(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052136
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報表示装置、制御装置および道路情報表示システム
(51)【国際特許分類】
E01F 9/608 20160101AFI20240404BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20240404BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20240404BHJP
E01F 9/615 20160101ALI20240404BHJP
【FI】
E01F9/608
G08B5/00 R
G08B23/00 510A
E01F9/615
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158639
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 祐治
【テーマコード(参考)】
2D064
5C083
5C087
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA22
2D064BA01
2D064EA04
2D064EB05
2D064GA01
5C083AA02
5C083BB26
5C083DD12
5C083JJ30
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA15
5C087AA19
5C087DD02
5C087EE05
5C087EE16
5C087FF04
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】道路利用者に注意喚起を行わない場合であっても表示部を有効利用することができる情報表示装置、制御装置および道路情報表示システムを提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る情報表示装置は、表示部と、気温計と、制御装置とを具備する。表示部は、道路情報を表示する。気温計は、外気温を計測する。制御装置は、外部指から表示部に表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を受信したときは、表示オブジェクトを表示部に表示させる第1の表示信号を生成し、外部指示信号を受信していないときは、道路情報として気温計の検出結果に基づく気温情報を表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路情報を表示する表示部と、
外気温を検出する気温計と、
外部から前記表示部に前記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を受信したときは、前記道路情報として前記表示オブジェクトを前記表示部に表示させる第1の表示信号を生成し、前記外部指示信号を受信していないときは、前記道路情報として前記気温計の検出結果に基づく気温情報を前記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部を有する制御装置と
を具備する情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記信号生成部は、前記表示部に表示させる前記気温情報の表示位置が経時的に変化する
情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記信号生成部は、前記表示部に前記表示オブジェクトとして、気象情報に関する表示オブジェクト、路面情報に関する表示オブジェクト、交通情報に関する表示オブジェクト、防災情報に関する表示オブジェクト、の少なくとも一つを表示させる
情報表示装置。
【請求項4】
道路情報を表示する表示部に前記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を外部から受信したときは、前記道路情報として前記表示オブジェクトを表示部に表示させる第1の表示信号を生成し、前記外部指示信号を受信してないときは、前記道路情報として外気温を検出する気温計の検出結果に基づく気温情報を前記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部
を具備する制御装置。
【請求項5】
道路情報を表示する表示部と、
外気温を計測する気温計と、
前記表示部に前記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を生成する外部信号生成部を有する外部指示装置と、
前記気温計測装置および前記外部指示装置と通信し、前記外部指示信号を受信したときは、前記道路情報として前記表示オブジェクトを前記表示装置に表示させる第1の表示信号を生成し、前記外部指示信号を受信していないときは、前記道路情報として前記気温計の検出結果に基づく気温情報を前記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部を有する制御装置と
