態になっていると判定する場合(ステップS230の「YES」)には、報知制御部33は、図7(A)に示すように、判定部32において、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な停止回数増加警告を報知部50に報知させる(ステップS240)。
また、報知制御部33は、図7(B)に示すように、報知部50の一部であるリモコンの表示部にエラーコードを表示させる(ステップS250)。
【0057】
さらに、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1における発電設定モードを自動的に「切」と設定する(ステップS260)。
【0058】
次いで、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったか否かを判定する(ステップS270)。
そして、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作がないと判定する場合(ステップS270の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0059】
一方で、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったと判定する場合(ステップS270「YES」)には、運転制御部34は、燃料電池装置1を再起動させる制御を行い(ステップS280)、処理を終了する。
なお、この時、報知制御部33は、図7(C)に示すような画像表示の後に、運転制御部34による燃料電池装置1の再起動制御が実行されると、図7(D)に示すような画像を表示する。
【0060】
<制御ユニット30において、ユーザの指示による停止が発生し、停止回数過多の場合の処理>
図8図9を用いて、本実施形態に係る制御ユニット30において、ユーザの指示による停止が発生し、停止回数過多の場合の処理について説明する。
【0061】
まず、制御ユニット30の制御部は、ユーザによる停止指示が発生したか否かを判定する(ステップS310)。
そして、制御ユニット30の制御部は、ユーザによる停止指示が発生していないと判定する場合(ステップS310の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0062】
一方で、制御ユニット30の制御部は、ユーザによる停止指示が発生していると判定する場合(ステップS310の「YES」)には、計測部31は、現時点の燃料電池モジュール10の累積停止数を計測する(ステップS320)。
計測部31において計測された累積停止回数は、停止回数情報記憶部35に記憶される。
【0063】
判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点の燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定する(ステップS330)。
そして、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態にはなっていないと判定する場合(ステップS330の「NO」)には、処理を終了する。
【0064】
一方で、判定部32は、停止回数情報記憶部35から読み出した基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、燃料電池装置1が停止回数異常状態になっていると判定する場合(ステップS330の「YES」)には、報知制御部33は、図9(A)に示すように、判定部32において、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な停止回数増加警告を報知部50に報知させる(ステップS340)。
【0065】
さらに、制御ユニット30の制御部は、燃料電池装置1における発電設定モードを自動的に「切」と設定する(ステップS350)。
【0066】
次いで、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったか否かを判定する(ステップS360)。
そして、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作がないと判定する場合(ステップS360の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0067】
一方で、制御ユニット30の制御部は、ユーザからの発電指示操作があったと判定する場合(ステップS360「YES」)には、運転制御部34は、燃料電池装置1を再起動させる制御を行い(ステップS370)、処理を終了する。
なお、この時、報知制御部33は、図9(B)に示すような画像表示の後に、運転制御部34による燃料電池装置1の再起動制御が実行されると、図9(C)に示すような画像を表示する。
【0068】
<制御ユニット30において、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生し、停止回数過多の場合の処理>
図10を用いて、本実施形態に係る制御ユニット30において、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生し、停止回数過多の場合の処理について説明する。
【0069】
まず、制御ユニット30の制御部は、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生したか否かを判定する(ステップS410)。
そして、制御ユニット30の制御部は、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生していないと判定する場合(ステップS410の「NO」)には、処理を元に戻す。
【0070】
一方で、制御ユニット30の制御部は、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生していると判定する場合(ステップS410の「YES」)には、計測部31は、現時点の燃料電池モジュール10の累積停止数を計測し、処理を終了する(ステップS420)。
【0071】
