(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052255
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240404BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240404BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240404BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20240404BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/14
G03G21/16 195
G03G15/16 103
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158845
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蓑島 紗弥
(72)【発明者】
【氏名】長屋 宗馬
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA14
2H033BA08
2H033BA11
2H033BA12
2H033CA13
2H033CA19
2H033CA22
2H033CA35
2H171FA06
2H171FA15
2H171FA19
2H171FA22
2H171GA18
2H171LA07
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2H171QA02
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2H171QB15
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2H171SA10
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2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H200FA15
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2H200GA10
2H200GA23
2H200GA34
2H200GB22
2H200GB25
2H200GB26
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2H200JB22
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2H200PA22
2H200PB14
2H200PB32
2H270KA42
2H270LA37
2H270LA44
2H270LA81
2H270LC13
2H270LC14
2H270LC19
2H270MC55
2H270MC71
2H270MD17
2H270MD29
2H270MF17
2H270SB13
2H270SB17
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD05
(57)【要約】
【課題】消費電力の増大を抑制しつつ、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【解決手段】
画像形成装置1は、感光ドラム4と、現像装置7と、転写ローラ8と、定着装置9と、シュート15と、トーションバネ17Aと、駆動源20と、移動機構21と、制御部24とを備える。シュート15は、転写ニップN1を通ったシートSを定着ニップS2に向かわせる。シュート15は、定着ニップS2の近くでシートSを支持する第1位置と、シートSの撓みを許容する第2位置との間を移動可能である。トーションバネ17Aは、シュート15を第2位置から第1位置に向けて押圧する。移動機構21は、駆動源20からの動力によってシュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。制御部24は、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなった場合、駆動源20を作動させない。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる軸について回転可能な感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給するための現像装置と、
前記感光ドラム上のトナーをシートに転写するための転写ローラであって、前記第1方向と交差する第2方向において前記感光ドラムの一方側に位置し、前記感光ドラムと接触する転写ローラと、
トナーを前記シートに定着させるための定着装置であって、前記シートを加熱するための加熱ユニットと、前記シートを加圧するための加圧ローラと、を有する定着装置と、
前記第1方向および前記第2方向の両方と交差する第3方向において前記転写ローラと前記定着装置との間に位置し、前記感光ドラムと前記転写ローラとのニップである転写ニップを通った前記シートを、前記加熱ユニットと前記加圧ローラとのニップである定着ニップに向かわせるシュートであって、前記転写ニップと前記定着ニップとを通る仮想面に対して前記第2方向の一方側に位置し、第1位置と、前記第1位置よりも前記仮想面から遠ざかった第2位置との間を前記第2方向に移動可能なシュートと、
前記シュートを前記第2位置から前記第1位置へ向けて押圧する押圧部材と、
駆動源と、
前記駆動源からの動力によって、前記押圧部材の押圧力に抗して、前記シュートを前記第1位置から前記第2位置へ移動させる移動機構と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記定着ニップにおける前記シートの搬送速度が速くなるにつれて小さくなるパラメータが、前記パラメータについての閾値であって、前記パラメータが前記閾値より大きいと前記定着ニップにおける前記シートの搬送速度が前記転写ニップにおける前記シートの搬送速度未満になる閾値より大きい場合、1枚の前記シートを搬送するときに前記駆動源を作動させる第1モードを実行し、
前記パラメータが前記閾値以下である場合、1枚の前記シートを搬送するときに前記駆動源を作動させない第2モードを実行する、画像形成装置。
【請求項2】
第1方向に延びる軸について回転可能な感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給するための現像装置と、
前記感光ドラム上のトナーをシートに転写するための転写ローラであって、前記第1方向と交差する第2方向において前記感光ドラムの一方側に位置し、前記感光ドラムと接触する転写ローラと、
トナーを前記シートに定着させるための定着装置であって、前記シートを加熱するための加熱ユニットと、前記シートを加圧するための加圧ローラと、を有する定着装置と、
前記第1方向および前記第2方向の両方と交差する第3方向において前記転写ローラと前記定着装置との間に位置し、前記感光ドラムと前記転写ローラとのニップである転写ニップを通った前記シートを、前記加熱ユニットと前記加圧ローラとのニップである定着ニップに向かわせるシュートであって、前記転写ニップと前記定着ニップとを通る仮想面に対して前記第2方向の一方側に位置し、第1位置と、前記第1位置よりも前記仮想面から遠ざかった第2位置との間を前記第2方向に移動可能なシュートと、
前記シュートを前記第2位置から前記第1位置へ向けて押圧する押圧部材と、
駆動源と、
前記駆動源からの動力によって、前記押圧部材の押圧力に抗して、前記シュートを前記第1位置から前記第2位置へ移動させる移動機構と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記定着ニップにおける前記シートの搬送速度が速くなるにつれて大きくなるパラメータが、前記パラメータについての閾値であって、前記パラメータが前記閾値未満であると前記定着ニップにおける前記シートの搬送速度が前記転写ニップにおける前記シートの搬送速度未満になる閾値未満である場合、1枚の前記シートを搬送するときに前記駆動源を作動させる第1モードを実行し、
前記パラメータが前記閾値以上である場合、1枚の前記シートを搬送するときに前記駆動源を作動させない第2モードを実行する、画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2モードを実行した場合、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで前記第2モードを継続する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記定着装置を通った前記シートを排出するための排出口を有する本体筐体と、
前記排出口を通る前記シートを検知可能な排出センサと、
をさらに備え、
前記パラメータは、
1枚の前記シートが前記排出口から排出されるときに前記排出センサが前記シートの先端を検知してから前記シートの後端を検知するまでの時間である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記パラメータは、連続印刷ページ数である、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記加圧ローラの温度を測定する温度センサを、さらに備え、
前記パラメータは、前記温度センサの測定値である、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記第2方向において前記シュートの他方側に位置し、前記シュートを前記第2方向の他方側から押圧することにより、前記シュートを前記第1位置から前記第2位置へ移動させる、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記移動機構は、前記シュートに対する押圧を解除することにより、前記シュートの前記第2位置から前記第1位置への移動を許容する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記押圧部材は、トーションバネである、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第3方向において前記感光ドラムと前記定着装置との間に位置し、かつ、前記第2方向において前記シュートの他方側に位置するダクトをさらに備え、
前記シュートは、前記ダクトと接触することにより、前記第1位置に位置決めされる、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記定着ニップは、前記第2方向において前記転写ニップよりも他方側に位置し、
前記シュートは、前記第3方向において、第1端部と、前記第1端部と前記定着ニップとの間に位置する第2端部と、を有し、
前記シュートが前記第1位置に位置した状態で、前記シュートの前記第2端部は、前記第2方向において、前記転写ニップと前記定着ニップとの間に位置する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記シュートが前記第2位置に位置した状態で、前記シュートの前記第2端部は、前記第2方向において、前記転写ニップよりも一方側に位置する、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記移動機構は、
