(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052259
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 11/00 20060101AFI20240404BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240404BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20240404BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20240404BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65H11/00 J
G03G21/16 195
G03G21/16 120
B41J29/13
B65H11/00 A
B65H1/14 310B
B65H3/06 340E
B65H3/06 350C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158851
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】柳原 颯太
(72)【発明者】
【氏名】中野 宏
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061BB08
2C061CD07
2C061CD14
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA04
2H171FA22
2H171GA32
2H171HA07
2H171HA08
2H171HA15
2H171HA17
2H171HA23
2H171JA06
2H171KA02
2H171KA12
2H171LA03
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA23
2H171SA26
2H171SA32
3F063AA01
3F063AB07
3F063AD02
3F063BA02
3F063BA08
3F063BA09
3F063BA10
3F063BC02
3F063BC04
3F063CA02
3F343FA02
3F343FB01
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA01
3F343HA07
3F343HA12
3F343HA31
3F343HD09
3F343HD17
3F343JA14
3F343KB03
3F343KB04
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA15
3F343LC11
3F343LC12
3F343LC16
3F343LC20
3F343LC22
3F343LC25
3F343LD10
3F343LD24
3F343LD30
(57)【要約】
【課題】手差しトレイ用の圧板の撓みを抑えることを目的とする。
【解決手段】画像形成装置1は、開口を有する本体筐体と、開口を通って移動可能なドロワと、本体筐体の側面に位置する手差しトレイ101と、手差しトレイ101上のシートを搬送する供給ローラ(第2ピックアップローラ111)と、圧板102と、押上部材150を備える。ドロワは、複数の現像カートリッジが着脱可能である。供給ローラは、開口の下に位置する。圧板102は、手差しトレイ101上のシートを供給ローラに接触させる接触位置と、手差しトレイ101上のシートを供給ローラから離間させる離間位置との間で移動する。押上部材150は、圧板102を離間位置から接触位置に押し上げる部材である。押上部材150は、圧板102と接触する接触部151Aを有する。シートの幅方向において、押上部材150の接触部151Aの少なくとも一部は、供給ローラの範囲内に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する本体筐体と、
前記開口を通って移動可能なドロワであって、複数の現像カートリッジが着脱可能なドロワと、
前記本体筐体の側面に位置する手差しトレイと、
前記手差しトレイ上のシートを搬送する供給ローラであって、前記開口の下に位置する供給ローラと、
前記手差しトレイ上のシートを前記供給ローラに接触させる接触位置と、前記手差しトレイ上のシートを前記供給ローラから離間させる離間位置と、の間で移動する圧板と、
前記圧板を前記離間位置から前記接触位置に押し上げる押上部材であって、前記圧板と接触する接触部を有する押上部材と、を備え、
前記シートの幅方向において、前記押上部材の前記接触部の少なくとも一部が前記供給ローラの範囲内に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記供給ローラは、前記手差しトレイ上のシートに対して前記幅方向の中央に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記供給ローラを前記圧板に向けて付勢するバネをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
複数枚のシートの印刷を実行する場合、前記圧板を前記離間位置から前記接触位置に移動させた後、前記圧板を前記接触位置から動かさずに、前記供給ローラを断続的に駆動させることで複数枚のシートを搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
第1モータと、
前記第1モータから前記供給ローラへの駆動力の伝達を許容または遮断する第1電磁クラッチと、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1電磁クラッチを制御することで、前記供給ローラを断続的に駆動させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
太陽歯車、遊星歯車、遊星キャリアおよび内歯車を備えた遊星歯車機構と、
前記太陽歯車、前記遊星キャリアおよび前記内歯車の3つの構成要素の1つである第1構成要素に連結される入力ギヤと、
3つの前記構成要素の1つである第2構成要素に連結されるトルクリミッタと、をさらに備え、
前記押上部材は、回動可能であり、3つの前記構成要素の1つである第3構成要素に連結され、
前記遊星歯車機構は、
前記圧板を前記離間位置から前記接触位置に移動させる過程においては、前記トルクリミッタによって前記第2構成要素の回転が止められることで、前記入力ギヤから入力される駆動力によって前記押上部材を回動させ、
前記圧板が前記接触位置に到達した後においては、前記押上部材の回動が止められて前記第3構成要素の回転が止められることで、前記入力ギヤから入力される駆動力によって前記トルクリミッタを回転させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
第2モータと、
