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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052171
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】自動車検査予約システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158707
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】514263285
【氏名又は名称】株式会社エスブランドマネジメント
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】稲鍵 憲弘
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L049AA03
(57)【要約】
【課題】自分が所有する車両に適した自動車検査が行える整備事業者を判別する自動車検査予約システムを提供する。
【解決手段】車載式故障診断装置を活用した検査(OBD検査)を含む自動車検査が行える整備事業者に関する整備事業者情報と、OBD検査が必要な車両である対象車両を示す対象車両情報とを記憶する情報記憶部30と、自動車検査を行いたい車両である予約車両に関する予約車両情報を受信する受信処理部11と、予約車両が対象車両に該当するか否かを判別する判別処理部13と、整備事業者情報の中から、予約車両の自動車検査に適した整備事業者に関する適正事業者情報を送信する送信処理部15と、自動車検査を予約したいと選択された整備事業者及び自動車検査を予約した予約時期を整備予約情報として受付ける予約受付部17とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載式故障診断装置を活用した検査を含む自動車検査が行える整備事業者、及び車載式故障診断装置を活用した検査を含まない自動車検査が行える整備事業者を示す整備事業者情報と、車載式故障診断装置を活用した検査が必要な車両である対象車両を示す対象車両情報とを記憶する情報記憶部と、
ネットワークに接続可能な端末装置から入力された自動車検査を行いたい車両である予約車両に関する予約車両情報を受信する受信処理部と、
前記予約車両情報と前記対象車両情報とを照合して前記予約車両が前記対象車両に該当するか否かを判別する判別処理部と、
前記判別処理部の判別結果に基づき、前記整備事業者情報の中から、前記予約車両の自動車検査に適した整備事業者に関する適正事業者情報を選出して前記端末装置に送信する送信処理部と、
前記適正事業者情報に基づき、自動車検査を予約したいと選択された整備事業者及び当該整備事業者における、自動車検査を予約したいと選択された予約時期を検査予約情報として前記端末装置から受付ける予約受付部とを備える自動車検査予約システム。
【請求項2】
前記情報記憶部には、過去に不具合が発生した事実を型式毎に記録した不具合記録を示す不具合記録情報と、当該不具合の発生を予防するための予防整備を示す予防整備情報とが記憶され、
前記判別処理部は、前記予約車両情報及び前記不具合記録情報に基づいて前記予約車両が前記不具合記録にある型式と同一であるかを判別し、
前記予約車両の型式が前記不具合記録にある型式と同一である場合、前記送信処理部は、前記予約車両と同じ型式であることを示す前記不具合記録情報、及び前記不具合情報に対応する前記予防整備情報を選出して前記端末装置に送信する請求項1に記載の自動車検査予約システム。
【請求項3】
前記情報記憶部には、車両の走行距離、及び車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達した場合に行う定期整備を示す定期整備情報が記憶され、
前記判別処理部は、前記予約車両情報に基づいて前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達しているかを判別し、
前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達している場合、前記送信処理部は、前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方がどの所定の閾値に達したかを示すとともに当該所定の閾値に達した場合に該当する定期整備を示す前記定期整備情報を選出して前記端末装置に送信する請求項1又は2に記載の自動車検査予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車検査を予約する自動車検査予約システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車には、エンジン、トランスミッション、ブレーキ等各種制御用の機構における配線類の断線や各種センサからの異常な信号を検出して自己診断を行う車載式故障診断装置(On-Board Diagnostics,OBD)を搭載していることが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-161604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、国土交通省が令和元年5月に公布した道路運送車両法の一部改正に基づき、令和6年10月より車載式故障診断装置を活用した検査(OBD検査)が自動車検査の項目に追加されることとなった。