前記駆動源と接続され、前記第1方向に移動可能な第1部材と、
前記第1部材と接続され、前記第3方向に延びる軸について回転可能な第2部材と、
前記第2部材と接続され、前記第2方向に移動可能であり、前記シュートを移動させる第3部材と、
を有する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記駆動源は、ソレノイドである、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第2部材は、
前記シュートが前記第1位置から前記第2位置へ移動する第1回転方向、または、
前記第1回転方向とは反対の方向であって、前記シュートが前記第2位置から前記第1位置へ移動する第2回転方向に回転可能であり、
前記移動機構は、前記第2部材を前記第2回転方向に向けて引く引きバネを、さらに有し、
前記第2部材は、前記駆動源からの動力により、前記引きバネの力に抗して前記第1回転方向に回転する、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第3方向において前記感光ドラムと前記定着装置との間に位置し、かつ、前記第2方向において前記シュートの他方側に位置するダクトをさらに備え、
前記移動機構の一部は、前記ダクト内に位置する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記ダクト内の空気を排出するためのファンと、
前記ファンを支持し、前記第1方向における前記ダクトの一端部を支持する第1フレームと、
前記第1方向において前記第1フレームから離れて位置する第2フレームであって、前記駆動源を支持し、前記第1方向における前記ダクトの他端部を支持する第2フレームと、
をさらに備え、
前記移動機構は、前記第1方向において、前記第1フレームから離れて位置する、請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記駆動源は、前記第1方向において、前記第1フレームから離れて位置する、請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記制御部が前記第1モードを実行している場合、前記シュートは、
前記シートが前記定着装置に到達した後に、前記第1位置から前記第2位置へ移動し、
前記シートが前記転写ニップを通過した後に、前記第2位置から前記第1位置へ移動する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記シュートは、前記第3方向において、第1端部と、前記第1端部と前記定着ニップとの間に位置する第2端部と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記第3方向において前記シュートと前記定着ニップとの間に位置し、前記シートを前記定着ニップに案内する第1ガイドであって、前記第3方向において、第3端部と、前記第3端部と前記定着ニップとの間に位置する第4端部と、を有する第1ガイドと、
前記第3方向において前記第1ガイドと前記定着ニップとの間に位置し、前記第1ガイドとともに、前記シートを前記定着ニップに案内する第2ガイドであって、前記第3方向において、第5端部と、前記第5端部と前記定着ニップとの間に位置する第6端部と、を有する第2ガイドと、をさらに備え、
前記シュートの前記第2端部は、前記第2方向において、前記第1ガイドの前記第3端部と前記第1ガイドの前記第4端部との間に位置し、
前記第1ガイドの前記第4端部は、前記第2方向において、前記第2ガイドの前記第5端部と前記第2ガイドの前記第6端部との間に位置する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記定着装置は、前記第2ガイドを有し、
前記画像形成装置は、
前記第1ガイドを有し、前記シュートを支持する支持フレームを、さらに有する、請求項20に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、定着装置と、シート材を定着装置に向かわせる搬送ガイドと、バネと、カムとを備える画像形成装置が知られている。搬送ガイドは、通常の位置である第1の動作位置と、第1の動作位置からわずかに下方へ回動した第2の動作位置と、さらに大きく下方へ回動した第3の動作位置とに移動する。搬送ガイドは、バネによって、第1の動作位置から第3の動作位置に向かって引っ張られている。カムは、搬送ガイドの下方に配置される。搬送ガイドは、カムの回転により、搬送ガイドは、第1の動作位置と、第2の動作位置と、第3の動作位置との間を移動する(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の画像形成装置では、1枚のシート材に印刷する毎に、まず、シート材が転写ニップに突入するタイミングで、カムを回転させて、搬送ガイドを第1の動作位置から第2の動作位置へ移動させる。続いて、シート材のループ成長に合わせて、さらにカムを回転させて、搬送ガイドを第2の動作位置から第3の動作位置へ移動させる。続いて、シート材が搬送ガイドを通過した後、さらにカムを回転させて、搬送ガイドを第3の動作位置から第1の動作位置へ戻す。
【0005】
そのため、1枚のシート材に印刷する毎に、駆動装置でカムを回転させる必要があり、消費電力の増大を抑制することが困難である。
【0006】
そこで、本開示の目的は、消費電力の増大を抑制しつつ、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の画像形成装置は、感光ドラムと、現像装置と、転写ローラと、定着装置と、シュートと、押圧部材と、駆動源と、移動機構と、制御部とを備える。感光ドラムは、第1方向に延びる軸について回転可能である。現像装置は、感光ドラムにトナーを供給する。転写ローラは、感光ドラム上のトナーをシートに転写する。転写ローラは、第2方向において、感光ドラムの一方側に位置する。第2方向は、第1方向と交差する。転写ローラは、感光ドラムと接触する。定着装置は、トナーをシートに定着させる。定着装置は、加熱ユニットと加圧ローラとを有する。加熱ユニットは、シートを加熱する。加圧ユニットは、シートを加圧する。
【0008】
シュートは、第3方向において、転写ローラと定着装置との間に位置する。第3方向は、第1方向および第2方向の両方と交差する。シュートは、転写ニップを通ったシートを、定着ニップに向かわせる。転写ニップは、感光ドラムと転写ローラとのニップである。定着ニップは、加熱ユニットと加圧ローラとのニップである。シュートは、転写ニップと定着ニップとを通る仮想面に対して、第2方向の一方側に位置する。シュートは、第1位置と、第1位置よりも仮想面から遠ざかった第2位置との間を、第2方向に移動可能である。
【0009】
押圧部材は、シュートを第2位置から第1位置へ向けて押圧する。
【0010】
移動機構は、駆動源からの動力によって、押圧部材の押圧力に抗して、シュートを第1位置から第2位置へ移動させる。
【0011】
制御部は、パラメータが閾値より大きい場合、第1モードを実行する。パラメータは、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて小さくなる。閾値は、パラメータについての閾値である。パラメータが閾値より大きいと、定着ニップにおけるシートの搬送速度は、転写ニップにおけるシートの搬送速度未満になる。第1モードにおいて、制御部は、1枚のシートを搬送するときに、駆動源を作動させる。
【0012】
制御部は、第1パラメータが第1閾値以下である場合、第2モードを実行する。第2モードにおいて、制御部は、1枚のシートを搬送するときに、駆動源を作動させない。
【0013】
このような構成によれば、パラメータが閾値より大きく、定着ニップにおけるシートの搬送速度が遅い場合、制御部は、第1モードを実行する。
【0014】
定着ニップにおけるシートの搬送速度が遅い場合、定着ニップにおけるシートの搬送速度と転写ニップにおけるシートの搬送速度との差によって、転写ニップと定着ニップとの間のシートが撓む。
【0015】
そこで、第1モードでは、制御部は、駆動源を作動させる。すると、移動機構は、駆動源からの動力によって、押圧部材の押圧力に抗して、シュートを第1位置から第2位置へ移動させる。
【0016】
これにより、定着ニップにおけるシートの搬送速度が遅い場合、シュートを第2位置に位置させて、シートの撓みを許容できる。
【0017】
その結果、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【0018】
一方、パラメータが閾値以下になり、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなった場合、制御部は、第2モードを実行する。
【0019】
定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなると、定着ニップにおけるシートの搬送速度と転写ニップにおけるシートの搬送速度との差が小さくなり、シートの撓みが小さくなる。そのため、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなると、シュートを第1位置から第2位置へ移動させる必要が無くなる。
【0020】
そこで、第2モードでは、制御部は、駆動源を作動させない。つまり、シュートは、押圧部材の押圧力により、第1位置に維持される。
【0021】
これにより、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなった場合、駆動源を作動させるための電力を消費せずに、シュートを第1位置に位置させて、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【0022】
その結果、消費電力の増大を抑制しつつ、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【0023】
(2)制御部は、パラメータが閾値未満である場合、第1モードを実行し、パラメータが閾値以上である場合、第2モードを実行してもよい。この場合、パラメータは、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて大きくなる。パラメータが閾値未満であると、定着ニップにおけるシートの搬送速度は、転写ニップにおけるシートの搬送速度未満になる。
【0024】
(3)制御部は、第2モードを実行した場合、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで、第2モードを継続してもよい。
【0025】
このような構成によれば、第2モードを実行した後、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで、駆動源を作動させるための電力を消費しない。
【0026】
その結果、消費電力の増大を、より抑制できる。
【0027】
(4)画像形成装置は、本体筐体と、排出センサとをさらに備えてもよい。本体筐体は、排出口を有する。排出口は、定着装置を通ったシートを排出する。排出センサは、排出口を通るシートを検知可能である。定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて小さくなるパラメータは、1枚のシートが排出口から排出されるときに排出センサがシートの先端を検知してからシートの後端を検知するまでの時間であってもよい。
【0028】
