(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052144
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、記憶媒体及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158653
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉置 一真
(72)【発明者】
【氏名】安井 裕司
(72)【発明者】
【氏名】有吉 斗紀知
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 健
(72)【発明者】
【氏名】松永 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】農作業を行う作業グループに対して、当該作業グループの作業者の素性に応じて栽培に適した作物種を提案し、ひいては持続可能な農業を支援する。
【解決手段】農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得手段と、前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記作業能力と前記取得手段により取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択手段と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得手段と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記作業能力と前記取得手段により取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記作業能力は、前記作業グループにより単位期間に行われる農作業の作業量であり、
前記決定手段は、
前記体力情報に基づいて、複数種類の作業レベルのうちの前記作業グループに対応する作業レベルを特定し、
前記作業レベルごとの単位期間あたりの作業量を定めた能率情報と前記作業グループの作業レベルとに基づいて、前記作業グループの単位期間あたりの作業量を決定し、
前記作物種選択手段は、前記作業グループの単位期間あたりの作業量と前記時間情報とに基づいて、前記提案する作物種を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記作物種選択手段は、
前記作業グループの単位期間あたりの作業量と前記時間情報とに基づいて、当該作業グループの総作業量見込みを導出し、
作物種ごとの総作業量を定めた目安情報と前記導出した前記総作業量見込みとに基づいて、前記提案する作物種を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記体力情報は、前記作業グループに含まれる作業者の、年齢に関する年齢情報及び運動習慣に関する習慣情報を含み、
前記決定手段は、
前記作業グループの各作業者について、年代ごとの体力評価値を定めた基礎体力情報と前記年齢情報とに基づいて定まる体力評価値を、前記習慣情報に基づいて補正することで当該作業者の体力評価値を導出し、
前記作業グループに含まれる前記少なくとも1人の作業者について導出した体力評価値に基づいて、前記作業グループの前記作業レベルを特定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記作物種選択手段は、農作業を行うべき時期が前記時期情報により示される時期に含まれる作物種を、前記提案する作物種として選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記作物種選択手段により選択された作物種のうち、前記作業グループが栽培する作物種の指定を受け付ける指定手段と、
作物種ごとの栽培可能な農地を示す農地情報と、前記指定手段により指定が受け付けられた前記作業グループが栽培する作物種とに基づいて、前記作業グループに提案する農地を選択する農地選択手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記農地情報は、作物種ごとの収穫実績に関する収穫実績情報を含み、
前記農地選択手段は、前記作業グループが栽培する作物種の前記収穫実績情報に基づいて、前記提案する農地を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記農地情報は、作物種ごとの栽培時期に関する栽培時期情報を含み、
前記農地選択手段は、さらに前記時期情報に基づき、前記作業グループが栽培する作物種の前記栽培時期情報に基づいて、前記提案する農地を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、天候予測に関する天候情報をさらに取得し、
前記農地選択手段は、さらに、前記天候情報に基づき、前記提案する農地を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、天候予測に関する天候情報をさらに取得し、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記農地情報は、作物種ごとの収穫実績に関する収穫実績情報と、作物種ごとの栽培時期に関する栽培時期情報とを含み、
前記農地選択手段は、前記作業グループが栽培する作物種の前記収穫実績情報、当該作物種の前記栽培時期情報、及び、前記天候情報の少なくともいずれかに基づいて、前記提案する農地を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、前記作業グループが農作業を行う農地を示す農地情報をさらに取得し、
前記作物種選択手段は、前記農地情報が取得された場合に、さらに当該農地情報に基づいて前記提案する作物種を選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得工程と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定工程と、
前記決定工程において決定された前記作業能力と前記取得工程において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択工程と、を備える
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得処理と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定処理と、
前記決定処理において決定された前記作業能力と前記取得処理において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択処理と、
を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータに、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得処理と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定処理と、
