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特開2024-52181締結作業支援プログラム及び締結作業支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052181
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】締結作業支援プログラム及び締結作業支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158730
(22)【出願日】2022-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】522049510
【氏名又は名称】ジーダブルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西谷 浩
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】締結位置及び締結順序のナビゲートを行うことにより、分かり易く、間違いのない締結手作業を可能とする。
【解決手段】締結作業支援プログラムは、締結ナビゲート装置10の第1演算部13及び端末装置20の第2演算部23に対し、ナビゲート情報NDを生成して符号化した二次元バーコードB1を生成するステップ214と、二次元バーコードB1を印刷装置30に送信して作業手順書WSを生成させるステップ215と、作業手順書WSの二次元バーコードB1を読み取りナビゲート情報NDを復元するステップ101と、ナビゲート情報NDに基づいて、作業者WRが複数の要締結箇所BP1~BP5に対し1箇所ずつ締結手作業を行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートするナビゲートマークNM1~NM5を含むナビゲート画像データを第1表示部12に表示するステップ107,114,121,128,135を分担して実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結作業支援システムが有する、撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、がそれぞれ備える演算部において実行され、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援プログラムであって、
前記締結ナビゲート装置及び前記端末装置がそれぞれ備える前記演算部に対し、
複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する基準実静止画データを生成する基準実静止画データ生成手順と、
前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付ける指示受付手順と、
前記指示受付手順で前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手順と、
前記ナビゲート情報生成手順で生成された前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成する二次元バーコード生成手順と、
前記二次元バーコード生成手順で生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させる印刷媒体生成手順と、
前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成する、対象実静止画データ生成手順と、
生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示する、対象実静止画データ表示手順と、
前記印刷媒体生成手順で生成された前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元するナビゲート情報復元手順と、
前記ナビゲート情報復元手順で復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の前記手作業順序及び前記手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データ表示手順で表示された前記対象実静止画データに対し重畳するように前記第1表示部に表示するナビゲート画像データ表示手順と、
を分担して実行させることを特徴とする、締結作業支援プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記ナビゲート情報生成手順では、
前記順序情報及び前記位置情報に加えて、前記締結作業具の種類を表す作業具情報を含むナビゲート情報を生成し、
前記演算部に対し、さらに、
前記撮像部による撮像結果に基づき、前記対象被作業物に対する前記締結手作業の実行時の前記締結作業具の種類を検知する作業具検知手順と、
前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業具検知手順で検知されている前記締結作業具の種類が、前記ナビゲート画像データ表示手順で表示されている前記ナビゲート画像データ中の前記ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類と整合するか否かを判定する作業具判定手順と、
を実行させることを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項3】
請求項2記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記演算部に対し、さらに、
前記作業具判定手順において前記締結作業具の種類が前記ナビゲート画像データ中の前記ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類と整合しないと判定された場合に、対応する警告報知を実行する警告報知手順
を実行させることを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記ナビゲート画像データ表示手順では、
前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ前記締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際に、前記ナビゲートマークと共に当該ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類を含む前記ナビゲート画像データを前記対象実静止画データに対し重畳するように前記第1表示部に表示する
ことを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項5】
撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、を用いて、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定の複数のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援方法であって、
複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する前記基準実静止画データを生成することと、
前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付けることと、
前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成することと、
前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成することと、
生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させることと、
前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成することと、
生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示することと、
前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元することと、
復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データに対し重畳するように第1表示部に表示することと、
を有することを特徴とする締結作業支援方法。
【請求項6】
請求項5記載の締結作業支援方法において、
前記作業者による前記締結手作業の前に、復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記複数の要締結箇所に対応する複数の前記ナビゲートマークを前記第1表示部に表示することと、
前記作業者による前記締結手作業の前に、前記第1表示部に表示された前記複数のナビゲートマークと、前記第1表示部に表示された前記対象実静止画データに含まれる前記複数の要締結箇所とが一致するように、前記撮像部の位置を調整することと、
をさらに有することを特徴とする締結作業支援方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の締結作業支援方法において、
前記撮像部は、
前記対象被作業物を拡大又は縮小して撮像する機能を備えており、
前記作業者による前記締結手作業の前に、前記第1表示部に表示された前記複数のナビゲートマークと、前記第1表示部に表示された前記対象実静止画データに含まれる前記複数の要締結箇所とが一致するように、前記撮像部による拡大又は縮小を調整することと、
をさらに有することを特徴とする締結作業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者による対象被作業物に対する締結作業具を用いた締結手作業を支援するための締結作業支援プログラム及び締結作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組立工場でのボルトやネジ等の締め付け作業を支援する、締め付け作業支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の締め付け作業支援装置は、ボルトやネジ等の締め付け順序が、作業者に表示されるようになっている。具体的には、当該作業支援装置には、発光器、カメラ、及び、コンピュータが、備えられている。このカメラは、ワークを撮影するようになっている。このコンピュータのディスプレイにおいて、締め付けられたボルト等が正しい場合には、カメラが撮影しているワークの画像に、塗りつぶされたボルト画像が、重ねて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-42491号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の締め付け作業支援装置では、コンピュータで実行される支援プログラムにより、ディスプレイにおいて、ワーク画像の下に「ボルト1を締めて下さい」等のメッセージが表示される。しかしながら、この締め付け作業の支援は、メッセージ表示にとどまり、画面上において締め付け位置をナビゲートするものとはなっていない。分かり易く、間違いのない締結手作業を可能とする技術が、望まれている。
【0005】