このような構成によれば、1枚のシートが排出口から排出されるときに排出センサがシートの先端を検知してからシートの後端を検知するまでの時間は、定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて、短くなる。
【0029】
そのため、1枚のシートが排出口から排出されるときに排出センサがシートの先端を検知してからシートの後端を検知するまでの時間をパラメータとすれば、排出センサを利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0030】
(5)定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて大きくなるパラメータは、連続印刷ページ数であってもよい。
【0031】
このような構成によれば、加圧ローラは、連続印刷ページ数が増加するにつれて、加熱ユニットからの熱により膨張する。
【0032】
そのため、加圧ローラの周速度は、連続印刷ページ数が増加するにつれて、速くなる。これにより、定着ニップにおけるシートの搬送速度は、連続印刷ページ数が増加するにつれて、速くなる。
【0033】
そのため、連続印刷ページ数をパラメータとして利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0034】
(6)画像形成装置は、温度センサを、さらに備えてもよい。温度センサは、加圧ローラの温度を測定する。定着ニップにおけるシートの搬送速度が速くなるにつれて大きくなるパラメータは、温度センサの測定値であってもよい。
【0035】
このような構成によれば、加圧ローラの温度が上昇するにつれて、加圧ローラは、膨張する。
【0036】
そのため、加圧ローラの温度が上昇するにつれて、加圧ローラの周速度は、速くなる。これにより、定着ニップにおけるシートの搬送速度は、加圧ローラの温度が上昇するにつれて、速くなる。
【0037】
そのため、温度センサで測定した加圧ローラの温度をパラメータとして利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0038】
(7)移動機構は、第2方向においてシュートの他方側に位置してもよい。移動機構は、シュートを第2方向の他方側から押圧することにより、シュートを第1位置から第2位置へ移動させてもよい。
【0039】
このような構成によれば、シュートは、転写ニップと定着ニップとを通る仮想面に対して第2方向の一方側に位置する。移動機構は、第2方向において、シュートの他方側に位置する。
【0040】
そのため、感光ドラムと定着装置との間の空間を利用して、移動機構を効率よく配置できる。
【0041】
これにより、シュートが仮想面に対して第2方向の一方側に位置し、さらに、そのシュートに対して第2方向の一方側に移動機構が位置する場合と比較して、第2方向における画像形成装置の大型化を抑制できる。
【0042】
その結果、第2方向における画像形成装置の大型化を抑制しつつ、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【0043】
(8)移動機構は、シュートに対する押圧を解除することにより、シュートの第2位置から第1位置への移動を許容してもよい。
【0044】
(9)押圧部材は、トーションバネであってもよい。
【0045】
(10)画像形成装置は、ダクトをさらに備えてもよい。ダクトは、第3方向において、感光ドラムと定着装置との間に位置する。ダクトは、第2方向において、シュートの他方側に位置する。シュートは、ダクトと接触することにより、第1位置に位置決めされてもよい。
【0046】
このような構成によれば、感光ドラムと定着装置との間のダクトを利用して、シュートを第1位置に位置決めできる。
【0047】
そのため、簡単な構成で、定着装置に対するシュートの位置精度を確保できる。
【0048】
(11)定着ニップは、第2方向において、転写ニップよりも他方側に位置する。シュートは、第3方向において、第1端部と、第1端部と定着ニップとの間に位置する第2端部とを有する。シュートが第1位置に位置した状態で、シュートの第2端部は、第2方向において、転写ニップと定着ニップとの間に位置してもよい。
【0049】
このような構成によれば、シュートが第1位置に位置した状態で、シュートの第2端部は、シートの先端を、第2方向において定着ニップの近くで支持できる。
【0050】
そのため、シートの先端を、定着ニップに円滑に進入させることができる。
【0051】
(12)シュートが第2位置に位置した状態で、シュートの第2端部は、第2方向において、転写ニップよりも一方側に位置してもよい。
【0052】
このような構成によれば、このような構成によれば、シュートが第2位置に位置した状態で、定着ニップに進入したシートが第2方向の一方側に撓むことを、許容できる。
【0053】
(13)移動機構は、第1部材と、第2部材と、第3部材とを有してもよい。第1部材は、駆動源と接続される。第1部材は、第1方向に移動可能である。第2部材は、第1部材と接続される。第2部材は、第3方向に延びる軸について回転可能である。第3部材は、第2部材と接続される。第3部材は、第2方向に移動可能である。第3部材は、シュートを移動させる。
【0054】
このような構成によれば、駆動源からの動力によって第1部材を第1方向に移動させることにより、第2部材を回転させて、第3部材を第2方向に移動させることができる。
【0055】
そのため、第2部材の回転半径に応じて、第3部材の移動距離を、第1部材の移動距離よりも長くすることができる。
【0056】
そのため、第1部材を移動させるためのスペースを小さくでき、画像形成装置の大型化を抑制できる。
【0057】
(14)駆動源は、ソレノイドであってもよい。
【0058】
(15)第2部材は、第1回転方向、または、第2回転方向に回転可能であってもよい。第2回転方向は、第1回転方向とは反対の方向である。第1回転方向は、シュートが第1位置から第2位置へ移動する方向である。第2回転方向は、シュートが第2位置から第1位置へ移動する方向である。移動機構は、引きバネを、さらに有してもよい。引きバネは、第2部材を第2回転方向に向けて引く。第2部材は、駆動源からの動力により、引きバネの力に抗して、第1回転方向に回転する。
【0059】
(16)移動機構の一部は、ダクト内に位置してもよい。
【0060】
このような構成によれば、ダクト内の空間を利用して、移動機構を配置できる。
【0061】
そのため、画像形成装置の大型化を、より抑制できる。
【0062】
(17)画像形成装置は、ファンと、第1フレームと、第2フレームとをさらに備える。ファンは、ダクト内の空気を排出する。第1フレームは、ファンを支持する。第1フレームは、第1方向におけるダクトの一端部を支持する。第2フレームは、第1方向において、第1フレームから離れて位置する。第2フレームは、駆動源を支持する。第2フレームは、第1方向におけるダクトの他端部を支持する。移動機構は、第1方向において、第1フレームから離れて位置してもよい。
【0063】
このような構成によれば、移動機構の一部がダクト内に位置していても、移動機構と第1フレームとの間の空間を通して、感光ドラムと定着装置との間の空気をダクト内に取り込み、ファンによって排気できる。
【0064】
(18)駆動源は、第1方向において、第1フレームから離れて位置してもよい。
【0065】
(19)制御部が第1モードを実行している場合、シュートは、シートが定着装置に到達した後に、第1位置から第2位置へ移動してもよい。シュートは、シートが転写ニップを通過した後に、第2位置から第1位置へ移動してもよい。
【0066】
このような構成によれば、シートが定着装置に到達するまでの間、第1位置に位置するシュートによってシートを支持し、シートが定着装置に到達した後、シートが転写ニップを通過するまでの間、シュートを第2位置に位置させて、シートの撓みを許容できる。
【0067】
(20)画像形成装置は、第1ガイドと、第2ガイドとをさらに備えてもよい。第1ガイドは、第3方向において、シュートと定着ニップとの間に位置する。第1ガイドは、シートを定着ニップに案内する。第1ガイドは、第3方向において、第3端部と、第3端部と定着ニップとの間に位置する第4端部と、を有する。第2ガイドは、第3方向において、第1ガイドと定着ニップとの間に位置する。第2ガイドは、第1ガイドとともに、シートを定着ニップに案内する。第2ガイドは、第3方向において、第5端部と、第5端部と定着ニップとの間に位置する第6端部と、を有する。シュートの第2端部は、第2方向において、第1ガイドの第3端部と第1ガイドの第4端部との間に位置する。第1ガイドの第4端部は、第2方向において、第2ガイドの第5端部と第2ガイドの第6端部との間に位置する。
【0068】
(21)定着装置は、第2ガイドを有してもよい。画像形成装置は、支持フレームを、さらに有してもよい。支持フレームは、第1ガイドを有し、シュートを支持する。
【発明の効果】
【0069】
本開示の画像形成装置によれば、消費電力の増大を抑制しつつ、転写ニップと定着ニップとの間でシートを安定に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図2】
図2は、
図1に示すシュートが第2位置に位置した状態を示す。
【
図3】
図3は、
図1に示す画像形成装置のA-A断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すダクトおよび移動機構の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図3に示すシュートが第2位置に位置した状態を示す。
【
図8】
図8は、各センサと制御部と駆動源との電気的な接続を説明するためのブロック図である。
【
図9】
図9は、制御部による画像形成装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、変形例(1)を説明するための説明図である。
【
図12】
図12は、変形例(3)を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
1.画像形成装置1の概略
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写ローラ8と、定着装置9とを備える。
【0072】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写ローラ8と、定着装置9とを収容する。
【0073】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シート収容部3内のシートSは、感光ドラム4に向かって搬送される。
【0074】
1.3 感光ドラム4
感光ドラム4は、第1方向に延びる。感光ドラム4は、円筒形状を有する。感光ドラム4は、軸A1について回転可能である。軸A1は、第1方向に延びる。
【0075】
1.4 帯電装置5
帯電装置5は、感光ドラム4の周面を帯電させる。本実施形態では、帯電装置5は、スコロトロン型の帯電器である。帯電装置5は、帯電ローラであってもよい。
【0076】
1.5 露光装置6
露光装置6は、帯電装置5によって帯電された感光ドラム4の周面を露光する。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。露光装置6は、LEDアレイであってもよい。
【0077】
1.6 現像装置7
