(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052203
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】遊技機の操作ボタン装置
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240404BHJP
H01H 13/04 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
H01H13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158757
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 弥
(72)【発明者】
【氏名】阪本 斉士
(72)【発明者】
【氏名】穐山 信悟
(72)【発明者】
【氏名】神田 稜大
【テーマコード(参考)】
2C182
5G206
【Fターム(参考)】
2C182CB02
2C182DA02
5G206AS27H
5G206AS27N
5G206FS23J
5G206GS12
5G206HU12
5G206HW14
5G206HW93
5G206KS02
5G206NS02
5G206RS02
5G206RS24
5G206RS35
(57)【要約】
【課題】複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現する。
【解決手段】遊技機の操作ボタン装置(10)は、1列に形成された複数の開口部(24a)を有するパネル(24)と、前記複数の開口部(24a)に配設される複数の押下ボタン(11~13)と、を備え、前記パネル(24)の表面における前記複数の開口部(24a)を通る位置に、前記複数の開口部(24a)の配列方向に延びるガイドリブ(25)が形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に配置される遊技機の操作ボタン装置であって、
1列に形成された複数の開口部を有するパネルと、
前記複数の開口部に配設される複数の押下ボタンと、を備え、
前記パネルの表面における前記複数の開口部を通る位置に、前記複数の開口部の配列方向に延びるガイド部が形成されている遊技機の操作ボタン装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記複数の開口部の中心を結ぶ仮想線上を通っている請求項1に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【請求項3】
前記複数の押下ボタンは、前記パネルの前記開口部より突出しており、
前記ガイド部は、凸部である請求項1又は2に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【請求項4】
前記凸部は、前記開口部と隣り合う端部において、前記開口部に向かうに従って低くなる傾斜部を有している請求項3に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【請求項5】
前記複数の押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部の操作面に、前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる溝部が形成されている請求項1又は2に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【請求項6】
前記複数の押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部は、操作面に段差を形成する薄肉部と厚肉部とを有し、前記薄肉部と前記厚肉部との間を繋ぐ部分にて、前記操作面に前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる壁部が形成されている請求項1又は2に記載の遊技機の操作ボタン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に配置される、複数の押しボタンが1列に配置されている操作ボタン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンの遊技に際し、遊技者がスタートレバーを操作すると、例えば3個の回転リールが回転する。遊技者は、各回転リールに対応する3個の押下ボタンを任意のタイミングで押下(押下操作)し、これにより、各回転リールは停止制御を受けて個別に停止する。3個の押下ボタンは、所謂ストップボタンであり、1列に配置されている。
【0003】
このような3個の押下ボタンの押下操作はゲーム毎に行われるため、ゲームの進行を早めたい遊技者は、3個の押下ボタンをその配列に沿って連続的に押下する。このような、複数の押下ボタンをその配列に沿って連続的に押下する押し方は、俗に流し打ちと称されている。流し打ちは、通常、左から右に向かって行われるが、右から左に向かって行われることもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、押下ボタンの操作部における操作方向に向かう側部に、肉逃げ部が形成された操作ボタンが開示されている。これによれば、流し打ちする際に、遊技者の指の腹が操作部の角部に当たらなくなる。
【0005】
