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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052100
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ガス吸入用マスク
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20240404BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61M16/06 A
A41D13/11 Z
A41D13/11 E
A41D13/11 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158571
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 文彦
(72)【発明者】
【氏名】株本 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 裕也
(57)【要約】
【課題】ガス吸入用マスクのマスク本体は、射出成形で形成されることなどからある程度の厚みを持って形成され、100g程度のプラスチックにより形成されている。一方、酸素吸入用マスク等の医療用のガス吸入用マスクは、被検者に接触した状態で用いられるため、使い捨てとなっている。そのため、多量のプラスチック廃棄物を生じている。このような状況は環境負荷が大きく、SDGs(持続可能な開発目標)における環境問題の観点から改善が求められる。
【解決手段】紙、不織布又は布により形成されたマスク本体と、チューブ取付部材と、を備え、前記チューブ取付部材は、前記マスク本体に設けられた取付開口に取り付けられ、前記マスク本体を被検者に取り付けた際に、前記チューブ取付部材のチューブ接続部に接続したチューブの軸線が、被検者の顔に直に向かないガス吸入用マスクを用いる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙、不織布又は布により形成されたマスク本体と、
チューブ取付部材と、を備え、
前記チューブ取付部材は、前記マスク本体に設けられた取付開口に取り付けられ、
前記マスク本体を被検者に取り付けた際に、前記チューブ取付部材のチューブ接続部に接続したチューブの軸線が、被検者の顔に直に向かないことを特徴とする
ガス吸入用マスク。
【請求項2】
前記チューブ取付部材は、前記マスク本体の前記取付開口に360°又はその一部の範囲で回転可能に取り付けられていることを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項3】
前記チューブ取付部材は、正面側係止部と背面側係止部を有し、
前記マスク本体における前記取付開口の周囲が、前記正面側係止部と前記背面側係止部に挟まれて取り付けられていることを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項4】
前記チューブ取付部材は、前記マスク本体に接着により取り付けられていることを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項5】
前記取付開口の中心は、前記マスク本体を被検者に取り付けた際に、正面から見て被検者の鼻の下と口の間の位置していることを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項6】
前記取付開口の一部または全部はカバー部により覆われ、
前記カバー部は前記被検者の吐出物又は吐出液をフィルタする、
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項7】
前記マスク本体は、前記取付開口以外の部分に開口部を設け、
前記開口部から前記マスク本体の内側における被検者の顔を視認可能であることを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項8】
前記チューブ取付部材は、吸気流路と呼気流路を有し、
前記吸気流路は、チューブ接続部の孔に繋がり、
前記呼気流路は、呼気をマスク外部に導くことを特徴とする
請求項1乃至7のいずれか一項に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項9】
前記呼気流路は、両側に測定のために光が透過する窓部を有する
請求項8に記載されたガス吸入用マスク。
【請求項10】
前記紙、不織布又は布に用いる繊維の原材料として、ポリエステル、ポリプロピレン、綿又は木質パルプが含まれている、ことを特徴とする
