(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052249
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】印刷給電管理システム及び給電管理方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240404BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G06F3/12 321
G06F3/12 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158833
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯田 康吉
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP04
2C061HQ01
2C061HT02
2C061HT08
(57)【要約】
【課題】印刷指令が来るまで待機している間におけるプリンタの消費電力を抑える。
【解決手段】イーサネットハブ300に接続された、操作部104を有するコンピュータ100及び通信回路201Cを有するプリンタ200を有する印刷給電管理システム1であって、コンピュータ100は、操作部104を介したプリンタ200による印刷実行要求の受け付け後、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を開始する給電開始指令をイーサネットハブ300に出力するステップS10を実行し、プリンタ200は、給電開始指令に基づくイーサネットハブ300の制御により通信回路201Cに給電がなされたことを示す通信準備完了通知を出力するステップS25を実行し、コンピュータ100は、プリンタ200からの通信準備完了通知を受信するステップS30と、通信準備完了通知の受信の後、プリンタ200への印刷指令を出力するステップS35を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信線を介した電力供給が可能な給電装置に接続され、ユーザインタフェースを有する印刷制御部と、
前記給電装置に接続され、通信回路を有するプリンタと、
前記給電装置に接続されるON/OFF指令部と、
を有する印刷給電管理システムであって、
前記ON/OFF指令部は、
前記印刷制御部における前記ユーザインタフェースを介した前記プリンタによる印刷実行要求の受け付け後、前記プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を前記給電装置に出力する第1ON指令出力処理を実行し、
前記プリンタは、
前記ON指令に基づく前記給電装置の制御により前記通信回路に給電がなされたことを示すON情報を出力するON情報出力処理を実行し、
前記ON/OFF指令部は、
前記プリンタからの前記ON情報を受信するON情報受信処理を実行し、
前記印刷制御部は、
前記ON/OFF指令部での前記ON情報の受信の後、前記プリンタへの印刷指令を出力する印刷指令出力処理を実行する、印刷給電管理システム。
【請求項2】
前記プリンタは、
前記通信回路を介して受信した前記印刷指令に基づく印刷処理が完了したとき、印刷完了通知を出力する完了通知出力処理を実行し、
前記ON/OFF指令部は、
前記プリンタからの前記印刷完了通知を受信する完了通知受信処理と、
前記印刷完了通知の受信に基づき、前記プリンタの前記通信回路への給電を停止するOFF指令を前記給電装置に出力する第1OFF指令出力処理と、を実行する、請求項1記載の印刷給電管理システム。
【請求項3】
前記プリンタは、さらに、
前記印刷完了通知とともに、前記通信回路への給電停止が不要であるか否かを判定する給電停止判定処理
を実行し、
前記給電停止判定処理で前記給電停止が不要であると判定された場合には、前記完了通知出力処理においてOFF不要情報を前記ON/OFF指令部に出力し、
前記ON/OFF指令部は、さらに、
前記完了通知受信処理において前記印刷完了通知の受信の際に前記OFF不要情報を受信したか否かを判定する不要情報判定処理
を実行し、
前記不要情報判定処理で前記OFF不要情報を受信していないと判定された場合に、前記第1OFF指令出力処理において前記OFF指令を出力する、請求項2記載の印刷給電管理システム。
【請求項4】
前記プリンタは、前記給電停止判定処理において、
前記印刷制御部以外の第1印刷制御部であって、前記給電装置に接続されている前記第1印刷制御部から前記プリンタへの第1印刷指令が存在する場合には、前記給電停止が不要であると判定する、請求項3記載の印刷給電管理システム。
【請求項5】
前記プリンタは、前記給電停止判定処理において、
前記印刷制御部以外の第2印刷制御部であって、前記給電装置に接続されていない前記第2印刷制御部から前記プリンタへの第2印刷指令が存在する場合には、前記給電停止が不要であると判定する、請求項3記載の印刷給電管理システム。
【請求項6】
前記ON/OFF指令部は、さらに、
前記不要情報判定処理で前記OFF不要情報を受信していると判定された場合に、定期的に前記プリンタに状態を問合せる問合せ処理
を実行し、
前記プリンタは、
前記ON/OFF指令部からの問合せ時があったとき、前記通信回路を介して受信した前記第2印刷指令に基づく印刷処理が完了していた場合に、前記完了通知出力処理を行う、請求項5記載の印刷給電管理システム。
【請求項7】
前記プリンタは、複数設けられており、
前記給電装置は、複数設けられており、
複数の前記プリンタは、
複数の前記給電装置のうちいずれかの給電装置に接続され、インクジェットプリンタである少なくとも1つの第1プリンタと、複数の前記給電装置のうちいずれかの給電装置に接続され、前記第1プリンタのクリーニング動作を管理する機能を有する第2プリンタと、を含み、
前記ON/OFF指令部及び前記第2プリンタには、
前記第1プリンタが複数の前記給電装置のうちどの給電装置に接続されているかを表すハブ接続情報と、前記第1プリンタのクリーニング時刻と、が記憶されており、
前記第1プリンタは、
前記ON/OFF指令部からの前記ON指令により給電されたとき、前記給電装置から現在時刻を取得する第1現在時刻取得処理と、
前記印刷処理完了後、前記第1現在時刻取得処理で取得された前記現在時刻を最終動作時刻として保存する動作時刻保存処理と、
を実行する、請求項2記載の印刷給電管理システム。
【請求項8】
前記第2プリンタは、
対応する前記給電装置に対し定期的に現在時刻を問合せて取得する現在時刻問合せ処理
を実行し、
前記ON/OFF指令部は、さらに、
前記現在時刻問合せ処理で前記第2プリンタにより取得された時刻が前記第1プリンタの前記クリーニング時刻以降の時刻である場合に、前記第1プリンタが接続されている前記給電装置に対して、前記第1プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を出す第2ON指令出力処理
を実行し、
前記第1プリンタは、
前記ON/OFF指令部からの前記ON指令により前記通信回路へ給電された場合に、対応する前記給電装置に現在時刻を要求して取得する現在時刻要求処理
を実行し、
前記第2プリンタは、さらに、
前記クリーニング動作のために前記通信回路へ給電したことを、前記第1プリンタに通知する通知処理
を実行し、
前記第1プリンタは、さらに、
前記現在時刻要求処理で取得した前記現在時刻と、前記動作時刻保存処理で保存されている前記最終動作時刻と、予め設定された当該第1プリンタのクリーニング周期とから、クリーニング動作の要否を判定する第1クリーニング判定処理と、
前記第1クリーニング判定処理でクリーニング要と判定された場合に、クリーニング動作を実行する第1クリーニング実行処理と、
前記第1クリーニング判定処理でクリーニング要と判定された場合における前記クリーニング動作実行後において当該クリーニング動作の完了と次回のクリーニング時刻とを前記第2プリンタに通知するか、若しくは、前記第1クリーニング判定処理でクリーニング不要と判定された場合における当該判定後において次回のクリーニング時刻を前記第2プリンタに通知する次回時刻通知処理と、
を実行し、
前記第2プリンタは、さらに、
前記第1プリンタから通知された前記次回のクリーニング時刻を保存する次回時刻保存処理
を実行し、
前記ON/OFF指令部は、さらに、
前記第1プリンタが接続されている前記給電装置に対して、当該第1プリンタの前記通信回路への給電を停止するOFF指令を出力する第2OFF指令出力処理
を実行する、請求項7記載の印刷給電管理システム。
【請求項9】
前記プリンタは、複数設けられており、
前記給電装置は、複数設けられており、
複数の前記プリンタは、
複数の前記給電装置のうちいずれかの給電装置に接続され、インクジェットプリンタである少なくとも1つの第3プリンタを含み、
前記ON/OFF指令部は、さらに、
前記第3プリンタに接続される前記給電装置に対して、当該第3プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を出力する第3ON指令出力処理と、
前記給電装置に現在時刻を要求して取得する第2現在時刻取得処理と、
前記第3プリンタに最終動作時刻を要求して取得する最終動作時刻取得処理と、
前記第2現在時刻取得処理で取得された現在時刻と前記最終動作時刻取得処理で取得された最終動作時刻とから前記第3プリンタのクリーニング時刻を決定するクリーニング時刻決定処理と、
決定した前記クリーニング時刻を前記第3プリンタに接続される前記給電装置に設定するクリーニング時刻設定処理と、
前記第3プリンタに接続される前記給電装置に対して、前記第3プリンタの通信回路への給電を停止するOFF指令を出力する第3OFF指令出力処理と、
を実行する、請求項2記載の印刷給電管理システム。
【請求項10】
前記第3プリンタに接続される前記給電装置は、
予め定められた電源投入時刻に従って、当該第3プリンタの前記通信回路への給電を開始する給電開始処理
を実行し、
前記第3プリンタは、
前記給電開始処理により前記通信回路へ給電された場合に、対応する前記給電装置から現在時刻を取得する第3現在時刻取得処理と、
前記第3現在時刻取得処理で取得された前記現在時刻と、前記最終動作時刻取得処理で取得された前記最終動作時刻と、予め設定された前記第3プリンタのクリーニング周期とから、クリーニング動作の要否を判定する第2クリーニング判定処理と、
前記第2クリーニング判定処理でクリーニング要と判定された場合に、クリーニング動作を実行する第2クリーニング実行処理と、
前記第2クリーニング判定処理でクリーニング要と判定された場合における前記クリーニング動作実行後において、若しくは、前記第2クリーニング判定処理でクリーニング不要と判定された場合における当該判定後において、次回の前記クリーニング時刻を次回の前記電源投入時刻として前記第3プリンタに接続される前記給電装置に設定する次回時刻設定処理と、