前記決定処理において決定された前記作業能力と前記取得処理において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業を行う作業グループに対して栽培する作物種を提案する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の農産物の栽培について、農地の状況に基づいて、予め定められたアドバイスのうちの生産者の経験年数と特性とに応じたアドバイスを生産者に提示する営農指導支援装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、特許文献1の営農指導支援装置は、既に特定の農産物の栽培を行い、営農している者を利用者として想定したものであり、新規に営農を始めようとする者や家庭菜園を持とうとしている者等、まだ農産物の栽培を行っていない者を想定したものではなかった。従って、特許文献1に記載の営農指導支援装置では、新規の生産者を増加させ、好適な食糧需給に繋げることは難しかった。
【0005】
本発明の目的は、農作業を行う作業グループに対して、当該作業グループの作業者の素性に応じて栽培に適した作物種を提案し、ひいては持続可能な農業を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得手段と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記作業能力と前記取得手段により取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、農作業を行う作業グループに対して、当該作業グループの作業者の素性に応じて栽培に適した作物種を提案し、ひいては持続可能な農業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)実施形態1及び2、変形例1及び2の提案システムの概要図、(b)変形例3及び4の提案システムの概要図。
【
図2】提案サーバ100の構成を例示したブロック図。
【
図3】(a)基礎体力DB110で管理される基礎体力情報、(b)能率DB120で管理される能率情報を例示した図。
【
図4】(a)実施形態1の作物種DB130で管理される作物種情報、(b)実施形態2及び変形例1乃至4の作物種DB130で管理される作物種情報を例示した図。
【
図5】通信端末200の構成を例示したブロック図。
【
図6】実施形態1の提案サーバ100で実行される提案処理を例示したフローチャート。
【
図7】実施形態2の提案サーバ100で実行される提案処理を例示したフローチャート。
【
図8】変形例4の提案サーバ100で実行される提案処理を例示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、情報処理装置の一例としての、栽培する作物種の提案を希望するユーザに、当該ユーザについての情報に応じて適切な作物種を候補として選択して提示する提案サーバに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、農作業を行う作業グループに対して、提案する作物種を選択することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
また、本明細書において「作物種」とは、特定の農作物の1つの品種(例えば、ジャガイモにおける男爵薯等)を指すものとして説明する。しかしながら、提案システムにおいて提案候補として取り扱われる農作物は、品種を限定するよう構成される必要はなく、複数種類の品種を含んだ作物の分類(例えば、単にジャガイモ)を指すものであってもよい。また、「(作物種の)栽培」とは、作物種の収穫までに必要な一連のプロセスを指すものとして説明する。栽培には、当該作物種の種や苗木を植える工程や、その後の収穫までの各種手入れを行う工程だけでなく、植える前や収穫後の農地の土壌を整える工程も含まれてよい。
【0012】
《提案システムの構成》
図1(a)は、本実施形態に係る提案サービスを提供する提案システムの構成を示した図である。図示されるように提案システムは、ユーザが使用する通信端末200、通信端末200において入力された作業グループに関する情報を受信し、当該作業グループに提案する作物種の情報を返送する提案サーバ100、及びこれらの機器を通信可能に接続するネットワーク300を含む。
【0013】
本実施形態では、栽培する作物種の提案を所望する通信端末200のユーザは、実際に農作業を行う作業者で構成された作業グループに属する1人の作業者であるものとして説明する。しかしながら、ユーザが作業者である必要はなく、例えば農作業には関与しないが作業グループの運営を行う者や、農協等において新たに農業に従事することを希望する作業グループや作業者の相談窓口を担当する者等であってよいことは言うまでもない。
【0014】
また作業グループは、農業の特性上、複数人の作業者が含まれ得るが、例えば家庭菜園等、1人の作業者のみが含まれるものも含む。即ち、作業グループは、少なくとも1人の作業者が含まれる団体であれば、その規模は問わない。このため、以下では発明の理解を容易にすべく、1人の作業者のみが属する作業グループについて、当該作業者であるユーザが提案システムを利用する態様について説明する。従って、以下では、作業グループを単に作業者として言及する場合がある。
【0015】
なお、通信端末200は、例えばPCやスマートフォン等の情報通信機能を具備する汎用的な機器であってよい。またネットワーク300は、本実施形態の提案システムでは通信端末200と提案サーバ100との通信接続を実現するため、インターネット等の広域ネットワークであるものとして説明する。しかしながら、例えば新規農業参入者を対象としたイベント会場等の限定的なロケーションにおいてサービスが提供される態様では、ネットワーク300はLANであってもよい。
【0016】
以下、本発明に係る情報処理方法の実現に関与するハードウェア構成について、さらに図を参照して説明する。
【0017】
〈提案サーバ100のハードウェア構成〉
まず、本実施形態の提案サーバ100のハードウェア構成について、
図2のブロック図を参照して説明する。制御部101は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶装置102に記録されたプログラムをメモリ103に展開して実行することにより、各ブロックの動作制御及び後述の各種機能を実現する。記憶装置102は、ROMやHDD等の恒久的な情報記憶が可能な不揮発性の記憶装置である。ここで、制御部101が実行するプログラムは、CD-ROM等の記憶媒体を介して提案サーバ100の記憶装置102にインストールされてもよい。またメモリ103は、RAM等の揮発性の記憶装置であり、プログラムの展開領域や機能の作業領域としてだけでなく、各ブロックの動作により出力された情報を一時的に記録する格納領域としても用いられる。通信I/F104は、外部装置との情報通信を行うためのインタフェースであり、本実施形態ではネットワーク300を介して、各通信端末200との間で情報通信を行う。
【0018】
記憶装置102は、制御部101により実行されるプログラムの他、作業者の年代ごとの基礎体力の指標に係る情報(基礎体力情報)を管理する基礎体力DB110、作業グループが分類される作業レベルごとの作業能力の指標に係る情報(能率情報)を管理する能率DB120、及び各作物種に関する情報(作物種情報)を管理する作物種DB130を含む。
【0019】
〈基礎体力情報〉
基礎体力DB110で各年代について管理される基礎体力情報は、例えば
図3(a)に示されるように、各レコードが年代ID301及び体力評価値302を含んで構成される。
【0020】