【0005】
しかし、現在巷間にある車両の平均保有年数は、7~9年と長く、全ての車両がOBD検査を必要とする車両に該当するとは限らない。特に、自動車の知識が乏しい人からすると、自分が所有する車両の自動車検査にはOBD検査が必要なのかも知らなければ、どのような整備事業者であればOBD検査が受けられるかも見当がつかない。
【0006】
本発明の目的は、自分が所有する車両に適した自動車検査が行える整備事業者に対して自動車検査の予約を行う自動車検査予約システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動車検査予約システムは、車載式故障診断装置を活用した検査を含む自動車検査が行える整備事業者、及び車載式故障診断装置を活用した検査を含まない自動車検査が行える整備事業者を示す整備事業者情報と、車載式故障診断装置を活用した検査が必要な車両である対象車両を示す対象車両情報とを記憶する情報記憶部と、ネットワークに接続可能な端末装置から入力された自動車検査を行いたい車両である予約車両に関する予約車両情報を受信する受信処理部と、前記予約車両情報と前記対象車両情報とを照合して前記予約車両が前記対象車両に該当するか否かを判別する判別処理部と、前記判別処理部の判別結果に基づき、前記整備事業者情報の中から、前記予約車両の自動車検査に適した整備事業者に関する適正事業者情報を選出して前記端末装置に送信する送信処理部と、前記適正事業者情報に基づき、自動車検査を予約したいと選択された整備事業者及び当該整備事業者における、自動車検査を予約したいと選択された予約時期を検査予約情報として前記端末装置から受付ける予約受付部とを備える。
【0008】
この構成によれば、エンドユーザは、自動車検査予約システムに予約車両情報を入力するだけで、OBD検査が必要な車両であるかが判別される。そして、自動車検査予約システムに予約車両の自動車検査に適するとして示された整備事業者情報の中から、エンドユーザは自動車検査を依頼したい整備事業者を選択して自動車検査の予約が行える。
【0009】
また、前記情報記憶部には、過去に不具合が発生した事実を型式毎に記録した不具合記録を示す不具合記録情報と、当該不具合の発生を予防するための予防整備を示す予防整備情報とが記憶され、前記判別処理部は、前記予約車両情報及び前記不具合記録情報に基づいて前記予約車両が前記不具合記録にある型式と同一であるかを判別し、前記予約車両の型式が前記不具合記録にある型式と同一である場合、前記送信処理部は、前記予約車両と同じ型式であることを示す前記不具合記録情報、及び前記不具合情報に対応する前記予防整備情報を選出して前記端末装置に送信することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、エンドユーザは、不具合記録から自分が所有する車両にどのような不具合が発生する可能性があるかを知り得ることができる。そのうえで、エンドユーザは、自分が所有する車両に対して予防整備を行うかどうかを判断することができる。
【0011】
また、前記情報記憶部には、車両の走行距離、及び車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達した場合に行う定期整備を示す定期整備情報が記憶され、前記判別処理部は、前記予約車両情報に基づいて前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達しているかを判別し、前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達している場合、前記送信処理部は、前記予約車両の走行距離、及び前記予約車両の使用年数のいずれか一方がどの所定の閾値に達したかを示すとともに当該所定の閾値に達した場合に該当する定期整備を示す前記定期整備情報を選出して前記端末装置に送信することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、エンドユーザは、自分が所有する車両の走行距離及び使用期間のいずれか一方が、車両整備を行う目安として設けられた所定の閾値に達したかを知り得ることができる。そのうえで、エンドユーザは、自分が所有する車両に対して定期整備を行うかどうかを判断することができる。
【発明の効果】
【0013】
このように、エンドユーザは、自動車検査予約システムによって、自分が所有する車両に適した自動車検査が行える整備事業者を容易に判別し、自分が所有する車両の自動車検査を予約することができる。また、エンドユーザは、自動車検査予約システムによって、自分が所有する車両に対して予防整備を行うかどうか、定期整備を行うかどうかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る自動車検査予約システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示す自動車検査予約システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3】自動車検査を行いたい予約車両に関する予約車両情報を入力するための入力画面の一例を示す画面図である。