現像装置7は、感光ドラム4の周面にトナーを供給する。詳しくは、現像装置7は、露光装置6によって露光された感光ドラム4の周面にトナーを供給する。現像装置7は、現像筐体71と、現像ローラ72とを有する。
【0078】
1.6.1 現像筐体71
現像筐体71は、トナーを収容可能である。
【0079】
1.6.2 現像ローラ72
現像ローラ72は、現像筐体71内のトナーを感光ドラム4の周面に供給可能である。現像ローラ72は、感光ドラム4と接触する。現像ローラ72は、第1方向に延びる。現像ローラ72は、円柱形状を有する。現像ローラ72は、軸A2について回転可能である。軸A2は、第1方向に延びる。
【0080】
1.7 転写ローラ8
転写ローラ8は、感光ドラム4の周面上のトナーをシートSに転写する。転写ローラ8は、第2方向において、感光ドラム4の一方側に位置する。第2方向は、第1方向と交差する。転写ローラ8は、感光ドラム4と接触する。シート収容部3内のシートSは転写ニップN1を通って、定着装置9へ搬送される。転写ニップN1は、感光ドラム4と転写ローラ8とのニップである。転写ローラ8は、感光ドラム4の周面上のトナーを、転写ニップN1を通るシートSに転写する。転写ローラ8は、第1方向に延びる。転写ローラ8は、円柱形状を有する。転写ローラ8は、軸A3について回転可能である。軸A3は、第1方向に延びる。
【0081】
1.8 定着装置9
定着装置9は、第3方向において、転写ローラ8から離れて位置する。第3方向は、第1方向および第2方向の両方と交差する。定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、トナーをシートSに定着させる。
図2に示すように、定着装置9を通ったシートSは、本体筐体2の排出口2Aを通って、本体筐体2の上面に排出される。つまり、本体筐体2は、排出口2Aを有する。排出口2Aは、定着装置9を通ったシートSを排出する。
【0082】
2.定着装置9の詳細
次に、定着装置9の詳細について説明する。
【0083】
図1に示すように、定着装置9は、加熱ユニット91と、加圧ローラ92と、定着ガイド93とを有する。
【0084】
2.1 加熱ユニット91
加熱ユニット91は、トナーが転写されたシートSを加熱する。加熱ユニット91は、ベルト911と、ヒータ912と、ホルダ913とを備える。
【0085】
2.1.1 ベルト911
ベルト911は、トナーが転写されたシートSを加熱する。ベルト911は、筒状である。ベルト911は、第1方向に延びる。ベルト911は、ヒータ912に対して移動可能である。ベルト911は、ホルダ913の周りを回転可能である。ベルト911は、内面S1と外面S2とを有する。
【0086】
2.1.2 ヒータ912
ヒータ912は、ベルト911を加熱する。ヒータ912は、ベルト911の内側に位置する。ヒータ912は、ベルト911の内面S1に接触する。ヒータ912は、板状である。ヒータ912は、第1方向に延びる。詳しくは、ヒータ912は、基板と、発熱体とを有する。基板は、例えば、ステンレスなどの金属からなる。基板の表面は、絶縁層で覆われている。発熱体は、基板の絶縁層の上に位置する。発熱体は、通電により発熱する。発熱体は、抵抗発熱体である。発熱体は、例えば、銀・パラジウム合金からなる。
【0087】
2.1.3 ホルダ913
ホルダ913は、ベルト911の内側に位置する。ホルダ913は、ヒータ912を支持する。ホルダ913は、樹脂からなる。
【0088】
2.2 加圧ローラ92
加圧ローラ92は、ベルト911の外面S2に接触する。加圧ローラ92は、定着ニップN2を通るシートSを、ヒータ912に向けて加圧する。定着ニップN2は、加熱ユニット91のベルト911と加圧ローラ92とのニップである。定着ニップN2は、第2方向において、転写ニップN1よりも他方側に位置する。加圧ローラ92は、本体筐体2内の図示しないモータからの動力を受けて回転する。加熱ユニット91のベルト911は、加圧ローラ92の回転に従って回転する。加圧ローラ92は、ゴムローラである。詳しくは、加圧ローラ92は、ローラ芯921と、ゴム層922とを有する。
【0089】
ローラ芯921は、第1方向に延びる。ローラ芯921は、円筒形状を有する。ローラ芯921は、金属からなる。
【0090】
ゴム層922は、ローラ芯921の周面上に位置する。ゴム層922は、ローラ芯921の周面を覆う。ゴム層922は、第1方向、および、ローラ芯921の周方向に延びる。
【0091】
2.3 定着ガイド93
定着ガイド93は、定着ニップN2に入るシートSを定着ニップN2に案内する。定着ガイド93は、第3方向に延びる。定着ガイド93は、転写ニップN1と定着ニップN2とを通る仮想面Iに対して傾斜する。定着ガイド93は、第3方向において、一端部93Aと他端部93Bとを有する。他端部93Bは、第3方向において、一端部93Aと定着ニップN2との間に位置する。定着ガイド93は、第3方向において、一端部93Aから他端部93Bに向かうにつれて、仮想面Iに近づく。
【0092】
3.画像形成装置1の詳細
次に、
図1から
図8を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0093】
画像形成装置1では、シートSが転写ニップN1と定着ニップN2との両方においてニップされた状態(
図2参照)で転写ニップN1を通過中のシートSを定着装置9が引っ張ってしまわないように、定着装置9におけるシートSの搬送速度は、感光ドラム4および転写ローラ8によるシートSの搬送速度よりも遅く設定されている。
【0094】
特に、本実施形態の定着装置9のように、加圧ローラ92としてゴムローラが採用されている場合、加熱ユニット91によってゴム層922が加熱されることにより、ゴム層922が膨張して、加圧ローラ92の周速度が速くなってしまう場合がある。加圧ローラ92の周速度が速くなってしまうと、定着装置9におけるシートSの搬送速度が速くなってしまう。そのため、定着装置9におけるシートSの搬送速度が速くなってしまった場合でも転写ニップN1を通過中のシートSを定着装置9が引っ張ってしまわないように、定着装置9におけるシートSの搬送速度は、感光ドラム4および転写ローラ8によるシートSの搬送速度よりも一段と遅く設定されている。
【0095】
そのため、
図2に示すように、シートSが転写ニップN1と定着ニップN2との両方においてニップされた状態で、転写ニップN1と定着ニップN2との間のシートSは、転写ニップN1と定着ニップN2とを通る仮想面Iから離れて、大きく撓む場合がある。
【0096】
ここで、シートSの撓みを許容できるように、シュートを仮想面Iから離して固定した場合、シュートが仮想面Iから離れてしまっている。そのため、シートSの先端が定着ニップN2に進入する前において、シュートは、シートSを支持することができない。
【0097】
そうすると、シートSの先端が定着ニップN2に進入する前に、シートSが転写ニップN1と定着ニップN2との間で詰まってしまうなどの不具合が発生する可能性がある。
【0098】
この点、画像形成装置1では、
図1および
図2に示すように、シュート15は、第1位置(
図1参照)と第2位置(
図2参照)との間で移動可能である。
【0099】
図1に示すように、シュート15が第1位置に位置した状態で、シートSの先端が定着ニップN2に進入する前において、シュート15は、シートSを支持する。また、
図2に示すように、シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15は、定着ニップN2に進入し、かつ、転写ニップN1を通過していないシートSの撓みを許容する。以下、詳しく説明する。
【0100】
図3に示すように、画像形成装置1は、第1フレーム11と、第2フレーム12と、ファン13と、ダクト14と、シュート15(
図1参照)と、導電部材16(
図5参照)と、押圧部材の一例としての2つのトーションバネ17A,17B(
図5参照)と、支持フレーム18(
図1参照)と、除電部材19(
図6参照)と、駆動源20と、移動機構21と、搬送ローラ22(
図1参照)と、センサ23A,23B(
図1参照)と、排出センサ23C(
図1参照)と、制御部24(
図8参照)とをさらに備える。
【0101】
3.1 第1フレーム11および第2フレーム12
図3に示すように、第1フレーム11は、本体筐体2内に位置する。第1フレーム11は、第2方向および第3方向に延びる。第1フレーム11は、ファン13を支持する。第1フレーム11は、第1方向におけるダクト14の一端部を支持する。
【0102】
第2フレーム12は、本体筐体2内に位置する。第2フレーム12は、第1方向において第1フレーム11から離れて位置する。第2フレーム12は、第2方向および第3方向に延びる。第2フレーム12は、駆動源20を支持する。第2フレーム12は、第1方向におけるダクト14の他端部を支持する。
【0103】
3.2 ファン13
ファン13は、第1フレーム11に取り付けられる。ファン13は、本体筐体2の排気口2Bに向かい合う。ファン13は、第1方向において、排気口2Bとダクト14との間に位置する。ファン13は、ダクト14内の空気を排気口2Bに向けて送る。これにより、ファン13は、ダクト14内の空気を、排気口2Bから排出する。
【0104】
3.3 ダクト14
図1に示すように、ダクト14は、第3方向において、感光ドラム4と定着装置9との間に位置する。ダクト14は、第2方向において、シュート15の他方側に位置する。
図3に示すように、ダクト14は、ダクト本体141と、接触部142と、取付部143とを有する。
【0105】
3.3.1 ダクト本体141
図3に示すように、ダクト本体141は、第1方向に延びる。ダクト本体141は、第1板141Aと、第2板141Bと、複数のルーバー141Cとを有する。
【0106】
図1に示すように、第1板141Aは、第3方向において、感光ドラム4と定着装置9との間に位置する。第1板141Aは、第1方向および第2方向に延びる。
図4に示すように、第1板141Aは、第1方向において、第1フレーム11から第2フレーム12まで延びる。
【0107】
図1に示すように、第2板141Bは、第3方向において、第1板141Aと定着装置9との間に位置する。第2板141Bは、第3方向において、第1板141Aから離れて位置する。第2板141Bは、第1方向および第2方向に延びる。
図4に示すように、第2板141Bは、第1方向において、第1フレーム11から第2フレーム12まで延びる。ダクト14内の空気は、第1板141Aと第2板141Bとの間を、第1方向に流れる。
【0108】
図4に示すように、複数のルーバー141Cは、第2方向におけるダクト14の一端部に位置する。複数のルーバー141Cは、第1方向において、間隔をあけて並ぶ。複数のルーバー141Cのそれぞれは、第2方向および第3方向に延びる。複数のルーバー141Cのそれぞれは、板形状を有する。感光ドラム4と定着装置9との間の空気は、複数のルーバー141Cのそれぞれの間を通って、ダクト14内に入る。
【0109】
3.3.2 接触部142
図1に示すように、接触部142は、シュート15と接触可能である。接触部142は、ダクト本体141に対して、第2方向の一方側に位置する。接触部142は、第2方向において、ダクト本体141と支持フレーム18との間に位置する。接触部142は、第2方向に延びる。接触部142は、ダクト本体141から延びる。
図3に示すように、接触部142は、第1方向におけるダクト14の他端部に位置する。
【0110】
3.3.3 取付部143
図3および
