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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052237
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】乳化型睫毛用化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240404BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 8/87 20060101ALN20240404BHJP
   A61K 8/36 20060101ALN20240404BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q1/10
A61K8/06
A61K8/92
A61K8/25
A61K8/19
A61K8/87
A61K8/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158820
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】丸木 航
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB051
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB372
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC662
4C083AC842
4C083AD022
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD222
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD662
4C083BB21
4C083CC14
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さの全てに優れる乳化型睫毛用化粧料の開発を課題とする。
【解決手段】次の成分(A)~(D);
(A)ワックスエステル
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び/又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(C)水
(D)粉体
を含有し、前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、1~20である乳化型睫毛用化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)ワックスエステル
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び/又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(C)水
(D)粉体
を含有し、前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、1~20である乳化型睫毛用化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)の含有量及び前記成分(B)の含有量の合計が、8~20質量%である請求項1に記載の乳化型睫毛用化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)ワックスエステルが、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の乳化型睫毛用化粧料。
【請求項4】
前記成分(B)の含有量が、0.4~10質量%である請求項1又は2に記載の乳化型睫毛用化粧料。
【請求項5】
さらに成分(E)高級脂肪酸を含有する請求項1又は2に記載の乳化型睫毛用化粧料。
【請求項6】
さらに成分(F)ポリウレタンを含有する請求項1又は2に記載の乳化型睫毛用化粧料。
【請求項7】
水中油型である請求項1又は2に記載の乳化型睫毛用化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乳化型の睫毛用化粧料には、水中油型と油中水型があり、油性型よりも塗布時のみずみずしさに優れ、温水でも簡単に除去できる事を特長としていることから、国内外問わず支持が高まっている剤型である。また、睫毛用化粧料の一つであるマスカラを使用した際の理想的な仕上がりは、個々人の睫毛の長さ・太さ・カール具合といった特性だけでなく、その時々のトレンドにも左右される。例えば、近年、欧米では睫毛1本1本を太く見せ、存在を際立たせる仕上がりが求められているため、ボリュームアップ効果に優れたマスカラが支持されている。高いボリュームアップ効果を具現化する上では、重ねて塗布した際に睫毛用化粧料が睫毛にしっかり付着する必要があり、これまで様々な技術開発が行われてきた。
【0003】
例えば、総炭素数23~100のカルボン酸、総炭素数24~100のロウエステル、水をそれぞれ特定量含む水中油型メイクアップ化粧料により、まつ毛などに良好なカールアップ効果やボリューム効果を与え、化粧効果を長時間持続させる技術(例えば、特許文献1参照)、融点が85℃以上のマイクロクリスタリンワックスを含む25℃で固形のワックス、炭素数16~22の直鎖飽和脂肪酸又は前記直鎖飽和脂肪酸のアルカリ塩をそれぞれ特定量含むことで、ボリューム感を出しつつ、重ね塗りしても、ダマにならず、睫毛が垂れることなく、綺麗に仕上げる睫毛・眉毛用化粧料が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-169194号公報
【特許文献2】特開2017-197440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術ではボリュームアップ効果に優れるものの、睫毛に化粧料が不均一に付着しダマになってしまう場合があり、ボリュームアップ効果とダマの無さを両立することは困難であった。また、粉体分散性が低いと、外観色がぼやけてしまい、結果として外観色と塗布色に乖離が生じてしまう。これを解決するために、界面活性剤量を増加させる場合があるが、にじみが生じてしまう課題があった。そのため、ボリュームアップ効果とダマの無さを両立し、粉体分散性、にじみの無さを高い水準で満たす乳化型睫毛用化粧料の開発は困難であった。そこで、本発明は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さの全てに優れる乳化型睫毛用化粧料の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、ワックスエステル、特定のグリセリル脂肪酸エステル、水及び粉体を含有し、前記特定のグリセリル脂肪酸エステルに対する前記ワックスエステルの含有質量割合を1~20にすることで、ボリュームアップ効果に優れながらも、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さに優れる乳化型睫毛用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