前記第2モータから前記第1構成要素への駆動力の伝達を許容または遮断する第2電磁クラッチと、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
第2モータと、
前記第2モータから前記第1構成要素へ駆動力を伝達させる伝達位置と、前記第2モータから前記第1構成要素への駆動力を遮断する遮断位置との間で移動可能な振子ギヤと、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
駆動力が入力される入力ギヤと、
前記入力ギヤと噛み合うことが可能な第1歯部および第2歯部と、前記入力ギヤと噛み合わない第1欠歯部および第2欠歯部とが、外周面において第1欠歯部、第1歯部、第2欠歯部、第2歯部の順で並んだセクタギヤと、
前記押上部材を動作させるカムであって、前記セクタギヤとともに回動するカムと、
前記セクタギヤの回動方向に前記セクタギヤを付勢するバネと、
前記セクタギヤに引っ掛かることで前記バネの付勢力による前記セクタギヤの回動を止める回動規制位置と、前記セクタギヤから外れることで前記バネの付勢力による前記セクタギヤの回動を許容する回動許容位置とに回動可能なセクタレバーと、をさらに備え、
前記セクタレバーが前記回動規制位置に位置し、かつ、前記第1欠歯部が前記入力ギヤと向かい合っている状態において、前記セクタレバーが前記回動許容位置に移動すると、前記バネの付勢力により前記セクタギヤが回動して、前記第1歯部が前記入力ギヤと噛み合い、前記入力ギヤに入力された駆動力が前記セクタギヤを介して前記カムを回動させ、前記押上部材が前記圧板を前記接触位置から前記離間位置に移動させ、
前記セクタレバーが前記回動規制位置に位置し、かつ、前記第2欠歯部が前記入力ギヤと向かい合っている状態において、前記セクタレバーが前記回動許容位置に移動すると、前記バネの付勢力により前記セクタギヤが回動して、前記第2歯部が前記入力ギヤと噛み合い、前記入力ギヤに入力された駆動力が前記セクタギヤを介して前記カムを回動させ、前記押上部材が前記圧板を前記離間位置から前記接触位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手差しトレイを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、手差しトレイの上のシートを搬送するためのピックアップローラと、手差しトレイ上のシートをピックアップローラに圧接または離間させるための圧板と、圧板を上下動させる2つのリンク部材とを備えるものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、2つのリンク部材は、シートの幅方向において、圧板の一端と他端に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的にピックアップローラはシートの幅方向の中央に配置されるため、シートの幅方向一端と他端に配置されるリンク部材で圧板を上昇させると、ピックアップローラを起点にして圧板が撓んでしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、手差しトレイ用の圧板の撓みを抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、本体筐体と、ドロワと、手差しトレイと、供給ローラと、圧板と、押上部材と、を備える。
本体筐体は、開口を有する。
ドロワは、開口を通って移動可能である。ドロワは、複数の現像カートリッジが着脱可能である。
手差しトレイは、本体筐体の側面に位置する。
供給ローラは、手差しトレイ上のシートを搬送する。供給ローラは、開口の下に位置する。
圧板は、手差しトレイ上のシートを供給ローラに接触させる接触位置と、手差しトレイ上のシートを供給ローラから離間させる離間位置と、の間で移動する。
押上部材は、圧板を離間位置から接触位置に押し上げる部材である。押上部材は、圧板と接触する接触部を有する。
シートの幅方向において、押上部材の接触部の少なくとも一部は、供給ローラの範囲内に位置する。
【0007】
この構成によれば、シートの幅方向において、押上部材の接触部の少なくとも一部が、供給ローラの範囲内に位置するので、押上部材で圧板を接触位置に押し上げた際に、供給ローラを起点にして圧板が撓むのを抑制することができる。
【0008】
また、供給ローラは、手差しトレイ上のシートに対して幅方向の中央に位置していてもよい。
【0009】
また、画像形成装置は、供給ローラを圧板に向けて付勢するバネをさらに備えていてもよい。
【0010】
また、画像形成装置は、制御部をさらに備えていてもよい。
制御部は、複数枚のシートの印刷を実行する場合、圧板を離間位置から接触位置に移動させた後、圧板を接触位置から動かさずに、供給ローラを断続的に駆動させることで複数枚のシートを搬送してもよい。
【0011】
この構成によれば、複数枚のシートを印刷する場合において、圧板を接触位置から動かさずに、供給ローラを断続的に駆動させるので、複数枚のシートを印刷する場合において、圧板の動きによる音の発生を抑えることができる。
【0012】
また、画像形成装置は、第1モータと、第1モータから供給ローラへの駆動力の伝達を許容または遮断する第1電磁クラッチと、をさらに備えていてもよい。
制御部は、第1電磁クラッチを制御することで、供給ローラを断続的に駆動させてもよい。
【0013】
また、画像形成装置は、遊星歯車機構と、入力ギヤと、トルクリミッタと、をさらに備えていてもよい。
遊星歯車機構は、太陽歯車、遊星歯車、遊星キャリアおよび内歯車を備える。
入力ギヤは、太陽歯車、遊星キャリアおよび内歯車の3つの構成要素の1つである第1構成要素に連結される。
トルクリミッタは、3つの構成要素の1つである第2構成要素に連結される。
押上部材は、回動可能であり、3つの構成要素の1つである第3構成要素に連結される。
遊星歯車機構は、圧板を離間位置から接触位置に移動させる過程においては、トルクリミッタによって第2構成要素の回転が止められることで、入力ギヤから入力される駆動力によって押上部材を回動させ、圧板が接触位置に到達した後においては、押上部材の回動が止められて第3構成要素の回転が止められることで、入力ギヤから入力される駆動力によってトルクリミッタを回転させる。
【0014】
また、画像形成装置は、第2モータと、第2モータから第1構成要素への駆動力の伝達を許容または遮断する第2電磁クラッチと、をさらに備えていてもよい。
【0015】
また、画像形成装置は、第2モータと、振子ギヤと、をさらに備えていてもよい。
振子ギヤは、第2モータから第1構成要素へ駆動力を伝達させる伝達位置と、第2モータから第1構成要素への駆動力を遮断する遮断位置との間で移動可能である。
【0016】
また、画像形成装置は、入力ギヤと、セクタギヤと、カムと、バネと、セクタレバーと、をさらに備えていてもよい。
入力ギヤは、駆動力が入力されるギヤである。
セクタギヤは、入力ギヤと噛み合うことが可能な第1歯部および第2歯部と、入力ギヤと噛み合わない第1欠歯部および第2欠歯部とが、外周面において第1欠歯部、第1歯部、第2欠歯部、第2歯部の順で並んでいる。
