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  • 特開-育毛組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052220
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】育毛組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9794 20170101AFI20240404BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240404BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240404BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20240404BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240404BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61K8/9794
A61K8/9789
A61K8/41
A61K8/49
A61K8/67
A61Q7/00
A61Q5/02
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158786
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(71)【出願人】
【識別番号】595134504
【氏名又は名称】株式会社テクノーブル
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】本岡 香奈
(72)【発明者】
【氏名】上野 栞
(72)【発明者】
【氏名】中村 将行
(72)【発明者】
【氏名】森山 昌明
(72)【発明者】
【氏名】小林 伸次
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(72)【発明者】
【氏名】羽田 容介
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC482
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD352
4C083AD631
4C083AD632
4C083AD641
4C083AD642
4C083AD661
4C083AD662
4C083CC33
4C083CC37
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE22
(57)【要約】
【課題】育毛を促進する組成物を提供すること。
【解決手段】(A)タケノコと、(B)タマサキツヅラフジと、(C)ナイアシン、トウガラシ、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸DL-α-トコフェロール及びセンブリからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを含有する組成物である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)タケノコと、
(B)タマサキツヅラフジと、
(C)ナイアシン、トウガラシ、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸DL-α-トコフェロール及びセンブリからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分と、
を含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
(C)成分を2種以上含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
タケノコが、タケノコ皮抽出物であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
外用剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項5】
頭皮及び/又は頭髪用であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項6】
育毛用であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タケノコとタマサキツヅラフジと特定成分とを含有する組成物、並びに、タケノコとタマサキツヅラフジと特定成分とを含有し、育毛を促進する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛根から新しく生えた毛髪は、一定期間成長し、その後成長が止まり抜け落ちるというサイクルを繰り返しており、正常なヘアサイクルの維持が重要である。
【0003】
しかしながら、近年、社会におけるストレスの増加や生活習慣の乱れ等により、上記のヘアサイクルが正常に働かず、薄毛や脱毛に悩む人が、男女問わず増加している。薄毛や脱毛については、様々な予防法や対処法が提案されており、有効な育毛剤等の開発が進められている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-172596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、育毛を促進する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、タケノコとタマサキツヅラフジと特定成分とを組み合わせることにより、育毛を促進できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1] (A)タケノコと、(B)タマサキツヅラフジと、(C)ナイアシン、トウガラシ、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸DL-α-トコフェロール及びセンブリからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分と、を含有することを特徴とする組成物。
[2] (C)成分を2種以上含有することを特徴とする[1]記載の組成物。