請求項1に記載されたガス吸入用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素吸入用マスク等の医療用のガス吸入用マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者等の被検者に酸素等のガスを供給する場合、ガス吸入用マスクを被検者の顔部に装着してチューブを接続し、チューブからガスを供給して被検者に吸入させる。このようなガス吸入用マスクは、全体がプラスチックで形成されている。特許文献1には、患者に酸素を供給するためのマスク装置が記載されている。特許文献1のマスク装置において、患者の鼻部及び口部を覆うようにして装着されるマスク本体は、ほぼ透明な軟質塩化ビニルで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/080357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
酸素吸入用マスク等の医療用のガス吸入用マスクにおいて、被検者の鼻と口を覆うように装着するマスク本体は、射出成形で形成されることなどからある程度の厚みを持っている。マスク本体を形成する塩化ビニル等のプラスチックは、100g程度の重量となる。一方、酸素吸入用マスク等の医療用のガス吸入用マスクは、被検者に接触した状態で用いられるため、使い捨てとなっている。そのため、多量のプラスチック廃棄物を生じている。このような状況は環境負荷が大きく、SDGs(持続可能な開発目標)における環境問題の観点から改善が求められる。医療用以外のガス吸入用マスクについても、同様に多量のプラスチックが使い捨てで使用される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一実施例におけるガス吸入用マスクは、紙、不織布又は布により形成されたマスク本体と、チューブ取付部材と、を備え、前記チューブ取付部材は、前記マスク本体に設けられた取付開口に取り付けられ、前記マスク本体を被検者に取り付けた際に、前記チューブ取付部材のチューブ接続部に接続したチューブの軸線が、被検者の顔に直に向かないものとしている。
【発明の効果】
【0006】
マスク本体を、紙、不織布または布で形成することにより、プラスチック廃棄物を減少させることができる。紙、不織布または布により形成されていることにより、プラスチックよりもマスク本体の強度が低下する。しかし、チューブ取付部材のチューブ接続部に接続したチューブの軸線が、被検者の顔に直に向かないようにしているため、マスク本体を変形させる力がチューブからマスク本体に伝わりにくい。よって、環境に優しく、強度が十分なガス吸入用マスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1におけるガス吸入用マスクの正面図。
図2】実施例1におけるガス吸入用マスクの側面図。
図3】実施例1におけるマスク本体の正面図。
図4】実施例1におけるチューブ取付部材の正面図。
図5】実施例1におけるチューブ取付部材の背面図。
図6】実施例1におけるチューブ取付部材の側面図。
図7】実施例1における被検者に取り付けたガス吸入用マスクの側面図。
図8】実施例2におけるガス吸入用マスクの正面図。
図9】実施例2におけるガス吸入用マスクの側面図。
図10】実施例2におけるチューブ取付部材の正面図。
図11】実施例2におけるチューブ取付部材の側面図。
図12】実施例2におけるチューブ取付部材の下面図。
図13】実施例2におけるチューブ取付部材の背面図。
図14】実施例2におけるガスセンサを取り付けたチューブ取付部材の下面図。
図15】実施例3における被検者に取り付けたガス吸入用マスクの側面図。
図16】実施例3におけるマスク本体の背面図。
図17】実施例4におけるマスク本体の正面図。
図18】実施例5における被検者に取り付けたガス吸入用マスクの側面図。
図19】実施例6におけるガス吸入用マスクの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願において、図面上で被検者に取り付けた際の額の方向を上と記載し、顎の方向を下と記載し、頬の方向を側方と記載する。回転するチューブ取付部材であっても、図面の回転位置での上下方向で記載する。また、ガス吸入用マスクを被検者に取り付けた際における被検者が向く方向を正面、その反対方向を背面と記載する。
【実施例0009】
図1に、実施例1におけるガス吸入用マスク1の正面図を示す。実施例1では、ガス吸入用マスク1は、半球面状のマスク本体11の中心にチューブ取付部材12を取り付けて形成される。マスク本体11には、2本の弾性バンド13が固定されている。2本の弾性バンド13を被検者Sの後頭部にまわすことにより、被検者Sの顔にガス吸入用マスク1を固定することができる。
【0010】
図2に、実施例1のガス吸入用マスク1の側面図を示す。図2では、マスク本体11を側断面で示し、マスク本体11に取り付けられたチューブ取付部材12を側面で示す。マスク本体11の形状は、半球面状である。チューブ取付部材12は、内部に吸気流路122を有している。吸気流路122は、チューブ接続部122aからチューブ取付部材12を通過して、マスク本体11の取付開口111からマスク本体11の中へ通じている。
【0011】
実施例1のマスク本体11は、天然繊維を原料とした厚紙により形成され、チューブ取付部材12は、硬質プラスチックである硬質塩化ビニルで形成されている。従って、ガス吸入用マスク1を廃棄する際には、マスク本体11とチューブ取付部材12を分離して、分別することもできる。
【0012】