本発明の目的は、実画像データ上に重畳表示する動画のマークで締結位置及び締結順序のナビゲートを行うことにより、分かり易く、間違いのない締結手作業を可能とするプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の締結作業支援プログラムは、締結作業支援システムが有する、撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、がそれぞれ備える演算部において実行され、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援プログラムであって、前記締結ナビゲート装置及び前記端末装置がそれぞれ備える前記演算部に対し、複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する基準実静止画データを生成する基準実静止画データ生成手順と、前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付ける指示受付手順と、前記指示受付手順で前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手順と、前記ナビゲート情報生成手順で生成された前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成する二次元バーコード生成手順と、前記二次元バーコード生成手順で生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させる印刷媒体生成手順と、前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成する、対象実静止画データ生成手順と、生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示する、対象実静止画データ表示手順と、前記印刷媒体生成手順で生成された前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元するナビゲート情報復元手順と、前記ナビゲート情報復元手順で復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の前記手作業順序及び前記手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データ表示手順で表示された前記対象実静止画データに対し重畳するように前記第1表示部に表示するナビゲート画像データ表示手順と、を分担して実行させることを特徴とする。
【0007】
また、本願発明の締結作業支援方法は、撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、を用いて、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定の複数のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援方法であって、複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する前記基準実静止画データを生成することと、前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付けることと、前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成することと、前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成することと、生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させることと、前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成することと、生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示することと、前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元することと、復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データに対し重畳するように第1表示部に表示することと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の締結作業支援システムにおいては、作業者は、対象被作業物の複数の要締結箇所に対し、1箇所ずつ締結作業具を用いて締結手作業を順次行う。その際、目の前の作業台に置かれた対象被作業物を撮像した対象実静止画データが締結ナビゲート装置の第1表示部に表示されるとともに、その静止画データ上に、ナビゲートマークを含むナビゲート画像データが重畳表示され、これによって上記締結手作業時において上記複数の要締結箇所に対して実行すべき、手作業順序及び手作業位置が動的にナビゲートされる。
【0009】
このとき、ナビゲート画像データは、締結ナビゲート装置においてナビゲート情報に基づいて生成され表示される。ナビゲート情報は、端末装置において、複数の要締結箇所を備えた基準被作業物を予め撮影した基準実静止画データを第2表示部に表示させた状態で、ナビゲートマークの生成指示を操作部を介して受け付けた場合に、生成される。ナビゲート情報は、手作業順序を表す順序情報、及び、手作業位置を表す位置情報、を含んでいる。端末装置で生成されたナビゲート情報は、符号化されて二次元バーコードが生成され、当該二次元バーコードが印刷装置に送信されて、当該二次元バーコードを含む印刷媒体が生成される。
【0010】
生成された印刷媒体の二次元バーコードは、締結ナビゲート装置の撮像部によって読み取られ、復号化されてナビゲート情報が復元される。また、締結ナビゲート装置では、作業台に配置された対象被作業物が撮像部により撮像され、対応する対象実静止画データが生成されて第1表示部に表示される。締結ナビゲート装置の第1表示部では、復元されたナビゲート情報に基づいて、作業者が複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートするナビゲートマークを含むナビゲート画像データが、対象実静止画データに対し重畳するように表示される。
【0011】
以上のようにして、本願発明によれば、仮想動画中のナビゲートマークで動的に締結位置及び締結順序の表示を行うことができるので、作業者に対し分かり易くナビゲートを行うことができ、作業者は間違いのない締結手作業を行うことができる。また、例えば予めナビゲート画像データを端末装置で生成して締結ナビゲート装置に送信する場合には、各装置の処理性能の相違や、使用されるOS、プログラム等の相違に起因して送信がうまくいかなかったり、データ容量が大きいために締結ナビゲート装置の処理負荷が大きくなる等、システムの運用負荷が大きくなるという課題がある。本発明では、締結ナビゲート装置側で二次元バーコードを読み取ることさえ可能であれば、各装置の処理性能やOS等の相違に関わらずデータを受け渡すことが可能であり、且つ、締結ナビゲート装置側では二次元バーコードから復元された比較的データ容量の小さいナビゲート情報を処理すれば足りるため、処理負荷を軽減できる。したがって、システムの運用負荷を大幅に軽減できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、分かり易く、間違いのない締結手作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るナビゲートデータ生成プログラムが適用される端末装置において、基準被作業物を撮像した基準実静止画データを表示させた状態でナビゲート情報が生成され、符号化された二次元バーコードが印刷装置で印刷される様子を示す説明図である。
図2】端末装置において、基準被作業物を撮像した基準実静止画データを表示させた状態でナビゲートマークの生成指示を受け付ける様子を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る締結ナビゲートプログラムが適用される締結ナビゲート装置において、作業者が撮像部で二次元バーコードを読み取る様子を示す説明図である。
図4】締結ナビゲート装置において、締結手作業を実施する前に作業者が撮像部の位置合わせを行う様子を示す説明図である。
図5】締結ナビゲート装置を用いて締結手作業を実施する場合の全体構成と、当該締結ナビゲート装置に対象実静止画データを表示させた状態で、ナビゲート画像データを重畳表示させていく様子を示す図である。
図6】締結ナビゲート装置に対象実静止画データを表示させた状態で、ナビゲート画像データを重畳表示させていく様子を示す図である。
図7】締結ナビゲート装置に対象実静止画データを表示させた状態で、ナビゲート画像データを重畳表示させていく様子を示す図である。
図8】締結ナビゲート装置が他の態様の第1表示部を備える場合の全体構成図である。
図9】締結ナビゲート装置の機能ブロック図である。
図10】締結ナビゲート装置を用いて締結手作業を実施する場合に使用される締結作業具の構成図である。
図11】締結ナビゲート装置を用いて締結手作業を実施する場合に、締結作業具の位置がナビゲートマークの位置と整合しないと判定されたときに、対応する警告報知を実行している様子を示す図である。
図12】締結ナビゲート装置を用いて締結手作業を実施する場合に、締結作業具の種類がナビゲートマークに対応する締結作業具の種類と整合しないと判定されたときに、対応する警告報知を実行している様子を示す図である。
図13】締結ナビゲート装置が他の態様の警告報知部を備える場合の全体構成図である。
図14】端末装置の機能ブロック図である。
図15】締結ナビゲート装置の第1演算部が、締結ナビゲートプログラムにより実行する締結手作業のナビゲート処理を示す一連のフローチャートの一部である。
図16】締結ナビゲート装置の第1演算部が、締結ナビゲートプログラムにより実行する締結手作業のナビゲート処理を示す一連のフローチャートの一部であって、図15に続くフローチャートである。
図17】締結ナビゲート装置の第1演算部が、締結ナビゲートプログラムにより実行する締結手作業のナビゲート処理を示す一連のフローチャートの一部であって、図16に続くフローチャートである。
図18】端末装置の第2演算部が、ナビゲートデータ生成プログラムにより実行するナビゲート情報の生成処理を示す一連のフローチャートである。
図19】当該締結ナビゲート装置に対象実静止画データを表示させた状態で、締結作業具の種類を含む態様のナビゲート画像データを重畳表示させていく様子を示す図である。
図20】締結ナビゲート装置において、締結手作業を実施する前に作業者が撮像部の位置合わせ及び倍率合わせを行う様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<締結手作業におけるナビゲートの概要>
本発明の実施形態に係る締結作業支援システム1は、締結作業支援プログラムを実行することにより、対象被作業物Wに締結手作業を行う作業者WRに対して作業手順をナビゲートするシステムである。締結作業支援システム1は、締結ナビゲート装置10と端末装置20を有する。締結作業支援プログラムは、締結ナビゲートプログラム100及びナビゲートデータ生成プログラム200により構成されている。締結ナビゲートプログラム100は、締結ナビゲート装置10に適用されるプログラムである。締結ナビゲートプログラム100及び締結ナビゲート装置10は、複数の要締結箇所を有する対象被作業物W(例えば、タイヤホイール等)に対し、締結手作業を順次行う際の手作業順序、手作業位置、及び、締結作業具Tの種類をナビゲートするように構成されている。締結手作業は、例えば、作業者WRの手により、締結作業具Tを用いてボルト又はナットを締結する作業である(後述の図5図7を参照)。なお、いわゆるボルトだけでなく、ネジ、ビス等のその他の締結部材を用いてもよく、以下、本願明細書において「ボルト」というときは、それら他の締結部材も含まれるものである。当該ナビゲートは、後述するナビゲート画像データに基づいて実行される。
【0016】
