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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052202
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】遊技機の操作ボタン装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240404BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
H01H13/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158756
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 弥
(72)【発明者】
【氏名】阪本 斉士
(72)【発明者】
【氏名】穐山 信悟
(72)【発明者】
【氏名】神田 稜大
【テーマコード(参考)】
2C182
5G206
【Fターム(参考)】
2C182CB02
5G206AS27H
5G206FS23J
5G206GS12
5G206HU12
5G206HW14
5G206HW33
5G206KS02
5G206RS02
5G206RS24
5G206RS35
(57)【要約】
【課題】複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現する。
【解決手段】遊技機の操作ボタン装置(10)は、1列に配設される複数の押下ボタン(11~13)を備え、複数の押下ボタン(11~13)の押下操作を受け付ける操作部(11a~13c)は、操作面(11b~13b)に段差を形成する薄肉部(15a)と厚肉部(15b)とを有し、薄肉部(15a)と厚肉部(15b)との間を繋ぐ部分にて、操作面(11b~13b)に複数の押下ボタン(11~13)の配列方向に延びる壁部(31)が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に配置される遊技機の操作ボタン装置であって、
1列に配設される複数の押下ボタンを備え、
前記複数の押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部は、操作面に段差を形成する薄肉部と厚肉部とを有し、前記薄肉部と前記厚肉部との間を繋ぐ部分にて、前記操作面に前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる壁部が形成されている遊技機の操作ボタン装置。
【請求項2】
前記薄肉部は、前記複数の押下ボタンの前記操作面の中心を含んでいる請求項1に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【請求項3】
前記複数の押下ボタンは、前記操作部が前記遊技機の表面に対して突出しており、
前記壁部は、前記操作部における側面に達している請求項1又は2に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に配置される、複数の押しボタンが1列に配置されている操作ボタン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンの遊技に際し、遊技者がスタートレバーを操作すると、例えば3個の回転リールが回転する。遊技者は、各回転リールに対応する3個の押下ボタンを任意のタイミングで押下(押下操作)し、これにより、各回転リールは停止制御を受けて個別に停止する。3個の押下ボタンは、所謂ストップボタンであり、1列に配置されている。
【0003】
このような3個の押下ボタンの押下操作はゲーム毎に行われるため、ゲームの進行を早めたい遊技者は、3個の押下ボタンをその配列に沿って連続的に押下する。このような、複数の押下ボタンをその配列に沿って連続的に押下する押し方は、俗に流し打ちと称されている。流し打ちは、通常、左から右に向かって行われるが、右から左に向かって行われることもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、押下ボタンの操作部における操作方向に向かう側部に、肉逃げ部が形成された操作ボタンが開示されている。これによれば、流し打ちする際に、遊技者の指の腹が操作部の角部に当たらなくなる。
【0005】
また、特許文献2には、パネル材に、押下ボタンの配列方向に沿って、各押下ボタンの操作部の頂部に向かって上り勾配となっている摺接面を有する傾斜部が、各操作部に隣接して形成された遊技機用操作ボタン装置が開示されている。これによれば、流し打ちする際に、傾斜部に指を触れながら移動させると、指が滑らかに各操作部の頂部に到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-146417号公報
【特許文献2】特開2009-172403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来技術であっても、流し打ちする際に、指を移動させる方向の最下流位置にある最後の押下ボタンをうまく押下することができず、空押しになることがあり、本願発明者らはこの点に注目した。
【0008】
つまり、特許文献1,2の上述した技術は、流し打ちする方向に指をガイド(案内)することを目的とするものではない。そのため、遊技者は、指を押下ボタンの配列方向に移動させているつもりでも、配列方向から徐々にずれてしまい、その結果、最後の押下ボタンの押下が不十分となって空押しになる場合があると考えられる。
【0009】
本発明の一態様は、複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る遊技機の操作ボタン装置は、遊技機に配置される遊技機の操作ボタン装置であって、1列に配設される複数の押下ボタンを備え、前記複数の押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部は、操作面に段差を形成する薄肉部と厚肉部とを有し、前記薄肉部と前記厚肉部との間を繋ぐ部分にて、前記操作面に前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる壁部が形成されている。