図3に、図1、2に記載したガス吸入用マスク1におけるマスク本体11の正面図を示す。マスク本体11には、中央に円形の取付開口111が設けられている。また、マスク本体11の周端部近傍には、外面の4箇所に2本の弾性バンド13が固定されている。実施例1のマスク本体11は、天然繊維を原料とした厚紙で形成されており、マスク本体11に必要な強度と、ある程度の柔軟性を有している。
【0013】
図4~6に、図1、2に記載したチューブ取付部材12を拡大して記載する。図4に、ガス吸入用マスク1におけるチューブ取付部材12の正面図を、図5に背面図を、図6に側面図を示す。チューブ取付部材12は、背面側(図6における右側)の正面側係止部121aから、4つの係止部接続部121bが背面方向に突出している。そして、係止部接続部121bの先端に、チューブ取付部材12の上下方向および側方に向けて、背面側係止部121cが延在している。
【0014】
図5に示すように、チューブ取付部材12の背面側では、吸気流路122の孔がカバー部123により覆われている。カバー部123は網目材で形成されており、チューブ取付部材12の背面において、吸気流路122の孔の周囲に接着して固定されている。吸気流路122を通過した酸素はカバー部123を通過してマスク本体11の背面側に供給される。一方で、カバー部123があることにより、被検者Sの口からの吐出物又は吐出液は吸気流路122に入らない。吸気流路122からの酸素供給を停止している時であっても、吐出物等は吸気流路122には入らない。そのため、酸素を供給するためのチューブに吐出物又は吐出液が入ることを防止できる。吐出物等により汚染されていないチューブは使い捨てにする必要がなく、再利用をすればプラスチックの廃棄量をさらに削減することができる。
【0015】
図6に示すように、背面側係止部121cの正面側は、正面側係止部121aの面となっている。図2に示すように、背面側係止部121cが取付開口111の背面側に位置するように、チューブ取付部材12がマスク本体11の取付開口111に取り付けられる。そして、図6に示す係止部接続部121bが、図3に示す円形である取付開口111の内側に位置し、マスク本体11における取付開口111の周囲を正面側係止部121aと背面側係止部121cで挟んでいる。これにより、チューブ取付部材12はマスク本体11に回転可能に取り付けられる。図1において、チューブ取付部材12のチューブ接続部122aは右方へ突出し、チューブ軸線TAは右方となっているが、左方や上下方向等を含めてチューブ軸線TAの方向を360°回転することができる。
【0016】
マスク本体11にチューブ取付部材12を取り付ける際には、図2における左側であるマスク本体11の正面側から取付開口111に向けて、チューブ取付部材12を近づける。そして、チューブ取付部材12に4つ形成されている背面側係止部121cを、マスク本体11の取付開口111に順次差し入れる。このようにして取り付けが終了すると、取付開口111の周囲が4箇所で正面側係止部121aと背面側係止部121cで挟まれているため、チューブ取付部材12はマスク本体11から容易には外れない。また、円形である取付開口111の内側の4箇所に係止部接続部121bが位置しており、係止部接続部121bは、取付開口111の内側に沿って移動可能であり、チューブ取付部材12は360°回転可能である。このようにして、図1に示すチューブ接続部122aおよびチューブ軸線TAの向く方向は、360°回転可能となっている。
【0017】
図7に、被検者Sの顔に実施例1のガス吸入用マスク1を取り付けた状態の側面図を示す。マスク本体11は断面図で示す。図7では、仰向けに寝た被検者Sの顔にガス吸入用マスク1が取り付けられている。弾性バンド13の記載は省略している。図7に示すように、取付開口111の中心は、マスク本体11を被検者Sに取り付けた際に、矢印で示す正面から見て被検者Sの鼻Nの下と口Mの間の位置している。
【0018】
実施例1では、取付開口111の中心はマスク本体11の中心と一致している。また、図示していないが、チューブ取付部材12におけるマスク本体11側に設けられた吸気流路122の出口は円形であり、その中心は取付開口111の中心と一致している。ガス吸入用マスク1を被検者Sの顔に取り付けた際の額F-顎C方向を縦方向とし、顔の左右方向を横方向とした場合、マスク本体11の中心と取付開口111の中心のずれは、縦方向、横方向ともに、マスク本体11の幅の10%以内であることが好ましい。
【0019】
また、図7に示すように、マスク本体11は、被検者Sの顔との間に、ある程度の体積の空間が生じる形状となっている。この体積が小さいと、被検者Sの呼気のタイミングでマスク本体11内に供給された酸素は、被検者Sに吸われることなくマスク本体11の外へ漏出する。しかし、ある程度の体積があると、呼気のタイミングでマスク本体11内に供給された酸素の一部は空間に滞留して、吸気のタイミングで被検者Sに吸われる。そのため、被検者Sへの酸素の良好な供給効率が得られる。被検者Sの顔にガス吸入用マスク1を取り付けた際に、空間は30cc以上200cc以下であることが好ましく、80cc以上、150cc以下の空間があることが更に好ましい。
【0020】