を具備する道路情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路利用者に対し道路情報を表示する情報表示装置、制御装置および道路情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、道路利用者に注意を喚起する表示を行う第1の表示ユニットと、警戒又は規制を示す標識情報を表示する第2の表示ユニットと、案内又は指示等の文字情報を表示する第3の表示ユニットと、外部の表示内容指示ユニットから入力される指示内容に応じて、第1~第3の各表示ユニット(表示装置)における各表示形態及び表示情報の内容を制御する表示制御ユニットとを備える路側設置式表示装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の場合、道路利用者に注意喚起等を行わない場合は、表示装置には何も表示されておらず、その表示装置は、有効に利用されていないという問題があった。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、道路利用者に注意喚起を行わない場合であっても表示装置を有効利用することができる情報表示装置、制御装置および道路情報表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報表示装置は、表示部と、気温計と、制御装置とを具備する。
上記表示部は、道路情報を表示する。
上記気温計は、外気温を検出する。
上記制御装置は、外部から上記表示部に上記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を受信したときは、上記道路情報として上記表示オブジェクトを上記表示部に表示させる第1の表示信号を生成し、上記外部指示信号を受信していないときは、上記道路情報として上記気温計の検出結果に基づく気温情報を上記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部を有する。
【0007】
上記道路情報表示システムにおいて、制御装置は、表示部に表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を受信した場合は、上記表示オブジェクトを上記表示部に表示させ、上記外部指示信号を受信しない場合、上記道路情報として気温計測装置によって計測された気温情報を上記表示部に表示させる。これにより、外部指示装置による外部指示信号を受信していない場合でも、表示部に気温情報を表示させることができるため、表示部の有効利用をすることができる。
【0008】
上記信号生成部は、上記表示部に表示させる上記気温情報の表示位置が経時的に変化させてもよい。
【0009】
上記信号生成部は、上記表示部に上記表示オブジェクトとして気象情報に関する表示オブジェクト、路面情報に関する表示オブジェクト、交通情報に関する表示オブジェクト、防災情報に関する表示オブジェクト、の少なくとも一つを表示させてもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る制御装置は、信号生成部を具備する。
上記信号生成部は、道路情報を表示する表示部に上記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を外部から受信したときは、上記道路情報として上記表示オブジェクトを表示部に表示させる第1の表示信号を生成し、上記外部指示信号を受信してないときは、上記道路情報として外気温を検出する気温計の検出結果に基づく気温情報を上記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る道路情報表示システムは、表示部と、気温計と、外部指示装置と、制御装置とを具備する。
上記表示部は、道路情報を表示する。
上記気温計は、外気温を検出する。
上記外部指示装置は、上記表示部に上記道路情報として表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を生成する外部信号生成部を有する。
上記制御装置は、上前記気温計測装置および上記外部指示装置と通信し、上記外部指示信号を受信したときは、上記道路情報として上記表示オブジェクトを上記表示装置に表示させる第1の表示信号を生成し、上記外部指示信号を受信していないときは、上記道路情報として上記気温計の検出結果に基づく気温情報を上記表示部に表示させる第2の表示信号を生成する信号生成部を有する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、道路利用者に注意喚起を行わない場合であっても表示装置を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態における道路情報表示システムのブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における表示装置のブロック図である。
【
図3】第1の実施形態における道路情報表示システムのフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態の変形例1における道路情報表示システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における道路情報表示1のブロック図であり、