前記電源投入時刻の設定後、当該第3プリンタの前記通信回路への給電を停止する給電停止時刻を前記第3プリンタに接続される前記給電装置に設定する停止時刻設定処理と、
を実行し、
前記第3プリンタに接続される前記給電装置は、
前記給電停止時刻に従って、前記第3プリンタの前記通信回路への給電を停止する給電停止処理
を実行する、請求項9記載の印刷給電管理システム。
【請求項11】
前記複数のプリンタは、
前記複数の給電装置のうちいずれかの給電装置に接続されるインクジェットプリンタである第4プリンタであって、前記第3プリンタとは異なる少なくとも1つの前記第4プリンタを含み、
前記ON/OFF指令部は、
前記第3プリンタの前記通信回路及び前記第4プリンタの前記通信回路に給電がなされている状態において、前記第3プリンタ若しくは前記第4プリンタのクリーニング動作を管理する機能を有する第5プリンタが前記複数の給電装置のいずれにも接続されていないことを表すプリンタ不接続情報を出力する不接続情報出力処理
を実行し、
前記第3プリンタ及び前記第4プリンタは、
前記ON/OFF指令部からの前記プリンタ不接続情報を保存する、
請求項10記載の印刷給電管理システム。
【請求項12】
前記現在時刻の取得元である前記給電装置は、タイマを有し、前記タイマによる現在時刻を、当該現在時刻の取得先へと出力する、請求項7乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷給電管理システム。
【請求項13】
前記ON/OFF指令部は
前記プリンタに設けられているか、若しくは、前記印刷制御部としてのコンピュータに設けられている、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷給電管理システム。
【請求項14】
前記プリンタは、
消費する全電力が、対応する前記給電装置を介して給電される、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷給電管理システム。
【請求項15】
データ通信線を介した電力供給が可能な給電装置にそれぞれ接続される、ユーザインタフェースを有する印刷制御部、通信回路を有するプリンタ、及び、ON/OFF指令部を有する印刷給電管理システムが実行する給電管理方法であって、
前記印刷制御部における前記ユーザインタフェースを介した前記プリンタによる印刷実行要求の受け付け後、前記プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を前記給電装置に出力する第1ON指令出力ステップと、
前記ON指令に基づく前記給電装置の制御により前記通信回路に給電がなされたことを示すON情報を出力するON情報出力ステップと、
前記プリンタからの前記ON情報を受信するON情報受信ステップと、
前記ON情報の受信の後、前記プリンタへの印刷指令を出力する印刷指令出力ステップと、
を有する、給電管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信線を介した給電機能を利用してプリンタに対し電力供給を行う印刷給電管理システム及び給電管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、データ通信線を介した電力供給が可能な給電装置と接続される画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、電源OFF状態においてプリント指令を受信した場合には、プリント指令が受信済であることをユーザに通知するとともに、認証処理を実行するために、ユーザによる特定情報の入力を促すメッセージを表示する。画像形成装置は、認証処理の成功を条件に、電源ON状態へ切換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、画像形成装置が電源OFF状態でも、画像形成装置に対してLAN通信部やFAX通信部を作動させるためのネットワーク電力の供給は継続されている。このため、画像形成装置がプリント指令を受信するまで待機している間でも、LAN通信部やFAX通信部はネットワーク電力で作動しており、これらの通信部が消費する電力を削減することはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、印刷指令が来るまで待機している間におけるプリンタの消費電力を抑えることができる印刷給電管理システム及び給電管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の印刷給電管理システムは、データ通信線を介した電力供給が可能な給電装置に接続され、ユーザインタフェースを有する印刷制御部と、前記給電装置に接続され、通信回路を有するプリンタと、前記給電装置に接続されるON/OFF指令部と、を有する印刷給電管理システムであって、前記ON/OFF指令部は、前記印刷制御部における前記ユーザインタフェースを介した前記プリンタによる印刷実行要求の受け付け後、前記プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を前記給電装置に出力する第1ON指令出力処理を実行し、前記プリンタは、前記ON指令に基づく前記給電装置の制御により前記通信回路に給電がなされたことを示すON情報を出力するON情報出力処理を実行し、前記ON/OFF指令部は、前記プリンタからの前記ON情報を受信するON情報受信処理を実行し、前記印刷制御部は、前記ON/OFF指令部での前記ON情報の受信の後、前記プリンタへの印刷指令を出力する印刷指令出力処理を実行する。
【0007】
また上記目的を達成するために、本願発明の給電管理方法は、データ通信線を介した電力供給が可能な給電装置にそれぞれ接続される、ユーザインタフェースを有する印刷制御部、通信回路を有するプリンタ、及び、ON/OFF指令部を有する印刷給電管理システムが実行する給電管理方法であって、前記印刷制御部における前記ユーザインタフェースを介した前記プリンタによる印刷実行要求の受け付け後、前記プリンタの前記通信回路への給電を開始するON指令を前記給電装置に出力する第1ON指令出力ステップと、前記ON指令に基づく前記給電装置の制御により前記通信回路に給電がなされたことを示すON情報を出力するON情報出力ステップと、前記プリンタからの前記ON情報を受信するON情報受信ステップと、前記ON情報の受信の後、前記プリンタへの印刷指令を出力する印刷指令出力ステップと、を有する。
【0008】
本願発明においては、通信回路を有するプリンタに対する電力供給がデータ通信線を介した電力供給が可能な給電装置によって行われる。すなわち、平常時は、通信回路を含み、プリンタに対する電力供給は行われていない。プリンタを用いた印刷実行要求が、印刷制御部のユーザインタフェースを介し受け付けられることで、ON/OFF指令部の実行する第1ON指令出力処理で給電装置に対しON指令が出力される。給電装置によりプリンタの通信回路への給電が開始される。プリンタから通信回路に給電がなされたことを表すON情報がON情報出力処理で出力され、ON/OFF指令部によりON情報受信処理で受信される。ON情報が受信されると、印刷制御部からプリンタへの印刷指令が印刷指令出力処理で出力され、印刷指令に基づく印刷処理がプリンタにより行われる。本願発明によれば、プリンタの通信回路への給電を行っていない状態で印刷制御部が印刷指令を受け取り、受け取った後にプリンタの通信回路への給電を開始して印刷処理を行うことができる。そのため、印刷指令が来るまで待機している間におけるプリンタの消費電力を抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷指令が来るまで待機している間におけるプリンタの消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る印刷給電管理システムの全体構成の一例を表す図である。
【
図2】コンピュータの構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】プリンタの構成の一例を表すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、プリンタによる印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、プリンタによるクリーニング実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、プリンタによる印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、イーサネットハブのセットアップ時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、プリンタによるクリーニングの実行時に、セットアップされたイーサネットハブにより実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図9】第3実施形態に係る印刷給電管理システムの全体構成の一例を表す図である。
【
図10】第3実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、プリンタによる印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図11】第3実施形態の変形例に係る印刷給電管理システムにおいて、印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図12】第4実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、管理プリンタをセットアップする際のネットワーク内探索時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図13】第4実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、管理プリンタをセットアップする際に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図14】第4実施形態に係る印刷給電管理システムにおいて、管理プリンタによるクリーニング実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を表すシーケンスフローチャートである。
【
図15】PoE機能でプリンタの商用電源のスイッチ切替を行う変形例におけるプリンタの構成の一例を表すブロック図である。
【