[1]
次の成分(A)~(D);
(A)ワックスエステル
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び/又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(C)水
(D)粉体
を含有し、前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、1~20である乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[2]
さらに、前記成分(A)の含有量及び前記成分(B)の含有量の合計が、8~20質量%である前記[1]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[3]
さらに、前記成分(A)ワックスエステルが、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選択される1種又は2種以上である前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[4]
さらに、前記成分(B)の含有量が、0.4~10質量%である前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[5]
さらに、成分(E)高級脂肪酸を含有する前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[6]
さらに、成分(F)ポリウレタンを含有する前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
[7]
さらに、水中油型である前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ボリュームアップ効果、化粧料を重ね付けしてもダマの無さに優れ、粉体分散性、にじみの無さにも優れる乳化型睫毛用化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0010】
本発明に使用される成分(A)ワックスエステルは、25℃で固形を呈する、脂肪酸とアルコールとのエステルである。成分(A)は、通常化粧料に使用されるものであれば、動物、植物、合成等の起源に限定されず、いずれのものも使用できる。具体的には、硬質ラノリン、ステアリン酸ステアリル、水添ホホバ油、ベヘン酸ベヘニル、シア脂、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ボリュームアップ効果の観点から、特にキャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく、キャンデリラロウ、ミツロウ、及びカルナウバロウよりなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく、にじみの無さの観点からミツロウ及び/又はキャンデリラロウがさらにより好ましく、粉体分散性の観点から、ミツロウ及びキャンデリラロウを併用することが最も好ましい。
【0011】
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されず、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、4質量%(以下、単に%と略す)以上が好ましく、5%以上がより好ましく、6%以上がさらにより好ましい。また、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、10%以下がさらにより好ましい。また、4~15%が好ましく、5~12%がより好ましく、6~10%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、にじみの無さにより優れるため、より好ましい。
【0012】
本発明に使用される成分(B)は、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び/又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルである。(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルは、ベヘン酸とエイコサン二酸からなる混合脂肪酸とグリセリンのエステルであり、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルは、ベヘン酸、イソステアリン酸及びエイコサン二酸の混合物とグリセリンのトリエステルである。特に、ボリュームアップ効果の観点から、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルが好ましい。
【0013】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されず、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、0.4%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、2%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらにより好ましい。また、0.4~10%が好ましく、1~8%がより好ましく、2~6%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、粉体分散性、にじみの無さにより優れるため、より好ましい。
【0014】
本発明において前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)は、1~20である。本発明において(A)/(B)は、特に限定されないが、15以下が好ましく、12以下がより好ましく、9以下がさらにより好ましい。1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上がさらにより好ましい。また、1.1~15が好ましく、1.2~12がより好ましく、1.3~9がさらにより好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、粉体分散性、にじみの無さに優れる点で好ましい。
【0015】