【0011】
前記薄肉部は、前記複数の押下ボタンの前記操作面の中心を含んでいてもよい。前記複数の押下ボタンは、前記操作部が前記遊技機の表面に対して突出しており、前記壁部は、前記操作部における側面に達していてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る遊技機の操作ボタン装置が搭載されているスロットマシンの正面図である。
図2】上記操作ボタン装置の外観斜視図である。
図3】上記操作ボタン装置の分解斜視図である。
図4】スロットマシンに配置された上記操作ボタン装置を正面より見た図である。
図5】上記操作ボタン装置における押下ボタンのレンズ部を押下方向より見た図である。
図6】上記押下ボタンのレンズを図5におけるB方向より見た図である。
図7】上記押下ボタンを流し打ちする際の操作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0015】
§1 適用例
図1に示すように、実施の形態1に係る操作ボタン装置10は、スロットマシン(遊技機)における、回転リール4~6を停止させるストップボタンとして用いることができる。
【0016】
図2に示すように、操作ボタン装置10は、1列に配設される複数の押下ボタン11,12,13を備える。押下ボタン11,12,13の操作部11a,12a,13aの操作面11b,12b,13bには、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びる壁部(壁部)31が形成されている。壁部31は、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作する場合に、遊技者の指を案内するガイドとして機能する。以下、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作することを、「複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする」と言うこととする。壁部31が設けられることで、流し打ちする際、遊技者の指の移動方向を安定化できる。
【0017】
本実施形態では、本開示の操作ボタン装置10がスロットマシンにストップボタンとして用いられる構成するが、並んで配置された複数の押下ボタンを有し、配列に沿って連続的に操作されることが想定される構成であれば、他の遊技機にも適用できる。
【0018】
§2 構成例
〔実施の形態1〕
(1.スロットマシンの概略)
図1は、実施の形態1に係る遊技機の操作ボタン装置10が搭載されているスロットマシン1の正面図である。図1に示すように、スロットマシン1は、筐体2の正面に表示部3を有し、表示部3に3個の回転リール4~6が配置されている。表示部3の下方には、3個の回転リール4~6を回転させるスタートレバー(図示せず)と、回転している3個の回転リール4~6を停止させる操作ボタン装置10が配置されている。
【0019】
操作ボタン装置10は、3個の3個の回転リール4~6に対応して設けられた3個の押下ボタン11,12,13を有している。押下ボタン11,12,13は、所謂ストップボタンである。
【0020】
押下ボタン11,12,13は、押しボタン式の操作スイッチである。押下ボタン11,12,13は、3個の回転リール4~6の配置に対応して横方向(左右方向)に並んで1列に配置されている。押下ボタン11,12,13は、押下操作を受け付ける(押下操作される)操作部11a,12a,13aが、パネル24に形成された複数の開口部(図示せず)に遊嵌されている。パネル24は、スロットマシン1の筐体2の一部を構成するように筐体2に配置されている。
【0021】
操作部11a,12a,13aは後述するレンズ部15よりなり、レンズ部15の頂面である操作面11b,12b,13b(図2参照)に、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びる壁部31が形成されている。壁部31は、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作する場合(流し打ちする)に、遊技者の指をガイドするガイド壁として機能する。
【0022】
(2.操作ボタン装置10の概略)
図2は、本実施形態に係る操作ボタン装置10の外観斜視図である。図3は、操作ボタン装置10の分解斜視図である。図2図3では、便宜上、スロットマシン1に設置された状態で正面を向く操作ボタン装置10の正面を上方に向けて示している。そのため、図2図3を用いて操作ボタン装置10の構成を説明する場合、操作部11a,12a,13aが位置する側を上として説明する。
【0023】
図2に示すように、操作ボタン装置10は、押下操作される3個の押下ボタン11,12,13が、一方向の同一平面上に3個1組に配列して構成されている。3個の押下ボタン11,12,13は同じ構造を有し、パネル24より操作部11a,12a,13aを突出させている。
【0024】
図3に示すように、押下ボタン11,12,13はいずれも、レンズ部15と拡散シート16と操作枠体17との3部材を積層状態に一体化してなる円形のボタン部18を備える。各ボタン部18の上部に位置する各レンズ部15の上部が操作部11a,12a,13aとなり、各レンズ部15の頂面が操作面11b,12b,13bである。
【0025】
各ボタン部18は、復帰バネ20を介在させてスイッチケース21の上面に組み込まれる。スイッチケース21の下面側には、各ボタン部18に対応してLEDユニット22がそれぞれ配置される。各LEDユニット22には、レンズ部15に向かって光を照射するLED(図示せず)と、ボタン部18の押下を検出するセンサを搭載した実装基板(図示せず)が組み込まれている。各LEDユニット22は、下カバー23に取り付けられる。各ボタン部18が組み込まれた状態で、スイッチケース21の上下面がパネル24と下カバー23とで覆われ一体化される。
【0026】