図16】操作権限を有するサーバでイーサネットハブを操作する変形例に係る印刷給電管理システムの全体構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態は、コンピュータがイーサネットハブによるプリンタへの給電を制御する場合の実施形態である。イーサネット(登録商標)は、データ通信線を介して複数の装置間で信号をやり取りする際に用いられる通信規格である。イーサネットハブは、イーサネットにより通信を行うデータ通信線に設けられたハブである。
【0012】
<印刷給電管理システムの全体構成>
図1に、第1実施形態に係る印刷給電管理システム1の全体構成の一例を示す。
図1に示すように、印刷給電管理システム1は、コンピュータ100と、プリンタ200と、イーサネットハブ300とを有する。イーサネットハブ300は、LANケーブル10が接続される複数のポートを有する。コンピュータ100はLANケーブル10を介してイーサネットハブ300に接続され、プリンタ200はLANケーブル10を介してイーサネットハブ300に接続されている。コンピュータ100とプリンタ200とは、イーサネットハブ300を介して互いに通信可能である。イーサネットハブ300は、接続された機器に対してLANケーブル10を介して電力供給を行うPoE(Power Over Ethernet(登録商標))機能を備えている。コンピュータ100及びプリンタ200は、それぞれ複数台接続されてもよい。イーサネットハブ300に、コンピュータ100及びプリンタ200以外の機器、例えば他のイーサネットハブ300や、PoE機能を備えないハブ等が接続されてもよい。LANケーブル10がデータ通信線の一例であり、イーサネットハブ300がデータ通信線を介した電力供給が可能な給電装置の一例である。データ通信線として、LANケーブル10以外に、例えば同軸ケーブルや光ファイバーケーブル等を使用してもよい。また給電装置として、例えばデスクトップパソコンやノートパソコン等の汎用のパーソナルコンピュータを使用してもよい。
【0013】
<コンピュータ>
図2に、コンピュータ100の構成の一例を示す。コンピュータ100は、例えばデスクトップパソコン、ノートパソコン等の汎用のパーソナルコンピュータである。コンピュータ100は常時電源ONとされている。
図2に示すように、コンピュータ100は、通信回路101と、制御回路102と、表示部103と、操作部104等を有する。通信回路101、制御回路102、表示部103、及び操作部104等は、バス105を介して情報送受信可能に接続されている。コンピュータ100は、印刷制御部の一例である。
【0014】
通信回路101は、イーサネットハブ300に接続されており、イーサネットハブ300を介してプリンタ200との間で通信を行う。
【0015】
制御回路102は、CPU102Aと、記憶部102Bとを有する。CPU102Aはプロセッサであり、記憶部102Bに記憶された各種プログラムを実行する。記憶部102Bは、例えばRAM、ROM、EEPROM、HDD等によって構成されている。記憶部102Bには、各種のプログラムと各種のデータとが記憶されている。各種のプログラムには、例えば後述の
図4~
図7、
図10~
図13等に示すシーケンスチャートによるコンピュータ100の制御内容を実行するプログラム等が含まれる。各種のデータには、例えばイーサネットハブ300の各ポートにどのような機器が接続されているか等の情報が含まれる。
【0016】
表示部103は、例えば液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部104は、例えばキーボードやマウス等であり、ユーザによる入力操作を受け付ける。ユーザは操作部104を操作することによって、種々の指示をコンピュータ100に入力可能である。操作部104はユーザインタフェースの一例である。
【0017】
<プリンタ>
図3に、プリンタ200の構成の一例を示す。プリンタ200は、イーサネットハブ300により印刷実行時等の必要時のみ電源ONとされ、待機している間は電源OFFとされる。
図3に示すように、プリンタ200は、通信・受電制御回路201と、制御回路202と、表示部203と、操作部204と、印刷部205等を有する。通信・受電制御回路201、制御回路202、表示部203、操作部204、及び印刷部205等は、バス206を介して情報送受信可能に接続されている。
【0018】
通信・受電制御回路201は、イーサネットハブ300に接続されている。通信・受電制御回路201は、分離回路201Aと、受電回路201Bと、通信回路201Cとを有する。分離回路201Aは、イーサネットハブ300から受信した信号を、例えば印刷指令等の各種データを含む制御信号と、電力を供給するための給電信号とに分離する。受電回路201Bは、イーサネットハブ300から給電信号を受信した場合に、所定の電力を通信回路201Cに供給すると共に、バス206を介して制御回路202、表示部203、操作部204、印刷部205等に供給する。通信回路201Cは電力を供給されると、イーサネットハブ300を介してコンピュータ100との間で通信を行う。通信回路201Cは、コンピュータ100から受信した制御信号をバス206を介して制御回路202に送信する。
【0019】
制御回路202は、CPU202Aと、記憶部202Bとを有する。CPU202Aはプロセッサであり、記憶部202Bに記憶された各種プログラムを実行する。記憶部202Bは、例えばRAM、ROM、EEPROM、HDD等によって構成されている。記憶部202Bには、各種のプログラムと各種のデータとが記憶されている。各種のプログラムには、例えば後述の
図4~
図8、
図10~
図14等に示すシーケンスチャートによるプリンタ200の制御内容を実行するプログラム等が含まれる。各種のデータには、例えば例えばイーサネットハブ300の各ポートにどのような機器が接続されているか等の情報や、印刷対象の画像データ等の情報が含まれる。
【0020】
表示部203は、例えば液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部204は、例えばキーボードやボタン等であり、ユーザによる入力操作を受け付ける。ユーザは操作部204を操作することによって、種々の指示をプリンタ200に入力可能である。印刷部205は、図示しない搬送機構により印刷用紙を搬送しつつ、印刷用紙に対して例えばインクジェット方式で画像を印刷する。なお、プリンタ200の印刷方式はインクジェット方式に限るものではなく、例えば電子写真方式、感熱方式、熱転写方式等でもよい。
【0021】
<イーサネットハブ>
イーサネットハブ300は、図示は省略するが、LANケーブル10を介して接続された機器との間で通信を行う通信回路、CPU及び記憶部を備えた制御回路、LANケーブル10を介して接続された機器に電力を供給する給電回路等を有している。CPUは、例えば後述の
図4~
図8、
図10~
図14等に示すシーケンスチャートによるイーサネットハブ300の制御内容を実行するプログラム等を実行する。またイーサネットハブ300はタイマを有しており、接続された機器から現在時刻を要求された場合に、タイマによる現在時刻を要求元へと送信する。
【0022】
<印刷実行時の制御処理の流れ>
図4に、第1実施形態に係る印刷給電管理システム1において、プリンタ200による印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。以下では説明の便宜上、各装置の制御回路により実行される各制御処理を、各装置が実行するものとして説明する。
【0023】
ステップS5では、コンピュータ100は、操作部104を介してプリンタ200による印刷実行要求を受け付ける。
【0024】
ステップS10では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300に対してプリンタ200の通信回路201Cへの給電を開始するための給電開始指令を送信する。給電開始指令はON指令の一例であり、当該ON指令を出力するコンピュータ100の制御回路102がON/OFF指令部の一例である。すなわち、ON/OFF指令部はコンピュータ100に設けられている。当該ステップS10が第1ON指令出力処理の一例である。
【0025】
ステップS15では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対しLANケーブル10を介して給電信号を送信し、プリンタ200への給電を開始する。これにより、プリンタ200の受電回路201Bは、受信した電力を通信回路201Cに供給すると共に、バス206を介して制御回路202、表示部203、操作部204、印刷部205等に供給する。
【0026】
ステップS20では、コンピュータ100は、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せをイーサネットハブ300を介してプリンタ200に送信する。
【0027】
ステップS25では、プリンタ200は、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了した場合には、通信準備完了通知をイーサネットハブ300を介してコンピュータ100に送信する。通信準備完了通知はON情報の一例であり、当該ステップS25がON情報出力処理の一例である。
【0028】
ステップS30では、コンピュータ100は、プリンタ200からの通信準備完了通知をイーサネットハブ300を介して受信する。当該ステップS30がON情報受信処理の一例である。
【0029】
ステップS35では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300経由でプリンタ200へ印刷指令を送信する。当該ステップS35が印刷指令出力処理の一例である。
【0030】
ステップS40では、プリンタ200は、通信回路201Cによりコンピュータ100から送信された印刷指令を受信し、制御回路202により印刷部205を制御して印刷指令に基づく印刷を実行する。当該ステップS40が印刷処理の一例である。
【0031】
ステップS45では、プリンタ200は、印刷が完了した場合には、印刷が完了したことを表す印刷完了通知をイーサネットハブ300を介してコンピュータ100に送信する。当該ステップS45が完了通知出力処理の一例である。
【0032】
ステップS50では、コンピュータ100は、プリンタ200からの印刷完了通知をイーサネットハブ300を介して受信する。当該ステップS50が完了通知受信処理の一例である。
【0033】
ステップS55では、コンピュータ100は、印刷完了通知の受信に基づき、イーサネットハブ300に対して、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を停止するための給電停止指令を送信する。給電停止指令はOFF指令の一例であり、当該OFF指令を出力するコンピュータ100の制御回路102がON/OFF指令部の一例である。当該ステップS55が第1OFF指令出力処理の一例である。
【0034】
ステップS60では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200への給電を停止する。
