(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052130
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】姿勢調整装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/31 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
B65G47/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158631
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】志岐 清
(72)【発明者】
【氏名】中西 祥太
(72)【発明者】
【氏名】滝本 隆
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA20
3F081BC05
3F081BF15
3F081CC12
3F081EA09
3F081EA14
3F081EA15
3F081EA17
(57)【要約】
【課題】様々な底面形状の搬送物の姿勢調整を適切に行うことができる姿勢調整装置を実現する。
【解決手段】姿勢調整装置は、搬送幅方向Yに隣り合う第1コンベヤ部21と第2コンベヤ部22のそれぞれの搬送速度を互いに異ならせることができるように構成された姿勢調整コンベヤを備え、第1コンベヤ部21の搬送面が、第1端部71では搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って上下方向Zの下側Z2となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第2端部72へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、第2コンベヤ部22の搬送面が、第1端部71では搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って上下方向の下側となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第2端部72へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されている
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物の姿勢を調整する姿勢調整装置であって、
前記搬送物を規定の搬送方向に沿って搬送しつつ前記搬送物の姿勢を調整する姿勢調整コンベヤを備え、
前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、
前記姿勢調整コンベヤは、前記搬送幅方向に隣り合うように並列配置された第1コンベヤ部と第2コンベヤ部とを備えると共に、前記第1コンベヤ部の搬送速度と前記第2コンベヤ部の搬送速度とを異ならせることができるように構成され、
前記搬送幅方向における、前記第2コンベヤ部に対して前記第1コンベヤ部が配置された側を搬送幅方向第1側とし、その反対側を搬送幅方向第2側とし、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第1端部とすると共に他方を第2端部として、
前記第1コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第2側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、
前記第2コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第1側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されている、姿勢調整装置。
【請求項2】
前記第1コンベヤ部は、複数の第1ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、
前記第1ローラは、前記搬送幅方向の一部の領域である第1特定領域の表面が、当該第1特定領域よりも前記搬送幅方向第1側の領域である第1外側領域に比べて摩擦係数の高い材質により形成され、
前記第2コンベヤ部は、複数の第2ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、
前記第2ローラは、前記搬送幅方向の一部の領域である第2特定領域の表面が、当該第2特定領域よりも前記搬送幅方向第2側の領域である第2外側領域に比べて摩擦係数の高い材質により形成され、
前記第1コンベヤ部は、複数の前記第1ローラを駆動する第1駆動ベルトを備え、
前記第1駆動ベルトは、複数の前記第1ローラにおける前記第1外側領域の下面に接触して駆動力を伝達するように構成され、
前記第2コンベヤ部は、複数の前記第2ローラを駆動する第2駆動ベルトを備え、
前記第2駆動ベルトは、複数の前記第2ローラにおける前記第2外側領域の下面に接触して駆動力を伝達するように構成されている、請求項1に記載の姿勢調整装置。
【請求項3】
前記第1コンベヤ部は、複数の第1ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、
前記第1ローラのそれぞれの回転軸心が、前記搬送幅方向第1側に向かうに従って前記搬送方向の下流側へ向かうように傾斜し、
前記第2コンベヤ部は、複数の第2ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、
前記第2ローラのそれぞれの回転軸心が、前記搬送幅方向第2側に向かうに従って前記搬送方向の下流側へ向かうように傾斜している、請求項1又は2に記載の姿勢調整装置。
【請求項4】
前記姿勢調整コンベヤは、前記第1コンベヤ部に対して下流側に配置された第3コンベヤ部と、前記第2コンベヤ部に対して下流側に配置されていると共に前記第3コンベヤ部に対して前記搬送幅方向第2側に配置された第4コンベヤ部と、を更に備え、前記第3コンベヤ部の搬送速度と前記第4コンベヤ部の搬送速度とを異ならせることができるように構成され、
前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第3端部とすると共に他方を第4端部として、
前記第3コンベヤ部の搬送面が、前記第3端部では前記搬送幅方向第2側に向かうに従って前記上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第4端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、
前記第4コンベヤ部の搬送面が、前記第3端部では前記搬送幅方向第1側に向かうに従って前記上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第4端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されている、請求項1又は2に記載の姿勢調整装置。
【請求項5】
前記第1端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記下流側端部であり、
前記第2端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記上流側端部であり、
前記第3端部は、前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部の前記上流側端部であり、
前記第4端部は、前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部の前記下流側端部である、請求項4に記載の姿勢調整装置。
