(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052233
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158812
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢次 譲
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 桂士
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB24
2C088EB27
2C088EB29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試射試験信号として用いられる外部信号の精度向上を図ることにより、遊技機の動作正確性の向上を図ることができると共に、その実現処理の容易化を図る。
【解決手段】可動部材は、遊技球が入球可能な開放状態と遊技球が入球不能な閉鎖状態とのいずれかに変化可能であり、制御部は、可動部材を第1駆動量で動作させて開放状態又は閉鎖状態とする第1制御信号と、可動部材を第1駆動量よりも小さい第2駆動量で動作させた後、開放状態又は閉鎖状態とする第2制御信号とをソレノイドに対して出力可能であり、第1制御信号又は第2制御信号の出力を制御するための出力制御テーブルを有し、外部信号出力手段は、制御部により第1制御信号が出力されている場合には外部信号を出力する一方、第2制御信号が出力されている場合には外部信号を出力せず、出力制御テーブルの情報に基づいて外部信号を出力するか否かを決定する。
【選択図】
図51
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材を有する入賞口と、
前記可動部材を動作させるソレノイドと、
前記ソレノイドを制御する制御部と、
外部信号を出力する外部信号出力手段と、を備え、
前記可動部材は、遊技球が入球可能な開放状態と、遊技球が入球不能な閉鎖状態とのいずれかに変化可能であり、
前記制御部は、
前記可動部材を第1駆動量で動作させて前記開放状態又は前記閉鎖状態とする第1制御信号と、
前記可動部材を前記第1駆動量よりも小さい第2駆動量で動作させた後、前記開放状態又は前記閉鎖状態とする第2制御信号と、を前記ソレノイドに対して出力可能であり、
前記第1制御信号又は前記第2制御信号の出力を制御するための出力制御テーブルを有し、
前記外部信号出力手段は、
前記制御部により前記第1制御信号が出力されている場合には、前記外部信号を出力する一方、前記第2制御信号が出力されている場合には、前記外部信号を出力せず、
前記出力制御テーブルの情報に基づいて、前記外部信号を出力するか否かを決定する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に係るものであり、特に、普通電動役物や特別電動役物等の可動部材と該可動部材を動作させるソレノイドとを備える遊技機に係る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、始動口としての入賞口を開閉する普通電動役物や、大入賞口としての入賞口を開閉する特別電動役物等、入賞口の閉鎖状態と開放状態とを切り替え可能に設けられた可動部材と、該可動部材を動作させるソレノイドとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特別電動役物や普通電動役物等の可動部材は入賞に係る可動部材であり、遊技機の試射試験においては、ソレノイド開放信号と呼ばれる、該可動部材による入賞口の開閉状態を示す信号が用いられる。
【0005】
本発明は、試射試験信号として用いられる例えばソレノイド開放信号等の外部信号の精度向上を図ることにより、遊技機の動作正確性の向上を図ることを目的とする。さらには、そのような動作正確性の向上が容易に実現されるように図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、可動部材を有する入賞口と、前記可動部材を動作させるソレノイドと、前記ソレノイドを制御する制御部と、外部信号を出力する外部信号出力手段と、を備え、前記可動部材は、遊技球が入球可能な開放状態と、遊技球が入球不能な閉鎖状態とのいずれかに変化可能であり、前記制御部は、前記可動部材を第1駆動量で動作させて前記開放状態又は前記閉鎖状態とする第1制御信号と、前記可動部材を前記第1駆動量よりも小さい第2駆動量で動作させた後、前記開放状態又は前記閉鎖状態とする第2制御信号と、を前記ソレノイドに対して出力可能であり、前記第1制御信号又は前記第2制御信号の出力を制御するための出力制御テーブルを有し、前記外部信号出力手段は、前記制御部により前記第1制御信号が出力されている場合には、前記外部信号を出力する一方、前記第2制御信号が出力されている場合には、前記外部信号を出力せず、前記出力制御テーブルの情報に基づいて、前記外部信号を出力するか否かを決定するものである。
例えば、上記第2制御信号による可動部材の制御は、球噛み対策制御として行うことが考えられ、その場合、可動部材の制御時間は非常に短いものであり、実際に閉鎖状態又は開放状態に至るまで可動部材の状態が変化するものとはならない。そのため仮に、ソレノイドのオフ/オンに連動して外部信号の出力/非出力を決定してしまうと、可動部材の開閉状態を適切に示す信号を生成することができなくなる。上記構成によれば、球噛み対策制御中に外部信号を出力/非出力とするかの決定が適切に行われるものとなり、外部信号として、可動部材の開閉状態を適切に示す信号を生成することが可能となる。そして本発明では、外部信号のオン/オフ決定処理は、第1制御信号又は第2制御信号の出力を制御するための出力制御テーブルに基づいて実行されるため、上記のような適切な外部信号のオン/オフ決定処理の実現が容易化されるものとなる
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、試射試験信号として用いられる外部信号の精度向上を図ることにより、遊技機の動作正確性の向上を図ることができると共に、その実現処理の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】遊技機において前枠を開放したときの斜視図である。
【
図5】先読み予告演出の例についての説明図である。
【
図6】主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
【
図7】メインループ処理を示したフローチャートである。
【
図8】主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【
図9】普通図柄管理処理を示すフローチャートである。
【
図10】普図当り判定テーブルの一例を説明する図である。
【
図11】普通図柄変動表示ゲームに関する当り種別、変動時間、確定時間の一例を説明する図である。
【
図12】普通電動役物管理処理を示したフローチャートである。
【
図13】普電開放遊技中に設定される各種値の一例を説明する図である。
【
図14】特別図柄管理処理を示したフローチャートである。
【
図15】特
図1始動口チェック処理を示したフローチャートである。
【
図16】特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
【
図17】大当り乱数判定処理を示したフローチャートである。
【
図18】大当り判定テーブルの一例を示した図である。
【
図20】図柄抽選処理を示したフローチャートである。
【
図22】変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。
【
図23】変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
【
図24】特別電動役物管理処理を示したフローチャートである。
【
図25】大当り種別に応じた大当り遊技における各種設定値を示した図である。
【
図26】大当り開始処理を示したフローチャートである。
【
図27】特別電動役物作動開始処理を示したフローチャートである。
【
図28】特別電動役物作動中処理を示したフローチャートである。
【
図29】特別電動役物作動継続判定処理を示したフローチャートである。
【
図30】大当り終了処理を示したフローチャートである。
【
図31】大当り遊技終了後の遊技状態、時短回数及び確変回数を説明する図である。
【
図45】遊技盤接続基板に設けられる回路構成を示した図である。
【
図46】遊技盤接続基板に設けられる回路構成を示した図である。
【
図47】主制御基板に設けられる回路構成を示した図である。
【
図48】主制御基板に設けられる回路構成を示した図である。
【
図51】特別電動役物についての球噛み対策処理を説明するためのタイミングチャートである。
【
図52】普通電動役物についての球噛み対策処理を説明するためのタイミングチャート図である。
【
図53】特別電動役物についての第1、第2、第3パターンの説明図である。
【
図54】普通電動役物についての第1、第2、第3パターンの説明図である。
【
図55】第1パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【
図56】第1パターンに対応した大入賞口開閉動作設定の処理(S625)を示したフローチャートである。
【
図57】第2パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【
図58】第2パターンに対応した大入賞口開閉動作設定の処理(S625A)を示したフローチャートである。
【
図59】第3パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【
図60】第1パターンで用いられる普通電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【
図61】第2パターンで用いられる普通電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【
図62】第3パターンで用いられる普通電動役物データ生成用テーブルの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2.1 主制御基板]
[2.2 演出制御基板]
<3.動作の概要説明>
[3.1 遊技状態]
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
[3.3 大当りについて]
[3.4 演出について]
<4.主制御基板の処理>
[4.1 主制御側メイン処理]
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
<5.電動役物の構造>
[5.1 第1の電動役物]
[5.2 第2の電動役物]
[5.3 第3の電動役物]
[5.4 第4の電動役物]
<6.遊技機の構成例>
<7.基板の接続構成>
[7.1 各基板の接続状態]
[7.2 第1の遊技盤接続基板の回路構成]
[7.3 第2の遊技盤接続基板の回路構成]
[7.4 主制御基板の回路構成]
<8.遊技機の別の構成例>
<9.球噛み対策について>
[9.1 実施形態としての球噛み対策手法]
[9.2 球噛み対策の実現手法]
(第1パターン)
(第2パターン)
(第3パターン)
(普電役物側の実現手法)
<10.変形例>
【0010】
<1.遊技機の構造>
図1及び
図2を参照して、本発明に係る実施形態としての遊技機1の全体構造について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の遊技機1の外観を示す斜視図であり、
図2は、実施形態の遊技機1において前枠4を開放したときの斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、遊技機1は、木製の外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた内枠3と、内枠3にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた前枠4とを備える。
内枠3は、額縁状に形成され、内部に遊技盤5が保持されている。遊技盤5の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(
図4参照)が配設されている。
【0012】
前枠4は、中央に透明ガラス6が保持されているとともに、透明ガラス6の周囲の全部又は一部を囲むようにサイドユニット7が設けられている。
サイドユニット7は、それ自体が遊技機1のテーマに合わせた装飾形状とされるとともに、内部にLEDや役物等の演出部材が設けられることもあり、遊技者に遊技の雰囲気を伝える演出効果を発揮する。このサイドユニット7は前枠4に対して交換可能に取り付けられたユニットとされる。
【0013】
前枠4の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば内枠3に対する前枠4のロック状態が解除されて前枠4を前側に開放でき、また、他方側に操作すれば外枠2に対する内枠3のロック状態が解除されて内枠3を前側に開放できるようになっている。
【0014】
前枠4の下側には、前面操作パネル8が配置されている。前面操作パネル8には、上受け皿ユニット9が設けられ、この上受け皿ユニット9には、排出された遊技球を貯留する上受け皿10が形成されている。
【0015】
また、上受け皿ユニット9には、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12と、上受け皿10に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン13とが設けられている。
【0016】
また、上受け皿ユニット9には、遊技者が操作可能に構成された操作部14(
図4参照)が設けられている。操作部14は、演出ボタン14a、十字キー14b及び決定ボタン14cを含んで構成されている。演出ボタン14aは、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED49)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
十字キー14bは、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための操作子である。決定ボタン14cは、選択項目の決定を指示するための操作子である。
【0017】
前面操作パネル8の右端部側には、発射装置44(
図4参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
【0018】
前枠4の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ16(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ16は、遊技機1の周囲、例えば前枠4の周縁やサイドユニット7内に複数個設けられている。
【0019】
また内枠3の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ17が設けられている。
複数のスピーカ17により、演出に関する音などについて、いわゆるステレオ音響再生や、より多チャネルの音響再生を行うことができるようにされている。
【0020】
次に、
図3を参照して、遊技盤5の構成について説明する。
図3は、遊技盤5の正面図である。
図示の遊技盤5には、発射された遊技球を案内する球誘導レール18が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール18に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域19、四隅は非遊技領域となっている。
遊技領域19は、遊技盤5と透明ガラス6との間に形成される空間であって、遊技球が流下可能な領域である。
【0021】
この遊技領域19の略中央部には、例えば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(例えば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示及び停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)20が設けられている。
この液晶表示装置20は、後述する演出制御基板41の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
【0022】
また遊技領域19の中央には、液晶表示装置20の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り21が設けられている。センター飾り21は、遊技盤5の前面側に沿って設けられ、液晶表示装置20の表示面を遊技球の衝突から保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として機能する。
本実施形態では、センター飾り21は、遊技領域19のほぼ中央部に配置され、遊技領域19を左右それぞれの左遊技領域19a及び右遊技領域19bに分割している。発射装置44により所定の発射強度未満で発射された遊技球は、左遊技領域19aを流下し、所定の発射強度以上で発射された遊技球は、右遊技領域19bを流下することになる。
【0023】
遊技盤5の下部の非遊技領域は各種機能表示部となっており、ドット表示器による特別図柄表示装置22aと特別図柄表示装置22bとが設けられている。
なお、特別図柄表示装置22a、22bを含む各種機能表示部を
図5に拡大して示している。
【0024】
特別図柄表示装置22a、22bでは、ドット表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置20では、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0025】
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置22a、22bと同じくドット表示器からなる複合表示装置22cが配設されている。複合と称したのは、第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特
図1」と略称する)、第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特
図2」と略称する)、普通図柄の保留球数の表示、時短状態中及び高確率状態中の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
【0026】
また各種機能表示部には、同じくドット表示器からなる複合表示装置22dが設けられている。
この複合表示装置22dでは、4つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知するラウンド数表示が行われる。
また複合表示装置22dでは、普通図柄表示として、1個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また複合表示装置22dでは、3個のLEDにより右打ち表示が行われるようになっている。なお、右打ち表示は、右遊技領域19bに向けて遊技球の発射をした方が、左遊技領域19aに向けて遊技球を発射した場合により遊技者に有利であることを示している。
【0027】
遊技盤5の中央であって液晶表示装置20の下側には、第1始動口23が設けられている。第1始動口23の内部には、遊技球の通過を検出する第1始動口検出センサ23a(
図4参照)が設けられている。
また右遊技領域19bには、第2始動口24が設けられ、内部には、遊技球の通過を検出する第2始動口検出センサ24a(
図3参照)が設けられている。
【0028】
第1始動口23は、特別図柄表示装置22aにおける特別図柄1の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない固定始動口として構成されている。本実施形態では、遊技領域19内の遊技球落下方向変換部材(例えば遊技くぎ、風車、センター飾り21など)の作用により、第1始動口23へは、左遊技領域19aを転動してきた遊技球については入球容易な構成であるのに対し、右遊技領域19bを転動してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
【0029】
第2始動口24は、特別図柄表示装置22bにおける特別図柄2の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、普通電動役物25によって開閉制御がなされる可変始動口として構成されている。
普通電動役物25は、第2始動口24への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2始動口24への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。なお本実施形態では、第2始動口24は右遊技領域19bに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが入球可能であるが、左遊技領域19aを転動してきた遊技球が入球可能であってもよい。
【0030】
また第2始動口24の上方、つまり右遊技領域19bの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な普通図柄ゲート26が設けられている。この普通図柄ゲート26は、複合表示装置22dにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄ゲート検出センサ26a(
図4参照)が設けられている。なお本実施形態では、普通図柄ゲート26は右遊技領域19bにのみに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが進入可能である。しかし本発明はこれに限らず、左遊技領域19aのみに設けられていてもよいし、双方にそれぞれ設けられていてもよい。
【0031】
右遊技領域19bにおける第2始動口24よりも下方には、第1大入賞口27及び第2大入賞口28が設けられている。第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、右遊技領域19bを転動する遊技球のみが入球可能な位置に配される。ただし、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、左遊技領域19aを転動してきた遊技球のみが入球可能に配されてもよいし、左遊技領域19a及び右遊技領域19bを転動してきた遊技球が入球可能に配されてもよい。
第1大入賞口27は、第1特別電動役物29によって開閉制御がなされる。第1特別電動役物29は、第1大入賞口27への遊技球の入球を可能とする開状態と、第1大入賞口27への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。
第2大入賞口28は、第2特別電動役物30によって開閉制御がなされる。第2特別電動役物30は、第2大入賞口28への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2大入賞口28への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。
第1大入賞口27及び第2大入賞口28の内部には、遊技球の通過を検出する第1大入賞口検出センサ27a及び第2大入賞口検出センサ28a(
図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0032】
また遊技領域19における左右下方には、一般入賞口31が複数設けられており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口検出センサ31a(
図4参照)が設けられている。
また遊技盤の領域内には遊技球の転動を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
【0033】
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域19に設けられた各種入賞口に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した入賞口に設定された賞球数(例えば、第1始動口23は3個、第2始動口24は1個、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は15個、一般入賞口31は5個)が遊技球払出装置46(
図4参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口32を介して遊技領域19から排出される。
【0034】
<2.遊技機の制御構成>
図4は、遊技機1の制御構成を示すブロック図である。
図4のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板40と、主制御基板40から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御を統括的に司る演出制御基板41と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板42と、外部電源(図示せず)から遊技機1に必要な電源電圧を生成し供給する電源基板200(
図44参照)と、を有して構成される。
【0035】
[2.1 主制御基板]
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)40a(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)40b(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)40c(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
【0036】
また図示はしていないが、主制御基板40は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、及びCPU40aに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU40aをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
【0037】
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU40aは、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を大当り判定用乱数(0~65535)として取得し、大当り判定用乱数を大当り抽選(当否抽選)に利用する。なお、大当り判定用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
【0038】
主制御基板40には、第1始動口23への入球を検出する第1始動口検出センサ23aと、第2始動口24への入賞を検出する第2始動口検出センサ24aと、普通図柄ゲート26の通過を検出する普通図柄ゲート検出センサ26aと、第1大入賞口27への入賞を検出する第1大入賞口検出センサ27aと、第2大入賞口28への入賞を検出する第2大入賞口検出センサ28aと、一般入賞口31への入賞を検出する一般入賞口検出センサ31aと、遊技領域19から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視センサ32aが接続され、主制御基板40はこれらから出力される検出信号を受信可能とされている。主制御基板40は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
【0039】
また、主制御基板40には、第2始動口24を開閉する普通電動役物25を動作させる普通電動役物ソレノイド25aと、第1大入賞口27を開閉する第1特別電動役物29を動作させる第1特別電動役物ソレノイド29aと、第2大入賞口28を開閉する第2特別電動役物30を動作させる第2特別電動役物ソレノイド30aとが接続され、主制御基板40はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0040】
主制御基板40には、特別図柄表示装置22a及び特別図柄表示装置22bが接続され、主制御基板40は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御基板40には、複合表示装置22c及び複合表示装置22dが接続され、主制御基板40は、複合表示装置22c、複合表示装置22dに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0041】
主制御基板40には、設定キースイッチ33及びRAMクリアスイッチ34が接続されており、これらスイッチからの検出信号を受信可能とされている。設定キースイッチ33及びRAMクリアスイッチ34は、遊技機1内部の適所に設けられている。例えば、主制御基板40上に配置される。
【0042】
設定キースイッチ33は、電源投入時にホールスタッフが所持する設定鍵を挿入してON/OFF操作することにより設定変更モード(ON操作時)に切り替えるためのキースイッチとされる。
【0043】
RAMクリアスイッチ34は、RAM40cの所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
RAMクリアスイッチ34は、前枠4が開放された状態で操作可能に設けられたRAMクリアボタンの操作に応じてON/OFFされる。
【0044】
また主制御基板40は、設定・性能表示器35が接続されている。
設定・性能表示器35は、例えば7セグメント表示器を有して構成され、設定値及び後述する性能情報の表示が可能とされた表示手段として機能する。設定・性能表示器35は、例えば主制御基板40上の視認し易い位置に搭載されている。
主制御基板40は、設定・性能表示器35に対して設定値や性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
【0045】
主制御基板40には、払出制御基板42が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板42に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
【0046】
また、主制御基板40には、払出制御基板42を介して枠用外部集中端子基板43が接続され、外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御基板40からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
【0047】
払出制御基板42には、発射装置44を制御する発射制御基板45と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置46とが接続されている。この払出制御基板42の主な役割は、主制御基板40からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置46の賞球払い出し制御、主制御基板40への状態信号の送信などである。
【0048】
遊技球払出装置46には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ46aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ46bが設けられており、払出制御基板42は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置46には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ46cが設けられており、払出制御基板42は、払出モータ46cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0049】
払出制御基板42には、上受け皿10が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ47と、前枠2の開放状態を検出する前扉開放センサ48が接続されている。
【0050】
払出制御基板42は、満杯検出センサ47、前扉開放センサ48、補給切れ検出センサ46a、球計数センサ46bからの検出信号に基づいて、主制御基板40に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置46からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ46bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御基板40は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置46の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿10の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
【0051】
また、払出制御基板42は、発射制御基板45に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板45は、払出制御基板42からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置44に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板42から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。従って、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の発射強度は、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板42が上記球詰りエラーを検出すると、主制御基板40に球詰り信号を送信すると共に発射制御基板45に対する発射許可信号の出力を停止し(発射許可信号OFF)、上受け皿10の満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板42は、発射制御基板45に対する発射の許可信号の出力を、主制御基板40より発射許可が指示されたことを条件に行う。
【0052】
(性能表示について)
主制御基板40は、設定・性能表示器35に対し所定の性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。従って、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
【0053】
このため設定・性能表示器35は、遊技機1内部、例えば、主制御基板40、払出制御基板42、発射制御基板45、中継基板、演出制御基板41上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、前枠2が開放状態とされたときに表示情報を視認可能となる位置に設けられている。
【0054】
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいて遊技領域19から排出された総アウト球数(特定中アウト球数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(第1始動口23、第2始動口24、一般入賞口31、第1大入賞口27、第2大入賞口28)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、複数の遊技状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、大当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、第1大入賞口27及び第2大入賞口28を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
【0055】
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
【0056】
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト球数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト球数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト球数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
従って、通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報の各データが、RAM40cの該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト球数」と称する)である。この全状態アウト球数もリアルタイムに計測され、RAM40cの該当領域(全状態アウト球数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト球数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
【0057】
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM40cの所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト球数及び全状態アウト球数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報及び全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、設定・性能表示器35には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
【0058】
ここで、設定・性能表示器35には設定値と性能情報とが択一的に表示される。具体的に、設定変更や設定確認は電源投入に伴う起動時にのみ行われるため、電源投入に伴う起動後、設定変更モードや設定確認を行うモードに移行したことに応じて設定・性能表示器35に設定値が表示され、設定変更や設定確認が完了した後において、性能情報の表示が行われる。
なお、設定値と性能情報を共通の表示器により表示する構成に限定されず、別々の表示器により表示する構成を採ることもできる。その場合、設定値と性能情報の表示が並行して行われてもよい。
【0059】
(演出制御コマンド)
主制御基板40は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御基板41に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御基板40は演出制御基板41に対して信号を送信するのみで、演出制御基板41からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
【0060】
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU40a(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板41にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU41a(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU40aによりアクティブ状態に制御される。
【0061】
ここで、主制御基板40は、遊技機の試射試験において用いられる信号としての試射試験信号を生成する機能(図中「試射試験信号生成機能40F」と表記)を有している。特に、本実施形態における主制御基板40は、試射試験信号として、「特別電動役物作動信号」「ソレノイド開放信号_1」「普通電動役物作動信号」及び「ソレノイド開放信号_2」を生成する機能を有する。
「特別電動役物作動信号」は、大当り遊技中のラウンド期間内における特別電動役物(第1特別電動役物29や第2特別電動役物30)の動作により大入賞口(第1大入賞口27や第2大入賞口28)に入賞が生じ得る期間である「入賞可能期間」を示す信号である。
また、「ソレノイド開放信号_1」は、大当り遊技中のラウンド期間内における特別電動役物ソレノイド(第1特別電動役物ソレノイド29aや第2特別電動役物ソレノイド30a)の制御として、大入賞口(第1大入賞口27や第2大入賞口28)を閉鎖状態から開放状態に遷移させる制御の実行開始タイミングから大入賞口を開放状態から閉鎖状態に遷移させる制御の実行開始タイミングまでの期間(以下「入賞口開放期間」と表記する)を示す信号である。
「普通電動役物作動信号」は、普通電動役物(普通電動役物25)の作動によるサポートが受けられる遊技期間である普電開放遊技期間(いわゆる電サポ遊技期間)を示す信号である。
「ソレノイド開放信号_2」は、普電開放遊技期間内における普通電動役物ソレノイド(普通電動役物ソレノイド25a)の制御として、始動口(第2始動口24)を閉鎖状態から開放状態に遷移させる制御の実行開始タイミングから始動口を開放状態から閉鎖状態に遷移させる制御の実行開始タイミングまでの期間するように制御を行っている期間(大入賞口の場合と同様に「入賞口開放期間」とする)を示す信号である。
なお、これら「特別電動役物作動信号」「ソレノイド開放信号_1」「普通電動役物作動信号」及び「ソレノイド開放信号_2」としての試射試験信号の生成手法については後に改めて説明する。
【0062】
[2.2 演出制御基板]
演出制御基板41は、CPU41aを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御処理に要する演出データを格納したROM41bと、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM41cとを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、RTC(Real Time Clock)機能部、カウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
【0063】
CPU41aは演出制御プログラム及び主制御基板40から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、本実施形態の遊技機1の場合、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M、副液晶表示装置20S)、光表示装置16a、音響発生装置17a、及び図示を省略した可動体役物となる。
【0064】
ROM41bは、CPU41aによる演出動作の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。
RAM41cは、CPU41aが各種演算処理に使用するワークエリアや、テーブルデータ領域、各種入出力データや処理データのバッファ領域等として用いられる。
なお、演出制御基板41は、例えば1チップマイクロコンピュータとその周辺回路が搭載された構成とされるが、演出制御基板41の構成は各種考えられる。例えばマイクロコンピュータに加えて、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、ウォッチドッグタイマ(WDT)回路、CPU41aに割込み信号を与える割込コントローラ回路などを備える場合もある。
【0065】
この演出制御基板41の主な役割は、主制御基板40からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置20の表示制御(表示データ供給)、音響発生装置17aの音声出力制御、光表示装置16a(LED)の発光制御、可動体役物の動作制御(可動体役物モータ50の駆動制御)などとなる。
【0066】
この演出制御基板41は、液晶表示装置20に対する制御装置としての機能も備えているため、演出制御基板41には、いわゆるVDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)としての機能も備えられ、またCPU41aは、液晶制御部としても機能する。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う機能を指している。