[3] タケノコが、タケノコ皮抽出物であることを特徴とする請求項[1]又は[2]記載の組成物。
【0008】
[4] 外用剤であることを特徴とする[1]~[3]のいずれか一項記載の組成物。
[5] 頭皮及び/又は頭髪用であることを特徴とする[1]~[4]のいずれか一項記載の組成物。
[6] 育毛用であることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項記載の組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、育毛を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の組成物の毛乳頭細胞の賦活効果(活性効果)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の組成物は、(A)タケノコと、(B)タマサキツヅラフジと、(C)ナイアシン、トウガラシ、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸DL-α-トコフェロール、及びセンブリからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを含有することを特徴とする。本発明の効果をより享受できる点から、(C)成分は、2種以上含有することが好ましい。
【0012】
本発明の組成物は、毛髪をつくる毛母細胞の働きをコントロールする毛乳頭細胞を賦活できることから、育毛促進を図ることができる。すなわち、毛乳頭細胞は、FGF-7(線維芽細胞増殖因子)等の分泌によって毛母細胞の細胞分裂を促進し、毛髪の成長を促したり、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)の分泌によって血管新生を促進し、育毛を促進するため、毛乳頭細胞の活性化により、育毛が促進される。
したがって、本発明の組成物は、毛乳頭細胞賦活用組成物、育毛用組成物として用いることができる。なお、本発明の育毛は、発毛、養毛を含む概念である。
【0013】
<(A)成分>
[タケノコ]
タケは、イネ目イネ科タケ亜科に属する植物であり、温暖な気候であるアジアの温帯及び熱帯地域に多く分布している。春から初夏にかけて、タケの地下茎から出る若芽であるタケノコ(bamboo shoot)は、何枚も重なった産毛の生えた皮に包まれており、土に埋まった状態から少し頭を出した状態のものは柔らかく、日本や中国で食材として利用されている。本発明において用いるタケノコの品種としては特に制限されるものではなく、食材として利用される品種が好ましく、例えば、孟宗竹、淡竹、真竹、姫竹、四方竹、寒山竹、緑竹等を挙げることができる。
【0014】
本発明において用いる部位としては、タケノコの食用部位(可食部位)であってもよいが、本発明の効果をより享受できる観点から、タケノコの皮が好ましい。タケノコは、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等として用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末、細片化物等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点及び組成物への配合し易さから、抽出物が好ましい。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては特に制限されるものではないが、本発明の効果をより享受できる点及び組成物への配合し易さから、水、エタノール、含水エタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)、含水BG等の親水性溶媒が好ましい。また、各溶媒の温度は、常温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、水やBG、含水BGの抽出物が好ましい。
【0015】
<(B)成分>
[タマサキツヅラフジ]
タマサキツヅラフジは、ツヅラフジ科に属する植物であり、主として中国、台湾に分布している。学名は、Stephania cepharanthaである。本発明において用いる部位としては、花、葉、茎、根、根茎等、どの部位であってもよく、根、根茎が好ましい。また、タマサキツヅラフジは、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等として用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末、細片化物等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点及び組成物への配合し易さから、抽出物が好ましい。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水、エタノール、含水エタノール、BG、含水BGを用いることができる。また、各溶媒の温度は、常温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、エタノールや含水エタノールの抽出物が好ましい。また、本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、タマサキツヅラフジアルカロイドを含むものが好ましい。
【0016】
<(C)成分>
[ナイアシン]
ナイアシンは、ニコチン酸及びニコチン酸誘導体の総称であり、ビタミンB3とも呼ばれる成分である。本発明のナイアシンとしては、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体のいずれを用いてもよいが、本発明の効果をより享受できる点から、ニコチン酸誘導体を用いることが好ましく、ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)を用いることが特に好ましい。ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)は、ニコチン酸のアミド化合物であり、ニコチンアミド、ピリジン-3-カルボン酸とも呼ばれる。本発明のナイアシンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明で用いるナイアシンは、天然物から抽出したものを使用してもよいし、公知の方法によって合成したものを使用してもよい。