また、特許文献2には、パネル材に、押下ボタンの配列方向に沿って、各押下ボタンの操作部の頂部に向かって上り勾配となっている摺接面を有する傾斜部が、各操作部に隣接して形成された遊技機用操作ボタン装置が開示されている。これによれば、流し打ちする際に、傾斜部に指を触れながら移動させると、指が滑らかに各操作部の頂部に到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-146417号公報
【特許文献2】特開2009-172403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来技術であっても、流し打ちする際に、指を移動させる方向の最下流位置にある最後の押下ボタンをうまく押下することができず、空押しになることがあり、本願発明者らはこの点に注目した。
【0008】
つまり、特許文献1,2の上述した技術は、流し打ちする方向に指をガイド(案内)することを目的とするものではない。そのため、遊技者は、指を押下ボタンの配列方向に移動させているつもりでも、配列方向から徐々にずれてしまい、その結果、最後の押下ボタンの押下が不十分となって空押しになる場合があると考えられる。
【0009】
本発明の一態様は、複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る遊技機の操作ボタン装置は、遊技機に配置される遊技機の操作ボタン装置であって、1列に形成された複数の開口部を有するパネルと、前記複数の開口部に配設される複数の押下ボタンと、を備え、前記パネルの表面における前記複数の開口部を通る位置に、前記複数の開口部の配列方向に延びるガイド部が形成されている。これにより、複数の押下ボタンをその配列に沿って連続的に操作する(流し打ちする)際、遊技者の指の移動方向が安定化し、空押しが発生し難くなる。
【0011】
前記ガイド部は、前記複数の開口部の中心を結ぶ仮想線上を通っていてよい。前記各押下ボタンは、前記パネルの前記開口部より突出しており、前記ガイド部は、凸部であってもよい。その場合、前記凸部は、前記開口部と隣り合う端部において、前記開口部に向かうに従って低くなる傾斜を有していてもよい。
【0012】
また、前記各押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部の操作面に、前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる溝部が形成されていてもよい。あるいは、前記各押下ボタンの押下操作を受け付ける操作部は、操作面に段差を形成する薄肉部と厚肉部とを有し、前記薄肉部と前記厚肉部との間を繋ぐ部分にて、前記操作面に前記複数の押下ボタンの配列方向に延びる壁部が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、複数の押下ボタンを複数の押下ボタンの配列に沿って連続的に押下操作する場合に、空押しが発生し難い遊技機の操作ボタン装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る遊技機の操作ボタン装置が搭載されているスロットマシンの正面図である。
【
図4】上記操作ボタン装置における複数の押下ボタンを流し打ちする様子を示す図である。
【
図5】パネルにガイドリブが設けられていない場合の、流し打ちによる指と押下ボタンとパネルの関係を示す図である。
【
図6】パネルにガイドリブが設けられている場合の、流し打ちによる指と押下ボタンとパネルの関係を示す図である。
【
図7】実施の形態2に係る操作ボタン装置における、複数の押下ボタンを流し打ちする様子を示す図である。
【
図8】実施の形態3に係る操作ボタン装置における、複数の押下ボタンを流し打ちする様子を示す図である。
【
図9】スロットマシンに配設された実施の形態4に係る操作ボタン装置を正面より見た図である。
【
図10】上記操作ボタン装置の要部を拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0016】
§1 適用例
図1に示すように、実施の形態1に係る操作ボタン装置10は、スロットマシン(遊技機)における、回転リール4~6を停止させるストップボタンとして用いることができる。
【0017】
図2、
図3に示すように、操作ボタン装置10は、パネル24の表面における複数の開口部24a(
図3参照)を通る位置に、複数の開口部24aの配列方向、つまり、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びるガイドリブ(ガイド部)25が形成されている。ガイドリブ25は、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作する(流し打ちする)場合に、遊技者の指を案内するガイドとして機能する。以下、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作することを、「複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする」と言うこととする。ガイドリブ25が設けられることで、流し打ちする際、遊技者の指の移動方向を安定化できる。
【0018】
本実施形態では、本開示の操作ボタン装置10がスロットマシンにストップボタンとして用いられる構成するが、並んで配置された複数の押下ボタンを有し、配列に沿って連続的に操作されることが想定される構成であれば、他の遊技機にも適用できる。
【0019】
§2 構成例
〔実施の形態1〕
(1.スロットマシンの概略)
図1は、実施の形態1に係る遊技機の操作ボタン装置10が搭載されているスロットマシン1の正面図である。