【請求項6】
前記第1端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記上流側端部であり、
前記第2端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記下流側端部である、請求項1又は2に記載の姿勢調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物の姿勢を調整する姿勢調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような姿勢調整装置の一例が、特開2010-100398号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、長方形又は正方形の搬送物に対し、姿勢調整コンベヤにおける搬送方向の左右で速度差を付与して、搬送物の向きを調整する姿勢調整装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置では、底面の形状が平面である搬送物の姿勢調整を行うことが想定されているが、姿勢調整装置の用途によっては、底面の形状が異なる複数種類の搬送物の姿勢調整を行うことが必要な場合もある。しかしながら、特許文献1に記載された姿勢調整装置では、そのような点について特段の考慮がされていなかった。そのため、搬送方向の左右で速度差を付与しても、底面の形状によっては姿勢変化が不十分になる場合があった。
【0005】
そこで、様々な底面形状の搬送物の姿勢調整を適切に行うことができる技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、搬送物の姿勢を調整する姿勢調整装置の特徴構成は、前記搬送物を規定の搬送方向に沿って搬送しつつ前記搬送物の姿勢を調整する姿勢調整コンベヤを備え、前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記姿勢調整コンベヤは、前記搬送幅方向に隣り合うように並列配置された第1コンベヤ部と第2コンベヤ部とを備えると共に、前記第1コンベヤ部の搬送速度と前記第2コンベヤ部の搬送速度とを異ならせることができるように構成され、前記搬送幅方向における、前記第2コンベヤ部に対して前記第1コンベヤ部が配置された側を搬送幅方向第1側とし、その反対側を搬送幅方向第2側とし、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第1端部とすると共に他方を第2端部として、前記第1コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第2側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、前記第2コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第1側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されていることにある。
【0007】
本構成によれば、搬送物の底面が上下方向の下側に突出するように湾曲している場合には、第1コンベヤ部と第2コンベヤ部との境界付近が上下方向の下側となるように姿勢調整コンベヤの搬送面が傾斜している方が、搬送物の底面と姿勢調整コンベヤの搬送面との接触面積を多く確保し易い。一方、搬送物の底面が平面又は平面に近い場合には、姿勢調整コンベヤの搬送面も平面の方が、搬送物の底面と姿勢調整コンベヤの搬送面との接触面積を多く確保し易い。本構成によれば、底面が下側に突出するように湾曲している搬送物に対しては、第1端部側の区間で適切に姿勢調整を行うことができ、底面が平面又は平面に近い形状の搬送物に対しては、第2端部側の区間で適切に姿勢調整を行うことができる。従って、様々な底面形状の搬送物の姿勢調整を適切に行うことができる。
【0008】
姿勢調整装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の姿勢調整装置の制御構成を示すブロック図。
【
図3】
図1の第1コンベヤ部を搬送幅方向第1側Y1から視た側面図。
【
図4】
図1の第2コンベヤ部を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図。
【
図5】
図1の第1ローラ及び第2ローラを上流側X1から視た正面図。
【
図7】第2実施形態の姿勢調整装置の制御構成を示すブロック図。
【
図9】第3実施形態の姿勢調整装置の制御構成を示すブロック図。
【
図10】
図9の第1コンベヤ部及び第3コンベヤ部を搬送幅方向第1側Y1から視た側面図。
【
図11】
図9の第2コンベヤ部及び第4コンベヤ部を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図。
【
図12】
図9の第3ローラ及び第4ローラを上流側X1から視た正面図。
【
図13】
図9の第1ローラ、第2ローラ、第3ローラ、及び、第4ローラの斜視図。
【
図14】第4実施形態の姿勢調整装置における第2コンベヤ部及び第4コンベヤ部を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施形態〕
以下では、第1の実施形態に係る姿勢調整装置10について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の姿勢調整装置10の制御構成を示すブロック図である。姿勢調整装置10は、搬送物11を規定の搬送方向Xに沿って搬送しつつ搬送物11の姿勢Sを調整する姿勢調整コンベヤ20を備えている。
図2は、姿勢調整コンベヤ20の上面図である。搬送物11は、特に限定されないが、例えば、外形、大きさ、重さ等が異なる複数の荷物である。好適には、搬送物11は空港で検査される手荷物である。ここで、搬送方向Xに直交する方向を搬送幅方向Yとする。また、垂直方向に沿う方向を上下方向Zとする。また、上流側X1は搬送方向Xの上流側を指し、下流側X2は搬送方向Xの下流側を指す。
【0011】
搬送物11の姿勢Sは、少なくとも搬送物11の平面視での角度θ(°)である。本実施形態では、搬送物11の姿勢Sは、搬送物11の平面視での角度θ、及び、搬送物11の搬送幅方向Yの位置P(mm)である。搬送物11の平面視での角度θは、例えば、上下方向視での角度であり搬送物11の目標姿勢Srの状態の目標角度θ
Rを0(°)とした時の搬送物11の角度である。搬送物11の搬送幅方向Yの位置Pは、例えば、搬送物11の目標姿勢Srの状態の目標位置P
Rを0(mm)とした時の搬送物11の位置である。搬送物11の目標姿勢Srは、搬送物11の種類ごとに定められても良い。
図2の例では、搬送物11の長辺が搬送方向Xと平行の状態の角度θを、目標角度θ
Rすなわち0(°)とし、上下方向視における搬送物11の中心の位置Pが姿勢調整コンベヤ20の搬送幅方向Yの中央と重なる位置を、目標位置P
Rすなわち0(mm)としている。搬送物11の中心としては、例えば、搬送物11の重心や搬送物11の長辺及び短辺の中点(言い換えれば、対角線の交点)が挙げられる。
【0012】
姿勢調整コンベヤ20は、搬送幅方向Yに隣り合うように並列配置された第1コンベヤ部21と第2コンベヤ部22とを備えると共に、姿勢調整コンベヤ20は、第1コンベヤ部21の搬送速度V1(m/s)と第2コンベヤ部22の搬送速度V2(m/s)とを異ならせることができるように構成されている。
【0013】
ここで、搬送幅方向Yにおける、第2コンベヤ部22に対して第1コンベヤ部21が配置された側を搬送幅方向第1側Y1とし、その反対側を搬送幅方向第2側Y2とする。また、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第1端部71とすると共に他方を第2端部72とする。