ナビゲートデータ生成プログラム200は、ナビゲート画像データを生成するためのナビゲート情報を生成するように構成されている。ナビゲートデータ生成プログラム200は、端末装置20に適用される。図1に示すように、端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ等の固定式端末である。端末装置20にて、ナビゲートデータ生成プログラム200により、ナビゲート情報NDが生成される。生成されたナビゲート情報NDは、符号化されて二次元バーコードB1が生成され、例えば無線通信や有線通信、記憶媒体等を介して、端末装置20から印刷装置30へ送信される。二次元バーコードは例えばQRコード(登録商標)等である。印刷装置30では、二次元バーコードB1及び締結手作業の手順等が印刷されて、作業手順書WS(印刷媒体の一例)が作成される。
【0017】
図1に示すように、基準実静止画データSDは、対象被作業物Wと同一種類、同一大きさ、同一形状である基準被作業物SWを、撮像して得られる画像データである。基準被作業物SWの撮像は、端末装置20とは別体のカメラ、又は、端末装置20に内蔵のカメラにて撮像され、端末装置20に取り込まれて基準実静止画データSDが生成される。
【0018】
図1に示すように、基準実静止画データSDを第2表示部21に表示させた状態で、操作部22を介して管理者によりナビゲートマークNMの生成指示がなされる。例えば、第2表示部21に表示された基準実静止画データSD中の要締結箇所BP1~BP5の位置に対応するよう、ナビゲートマークNMが生成される。具体的には、例えば図2に示すように、まず基準実静止画データSD中の要締結箇所BP1に対応する位置が例えばクリック等により指示され、ナビゲートマークNM1の表示位置がXY座標(X1,Y1)として指定される。この際、表示位置の指定の前又は後に、要締結箇所BP1に対応する締結作業具Tの種類(例えば締結作業具TA)が入力される。締結作業具Tは、例えば締結するボルト又はナットの径や形状等に応じて複数種類が用意されており、要締結箇所BP1~BP5ごとに、使用する締結作業具Tの種類が入力される。
【0019】
次に、基準実静止画データSD中の要締結箇所BP2に対応する位置が例えばクリック等により指示され、ナビゲートマークNM2の表示位置がXY座標(X2,Y2)として指定される。この際、表示位置の指定の前又は後に、要締結箇所BP2に対応する締結作業具Tの種類(例えば締結作業具TB)が入力される。次に、基準実静止画データSD中の要締結箇所BP3に対応する位置が例えばクリック等により指示され、ナビゲートマークNM3の表示位置がXY座標(X3,Y3)として指定される。この際、表示位置の指定の前又は後に、要締結箇所BP3に対応する締結作業具Tの種類(例えば締結作業具TB)が入力される。次に、基準実静止画データSD中の要締結箇所BP4に対応する位置が例えばクリック等により指示され、ナビゲートマークNM4の表示位置がXY座標(X4,Y4)として指定される。この際、表示位置の指定の前又は後に、要締結箇所BP4に対応する締結作業具Tの種類(例えば締結作業具TC)が入力される。次に、基準実静止画データSD中の要締結箇所BP5に対応する位置が例えばクリック等により指示され、ナビゲートマークNM5の表示位置がXY座標(X5,Y5)として指定される。この際、表示位置の指定の前又は後に、要締結箇所BP5に対応する締結作業具Tの種類(例えば締結作業具TC)が入力される。
【0020】
なお、以上におけるXY座標は、図2に示すように、第2表示部21に表示された画像において、例えば横軸をX軸、縦軸をY軸とする座標系である。XY座標の数値は、例えば撮像するカメラの解像度により定まるピクセル値等としてもよい。この場合、基準被作業物SWを撮像するカメラの解像度、及び、対象被作業物Wを撮像する撮像部11の解像度が同じである必要がある。各ナビゲートマークNM1~NM5の位置情報は、特定のナビゲートマークNM(例えばナビゲートマークNM1等)を基準点Oとした相対位置座標として規定されてもよい。また、第2表示部21に表示された画像の端部(例えば左上端等)を基準点Oとした位置座標として規定されてもよい。
【0021】
以上のようにして、図1に示すように、端末装置20において手作業順序を表す順序情報(#1~#5)、締結作業具Tの種類を表す作業具情報(作業具TA~TC)、手作業位置を表す位置情報(X1,Y1~X5,Y5)を含む、ナビゲート情報NDが生成される。当該ナビゲート情報NDは、締結ナビゲート装置10にて、対象実静止画データRDに対し重畳表示されるナビゲートマークNMの表示色が、要締結箇所BP1~BP5の順に対応して変更されていくナビゲート画像として表示される。
【0022】
図2に示すように、ナビゲートマークNM1~NM5の生成指示の際には、ナビゲートマークNM1~NM5が、基準実静止画データSD中の各要締結箇所BP1~BP5に重畳されて表示される。本実施形態では、重畳表示されるナビゲートマークNMの形状を、要締結箇所BPを囲う円形の図形としているが、作業対象となる要締結箇所BPを特定可能であれば、その他形状の図形としてもよい。また、本実施形態では、一例として対象被作業物W(基準被作業物SW)が5箇所の要締結箇所BP1~BP5を有する場合について説明するが、要締結箇所の数、位置、順番等は本実施形態の内容に限定されるものではなく、多種多様なものに適用可能である。
【0023】
図3(a)に示すように、締結ナビゲート装置10は作業台WT上にスタンドSTを介して設置されている。スタンドSTは、締結ナビゲート装置10を自由に移動可能に支持している。締結ナビゲート装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の移動式端末であり、撮像部11と、第1表示部12とを有する。作業者WRは、撮像部11の下方に作業手順書WSをかざすことにより、作業手順書WSの二次元バーコードB1を読み取らせる。図3(b)にこのときの第1表示部12の表示の一例を示す。これにより、締結ナビゲート装置10の第1演算部13(後述の図9参照)は、二次元バーコードB1を復号化してナビゲート情報NDを復元する。
【0024】
図4(a)に示すように、締結手作業は、対象被作業物Wが作業台WTに配置された状態にて実行される。本実施形態においては、対象被作業物Wは、基準被作業物SWと同一種類・同一の大きさ・同一形状のものである。即ち、対象被作業物Wは、基準被作業物SWと同じ5箇所の位置に、要締結箇所BP1~BP5を有する。対象被作業物Wは撮像部11により撮像され、対応する対象実静止画データRDが生成される。生成された対象実静止画データRDは、第1表示部12に表示される。一方、作業者WRは、締結手作業の前に、締結ナビゲート装置10に対して所定の操作を行うことにより、復元されたナビゲート情報NDに基づいて、複数の要締結箇所BP1~BP5に対応する複数のナビゲートマークNM1~NM5を第1表示部12に第1の表示色で表示させる。第1の表示色については後述する。図4(b)にこのときの第1表示部12の表示の一例を示す。
【0025】
図4(b)に示す例では、第1表示部12において、ナビゲートマークNM1~NM5の位置と、要締結箇所BP1~BP5の位置とがずれている。作業者WRは、第1表示部12に表示されたナビゲートマークNM1~NM5と、第1表示部12に表示された対象実静止画データRDに含まれる複数の要締結箇所BP1~BP5とが一致するように、撮像部11の位置を調整する。図4(c)に位置調整後の第1表示部12の表示の一例を示す。
【0026】
以上の準備作業が終わった後、作業者WRは、対象被作業物Wの複数の要締結箇所BP1~BP5に対し、1箇所ずつ締結作業具Tを用いて締結手作業を順次行う。この際、作業者WRは、例えば締結ナビゲート装置10に対して所定の開始操作を行うことにより、第1表示部12において対象実静止画データRDに重畳させてナビゲート画像データの表示を開始させる。ナビゲート画像データにおいては、複数の要締結箇所BP1~BP5に対し、1箇所ずつ締結作業具Tを用いて締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートするよう、ナビゲートマークNM1~NM5の表示色が順次変更される。例えば、対象被作業物Wが5箇所の異なる位置に要締結箇所BP1~BP5を有しており、手作業順序及び手作業位置として、要締結箇所BP1,BP2,BP3,BP4,BP5の順で締結が必要となる場合には、これに対応するように、まず要締結箇所BP1~BP5に対応する各位置に第1の表示色でナビゲートマークNM1~NM5が表示される。第1の表示色は、事前に締結手作業を行う場所を全部把握するための表示色であり、例えば緑色である。次に、ナビゲートマークNM1が第2の表示色に変更される。第2の表示色は、次に締結手作業を行う場所を指示するための表示色であり、例えば青色である。次に、ナビゲートマークNM2が第2の表示色に変更されると共に、ナビゲートマークNM1が第3の表示色に変更される。第3の表示色は、締結手作業が完了したことを示すための表示色であり、締結完了場所の2度締めを防止するために表示される。第3の表示色は、例えば灰色である。次に、ナビゲートマークNM3が第2の表示色に変更されると共に、ナビゲートマークNM2が第3の表示色に変更される。次に、ナビゲートマークNM4が第2の表示色に変更されると共に、ナビゲートマークNM3が第3の表示色に変更される。次に、ナビゲートマークNM5が第2の表示色に変更されると共に、ナビゲートマークNM4が第3の表示色に変更される。最後に、ナビゲートマークNM5が第3の表示色に変更される。このように、本実施形態においては、ナビゲート画像データは、ナビゲートマークNMの表示色が、要締結箇所BP1~BP5に対応して順番に変更されていく動画となる。従って、ナビゲート画像データのナビゲートマークNMにナビゲートされて、締結手作業の作業者WRは、手作業順序及び手作業位置を認識できる。即ち、ナビゲート画像データは、デジタル手順書として機能する。
【0027】
なお、上記第1の表示色、第2の表示色、第3の表示色は、作業者WRが自由に設定することができる。例えば対象被作業物Wの色に応じて見やすい色に変更されてもよい。
【0028】
図5(a)に示すように、作業者WRは、対象被作業物Wが作業台WTに配置された状態にて、締結作業具Tを用いて締結手作業を行う。締結作業具Tは、例えば、レンチ、ドライバ等であり、その先端が、対象被作業物Wの要締結箇所BPに締結されるボルト又はナットが装着される装着部T1となっている(後述の図10も参照)。
【0029】
図5(b)に示すように、前述の準備作業により要締結箇所BP1~BP5に対応する各位置に第1の表示色でナビゲートマークNM1~NM5が表示された状態において、先ず、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP1の位置のナビゲートマークNM1が第2の表示色に変更される。ナビゲートマークNM1の第2の表示色による表示は、所定期間継続する。この状態の第1表示部12が作業者WRにて視認され、作業台WTに配置された対象被作業物Wにおける要締結箇所BP1に対し締結手作業するよう、ナビゲートされることになる。当該ナビゲートに応じて、作業者WRは、要締結箇所BP1に対応する締結作業具TAの装着部T1にて、要締結箇所BP1のボルト又はナットを締結する。
【0030】
次いで、図6(a)に示すように、上記ナビゲートマークNM1が第3の表示色に変更されて、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP2の位置のナビゲートマークNM2が第2の表示色に変更される。ナビゲートマークNM2の第2の表示色による表示は、所定期間継続する。この状態の第1表示部12が作業者WRにて視認され、作業台WTに配置された対象被作業物Wにおける要締結箇所BP2に対し締結手作業するよう、ナビゲートされることになる。当該ナビゲートに応じて、作業者WRは、要締結箇所BP2に対応する締結作業具TBの装着部T1にて要締結箇所BP2のボルト又はナットを締結する。
【0031】