図2は、第1の実施形態における表示装置のブロック図である。
【0015】
<第1の実施形態>
図1に示すように道路情報表示システム1は、高速道路または一般道路を利用する利用者に向けて情報を表示させるシステムであって、情報表示装置100と、外部指示装置40と、気温計測装置50とを備える。情報表示装置100は、路側に設けられた支柱に支持され、制御装置10と表示ユニット20(表示部24)と気温計測装置50とを有する。ここでいう利用者とは、例えば、車両(自動車、バイクなど)を運転する運転手であるが、もちろんこれに限られず、例えば、歩行者や助手席に座っている人であってもよい。
【0016】
(外部指示装置)
外部指示装置40は、後述する制御装置10に対して後述する表示ユニット20(表示部24)に表示オブジェクトを表示させる外部指示信号を出力する外部信号生成部41を有する。外部指示装置40は、制御装置10と有線又は無線で接続されている。外部指示装置40は、制御装置10に対して表示部20に表示させる指令を出す道路管理事務所等に設置されている。
【0017】
上記外部指示信号について、具体的には、外部指示装置40は、制御装置10に対して表示部24に表示させる表示オブジェクトに関する情報を送信する信号のことである。後述する第1の信号生成部13は、外部指示信号に基づいて第1の記憶部14から第1の表示信号または第2の表示信号を生成する。ここで、外部指示装置40の外部指示信号を生成するとは、信号を生成するだけでなく、生成した信号を制御装置10に出力することも含む。
【0018】
ここで表示オブジェクトとは、画像であり、例えば、気象情報に関するオブジェクトや、路面情報に関するオブジェクト、交通情報に関するオブジェクト、防災情報に関するオブジェクトなどが挙げられるが、もちろん、これに限られない。またそれぞれについて具体例を用いて説明する。気象情報に関するオブジェクトとは、例えば、積雪注意の文字や雪だるまの絵などが挙げられる。路面情報に関するオブジェクトとは、例えば、凍結注意の文字やスリップしている車の絵などが挙げられる。交通情報に関するオブジェクトとは、例えば、10キロ先渋滞の文字や渋滞している絵などが挙げられる。防災情報に関するオブジェクトとは、例えば、地震発生注意の文字や地震の揺れを表す絵などが挙げられる。
【0019】
表示部24への表示の仕方として、表示部24全体に表示させてもよいし、一部(例えば、上半分や下半分など)に表示させてもよい。また点灯に限らず、点滅であってもよい。さらに固定して表示させてもよいし、表示オブジェクトが移動しているように見えるように表示させてもよい。もちろんこれは、表示オブジェクトに限らず、後述する気温情報についても同様である。
【0020】
外部指示装置40が上述した外部指示信号を生成するタイミングは、上記表示オブジェクトを表示部24に表示させる必要が生じたときである。道路管理事務所は、例えば、外部から取得した気象情報や交通情報などに基づいて、上記外部指示信号を生成するかどうかを判断する。
【0021】
例えば、道路が10キロ先渋滞している場合、10キロ先渋滞の表示オブジェクトを表示部24に表示させる必要があるため、上記表示オブジェクトの情報を含む外部指示信号を生成する。また渋滞が解消された場合、10キロ先渋滞の表示オブジェクトを表示部24に表示させる必要がなくなると、外部指示信号の生成を中止する。
【0022】
外部信号生成部41は、表示オブジェクトを表示部24に表示させない場合、上述のように外部指示信号の生成を中止することに限られず、表示オブジェクトを表示部24に表示させない信号を別途生成してもよい。
【0023】
(気温計測装置)
気温計測装置50は、気温計51と、気温情報生成部52と、第2の記憶部53とを有する。
【0024】
気温計51は、外気温を計測(検出)する。気温計51は、例えば、道路を利用する利用者から見て表示ユニット20の裏側または周囲に設けられているが、これに限られず、情報表示装置100を支持している支柱などに設置されていてもよい。本実施形態では気温計51は、例えば、外気温を測定し、白金測温抵抗体が温度に比例してその抵抗値が変化することを利用するものであるが、もちろんこれに限られない。
【0025】
気温情報生成部52は、白金測温抵抗体の抵抗値の値を制御装置10に出力するために気温信号として生成する。気温信号は、上記外気温の情報を含む。ここで、気温情報生成部52の気温信号を生成するとは、気温信号を生成するだけでなく、生成した気温信号を制御装置10に出力することも含む。
【0026】
気温計測装置50と制御装置10とは、有線又は無線により通信される。気温情報生成部52は、所定の周期で気温信号を制御装置10に出力する。所定の周期とは例えば、0.1秒に1回、または1秒に1回、1分に1回、1時間に1回であるが、もちろんこれに限られない。
【0027】
もちろん上記構成に限られず、気温計51によって検出された外気温を気温情報生成部52によって気温信号に変換させずに制御装置10に送信してもよい。
【0028】
第2の記憶部53は、抵抗値を気温信号に変換するためのプログラム等を記憶する。
【0029】
(制御装置)
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、受信部11と、表示判定部12と、第1の信号生成部13と、第1の記憶部14と、を有する。