ここで、年代ID301は、農作業を行う作業者の年代(年齢層)を一意に特定する識別情報である。また体力評価値302は、年代ID301により特定される年代の作業者について予め定められた体力の程度を示す情報である。本実施形態では体力評価値302は、例えばスポーツ庁により発表される体力・運動能力調査報告書等に基づいて定められるものであってよい。より詳しくは、当該調査報告の体力測定結果に含まれる各項目の平均値を用いて所定の演算式を実行することにより体力評価値が導出され、各年代における基礎体力の指標として用いることができる。ここで、所定の演算式において参照される項目は、農作業に関連する動作を伴う競技等の項目に限定することもできる。
【0021】
従って、例えば20代の作業者の体力評価値は、
図3(a)において年代ID301が20代を示すレコード311の体力評価値302より、75であることがわかる。また例えば50代の作業者の体力評価値は、年代ID301が50代を示すレコード312の体力評価値302より、50であることがわかる。
【0022】
〈能率情報〉
能率DB120で各作業レベルについて管理される能率情報は、例えば
図3(b)に示されるように、各レコードが作業レベルID321及び単位期間作業量322を含んで構成される。
【0023】
ここで、作業レベルID321は、作業レベルを一意に特定する識別情報である。詳細は後述するが本実施形態の提案システムでは、作業者の作業能力を、当該作業者の体力評価値に基づいて所定の作業レベルに分類して評価する。本実施形態では作業レベルは、「プロフェッショナル級」、「セミプロフェッショナル級」、「経験者級」、「素人級」の4段階の階級(記載順序が早い作業レベルほど、体力評価値が高く、階級も高い)で設けられる。従って、作業レベルID321は、これらの階級のいずれかを一意に特定する。なお、各作業レベルの名称は、作業者の農業に関する実際の生産能力を評価したものではなく、あくまでも農作業を行う作業者の体力面においてその体力の高低を示す指標として設けられている。
【0024】
また単位期間作業量322は、作業レベルID321により特定される作業レベルの作業者について予め定められた、単位期間あたりの作業量を示す情報である。本実施形態の提案システムでは、各作業レベルに体力評価値が分類される作業者について、実際に農作業を行った場合に期待できる単位期間あたりの作業量が定量化され、予め単位期間作業量322として管理される。各作業レベルの作業者が行うことができる農作業の定量化にあたっては、当該作業レベルに分類される体力評価値を示す人物に持久走や競歩等を行わせて得られた記録や公表されている体力測定結果を用いて、所定の変換演算を行うことで予め導出されるものとする。本実施形態では単位期間作業量322は、経験豊富な専業農家の1人の農業従事者の1時間あたりの平均作業量を1とするスケールに割り当てる形で、各作業レベルの作業者の1時間あたりの作業量を定める。
【0025】
従って、例えば作業レベル「素人級」の作業者の1時間あたりの作業量は、
図3(b)において作業レベルID321が素人級を示すレコード331の単位期間作業量322より、0.25であることがわかる。また例えば作業レベル「プロフェッショナル級」の作業者の1時間あたりの作業量は、作業レベルID321がプロフェッショナル級を示すレコード332の単位期間作業量322より、1であることがわかる。
【0026】
〈作物種情報〉
作物種DB130で各作業レベルについて管理される作物種情報は、例えば
図4(a)に示されるように、各レコードが作物種ID401、栽培時期402及び必要総作業量403を含んで構成される。
【0027】
ここで、作物種ID401は、作物種を一意に特定する識別情報である。また栽培時期402は、作物種ID401により特定される作物種について、一般的にその栽培が行われる時期を示す情報である。また必要総作業量403は、作物種ID401により特定される作物種について、例えば1畳分等の基準面積の土地で栽培する場合に要する総作業量を示す。ここで、基準面積は、全種類の作物種について共通で定められるものであってもよいし、作物種ごとに定められる、栽培に最低限必要な面積を用いてもよい。本実施形態の提案システムでは、各作物種の栽培に要する総作業量は、経験豊富な専業農家の1人の農業従事者により当該作物種の栽培の全工程の農作業を行った場合に要する平均的な作業時間として定められる。
【0028】
従って、例えば作物種「A0002」の栽培に関する情報として、
図4(a)において作物種ID401がA0002を示すレコード411の栽培時期402及び必要総作業量403より、栽培時期が4月~10月であり、必要な総作業量が180時間であることがわかる。
【0029】
なお、本実施形態の提案サービスは、特に新規に農業に参入する者や農業経験のない者を対象とするものであり、このような者が農耕機等を所有していたり、使用したりすることは稀であるから、必要総作業量403の導出にあたっては、農耕機等を用いた作業時間は含まれないものとする。
【0030】
〈通信端末200のハードウェア構成〉
次に、本実施形態の通信端末200のハードウェア構成について、
図5のブロック図を参照して説明する。制御部201は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶装置202に記録されたプログラムをメモリ203に展開して実行することにより、各ブロックの動作制御及び後述の各種機能を実現する。記憶装置202は、ROMやHDD等の恒久的な情報記憶が可能な不揮発性の記憶装置である。またメモリ203は、RAM等の揮発性の記憶装置であり、プログラムの展開領域や機能の作業領域としてだけでなく、各ブロックの動作により出力された情報を一時的に記録する格納領域としても用いられる。通信I/F204は、外部装置との情報通信を行うためのインタフェースであり、本実施形態ではネットワーク300を介して、提案サーバ100との間で情報通信を行う。操作I/F205は、通信端末200が備える各種の入力装置である。また表示装置206は、例えばLCD等の通信端末200が具備する表示装置である。
【0031】
記憶装置202は、通信端末200のオペレーティングシステムに係るプログラムに加えて、ブラウジングアプリケーション(以下、単にブラウザとして言及)のプログラムを記憶する。通信端末200においてブラウザが起動され、ユーザにより提案サーバ100が提供する提案サービスに係るWebサイトへのアクセス要求に係る操作入力がなされると、通信端末200は提案サーバ100と通信接続し、サービス利用が可能な状態となる。提案サービスの利用中、ブラウザを介して受信した提案サービスに係る各種情報の提示が表示装置206を用いて行われる。
【0032】
《提案サービスの概要》
以下、本実施形態の提案サーバ100が提供する提案サービスの概要を説明する。
【0033】
提案サービスの提供にあたり、提案サーバ100は、作業者の体力を評価するために必要な体力情報、及び当該作業者が農作業を行う予定の時間(予定農作業時間)に関する時間情報を通信端末200から取得する。即ち、ユーザは、自身の使用する通信端末200において、これらの情報を入力して提案要求とともに提案サーバ100に送信する操作を行うことで、提案サーバ100により提案された作物種の情報を受信することができる。
【0034】