画像ROMとは、VDPが画像展開処理を行う画像データが格納されているメモリを指す。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
【0067】
演出制御基板41は、これらの構成により、主制御基板40からの演出制御コマンドに基づいて各種の画像データを生成し、主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sに出力する。これによって主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sにおいて各種の演出画像が表示される。
ここで、
図3において示される「液晶表示装置20」は「主液晶表示装置20M」である。副液晶表示装置20Sについては
図3における図示が省略されている。
【0068】
また演出制御基板41は、複数のスピーカ17を含む音響発生装置17aに対する音響制御部を有しており、音響制御部が出力する音響信号はアンプ部17bで増幅されてスピーカ17に供給される。
また、演出制御基板41には、装飾ランプ16や各種LEDを含む光表示装置16aに対する光表示制御部として機能するランプドライバ部16bと、可動体(図示せず)を動作させる可動体役物モータ50に対する駆動制御部として機能するモータドライバ部50a(モータ駆動回路)とが接続されている。演出制御基板41は、これらランプドライバ部16bやモータドライバ部50aに指示を行って光表示装置16aによる光表示動作や可動体役物モータ50の動作を制御する。
【0069】
また、演出制御基板41には、可動体役物の動作を監視するための原点スイッチ51や位置検出センサ52が接続されている。
原点スイッチ51は、例えばフォトインターラプタ等で構成され、可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを検出する。原点位置は、例えば可動体が
図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。演出制御基板41は、この原点スイッチ51の検出情報に基づいて可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを判定可能とされている。
また、演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。さらに演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
【0070】
また演出制御基板41には、操作部14として示す演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cの操作検出スイッチが接続され、演出制御基板41は、演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cからの操作検出信号をそれぞれ受信可能とされている。
【0071】
さらに、演出制御基板41には、
図1に示した発射操作ハンドル15が遊技者に触れられているか否かを検出するためのハンドルセンサ53(タッチセンサ)が設けられている。演出制御基板41はこのハンドルセンサ53の検出情報に基づいて発射操作ハンドル15が使用者によりタッチされているか否かを判定可能とされる。
【0072】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置20による演出画像の表示、スピーカ17からの音の再生、装飾ランプ16やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
【0073】
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)が送信する上述したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU41aは、上述したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU41aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
【0074】
<3.動作の概要説明>
次に、上記のような制御構成(
図4)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
【0075】
[3.1 遊技状態]
本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である大当り遊技の他、複数種類の遊技状態を設定可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
【0076】
本実施形態の遊技機1は、低確率状態又は高確率状態のどちらかと、非時短状態又は時短状態のどちらかとが組み合わされたいずれかの遊技状態で遊技が進行する。
【0077】
低確率状態は、後述する大当り抽選の当選確率が相対的に低い状態であり、高確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に高い状態である。なお、設定値が複数設けられている場合、低確率状態及び高確率状態における大当り抽選の当選確率が設定値に応じて異なる。
非時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しにくい状態であり、時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しやすい状態である。本実施形態では、時短状態の方が非時短状態よりも、後述する普図当り抽選に当選したときの第2始動口24の開放時間が長く設定されている。しかしながら、時短状態の方が非時短状態よりも第2始動口24に遊技球が入球しやすいのであれば、時短状態の方が非時短状態よりも、例えば、普図当り抽選の当選確率を高くしたり、普通図柄の変動時間を短くしたりしてもよい。
【0078】
本実施形態において、「通常状態」とは、低確率状態及び非時短状態を言い、初期状態に相当する。
【0079】
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
(特図保留について)
遊技機1では、第1始動口23又は第2始動口24へ遊技球が入球した場合、すなわち、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aからの検出信号の入力があった場合、後述する特別図柄変動表示ゲームに係る乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)が取得され、これらの乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの特図保留記憶エリアに記憶されるようになっている。
この特図保留記憶エリアは、特
図1側と特
図2側とに対応した特図保留記憶エリア、すなわち、特
図1保留記憶エリアと、特
図2保留記憶エリアとが設けられている。
【0080】
これら特図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、特
図1保留記憶エリア及び特
図2保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
この特図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「保留球」とも称する。この保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける特
図1及び特
図2の保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0081】
(特別図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「大当り抽選」が行われる。主制御基板40は、大当り抽選の抽選結果に基づき、特別図柄表示装置22a、22bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定の変動時間の経過後に、その結果を特別図柄表示装置22a、22bに表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。なお、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略称する)。
【0082】
ここで本実施形態では、第1始動口23への入賞に基づく特
図1の大当り抽選と、第2始動口24への入賞に基づく特
図2の大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、特
図1の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22aで、特
図2の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22bで表示されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置22aにおいては、第1始動口23に遊技球が入球したことを条件に、特
図1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置22bにおいては、第2始動口24に遊技球が入球したことを条件に、特
図2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動時間の経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が報知されるようになっている。
【0083】
なお、説明の便宜上、特別図柄表示装置22a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置22b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
【0084】
大当り抽選結果が「大当り」となった場合、すなわち、特別図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bに「大当り」態様で特別図柄が停止表示された場合、その後に、特別図柄変動表示ゲーム中よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。
大当り遊技は、詳しくは後述するように、大当り遊技が開始する旨を報知するための開放前インターバル時間(オープニング時間)が経過した後、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が開放されてから所定時間(最大開放時間:例えば、29.8)経過するか、第1大入賞口27又は第2大入賞口28に入球した遊技球数が所定個数(最大入賞数)に達すると、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が閉鎖されるといった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(例えば、最大10ラウンド)繰り返される。そして、規定ラウンド数終了後に、大当り遊技が終了する旨を報知するための開放後インターバル時間(エンディング時間)が経過すると、大当り遊技が終了するようになっている。なお、数字の後の「s」は「秒」である。
【0085】
(装飾図柄変動表示ゲーム)
また、上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、主液晶表示装置20Mに装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置22a、22bには大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして主液晶表示装置20Mには当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
【0086】
従って、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置22a、22bにおいて、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、主液晶表示装置20Mには、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(例えば「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
【0087】
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御基板40が、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球したことに基づき、具体的には、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する大当り抽選と、最終的に停止表示される特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)を抽選する図柄抽選とを行い、その抽選結果に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。
図柄抽選では、大当り抽選結果が「大当り」であったならば複数の大当り種別のいずれかを、「はずれ」であったならば複数のはずれ種別のいずれかを抽選により決定する。ただし、大当り種別及びはずれ種別は1つのみであってもよく、その場合、抽選を行うことなく決定してもよい。
そして、主制御基板40は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターンの情報(変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等))を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御基板41側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御基板41に送られる。
【0088】
特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
【0089】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、主液晶表示装置20Mによる装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御基板41は、演出シナリオに対応するように、主液晶表示装置20M又は光表示装置16a或いは音響発生装置17aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、主液晶表示装置20Mでの画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ16やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
【0090】
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
【0091】
(普図保留について)
遊技機1では、普通図柄ゲート26へ遊技球が通過した場合、すなわち、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号の入力があった場合、普通図柄変動表示ゲームに係る乱数(普図当り判定用乱数)が取得され、この乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの普図保留記憶エリアに保留記憶されるようになっている。
普図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、普図保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。
この普図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「普図保留球」とも称する。この普図保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける普図保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0092】
(普通図柄変動表示ゲーム)
遊技機1においては、普通図柄ゲート26に遊技球が通過したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「普図当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を複合表示装置22dに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間の経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普図当り抽選の結果が「普図当り」であった場合、普図当り種別に応じて、複合表示装置22dの特定のLEDを特定の点灯状態(例えば、2個のLEDが全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。なお、本実施形態では、普図当り種別は1種類のみ設けられている。
【0093】
この「普図当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド25a(
図4参照)が作動し、第2始動口24が開放又は拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、第2始動口24が閉鎖しているときよりも遊技者に有利な遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通電動役物25により第2始動口24の開放時間が所定時間(例えば5.7s)経過するまでか、又は第2始動口24に入賞した遊技球数が所定個数(例えば10個)に達するまで、その入賞領域が開放又は拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に第2始動口24を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大1回)繰り返されるようになっている。
【0094】
[3.3 大当りについて]
続いて、遊技機1における「大当り」について説明する。
遊技機1では、大当り種別として「4R1」「10R」「4R2」が設けられており、大当り抽選の結果が「大当り」であった場合に、図柄抽選において大当り種別の抽選が行われる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
【0095】
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
【0096】
大当り遊技が実行された場合、大当り当選時の遊技状態、決定された大当り種別に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態、確変回数、時短回数が決定される。
確変回数は、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の高確率状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が確変回数(例えば154回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく確変回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が低確率状態に設定(移行)される。
時短回数は、大当り遊技後の遊技状態が時短状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の時短状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が時短回数(例えば150回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく時短回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が非時短状態に設定(移行)される。
但し、遊技機1は、確変回数及び時短回数が大当り抽選において大当りに当選するまで(次回まで)継続するタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、時短回数は、特別図柄変動表示ゲーム1及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特
図1及び特
図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
【0097】
ここで、本実施形態では、大当り種別と同様に「はずれ」についても複数のはずれ種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
上記のように、大当り抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
【0098】
[3.4 演出について]
(演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、設定されている遊技状態に対応した演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
【0099】
演出制御基板41(CPU41a)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御基板40側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御基板40側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
【0100】
(予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御基板41は、主制御基板40からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御基板41は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
【0101】
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1~4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
【0102】
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回又は複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
【0103】
「先読み予告演出」(以下では「先読み予告」や「先読み演出」と略称する場合もある)とは、先読み判定の結果に基づいて、判定対象の図柄の変動表示が行われるよりも前に、有利状態に制御される可能性を報知する演出を意味する。なお、「有利状態」は、遊技者にとって有利な状態を意味する。
具体的に、先読み演出は、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない保留球(未消化の保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様で行われる。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマ予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
【0104】
ここで、
図5を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、主液晶表示装置20Mの画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の保留球数を表示する保留表示領域60(保留表示部a1~d1)と特別図柄2側の保留球数を表示する保留表示領域61(保留表示部a2~d2)とが設けられている。保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。
図5では、保留球の有無を点灯状態(保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の保留球数に関する情報が報知される例を示している。
【0105】
保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域60、61において、一番左側の保留球が、当該保留表示内の全保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)保留球として表示される。また、保留表示領域60、61の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている保留球を示すための変動中表示領域62が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域62は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域60、61に表示されていた最も古い保留a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域62おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
【0106】
保留球が発生した場合、主制御基板40から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の保留球数(今回発生した保留球を含め、現存する保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御基板41に送信される(
図12参照)。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側のデータとから構成される。
【0107】
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球して新たに保留球が生じたことに基づいて、その保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が先読み判定として行われる。後述するように、主制御基板40は、このような先読み判定として行った大当り抽選の結果を表す情報を、RAM40cの該当記憶領域に保留記憶する。
先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報は、図柄変動表示ゲームにおける図柄変動パターンを選択(抽選)するために用いられるものであり、いわば「変動パターン選択用情報」と換言することができる。従って、主制御基板40は、先読み判定を行って、その結果得られる「変動パターン選択用情報」をRAM40cの所定領域に保留記憶していると言うことができる。
【0108】
演出制御基板41は、主制御基板40が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
【0109】
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御基板40において、保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の大当り抽選結果を先読み判定した情報(先読み当否情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御基板41に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
なお、保留加算コマンドには先読み当否情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
【0110】
なお、保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
【0111】
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図5では、ハッチングされた保留表示部b1の保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に、当選期待度が高いことを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
【0112】
(演出手段)
遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ16やLED装置などの光発生手段(光表示装置16a:光演出手段)、スピーカ17などの音響発生装置(音響発生装置17a:音演出手段)、主液晶表示装置20Mや副液晶表示装置20Sなどの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
【0113】
<4.主制御基板の処理>
続いて、本実施形態の主制御基板40が行う処理について説明する。主制御基板40の処理は、主に、メイン処理(主制御側メイン処理:
図6)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:
図8)とを含んで構成される。
【0114】
[4.1 主制御側メイン処理]
図6は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
主制御側メイン処理が開始されるのは、停電状態や電源異常等からの復旧時に電源基板200(
図44参照)からのシステムリセット信号によるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことによりウォッチドッグタイマ(WDT)が発揮されてCPU40aが強制的にリセット(WDTリセット)される場合等がある。何れの場合でも、主制御側メイン処理が開始されると、ステップS101でCPU40aは、CPU40aを含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する。
【0115】
ステップS102でCPU40aは、入力ポートn(すなわち所定の入力ポート)の情報を取得し、Wレジスタにコピーする。
ここで、入力ポートnは1バイト(8ビット)のポートとされ、次の各信号が入力される。なお、以下に示す「b0」~「b7」はビット位置を表す。
b0:設定キー(設定キースイッチ33からの入力信号)
b1:補給切れ検出信号
b2:計数エラー信号
b3:断線検出信号1
b4:断線検出信号2
b5:扉開放信号(前扉開放センサ48の検出信号)
b6:RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ34からの入力信号)
b7:電源投入時信号及び払出通信確認信号
ここで、b0の設定キーについては、「0」が設定キースイッチ33=OFF、「1」が設定キースイッチ33=ONを意味する。また、b5の扉開放信号については、「0」が扉閉鎖(前枠2が閉鎖)、「1」が扉開放を意味する。さらに、b6のRAMクリアボタンについては、「0」がRAMクリアスイッチ34=OFF(ボタン非操作状態)、「1」がRAMクリアスイッチ34=ON(ボタン操作状態)を意味する。
【0116】
ステップS103でCPU40aは、Wレジスタの値をマスクする。具体的には、以下で説明する設定変更処理(S105)、RAMクリア処理(S106)、設定確認処理(S114)、バックアップ復帰処理(S116)の移行判定を行うにあたって必要とされる値である設定キー(b0)、RAMクリアボタン(b6)、扉開放信号(b5)以外の値をマスクする処理を行う。
ここで、設定確認処理への移行条件は、前枠2が開放された状態において、設定キーが操作状態、RAMクリアボタンが非操作状態とされることとされている。
また、バックアップ復帰処理への移行条件は、起動時において設定キー、RAMクリアボタンの双方が非操作状態とされることとされている。
また、設定変更処理への移行条件としては、起動時において、前枠2が開放された状態で設定キーとRAMクリアボタンの双方が操作状態とされることとされている。
また、RAMクリア処理への移行条件は、起動時において設定キーが非操作状態、RAMクリアボタンが操作状態とされることとされている。
【0117】
ステップS104でCPU40aは、設定変更条件成立判定処理を実行する。具体的には、設定変更モードに移行すべきか否かを判定するべく、ステップS103のマスク後の値(3ビット)が「111」であるか否かを判定する。
マスク後の値が「111」であり、設定変更条件が成立していると判定した場合、ステップS105でCPU40aは、RAMクリアボタンや設定キーの操作に応じて設定値を新たに設定する設定変更処理を実行する。
【0118】
続いて、ステップS106でCPU40aは、RAMクリア処理を実行する。このRAMクリア処理は、RAM40cにおけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化する処理や、ステップS105で実行した設定変更処理の終了を演出制御基板41側に通知するための設定変更終了コマンドの送信処理を含む。
【0119】
ステップS104において、ステップS103によるマスク後の値が「111」ではなく、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップS107でCPU40aはRAM異常か否かを判定する。具体的には、RAM40cのワーク領域に格納されている「設定値」が使用範囲外の値であるか否かを少なくとも判定する。
【0120】
ステップS107においてRAM異常ではないと判定した場合、ステップS108でCPU40aはバックアップフラグがON状態か否か(バックアップフラグ=5AHがON状態)を判定する。
遊技機1において、電源遮断時には、主制御側タイマ割込み処理における後述する電源チェック・バックアップ処理(ステップS201、
図8参照)により、RAM40cの記憶情報についてバックアップのための処理が行われる。電源遮断時に適正にバックアップ処理が行われた場合には、バックアップフラグがON状態とされる。このため上記のステップS108ではバックアップフラグを確認して、バックアップ復帰可能であるか否かの判定を行う。
【0121】
ステップS107において、設定値が使用範囲外(つまり正常な範囲外)の値であり、RAM異常であると判定した場合、及び、ステップS108でバックアップフラグがONでないと判定した場合、ステップS109でCPU40aは、電源再投入時のコマンド送信処理として、遊技機1の電源再投入かつ設定変更を促すための報知が行われるように指示するための演出制御コマンド(設定変更待ちコマンド)を演出制御基板41に送信する処理を行う。起動時においてRAM異常が検知された場合、又は、バックアップフラグがOFF状態である場合には、強制的に設定変更モードに移行させて設定値の変更(設定)を受け付ける。このためCPU40aは、先ずステップS109で、設定変更待ちコマンドにより設定変更モードに移行する旨を演出制御基板41側に通知する。
設定変更待ちコマンドを受け演出制御基板41は、例えば「扉を開けて設定を変更して下さい」等の文字を含む画面等、設定変更操作を促すための画面表示を液晶表示装置20に実行させる。このとき、演出制御基板41は、画面表示と共に対応する光演出(例えば光表示装置16aにおける全LED点灯)や音演出を現出させる制御を行ってもよい。
【0122】
ステップS110でCPU40aは、バックアップフラグを00H(つまりOFF)とした上で、ステップS111でエラー表示処理を繰り返す。このステップS111のエラー表示処理では、設定・性能表示器35にエラー表示を実行させるための処理が行われる。このエラー表示処理は遊技機1の電源が遮断されるまで繰り返され、電源が再投入されると主制御側メイン処理としてステップS101以降の処理が再び実行される。このとき、上記の画面表示等に応じて設定変更モードへの移行操作が行われていれば、設定変更モードへの移行が行われる。
【0123】
一方、ステップS108でバックアップフラグがONであると判定した場合、ステップS112でCPU40aは、RAMクリア条件(RAMクリア処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。具体的には、Wレジスタの6ビット目の値が「1」であるか否かを判定する。
Wレジスタの6ビット目の値が「1」であり、RAMクリア条件が成立していると判定した場合、CPU40aはステップS106に処理を進める。これにより、上述したRAMクリア処理が実行される。
【0124】
ここで、上記したステップS112→S106に至るルートを参照して分かるように、本実施形態の遊技機1では、設定変更をせずにRAMクリアを行うことが可能とされている。これにより、RAM40cにおける払出関係のデータ等、設定値に係るデータ以外をクリアしたい場合に対応可能とされている。
【0125】
ステップS112において、Wレジスタの6ビット目の値が「1」でなく、RAMクリア条件が成立していないと判定した場合、CPU40aはステップS113に進んで設定確認条件(設定確認処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。すなわち、ステップS103によるマスク後のWレジスタの値が「110」であるか否かを判定する。
マスク後のWレジスタの値が「110」であり設定確認条件が成立していると判定した場合、ステップS114でCPU40aは、設定値を確認させる設定確認処理を実行し、ステップS115に処理を進める。すなわち、バックアップ復帰のための処理に移行する。
【0126】
一方、マスク後のWレジスタの値が「110」ではなく設定確認条件が成立していないと判定した場合、CPU40aはステップS114の設定確認処理をパスして、ステップS115に進む。
【0127】
ステップS115でCPU40aは、バックアップ復帰時のコマンド送信処理として、バックアップ復帰時に対応した所定の演出制御コマンドを演出制御基板41に送信する処理を行う。
【0128】
ステップS116でCPU40aは、バックアップ復帰処理を行う。バックアップ復帰処理は、電源遮断時にバックアップされたRAM40cの記憶内容に基づいて、電源投入後に電源遮断前の動作に復帰させる処理となる。具体的に、CPU40aは、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するための処理を行う。
また、バックアップ復帰処理では、バックアップ復帰した場合に対応した情報表示指示を行うための停電復帰表示コマンド(OB03H)が後述するステップS119のメインループ前処理において演出制御基板41に送信されるようにするべく、停電復帰表示コマンドの下位バイトデータをレジスタに記憶する処理を実行する。
【0129】
ステップS116のバックアップ復帰処理を実行した場合、又はステップS106のRAMクリア処理を実行した場合、CPU40aはステップS117に処理を進める。
【0130】
ステップS117でCPU40aは、例えば4ms等の所定時間毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定を行う。
このステップS117の設定処理が行われることで、以降、割込みコントローラへの割込み要求信号が定期的に出力され、主制御側タイマ割込み処理が実行される。
【0131】
ステップS118でCPU40aは、遊技開始を指示するための演出制御コマンドを演出制御基板41に送信する処理を行い、次いで、ステップS119に処理を進めてメインループ前処理を実行する。
メインループ前処理では、役物としての可動体を動作させる可動体役物モータ50のイニシャライズ(原点復帰)指示を行うためのコマンド、特
図1、特
図2の保留球数を示すコマンド、現在の設定値を示すコマンドの送信処理、内部機能レジスタの設定処理、性能表示モニタ点灯用タイマを5sにセットする処理、払出制御基板42に対する発射許可信号をONとする処理などが実行される。
そして、ステップS120でCPU40aは、メインループ処理を実行する。
【0132】
(メインループ処理)
図7は、ステップS120のメインループ処理を示したフローチャートである。
図7のメインループ処理において、CPU40aは、ステップS121で割込み禁止状態に設定し、続くステップS122で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(特別図柄判定用乱数)や、普図当り抽選に係る乱数(普図当り判定用乱数)の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、普図当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
【0133】
本実施形態のRAM40cには、大当り抽選に係る図柄抽選、普図当り抽選及び変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、普図当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、普図当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等が設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS122の乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや普図当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等を更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。例えば、仮に、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が「0~9999」とすると、RAM40cの変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に「1」を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に「1」を加算した結果が「10000」であれば「0」を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。
【0134】
ステップS122の乱数更新処理を終えると、CPU40aはステップS123で全レジスタの値を退避する処理を行った上で、ステップS124で性能表示モニタ集計除算処理を行う。
この性能表示モニタ集計除算処理は、上記した性能情報としての値(ここでは、例えば「通常時比率情報」としての値とする)を演算する処理である。通常時比率情報の値は、総払出個数と総アウト球数とを用いて算出されるものであるが、CPU40aは、総払出個数については、入賞口(第1始動口23、第2始動口24、一般入賞口31、第1大入賞口27、第2大入賞口28)に入賞した遊技球の数をカウントした結果に基づき算出し、総アウト球数については、遊技領域19から排出された遊技球の数をカウントすることで求める。
入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントは、主制御側タイマ割込み処理における後述する入力管理処理(
図8のステップS204を参照)で行われる。CPU40aは、このようにタイマ割込み処理側で行う入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントのそれぞれによるカウント値に基づき、ステップS124において通常時比率情報としての値を演算する。上記のように、演算した通常時比率情報としての値は、RAM40cの所定領域(計測情報格納領域)に格納される。
なお、このように算出された通常時比率情報の値は、主制御側タイマ割込み処理における後述する性能表示モニタ表示処理(
図8のステップS213を参照)によって設定・性能表示器35に表示される。
【0135】