カムは、押上部材を動作させるカムである。カムは、セクタギヤとともに回動する。
バネは、セクタギヤの回動方向にセクタギヤを付勢する。
セクタレバーは、セクタギヤに引っ掛かることでバネの付勢力によるセクタギヤの回動を止める回動規制位置と、セクタギヤから外れることでバネの付勢力によるセクタギヤの回動を許容する回動許容位置とに回動可能である。
セクタレバーが回動規制位置に位置し、かつ、第1欠歯部が入力ギヤと向かい合っている状態において、セクタレバーが回動許容位置に移動すると、バネの付勢力によりセクタギヤが回動して、第1歯部が入力ギヤと噛み合い、入力ギヤに入力された駆動力がセクタギヤを介してカムを回動させ、押上部材が圧板を接触位置から離間位置に移動させる。
セクタレバーが回動規制位置に位置し、かつ、第2欠歯部が入力ギヤと向かい合っている状態において、セクタレバーが回動許容位置に移動すると、バネの付勢力によりセクタギヤが回動して、第2歯部が入力ギヤと噛み合い、入力ギヤに入力された駆動力がセクタギヤを介してカムを回動させ、押上部材が圧板を離間位置から接触位置に移動させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、手差しトレイ用の圧板の撓みを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【
図2】カバーが開いた状態の画像形成装置を示す図である。
【
図3】手差しトレイが開いた状態の画像形成装置を示す図である。
【
図4】シート搬送装置を示す図(a)と、遊星歯車機構を示す断面図(b)と、遊星歯車機構の周りの構造を示す斜視図(c)である。
【
図5】押上部材の接触部と第2ピックアップローラとの位置関係を示す図である。
【
図6】第2実施形態に係る圧板駆動機構を示す図である。
【
図7】第3実施形態に係る圧板駆動機構を示す図であり、カムが第1カム位置に位置する状態を示す図である。
【
図8】カムが第1カム位置から第2カム位置に向けて回動した状態を示す図である。
【
図9】カムが第2カム位置に位置する状態を示す図である。
【
図10】カムが第2カム位置から第1カム位置に向けて回動した状態を示す図である。
【
図11】第4実施形態に係るシート搬送装置を示す斜視図であり、押上部材が退避位置に位置する状態を示す図である。
【
図12】押上部材が押上位置に位置する状態を示す図である。
【
図14】シート搬送装置を伝達切替レバー側から見た側面図である。
【
図15】シート搬送装置を、ソレノイドアクチュエータと伝達切替レバーとの連結部分を通る面で切った断面図である。
【
図16】シート搬送装置を、遊星歯車を通る面で切った断面図である。
【
図17】シート搬送装置を、セクタギヤの第1欠歯部を通る面で切った断面図である。
【
図18】シート搬送装置を、第1ワンウェイクラッチを通る面で切った断面図である。
【
図19】シート搬送装置を、第1ギヤを通る面で切った断面図である。
【
図20】シート搬送装置を、押上部材を通る面で切った断面図である。
【
図21】セクタレバーが回動規制位置から回動許容位置に回動した状態を示す図である。
【
図22】セクタギヤの第1歯部が第2ギヤと噛み合った状態を示す図である。
【
図23】圧板上昇時におけるカム等の動きを示す図である。
【
図24】セクタギヤの保持部の凹部にセクタレバーの先端が入った状態を示す図である。
【
図25】圧板下降時における、セクタギヤ等の動きを示す図(a)と、カム等の動きを示す図(b)である。
【
図26】第5実施形態に係るシート搬送装置を示す図(a)と、遊星歯車機構を示す断面図(b)である。
【
図27】シート搬送装置を、セクタギヤ側から見た図(a)と、カム側から見た図(b)である。
【
図28】
図27(a),(b)の状態からセクタレバーが第1突起から外れてセクタギヤが回動した状態を示す図(a),(b)である。
【
図29】
図28(a),(b)の状態からセクタギヤが回動して上流ギヤが下流ギヤに対して回動した状態を示す図(a),(b)である。
【
図30】
図29(a),(b)の状態からセクタギヤが回動して下流ギヤが上流ギヤとともに回動した状態を示す図(a),(b)である。
【
図31】
図27(a)の状態からセクタギヤが180°回動した位置でセクタレバーの第2突起がセクタレバーで止められた状態を示す図(a)と、伝達切替レバーが伝達位置に切り替わった状態を示す図(b)である。
【
図32】
図31(a),(b)の状態からセクタレバーが第2突起から外れてセクタギヤが回動した状態を示す図(a),(b)である。
【
図33】
図32(a)の状態からセクタギヤが回動した状態を示す図(a)と、伝達切替レバーが非伝達位置に切り替わった状態を示す図(b)である。
【
図34】連動ギヤと移動ギヤの連結が切れて上流ギヤが初期位置に戻る状態を示す図(a)と、伝達切替レバーの状態を示す図(b)である。
【
図35】第6実施形態に係るシート搬送装置を、セクタギヤ側から見た図(a)と、カム側から見た図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、カラープリンタである。画像形成装置1は、本体筐体10と、カバー11と、供給部20と、画像形成部30と、排出部90とを備えている。
【0020】
本体筐体10は、開口10Aを有する。カバー11は、開口10Aを開閉する。
【0021】
供給部20は、本体筐体10内の下部に位置する。供給部20は、シートSを収容するシートトレイ21と、シートトレイ21からシートSを画像形成部30に供給する第1供給機構22とを備えている。シートトレイ21は、本体筐体10から引き出して取り外し可能に構成されている。第1供給機構22は、第1ピックアップローラ23と、第1分離ローラ24と、第1分離パッド25と、レジストレーションローラ26とを備えている。シートSは、画像形成装置1が画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0022】
供給部20では、シートトレイ21内のシートSが第1ピックアップローラ23により送り出された後、第1分離ローラ24と第1分離パッド25との間でシートSが1枚ずつに分離される。その後、シートSは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ26によって先端位置が規制された後、レジストレーションローラ26が回転することで画像形成部30に供給される。
【0023】
画像形成部30は、シートSに画像を形成する機能を有する。画像形成部30は、スキャナユニット40と、ドロワ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0024】
スキャナユニット40は、本体筐体10内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。スキャナユニット40は、レーザビームによって、ドロワ50の各感光ドラム51の表面を露光する。
【0025】
ドロワ50は、開口10Aを通って、