図4に示すように、取付部143には、移動機構21が、取り付けられる。取付部143は、第1板141Aの一部である。取付部143は、第1方向において、第1フレーム11から離れて、第2フレーム12の近くに位置する。取付部143は、第1方向において、第1板141Aの他端部から第1板141Aの中央部まで延びる。
【0111】
3.4 シュート15
図1に示すように、シュート15は、第3方向において、転写ローラ8と定着装置9との間に位置する。シュート15は、第3方向において、転写ローラ8と定着ガイド93との間に位置する。シュート15は、転写ニップN1を通ったシートSを、定着ニップN2に向かわせる。シュート15は、転写ニップN1と定着ニップN2とを通る仮想面Iに対して第2方向の一方側に位置する。
【0112】
図1および
図2に示すように、シュート15は、第1位置(
図1参照)と、第1位置よりも仮想面Iから遠ざかった第2位置(
図2参照)との間を、第2方向に移動可能である。
【0113】
図1に示すように、シュート15は、第3方向に延びる。シュート15は、第3方向において、第1端部E1と第2端部E2とを有する。第2端部E2は、第3方向において、第1端部E1と定着ニップN2との間に位置する。
【0114】
シュート15が第1位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、定着ガイド93から離れる。シュート15が第1位置に位置した状態で、シュートの第2端部E2は、第2方向において、転写ニップN1と、定着ガイド93の他端部93Bとの間に位置する。シュート15が第1位置に位置した状態で、転写ニップN1、シュート15の第2端部E2、および、定着ニップN2は、仮想面Iに沿って並ぶ。シュート15が第1位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、第2方向において、転写ニップN1と定着ニップN2との間に位置する。これにより、シュート15が第1位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、シートSの先端を、第2方向において定着ニップN2の近くで支持できる。そのため、シートSの先端を、仮想面Iの近くを通して、定着ニップN2に向かわせることができる。その結果、シートSの先端を、円滑に定着ニップN2に進入させることができる。
【0115】
一方、
図2に示すように、シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、定着ガイド93に近接する。シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、第2方向において、転写ニップN1よりも一方側に位置する。これにより、シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15は、転写ニップN1と定着ニップN2との間においてシートSが転写ニップN1よりも第2方向の一方側に撓むことを、許容できる。また、シュート15が第2位置に位置した状態で、シュートの第2端部E2は、第2方向において、定着ガイド93の一端部93Aと転写ニップN1との間に位置する。これにより、シートSの先端がシュート15から定着ガイド93に受け渡されるときに、シートSの先端がシュート15と定着ガイド93との間に詰まってしまうことを、抑制できる。
【0116】
図5に示すように、シュート15は、第1方向および第3方向に延びる。シュート15は、板形状を有する。シュート15は、樹脂などの絶縁体からなる。シュート15は、シュート本体151と、複数のリブ152と、接触部153とを有する。
【0117】
シュート本体151は、第1方向および第3方向に延びる。シュート本体151は、板形状を有する。シュート本体151は、第2方向において、一方面と他方面とを有する。
【0118】
複数のリブ152は、第2方向におけるシュート本体151の他方面上に位置する。複数のリブ152は、間隔をあけて第1方向に並ぶ。複数のリブ152のそれぞれは、第2方向におけるシュート本体151の他方面から突出する。複数のリブ152のそれぞれは、第3方向に延びる。
【0119】
接触部153は、第1方向におけるシュート15の他端部に位置する。接触部153は、第1方向において、シュート本体151の他方側に位置する。接触部153は、第1方向に延びる。接触部153は、第1方向におけるシュート本体151の他端部から延びる。
図3に示すように、シュート15が第1位置に位置した状態で、接触部153は、第2方向において、ダクト14の接触部142と接触する。接触部153が接触部142と接触することにより、シュート15は、第1位置に位置決めされる。言い換えると、シュート15は、ダクト14の接触部142と接触することにより、第1位置に位置決めされる。
【0120】
3.5 導電部材16
図5に示すように、導電部材16は、第2方向におけるシュート15の他方面に位置する。詳しくは、導電部材16は、第2方向におけるシュート本体151の他方面に位置する。導電部材16は、第1方向および第3方向に延びる。導電部材16は、板形状を有する。導電部材16は、複数のスリット161を有する。シュート15のリブ152は、スリット161を通って、第2方向において導電部材16よりも他方側に突出する。これにより、転写ニップN1から定着ニップN2へ向かうシートSがシュート15のリブ152に接触した状態で、リブ152が突出する方向において、シートSは、導電部材16と間隔をあけて向かい合う。シートSは、転写ニップN1を通るときに、転写バイアスによって帯電されている。そのため、転写ニップN1から定着ニップN2へ向かうシートSが導電部材16と間隔をあけて向かい合うことにより、シートSは、導電部材16に向かう方向に鏡像力を受ける。
【0121】
3.6 トーションバネ17A,17B
トーションバネ17Aは、第1方向におけるシュート15の一端部に取り付けられる。詳しくは、トーションバネ17Aは、第1方向におけるシュート本体151の一端部に取り付けられる。トーションバネ17Aは、シュート15を第2位置(
図2参照)から第1位置(
図1参照)へ向けて押圧する。
【0122】
トーションバネ17Bは、第1方向におけるシュート15の他端部に取り付けられる。詳しくは、トーションバネ17Bは、第1方向におけるシュート本体151の他端部に取り付けられる。トーションバネ17Bは、トーションバネ17Aとともに、シュート15を第2位置(
図2参照)から第1位置(
図1参照)へ向けて押圧する。
【0123】
3.7 支持フレーム18
図1に示すように、支持フレーム18は、シュート15を支持する。シュート15は、支持フレーム18に取り付けられる。支持フレーム18は、第2方向において、シュート15の一方側に位置する。支持フレーム18は、第2方向において、シュート15に対して、ダクト14の反対側に位置する。
図3に示すように、支持フレーム18は、第2方向において、シュート15に対して、移動機構21の反対側に位置する。
図6に示すように、支持フレーム18は、第1方向および第3方向に延びる。支持フレーム18は、板形状を有する。
【0124】
3.8 除電部材19
図1および
図6に示すように、除電部材19は、支持フレーム18に取り付けられる。除電部材19は、第3方向において、転写ローラ8とシュート15との間に位置する。除電部材19は、転写ニップN1を通過したシートSの電荷の一部を除電する。除電部材19は、第1方向および第2方向に延びる。除電部材19は、板形状を有する。除電部材19は、転写ニップN1から定着ニップN2へ向かうシートSに対して、第2方向においてわずかに間隔を空けて向かい合う。
【0125】
3.9 駆動源20
図3に示すように、駆動源20は、第2フレーム12に取り付けられる。駆動源20は、第1方向において、第1フレーム11から離れて位置する。本実施形態では、駆動源20は、ソレノイドである。詳しくは、駆動源20は、プルソレノイドである。駆動源20は、本体201と、プランジャ202とを有する。プランジャ202は、本体201に対して、第1方向に移動可能である。
【0126】
3.10 移動機構21
図3に示すように、移動機構21は、第2方向において、シュート15の他方側に位置する。移動機構21は、第1方向において、第1フレーム11と第2フレーム12との間に位置する。移動機構21の一部は、ダクト14内に位置する。移動機構21は、ダクト14の取付部143に取り付けられる。移動機構21は、第1方向において、第1フレーム11から離れて、第2フレーム12の近くに位置する。移動機構21が第1フレーム11から離れていることにより、移動機構21の一部がダクト14内に位置していても、移動機構21と第1フレーム11との間の空間を通して、感光ドラム4と定着装置9との間の空気をダクト14内に取り込み、ファン13によって排気できる。
【0127】
図3および
図7に示すように、移動機構21は、駆動源20からの動力によって、シュート15を第1位置(
図3参照)から第2位置(
図7参照)へ移動させる。
【0128】
詳しくは、移動機構21は、シュート15を第2方向の他方側から押圧することにより、トーションバネ17A,17B(
図5参照)の押圧力に抗して、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。
【0129】
一方、移動機構21は、シュート15に対する押圧を解除することにより、シュート15の第2位置から第1位置への移動を許容する。そのため、移動機構21がシュート15に対する押圧を解除すると、トーションバネ17A,17Bの押圧力により、シュート15は、第2位置から第1位置へ移動する。
【0130】
図3に示すように、移動機構21は、アタッチメント210と、第1部材211と、第2部材212と、引きバネ213と、第3部材214とを有する。
【0131】
3.10.1 アタッチメント210
アタッチメント210には、第1部材211と、第2部材212と、引きバネ213とが取り付けられる。アタッチメント210は、第1部材211、第2部材212および引きバネ213が取り付けられた状態で、ダクト14の取付部143に取り付けられる。アタッチメント210は、第1方向および第2方向に延びる。アタッチメント210は、平板形状を有する。
【0132】
3.10.2 第1部材211
第1部材211は、第1方向に移動可能である。第1部材211は、駆動源20のプランジャ202と接続される。詳しくは、第1部材211は、第1方向に延びる。第1部材211は、第1方向において、一端部211Aと他端部211Bとを有する。第1方向における第1部材211の一端部211Aは、フック形状を有する。第1方向における第1部材211の他端部211Bは、駆動源20のプランジャ202と接続される。
【0133】
図4に示すように、第1部材211は、複数の貫通穴211Cを有する。ダクト14内の空気は、複数の貫通穴211Cを通る。これにより、第1部材211がダクト14内の空気の流れを阻害することを、抑制できる。
【0134】
3.10.3 第2部材212
図3および
図7に示すように、第2部材212は、軸A11について回転可能である。軸A11は、第3方向に延びる。第2部材212は、第1回転方向R1または第2回転方向R2に回転可能である。第2回転方向R2は、第1回転方向R1とは反対の方向である。
【0135】
詳しくは、
図3に示すように、移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第2部材212は、第1回転方向R1に回転可能である。
図3および