図1、6から理解されるように、チューブ接続部122aは、取り付けられるチューブ(図示せず)の軸線である図1に点線で示したチューブ軸線TAが、顔に対して側方方向である。そして、チューブ軸線TAは、図2に点線で示した取付開口111の垂直方向Vに対して90°の方向となっている。これにより、チューブ接続部122aは、取付開口111の垂直方向Vからずらした方向に向けてチューブが接続するように構成されている。そして、実施例1のガス吸入用マスク1は、マスク本体11を被検者Sの顔に取り付けた際に、チューブ軸線TAが被検者Sの顔に直に向かないようになっている。そのため、マスク本体11を変形させる力がチューブからマスク本体11に伝わりにくい。また、ガス吸入用マスク1を被検者Sに取り付けた際に、チューブの取り回しが容易である。加えて、実施例1のガス吸入用マスク1は、図1に示すチューブ接続部122aおよびチューブ軸線TAの向く方向が360°回転可能となっている。そのため、さらにチューブの取り回しが容易であるとともに、マスク本体11を変形させる力がチューブからマスク本体11に伝わりにくい。
【0021】
チューブ取付部材12の中では、チューブ取付部材12の背面からチューブ接続部122aの中まで、吸気流路122の孔が形成されている。吸気流路122は、正面側係止部121aの面に垂直に設けられた孔が、チューブ取付部材12の中で90°曲がって、チューブ接続部122aの中を通過している。したがって、カバー部123がなくても、吸気流路122の曲がりにより、酸素を供給するためのチューブに吐出物又は吐出液が入ることは、ある程度抑止できる。しかし、実施例1では、カバー部123と吸気流路122の曲がりにより、吐出物等がチューブに入ることを確実に防止することができる。
【実施例0022】
図8に、実施例2におけるガス吸入用マスク2の正面図を示す。実施例2のガス吸入用マスク2は、ガスセンサ3を取り付けてガス濃度を測定することができる。図8は、ガス吸入用マスク2にガスセンサ3を取り付けた状態を示している。実施例2のガス吸入用マスク2は、実施例1と同様に、マスク本体21にチューブ取付部材22を取り付けて形成される。マスク本体21には、2本の弾性バンド23が固定されている。2本の弾性バンド13を被検者Sの後頭部にまわすことにより、被検者Sの顔にガス吸入用マスク2を固定することができる。実施例2のマスク本体21は、図3に示した実施例1のマスク本体11と同じものである。
【0023】
図8に示すガス吸入用マスク2では、チューブ取付部材22にガスセンサ3が取り付けられている。実施例2のガスセンサ3は、センサ配線31を介して赤外線の受光量に応じた出力を計測器(図示せず)に送り、二酸化炭素濃度を算出して表示器(図示せず)に表示する。実施例2においては、図8に示すようにセンサ配線31とチューブ接続部222aは同じ方向を向いており、センサ配線31と、ガスを供給するチューブ(図示せず)は、ガス吸入用マスク2付近で同じ方向に延在する。
【0024】
図9に、実施例2のガス吸入用マスク2の側面図を示す。図9では、マスク本体21を側断面で示し、マスク本体21に取り付けられたチューブ取付部材22を側面で示す。ガスセンサ3は取り外した状態である。マスク本体21の形状は、半球状である。実施例2のチューブ取付部材22は、内部に吸気流路222と呼気流路223を有している。呼気流路223は、呼気をマスク外部に導く。吸気流路222は、チューブ接続部222aに設けた孔がチューブ取付部材22を通過してマスク本体21の中へ通じている。呼気流路223は、マスク本体21の中からチューブ取付部材22を通過して側方の呼気排出口223aへ通じている。図9の窓部223cは呼気流路の途中に設けられている。実施例2のチューブ取付部材22は硬質プラスチックである硬質塩化ビニルやポリエステル等の高分子化合物で形成されている。
【0025】
図10~13に、ガス吸入用マスク2におけるチューブ取付部材22の拡大図を示す。図10は正面図を、図11は側面図を、図12は下面図を、図13は背面図を示す。チューブ取付部材22には、背面側の4箇所に係止部接続部221bが設けられ、その先端に、チューブ取付部材22の上下方向および側方に向けて背面側係止部221cが設けられている。チューブ取付部材22は、背面側(図11における右側)の正面側係止部221aから、4つの係止部接続部221bが背面方向に突出している。そして、係止部接続部221bの先端に、チューブ取付部材22の上下方向および側方に向けて、背面側係止部221cが延在している。
【0026】
図11に示すように、背面側係止部221cの正面側は、正面側係止部221aとなっている。図9に示すように、背面側係止部221cが取付開口211の背面側に位置するように、マスク本体21の取付開口211に取り付けられる。そして、実施例1と同様に、図11に示す係止部接続部221bが、円形である取付開口211の内側に位置し、取付開口211の周囲が、正面側係止部221aと背面側係止部221cに挟まれることにより、チューブ取付部材22はマスク本体21に回転可能に取り付けられている。図8において、チューブ取付部材22のチューブ接続部222aは右方へ突出しているが、360°回転することができる。センサ配線31も同様である。