【0035】
<クリーニング実行時の制御処理の流れ>
プリンタ200が例えばインクジェットプリンタである場合、定期的にインクジェットヘッドに備えられたノズルのクリーニングを実行することが好ましい。クリーニングには、ノズルからインクを吐出させてノズル内の増粘したインクを排出させるフラッシング、または、ノズルからインクジェットヘッドの流路内のインクを吸引して排出するパージング等が含まれる。
図5に、第1実施形態に係る印刷給電管理システム1において、プリンタ200によるクリーニング実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図5において前述の
図4と同様の制御処理には同符号を付し適宜説明を省略する。
【0036】
ステップS3では、コンピュータ100は、プリンタ200のクリーニング時刻になったか否かを判定する。プリンタ200のクリーニング時刻は予め設定されており、コンピュータ100の記憶部102Bに記憶されている。コンピュータ100は、現在時刻がクリーニング時刻に到達するまでは本ステップS3を繰り返し(ステップS3:No)、現在時刻がクリーニング時刻に到達した場合には(ステップS3:Yes)、次のステップS10に移行する。
【0037】
ステップS10~ステップS30は、前述の
図4と同様であるため説明を省略する。
【0038】
ステップS35Aでは、コンピュータ100は、イーサネットハブ300経由でプリンタ200へクリーニング指令を送信する。
【0039】
ステップS40Aでは、プリンタ200は、通信回路201Cによりコンピュータ100から送信されたクリーニング指令を受信し、制御回路202によりクリーニング機構(図示省略)を制御してクリーニング指令に基づくクリーニングを実行する。
【0040】
ステップS45Aではプリンタ200は、クリーニングが完了した場合には、クリーニングが完了したことを表すクリーニング完了通知をイーサネットハブ300を介してコンピュータ100に送信する。
【0041】
ステップS50Aでは、コンピュータ100は、プリンタ200からのクリーニング完了通知をイーサネットハブ300を介して受信する。
【0042】
ステップS55及びステップS60は、前述の
図4と同様であるため説明を省略する。なお、以上において、コンピュータ100とプリンタ200との間で行われるON情報や印刷完了通知、印刷指令などの情報のやり取りは、必ずしもイーサネットハブ300経由で行われる必要はなく、イーサネットハブ300を介さずにやり取りされてもよい。
【0043】
<第1実施形態の効果>
第1実施形態においては、通信回路201Cを有するプリンタ200に対する電力供給がイーサネットハブ300のPoE機能を利用して行われる。すなわち、平常時は、通信回路201Cを含み、プリンタ200に対する電力供給は行われていない。プリンタ200を用いた印刷実行要求が、コンピュータ100の操作部104を介しステップS5で受け付けられることで、コンピュータ100が実行するステップS10でイーサネットハブ300に対し給電開始指令が出力される。イーサネットハブ300によりプリンタ200の通信回路201Cへの給電が開始される。プリンタ200から通信回路201Cに給電がなされたことを表す通信準備完了通知がステップS25で出力され、イーサネットハブ300を介しコンピュータ100によりステップS30で受信される。通信準備完了通知が受信されると、コンピュータ100からプリンタ200への印刷指令がステップS35で出力され、印刷指令に基づく印刷がステップS40においてプリンタ200により行われる。
【0044】
第1実施形態によれば、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を行っていない状態でコンピュータ100が印刷実行要求を受け付け、受け付けた後にプリンタ200の通信回路201Cへの給電を開始して印刷処理を行うことができる。そのため、印刷指令が来るまで待機している間は、通信回路201Cを含めてプリンタ200に対する電力供給が不要となるので、待機時間におけるプリンタ200の消費電力を抑えることができる。
【0045】
また、本実施形態では特に、印刷が完了すると、プリンタ200のステップS45において印刷完了通知が出力され、イーサネットハブ300を介しコンピュータ100のステップS50において受信される。印刷完了通知が受信されると、コンピュータ100からの給電停止指令がステップS55においてイーサネットハブ300に対して送信され、プリンタ200の通信回路201Cへの給電が停止される。本実施形態によれば、印刷処理が完了した場合にはプリンタ200の通信回路201Cへの給電を停止するので、消費電力を必要最低限に抑えることができる。
【0046】
また、本実施形態では特に、プリンタ200において消費するすべての電力を、PoE機能に対応したイーサネットハブ300によりLANケーブル10を介して供給することができる。
【0047】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、インクジェットプリンタであるプリンタ200のクリーニングの実行時に、イーサネットハブ300がプリンタ200への給電を制御する場合の実施形態である。印刷給電管理システム1、コンピュータ100、プリンタ200、及びイーサネットハブ300等の構成については、前述の第1実施形態と同様であるため説明を省略する。プリンタ200が第3プリンタの一例である。
【0048】
<印刷実行時の制御処理の流れ>
図6に、第2実施形態に係る印刷給電管理システム1において、プリンタ200による印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図6において前述の
図4と同様の制御処理には同符号を付し適宜説明を省略する。
【0049】
ステップS5~ステップS30は、前述の
図4と同様であるため説明を省略する。
【0050】
ステップS31では、プリンタ200は、イーサネットハブ300に対して現在時刻を要求する現在時刻要求を送信する。
【0051】
ステップS32では、イーサネットハブ300は、プリンタ200から送信された現在時刻要求に応じ、タイマによる現在時刻をプリンタ200に送信する。
【0052】
ステップS33では、プリンタ200は、イーサネットハブ300から送信された現在時刻を受信する。
【0053】
ステップS35~ステップS45は、前述の
図4と同様であるため説明を省略する。
【0054】
ステップS46では、プリンタ200は、上記ステップS33で受信した現在時刻を最終動作時刻として保存する。なお、ステップS40で印刷を実行した後にイーサネットハブ300から現在時刻を取得し、当該時刻を最終動作時刻として保存してもよい。
【0055】
ステップS50~ステップS60は、前述の
図4と同様であるため説明を省略する。
【0056】
<イーサネットハブのセットアップ時の制御処理の流れ>
図7に、第2実施形態に係る印刷給電管理システム1において、イーサネットハブ300のセットアップ時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図7において前述の
図4と同様の制御処理については適宜説明を省略する。
【0057】
ステップS105では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300に対して現在時刻を要求する現在時刻要求を送信する。
【0058】
ステップS110では、イーサネットハブ300は、コンピュータ100から送信された現在時刻要求に応じ、タイマによる現在時刻をコンピュータ100に送信する。
【0059】
ステップS115では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300から送信された現在時刻を受信する。上記ステップS105及び当該ステップS115が第2現在時刻取得処理の一例である。
【0060】
ステップS120では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300に対してプリンタ200の通信回路201Cへの給電を開始するための給電開始指令を送信する。給電開始指令はON指令の一例であり、当該ON指令を出力するコンピュータ100の制御回路102がON/OFF指令部の一例である。すなわち、ON/OFF指令部はコンピュータ100に設けられている。当該ステップS120が第3ON指令出力処理の一例である。
【0061】
ステップS125では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対しLANケーブル10を介して給電信号を送信し、プリンタ200への給電を開始する。
【0062】
ステップS130では、コンピュータ100は、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せをイーサネットハブ300を介してプリンタ200に送信する。
【0063】
ステップS135では、プリンタ200は、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了した場合には、通信準備完了通知をイーサネットハブ300を介してコンピュータ100に送信する。
【0064】
ステップS140では、コンピュータ100は、プリンタ200からの通信準備完了通知をイーサネットハブ300を介して受信する。
【0065】
ステップS145では、コンピュータ100は、最終動作時刻を要求する最終動作時刻要求をイーサネットハブ300を介してプリンタ200に送信する。
【0066】
ステップS150では、プリンタ200は、コンピュータ100から送信された最終動作時刻要求に応じ、前述のステップS46で保存した最終動作時刻をイーサネットハブ300を介してコンピュータ100に送信する。
【0067】
ステップS155では、コンピュータ100は、プリンタ200から送信された最終動作時刻を受信する。上記ステップS145及び当該ステップS155が最終動作時刻取得処理の一例である。
【0068】
ステップS160では、コンピュータ100は、他のプリンタのクリーニング動作を管理する機能を有する管理プリンタ(第5プリンタの一例。詳細は後述)がイーサネットハブ300に接続されていないことを表す管理プリンタ不接続通知をイーサネットハブ300を介してプリンタ200に送信する。管理プリンタ不接続通知はプリンタ不接続情報の一例であり、当該ステップS160が不接続情報出力処理の一例である。
【0069】
ステップS170では、プリンタ200は、コンピュータ100から送信された管理プリンタ不接続通知を受信する。
【0070】
ステップS175では、プリンタ200は、上記ステップS170で受信した管理プリンタ不接続通知を保存する。
【0071】