【0030】
受信部11は、外部指示装置40からは外部指示信号を受信し、気温計測装置50からは気温信号を受信する。
【0031】
表示判定部12は、外部指示信号を取得したかどうかを判定する。また取得した信号が気温信号である場合、その気温信号を後述する第1の記憶部14に気温情報として記憶させる。ここで気温情報とは、例えば、ただ今の気温28℃といった情報である。
【0032】
第1の信号生成部13は、表示判定部12の判定結果に基づいて、表示部20に所定の情報を表示させる信号を生成する。つまり、第1の信号生成部13は、表示判定部12が外部指示信号を受信したと判定したときは、道路情報として表示オブジェクトを表示部24に表示させる第1の表示信号を生成し(第1の記憶部14に記憶された外部指示信号に対応する表示オブジェクト情報に基づいて第1の表示信号を生成し)、表示判定部12が外部指示信号を受信していないと判定したときは、気温計の検出結果に基づく気温情報(第1の記憶部14に記憶された気温計の検出結果に対応する気温情報を取得する)を道路情報として表示部24に表示させる第2の表示信号を生成する。ここで第1の記憶部14から取得される気温情報は、最新の気温情報である。またここで、第1の信号生成部13の第1の表示信号又は第2の表示信号を生成するとは、第1の表示信号又は第2の表示信号を生成するだけでなく、生成した第1の表示信号又は第2の表示信号を表示装置10に有線又は無線により出力することも含む。
【0033】
また第1の信号生成部13は、表示部24に表示させる上述した気温情報を表す画像(文字、図形、数字などを含む)の大きさ、表示位置、点灯方法を設定することができ、それによって表示部24の消費電力を低減させ、発光素子241の寿命を延ばすことができる。例えば、第1の信号生成部13は、画像の大きさを表示オブジェクトよりも小さくするように表示制御することで表示部24の消費電力を低減させることができる。また第1の信号生成部13は、画像の表示位置を経時的に変化させることで、発光素子241がバランスよく使用されるため、表示部24としての寿命を延ばすことができる。また第1の信号生成部13は、画像の点灯方法を点滅にすることで、消費電力を低減することができる。
【0034】
第1の表示信号および第2の表示信号は、後述する制御回路25に出力される制御用信号と、後述する制御用電源21に出力される第1の出力用信号と、表示用電源回路22に出力される第2の出力用信号とを含む。
【0035】
駆動用信号は、駆動回路23を駆動させる(駆動させるとは、駆動回路23のスイッチング素子により画素(発光素子241)ごとに点灯または消灯させること)制御回路25に出力される信号である。つまりこの信号に基づいて制御回路25は、駆動回路23を駆動させる。第1の出力用信号は、制御回路25を駆動させるための電力を出力する制御用電源21に出力される信号である。つまり、この信号に基づいて制御用電源21は、制御回路25に電力を出力する。第2の出力用信号は、発光素子241に電力を出力する表示用電源22に出力される信号である。つまり、この信号に基づいて表示用電源22は、駆動回路23に電力を出力する。
【0036】
第1の信号生成部13は、第1の表示信号または第2の表示信号のうち、まず、制御用信号と第1の出力用信号とを生成する。次に第2の出力用信号を生成する。
【0037】
第1の記憶部14は、制御装置10を駆動させるプログラムや、第1の表示信号または第2の表示信号を生成するための気温情報、外部指示信号に基づく表示オブジェクトの画像情報等を記憶する。
【0038】
(表示ユニット)
表示ユニット20は、制御用電源21と、表示用電源22と、駆動回路23と、表示部24と、制御回路25とを有する。表示ユニット20は、外部電源から各装置等に電力が供給される。外部電源は、例えば、商用電源であってAC200Vである。本実施形態では表示ユニット20は、路側に設けられた支柱により支持され、地上から数メートルから10メートル程度の高さに設けられたHLM形表示機であるが、もちろんこれに限られない。
【0039】
駆動回路23は、発光素子241と表示用電源22との間に接続され、画素(発光素子241)ごとに点灯または消灯させるスイッチング素子(例えばトランジスタなど)を有する回路であり、制御回路25および表示用電源22によって表示オブジェクトに応じた発光素子241を点灯させる。つまり、駆動回路23は、制御回路25および表示用電源22によって発光素子241を点灯または消灯させ、所望とする表示オブジェクトまたは気温情報を表示部24に表示させる。
【0040】
制御用電源21は、外部電源と接続され電気信号によって駆動する回路であり、第1の取得部211と、第1の電源生成部212を有する。駆動用電源回路21は、例えば、定電圧回路である。
【0041】
第1の取得部211は、第1の表示信号または第2の表示信号のうち上記第1の出力用信号を取得する。
【0042】
第1の電源生成部212は、上記第1の出力用信号を取得すると、制御回路25を駆動させるために必要な電力を、制御回路25に出力する。
【0043】
第1の電源生成部212は、例えば、定電圧回路であり、第1の出力用信号に基づいて駆動回路23を駆動させるため電力を生成する。
【0044】