図4】サーバ装置における整備事業者を検索する処理の一例を示すフローチャートである。
図5】検索結果が表示される検索結果画面の一例を示す画面図である。
図6】端末装置における整備事業者を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
図7】エンドユーザによって選択された整備事業者の現時点で自動車検査の予約可能な時期が表示される予約状況画面G3の一例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の実施形態に係る自動車検査予約システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す自動車検査予約システム1は、複数の端末装置C1,C2,C3と、サーバ装置Hと、事業者端末装置mとが、ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。
【0016】
端末装置C1,C2,C3、及び事業者端末装置mは、それぞれスマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末といったネットワークNを介してサーバ装置Hにアクセスし自動車検査に関するデータ送受信が可能な端末であればよく、これに限定しない。
【0017】
以下実施形態では、端末装置C1,C2,C3を総称して端末装置Cと称す。なお、端末装置Cは、エンドユーザが所有するスマートフォンを一例とするが、ガソリンスタンドや自動車販売店の取次店等の店頭に設置されたタブレット端末であってもよく、これに限定しない。また、自動車検査予約システム1にアクセスする者は、エンドユーザ本人に限らず、エンドユーザの要望を聞き取ったエンドユーザの代理人、例えばガソリンスタンドや自動車販売店の従業員であってもよい。
【0018】
事業者端末装置mは、整備事業者の事務所等に設置されるパーソナルコンピュータを一例とするが、自動車検査の予約管理が行える装置であれば、これに限定しない。
【0019】
ネットワークNは、例えばインターネット、公衆電話回線、移動体通信網、LAN(Local Area Network)、WiFi(登録商標)等、種々の通信手段であってもよく、これらの通信手段が組み合わされていてもよく、有線、無線、あるいは有線と無線とが組み合わされて構成されていてもよい。
【0020】
サーバ装置Hは、制御部10、及び情報記憶部30を備えている。
【0021】
制御部10は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、所定の制御プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶部、一時的にデータを記憶するRAM(RandomAccess Memory)、ネットワークNを介して端末装置Cと通信を行うための通信回路、及びそれらの周辺回路等が適宜に備えられて構成されている。
【0022】
制御部10は、所定の制御プログラムを実行することによって、受信処理部11、判別処理部13、送信処理部15、及び予約受付部17として機能する。
【0023】
情報記憶部30は、例えばHDDやSSD等の記憶装置によって構成されている。なお、上述した情報記憶部30は、一つの記憶装置によって構成されているが、記憶する内容や類別に応じて複数の記憶装置によって構成されていてもよく、これに限定するものではない。
【0024】
情報記憶部30には、OBD検査を含む自動車検査が行える整備事業者、及びOBD検査を含まない自動車検査が行える整備事業者を示す整備事業者情報と、OBD検査が必要な車両である対象車両を示す対象車両情報とが予め記憶されている。
【0025】
なお、上述した整備事業者は、道路運送車両法第49条第2項及び同法施行規則第3条で定義された分解整備及び電子制御装置整備を含む特定整備を実施することが可能な自動車特定整備事業の認証を取得した整備事業者である。また、上述した対象車両は、上記特定整備の適用に該当する車両である。
【0026】
整備事業者情報及び対象車両情報は、いわゆるLUT(look-up table)としてそれぞれ構成されている。整備事業者情報としては、上記認証を取得した整備事業者の、例えば名称、住所、連絡先、自動車検査の予約状況等が含まれる。対象車両情報としては、特定整備の適用に該当する、即ちOBD検査が必要な対象車両の、例えば車名、型式、通称名、車台番号等が含まれる。
【0027】
受信処理部11は、ネットワークNを介して自動車検査を行いたい車両である予約車両に関する予約車両情報を端末装置Cから受信する。予約車両情報としては、予約車両の、例えば車名、型式、通称名、車台番号、初度登録年月、走行距離等が含まれる。
【0028】
判別処理部13は、受信処理部11で受信した予約車両情報と、情報記憶部30が記憶している対象車両情報とを照合し、予約車両が対象車両に該当するかを判別する。