本発明における前記成分(A)及び前記成分(B)の含有量の合計は、特に限定されないが、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、8%以上が好ましく、9%以上がより好ましく、10%以上がさらにより好ましい。また、20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらにより好ましい。また、8~20%が好ましく、9~18%がより好ましく、10~15%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、粉体分散性、にじみの無さに優れる点で好ましい
【0016】
本発明に用いられる成分(C)水は、特に限定されず、例えば、精製水、蒸留水、イオン交換水、水道水、温泉水、海洋深層水、ローズ水、ラベンダー花水等の植物由来の水蒸気蒸留水等、種々の水をあげることができ、必要に応じて、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されず、油中水型、水中油型等、剤型に合わせて適宜その含有量を調整することができる。例えば、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、20%以上がさらにより好ましい。また、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下がさらにより好ましい。また、5~90%が好ましく、10~80%がより好ましく、20~70%がさらにより好ましい。また、油中水型睫毛用化粧料であれば、5~50%が好ましく、8~40%がより好ましく、10~30%がさらにより好ましく、水中油型睫毛用化粧料であれば、25~90%が好ましく、30~80%がより好ましく、35~70%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ダマの無さ、粉体分散性により優れるため、より好ましい。
【0018】
本発明に用いられる成分(D)粉体は、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等の制限なく使用することができ、無機粉体類、有機粉体類、無機色素粉体類、有機色素粉体類、複合粉体類、光輝性粉体類、積層フィルム末類等が挙げられる。
【0019】
具体的には、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成金雲母、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス等の無機粉体類や、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸アルキル、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルセスキオキサン、ポリスチレン、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体、ポリエチレン、ウレタン、ウール、シルク、結晶セルロース、N-アシルリジン等の有機粉体類、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム等の無機色素粉体類、カーボンブラック、有機タール系顔料、有機色素等のレーキ顔料等の有機色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体類、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン等の光輝性粉体類や、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末などの積層フィルム末類等が挙げられる。これらは、本発明の効果を妨げない限り、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の表面処理を施してあってもよい。
【0020】
これらの中でも、特に、睫毛を着色し、ボリュームアップ効果を可視化するため、無機色素粉体類、有機色素粉体類、光輝性粉体類、積層フィルム末類等の着色剤を含有することが好ましく、無機色素粉体類、有機色素粉体類、及び光輝性粉体類よりなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、及びカーボンブラックよりなる群から選択される1種又は2種以上がさらにより好ましい。
【0021】
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されず、例えば、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらにより好ましい。また、40%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下がさらにより好ましい。また、1~40%が好ましく、3~35%がより好ましく、5~30%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性により優れより好ましい。
【0022】
本発明は、さらに成分(E)高級脂肪酸を含有することができる。成分(E)は、通常化粧料に使用されるものであれば、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐等、特に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、炭素数12~22の脂肪酸が挙げられ、より具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸よりなる群から選択される1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、粉体分散性の観点から、炭素数12~22の脂肪酸が好ましく、炭素数16~22の脂肪酸がより好ましく、炭素数16~18の脂肪酸がさらにより好ましく、にじみの無さの観点から、特にステアリン酸が最も好ましい。
【0023】
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されず、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、0.25%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましい。また、4%以下が好ましく、3.5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。また、0.25%~4%が好ましく、0.5%~3.5%がより好ましく、1%~3%がさらに好ましい。この範囲であれば、ボリュームアップ効果、粉体分散性により優れるため、より好ましい。
【0024】