【0014】
図3は、第1コンベヤ部21を搬送幅方向第1側Y1から視た側面図である。
図4は、第2コンベヤ部22を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図である。本実施形態では、第1コンベヤ部21は複数の第1ローラ23を備え、第2コンベヤ部22は複数の第2ローラ24を備えている。
図5は、第1ローラ23及び第2ローラ24を搬送方向Xの上流側X1から視た正面図である。
図6は、第1ローラ23及び第2ローラ24の斜視図である。
【0015】
図3、
図5及び
図6に示すように、第1コンベヤ部21の搬送面21aは、第1端部71では搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って上下方向Zの下側Z2となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第2端部72へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度φ1が次第に小さくなるように構成されている。本実施形態では、第1コンベヤ部21は、
図1に示すように、複数の第1ローラ23が搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、第1ローラ23のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜している。
【0016】
図示の例では、第1端部71は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部であり、第2端部72は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部である。このため、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側X2で搬送面21a及び22aが水平に近づくため、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22に対して下流側X2に接続されるコンベヤが水平な搬送面を有している場合に、当該コンベヤとの接続部において円滑に搬送物11を搬送することができる。なお、第1端部71を第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部とし、第2端部72を第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部としても良い。この場合は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側X1に接続されるコンベヤが水平な搬送面を有している場合に、当該コンベヤとの接続部において円滑に搬送物11を搬送することができる。
【0017】
図5に示すように、第1ローラ23は、本実施形態では、搬送幅方向Yの一部の領域である第1特定領域23aの表面が、第1特定領域23aよりも搬送幅方向第1側Y1の領域である第1外側領域23bに比べて摩擦係数の高い材質により形成されている。また、
図3に示すように、第1コンベヤ部21は、本実施形態では、複数の第1ローラ23を駆動する第1駆動ベルト27を備えている。この第1駆動ベルト27は、複数の第1ローラ23における第1外側領域23bの下面に接触して駆動力を伝達するように構成されている。好適には、第1駆動ベルト27は、第1特定領域23aに接触しないように構成される。
【0018】
図4から
図6に示すように、第2コンベヤ部22の搬送面22aは、第1端部71では搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って上下方向Zの下側Z2となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第2端部72へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度φ2が次第に小さくなるように構成されている。本実施形態では、第2コンベヤ部22は、
図1に示すように、複数の第2ローラ24が搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、第2ローラ24のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜している。
【0019】
図5に示すように、第2ローラ24は、本実施形態では、搬送幅方向Yの一部の領域である第2特定領域24aの表面が、第2特定領域24aよりも搬送幅方向第2側Y2の領域である第2外側領域24bに比べて摩擦係数の高い材質により形成されている。また、
図4に示すように、第2コンベヤ部22は、本実施形態では、複数の第2ローラ24を駆動する第2駆動ベルト28を備えている。この第2駆動ベルト28は、複数の第2ローラ24における第2外側領域24bの下面に接触して駆動力を伝達するように構成されている。好適には、第2駆動ベルト28は、第2特定領域24aに接触しないように構成される。
【0020】
本実施形態では、第1コンベヤ部21は、上流側X1の区間である第1上流側区間21uの搬送速度V1u(m/s)と、第1上流側区間21uに対して下流側X2の区間である第1下流側区間21dの搬送速度V1d(m/s)とを異ならせることができるように構成されている。また、第2コンベヤ部22は、上流側X1の区間である第2上流側区間22uの搬送速度V2u(m/s)と、第2上流側区間22uに対して下流側X2の区間である第2下流側区間22dの搬送速度V2d(m/s)とを異ならせることができるように構成されている。図示の例では、第1上流側区間21uと第1下流側区間21dとが搬送方向Xに隣り合っている。また、第2上流側区間22uと第2下流側区間22dとが搬送方向Xに隣り合っている。
【0021】
また、姿勢調整コンベヤ20は、本実施形態では、第1コンベヤ部21を駆動する第1駆動装置25と、第2コンベヤ部22を駆動する第2駆動装置26とを備えている。このため、搬送速度V1(m/s)と搬送速度V2(m/s)とを異ならせることができる。
【0022】
第1駆動装置25は、本実施形態では、第1上流駆動装置25uと第1下流駆動装置25dとを備え、
図3に示す第1駆動ベルト27によって、第1上流駆動装置25uが第1上流側区間21uの第1ローラ23を駆動し、第1下流駆動装置25dが第1下流側区間21dの第1ローラ23を駆動することにより、搬送速度V1uと搬送速度V1dとを異ならせることができる。また、第2駆動装置26は、本実施形態では、第2上流駆動装置26uと第2下流駆動装置26dとを備え、
図4に示す第2駆動ベルト28によって、第2上流駆動装置26uが第2上流側区間22uの第2ローラ24を駆動し、第2下流駆動装置26dが第2下流側区間22dの第2ローラ24を駆動することにより、搬送速度V2uと搬送速度V2dとを異ならせることができる。
【0023】
本実施形態では、姿勢調整装置10は、姿勢調整コンベヤ20の上流側X1に上流側台部12を備えている。図示の例では、上流側台部12は複数の上流ローラ12aが搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、上流ローラ12aのそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向Yに沿う方向となっている。このため、上流側台部12上では搬送物11の姿勢Sが変化しない。
【0024】
姿勢調整装置10は、本実施形態では、姿勢調整コンベヤ20の上流側端部での搬送物11の姿勢Sを検出する上流側姿勢検出装置30uを備えている。