次いで、図6(b)に示すように、上記ナビゲートマークNM2が第3の表示色に変更されて、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP3の位置のナビゲートマークNM3が第2の表示色に変更される。ナビゲートマークNM3の第2の表示色による表示は、所定期間継続する。この状態の第1表示部12が作業者WRにて視認され、作業台WTに配置された対象被作業物Wにおける要締結箇所BP3に対し締結手作業するよう、ナビゲートされることになる。当該ナビゲートに応じて、作業者WRは、要締結箇所BP3に対応する締結作業具TBの装着部T1にて要締結箇所BP3のボルト又はナットを締結する。
【0032】
次いで、図7(a)に示すように、上記ナビゲートマークNM3が第3の表示色に変更されて、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP4の位置のナビゲートマークNM4が第2の表示色に変更される。ナビゲートマークNM4の第2の表示色による表示は、所定期間継続する。この状態の第1表示部12が作業者WRにて視認され、作業台WTに配置された対象被作業物Wにおける要締結箇所BP4に対し締結手作業するよう、ナビゲートされることになる。当該ナビゲートに応じて、作業者WRは、要締結箇所BP4に対応する締結作業具TCの装着部T1にて要締結箇所BP4のボルト又はナットを締結する。
【0033】
そして、図7(b)に示すように、上記ナビゲートマークNM4が第3の表示色に変更されて、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP5の位置のナビゲートマークNM5が第2の表示色に変更される。ナビゲートマークNM5の第2の表示色による表示は、所定期間継続する。この状態の第1表示部12が作業者WRにて視認され、作業台WTに配置された対象被作業物Wにおける要締結箇所BP5に対し締結手作業を実行するよう、ナビゲートされることになる。当該ナビゲートに応じて、作業者WRは、要締結箇所BP5に対応する締結作業具TCの装着部T1にて要締結箇所BP5のボルト又はナットを締結する。その後、上記ナビゲートマークNM5が第3の表示色に変更される。
【0034】
以上のように、ナビゲートマークNM1~NM5は、ナビゲート画像データとして、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP1~BP5の位置にそれぞれ対応するよう、対象実静止画データRDに重畳表示される。ナビゲートマークNM1,NM2,NM3,NM4,NM5がこの順に表示色を変更されることで、要締結箇所BP1,BP2,BP3,BP4,BP5に対し、この順で締結手作業がナビゲートされる。
【0035】
本実施形態においては、ナビゲートマークNMは、所定期間だけ第2の表示色による表示が継続された後に第3の表示色に変更され、同時に、次のナビゲートマークNMが第1の表示色から第2の表示色に変更される。すなわち、第2の表示色のナビゲートマークNMが、要締結箇所BP1,BP2,BP3,BP4,BP5の各位置に所定期間だけ表示されつつ、この順番に移動していく。この所定期間は、例えば、締結手作業の目標完了時間等に基づいて、決定されてもよい。また、締結作業具Tが締め付け圧が一定の圧力に達すると信号を送信する機能等の締結完了を伝える機能を有する場合、所定期間は締結作業具Tから締結完了の信号を受信するまでの期間としてもよい。
【0036】
また、所定期間の経過後に第2の表示色のナビゲートマークNMを次の位置に移動させるのではなく、作業者WRによる所定の操作に基づいて第2の表示色のナビゲートマークNMを次の位置に移動させてもよい。例えば第1表示部12の表示画面に、「作業開始」、「手順戻る」、「手順進む」、「最初から」、「最後へ」、「停止」、「一時停止」等の操作マークを表示させておき、作業者WRがこれらの操作マークを使用してナビゲート画像データの表示を操作できるようにしてもよい。
【0037】
本実施形態においては、図3(a)に示すように、締結ナビゲート装置10は、移動式端末であり、撮像部11及び第1表示部12が、移動式端末に一体的に内蔵されるよう構成されている。これに代えて、図8(a)に示すように、例えば、締結ナビゲート装置10は、撮像部11としてのカメラユニット、及び、第1表示部12としてのモニタ装置を備え、これらが別体となるよう構成されてもよい。この場合、撮像部11は、作業台WTのスタンドSTの上端部に固定され、第1表示部12は、作業台WTから離間させて作業者WRが視認可能な位置に固定されてもよい。また、図8(b)に示すように、例えば、締結ナビゲート装置10は、撮像部11としてのカメラユニット、及び、第1表示部12としてのスマートグラスを備え、これらが別体となるよう構成されてもよい。この場合、撮像部11は、作業台WTのスタンドSTの上端部に固定され、第1表示部12は、作業者WRの目元に装着されてもよい。これらの場合、例えば、第1表示部12にて表示される映像データは、無線形式、有線形式の何れかにより、移動式端末から第1表示部12に転送されてもよい。
【0038】
<締結ナビゲート装置の構成>
図9に示すように、締結ナビゲート装置10は、撮像部11と、第1表示部12と、第1演算部13と、第1記憶部14と、警告報知部15とを有する。撮像部11、第1表示部12、第1記憶部14、及び、警告報知部15は、インターフェイス、バス等を介して、第1演算部13と電気的に接続されている。撮像部11は、例えば、移動式端末に内蔵されているカメラ等であり、作業台WTに載置された対象被作業物W、及び、締結手作業中の締結作業具Tを含む画角を、真上から撮像可能なように、締結ナビゲート装置10の下側に設けられてもよい。第1表示部12は、例えば、移動式端末に内蔵されているモニタ等であり、作業者WRにより、作業台WTに載置された対象被作業物Wと同時に視認可能なように、締結ナビゲート装置10の上側に設けられてもよい。第1演算部13は、CPU、電気回路等にて構成されており、撮像部11の撮像、第1表示部12の映像表示、二次元バーコードB1の復号化、ナビゲート情報に基づくナビゲート画像データの生成・表示等を含む、各種プログラムの処理を実行する。第1記憶部14は、メモリ、電気回路等にて構成されており、締結ナビゲートプログラム100等の各種プログラムが予め格納される。また、第1記憶部14は、端末装置20にて生成されたナビゲート情報等を、記録可能となっている。第1記憶部14に格納されたプログラム、データは、第1演算部13のCPUにより読み出されるようになっている。なお、警告報知部15については、後に詳述する。
【0039】
<締結作業具の位置検知に基づく警告報知>
締結ナビゲートプログラム100及び締結ナビゲート装置10は、締結手作業を順次行う際の手作業順序、手作業位置、及び、締結作業具Tの種類をナビゲートするにあたって、締結作業具Tの位置検知及び種類検知に基づいて、警告報知を行うようになっている。本実施形態においては、例えば、作業者WRが用いる締結作業具Tの位置が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMの位置と整合するか否かが判定されて、整合しないと判定された場合に、警告報知がなされる。この目的は、締結手作業中において、作業者WRが移動させた締結作業具Tの位置が不適正である場合に、警報報知にて作業者WRに認知させて、不適正な位置を適正な位置へ是正させるよう作業者WRに促すことにある。また例えば、作業者WRが用いる締結作業具Tの種類が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMに対応する締結作業具Tの種類(すなわち、ナビゲート情報により規定された締結作業具Tの種類)と整合するか否かが判定されて、整合しないと判定された場合に、警告報知がなされる。この目的は、作業者WRが、誤って異なる種類の締結作業具Tを使用した場合に、所定の警告報知を行い、誤っている旨を作業者WRに認知させることにある。このため、締結作業具T、及び、締結ナビゲート装置10は、下記のように構成される。
【0040】
図10に示すように、締結作業具Tは、棒形状を呈しており、装着部T1を先端として、装着部T1と反対側に把持部T2を有している。把持部T2は、作業者WRにより把持可能となっている。締結手作業の際、装着部T1に、要締結箇所BPに締結されるボルト又はナットが装着されて、装着部T1を支点、締結作業具Tの長軸を動径として、把持部T2側の回転作動が可能となっている。締結作業具Tには、複数の作業具二次元バーコードB2が設けられている。作業具二次元バーコードB2は、例えば、QRコード(登録商標)等であり、締結作業具Tの装着部T1と把持部T2との中間部位に、長軸方向に沿って例えば2つ設けられる。
【0041】
前述の図9に示すように、締結ナビゲート装置10は、警告報知部15を有する。第1演算部13は、警告報知部15に指示することで、作業者WRに視覚、聴覚等を通じた警告報知を実行する。警告報知の態様としては、例えば、警告報知部15がスピーカ装置を含み、警告音を発出するようにしてもよいし、警告報知部15が警告表示データを含み、第1表示部12にて警告表示(例えば、警告灯に相当する画像や、警告文のテキストを含む画像等)するようにしてもよい。(後述の図11及び図12を参照)。第1演算部13は、締結作業具Tの位置が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMの位置と整合しないと判定した場合に、対応する警告報知を実行するよう、警告報知部15に指示する。また第1演算部13は、使用中の締結作業具Tの種類が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMに対応する締結作業具Tの種類と整合しないと判定した場合に、対応する警告報知を実行するよう、警告報知部15に指示する。
【0042】
前述の図5(b)に示すように、例えば、ナビゲートマークNM1の第2の表示色による表示に応じて、要締結箇所BP1に装着部T1を位置させた場合、後述のように検知される締結作業具Tの位置が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMの位置と整合すると判定されて、上述の警告報知は実行されない。図6及び図7にそれぞれ示す状態においても、同様に警告報知は実行されない。
【0043】
ここにおいて、対象被作業物Wに対する締結手作業の実行時の締結作業具Tの位置は、撮像部11による撮像結果に基づいて検知される。具体的には、装着部T1の位置が、複数の作業具二次元バーコードB2を位置決め基準とした検出結果に基づいて、検知される。本実施形態においては、装着部T1側の作業具二次元バーコードB2と、装着部T1との間の離間距離が既知である。把持部T2側の作業具二次元バーコードB2にて、装着部T1の方向が算出されるようになっている。これら2つの作業具二次元バーコードB2が、撮像部11の撮像により検出されて、装着部T1の位置が精度良く検知される。
【0044】
図11に示すように、前述の図5(b)に示す状態での要締結箇所BP1の締結が完了した後、ナビゲートマークNM2の第2の表示色による表示に移行した際に、例えば、要締結箇所BP3に向け装着部T1を移動させた場合の作動を説明する。この場合、上述のように検知されている締結作業具Tの位置が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMの位置と整合しないと判定されて、上述の警告報知が実行される。警告報知としては、図11(a)に示すように締結ナビゲート装置10からの警告音AL1が発出されてもよいし、図11(b)に示すように第1表示部12にて警告灯AL2が表示されてもよい。なお、警告音AL1や警告灯AL2の代わりに、例えば「作業に誤りがあります」や「正しい場所を締結してください」等のテキストが音声出力又は表示されてもよい。
【0045】