【0017】
[トウガラシ]
トウガラシは、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質を含むものであれば特に限定されるものではなく、品種、産地等は特に限定されない。具体的には、伏見甘長、トウガラシ品種CH-19甘、シシトウ、山科、万願寺、鷹の爪、香川本鷹、青森鷹の爪、札幌大長、カリフォルニア・ワンダー、チェリーボム等を挙げることができる。各種トウガラシは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明において用いる部位としては、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質を含有する部位が好ましく、カプサイシン又はカプサイシノイド様物質は胎座部に多く含まれているため、胎座部又は胎座部を含む果実を用いることが好ましい。また、トウガラシは、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等として用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末、細片化物等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点及び組成物への配合し易さから、抽出物が好ましい。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水、エタノール、含水エタノールを用いることができる。また、各溶媒の温度は、常温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、エタノールや含水エタノールの抽出物が好ましい。
【0019】
[(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K]
(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kは、化学式C355610PKで表される化合物であり、化学名は、DL-α-トコフェロール2-L-アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩であり、EPCとも呼ばれる。水溶性のビタミンCと油溶性のビタミンEをリン酸を介して結合させた、水溶性の誘導体である。本発明においては、市販品を使用することができる。
【0020】
[塩酸ジフェンヒドラミン]
塩酸ジフェンヒドラミンは、化学式C1721NO・HClで表される化合物であり、ジフェンヒドラミンHClとも呼ばれ、抗ヒスタミン薬として知られている。本発明においては、市販品を使用することができる。
【0021】
[酢酸DL-α-トコフェロール]
酢酸DL-α-トコフェロールは、化学式C3152で表される化合物であり、ビタミンE誘導体の一種であり、酢酸トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、ビタミンE酢酸エステルとも呼ばれる。外用剤として用いられるほか、食品添加物としても認められている。本発明においては、市販品を使用することができる。
【0022】
[センブリ]
センブリは(Swertia japonica (Schult.) Makino)、中国や朝鮮半島、日本に分布する、リンドウ科センブリ属の二年草であり、薬草として用いられている。本発明において用いる部位としては、花、葉、茎、根等、どの部位であってもよく、全草(花、葉、茎及び根を含むもの)が好ましい。また、センブリは、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等として用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末、細片化物等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点及び組成物への配合し易さから、抽出物が好ましい。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水、エタノール、含水エタノール、BG、含水BGを用いることができる。また、各溶媒の温度は、常温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、エタノールや含水エタノールの抽出物が好ましい。
【0023】
本発明の組成物は、(A)成分~(C)成分の他、必要に応じて他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。他の成分としては、例えば、水、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料や、タケノコ、タマサキツヅラフジ、トウガラシ、センブリ以外の植物抽出物等を挙げることができる。
【0024】
本発明の組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や化粧品などの外用剤として使用することができる。外用剤としては、具体的に、頭皮及び/又は頭髪に適用できるものであれば特に制限はなく、その形態としては、液状、軟膏状、クリーム状、ジェル状等の形態を挙げることができる。具体的には、シャンプー、コンディショナー、リンス、トリートメント(洗い流さないタイプを含む)、ヘアオイル、ヘアパック、ヘアマスク、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアスプレー、整髪料、育毛料、発毛料、養毛料等を挙げることができる。
【0025】
本発明の組成物は、育毛用組成物として用いることができ、かかる育毛用組成物としては、(A)タケノコ、(B)タマサキツヅラフジ、及び(C)成分の少なくとも1種を含有し、育毛のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、育毛に関する機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。具体的には、例えば、育毛料(育毛剤)、発毛料(発毛剤)、養毛料(養毛剤)といった表示の他、「髪にハリ・コシを与える」、「ハリ・コシを求める方に」、「頭皮ケア効果アップ」、「頭皮と髪をいたわる」、「抜け毛を防ぐ」、「薄毛が気になる方に」、「健やかな髪に」といった文言が含まれる表示を例示することができる。