図1の例では、姿勢調整コンベヤ20の上流側端部は、第1端部71である。ここで、上流側姿勢検出装置30uにより検出された搬送物11の実際の姿勢Sを上流側実姿勢Suとする。上流側実姿勢Suを検出する位置は、姿勢調整コンベヤ20の上流側端部でも良い。また、姿勢調整コンベヤ20よりも上流側X1において搬送物11の姿勢Sが変化しないのであれば、上流側端部より更に上流側X1でも良い。
【0025】
図示の例では、上流側姿勢検出装置30uは上流側台部12での搬送物11の姿勢Sを検出する。上述のように上流側台部12では搬送物11の姿勢Sが変化しないため、上流側姿勢検出装置30uにより上流側台部12で検出された搬送物11の姿勢Sは姿勢調整コンベヤ20の上流側端部での姿勢Sである上流側実姿勢Suと同じとなる。上流側姿勢検出装置30uは、例えば上流側台部12に備えられたカメラ31uを有することにより、上流側端部での搬送物11の実際の角度である上流側実角度θU及び搬送物11の実際の位置である上流側実位置PU、すなわち上流側実姿勢Suを検出する。
【0026】
本実施形態では、姿勢調整装置10は、姿勢調整コンベヤ20の下流側X2に下流側台部13を備えている。図示の例では、下流側台部13は複数の下流ローラ13aが搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、下流ローラ13aのそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向Yに沿う方向となっている。このため、下流側台部13上では搬送物11の姿勢Sが変化しない。
【0027】
姿勢調整装置10は、本実施形態では、姿勢調整コンベヤ20の下流側端部での搬送物11の姿勢Sを検出する下流側姿勢検出装置30dを更に備えている。
図1の例では、姿勢調整コンベヤ20の下流側端部は、第2端部72である。ここで、下流側姿勢検出装置30dにより検出された搬送物11の実際の姿勢Sを下流側実姿勢Sdとする。下流側実姿勢Sdを検出する位置は、姿勢調整コンベヤ20の下流側端部でも良い。また、姿勢調整コンベヤ20よりも下流側X2において搬送物11の姿勢Sが変化しないのであれば、下流側端部より更に下流側X2でも良い。
【0028】
図示の例では、下流側姿勢検出装置30dは下流側台部13での搬送物11の姿勢Sを検出する。上述のように下流側台部13では搬送物11の姿勢Sが変化しないため、下流側姿勢検出装置30dにより下流側台部13で検出された搬送物11の姿勢Sは姿勢調整コンベヤ20の下流側端部での姿勢Sである下流側実姿勢Sdと同じとなる。下流側姿勢検出装置30dは、例えば下流側台部13に備えられたカメラ31dを有することにより、下流側端部での搬送物11の実際の角度である下流側実角度θD及び搬送物11の実際の位置である下流側実位置PD、すなわち下流側実姿勢Sdを検出する。なお、下流側姿勢検出装置30dと上流側姿勢検出装置30uとが共通の装置であっても良い。なお、下流側姿勢検出装置30dと上流側姿勢検出装置30uとが共通の装置であっても良い。
【0029】
姿勢調整装置10は、本実施形態では、姿勢調整コンベヤ20よりも上流側X1において搬送物11の特性を判定する特性判定装置40を備えている。搬送物11の特性は、姿勢調整装置10に設けられた特性取得部により取得されても良く、特性を含む搬送物情報が外部の装置から送信されて姿勢調整装置10に設けられたデータ取得部41が受信することにより特性が取得されても良い。本実施形態では、特性判定装置40は、上流側台部12に備えられた特性取得部により取得された特性を判定する。図示の例では、上流側姿勢検出装置30uが搬送物11の形状等の特性を取得する特性取得部としても機能している。また、上流側台部12に備えられた重量や重心等の特性を取得する重量測定部42も特性取得部として機能している。
【0030】
特性判定装置40は、本実施形態では、搬送物11の特性に応じて姿勢変化のしにくさを表す特性値Hを設定する。搬送物11の特性は、好適には、搬送物11の底面の形状である。搬送物11の底面の形状は、例えば、上流側台部12に備えられたカメラ31uで取得されても良く、ミリ波CTスキャナ等の走査装置で取得されても良い。また、搬送物11の特性は、搬送物11の大きさ、形状、重量等であっても良い。搬送物11の大きさとしては、例えば、搬送物11の長辺L1の寸法、平面視の面積、底面の面積等が挙げられる。搬送物11の形状としては、例えば、上下方向視の長辺L1と短辺L2との比や底面の形状が挙げられる。搬送物11の材質としては、例えば、搬送物11の底面の材質、硬さ、表面粗さ等が挙げられる。特性値Hは、値が大きいほど搬送物11の姿勢変化がしにくいことを示す。特性値Hは、好適には、搬送物11の底面の形状に応じて設定されるが、上記の複数の特性に応じて設定されても良い。
【0031】
姿勢調整コンベヤ20の下流側端部での目標となる搬送物11の姿勢Sを目標姿勢Srとする。姿勢調整装置10は、姿勢調整コンベヤ20を制御する制御装置50を備えている。この制御装置50は、第1コンベヤ部21の搬送速度V1と第2コンベヤ部22の搬送速度V2との速度差ΔVを制御することにより、第1コンベヤ部21と第2コンベヤ部22との双方に跨って搬送される搬送物11の姿勢Sを変化させる姿勢調整制御を実行する。制御装置50は、姿勢調整制御において、上流側実姿勢Suと目標姿勢Srとの差である調整前姿勢差ΔSuと、特性判定装置40により判定された搬送物11の特性に応じた姿勢変化のしにくさを表す特性値Hと、に基づいて、調整前姿勢差ΔSuが大きいほど速度差ΔVを大きくすると共に、特性値Hが大きいほど速度差ΔVを大きくする。
【0032】
搬送物11は、好適には、姿勢調整コンベヤ20により1個ずつ搬送されて制御装置50により速度差ΔVが制御される。この場合において、速度差ΔVは、搬送物11が姿勢調整コンベヤ20上を通過中に変更されても良いが、本実施形態では、速度差ΔVは、上流側実姿勢Suと目標姿勢Srとの差である調整前姿勢差ΔSuと特性値Hとに基づいて決定された初期速度差ΔVaから変更されない。
【0033】
本実施形態では、例えば、姿勢調整コンベヤ20の搬送速度V(m/s)に対する第1コンベヤ部21の搬送速度V1の調整率を調整率u1(=100・V1/V)、姿勢調整コンベヤ20の搬送速度Vに対する第2コンベヤ部22の搬送速度V2の調整率を調整率u2(=100・V2/V)とする。すなわち、V1=V・u1/100、V2=V・u2/100であり、姿勢調整コンベヤ20の搬送速度V(m/s)と調整率u1(%)から搬送速度V1を決定でき、搬送速度V(m/s)と調整率u2(%)から搬送速度V2を決定できる。
【0034】
調整率u1(%)は下記の(1a)式、調整率u2(%)は下記の(2a)式で表すことができる。
u1=100+(Kθ+KH・H)・(θU-θR)+KP(PU-PR)・・・(1a)
u2=100-(Kθ+KH・H)・(θU-θR)-KP(PU-PR)・・・(2a)
但し、Kθは角度θに対する重み付け係数、KPは位置Pに対する重み付け係数、KHは特性値Hに対する重み付け係数、θRは目標姿勢Sr時の目標角度、PRは目標姿勢Sr時の目標位置である。目標角度θR及び目標位置PRが目標姿勢Srに対応し、上流側実角度θU及び上流側実位置PUが上流側実姿勢Suに対応する。
【0035】
特性値Hは好適には、搬送物11の底面の形状に応じて設定される値であるが、特性値Hが複数の特性に応じて設定されている場合は、下記の(3a)式に示すように特性値Hに対する重み付け係数は複数の特性ごとに設定されても良い。
KH・H=KHA・HA+KHB・HB+KHC・HC+KHD・HD・・・(3a)
(3a)式において、例えば、特性値HAは搬送物11の底面の形状に応じた値であり、特性値HBは重量であり、特性値HCは搬送物11の長辺L1を短辺L2で割った値であり、特性値HDは搬送物11の底面の摩擦係数の逆数である。
【0036】