ステップS180では、コンピュータ100は、上記ステップS115で取得された現在時刻と、上記ステップS155で取得された最終動作時刻とから、プリンタ200のクリーニング時刻を決定する。コンピュータ100は、例えば最終動作時刻に予め設定されたクリーニング周期を加算し、現在時刻が当該加算した時刻に到達していない場合には、当該加算した時刻をクリーニング時刻に決定する。一方、現在時刻が当該加算した時刻を経過している場合には、なるべく早めにクリーニングが実行されるように現在時刻に近い時刻をクリーニング時刻に決定する。プリンタ200のクリーニング周期は予め設定されており、コンピュータ100の記憶部102Bに記憶されている。当該ステップS180がクリーニング時刻決定処理の一例である。
【0072】
ステップS185では、コンピュータ100は、上記ステップS180で決定したクリーニング時刻をイーサネットハブ300に設定する。当該ステップS185がクリーニング時刻設定処理の一例である。
【0073】
ステップS190では、コンピュータ100は、イーサネットハブ300に対して、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を停止するための給電停止指令を送信する。給電停止指令はOFF指令の一例であり、当該OFF指令を出力するコンピュータ100の制御回路102がON/OFF指令部の一例である。当該ステップS190が第3OFF指令出力処理の一例である。
【0074】
ステップS195では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200への給電を停止する。
【0075】
<クリーニング実行時のイーサネットハブによる制御処理の流れ>
図8に、第2実施形態に係る印刷給電管理システム1において、プリンタ200によるクリーニングの実行時に、以上のようにしてセットアップされたイーサネットハブ300により実行される制御処理の流れの一例を示す。
【0076】
ステップS205では、イーサネットハブ300は、前述のステップS185においてコンピュータ100により設定された、又は、後述のステップS240によりプリンタ200により設定された、プリンタ200のクリーニング時刻になったか否かを判定する。イーサネットハブ300は、現在時刻がクリーニング時刻に到達するまでは本ステップS205を繰り返し(ステップS205:No)、現在時刻がクリーニング時刻に到達した場合には(ステップS205:Yes)、次のステップS210に移行する。上記クリーニング時刻が予め定められた電源投入時刻の一例である。
【0077】
ステップS210では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対しLANケーブル10を介して給電信号を送信し、プリンタ200への給電を開始する。当該ステップS210が給電開始処理の一例である。
【0078】
ステップS215では、プリンタ200は、イーサネットハブ300に対して現在時刻を要求する現在時刻要求を送信する。
【0079】
ステップS220では、イーサネットハブ300は、プリンタ200から送信された現在時刻要求に応じ、タイマによる現在時刻をプリンタ200に送信する。
【0080】
ステップS225では、プリンタ200は、イーサネットハブ300から送信された現在時刻を受信する。当該ステップS225が第3現在時刻取得処理の一例である。
【0081】
ステップS230では、プリンタ200は、上記ステップS225で取得された現在時刻と、前述のステップS46で保存した最終動作時刻と、予め設定されたプリンタ200のクリーニング周期とから、クリーニング動作の要否を判定する。プリンタ200は、例えば最終動作時刻に予め設定されたクリーニング周期を加算し、現在時刻が当該加算した時刻に到達していない場合には、クリーニングは不要と判定する。一方、現在時刻が当該加算した時刻を経過している場合には、クリーニングは必要と判定する。プリンタ200は、クリーニングが必要と判定した場合には(ステップS230:Yes)、次のステップS235に移行する。一方、プリンタ200は、クリーニングが不要と判定した場合には(ステップS230:No)、後述のステップS240に移行する。当該ステップS230が第2クリーニング判定処理の一例である。
【0082】
ステップS235では、プリンタ200は、クリーニング動作を実行する。当該ステップS235が第2クリーニング実行処理の一例である。
【0083】
ステップS240では、プリンタ200は、次回のクリーニング時刻を計算し、当該クリーニング時刻をイーサネットハブ300に設定する。プリンタ200は、例えば上記ステップS225で取得した現在時刻に予め設定されたクリーニング周期を加算することで次回のクリーニング時刻を算出する。当該ステップS240が次回時刻設定処理の一例である。
【0084】
ステップS245では、プリンタ200は、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を停止する給電停止時刻をイーサネットハブ300に設定する。プリンタ200は、例えば上記ステップS225で取得した現在時刻に所定の経過時間を加算することで給電停止時刻を設定する。当該ステップS245が停止時刻設定処理の一例である。
【0085】
ステップS250では、イーサネットハブ300は、上記ステップS245においてプリンタ200により設定された給電停止時刻になったか否かを判定する。イーサネットハブ300は、現在時刻が給電停止時刻に到達するまでは本ステップS250を繰り返し(ステップS250:No)、現在時刻が給電停止時刻に到達した場合には(ステップS250:Yes)、次のステップS255に移行する。
【0086】
ステップS255では、イーサネットハブ300は、プリンタ200に対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200への給電を停止する。当該ステップS255が給電停止処理の一例である。
【0087】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態においては、インクジェットプリンタであるプリンタ200において定期的に行われるクリーニング動作が、管理用の別のプリンタを設けることなくイーサネットハブ300によって管理される。イーサネットハブ300による管理のための準備として、イーサネットハブ300のセットアップが行われる。コンピュータ100の給電開始指令により給電された状態で、コンピュータ100のステップS115にて現在時刻が取得され、ステップS155にてプリンタ200の最終動作時刻が取得される。上記取得された最終動作時刻と、上記取得された現在時刻とに基づき、ステップS180においてプリンタ200のクリーニング時刻が決定される。決定されたクリーニング時刻は、ステップS185において、プリンタ200に接続されるイーサネットハブ300に設定される。設定が終了したら、ステップS190において給電停止指令が出力されてプリンタ200への給電が停止される。
【0088】
上記セットアップがなされている状態で、プリンタ200に接続されているイーサネットハブ300は、事前に設定済のクリーニング時刻になったら、ステップS210においてプリンタ200の通信回路201Cへの給電を開始する。プリンタ200では、給電に対応して、ステップS225によりイーサネットハブ300から現在時刻の取得が行われる。プリンタ200では、前述のステップS46で保存した最終動作時刻と、上記ステップS225で取得された現在時刻と、予め設定済のクリーニング周期とに基づき、ステップS230においてクリーニング動作の要否が判定される。クリーニング動作要と判定された場合はステップS235が実行され、実行後に、ステップS240において、上記クリーニング周期に基づく次回クリーニング時刻がイーサネットハブ300に設定される。クリーニング動作不要と判定された場合は、当該判定後に、上記同様、ステップS240において、次回クリーニング時刻がイーサネットハブ300に設定される。ステップS245では、プリンタ200の通信回路201Cへの給電を停止する給電停止時刻がイーサネットハブ300に設定される。その後、イーサネットハブ300が実行するステップS255においてプリンタ200の通信回路201Cへの給電が停止される。
【0089】
第2実施形態においては、上記のようにして、プリンタ200に接続されかつ設定時間に給電開始・停止を行うスケジューリング機能を備えたイーサネットハブ300の管理の下、当該プリンタ200におけるクリーニング動作を円滑に行うことができる。特に、クリーニング動作をしていない待ち受け状態にあるプリンタ200の消費電力が生じないようにすることができる。
【0090】
また、本実施形態では特に、プリンタ200に接続されかつ設定時間に給電開始・停止を行うスケジューリング機能を備えたイーサネットハブ300の管理の下、プリンタ200におけるクリーニング動作を円滑に行うことができる。特に、管理用の別のプリンタを設けることなく、クリーニング動作をしていない待ち受け状態にあるプリンタ200の消費電力が生じないようにすることができる。
【0091】
また、本実施形態では特に、イーサネットハブ300に備えられたタイマにより、現在時刻を確実にイーサネットハブ300から提供することができる。
【0092】
<第2実施形態の変形例>
以上では、前述の
図1に示すように、イーサネットハブ300に1台のコンピュータ100と1台のプリンタ200が接続されたシステム構成である場合について説明したが、これに限られない。例えば後述の
図9に示すように、複数のプリンタ200A~200Dが複数のイーサネットハブ300A,300Bに接続されているようなシステム構成に上記第2実施形態を適用してもよい。例えばプリンタ200Aのクリーニングの実行時にイーサネットハブ300Aがプリンタ200Aに対する給電の開始及び停止を制御してもよい。この場合、プリンタ200Aが第3プリンタの一例であり、プリンタ200B,200Cが第4プリンタの一例である。
【0093】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、印刷給電管理システムが複数のコンピュータ100、複数のプリンタ200、複数のイーサネットハブ300を有する場合の実施形態である。
【0094】
<印刷給電管理システムの全体構成>
図9に、第3実施形態に係る印刷給電管理システム1Aの全体構成の一例を示す。
図9に示すように、印刷給電管理システム1Aは、複数のコンピュータ100A~100Dと、複数のプリンタ200A~200Dと、複数のイーサネットハブ300A,300Bと、PoE機能を備えていないハブ400を有する。
図9に示す例では、コンピュータ100A,100B及びプリンタ200A~200Cは、イーサネットハブ300Aに接続されている。コンピュータ100Cはハブ400に接続されている。コンピュータ100D及びプリンタ200Dは、イーサネットハブ300Bに接続されている。イーサネットハブ300A,300Bとハブ400とは、互いに通信可能に接続されている。なお、