ステップS125でCPU40aは、全レジスタ復帰処理を行い、さらに続くステップS126で割込み許可状態に設定した上で、ステップS121に戻る。
【0136】
このようにステップS120のメインループ処理では、ステップS121~S126の処理が無限ループ状に繰り返される。CPU40aは、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS121~S126の処理を繰り返し実行することになる。
【0137】
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
図8のフローチャートを参照して、主制御側タイマ割込処理について説明する。
主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
【0138】
図8に示すように、CPU40aは、タイマ割込みが生じると、ステップS201の電源チェック・バックアップ処理を実行する。この電源チェック・バックアップ処理では、主に、電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAM40cに格納するバックアップ処理等が行われる。
【0139】
ステップS201の電源チェック・バックアップ処理を終えると、CPU40aはステップS202で入力データ作成処理を実行する。具体的には、各種センサやスイッチから出力される入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき、入力データ作成する。
ここでの入力情報とは、例えば第1始動口検出センサ23a、第2始動口検出センサ24a、普通図柄ゲート検出センサ26a、第1大入賞口検出センサ27a、第2大入賞口検出センサ28a、一般入賞口検出センサ31a、OUT監視センサ32aなどの検出センサから出力される検出信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、設定キースイッチ33、RAMクリアスイッチ34等の設定値の設定操作に係るスイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(操作情報)や、払出制御基板42からの状態信号(前扉開放センサ48や満杯検出センサ47のON/OFF情報)、電波センサ、磁気センサ等である。これにより、アウト口や各入賞口において遊技球が検出されたか否かが割込みごとに監視される。
【0140】
ステップS202の入力データ作成処理を終えると、CPU40aはステップS203で、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。特に本実施形態において、ステップS203のタイマ管理処理で値が更新されるタイマとしては、後述する「特別電動役物動作タイマ」や「普通電動役物動作タイマ」を挙げることができる。
【0141】
次いで、CPU40aはステップS204で、入力管理処理を行う。この入力管理処理では、入力データ作成処理(S202)で作成された入力データに基づき、入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値などを更新する。「入賞カウンタ」とは、入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。またOUT球監視カウンタは、遊技領域19から排出される遊技球(アウト球)を計数するカウンタである。
【0142】
ステップS205でCPU40aは、設定値の異常が認められた場合、設定値エラーフラグをセット(ON状態)とし、設定値に異常が生じた旨を表すための設定値異常コマンドを演出制御基板41に送信する設定異常チェック処理を実行する。
【0143】
ステップS206でCPU40aは、エラー管理処理を実行する。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板42からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、CPU40aはエラー処理として、エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には当該するコマンドを演出制御基板41に送信する。演出制御基板41がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、CPU40aは発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御基板41に送信する。演出制御基板41がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
【0144】
次いで、CPU40aはステップS207で、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や普図当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお大当り判定用乱数は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
【0145】
ステップS208でCPU40aは、賞球管理処理を実行する。この賞球管理処理では、上記の入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板42に送信する。払出制御基板42は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき遊技球払出装置46を制御し、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
【0146】
次いで、ステップS300でCPU40aは、普通図柄管理処理を実行する。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS300の普通図柄管理処理の詳細については後述する。
【0147】
さらに、ステップS400でCPU40aは、普通電動役物管理処理を実行する。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技を実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS400の普通電動役物管理処理の詳細については後述する。
【0148】
次いで、ステップS500でCPU40aは、特別図柄管理処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)の決定等、特別図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS500の特別図柄管理処理の詳細については後述する。
【0149】
次いで、ステップS600でCPU40aは、特別電動役物管理処理を実行する。この特別電動役物管理処理では、大当り遊技を実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS600の特別電動役物管理処理の詳細については後述する。
【0150】
上記ステップS600までの遊技進行のための処理を終えると、CPU40aはステップS209で、外部端子管理処理を行う。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板43を通して、遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。動作状態情報には、例えば、大当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数・賞球数情報、エラー情報などの遊技情報がある。
【0151】
次いで、ステップS210でCPU40aは、LED管理処理を実行する。このLED管理処理では、特別図柄表示装置22a、22b、複合表示装置22c、22dなどのLED表示器に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力処理を行う。普通図柄管理処理(ステップS300)、特別図柄管理処理(ステップS400)などで作成された表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で対応する表示装置又は表示器に出力され、表示制御が行われる。これにより、特別図柄表示装置22a、22bにおける特別図柄や複合表示装置22dにおける普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示及び停止表示)等が実現される。
【0152】
ステップS210に続くステップS211でCPU40aは、ソレノイド管理処理を実行する。ここでは、前述した普通電動役物25を動作させる普通電動役物ソレノイド25a、第1大入賞口27を開閉する第1特別電動役物29を動作させる第1特別電動役物ソレノイド29a、第2大入賞口28を開閉する第2特別電動役物30を動作させる第2特別電動役物ソレノイド30a等、遊技機1が備える所定のソレノイドに対する制御信号(制御データ)を出力する処理を行う。後述するように第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御データは、主制御側タイマ割込み処理のステップS600における「大入賞口開閉動作設定」(例えば
図27のS625参照)により一定時間ごと(本例では4msごと)にソレノイドのON/OFFを示すデータとして生成される。また、普通電動役物ソレノイド25aの制御データは同じく主制御側タイマ割込み処理のステップS400における「普通電動役物開閉動作設定」(例えば
図12のS407参照)により一定時間ごと(本例では4msごと)にソレノイドのON/OFFを示すデータとして生成される。
ステップS211においてCPU40aは、このように生成された制御データを第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a、普通電動役物ソレノイド25aにそれぞれ出力する処理を行う。
【0153】
ステップS211に続くステップS212でCPU40aは、全レジスタの値を退避させた上で、ステップS213の性能表示モニタ表示処理を行う。すなわち、設定・性能表示器35に上記した通常時比率情報としての値を表示させるための処理である。
そして、通常時比率情報の値は全状態アウト球数が所定規定値に達するごとに演算し直されるものであり、設定・性能表示器35は、現在の通常時比率情報と前回の通常時比率情報(直近の演算し直しタイミングにおいて演算終了とされた通常時比率情報)とを表示可能とされている。このため、この場合のステップS213の表示処理では、設定・性能表示器35にこれら二種の通常時比率情報としての値を表示させる処理を行う。
なお、現在の通常時比率情報の値は、上記したメインループ処理(
図7)におけるステップS124の処理で算出される値であり、前回の通常時比率情報の値は、RAM40cの所定領域に保存され、CPU40aは保存値を読み出して設定・性能表示器35に表示させる。
【0154】
ステップS213に続くステップS214でCPU40aは、試射試験信号出力処理を実行する。前述のように本実施形態では、試射試験信号として、「特別電動役物作動信号」「ソレノイド開放信号_1」「普通電動役物作動信号」及び「ソレノイド開放信号_2」が少なくとも生成されるが、ステップS214でCPU40aは、これらの試射試験信号を外部に出力するための処理を実行する。
【0155】
ステップS214に続くステップS215でCPU40aは、全レジスタの値を復帰させ、ステップS216でWDTのカウント値をクリアし、主制御側タイマ割込み処理を終了する。
【0156】
以上のタイマ割込み処理が終了すると、CPU40aは次のタイマ割込みが発生するまでの間、メインループ処理(S120)を実行する。
【0157】
(普通図柄管理処理)
図9は、普通図柄管理処理を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップS301でCPU40aは、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号に基づき、普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出したか否かを判定する。
【0158】
普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出したと判定した場合、ステップS302でCPU40aは、普図保留球数が4以上であるか否か判定する。すなわち、普図保留球数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出しなかった場合(ステップS301:N)、及び、普図保留球数が4個であると判定した場合は、ステップS302~ステップS304をパスしてステップS305に進む。
【0159】
一方、普図保留球数が4以上でないと判定した場合(4未満の場合)、CPU40aは、ステップS303で普図保留球数に1を加算し、ステップS304で今回発生した普図保留球に係る普図当り判定用乱数をRAM40cの普図保留記憶エリアに格納する。
【0160】
ステップS305でCPU40aは、普図当りフラグの状態を判定する。この「普図当りフラグ」とは、普電開放遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には普電開放遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には普電開放遊技中ではない旨を示す。
【0161】
普図当りフラグがOFF状態(≠5AH)の場合、すなわち普電開放遊技中でない場合、ステップS306でCPU40aは、普通図柄動作ステータス(00H~02H)に応じて普通図柄の変動表示動作に関する処理を分岐させる普通図柄動作ステータス判定処理を実行する。
【0162】
ステップS306の普通図柄動作ステータス判定処理では、普通図柄動作ステータスが「変動開始時(00H)」「変動中(01H)」「確認時間中(02H)」の何れかであるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。なお「普通図柄動作ステータス」とは、普通図柄の挙動を示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RAM40cの普通図柄動作ステータス格納領域に格納される。
【0163】
具体的に、CPU40aは、普通図柄動作ステータスが「変動開始時(00H)」である場合、ステップS307で普図保留球数がゼロか否かを判定し、普図保留球数がゼロであると判定した場合には、ステップS308~ステップS313の処理をパスし、ステップS320に進む。
【0164】
一方、普図保留球数がゼロでないと判定した場合、ステップS308でCPU40aは、普図保留球数を1減算し、
図10に示す普図当り判定テーブルを参照して、普図保留記憶エリアに格納されている普図当り判定用乱数(保留データ)のうちの最も先に記憶された普図当り判定用乱数に基づく普図当り抽選を行う。
【0165】
図10は、普図当り判定テーブルの一例を説明する図である。
ここで、ROM40bの所定の領域には、
図10に示すような普図当り判定テーブルが記憶されている。普図当り判定テーブルには、低確率状態と高確率状態との判定基準値THが示されている。
本実施形態における普図当り抽選では、普図当り判定用乱数がとり得る値の範囲(0~250)内において判定基準値THを定め、普図当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、普図当り又ははずれの判定を行う。一例として、普図当り判定用乱数の値が「0~判定基準値TH」の範囲内である場合に普図当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
図10に示す例では、低確率状態及び高確率状態の両方とも判定基準値THが250に設定されている。したがって、本実施形態では、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合であっても、普図当り抽選で必ず普図当りに当選する。
【0166】
図11は、普通図柄変動表示ゲームに関する当り種別、変動時間、確定時間の一例を説明する図である。
ステップS310でCPU40aは、
図11に示すように、普図当り抽選の抽選結果、及び、設定されている遊技状態に基づいて当り種別が決定され、決定された当り種別に対応する停止図柄を作成する停止図柄作成処理を行う。ここでは、上記したように、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合であっても普図当り抽選で必ず普図当りに当選し、普図当りに当選した場合、
図11に示すように、当り種別として「当り1」が決定され、「当り1」に対応する停止図柄が作成される。
【0167】
ステップS311でCPU40aは、遊技状態に基づく変動時間(
図11参照)を普通図柄役物タイマに格納する。ここでは、低確率状態では132msが格納され、高確率状態では128msが格納されることになる。
【0168】
ステップS312でCPU40aは、RAM40cの普図保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトする。ここでは、普図保留n記憶エリア(n=2、3、4)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する普図保留記憶エリアに格納する。
【0169】
ステップS313でCPU40aは、変動開始時の各種設定を行い、ステップS320に進む。ここでは、例えば、普通図柄動作ステータスを「変動中(01H)」にし、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設け、普図変動中フラグをON状態にする。
【0170】
普通図柄動作ステータスが「変動中(01H)」である場合、CPU40aは、ステップS314で普通図柄役物タイマがゼロか否かを判定し、普通図柄役物タイマがゼロでないと判定した場合、ステップS315をパスしてステップS320に進む。
【0171】
一方、普通図柄役物タイマがゼロであると判定した場合、ステップS315でCPU40aは、変動停止時の各種設定を行い、ステップS320に進む。ここでは、例えば、普通図柄動作ステータスを「確認時間中(02H)」にし、
図11に示すような遊技状態に基づいた確定時間(500ms)を普通図柄役物タイマに格納し、普図変動中フラグをOFF状態にする。
【0172】
普通図柄動作ステータスが「確認時間中(02H)」である場合、CPU40aは、ステップS316で普通図柄役物タイマがゼロか否かを判定し、普通図柄役物タイマがゼロでないと判定した場合、ステップS317~ステップS319をパスしてステップS320に進む。
【0173】
一方、普通図柄役物タイマがゼロであると判定した場合、ステップS317でCPU40aは、普通図柄動作ステータスを「変動開始時(00H)」にする。ステップS318でCPU40aは、ステップS309の普図当り抽選において普図当りに当選したか否かを判定し、普図当りに当選していないと判定した場合にはステップS319をパスしてステップS320に進む。
【0174】
一方、普図当りに当選していたと判定した場合、ステップS319でCPU40aは、普図当り時の各種設定を行いステップS320に進む。ここでは、普図当りフラグをON状態(5AH)にする。
【0175】
ステップS320でCPU40aは、普通図柄表示データを更新し、普通図柄管理処理を終了する。この普通図柄表示データ更新処理では、普通図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、普通図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、普通図柄が変動中でなければ、普通図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した普通図柄の表示データは、
図8のLED管理処理(ステップS210)によって複合表示装置22dに出力される。
【0176】
(普通電動役物管理処理)
図12は、普通電動役物管理処理(S400)を示したフローチャートである。
図13は、普電開放遊技中に設定される各種値の一例を説明する図である。
図13に示すように、普電開放遊技中に設定される各種値には、開放前インターバル時間(オープニング時間)、開放時間、開放後インターバル時間(エンディング時間)及び最大入賞数が含まれており、これらの値は遊技状態(低確率状態、高確率状態)ごとに設定されている。例えば、低確率状態では、開放前インターバル時間が20ms、開放時間が68ms、開放後インターバル時間が300ms、最大入賞数が10に設定されている。また、高確率状態では、開放前インターバル時間が20ms、開放時間が5700ms、開放後インターバル時間が20ms、最大入賞数が10に設定されている。
【0177】
図12に示すように、ステップS401でCPU40aは、普図当りフラグON状態(5AH)であるか否かを判定し、普図当りフラグがON状態でないと判定した場合、すなわち、普電開放遊技中でないと判定した場合、普通電動役物管理処理を終了する。
【0178】
一方、普図当りフラグがON状態であると判定した場合、すなわち、普電開放遊技中であると判定した場合、ステップS402でCPU40aは、普通電動役物25が作動中であるか否かを判定し、普通電動役物25が作動中でないと判定した場合にはステップS403をパスしてステップS404に進む。
【0179】
一方、普通電動役物25が作動中であると判定した場合(第2始動口24が開放中であると判定した場合)、CPU40aは、ステップS403の普電入賞数チェック処理を行う。普電入賞数チェック処理では、第2始動口24への入賞数を示す普電入賞カウンタの値が最大入賞数(10)であれば、普通電動役物動作タイマに0をセットする。
ここで、普通電動役物動作タイマは、普通電動役物25(普通電動役物ソレノイド25a)の動作状態を管理するためのタイマである。
なお、普通電動役物動作タイマは、上述した普通図柄役物タイマと共通のタイマとすることもできる(使用タイミングが重複しないため)。
【0180】
ステップS404でCPU40aは、普通電動役物動作タイマが0であるか否かを判定し、普通電動役物動作タイマが0でないと判定した場合、ステップS405をパスしてステップS406に進む。
【0181】
一方、普通電動役物動作タイマが0であると判定した場合、ステップS405でCPU40aは、普通電動役物動作ステータス(00H~03H)に応じて各種値を設定する。
ここでは、普通電動役物動作ステータスが「開始前(00H)」「開始インターバル中(01H)」「作動中(02H)」「停止中(03H)」の何れのステータス値であるかに応じて、それぞれ対応する各種値を設定する。普通電動役物動作ステータスは、普電開放遊技中でない場合、「開始前(00H)」となっている。
そして、ここでは、CPU40aは、普通電動役物動作ステータスが「開始前(00H)」である場合、普通電動役物動作ステータスを「開始インターバル中(01H)」にするとともに、普通電動役物動作タイマに、開放前インターバル時間(低確率状態及び高確率状態でともに20ms)を格納する。
また、CPU40aは、普通電動役物動作タイマに格納された開放前インターバル時間が経過すると、普通電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」にし、普通電動役物動作タイマに開放時間(低確率状態では68ms、高確率状態では5700ms)を格納し、普電入賞カウンタを0にリセットする。
また、CPU40aは、普通電動役物動作タイマに格納された開放時間が経過するか、第2始動口24に最大入賞数の遊技球が入球する(普電入賞カウンタが最大入賞数になる)と、普通電動役物動作ステータスを「停止中(03H)」にするとともに、普通電動役物動作タイマに開放後インターバル時間(低確率状態では300ms、高確率状態では20ms)を格納し、普通電動役物有効タイマに1sを格納する。なお、普通電動役物有効タイマは、第2始動口24への遊技球の入球を有効に受け付けるためのタイマであり、普通電動役物有効タイマがゼロになるまで、第2始動口24への遊技球の入球を有効に受け付ける。
また、CPU40aは、普通電動役物動作タイマに格納された開放後インターバル時間が経過すると、普通電動役物動作ステータスを「開始前(00H)」にするとともに、普電入賞カウンタを0にクリアし、普図当りフラグをOFF状態(00H)にする。
【0182】
ステップS406でCPU40aは、普通電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であるか否かを判定し、普通電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であると判定した場合は、ステップS407に進んで「普通電動役物開閉動作設定」の処理を行った上で、ステップS400の普通電動役物管理処理を終了する。
ステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理では、後述する普通電動役物データ生成用テーブル(
図60参照)と普通電動役物動作タイマの値とに基づいて、普通電動役物ソレノイド25aの動作を制御するための制御データや、前述した「普通電動役物作動信号」及び「ソレノイド開放信号_2」としての試射試験信号のON/OFF設定データを生成する処理が行われるものとなる。
なお、このステップS407としての「普通電動役物開閉動作設定」について、具体的な処理内容については後に改めて説明する。
【0183】
一方、ステップS406において、普通電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」ではないと判定した場合、CPU40aはステップS408に進み、開閉動作設定処理フラグがONであるか否かを判定する。開閉動作設定処理フラグは、ステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理において設定されるフラグであり、上述した開放時間(例えば低確率状態では68ms、高確率状態では5700ms)が格納された後の普通電動役物動作タイマの値が0になった以降も(つまり普通電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」から「停止中(03H)」に変化した以降も)、引き続きステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理が行われるべき場合はONとされ、その後にステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理を行う必要がなくなった場合にOFFとなるフラグとされる。
【0184】
ステップS408において、開閉動作設定処理フラグがONであると判定した場合、CPU40aはステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理を実行した上で、ステップS400の普通電動役物管理処理を終了する。
一方、ステップS408で開閉動作設定処理フラグがOFFであると判定した場合、CPU40aはステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理を実行せずにステップS400の普通電動役物管理処理を終了する。
【0185】
ここで、ステップ407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理は、対応するプログラムモジュールが呼び出されて実行される処理となるが、本実施形態では、このステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理と、後述する特別電動役物管理処理(S600)におけるステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理とで、共通のプログラムモジュールが用いられる。
具体的に、ステップ407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理は、該「共通のプログラムモジュール」を呼び出して、
図60に示す普通電動役物データ生成用テーブルを参照テーブルとして用いて実行される。
一方で、後述するステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理は、該「共通のプログラムモジュール」を呼び出して、
図55に示す特別電動役物データ生成用テーブルを参照テーブルとして用いて実行される。
なお、これらの詳細については後に改めて説明する。
【0186】
(特別図柄管理処理)
図14は、特別図柄管理処理(ステップS500)を示したフローチャートである。
図14に示すように、CPU40aは、ステップS501で特
図1(第1始動口23)についての特
図1始動口チェック処理を行い、続くステップS502で特
図2(第2始動口24)についての特
図2始動口チェック処理を行う。
なお、これら始動口チェック処理の詳細については後述する。
【0187】
ステップS501、S502の始動口チェック処理を終えると、ステップS503でCPU40aは、条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。なお、条件装置作動フラグは、大当り抽選において大当りに当選した場合における特別図柄確認中処理(ステップS507)でON状態に設定され、後述する大当り終了処理(ステップS650)でOFF状態に設定される。
【0188】
条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)であると判定した場合、すなわち大当り遊技中でないと判定した場合、ステップS504でCPU40aは、特別図柄動作ステータス(00H~03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を分岐させる特別図柄動作ステータス分岐処理を実行する。
【0189】
ステップS504の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」の何れであるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RAM40cの特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
【0190】
具体的に、CPU40aは、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS505)を、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS506)を、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS507)をそれぞれ実行する。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄が次回変動のための待機状態である旨を意味し、上記「変動中」とは特別図柄が変動(変動表示)中である旨を意味し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を意味する。
【0191】
上記のステップS505、S506、S507の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS505の処理の詳細については後述する。
【0192】
ステップS505~S507の何れかの処理を終えると、ステップS508でCPU40aは、特別図柄表示データ更新処理を実行し、特別図柄管理処理を終了する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、
図8のLED管理処理(ステップS210)によって特別図柄表示装置22a、22bに出力される。
【0193】
また、ステップS503で大当り遊技中と判定した場合(=5AH)、CPU40aはステップS505~S507の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS508の特別図柄表示データ更新処理を行う。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持される)。
【0194】
(特
図1始動口チェック処理)
図15は、特
図1始動口チェック処理(ステップS501)を示したフローチャートである。
この特
図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たす。特
図1始動口チェック処理では、特別図柄1の特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特別図柄1の入賞時処理)として、第1始動口23の入賞発生に起因した特別図柄1の保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理(保留記憶処理)、保留加算コマンドの送信処理等が実行される。
なお、特
図2始動口チェック処理(ステップS502)も、特
図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄2の特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特別図柄2の入賞時処理)として、第2始動口24の入賞発生に起因した特別図柄2の保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、及び保留加算コマンドの送信処理等が実行される。従って、特
図1始動口チェック処理と特
図2始動口チェック処理とは実質的に同一の処理内容となっている。以下では、特
図1始動口チェック処理を中心に説明し、特
図2始動口チェック処理についての詳細は、重複記載を避けるために省略する。
【0195】
図15に示すように、ステップS501-1でCPU40aは、第1始動口検出センサ23aからの検出信号に基づき、第1始動口23への遊技球の入賞を検出したか否かを判定する。そして、第1始動口23への入賞を検出したと判定した場合、ステップS501-2でCPU40aは、特別図柄1の保留球(以下、「特
図1保留球」と称する)の数が4以上であるか否か判定する。すなわち、特
図1保留球数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、第1始動口23の入賞検出がないと判定した場合、特
図1始動口チェック処理を終了する。
【0196】
ステップS501-2で特
図1保留球数が4以上であると判定した場合、つまり第1始動口23の入賞を検出したが特
図1保留球数が4以上であると判定した場合、CPU40aは後述のステップS501-11に進み、一方、特
図1保留球数が4以上でないと判定した場合(4未満の場合)、ステップS501-3で特
図1保留球数に1を加算する。
【0197】
ステップS501-4でCPU40aは、今回発生した特
図1保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する。具体的には、各種の乱数カウンタから、大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数を取得し、その取得した乱数をRAM40cの特図保留記憶エリアに格納する。
【0198】
ステップS501-5でCPU40aは、保留加算コマンドを作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得する。
次いで、ステップS501-6でCPU40aは、「特
図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する。特
図1先読み禁止条件とは、特
図1保留球を対象とした先読み判定を禁止する条件である。
【0199】
特
図1先読み禁止条件が成立している場合、CPU40aは先読み判定に関する先読み判定処理(ステップS501-9)を実行せずに、ステップS501-11に進む。この場合、先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を持つ保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなり、今回の特
図1保留球を対象とした先読み判定が禁止され、その結果、先読み予告演出も実行されないことになる。換言すれば、先読み禁止データは、先読み判定処理(ステップS501-9)を実行していない旨を指定するものと言える。
【0200】
ここで、遊技状態によらず特
図1及び特
図2の先読み判定を行うのではなく、現在の遊技状態に基づいて、先読み禁止か否かを判定するようになっている。その理由は次の通りである。
右打ち有利となる時短状態である場合には、第2始動口24への入賞が頻繁に発生するが、左打ち有利となる非時短状態である場合には、第2始動口24への入賞がほぼ発生せずに第1始動口23への入賞が頻繁に発生することを考慮し、遊技状態によらず特
図1及び特
図2の先読み判定を闇雲に行うのではなく、時短状態である場合には特
図1側の先読み判定を禁止して特別図柄2側の先読み判定を許容し、非時短状態である場合には特
図2側の先読み判定を禁止して特
図1側の先読み判定を許容するようになっている。
【0201】
ステップS501-6において、先読み禁止条件が成立していないと判定した場合、ステップS501-7でCPU40aは、先読み判定処理を実行する。この先読み判定処理では、変動開始時に実行される大当り抽選結果を先読み判定する。従って、大当り抽選結果を先読み判定する‘先読み当否判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
【0202】
具体的に、ステップS501-7においてCPU40aは、RAM40c(特図保留記憶エリア)に格納される大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と大当り判定テーブル(
図18参照)とに基づいて、今回の保留球を対象とした大当り抽選(少なくとも大当り、はずれの別を決定する先読み当否判定)を行い、その結果(「先読み当否結果」と称する)を取得する。
【0203】
ここで、本実施形態では、先読み当否結果はCPU40a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM40cに格納しない。これは、先読み当否判定結果が、この後の先読み図柄判定の処理で直ちに利用され、それ以降このデータが必要とされることがなく、RAM40cに記憶する必要が無いためである。
【0204】
また、ステップS501-7でCPU40aは、上記した先読み図柄判定の処理として、先読み当否結果(少なくとも大当り、はずれの別)と保留種別(特
図1、2の別)とに応じた図柄テーブル(
図21参照)を用いた図柄抽選を行う。具体的にCPU40aは、先のステップS501-4で取得した特別図柄判定用乱数と図柄テーブルとに基づき、今回の保留球を対象とした図柄抽選を行い、その結果(「先読み図柄結果」と称する)を取得する。
【0205】
CPU40aは、先読み図柄結果を、上述した先読み当否判定のときと同様にCPU40a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM40cに格納しない。これは、先読み図柄結果が、この後の先読み変動パターン判定で直ちに利用され、それ以降このデータが必要とされることがなく、RAM40cに記憶する必要が無いためである。
【0206】
上記の先読み図柄判定を終えると、CPU40aは先読み変動パターン判定を実行する。この先読み変動パターン判定では、上記の先読み図柄結果(「4R1」「10R」「4R2」「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の何れか)と、該先読み図柄結果に応じた変動パターンを選択するための変動パターンテーブルと、ステップS501-4で取得した変動パターン用乱数とを利用した変動パターンの抽選を行い、先読み変動パターン決定する。すなわち、今回の保留球が変動表示動作に供されるときに実行される変動パターン(変動開始時の変動パターン)を先読み判定する。
【0207】
上記の変動パターンテーブルは、特別図柄変動開始処理(
図14)で行われる変動パターンの抽選においても利用される。
上記の変動パターンテーブルの具体例、及び該テーブルを用いた変動パターンの抽選処理については、変動開始時の処理の説明時に改めて説明する。
【0208】
なお、先読み変動パターン判定結果(入賞コマンドデータ(EVENT))は、以下で説明するステップS501-8の保留加算コマンド作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。従って、CPU40aは、先読み変動パターン判定の結果をRAM40cに格納することなくレジスタに取り込んだまま、ステップS501-7の処理を終えるようになっている。
【0209】
ステップS501-8でCPU40aは、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドの下位バイト側のデータを作成する。具体的には、先読み変動パターンの種類を表すデータを、保留加算コマンドの下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)として作成する。
なお、EVENTのデータについては、ステップS501-5で設定された「01H」が、本処理にて先読み変動パターンに対応する値(先読み変動パターン判定処理で得られた値)に更新されることになる。
【0210】
ステップS501-9でCPU40aは、保留球数に応じた保留加算コマンドの上位バイト側のデータを作成する。すなわち、現在の保留球数と、上述した先読み図柄結果(特別図柄の種別)とを表すデータを保留加算コマンドの上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)として作成する。
該MODEのデータについては、特
図1の保留1個~特
図1の保留4個、特
図2の保留1個~特
図2の保留4個を識別可能に設定される。
【0211】
ステップS501-10でCPU40aは、保留加算コマンドの送信処理を行う。すなわち、ステップS501-8、ステップS501-9で作成した入賞コマンドデータをそれぞれEVENT、MODEとして含む保留加算コマンドを作成し、演出制御基板41に送信する。
【0212】
ここで、先読み禁止条件である場合(S501-6でYes)、CPU40aは上述した先読み禁止データ(下位バイト=01H)を更新せずにそのまま維持し、先読み禁止データを持つ保留加算コマンドを送信する。
また、オーバーフロー時(最大保留記憶数に達しているときに、新たな入賞が発生した場合)は、オーバーフロー指定の保留加算コマンドが送信されるようになっている(ステップS501-2のYesのルート)。
【0213】
なお、保留加算コマンドは、主制御基板40から演出制御基板41に送られた後は、演出制御基板41側において今回の保留球に係る「先読み予告演出」を現出する際に利用されるだけであり、
図14に示す特別図柄変動開始処理において特に利用されるものではない。従って、CPU40aは保留加算コマンドもRAM40cに格納することなく、ステップS501の特
図1始動口チェック処理を抜けて、続いてステップS502の特
図2始動口チェック処理を行うことになる。
【0214】
ここで、上記のように、入賞時(保留球発生時)において設定値のデータに異常が生じた場合であっても、保留加算コマンドを送信するが、この保留加算コマンドは、先読み禁止データを持つコマンドであるので、設定値に基づく先読み予告演出、又は設定値に基づかない先読み予告演出を現出可能に構成している場合であっても、先読み予告に係る演出制御自体が禁止されるため、不具合に起因する先読み予告が現出されることがなく、遊技者に不利益になることもないので、特に問題は生じない。仮に、先読み予告演出を禁止しない場合、設定値が異常であるにもかかわらず、保留表示系の先読み予告演出にて、高期待度の保留表示が現出された場合、その後のRAMエラー処理(設定値異常に起因したエラー処理)により遊技進行が停止してしまうと、遊技者が抱いていた当選期待感が一気に消滅してしまい、遊技機に対する大きな不信感を招来してしまう。しかし、上述したように、先読み予告自体を禁止しているので、このような問題を生じさせず、遊技者に不信感を抱かせることの防止が図られる。
【0215】
(特別図柄変動開始処理)