【0026】
本発明の組成物における(A)タケノコの含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算でタケノコを0.0001~50質量%含有させることができ、0.001~20質量%含有させることが好ましく、0.01~10質量%含有させることがより好ましく、0.1~5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0027】
本発明の組成物における(A)タケノコが抽出物の場合、タケノコ抽出物の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算でタケノコ抽出物を0.0001~50質量%含有させることができ、0.001~20質量%含有させることが好ましく、0.01~10質量%含有させることがより好ましく、0.1~5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0028】
本発明の組成物における(B)タマサキツヅラフジの含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で0.000001~1質量%含有させることができ、0.00001~0.4質量%含有させることが好ましく、0.0001~0.2質量%含有させることがより好ましく、0.001~0.1質量%含有させることがさらに好ましい。
【0029】
本発明の組成物における(B)タマサキツヅラフジが抽出物の場合、タマサキツヅラフジ抽出物の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算でタマサキツヅラフジ抽出物を0.000001~1質量%含有させることができ、0.00001~0.4質量%含有させることが好ましく、0.0001~0.2質量%含有させることがより好ましく、0.001~0.1質量%含有させることがさらに好ましい。
【0030】
本発明の組成物において、(C)がナイアシンの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、ナイアシンを0.00001~30質量%含有させることができ、0.0001~25質量%含有させることが好ましく、0.0005~20質量%含有させることがより好ましく、0.001~10質量%含有させることがさらに好ましい。
【0031】
本発明の組成物において、(C)がトウガラシの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で0.005~30質量%含有させることができ、0.01~20質量%含有させることが好ましく、0.05~10質量%含有させることがより好ましく、0.1~5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0032】
本発明の組成物における(C)トウガラシが抽出物の場合、トウガラシ抽出物の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算でトウガラシ抽出物を0.001~30質量%含有させることができ、0.01~20質量%含有させることが好ましく、0.05~10質量%含有させることがより好ましく、0.1~5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0033】
本発明の組成物において、(C)が(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kを0.001~30質量%含有させることができ、0.01~20質量%含有させることが好ましく、0.05~10質量%含有させることがより好ましく、0.1~5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0034】
本発明の組成物において、(C)が塩酸ジフェンヒドラミンの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、塩酸ジフェンヒドラミンを0.0001~3質量%含有させることができ、0.001~2質量%含有させることが好ましく、0.005~1質量%含有させることがより好ましく、0.01~0.5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の組成物において、(C)が酢酸DL-α-トコフェロールの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、酢酸DL-α-トコフェロールを0.0001~3質量%含有させることができ、0.001~2質量%含有させることが好ましく、0.005~1質量%含有させることがより好ましく、0.01~0.5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0036】
本発明の組成物において、(C)がセンブリの場合、その含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で0.001~40質量%含有させることができ、0.01~30質量%含有させることが好ましく、0.05~20質量%含有させることがより好ましく、0.1~10質量%含有させることがさらに好ましい。
【0037】
本発明の組成物における(C)センブリが抽出物の場合、センブリ抽出物の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算でセンブリ抽出物を0.001~40質量%含有させることができ、0.01~30質量%含有させることが好ましく、0.05~20質量%含有させることがより好ましく、0.1~10質量%含有させることがさらに好ましい。
【0038】
本発明の組成物において、(C)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよいが、本発明の効果をより享受できる観点から、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。本発明の組成物において、(C)成分を2種以上組み合わせて用いる場合、(C)成分の合計量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で(C)成分を合計量として0.002~70質量%含有させることができ、0.01~50質量%含有させることが好ましく、0.1~30質量%含有させることがより好ましく、2.5~17.5質量%含有させることがさらに好ましい。