本実施形態の提案システムでは、作業者の年齢と運動習慣の有無及びその程度とに基づいて当該作業者の体力評価値を導出する。より詳しくは、作業者の体力評価値は、当該作業者の年齢に係り基礎体力情報の体力評価値302により得られる基準の体力評価値を、当該作業者の運動習慣の有無やその程度に応じて調整することで導出される。ここで、運動習慣に応じた調整は、提案システム独自に設けられた運動能力テストを各年代の人物を対象として事前に行い、その結果に応じて、当該年代について定められた基準の体力評価値をどの程度上下させるべきかの情報が策定された調整ルールに準じて行われるものとする。
【0035】
例えば、20代の作業者についての基準の体力評価値は、
図3(a)に示したレコード311から75として得られるが、当該作業者の運動習慣として、フルマラソンが入力され、その記録が3時間47分18秒である場合には、当該作業者の体力評価値は90に調整される。反対に、例えば作業者の運動習慣がない場合には、当該作業者の体力評価値は、75よりも低い55に調整される。なお、運動習慣の入力内容や入力内容に基づく体力評価値の調整については、種々の手法を採用可能であり、当該例示に限られるものではないことは容易に理解されよう。
【0036】
作業者の体力評価値が導出されると、その値に基づいて当該作業者の作業レベルが特定される。作業レベルは、体力評価値が次のいずれの値範囲に属するかに応じて特定されるものであってよい。
プロフェッショナル級 :80~100
セミプロフェッショナル級:60~ 79
経験者級 :40~ 59
素人級 : 0~ 39
従って、例えば、体力評価値が90である作業者の作業レベルはプロフェッショナル級、体力評価値が55である作業者の作業レベルは経験者級として特定される。
【0037】
作業レベルが特定されると、作業者による総作業量見込みが導出される。総作業量見込みは、作業レベルに係り能率情報の単位期間作業量322により得られる単位期間に見込まれる作業量を、作業者が行うことができる総作業時間に乗じることにより導出される(単位は時間)。本実施形態の提案システムでは、予定農作業時間に関する時間情報として、作業者が1週間に農作業を行うことができる時間と、農作業に従事することができる期間(例えば4月~11月等。以下、従事期間として言及)の入力が受け付けられるものとする。従って、作業者の総作業量見込みは、
(総作業量見込み)=(単位期間作業量)×(週あたりの作業時間)×(週数)
で導出することができる。ここで、週数は、従事期間を週数に換算した値である。即ち、作業者による総作業量見込みは、従事期間中に見込まれる当該作業者の総作業時間に、作業者が分類される作業レベルの平均的な1時間あたりの作業量を乗じることにより導出される。
【0038】
作業者の総作業量見込みが導出されると、従事期間において栽培可能であり、かつ、総作業量見込みの範囲で栽培可能である作物種が、ユーザに提案する作物種として選択される。より詳しくは、作物種DB130において作物種情報が管理される作物種のうちから、栽培時期402が従事期間にすべて含まれ、かつ、必要総作業量403が総作業量見込みを越えない作物種が、提案する作物種として選択される。
【0039】
提案する作物種の数は、例えば5種類等の予め定められた数に限定されるものであってもよい。この場合、提案する作物種は、例えば栽培時期402が従事期間にすべて含まれ、かつ、必要総作業量403が総作業量見込みを越えない作物種のうちから、必要総作業量403が多い上位の5種を選択する等によって一部を抽出すればよい。
【0040】
選択された作物種の情報は、提案要求を行った通信端末200に返送され、当該通信端末200の表示装置206に表示される。これによりユーザは、情報を入力した作業者について、当該作業者が好適に栽培可能な作物種を把握することができる。
【0041】
《提案処理》
以下、本実施形態の提案サーバ100において、提案する作物種の選択に係り実行される提案処理について、
図6のフローチャートを参照して具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。本提案処理は、通信端末200から栽培する作物種の提案要求とともに作業者の体力情報及び時間情報を受信した場合に開始されるものとして説明する。以下の提案処理の説明において、ユーザが提案要求を行う作業者を「対象作業者」として言及する。
【0042】
S601で、制御部101は、対象作業者の体力評価値を導出する。より詳しくは、制御部101は、受信した体力情報に含まれる年齢情報に基づいて、対象作業者の年齢に対応する基礎体力情報の体力評価値302を基準の体力評価値として読み出す。また制御部101は、受信した体力情報に含まれる習慣情報に応じて基準の体力評価値を調整することにより、対象作業者の体力評価値を導出する。
【0043】
S602で、制御部101は、S601において導出した対象作業者の体力評価値に基づいて対象作業者の作業レベルを特定する。
【0044】
S603で、制御部101は、対象作業者の総作業量見込みを導出する。より詳しくは、制御部101は、受信した時間情報に基づく総作業時間を、S602において特定した対象作業者の作業レベルに対応する能率情報の単位期間作業量322に乗じることにより、対象者の総作業量見込みを導出する。
【0045】
S604で、制御部101は、提案する作物種を選択する。より詳しくは、制御部101は、まず作物種DB130にて作物種情報が管理されている作物種のうち、受信した時間情報に含まれる従事期間に栽培時期402が全て含まれる作物種を抽出する。そして制御部101は、抽出した作物種のうち、必要総作業量403がS603において導出した総作業量見込みを越えない作物種をさらに抽出し、提案要求を行ったユーザに提案する作物種として選択する。
【0046】
S605で、制御部101は、S604において選択した作物種の情報を通信I/F104に伝送し、提案要求を行った通信端末200に返送させて本提案処理を完了する。
【0047】
このようにすることで、本実施形態の情報処理装置によれば、農作業を行う作業グループに対して、当該作業グループの作業者の素性に応じて栽培に適した作物種を提案し、ひいては持続可能な農業を支援することができる。より詳しくは、作業者の体力を加味して当該作業者の作業能力を評価した上で当該作業者の予定農作業時間で栽培可能な作物種を提案することができるため、新規に農業に参入する者や農業経験のない者でも収穫を行うことができる、好適な作物種を提案することができる。
【0048】
なお、本実施形態ではユーザが提案要求を行う作業グループが1人の作業者のみで構成されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、複数人の作業者で構成される作業グループについても、本発明は適用可能である。この場合、制御部101は、例えば以下のようにして作業グループの総作業量見込みを導出すればよい。
【0049】
制御部101は、作業グループに属する作業者の各々について、当該作業者の体力情報に基づいて体力評価値を導出し、それらを平均することで作業グループ全体での体力評価値を導出する。続いて、制御部101は、作業グループ全体での体力評価値を用いて、作業者1人の場合と同様に作業グループの作業レベルを特定する。そして制御部101は、作業グループについて受信した時間情報に基づく総作業時間を、特定した作業レベルに対応する単位期間に見込まれる作業量に乗じることで、当該作業グループの総作業量見込みを導出する。
【0050】
このとき、時間情報が作業グループの全体について農作業を行う予定農作業時間を定める(作業グループが、週に2時間、4月~11月まで作業を行う等)場合には、制御部101は、これに作業グループに属する作業者の人数を乗じることで総作業時間を導出すればよい。また時間情報が作業グループに属する各作業者について農作業を行う予定農作業時間を定める(作業グループのAという作業者は、週に2時間、4月~10月まで作業を行う等)場合には、制御部101は、これらを総和することで総作業時間を導出すればよい。