制御回路25は、外部電源と接続され、第3の取得部251と、第2の信号生成部252とを有する。制御回路25は、集積回路であり、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路25は、表示部24に道路情報を表示させる駆動信号を駆動回路23に出力する。
【0045】
第3の取得部251は、制御用信号を取得する。
【0046】
第2の信号生成部252は、取得した制御用信号に基づいて、制御用信号を取得してから所定時間経過するまで駆動回路23を初期化させ、所定時間経過後に駆動回路23を駆動させる駆動信号を生成する。駆動回路23の駆動とは、表示部24が表示する表示オブジェクトによって異なり、表示オブジェクトまたは気温情報によって点灯させたい発光素子241を点灯させるための必要な電力を制御回路25によって印加させる。ここで所定時間とは、1000msであるが、これに限られず、後述する駆動回路23の初期化が行われた後であればよい。
【0047】
ここで駆動回路23の初期化とは、例えば、駆動回路23に電力(後述する表示用電源22からの電力)が供給されたとしても発光素子241が発光しない状態(駆動回路23がオープン(開いた)状態)である。
【0048】
つまり、制御用信号を取得してから上記所定時間を経過するまでは、制御回路25によって駆動回路23は初期化され、上記所定時間経過後、初期化を解除する。ここで初期化を解除するとは、点灯させたい画素(発光素子241)に対応する駆動回路23のスイッチング素子を点灯させるように駆動させることである。
【0049】
表示用電源22は、外部電源と接続され電気信号によって駆動する回路であり、第2の取得部221と、第2の電源生成部222とを有する。表示用電源22は、発光素子241に電力を出力(供給)するための回路であり、発光素子241の発光させる色(赤、青、緑)によって出力する電力は異なる(つまり発光素子241の数、色によって複数の表示用電源22が設けられる)。例えば赤色LEDには、3.2V、青・緑色LEDには4.2Vで出力される。表示用電源回路22は、例えば、定電圧回路である。
【0050】
第2の取得部221は、第1の表示信号または第2の表示信号のうち上記第2の出力用信号を取得する。
【0051】
第2の電源生成部222は、上記第2の出力用信号を取得すると、発光素子241を駆動させるために必要な電力を、外部電源から供給される電力から生成する。
【0052】
ここで、第2の出力用信号は、制御用信号および第1の出力用信号が出力されてから表示用電源22に出力される。これは、さきに第1の出力用信号を出力してしまうと、表示部24が前回表示していた表示オブジェクトを表示してしまうおそれがあるからである(つまり、駆動回路23の初期化前だと、前回表示した表示オブジェクトに基づいた駆動回路23の駆動状態になっている可能性がある)。第2の出力用信号は、例えば、駆動用信号が出力されてから制御回路25が起動するまでの間に出力され、表示用電源回路22が起動する。制御用電源回路21が起動するとは、例えば、制御用信号を制御用電源回路21が取得してから駆動回路23を駆動させる駆動信号を制御回路25が生成するまでの間である。また表示用電源22が起動するとは、例えば、第2の出力用信号を表示用電源22が取得してからその回路が発光素子241に電力を出力するまでの間である。
【0053】
また制御用電源21および表示用電源22に用いられる電源は、同一のものであってもよいし、異なっていてもよい。
【0054】
駆動回路23は、所定のタイミングで第1の電源生成部212から供給される電力に基づいて、発光素子241(後述)を発光させるように制御回路25によって制御される。所定のタイミングとは、制御回路25によって駆動回路23が初期化されたあとであればよい(例えば、第2の出力用信号を生成してから1000ms後)。
【0055】
表示部24は、複数の発光素子241を有するパネルであり、そのパネルの画素に応じた発光素子241が配置される。本実施形態では発光素子241とはLED(Light Emission Diode)である。またLEDに限らず、表示部24に表示させる光源として白熱電球であってもよい。発光素子241の光の色は特に限られないが、例えば赤色やオレンジ色である。また発光素子241は、点灯に限らず、点滅してもよい。
【0056】
続いて、本実施形態における道路情報表示システム1の動作について説明する。
図3は、本実施形態における道路情報表示システム1のフローチャートである。
【0057】
まず、表示判定部12は、受信部11が外部指示信号を受信したか判定する(ステップ101)。
【0058】
次に、第1の信号生成部13は、表示判定部12が外部指示信号を受信したと判定した場合、表示オブジェクトを表示部24に表示させるための第1の表示信号を生成する(ステップ102)。
【0059】
一方、第1の信号生成部13は、表示判定部12が外部指示信号を受信していないと判定した場合、気温情報を表示部24に表示させるための第2の表示信号を生成する(ステップ103)。
【0060】
以上から、制御装置10が外部指示装置40による外部指示信号を受信していない場合でも、同一の表示部24に気温情報を表示させることができ表示部24の有効利用をすることができる。つまり、表示部24には表示オブジェクトか気温情報のどちらかが常に表示され表示部24に何も表示されていないという状態はなくなる。