図1に示す収容位置と、
図2に示す引出位置との間で移動可能となっている。ドロワ50は、4つの感光ドラム51と、4つの現像カートリッジ52とを備えている。
【0026】
各感光ドラム51は、ドロワ50に取り付けられている。なお、図示は省略するが、ドロワ50には、感光ドラム51の他、帯電器などが取り付けられている。
【0027】
各現像カートリッジ52は、ドロワ50に着脱可能となっている。現像カートリッジ52は、感光ドラム51にトナーを供給する現像ローラ53を有する。現像カートリッジ52は、内部にトナーを収容する。
【0028】
転写ユニット70は、供給部20とドロワ50との間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。
【0029】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を回転させるためのローラである。搬送ベルト73は、外側面が感光ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が4つ配置されている。
【0030】
定着ユニット80は、加熱ローラ81と加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0031】
画像形成部30では、まず、感光ドラム51の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ53は、感光ドラム51の静電潜像にトナーを供給する。これにより、感光ドラム51上にトナー像が形成される。
【0032】
次に、搬送ベルト73上に供給されたシートSが感光ドラム51と転写ローラ74との間を通過することで、感光ドラム51上のトナー像がシートSに転写される。そして、シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、シートSにトナー像が熱定着される。
【0033】
排出部90は、画像が形成されたシートSを排出する。排出部90は、シートSを搬送する複数の搬送ローラ91を備えている。トナー像が熱定着されたシートSは、搬送ローラ91によって搬送され、本体筐体10の外部に排出される。
【0034】
図4(a)に示すように、画像形成装置1は、シート搬送装置100と、制御部CTとをさらに備えている。シート搬送装置100は、手差しトレイ101と、圧板102と、第2供給機構110と、ローラ駆動機構120と、圧板駆動機構130とを備えている。
【0035】
図3に示すように、手差しトレイ101は、シートSがセットされるトレイである。手差しトレイ101は、本体筐体10の側面に位置する。手差しトレイ101は、カバー11に回動可能に取り付けられている。手差しトレイ101は、
図1に示す閉位置と、
図3に示す開位置との間で回動可能となっている。
【0036】
図3に示すように、カバー11は、シートSが通過可能な開口11Aを有する。手差しトレイ101は、閉位置に位置するとき、開口11Aを閉じる。手差しトレイ101は、開位置に位置するとき、開口11Aを開ける。
【0037】
圧板102は、図に実線で示す接触位置と、二点鎖線で示す離間位置と、の間で移動可能となっている。具体的には、圧板102は、手差しトレイ101に対して回動可能となっており、接触位置と離間位置との間で回動可能となっている。ここで、接触位置は、圧板102上のシートSの枚数によって変化する。
【0038】
圧板102は、接触位置に位置するとき、手差しトレイ101上のシートSを、後述する第2ピックアップローラ111に接触させる。圧板102は、離間位置に位置するとき、手差しトレイ101上のシートSを第2ピックアップローラ111から離間させる。
【0039】
第2供給機構110は、供給ローラの一例としての第2ピックアップローラ111と、第2分離ローラ112と、第2分離パッド113と、ホルダ114と、バネ115とを備えている。
【0040】
第2ピックアップローラ111は、手差しトレイ101上のシートSを搬送するためのローラである。第2ピックアップローラ111は、本体筐体10の開口10Aの下に位置する。
【0041】
第2分離ローラ112および第2分離パッド113は、第2ピックアップローラ111から送り出されたシートSを1枚ずつに分離する機能を有する。第2分離ローラ112は、シートSをレジストレーションローラ26に向けて搬送する。
【0042】
第2ピックアップローラ111および第2分離ローラ112は、ホルダ114に回転可能に取り付けられている。ホルダ114は、本体筐体10に回動可能に取り付けられている。ホルダ114は、例えば第2分離ローラ112の回転軸を中心に回動する。
【0043】
バネ115は、本体筐体10とホルダ114の間に位置する。バネ115は、第2ピックアップローラ111を圧板102に向けて付勢する。
【0044】
図4(a)に示すように、ローラ駆動機構120は、第2ピックアップローラ111を駆動するための機構である。ローラ駆動機構120は、第1モータM1と、第1電磁クラッチC1とを備えている。
【0045】
第1電磁クラッチC1は、第1モータM1から第2ピックアップローラ111への駆動力の伝達を許容または遮断する電磁クラッチである。第1モータM1と第1電磁クラッチC1は、直接、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されている。
【0046】
第2ピックアップローラ111は、軸方向の端部に、図示しないギヤを有する。第2ピックアップローラ111の端部のギヤと第1電磁クラッチC1は、直接、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されている。ここで、軸方向は、シートSの幅方向と同じ方向である。
【0047】
第2分離ローラ112は、軸方向の端部に、図示しないギヤを有する。第2分離ローラ112の端部のギヤと第2ピックアップローラ111の端部のギヤは、所定数のギヤを介して連結されている。
【0048】
圧板駆動機構130は、圧板102を駆動するための機構である。圧板駆動機構130は、第2モータM2と、第2電磁クラッチC2と、入力ギヤ131と、遊星歯車機構140と、トルクリミッタ132と、押上部材150とを備える。
【0049】
第2電磁クラッチC2は、第2モータM2から入力ギヤ131への駆動力の伝達を許容または遮断する電磁クラッチである。第2モータM2と第2電磁クラッチC2は、直接、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されている。第2電磁クラッチC2と入力ギヤ131は、直接、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されている。
【0050】
図4(b)に示すように、遊星歯車機構140は、太陽歯車141と、複数の遊星歯車142と、遊星キャリア143と、内歯車144とを備える。遊星歯車機構140は、太陽歯車141、遊星キャリア143および内歯車144の3つの構成要素のうち、1つの構成要素の回転が止められた状態となると、残りの構成要素が連動して回転する構造となっている。