【0029】
判別の一例としては、予約車両情報に含まれる車台番号と、対象車両情報に含まれる車台番号とを照合し、対象車両に該当するか否かを判別している。なお、予約車両が対象車両であるか否かを判別することが可能であれば、車台番号以外の情報で判別を行ってもよい。
【0030】
送信処理部15は、判別処理部13で出力された判別結果に基づき、情報記憶部30が記憶している整備事業者情報のうち、予約車両の自動車検査に適した整備事業者情報が含まれる適正事業者情報を端末装置Cに送信する。
【0031】
予約車両が対象車両に該当する車両であると判別処理部13が判別した場合、送信処理部15は、情報記憶部30が記憶している整備事業者情報のうち、OBD検査を含む自動車検査が実施可能な整備事業者に関する整備事業者情報を適正事業者情報として選出し、端末装置Cに送信する。
【0032】
予約車両が対象車両に該当しない車両であると判別処理部13が判別した場合、送信処理部15は、情報記憶部30が記憶している整備事業者情報のうち、OBD検査を含まない自動車検査が実施可能な整備事業者に関する整備事業者情報を適正事業者情報として選出し、端末装置Cに送信する。
【0033】
予約受付部17は、適正事業者情報に基づき、自動車検査を依頼したいと選択された整備業者及び当該整備事業者において自動車検査を予約した予約時期を整備予約情報として端末装置Cから受付ける。
【0034】
また、情報記憶部30には、不具合記録を示す不具合記録情報と、当該不具合の発生を予防するための予防整備を示す予防整備情報とが記憶されている。
【0035】
ここで述べる不具合記録とは、型式毎に車両が過去にどのような不具合が発生したかを記録したものである。例えば、ある型式の車両は、使用年数が2年以上経過すると、車内のエアコン機能が著しく低下するといった不具合が型式毎に記録されている。
【0036】
判別処理部13は、予約車両の型式が、不具合記録に記録された型式と同一であるかを判断する。同一であった場合、送信処理部15は、当該型式で過去に不具合が発生した事実を示す不具合記録情報と、当該型式の不具合に対応する予防整備情報とを選出し、端末装置Cに送信する。
【0037】
さらにまた、情報記憶部30には、車両の走行距離、及び車両の使用年数のいずれか一方が所定の閾値に達した場合に行う定期整備を示す定期整備情報が記憶されている。
【0038】
ここで述べる定期整備は、エンジンオイル、タイヤ、ワイパーゴム等車両に用いられる消耗品を定期的に行う交換作業を含む。また、所定の閾値とは、国土交通省が定める法令に則りつつ自動車メーカが定める整備基準を前提に、一定の使用期間や一定の走行距離毎に行う整備の目安値を指している。
【0039】
次に、上述した自動車検査予約システム1の動作について説明する。図2は、図1に示す自動車検査予約システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図3図7は、図1に示す自動車検査予約システム1の動作を説明するための説明図である。
【0040】
まず、自動車検査予約システム1は、自動車検査を行いたい予約車両に関する予約車両情報を入力するための入力画面を端末装置Cに表示する(ステップS1)。
【0041】
図3は、自動車検査を行いたい予約車両に関する予約車両情報を入力するための入力画面G1の一例を示す画面図である。
【0042】
入力画面G1には、車名、型式、使用年数、車台番号、走行距離、通称名を含む予約車両情報をそれぞれ入力することが可能な入力欄R1,R2,R3,R4,R5,R6及びそれら入力された予約車両情報を制御部10に送信するための検索開始ボタンBが表示されている。
【0043】
エンドユーザは、自身が操作する端末装置Cを用いて、例えばウェブブラウザにおいて自動車検査予約システム1の入力画面G1を開き、入力欄R1~R6に予約車両情報を入力する(ステップS2)。
【0044】
本実施形態において、端末装置Cには、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子を用いて構成される読取部(図示されていない)が含まれている。当該読取部は、自動車検査証に記載された二次元コードを撮像することで、自動車検査証に記載されている車両である予約車両の車名、型式、自動車登録番号又は車両番号、初度登録年月又は初度検査年月、車台番号等を読み取って入力欄R1~R6に入力することができる。
【0045】
日本国の国土交通大臣が交付する自動車検査証には、二次元コードとしてQRコード(登録商標)が記載されている。
【0046】
なお、読取部の一例として二次元画像を撮像するカメラを示したが、読取部はカメラに限らない。読取部は、例えば、レーザー光で二次元コードをスキャンすることによって二次元コードを読み取る読取装置であってもよい。また、読取部は、自動車検査証に記載された二次元コードを読み取ることができればよく、自動車検査証にQRコード(登録商標)以外の二次元コードが用いられた場合には、その二次元コードを読み取り可能であればよい。QRコード(登録商標)以外の二次元コードとしては、例えば、PDF417、DataMatrix、MaxiCode等が挙げられる。
【0047】