本発明はさらに成分(F)ポリウレタンを含有することができる。ポリウレタンは、ウレタン結合を有する重合物であり、例えば、イソシアネート基と水酸基を有する化合物の反応により得ることができる。本発明においては、成分(F)ポリウレタンを含有することで、ダマの無さ、にじみの無さにより優れる効果を奏する。本発明に使用される成分(F)ポリウレタンは、乳化型睫毛用化粧料に粘度を付与するゲル化剤としての作用を有し、粉末として使用するウレタン末とは異なるものである。本発明において、ポリウレタンは、水膨潤性のポリウレタン、油溶性のポリウレタンのいずれも使用することができる。水膨潤性ポリウレタンは、水中でポリウレタンを構成する疎水部分が会合し、増粘作用を奏する。このような水膨潤性のポリウレタンとして、例えば、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー等が挙げられる。一方、油溶性のポリウレタンは、油中でポリウレタンを構成する親水部分が会合し、増粘作用を奏する。油溶性のポリウレタンとして、ポリウレタン-79、水添ポリオレフィン(C6-20)・(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(水添ポリブタジエン/グリコール/HDI)コポリマー等が挙げられる。本発明においては、ダマの無さの観点から水膨潤性ポリウレタンが好ましい。
【0025】
成分(F)の市販品としては、例えば、アデカノールGT-700(ADEKA社製、INCI名:(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー)、Oilkemia 5S polymer(純分30%)(rubrizol社製、INCI名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ポリウレタン-79)、Oilkemia 5S CC polymer(純分30%)(rubrizol社製、INCI名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、水添ポリオレフィン(C6-20)、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー)等が例示できる。
【0026】
本発明における成分(F)の含有量は、特に限定されず、乳化型睫毛用化粧料全量に対して、0.01%以上が好ましく、0.03%以上がより好ましく、0.05%以上がさらにより好ましい。また、1%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.6%以下がさらにより好ましい。また、0.01~1%が好ましく、0.03~0.8%がより好ましく、0.05~0.6%がさらにより好ましい。この範囲であれば、ダマの無さ、にじみの無さに優れるため、より好ましい。
【0027】
本発明の乳化型睫毛用化粧料は、さらに界面活性剤(ただし、成分(E)を除く)を含有することができる。乳化型睫毛用化粧料に界面活性剤を含有することで、製剤の安定性や粉体分散性により優れより好ましい。
【0028】
界面活性剤としては、特に限定されないが、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。例えば、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N-アルキルジメチルアミンオキシドポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどを挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸などのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。例えば、カチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、臭化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15モル)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(4モル)ラウリルエーテルジメチルアンモニウム、塩化ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を挙がられ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
特に、粉体分散性の観点から、非イオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましい。
【0030】
本発明において、界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、5%以下がさらにより好ましい。また、0.01~10%が好ましく、0.05~8%がより好ましく、0.1~5%がさらにより好ましい。この範囲であれば、製剤の安定性や粉体分散性により優れより好ましい。
【0031】
本発明の乳化型睫毛用化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常の化粧料に使用される成分を含有することができる。例えば、成分(A)、(B)、(E)以外の油性成分、成分(C)以外の水性成分、紫外線吸収剤、成分(F)以外の高分子、保湿剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防腐剤、薬効成分、安定化剤、色素、香料等が挙げられる。
【0032】
本発明の乳化型睫毛用化粧料は、常法により製造することができる。例えば、成分(A)、(B)、(D)並びに必要に応じて成分(E)、(F)油溶性のポリウレタン及び任意成分を、成分(A)の融点以上の温度(例えば、90℃)で加熱して混合し、成分(C)並びに必要に応じて成分(F)水膨潤性のポリウレタン及び任意成分を混合し、必要に応じて加温して乳化して得ることができる。
【0033】
本発明の乳化型睫毛用化粧料は、水中油型、油中水型、あるいはそれらの複合である多相乳化型とすることができるが、重ね塗りしやすく、ボリュームアップ効果の観点から、水中油型の乳化型睫毛用化粧料が好ましい。
【0034】
本発明の乳化型睫毛用化粧料は、特に限定されないが、例えば、マスカラ、睫毛用下地、マスカラオーバーコート等に用いることができる。
【0035】
なお、本発明は以下の構成をとることもできる。
[1]
次の成分(A)~(D);
(A)ワックスエステル
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び/又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(C)水
(D)粉体