【0051】
太陽歯車141は、二段ギヤである。太陽歯車141は、大径ギヤ部141Aと、大径ギヤ部141Aよりも直径が小さい小径ギヤ部141Bとを有する。
【0052】
複数の遊星歯車142は、小径ギヤ部141Bの周囲に配置され、小径ギヤ部141Bと噛み合っている。複数の遊星歯車142は、遊星キャリア143に回転可能に取り付けられている。
【0053】
遊星キャリア143は、太陽歯車141の回転軸を中心にして回転可能である。遊星キャリア143は、外周面にギヤ歯143Aを有する。
【0054】
内歯車144は、リング状の部材である。内歯車144は、内周面に位置する内歯144Aと、外周面に位置する外歯144Bとを有する。内歯144Aは、遊星歯車142と噛み合う。
【0055】
図4(c)に示すように、入力ギヤ131は、遊星キャリア143のギヤ歯143Aと噛み合っている。トルクリミッタ132は、内歯車144の外歯144Bと噛み合っている。押上部材150の後述するギヤ歯152Aは、太陽歯車141の大径ギヤ部141Aと噛み合っている。
【0056】
つまり、入力ギヤ131は、第1構成要素の一例としての遊星キャリア143に連結されている。トルクリミッタ132は、第2構成要素の一例としての内歯車144に連結されている。押上部材150は、第3構成要素の一例としての太陽歯車141に連結されている。なお、連結とは、直接連結されることを含む他、所定数のギヤを介して間接的に連結されることも含む。
【0057】
トルクリミッタ132は、閾値以上のトルクが加わることで回転可能となっている。トルクリミッタ132は、内歯車144から加わるトルクが閾値未満の場合、回転しないで、内歯車144の回転を規制する。トルクリミッタ132の閾値は、圧板102を第2ピックアップローラ111に押し付ける力に対応した値に設定されている。また、トルクリミッタ132は、正・逆両方向で、トルクリミッタとして機能する。
【0058】
押上部材150は、圧板102を離間位置から接触位置に押し上げる部材である。押上部材150は、実線で示す押上位置と、二点鎖線で示す退避位置との間で、第1軸X1について回動可能となっている。押上位置は、圧板102が接触位置に位置するときの押上部材150の位置である。退避位置は、圧板102が離間位置に位置するときの押上部材150の位置である。押上部材150は、退避位置に位置するとき、本体筐体10の一部に接触して位置決めされる。
【0059】
押上部材150は、第1軸X1から圧板102に向けて延びる第1部分151と、第1軸X1を中心とする扇形となる第2部分152とを有する。
【0060】
第1部分151は、圧板102が接触位置に位置するときに圧板102と接触する接触部151Aを有する。
図5に示すように、シートSの幅方向において、押上部材150の接触部151Aは、第2ピックアップローラ111の範囲内に位置する。詳しくは、シートSの幅方向において、第2ピックアップローラ111の中央が、接触部151Aの範囲内に位置している。より詳しくは、シートSの幅方向において、第2ピックアップローラ111の中央が、接触部151Aの中央と同じ位置に位置する。なお、本実施形態では、第2ピックアップローラ111は、手差しトレイ101上のシートSに対して幅方向の中央に位置している。
【0061】
図4(a)に示すように、第2部分152は、第1軸X1から第1部分151とは反対に向けて徐々に広がるように延びている。
図4(c)に示すように、第2部分152は、外周面にギヤ歯152Aを有する。ギヤ歯152Aは、太陽歯車141の大径ギヤ部141Aと噛み合っている。
【0062】
以上のように構成されることで、入力ギヤ131から遊星歯車機構140に伝達される駆動力は、トルクリミッタ132および押上部材150のいずれかに出力されるようになっている。詳しくは、圧板102が離間位置に位置するときに、入力ギヤ131に対して、入力ギヤ131を図の矢印で示す方向(以下、「第1回転方向」ともいう。)に回転させる駆動力が入力された場合には、トルクリミッタ132によって内歯車144の回転が止められることで、遊星キャリア143に連動して太陽歯車141が回転する。これにより、入力ギヤ131から入力される駆動力によって押上部材150が退避位置から押上位置に回動するので、圧板102が離間位置から接触位置に移動する。
【0063】
圧板102が接触位置に到達すると、押上部材150の回動が止められる。これにより、押上部材150に連結された太陽歯車141の回転が止められるので、入力ギヤ131に連結されて回動する遊星キャリア143に連動して内歯車144が回転し、入力ギヤ131から入力される駆動力によってトルクリミッタ132が回転する。
【0064】
圧板102が接触位置に位置するときに、入力ギヤ131に対して第1回転方向とは逆の方向である第2回転方向の駆動力が入力された場合には、トルクリミッタ132によって内歯車144の回転が止められることで、遊星キャリア143に連動して太陽歯車141が回転する。これにより、入力ギヤ131から入力される駆動力によって押上部材150が押上位置から退避位置に回動するので、圧板102が接触位置から離間位置に移動する。
【0065】
押上部材150が退避位置に到達すると、押上部材150が本体筐体10と接触して、押上部材150の回動が止められる。これにより、押上部材150に連結された太陽歯車141の回転が止められるので、入力ギヤ131に連結されて回動する遊星キャリア143に連動して内歯車144が回転し、入力ギヤ131から入力される駆動力によってトルクリミッタ132が回転する。
【0066】
制御部CTは、CPU,ROM,RAM、不揮発性メモリなどを有し、予め用意されたプログラムに基づいて各種制御を行うように構成される。制御部CTは、複数枚のシートSの印刷を実行する場合、圧板102を離間位置から接触位置に移動させた後、圧板102を接触位置から動かさずに、第2ピックアップローラ111を断続的に駆動させることで複数枚のシートSを搬送する機能を有する。詳しくは、圧板102上のシートSの積載枚数が減るにつれて、相対的に圧板102が上昇する。
【0067】
具体的に、制御部CTは、複数枚のシートSを印刷するための印刷指示を受けると、第2モータM2を正回転させ、第2電磁クラッチC2に電流を流して伝達状態にすることで、第2モータM2の駆動力を入力ギヤ131に伝達させ、入力ギヤ131を第1回転方向に回転させる。これにより、前述したように、圧板102が離間位置から接触位置に移動する。
【0068】
圧板102が接触位置に移動した後、制御部CTは、第2モータM2を停止させるとともに、第2電磁クラッチC2への電流の供給を停止して遮断状態にする。これにより、圧板102が接触位置に維持される。
【0069】
その後、制御部CTは、第1モータM1を駆動し、シートSの枚数に応じて第1電磁クラッチC1を制御することで、第2ピックアップローラ111を断続的に駆動させる。これにより、圧板102が接触位置に維持された状態で、第2ピックアップローラ111が断続的に駆動されるので、圧板102を接触位置から動かさずに、複数枚のシートSを搬送することができる。