即ち、ナビゲートマークNM1からNM2に第2の表示色による表示が移行した際に、装着部T1の移動先が、要締結箇所BP1,BP3,BP4,BP5(即ち、BP2以外)である場合においても、同様に警告報知が実行される。また、ナビゲートマークNM2からNM3に第2の表示色による表示が移行した際に、装着部T1の移動先が、要締結箇所BP1,BP2,BP4,BP5(即ち、BP3以外)である場合においても、同様に警告報知が実行される。また、ナビゲートマークNM3からNM4に第2の表示色による表示が移行した際に、装着部T1の移動先が、要締結箇所BP1,BP2,BP3,BP5(即ち、BP4以外)である場合においても、同様に警告報知が実行される。また、ナビゲートマークNM4からNM5に第2の表示色による表示が移行した際に、装着部T1の移動先が、要締結箇所BP1,BP2,BP3,BP4(即ち、BP5以外)である場合においても、同様に警告報知が実行される。
【0046】
また前述の図5(b)に示すように、例えば、ナビゲートマークNM1の第2の表示色による表示に応じて、当該ナビゲートマークNM1に対応する締結作業具TAを用いて要締結箇所BP1に対して締結手作業を実行した場合、後述のように検知される締結作業具Tの種類が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM1に対応する締結作業具Tの種類と整合すると判定されて、上述の警告報知は実行されない。図6及び図7にそれぞれ示す状態においても、同様に警告報知は実行されない。
【0047】
ここにおいて、対象被作業物Wに対する締結手作業の実行時の締結作業具Tの種類は、撮像部11による撮像結果に基づいて検知される。具体的には、締結作業具Tに設けられた2つの作業具二次元バーコードB2のいずれか又は両方に、締結作業具Tの種類に係わる情報が含まれている。作業具二次元バーコードB2が撮像部11の撮像により検出されて復号化されることにより、締結作業具Tの種類が検知される。
【0048】
図12に示すように、前述の図5(b)に示す状態での要締結箇所BP1の締結が完了した後、ナビゲートマークNM2の第2の表示色による表示に移行した際に、例えば、ナビゲートマークNM2に対応する締結作業具TBではなく、誤って締結作業具TAを使用して要締結箇所BP2の締結手作業を実行した場合の作動を説明する。この場合、上述のように検知されている締結作業具Tの種類が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM2に対応する締結作業具Tの種類と整合しないと判定されて、上述の警告報知が実行される。警告報知としては、図12(a)に示すように締結ナビゲート装置10からの警告音AL1が発出されてもよいし、図12(b)に示すように第1表示部12にて警告灯AL2が表示されてもよい。なお、警告音AL1や警告灯AL2の代わりに、例えば「作業に誤りがあります」や「正しい工具を使用してください」等のテキストが音声出力又は表示されてもよい。
【0049】
即ち、ナビゲートマークNM1が第2の表示色で表示された際に、検知されている締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM1に対応する締結作業具TA以外である場合においても、同様に警告報知が実行される。また、ナビゲートマークNM2,NM3が第2の表示色で表示された際に、検知されている締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM2,NM3に対応する締結作業具TB以外である場合においても、同様に警告報知が実行される。また、ナビゲートマークNM4,NM5が第2の表示色で表示された際に、検知されている締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM4,NM5に対応する締結作業具TC以外である場合においても、同様に警告報知が実行される。
【0050】
本実施形態においては、検知されている締結作業具Tの位置が、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNMの位置と整合しないと判定された場合、及び、検知されている締結作業具Tの種類が、ナビゲート情報により規定された締結作業具Tの種類と整合しないと判定された場合に、警告報知が実行されるが、これに代えて、上記整合しない状態の画角を撮像部11にて撮像し、第1記憶部14にログとして記録するようにしてもよい。また、本実施形態においては、締結ナビゲート装置10に警告報知部15が設けられ、警告音AL1の発出、又は、警告灯AL2の表示は、移動式端末にて実行される。これに代えて、例えば、警告音AL1を発出する場合には、図13(a)に示すように、警告報知部15としてのスピーカ装置を、移動式端末とは別体で設けてもよい。また、例えば、警告灯AL2を表示する場合には、図13(b)に示すように、警告報知部15としての警告灯装置を、移動式端末とは別体で設けてもよい。これらのスピーカ装置、警告灯装置は、移動式端末と無線形式、有線形式の何れで接続されてもよい。
【0051】
<端末装置の構成>
デジタル手順書として機能するナビゲート画像データは、締結ナビゲート装置10においてナビゲート情報NDに基づいて生成及び表示される。ナビゲート情報NDは、端末装置20にて生成される。端末装置20は、締結ナビゲート装置10とは別の端末である。端末装置20では、ナビゲートデータ生成プログラム200を用いてナビゲート情報NDが生成される。即ち、端末装置20は、ナビゲート情報NDの生成を分担しており、端末装置20にて生成されたナビゲート情報NDが符号化されて二次元バーコードB1が生成され、印刷装置30で印刷される。印刷された二次元バーコードB1が、締結ナビゲート装置10において読み取られて復号化され、復元されたナビゲート情報NDに基づいてナビゲート画像データが生成及び表示される。このようにして、締結手作業がナビゲートされるようになっている。
【0052】
図14に示すように、端末装置20は、第2表示部21と、操作部22と、第2演算部23と、第2記憶部24と、を有する。第2表示部21は、例えば添え付けのモニタ等であり、管理者により視認可能となっている。操作部22は、例えば、管理者が操作可能なキーボード又はマウス等であり、管理者の指示を受け付けるためのインターフェイスを含んでいる。第2演算部23は、CPU、電気回路等にて構成されており、第2表示部21の映像表示、操作部22を介した管理者による指示受付、ナビゲート情報の生成等を含む、各種プログラムの処理を実行する。第2記憶部24は、メモリ、電気回路等にて構成されており、ナビゲートデータ生成プログラム200等の各種プログラムが予め格納される。また、第2記憶部24は、生成されたナビゲート情報等を記録可能となっている。
【0053】
<締結ナビゲートプログラムの処理>
締結ナビゲート装置10に適用される締結ナビゲートプログラム100により、第1演算部13の各処理が実行されることで、上述したように、締結手作業を順次行う際の手作業順序、手作業位置、及び、締結作業具Tのナビゲートが実行される。
【0054】
図15乃至図17の一連のフローチャートに示すように、締結手作業のナビゲートを開始する場合、先ず、ステップ101にて、第1演算部13は、撮像部11で撮像した二次元バーコードB1を復号化することにより、端末装置20にて生成されたナビゲート情報NDを復元し、第1記憶部14に格納する。
【0055】
次に、ステップ102にて、第1演算部13は、作業台WT上の対象被作業物Wを撮像部11で撮像し、対象実静止画データRDを生成する。次いで、ステップ103にて、第1演算部13は、上記生成された対象実静止画データRDを第1表示部12に表示する。ここにおいて、ステップ102は、対象実静止画データ生成手順に相当し、ステップ103は、対象実静止画データ表示手順に相当する。
【0056】
次に、ステップ104にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報NDに基づいて、ナビゲートマークNM1~NM5を第1の表示色で第1表示部12に表示する。
【0057】
次に、ステップ105にて、作業者WRは、第1表示部12に表示されたナビゲートマークNM1~NM5と、対象実静止画データRDに含まれる要締結箇所BP1~BP5とが一致するように、撮像部11の位置を調整する(図4を参照)。
【0058】
次に、ステップ106にて、第1演算部13は、作業者WRの所定の操作によりナビゲートの開始指示を受け付けたか否かを判定する。開始指示を受け付けていない場合には、第1演算部13は「No」と判定し、開始指示を受け付けるまで本ステップ106を繰り返して待機する。一方、開始指示を受け付けた場合には、第1演算部13は「Yes」と判定し、ステップ107に移る。
【0059】
次に、ステップ107にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報に基づいて、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM1を第2の表示色に変更する(図5(b)を参照)。次いで、ステップ108にて、第1演算部13は、撮像部11による作業具二次元バーコードB2の撮像に基づいて、装着部T1の位置、及び、締結作業具Tの種類を検出する。次いで、ステップ109にて、第1演算部13は、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM1の位置と整合しているか否かを判定する。ステップ109にて「Yes」と判定されると、ステップ111に直ちに進む。
【0060】
一方、ステップ109にて、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM1の位置と整合していない場合、ステップ109にて「No」と判定されて、ステップ110に進む。ステップ110にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図11を参照)。その後、ステップ109に戻り、装着部T1の検出位置が是正されるまでステップ109(「No」)及びステップ110を繰り返し、装着部T1の検出位置が是正されるとステップ111に進む。
【0061】
次いで、ステップ111にて、第1演算部13は、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM1に対応する締結作業具Tの種類と整合しているか否かを判定する。ステップ111にて「Yes」と判定されると、ステップ113に直ちに進み、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM1を第3の表示色に変更する。
【0062】
一方、ステップ111にて、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM1に対応する締結作業具Tの種類と整合していない場合、ステップ111にて「No」と判定されて、ステップ112に進む。ステップ112にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図12を参照)。その後、ステップ111に戻り、締結作業具Tの種類が是正されるまでステップ111(「No」)及びステップ112を繰り返し、締結作業具Tの種類が是正されるとステップ113に進む。
【0063】
次いで、ステップ113にて、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM1を第3の表示色に変更する。
【0064】
図15に示すフローチャートにおける末端の結合子「1」は、図16に示すフローチャートにおける先端の結合子「1」に接続される。従って、図15のステップ113での処理の後、図16のステップ114に進む。
【0065】