制御装置50は、本実施形態では、記憶部52と補正処理部54とを備える。記憶部52は、調整前姿勢差ΔSuと、特性値Hと、調整前姿勢差ΔSuと特性値Hとに基づいて速度差ΔVを決定するための制御係数Kと、姿勢調整制御の結果である下流側実姿勢Sdと目標姿勢Srとの差である調整後姿勢差ΔSdと、の関係を示す学習情報を記憶する。補正処理部54は、記憶部52に記憶された学習情報に基づいて、制御係数Kを補正する。
【0037】
本実施形態では、例えば、i個目の搬送物11に対する第1コンベヤ部21における調整率をu1iとすると調整率u1iは下記の(1b)式で表すことができる。また、i個目の搬送物11に対する第2コンベヤ部22における調整率をu2iとすると調整率u2iは下記の(2b)式で表すことができる。
u1i=100+(Kθi+KHi・H)・(θU-θR)+KPi(PU-PR)・・・(1b)
u2i=100-(Kθi+KHi・H)・(θU-θR)-KPi(PU-PR)・・・(2b)
但し、Kθiは角度θに対する重み付け係数、KPiは位置Pに対する重み付け係数、KHiは特性値Hに対する重み付け係数である。
【0038】
制御装置50が調整率u1i及び調整率u2iに基づく姿勢調整制御を実行した結果の下流側端部での搬送物11の角度を下流側実角度θD、位置を下流側実位置PDとする。角度θR及び位置PRが目標姿勢Srに対応し、下流側実角度θD及び下流側実位置PDが下流側実姿勢Sdに対応し、角度θD-θR及び位置PD-PRが調整後姿勢差ΔSdに対応する。
【0039】
記憶部52は、本実施形態では、調整前姿勢差ΔSu(角度θU-θR,位置PU-PR)と、特性値Hと、調整前姿勢差ΔSuと特性値Hとに基づいて速度差ΔVを決定するための制御係数K(重み付け係数Kθi,KPi,KHi)と、調整後姿勢差ΔSd(角度θD-θR,位置PD-PR)と、の関係を示す学習情報を記憶する。
【0040】
更に、i+1個目の搬送物11に対する、角度θに対する重み付け係数をKθi+1、位置Pに対する重み付け係数を重み付け係数KPi+1、特性値Hに対する重み付け係数を重み付け係数KHi+1とする。
【0041】
補正処理部54は、記憶部52に記憶された学習情報に基づいて、制御係数K(重み付け係数Kθi+1,KPi+1,KHi+1)を補正する。好適には、調整後姿勢差ΔSdが閾値J以上の場合に制御係数Kを変更し、調整後姿勢差ΔSdが閾値Jより低い場合は、制御係数Kを変更しない。例えば、角度θD-θRの絶対値が閾値θJより小さい場合は重み付け係数KHi+1は(4b)式で表され、角度θD-θRの絶対値が閾値θJ以上の場合には重み付け係数KHi+1は(5b)式で表される。
KHi+1=KHi ・・・(4b)
KHi+1=KHi+α・・・(5b)
但し、αは予め定められた補正値である。補正値αは、例えば、角度θD-θRが正の場合には正の値とされ、角度θD-θRが負の場合には負の値とされる。なお、閾値J、閾値θJ、補正値αは、実験や機械学習等により定められ得る。
【0042】
〔第2の実施形態〕
以下では、第2の実施形態に係る姿勢調整装置10について、図面を参照して説明する。
図7は、本実施形態の姿勢調整装置10の制御構成を示すブロック図である。
図8は、本実施形態の姿勢調整コンベヤ20の上面図である。本実施形態では、姿勢調整装置10が搬送中姿勢検出装置30mを備えている点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0043】
図7及び
図8に示すように、本実施形態では、姿勢調整装置10は、姿勢調整コンベヤ20の全域で搬送物11の姿勢Sを検出する搬送中姿勢検出装置30mを更に備えている。搬送中姿勢検出装置30mにより検出された搬送物11の実際の姿勢Sを搬送中実姿勢Smとする。図示の例では、姿勢調整コンベヤ20に搬送中姿勢検出装置30mが備えられている。この搬送中姿勢検出装置30mは、例えば姿勢調整コンベヤ20に備えられたカメラ31mを有することにより、姿勢調整コンベヤ20の全域での搬送物11の実際の角度である搬送中実角度θ
M及び搬送物11の実際の位置である搬送中実位置P
M、すなわち搬送中実姿勢Smを検出する。
【0044】
本実施形態では、制御装置50は、上流側実姿勢Suと目標姿勢Srとの差である調整前姿勢差ΔSuと特性値Hとに基づいて初期速度差ΔVaを決定した後、姿勢調整コンベヤ20による搬送物11の搬送中、搬送中実姿勢Smと目標姿勢Srとの差である搬送中姿勢差ΔSmと特性値Hとに基づいて、搬送中姿勢差ΔSmが大きくなるに従って速度差ΔVを大きくすると共に、特性値Hが大きくなるに従って速度差ΔVを大きくするように、速度差ΔVを随時決定する。
【0045】
本実施形態では、搬送物11の搬送中に、姿勢調整コンベヤ20の搬送速度V(m/s)に対する第1コンベヤ部21の搬送速度V1の調整率u1m(=100・V1/V)、及び、姿勢調整コンベヤ20の搬送速度Vに対する第2コンベヤ部22の搬送速度V2の調整率u2m(=100・V2/V)を随時決定することにより、速度差ΔVが随時変更される。搬送物11の搬送中の調整率u1m(%)は下記の(1c)式、調整率u2m(%)は下記の(2c)式で表すことができる。
u1=100+(Kθ+KH・H)・(θM-θR)+KP(PM-PR)・・・(1c)
u2=100-(Kθ+KH・H)・(θM-θR)-KP(PM-PR)・・・(2c)
搬送中実角度θM及び搬送中実位置PMが搬送中実姿勢Smに対応し、角度θM-θR及び位置PM-PRが搬送中姿勢差ΔSmに対応する。
【0046】
本実施形態では、制御装置50は、初期速度差ΔVaを決定した後、姿勢調整コンベヤ20による搬送物11の搬送中、搬送中姿勢差ΔSm(角度θM-θR,位置PM-PR)と特性値Hとに基づいて、搬送中姿勢差ΔSm(角度θM-θR,位置PM-PR)が大きくなるに従って速度差ΔVを大きくすると共に、特性値Hが大きくなるに従って速度差ΔVを大きくするように、速度差ΔVを随時変更する。制御装置50が搬送中姿勢差ΔSmの大きさに応じて速度差ΔVを随時変更する場合に、比例積分制御演算(PI制御演算)や、比例積分微分制御演算(PID制御演算)等が用いられても良い。本実施形態では、制御装置50が記憶部52と補正処理部54とを備えることが好ましいが、制御装置50が記憶部52と補正処理部54とを備えなくても良い。
【0047】
〔第3の実施形態〕
以下では、第3の実施形態に係る姿勢調整装置10について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態の姿勢調整装置10の制御構成を示すブロック図である。本実施形態では、姿勢調整コンベヤ20が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122を備えている点で第2の実施形態と異なっている。以下では、第2の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第2の実施形態と同様とする。本実施形態では、第1コンベヤ部21が第1上流側区間21uと第1下流側区間21dとに分かれていないが、分かれていても良い。同様に、本実施形態では、第2コンベヤ部22が第2上流側区間22uと第2下流側区間22dとに分かれていないが、分かれていても良い。
【0048】
本実施形態では、姿勢調整コンベヤ20は、第1コンベヤ部21に対して下流側X2に配置された第3コンベヤ部121と、第2コンベヤ部22に対して下流側X2に配置されていると共に第3コンベヤ部121に対して搬送幅方向第2側Y2に配置された第4コンベヤ部122と、を更に備えている。また、姿勢調整コンベヤ20は、第3コンベヤ部121の搬送速度V3(m/s)と第4コンベヤ部122の搬送速度V4(m/s)とを異ならせることができるように構成されている。図示の例では、第1コンベヤ部21と第3コンベヤ部121とが隣り合っている。また、第2コンベヤ部22と第4コンベヤ部122とが隣り合っている。