図7に示すように、第2部材212が第1回転方向R1に回転することにより、移動機構21は、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。つまり、第1回転方向R1は、シュート15が第1位置から第2位置へ移動する方向である。
【0136】
一方、
図7に示すように、移動機構21がシュート15を第2位置に位置させている状態で、第2部材212は、第2回転方向R2に回転可能である。
図7および
図3に示すように、第2部材212が第2回転方向R2に回転することにより、移動機構21は、シュート15に対する押圧を解除する。これにより、シュート15は、第2位置から第1位置へ移動する。つまり、第2回転方向R2は、シュート15が第2位置から第1位置へ移動する方向である。
【0137】
図3に示すように、第2部材212は、第2方向において、第1部材211の他方側に位置する。第2部材212は、第2方向において、第1部材211とシュート15との間に位置する。移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第2部材212は、第1方向に延びる。第2部材212は、回転軸212Aと、第1アーム212Bと、第2アーム212Cと、第3アーム212Dとを有する。
【0138】
回転軸212Aは、第1方向における第2部材212の一端部に位置する。回転軸212Aは、第1方向において、第2フレーム12から離れて位置する。回転軸212Aは、第3方向に延びる。回転軸212Aは、円柱形状を有する。
【0139】
図3に示すように、移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第1アーム212Bは、回転軸212Aから第2フレーム12に向かって、第1方向に延びる。
図4に示すように、第1アーム212Bは、複数の貫通穴2121を有する。ダクト14内の空気は、複数の貫通穴2121を通る。これにより、第1アーム212Bがダクト14内の空気の流れを阻害することを、抑制できる。
【0140】
移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第2アーム212Cは、回転軸212Aから第1部材211に向かって、第2方向に延びる。第1方向における第1部材211の一端部211Aは、第2アーム212Cに引っかかる。これにより、第2部材212は、第1部材211と接続される。
【0141】
第3部材214と第1アーム212Bとの接続部P1と軸A11との距離L1は、第1部材211と第2アーム212Cとの接触部P2と軸A11との距離L2よりも長い。これにより、第1部材211が第2アーム212Cを移動させる距離に対して、第1アーム212Bが第3部材214を移動させる距離を長くすることができる。そのため、移動機構21がシュート15を押圧するときに、第1部材211の移動距離に対して、第3部材214の移動距離を長くすることができる。
【0142】
第3アーム212Dは、回転軸212Aから延びる。移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第3アーム212Dは、第1方向において、第2アーム212Cに対して駆動源20の反対側に位置する。
【0143】
3.10.3 引きバネ213
図7に示すように、移動機構21がシュート15を第2位置に位置させている状態で、引きバネ213は、第2部材212を第2回転方向R2に向けて引く。引きバネ213の一端部は、アタッチメント210に取り付けられる。引きバネ213の他端部は、第2部材212の第3アーム212Dに取り付けられる。なお、
図3に示すように、移動機構21がシュート15に対する押圧を解除した状態で、第2部材212は、駆動源20からの動力により、引きバネ213の力に抗して第1回転方向R1に回転する。
【0144】
3.10.4 第3部材214
図3に示すように、第3部材214は、第1方向における第2部材212の他端部と接続される。詳しくは、第3部材214は、第1アーム212Bの先端に接続される。第3部材214は、第2方向に延びる。第3部材214は、第2方向に移動可能である。詳しくは、
図3および
図7に示すように、第3部材214は、第2部材212の第1回転方向R1への回転に伴って、第2方向の一方側に移動する。第3部材214は、第2方向の一方側に移動するときに、シュート15を第2方向の一方側へ押圧する。これにより、第3部材214は、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。また、
図7および
図3に示すように、第3部材214は、第2部材212の第2回転方向R2への回転に伴って、第2方向の他方側に移動する。第3部材214は、第2方向の他方側に移動することにより、シュート15に対する押圧を解除する。
【0145】
3.11 搬送ローラ22
図1に示すように、搬送ローラ22は、第3方向において、転写ローラ8に対して、定着装置9の反対側に位置する。搬送ローラ22は、シートSを転写ニップN1に向けて搬送する。搬送ローラ22は、シートSが搬送される方向において、センサ23Aとセンサ23Bとの間に位置する。
【0146】
3.12 センサ23A,23B
センサ23Aは、第3方向において、搬送ローラ22に対して、転写ローラ8の反対側に位置する。センサ23Aは、シートSを検知可能である。
【0147】
センサ23Bは、第3方向において、搬送ローラ22と転写ローラ8との間に位置する。センサ23Bは、シートSを検知可能である。
【0148】
3.13 排出センサ23C
排出センサ23Cは、排出口2Aの近傍に位置する。排出センサ23Cは、排出口2Aを通るシートSを検知可能である。
【0149】
3.14 制御部24
図8に示すように、制御部24は、センサ23A,23B、排出センサ23C、および、駆動源20と電気的に接続される。制御部24は、例えば、画像形成装置1の動作を制御する制御回路基板である。制御部24は、CPU(中央演算処理装置)と、メモリとを備える。制御部24は、メモリに格納されているプログラムをCPUで実行することにより、画像形成装置1の動作を制御する。なお、制御部24は、ASIC(特定用途向け集積回路)を備えてもよい。制御部24は、例えば、センサ23Bおよび排出センサ23Cからの信号に基づいて、駆動源20を制御する。
【0150】
4.画像形成装置1の制御
次に、
図1から
図3、
図7、
図9および
図10を参照して、画像形成装置1の制御について説明する。
【0151】
図9に示すように、制御部24が印刷ジョブを受けると、制御部24は、前回の印刷ジョブが終了した後、所定時間t1を経過しているか否か、判断する(S1)。
【0152】
前回の印刷ジョブが終了した後、所定時間t1を経過している場合(S1:YES)、制御部24は、メモリに記憶されている連続印刷ページ数Nを0にリセットする(S2)。
【0153】
なお、「連続印刷ページ数N」とは、連続して印刷されたページの累積数である。「連続して印刷される」とは、1ページ印刷された後、所定時間t1が経過する前に、次の1ページが印刷されることをいう。
【0154】
所定時間t1は、前回の印刷ジョブの実行において加熱ユニット91によって加熱されたゴム層922の温度が低下して、ゴム層922の膨張が収まる時間である。例えば、本実施形態では、所定時間t1は、10分である。
【0155】
次に、制御部24は、連続印刷ページ数Nに1ページ加算してメモリに記憶し(S3)、連続印刷ページ数Nが閾値V0を超えているか否か判断する(S4)。本実施形態では、閾値V0は、2である。
【0156】
連続印刷ページ数Nが閾値V0以下である場合(S4:NO)、制御部24は、第1モードを実行する(S5)。これにより、連続印刷ページ数Nが0にリセットされた後、ゴム層922の温度が低いと推定される1ページ目および2ページ目の印刷では、制御部24は、必ず、第1モードを実行する。
【0157】
第1モードでは、
図1および
図2に示すように、制御部24は、シートSが定着装置9に到達した後に、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。これにより、シュート15は、シートSが定着装置9に到達した後に、第1位置から第2位置へ移動する。言い換えると、シュート15は、シートSの先端がシュート15に到達した後に、第1位置から第2位置へ移動する。シートSの先端がシュート15に到達した後にシュート15を第1位置から第2位置へ移動させることにより、シートSをシュート15に引き付けた状態で、シュート15を第2位置に位置させることができる。好ましくは、制御部24は、シートSが定着ニップN2に進入した後に、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。
【0158】
詳しくは、シートSが搬送ローラ22によって転写ニップN1に向けて搬送されると、シートSの先端は、センサ23Bと接触する。すると、センサ23Bは、オフ状態からオン状態になる。
【0159】
転写ニップN1を通過したシートSは、
図1に示すように、第1位置に位置するシュート15によって支持されながら、定着装置9に向かって搬送される。
【0160】
ここで、
図10に示すように、制御部24は、センサ23Bがオフ状態からオン状態になり(S11:YES)、所定時間t2が経過した場合(S12:YES)、駆動源20を作動させる(S13)。つまり、第1モードにおいて、制御部24は、1枚のシートSを搬送するときに、駆動源20を作動させる。所定時間t2は、センサ23Bと接触したシートSの先端が定着装置9に到達するまでに要する時間である。
【0161】
すると、
図3および
図7に示すように、移動機構21は、シートSが定着装置9に到達した後に、駆動源20からの動力により、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる。
【0162】
シートSが定着装置9に到達した後にシュート15を第2位置に位置させることにより、
図2に示すように、転写ニップN1と定着ニップN2との間におけるシートSの撓みを許容できる。
【0163】
そして、制御部24は、シートSが転写ニップN1を通過した後に、シュート15を第2位置から第1位置(
図1参照)へ移動させる。これにより、シュート15は、シートSが転写ニップN1を通過した後に、第2位置から第1位置へ移動する。
【0164】
詳しくは、シートSの後端がセンサ23Bから離れると、センサ23Bは、オン状態からオフ状態になる。
【0165】
図10に示すように、制御部24は、センサ23Bがオン状態からオフ状態になり(S14:YES)、所定時間t3が経過した場合(S15:YES)、駆動源20を停止させる(S16)。所定時間t3は、センサ23Bから離れたシートSの後端が転写ニップN1を通過するまでに要する時間である。
【0166】
すると、
図7および
図3に示すように、移動機構21は、引きバネ213の力により、シュート15に対する押圧を解除する。すると、シュート15は、トーションバネ17A,17Bの力により、第2位置から第1位置へ移動する。
【0167】
次に、
図9に示すように、制御部24は、印刷ジョブが残存している場合(S6:YES)、次の1ページを印刷する。詳しくは、制御部24は、印刷ジョブが残存している場合(S6:YES)、上記したように、連続印刷ページ数Nに1ページ加算してメモリに記憶し(S3)、連続印刷ページ数Nが閾値V0を超えているか否か判断する(S4)。
【0168】
そして、連続印刷ページ数Nが閾値V0を超えた場合(S4:YES)、制御部24は、パラメータP1が閾値V1以下であるか否か、判断する(S7)。
【0169】