【0039】
(A)タケノコ及び(B)タマサキツヅラフジの配合質量比としては、特に制限されないが、本発明の効果をより享受できる点から、乾燥質量換算で、1:0.000001~1000であることが好ましく、1:0.00001~100であることがより好ましく、1:0.0001~10であることがさらに好ましい。
【0040】
(A)タケノコ及び(C)成分の配合質量比としては、特に制限されないが、本発明の効果をより享受できる点から、乾燥質量換算で、1:0.000001~10000であることが好ましく、1:0.00001~1000であることがより好ましく、1:0.0001~200であることがさらに好ましい。なお、(C)成分を2種以上組み合わせて用いる場合、(A)タケノコ、及び、(C)成分の合計量の配合質量比である。
【実施例0041】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
[実施例1]
本発明の組成物の育毛効果を確認するため、本発明の組成物による毛乳頭細胞賦活効果を確認した。
【0043】
<被験物質>
(A)タケノコとしては、モウソウチクのタケノコの皮を含水BGで抽出したタケノコ皮抽出液を用いた。
(B)タマサキツヅラフジとしては、タマサキツヅラフジの根及び根茎をエタノールで抽出したタマサキツヅラフジアルカロイド(粉体)を用いた。
【0044】
(C-1)ナイアシンとしては、合成して得られたナイアシンアミド(粉体)を用いた。
(C-2)トウガラシとしては、トウガラシの果実を含水エタノールで抽出したトウガラシチンキ(粉体)を用いた。
(C-3)(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kとしては、合成して得られた(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K(粉体)を用いた。
(C-4)塩酸ジフェンヒドラミンとしては、合成して得られた塩酸ジフェンヒドラミン(粉体)を用いた。
(C-5)酢酸DL-α-トコフェロールとしては、合成して得られた酢酸DL-α-トコフェロール(粉体)を用いた。
(C-6)センブリとしては、開花期のセンブリの全草を含水エタノールで抽出したセンブリ抽出液を用いた。
【0045】
<試験方法>
37℃、5容量%COインキュベーター内で、コラーゲンコートした75cmフラスコを用いて、ヒト毛乳頭細胞(HFDPC)を毛乳頭細胞増殖培地キット(PromoCell製)で培養した。
【0046】
次いで、トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cmフラスコからコラーゲンコートした96ウェルプレートの各ウェルに5000cells/wellの細胞密度で播種し、37℃、5容量%COインキュベーター内で、24時間前培養した。各ウェルより培地を除去後、所定濃度に調製した被験物質含有培地(試験サンプル)を100μL/well添加し、5容量%COインキュベーター内で24時間培養した。
【0047】
試験サンプルは、0.1%の被験物質を50%エタノールに溶解したものを、培地で1000倍に希釈して試験に使用した。また、controlには被験物質を含まない50%エタノールを培地で1000倍に希釈したものを添加した。
【0048】
24時間培養後、被験物質含有培地を除去し、各ウェルをPBSで1回洗浄した。PBSを除去後、無血清DMEMで30容量倍に希釈したCell Counting Kit-8(同仁化学製)を各ウェルに150μLずつ添加した。37℃、5容量%COインキュベーター内に静置し適度に発色させた後、450nmにおける吸光度を測定した。
【0049】
得られたデータを元に、% of controlを算出した。
【0050】
% of control
=(Data sample-Data blank)/(Data control-Data blank)×100
【0051】
表1に、比較例1~10の成分の組み合わせを示し、表2及び表3に、実施例1~9の成分の組み合わせを示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
また、図1に、毛乳頭細胞の賦活効果の結果を示す。
図1に示すように、比較例における毛乳頭細胞賦活効果を示す生細胞数はcontrolを100%とした場合、比較例は最大で103.0%であったのに対して、本発明の組成物を用いた場合は、全ての実施例において110.0%を超える生細胞数が得られた。特に、実施例7~9の(C)成分を2種類含む場合は、その効果が顕著であった。
以上のとおり、本発明の組成物は、毛乳頭細胞賦活効果を有し、育毛を促進することができる。
【0056】
[配合実施例1-1~1-5]
(育毛料の製造)
下記表4に記載された各成分からなる育毛料を製造した。本育毛料は、本発明の効果を奏する。
【0057】
【表4】
【0058】
[配合実施例2-1~2-5]
(シャンプーの製造)
下記表5に記載された各成分からなるシャンプーを製造した。本シャンプーは、本発明の効果を奏する。
【0059】
【表5】
【0060】
[配合実施例3-1~3-5]
(トリートメントの製造)
下記表6に記載された各成分からなるトリートメントを製造した。本トリートメントは、本発明の効果を奏する。
【0061】
【表6】
【0062】
[配合実施例4-1~4-5]
(ローションの製造)
下記表7に記載された各成分からなるローションを製造した。本ローションは、本発明の効果を奏する。
【0063】
【表7】
【0064】
[配合実施例5-1~5-5]
(乳液の製造)
下記表8に記載された各成分からなる乳液を製造した。本乳液は、本発明の効果を奏する。
【0065】
【表8】
【0066】
[配合実施例6-1~6-5]
(ジェルの製造)
下記表9に記載された各成分からなるジェルを製造した。本ジェルは、本発明の効果を奏する。
【0067】
【表9】
【0068】
[配合実施例7-1~7-5]
(クリームの製造)
下記表10に記載された各成分からなるクリームを製造した。本クリームは、本発明の効果を奏する。
【0069】
【表10】
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の組成物は、育毛用の外用剤として用いることができることから、産業上有用である。
図1