図16は、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS505)を示したフローチャートである。
図16に示すように、ステップS505-1でCPU40aは、特
図2の保留球数(特
図2保留球数)がゼロか否かを判定し、特
図2保留球数がゼロでない場合には、ステップS505-6に進み、今回の変動表示に供する特
図2保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS505-6~S505-14)を行う。
【0216】
一方、特
図2保留球数がゼロであると判定した場合、ステップS505-2でCPU40aは、特
図1の保留球数(特
図1保留球数)がゼロか否かを判定し、特
図1保留球数がゼロでないと判定した場合には、ステップS505-6の処理に進み、今回の変動表示に供する特
図1保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS505-6~S505-14)を行う。
上記のステップS505-1とS505-2の処理により、特
図1保留球と特
図2保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特
図1保留球と特
図2保留球の双方に保留球が存在する場合、特
図2保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに保留球を消化していく構成としてもよい。
【0217】
なお、特
図2保留球数と特
図1保留球数の双方の保留球数がゼロである場合、「保留球なし」の状態となる。この「保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、且つ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御基板41側に知らせて、主液晶表示装置20Mに対し、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)に切り替え制御させる。そこで、「保留球なし」になった場合は、ステップS505-3に進み、CPU40aは、特別図柄動作ステータスが「保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する。
【0218】
ステップS505-3において特別図柄動作ステータスが「待機中(00H)」でないと判定した場合、すなわち、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であると判定した場合には、ステップS505-4でCPU40aは、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、ステップS505-5でCPU40aは、演出制御コマンドとして、客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御基板41に送信し、特別図柄変動開始処理を終了する。
以後、ステップS505-3の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、CPU40aは、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終了する。
【0219】
ステップS505-1で特
図2保留球数がゼロでないと判定した場合、及び、ステップS505-2で特
図1保留球数がゼロでないと判定した場合(特
図2保留球数がゼロである一方、特
図1保留球数がゼロでない場合)のそれぞれにおいて、CPU40aは、今回の変動表示に供する保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS505-6~S505-14)を行う。
ここで、以下に説明するステップS505-6~S505-14の処理については、上記のステップS505-1の判定で‘No’であった場合は特
図2保留球を対象とした処理、上記のステップS505-2の判定で‘No’であった場合は特
図1保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特
図1保留球を対象とした処理であるか、特
図2保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
【0220】
ステップS505-6でCPU40aは、保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る保留球数-1)、続くステップS505-7で減算後の保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御基板41に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御基板41側は、今回の保留球数消化後の残余保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
【0221】
ステップS505-8でCPU40aは、特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特
図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特
図2変動開始指定)」を、RAM40cの所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
【0222】
ステップS505-9でCPU40aは、RAM40cの特図保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS505-10で保留4記憶エリアをクリアする。このステップS505-9~S505-10の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、及び変動パターン用乱数)を読み出し、RAM40cの判定用乱数記憶エリアに格納すると共に、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS505-9)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS505-10)。
【0223】
ステップS505-11でCPU40aは、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。ここでは、CPU40aは、時短状態の時短回数をカウントする「時短回数カウンタ」がゼロであるか否かを判定し、時短回数がゼロでない場合は、時短回数を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御基板41に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御基板41は、時短回数を把握して報知する処理を実行可能とされる。
また、CPU40aは、現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御基板41に送信する処理も行う。
【0224】
ステップS511でCPU40aは、大当り抽選を行う大当り乱数判定処理を実行する。
なお、大当り乱数判定処理の詳細については後述する。
【0225】
ステップS512でCPU40aは、図柄抽選を行う図柄抽選処理を実行する。
なお、図柄抽選処理の詳細については後述する。
【0226】
ステップS513でCPU40aは、変動パターン抽選を行う変動パターン抽選処理を実行する。
なお、本実施形態における変動パターン抽選処理の詳細については後述する。
【0227】
ここで、上記したように、変動開始時における大当り抽選や図柄抽選の抽選結果をRAM40cに格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、特別図柄管理処理(ステップS500)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS600)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRAM40cに格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
【0228】
なお、図示による説明は省略するが、大当り抽選結果が大当たりである場合に、CPU40aは、ステップS513に続いて、遊技状態を移行させるための設定処理として、大当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
【0229】
ステップS505-12でCPU40aは、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とする何れかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には対象の特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には対象の特別図柄が停止中である旨を示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2に対応するものである。
【0230】
ステップS505-13でCPU40aは、変動開始時のコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、ステップS513の変動パターン抽選で選択された変動パターンを演出制御基板41に通知すべく、演出制御コマンドとして、変動パターンを特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、演出制御基板41に送信する。
また、コマンド送信処理では、ステップS512における図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し、演出制御基板41に送信する。装飾図柄指定コマンドは、保留種別を指定する上位バイト(MODE)と、特別図柄の種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。従って、この装飾図柄指定コマンドには、保留種別と特別図柄の種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、特別図柄の種別に関する情報が含まれることから、演出制御基板41において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
さらに、コマンド送信処理では、演出制御基板41に現在の設定値を通知するための設定値コマンドの送信も行われる。
【0231】
ステップS505-14でCPU40aは、変動開始時設定処理を実行し、特別図柄変動開始処理を終了する。ここでは、特別図柄動作ステータスを「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
【0232】
(大当り乱数判定処理)
図17は、大当り乱数判定処理(ステップS511)を示したフローチャートであり、
図18は、大当り判定テーブルの一例を示した図であり、
図19は、大当り乱数判定手法を説明する図である。
【0233】
図17に示すように、ステップS511-1でCPU40aは、保留種別(特
図1、特
図2)に応じた大当り判定テーブルを選択する。
ここで、ROM40bの所定の領域(アドレス)には、
図17に示すような大当り判定テーブルが記憶されている。大当たり判定テーブルは、保留種別(特
図1、特
図2)ごとに設けられているが、本実施形態では、保留種別によらず同一の値が設定されている。
大当り判定テーブルには、低確率状態と高確率状態とでの判定基準値THが示されている。
本実施形態における大当り乱数判定では、大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値THを定め、大当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、大当りの当否判定(大当り抽選)を行う。一例として、大当り判定用乱数の値が「0~判定基準値TH」の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
【0234】
そして、判定基準値THとしては、低確率状態の判定に用いる判定基準値TH1(205)と、高確率状態の判定に用いる判定基準値TH2(658)の2種が設定される。
図18及び
図19に示すように、高確率状態の判定基準値TH2は低確率状態の判定基準値TH1よりも値が大きくされ、これにより高確率状態の判定でより大当りの当選確率が高まるようにされている。
【0235】
なお、上記では、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とする例、すなわち、大当り判定用乱数が「0」~「判定基準値TH」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
【0236】
ステップS511-2でCPU40aは、大当り判定用乱数が判定下限値未満であるか否かを判定する。判定下限値は、上記のように大当りの判定下限値(大当りとの判定結果が得られる数値範囲の下限値)であり、例えば「0」である。
大当り判定用乱数が判定下限値未満であれば、はずれであることが確定されるため、以下で説明するステップS511-3~S511-7の処理はパスして大当り乱数判定処理を終了する。
なお、判定下限値=0である場合、大当り判定用乱数が0未満の値をとることは通常はあり得ないため、ステップS511-2の処理を設けることは必須ではない。ステップS511-2の処理は、判定下限値を0よりも大きな値とする場合に有効なものである。
【0237】
ステップS511-2において大当り判定用乱数が判定下限値未満でなければ、ステップS511-3でCPU40aは、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する。
【0238】
高確率状態でないと判定した場合、ステップS511-4でCPU40aは、大当り判定テーブルにおける低確率状態の判定基準値TH1を取得する。
一方、高確率状態であると判定した場合、ステップS511-5でCPU40aは、大当り判定テーブルにおける高確率時の判定基準値TH2を取得する。
【0239】
ステップS511-6でCPU40aは、判定基準値TH1又は判定基準値TH2に基づいて、大当り判定用乱数が判定基準値TH未満であるか否かを判定する。
大当り判定用乱数が判定基準値TH未満であると判定した場合、ステップS511-7でCPU40aは、大当り判定フラグを5AHに更新した上で大当り乱数判定処理を終了し、大当り判定用乱数が判定基準値TH未満でないと判定した場合、ステップS511-6をパスして大当り乱数判定処理を終了する。
【0240】
なお、ステップS511-2で大当り判定用乱数が判定下限値未満と判定された場合、及び、ステップS511-6で大当り判定用乱数が判定基準値TH未満でないと判定された場合、大当り判定フラグとしては大当り(=5AH)でない、具体的にははずれ(=00H)である旨を表す値に更新されるべきであるが、ステップS511の大当り乱数判定処理においては、大当り判定フラグをはずれである旨を表す00Hに更新する処理は行われず、ステップS507の特別図柄確認時間中処理で行われる。
【0241】
(図柄抽選処理)
図20は、図柄抽選処理(ステップS512)を示したフローチャートであり、
図21は、図柄テーブルの一例を示した図である。
【0242】
図21に示すように、図柄テーブルは、大当り抽選結果ごとに設けられている。図柄テーブルでは、大当り抽選結果ごとに特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)の選択率が設定されている。
ここで、図柄テーブル内において、抽選対象の特別図柄の種別ごとに格納された数値は、特別図柄判定用乱数が0~199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。
大当り用の図柄テーブルによれば、特
図1で大当りに当選した場合、大当り種別として「大当り1」が200/200の選択率、すなわち、必ず決定される。
また、特
図2で大当りに当選した場合、大当り種別として「大当り1」が140/200」の選択率で決定され、大当り種別として「大当り2」が60/200の選択率で決定される。
【0243】
また、はずれ用の図柄テーブルによれば、特
図1ではずれが決定された場合、はずれ種別として「はずれ1」が180/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ2」が16/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ3」が4/200の選択率で決定される。
また、特
図2ではずれが決定された場合、はずれ種別として「はずれ1」が180/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ2」が10/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ3」が10/200の選択率で決定される。
【0244】
ステップS512-1でCPU40aは、保留種別(特
図1、特
図2)に対応した図柄テーブルを選択する。
【0245】
ステップS512-2でCPU40aは、特別図柄判定用乱数、大当り判定フラグを取得する。ステップS512-3でCPU40aは、大当り判定フラグ(大当り/はずれ)に対応した図柄テーブルを参照し、特別図柄判定用乱数に基づいて、特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)を抽選により決定する。
【0246】
ステップS512-4でCPU40aは、ステップS512-3で決定した特別図柄の種別に対応する特別図柄判定データをRAM40cの所定領域に格納し、特別停止図柄作成処理を終了する。
【0247】
(変動パターン抽選処理)
図22は、変動パターン抽選処理(ステップS512)を示したフローチャートである。
ステップS512-1でCPU40aは、大当りか否かを判定する。すなわち、大当り判定フラグに基づき、大当り(=5AH)であるか否かを判定する。
【0248】
ステップS512-1において大当りでない(はずれである)と判定した場合、ステップS512-2でCPU40aは、はずれ変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS512-4の変動パターン選択処理に進む。
一方、ステップS512-1において大当りと判定した場合、ステップS512-3でCPU40aは、大当り変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS512-4の変動パターン選択処理に進む。
【0249】
ステップS512-4でCPU40aは、上記ステップS512-2又はステップS512-3で選択した変動パターンテーブルを参照し、変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを決定し、変動パターン抽選処理を終了する。
【0250】
図23は、変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
変動パターンテーブルは、ROM40bに記憶されている。なお、
図23では、時短状態で用いられる変動パターンテーブルを図示しているが、実際には、非時短状態で用いられる変動パターンテーブルも設けられている。
【0251】
図23に示すように、はずれ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターン(抽選により選択され得る変動パターン)が「通常変動1s」「通常変動12s1」「通常変動12s2」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の7種とされる。
また、大当り用の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンが「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされる。
【0252】
ここで、上記した変動パターンのうち、特に「通常変動1s」「通常変動12s1」「通常変動12s2」は、大当り時に選択されないいわば「はずれ」に対応した変動パターンに属する(以下「はずれ変動パターン」と称することもある)。
【0253】
本実施形態では、はずれ時の変動パターン抽選は、特
図1、2に関わらず、はずれ種別(はずれ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる。
ここで、上記したように、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の各はずれ種別については、図柄抽選による選択率が異なるものとされ、「はずれ1」が最も選択率が高く、「はずれ2」「はずれ3」は「はずれ1」よりも選択率が低くされている。つまり、大当り抽選結果が「はずれ」であれば、殆どの場合、はずれ種別として「はずれ1」が選択されることになる。
【0254】
特
図2についての変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、保留球数に応じた抽選を行う。このため、特
図2用の変動パターンテーブルのうち、はずれ種別が「はずれ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
【0255】
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0~9999の1000通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特
図1用の変動パターンテーブルにおいて、「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動1s」に対する格納値=「10000」とされているが、これは、「通常変動1s」の当選確率が「10000/10000」であることを意味している。
テーブルの格納値として上記の振り分け値を示したのはあくまで説明の便宜を図るためであり、実際における変動パターンテーブルには、上記の大当り乱数判定で用いたような判定基準値が格納されることになる。例えば、上記の「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルについて言えば、実際の格納値(判定基準値)として例えば「9999」が格納され、その場合、変動パターン用乱数が9999以下であれば「通常変動1s」が選択される。
【0256】
図23に示した振り分け値を参照して分かるように、「はずれ1」の場合に対応した特
図2の変動パターン抽選においては、「通常変動」のみが選ばれるようにしている。
また、「はずれ1」の場合に対応した特
図2の変動パターン抽選においては、保留球数が多いほど、変動時間の短い通常変動パターンが選択されるようにしている。
【0257】
(特別電動役物管理処理)
図24は、特別電動役物管理処理(ステップS600)を示したフローチャートである。ステップS601でCPU40aは、条件装置作動フラグの状態を判定し、条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)であると判定した場合、すなわち大当り遊技中でないと判定した場合、特別電動役物管理処理を終了する。
【0258】
一方、条件装置作動フラグがON状態(=5AH)であると判定した場合、ステップS602でCPU40aは、第1大入賞口27又は第2大入賞口28に遊技球が入球していれば、入賞時コマンドを演出制御基板41に送信する。
ステップS603でCPU40aは、特別電動役物動作ステータス(00H~04H)に応じて大当り遊技に関する処理を分岐させる特別電動役物動作ステータス分岐処理を実行する。
【0259】
ステップS603の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータスが「大当り開始(00H)」「電動作動開始中(01H)」「特電作動中(02H)」「特電作動継続判定中(03H)」「大当り終了中(04H)」の何れであるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、大当り遊技のステータスを示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RAM40cの特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
【0260】
具体的に、CPU40aは、特別電動動作ステータスが「大当り開始(00H)」である場合には大当り開始処理(ステップS610)を、「電動作動開始中(01H)」である場合には特別電動役物作動開始処理(ステップS620)を、「電動作動中(02H)」である場合には特別電動役物作動中処理(ステップS630)を、「特電作動継続判定中(03H)」である場合には特別電動役物作動継続判定処理(ステップS640)を、「大当り終了中(04H)」である場合には大当り終了処理(ステップS650)をそれぞれ実行する。
【0261】
図25は、大当り種別に応じた大当り遊技における各種値を示した図である。ROM40bには、大当り種別に応じた各種値が記憶されている。大当り種別に応じた各種値には、開放される大入賞口(第1大入賞口27又は第2大入賞口28)、1ラウンドごとの最大入賞数、初回開放前インターバル時間(オープニング時間)、ラウンド間のインターバル時間(残存球排出確認時間及びラウンド間インターバル時間)、終了インターバル時間(エンディング時間)、最大ラウンド数、ラウンドごとの第1大入賞口27又は第2大入賞口28の開放時間が含まれている。
【0262】
例えば、大当り種別が「大当り1」である場合、開放される大入賞口は第1大入賞口27、最大入賞数は10、初回開放前インターバル時間は18s、インターバル時間は3s、終了インターバル時間は9s、最大ラウンド数は4、開放時間は29.96sに設定されている。
ここで、発射操作ハンドル15を常に操作している場合、発射装置44からは1分間に100個の遊技球が発射される。つまり、発射装置44から0.6秒に1個の遊技球が発射される。そして、1回のラウンド遊技において最大入賞数である10個の遊技機1が第1大入賞口27又は第2大入賞口28に入球する時間は、発射装置44から0.6秒に1個の遊技球が発射されるため約6.3sとなる。
したがって、大当り種別が「大当り1」である場合の大当り遊技において、右遊技領域19bに遊技球を常に発射させていた場合、大当り遊技の平均時間は64.2s(18+6.3×4+3×4+9)であり、第1大入賞口27が開放されている平均開放時間は合計で25.2s(6.3×4)であり、大当り遊技の平均時間に対する第1大入賞口27の平均開放時間の比である開放比は0.39(25.2/64.2)となる。なお、開放比は、入賞口を開放させるためにソレノイドが動作している動作比(動作時間/(動作時間+非動作時間))と一致している。
【0263】
また、大当り種別が「大当り2」である場合、開放される大入賞口は第2大入賞口28、最大入賞数は10、初回開放前インターバル時間は18s、インターバル時間は3s、終了インターバル時間は9s、最大ラウンド数は10、開放時間は29.96sに設定されている。
したがって、大当り種別が「大当り2」である場合の大当り遊技において、右遊技領域19bに遊技球を常に発射させていた場合、大当り遊技の平均時間は120s(18+6.3×10+3×10+9)であり、第2大入賞口28が開放されている平均開放時間は合計で63s(6.3×10)であり、大当り遊技の平均時間に対する第2大入賞口28の平均開放時間の比である開放比は0.53(63/120)となる。
【0264】
また、大当り種別が「大当り3」である場合、開放される大入賞口は第1大入賞口27、最大入賞数は10、初回開放前インターバル時間は18s、インターバル時間は3s、終了インターバル時間は9s、最大ラウンド数は4、開放時間は29.96sに設定されている。
したがって、大当り種別が「大当り3」である場合の大当り遊技において、右遊技領域19bに遊技球を常に発射させていた場合、大当り遊技の平均時間は64.2s(18+6.3×4+3×4+9)であり、第1大入賞口27が開放されている平均開放時間は合計で25.2s(6.3×4)であり、大当り遊技の平均時間に対する第1大入賞口27の平均開放時間の比である開放比は0.39(25.2/64.2)となる。
【0265】
(大当り開始処理)
図26は、大当り開始処理(ステップS610)を示したフローチャートである。ステップS611でCPU40aは、大当り開始時の各種設定を行う。ここでは、特別電動役物動作ステータスを「01H」にし、ラウンド数を示す連続回数カウンタを「01H」にする。
【0266】
ステップS612でCPU40aは、大当り種別に応じた各種設定を行う。ここでは、
図25に示した最大ラウンド数、及びラウンド表示LED番号をRAM40cの所定領域に格納するとともに、初回開放前インターバル時間を特別電動役物動作タイマに格納する。
【0267】
ステップS613でCPU40aは、初回開放前インターバル時間(オープニング)が開始されることを示す大当り開始インターバルコマンドを演出制御基板41に送信し、大当り開始処理を終了する。
【0268】
(特別電動役物作動開始処理)
図27は、特別電動役物作動開始処理(ステップS620)を示したフローチャートである。ステップS621でCPU40aは、特別電動役物動作タイマが0であるか否か、すなわち、上記ステップS612で特別電動役物動作タイマに格納した初回開放前インターバル時間、又は、下記ステップS644で特別電動役物動作タイマに格納したラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定し、特別電動役物動作タイマが0でないと判定した場合、特別電動役物作動開始処理を終了する。
【0269】
一方、特別電動役物動作タイマが0であると判定した場合、ステップS622でCPU40aは、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が開放されることを示す大入賞口開放コマンドを演出制御基板41に送信する。
【0270】
ステップS623でCPU40aは、大当り種別及びラウンド数に応じた特別電動役物作動時間(
図25参照)を特別電動役物動作タイマに格納する。ステップS624でCPU40aは、開放動作開始時の各種設定を行う。ここでは、CPU40aは、第1大入賞口27又は第2大入賞口28への遊技球の入球数を示す大入賞口入賞数カウンタを「00H」にし、特別電動役物動作ステータスを「特電作動中(02H)」にする。
【0271】
ステップS625でCPU40aは、第1大入賞口27又は第2大入賞口28の開閉を制御するための「大入賞口開閉動作設定」の処理を行い、特別電動役物作動開始処理を終了する。
先に触れたように、ステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理は、前述した「共通のプログラムモジュール」を呼び出して、特別電動役物動作タイマの値と
図55に示す特別電動役物データ生成用テーブルとに基づき実行される処理となる。この処理が行われることで、第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30aのON/OFF制御データが生成される。
【0272】
(特別電動役物作動中処理)
図28は、特別電動役物作動中処理(ステップS630)を示したフローチャートである。ステップS631でCPU40aは、第1大入賞口27又は第2大入賞口28へ遊技球が入球した場合に大入賞口入賞数カウンタを1インクリメント(1加算)し、大入賞口入賞数カウンタが最大入賞数以上であれば、当該特別電動役物作動中処理を終了させるために特別電動役物動作タイマを0にする大入賞口最大入賞数チェック処理を行う。
【0273】
ステップS631の大入賞口最大入賞チェック処理を実行したことに応じ、CPU40aはステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理を行う。
【0274】
次いで、ステップS633でCPU40aは、特別電動役物動作タイマが0であるか否かを判定し、特別電動役物動作タイマが0でないと判定した場合、特別電動役物作動開始処理を終了する。ここでは、大入賞口入賞数カウンタが最大入賞数以上となり上記ステップS631で特別電動役物動作タイマが0にされたか、又は、上記ステップS623で特別電動役物動作タイマに格納された特別電動役物作動時間が経過して特別電動役物動作タイマが0にされたかを判定していることになる。
【0275】
一方、ステップS633で特別電動役物動作タイマが0であると判定した場合、ステップS634でCPU40aは、いずれのラウンド間のインターバルが開始されるかを示すラウンド間インターバルコマンドを演出制御基板41に送信する。
ステップS635でCPU40aは、特別電動役物の開放動作終了時の各種設定を行い、特別電動役物作動中処理を終了する。ここでは、CPU40aは、特別電動役物動作タイマにインターバル時間の一部である残存球排出確認時間(1980ms)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「特別電動役物作動継続判定中(03H)」にする。なお、インターバル時間は、残存球排出確認時間と、下記ステップS644で特別電動役物動作タイマに格納されるラウンド間インターバル時間との合計時間となっている。また、残存球排出確認時間は、第1大入賞口27又は第2大入賞口28への遊技球の入球を有効に受け付けるための時間であり、残存球排出確認時間が経過するまで、第1大入賞口27又は第2大入賞口28への遊技球の入球を有効に受け付ける。
【0276】
(特別電動役物作動継続判定処理)
図29は、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS640)を示したフローチャートである。ステップS641でCPU40aは、開閉動作設定処理フラグがONであるか否かを判定する。
開閉動作設定処理フラグは、ステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理において設定されるフラグであり、前述した特別電動役物作動時間(本例では29.96s)が経過して特別電動役物動作タイマの値が0になった以降も(つまり特別電動役物動作ステータスが「特電作動中(02H)」から「特別電動役物作動継続判定中(03H)」に変化した以降も)、引き続きステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理が行われるべき場合はONとされ、その後にステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理を行う必要がなくなった場合にOFFとなるフラグとされる(
図56のS705及びS732を参照)。
【0277】
ステップS641において、開閉動作設定処理フラグがONであると判定した場合、CPU40aはステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理を実行し、ステップS642に処理を進める。
一方、ステップS641で開閉動作設定処理フラグがONでない(OFFである)と判定した場合、CPU40aはステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理を実行せず、ステップS642に処理を進める。
【0278】
ステップS642でCPU40aは、特別電動役物動作タイマが0であるか否か、すなわち、前述した残存球排出確認時間が経過したか否かを判定し、特別電動役物動作タイマが0でないと判定した場合(残存球排出確認時間が経過していない場合)、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
【0279】
一方、特別電動役物動作タイマが0であると判定した場合(残存球排出確認時間が経過した場合)、CPU40aはステップS643に進み、連続回数カウンタの値(現在のラウンド数)が、ステップS612で格納した最大ラウンド数であるか否かを判定する。そして、連続回数カウンタの値が最大ラウンド数であると判定した場合にはステップS647に進み、連続回数カウンタの値が最大ラウンド数でないと判定した場合にはラウンド遊技を維持するためにステップS644に進む。
【0280】
ステップS644でCPU40aは、連続回数カウンタを1加算し、ステップS645で、大当り種別に応じたラウンド間インターバル時間(インターバル時間-残存球排出確認時間)を特別電動役物動作タイマに格納し、ステップS646で、継続時の各種設定を行い、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。ここでは、CPU40aは、特別電動役物動作ステータスを「01H」にする。
【0281】
ステップS647でCPU40aは、終了時の各種設定を行う。ここでは、CPU40aは、特別電動役物動作ステータスを「大当り終了中(04H)」にする。ステップS648でCPU40aは、大当り種別に応じた終了インターバル時間を特別電動役物動作タイマに格納し、ステップS649で、大当り終了インターバル(エンディング)が開始されることを示す大当り終了インターバルコマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板41に送信し、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
【0282】
(大当り終了処理)
図30は、大当り終了処理(ステップS650)を示したフローチャートである。
図31は、大当り遊技終了後の遊技状態、時短回数及び確変回数を説明する図である。ステップS651でCPU40aは、特別電動役物動作タイマが0であるか否か、すなわち、終了インターバル時間が経過したか否かを判定し、特別電動役物動作タイマが0でないと判定した場合(終了インターバル時間が経過していない場合)、大当り終了処理を終了する。
【0283】
一方、特別電動役物動作タイマが0であると判定した場合(終了インターバル時間が経過した場合)、ステップS652でCPU40aは、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する。ここでは、CPU40aは、大当り遊技後の遊技状態、時短回数及び確変回数を、大当り種別及び大当り時の遊技状態に基づいて、
図31に示すように設定する。
【0284】
また、ステップS653でCPU40aは、大当り終了時の各種設定を行う。ここでは、CPU40aは、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した各種フラグを全てクリアし、特別電動役物動作ステータスを「大当り開始(00H)」にする。
【0285】
本実施形態では、
図31に示すように、大当り種別及び大当たり時の遊技状態に拘わらず、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態及び時短状態に設定され、時短回数が150回に設定され、確変回数が154回に設定される。
【0286】
ステップS654でCPU40aは、大当り遊技が終了することを示す大当り終了インターバルコマンドを演出制御基板41に送信し、ステップS655で、複合表示装置22dの右打ち表示等の状態報知ランプの情報である遊技状態報知情報を更新し、大当り終了処理を終了する。
【0287】
<5.電動役物の構造>
上記したように、遊技機1では、第2始動口24が普通電動役物25によって開閉され、第1大入賞口27が第1特別電動役物29によって開閉され、第2大入賞口28が第2特別電動役物30によって開閉される。
【0288】
ここで、遊技機1では、普通電動役物25、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30について様々な構造が採用され得る。以下では、普通電動役物25、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30において採用され得る電動役物の構造について例を挙げて説明する。
【0289】
[5.1 第1の電動役物]
図32は、第1の電動役物100の斜視図である。
図32Aは、閉状態の第1の電動役物100の斜視図であり、
図32Bは、開状態の第1の電動役物100の斜視図である。
図33は、第1の電動役物100の分解斜視図である。
図34は、第1の電動役物100の部分斜視図である。
図34Aは、閉状態の第1の電動役物100の部分斜視図であり、
図34Bは、開状態の第1の電動役物100の部分斜視図である。
【0290】
図32~
図34に示すように、第1の電動役物100は、下カバー101、上カバー102、中カバー103、ソレノイド104、伝達部材105、第1の可動部材106、第2の可動部材107、入賞口検出センサ108を備える。
【0291】
第1の電動役物100は、下カバー101及び上カバー102によって形成される空間に、中カバー103、ソレノイド104、伝達部材105、第1の可動部材106、第2の可動部材107及び入賞口検出センサ108が収容されている。中カバー103は、下カバー101及び上カバー102によって形成される空間を上下方向に分割するように配置されている。
【0292】
下カバー101及び中カバー103の間に形成される空間には、ソレノイド104及び伝達部材105が収容されている。上カバー102及び中カバー103の間に形成される空間には、第1の可動部材106が収容されている。また、下カバー101及び上カバー102によって形成される空間であって中カバー103が配置されていない左側の空間には、第2の可動部材107及び入賞口検出センサ108が配置されている。
【0293】
ソレノイド104は、コイルが内部に設けられた本体部104a、可動鉄芯104b及びバネ104cを備える。ソレノイド104は、電力が供給されコイルが通電されることにより可動鉄芯104bがバネ104cの力に抗って本体部104a側に移動する。また、ソレノイド104は、電力が遮断されコイルが通電されなくなるとバネ104cが元に戻ろうとする力(付勢力)によって可動鉄芯104bが本体部104aから離隔する方向に移動する。
【0294】
ソレノイド104の本体部104aは下カバー101に固定されており、可動鉄芯104bに伝達部材105の係合部105aが係合されている。伝達部材105は、下カバー101から上側に突出した支持部101aに被支持部105bが支持されている。これにより、伝達部材105は、被支持部105bを中心として、水平面(上下方向に直交する面)上で回転自在となっている。
【0295】
伝達部材105は、被支持部105bを基端として、水平面上の異なる径方向に第1アーム部105c及び第2アーム部105dが延在している。第1アーム部105cの末端には係合部105aが形成されており、第2アーム部105dの末端には、上下方向に貫通した、第2アーム部105dの延在方向に長い貫通孔105eが形成されている。
【0296】
第1の可動部材106の下面には、下方向に突出した円柱形状の突出部106aが形成されており、突出部106aが伝達部材105の貫通孔105eに挿通されている。第1の可動部材106は、前後方向及び左右方向にそれぞれ所定幅を有する玉受面106bが形成されている。玉受面106bは、右端から左端に向かって、下方向に傾くように形成されている。
【0297】
また、第1の可動部材106は、玉受面106bよりも左側に、上端から下端に向かって前方向に傾斜した傾斜面106cが形成されている。傾斜面106cには、第2の可動部材107の突起部107aが係合している。
【0298】
第2の可動部材107は、基端となる被支持部107bを中心として、上下方向に回転自在となっている。第2の可動部材107は、被支持部107bを基端として延在するように形成されており、末端には入球防止部107cが形成されるとともに、その間には下方向に突出した突起部107aが形成されている。
【0299】
このような構成でなる第1の電動役物100は、
図32A及び
図34Aに示すように、ソレノイド104に電力が供給されていない状態で、ソレノイド104の可動鉄芯104bがバネ104cの力により本体部104aから離隔する方向(右方向)に移動されているため、本体部104aに係合している係合部105aも右方向に移動されている。そのため、伝達部材105は、被支持部105bを中心として、上側からの視点で時計回りに回った状態となっており、第2アーム部105dは後方向に移動されている。そして、第1の可動部材106は、第2アーム部105dに形成された貫通孔105eに突出部106aが挿通されているため、全体として後方向に移動されている。また、傾斜面106cが後方向に移動されているため、第2の可動部材107は、被支持部107bを支点として下方向に移動されている。