【0027】
マスク本体21にチューブ取付部材22を取り付ける際には、マスク本体21の外側から取付開口211に向けて、チューブ取付部材22を近づける。そして、チューブ取付部材22に4つ形成されている背面側係止部221cを、マスク本体21の取付開口211に順次差し入れる。このようにして取り付けが終了すると、ある程度の強度を有した取付開口211の周囲が4箇所で正面側係止部221aと背面側係止部221cで挟まれているため、チューブ取付部材22はマスク本体21から容易には外れない。また、円形である取付開口211の内側の4箇所に係止部接続部221bが位置しており、係止部接続部221bは、取付開口211の内側に沿って移動可能であり、チューブ取付部材22は360°回転可能である。このようにして、図8に示すチューブ接続部222aおよびチューブ軸線TAとセンサ配線31の向く方向は、360°回転可能である。
【0028】
図13に示す実施例2のチューブ取付部材22の背面において、丸い孔は吸気流路222であり、チューブ接続部222aに設けられた孔に通じている。チューブから供給された酸素は、図13に示した吸気流路222からマスク本体21の内部へ供給される。
【0029】
また、図13に示す四角い孔は、チューブ取付部材22に設けた呼気流路223の背面側の入口である。図13に示す呼気流路223は、チューブ取付部材22の下面である図12の呼気排出口223aから呼気をマスク外部へ排出する。呼気が通過する呼気流路223の両側には、光が透過する窓部223cが設けられている。窓部223cの一つは図11に示されており、もう一つの窓部223cは図11に示された窓部223cに対向する位置に設けられている。2つの窓部223cの位置を図10に示す。窓部223cを設けた部分の呼気流路223は四角い孔であり、その対向する2壁に窓部223cが設けられている。
【0030】
チューブ取付部材22の中には、吸気流路222と呼気流路223が設けられている。チューブ取付部材22の中では、チューブ取付部材22の背面からチューブ接続部222aの中まで、吸気流路222の孔が形成されている。吸気流路222は、正面側係止部221aの面に垂直に設けられた孔が、チューブ取付部材22の中で90°側方に曲がって、チューブ接続部222aの中を通過している。吸気流路222には実施例1のようなカバー部はないが、吸気流路222の曲がりにより、酸素を供給するためのチューブに吐出物又は吐出液が入ることが抑止できる。しかし、実施例1のようにカバー部を設ければ、吐出物等がチューブに入ることを確実に防止することができる。呼気流路223は、正面側係止部221aの面に垂直に設けられた四角い孔が、チューブ取付部材22の中で90°下方に曲がってセンサ取付部223bに設けられた窓部223cの間を通過し、下方を向いた呼気排出口223aに接続している。呼気流路223にはカバー部はない。
【0031】
図8に示したガスセンサ3は、凹字型の形状を有している。図14に、ガスセンサ3を取り付けたチューブ取付部材22の下面図を示す。ガスセンサ3は、呼気流路223が内部を通過するセンサ取付部223bに、跨がるように取り付けられている。ガスセンサ3の二股の一方には内部に赤外線発光素子が、他方には内部に赤外線の受光素子が設けられている。そして、窓部223cの一方に向けて赤外線を照射し、呼気流路223を通過した赤外線を他方の窓部223cを介して受光する。特定波長の赤外線は二酸化炭素で吸収されるため、受光した特定波長の赤外線の強度により、呼気流路223を流れる呼気中の二酸化炭素濃度を検出することができる。
【0032】
図8、9に示す実施例2のガス吸入用マスク2においても、マスク本体21を被検者Sの顔に取り付けた際に、チューブ軸線TAが被検者Sの顔に直に向かないようになっている。そのため、マスク本体21を変形させる力がチューブからマスク本体21に伝わりにくい。また、ガス吸入用マスク2を被検者Sに取り付けた際に、チューブの取り回しが容易である。加えて、実施例2のガス吸入用マスク2は、チューブ接続部222aおよびチューブ軸線の向く方向が360°回転可能となっている。そのため、さらにチューブの取り回しが容易であるとともに、マスク本体21を変形させる力がチューブからマスク本体21に伝わりにくい。
【実施例0033】
図15に、被検者Sに取り付けた実施例3のガス吸入用マスク4の側面図を示す。図15では、マスク本体41を側断面で示し、マスク本体41に取り付けられたチューブ取付部材42を側面で示す。図15では、仰向けに寝た被検者Sの顔にガス吸入用マスク4が取り付けられている。弾性バンド43は、図15では記載を省略し、マスク本体41を示す図16に記載している。マスク本体41の形状は、半球面状である。チューブ取付部材42は、実施例2のチューブ取付部材22と同じものであり、内部に吸気流路422と呼気流路423(図示せず)が通過し、チューブ接続部422a、呼気排出口423a、センサ取付部423b、窓部423cを有する。図15に示すように、取付開口411の中心は、マスク本体41を被検者Sに取り付けた際に、矢印で示す正面から見て被検者Sの鼻Nの下と口Mの間の位置している。
【0034】