図1に示すように、スロットマシン1は、筐体2の正面に表示部3を有し、表示部3に3個の回転リール4~6が配置されている。表示部3の下方には、3個の回転リール4~6を回転させるスタートレバー(図示せず)と、回転している3個の回転リール4~6を停止させる操作ボタン装置10が配置されている。
【0020】
操作ボタン装置10は、3個の3個の回転リール4~6に対応して設けられた3個の押下ボタン11,12,13を有している。押下ボタン11,12,13は、所謂ストップボタンである。
【0021】
押下ボタン11,12,13は、押しボタン式の操作スイッチである。押下ボタン11,12,13は、3個の回転リール4~6の配置に対応して横方向(左右方向)に並んで1列に配置されている。押下ボタン11,12,13は、押下操作を受け付ける(押下操作される)操作部11a,12a,13aが、パネル24に形成された複数の開口部(図示せず)に遊嵌されている。パネル24は、スロットマシン1の筐体2の一部を構成するように筐体2に配置されている。
【0022】
パネル24の表面における1列に形成された複数の開口部24a(
図3参照)を通る位置に、複数の開口部24aの配列方向、つまり、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びるガイドリブ(ガイド部)25が形成されている。ガイドリブ25は、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作する(流し打ちする)場合に、遊技者の指をガイドする。
【0023】
(2.操作ボタン装置10の概略)
図2は、本実施形態に係る操作ボタン装置10の外観斜視図である。
図3は、操作ボタン装置10の分解斜視図である。
図2、
図3では、便宜上、スロットマシン1に設置された状態で正面を向く操作ボタン装置10の正面を上方に向けて示している。そのため、
図2、
図3を用いて操作ボタン装置10の構成を説明する場合、操作部11a,12a,13aが位置する側を上として説明する。
【0024】
図2に示すように、操作ボタン装置10は、押下操作される3個の押下ボタン11,12,13が、一方向の同一平面上に3個1組に配列して構成されている。3個の押下ボタン11,12,13は同じ構造を有し、パネル24より操作部11a,12a,13aを突出させている。
【0025】
図3に示すように、押下ボタン11,12,13はいずれも、レンズ部15と拡散シート16と操作枠体17との3部材を積層状態に一体化してなる円形のボタン部18を備える。各ボタン部18の上部に位置する各レンズ部15の上部が操作部11a,12a,13aとなり、各レンズ部15の頂面が操作面11b,12b,13bである。
【0026】
各ボタン部18は、復帰バネ20を介在させてスイッチケース21の上面に組み込まれる。スイッチケース21の下面側には、各ボタン部18に対応してLEDユニット22がそれぞれ配置される。各LEDユニット22には、レンズ部15に向かって光を照射するLED(図示せず)と、ボタン部18の押下を検出するセンサを搭載した実装基板(図示せず)が組み込まれている。各LEDユニット22は、下カバー23に取り付けられる。各ボタン部18が組み込まれた状態で、スイッチケース21の上下面がパネル24と下カバー23とで覆われ一体化される。
【0027】
パネル24には、押下ボタン11,12,13に対応して、押下ボタン11,12,13の操作部11a~13aを遊嵌する開口部24aが形成されている。
【0028】
(3.パネル)
図4は、複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする様子を示す図である。
図5は、パネル24にガイドリブ25が設けられていない場合の、流し打ちによる指と押下ボタン11とパネル24の関係を示す図である。
図6は、パネル24にガイドリブ25が設けられている場合の、流し打ちによる指と押下ボタン11とパネル24の関係を示す図である。なお、押下ボタン11,12,13は、同じ構造を有しているため、以下1つの押下ボタン11を例にとって説明する。
【0029】
図2、
図4に示すように、パネル24の表面24bには、複数の開口部24aを通る位置に、複数の開口部24aの配列方向に延びるガイドリブ(ガイド部)25が形成されている。このようなガイドリブ25が設けられることで、複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする際に、遊技者の指の移動方向を安定化できる。
【0030】
具体的には、
図4に示すように、指を複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に沿って移動させる際、遊技者は、パネル24のガイドリブ25に指の腹を当て、ガイドリブ25をガイドとしてガイドリブ25に沿わせるように指を移動させることができる。これにより、流し打ちにおいて、指が配列方向からずれにくくなり、例えば、
図4において左から右に向かって流し打ちする場合には、最後の押下ボタン13の空押しを抑制することができる。逆に、
図4において右から左に向かって流し打ちする場合には、最後の押下ボタン11の空押しを抑制することができる。
【0031】
ガイドリブ25として、ここでは、複数(図では3本)のリブを設けているが、1本でもよいし3本より多くてもよい。また、3本分のリブの幅を有する太いガイドリブを1本設けてもよい。但し、リブ幅が余り小さくなると、遊技者の指の腹を安定してガイドする機能が低下すると考えられる。なお、ここでは、開口部24a間以外の部分、つまり右端の開口部24aの右側および左端の開口部24aの左側にもガイドリブ25を設けているが、開口部24a間にのみガイドリブ25を設けてもよい。