ステップ114にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報に基づいて、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM2を第2の表示色に変更する(図6(a)を参照)。次いで、ステップ115にて、第1演算部13は、撮像部11による作業具二次元バーコードB2の撮像に基づいて、装着部T1の位置及び締結作業具Tの種類を検出する。次いで、ステップ116にて、第1演算部13は、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM2の位置と整合しているか否かを判定する。ステップ116にて「Yes」と判定されると、ステップ118に直ちに進む。
【0066】
一方、ステップ116にて、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM2の位置と整合していない場合、ステップ116にて「No」と判定されて、ステップ117に進む。ステップ117にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図11を参照)。その後、ステップ116に戻り、装着部T1の検出位置が是正されるまでステップ116(「No」)及びステップ117を繰り返し、装着部T1の検出位置が是正されるとステップ118に進む。
【0067】
次いで、ステップ118にて、第1演算部13は、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM2に対応する締結作業具Tの種類と整合しているか否かを判定する。ステップ118にて「Yes」と判定されると、ステップ120に直ちに進み、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM2を第3の表示色に変更する。
【0068】
一方、ステップ118にて、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM2に対応する締結作業具Tの種類と整合していない場合、ステップ118にて「No」と判定されて、ステップ119に進む。ステップ119にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図12を参照)。その後、ステップ118に戻り、締結作業具Tの種類が是正されるまでステップ118(「No」)及びステップ119を繰り返し、締結作業具Tの種類が是正されるとステップ120に進む。
【0069】
次いで、ステップ120にて、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM2を第3の表示色に変更する。
【0070】
次に、ステップ121にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報に基づいて、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM3を第2の表示色に変更する(図6(b)を参照)。次いで、ステップ122にて、第1演算部13は、撮像部11による作業具二次元バーコードB2の撮像に基づいて、装着部T1の位置及び締結作業具Tの種類を検出する。次いで、ステップ123にて、第1演算部13は、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM3の位置と整合しているか否かを判定する。ステップ123にて「Yes」と判定されると、ステップ125に直ちに進む。
【0071】
一方、ステップ123にて、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM3の位置と整合していない場合、ステップ123にて「No」と判定されて、ステップ124に進む。ステップ124にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図11を参照)。その後、ステップ123に戻り、装着部T1の検出位置が是正されるまでステップ123(「No」)及びステップ124を繰り返し、装着部T1の検出位置が是正されるとステップ125に進む。
【0072】
次いで、ステップ125にて、第1演算部13は、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM3に対応する締結作業具Tの種類と整合しているか否かを判定する。ステップ125にて「Yes」と判定されると、ステップ127に直ちに進み、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM3を第3の表示色に変更する。
【0073】
一方、ステップ125にて、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM3に対応する締結作業具Tの種類と整合していない場合、ステップ125にて「No」と判定されて、ステップ126に進む。ステップ126にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図12を参照)。その後、ステップ125に戻り、締結作業具Tの種類が是正されるまでステップ125(「No」)及びステップ126を繰り返し、締結作業具Tの種類が是正されるとステップ127に進む。
【0074】
次いで、ステップ127にて、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM3を第3の表示色に変更する。
【0075】
図16に示すフローチャートにおける末端の結合子「2」は、図17に示すフローチャートにおける先端の結合子「2」に接続される。従って、図16のステップ127での処理の後、図17のステップ128に進む。
【0076】
ステップ128にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報に基づいて、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM4を第2の表示色に変更する(図7(a)を参照)。次いで、ステップ129にて、第1演算部13は、撮像部11による作業具二次元バーコードB2の撮像に基づいて、装着部T1の位置及び締結作業具Tの種類を検出する。次いで、ステップ130にて、第1演算部13は、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM4の位置と整合しているか否かを判定する。ステップ130にて「Yes」と判定されると、ステップ132に直ちに進む。
【0077】
一方、ステップ130にて、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM4の位置と整合していない場合、ステップ130にて「No」と判定されて、ステップ131に進む。ステップ131にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図11を参照)。その後、ステップ130に戻り、装着部T1の検出位置が是正されるまでステップ130(「No」)及びステップ131を繰り返し、装着部T1の検出位置が是正されるとステップ132に進む。
【0078】
次いで、ステップ132にて、第1演算部13は、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM4に対応する締結作業具Tの種類と整合しているか否かを判定する。ステップ132にて「Yes」と判定されると、ステップ134に直ちに進み、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM4を第3の表示色に変更する。
【0079】
一方、ステップ132にて、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM4に対応する締結作業具Tの種類と整合していない場合、ステップ132にて「No」と判定されて、ステップ133に進む。ステップ133にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図12を参照)。その後、ステップ132に戻り、締結作業具Tの種類が是正されるまでステップ132(「No」)及びステップ133を繰り返し、締結作業具Tの種類が是正されるとステップ134に進む。
【0080】
次いで、ステップ134にて、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM4を第3の表示色に変更する。
【0081】
次に、ステップ135にて、第1演算部13は、上記ステップ101にて第1記憶部14に格納したナビゲート情報に基づいて、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM5を第2の表示色に変更する(図7(b)を参照)。次いで、ステップ136にて、第1演算部13は、撮像部11による作業具二次元バーコードB2の撮像に基づいて、装着部T1の位置及び締結作業具Tの種類を検出する。次いで、ステップ137にて、第1演算部13は、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM5の位置と整合しているか否かを判定する。ステップ137にて「Yes」と判定されると、ステップ139に直ちに進む。
【0082】
一方、ステップ137にて、上記検出された装着部T1の検出位置が、ナビゲートマークNM5の位置と整合していない場合、ステップ137にて「No」と判定されて、ステップ138に進む。ステップ138にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図11を参照)。その後、ステップ137に戻り、装着部T1の検出位置が是正されるまでステップ137(「No」)及びステップ138を繰り返し、装着部T1の検出位置が是正されるとステップ139に進む。
【0083】
次いで、ステップ139にて、第1演算部13は、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM5に対応する締結作業具Tの種類と整合しているか否かを判定する。ステップ139にて「Yes」と判定されると、ステップ141に直ちに進み、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM5を第3の表示色に変更する。
【0084】
一方、ステップ139にて、上記検出された締結作業具Tの種類が、ナビゲートマークNM5に対応する締結作業具Tの種類と整合していない場合、ステップ139にて「No」と判定されて、ステップ140に進む。ステップ140にて、第1演算部13は、警告報知部15による警告報知を行う。具体的には、警告音AL1の発出、警告灯AL2の表示等がなされる(図12を参照)。その後、ステップ139に戻り、締結作業具Tの種類が是正されるまでステップ139(「No」)及びステップ140を繰り返し、締結作業具Tの種類が是正されるとステップ141に進む。
【0085】
次いで、ステップ141にて、第1演算部13は、所定期間経過後、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM5を第3の表示色に変更する。以上により、締結ナビゲートプログラム100による処理が完了し、締結手作業のナビゲートが終了する。
【0086】
ここにおいて、ステップ101は、ナビゲート情報復元手順に相当し、ステップ107,114,121,128,135は、ナビゲート画像データ表示手順に相当する。また、ステップ108,115,122,129,136は、作業具検知手順に相当し、ステップ111,118,125,132,139は、作業具判定手順に相当する。また、ステップ112,119,126,133,140は、警告報知手順に相当する。
【0087】
<ナビゲートデータ生成プログラムの処理>
端末装置20に適用されるナビゲートデータ生成プログラム200により、第2演算部23の各処理が実行されることで、上述したように、ナビゲート情報NDが生成される。
【0088】