実施例3では、マスク本体41の取付開口411において切り欠いた部分の一部が残っており、カバー部412を形成している。図16は、マスク本体41の背面図である。厚紙で形成されたマスク本体41の部分を斜線で示している。マスク本体41は、中心部のやや下方が半円状に切り抜かれており、取付開口411を形成している。また、中心部の上方には円弧状に切れ目が入れられ、マスク本体41の背面側に向けて倒れるように折られてカバー部412を形成している。カバー部412は、折り目の近傍で外側のマスク本体41と繋がっている。実施例3では繋がり部分があるため、チューブ取付部材42は回転しない。
【0035】
図15に示す実施例3のガス吸入用マスク4においても、マスク本体41を被検者Sの顔に取り付けた際に、チューブ軸線が被検者Sの顔に直に向かないようになっている。そのため、マスク本体41を変形させる力がチューブからマスク本体41に伝わりにくい。また、被検者Sに取り付けた際に、チューブの取り回しが容易である。
【0036】
図15に示すように、マスク本体41に設けられたカバー部412は、被検者Sの口の位置とチューブ取付部材42における吸気流路422の出口の間に位置して、フィルタの機能を果たしている。被検者Sの口からの吐出物又は吐出液は、カバー部412により吸気流路422に入りにくい。そのため、酸素を供給するためのチューブに吐出物又は吐出液が入ることを抑止できる。また、吸気流路422は90°屈曲しており、さらに吐出物等がチューブに到達しにくい。チューブは汚染されないため使い捨てにする必要がなく、再利用によりプラスチックの廃棄量をさらに削減することができる。
【実施例0037】
図17に、実施例4におけるマスク本体51の正面図を示す。マスク本体51は円形の取付開口511を有しており、実施例1のチューブ取付部材12や実施例2のチューブ取付部材22を回転可能に取り付けることができる。マスク本体51は、取付開口511の両側に開口部513が設けられている。マスク本体51には、2本の弾性バンド53が固定されている。
【0038】
実施例1~3において、マスク本体は厚紙で形成されており、透明性がない。そのため、マスク本体を用いたガス吸入用マスクを被検者Sに取り付けると、被検者Sの顔色等を見ることができない。しかし、実施例1~3と異なり、図17に示した実施例4のマスク本体51には、両側に開口部513が設けられている。そして、開口部513からマスク本体51の内側における被検者Sの顔を視認可能である。開口部513からは供給された酸素が漏れるが、マスク本体51で覆われている部分があるため、被検者Sは高濃度の酸素を摂取することができる。実施例2、3のチューブ取付部材22、42を用いる場合には、呼気の一部が呼気流路223、423に入ることにより、呼気の二酸化炭素濃度を検出することができる。また、通常はマスク内部の呼気を吹き飛ばすため5L/min以上の酸素を流すことが推奨されているが、実施例4ではマスク本体が開口しているため呼気の再吸入が少なく、定流量の酸素も投与することができる。
【実施例0039】
図18に、被検者Sに取り付けた実施例5におけるガス吸入用マスク6の側面図を示す。マスク本体61は側断面で示し、マスク本体61に取り付けられたチューブ取付部材62を側面で示す。図18では、仰向けに寝た被検者Sの顔にガス吸入用マスク6が取り付けられている。チューブ取付部材62は、実施例1、2と同様に、係止部621によってマスク本体61の取付開口611に回転可能に取り付けられている。図18では、弾性バンドの記載は省略している。実施形態5では、マスク本体61の周囲にフランジ部623が形成されている。そして、フランジ部623によって、被検者Sの顔に当たるマスク本体61の縁の幅を広くしている。
【0040】
図18に示すように、チューブ取付部材62におけるチューブ接続部622aの方向は斜めになっている。チューブ接続部622aの中には、他の実施例と同様に吸気流路622(図示せず)が設けられている。取付開口611の中心は、マスク本体11を被検者Sに取り付けた際に、矢印で示す正面から見て被検者Sの鼻Nの下と口Mの間の位置している。実施例5では、取付開口611の中心はマスク本体61の中心と一致している。ガス吸入用マスク6を被検者Sの顔に取り付けた際の額F-顎C方向を縦方向とし、顔の左右方向を横方向とした場合、マスク本体61の中心と取付開口611の中心のずれは、縦方向、横方向ともに、マスク本体61の幅の10%以内であることが好ましい。
【0041】
図18において、接続するチューブ(図示せず)の軸線であるチューブ軸線TAを点線で、取付開口611の垂直方向Vを一点鎖線で示す。図18に示すように、チューブ接続部622aは、取り付けられるチューブの軸線であるチューブ軸線TAが、取付開口611の垂直方向Vに対して60°の方向となっている。これにより、チューブ接続部622aは、取付開口611の垂直方向Vからずらした方向に向けてチューブが接続するように構成されている。なお、実施例1等では、チューブ軸線TAが、取付開口611の垂直方向Vに対して90°の方向である。そして、実施例5においても、マスク本体61を被検者Sに取り付けた際に、チューブ取付部材62のチューブ接続部622aに接続したチューブ軸線TAが、被検者Sの顔に直に向かないようになっている。このため、チューブ接続部622aにチューブを接続した際に、チューブの取り回しを行い易い。さらに、マスク本体61の取付開口611の近傍にも力が加わりにくく、マスク本体61が変形しにくい。加えて、実施例5のガス吸入用マスク6は、チューブ接続部622aおよびチューブ軸線TAの向く方向が回転可能となっている。そのため、さらにチューブの取り回しが容易であるとともに、マスク本体61を変形させる力がチューブからマスク本体61に伝わりにくい。