入力欄R1,R2,R3,R4は、端末装置Cに含まれる読取部で自動車検査証に記載の二次元コードを読み取ることにより、予約車両の車名、型式、車台番号、使用年数が入力される。なお、使用年数は、自動車検査証の初度登録年月又は初度検査年月入力欄に記載された年月から割り出すことができる。入力欄R5,R6に入力される予約車両の走行距離、通称名は、自動車検査証に記載の二次元コードから読み取ることができない情報であることから、エンドユーザが手入力で入力する。
【0048】
また、入力欄R1~R6は、端末装置Cに含まれる読取部を用いず、タッチパネルディスプレイによる手入力であってもよく、予約車両に関する予約車両情報を入力することが可能であれば、これに限定しない。
【0049】
検索開始ボタンBが選択されると、自動車検査予約システム1は、入力欄R1~R6に入力された予約車両情報を受信処理部11に送信し、予約車両に適した自動車検査が行える整備事業者の検索を開始する(ステップS3)。
【0050】
図4は、サーバ装置Hにおける整備事業者を検索する処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
受信処理部11は、端末装置Cから送信された予約車両情報を受信する(ステップS31)。
【0052】
判別処理部13は、予約車両情報に含まれている予約車両の車台番号と、対象車両情報に含まれている対象車両の車台番号とを照し合わせ、予約車両が対象車両に該当するかを判別する(ステップS32)。
【0053】
なお、判別処理部13は、予約車両情報に含まれる予約車両の型式と対象車両情報に含まれる型式とを照らし合わせて予約車両が対象車両に該当するかを判別してもよく、予約車両が対象車両に該当するかを判別することが可能であれば、これに限定しない。
【0054】
予約車両は対象車両に該当すると判別処理部13が判別した場合(ステップS32でYES)、送信処理部15は、情報記憶部30から、OBD検査を含む自動車検査が実施可能な整備事業者に関する整備事業者情報を、適正事業者情報として選出する(ステップS33)。
【0055】
予約車両は対象車両に該当しないと判別処理部13が判別した場合(ステップS32でNO)、送信処理部15は、情報記憶部30から、OBD検査を含まない自動車検査が実施可能な整備事業者に関する整備事業者情報を、適正事業者情報として選出する(ステップS34)。
【0056】
判別処理部13は、予約車両情報に含まれる予約車両の型式が過去に不具合が発生したことがある型式と同一であるかを判別する(ステップS35)。
【0057】
予約車両の型式が過去に不具合が発生したことがある型式と同一であると判別処理部13が判別した場合(ステップS35でYES)、送信処理部15は、予約車両と同じ型式で、過去に不具合が発生した事実が記録されていることを示す不具合記録情報と、当該不具合を防ぐための予防整備情報とを情報記憶部30から選出する(ステップS36)。
【0058】
予約車両の型式が過去に不具合が発生したことがある型式と同一でないと判別処理部13が判別した場合(ステップS35でNO)、送信処理部15は、情報記憶部30から不具合記録情報と、予防整備情報とを選出しない。
【0059】
判別処理部13は、予約車両情報に含まれる予約車両の走行距離、及び予約車両の使用年数のいずれか一方が、所定の閾値に達しているかを判別する(ステップS37)。
【0060】
予約車両の走行距離、及び予約車両の使用年数のいずれか一方が、所定の閾値に達していた場合(ステップS37でYES)、送信処理部15は、予約車両の走行距離、及び予約車両の使用年数のいずれか一方がどの所定の閾値に達したかを示すとともに当該所定の閾値に達した場合に該当する定期整備を示す定期整備情報を情報記憶部30から選出する(ステップS38)。
【0061】
予約車両の走行距離、及び予約車両の使用年数のいずれか一方が、所定の閾値に達していないと判別処理部13が判別した場合(ステップS37でNO)、送信処理部15は、情報記憶部30から定期整備情報を選出しない。
【0062】
次に、送信処理部15は、選出された適正事業者情報、不具合記録情報及び予防整備情報、定期整備情報を検索結果として端末装置Cに送信する(ステップS39)。
【0063】
再度、図2に参照すると、自動車検査予約システム1は、適正事業者情報と、不具合記録情報及び予防整備情報と、定期整備情報とをそれぞれ示す検索結果表示画面を端末装置Cに表示する(ステップS4)。
【0064】
図5は、検索結果が表示される検索結果画面G2の一例を示す画面図である。
【0065】
検索結果画面G2には、検索結果に基づいて予約車両がOBD検査を必要とする対象車両に該当するか否かが表示される。
【0066】
検索結果画面G2には、適正事業者情報として選出された整備事業者情報に含まれる、予約車両に適した自動車検査が行える整備事業者m1,m2,m3,m4,mNの名称、住所、連絡方法、整備事業者m1,m2,m3,m4,mNまでの距離が表示される。
【0067】
その際、検索結果画面G2には、予約車両と同じ型式で過去に不具合が起きている事実を示すとともに、整備事業者m1,m2,m3,m4,mNにおいて実施可能な、当該不具合を未然に防ぐための予防整備を推奨する内容がさらに表示される(図示されていない)。