【0300】
これにより、第1の電動役物100は、ソレノイド104に電力が供給されていない状態で、原点位置として、第1の可動部材106の玉受面106bが上カバー102及び中カバー103の間に収容されており、かつ、第2の可動部材107の入球防止部107cが入賞口検出センサ108を塞ぐように位置している。
【0301】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図32Aに示すように、玉受面106bよりも前側を通って下方向に落下することになり、入賞口検出センサ108を通過することはない。なお、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bの勢いが強く、入賞口検出センサ108に向かって転動してきても、被支持部107bによって入賞口検出センサ108が塞がれているため、遊技球Bは入賞口検出センサ108を通過することはない。
【0302】
そして、第1の電動役物100は、ソレノイド104への電力が供給されると、
図32B及び
図34Bに示すように、ソレノイド104の可動鉄芯104bがバネ104cの戻ろうとする力に抗って本体部104aに近接する方向(左方向)に移動され、本体部104aに係合している係合部105aも左方向に移動される。そのため、伝達部材105は、被支持部105bを中心として、上側からの視点で反時計回りに回わり、第2アーム部105dは前方向に移動される。そして、第1の可動部材106は、第2アーム部105dに形成された貫通孔105eに突出部106aが挿通されているため、全体として前方向に移動される。また、傾斜面106cが前方向に移動されているため、第2の可動部材107は、被支持部107bを支点として上方向に移動される。
【0303】
これにより、第1の電動役物100は、ソレノイド104への電力が供給されると、第1の可動部材106の玉受面106bが上カバー102及び中カバー103の間から前方向に突出し、かつ、第2の可動部材107の入球防止部107cが入賞口検出センサ108を開放するように位置する。
【0304】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図32Bに示すように、玉受面106bの上を通って左方向に転動した後、入賞口検出センサ108を通過することが可能となる。
【0305】
以上のように、第1の電動役物100は、入賞口(入賞口検出センサ108)を開閉する第1の可動部材106及び第2の可動部材107と、第1の可動部材106及び第2の可動部材107を動作させるソレノイド104と、ソレノイド104の動作を第1の可動部材106及び第2の可動部材107に伝達する伝達部材105と、第1の可動部材106及び第2の可動部材107を閉じるように付勢するバネ104cとを備え、これらによって入賞口が開閉される。
【0306】
[5.2 第2の電動役物]
図35は、第2の電動役物110の斜視図である。
図35Aは、閉状態の第2の電動役物110の斜視図であり、
図35Bは、開状態の第2の電動役物110の斜視図である。
図36は、第2の電動役物110の分解斜視図である。
図37は、第2の電動役物110の部分斜視図である。
図37Aは、閉状態の第2の電動役物110の部分斜視図であり、
図37Bは、開状態の第2の電動役物110の部分斜視図である。
【0307】
図35~
図37に示すように、第2の電動役物110は、下カバー111、上カバー112、中カバー113、ソレノイド114、第1の伝達部材115、第2の伝達部材116、可動部材117、入賞口検出センサ118を備える。
【0308】
第2の電動役物110は、下カバー111及び上カバー112によって形成される空間に、中カバー113、ソレノイド114、第1の伝達部材115、第2の伝達部材116、可動部材117及び入賞口検出センサ118が収容されている。中カバー113は、下カバー111及び上カバー112によって形成される空間を上下方向に分割するように配置されている。また、中カバー113の前方側の流路部113aは、左端から右端に向かって下方向に傾斜しており、右端よりも右側に入賞口検出センサ118が固定されている。
【0309】
下カバー111及び中カバー113の間に形成される空間には、ソレノイド114、第1の伝達部材115、第2の伝達部材116及び入賞口検出センサ118が収容されている。上カバー112及び中カバー113の間に形成される空間には、可動部材117が収容されている。
【0310】
ソレノイド114は、コイルが内部に設けられた本体部114a、可動鉄芯114b及びバネ114cを備える。ソレノイド114は、電力が供給されコイルが通電されることにより可動鉄芯114bがバネ114cの力に抗って本体部114a側に移動する。また、ソレノイド114は、電力が遮断されコイルが通電されなくなると、バネ114cが元に戻ろうとする力(付勢力)によって可動鉄芯114bが本体部114aから離隔する方向に移動する。
【0311】
ソレノイド114の本体部114aは下カバー111の後方側に固定されており、可動鉄芯114bに第1の伝達部材115の係合部115aが係合されている。第1の伝達部材115は、可動鉄芯114bの軸方向(左右方向)に、可動鉄芯114bと一体となって移動する。
【0312】
第1の伝達部材115は、係合部115aよりも右方向の位置に、上下方向に貫通し前後方向に長い貫通孔115bが形成されている。
【0313】
第2の伝達部材116の下面には、下方向に突出した円柱形状の突出部116aが形成されており、突出部116aが第1の伝達部材115の貫通孔115bに挿通されている。第2の伝達部材116は、中カバー113から下方向に突出した支持部(不図示)に被支持部116bが支持されており、基端となる被支持部116bを中心として、水平面上で回転自在となっている。
【0314】
第2の伝達部材116は、被支持部116bを基端として、水平面の径方向に延在し、末端には、上方向に突出した突起部116cが形成されている。突起部116cは、可動部材117の貫通孔117aに挿通されている。
【0315】
可動部材117は、前後方向及び左右方向にそれぞれ所定幅を有する玉受面117bが前方側に形成されており、貫通孔117aが後方側に形成されている。玉受面117bは、左端から右端に向かって、下方向に傾くように形成されている。
【0316】
このような構成でなる第2の電動役物110は、
図35A及び
図37Aに示すように、ソレノイド114に電力が供給されていない状態で、ソレノイド114の可動鉄芯114bがバネ114cの力により本体部114aから離隔する方向(右方向)に移動されているため、本体部114aに係合している第1の伝達部材115も右方向に移動されている。そして、第2の伝達部材116は、突出部116aが貫通孔115b内で前方側に位置し、被支持部116bを中心として、上側からの視点で反時計回りに回った状態となっており、突起部116cが前方向に移動した状態となっている。そして、可動部材117は、貫通孔117aに突起部116cが挿通されているため、玉受面117bが前方側に突出(移動)している。
【0317】
これにより、第2の電動役物110は、ソレノイド114に電力が供給されていない状態で、原点位置として、可動部材117の玉受面117bが上カバー112及び中カバー113の間から前方向に突出し、流路部113a及び入賞口検出センサ118を塞ぐように位置している。
【0318】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図35Aに示すように、玉受面117bの上を通って右側に転動するため、入賞口検出センサ118を通過することはない。
【0319】
そして、第2の電動役物110は、ソレノイド114に電力が供給されると、
図35B及び
図37Bに示すように、ソレノイド114の可動鉄芯114bがバネ114cの力に抗って本体部114aに近接する方向(左方向)に移動されるため、第1の伝達部材115も可動鉄芯114bと一体的に左方向に移動する。そして、第1の伝達部材115の移動に伴って、第2の伝達部材116は、被支持部116bを中心として、上側からの視点で時計回りに回わり、可動部材117が後方向に移動される。
【0320】
これにより、第2の電動役物110は、ソレノイド114に電力が供給されると、可動部材117の玉受面117bが上カバー112及び中カバー113の間に収容され、流路部113a及び入賞口検出センサ118を開放される。
【0321】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図35Bに示すように、第2の電動役物110に到達すると下方向に落下し、流路部113aの上を転動して入賞口検出センサ118を通過する。
【0322】
以上のように、第2の電動役物110は、入賞口(入賞口検出センサ118)を開閉する可動部材117と、可動部材117を動作させるソレノイド114と、ソレノイド114の動作を可動部材117に伝達する第1の伝達部材115及び第2の伝達部材116と、可動部材117を閉じるように付勢するバネ114cとを備え、これらによって入賞口が開閉される。
【0323】
[5.3 第3の電動役物]
図38は、第3の電動役物120の斜視図である。
図38Aは、閉状態の第3の電動役物120の斜視図であり、
図38Bは、開状態の第3の電動役物120の斜視図である。
図39は、第3の電動役物120の分解斜視図である。
図40は、第3の電動役物120の部分斜視図である。
図40Aは、閉状態の第3の電動役物120の部分斜視図であり、
図40Bは、開状態の第3の電動役物120の部分斜視図である。
【0324】
図38~
図40に示すように、第3の電動役物120は、前カバー121、後カバー122、右カバー123、ソレノイド124、第1の伝達部材125、第2の伝達部材126、可動部材127、入賞口検出センサ128を備える。
【0325】
第3の電動役物120は、前カバー121及び後カバー122によって形成される空間に、ソレノイド124及び入賞口検出センサ128が収容されている。右カバー123は、前カバー121の右側に配置され、前カバー121、後カバー122及び右カバー123によって形成される空間に第1の伝達部材125及び第2の伝達部材126が収容されている。また、前カバー121の前方には、可動部材127が配置されている。また、前カバー121の前方側の流路部121aは、前方向から後方向に向かって下方向に傾斜しており、入賞口検出センサ128に遊技球を導く。
【0326】
ソレノイド124は、コイルが内部に設けられた本体部124a、可動鉄芯124b及びバネ124cを備える。ソレノイド124は、電力が供給されコイルが通電されることにより可動鉄芯124bがバネ124cの力に抗って本体部124a側に移動する。また、ソレノイド124は、電力が遮断されコイルが通電されなくなるとバネ124cが元に戻ろうとする力(付勢力)によって可動鉄芯124bが本体部124aから離隔する方向に移動する。
【0327】
ソレノイド124の本体部124aは後カバー122に固定されており、可動鉄芯104bに第1の伝達部材125の係合部125aが係合されている。第1の伝達部材125は、後カバー122から前側に突出した支持部(不図示)に被支持部125bが支持されている。これにより、第1の伝達部材125は、被支持部125bを中心として、前後方向に直交する面上で回転自在となっている。
【0328】
第1の伝達部材125は、被支持部125bから偏心した位置に、一部が開口した回転部125cが形成されており、回転部125cに第2の伝達部材126の被係合部126aが係合されている。第2の伝達部材126は、右カバー123から左方向に突出した支持部(不図示)に被支持部126bが支持されている。これにより、第2の伝達部材126は、被支持部126bを中心として、左右方向に直交する面上で回転自在となっている。
【0329】
また、第2の伝達部材126は、被支持部126bを基準として、被係合部126aとは反対側に突起部126cが形成されている。突起部126cは、前カバー121に設けられた貫通孔(不図示)に挿通されており、前カバー121の前面側に先端が位置している。
【0330】
可動部材127は、左右方向にそれぞれ突出した回転軸127aを中心に回転自在に前カバー121に支持されている。また、可動部材127は、右端において後側に突出した突起部127bが形成されており、突起部127bが第2の伝達部材126の突起部126cに係合している。また、可動部材127は、所定幅及び所定長さを有する玉受面127cが形成されている。
【0331】
このような構成でなる第3の電動役物120は、
図38A及び
図40Aに示すように、ソレノイド124に電力が供給されていない状態で、ソレノイド124の可動鉄芯124bがバネ124cの力により本体部124aから離隔する方向(右方向)に移動されている。そのため、可動鉄芯124bに係合している係合部125aが、被支持部125bを中心として、前方向からの視点で時計回りに回った状態となっている。また、第1の伝達部材125の回転部125cは、開口部が上側に移動している。そして、第2の伝達部材126は、第1の伝達部材125の回転部125cに係合した被係合部126aが上側に移動しているため、右方向からの視点で反時計回りに回った状態となっている。そのため、突起部126cは、下側に位置しており、突起部126cに係合する突起部127bが下側に押さえつけられることになり、玉受面127cが前後方向に直交する面方向に延在した状態となっている。
【0332】
これにより、第3の電動役物120は、ソレノイド124に電力が供給されていない状態で、原点位置として、可動部材127の玉受面127cが右カバー123の開口部123aを覆うように位置している。
【0333】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図38Aに示すように、玉受面127cよりも前側を通って下方向に落下(転動)することになり、開口部123a及び通路部123bを介して入賞口検出センサ128を通過することはない。
【0334】
そして、第3の電動役物120は、ソレノイド124に電力が供給されると、
図38B及び
図40Bに示すように、ソレノイド124の可動鉄芯124bがバネ124cの力に抗って本体部124aに近接する方向(左方向)に移動されているため、本体部124aに係合している係合部125aも左方向に移動されている。そのため、第1の伝達部材125は、被支持部125bを中心として、前方向からの視点で反時計回りに回わり、回転部125cの開口部が下側に移動する。そして、第2の伝達部材126は、第1の伝達部材125の回転部125cに係合した被係合部126aが下側に移動したため、右方向からの視点で時計回りに回わり、被支持部126bが上方向に移動する。そうすると、可動部材127は、突起部127bが突起部126cに押さえつけられなくなり、それに伴って回転軸127aを中心として、右方向からの視点で反時計回りに回転し、玉受面127cが流路部121a(前カバー121の開口部)を開放させる。
【0335】
これにより、第3の電動役物120は、ソレノイド124に電力が供給されると、玉受面127cが遊技盤5よりも前方側に位置することになる。
【0336】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図38Bに示すように、玉受面127cで受け止められ、玉受面127c及び流路部121aを介して入賞口検出センサ128を通過する。
【0337】
以上のように、第3の電動役物120は、入賞口(入賞口検出センサ128)を開閉する可動部材127と、可動部材127を動作させるソレノイド124と、ソレノイド124の動作を可動部材127に伝達する第1の伝達部材125及び第2の伝達部材126と、可動部材127を閉じるように付勢するバネ124cとを備え、これらによって入賞口が開閉される。
【0338】
[5.4 第4の電動役物]
図41は、第4の電動役物130の斜視図である。
図41Aは、閉状態の第4の電動役物130の斜視図であり、
図41Bは、開状態の第4の電動役物130の斜視図である。
図42は、第4の電動役物130の分解斜視図である。
図43は、第4の電動役物130の部分斜視図である。
図43Aは、閉状態の第4の電動役物130の部分斜視図であり、
図43Bは、開状態の第4の電動役物130の部分斜視図である。
【0339】
図41~
図43に示すように、第4の電動役物130は、前カバー131、後カバー132、中カバー133、ソレノイド134、伝達部材135、可動部材136、入賞口検出センサ137を備える。
【0340】
第4の電動役物130は、前カバー131及び後カバー132によって形成される空間に、中カバー133、ソレノイド134、伝達部材135、可動部材136及び入賞口検出センサ137が収容されている。中カバー133は、前カバー131及び後カバー132によって形成される空間を前後方向に分割するように配置されている。
【0341】
前カバー131及び中カバー133の間に形成される空間には、伝達部材135、可動部材136及び入賞口検出センサ137が収容されている。後カバー132及び中カバー133の間に形成される空間には、ソレノイド134が収容されている。
【0342】
ソレノイド134は、コイルが内部に設けられた本体部134a、可動鉄芯134b及びバネ134cを備える。ソレノイド134は、電力が供給されコイルが通電されることにより可動鉄芯134bがバネ134cの力に抗って本体部134a側に移動する。また、ソレノイド134は、電力が遮断されコイルが通電されなくなるとバネ134cが元に戻ろうとする力(付勢力)によって可動鉄芯134bが本体部134aから離隔する方向に移動する。
【0343】
ソレノイド134の本体部134aは後カバー132に固定されており、可動鉄芯134bに伝達部材135の係合部135aが係合されている。伝達部材135は、略L字型に形成されており、係合部135aが前後方向に延在するとともに、前後方向に貫通する貫通孔135bが形成された本体部が前後方向と直交する面方向に延在している。
貫通孔135bには、可動部材136の突起部136aが挿通されている。可動部材136は、前カバー131の背面から後方向に突起した支持部(不図示)に被支持部136bが支持されている。
【0344】
可動部材136は、略三日月形状に形成されており、被支持部136bを中心として、前後方向に直交する面上で回転自在に支持されている。可動部材136は、背面から後方向に突起した突起部136aが形成されているとともに、平面状の玉受面136cが前カバー131の開口部131a側に形成されている。
【0345】
このような構成でなる第4の電動役物130は、ソレノイド134に電力が供給されていない状態で、
図41A及び
図43Aに示すように、ソレノイド134の可動鉄芯134bがバネ134cのバネ力により本体部134aから離隔する方向(右上方向)に移動されているため、可動鉄芯134bに係合している伝達部材135も右上方向に移動されている。そのため、可動部材136は、被支持部136bを中心として、前方向からの視点で時計回りに回った状態となっている。そのため、可動部材136は、全体として上下方向に延在している。
【0346】
これにより、第4の電動役物130は、ソレノイド134に電力が供給されていない状態で、原点位置として、可動部材136が開口部131aを塞ぐように位置している。
【0347】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図41Aに示すように、可動部材136よりも左側を通って下方向に落下することになり、入賞口検出センサ137を通過することはない。
【0348】
そして、第4の電動役物130は、ソレノイド134に電力が供給されると、
図41B及び
図43Bに示すように、ソレノイド134の可動鉄芯134bがバネ134cの力に抗って本体部134aに近接する方向(左下方向)に移動されているため、可動鉄芯134bに係合している伝達部材135も左下方向に移動されている。そして、伝達部材135の貫通孔135bに挿通された突起部136aも左下方向に移動されるため、可動部材136は、被支持部136bを中心として、前方向からの視点で反時計回りに回転される。
【0349】
これにより、第4の電動役物130は、ソレノイド134に電力が供給されると、可動部材136が開口部131aを開放するように位置する。
【0350】
したがって、右遊技領域19bを転動してきた遊技球Bは、
図41Bに示すように、玉受面136cの上を通って右下方向に流下した後、入賞口検出センサ137を通過する。
【0351】
以上のように、第4の電動役物130は、入賞口(入賞口検出センサ137)を開閉する可動部材136と、可動部材136を動作させるソレノイド134と、ソレノイド134の動作を可動部材136に伝達する伝達部材135と、可動部材136を閉じるように付勢するバネ134cとを備え、これらによって入賞口が開閉される。
【0352】
<6.遊技機の構成例>
以下では、遊技機1の構成例を説明する。
【0353】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A1-1)を有する。
(構成A1-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、を備え、前記第1可動部材は、前記第2可動部材より質量が小さく、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより消費電力が低い構成とされている。
【0354】
この(構成A1-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。
また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。
【0355】
また、第1可動部材(第1の可動部材106及び第2の可動部材107)の質量は合計で約7gであり、第2可動部材(可動部材117)の質量は約10gである。
【0356】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が12V、抵抗値が120Ωであり、消費電力が1.2Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。
【0357】
したがって、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させる第1ソレノイドは、質量が相対的に大きい第2可動部材を動作させる第2ソレノイドよりも消費電力が低い構成となっている。
【0358】
そして、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力が低い構成とすることにより(トルクを小さくすることにより)、例えば共通の仕様のソレノイドを用いる場合と比べて消費電力を低くすることがきる。これにより、第1ソレノイドの発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0359】
また実施の形態の遊技機1は(構成A1-1)に加えて、次の(構成A1-2)を有する。
(構成A1-2)
遊技機1は、前記第1ソレノイドの動作を前記第1可動部材に伝達する第1伝達機構と、前記第2ソレノイドの動作を前記第2可動部材に伝達する第2伝達機構と、を備え、前記第1可動部材および前記第1伝達機構の総質量は、前記第2可動部材および前記第2伝達機構の総質量より小さい構成とされている。
【0360】
この(構成A1-2)の考え方の場合、第1伝達機構は伝達部材105に相当し、第2伝達機構は第1の伝達部材115及び第2の伝達部材116に相当する。
また、第1伝達機構(伝達部材105)の質量は約2gであり、第2伝達機構(第1の伝達部材115及び第2の伝達部材116)の質量は合計で約5gである。
したがって、第1可動部材及び第1伝達機構の総質量(約9g)は、第2可動部材及び第2伝達機構の総質量(15g)より小さい。
【0361】
したがって、第1ソレノイドは、相対的に総質量が小さい第1可動部材及び第1伝達機構を動作させることになり、第2ソレノイドは、相対的に総質量が大きい第2可動部材及び第2伝達機構を動作させることになる。
【0362】
そして、総質量が相対的に小さい第1可動部材及び第1伝達機構を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力を低くすることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0363】
また実施の形態の遊技機1は(構成A1-1)又は(構成A1-2)に加えて、次の(構成A1-3)を有する。
(構成A1-3)
遊技機1は、前記第1可動部材及び前記第2可動部材は入賞口を開閉し、前記第1可動部材における遊技球の転動方向の長さは、前記第2可動部材における遊技球の転動方向の長さより短い構成とされる。
【0364】
この(構成A1-3)の考え方の場合、第1可動部材によって開閉される入賞口は第2始動口24に相当し、第2可動部材によって開閉される入賞口は第1大入賞口27又は第2大入賞口28に相当し、第1可動部材(第1の可動部材106)の左右方向(転動方向)の長さは55mm以下であり、第2可動部材(可動部材117)の左右方向(転動方向)の長さは55mmよりも長く135mm以下である。
【0365】
そして、第1ソレノイドは、相対的に転動方向の長さが短く動作させるためのトルクが小さくてよい第1可動部材を動作させることになり、第2ソレノイドは、相対的に転動方向の長さが長く動作させるためのトルクが大きくなる第2可動部材を動作させることになる。
【0366】
このように、相対的に転動方向の長さが短い第1可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力を低くすることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0367】
また実施の形態の遊技機1は(構成A1-1)~(構成A1-3)に加えて、次の(構成A1-4)を有する。
(構成A1-4)
遊技機1は、前記第1可動部材を原点位置に戻るように付勢する第1バネと、前記第2可動部材を原点位置に戻るように付勢する第2バネと、を備え、前記第1バネは、前記第2バネよりバネ定数が小さい構成とされる。
【0368】
この(構成A1-4)の考え方の場合、第1バネはバネ104cに相当し、第2バネはバネ114cに相当する。
また、第1バネ(バネ104c)のバネ定数は25.2gf/mmであり、第2バネ(バネ114c)のばね定数は28.7gf/mmである。
【0369】
そして、第1ソレノイド及び第2ソレノイドは、電力が供給されると、第1バネ及び第2バネにそれぞれ抗って可動鉄芯104b及び可動鉄芯114bを移動させ、第1可動部材及び第2可動部材を動作させる。
【0370】
このように、バネ定数が小さい第1バネに抗って動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力を低くすることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0371】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A2-1)を有する。
(構成A2-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、を備え、前記第1可動部材は、前記第2可動部材より質量が小さく、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより抵抗値が大きい構成とされている。
【0372】
この(構成A2-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。
【0373】
また、第1可動部材(第1の可動部材106及び第2の可動部材107)の質量は合計で約7gであり、第2可動部材(可動部材117)の質量は約10gである。
【0374】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が240Ωであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0375】
したがって、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させる第1ソレノイドは、質量が相対的に大きい第2可動部材を動作させる第2ソレノイドよりも抵抗値が大きい構成となっている。
【0376】
このように、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの抵抗値を大きくして消費電力を低くすることができる。これにより、例えば共通の仕様のソレノイドを用いる場合と比べて、消費電力を低下させることができるとともに、第1ソレノイドの発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0377】
また実施の形態の遊技機1は(構成A2-1)に加えて、次の(構成A2-2)を有する。
(構成A2-2)
遊技機1は、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドは、同一電圧で動作する構成とされる。
【0378】
この(構成A2-2)の考え方の場合、上記したように、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35V直流電圧で同一となっている。
【0379】
すなわち、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一であり、かつ、第1ソレノイドが第2ソレノイドより抵抗値が大きいため、第1ソレノイドは第2ソレノイドより消費電力が低い。
【0380】
そして、質量が相対的に小さい可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力を低くすることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0381】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A3-1)を有する。
(構成A3-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、を備え、前記第1可動部材は、前記第2可動部材より質量が小さく、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより動作時の電流値が小さい構成とされている。
【0382】
この(構成A3-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。
【0383】
また、第1可動部材(第1の可動部材106及び第2の可動部材107)の質量は合計で約7gであり、第2可動部材(可動部材117)の質量は約10gである。
【0384】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が60mAであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が146mAであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0385】
したがって、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させる第1ソレノイドは、質量が相対的に大きい第2可動部材を動作させる第2ソレノイドよりも電流値が小さい構成となっている。
【0386】
そして、質量が相対的に小さい第1可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの電流値を小さくして消費電力を低くすることができる。これにより、例えば共通の仕様のソレノイドを用いる場合と比べて、第1ソレノイドの消費電力を低下させることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0387】
また実施の形態の遊技機1は(構成A3-1)に加えて、次の(構成A3-2)を有する。
(構成A3-2)
遊技機1は、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドは、同一電圧で動作する構成とされる。
【0388】
この(構成A3-2)の考え方の場合、上記したように、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一となっている。
【0389】
すなわち、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一であり、かつ、第1ソレノイドが第2ソレノイドより電流値が小さいため、第1ソレノイドは第2ソレノイドより消費電力が低い。
【0390】
そして、質量が相対的に小さい可動部材を動作させるために必要なトルクは小さくてよいため、第1ソレノイドの消費電力を低くすることができるとともに、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0391】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A4-1)を有する。
(構成A4-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、設定されている状態に基づいて前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、設定されている状態に基づいて前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより消費電力が低く、前記第1可動部材が最も動作される第1状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記第2可動部材が最も開放される第2状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0392】
この(構成A4-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0393】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が12V、抵抗値が120Ωであり、消費電力が1.2Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。
【0394】
また、第1可動部材が最も動作(開放)される第1状態は時短状態に相当し、第1状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、以下のようにして求まる。
時短状態は全て高確率状態であり、高確率状態での大当りの当選確率は(658/65536≒1/99.9)であり、かつ、
図23に示したように、はずれ時の特別図柄の変動時間及び確定時間(保0でない場合)は合計でほぼ1.5sであり、大当り時の変動時間及び確定時間は平均すると合計で約65sである。そのため、1回の時短状態における特別図柄変動表示ゲーム数が約100回となり、時短状態の平均滞在時間は約215s(1.5s×100+65)である。
【0395】
また、
図11に示したように、高確率状態における普通図柄の変動時間及び確定時間の合計は628msであり、かつ、
図13に示したように、高確率状態における普電開放遊技の平均時間は約5.74s(開放時間で最大入賞数の遊技球が入球しにくいため)となる。そのため、第1状態における第1可動部材の平均開放回数は約33.8回(215/6.368(0.628+5.74))となる。
【0396】
そして、時短状態における1回の普電開放遊技での第1可動部材の平均開放時間は約5.7sであるため、第1状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、5.7s×33.8回=約192.7sとなる。
【0397】
一方、第2可動部材が最も動作(開放)される第2状態は大当り遊技に相当し、第2状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、上記したように、大当り種別が大当り1で約25.2s、大当り2で約63s、大当り3で約25.2sとなる(
図25参照)。
【0398】
したがって、いずれの大当り種別であっても、第1状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、第2状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0399】
そして、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0400】
また実施の形態の遊技機1は(構成A4-1)に加えて、次の(構成A4-2)を有する。
(構成A4-2)
遊技機1は、前記第1状態における前記第1可動部材の平均非動作時間は、前記第2状態における前記第2可動部材の平均非動作時間より短い構成とされる。
【0401】
この(構成A4-2)の考え方の場合、高確率状態(時短状態)における普通図柄の変動時間及び確定時間の合計は628msであり(
図11参照)、かつ、普電開放遊技における第2始動口24の閉鎖時間(開放前インターバル時間及び解放後インターバル時間)は40msであるため、第1状態において第1可動部材が動作していない平均非動作時間(平均閉鎖時間)は約22.6s(0.668×33.8)である(
図13参照)。
【0402】
一方、第2状態における第2可動部材の平均非動作時間(平均閉鎖時間)は、大当り種別が大当り1で約39.0s(64.2-25.2)、大当り2で約57s(120-63)、大当り3で約39.0sとなる(
図25参照)。
【0403】
したがって、いずれの大当り種別であっても、第1状態における第1可動部材の平均非動作時間(平均閉鎖時間)は、第2状態における第2可動部材の平均動作時間(平均閉鎖時間)よりも短い。
【0404】
そして、平均非動作時間(平均閉鎖時間)が短い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0405】
また実施の形態の遊技機1は(構成A4-1)又は(構成A4-2)に加えて、次の(構成A4-3)を有する。
(構成A4-3)
遊技機1は、前記第1状態における前記第1可動部材の動作比は、前記第2状態における前記第2可動部材の動作比より高い構成とされる。
【0406】
この(構成A4-3)の考え方の場合、第1状態(時短状態)における第1可動部材の動作比(開放比)は約0.90(192.7/215)である。
【0407】
一方、第2状態における第2可動部材の動作比(開放比)は、上記したように、大当り種別が大当り1で約0.3、大当り2で約0.53、大当り3で約0.3となる(
図25参照)。
【0408】
したがって、いずれの大当り種別であっても、第1状態における第1可動部材の動作比(開放比)は、第2状態における第2可動部材の動作比(開放比)より高い。
【0409】
そして、動作比(開放比)が高い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0410】
また実施の形態の遊技機1は(構成A4-1)~(構成A4-3)に加えて、次の(構成A4-4)を有する。
(構成A4-4)
遊技機1は、前記第1状態の平均滞在時間は、前記第2状態の平均滞在時間より長い構成とされる。
【0411】
この(構成A4-3)の考え方の場合、上記したように、時短状態の平均滞在時間は約215sであり、大当り遊技の平均滞在時間は、大当り種別が大当り1で約64.2s、大当り2で約120s、大当り3で約64.2sとなる。
【0412】
したがって、いずれの大当り種別であっても、第1状態における平均滞在時間は、第2状態における平均滞在時間よりも長い。
【0413】
そして、平均滞在時間が長い第1状態で動作する第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0414】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A5-1)を有する。
(構成A5-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、設定されている状態に基づいて前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、設定されている状態に基づいて前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより抵抗値が大きく、前記第1可動部材が最も動作される第1状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記第2可動部材が最も動作される第2状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0415】
この(構成A5-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0416】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が240Ωであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0417】
また、第1可動部材が最も動作(開放)される第1状態は時短状態に相当し、第2可動部材が最も動作(開放)される第2状態は大当り遊技に相当する。
そして、(構成A4-1)と同様に、いずれの大当り種別であっても、第1状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、第2状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0418】
このように、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの抵抗値を大きくして消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0419】
また実施の形態の遊技機1は(構成A5-1)に加えて、次の(構成A5-2)を有する。
(構成A5-2)
遊技機1は、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドは、同一電圧で動作する構成とされる。
【0420】
この(構成A5-2)の考え方の場合、上記したように、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一となっている。
【0421】
すなわち、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一であり、かつ、第1ソレノイドが第2ソレノイドより抵抗値が大きいため、第1ソレノイドは第2ソレノイドより消費電力が低い。
【0422】
このように、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの抵抗値を大きくして消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0423】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A6-1)を有する。
(構成A6-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、設定されている状態に基づいて前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、設定されている状態に基づいて前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより動作時の電流値が小さく、前記第1可動部材が最も動作される第1状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記第2可動部材が最も動作される第2状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0424】