【0070】
なお、第1モータM1の駆動力を、感光ドラム51などの他の部品に利用する場合には、第1モータM1の駆動のタイミングは、第2ピックアップローラ111を1枚目のシートSに対応して最初に回転させるタイミングよりも前であってもよい。この場合、第1電磁クラッチC1のみを制御することで、第2ピックアップローラ111を1枚目のシートSに対応して最初に回転させてもよい。
【0071】
印刷が終了した後、制御部CTは、圧板102を接触位置から離間位置に戻す処理を行う。詳しくは、制御部CTは、第2モータM2を逆回転させ、第2電磁クラッチC2に電流を流して伝達状態にすることで、第2モータM2の駆動力を入力ギヤ131に伝達させ、入力ギヤ131を第2回転方向に回転させる。これにより、前述したように、圧板102が接触位置から離間位置に移動する。
【0072】
圧板102が離間位置に移動した後、制御部CTは、第2モータM2を停止させるとともに、第2電磁クラッチC2への電流の供給を停止して遮断状態にする。これにより、圧板102が離間位置に維持される。
【0073】
以上、第1実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
図5に示すように、シートSの幅方向において、押上部材150の接触部151Aが、第2ピックアップローラ111の範囲内に位置するので、押上部材150で圧板102を接触位置に押し上げた際に、第2ピックアップローラ111を起点にして圧板102が撓むのを抑制することができる。
【0074】
複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102を接触位置から動かさずに、第2ピックアップローラ111を断続的に駆動させるので、複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102の動きによる音の発生を抑えることができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1実施形態に係る圧板駆動機構130の一部の構造を変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図6に示すように、第2実施形態に係る圧板駆動機構230は、第1実施形態に係る圧板駆動機構130の第2電磁クラッチC2の代わりに、振子ギヤ260を備えている。振子ギヤ260は、入力ギヤ131と噛み合いながら、入力ギヤ131の周囲を回動可能となっている。振子ギヤ260は、図に実線で示す伝達位置と、二点鎖線で示す遮断位置との間で回動可能となっている。
【0077】
振子ギヤ260は、伝達位置に位置するときに、第2モータM2から遊星キャリア143へ駆動力を伝達させる。詳しくは、振子ギヤ260は、伝達位置に位置するときに、遊星キャリア143に噛み合う。
【0078】
振子ギヤ260は、遮断位置に位置するときに、第2モータM2から遊星キャリア143への駆動力を遮断する。詳しくは、振子ギヤ260は、遮断位置に位置するときに、遊星キャリア143から離れる。
【0079】
振子ギヤ260は、図示しないソレノイドアクチュエータなどによって伝達位置と遮断位置とに切り替えられるように構成されている。制御部CTは、第2モータM2の駆動力を遊星キャリア143に伝達させる場合に、振子ギヤ260を遮断位置から伝達位置に回動させる。
【0080】
なお、振子ギヤ260は、第2モータM2が正回転する場合に遮断位置から伝達位置に移動し、第2モータM2が逆回転する場合に伝達位置から遮断位置に移動してもよい。この場合、第2モータM2の逆回転により、振子ギヤ260と遊星キャリア143との連結が切られることで、圧板102の自重による力によって遊星キャリア143が空転し、圧板102が自重で接触位置から離間位置に移動してもよい。
【0081】
以上、第2実施形態でも、振子ギヤ260の位置を制御部CTで制御することで、第1実施形態と同様に圧板102を上下動させることができる。なお、振子ギヤは、直線的に移動可能であってもよい。
【0082】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1実施形態に係る圧板駆動機構130の構造を変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図7に示すように、第3実施形態に係る圧板駆動機構330は、第1実施形態と略同様の第2モータM2および入力ギヤ131と、第1実施形態とは異なるセクタギヤ340、カム350、バネ360、セクタレバー370および押上部材380とを備える。
【0084】
セクタギヤ340は、外周面に、第1歯部341と、第2歯部342と、第1欠歯部343と、第2欠歯部344とを有する。第1歯部341および第2歯部342は、入力ギヤ131と噛み合うことが可能な部分である。第1欠歯部343および第2欠歯部344は、入力ギヤ131と噛み合うことができない部分である。第1歯部341、第2歯部342、第1欠歯部343および第2欠歯部344は、セクタギヤ340の外周面において、第1欠歯部343、第1歯部341、第2欠歯部344、第2歯部342の順で並んでいる。
【0085】
詳しくは、第1欠歯部343から、セクタギヤ340の回動方向(
図8参照)の上流側に向けて、第1歯部341、第2欠歯部344、第2歯部342の順で並んでいる。ここで、セクタギヤ340の回動方向とは、入力ギヤ131からセクタギヤ340が駆動力を受けているときのセクタギヤ340の回動方向であり、図の時計回りの方向をいう。
【0086】
セクタギヤ340の回動方向において、第1欠歯部343は、第2歯部342の上流側に位置する。セクタギヤ340の回動方向において、第1歯部341は、第1欠歯部343の上流側に位置する。セクタギヤ340の回動方向において、第2欠歯部344は、第1歯部341の上流側に位置する。セクタギヤ340の回動方向において、第2歯部342は、第2欠歯部344の上流側に位置する。
【0087】
セクタギヤ340は、第1突起345と、第2突起346と、バネ接触部347と、カム350とを有する。第1突起345および第2突起346は、セクタレバー370が引っ掛かることが可能な突起である。バネ接触部347は、バネ360が接触する部分である。
【0088】
第1突起345にセクタレバー370が引っ掛かっているとき、第1欠歯部343が、入力ギヤ131と向かい合い、入力ギヤ131からセクタギヤ340に駆動力は伝達されない。
図9に示すように、第2突起346にセクタレバー370が引っ掛かっているとき、第2欠歯部344が、入力ギヤ131と向かい合い、入力ギヤ131からセクタギヤ340に駆動力は伝達されない。
【0089】
カム350は、押上部材380を動作させるカムである。カム350は、セクタギヤ340に固定または一体成形されている。カム350は、セクタギヤ340とともに回動する。カム350は、
図7に示す第1カム位置と、
図9に示す第2カム位置とに交互に切り替え可能となっている。