図18のフローチャートに示すように、ナビゲート情報NDの生成を開始する場合、先ず、ステップ201にて、第2演算部23は、基準被作業物SWをカメラにて撮影し、端末装置20に取り込む。次いで、ステップ202にて、第2演算部23は、上記撮影された基準被作業物SWから、基準実静止画データSDを生成する(図1を参照)。ここにおいて、ステップ201,202は、基準実静止画データ生成手順に相当する。
【0089】
次に、ステップ203にて、第2演算部23は、上記生成された基準実静止画データSDを第2表示部21に表示する。次いで、ステップ204にて、第2演算部23は、基準実静止画データSDが表示された状態で、管理者による操作部22を介したナビゲートマークNM1の生成指示及び締結作業具Tの種類の入力を受け付ける。次いで、ステップ205にて、第2演算部23は、上記受け付けた生成指示及び入力に応じて、ナビゲートマークNM1の順序及び位置、並びに、対応する締結作業具Tの種類を登録する。
【0090】
次に、ステップ206にて、第2演算部23は、基準実静止画データSDが表示された状態で、管理者による操作部22を介したナビゲートマークNM2の生成指示及び締結作業具Tの種類の入力を受け付ける。次いで、ステップ207にて、第2演算部23は、上記受け付けた生成指示及び入力に応じて、ナビゲートマークNM2の順序及び位置、並びに、対応する締結作業具Tの種類を登録する。
【0091】
次に、ステップ208にて、第2演算部23は、基準実静止画データSDが表示された状態で、管理者による操作部22を介したナビゲートマークNM3の生成指示及び締結作業具Tの種類の入力を受け付ける。次いで、ステップ209にて、第2演算部23は、上記受け付けた生成指示及び入力に応じて、ナビゲートマークNM3の順序及び位置、並びに、対応する締結作業具Tの種類を登録する。
【0092】
次に、ステップ210にて、第2演算部23は、基準実静止画データSDが表示された状態で、管理者による操作部22を介したナビゲートマークNM4の生成指示及び締結作業具Tの種類の入力を受け付ける。次いで、ステップ211にて、第2演算部23は、上記受け付けた生成指示及び入力に応じて、ナビゲートマークNM4の順序及び位置、並びに、対応する締結作業具Tの種類を登録する。
【0093】
次に、ステップ212にて、第2演算部23は、基準実静止画データSDが表示された状態で、管理者による操作部22を介したナビゲートマークNM5の生成指示及び締結作業具Tの種類の入力を受け付ける。次いで、ステップ213にて、第2演算部23は、上記受け付けた生成指示及び入力に応じて、ナビゲートマークNM5の順序及び位置、並びに、対応する締結作業具Tの種類を登録する。
【0094】
次に、ステップ214にて、第2演算部23は、上記ステップ205,207,209,211,213で登録した情報に基づいて、手作業順序を表す順序情報、手作業位置を表す位置情報、及び、締結作業具Tの種類を表す作業具情報を含むナビゲート情報NDを生成する。そして、第2演算部23は、生成したナビゲート情報NDを符号化して二次元バーコードB1を生成する。
【0095】
次に、ステップ215にて、第2演算部23は、二次元バーコードB1を印刷指令と共に印刷装置30に送信する。以上のようにして、ナビゲートデータ生成プログラム200による処理が完了し、ナビゲート情報NDの生成が終了する。
【0096】
ここにおいて、ステップ204,206,208,210,212は、指示受付手順に相当し、ステップ214は、ナビゲート情報生成手順及び二次元バーコード生成手順に相当する。また、ステップ215は、印刷媒体生成手順に相当する。
【0097】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の締結作業支援システム1によれば、作業者WRは、対象被作業物Wの複数の要締結箇所BP1~BP5に対し、1箇所ずつ締結作業具Tを用いて締結手作業を順次行う。その際、目の前の作業台WTに置かれた対象被作業物Wを撮像した対象実静止画データRDが締結ナビゲート装置10の第1表示部12に表示されるとともに、その静止画データ上に、ナビゲートマークNM1~NM5を含むナビゲート画像データが重畳表示され、これによって上記締結手作業時において上記複数の要締結箇所BP1~BP5に対して実行すべき、手作業順序及び手作業位置が動的にナビゲートされる。
【0098】
このとき、ナビゲート画像データは、締結ナビゲート装置10においてナビゲート情報NDに基づいて生成され表示される。ナビゲート情報NDは、端末装置20において、複数の要締結箇所BP1~BP5を備えた基準被作業物SWを予め撮影した基準実静止画データSDを第2表示部21に表示させた状態で、ナビゲートマークNM1~NM5の生成指示を操作部22を介して受け付けた場合に、生成される。ナビゲート情報NDは、手作業順序を表す順序情報、及び、手作業位置を表す位置情報、を含んでいる。端末装置20で生成されたナビゲート情報NDは、符号化されて二次元バーコードB1が生成され、当該二次元バーコードB1が印刷装置30に送信されて、当該二次元バーコードB1を含む作業手順書WSが作成される。
【0099】
作成された作業手順書WSの二次元バーコードB1は、締結ナビゲート装置10の撮像部11によって読み取られ、復号化されてナビゲート情報NDが復元される。また、締結ナビゲート装置10では、作業台WTに配置された対象被作業物Wが撮像部11により撮像され、対応する対象実静止画データRDが生成されて第1表示部12に表示される。第1表示部12では、復元されたナビゲート情報NDに基づいて、作業者WRが複数の要締結箇所BP1~BP5に対し1箇所ずつ締結作業具Tを用いて締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートするナビゲートマークNM1~NM5を含むナビゲート画像データが、対象実静止画データRDに対し重畳するように表示される。
【0100】
以上のようにして、本実施形態によれば、仮想動画中のナビゲートマークNM1~NM5で動的に締結位置及び締結順序の表示を行うことができるので、作業者WRに対し分かり易くナビゲートを行うことができ、作業者WRは間違いのない締結手作業を行うことができる。また、例えば予めナビゲート画像データを端末装置20で生成して締結ナビゲート装置10に送信する場合には、各装置の処理性能の相違や、使用されるOS、プログラム等の相違に起因して送信がうまくいかなかったり、データ容量が大きいために締結ナビゲート装置10の処理負荷が大きくなる等、システムの運用負荷が大きくなるという課題がある。本実施形態では、締結ナビゲート装置10側で二次元バーコードB1を読み取ることさえ可能であれば、各装置の処理性能やOS等の相違に関わらずデータを受け渡すことが可能である。また、締結ナビゲート装置10側では、二次元バーコードB1から復元された比較的データ容量の小さいナビゲート情報NDを処理すれば足りるため、処理負荷を軽減できる。したがって、システムの運用負荷を大幅に軽減できる。
【0101】
また、本実施形態では特に、端末装置20において、順序情報及び位置情報に加えて、締結作業具Tの種類を表す作業具情報を含むナビゲート情報NDが生成され、締結ナビゲート装置10において、ナビゲート情報NDに基づいて、検知されている締結作業具Tの種類が、表示されているナビゲート画像データ中の各ナビゲートマークNM1~NM5に対応する締結作業具Tの種類と整合するか否かが判定される。これにより、作業者WRが使用した締結作業具Tの種類が不適正であった場合には、任意の手段によりそれを是正する、又は是正するように作業者を促すことができる。
【0102】
また、本実施形態では特に、締結作業具Tの種類がナビゲート画像データ中の各ナビゲートマークNM1~NM5に対応する締結作業具Tの種類と整合しないと判定された場合に、対応する警告報知を実行する。これにより、作業者WRが、誤って異なる種類の締結作業具Tを使用した場合は、所定の警告報知を行い、誤っている旨を作業者WRに認知させることができる。
【0103】
また、本実施形態では特に、作業者WRによる締結手作業の前に、第1表示部12に表示された複数のナビゲートマークNM1~NM5と、第1表示部12に表示された対象実静止画データRDに含まれる複数の要締結箇所BP1~BP5とが一致するように、撮像部11の位置が調整される。これにより、対象実静止画データRDに動画として重畳表示されるナビゲートマークNM1~NM5の位置が、対象実静止画データRD中の対象被作業物Wの複数の要締結箇所BP1~BP5の位置を指し示すように、精度よく合致させることができる。したがって、作業者WRは間違いのない締結手作業を行うことができる。
【0104】
<変形例>
上述した実施形態においては、ナビゲート画像データ中に、締結作業具Tの種類の情報を表示しなかったが、当該情報を表示させてもよい。本変形例では、前述のステップ107,114,121,128,135において、第1演算部13は、ナビゲート情報NDに基づいて、作業者WRが複数の要締結箇所BP1~BP5に対し1箇所ずつ締結作業具Tを用いて締結手作業を順次行う際に、第1の表示色で表示されているナビゲートマークNM1~NM5を順次第2の表示色に変更すると共に、第2の表示色で表示されているナビゲートマークNM1~NM5に対応する締結作業具Tの種類を第1表示部12に表示する。具体的には、例えば図19(a)に示すように、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP1の位置のナビゲートマークNM1が第2の表示色に変更された際に、ナビゲートマークNM1に対応する締結作業具TAを表す情報(例えば「作業具A」のテキスト)がナビゲートマークNM1の近傍に表示される。同様に、例えば図19(b)に示すように、対象実静止画データRD中の要締結箇所BP2の位置のナビゲートマークNM2が第2の表示色に変更された際に、ナビゲートマークNM2に対応する締結作業具TBを表す情報(例えば「作業具B」のテキスト)がナビゲートマークNM2の近傍に表示される。
【0105】
本変形例によれば、作業者WRに対し、締結位置及び締結順序に加えて、使用する締結作業具Tの種類についても分かり易くナビゲートを行うことができる。その結果、例えば締結箇所によって異なる締結作業具Tを使用する場合でも、作業者WRは間違いのない締結手作業を行うことができる。
【0106】
また、上述した実施形態においては特に触れなかったが、端末装置20において基準被作業物SWをカメラで撮像する際の倍率、及び、締結ナビゲート装置10において対象被作業物Wを撮像部11で撮像する際の倍率がそれぞれ異なる場合(即ち、各カメラの性能がそれぞれ異なる場合等)も考えられる。この場合、撮像部11が備える対象被作業物Wを拡大又は縮小して撮像する機能(いわゆるズームイン、ズームアウト)を利用して、作業者WRによる締結手作業の前に、第1表示部12に表示された複数のナビゲートマークNM1~NM5と、第1表示部12に表示された対象実静止画データRDに含まれる複数の要締結箇所BP1~BP5とが一致するように、撮像部11による撮像画像の拡大又は縮小を調整してもよい。
【0107】
具体的には、例えば図20(a)に示すように、対象被作業物Wが作業台WTに配置された状態にて、作業者WRは、締結手作業の前に、締結ナビゲート装置10に対して所定の操作を行うことにより、復元されたナビゲート情報NDに基づいて、複数の要締結箇所BP1~BP5に対応する複数のナビゲートマークNM1~NM5を第1の表示色で第1表示部12に表示させる。図20(b)にこのときの第1表示部12の表示の一例を示す。
【0108】
図20(b)に示す例では、第1表示部12において、ナビゲートマークNM1~NM5の位置及び倍率と、要締結箇所BP1~BP5の位置及び倍率とがずれている。作業者WRは、第1表示部12に表示されたナビゲートマークNM1~NM5と、第1表示部12に表示された対象実静止画データRDに含まれる複数の要締結箇所BP1~BP5とが一致するように、撮像部11の位置を調整すると共に、撮像部11による撮像画像の拡大又は縮小を調整する。図20(c)に位置調整後の第1表示部12の表示の一例を示し、図20(d)に倍率調整後の第1表示部12の表示の一例を示す。