【0042】
実施例5におけるマスク本体61では、周囲に縁から外側に向けた顔当接片であるフランジ部623を設けて被検者Sの顔に当たる縁の幅を広くしている。しかし、マスク本体の全周または全周の一部に、縁から内側に向けた顔当接片を設けても被検者Sの顔に当たる部分の面積を増やしてもよい。また、顔の形状に沿うように縁の形状を曲面としてもよい。
【実施例0043】
上記の各実施例では、ガス吸入用マスクのマスク本体を半球状としたが、くちばし型(ダイヤモンド型、三つ折り型等とも言われる)マスクを用いてもよい。図19に、実施例6におけるガス吸入用マスク7の側面図を示す。ガス吸入用マスク7におけるマスク本体71と弾性バンド73は、くちばし型マスクである。弾性バンド73を被検者Sの耳にかけて使用する。図19では、三つ折りを開いた状況を示す。マスク本体71はプラスチック繊維を用いており、主にポリプロピレンの不織布で形成されている。
【0044】
実施例6のガス吸入用マスク7は、マスク本体71にチューブ取付部材72を接着して固定している。実施例1のチューブ取付部材12と同様に、吸気流路722は、チューブ接続部722aの孔からマスク本体71の方向へ90°曲がり、マスク本体71に向けた孔に繋がっている。実施例1等と異なり、マスク本体71には取付開口が設けられておらず、チューブ取付部材72の固定部723がマスク本体71に接着されている。
【0045】
マスク本体71に取付開口が設けられていないため、チューブ取付部材72における吸気流路722の出口は、マスク本体71の一部により塞がれている。しかし、マスク本体71は不織布であるため、吸気流路722を通過した酸素はマスク本体71を通過して、マスク本体71の背面側に供給される。このように、実施例6では、マスク本体71の一部がカバー部となっている。そして、被検者Sの口からの吐出物又は吐出液は、マスク本体71の一部であるカバー部により吸気流路722に入らない。吸気流路722からの酸素供給を停止している時であっても、吐出物等は吸気流路722には入らない。そのため、酸素を供給するためにチューブ接続部722aに接続するチューブに、吐出物又は吐出液が入ることを防止できる。チューブは汚染されないため使い捨てにする必要がなく、再利用によりプラスチックの廃棄量をさらに削減することができる。
【0046】
チューブ取付部材72は、固定部723と回転部724の間が回転可能に接続されている。そのため、チューブ接続部722aが突出する方向およびチューブ軸線TAの方向は、360°回転可能である。実施例6の場合、チューブの軸線であるチューブ軸線TAは、チューブ取付部材72のマスク本体71への取り付け面に対する垂直方向Vに対して90°の方向になるが、被検者Sの顔に直に向かない方向である。
【0047】
図19に示す実施例6のガス吸入用マスク7においても、マスク本体71を被検者Sの顔に取り付けた際に、チューブ軸線が被検者Sの顔に直に向かないようになっている。そのため、マスク本体71を変形させる力がチューブからマスク本体71に伝わりにくい。また、被検者Sに取り付けた際に、チューブの取り回しが容易である。加えて、実施例6のガス吸入用マスク7は、チューブ接続部722aおよびチューブ軸線の向く方向が360°回転可能となっている。そのため、さらにチューブの取り回しが容易であるとともに、マスク本体71を変形させる力がチューブからマスク本体71に伝わりにくい。
【0048】
上記の各実施例では、ガス吸入用マスクのマスク本体を半球状やくちばし型(ダイヤモンド形状)マスクとしたが、顔に沿った形状等の他の形状としてもよい。しかし、被検者Sの呼気のタイミングで供給されるガスを有効に用いるため、マスク本体と一般的な被検者Sの顔との間に30cc以上、200cc以下の空間があることが好ましく、80cc以上、150cc以下の空間があることが更に好ましい。
【0049】
本発明の実施例1~5では、天然繊維を原料とした紙によりマスク本体を形成し、硬質プラスチックである硬質塩化ビニルによりチューブ取付部材を形成する。しかし、マスク本体は布や実施例6のような不織布により形成されてもよい。紙、不織布、または布は、素材の一部または全部を、実施例6のようにプラスチック繊維で形成してもよい。不織布や布は、マスク本体の背面側に空間が保てるような硬さを有していることが好ましい。不織布や布は、通気性があっても良く、通気性がなくてもよい。
【0050】