を含有し、前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、1~20である乳化型睫毛用化粧料。
[2]
さらに、前記成分(A)の含有量及び前記成分(B)の含有量の合計が、8~20質量%である前記[1]に記載の乳化型睫毛用化粧料。
[3]
さらに、前記成分(A)ワックスエステルが、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選択される1種又は2種以上である前記[1]又は[2]に記載の乳化型睫毛用化粧料。
[4]
さらに、前記成分(B)の含有量が、0.4~10質量%である前記[1]~[3]のいずれかに記載の乳化型睫毛用化粧料。
[5]
さらに、成分(E)高級脂肪酸を含有する前記[1]~[4]のいずれかに記載の乳化型睫毛用化粧料。
[6]
さらに、成分(F)ポリウレタンを含有する前記[1]~[5]のいずれかに記載の乳化型睫毛用化粧料。
[7]
さらに、水中油型である前記[1]~[6]のいずれかに記載の乳化型睫毛用化粧料。
【0036】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
実施例1~15及び比較例1~8:水中油型睫毛用化粧料
下記表1~3に示す処方の水中油型睫毛用化粧料を下記の製造方法にて調製し、(イ)ボリュームアップ効果、(ロ)ダマの無さ、(ハ)粉体分散性、(ニ)にじみの無さについて、下記評価方法により評価した。その結果も併せて表1~3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
*1:ノムコートHK-G(日清オイリオグループ社製)
*2:ノムコートSG(日清オイリオグループ社製
*3:アデカノールGT-700(アデカ社製)
*4:Oilkemia 5S CC polymer(固形分30%、溶媒:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)(rubrizol社製)
*5:ACULYN 33(固形分28%、溶媒:水)(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)
【0042】
(製造方法)
A:成分(1)~(12)を110℃まで加熱し、均一に溶解する。
B:Aに成分(13)~(16)、(19)を加え、85℃で均一に分散する。
C:成分(17)~(18)、(20)~(23)を85℃で均一に分散する。
D:BにCを加え85℃で乳化する。
E:Dを室温に冷却し、塗布体(ナイロンブラシ)付き容器に充填して水中油型睫毛用化粧料を得た。
【0043】
<評価方法>
下記評価項目(イ)~(ニ)について、下記の方法で各試料の評価及び判定を行った。
<評価項目>
(イ)ボリュームアップ効果
(ロ)ダマの無さ
(ハ)粉体分散性
(ニ)にじみの無さ
【0044】
評価項目(イ)~(二)ついては、各試料について化粧品評価専門パネル10名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
【0045】
(評価項目及び評価観点)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
評価項目(イ):ボリュームアップ効果については、各試料を睫毛に塗布する際に、試料が睫毛に付着し睫毛が太く見えるかどうかを目視で評価した。
評価項目(ロ):ダマの無さについては、各試料を睫毛に塗布した際に、睫毛上で試料がダマになっていないかどうかを目視で評価した。
評価項目(ハ):粉体分散性については、各試料を睫毛に塗布した際に、試料の外観色と睫毛に塗布した試料の色に乖離がないかを目視で評価した。
評価項目(二):にじみの無さについては、各試料を睫毛に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後に塗布部位周辺ににじみが観察されるかどうかを目視で評価した。
【0046】
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
【0047】
(4段階判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超える5点以下 :良好
△ :2点を超える3.5点以下 :やや不良
× :2点以下 :不良
【0048】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1~15の水中油型睫毛用化粧料は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さに優れたものであった。一方、成分(A)を含まない比較例1は、ボリュームアップ効果及びにじみの無さに満足のいく品質が得られず、成分(A)の代わりにモクロウを含有する比較例2は、ボリュームアップ効果、にじみの無さに満足のいく品質が得られず、成分(A)の代わりに合成ワックスを含有する比較例3は、バルクの外観色が白ぼけてしまい、粉体分散性において満足のいくものではなかった。さらに、成分(B)を含まない比較例4は、粉体分散性において満足のいく品質が得られず、成分(B)の代わりに(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10を含有する比較例5は、粉体分散性及びにじみの無さにおいて満足いく品質が得られず、成分(B)の代わりにベヘニルアルコールを含有する比較例6はボリュームアップ効果、粉体分散性及びにじみの無さにおいて満足いく品質が得られず、成分(B)の代わりにトリステアリン酸グリセリルを含有する比較例7は、ボリュームアップ効果において満足いく品質が得られず、成分(B)を含有せず、成分(A)の含有量を多くした比較例8は、粉体分散性に満足のいく品質が得られなかった。
【0049】
実施例16:水中油型睫毛用下地
(成分) (%)
(1)キャンデリラロウ 4
(2)ミツロウ 4
(3)パラフィン 1
(4)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル *1 1.5
(5)ステアリン酸 1.5
(6)ミリスチン酸 0.5
(7)イソステアリン酸デキストリン *6 0.5
(8)水添アビエチン酸グリセリル *7 1
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 1
(11)パルミチン酸デキストリン3%処理黒色酸化鉄 3
(12)カルミン 1
(13)マイカ 1
(14)酸化チタン被覆ガラス末 *8 2
(15)酸化鉄被覆雲母チタン *9(干渉色:赤色) 1
(16)精製水 残量
(17)ポリビニルアルコール 1
(18)エタノール 1
(19)1,3-ブチレングリコール 1
(20)(PEG-240/デシルテトラデセス-20
/HDI)コポリマー *3 0.7
(21)EDTA-2Na 0.1
(22)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