【0068】
これにより、自動車検査予約システム1は、予約車両に不具合が発生するリスクがあることをエンドユーザに伝えることができ、エンドユーザは、予約車両に対して当該予防整備を実施するかどうかを判断することができる。
【0069】
また、検索結果画面G2には、所定の閾値に達したことを示すとともに、整備事業者m1,m2,m3,m4,mNにおいて実施可能な、当該所定の閾値に達した場合に該当する定期整備を推奨する内容もさらに表示される(図示されていない)。
【0070】
これにより、自動車検査予約システム1は、予約車両が整備の目安となる閾値に達していることをエンドユーザに伝えることができ、エンドユーザは、予約車両に対して当該定期整備を実施するかどうかを判断することができる。
【0071】
整備事業者情報には、その他にも、各整備事業者における自動車検査や整備にかかる費用、顧客からの評価といった情報が含まれ、これら情報を検索結果画面G2に表示してエンドユーザが整備事業者を選択する上での参考とすることができる(図示されていない)。エンドユーザが整備事業者を選択する上での参考となる情報であれば、これに限定しない。
【0072】
エンドユーザは、検索結果画面G2に表示された整備事業者から、自動車検査を予約したい整備事業者を選択する(ステップS5)。
【0073】
図6は、端末装置Cにおける整備事業者を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
エンドユーザは、検索結果画面G2に表示された整備事業者の中から、どの整備事業者に自動車検査を実施してほしいかを選択する(ステップS51)。
【0075】
エンドユーザが整備事業者を選択すると、端末装置Cは、当該整備事業者の現時点における自動車検査の予約可能な時期を表示する。(ステップS52)。
【0076】
図7は、エンドユーザによって選択された整備事業者の現時点で自動車検査の予約可能な時期が表示される予約状況画面G3の一例を示す画面図である。
【0077】
予約状況画面G3は、整備事業者の自動車検査の予約状況に基づき、現時点で自動車検査の予約可能な時期をカレンダー形式で表示する。予約可能な時期の表示は、リストアップした形式であってもよく、エンドユーザに予約可能な時期を伝えることができれば、これに限定しない。
【0078】
エンドユーザは、予約状況画面G3に表示された自動車検査の予約可能な時期から、自動車検査を予約したい年月日と、自動車検査を予約したい年月日における時間とを含む予約時期を選択する(ステップS53)。
【0079】
予約時期が選択されると、端末装置Cは、選択された整備事業者と、選択された予約時期を予約受付部17に送信する(ステップS54)。
【0080】
再度、図2に参照すると、自動車検査予約システム1は、端末装置Cからエンドユーザが選択した整備事業者と、当該整備事業者における予約時期とを検査予約情報として予約受付部17が受付ける(ステップS6)。
【0081】
予約受付部17は、エンドユーザに選択された整備事業者の事業者端末装置mに予約車両情報及び検査予約情報を送信する(ステップS7)。
【0082】
このとき、予約受付部17は、予約車両に対してどの整備事業者に自動車検査を予約したかを、端末装置Cから受付けた検査予約情報と予約車両情報と紐付けて情報記憶部30に記憶させてもよい。
【0083】
事業者端末装置mは、予約受付部17から送信された予約車両情報及び検査予約情報を受信し、整備事業者が自動車検査の予約を受理し(ステップS8)、予約車両の自動車検査の予約処理を終了する。
【0084】
予約車両の自動車検査を行う整備事業者は、事業者端末装置mにより、予約車両に関する情報を自動車検査が実施される時期以前に確認することができる。これにより、当該整備事業者は、整備部品の調達やスケジュール調整が容易になる。
【0085】
なお、上述した説明では、自動車検査予約システム1を利用する環境として、タブレット端末のブラウザで直接サーバ装置Hにアクセスして使用することが例示されたが、自動車検査予約システム1をソフトウェアやアプリケーションとしてタブレット端末、スマートフォン又はパーソナルコンピュータにインストールして使用してもよく、これに限定しない。
【0086】
以上により、エンドユーザは、自動車検査予約システム1に自分が所有する車両の情報を入力するだけで、OBD検査が必要な車両であるかが判別される。そして、自動車検査予約システム1に自分が所有する車両の自動車検査を予約すれば、自分が所有する車両に適した自動車検査が行える整備事業者に対して自動車検査の予約が行える。
【符号の説明】
【0087】
1 自動車検査予約システム
10 制御部
11 受信処理部
13 判別処理部
15 送信処理部
17 予約受付部
30 情報記憶部
B 検索開始ボタン
C,C1,C2,C3 端末装置
G1 入力画面
G2 検索結果画面
G3 予約状況画面
H サーバ装置
m 事業者端末装置
m1,m2,m3,m4,mN 整備事業者
N ネットワーク
R1,R2,R3,R4,R5,R6 入力欄
S1~S8 ステップ
S31~S39 ステップ
S51~S54 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7