【0051】
また、本実施形態では、単純に作業者の総作業時間を当該作業者の単位期間に見込まれる作業量に乗じることで総作業量見込みを導出し、これと各作物種の必要総作業量とに基づいて提案する作物種を選択するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。栽培時期は作物種によって異なるものであり、必要総作業量の対象となる栽培期間は異なるものであるため、作物種の選択の際には、制御部101は総作業量を比較する作物種ごとに従事期間を異ならせて総作業量見込みを変更してもよい。
【0052】
より詳しくは、制御部101は、任意の作物種を作業者の条件で栽培可能であるかを判断する際に、当該作物種に係る作物種情報の栽培時期402で示される期間に作業者が農作業に従事する時間数を、当該作業者の単位期間に見込まれる作業量に乗じることで総作業量見込みを導出する。例えば、作業者の時間情報として、週に2時間、4月~11月まで作業を行う旨が定められている場合であっても、判断対象の作物種の栽培時期が4月~10月である場合には、実際に農作業を行う従事期間は4月~10月となるため、当該期間に作業者が農作業に従事する時間数は、2時間×31週(4月~10月の週数)=62時間となる。そして、制御部101は、導出した総作業量見込みと同作物種情報の必要総作業量403とを比較することで、当該作物種を作業者が栽培可能であるか否かを判断してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、作業グループの作業者が手作業で農作業を行うことを前提に総作業量見込みを導出するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、作業者により行われる農作業は手作業に限られる必要はなく、当該作業者が利用可能な作業具(パワーアシストスーツ等の身体補助装置、運搬車、鍬や鋤等の農機具、トラクターや歩行型耕運機等の農機)がある場合にはそれらを利用して行うものであってもよい。
【0054】
このように作業具を利用して農作業が行われる場合、作業者の作業量は、全て手作業で行う場合よりも当然多くなる。従って、作業者が利用可能な作業具の情報をさらに入力することで、総作業量見込みの導出に際しては、当該情報に基づく補正係数を作業グループの単位期間作業量に乗じて補正された補正単位期間作業量を用いればよい。
【0055】
また、各作物種によって、栽培のための農作業に利用される作業具や、その利用により作業負荷を低減させる度合いは異なる。このため、各作業具に係る補正係数の情報は、不図示の作業具DBにおいて、作物種ごとに定められて管理されるものとする。制御部101は、作業者の総作業量見込みを導出する際に、総作業量を比較する作物種ごとに作業具DBの該当の情報を参照し、例えば作業者が利用予定の作業具について定められた補正係数の和(例えば歩行型耕運機と鋤を利用する場合には、該当作物種について定められたこれら作業具の補正係数を総和する)して得られた補正係数を用いて、総作業量見込みを導出すればよい。
【0056】
[実施形態2]
上述した実施形態では、作業者の体力情報及び時間情報に基づいて選択した作物種の情報が、提案要求を行ったユーザの通信端末200に提示される態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、新規に農業に参入しようとする者が、必ずしも農地(所有地あるいは借地)を確保しているとは限らない。また、作物種によっては栽培に適した土壌や気候が存在するため、ユーザが提案サービスにおいて提案された作物種のうちから1つを選択し、ユーザが確保した農地において当該作物種を栽培したとしても、良好な収穫が得られない可能性がある。本実施形態では、このように農地を確保していないユーザに対して、作物種の栽培に適した農地を提案する機能をさらに具備する提案サービスについて説明する。
【0057】
《農地情報》
本実施形態の提案サーバ100では、作物種DB130において管理される作物種情報が、
図4(b)に示されるように農地情報421をさらに含む点で異なる。農地情報421は、1つのレコードに係る作物種情報の作物種ID401に示される作物種について、過去に当該作物種を栽培した農地に関する情報を示す。ここで、農地情報421は、作物種を栽培した農地の各々について、農地ID431、農地所在地432、収穫実績情報433及び栽培時期情報434を含んで構成される。
【0058】
農地ID431は、農地を一意に特定する識別情報である。また農地所在地432は、農地ID431により特定される農地の所在地を示す情報である。農地所在地432は、例えば市区町村や都道府県等、農地が存在する地域を示す情報であってよい。また収穫実績情報433は、農地ID431により特定される農地における、該当の作物種の収穫実績の情報である。収穫実績情報433は、例えば過去の年度での当該農地における該当作物種の単位面積当たりの収穫量等を示すものであってよい。また栽培時期情報434は、農地ID431により特定される農地において、該当の作物種の栽培が行われる時期を示す情報である。栽培時期情報434は、該当作物種が一般的に栽培される時期を示す栽培時期402とは異なり、農地固有に定められた、例えば当該農地の地域や経度及び緯度において推奨される栽培時期を示す。
【0059】
《提案サービスの概要》
次に、本実施形態の提案サーバ100提供する提案サービスの概要を説明する。なお、サービスの機能の説明において、上述した実施形態1で示した工程については省略する。
【0060】
作業者の総作業量見込みに基づいて選択した作物種の情報が通信端末200に送信されて提案されると、ユーザは、当該提案された作物種のうちから、栽培を行う予定の作物種(予定作物種)の選択を行う。予定作物種の選択がなされると、当該作物種の作物種IDを含む農地提案要求が、通信端末200から提案サーバ100に送信される。
【0061】
農地提案要求を受信すると、提案サーバ100において予定作物種の栽培に適した農地の地域が選択される。そして、選択された農地地域の情報が、確保が推奨される農地地域の情報として通信端末200に送信され、表示装置206に表示される。ここで、予定作物種の栽培に適した農地地域は、本実施形態では収穫量ベースと栽培時期ベースの2種類で選択可能に構成されるものとする。なお、いずれのベースにて栽培に適した農地地域を選択するかは、通信端末200においてなされた選択に係る操作入力に応じて変更可能に構成される。
【0062】
まず、収穫量ベースでの栽培に適した農地地域は、予定作物種に係り作物種DB130において管理される作物種情報の農地情報421に含まれる各農地の情報のうち、収穫実績情報433を降順に並べた場合の、上位所定数の農地の情報の農地所在地432に基づいて選択される。これは、予定作物種についての収穫量が高い地域には、当該作物種の栽培に好適な土壌や気候条件が整っている地域と推測されることに依る。従って、収穫量ベースで農地地域の候補を抽出する態様では、ユーザには、予定作物種について良好な収穫量が期待できる土壌をもった地域が提案され、ユーザはこのうちから確保する農地を選ぶことができる。
【0063】