図9に示すシステム構成は一例であり、コンピュータ100、プリンタ200、イーサネットハブ300、及びハブ400の台数は上記以外でもよい。イーサネットハブ300A,300Bが給電装置の一例である。
【0095】
印刷給電管理システム1Aにおいて印刷実行時に実行される制御処理は、基本的には前述の第1実施形態における
図4に示す内容と同様である。但し、印刷給電管理システム1Aでは、プリンタ200が複数のコンピュータ100から重複して印刷指令を受信する可能性がある。その場合には、プリンタ200への電力供給を停止しないようにしてもよい。以下、その詳細について説明する。
【0096】
<印刷実行時の制御処理の流れ>
図10に、第3実施形態に係る印刷給電管理システム1Aにおいて、プリンタによる印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図10では、一例としてコンピュータ100Aからプリンタ200Dに印刷指令を送信する場合について説明する。
図10において前述の
図4と同様の制御処理には同符号を付し適宜説明を省略する。
【0097】
ステップS5~ステップS40は前述の
図4と同様である。すなわち、ステップS10では、コンピュータ100Aは、イーサネットハブ300A及びハブ400を介して、イーサネットハブ300Bに対してプリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を開始するための給電開始指令を送信する。ステップS15では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dに対しLANケーブル10を介して給電信号を送信し、プリンタ200Dへの給電を開始する。ステップS20では、コンピュータ100Aは、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せをプリンタ200Dに送信する。ステップS25では、プリンタ200Dは、通信準備完了通知をイーサネットハブ300B、ハブ400及びイーサネットハブ300Aを介してコンピュータ100Aに送信する。ステップS30では、コンピュータ100Aはプリンタ200Dからの通信準備完了通知を受信し、ステップS35ではコンピュータ100Aはプリンタ200Dへ印刷指令を送信する。ステップS40では、プリンタ200Dは、制御回路202により印刷部205を制御して印刷指令に基づく印刷を実行する。
【0098】
ステップS41では、プリンタ200Dは、通信回路201Cへの給電停止が不要であるか否かを判定する。例えばプリンタ200Dは、イーサネットハブ300A,300Bに直接的又は間接的に接続されているコンピュータ100A以外のコンピュータ100B,100C,100Dからプリンタ200Dへの印刷指令が存在する場合には、給電停止が不要であると判定する。この場合、他のコンピュータからの印刷指令による印刷が完了した際に給電が停止されるからである。上記コンピュータ100B~100Dからの印刷指令が第1印刷指令の一例である。またプリンタ200Dは、当該プリンタ200Dが他のプリンタのクリーニング動作を管理する機能を有する管理プリンタ(詳細は後述)に設定されている場合には、給電停止が不要であると判定する。管理プリンタは他のプリンタのクリーニング動作を管理するために、常時電源ON状態とされるからである。当該ステップS41が給電停止判定処理の一例である。
【0099】
ステップS45Bでは、プリンタ200Dは、印刷が完了した場合には、印刷が完了したことを表す印刷完了通知をイーサネットハブ300B等を介してコンピュータ100Aに送信する。この際、上記ステップS41で給電停止が不要であると判定された場合には、プリンタ200Dは印刷完了通知と共に給電停止不要通知をコンピュータ100Aに送信する。上記ステップS41で給電停止が必要であると判定された場合には、プリンタ200Dは給電停止不要通知を送信しない。給電停止不要通知がOFF不要情報の一例であり、当該ステップS45Bが完了通知出力処理の一例である。
【0100】
ステップS50Bでは、コンピュータ100Aは、プリンタ200Dからの印刷完了通知、又は、印刷完了通知及び給電停止不要通知を、イーサネットハブ300A等を介して受信する。当該ステップS50Bが完了通知受信処理の一例である。
【0101】
ステップS51では、コンピュータ100Aは、上記ステップS50Bにおいて給電停止不要通知を受信したか否かを判定する。コンピュータ100Aは、給電停止不要通知を受信していない場合には(ステップS51:No)、次のステップS55に移行し、給電停止不要通知を受信している場合には(ステップS51:Yes)、本フローを終了する。当該ステップS51が不要情報判定処理の一例である。
【0102】
ステップS55では、コンピュータ100Aは、イーサネットハブ300Bに対して、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を停止するための給電停止指令を送信する。
【0103】
ステップS56では、イーサネットハブ300Bは、コンピュータ100Aから給電停止指令を受信したか否かを判定する。イーサネットハブ300Bは、給電停止指令を受信している場合には(ステップS56:Yes)、次のステップS60に移行し、給電停止指令を受信していない場合には(ステップS56:No)、本フローを終了する。
【0104】
ステップS60では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dに対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200Dへの給電を停止する。
【0105】
<第3実施形態の効果>
第3実施形態においては、プリンタ200Dの印刷処理が完了したときの例外処理として、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を停止しないようにすることができる。プリンタ200Dでは、印刷処理が完了したとき、ステップS41にて通信回路201Cへの給電停止が不要であるか否かが判定され、給電停止不要と判定された場合には、ステップS45Bにて印刷完了通知とともに給電停止不要通知がコンピュータ100Aへと送信される。コンピュータ100Aでは、ステップS51において、印刷完了通知の受信時に併せて給電停止不要通知も受信したか否かが判定される。受信していないと判定された場合に限り給電停止指令がイーサネットハブ300Bに対して送信され、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電が停止される。本実施形態によれば、所定の条件が成立した場合に、プリンタ200Dの印刷処理が完了していても通信回路201Cへの給電を停止しないようにすることができる。
【0106】
また、本実施形態では特に、プリンタ200Dにおいてコンピュータ100Aからの印刷指令による印刷が完了したときでも、イーサネットハブ300A,300Bに接続された他のコンピュータ100B~100Dからの印刷指令が存在していた場合は、例外的に通信回路201Cへの給電を停止しない。本実施形態によれば、イーサネットハブ300B経由でプリンタ200Dに送られてまだ印刷完了していない他の印刷指令があるにも関わらず、プリンタ200Dへの給電が停止されてしまうのを抑制することができる。
【0107】
<第3実施形態の変形例>
上記第3実施形態では、ステップS41において、イーサネットハブに接続されている他のコンピュータからの印刷指令が存在する場合に給電停止が不要であると判定したが、これに限られない。例えば、イーサネットハブに接続されていない他のコンピュータからの印刷指令が存在する場合にも、給電停止が不要であると判定してもよい。
【0108】
図11に、本変形例に係る印刷給電管理システム1Aにおいて、印刷実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。なお、
図11では前述の
図10におけるステップS41以降の制御処理を示しており、ステップS41より前の制御処理は前述の
図10と同様であるため図示を省略している。
【0109】
ステップS41では、プリンタ200Dは、通信回路201Cへの給電停止が不要であるか否かを判定する。プリンタ200Dは、イーサネットハブ300A,300Bに接続されていないコンピュータ、例えば印刷給電管理システム1Aのネットワークに接続されていないローカルコンピュータ等からプリンタ200Dへの印刷指令が存在する場合に、給電停止が不要であると判定する。上記ローカルコンピュータ等からの印刷指令が第2印刷指令の一例である。
【0110】
ステップS45B~ステップS60は前述の
図10と同様であるため説明を省略する。
【0111】
ステップS65では、コンピュータ100Aは、上記ステップS51で給電停止不要通知を受信していると判定したことに対応して、定期的にプリンタ200Dに印刷状態を問合せる。印刷状態には、プリンタ200Dが例えばローカルコンピュータからの印刷指令に基づく印刷を完了したか否かが含まれる。当該ステップS65が問合せ処理の一例である。
【0112】
ステップS70では、プリンタ200Dは、例えばローカルコンピュータからの印刷指令に基づく印刷を完了したか否かを判定する。プリンタ200Dは、印刷を完了するまでは本ステップS70を繰り返し(ステップS70:No)、印刷を完了した場合には(ステップS70:Yes)、ステップS75に移行する。
【0113】
ステップS75では、プリンタ200Dは、印刷が完了したことを表す印刷完了通知をイーサネットハブ300B等を介してコンピュータ100Aに送信する。当該ステップS75が完了通知出力処理の一例である。
【0114】
ステップS80では、コンピュータ100Aは、プリンタ200Dからの印刷完了通知をイーサネットハブ300A等を介して受信する。当該ステップS80が完了通知受信処理の一例である。
【0115】
ステップS85では、コンピュータ100Aは、印刷完了通知の受信に基づき、イーサネットハブ300Bに対して、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を停止するための給電停止指令を送信する。給電停止指令はOFF指令の一例であり、当該OFF指令を出力するコンピュータ100Aの制御回路102がON/OFF指令部の一例である。当該ステップS85が第1OFF指令出力処理の一例である。
【0116】
ステップS90では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dに対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200Dへの給電を停止する。
【0117】