【0090】
押上部材380は、図に実線で示す押上位置と、二点鎖線で示す退避位置との間で、第1軸X1について回動可能となっている。押上位置は、圧板102が接触位置に位置するときの押上部材380の位置である。退避位置は、圧板102が離間位置に位置するときの押上部材380の位置である。押上部材380は、退避位置に位置するとき、本体筐体10の一部に接触して位置決めされる。押上部材380は、図示しないバネにより、押上位置から退避位置に向けて付勢されている。
【0091】
押上部材380は、第1実施形態の第1部分151と略同様の第1部分381と、第1実施形態とは異なる第2部分382とを有する。第1部分381の圧板102との接触部381Aは、シートSの幅方向において第2ピックアップローラ111の範囲内に位置する。第2部分382は、第1軸X1から、第1カム位置に位置するカム350に向けて延びる。
【0092】
カム350は、第1カム位置に位置するとき、第2部分382と接触して、押上部材380を押上位置に保持する。カム350が第1カム位置から第2カム位置に回動すると、カム350が第2部分382から離れて、押上部材380が、図示しないバネにより、押上位置から退避位置に回動する。
【0093】
バネ360は、セクタギヤ340の回動方向にセクタギヤ340を付勢するバネである。バネ360は、カム350が第1カム位置および第2カム位置のどちらの位置に位置する場合でも、バネ接触部347を回動方向に付勢する。
【0094】
セクタレバー370は、
図7に示す回動規制位置と、
図8に示す回動許容位置との間で回動可能である。セクタレバー370は、回動規制位置に位置するときに、セクタギヤ340の第1突起345または第2突起346に引っ掛かることが可能となっている。セクタレバー370は、第1突起345または第2突起346に引っ掛かることで、バネ360の付勢力によるセクタギヤ340の回動を止めることが可能となっている。
【0095】
図8に示すように、セクタレバー370は、回動許容位置に位置するときに、セクタギヤ340の第1突起345または第2突起346から外れる。セクタレバー370は、第1突起345または第2突起346から外れることで、バネ360の付勢力によるセクタギヤ340の回動を許容する。
【0096】
セクタレバー370は、バネ371とソレノイドアクチュエータ372によって、回動規制位置と回動許容位置とに切り替え可能となっている。バネ371は、セクタレバー370を回動許容位置から回動規制位置に向けて付勢する。ソレノイドアクチュエータ372は、セクタレバー370に引っ掛かるピストン372Aを有する。ピストン372Aは、
図7に示す前進位置と、
図8に示す後退位置との間で移動可能となっている。
【0097】
図7に示すように、セクタレバー370が回動規制位置に位置して第1突起345に引っ掛かっている状態では、第1欠歯部343が入力ギヤ131と向かい合うとともに、圧板102が接触位置に位置する。
図9に示すように、セクタレバー370が回動規制位置に位置して第2突起346に引っ掛かっている状態では、第2欠歯部344が入力ギヤ131と向かい合うとともに、圧板102が離間位置に位置する。
【0098】
図7に示すように、圧板102を接触位置から離間位置に回動させる場合、制御部CTは、第2モータM2を一方向に駆動するとともに、ソレノイドアクチュエータ372のピストン372Aを前進位置から後退位置に切り替える。これにより、
図8に示すように、セクタレバー370が回動許容位置に移動して第1突起345から外れる。セクタレバー370が第1突起345から外れると、バネ360の付勢力によりセクタギヤ340が回動して、セクタギヤ340の第1歯部341が入力ギヤ131と噛み合う。
【0099】
第1歯部341が入力ギヤ131と噛み合うと、セクタギヤ340が回動し、カム350が押上部材380から離れる方向に回動する。これにより、図示しないバネによって押上部材380が押上位置から退避位置に向けて回動するとともに、押上部材380で支えられている圧板102が接触位置から離間位置に向けて回動する。
【0100】
制御部CTは、カム350が
図9に示す第2カム位置に到達する前に、ソレノイドアクチュエータ372のピストン372Aを後退位置から前進位置に切り替えることで、セクタレバー370を回動規制位置に位置させる。これにより、
図9に示すように、カム350が第2カム位置に到達すると、セクタレバー370がセクタギヤ340の第2突起346に引っ掛かって、セクタギヤ340が停止する。
【0101】
また、カム350が第2カム位置に到達すると、押上部材380が退避位置まで回動するので、圧板102が離間位置まで移動する。つまり、圧板102を接触位置から離間位置に回動させる場合には、入力ギヤ131に入力された駆動力がセクタギヤ340を介してカム350を第1カム位置から第2カム位置に回動させることで、押上部材380が圧板102を接触位置から離間位置に移動させる。
【0102】
図9に示すように、圧板102を離間位置から接触位置に回動させる場合、制御部CTは、第2モータM2を一方向に駆動するとともに、ソレノイドアクチュエータ372のピストン372Aを前進位置から後退位置に切り替える。つまり、第3実施形態では、圧板102の下降時と上昇時の両方において、第2モータM2の回転方向を切り替えずに、同じ方向に第2モータM2を回転させる。
【0103】
ピストン372Aを前進位置から後退位置に切り替えると、
図10に示すように、セクタレバー370が回動許容位置に移動して第2突起346から外れる。セクタレバー370が第2突起346から外れると、バネ360の付勢力によりセクタギヤ340が回動して、セクタギヤ340の第2歯部342が入力ギヤ131と噛み合う。
【0104】
第2歯部342が入力ギヤ131と噛み合うと、セクタギヤ340が回動し、カム350が押上部材380に近づく方向に回動する。これにより、カム350が図示しないバネの付勢力に抗して押上部材380を押すので、押上部材380が退避位置から押上位置に向けて回動するとともに、押上部材380で支えられている圧板102が離間位置から接触位置に向けて回動する。
【0105】
制御部CTは、カム350が
図7に示す第1カム位置に到達する前に、ソレノイドアクチュエータ372のピストン372Aを後退位置から前進位置に切り替えることで、セクタレバー370を回動規制位置に位置させる。これにより、
図7に示すように、カム350が第1カム位置に到達すると、セクタレバー370がセクタギヤ340の第1突起345に引っ掛かって、セクタギヤ340が停止する。
【0106】
また、カム350が第1カム位置に到達すると、押上部材380が押上位置まで回動するので、圧板102が接触位置まで移動する。つまり、圧板102を離間位置から接触位置に回動させる場合には、入力ギヤ131に入力された駆動力がセクタギヤ340を介してカム350を第2カム位置から第1カム位置に回動させることで、押上部材380が圧板102を離間位置から接触位置に移動させる。
【0107】