パネル24には、押下ボタン11,12,13に対応して、押下ボタン11,12,13の操作部11a~13aを遊嵌する開口部24aが形成されている。なお、パネル24は、スロットマシン1の筐体2の一部、つまりスロットマシン1の表面を構成するように筐体2に配置される部材であるため、必ずしも操作ボタン装置10として必須の部材ではない。つまり、スロットマシン1の筐体2の一部としてパネル24が設けられており、このようなパネル24に筐体2の内側から操作ボタン装置10が取り付けられる構成であってもよい。
【0027】
(3.操作部、レンズ部)
図4は、スロットマシン1に配設された操作ボタン装置10を正面より見た図である。図5は、押下ボタン11のレンズ部15を押下方向より見た図である。図6は、押下ボタン11のレンズ部15を図5におけるB方向より見た図である。図7は、押下ボタン11を流し打ちする際の操作状態を示す図である。なお、押下ボタン11,12,13は、同じ構造を有しているため、以下1つの押下ボタン11を例にとって説明する。
【0028】
図2図4に示すように、操作部11a,12a,13aは、操作面11b,12b,13bに段差を形成する薄肉部15aと厚肉部15bとを有している。薄肉部15aと厚肉部15bとの間を繋ぐ部分にて、操作面11b,12b,13bに複数の押下ボタン11,12,13の配列方向(図4の両矢印Aにて示す方向)に延びる壁部31が形成されている。このような壁部31が設けられることで、複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする際に、遊技者の指の移動方向を安定化できる。
【0029】
具体的には、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に沿って移動させる際、図7に示すように、遊技者は、壁部31に指の腹を当て、壁部31をガイドとして壁部31に沿わせるように指を移動させることができる。これにより、流し打ちにおいて、指が配列方向からずれにくくなり、例えば、図4において左から右に向かって流し打ちする場合には、最後の押下ボタン13の空押しを抑制することができる。逆に、図4において右から左に向かって流し打ちする場合には、最後の押下ボタン11の空押しを抑制することができる。
【0030】
壁部31における、押下方向に沿った方向の寸法である壁幅(高さ)は、例えば2~3mm程度とすることができる。壁幅が余り小さくなると、遊技者の指の腹を安定してガイドする機能が低下すると考えられる。但し、上記溝幅の数値はあくまで一例である。
【0031】
また、図6図7に示すように、壁部31と厚肉部15bの操作面11b(12b,13b)とのエッジ(角部)31aは、面取り又は丸みが付与されるなどして角がとられていることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちを繰り返し行っても、壁部31を滑るように移動する指の腹が、壁部31と厚肉部15bの操作面11b(12b,13b)とのエッジ31aに当たって痛くなることを抑制することができる。
【0032】
また、図5図7に示すように、壁部31は、操作部11a(12a,13a)における側面11c(12c,13c)、つまりレンズ部15の頂面側の側面に達している構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、操作部11a(12a,13a)の操作面11b(12b,13b)を配列方向に移動する指を、操作面11b(12b,13b)の端から端まで壁部31にてガイドすることができる。また、壁部31を滑るように移動する指を、自然な流れで、移動方向の下流側に位置する次の押下ボタンへと導くことができる。
【0033】
また、図6図7に示すように、壁部31を側面11c(12c,13c)に達する構成とする場合、壁部31と側面11c(12c,13c)とのエッジ(角部)31bについても、面取りや丸みが付与されるなどして角がとられていることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちを繰り返し行っても、壁部31を滑るように移動する指の腹が、壁部31と側面11c(12c,13c)とのエッジ31bに当たって痛くなることを抑制することができる。
【0034】
また、図4に示すように、薄肉部15aは、押下ボタン11,12,13における操作面11b,12b,13bの中心Oを含むように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちする際、指が押下ボタン11,12,13の中央部を通るようこととなり、押下ボタン11,12,13の押下をより確実に行うことができる。また、流し打ちではない通常の押下操作において、壁部31の存在を極力感じ難くできる。
【0035】
具体的には、図4に示す押下ボタン11,12,13における操作面11b,12b,13bの中心Oを結ぶ仮想線Lと壁部31との距離が、例えば3~5mm程度となるように壁部31を設けることである。これにより、壁部31に沿って移動する指が、仮想線L上を通るようになる。但し、押下ボタンの形状や外形サイズによってこの数値は変化するため、上記数値は、あくまで図示したような円形で平たい形状の押しボタンの場合の一例である。
【0036】
なお、本実施形態では、パネル24の開口部24aより押下ボタン11,12,13の操作部11a,12a,13aが突出している構成を例示したが、これに限定されるものではなく、操作部11a,12a,13aが突出していなくてもよい。但し、操作部11a,12a,13aが突出している構成において壁部30を適用することで、より流し打ちをなめらかに行うことができる。
【0037】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 スロットマシン(遊技機)
2 筐体
4 回転リール
10 操作ボタン装置
11,12,13 押下ボタン
11a,12a,13a 操作部
11b,12b,13b 操作面
11c,12c,13c 側面
24 パネル
24a 開口部
31 壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7