この(構成A6-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0425】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が60mAであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が146mAであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0426】
また、第1可動部材が最も動作(開放)される第1状態は時短状態に相当し、第2可動部材が最も動作(開放)される第2状態は大当り遊技に相当する。
そして、(構成A4-1)と同様に、いずれの大当り種別であっても、第1状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、第2状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0427】
このように、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの電流値を小さくして消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0428】
また実施の形態の遊技機1は(構成A6-1)に加えて、次の(構成A6-2)を有する。
(構成A6-2)
遊技機1は、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドは、同一電圧で動作する構成とされる。
【0429】
この(構成A6-2)の考え方の場合、上記したように、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一となっている。
【0430】
すなわち、第1ソレノイド(ソレノイド104)及び第2ソレノイド(ソレノイド114)の動作電圧は35Vで同一であり、かつ、第1ソレノイドが第2ソレノイドより抵抗値が大きいため、第1ソレノイドは第2ソレノイドより消費電力が低い。
【0431】
このように、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの電流値を小さくして消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0432】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A7-1)を有する。
(構成A7-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより消費電力が低く、特定の状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記特定の状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0433】
この(構成A7-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0434】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が12V、抵抗値が120Ωであり、消費電力が1.2Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。
【0435】
また、特定の状態は、遊技球が右遊技領域19bに向けて発射されている状態、すなわち、時短状態及び大当り遊技状態を含めた右打ち状態である。
【0436】
時短状態は全て高確率状態であり、高確率状態での大当りの当選確率は(658/65536≒1/99.9)であり、かつ、
図23に示したように、はずれ時の特別図柄の変動時間及び確定時間(保0でない場合)は合計で1.5sであり、大当り時の特別図柄の変動時間及び確定時間は平均すると合計で約65sである。そのため、1回の時短状態における平均ゲーム数が約100回となり、時短状態の平均滞在時間は約215s(1.5s×100+65)である。
【0437】
また、
図11に示したように、高確率状態における普通図柄の変動時間及び確定時間の合計は628msであり、かつ、
図13に示したように、高確率状態における普電開放遊技の平均時間は約5.74s(開放時間で最大入賞数の遊技球が入球しにくいため)となる。そのため、時短状態(高確率状態)における第1可動部材の平均開放回数は約33.8回(215/6.368(0.628+5.74))となる。
【0438】
そして、時短状態における1回の普電開放遊技での第1可動部材の平均開放時間は約5.7sであるため、時短状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、5.7s×33.8回=約192.7sとなる。
【0439】
一方、大当り遊技における第2可動部材の平均開放時間は、上記したように、大当り種別が大当り1で約25.2s、大当り2で約63s、大当り3で約25.2sとなる。
【0440】
また、大当り遊技後には必ず時短状態になることから、大当り遊技及び時短状態が1セットとして、右打ち状態はそのセットが複数回繰り返されることになる。
【0441】
したがって、いずれの大当り種別であっても、特定の状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、特定の状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0442】
そして、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0443】
また実施の形態の遊技機1は(構成A7-1)に加えて、次の(構成A7-2)を有する。
(構成A7-2)
遊技機1は、前記第1可動部材は第1入賞口を開閉し、前記第2可動部材は第2入賞口を開閉し、前記遊技領域は、遊技球が流下する第1遊技領域、および、前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域を備え、前記第1入賞口および前記第2入賞口は、前記第1遊技領域を流下する遊技球より、前記第2遊技球を流下する遊技球の方が入球しやすい構成とされる。
【0444】
この(構成A7-2)の考え方の場合、第1入賞口は第2始動口24に相当し、第2入賞口は第1大入賞口27又は第2大入賞口28に相当し、第1遊技領域は左遊技領域19aに相当し、第2遊技領域は右遊技領域19bに相当する。
【0445】
そして、第1入賞口および第2入賞口が第2遊技領域に設けられているような場合において、第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0446】
また実施の形態の遊技機1は(構成A7-1)又は(構成A7-2)に加えて、次の(構成A7-3)を有する。
(構成A7-3)
遊技機1は、前記第1可動部材は第1入賞口を開閉し、前記第2可動部材は第2入賞口を開閉し、前記第1入賞口への遊技球の入球に基づいて当り判定を行う判定手段と、前記当りの判定がなされると、前記第2大入賞口が開放される当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、前記第1入賞口に他の所定の状態より容易に入球可能な第1状態に設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記特定の状態は、当り状態中および前記第1状態中である構成とされる。
【0447】
この(構成A7-3)の考え方の場合、第1入賞口は第2始動口24に相当し、第2入賞口は第1大入賞口27又は第2大入賞口28に相当し、判定手段及び当り遊技実行手段はCPU40aに相当し、当り判定は大当り抽選に相当し、当り遊技は大当り遊技に相当し、第1状態は時短状態に相当する。
【0448】
そして、当り状態中および第1状態中の平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0449】
また実施の形態の遊技機1は(構成A7-1)~(構成A7-3)に加えて、次の(構成A7-4)を有する。
(構成A7-4)
遊技機1は、前記遊技状態設定手段は、前記当り遊技後に前記第1状態に設定可能である構成とされる。
【0450】
この(構成A7-4)の考え方の場合であっても、第1ソレノイドの消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0451】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A8-1)を有する。
(構成A8-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより抵抗値が大きく、特定の状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記特定の状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0452】
この(構成A8-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0453】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、抵抗値が580Ωであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、抵抗値が240Ωであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0454】
また、特定の状態は、遊技球が右遊技領域19bに向けて発射されている状態、すなわち、時短状態及び大当り遊技状態を含めた右打ち状態である。
そして、(構成A7-1)と同様に、いずれの大当り種別であっても、特定の状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、特定の状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0455】
そして、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの抵抗値を大きくし消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0456】
また実施の形態の遊技機1は(構成A8-1)に加えて、(構成A7-2)~(構成7-4)を有する。
【0457】
実施の形態の遊技機1は次の(構成A9-1)を有する。
(構成A9-1)
遊技機1は、遊技領域に設けられた第1可動部材と、遊技領域に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材を動作させる第1ソレノイドと、前記第2可動部材を動作させる第2ソレノイドと、複数の状態の何れかに設定する状態設定手段と、前記第1ソレノイドを動作させることで前記第1可動部材を動作制御する第1制御手段と、前記第2ソレノイドを動作させることで前記第2可動部材を動作制御する第2制御手段と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第2ソレノイドより動作時の電流値が小さく、特定の状態における前記第1可動部材の平均動作時間は、前記特定の状態における前記第2可動部材の平均動作時間よりも長い構成とされている。
【0458】
この(構成A9-1)の考え方の場合、例えば、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用することができる。
また、第1可動部材は第1の可動部材106及び第2の可動部材107に相当し、第1ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25a(ソレノイド104)に相当する。また、第2可動部材は可動部材117に相当し、第2ソレノイドは第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a(ソレノイド114)に相当する。また、状態設定手段、第1制御手段及び第2制御手段はCPU40aに相当する。
【0459】
また、第1ソレノイド(ソレノイド104)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が60mAであり、消費電力が2.1Wとなっている。第2ソレノイド(ソレノイド114)は、印加電圧が35V、動作時の電流値が146mAであり、消費電力が5.1Wとなっている。
【0460】
また、特定の状態は、遊技球が右遊技領域19bに向けて発射されている状態、すなわち、時短状態及び大当り遊技状態を含めた右打ち状態である。
そして、(構成A7-1)と同様に、いずれの大当り種別であっても、特定の状態における第1可動部材の平均動作時間(平均開放時間)は、特定の状態における第2可動部材の平均動作時間(平均開放時間)よりも長い。
【0461】
そして、平均動作時間(平均開放時間)が長い第1可動部材を動作させる第1ソレノイドの電流値を小さくし消費電力を低下させることで、発熱を抑制し、第1ソレノイドが破損してしまうことを抑制することができる。
【0462】
また実施の形態の遊技機1は(構成A9-1)に加えて、(構成A7-2)~(構成7-4)を有する。
【0463】
なお、上記した(構成A1-1)~(構成A9-1)では、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用する場合について説明した。しかしながら、普通電動役物25、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30は、(構成A1-1)~(構成A9-1)を満たすのであれば、第1の電動役物100、第2の電動役物110、第3の電動役物120、及び、第4の電動役物130のいずれを適用するようにしてもよい。
【0464】
例えば、普通電動役物25として第4の電動役物130を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第3の電動役物120を適用するようにしてもよい。特に、第4の電動役物130は、可動部材136に遊技球が衝突しやすく、その衝突により可動部材136が開かないようにバネ134cのバネ定数が、他の電動役物のバネ(104c、114c、124c)よりも高く設定されている。そのため、第4の電動役物130のソレノイド134は消費電力が他のソレノイド(104、114、124)より高いものとなる。したがって、第4の電動役物130を適用する場合、上記(構成A1-1)~(構成A9-1)において第2ソレノイドとしてソレノイド134を適用し、第1ソレノイドとして他のソレノイド(104、114、124)を適用することが考えられる。
【0465】
なお、上記した(構成A1-1)~(構成A9-1)では、普通電動役物25として第1の電動役物100を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第2の電動役物110を適用する場合について説明した。しかしながら、普通電動役物25、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30は、(構成A1-1)~(構成A9-1)を満たすのであれば、第1の電動役物100、第2の電動役物110、第3の電動役物120、及び、第4の電動役物130のいずれを適用するようにしてもよい。
【0466】
例えば、普通電動役物25として第4の電動役物130を適用し、第1特別電動役物29及び第2特別電動役物30として第3の電動役物120を適用するようにしてもよい。特に、第4の電動役物130は、可動部材136に遊技球が衝突しやすく、その衝突により可動部材136が開かないようにバネ134cのバネ定数が、他の電動役物のバネ(104c、114c、124c)よりも高く設定されている。そのため、第4の電動役物130のソレノイド134は消費電力が他のソレノイド(104、114、124)より高いものとなる。したがって、第4の電動役物130を適用する場合、上記(構成A1-1)~(構成A9-1)において第2ソレノイドとしてソレノイド134を適用し、第1ソレノイドとして他のソレノイド(104、114、124)を適用することが考えられる。
【0467】
<7.基板の接続構成>
[7.1 各基板の接続状態]
遊技機1に設けられた各基板への電源電圧の供給経路について説明する。
【0468】
図44は、遊技機1の電源系統図である。なお、
図44では、35V直流電圧を一点鎖線で示し、12V直流電圧を実線で示し、5V直流電圧を破線で示す。
図44に示すように、遊技機1には、上記した主制御基板40、演出制御基板41、払出制御基板42、枠用外部集中端子基板43、発射制御基板45に加え、電源基板200、遊技盤接続基板201、遊技盤接続基板202、バックアップ基板203を備える。なお、これらの各基板は、遊技機1に搭載される基板の一部であり、図示するもの以外にも各種の基板が設けられている。
【0469】
電源基板200は、AC入力電源(例えば24V)に基づいて各部の動作電源となる直流電圧を供給する基板である。電源基板200は、AC入力電源から35V直流電圧、12V直流電圧及び5V直流電圧を生成する。そして、電源基板200は、35V直流電圧、12V直流電圧及び5V直流電圧を払出制御基板42及び演出制御基板41に供給する。
【0470】
払出制御基板42には、主制御基板40、バックアップ基板203、遊技球払出装置46、枠用外部集中端子基板43及び発射制御基板45が接続されている。払出制御基板42は、電源基板200から供給される35V直流電圧を主制御基板40及び発射制御基板45に供給し、12V直流電圧を主制御基板40、枠用外部集中端子基板43及び遊技球払出装置46に供給し、5V直流電圧を主制御基板40及び発射制御基板45に供給する。
【0471】
主制御基板40は、遊技盤接続基板201が接続されており、払出制御基板42から供給される35V直流電圧、12V直流電圧及び5V直流電圧を遊技盤接続基板201に供給する。
【0472】
遊技盤接続基板201は、主制御基板40及び遊技盤接続基板202が接続されている。遊技盤接続基板201は、詳しくは後述するように、左磁気センサ、中磁気センサ、下電波センサ及び2個の一般入賞口検出センサ31aと、主制御基板40とを接続する中継基板である。また、遊技盤接続基板201は、主制御基板40から供給される35V直流電圧、12V直流電圧及び5V直流電圧を遊技盤接続基板202に供給する中継基板としても機能する。
【0473】
遊技盤接続基板202は、詳しくは後述するように、普通電動役物ソレノイド25a、第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a、第1大入賞口検出センサ27a、第2大入賞口検出センサ28a、普通図柄ゲート検出センサ26a、OUT監視センサ32a、右磁気センサ、右上磁気センサ、右下磁気センサ、上電波センサと、主制御基板40とを、遊技盤接続基板201を介して接続する中継基板である。
【0474】
バックアップ基板203は、払出制御基板42から供給される5V直流電圧によってバックアップ電源を生成し、電源断時に、主制御基板40にバックアップ電源を供給する。
【0475】
[7.2 遊技盤接続基板201(第2の遊技盤接続基板)の回路構成]
図45は、遊技盤接続基板201に設けられる回路構成を示した図である。
図45に示すように、遊技盤接続基板201には、コネクタCN1~CN7が搭載される。
なお説明の便宜上、コネクタCNの「ピン」という用語は、ピン形状のオス端子のみを指すのではなく、オス端子、メス端子のいずれも含み、また、いわゆる平面上のコンタクトパターンや、それに対応する端子なども含むものとして用いる。
【0476】
コネクタCN1は主制御基板40との間を接続する伝送線路H1(
図44参照)の伝送線路端が接続される。
コネクタCN1は“1”~“40”の数字を付したように第1ピンから第40ピンまでの40端子構成である。
第1ピン、第2ピン、第3ピン、第7ピン、第11ピン、第12ピン、第21ピン、第38ピン、第39ピン、第40ピンはグランド端子とされる。
第4ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされる。
第5ピンは、第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号の端子としてアサインされている。
第6ピンは、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御信号の端子としてアサインされている。
第8ピンは、普通電動役物ソレノイド25aの制御信号の端子としてアサインされている。
第9ピン、第10ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第13ピン、第15ピン、第17ピン、第19ピンは、主制御基板40から出力される信号(SPI_RESET、SPI_CS、SPI_CLK、SPI_DATA)の端子としてアサインされており、抵抗R1~R4を介してグランドに接続されている。
第14ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第16ピン、第18ピン、第20ピン、第22ピン、第24ピン、第26ピンは、磁気センサ(左、中、右下、右、右上、右上)の検出信号の端子としてアサインされている。なお、磁気センサの前に記載している位置(左、中、右下、右、右上、右上)は、遊技盤5の裏面において磁気センサが配置されている位置に対応している。
第23ピン、第27ピンは、電波センサ(上、下)の検出信号の端子としてアサインされている。なお、電波センサの前に記載している位置(上、下)は、遊技盤5の裏面において電波センサが配置されている位置に対応している。
第25ピン、第28ピン、第29ピン、第31ピンは、接続確認信号(5、2、4、3)の端子としてアサインされている。なお、第25ピン、第28ピンは、抵抗R5、R6を介してグランドに接続されている。
第30ピンは、OUT監視センサ32aの検出信号の端子としてアサインされている。
第32ピンは、中磁気センサの校正信号の端子としてアサインされている。
第33ピンは、第2大入賞口検出センサ28aの検出信号の端子としてアサインされている。
第34ピン、第36ピンは、一般入賞口検出センサ31aの検出信号の端子としてアサインされている。
第35ピンは、第1大入賞口検出センサ27aの検出信号の端子としてアサインされている。
第37ピンは、普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0477】
コネクタCN2は、遊技盤接続基板202との間を接続する伝送線路H2の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN2は“1”~“22”の数字を付したように第1ピンから第22ピンまでの22端子構成である。
第1ピン、第2ピン、第8ピン、第15ピン、第21ピン、第22ピンは、グランド端子とされる。
第3ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされる。
第4ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第5ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第6ピンは、第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号の端子としてアサインされている。
第7ピンは、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御信号の端子としてアサインされている。
第9ピンは、普通電動役物ソレノイド25aの制御信号の端子としてアサインされている。
第10ピンは、第1大入賞口検出センサ27aの検出信号の端子としてアサインされている。
第11ピンは、第2大入賞口検出センサ28aの検出信号の端子としてアサインされている。
第12ピン、第13ピンは、接続確認信号(3、4)の端子としてアサインされている。
第14ピンは、普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号の端子としてアサインされている。
第16ピン、第17ピン、第18ピンは、磁気センサ(右下、右、右上)の検出信号の端子としてアサインされている。
第19ピンは、上電波センサの検出信号の端子としてアサインされている。
第20ピンは、OUT監視センサ32aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0478】
コネクタCN3は、左磁気センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN3は“1”~“3”の数字を付したように第1ピンから第3ピンまでの3端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第3ピンは、左磁気センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0479】
コネクタCN4は、中磁気センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN4は“1”~“5”の数字を付したように第1ピンから第5ピンまでの5端子構成である。
第1ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第2ピンは、中磁気センサの校正信号の端子としてアサインされている。
第3ピンは、中磁気センサの感度設定用の端子としてアサインされており、抵抗R7を介してグランドに接続されている。
第4ピンは、中磁気センサの検出信号の端子としてアサインされている。
第5ピンは、グランド端子とされる。
【0480】
コネクタCN5、CN6は、一般入賞口検出センサ31aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN5、CN6は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、一般入賞口検出センサ31aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0481】
コネクタCN7は、下電波センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN7は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、下電波センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0482】
遊技盤接続基板201では、主制御基板40から供給される35V直流電圧、12V直流電圧、5V直流電圧が、コネクタCN1の第4ピン、第9ピン(第10ピン)、第14ピンをそれぞれ介して供給される。そして、35V直流電圧は、遊技盤接続基板201内を通してコネクタCN2の第3ピンに供給される。また、12V直流電圧は、遊技盤接続基板201内を通してコネクタCN2の第4ピンに供給される。
5V直流電圧は遊技盤接続基板201内で分岐され、コネクタCN2の第5ピン、コネクタCN3の第2ピン、コネクタCN3の第1ピン、コネクタCN4の第1ピンにそれぞれ供給される。
【0483】
左磁気センサは、コネクタCN3の第2ピンを介して供給される5V直流電圧によって作動し、磁気を検出した場合には検出信号をコネクタCN3の第2ピン、コネクタCN1の第16ピンを介して主制御基板40に出力する。
中磁気センサは、コネクタCN4の第1ピンを介して供給される5V直流電圧によって作動し、校正信号をコネクタCN4の第2ピン、コネクタCN1の第32ピンを介して主制御基板40に出力し、磁気を検出した場合には検出信号をコネクタCN4の第4ピン、コネクタCN1の第18ピンを介して主制御基板40に出力する。
下電波センサは、電波を検出した場合には検出信号をコネクタCN7の第2ピン、コネクタCN1の第27ピンを介して主制御基板40に出力する。
1個の一般入賞口検出センサ31aは、遊技球の通過を検出した場合(コイルに遊技球が通過して電磁誘導が発生して電流が流れた場合)には検出信号をコネクタCN5の第2ピン、コネクタCN1の第34ピンを介して主制御基板40に出力する。
別の一般入賞口検出センサ31aは、遊技球の通過を検出した場合(コイルに遊技球が通過して電磁誘導が発生して電流が流れた場合)には検出信号をコネクタCN6の第2ピン、コネクタCN1の第36ピンを介して主制御基板40に出力する。
【0484】
[7.3 遊技盤接続基板202(第2の遊技盤接続基板)の回路構成]
図46は、遊技盤接続基板202に設けられる回路構成を示した図である。
図46に示すように、遊技盤接続基板202には、コネクタCN11~CN22が搭載される。
【0485】
コネクタCN11は、遊技盤接続基板201との間を接続する伝送線路H2(
図44参照)の伝送線路端が接続されており、“1”~“22”の数字を付したように第1ピンから第22ピンまでの22端子構成である。したがって、コネクタCN11の第1ピン~第22ピンは、遊技盤接続基板201のコネクタCN2の第1ピン~第22ピンと同様である。
なお、第12ピン、第13ピンは、抵抗R11、R12を介してグランドに接続されている。
【0486】
コネクタCN12は、第1特別電動役物ソレノイド29aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN12は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされる。
第2ピンは、第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号の端子としてアサインされている。
【0487】
コネクタCN13は、第2特別電動役物ソレノイド30aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN13は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、35V直流電圧(DC35VA)の端子とされる。
第2ピンは、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御信号の端子としてアサインされている。
【0488】
コネクタCN14は、普通電動役物ソレノイド25aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN14は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第2ピンは、普通電動役物ソレノイド25aの制御信号の端子としてアサインされている。
また、コネクタCN14の第1ピンが接続され12V直流電圧(DC12VA)が供給される電源ラインL1には、保護回路としてのダイオードD1が設けられる。なお、ダイオードD1は、アノードに12V直流電圧が印加され、カソードがコネクタCN14の第1ピンと接続されている。
また、電源ラインL1におけるダイオードD1よりもコネクタCN14の第1ピン側は、抵抗R13を介してグランド接続される。
また、電源ラインL1における抵抗R13が接続されている位置よりコネクタCN14の第1ピン側と、コネクタCN14の第2ピン及びコネクタCN11の第9ピンの間を接続する電送ラインL2とは、逆起電力保護回路としてのダイオードD2によって接続されている。なお、ダイオードD2は、アノードに電送ラインL2が接続され、カソードに電源ラインL1が接続されている。
【0489】
コネクタCN15は、第1大入賞口検出センサ27aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN15は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、第1大入賞口検出センサ27aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0490】
コネクタCN16は、第2大入賞口検出センサ28aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN16は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、第2大入賞口検出センサ28aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0491】
コネクタCN17は、右磁気センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN17は“1”~“3”の数字を付したように第1ピンから第3ピンまでの3端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第3ピンは、右磁気センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0492】
コネクタCN18は、右上磁気センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN18は“1”~“3”の数字を付したように第1ピンから第3ピンまでの3端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第3ピンは、右上磁気センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0493】
コネクタCN19は、普通図柄ゲート検出センサ26aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN19は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0494】
コネクタCN20は、右下磁気センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN20は“1”~“3”の数字を付したように第1ピンから第3ピンまでの3端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、5V直流電圧(DC5VS)の端子とされる。
第3ピンは、右下磁気センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0495】
コネクタCN21は、上電波センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN21は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、上電波センサの検出信号の端子としてアサインされている。
【0496】
コネクタCN22は、OUT監視センサ32aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN22は“1”~“3”の数字を付したように第1ピンから第3ピンまでの3端子構成である。
第1ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第2ピンは、グランド端子とされる。
第3ピンは、OUT監視センサ32aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0497】
遊技盤接続基板202では、主制御基板40から遊技盤接続基板201を介して供給される35V直流電圧、12V直流電圧、5V直流電圧が、コネクタCN11の第3ピン、第4ピン、第5ピンに供給される。そして、35V直流電圧は、遊技盤接続基板202内で分岐され、コネクタCN12の第1ピン、及び、コネクタCN13の第1ピンに供給される。
また、12V直流電圧は、遊技盤接続基板202内で分岐され、コネクタCN14の第1ピン、及び、コネクタCN22の第1ピンに供給される。
また、5V直流電圧は、遊技盤接続基板202内で分岐され、コネクタCN17の第2ピン、コネクタCN18の第2ピン、及び、コネクタCN20の第2ピンに供給される。
【0498】
第1特別電動役物ソレノイド29aは、コネクタCN12の第1ピンを介して供給される35V直流電圧によって作動し、コネクタCN11の第6ピン、コネクタCN12の第2ピンを介して入力される制御信号に基づいて動作する。
第2特別電動役物ソレノイド30aは、コネクタCN13の第1ピンを介して供給される35V直流電圧によって作動し、コネクタCN11の第7ピン、コネクタCN13の第2ピンを介して入力される制御信号に基づいて動作する。
普通電動役物ソレノイド25aは、コネクタCN14の第1ピンを介して供給される12V直流電圧によって作動し、コネクタCN11の第9ピン、コネクタCN14の第2ピンを介して入力される制御信号に基づいて動作する。
【0499】
右磁気センサは、コネクタCN17の第2ピンを介して供給される5V直流電圧によって作動し、磁気を検出した場合には検出信号をコネクタCN17の第3ピン、コネクタCN11の第17ピンを介して遊技盤接続基板201(主制御基板40)に出力する。
右上磁気センサは、コネクタCN18の第2ピンを介して供給される5V直流電圧によって作動し、磁気を検出した場合には検出信号をコネクタCN18の第3ピン、コネクタCN11の第18ピンを介して遊技盤接続基板201(主制御基板40)に出力する。
右下磁気センサは、コネクタCN20の第2ピンを介して供給される5V直流電圧によって作動し、磁気を検出した場合には検出信号をコネクタCN20の第3ピン、コネクタCN11の第16ピンを介して遊技盤接続基板201(主制御基板40)に出力する。
上電波センサは、電波を検出した場合には検出信号をコネクタCN21の第2ピン、コネクタCN11の第19ピンを介して主制御基板40(主制御基板40)に出力する。
OUT監視センサ32aは、コネクタCN22の第1ピンを介して供給される12V直流電圧によって作動し、遊技球の通過を検出した場合(コイルに遊技球が通過して電磁誘導が発生して電流が流れた場合)には検出信号をコネクタCN22の第3ピン、コネクタCN11の第20ピンを介して遊技盤接続基板201(主制御基板40)に出力する。
【0500】
[7.4 主制御基板40の回路構成]
図47Aは、主制御基板40に設けられる回路構成を示した図である。
図47Bは、集積回路IC1の等価回路を示した図である。
図48は、主制御基板40に設けられる回路構成を示した図である。なお、
図47A及び
図48は、主制御基板40に設けられる回路構成の一部を示したものであり、主制御基板40には、
図47A及び
図48に示す回路以外の回路が設けられている。
【0501】
図47Aに示すように、主制御基板40には、集積回路IC1が搭載される。集積回路IC1は、CPU40aと、遊技盤接続基板201に接続する伝送線路H1が接続されるコネクタ(不図示)との間に設けられる。
集積回路IC1は、“1”~“16”の数字を付したように第1ピンから第16ピンまでの16端子構成である。
第1ピン、第8ピン、第10ピン、第15ピンはいずれにも接続されない端子とされる。
第2ピンは、汎用ソレノイドの制御信号(BSOL1)の出力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第7ピンに接続されている。
第3ピンは、汎用ソレノイドの制御信号(SOL1)の入力端子としてアサインされており、CPU40aに接続されている。なお、汎用ソレノイドとは、例えば、大入賞口内に設けられ、遊技状態を高確率状態及び時短遊技状態へ移行させるか否かを決定するための特定領域(V領域)を開閉制御するためのソレノイド等である。なお、本実施形態では汎用ソレノイドが設けられていないため遊技盤接続基板201でグランドに接続される(コネクタCN1の第7ピン)。このようにすることで、ソレノイドの数が4個までは、遊技機1が変更されても主制御基板40を共通利用することができる。
第4ピン、第5ピン、第12ピン、第13ピンはグランド端子とされる。
第6ピンは、第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号(SOL2)の入力端子としてアサインされており、CPU40aに接続されている。
第7ピンは、第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号(BSOL2)の出力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)、遊技盤接続基板201等を介して遊技盤接続基板202のコネクタCN11の第6ピンに接続されている。
第9ピンは、普通電動役物ソレノイド25aの制御信号(BSOL4)の出力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)、遊技盤接続基板201等を介して遊技盤接続基板202のコネクタCN11の第9ピンに接続されている。
第11ピンは、普通電動役物ソレノイド25aの制御信号(SOL4)の入力端子としてアサインされており、CPU40aに接続されている。
第14ピンは、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御信号(SOL3)の入力端子としてアサインされており、CPU40aに接続されている。
第16ピンは、第2特別電動役物ソレノイド30aの制御信号(BSOL3)の出力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)、遊技盤接続基板201等を介して遊技盤接続基板202のコネクタCN11の第7ピンに接続されている。
【0502】
集積回路IC1は、4つのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)Q1~Q4を含んで構成されている。MOSFETQ1は、ゲートが第3ピンに接続され、ドレインが第2ピンに接続され、ソースが第4ピンに接続されている。
MOSFETQ2は、ゲートが第6ピンに接続され、ドレインが第7ピンに接続され、ソースが第5ピンに接続されている。
MOSFETQ3は、ゲートが第14ピンに接続され、ドレインが第16ピンに接続され、ソースが第12ピンに接続されている。
MOSFETQ4は、ゲートが第11ピンに接続され、ドレインが第9ピンに接続され、ソースが第13ピンに接続されている。
【0503】
集積回路IC1の第2ピンと、遊技盤接続基板201に接続する伝送線路H1が接続されるコネクタとの間の電送ラインL11には、逆起電力保護回路としてのダイオードD11が接続されている。ダイオードD11は、アノードが電送ラインL11に接続され、カソードに35V直流電圧(DC35VA)が印加されている。
集積回路IC1の第7ピンと、遊技盤接続基板201に接続する伝送線路H1が接続されるコネクタとの間の電送ラインL12には、逆起電力保護回路としてのダイオードD12が接続されている。ダイオードD12は、アノードが電送ラインL12に接続され、カソードに35V直流電圧(DC35VA)が印加されている。
集積回路IC1の第16ピンと、遊技盤接続基板201に接続される伝送線路H1が接続されるコネクタとの間の電送ラインL13には、逆起電力保護回路としてのダイオードD13が接続されている。ダイオードD13は、アノードが電送ラインL13に接続され、カソードに35V直流電圧(DC35VA)が印加されている。
集積回路IC1の第9ピンと、遊技盤接続基板201に接続される伝送線路H1が接続されるコネクタとの間の電送ラインL14には、逆起電力保護回路としてのダイオードD14が接続されている。ダイオードD14は、アノードが電送ラインL14に接続され、カソードに35V直流電圧(DC35VA)が印加されている。
【0504】
したがって、例えば、CPU40aから第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号(SOL2)が入力されると、MOSFETQ2のゲートに電圧が印加され、ドレインとソースとが通電状態となる。これにより、遊技盤接続基板202に接続された第1特別電動役物ソレノイド29aは、コネクタCN12の第1ピンを介して供給される35V直流電圧によって動作することになる(ON状態)。また、CPU40aから第1特別電動役物ソレノイド29aの制御信号(SOL2)が入力されなくなると、MOSFETQ2のゲートに電圧が印加されず、ドレインとソースとが切断状態となる。これにより、遊技盤接続基板202に接続された第1特別電動役物ソレノイド29aは、35V直流電圧が遮断され動作しなくなる(OFF状態)。
【0505】
なお、35V直流電圧は、第1特別電動役物ソレノイド29a及び第2特別電動役物ソレノイドを動作させる専用の電源電圧であるため、逆起電力保護回路であるダイオードD11~D14が主制御基板40に設けられている。一方で、12V直流電圧は、普通電動役物ソレノイド25aを動作させるだけでなく、主制御基板40、遊技盤接続基板201、遊技盤接続基板202に接続された様々なセンサを動作させるために用いられる。そのため、12V直流電圧の逆起電力保護回路であるダイオードD2は、他のセンサに影響を与えないように、普通電動役物ソレノイド25aが接続される遊技盤接続基板202に設けられている。