【0061】
<変形例1>
続いて、本発明の変形例1について説明する。
図4は、変形例1に係る道路情報表示システム1Aのブロック図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0062】
本変形例1では、情報表示装置100Aのうち、制御装置10Aが故障判定部15と送信部16とを有し、表示ユニット20Aが故障判定回路26を有している点で、第1の実施形態と異なる。
【0063】
本実施形態では故障判定回路26は、制御用電源21および表示用電源22に故障がないかどうかの故障判定を行う。故障判定回路25は、駆動用電源回路21および表示用電源回路22に接続される。故障判定回路25は、制御用電源21および表示用電源22が正常な場合、第1の表示信号または第2の表示信号が表示ユニット20Aに出力されるまでは、所定の周期で故障(第1の表示信号または第2の表示信号が未入力である)信号が生成され、第1の表示信号または第2の表示信号が表示ユニット20Aに出力されると、故障信号の生成を中止する。
【0064】
しかしながら、故障判定回路25は、制御用電源21および表示用電源22の少なくとも一つに異常がある場合、第1の表示信号または第2の表示信号が表示ユニット20Aに出力されると、故障信号の生成を中止されず故障信号が生成される。
【0065】
本実施形態では故障判定回路25は、フォトカプラであるが、第1の表示信号または第2の表示信号が未入力の時に故障信号が生成され、第1の表示信号または第2の表示信号が入力された時に故障信号の生成が中止される構成であればよい。
【0066】
故障判定部15は、第1の表示信号または第2の表示信号を出力しているときに、故障信号が生成されたかどうかを判定する。つまり、上述のように制御用電源21および表示用電源22に故障がない場合、第1の表示信号または第2の表示信号が表示ユニット20Aに出力されると、故障信号の生成を中止されているため、故障信号が生成されたと判定されず、正常と判定される。
【0067】
しかしながら、上述のように制御用電源21および表示用電源22の少なくとも一つに異常がある場合、第1の表示信号または第2の表示信号が表示ユニット20Aに出力されると、故障信号の生成を中止されず故障信号が生成される。このため、故障判定部15は、第1の表示信号または第2の表示信号を出力しているときに、故障信号が生成されたと判定するため、異常と判定する。
【0068】
制御装置10Aの送信部16は、故障判定部15によって判定された判定結果を外部指示装置40に送信する。
【0069】
以上から、表示ユニット20に故障があった場合、その情報を外部指示装置40に送信することができる。これにより、故障があった場合、道路管理事務所側にすぐに通知することができるため表示ユニット20Aに適切な情報が表示されていない状況を速やかに改善することができる。
【0070】
また故障判定回路25は、制御用電源21と表示用電源22とは別構成であってもよいし、制御用電源21と表示用電源22のそれぞれに組み込まれてもよい。これにより、どれが、異常であるか判定が容易となる。
【0071】
<変形例2>
続いて、本発明の変形例2について説明する。第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成についてはその説明を省略または簡略化する。
【0072】
本変形例では、情報表示装置100に路温計(不図示)と水分検知装置(不図示)とをさらに具備する点で、第1の実施形態と異なる。
【0073】
路温計は、表示ユニット20の周囲または上記支柱などに道路に向けて設置されている。路温計は、例えば、道路の温度を非接触で測定する赤外線式非接触温度計であるが、もちろんこれに限らず、埋設式の路温計であってもよい。
【0074】
水分検知装置は、道路に光を照射させ、その反射光の光量に基づいて路面の状態を検知する。つまり、例えば道路が乾燥した状態を基準とすると、道路(路面)が水で濡れている場合、道路が乾燥している場合に比べて照射した光は正反射しやすくなる。そのため、受光する光量が減少する。また道路上に積雪がある場合積雪によって光の乱反射の程度は、道路が乾燥している場合に比べて大きくなるため、受光する光量は、道路が乾燥している場合に比べて増加する。
【0075】
上述した路温計と水分検知装置との出力を外部指示装置50に送信可能に構成されてもよい。これにより、利用者が利用する道路状況をより正確に把握することができる。
【0076】
また上記路温計や水分検知装置に限らず、風速計や風向計が設置され、その出力を外部指示装置50に送信可能に構成されてもよい。これにより、突風などリアルタイムの情報を利用者に情報として提示することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論であり、各実施形態及び変形例の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…道路情報表示システム
10…制御装置
11…受信部
12…表示判定部
13…第1の信号生成部
14…第1の記憶部
20…表示ユニット
21…制御用電源
22…表示用電源
23…駆動回路
24…表示部
25…制御回路
40…外部指示装置
50…気温計測装置
100…情報表示装置