【0049】
ここで、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第3端部73とすると共に他方を第4端部74とする。好適には、第1端部71は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部であり、第2端部72は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部であり、第3端部73は、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の上流側端部であり、第4端部74は、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の下流側端部である。
【0050】
図10は、第1コンベヤ部21及び第3コンベヤ部121を搬送幅方向第1側Y1から視た側面図である。
図11は、第2コンベヤ部22及び第4コンベヤ部122を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図である。本実施形態では、第3コンベヤ部121は複数の第3ローラ123を備え、第4コンベヤ部122は複数の第4ローラ124を備えている。
図12は、第3ローラ123及び第4ローラ124を搬送方向Xの上流側X1から視た正面図である。
図13は、第1ローラ23、第2ローラ24、第3ローラ123、及び、第4ローラ124の斜視図である。
【0051】
図10、
図12及び
図13に示すように、第3コンベヤ部121の搬送面121aは、第3端部73では搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って上下方向Zの下側Z2となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第4端部74へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度φ3が次第に小さくなるように構成されている。本実施形態では、第3コンベヤ部121は、
図9に示すように、複数の第3ローラ123が搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、第3ローラ123のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜している。
【0052】
図12に示すように、第3ローラ123は、本実施形態では、搬送幅方向Yの一部の領域である第3特定領域123aの表面が、第3特定領域123aよりも搬送幅方向第1側Y1の領域である第3外側領域123bに比べて摩擦係数の高い材質により形成されている。また、
図10に示すように、第3コンベヤ部121は、本実施形態では、複数の第3ローラ123を駆動する第3駆動ベルト127を備えている。この第3駆動ベルト127は、複数の第3ローラ123における第3外側領域123bの下面に接触して駆動力を伝達するように構成されている。好適には、第3駆動ベルト127は、第3特定領域123aに接触しないように構成される。
【0053】
図11から
図13に示すように、第4コンベヤ部122の搬送面122aは、第3端部73では搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って上下方向Zの下側Z2となるように搬送幅方向Yに傾斜していると共に、第4端部74へ向かうに従って搬送幅方向Yにおける水平面に対する傾斜角度φ4が次第に小さくなるように構成されている。本実施形態では、第4コンベヤ部122は、
図9に示すように、複数の第4ローラ124が搬送方向Xに並ぶように配置されたローラコンベヤであり、第4ローラ124のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜している。
【0054】
図12に示すように、第4ローラ124は、本実施形態では、搬送幅方向Yの一部の領域である第4特定領域124aの表面が、第4特定領域124aよりも搬送幅方向第2側Y2の領域である第4外側領域124bに比べて摩擦係数の高い材質により形成されている。また、
図11に示すように、第4コンベヤ部122は、本実施形態では、複数の第4ローラ124を駆動する第4駆動ベルト128を備えている。この第4駆動ベルト128は、複数の第4ローラ124における第4外側領域124bの下面に接触して駆動力を伝達するように構成されている。好適には、第4駆動ベルト128は、第4特定領域124aに接触しないように構成される。
【0055】
姿勢調整コンベヤ20は、本実施形態では、第3コンベヤ部121を駆動する第3駆動装置125と、第4コンベヤ部122を駆動する第4駆動装置126とを備えている。これにより、姿勢調整コンベヤ20は、第3コンベヤ部121の搬送速度V3(m/s)と第4コンベヤ部122の搬送速度V4(m/s)とを異ならせることができる。
【0056】
第3駆動装置125は、
図10に示す例では、第3駆動ベルト127によって、第3ローラ123を駆動する。第4駆動装置126は、
図10に示す例では、第4駆動ベルト128によって、第4ローラ124を駆動する。これにより、姿勢調整コンベヤ20は、第1コンベヤ部21の搬送速度V1(m/s)と第3コンベヤ部121の搬送速度V3(m/s)とを異ならせることができる。また、第2コンベヤ部22の搬送速度V2(m/s)と第4コンベヤ部122の搬送速度V4(m/s)とを異ならせることもできる。
【0057】
〔第4の実施形態〕
以下では、第4の実施形態に係る姿勢調整装置10について、図面を参照して説明する。
図14は、本実施形態の第2コンベヤ部22及び第4コンベヤ部122を搬送幅方向第2側Y2から視た側面図である。本実施形態では、第3コンベヤ部121の搬送面121a及び第4コンベヤ部122の搬送面121aが略水平に構成されている点で第3の実施形態と異なっている。以下では、第3の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第3の実施形態と同様とする。
【0058】
図14の例では、第1端部71は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部であり、第2端部72は、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部であり、第3端部73は、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の上流側端部であり、第4端部74は、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の下流側端部である。
【0059】
本実施形態では、第3コンベヤ部121の搬送面121a及び第4コンベヤ部122の搬送面121aは、略水平に構成されている。具体的には、第3ローラ123及び第4ローラ124のそれぞれの回転軸心が水平面に沿うように配置されている。このようにすれば、底面が下側Z2に突出するように湾曲している搬送物11に対しては、第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22により適切に姿勢調整を行うことができ、底面が平面又は平面に近い形状の搬送物11に対しては、第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122により適切に姿勢調整を行うことができる。従って、様々な底面形状の搬送物11の姿勢調整を適切に行うことができる。
【0060】
〔その他の実施形態〕
次に姿勢調整装置10のその他の実施形態について説明する。
【0061】