本変形例では、プリンタ200Dがコンピュータ100Aからの印刷指令による印刷処理が完了したときでも、イーサネットハブ300A,300Bに接続されていない他のコンピュータからの印刷指令が存在していた場合は、例外的に通信回路201Cへの給電を停止しない。本変形例によれば、ローカルコンピュータ等からイーサネットハブを介さずにプリンタ200Dに送られてまだ印刷完了していない他の印刷指令があるにも関わらず、プリンタ200Dへの給電が停止されてしまうのを抑制することができる。
【0118】
本変形例では、給電停止不要通知が受信されたことに対応して、コンピュータ100Aにより、ステップS65にてプリンタ200Dに対し定期的に印刷状態の問い合わせが行われる。問合せ時に、イーサネットハブ300A,300Bに接続されていない他のコンピュータからの印刷指令による印刷が完了していればステップS75が行われ、これによってプリンタ200Dへの給電が停止される。本変形例によれば、すべての印刷指令による印刷完了を確認したうえでプリンタ200Dへの給電を停止し、プリンタ200Dの消費電力を抑制することができる。
【0119】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、インクジェットプリンタであるプリンタ200のクリーニングの実行を、当該プリンタ200以外の他のプリンタが制御する場合の実施形態である。印刷給電管理システム1A、コンピュータ100、プリンタ200、及びイーサネットハブ300等の構成については、前述の第3実施形態と同様であるため説明を省略する。また、本実施形態において印刷実行時に実行される制御処理は、前述の
図6と同様であるため説明を省略する
【0120】
<ネットワーク内探索時の制御処理の流れ>
図12に、第4実施形態に係る印刷給電管理システム1Aにおいて、管理プリンタをセットアップする際のネットワーク内探索時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図12は、例えばコンピュータ100Aがイーサネットハブ300Aに接続された機器を探索する場合の制御処理である。
【0121】
ステップS305では、コンピュータ100Aは、例えば操作部104を介してネットワーク内の探索要求を受け付ける。
【0122】
ステップS310では、コンピュータ100Aは、イーサネットハブ300Aのポートナンバーをカウントするための変数nを1に初期化する。
【0123】
ステップS315では、コンピュータ100Aは、イーサネットハブ300Aのポートnに対する給電開始指令を送信する。
【0124】
ステップS320では、イーサネットハブ300Aは、ポートnにLANケーブル10を介して接続された接続機器に対して給電信号を送信し、接続機器への給電を開始する。
【0125】
ステップS325では、コンピュータ100Aは、給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せをイーサネットハブ300Aを介してポートnに対応する接続機器に送信する。
【0126】
ステップS330では、ポートnに対応する接続機器は、給電がなされることで通信の準備が完了した場合には、通信準備完了通知をイーサネットハブ300Aを介してコンピュータ100Aに送信する。接続機器は通信準備完了通知とともに機器に関する情報も併せて送信する。
【0127】
ステップS335では、コンピュータ100Aは、ポートnに対応する接続機器からの通信準備完了通知及び機器情報をイーサネットハブ300Aを介して受信する。
【0128】
ステップS340では、コンピュータ100Aは、通信準備完了通知の受信に基づき、イーサネットハブ300Aに対して、ポートnに接続された接続機器への給電を停止するための給電停止指令を送信する。
【0129】
ステップS345では、イーサネットハブ300Aは、ポートnに対応する接続機器に対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、接続機器への給電を停止する。
【0130】
ステップS350では、コンピュータ100Aはイーサネットハブ300Aの全てのポートに対して上記ステップS315、ステップS325、ステップS335及びステップS340の処理を実行したか否かを判定する。コンピュータ100Aは、全てのポートに上記処理を実行していない場合には(ステップS350:No)、ステップS355において変数nに1を加え、上記ステップS315に戻る。全てのポートに対して上記処理を実行した場合には(ステップS350:Yes)、コンピュータ100Aは本フローを終了する。
【0131】
以上により、コンピュータ100Aはイーサネットハブ300Aに接続された他の接続機器を探索することができる。
図9に示す例では、他の接続機器は例えばコンピュータ100B、プリンタ200A~200Cである。他のコンピュータ100B,100C,100Dについても同様の探索処理を実行することにより、複数のイーサネットハブ300A,300B及びハブ400のうちどのハブにどのような機器が接続されているかを把握することができる。各コンピュータ100A~100D又はプリンタ200A~200Dが、当該内容を表すハブ接続情報を共有してもよい。
【0132】
<管理プリンタのセットアップ時の制御処理の流れ>
図13に、第4実施形態に係る印刷給電管理システム1Aにおいて、管理プリンタをセットアップする際に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図13は、例えばコンピュータ100Aが探索した接続機器の中からプリンタ200Aを管理プリンタに設定する場合の制御処理である。
【0133】
ステップS405では、コンピュータ100Aは、例えば操作部104を介して管理プリンタの設定要求を受け付ける。この例では、例えばプリンタ200Aを管理プリンタに設定する旨の要求を受け付ける。
【0134】
ステップS410では、コンピュータ100Aは、イーサネットハブ300Aのプリンタ200Aに対応するポートに対する給電開始指令を送信する。
【0135】
ステップS415では、イーサネットハブ300Aは、プリンタ200Aに対して給電信号を送信し、プリンタ200Aへの給電を開始する。
【0136】
ステップS420では、コンピュータ100Aは、給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せを、イーサネットハブ300Aを介してプリンタ200Aに送信する。
【0137】
ステップS425では、プリンタ200Aは、給電がなされることで通信の準備が完了した場合には、通信準備完了通知をイーサネットハブ300Aを介してコンピュータ100Aに送信する。
【0138】
ステップS430では、コンピュータ100Aは、プリンタ200Aからの通信準備完了通知を受信する。
【0139】
ステップS435では、コンピュータ100Aは、プリンタ200Aを他のプリンタのクリーニング動作を管理する機能を有する管理プリンタとして設定する管理プリンタ設定指令を、イーサネットハブ300Aを介してプリンタ200Aに送信する。
【0140】
ステップS440では、プリンタ200Aは、他のプリンタのクリーニング動作を管理する管理機能を有効化する。他のプリンタには、イーサネットハブ300Aに接続されたプリンタ200B,200Cと、イーサネットハブ300Bに接続されたプリンタ200D等が含まれる。
【0141】
ステップS445では、プリンタ200Aは、管理プリンタとしての設定が完了した場合には設定完了通知をイーサネットハブ300Aを介してコンピュータ100Aに送信する。
【0142】
ステップS450では、コンピュータ100Aは、プリンタ200Aからの設定完了通知を受信する。以上により、プリンタ200Aを管理プリンタとするセットアップが完了する。本実施形態では、管理プリンタとしてセットアップされたプリンタ200Aを適宜「管理プリンタ200A」と記載する。管理プリンタ200Aは他のプリンタを監視するために常時電源ONとされるため、コンピュータ100Aは給電停止指令を出力しない。
【0143】
<管理プリンタによるクリーニング実行時の制御処理の流れ>
図14に、第4実施形態に係る印刷給電管理システム1Aにおいて、管理プリンタによるクリーニング実行時に各装置により実行される制御処理の流れの一例を示す。
図14は、例えば管理プリンタ200Aがプリンタ200Dにクリーニングを実行させる場合の制御処理である。なお、管理プリンタ200Aの記憶部202Bにはプリンタ200Dのクリーニング時刻が予め記憶されている。管理プリンタ200Aが第2プリンタの一例であり、プリンタ200Dが第1プリンタの一例である。
【0144】
ステップS505では、管理プリンタ200Aは、管理対象であるプリンタ200Dが接続されているイーサネットハブ300Bに対して現在時刻を要求する現在時刻要求を定期的に送信する。
【0145】
ステップS507では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Aから送信された現在時刻要求に応じ、タイマによる現在時刻を管理プリンタ200Aに送信する。
【0146】
ステップS510では、管理プリンタ200Aは、イーサネットハブ300Bから送信された現在時刻を受信する。上記ステップS505及び当該ステップS510が現在時刻問合せ処理の一例である。
【0147】
なお、イーサネットハブ300A,300Bが例えばNTP(Network Time Protocol)等により時刻を同期させている場合には、管理プリンタ200Aは自身が接続されているイーサネットハブ300Aから現在時刻を取得してもよい。
【0148】
ステップS515では、管理プリンタ200Aは、プリンタ200Dのクリーニング時刻になったか否かを判定する。管理プリンタ200Aは、現在時刻がクリーニング時刻に到達するまでは本ステップS515を繰り返し(ステップS515:No)、現在時刻がクリーニング時刻に到達した場合には(ステップS515:Yes)、次のステップS520に移行する。
【0149】
ステップS520では、管理プリンタ200Aは、イーサネットハブ300Bに対してプリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を開始するための給電開始指令を送信する。給電開始指令はON指令の一例であり、当該ON指令を出力する管理プリンタ200Aの制御回路202がON/OFF指令部の一例である。すなわち、ON/OFF指令部は管理プリンタ200Aに設けられている。当該ステップS520が第2ON指令出力処理の一例である。
【0150】
ステップS525では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dに対しLANケーブル10を介して給電信号を送信し、プリンタ200Dへの給電を開始する。
【0151】