対して、栽培時期ベースでの栽培に適した農地地域は、予定作物種に係り作物種DB130において管理される作物種情報の農地情報421に含まれる各農地の情報のうち、栽培時期情報434が、作業者の時間情報により示される従事期間により合致する(例えば、作業開始時期が作業者の予定する従事期間の開始時期に近い、全期間が従事期間の長さに近い)、上位所定数の農地の情報の農地所在地432に基づいて選択される。これは、農地の地域によっては気象条件等によって、栽培に要する期間が変動し得ることに依る。従って、栽培時期ベースで農地地域の候補を抽出する態様では、ユーザには、作業者の予定農作業時間や作業ペースにより合致した地域が提案され、ユーザはこのうちから確保する農地を選ぶことができる。
【0064】
《提案処理》
以下、本実施形態の提案サーバ100において、提案する作物種の選択に係り実行される提案処理について、
図7のフローチャートを参照して具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本実施形態の提案処理において、実施形態1の提案処理と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略し、以下では本実施形態固有の処理を行うステップについてのみ説明する。
【0065】
S605において提案する作物種の情報を通信端末200返送すると、制御部101はS701で、当該作物種のうちから予定作物種が選択されたか否かを判断する。本ステップの判断は、通信端末200において予定作物種の選択に係る操作入力がなされたことを契機として提案サーバ100に送信される農地提案要求を受信したか否かに応じて行われる。制御部101は、予定作物種が選択されたと判断した場合は処理をS702に移し、選択されていないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0066】
S702で、制御部101は、収穫量ベースと栽培時期ベースのいずれで提案する農地地域を選択するかを判断する。本ステップの判断は、例えば通信端末200における選択方法の選択状況の情報に応じて行われるものであってよい。制御部101は、提案する農地地域の選択方法が収穫量ベースであると判断した場合は処理をS703に移し、栽培時期ベースであると判断した場合は処理をS704に移す。
【0067】
S703で、制御部101は、予定作物種の収穫量に基づいて提案する農地地域を選択する。より詳しくは、制御部101は、予定作物種に対応する作物種情報の農地情報421に含まれる農地の情報を収穫実績情報433の降順にソートし、このうち上位所定数の農地の情報の農地所在地432により示される農地地域を、提案する農地地域として選択する。
【0068】
一方、S702において提案する農地地域の選択方法が栽培時期ベースであると判断した場合、制御部101はS704で、予定作物種の栽培時期に基づいて提案する農地地域を選択する。より詳しくは、制御部101は、予定作物種に対応する作物種情報の農地情報421に含まれる農地の情報のうちから、栽培時期情報434により示される時期と受信した時間情報に基づく従事期間との類似度が上位所定数の農地の情報を特定し、当該情報の農地所在地432により示される農地地域を、提案する農地地域として選択する。
【0069】
S705で、制御部101は、選択した農地地域の情報を通信I/F104に伝送し、農地提案要求を行った通信端末200に返送させて本提案処理を完了する。
【0070】
このようにすることで、ユーザは、作業者の体力及び予定農作業時間に基づいて提案された作物種のうちから栽培する予定作物種を選択した際に、当該予定作物種の栽培に適した農地、あるいは、ユーザの予定農作業時間の計画に合致した農地の提案をさらに受けることができる。
【0071】
[変形例1]
上述した実施形態2では、栽培時期ベースでの栽培に適した農地の提案に際し、地域固有の気象条件を考慮して設定された栽培時期情報434を参照するものとして説明した。一方で、地域や全国区の天候傾向に関しては年々変化し得るものであり、過去の年度の情報等に基づいて設定される栽培時期情報434で示される栽培期間と、今後の該当作物の栽培期間が乖離することもあり得る。このため、提案システムは、例えば
図1(b)に示されるように、提案サーバ100が、天候予測を行う外部の予測サーバ310とさらに通信接続可能に構成されてもよい。
【0072】
本態様において、制御部101は、提案する農地地域を選択する際に、予測サーバ310から今後(例えば、栽培を提案する年度)の天候予測に関する天候情報を取得することができる。天候情報は、例えば栽培を提案する年度(以下、提案年度として言及)において、各地域の降雨量や日照時間あるいは台風や水害の発生確率等、種々の情報を含むものであってよい。制御部101は、例えば予定作物種に対応する作物種情報の農地情報421に含まれる農地の情報のうち、提案年度において過去の年度と同様の天候条件で栽培を行うことができる農地の情報を特定し、当該情報の農地所在地432により示される農地地域を、提案する農地地域として選択してもよい。
【0073】
[変形例2]
上述した実施形態2及び変形例1では、作物種選択の農地情報421に含まれる収穫実績情報433、栽培時期情報434、または予測サーバ310から取得した天候情報に基づいて、ユーザに提案する農地地域を選択する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これらの情報を複合的に用いることで、より好適な農地地域をユーザに提案することもできる。
【0074】
制御部101は、例えば、栽培時期情報434により示される栽培時期を天候情報に基づいて提案年度用に補正し、補正後の栽培時期と作業者の従事期間との類似度に基づいて提案する農地地域を選択してもよい。あるいは、制御部101は、例えば、収穫実績情報433により示される各農地の収穫量を、天候情報に基づいて提案年度用に補正し、補正後の収穫量に基づいて提案する農地地域を選択してもよい。また制御部101は、例えば、これら補正後の情報を複合し、作業者の従事期間に近い栽培時期で予定作物種の栽培を行うことができ、かつ、提案年度での収穫量見込みが上位の農地地域を選択してもよい。
【0075】
即ち、提案する農地地域は、予定作物種の収穫実績情報、当該作物種の栽培時期情報、及び、天候情報の少なくともいずれかに基づいて選択されるものであってもよい。
【0076】
[変形例3]
ところで、上述した実施形態1では、作物種情報の必要総作業量403は、例えば1畳分等の基準面積の土地で栽培する場合に要する総作業量であるものとして言及した。一方、作業グループに属する作業者が複数人である場合や、総作業量見込みよりも総作業量が少ない作物種が予定作物種として選択された場合においては、作業グループが対応可能な作業量に余剰が出ることが想定される。このような場合、選択された予定作物種の情報と、作業グループの総作業量見込みとに基づいて、当該作業グループが対応可能な面積の情報を、提案する農地地域の情報とともに提示するよう構成してもよい。
【0077】
例えば、総作業量見込みが500時間である作業グループが、基準面積(1畳)に係る総作業量が250時間である作物種を予定作物種として選択した場合には、250時間分の作業量が余剰する。このため、基準面積1畳に500/250=2を乗じた2畳が、作業グループが対応可能な農地面積の最大値として導出される。従って、通信端末200において農地地域の提案がなされる場合に、各地域において作業グループにより対応可能な農地面積として、最小面積及び最大面積の情報が共に提示される。
【0078】
[変形例4]