【0506】
また、主制御基板40には、
図48に示すようなスイッチ及びセンサインターフェース回路が設けられている。このインターフェース回路には、コネクタCN31~コネクタCN33、集積回路IC21、集積回路IC22に加え、多数の抵抗及びコンデンサが設けられる。
【0507】
コネクタCN31は、第1始動口検出センサ23aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN31は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、第1始動口検出センサ23aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0508】
コネクタCN32は、第2始動口検出センサ24aとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN32は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、第2始動口検出センサ24aの検出信号の端子としてアサインされている。
【0509】
コネクタCN33は、汎用センサとの間を接続する伝送線路の伝送線路端が接続される。
このコネクタCN33は“1”~“2”の数字を付したように第1ピンから第2ピンまでの2端子構成である。
第1ピンは、グランド端子とされる。
第2ピンは、汎用センサの検出信号の端子としてアサインされている。
なお、汎用センサは、電波センサ、磁気センサ、入賞口検出センサなどの様々なセンサを適応することができる。
【0510】
集積回路IC21は、CPU40aと、主制御基板40における伝送線路H1が接続されるコネクタ(不図示)との間に設けられる。集積回路IC21は、入力される信号(第3ピン~第9ピン)の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力(第12ピン~第18ピン)する回路であり、“1”~“20”の数字を付したように第1ピンから第20ピンまでの20端子構成である。
第1ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第2ピンは、第20ピンは、5V直流電圧(DC5VA)の端子とされる。
第3ピンは、一般入賞口検出センサ31aの検出信号(FSW_I1)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第34ピンに接続されている。また、第3ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第34ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第4ピンは、一般入賞口検出センサ31aの検出信号(FSW_I2)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第36ピンに接続されている。また、第4ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第36ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第5ピンは、所定の検出センサの検出信号(FSW_I3)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第38ピンに接続されている。また、第5ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第38ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。なお、本実施形態では、この検出信号(検出センサ)は使用されていない。
第6ピンは、普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号(GATE_I)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第37ピンに接続されている。また、第6ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第37ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第7ピンは、第1大入賞口検出センサ27aの検出信号(COUNT_I1)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第35ピンに接続されている。また、第7ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第35ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第8ピンは、第2大入賞口検出センサ28aの検出信号(COUNT_I2)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第33ピンに接続されている。また、第8ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第33ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第9ピンは、接続確認信号3(HIRATE_I)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第31ピンに接続されている。また、第9ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第31ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第10ピンは、グランド端子とされる。
第11ピンは、異常が検出されたときに異常検出信号(SWDOWN)を出力する端子とされる。また、第11ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。
第12ピンは、第9ピンに入力される接続確認信号3の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第12ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第12ピンは、第9ピンに入力される接続確認信号3に応じた信号(HIRATE)をCPU40aに入力するものである。
第13ピンは、第8ピンに入力される第2大入賞口検出センサ28aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第13ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第13ピンは、第8ピンに入力される第2大入賞口検出センサ28aの検出信号に応じた信号(COUNT2)をCPU40aに入力するものである。
第14ピンは、第7ピンに入力される第1大入賞口検出センサ27aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第14ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第14ピンは、第7ピンに入力される第1大入賞口検出センサ27aの検出信号に応じた信号(COUNT1)をCPU40aに入力するものである。
第15ピンは、第6ピンに入力される普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第15ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第15ピンは、第6ピンに入力される普通図柄ゲート検出センサ26aの検出信号に応じた信号(GATE)をCPU40aに入力するものである。
第16ピンは、第5ピンに入力される所定の検出センサの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第16ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第16ピンは、第5ピンに入力される所定の検出センサの検出信号に応じた信号(FSW3)をCPU40aに入力するものである。
第17ピンは、第4ピンに入力される一般入賞口検出センサ31aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第17ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第17ピンは、第4ピンに入力される一般入賞口検出センサ31aの検出信号に応じた信号(FSW2)をCPU40aに入力するものである。
第18ピンは、第3ピンに入力される一般入賞口検出センサ31aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第18ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第18ピンは、第3ピンに入力される一般入賞口検出センサ31aの検出信号に応じた信号(FSW1)をCPU40aに入力するものである。
第19ピンはいずれにも接続されない端子とされる。
【0511】
集積回路IC22は、CPU40aと、コネクタCN31~CN33及び主制御基板40における伝送線路H1が接続されるコネクタ(不図示)との間に設けられる。集積回路IC22は、入力される信号(第3ピン~第9ピン)の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力(第12ピン~第18ピン)する回路であり、“1”~“20”の数字を付したように第1ピンから第20ピンまでの20端子構成である。
第1ピンは、12V直流電圧(DC12VA)の端子とされる。
第2ピンは、第20ピンは、5V直流電圧(DC5VA)の端子とされる。
第3ピンは、接続確認信号4(LORATE_I)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第29ピンに接続されている。また、第3ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第29ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第4ピンは、下電波センサの検出信号(DENPA_I)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第27ピンに接続されている。また、第4ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第27ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第5ピンは、接続確認信号5(HANSW_I1)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第25ピンに接続されている。また、第5ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第25ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第6ピンは、上電波センサの検出信号(HANSW_I2)の入力端子としてアサインされており、主制御基板40のコネクタ(不図示)等を介して遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第23ピンに接続されている。また、第6ピン、及び、遊技盤接続基板201のコネクタCN1の第23ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第7ピンは、第1始動口検出センサ23aの検出信号の入力端子としてアサインされており、コネクタCN31の第2ピンに接続されている。また、第7ピン、及び、コネクタCN31の第2ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第8ピンは、第2始動口検出センサ24aの検出信号の入力端子としてアサインされており、コネクタCN32の第2ピンに接続されている。また、第8ピン、及び、コネクタCN32の第2ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第9ピンは、汎用センサの検出信号の入力端子としてアサインされており、コネクタCN33の第2ピンに接続されている。また、第9ピン、及び、コネクタCN33の第2ピンには、12V直流電圧(DC12VA)が抵抗を介して印加される。
第10ピンは、グランド端子とされる。
第11ピンは、異常が検出されたときに異常検出信号(SWDOWN)を出力する端子とされる。また、第11ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。
第12ピンは、第9ピンに入力される汎用センサの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第12ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第12ピンは、第9ピンに入力される汎用センサの検出信号に応じた信号(START3)をCPU40aに入力するものである。
第13ピンは、第8ピンに入力される第2始動口検出センサ24aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第13ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第13ピンは、第8ピンに入力される第2始動口検出センサ24aの検出信号に応じた信号(START2)をCPU40aに入力するものである。
第14ピンは、第7ピンに入力される第1始動口検出センサ23aの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第14ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第14ピンは、第7ピンに入力される第1始動口検出センサ23aの検出信号に応じた信号(START1)をCPU40aに入力するものである。
第15ピンは、第6ピンに入力される上電波センサの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第15ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第15ピンは、第6ピンに入力される上電波センサの検出信号に応じた信号(HANSW2)をCPU40aに入力するものである。
第16ピンは、第5ピンに入力される接続確認信号5の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第16ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第16ピンは、第5ピンに入力される接続確認信号4に応じた信号(HANSW1)をCPU40aに入力するものである。
第17ピンは、第4ピンに入力される下電波センサの検出信号の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第17ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第17ピンは、第4ピンに入力される下電波センサの検出信号に応じた信号(DENPA)をCPU40aに入力するものである。
第18ピンは、第3ピンに入力される接続確認信号4の電圧が所定の閾値以上である場合にオープンコレクタ出力する端子としてアサインされており、CPU40aに接続される。また、第18ピンとCPU40aとの間には、5V直流電圧(DC5VA)が抵抗を介して印加される。したがって、第18ピンは、第3ピンに入力される接続確認信号4に応じた信号(LORATE)をCPU40aに入力するものである。
第19ピンはいずれにも接続されない端子とされる。
【0512】
このように、このインターフェース回路では、主制御基板40に直接接続される第1始動口検出センサ23a、第2始動口検出センサ24aに12V直流電圧を供給するともに、遊技盤接続基板201に接続される一般入賞口検出センサ31a、下電波センサ、遊技盤接続基板202に接続される第1大入賞口検出センサ27a、第2大入賞口検出センサ28a、普通図柄ゲート検出センサ26a、上電波センサにも12V直流電圧を供給する。
【0513】
<8.遊技機の別の構成例>
以下では、遊技機1の構成例を説明する。
【0514】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B1-1)を有する。
(構成B1-1)
遊技機1は、第1電源電圧が供給される基板を備え、前記基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧がソレノイドおよび他の供給先に供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記他の供給先に供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0515】
この(構成B1-1)の考え方の場合、基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、他の供給先はOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。なお、ソレノイドとして、12V直流電圧が供給される磁気センサ又は電波センサ等のセンサであってもよい。
そして、コネクタCN11を介して供給される12V直流電圧は、遊技盤接続基板202において分岐され、電源ラインL1を介して普通電動役物ソレノイド25aに供給されるとともに、電源ラインL3を介してOUT監視センサ32aに供給される。
また、電源ラインL1と電源ラインL3とは、保護回路としてのダイオードD1によって分離されている。
【0516】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに供給されている電源電圧(12V直流電圧)が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるが、その逆起電力をダイオードD1によって保護し(ブロックし)、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。
【0517】
また、上記したように、
図45に示されるコネクタCN5、CN6、CN7、及び、
図46に示されるコネクタCN15、CN16、CN19、CN21に接続される各種センサも12V直流電圧が供給されるため、電源ラインL1からの逆起電力をダイオードD1によって保護し、こられのセンサに影響を与えないようにすることができる。
【0518】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0519】
また実施の形態の遊技機1は(構成B1-1)に加えて、次の(構成B1-2)を有する。
(構成B1-2)
遊技機1は、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインに逆起電力防止回路を備える構成とされている。
【0520】
この(構成B1-2)の考え方の場合、逆起電力保護回路は、ダイオードD2に相当する(
図46参照)。
【0521】
これにより、普通電動役物ソレノイド25aのコイルで逆起電力が発生した場合に、ダイオードD2、抵抗R13を介してグランドに電流が流れるため、逆起電力が他の部品に印加されることを防止することができる。
【0522】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B2-1)を有する。
(構成B2-1)
遊技機1は、第1電源電圧が供給される基板を備え、前記基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧がソレノイドおよびセンサに供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記センサに供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0523】
この(構成B2-1)の考え方の場合、基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、センサはOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。
そして、コネクタCN11を介して供給される12V直流電圧は、遊技盤接続基板202において分岐され、電源ラインL1を介して普通電動役物ソレノイド25aに供給されるとともに、電源ラインL3を介してOUT監視センサ32aに供給されている。
また、電源ラインL1と電源ラインL3とは、保護回路としてのダイオードD1によって分離されている。
【0524】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに流れている電源が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるため、その逆起電力をダイオードD1によって保護し、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。また、OUT監視センサ32aによる遊技球通過の誤検出を防止することができる。
【0525】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0526】
また実施の形態の遊技機1は(構成B2-1)に加えて、次の(構成B2-2)を有する。
(構成B2-2)
遊技機1は、前記センサは、遊技球の通過を検出するための遊技球検出用センサであるとされている。
【0527】
このように、ソレノイドと、遊技球の通過を検出するための遊技球検出用センサ(OUT監視センサ32a)とに、12V直流電圧を分岐して供給する場合に、遊技球検出用センサによる遊技球通過の誤検出を防止することができる。
【0528】
また実施の形態の遊技機1は(構成B2-1)又は(構成B2-2)に加えて、次の(構成B2-3)を有する。
(構成B2-3)
遊技機1は、前記センサは、不正を検出するための不正検出用センサであるとされている。
【0529】
この(構成B2-3)の考え方の場合、不正検出用センサは、磁気センサ又は電波センサである。
【0530】
上記したように、遊技盤接続基板202では、磁気センサ及び電波センサは、5V直流電圧が供給させ動作している。しかしながら、磁気センサ及び電波センサは、12V直流電圧が供給させ動作するようにしてもよい。
このような場合、遊技盤接続基板202で分岐された12V直流電圧は、普通電動役物ソレノイド25a、磁気センサ及び電波センサに分離して供給されることになる。
【0531】
このとき、磁気センサ又は電波センサによる磁気又は電波の誤検出を防止することができる。すなわち、不正対策を正確に行うことができる。
【0532】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B3-1)を有する。
(構成B3-1)
遊技機1は、第1電源電圧が供給される基板を備え、前記基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧が、ソレノイド、および、前記ソレノイドよりも消費電流が少ない電子部品に供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記電子部品に供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0533】
この(構成B3-1)の考え方の場合、基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、センサはOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。
また、普通電動役物ソレノイド25aを有する普通電動役物25は、例えば、第1の電動役物100に相当する。
そして、普通電動役物ソレノイド25aは、印加電圧が12V、抵抗値が120Ωであり、動作時の電流値が100mAであり、消費電力が1.2Wとなっている。
一方、OUT監視センサ32aは、動作時の電流値が20mAである。
【0534】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに流れている電源が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるため、その逆起電力をダイオードD1によって保護し、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。このとき、電流値が相対的に小さいOUT監視センサ32aでは、少しの電圧変化により動作してしまうため、特に有効である。
【0535】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0536】
なお、センサはOUT監視センサ32aだけでなく、入賞口検出センサ、磁気センサ、信号センサ等であってもよい。この場合、それぞれのセンサの動作時の電流値は、例えば、入賞口検出センサで8mA、磁気センサで5mA、振動センサで30mAである。そして、相対的な電流値の差が大きいほど保護回路の必要性が増すため、例えばセンサの電流値は50%以下が望ましい。
【0537】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B4-1)を有する。
(構成B4-1)
遊技機1は、主制御基板と、前記主制御基板から第1電源電圧が供給される中継基板と、を備え、前記中継基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧がソレノイドおよび他の供給先に供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記他の供給先に供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0538】
この(構成B4-1)の考え方の場合、主制御基板は主制御基板40に相当し、中継基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、他の供給先はOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。
そして、コネクタCN11を介して供給される12V直流電圧は、遊技盤接続基板202において分岐され、電源ラインL1を介して普通電動役物ソレノイド25aに供給されるとともに、電源ラインL3を介してOUT監視センサ32aに供給されている。
また、電源ラインL1と電源ラインL3とは、保護回路としてのダイオードD1によって分離されている。
【0539】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに流れている電源が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるため、その逆起電力をダイオードD1によって保護し、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。
【0540】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0541】
また実施の形態の遊技機1は(構成B4-1)に加えて、次の(構成B4-2)を有する。
(構成B4-2)
遊技機1は、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインに逆起電力防止回路を備える構成とされている。
【0542】
この(構成B4-2)の考え方の場合、逆起電力保護回路は、ダイオードD2に相当する(
図46参照)。
【0543】
これにより、普通電動役物ソレノイド25aのコイルで逆起電力が発生した場合に、ダイオードD2、抵抗R13を介してグランドに接続されるため、逆起電力が他の部品に印加されることを防止することができる。
【0544】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B5-1)を有する。
(構成B5-1)
遊技機1は、主制御基板と、前記主制御基板から第1電源電圧が供給される中継基板と、を備え、前記中継基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧がソレノイドおよびセンサに供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記センサに供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0545】
この(構成B5-1)の考え方の場合、主制御基板は主制御基板40に相当し、基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、センサはOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。
そして、コネクタCN11を介して供給される12V直流電圧は、遊技盤接続基板202において分岐され、電源ラインL1を介して普通電動役物ソレノイド25aに供給されるとともに、電源ラインL3を介してOUT監視センサ32aに供給されている。
また、電源ラインL1と電源ラインL3とは、保護回路としてのダイオードD1によって分離されている。
【0546】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに流れている電源が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるため、その逆起電力をダイオードD1によって保護し、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。また、OUT監視センサ32aによる遊技球通過の誤検出を防止することができる。
【0547】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0548】
また実施の形態の遊技機1は(構成B5-1)に加えて、次の(構成B5-2)を有する。
(構成B5-2)
遊技機1は、前記センサは、遊技球の通過を検出するための遊技球検出用センサであるとされている。
【0549】
このように、ソレノイドと、遊技球の通過を検出するためのセンサとに、12V直流電圧を分岐して供給する場合に、OUT監視センサ32aによる遊技球通過の誤検出を防止することができる。
【0550】
また実施の形態の遊技機1は(構成B5-1)又は(構成B5-2)に加えて、次の(構成B5-3)を有する。
(構成B5-3)
遊技機1は、前記センサは、不正を検出するための不正検出用センサであるとされている。
【0551】
この(構成B5-3)の考え方の場合、不正検出用センサは、磁気センサ又は電波センサである。
【0552】
上記したように、遊技盤接続基板202では、磁気センサ及び電波センサは、5V直流電圧が供給させ動作している。しかしながら、磁気センサ及び電波センサは、12V直流電圧が供給させ動作するようにしてもよい。
このような場合、遊技盤接続基板202で分岐された12V直流電圧は、普通電動役物ソレノイド25a、磁気センサ及び電波センサに分離して供給されることになる。
【0553】
このとき、磁気センサ又は電波センサによる磁気又は電波の誤検出を防止することができる。すなわち、不正対策を正確に行うことができる。
【0554】
実施の形態の遊技機1は次の(構成B6-1)を有する。
(構成B6-1)
遊技機1は、主制御基板と、前記主制御基板から第1電源電圧が供給される中継基板と、を備え、前記中継基板において前記第1電源電圧が分岐され、分岐された第1電源電圧が、ソレノイド、および、前記ソレノイドよりも消費電流が少ない電気部品に供給され、前記ソレノイドに供給される第1電源電圧の電源ラインと、前記電子部品に供給される第1電源電圧の電源ラインとは、保護回路を介して分離されている構成とされている。
【0555】
この(構成B6-1)の考え方の場合、主制御基板は主制御基板40に相当し、基板は遊技盤接続基板202に相当し、第1電源電圧は12V直流電圧に相当し、ソレノイドは普通電動役物ソレノイド25aに相当し、センサはOUT監視センサ32aに相当する(
図46参照)。
また、普通電動役物ソレノイド25aを有する普通電動役物25は、例えば、第1の電動役物100に相当する。
そして、普通電動役物ソレノイド25aは、印加電圧が12V、抵抗値が120Ωであり、動作時の電流値が100mAであり、消費電力が1.2Wとなっている。
一方、OUT監視センサ32aは、動作時の電流値が20mAである。
【0556】
これにより、12V直流電圧が遊技盤接続基板202上で供給される普通電動役物ソレノイド25a及びOUT監視センサ32aが互いに影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、普通電動役物ソレノイド25aはコイルを有しており、コイルに流れている電源が遮断されたとき(ON状態からOFF状態に切り替わったとき)に逆起電力が発生し、その逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されるおそれがあるため、その逆起電力をダイオードD1によって保護し、逆起電力がOUT監視センサ32aに印加されない、すなわち、影響を与えないようにすることができる。このとき、電流値が相対的に小さいOUT監視センサ32aでは、少しの電圧変化により動作してしまうため、特に有効である。
【0557】
また、12V直流電圧は、中継基板である遊技盤接続基板202で分岐されるため、遊技盤接続基板202よりも前で分岐されて遊技盤接続基板202に供給される場合と比べ、配線を効率化することができる。
【0558】
ここで、これまで説明した(構成A1-1)から(構成B6-1)までの各構成例は、各種の組み合わせが可能で、任意に組み合わせることでそれぞれの構成で説明した効果を兼ね備える遊技機1とすることができる。
またそれ以外に実施の形態で説明した構成や動作を組み合わせることも可能である。
また各種例示した具体例は、各構成を実現する一態様にすぎない。特に明示していない具体例も各種考えられる。
また実施の形態はパチンコ遊技機で説明したが、いわゆるスロット遊技機のような回胴型遊技機にも本発明は適用できる。
このような回胴型遊技機においても、各実施の形態で説明したような基板構成、回路構成、コネクタ構成、電源構成等を採用できる。
また、第1可動部材及び第2可動部材は、入賞口を開閉するためでなく、特定領域(V領域)の開閉、始動口内の特
図1、特
図2の振り分け、遊技領域19の流下経路の振り分けなど、遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向に影響を与えるものであればよい。
【0559】
<9.球噛み対策について>
[9.1 実施形態としての球噛み対策手法]
前述した普通電動役物25、第1特別電動役物29、第2特別電動役物30等、入賞口を開閉する電動役物としての可動部材を有する遊技機においては、
図49や
図50に示されるように、該可動部材と他部材との間に遊技球Bが係止されてしまう、いわゆる「球噛み」が生じ得る。
図49は、電動役物としての可動部材が入賞口を開放する方向に駆動された際に生じる球噛み(開放時球噛み)の説明図、
図50は電動役物としての可動部材が入賞口を閉鎖する方向に駆動された際に生じる球噛み(閉鎖時球噛み)の説明図である。
これら
図49、
図50において、各A図は、先の
図41に示した第4の電動役物130のような羽根タイプの電動役物が用いられた場合の球噛みの様子を、各B図は、
図38に示した第3の電動役物120のような扉タイプの電動役物が用いられた場合の球噛みの様子を、各C図は、
図32に示した第1の電動役物100、
図35に示した第2の電動役物のようなスライドタイプの電動役物が用いられた場合の球噛みの様子をそれぞれ示している。
【0560】
開放時の球噛みについては、
図49Aに示す羽根タイプの場合は、図示のように羽根タイプの可動部材(図中「羽根部」と表記)の先端部と遊技領域におけるくぎ(遊技くぎ)との間に遊技球Bが係止される態様で生じ得る。また、
図49Bに示す扉タイプの場合、
図49Cに示すスライドタイプの場合には、それぞれ図示のように扉タイプの可動部材(図中「扉部」と表記)の先端部、スライドタイプの可動部材(図中「スライド部」と表記)の先端部と、遊技領域を覆うガラス(透明ガラス6)との間に遊技球Bが係止される態様で生じ得る。
また、閉鎖時球噛みとしては、
図50Aから
図50Cに示すように、羽根タイプ、扉タイプ、スライドタイプの何れの場合も、入賞口への流路の開口部分を遊技球Bが閉塞するように、該開口部分の縁部を形成する部材と可動部材との間に遊技球Bが係止される態様で生じ得る。
【0561】
ここで、
図49に示したような開放時球噛みが生じることによっては、入賞口の開放期間であるにも拘わらず、可動部材が完全に開状態とならずに入賞口への入球が妨げられるものとなって、入賞が不能な状態となってしまう虞がある。
また、
図50に示したような閉鎖時球噛みが生じることによっては、本来は入賞とカウントされるべきであった遊技球Bが、その後の入賞口の開放期間において入賞したものとカウントされてしまう虞がある。
【0562】
そこで、本実施の形態では、球噛みの発生に対して遊技機1の動作正確性を担保するべく、以下のような球噛み対策処理を行う。
【0563】
図51は、特別電動役物についての球噛み対策処理を説明するためのタイミングチャートである。
図51では、大当り遊技期間中における特別電動役物ソレノイド(第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a)の制御信号、特別電動役物(第1特別電動役物29、第2特別電動役物30)の動き、前述した試射試験信号としての特別電動役物作動信号及びソレノイド開放信号_1それぞれの時間経過に伴う遷移波形を示している。
【0564】
図中、時点t1は、ラウンド遊技の開始タイミング、すなわち「入賞口開放期間」の開始タイミングである。なお「入賞口開放期間」の定義については既に説明済みであるため重複説明は避ける。
図示のように大当り遊技中にはラウンド遊技が繰り返され、各ラウンド間にはラウンド間インターバル時間が設けられる。
【0565】
本実施の形態の遊技機1では、球噛み対策のため、図中に「球噛み対策オフ制御」「球噛み対策オン制御」と示す制御を行う。前者の球噛み対策オフ制御は、先の
図49に例示したような開放時球噛みの状態の解消を図るべく、対象とする電動役物を動作させるソレノイド(ここでは第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a)をオフ(OFF)とする制御である。後者の球噛み対策オン制御は、
図50に示した閉鎖時球噛みの状態の解消を図るべく、対象とする電動役物を動作させるソレノイド(ここでは第1特別電動役物ソレノイド29a、第2特別電動役物ソレノイド30a)をオン(ON)とする制御である。
なお以下、これら球噛み対策オフ制御や球噛み対策オン制御としての球噛み対策のためのソレノイド制御について、ソレノイドのオフ側の制御、オン側の制御の区別をしない場合には単に「球噛み対策制御」と表記する。
【0566】
ここで、特別電動役物や普通電動役物について、それらのソレノイドの制御信号をオン又はオフとしてから実際に入賞口が開放状態又は閉鎖状態となるまでには、或る程度のタイムラグが生じる(図中「役物の動き」を参照)。
ソレノイドの球噛み対策制御については、このようなタイムラグが生じる前提において、実際に入賞口が開放状態又は閉鎖状態に遷移するまで電動役物(可動部材)を駆動させない、ごく僅かな期間において行うようにする。具体的に、球噛み対策オフ制御及び球噛み対策オン制御の制御期間は、例えば8sm(0.008s)以下の期間とすることが考えられる。
なお、この8msは説明上の一例であり、球噛み対策制御の制御期間の上限値は、実際に入賞口が開放状態又は閉鎖状態に遷移するまで可動部材を駆動させないとの条件を満たすように定めればよく、8msに限定されるものではない。
ここで、入賞口を開閉する可動部材について、開放状態又は閉鎖状態とする制御は、可動部材を第1駆動量で動作させる制御と換言することができる。一方で、「球噛み対策制御」は、可動部材を第1駆動量よりも小さい第2駆動量で動作させた後、開放状態又は閉鎖状態とする制御と換言することができる。
以下、可動部材を第1駆動量で動作させて開放状態又は閉鎖状態とするためのソレノイドの制御信号を「第1制御信号」と表記する。また、可動部材を第1駆動量よりも小さい第2駆動量で動作させた後、開放状態又は閉鎖状態とするためのソレノイドの制御信号を「第2制御信号」と表記する。
【0567】
本実施の形態において、球噛み対策オフ制御については、図示のように入賞口開放期間内において2回行うものとしている(図中、時点t2、t3参照)。また、球噛み対策オフ制御については、入賞口開放期間の後に1回行うものとしている(時点t5参照)。
【0568】
球噛み対策オフ制御については、入賞口開放期間の開始直後となるタイミングで行う。例えば、球噛み対策オフ制御は、入賞口開放期間を3等分した期間のうち最も早い期間内において行う。
これにより、入賞口開放期間中であるにも拘わらず入賞口への入賞が不能となる状態が早期に解消されるように図ることができ、遊技機1の動作正確性の向上を図ることができる。
【0569】
本実施の形態において、球噛み対策オフ制御は、入賞口を開放状態とするためのソレノイドのオン制御の開始後、実際に入賞口が開放状態となってから行う。
すなわち、図中、入賞口開放期間の開始タイミングである時点t1から、1回目の球噛み対策オフ制御の開始タイミングである時点t2までの期間の長さは、時点t1におけるソレノイドのオン制御の開始から実際に入賞口が開放状態となるまでのタイムラグに相当する期間の長さが少なくとも確保されていればよい。
【0570】
一方、球噛み対策オン制御についても、同様に、入賞口を閉鎖状態とするためのソレノイドのオフ制御の開始後、実際に入賞口が閉鎖状態となってから行うものとする。
図中では、入賞口開放期間の終了タイミング(つまり入賞口を閉鎖状態とするためのソレノイドのオフ制御の開始時点)である時点t4から球噛み対策オン制御の開始タイミングである時点t6までの期間を「開放後閉期間」としているが、この開放後閉期間は、少なくとも、ソレノイドのオフ制御の開始から実際に入賞口が閉鎖状態となるまでのタイムラグに相当する期間が確保されればよい。
【0571】
図中、「残存球待機期間」は、入賞口(ここでは第1大入賞口27又は第2大入賞口28)に対する入賞の検出処理が継続される期間を表している。
図示のように本例では、残存球待機期間は、球噛み対策オン制御の終了後に設けられている。
ここで、「残存球待機期間」は、入賞口内に滞留した遊技球が排出されるまでの残存球排出時間と換言することができる。
【0572】
球噛み対策オン制御を実行しない遊技機の場合、残存球待機期間は、ソレノイド閉鎖制御の開始に応じて開始されるものとなるが、上記のように残存球待機期間が球噛み対策オン制御の終了後に設けられることで、ソレノイド閉鎖制御に伴い球噛み状態となった遊技球についての入賞判定期間が、球噛み対策オン制御の終了後に設けられることになる。
従って、球噛み状態であった遊技球が次のラウンド等、次の入賞受付期間に入賞したと誤判定されてしまうことの防止を図ることができ、遊技機1の動作正確性の向上を図ることができる。
【0573】
特別電動役物に係る試射試験信号としての特別電動役物作動信号、及びソレノイド開放信号_1については、図示のような信号を生成する。
すなわち、特別電動役物作動信号については、入賞口開放期間の開始タイミングである時点t1でオフからオンに転じ、球噛み対策オン制御の終了タイミングである時点t6でオンからオフに転じる信号を生成する。
ここで、前述のように特別電動役物作動信号は「入球可能期間」を示す信号である。閉鎖時球噛みが生じたとき、球噛み対策オン制御を行うことによっては球噛み状態であった遊技球Bが入賞口に入球し得る。このため、上記のような特別電動役物作動信号の生成を行うことで、入球可能期間を適切に示す信号を生成することができる。
【0574】