本実施形態では、パラメータP1は、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれて小さくなる。パラメータP1は、例えば、「1枚のシートSが排出口2A(
図2参照)から排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」である。上記したように、ゴム層922(
図1参照)が膨張すると、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が上がる。すると、「1枚のシートSが排出口2Aから排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」は、短くなる。つまり、「1枚のシートSが排出口2Aから排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」をパラメータP1に採用した場合、パラメータP1は、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれて小さくなる。
【0170】
閾値V1は、パラメータP1についての閾値である。パラメータP1が閾値V1より大きいと、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度は、転写ニップN1におけるシートSの搬送速度未満になる。詳しくは、パラメータP1が閾値V1より大きい場合、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度と転写ニップN1におけるシートSの搬送速度との差が大きく、転写ニップN1と定着ニップN2との間のシートSの撓みは、シュート15が第1位置に位置した状態では許容できない程度になる。
【0171】
そのため、制御部24は、パラメータP1が閾値V1より大きい場合(S7:NO)、上記した第1モードを実行する(S5)。
【0172】
一方、パラメータP1が閾値V1以下になると、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度と転写ニップN1におけるシートSの搬送速度との差が小さくなり、転写ニップN1と定着ニップN2との間のシートSの撓みは、シュート15が第1位置に位置した状態でも許容できる程度になる。なお、パラメータP1が閾値V1以下であっても、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度は、転写ニップN1におけるシートSの搬送速度未満である。
【0173】
そこで、制御部24は、パラメータP1が閾値V1以下である場合(S7:YES)、第2モードを実行する(S8)。
【0174】
第2モードでは、
図1に示すように、制御部24は、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させない。詳しくは、第2モードにおいて、制御部24は、1枚のシートSを搬送するときに、駆動源20(
図3参照)を作動させない。そのため、
図3に示すように、移動機構21は、引きバネ213の力により、シュート15に対する押圧を解除した状態に維持される。これにより、シュート15は、トーションバネ17A,17Bの押圧力により、第1位置に維持される。
【0175】
駆動源20を作動させることなく、トーションバネ17A,17Bによってシュート15が第1位置に維持できることにより、連続印刷ページ数Nが増加して、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなった場合に、消費電力を抑制できる。
【0176】
次に、制御部24は、印刷ジョブが残存している場合(S9:YES)、連続印刷ページ数Nに1ページ加算してメモリに記憶し(S10)、第2モードを継続する(S8)。
【0177】
複数のシートSに連続して印刷される場合、ゴム層922は、加熱ユニット91によって、加熱され続ける。そのため、ゴム層922が膨張して定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が上がった場合、連続して印刷されている間、ゴム層922の膨張が収まらず、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度は、低下しない。
【0178】
そのため、制御部24は、第2モードを実行した場合(S7:YES)、第2モードを継続する。
【0179】
そして、制御部24は、印刷ジョブが無くなると(S9:NO)、印刷を終了する。つまり、制御部24は、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで、第2モードを継続する。
【0180】
5.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、
図9に示すように、パラメータP1が閾値V1より大きく(S7:NO)、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が遅い場合、制御部24は、第1モードを実行する(S5)。
【0181】
図2に示すように、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が遅い場合、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度と転写ニップN1におけるシートSの搬送速度との差によって、転写ニップN1と定着ニップN2との間のシートSが撓む。
【0182】
そこで、第1モードでは、制御部24は、駆動源20(
図3参照)を作動させる。すると、
図3および
図7に示すように、移動機構21は、駆動源20からの動力によって、トーションバネ17A,17B(
図5参照)の押圧力に抗して、シュート15を第1位置(
図3および
図1参照)から第2位置(
図7および
図2参照)へ移動させる。
【0183】
これにより、
図2に示すように、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が遅い場合、シュート15を第2位置に位置させて、シートSの撓みを許容できる。
【0184】
その結果、転写ニップN1と定着ニップN2との間でシートSを安定に搬送できる。
【0185】
一方、
図9に示すように、パラメータP1が閾値N1以下になり(S7:YES)、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなった場合、制御部24は、第2モードを実行する(S8)。
【0186】
図1に示すように、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなると、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度と転写ニップN1におけるシートSの搬送速度との差が小さくなり、シートSの撓みが小さくなる。そのため、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなると、シュート15を第1位置から第2位置へ移動させる必要が無くなる。
【0187】
そこで、第2モードでは、制御部24は、駆動源20を作動させない。つまり、シュート15は、トーションバネ17A,17Bの押圧力により、第1位置に維持される。
【0188】
これにより、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなった場合、駆動源20を作動させるための電力を消費せずに、シュート15を第1位置に位置させて、転写ニップN1と定着ニップN2との間でシートSを安定に搬送できる。
【0189】
その結果、消費電力の増大を抑制しつつ、転写ニップN1と定着ニップN2との間でシートSを安定に搬送できる。
【0190】
(2)画像形成装置1によれば、
図9に示すように、制御部24は、第2モードを実行した場合(S7:YES)、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで、第2モードを継続する。
【0191】
詳しくは、制御部24は、印刷ジョブが残存している場合(S9:YES)、連続印刷ページ数Nに1ページ加算してメモリに記憶し(S10)、第2モードを継続する(S8)。
【0192】
そして、制御部24は、印刷ジョブが無くなると(S9:NO)、印刷を終了する。
【0193】
そのため、第2モードを実行した後、少なくとも、印刷中の印刷ジョブが終了するまで、駆動源20を作動させるための電力を消費しない。
【0194】
その結果、消費電力の増大を、より抑制できる。
【0195】
(3)画像形成装置1によれば、パラメータP1は、「1枚のシートSが排出口2Aから排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」である。
【0196】
「1枚のシートSが排出口2Aから排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」は、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれて、短くなる。
【0197】
そのため、「1枚のシートSが排出口2Aから排出されるときに排出センサ23CがシートSの先端を検知してからシートSの後端を検知するまでの時間」をパラメータP1とすれば、排出センサ23Cを利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0198】
(4)画像形成装置1によれば、
図1に示すように、シュート15は、転写ニップN1と定着ニップN2とを通る仮想面Iに対して第2方向の一方側に位置する。
図3に示すように、移動機構21は、第2方向において、シュート15の他方側に位置する。
【0199】
そのため、感光ドラム4と定着装置9との間の空間を利用して、移動機構21を効率よく配置できる。
【0200】
これにより、シュート15が仮想面Iに対して第2方向の一方側に位置し、さらに、そのシュート15に対して第2方向の一方側に移動機構が位置する場合と比較して、第2方向における画像形成装置1の大型化を抑制できる。
【0201】
その結果、第2方向における画像形成装置1の大型化を抑制しつつ、転写ニップN1と定着ニップN2との間でシートSを安定に搬送できる。
【0202】
(5)画像形成装置1によれば、
図1に示すように、シュート15は、ダクト14の接触部142と接触することにより、第1位置に位置決めされる。
【0203】
そのため、感光ドラム4と定着装置9との間のダクト14を利用して、シュート15を第1位置に位置決めできる。
【0204】
そのため、簡単な構成で、定着装置9に対するシュート15の位置精度を確保できる。
【0205】
(6)画像形成装置1によれば、
図1に示すように、シュート15が第1位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、第2方向において、転写ニップN1と定着ニップN2との間に位置する。
【0206】
これにより、シュート15が第1位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、シートSの先端を、第2方向において定着ニップN2の近くで支持できる。
【0207】
そのため、シートSの先端を、定着ニップN2に円滑に進入させることができる。
【0208】
(7)画像形成装置1によれば、