ステップS530では、管理プリンタ200Aは、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了したか否かを問い合わせるための問合せをプリンタ200Dに送信する。
【0152】
ステップS535では、プリンタ200Dは、通信回路201Cに給電がなされることで通信の準備が完了した場合には、通信準備完了通知をイーサネットハブ300Bを介して管理プリンタ200Aに送信する。通信準備完了通知はON情報の一例であり、当該ステップS535がON情報出力処理の一例である。
【0153】
ステップS540では、管理プリンタ200Aは、プリンタ200Dからの通信準備完了通知をイーサネットハブ300B等を介して受信する。当該ステップS540がON情報受信処理の一例である。
【0154】
ステップS545では、プリンタ200Dは、イーサネットハブ300Bに対して現在時刻を要求する現在時刻要求を送信する。
【0155】
ステップS547では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dから送信された現在時刻要求に応じ、タイマによる現在時刻をプリンタ200Dに送信する。
【0156】
ステップS550では、プリンタ200Dは、イーサネットハブ300Bから送信された現在時刻を受信する。上記ステップS545及び当該ステップS550が現在時刻要求処理の一例である。
【0157】
ステップS553では、管理プリンタ200Aは、クリーニング動作のために通信回路201Cへ給電したことをプリンタ200Dに通知するクリーニング通知をプリンタ200Dに送信する。当該ステップS553が通知処理の一例である。
【0158】
ステップS555では、プリンタ200Dは、前述のステップS550で取得された現在時刻と、前述のステップS46で保存されている最終動作時刻と、予め設定されたプリンタ200Dのクリーニング周期とから、クリーニング動作の要否を判定する。プリンタ200Dは、クリーニングが必要と判定した場合には(ステップS555:Yes)、次のステップS560に移行する。プリンタ200Dは、クリーニングが不要と判定した場合には(ステップS555:No)、後述のステップS565に移行する。当該ステップS555が第1クリーニング判定処理の一例である。
【0159】
ステップS560では、プリンタ200Dは、クリーニング動作を実行する。当該ステップS560が第1クリーニング実行処理の一例である。
【0160】
ステップS565では、プリンタ200Dは、次回のクリーニング時刻を計算し、当該クリーニング時刻をイーサネットハブ300B等を介して管理プリンタ200Aに送信する。この際、上記ステップS555でクリーニングが必要であると判定された場合には、プリンタ200Dはクリーニング完了後にクリーニング完了通知と共に次回クリーニング時刻を管理プリンタ200Aに送信する。上記ステップS555でクリーニングが不要であると判定された場合には、プリンタ200Dは次回クリーニング時刻のみを送信する。当該ステップS565が次回時刻通知処理の一例である。
【0161】
ステップS570では、管理プリンタ200Aは、プリンタ200Dから送信された次回クリーニング時刻、又は、次回クリーニング時刻及びクリーニング完了通知を受信する。
【0162】
ステップS575では、管理プリンタ200Aは、プリンタ200Dから通知された次回のクリーニング時刻を保存する。当該ステップS575が次回時刻保存処理の一例である。
【0163】
ステップS580では、管理プリンタ200Aは、プリンタ200Dが接続されているイーサネットハブ300Bに対して、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電を停止するための給電停止指令を送信する。給電停止指令はOFF指令の一例であり、当該OFF指令を出力する管理プリンタ200Aの制御回路202がON/OFF指令部の一例である。当該ステップS580が第2OFF指令出力処理の一例である。
【0164】
ステップS585では、イーサネットハブ300Bは、プリンタ200Dに対するLANケーブル10を介した給電信号の送信を停止し、プリンタ200Dへの給電を停止する。
【0165】
<第4実施形態の効果>
第4実施形態においては、複数のプリンタ200A~200Dがイーサネットハブ300A,300Bに接続されており、インクジェットプリンタであるプリンタ200Dにおいて定期的に行われるクリーニング動作が、別の管理プリンタ200Aにより管理される。管理プリンタ200Aの給電開始指令により給電されてプリンタ200Dにより印刷が行われるとき、前述のステップS33にてプリンタ200Dにより現在時刻が取得され、印刷処理が完了した後、その取得された時刻がステップS46にて最終動作時刻として保存される。管理プリンタ200Aでは、ステップS505及びステップS510によりイーサネットハブ300Bに対し定期的に現在時刻の問合せ及び取得が行われる。取得した時刻がプリンタ200Dのクリーニング時刻であるかそれを過ぎていた場合には、管理プリンタ200AのステップS520において給電開始指令が出力され、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電が開始される。
【0166】
プリンタ200Dは、通信回路201Cへ給電されたとき、ステップS545及びステップS550にてイーサネットハブ300Bに対し現在時刻を要求して取得する。管理プリンタ200Aからは、ステップS553にてクリーニング動作のために給電を行ったことがプリンタ200Dへと通知される。プリンタ200Dでは、上記保存された最終動作時刻と、上記取得された現在時刻と、設定済のクリーニング周期とに基づき、ステップS555においてクリーニング動作の要否が判定される。
【0167】
クリーニング動作要と判定された場合はステップS560においてクリーニングが実行され、実行後に、ステップS565において、クリーニング完了通知と上記クリーニング周期に基づく次回クリーニング時刻とが管理プリンタ200Aに通知される。クリーニング動作不要と判定された場合は、当該判定後に、ステップS565において、上記クリーニング周期に基づく次回クリーニング時刻が管理プリンタ200Aに通知される。通知された次回クリーニング時刻は管理プリンタ200AのステップS575において保存される。その後、管理プリンタ200AのステップS580において給電停止指令が出力され、プリンタ200Dの通信回路201Cへの給電が停止される。
【0168】
本実施形態においては、上記のようにして、複数のプリンタがネットワーク内に存在する場合に、管理プリンタ200Aの管理の下、プリンタ200Dにおけるクリーニング動作を円滑に行うことができる。特に、イーサネットハブ300A,300Bが、設定した時間に給電開始・停止を行うスケジューリング機能を備えない場合でも、プリンタ200Dが待ち受け状態にあるときに消費する電力は管理プリンタ200Aによる消費電力のみに減らし、プリンタ200Dによる消費電力を生じないようにすることができる。
【0169】
<変形例>
本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。
【0170】
(1)PoE機能でプリンタの商用電源のスイッチ切替を行う場合
以上では、プリンタ200において消費するすべての電力を、PoE機能に対応したイーサネットハブ300により供給する場合について説明したが、これに限られない。プリンタ200の消費電力をイーサネットハブ300の供給電力では賄えない場合には、例えばイーサネットハブ300の供給電力を、プリンタ200が商用電源から電力をとるためのスイッチの切替に使用してもよい。
【0171】
図15に、本変形例におけるプリンタ200の構成の一例を示す。
図15において前述の
図3と同様の構成には同符号を付し説明を省略する。
図15に示すように、本変形例のプリンタ200は、AC/DC電源207と、スイッチ回路208とを有する。AC/DC電源207は、商用電源から供給されるAC電力をDC電力に変換し、バス206を介してプリンタ200の各部に供給する。スイッチ回路208は、受電回路201Bから電力が供給された場合には商用電源とAC/DC電源207とを接続し、受電回路201Bからの電力供給が停止された場合には商用電源とAC/DC電源207とを遮断する。プリンタ200の通信・受電制御回路201への電力供給は、以上説明した各実施形態と同様に実行される。本変形例によれば、プリンタ200の消費電力をイーサネットハブ300の供給電力では賄えない場合でも対応することが可能となる。
【0172】
(2)操作権限を有するサーバでイーサネットハブを操作する場合
以上では、コンピュータ100又はプリンタ200がイーサネットハブ300を操作する場合について説明したが、例えばセキュリティの都合上、個々のコンピュータ100やプリンタ200が直接イーサネットハブ300を操作できない場合も考えられる。このような場合には、例えば
図16に示すように、操作権限を持つサーバ500で仲介する構成としてもよい。
図16に示す例では、サーバ500がPoE機能を備えていないハブ400を介してイーサネットハブ300Aに接続されている。本変形例では、コンピュータ100又はプリンタ200A,200Bがイーサネットハブ300A,300Bの操作をしたい場合に、操作権限を有するサーバ500に要求を送信する。その後、サーバ500がコンピュータ100又はプリンタ200A,200Bを代理してイーサネットハブ300A,300Bを操作する。本変形例では、サーバ500の制御回路(図示省略)がON/OFF指令部の一例である。本変形例によれば、コンピュータ100やプリンタ200がイーサネットハブ300を直接操作できない場合にも対応することが可能となる。
【0173】
(3)その他
以上において、
図4~
図8、
図10~
図14等に示すシーケンスフローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【符号の説明】
【0174】
1 印刷給電管理システム
1A 印刷給電管理システム
10 LANケーブル(データ通信線の一例)
100 コンピュータ(印刷制御部の一例)
100A コンピュータ(印刷制御部の一例)
100B コンピュータ(印刷制御部の一例)
100C コンピュータ(印刷制御部の一例)
100D コンピュータ(印刷制御部の一例)
102 制御回路(ON/OFF指令部の一例)
104 操作部(ユーザインタフェースの一例)
200 プリンタ(第3プリンタの一例)
200A プリンタ、管理プリンタ(第2プリンタ、第3プリンタの一例)
200B プリンタ(第4プリンタの一例)
200C プリンタ(第4プリンタの一例)
200D プリンタ(第1プリンタの一例)
201C 通信回路
202 制御回路(ON/OFF指令部の一例)
300 イーサネットハブ(給電装置の一例)
300A イーサネットハブ(給電装置の一例)
300B イーサネットハブ(給電装置の一例)
400 ハブ