また、ソレノイド開放信号_1としては、図示のように入賞口開放期間の開始タイミングである時点t1でオフからオンに転じ、入賞口開放期間の終了タイミングである時点t4でオンからオフに転じる信号を生成する。すなわち、球噛み対策オフ制御に対してオフに転じず、また球噛み対策オン制御に対してオンに転じることがないように、ソレノイド開放信号_1を生成するものである。
【0575】
このようなソレノイド開放信号_1の生成を実現するために、後述するように主制御基板40のCPU40aは、球噛み対策オフ制御の実行中におけるソレノイド開放信号_1をオンとする処理、球噛み対策オン制御の実行中におけるソレノイド開放信号_1をオフとする処理を行う。
換言すれば、前述した「第1制御信号」が出力されている場合には、ソレノイド開放信号_1(「外部信号」の一例)を出力する一方、前述した「第2制御信号」が出力されている場合には、ソレノイド開放信号_1を出力しないものである。
【0576】
球噛み対策オフ制御や球噛み対策オン制御は、ソレノイドをオフ又はオンさせる制御とはなるが、その制御時間は非常に短いものであり、実際に入賞口が閉鎖状態又は開放状態に至るまで電動役物(可動部材)の状態が変化するものではない。そのため仮に、ソレノイドのオフ/オンに連動してソレノイド開放信号_1のオフ/オンを設定してしまうと、可動部材による入賞口の開閉状態を適切に示す信号を生成することができなくなる。上記構成によれば、球噛み対策オフ制御中のソレノイド開放信号はオフでなくオンに設定され、球噛み対策オン制御中のソレノイド開放信号はオンでなくオフに設定されるものとなるので、ソレノイド開放信号として、可動部材による入賞口の開閉状態を適切に示す信号を生成することが可能となる。
従って、試射試験信号として用いられるソレノイド開放信号_1の精度向上を図ることにより、遊技機1の動作正確性の向上を図ることができる。
【0577】
なお、1回のラウンド遊技につき球噛み対策制御を行う回数については、所定回数以下に制限することが考えられる。例えば、該所定回数=3回とすること等が考えられる。
図51の例では、1回のラウンド遊技につき球噛み対策制御を3回行う前提において、球噛み対策オフ制御を2回、球噛み対策オン制御を1回行う例を示したが、逆に、球噛み対策オン制御を2回、球噛み対策オフ制御を1回行う例も考えられる。
【0578】
また、
図51の例では、1回のラウンド遊技につき球噛み対策オフ制御と球噛み対策オン制御の双方を行う例を挙げたが、1回のラウンド遊技につき球噛み対策オフ制御のみ、又は球噛み対策オン制御のみを行う例も考えられる。
【0579】
図52は普通電動役物についての球噛み対策処理を説明するためのタイミングチャートである。
図52では、電サポ遊技(普電開放遊技)期間中における普通電動役物ソレノイド25aの制御信号、普通電動役物25の動き、前述した試射試験信号としての普通電動役物作動信号及びソレノイド開放信号_2それぞれの時間経過に伴う遷移波形を示している。
【0580】
ここでは、電サポ遊技期間中において始動口(第2始動口24)としての入賞口を3回開放状態とする例を挙げている。この場合、普通電動役物25による入賞口の開放期間である入賞口開放期間は、1度目の開放が行われる時点t11から時点t14までの期間、2度目の開放が行われる時点t15から時点t16までの期間、3度目の開放が行われる時点t17から時点t18までの期間の各期間となる。
そして、
図52の例では、このように3回の開放が行われる前提において、球噛み対策オフ制御を1度目の入賞口開放期間において2回行い(時点t12、時点t13参照)、3回目の入賞口開放期間の後において、球噛み対策オン制御を1回実行する(時点t19参照)ものとしている。
【0581】
この場合も、球噛み対策オフ制御については、入賞口開放期間の開始直後となるタイミングで行う。例えば、この場合も球噛み対策オフ制御については、入賞口開放期間を3等分した期間のうち最も早い期間内において行うことが考えられる。
【0582】
また、この場合も球噛み対策オフ制御については、入賞口を開放状態とするためのソレノイドのオン制御の開始後、実際に入賞口が開放状態となってから行う。すなわち、図中、入賞口開放期間の開始タイミングである時点t11から、1回目の球噛み対策オフ制御の開始タイミングである時点t2までの期間の長さは、時点t11におけるソレノイドのオン制御の開始から実際に入賞口が開放状態となるまでのタイムラグに相当する期間の長さが少なくとも確保されていればよい。
【0583】
一方、この場合も、球噛み対策オン制御は、同様に、入賞口を閉鎖状態とするためのソレノイドのオフ制御の開始後、実際に入賞口が閉鎖状態となってから行うものとする。
図中では、3回目の入賞口開放期間の終了タイミング(つまり入賞口を閉鎖状態とするためのソレノイドのオフ制御の開始時点)である時点t18から球噛み対策オン制御の開始タイミングである時点t19までの期間を「開放後閉期間」としているが、この開放後閉期間は、少なくとも、ソレノイドのオフ制御の開始から実際に入賞口が閉鎖状態となるまでのタイムラグに相当する期間が確保されればよい。
【0584】
また、この場合も、「残存球待機期間」は球噛み対策オフ制御の終了後に設けられる。すなわちこの場合、第2始動口24についての残存球待機期間が、球噛み対策オン制御の終了後に設けられるものである。
【0585】
またこの場合、普通電動役物作動信号については、電サポ遊技期間を示す信号として、図示のように1回目の入賞口開放期間の開始タイミングである時点t11でオフからオンに転じ、3回目の入賞口開放期間の後の球噛み対策オン制御の終了タイミングである時点t20でオンからオフに転じる信号を生成する。
【0586】
ソレノイド開放信号_2については、図示のようにそれぞれの入賞口開放期間の開始タイミング(時点t11、t15、t17)でオフからオンに転じ、それぞれの入賞口開放期間の終了タイミング(時点t14、t16、t18でオンからオフに転じる信号を生成する。すなわち、球噛み対策オフ制御(時点t12、t13)に対してオフに転じず、また球噛み対策オン制御(時点t19)に対してオンに転じることがないように、ソレノイド開放信号_2を生成するものである。
後述するように主制御基板40のCPU40aは、このようなソレノイド開放信号_2の生成を実現するために、球噛み対策オフ制御の実行中におけるソレノイド開放信号_2をオンとする処理、球噛み対策オン制御の実行中におけるソレノイド開放信号_2をオフとする処理を行う。
【0587】
なお、上記では1回の電サポ遊技期間中に入賞口を3回開放状態とする例を挙げたが、1回の電サポ遊技期間中に入賞口を開放状態とする回数は任意である。
1回の電サポ遊技機期間中に入賞口を複数回開放状態とする場合、球噛み対策オフ制御、球噛み対策オン制御の少なくとも何れかを、入賞口を開放状態とするごとに行うことも考えられる。
【0588】
また、1回の電サポ遊技につき球噛み対策制御を行う回数については、所定回数以下に制限することが考えられる。例えば、該所定回数=3回とすること等が考えられる。
図52の例では、1回のラウンド遊技につき球噛み対策オフ制御を2回、球噛み対策オン制御を1回行う例を示したが、逆に、球噛み対策オン制御を2回、球噛み対策オフ制御を1回行う例も考えられる。
【0589】
また、
図52の例では、1回の電サポ遊技につき球噛み対策オフ制御と球噛み対策オン制御の双方を行う例を挙げたが、1回の電サポ遊技につき球噛み対策オフ制御のみ、又は球噛み対策オン制御のみを行う例も考えられる。
【0590】
[9.2 球噛み対策の実現手法]
以下、上記により説明した実施の形態としての球噛み対策手法を実現するための具体的な手法について説明する。
実現手法については、前述したステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理やステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理でソレノイドの制御データ生成を行うために参照する特別電動役物データ生成用テーブル、普通電動役物データ生成用テーブルの保持態様の違いに係るバリエーションがある。
具体的には、
図53、
図54に示す第1パターン、第2パターン、及び第3パターンの3つのバリエーションがある。
第1パターンは、特別電動役物データ生成用テーブル、普通電動役物データ生成用テーブルについて、球噛み対策オン制御の直前の「開放後閉期間」までの動作をカバーするテーブル(第1テーブル)と、球噛み対策オン制御をカバーするテーブル(第2テーブル)とを分けて保持する例である。
第2パターンは、特別電動役物データ生成用テーブル、普通電動役物データ生成用テーブルについて、球噛み対策オン制御の直前の「入賞口開放期間」までの動作をカバーするテーブル(第1テーブル)と、それ以降の球噛み対策オン制御までをカバーするテーブル(第2テーブル)とを分けて保持する例である。
第3パターンは、特別電動役物データ生成用テーブル、普通電動役物データ生成用テーブルとして単一のテーブルを保持する例である。
【0591】
(第1パターン)
以下、特別電動役物側を例に、第1パターンを採用した場合の球噛み対策実現手法について説明する。
図55は、第1パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブル、具体的には特別電動役物データ生成用第1テーブル(
図55A)、特別電動役物データ生成用第2テーブル(
図55B)の例を示している。
これら特別電動役物データ生成用第1テーブル、特別電動役物データ生成用第2テーブルは、主制御基板40におけるROM40bの所定領域に記憶され、前述したステップS625の「大入賞口開閉動作設定」の処理の際に、CPU40aが情報内容を参照可能とされる。
【0592】
先ず、特別電動役物データ生成用第1テーブル、特別電動役物データ生成用第2テーブルの共通事項として、先頭2アドレスに格納される特別電動役物作動信号フラグ、ソレノイド開放信号_1出力フラグの情報については、それぞれ、特別電動役物作動信号をオフからオンに切り替える指示、ソレノイド開放信号_1をオフからオンに切り替える指示を示す情報となる。
また、3番目のアドレスのループ回数は、テーブルにおけるそれ以降のアドレス数が格納されるものであり、特別電動役物データ生成用第1テーブルにおいては「7」が、特別電動役物データ生成用第2テーブルにおいては「2」がそれぞれ格納される。
【0593】
4番目のアドレス以降の各アドレスには、ソレノイドの制御データのオン/オフタイミングを定義するための「時間情報」が格納されている(図中、「開放時間」「閉鎖時間」)。なお、図示は省略しているが、「終了コード」においても、この時間情報が含まれている。
【0594】
上記の時間情報としては、前述した特別電動役物動作タイマの値に対する閾値が格納されており、特別電動役物動作タイマの値が、時間情報の示す値以下となったら、当該時間情報が格納されたアドレスに対して規定されたソレノイド制御データの設定処理が実行される。
具体的に、本例の遊技機1では、テーブルにおける4番目以降のアドレスについて、テーブルの奇数アドレスに対してはソレノイドの制御データとしてオン(開放)をセットすることが、また偶数アドレスに対してはソレノイドの制御データとしてオフ(閉鎖)をセットすることが規定されている。従って、CPU40aは、或るアドレスNについて、特別電動役物動作タイマの値が、時間情報の示す値以下となったら、アドレスNの奇数又は偶数に応じて、ソレノイドの制御データをオン又はオフにセットする。
【0595】
また、特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルにおいて、4番目以降の各アドレス(終了コードを除く)には、上記のような時間情報と共に、ソレノイド開放信号_1のオン/オフを示す「識別情報」が格納されている。
ここで、この識別情報については、時間情報における未使用ビットを割り当てることが考えられる。例えば、2バイトによる時間情報の未使用ビット(最上位ビット)を識別情報の「ON」又は「OFF」を示すビットとして用いる。
【0596】
CPU40aは、アドレスNについて、特別電動役物動作タイマの値が時間情報の示す値以下となったら、アドレスNに格納されている識別情報に従って、ソレノイド開放信号_1をオンはオフに設定する。
【0597】
ここで、特別電動役物データ生成用第1テーブルにおいて、4番目のアドレスであるアドレス03H(Hは16進数を意味する)の時間情報としては、入賞口開放期間の開始タイミング(
図51の時点t1)において特別電動役物動作タイマにセットされる開放時間(29.96s)の値が格納されている。これにより、入賞口開放期間の開始タイミングにおいて特別電動役物ソレノイドの制御データとしてオンがセットされて、大入賞口を開放状態とするための特別電動役物の駆動が開始される。
また、該アドレス03Hの識別情報は「ON」であるため、ソレノイド開放信号_1はオンに設定される。
【0598】
5番目のアドレス04Hの時間情報としては、
図51の時点t2のタイミングにおける特別電動役物動作タイマの値(「29.96s」-「時点t1-時点t2間の時間」)が格納されている。
また、6番目のアドレス05Hの時間情報としては、
図51の時点t2から球噛み対策オフ制御の期間(0.008s)が経過した時点での特別電動役物動作タイマの値(「29.96s」-「時点t1-時点t2間の時間」-「0.008s」)が格納され、7番目のアドレス06Hの時間情報としては、
図51の時点t3(2番目の球噛み対策オフ制御の開始タイミングにおける特別電動役物動作タイマの値(「29.96s」-「時点t1-時点t3間の時間」)が格納され、さらに、8番目のアドレス07Hの時間情報としては
図51の時点t3から球噛み対策オフ制御の期間(0.008s)が経過した時点での特別電動役物動作タイマの値(「29.96s」-「時点t1-時点t3間の時間」-「0.008s」)が格納されている。
これにより、時点t1での特別電動役物ソレノイドのオン開始後、時点t2での球噛み対策オフ制御、及びその後の時点t3での球噛み対策オフ制御が実現されると共に、該時点t3での球噛み対策オフ制御後に、再び特別電動役物ソレノイドがオンに制御される。
【0599】
9番目のアドレス08Hにおける終了コードには、時間情報として「0」が記述されている。これにより、特別電動役物動作タイマにセットされた開放時間(29.96s)が経過して特別電動役物動作タイマの値が0になるか、又は前述したステップS631の大入賞口最大入賞数チェック処理(
図28参照)で大入賞口への入賞数が規定数に達したことに応じて特別電動役物動作タイマの値が0になったことに応じて、特別電動役物ソレノイドの制御データをオフとすることができる(
図51の時点t4)。
【0600】
10番目のアドレス09Hの時間情報としては、例えば0が格納される。この10番目のアドレス09Hについては、奇数アドレスであっても例外処理として、特別電動役物ソレノイドの制御データとしてオフデータをセットする。
これにより、
図51で説明した開放後閉期間のための特別電動役物のオフ制御が実現される。
【0601】
ここで、特別電動役物データ生成用第1テーブルにおいて、1回目の球噛み対策オフ制御に対応したアドレス04H、及び2回目の球噛み対策オフ制御に対応したアドレス06Hの識別情報としては共に「ON」を示す情報が格納されている。このことで、ソレノイド開放信号_1として、それぞれの球噛み対策オフ制御における特別電動役物ソレノイドのオフ制御に反応せずにオン状態を維持する信号を生成することができる。
【0602】
続いて、特別電動役物データ生成用第2テーブルにおいて、4番目のアドレス0CHの時間情報には、
図51の時点t5に対応した特別電動役物動作タイマの値が格納される。具体的には、ステップS635で設定される残存球排出確認時間(1980ms)から、「時点t4-時点t5間の時間」を減じた値が格納される。
これにより時点t5において、球噛み対策オン制御としての特別電動役物ソレノイドのオン制御を開始することができる。
【0603】
5番目のアドレス0EHの終了コードには、時間情報として、時点t6に対応した特別電動役物動作タイマの値、すなわち「1980ms」-「時点t4-時点t5間の時間」-「0.008s」の値が格納される。
これにより時点t6において、球噛み対策オン制御を終了することができる。
【0604】
また特別電動役物データ生成用第2テーブルにおいて、4番目のアドレス0CHの識別情報としては「OFF」を示す情報が格納されている。これによりソレノイド開放信号_1について、球噛み対策オン制御に反応せずにオフ状態を維持する信号を生成することができる。
【0605】
本例(第1パターン)では、特別電動役物データ生成用第1テーブル、特別電動役物データ生成用第2テーブルの双方において、終了コードには、終了コードであることの識別値として「00H」が記述されている。
【0606】
ここで、CPU40aは、少なくとも特別電動役物データ生成用第1テーブルにおいて終了コードが検出された場合に、ソレノイド開放信号_1をオフとする。これにより、ソレノイド開放信号_1として、
図51に示したように入賞口開放期間の終了タイミングを適切に示す信号を生成することができる。
【0607】
また、CPU40aは、特別電動役物データ生成用第2テーブルにおいて終了コードを検出した場合は、特別電動役物作動信号をオフとする処理を行う。これにより、特別電動役物作動信号として、
図51に示したように球噛み対策オン制御の終了タイミングでオフとなる適切な信号を生成することができる。
【0608】
ここで、上記のような識別情報が格納された特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルは、「ソレノイド開放制御の開始タイミングからの経過時間に応じたソレノイド開放信号のオン/オフを管理する管理情報」と換言できるものである。
或いは、特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルは、前述した「第1制御信号」又は「第2制御信号」の出力を制御するための「出力制御テーブル」と換言することもできる。
【0609】
そして、特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルには、ソレノイド開放信号のオン/オフを管理するための「識別情報」のみでなく、上記した「時間情報」としての、入賞口開放期間の開始タイミング(ソレノイド開放制御の開始タイミング)からの経過時間に応じたソレノイドの制御データのオン/オフ設定を指示するための情報も格納されている。
このような特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルに基づいてソレノイド開放信号のオン/オフ制御、換言すれば「外部信号」を出力するか否かの決定を行うことで、適切なソレノイド開放信号のオン/オフ設定処理(「外部信号」を出力するか否かの決定処理)の実現が容易化されるものとなる。
また、上記のような特別電動役物データ生成用第1テーブル、及び特別電動役物データ生成用第2テーブルとすることで、識別情報のテーブルと時間情報のテーブルとを別々に用意する必要がなくなり、メモリ容量の削減を図ることができる。
また、ソレノイドの制御データのオン/オフ設定とソレノイド開放信号のオン/オフ設定とを行うにあたり共通のテーブルを参照できるため、処理の効率化を図ることができる。
【0610】
図56は、第1パターンに対応した大入賞口開閉動作設定の処理(S625)を示したフローチャートである。
確認のため述べておくと、このステップS625の大入賞口開閉動作設定の処理は、
図27に示した特別電動役物作動開始処理(S620)、
図28に示した特別電動役物作動中処理(S630)、及び
図29に示した特別電動役物作動継続判定処理(S640)において、プログラムモジュールを呼び出して実行されるものである。
【0611】
先ず、CPU40aはステップS701で、第2テーブル参照フラグを確認する。第2テーブル参照フラグは、特別電動役物データ生成用第1テーブル(以下「第1テーブル」と略称する場合もある)と特別電動役物データ生成用第2テーブル(以下「第2テーブル」と略称する場合もある)の何れを参照するかを識別するためのフラグであり、OFFは第1テーブルを参照する旨を、ONは第2テーブルを参照する旨を表す。第2テーブル参照フラグの初期値はOFFであり、後述するステップS729において特別電動役物データ生成用第1テーブルの終了コードの次アドレスに0以外の情報が書き込まれている場合にONとされる。
【0612】
ステップS701において、第2テーブル参照フラグがOFFであれば、CPU40aはステップS702に進んで参照テーブルを第1テーブルに設定した上で、ステップS704に進む。
一方ステップS701において、第2テーブル参照フラグがOFFであれば、CPU40aはステップS703に進んで参照テーブルを第2テーブルに設定した上で、ステップS704に進む。
【0613】
ステップS704でCPU40aは、初回処理か否かを判定する。すなわち、現在のラウンド遊技において、ステップS702又はS703で参照テーブルとして設定したテーブルを用いた処理が初回に行われたものであるか否かを判定するものである。
【0614】
ステップS704において、初回処理であると判定した場合、CPU40aはステップS705に進み、開閉動作設定処理フラグをONに設定する。この開閉動作設定処理フラグは、先の
図29に示したステップS640の特別電動役物作動継続判定処理において(つまり入賞口の開放時間の経過又は規定数の入賞があった以降において)、ステップS625の大入賞口開閉動作設定の処理を実行すべきか否かを示すフラグとして機能する。
この開閉動作設定処理フラグは、第2テーブルの終了コードに従った処理が実行された場合に、後述するステップS732においてOFFされる。
【0615】
ステップS705に続くステップS706でCPU40aは、参照アドレスをテーブル先頭アドレスにセットし、次いでステップS707で、テーブル先頭3アドレスの処理を実行する。すなわち、参照テーブルが第1テーブル(
図55A)に設定されている場合には、アドレス00H、01H、02Hの格納情報に従って、特別電動役物作動信号をオンとする処理、ソレノイド開放信号_1をオンとする処理、及びループ回数の設定処理を行う。また、参照テーブルが第2テーブル(
図55B)に設定されている場合には、アドレス0AH、0BH、0CHの格納情報に従って、特別電動役物作動信号をオンとする処理、ソレノイド開放信号_1をオンとする処理、及びループ回数の設定処理を行う。
【0616】
ステップS707に続くステップS708でCPU40aは、参照アドレスを4番目アドレスにセットし、続くステップS709において、参照アドレスの時間情報を参照する。そして、ステップS709に続くステップS710でCPU40aは、動作タイマの値、すなわち特別電動役物動作タイマの値が、時間情報の示す値以下か否かを判定する。
【0617】
ステップS710において、動作タイマの値が時間情報の示す値以下であると判定した場合、CPU40aはステップS711に進み、参照アドレスの奇数/偶数に応じてONデータ/OFFデータをセットする処理を行う。すなわち、参照アドレスが奇数アドレスであれば、特別電動役物ソレノイド(第1特別電動役物ソレノイド29a又は第2特別電動役物ソレノイド30a)の制御データとしてONデータをセットし、参照アドレスが偶数アドレスであれば特別電動役物ソレノイドの制御データとしてOFFデータをセットする。
ここでセットされた制御データは、前述した主制御側タイマ割込み処理におけるソレノイド管理処理(S211)において該当するソレノイドに対して出力される。
【0618】
ステップS711に続くステップS712でCPU40aは、ソレノイド開放信号出力フラグの値を参照アドレスの識別情報に従ってセットする。すなわち、参照アドレスにおける識別情報が「ON」を示すものであればソレノイド開放信号出力フラグをONにセットし、また参照アドレスにおける識別情報が「OFF」を示すものであればソレノイド開放信号出力フラグをOFFにセットする。
【0619】
ステップS712に続くステップS713でCPU40aは、参照アドレスを1インクリメントし、次いでステップS714で、終了コードのアドレスか否かを判定する。
終了コードのアドレスであれば、CPU40aはステップS715に進み、終了コード到達フラグをONとする処理を行い、ステップS625の処理を終える。
一方、終了コードのアドレスでなければ、CPU40aはステップS715の処理をパスしてステップS625の処理を終える。
【0620】
また、CPU40aは、先のステップS710において動作タイマの値が時間情報の示す値以下でないと判定した場合は、上記したステップS711からS715の処理をパスして、ステップS625の処理を終える。
【0621】
先のステップS704において、初回処理でないと判定した場合、CPU40aはステップS716に進み、終了コード到達フラグがONであるか否かを判定する。ここでは、第1テーブルの終了コードに到達した場合と、第2コードの終了コードに到達した場合の2通りがあり得る。
【0622】
ステップS716において、終了コード到達フラグがONでなかった場合、CPU40aはステップS717に進み、コード後情報有フラグがONであるか否かを判定する。
このコード後情報有フラグは、第1テーブルの終了コードの次のアドレスに0以外のデータが記憶されている場合に後述するステップS723においてONとされるフラグである。
【0623】
ここで、本実施の形態では、第1テーブルの終了コードの次のアドレスに0以外のデータを書き込むか否かで、第2テーブルを用いて入賞口開放期間後の球噛み対策オン制御までの処理を実行するか否かの切り替えが実現されるようにしている。
具体的に、第1テーブルの終了コードの次のアドレスに0以外のデータが書き込まれていれば、該次のアドレスにおける時間情報、識別情報に従ったソレノイド制御データの設定処理、ソレノイド開放信号_1のオン/オフ設定処理が行われる(S717からS728)と共に、第2テーブル参照フラグがオンとされて(S729)、球噛み対策オン制御のためのソレノイド制御データの設定処理(及びソレノイド開放信号_1をオフとする処理)が実行される(S703→S704→S716→S717→S709からS713の処理として実行される)。
一方で、第1テーブルの終了コードの次のアドレスに0以外のデータが書き込まれていなければ、図示のようにステップS722で否定結果が得られて、特別電動役物作動信号がOFFとされ、また開閉動作設定処理フラグがOFFとされる(S731、S732)。開閉動作設定処理フラグがOFFとされるため、この場合は、特別電動役物動作タイマの値が一度0となった以降に行われるステップS640の特別電動役物作動継続判定処理(
図29)において、ステップS625の大入賞口開閉動作設定の処理は実行されなくなる。すなわち、
図51に示した「開放後閉期間」「球噛み対策オン制御」を実現するための処理は行われないものである。
【0624】
ステップS717において、コード後情報有フラグがONでなかった場合、CPU40aはステップS709に処理を進める。
ここで、4番目のアドレスに到達した以降、終了コードのアドレスに未達の状態では、コード後情報有フラグはOFFである。従って該状態下では、処理はステップS704→S716→S717→S709と進められることになる。
【0625】
先のステップS716において、終了コード到達フラグがONであった場合、CPU40aはステップS718に進み、動作タイマの値が終了コードに記述された値以下か否かを判定する。
動作タイマの値が終了コードに記述された値以下でなければ、CPU40aはステップS625の処理を終える。つまり、終了コードのアドレスに到達しても特別電動役物動作タイマの値が終了コードに記述された時間情報の示す値以下でなければ、ソレノイド制御データやソレノイド開放信号_1のオン/オフ設定は変更されないものである。
【0626】
一方ステップS718において、動作タイマの値が終了コードに記述された時間情報の示す値以下であった場合、CPU40aはステップS719に進み、OFFデータをセットする処理を行う。すなわち、特別電動役物ソレノイドの制御データ、及びソレノイド開放信号_1についてOFFデータをセットする処理を行う。これにより、参照テーブルが第1テーブルの場合であれば、入賞口開放期間の終了タイミングにおいて特別電動役物ソレノイドの制御データがオフとされ、且つソレノイド開放信号_1がオフとされる。また、参照テーブルが第2テーブルであれば、球噛み対策オン制御の終了タイミングにおいて特別電動役物ソレノイドの制御データがオフとされる(ソレノイド開放信号_1は元々オフである)。
【0627】
ステップS719に続くステップS720でCPU40aは、終了コード到達フラグをOFFとする。
そして、ステップS720に続くステップS721でCPU40aは、第2テーブル参照フラグがONであるか否かを判定する。これは、現在の参照テーブルが第1テーブルであるか否かを判定していることに相当する。
【0628】
ステップS721において、第2テーブル参照フラグがONでなかった(つまり現在の参照テーブルが第1テーブルであった)場合、CPU40aはステップS722に進み、次のアドレスに0以外のデータがあるか否かを判定する。
【0629】
ステップS722で次のアドレスに0以外のデータがあると判定した場合、CPU40aはステップS723に進み、コード後情報有フラグをONとした上で、ステップS724で参照アドレスを1インクリメントし、ステップS625の処理を終える。
これらステップS723及びS724の処理が実行されることで、次回の主制御側タイマ割込み処理において、処理がS704→S716→S717→S725と進められるようになり、第1テーブルにおける終了コードの次アドレスに格納された情報に従った処理が行われる。
【0630】
具体的に、ステップS725でCPU40aは、動作タイマの値が時間情報の示す値以下か否かを判定し、動作タイマの値が時間情報の示す値以下でなければ、ステップS625の処理を終える。
【0631】
一方、ステップS725で動作タイマの値が時間情報の示す値以下であった場合、CPU40aはステップS726に進み、OFFデータをセットする処理、すなわち、特別電動役物ソレノイドの制御データとしてOFFデータをセットする処理を行う。そして、ステップS726に続くステップS727でCPU40aは、ソレノイド開放信号出力フラグの値を参照アドレスの識別情報に従ってセットする処理を行う(この場合はOFFにセットする処理となる)。
【0632】
ステップS727に続くステップS728でCPU40aは、コード後情報有フラグをOFFとする処理を行い、さらに続くステップS729で、第2テーブル参照フラグをONとする処理を行い、ステップS625の処理を終える。
【0633】
このように第1テーブルの終了コードの次アドレスに0以外のデータが記憶されていた場合には、該次アドレスの格納情報に従った処理が行われる共に、コード後情報有フラグがOFFとされ、第2テーブル参照フラグがONとされる。
【0634】
一方、先のステップS722において、次のアドレスに0以外のデータがなかったと判定した場合、CPU40aはステップS731に処理を進める。これにより、第1テーブルの終了コードの次のアドレスに0以外のデータが書き込まれていなければ、特別電動役物作動信号がOFFとされ(S731)、さらに、開閉動作設定処理フラグがOFFとされる(S732)ことで、「開放後閉期間」「球噛み対策オン制御」の実現のための処理は行われないものとなる。
【0635】
また、先のステップS721において、第2テーブル参照フラグがONであった(つまり現在の参照テーブルが第2テーブルであった)場合、CPU40aはステップS730に進み、第2テーブル参照フラグをOFFとした上で、ステップS731で役物作動信号フラグ(特別電動役物作動信号フラグ)をOFFとする処理、次いでステップS732で開閉動作設定処理フラグをOFFとする処理を行い、ステップS625の処理を終える。
すなわち、ステップS718及びS719の処理により、第2テーブルの終了コードに従った処理が行われた場合には、第2テーブル参照フラグ、特別電動役物作動信号、及び開閉動作設定処理フラグがOFFとされる。
【0636】
ここで、上記では第1テーブルの終了コードの次アドレスに0以外のデータを記憶させておくか否かにより、第2テーブルを用いた処理を実行するか否かを切り替え可能とする例を挙げたが、このことで、該次アドレスの記憶データの変更のみで、例えば特別電動役物については第2テーブルを用いた処理を行うが、普通電動役物については第2テーブルを用いた処理を行わない等といったことを行うことができる(本実施の形態では特別電動役物と普通電動役物とでソレノイド制御データ生成のためのプログラムとして共通プログラムを用いる前提のため)。
また、特別電動役物の開放パターンが複数ある場合(例えば大当り開放パターンと小当り開放パターン等)、大当り開放パターンにおいてのみ第2テーブルを用いた処理を行い、小当り開放パターンでは第2テーブルを用いた処理を行わない等といったことを行うこともできる。
【0637】
(第2パターン)
図57は、第2パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブル、具体的には特別電動役物データ生成用第1テーブル(
図57A)、特別電動役物データ生成用第2テーブル(
図57B)の例を示している。
先の
図53を参照して分かるように、この場合における第1テーブルは入賞口開放期間の終了タイミングまでを担うものとなり、第2テーブルは「開放後閉期間」と「球噛み対策オン制御」とを担うものとなる。
この場合の第1テーブルにおける格納情報は、第1パターンにおける第1テーブルのアドレス08Hまでの格納情報と同じである。
【0638】
一方、この場合における第2テーブルは、第1パターンにおける第2テーブルと比較して、3番目アドレスまでの格納情報は同じとなるが、4番目アドレスであるアドレス0CHに開放後閉期間に対応する識別情報及び時間情報が格納される点が異なる。このアドレス0CHに格納する識別情報及び時間情報は、第1パターンにおける第1テーブルのアドレス09Hに格納されていたものと同じ情報とする。
また、この場合の第2テーブルにおいて、上記アドレス0CHの次のアドレス0DH、さらにその次のアドレス0EHには、それぞれ、第1パターンにおける第2テーブルのアドレス0DH、アドレス0EHと同様の情報を格納する。ただしこの場合、アドレス0EHの終了コードとしては、コード識別情報として「00H」ではなく「FFH」を記述しておく。
【0639】
ここで、第2パターンでは、終了コードに「00H」を記述するか「FFH」を記述するかにより、第2テーブルを用いた処理を実行するか否かの切り替えが可能となるようにする。
具体的に、図示のように第1テーブルの終了コードとして「00H」が記述されている場合には、第2テーブルを用いた処理を実行し、第1テーブルの終了コードとして「00H」ではなく「FFH」が記述されている場合には第2テーブルを用いた処理を実行しない(つまり入賞口開放期間後の球噛み対策オン制御を行わない)ものである。
【0640】
図58は、第2パターンに対応した大入賞口開閉動作設定の処理(「ステップS625A」とする)を示したフローチャートである。
確認のため述べておくと、第2パターンを採用する場合には、このステップS625Aの大入賞口開閉動作設定の処理は、
図27に示した特別電動役物作動開始処理(S620)、
図28に示した特別電動役物作動中処理(S630)、及び
図29に示した特別電動役物作動継続判定処理(S640)におけるステップS625の処理に代えて実行されるものとなる。
【0641】
図56に示した第1パターンの場合の処理との相違点は、ステップS717、S725からS729の処理が省略されて、ステップS716で終了コード到達フラグがONでないと判定された場合に、処理がステップS709に遷移されるようになった点と、ステップS721以降の処理に代えて、ステップS751からS755の処理が設けられた点である。
【0642】
この場合、CPU40aは、ステップS720で終了コード到達フラグをOFFとしたことに応じ、処理をステップS751に進める。
ステップS751でCPU40aは、終了コードに「FFH」が記述されているか否かを判定する。
【0643】
ステップS751において終了コードに「FFH」が記述されていなければ、CPU40aはステップS752に進み、第2テーブル参照フラグをONとして、ステップS625Aの処理を終える。
これにより、第2パターンにおいて、第1テーブルの終了コードに「FFH」が記述されていなければ、第2テーブルを用いた処理が行われるものとなる。
【0644】
一方ステップS751において、終了コードに「FFH」が記述されていれば、CPU40aはステップS753からS755の処理を実行し、ステップS625Aの処理を終える。
これらステップS753からS755の処理は、
図56に示したステップS730からS732の処理と同様の処理である。従って、第2パターンにおいて、第1テーブルの終了コードに「FFH」が記述されていた場合は、第1パターンにおいて第1テーブルの終了コードの次アドレスに0以外のデータが記憶されていなかった場合と同様の処理が行われることになる。すなわち、第2テーブルを用いた処理は行われないものとなる。
【0645】
なお、上記では第2テーブルを用いた処理の実行可否を定めるべく終了コードに記述する情報を「FFH」とする例を挙げたが、該情報は予め定められた値が用いられればよく「FFH」に限定されるものではない。
【0646】
(第3パターン)
図59は、第3パターンで用いられる特別電動役物データ生成用テーブル(図中では特別電動役物データ生成用第1テーブルと表記)を例示した図である。
第3パターンにおける第1テーブルは、第1パターンにおける第1テーブル(
図55A)と比較して、先頭アドレス(00H)から8番目アドレス(07H)までの格納情報は同じとなるが、9番目アドレス(08H)、10番目アドレス(09H)には、それぞれ、第1パターンにおける第1テーブルの10番目アドレス(09H)の格納情報、第1パターンにおける第2テーブル(
図55B)の4番目アドレス(0DH)の格納情報が格納される。
また第3パターンにおける第1テーブルにおいて、11番目アドレス(0AH)には終了コードを格納する。この場合の終了コードに記述する時間情報としては、第1パターンにおける第2テーブルの終了コードと同じ時間情報を格納する。
【0647】
この第3パターンの第1テーブルを用いる場合も、第1パターンや第2パターンで説明したものと同様に、特別電動役物動作タイマの値に基づき、テーブルの格納情報に従った処理を行うことで、
図51で説明した特別電動役物ソレノイドのオン/オフ制御、ソレノイド開放信号_1のオン/オフ制御、及び特別電動役物作動信号のオン/オフ制御を実現することができる。具体的な処理の一例としては、例えば、
図58に示した処理から、ステップS701からS703、及びステップS751からS753の処理を除いた上で、ステップS720に続く処理として、ステップS754(特別電動役物作動信号のオフ処理)及びS755(開閉動作設定処理フラグのオフ処理)を実行する処理とすることが考えられる。
【0648】
ここで、遊技機1について、入賞口の開放後における球噛み対策オン制御を実行する機種と実行しない機種とを作り分けることを考える。
例えば第3パターンのようにソレノイド制御データ生成用のテーブルを一つとする場合には、
図59に示したような球噛み対策オン制御を実行するためのテーブルと、球噛み対策オン制御を実行しないテーブルとを作り分けることを要する。
これに対し、第1パターンや第2パターンのようにテーブルを複数用いる手法を採る場合、球噛み対策オン制御を行う機種については第1テーブルの終了コードの次アドレスに0以外の情報を記憶させるか(第1パターンの場合)、或いは第1テーブルの終了コードに00Hを記述し(第2パターンの場合)、一方、球噛み対策オン制御を行わない機種については第1テーブルの終了コードの次アドレスに0のみを記憶させるか、或いは第1テーブルの終了コードにFFHを記述すればよく、従って、球噛み対策オン制御を実行する機種と実行しない機種とを作り分けるにあたりテーブルの一つのアドレスの情報のみを書き換えれば済む。すなわち、球噛み対策オン制御を実行する機種と実行しない機種とを作り分けるにあたっての作業負担の軽減を図ることができる。
【0649】
(普電役物側の実現手法)
上記では特別電動役物を例に説明したが、普通電動役物についても同様に第1パターン、第2パターン、第3パターンが成立し得る。
図60は、第1パターンで用いられる普通電動役物データ生成用テーブル、具体的には普通電動役物データ生成用第1テーブル(
図60A)、普通電動役物データ生成用第2テーブル(
図60B)の例を示している。
また、
図61は、第2パターンで用いられる普通電動役物データ生成用第1テーブル(
図61A)、普通電動役物データ生成用第2テーブル(
図61B)の例を示している。
さらに
図62は、第3パターンで用いられる普通電動役物データ生成用テーブル(図中では普通電動役物データ生成用第1テーブルと表記)の例を示している。
【0650】
本例において、普通電動役物については、先の
図52に例示したように1回の電サポ遊技において入賞口(始動口)を3回開閉することを前提としているで、特別電動役物の場合のテーブルと比較して、第1テーブルのアドレス数が多くなっているが、テーブルに格納する情報について、基本的な考え方は特別電動役物の場合と同様である。
【0651】
普通電動役物の場合、上記したテーブルを用いた処理として、ステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」の処理(
図12参照)が行われるが、本実施の形態では、このステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」処理としては、特別電動役物についてのステップS625(又はS625A)の処理と共通のプログラムモジュールを呼び出して実行する。
すなわち、第1パターンの場合であれば、ステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」処理として、先の
図56に示した処理と同様の処理が行われ、また第2パターンの場合であればステップS407の「普通電動役物開閉動作設定」処理として先の
図58に示した処理と同様の処理が行われる。さらに第3パターンの場合であれば、先に説明した特別電動役物についての第3パターンの場合の処理と同様の処理が行われる。
【0652】
ここで、プログラムとしては共通であるが、ステップS704の処理では、ステップS625(又はS625A)の処理と比較して、参照先のテーブルが普通電動役物についてのデータ生成用テーブルとなる点、ステップS710で参照する動作タイマが、特別電動役物動作タイマでなく、普通電動役物動作タイマとなる点、及びステップS711等でオン/オフデータをセットする対象が、特別電動役物ソレノイドではなく普通電動役物ソレノイドとなる点、が異なるものである。
【0653】
<10.変形例>
なお、実施形態としてはこれまでに説明した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例としての構成を採り得る。
例えば、上記では、特別電動役物側の処理と普通電動役物側の処理とで共通のプログラムモジュールを用いる例を挙げたが、特別電動役物側の処理と普通電動役物側の処理とで異なるプログラムモジュールを用いることも可能である。
異なるプログラムモジュールを用いる場合、特別電動役物側と普通電動役物側とでデータ生成用のテーブルのパターンを共通化する必要はなくなる。例えば、特別電動役物側では第1パターンを、普通電動役物側では第2パターンを採用したり、特別電動役物側では第3パターンを、普通電動役物側では第1パターンを採用したりすること等が考えられる。
【0654】
また、上記では、入賞口開放期間中における球噛み対策オフ制御と入賞口開放期間後における球噛み対策オン制御の双方を行う例としたので、ソレノイドの状態を示す試射試験信号であるソレノイド開放信号(ソレノイド開放信号を_1、又はソレノイド開放信号_2)について、球噛み対策オフ制御の実行中におけるソレノイド開放信号をオンとする処理、球噛み対策オン制御の実行中におけるソレノイド開放信号をオフとする処理の双方を行うものとしたが、これら、球噛み対策オフ制御の実行中におけるソレノイド開放信号をオンとする処理、球噛み対策オン制御の実行中におけるソレノイド開放信号をオフとする処理は、少なくとも何れか一方が行われればよい。
【符号の説明】
【0655】
1 遊技機
24 第2始動口
25 普通電動役物
25a 普通電動役物ソレノイド
27 第1大入賞口
28 第2大入賞口
29 第1特別電動役物
29a 第1特別電動役物ソレノイド
30 第2特別電動役物
30a 第2特別電動役物ソレノイド
32a OUT監視センサ
40 主制御基板
40a CPU
40F 試射試験信号生成機能