マスク本体に用いる紙や不織布や布の繊維の原材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、綿、木質パルプ等を用いることができる。従来のマスク本体は軟質塩化ビニルやポリエステル等の高分子化合物を成形して製造している。プラスチック成形の際に溶けた素材を型に入れて固めるため、マスク本体に厚みが生じる。そのため、使用するプラスチックの重量が大きくなる。不織布や布では、従来のような成形は行わず、ポリエステル繊維等を用いたとしても薄く形成することができる。紙や不織布や布は繊維を用いるため、薄くてもマスク本体に必要な強度と硬さを得ることができる。マスク本体の素材の全てをプラスチックで形成したとしても、従来のプラスチック製のマスク本体よりも少ない重量のプラスチックで形成することができる。使用する繊維を、天然繊維をプラスチック繊維に混入したものとしたり、全て天然繊維としたりすれば、さらに環境負荷の小さいマスク本体を形成することができる。
【0051】
実施例は被検者に酸素を供給するものであるが、他のガスを供給するものであってもよい。また、チューブ取付部材は、プラスチック以外に金属等で形成してもよい。チューブ取付部材は、マスク本体と比べて小さいため実施形態では硬質プラスチックを用いているが、おが屑を接着剤で固めたもの等の天然素材由来の材質を用いれば、さらに環境負荷を小さくすることができる。
【0052】
実施例に示すように、マスク本体を被検者に取り付けた際に、チューブ接続部に接続したチューブの軸線であるチューブ軸線が被検者の顔に直に向かないように、チューブ取付部材が構成される。チューブ接続部は、取付開口の垂直方向からずらした方向に向けてチューブが接続する。チューブ軸線と、取付開口ないしチューブ取付部材の取り付け面の垂直方向の間の角度は、実施例1~4、6において90°であり、実施例5では60°である。チューブ軸線は、取付開口ないしチューブ取付部材の取り付け面の垂直方向に対して45°以上100°以下であることが好ましく、60°以上95°以下であることが更に好ましい。
【0053】
実施例1、2、4、5では、取付開口を円形として、正面側係止部、係止部接続部、背面側係止部により保持してチューブ取付部材をマスク本体の取付開口に360°回転可能に取り付けている。しかし、取付開口の形状を変える等により、360°の一部の範囲で回転可能としてもよい。また、実施例3のように、取付開口の形状により回転しないように取り付けてもよく、チューブ取付部材を取付開口の周りでマスク本体に接着して固定してもよく、取付開口の縁をチューブ取付部材の構成により強く挟むなどして強固に固定してもよい。
【0054】
実施例1では、吸気流路122の出口に網目材のカバー部123を設け、実施例3では、マスク本体41から取付開口411を形成する際の切欠きの一部をカバー部412とした。しかし、被検者Sの口の位置と吸気流路の間に他の部材を設けて、カバー部としてもよい。また、吸気流路の中に通気性部材を取り付けて、カバー部としてもよい。カバー部を設けることにより、吸気流路からのガス供給を停止している時に、被検者の口から吐出物又は吐出液をフィルタして、ガスを供給するチューブに入ることを防止することができる。吐出物や吐出液は、チューブからのガス供給を停止している時に特にチューブまで到達し易い。カバー部があることによりチューブは汚染されないため、プラスチック製のチューブを使い捨てにする必要がなく、プラスチックの廃棄量を削減することができる。
【0055】
実施例2、3では二酸化炭素濃度検出として呼気を直接測定するメインストリーム方式を用いているが、呼気の一部を吸引するサイドストリーム方式の二酸化炭素濃度検出方法を用いてもよい。
【0056】
その他、具体的な構成は実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 ガス吸入用マスク
11 マスク本体
111 取付開口
12 チューブ取付部材
121 係止部
121a 正面側係止部
121b 係止部接続部
121c 背面側係止部
122 吸気流路
122a チューブ接続部
123 カバー部
13 弾性バンド
2 ガス吸入用マスク
21 マスク本体
211 取付開口
22 チューブ取付部材
221 係止部
221a 正面側係止部
221b 係止部接続部
221c 背面側係止部
222 吸気流路
222a チューブ接続部
223 呼気流路
223a 呼気排出口
223b センサ取付部
223c 窓部
23 弾性バンド
3 ガスセンサ
31 センサ配線
4 ガス吸入用マスク
41 マスク本体
411 取付開口
412 カバー部
42 チューブ取付部材
421 係止部
422 吸気流路
422a チューブ接続部
423 呼気流路
423a 呼気排出口
423b センサ取付部
423c 窓部
43 弾性バンド
5 ガス吸入用マスク
51 マスク本体
511 取付開口
513 開口部
53 弾性バンド
6 ガス吸入用マスク
61 マスク本体
611 取付開口
62 チューブ取付部材
621 係止部
622 吸気流路
622a チューブ接続部
623 フランジ部
7 ガス吸入用マスク
71 マスク本体
72 チューブ取付部材
722 吸気流路
722a チューブ接続部
723 固定部
724 回転部
73 弾性バンド
S 被検者
N 鼻
M 口
C 顎
F 額
TA チューブ軸線
V 垂直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19