(1)上記の実施形態では、姿勢調整コンベヤ20の第1コンベヤ部21、第2コンベヤ部22、第3コンベヤ部121、及び、第4コンベヤ部122がローラコンベヤである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1コンベヤ部21、第2コンベヤ部22、第3コンベヤ部121、及び、第4コンベヤ部122が、ベルトコンベアやチェーンコンベア、或いは、その他の公知のコンベアで構成されていても良い。
【0062】
(2)上記の実施形態では、第1ローラ23及び第3ローラ123のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第1側Y1に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜し、第2ローラ24及び第4ローラ124のそれぞれの回転軸心が、搬送幅方向第2側Y2に向かうに従って搬送方向Xの下流側X2へ向かうように傾斜している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1ローラ23、第2ローラ24、第3ローラ123、及び、第4ローラ124のそれぞれの回転軸心が搬送幅方向Yに平行な回転軸心であっても良い。
【0063】
(3)上記の実施形態では、姿勢調整コンベヤ20の第1コンベヤ部21が第1駆動装置25により駆動され、第2コンベヤ部22が第2駆動装置26により駆動される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1コンベヤ部21の第1上流側区間21u及び第1下流側区間21dと第2コンベヤ部22の第2上流側区間22u及び第2下流側区間22dとが共通の駆動装置により駆動され、その駆動装置からの回転の伝達比を変更する変速機を備える構成とされていても良い。また、第1コンベヤ部21の第1上流側区間21uと第1下流側区間21dとで搬送速度を異ならせることができなくても良い。また、第2コンベヤ部22の第2上流側区間22uと第2下流側区間22dとで搬送速度を異ならせることができなくても良い。
【0064】
(4)上記の実施形態2及び実施形態3では、第1端部71が第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部であり、第2端部72が第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部であり、第3端部73が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の上流側端部であり、第4端部74が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の下流側端部である構成を例として説明した。また、上記の実施形態4では、第1端部71が第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の上流側端部であり、第2端部72が第1コンベヤ部21及び第2コンベヤ部22の下流側端部であり、第3端部73が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の上流側端部であり、第4端部74が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の下流側端部である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第3端部73が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の下流側端部であり、第4端部74が第3コンベヤ部121及び第4コンベヤ部122の上流側端部であっても良い。
【0065】
(5)上記の実施形態3及び4では、第1コンベヤ部21の搬送速度V1と第3コンベヤ部121の搬送速度V3とを異ならせることができるように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、第3駆動装置125と第4駆動装置126とが共通の装置とされて、第1コンベヤ部21と第3コンベヤ部121とで共通の搬送速度となるように構成されていても良い。同様に、第2コンベヤ部22と第4コンベヤ部122とで共通の搬送速度となるように構成されていても良い。
【0066】
(6)上記の実施形態では、姿勢調整装置10が上流側姿勢検出装置30uと下流側姿勢検出装置30dと特性判定装置40とを備え、制御装置50が記憶部52と補正処理部54とを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、姿勢調整装置10が下流側姿勢検出装置30dを備えず、制御装置50が記憶部52と補正処理部54とを備えなくても良い。また、姿勢調整装置10が上流側姿勢検出装置30u及び特性判定装置40を備えなくても良い。
【0067】
(7)上記の実施形態1では、姿勢調整装置10が上流側姿勢検出装置30uと特性判定装置40と下流側姿勢検出装置30dとを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、上流側姿勢検出装置30u又は下流側姿勢検出装置30dが、上流側姿勢検出装置30uと下流側姿勢検出装置30dと特性判定装置40とを兼ねていても良い。また、上記の実施形態2から4では、姿勢調整装置10が上流側姿勢検出装置30uと特性判定装置40と搬送中姿勢検出装置30mと下流側姿勢検出装置30dとを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、搬送中姿勢検出装置30mが上流側姿勢検出装置30uと搬送中姿勢検出装置30mと下流側姿勢検出装置30dと特性判定装置40とを兼ねていても良い。
【0068】
(8)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0069】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した姿勢調整装置について説明する。
【0070】
本開示に係る姿勢調整装置は、搬送物の姿勢を調整する姿勢調整装置であって、前記搬送物を規定の搬送方向に沿って搬送しつつ前記搬送物の姿勢を調整する姿勢調整コンベヤを備え、前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記姿勢調整コンベヤは、前記搬送幅方向に隣り合うように並列配置された第1コンベヤ部と第2コンベヤ部とを備えると共に、前記第1コンベヤ部の搬送速度と前記第2コンベヤ部の搬送速度とを異ならせることができるように構成され、前記搬送幅方向における、前記第2コンベヤ部に対して前記第1コンベヤ部が配置された側を搬送幅方向第1側とし、その反対側を搬送幅方向第2側とし、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第1端部とすると共に他方を第2端部として、前記第1コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第2側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、前記第2コンベヤ部の搬送面が、前記第1端部では前記搬送幅方向第1側に向かうに従って上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第2端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されていることにある。
【0071】