上述した実施形態2及び変形例1乃至3では、農地を確保していないユーザを対象として、選択された予定作物種の栽培に適した農地を提案する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、農地を既に確保しているユーザや、確保予定の農地の地域を決定しているユーザには、農地の提案は不要である。また、農地地域が決定しているのであれば、当該地域における収穫実績や栽培時期、天候情報を参照することで、より好適な作物種を提案することもできる。このため本変形例では、作物種の提案にあたり、作業者が農作業を行う予定の農地の情報の入力を可能とした提案サービスについて説明する。
【0079】
《提案処理》
以下、本変形例の提案サーバ100において、提案する作物種の選択に係り実行される提案処理について、
図8のフローチャートを参照して具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本変形例の提案処理において、実施形態1または2の提案処理と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略し、以下では本変形例固有の処理を行うステップについてのみ説明する。また作物種情報については、実施形態2において
図4(b)を用いて示した構成であるものとして説明する。また、以下の説明では発明の理解を容易にすべく、対象作業者が農作業を行う予定の農地地域が決定されている場合には、当該農地地域を示す予定農地情報が、栽培する作物種の提案要求とともに受信されているものとする。
【0080】
S603において対象作業者の総作業量見込みを導出すると、制御部101はS801で、対象作業者が農作業を行う予定の農地地域が決定されているか否かを判断する。本ステップの判断は、例えば作物種の提案要求とともに予定農地情報が受信されたか否かに応じて行われるものであってよい。制御部101は、対象作業者が農作業を行う予定の農地地域が決定されていると判断した場合には処理をS802に移し、決定されていないと判断した場合は処理をS604に移す。
【0081】
S802で、制御部101は、提案する作物種を選択する。より詳しくは、制御部101は、まず作物種DB130にて作物種情報が管理されている作物種のうち、受信した時間情報に含まれる従事期間に栽培時期402が全て含まれる作物種を抽出する。そして制御部101は、抽出した作物種のうち、必要総作業量403がS603において導出した総作業量見込みを越えない作物種をさらに抽出する。また制御部101は、当該抽出した作物種のうち、受信した予定農地情報により示される地域と対応する地域を、農地所在地432が示す農地の情報が農地情報421に含まれる作物種をさらに抽出し、提案要求を行ったユーザに提案する作物種として選択する。このようにすることで、栽培時期が従事期間に含まれ、必要総作業量が総作業量見込みを上回らず、かつ、対象作業者が農作業を行う予定の農地地域での栽培実績がある作物種が、提案する作物種として選択される。
【0082】
S803で、制御部101は、S802において選択した作物種の情報を通信I/F104に伝送し、提案要求を行った通信端末200に返送させて本提案処理を完了する。
【0083】
このようにすることで、農地を確保しているユーザや農地地域を決定しているユーザに対し、農地に応じた適切な栽培可能な作物種を提案することができる。
【0084】
[変形例5]
上述した実施形態及び変形例では、作業種情報の必要総作業量403の情報を、専業農家の1人の農業従事者により全工程の農作業を行った場合に要する平均的な作業時間として定め、これと作業者の作業レベルに応じた単位期間あたりの作業量に基づいて導出された総作業量見込みとに基づいて、提案する作物種を選択する態様を説明した。しかしながら、上述した実施形態では、作業者の年齢や運動習慣によっては、体力面において専業農家の農業従事者と同等の作業量をこなすことができる作業レベル(プロフェッショナル級)に分類されるため、例えば新規に農業に参入する者が、専業農家の農業従事者と同程度の時間で栽培の各工程をこなすことが可能として扱われる場合があった。換言すれば、新規に農業に参入する者と専業農家の農業従事者との間には栽培経験の差が存在するにも関わらず、作業者が分類される作業レベルによっては、実際には予定農作業時間内での栽培が難しい作物種が提案される可能性があった。
【0085】
このため、例えば各作物種に係る必要総作業量403の設定にあたっては、専業農家の農業従事者の平均的な作業時間に対して栽培経験の差に応じた係数(1.25や1.5等)を乗じた値を用いてもよい。
【0086】
[変形例6]
上述した実施形態及び変形例では、提案サーバ100の記憶装置102に各種の情報のデータベースが存在しているものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。一部または全てのデータベースは、提案サーバ100の外部の装置に設けられ、提案サーバ100は必要に応じて該当の装置から情報を取得するよう構成してもよい。
【0087】
[実施形態3]
上述した実施形態では、提案サーバ100が提案処理を実行するものとして説明したが、提案処理は、例えば新規農業参入者を対象としたイベントの運営者がイベント会場等で使用する情報通信端末において実行されるものであってもよい。そして、イベント会場において作物種の相談に訪れた人物(相談者)に対し、当該相談者の体力情報及び時間情報等を入力することで提案された作物種の情報を、運営者またはイベントスタッフが確認し、相談者に伝える構成としてもよい。この場合、情報通信端末が内蔵する不図示のCPUが、HDD等の記憶装置に記録された選択処理のプログラムをRAM等に展開することにより、提案処理が実行される。ここで、CPUが実行する提案処理のプログラムは、CD-ROM等の記憶媒体を介して情報通信端末の記憶装置にインストールされるものであってもよい。
【0088】
以上、複数の実施形態及び変形例に分けて本発明を説明したが、これらの実施形態及び変形例の構成は組み合わせて適用されるものであってよい。
【0089】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は、少なくとも以下の情報処理装置、情報処理方法、記憶媒体及びプログラムを開示する。
【0090】
1.上記実施形態の情報処理装置は、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得手段と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定手段(S601, S602)と、
前記決定手段により決定された前記作業能力と前記取得手段により取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択手段(S603, S604, S802)と、を備える。
この実施形態によれば、作業者の体力及び作業グループの予定農作業時間に基づいて、当該作業グループに好適な作物種を提案することができる。
【0091】
2.上記実施形態の情報処理装置は、
前記作業能力は、前記作業グループにより単位期間に行われる農作業の作業量であり、
前記決定手段(S602)は、
前記体力情報に基づいて、複数種類の作業レベルのうちの前記作業グループに対応する作業レベルを特定し、
前記作業レベルごとの単位期間あたりの作業量を定めた能率情報と前記作業グループの作業レベルとに基づいて、前記作業グループの単位期間あたりの作業量を決定し、
前記作物種選択手段(S603, S604, S802)は、前記作業グループの単位期間あたりの作業量と前記時間情報とに基づいて、前記提案する作物種を選択する。