つまり、エラー停止でもなく、ユーザの指示による停止でもない停止が発生したことによって停止回数異常状態となった場合には、警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御を伴う再起動制御が実行されない。したがって、停止回数異常状態でないときと同様に、再起動条件を満たしたときに再起動制御が実行される。
【0072】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る燃料電池装置1における制御ユニット30の判定部32は、基準停止回数と現時点における燃料電池モジュール10の累積停止回数とに基づいて、停止回数異常状態を判定し、報知制御部33は、停止回数異常状態であると判定されたことを認識可能な警告情報を報知部50に報知させ、運転制御部34は、判定部32における判定結果に基づいて、燃料電池モジュール10の運転状態を制御する。
そして、制御ユニット30は、停止回数異常状態である場合に、警告を報知させ、発電設定を自動的に発電切とし、ユーザの発電指示操作に伴って、燃料電池モジュール10を再起動させる。
つまり、制御ユニット30は、燃料電池装置1が停止回数異常状態である場合に、ユーザに燃料電池装置1の状態を知らせる警告を報知する。
また、制御ユニット30は、燃料電池装置1が停止回数異常状態である場合に、発電設定を自動的に発電切とし、警告がある状況下における、ある種ユーザの強固な意思に応じて、ユーザの通常の再起動操作を許容した上で、燃料電池モジュール10を再起動させる。
すなわち、ユーザに燃料電池装置1の状態を十分に認識させた上で、ユーザの要求に応じる制御を行う。
そのため、ユーザの利便性を維持しつつ、停止回数が異常であることをユーザに的確に認知させることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る燃料電池装置1における制御ユニット30は、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止によって、停止回数異常状態となった場合には、警告の報知、発電設定を自動的に発電切とする制御、警告を伴う再起動制御を実行しない。
つまり、エラーによるものではない停止で且つ、ユーザの指示によるものではない停止とは、MM内管漏洩検知回避による停止、メリット低下抑制による停止、水自立停止等であって、ユーザの使用状態に直接起因するものではなく、頻繁に起こる事象でもないため、上記のような停止に対して、警告を発すると、余計な不安を生じさせてしまう虞がある。
そのため、上記のような制御を実行することにより、ユーザに余計な不安を与えることを防止することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る燃料電池装置1における制御ユニット30は、表示部に停止回数増加メッセージを表示させ、ユーザが停止回数増加メッセージを閉じる操作を行うと、エラーコードを表示させ、ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、停止回数過多メッセージを表示させつつ、燃料電池モジュール10を再起動させる。
つまり、制御ユニット30は、柔らかめのメッセージ、エラーメッセージを表示させ、ユーザが操作表示を用いて発電指示操作を行った後に、強めのメッセージを表示させつつ、燃料電池モジュール10を再起動させる。
そのため、ユーザの利便性を維持しつつ、停止回数が異常であることをユーザに的確に認知させることができる。
【0075】
<変形例1>
本実施形態においては、燃料電池装置1が停止回数異常状態となった場合には、警告メッセージやエラーメッセージを表示するとした。
しかしながら、警告メッセージにおいては、今までの知見から得られる論理的な情報に基づいて、例えば、「停止回数異常状態となると、適正使用に比べて、故障率が●●%上昇する可能性があります。」というような具体的な数値を明示するようにしてもよい。
このようにすることにより、ユーザに、現在の使用状態を客観的に認知させることができる。
【0076】
<変形例2>
本実施形態においては、燃料電池装置1が停止回数異常状態となった場合には、警告メッセージやエラーメッセージを表示するとした。
しかしながら、こうしたメッセージ表示に加えて、例えば、リモコン表示部の背景色を通常の白や黒に変えて、赤の点滅表示等にしてもよい。
このようにすることにより、ユーザに、現在の使用状態をより的確に認知させることができる。
【0077】
<変形例3>
本実施形態においては、燃料電池装置1が停止回数異常状態となった場合には、警告メッセージやエラーメッセージを表示するとした。
しかしながら、仮に、ユーザがメールアドレスを明示したユーザ登録をしている場合には、定期的に、停止回数異常が燃料電池装置1に与える影響をメッセージで配信する、あるいは、停止回数異常が誘因となる不具合がどうして起こるのか等を説明するホームページ上のウェブページに誘導するメッセージを配信するようにしてもよい。
このようにすることにより、停止回数異常が誘因となる不具合に対するユーザの理解を深めることができる。
【0078】
なお、制御ユニット30等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを制御ユニット30等に読み込ませ、実行することによって本発明の燃料電池装置1を実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0079】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0080】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0081】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1;燃料電池装置
10;燃料電池モジュール
11;セルスタック
12;改質器
13;被改質ガス供給部
14;酸素含有ガス供給部
17;換気ファン
22;第1の熱交換器
23;蓄熱タンク
24;ラジエータ
25;第2の熱交換器
26;凝縮水タンク
30;制御ユニット
31;計測部
32;判定部
33;報知制御部
34;運転制御部
35;停止回数情報記憶部
40;パワーコンディショナー
50;報知部
TS;温度センサ
B1;燃料ポンプ
B2;空気ブロア
V1;電磁弁
P1;熱媒ポンプ
P2;改質水ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10