【0032】
また、
図3に示すように、ガイドリブ25は、複数の開口部24aの中心Oを結ぶ仮想線L上を通るように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちする際、指が押下ボタン11,12,13の中央部を通ることとなり、押下ボタン11,12,13の押下をより確実に行うことができる。
【0033】
また、
図6に示すように、押下ボタン11(12、13)が開口部24aよりパネル24の表面24bに突出している場合、ガイド部は凸状のガイドリブ25とすることが好ましい。このような構成することで、
図6の符号601に示すように、ガイドリブ25により、パネル24と操作面11b(12b、13b)との間の段差が小さくなり、パネル24から操作部11a(12a、13a)への指の移動をなめらかに行うことができる。
【0034】
これに対し、
図5の符号501に示すように、ガイドリブ25が設けられていない場合は、パネル24’と操作面11b(12b、13b)との間の段差が大きくなる。そのため、パネル24’から操作部11a(12a、13a)へ指を移動させた場合に、指が操作部11a(12a、13a)の側面11c(12c、13c)に当たってしまい、なめらかに行うことができない。
【0035】
ところで、
図5の符号502に示すように、ガイドリブ25が設けられていない場合、押下された操作面11b(12b、13b)とパネル24’との間の段差は小さい。しかしながら、ガイドリブ25を設けた場合、押下された操作面11b(12b、13b)とパネル24との間の段差は、ガイドリブ25の突出分、必然的に大きくなる。その場合、押下された操作部11a(12a、13a)からパネル24へ指を移動させた場合に、指がガイドリブ25の端部に当たってしまい、なめらかに行うことができない。
【0036】
そこで、
図6に示すように、ガイドリブ25は、開口部24aと隣り合う端部において、開口部24aに向かうに従って低くなる傾斜部25aを有する構成とすることが好ましい。このような構成することで、
図6の符号602に示すように、押下された状態の操作面11b(12b、13b)とガイドリブ25の間の段差が、傾斜部25aにてなめらかに接続される。そのため、ガイドリブ25を設けたとしても、操作部11a(12a、13a)からパネル24への指の移動をなめらかに行うことができる。
【0037】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0038】
図7は、本実施形態に係る操作ボタン装置10Aにおける、複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする様子を示す図である。
図7に示すように、操作ボタン装置10Aにおいては、複数の押下ボタン11,12,13の操作部11a,12a,13aの操作面11b,12b,13bに、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びる溝部30が形成されている。溝部30は、複数の押下ボタン11,12,13を複数の押下ボタン11,12,13の配列に沿って連続的に押下操作する場合に、遊技者の指をガイドする溝部として機能する。溝部30は、押下ボタン11,12,13における操作面11b,12b,13bの中心、つまり各開口部24aの中心Oを結ぶ仮想線L上を通るように形成されていることが好ましい。
【0039】
このような溝部30を設けることで、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に沿って移動させる際、
図7に示すように、遊技者は、パネル24のガイドリブ25および押下ボタン11,12,13の溝部30をガイドとして、ガイドリブ25および溝部30に沿わせるように指を移動させることができる。これにより、流し打ちにおいて、指が配列方向からより一層ずれにくくなる。
【0040】
溝部30の溝幅は、例えば2~4mm程度とすることができる。溝幅が余り小さくなると、指の腹は違和感が発生し、また爪先での操作で痛覚があったり、付け爪での操作は付け爪が挟まったり、引っ掛かることで付け爪のはがれなど、操作不具合が発生することが想定される。したがって、指の腹や爪先での操作をする際、指の腹や爪への操作ストレスを減らす目的で、下限値を2mm以上としてもよい。また、溝幅が余り大きくなると、流し打ち以外の通常の押下操作において、操作感が不自然となる恐れがある。そのため、下限値を2mm以上としてもよい。但し、上記溝幅の数値はあくまで一例である。
【0041】
また、溝部30の深さは、複数の押下ボタン11,12,13の押下距離に合わせて設定してもよい。複数の押下ボタン11,12,13の押下距離が、一般的なボタンスイッチの押下距離である2~3mm程度であれば、1~2mm程度とすることができる。但し、上記溝幅の数値もあくまで一例である。深さが余り浅くなると、遊技者の指の腹を安定してガイドする機能が低下すると考えられる。
【0042】
また、
図7に示すように、溝部30は、操作部11a(12a,13a)における側面11c(12c,13c)、つまりレンズ部15の頂面側の側面に達している構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、操作部11a(12a,13a)の操作面11b(12b,13b)を配列方向に移動する指を、操作面11b(12b,13b)の端から端まで溝部30にてガイドすることができる。また、溝部30を滑るように移動する指を、自然な流れで、移動方向の下流側に位置する次の押下ボタンへと導くことができる。