【0109】
本変形例によれば、端末装置20におけるナビゲート情報生成時と締結ナビゲート装置10における実際の締結手作業時とで撮像倍率が異なる場合でも、対象実静止画データRDに動画として重畳表示されるナビゲートマークNM1~NM5の位置が、対象実静止画データRD中の対象被作業物Wの複数の要締結箇所BP1~BP5の位置を指し示すように、精度よく合致させることができる。したがって、作業者WRは間違いのない締結手作業を行うことができる。
【0110】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0111】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0112】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0113】
1 締結作業支援システム
10 締結ナビゲート装置
11 撮像部
12 第1表示部
13 第1演算部
15 警告報知部
20 端末装置
21 第2表示部
22 操作部
23 第2演算部
100 締結ナビゲートプログラム
101 ステップ(ナビゲート情報復元手順)
107 ステップ(ナビゲート画像データ表示手順)
108 ステップ(作業具検知手順)
111 ステップ(作業具判定手順)
112 ステップ(警告報知手順)
114 ステップ(ナビゲート画像データ表示手順)
115 ステップ(作業具検知手順)
118 ステップ(作業具判定手順)
119 ステップ(警告報知手順)
121 ステップ(ナビゲート画像データ表示手順)
122 ステップ(作業具検知手順)
125 ステップ(作業具判定手順)
126 ステップ(警告報知手順)
128 ステップ(ナビゲート画像データ表示手順)
129 ステップ(作業具検知手順)
132 ステップ(作業具判定手順)
133 ステップ(警告報知手順)
135 ステップ(ナビゲート画像データ表示手順)
136 ステップ(作業具検知手順)
139 ステップ(作業具判定手順)
140 ステップ(警告報知手順)
200 ナビゲートデータ生成プログラム
204 ステップ(指示受付手順)
206 ステップ(指示受付手順)
208 ステップ(指示受付手順)
210 ステップ(指示受付手順)
212 ステップ(指示受付手順)
214 ステップ(ナビゲート情報生成手順、二次元バーコード生成手順)
215 ステップ(印刷媒体生成手順)
AL1 警告音
AL2 警告灯
B1 二次元バーコード
BP1~BP5 要締結箇所
ND ナビゲート情報
NM1~NM5 ナビゲートマーク
RD 対象実静止画データ
SD 基準実静止画データ
SW 基準被作業物
T 締結作業具
TA~TC 締結作業具
T1 装着部
B2 作業具二次元バーコード
W 対象被作業物
WR 作業者
WT 作業台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
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図20
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結作業支援システムが有する、撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、がそれぞれ備える演算部において実行され、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援プログラムであって、
前記締結ナビゲート装置及び前記端末装置がそれぞれ備える前記演算部に対し、
複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する基準実静止画データを生成する基準実静止画データ生成手順と、
前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付ける指示受付手順と、
前記指示受付手順で前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手順と、
前記ナビゲート情報生成手順で生成された前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成する二次元バーコード生成手順と、
前記二次元バーコード生成手順で生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させる印刷媒体生成手順と、
前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成する、対象実静止画データ生成手順と、
生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示する、対象実静止画データ表示手順と、
前記印刷媒体生成手順で生成された前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元するナビゲート情報復元手順と、
前記ナビゲート情報復元手順で復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の前記手作業順序及び前記手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データ表示手順で表示された前記対象実静止画データに対し重畳するように前記第1表示部に表示するナビゲート画像データ表示手順と、
を分担して実行させ
前記ナビゲート画像データ表示手順は、
前記複数の要締結箇所の全位置に前記ナビゲートマークを第1の表示色で表示し、前記作業者が前記締結手作業を行う前記要締結箇所の前記ナビゲートマークを前記第1の表示色から第2の表示色に順次変更し、前記作業者が前記締結手作業を完了した前記要締結箇所の前記ナビゲートマークを前記第2の表示色から第3の表示色に順次変更する
ことを特徴とする、締結作業支援プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記ナビゲート情報生成手順では、
前記順序情報及び前記位置情報に加えて、前記締結作業具の種類を表す作業具情報を含むナビゲート情報を生成し、
前記演算部に対し、さらに、
前記撮像部による撮像結果に基づき、前記対象被作業物に対する前記締結手作業の実行時の前記締結作業具の種類を検知する作業具検知手順と、
前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業具検知手順で検知されている前記締結作業具の種類が、前記ナビゲート画像データ表示手順で表示されている前記ナビゲート画像データ中の前記第2の表示色で表示されている前記ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類と整合するか否かを判定する作業具判定手順と、
を実行させることを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項3】
請求項2記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記演算部に対し、さらに、
前記作業具判定手順において前記締結作業具の種類が前記ナビゲート画像データ中の前記第2の表示色で表示されている前記ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類と整合しないと判定された場合に、対応する警告報知を実行する警告報知手順
を実行させることを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の締結作業支援プログラムにおいて、
前記ナビゲート画像データ表示手順では、
前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ前記締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際に、前記ナビゲートマークと共に当該ナビゲートマークに対応する前記締結作業具の種類を表す作業具情報を含む前記ナビゲート画像データを前記対象実静止画データに対し重畳するように前記第1表示部に表示する
ことを特徴とする締結作業支援プログラム。
【請求項5】
撮像部と第1表示部とを備えた締結ナビゲート装置、及び、操作部と第2表示部とを備えた端末装置、を用いて、作業台に配置される対象被作業物を作業対象として締結手作業を行う作業者を所定の複数のナビゲートマークを含むナビゲート画像データを用いてナビゲートするための、締結作業支援方法であって、
複数の要締結箇所を備えかつ前記対象被作業物と同一種類・同一大きさ・同一形状である基準被作業物を前記作業者による前記締結手作業の前に予め撮影し、対応する準実静止画データを生成することと、
前記基準実静止画データを前記端末装置の前記第2表示部に表示させた状態で、前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークの生成指示を、前記操作部を介して受け付けることと、
前記ナビゲートマークの生成指示を受け付けた場合に、前記手作業順序を表す順序情報、及び、前記手作業位置を表す位置情報、を含むナビゲート情報を生成することと、
前記ナビゲート情報を符号化した二次元バーコードを生成することと、
生成した前記二次元バーコードを印刷装置に送信して当該印刷装置に二次元バーコードを含む印刷媒体を生成させることと、
前記作業台に配置された前記対象被作業物を前記締結ナビゲート装置の前記撮像部により撮像し、対応する対象実静止画データを生成することと、
生成された前記対象実静止画データを前記締結ナビゲート装置の前記第1表示部に表示することと、
前記印刷媒体の前記二次元バーコードを読み取り、復号化して前記ナビゲート情報を復元することと、
復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記作業者が前記複数の要締結箇所に対し1箇所ずつ締結作業具を用いて前記締結手作業を順次行う際の手作業順序及び手作業位置をナビゲートする前記ナビゲートマークを含む前記ナビゲート画像データを、前記対象実静止画データに対し重畳するように第1表示部に表示することと、
を有し、
前記第1表示部に表示することは、
前記複数の要締結箇所の全位置に前記ナビゲートマークを第1の表示色で表示し、前記作業者が前記締結手作業を行う前記要締結箇所の前記ナビゲートマークを前記第1の表示色から第2の表示色に順次変更し、前記作業者が前記締結手作業を完了した前記要締結箇所の前記ナビゲートマークを前記第2の表示色から第3の表示色に順次変更すること、を有する
ことを特徴とする締結作業支援方法。
【請求項6】
請求項5記載の締結作業支援方法において、
前記作業者による前記締結手作業の前に、復元された前記ナビゲート情報に基づいて、前記複数の要締結箇所に対応する複数の前記ナビゲートマークを前記第1表示部に表示することと、
前記作業者による前記締結手作業の前に、前記第1表示部に表示された前記複数のナビゲートマークと、前記第1表示部に表示された前記対象実静止画データに含まれる前記複数の要締結箇所とが一致するように、前記撮像部の位置を調整することと、
をさらに有することを特徴とする締結作業支援方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の締結作業支援方法において、
前記撮像部は、
前記対象被作業物を拡大又は縮小して撮像する機能を備えており、
前記作業者による前記締結手作業の前に、前記第1表示部に表示された前記複数のナビゲートマークと、前記第1表示部に表示された前記対象実静止画データに含まれる前記複数の要締結箇所とが一致するように、前記撮像部による拡大又は縮小を調整することと、
をさらに有することを特徴とする締結作業支援方法。