この実施形態によれば、作業グループに期待される作業量を推定し、これに基づいて当該作業グループに好適な作物種を提案することができる。
【0092】
3.上記実施形態の情報処理装置は、
前記作物種選択手段(S603, S604, S802)は、
前記作業グループの単位期間あたりの作業量と前記時間情報とに基づいて、当該作業グループの総作業量見込みを導出し、
作物種ごとの総作業量を定めた目安情報と前記導出した前記総作業量見込みとに基づいて、前記提案する作物種を選択する。
この実施形態によれば、作業グループについて期待される総作業量見込みに合致した作業量を要する作物種を提案することができる。
【0093】
4.上記実施形態の情報処理装置は、
前記体力情報は、前記作業グループに含まれる作業者の、年齢に関する年齢情報及び運動習慣に関する習慣情報を含み、
前記決定手段(S601, S602)は、
前記作業グループの各作業者について、年代ごとの体力評価値を定めた基礎体力情報と前記年齢情報とに基づいて定まる体力評価値を、前記習慣情報に基づいて補正することで当該作業者の体力評価値を導出し、
前記作業グループに含まれる前記少なくとも1人の作業者について導出した体力評価値に基づいて、前記作業グループの前記作業レベルを特定する。
この実施形態によれば、作業者の運動能力に応じた作業能力を推定し、当該作業能力にて栽培可能な作物種を提案することができる。
【0094】
5.上記実施形態の情報処理装置は、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記作物種選択手段(S604, S802)は、農作業を行うべき時期が前記時期情報により示される時期に含まれる作物種を、前記提案する作物種として選択する。
この実施形態によれば、作業グループが農作業を行う予定の時期において栽培可能な作物種を提案することができる。
【0095】
6.上記実施形態の情報処理装置は、
前記作物種選択手段により選択された作物種のうち、前記作業グループが栽培する作物種の指定を受け付ける指定手段(S701)と、
作物種ごとの栽培可能な農地を示す農地情報と、前記指定手段により指定が受け付けられた前記作業グループが栽培する作物種とに基づいて、前記作業グループに提案する農地を選択する農地選択手段(S703, S704)と、をさらに備える。
この実施形態によれば、農地を確保していない作業グループについて、作物種の栽培に好適な農地を提案することができる。
【0096】
7.上記実施形態の情報処理装置は、
前記農地情報は、作物種ごとの収穫実績に関する収穫実績情報を含み、
前記農地選択手段(S703)は、前記作業グループが栽培する作物種の前記収穫実績情報に基づいて、前記提案する農地を選択する。
この実施形態によれば、栽培する作物種についての収穫実績のある農地を提案することができる。
【0097】
8.上記実施形態の情報処理装置は、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記農地情報は、作物種ごとの栽培時期に関する栽培時期情報を含み、
前記農地選択手段(S704)は、さらに前記時期情報に基づき、前記作業グループが栽培する作物種の前記栽培時期情報に基づいて、前記提案する農地を選択する。
この実施形態によれば、栽培する作物種の栽培時期が、作業グループの農作業を行う時期と対応する農地を提案することができる。
【0098】
9.上記実施形態の情報処理装置は、
前記取得手段は、天候予測に関する天候情報をさらに取得し、
前記農地選択手段は、さらに、前記天候情報に基づき、前記提案する農地を選択する。
この実施形態によれば、天候予測を加味した上で、作業グループが作物種を栽培するのに適した農地を提案することができる。
【0099】
10.上記実施形態の情報処理装置は、
前記取得手段は、天候予測に関する天候情報をさらに取得し、
前記時間情報は、前記作業グループが農作業を行う時期に関する時期情報を含み、
前記農地情報は、作物種ごとの収穫実績に関する収穫実績情報と、作物種ごとの栽培時期に関する栽培時期情報とを含み、
前記農地選択手段は、前記作業グループが栽培する作物種の前記収穫実績情報、当該作物種の前記栽培時期情報、及び、前記天候情報の少なくともいずれかに基づいて、前記提案する農地を選択する。
この実施形態によれば、作物種の栽培により好適な農地を提案することができる。
【0100】
11.上記実施形態の情報処理装置は、
前記取得手段は、前記作業グループが農作業を行う農地を示す農地情報をさらに取得し、
前記作物種選択手段(S802)は、前記農地情報が取得された場合に、さらに当該農地情報に基づいて前記提案する作物種を選択する。
この実施形態によれば、農地を検討済みの作業グループについて、当該農地において好適に栽培可能な作物種を提案することができる。
【0101】
12.上記実施形態の情報処理方法は、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得工程と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定工程(S601, S602)と、
前記決定工程において決定された前記作業能力と前記取得工程において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択工程(S603, S604, S802)と、を備える。
この実施形態によれば、作業者の体力及び作業グループの予定農作業時間に基づいて、当該作業グループに好適な作物種を提案することができる。
【0102】
13.上記実施形態のコンピュータ読取可能な記憶媒体は、
コンピュータに、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得処理と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定処理(S601, S602)と、
前記決定処理において決定された前記作業能力と前記取得処理において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択処理(S603, S604, S802)と、
を実行させるプログラムを記憶する。
この実施形態によれば、作業者の体力及び作業グループの予定農作業時間に基づいて、当該作業グループに好適な作物種を提案することができる。
【0103】
14.上記実施形態のプログラムは、
コンピュータに、
農作業を行う少なくとも1人の作業者を含む作業グループの、体力に関する体力情報及び予定農作業時間に関する時間情報を取得する取得処理と、
前記体力情報に基づいて、前記作業グループの作業能力を決定する決定処理(S601, S602)と、
前記決定処理において決定された前記作業能力と前記取得処理において取得された前記時間情報とに基づいて、前記作業グループに提案する作物種を選択する作物種選択処理(S603, S604, S802)と、
を実行させる。
この実施形態によれば、作業者の体力及び作業グループの予定農作業時間に基づいて、当該作業グループに好適な作物種を提案することができる。
【0104】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
100:提案サーバ、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:通信I/F、110:基礎体力DB、120:能率DB、130:作業種DB