(23)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(24)フェノキシエタノール 0.3
(25)ヒアルロン酸Na 0.1
(26)トコフェロール 0.1
(27)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマー*10 10
(28)(アクリレーツ/VA)コポリマー *11 3
(29)ポリ酢酸ビニル *12 2
(30)レーヨン繊維(繊維径7D、繊維長2mm) 1
(31)ナイロン繊維(繊維径4T、繊維長2mm) 0.5
(32)ポリプロピレン繊維(繊維径5.6D、繊維長2mm) 1
*6:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
*7:パインクリスタル KE-311(荒川化学工業社製)
*8:メタシャインMT1080RR(日本板ガラス社製)
*9:CLOISONNE CERISE FLAMBE 550Z(BASF社製)
*10:ダイトゾール5000SJ(50質量%固形分、溶媒:水)(大同化成工業社製)
*11:ビニゾール2140L(43質量%固形分、溶媒:水)(大同化成工業社製)
*12:ビニブラン GV-5651(40質量%固形分、溶媒:水)(日信化学工業社製)
【0050】
(製造方法)
A.成分(1)~(10)を110℃まで加熱し、均一に混合する。
B.Aに成分(11)~(15)を加え、80℃で均一に分散する。
C.成分(16)~(32)を80℃で均一に分散する。
D.BにCを加え80℃で乳化する。
E.Dを室温に冷却し、塗布体(ナイロンブラシ)付き容器に充填して水中油型睫毛用下地を得た。
【0051】
実施例16の水中油型睫毛用下地は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さに優れたものであった。なお、(A)/(B)は、5.3であり、成分(A)の含有量及び成分(B)の含有量の合計は、9.5%であった。
【0052】
実施例17:睫毛用トップコート
(成分) (%)
(1)キャンデリラロウ 4
(2)カルナウバロウ 4
(3)マイクロクリスタリンワックス *13 1.5
(4)(アクリレーツ/アクリル酸ベヘニル
/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー *14 1
(5)トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル *2 1
(6)ステアリン酸 1.5
(7)ミリスチン酸 0.5
(8)ショ糖脂肪酸エステル 0.5
(9)水添ロジン酸ペンタエリスリチル *15 1
(10)キャンデリラレジン *16 1
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1
(13)テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2処理黄色酸化鉄 0.1
(14)タルク 1
(15)シリカ(球状、粒径:10μm) 1
(16)精製水 残量
(17)ポリビニルアルコール 1
(18)エタノール 1
(19)1,3-ブチレングリコール 1
(20)(PEG-240/デシルテトラデセス-20
/HDI)コポリマー *3 0.9
(21)EDTA-2Na 0.1
(22)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
(23)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(24)フェノキシエタノール 0.3
(25)(アクリレーツ/VA)コポリマー *17 3
(26)アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム 10
(27)(ビニルピロリドン/VA)コポリマー溶液 *18 2
*13:MULTIWAX W445 (SONNEBORN.LLC社製)
*14:KP-562P(信越化学工業社製)
*15:エステルガムHP(荒川化学工業社製)
*16:キャンデリラ樹脂E-1(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*17:YODOSOL GH810F(固形分50%、溶媒:水)(アクゾノーベル社製)
*18:アコーンKS(固形分50%、溶媒:エタノール)(大阪有機化学工業社製)
【0053】
(製造方法)
A.成分(1)~(12)を110℃まで加熱し、均一に混合する。
B.Aに成分(13)~(15)を加え、90℃で均一に分散する。
C.成分(16)~(27)を90℃で均一に分散する。
D.BにCを加え90℃で乳化する。
E.Dを室温に冷却し、塗布体(ナイロンブラシ)付き容器に充填して水中油型睫毛用下地を得た。
【0054】
実施例17の水中油型睫毛用下地は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さに優れたものであった。なお、(A)/(B)は、8であり、成分(A)の含有量及び成分(B)の含有量の合計は、9%であった。
【0055】
実施例18:油中水型睫毛用下地
(成分) (%)
(1)水添ポリイソブテン *19 残量
(2)水添ロジン酸ペンタエリスリチル *15 5
(3)ミツロウ 7
(4)カルナウバロウ 3
(5)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル *1 10
(6)パルミチン酸デキストリン 2
(7)クオタニウム-18ヘクトライト 5
(8)炭酸プロピレン 1
(9)水添ポリイソブテン *19 10
(10)レシチン 1
(11)煙霧上シリカ(平均粒子径:7nm) 2
(12)タルク(平均粒子径:7μm) 2
(13)黒色酸化鉄 5
(14)ラウロイルリシン 5
(15)トリメチルシロキシケイ酸 8
(16)水添ポリイソブテン *19 8
(17)精製水 5
(18)ポリ酢酸ビニル *12 3
(19)エタノール 3
*19:ISODODECANE(IMCD社)
【0056】
(製造方法)
A.成分(7)~(9)を均一に混合する。
B.成分(1)~(6)を110℃で均一に溶解する。
C.BにAを加え均一に混合する。
D.成分(15)と(16)を均一に混合する。
E.Cに成分(10)~(14)とDを均一に分散し、3本ローラーで分散する。
F.成分(17)~(19)を均一に混合する。
G.EにFを加え室温で乳化する。
H.Gを塗布体(ナイロンブラシ)付き容器に充填して油中水型睫毛用下地を得た。
【0057】
実施例18の油中水型睫毛用下地は、ボリュームアップ効果、ダマの無さ、粉体分散性、にじみの無さに優れたものであった。なお、(A)/(B)は、1であり、成分(A)の含有量及び成分(B)の含有量の合計は、20%であった。