【0043】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0044】
図8は、本実施形態に係る操作ボタン装置10Bにおける、複数の押下ボタン11,12,13を流し打ちする様子を示す図である。
図8に示すように、操作ボタン装置10Bにおいては、複数の押下ボタン11,12,13の操作部11a,12a,13aの操作面11b,12b,13bに、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に延びる壁部31が形成されている。
【0045】
具体的には、操作部11a,12a,13aは、操作面11b,12b,13bに段差を形成する薄肉部15aと厚肉部15bとを有している。薄肉部15aと厚肉部15bとの間を繋ぐ部分にて、操作面11b,12b,13bに複数の押下ボタン11,12,13の配列方向(
図4の両矢印Aにて示す方向)に延びる壁部(壁部)31が形成されている。
【0046】
このような壁部31を設けることで、複数の押下ボタン11,12,13の配列方向に沿って移動させる際、
図8に示すように、遊技者は、パネル24のガイドリブ25および押下ボタン11,12,13の壁部31をガイドとして、ガイドリブ25および壁部31に沿わせるように指を移動させることができる。これにより、流し打ちにおいて、指が配列方向からより一層ずれにくくなる。
【0047】
壁部31における、押下方向に沿った方向の寸法である壁幅(高さ)は、例えば2~3mm程度とすることができる。壁幅が余り小さくなると、遊技者の指の腹を安定してガイドする機能が低下すると考えられる。但し、上記溝幅の数値はあくまで一例である。
【0048】
また、薄肉部15aは、押下ボタン11,12,13における操作面11b,12b,13bの中心を含むように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちする際、指が押下ボタン11,12,13の中央部を通るようこととなり、押下ボタン11,12,13の押下をより確実に行うことができる。また、流し打ちではない通常の押下操作において、壁部31の存在を極力感じ難くできる。
【0049】
具体的には、
図4に示す押下ボタン11,12,13における操作面11b,12b,13bの中心Oを結ぶ仮想線Lと壁部31との距離が、例えば3~5mm程度となるように壁部31を設けることである。これにより、壁部31に沿って移動する指が、仮想線L上を通るようになる。但し、押下ボタンの形状や外形サイズによってこの数値は変化するため、上記数値は、あくまで図示したような円形で平たい形状の押しボタンの場合の一例である。
【0050】
また、
図8に示すように、壁部31は、操作部11a,12a,13aにおける側面11c,12c,13c、つまりレンズ部15の頂面側の側面に達している構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、操作部11a,12a,13aの操作面11b,12b,13bを配列方向に移動する指を、操作面11b,12b,13bの端から端まで壁部31にてガイドすることができる。また、壁部31を滑るように移動する指を、自然な流れで、移動方向の下流側に位置する次の押下ボタンへと導くことができる。
【0051】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0052】
図9は、スロットマシン1に配置された実施の形態4に係る操作ボタン装置10Cを正面より見た図である。
図10は、操作ボタン装置10Cの要部を拡大して示す模式図である。
【0053】
図9に示すように、操作ボタン装置10Cにおいても、操作ボタン装置10Bと同様に、複数の押下ボタン11,12,13の操作面11b,12b,13bには、壁部31が形成されている。操作ボタン装置10Bと操作ボタン装置10Cとの違いは、パネル24に形成されたガイドリブにある。操作ボタン装置10Cでは、ガイドリブ25に代えてガイドリブ25Aが設けられている。
【0054】
図10に示すように、ガイドリブ25Aは、壁部31が正面視で同一線上となる位置に設けられている。これにより、ガイドリブ25Aのパネル24から立ち上がった面が、あたかも壁部31に延長する壁のように機能する。このようなガイドリブ25Aと、レンズ部15の厚肉部15Bの高さ(パネル24の表面24bからの距離)は、同じ、あるいはガイドリブ25Aの方が高いことが好ましい。図中、Wで示すガイドリブ25Aの幅(厚み)は、デザインにより自由に設計できる。ガイドリブ25Aの端部は、レンズ部15に極めて近い位置にすることが好ましい。このような構成とすることで、流し打ちにおいて、壁部31からガイドリブ25A,ガイドリブ25Aから壁部31へと、指をより一層なめらかに移動させることができる。
【0055】
なお、実施形態1~4では、ガイド部として凸部よりなるガイドリブ25,25Aを例示したが、凹部からなるガイド部であっても、流し打ちに際し、指をガイドすることができる。また、パネル24の開口部24aより押下ボタン11,12,13の操作部11a(12a,13a)が突出している構成を例示したが、これに限定されるものではない。
【0056】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 スロットマシン(遊技機)
2 筐体
4 回転リール
10 操作ボタン装置
11,12,13 押下ボタン
11a,12a,13a 操作部
11b,12b,13b 操作面
11c,12c,13c 側面
24 パネル
24a 開口部
25,25A ガイドリブ(ガイド部)
25a 傾斜部
30 溝部
31 壁部