本構成によれば、搬送物の底面が上下方向の下側に突出するように湾曲している場合には、第1コンベヤ部と第2コンベヤ部との境界付近が上下方向の下側となるように姿勢調整コンベヤの搬送面が傾斜している方が、搬送物の底面と姿勢調整コンベヤの搬送面との接触面積を多く確保し易い。一方、搬送物の底面が平面又は平面に近い場合には、姿勢調整コンベヤの搬送面も平面の方が、搬送物の底面と姿勢調整コンベヤの搬送面との接触面積を多く確保し易い。本構成によれば、底面が下側に突出するように湾曲している搬送物に対しては、第1端部側の区間で適切に姿勢調整を行うことができ、底面が平面又は平面に近い形状の搬送物に対しては、第2端部側の区間で適切に姿勢調整を行うことができる。従って、様々な底面形状の搬送物の姿勢調整を適切に行うことができる。
【0072】
一態様として、前記第1コンベヤ部は、複数の第1ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、前記第1ローラは、前記搬送幅方向の一部の領域である第1特定領域の表面が、当該第1特定領域よりも前記搬送幅方向第1側の領域である第1外側領域に比べて摩擦係数の高い材質により形成され、前記第2コンベヤ部は、複数の第2ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、前記第2ローラは、前記搬送幅方向の一部の領域である第2特定領域の表面が、当該第2特定領域よりも前記搬送幅方向第2側の領域である第2外側領域に比べて摩擦係数の高い材質により形成され、前記第1コンベヤ部は、複数の前記第1ローラを駆動する第1駆動ベルトを備え、前記第1駆動ベルトは、複数の前記第1ローラにおける前記第1外側領域の下面に接触して駆動力を伝達するように構成され、前記第2コンベヤ部は、複数の前記第2ローラを駆動する第2駆動ベルトを備え、前記第2駆動ベルトは、複数の前記第2ローラにおける前記第2外側領域の下面に接触して駆動力を伝達するように構成されていると、好適である。
【0073】
本構成によれば、第1コンベヤ部と第2コンベヤ部との境界付近、例えば、姿勢調整コンベヤにおける搬送幅方向の中央部付近に寄ってきた搬送物の姿勢を効果的に変化させることができる。また、駆動ベルトに接触する部分の摩擦係数が高いと駆動ベルト及びローラの摩耗が大きくなり易いが、本構成によれば、それを回避し易い。
【0074】
一態様として、前記第1コンベヤ部は、複数の第1ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、前記第1ローラのそれぞれの回転軸心が、前記搬送幅方向第1側に向かうに従って前記搬送方向の下流側へ向かうように傾斜し、前記第2コンベヤ部は、複数の第2ローラが前記搬送方向に並ぶように配置されたローラコンベヤであり、前記第2ローラのそれぞれの回転軸心が、前記搬送幅方向第2側に向かうに従って前記搬送方向の下流側へ向かうように傾斜していると、好適である。
【0075】
本構成によれば、姿勢調整コンベヤによる搬送物の搬送中に、当該搬送物を、第1コンベヤ部と第2コンベヤ部との境界付近、例えば、姿勢調整コンベヤにおける搬送幅方向の中央部付近に次第に移動させることができる。従って、姿勢調整コンベヤによる搬送物の搬送中に、搬送物の搬送幅方向の位置も調整することができる。
【0076】
一態様として、前記姿勢調整コンベヤは、前記第1コンベヤ部に対して下流側に配置された第3コンベヤ部と、前記第2コンベヤ部に対して下流側に配置されていると共に前記第3コンベヤ部に対して前記搬送幅方向第2側に配置された第4コンベヤ部と、を更に備え、前記第3コンベヤ部の搬送速度と前記第4コンベヤ部の搬送速度とを異ならせることができるように構成され、前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部のそれぞれにおける上流側端部及び下流側端部のいずれか一方を第3端部とすると共に他方を第4端部として、前記第3コンベヤ部の搬送面が、前記第3端部では前記搬送幅方向第2側に向かうに従って前記上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第4端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成され、前記第4コンベヤ部の搬送面が、前記第3端部では前記搬送幅方向第1側に向かうに従って前記上下方向の下側となるように前記搬送幅方向に傾斜していると共に、前記第4端部へ向かうに従って前記搬送幅方向における水平面に対する傾斜角度が次第に小さくなるように構成されていると、好適である。
【0077】
本構成によれば、第1コンベヤ部及び第2コンベヤ部に加えて、第3コンベヤ部及び、第4コンベヤ部においても搬送物の姿勢を変化させることができる。従って、更に効果的に搬送物の姿勢調整行うことができる。
【0078】
一態様として、前記第1端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記下流側端部であり、前記第2端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記上流側端部であり、前記第3端部は、前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部の前記上流側端部であり、前記第4端部は、前記第3コンベヤ部及び前記第4コンベヤ部の前記下流側端部であると、好適である。
【0079】
本構成によれば、第1コンベヤ部及び第2コンベヤ部において、上流側端部では幅方向の傾斜が緩く、下流側端部傾斜がきつくなる。次に第3コンベヤ部及び第4コンベヤ部において、上流側端部では幅方向の傾斜がきつく、下流側端部傾斜が緩くなる様に変化させることができる。従って、効果的な姿勢調整を行うことができると共に、第1コンベヤ部及び第2コンベヤ部に対して上流側に接続されるコンベヤ、及び、第3コンベヤ部及び第4コンベヤ部に対して下流側に接続されるコンベヤが水平な搬送面を有している場合に、それらのコンベヤとの接続部においても円滑に搬送物を搬送することができる。
【0080】
一態様として、前記第1端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記上流側端部であり、前記第2端部は、前記第1コンベヤ部及び前記第2コンベヤ部の前記下流側端部であると、好適である。
【0081】
本構成によれば、第1コンベヤ部及び第2コンベヤ部の下流側で搬送面が水平に近づくため、第1コンベヤ部及び第2コンベヤ部に対して下流側に接続されるコンベヤが水平な搬送面を有している場合に、当該コンベヤとの接続部においても円滑に搬送物を搬送することができる。従って、搬送物を安定的に搬送方向に搬送し易い。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示に係る技術は、姿勢調整装置を備えたコンベア式の搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 :姿勢調整装置
11 :搬送物
20 :姿勢調整コンベヤ
21 :第1コンベヤ部
21a:搬送面
22 :第2コンベヤ部
22a:搬送面
23 :第1ローラ
23a:第1特定領域
23b:第1外側領域
24 :第2ローラ
24a:第2特定領域
24b:第2外側領域
27 :第1駆動ベルト
28 :第2駆動ベルト
71 :第1端部
72 :第2端部
73 :第3端部
74 :第4端部
121 :第3コンベヤ部
121a:搬送面
122 :第4コンベヤ部
122a:搬送面
123 :第3ローラ
123a:第3特定領域
123b:第3外側領域
124 :第4ローラ
124a:第4特定領域
124b:第4外側領域
127 :第3駆動ベルト
128 :第4駆動ベルト
S :姿勢
V1 :第1コンベヤ部の搬送速度
V2 :第2コンベヤ部の搬送速度
V3 :第3コンベヤ部の搬送速度
V4 :第4コンベヤ部の搬送速度
φ1:傾斜角度
φ2:傾斜角度
φ3:傾斜角度
φ4:傾斜角度