図2に示すように、シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、第2方向において、転写ニップN1よりも一方側に位置する。
【0209】
そのため、シュート15が第2位置に位置した状態で、定着ニップN2に進入したシートSが転写ニップN1よりも第2方向の一方側に撓むことを、許容できる。
【0210】
(8)画像形成装置1によれば、
図3に示すように、移動機構21は、第1部材211と、第2部材212と、第3部材214とを有する。第1部材211は、駆動源20と接続される。第1部材211は、第1方向に移動可能である。第2部材212は、第1部材211と接続される。第2部材212は、軸A11について回転可能である。第3部材214は、第2部材212と接続される。第3部材214は、第2方向に移動可能である。
【0211】
そのため、
図7に示すように、駆動源20からの動力によって第1部材211を第1方向に移動させることにより、第2部材212を回転させて、第3部材214を第2方向に移動させることができる。
【0212】
そのため、第2部材212の回転半径に応じて、第3部材214の移動距離を、第1部材211の移動距離よりも長くすることができる。
【0213】
その結果、第1部材211を移動させるためのスペースを小さくでき、画像形成装置1の大型化を抑制できる。
【0214】
(9)画像形成装置1によれば、
図3に示すように、移動機構21の一部は、ダクト14内に位置する。
【0215】
そのため、ダクト14内の空間を利用して、移動機構21を配置できる。
【0216】
その結果、画像形成装置1の大型化を、より抑制できる。
【0217】
(10)画像形成装置1によれば、
図3に示すように、移動機構21は、第1方向において、ファン13を支持する第1フレーム11から離れて位置する。
【0218】
そのため、移動機構21の一部がダクト14内に位置していても、移動機構21と第1フレーム11との間の空間を通して、感光ドラム4と定着装置9との間の空気をダクト14内に取り込み、ファン13によって排気できる。
【0219】
(11)画像形成装置1によれば、
図1および
図2に示すように、第1モードにおいて、シュート15は、シートSが定着装置9に到達した後に、第1位置(
図1参照)から第2位置(
図2参照)へ移動し、シートSが転写ニップN1を通過した後に、第2位置(
図2参照)から第1位置(
図1参照)へ移動する。
【0220】
そのため、
図1に示すように、シートSが定着装置9に到達するまでの間、第1位置に位置するシュート15によってシートSを支持し、
図2に示すように、シートSが定着装置9に到達した後、シートSが転写ニップN1を通過するまでの間、シュート15を第2位置に位置させて、シートSの撓みを許容できる。
【0221】
6.変形例
次に、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0222】
(1)パラメータP2は、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれて大きくなってもよい。
【0223】
定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれてパラメータP2が大きくなる場合、
図11に示すように、制御部24は、パラメータP2が閾値V2未満であり(S21:NO)、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が遅い場合、第1モードを実行する(S5)。
【0224】
また、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなるにつれてパラメータP2が大きくなる場合、制御部24は、パラメータP2が閾値V2以上になり(S21:YES)、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度が速くなった場合、第2モードを実行する(S8)。
【0225】
パラメータP2は、例えば、連続印刷ページ数Nである。
【0226】
加圧ローラ92のゴム層922は、連続印刷ページ数Nが増加するにつれて、加熱ユニット91からの熱により膨張する。
【0227】
そのため、加圧ローラ92の周速度は、連続印刷ページ数Nが増加するにつれて、速くなる。これにより、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度は、連続印刷ページ数Nが増加するにつれて、速くなる。
【0228】
そのため、連続印刷ページ数NをパラメータP2として利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0229】
(2)
図1に示すように、画像形成装置1は、温度センサ100を備えてもよい。温度センサ100は、加圧ローラ92の温度を測定する。温度センサ100は、例えば、赤外線センサなどの非接触温度センサである。この場合、パラメータP2は、温度センサ100の測定値であってもよい。
【0230】
上記したように、加熱ユニット91からの熱によって加圧ローラ92のゴム層922の温度が上昇するにつれて、加圧ローラ92のゴム層922は、膨張する。
【0231】
そのため、加圧ローラ92の温度が上昇するにつれて、加圧ローラ92の周速度は、速くなる。これにより、定着ニップN2におけるシートSの搬送速度は、加圧ローラ92の温度が上昇するにつれて、速くなる。
【0232】
そのため、温度センサ100で測定した加圧ローラ92の温度をパラメータP2として利用して、第1モードから第2モードに切り替えることができる。
【0233】
(3)
図12に示すように、この変形例では、支持フレーム18は、第1ガイド101を有する。定着装置9は、定着ガイド93(
図1参照)の代わりに、第2ガイド102を有する。つまり、画像形成装置1は、第1ガイド101と、第2ガイド102とを備える。
【0234】
シュート15が第2位置に位置した状態で、第1ガイド101は、シートSを定着ニップN2に案内する。シュート15が第2位置に位置した状態で、第1ガイド101は、第3方向において、シュート15と定着ニップN2との間に位置する。第1ガイド101は、第3方向に延びる。第1ガイド101は、仮想面Iに対して傾斜する。第1ガイド101は、第3方向において、第3端部E3と第4端部E4とを有する。第4端部E4は、第3方向において、第3端部E3と定着ニップN2との間に位置する。第1ガイド101は、第3方向において、第3端部E3から第4端部E4に向かうにつれて、仮想面Iに近づく。シュート15が第2位置に位置した状態で、シュート15の第2端部E2は、第2方向において、第1ガイド101の第3端部E3と第1ガイド101の第4端部E4との間に位置する。これにより、シートSの先端がシュート15から第1ガイド101に受け渡されるときに、シートSの先端がシュート15と第1ガイド101との間に詰まってしまうことを、抑制できる。
【0235】
シュート15が第2位置に位置した状態で、第2ガイド102は、第1ガイド101とともに、シートSを定着ニップN2に案内する。第2ガイド102は、第3方向において、第1ガイド101と定着ニップN2との間に位置する。第2ガイド102は、第3方向に延びる。第2ガイド102は、仮想面Iに対して傾斜する。第2ガイド102は、第3方向において、第5端部E5と第6端部E6とを有する。第6端部E6は、第5端部E5と定着ニップN2との間に位置する。第2ガイド102は、第3方向において、第5端部E5から第6端部E6に向かうにつれて、仮想面Iに近づく。第1ガイド101の第4端部E4は、第2方向において、第2ガイド102の第5端部E5と第2ガイド102の第6端部E6との間に位置する。これにより、シートSの先端が第1ガイド101から第2ガイド102に受け渡されるときに、シートSの先端が第1ガイド101と第2ガイド102との間に詰まってしまうことを、抑制できる。
【0236】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0237】
(4)現像装置7は、現像カートリッジであってもよい。画像形成装置1は、感光ドラム4、帯電装置5および転写ローラ8を備えるドラムカートリッジを備えてもよい。ドラムカートリッジは、本体筐体2に対して着脱可能である。現像カートリッジは、ドラムカートリッジまたは本体筐体2に対して着脱可能である。
【0238】
この場合、定着装置9は、シャッタを備えてもよい。シャッタは、定着装置9の開口9A(
図1参照)を開閉する。定着ニップN2に入るシートSは、開口9Aを通る。ドラムカートリッジが本体筐体2に装着された状態で、シャッタは、開口9Aを開く。ドラムカートリッジが本体筐体2から取り外された状態で、シャッタは、開口9Aを閉じる。これにより、ドラムカートリッジが本体筐体2から取り外された状態で、ユーザが定着ニップN2に触れてしまうことを抑制できる。
【0239】
(5)制御部24が第2モードを実行している間、シュート15は、第1位置に固定されていなくてもよい。制御部24が第2モードを実行している間、シュート15は、シートSとの接触に応じて、第1位置から第2位置に向かって移動してもよい。
【0240】
詳しくは、制御部24が第2モードを実行している間において、転写ニップN1と定着ニップN2との間で、第1位置に位置するシュート15では許容できない程度に、シートSが撓む場合がある。なお、この場合でも、制御部24が第2モードを実行している間のシートSの撓みは、制御部24が第1モードを実行している間のシートSの撓みよりも小さい。このとき、トーションバネ17A,17Bの押圧力を、転写ニップN1と定着ニップN2との間で撓んだシートSがシュート15を押圧する力よりも小さく設定しておけば、撓んだシートSに押圧されて、シュート15は、第1位置から第2位置に向かって移動できる。これにより、制御部24が第2モードを実行している間において、駆動源20を作動させることなく、転写ニップN1と定着ニップN2との間におけるシートSの撓みを許容できる。
【0241】
なお、制御部24が第2モードを実行している間、シュート15は、第1位置に固定されていてもよい。
【0242】
シュート15を第1位置に固定しておくには、例えば、トーションバネ17A,17Bの押圧力を、転写ニップN1と定着ニップN2との間で撓んだシートSがシュート15を押圧する力よりも十分に大きくする。
【0243】
制御部24が第2モードを実行している間のシートSの撓みが、第1位置に位置するシュート15で許容できる程度であれば、トーションバネ17A,17Bの押圧力でシュート15を第1位置に固定しておくことにより、転写ニップN1と定着ニップN2との間でシートSを安定に搬送できる。
【符号の説明】
【0244】
1 画像形成装置
4 感光ドラム
7 現像装置
8 転写ローラ
9 定着装置
11 第1フレーム
12 第2フレーム
13 ファン
14 ダクト
15 シュート
17A トーションバネ(押圧部材の一例)
17B トーションバネ(押圧部材の一例)
18 支持フレーム
20 駆動源
21 移動機構
24 制御部
91 加熱ユニット
92 加圧ローラ
101 第1ガイド
102 第2ガイド
211 第1部材
212 第2部材
213 引きバネ
214 第3部材
A1 軸
A11 軸
E1 第1端部
E2 第2端部
E3 第3端部
E4 第4端部
E5 第5端部
E6 第6端部
I 仮想面
N1 転写ニップ
N2 定着ニップ
P1 パラメータ
P2 パラメータ
R1 第1回転方向
R2 第2回転方向
V1 閾値
V2 閾値
S シート