以上、第3実施形態でも、圧板102を接触位置に維持することができるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1実施形態とはシート搬送装置の構造が異なるだけであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
図11および
図13に示すように、第4実施形態に係るシート搬送装置400は、モータM3と、駆動ギヤGdと、伝達切替機構410と、圧板作動機構420と、切替機構430とを備える。第4実施形態に係るシート搬送装置400では、1つのモータM3の駆動力を利用して、第2ピックアップローラ111を駆動させるとともに、後述する押上部材480を回動させる。
【0110】
詳しくは、第4実施形態に係る制御部CTは、シートSを搬送する場合、または、圧板102を上昇させる場合には、モータM3を正回転させる。モータM3は、ステッピングモータである。制御部CTは、圧板102を下降させる場合には、モータM3を所定量だけ逆回転させる。
【0111】
駆動ギヤGdは、モータM3に直接または所定数のギヤを介して間接的に連結されている。
図13に示すように、駆動ギヤGdは、伝達切替機構410の後述する太陽歯車441と噛み合うとともに、圧板作動機構420の後述する伝達ギヤGtと噛み合っている。
【0112】
図11および
図13に示すように、伝達切替機構410は、モータM3の駆動力を第2ピックアップローラ111に伝達させる伝達状態と、モータM3の駆動力を第2ピックアップローラ111に伝達させない非伝達状態とに切り替え可能な機構である。伝達切替機構410は、遊星歯車機構440と、伝達切替レバーL1と、ソレノイドアクチュエータSAとを備える。
【0113】
図13および
図16に示すように、遊星歯車機構440は、太陽歯車441と、複数の遊星歯車442と、遊星キャリア443と、内歯車444とを備える。遊星歯車機構440は、太陽歯車441、遊星キャリア443および内歯車444の3つの構成要素のうち、1つの構成要素の回転が止められた状態となると、残りの構成要素が連動して回転する構造となっている。
【0114】
太陽歯車441は、二段ギヤである。太陽歯車441は、
図13に示す大径ギヤ部441Aと、
図16に示す小径ギヤ部441Bとを有する。小径ギヤ部441Bは、大径ギヤ部441Aよりも直径が小さい。
【0115】
複数の遊星歯車442は、小径ギヤ部441Bの周囲に配置され、小径ギヤ部441Bと噛み合っている。複数の遊星歯車442は、遊星キャリア443に回転可能に取り付けられている。
【0116】
図13に示すように、遊星キャリア443は、太陽歯車441の回転軸を中心にして回転可能である。遊星キャリア443は、外周面に複数の爪443Aを有する。
【0117】
図16に示すように、内歯車444は、リング状の部材である。内歯車444は、内周面に位置する内歯444Aと、外周面に位置する外歯444Bとを有する。内歯444Aは、遊星歯車442と噛み合う。
【0118】
図13に示すように、駆動ギヤGdは、太陽歯車441の大径ギヤ部441Aと噛み合っている。内歯車444の外歯444Bは、ローラギヤGrと噛み合っている。
図11に示すように、ローラギヤGrは、第2分離ローラ112を支持するシャフトSFの一端に取り付けられている。なお、シャフトSFに伝達された駆動力は、図示しないギヤを介して第2ピックアップローラ111にも伝達されるようになっている。
【0119】
遊星キャリア443の回転が止められた状態では、駆動ギヤGdからの駆動力が遊星歯車機構440を介して第2分離ローラ112および第2ピックアップローラ111に伝達される。遊星キャリア443の回転が許容された状態では、ローラギヤGr等が内歯車444の回転に対する抵抗になって内歯車444の回転を止めることで、駆動ギヤGdからの駆動力が遊星キャリア443に伝達され、遊星キャリア443が空転するようになっている。つまり、遊星キャリア443の回転が許容された状態では、駆動ギヤGdからの駆動力が第2ピックアップローラ111に伝達されず、第2ピックアップローラ111が回転しない。
【0120】
伝達切替レバーL1は、遊星キャリア443の回転を、止める、または、許容するためのレバーである。伝達切替レバーL1は、
図21に示す伝達位置と、
図14に示す非伝達位置との間で回動可能となっている。伝達切替レバーL1は、伝達位置に位置するとき、遊星キャリア443の爪443Aに引っ掛かって、遊星キャリア443の回転を止める。これにより、伝達切替レバーL1は、伝達位置に位置するとき、伝達切替機構410を伝達状態にさせる。
【0121】
伝達切替レバーL1は、非伝達位置に位置するとき、遊星キャリア443の爪443Aから外れることで、遊星キャリア443の回転を許容する。これにより、伝達切替レバーL1は、非伝達位置に位置するとき、伝達切替機構410を非伝達状態にさせる。
【0122】
ソレノイドアクチュエータSAは、伝達切替レバーL1を伝達位置と非伝達位置との間で動かすためのアクチュエータである。
図15に示すように、ソレノイドアクチュエータSAは、伝達切替レバーL1に引っ掛かるピストンSA1を有する。ピストンSA1は、
図15に示す前進位置と、
図21に示す後退位置との間で移動可能となっている。ピストンSA1の先端は、伝達切替レバーL1に引っ掛かっている。
【0123】
伝達切替レバーL1は、図示しないバネにより、伝達位置から非伝達位置に向けて付勢されている。ピストンSA1を前進位置から後退位置に移動させると、伝達切替レバーL1は、バネの付勢力に抗して非伝達位置から伝達位置に回動する。ピストンSA1を後退位置から前進位置に移動させると、伝達切替レバーL1は、バネの付勢力によって伝達位置から非伝達位置に回動する。
【0124】
図11に示すように、圧板作動機構420は、モータM3の駆動力を利用して圧板102を作動させる作動状態と、モータM3の駆動力を遮断して圧板102を作動させない非作動状態とに切り替え可能な機構である。圧板作動機構420は、圧板102を押し上げるための押上機構421と、押上機構421を作動させる作動機構422とを備える。
【0125】
押上機構421は、押上部材480と、押上部材480を動かすための駆動シャフト450と、圧板バネSP1とを備える。
【0126】
押上部材480は、
図11に示す退避位置と、
図12に示す押上位置との間で回動可能となっている。押上部材480は、圧板102と接触する接触部481と、ギヤ部482とを有する。接触部481は、シートSの幅方向において、第2ピックアップローラ111の範囲内に位置する。
【0127】
駆動シャフト450は、シートSの幅方向に延びる。駆動シャフト450は、幅方向の中央にギヤ部451を有する。ギヤ部451は、押上部材480のギヤ部482と噛み合っている(
図20も参照)。駆動シャフト450は、一端に、カム接触部452を有する。カム接触部452は、作動機構422の後述するカムCMと接触可能である。カム接触部452は、
図11に示す離間時位置と、
図12に示す接触時位置との間で回動可能となっている。
【0128】
カム接触部452が離間時位置から接触時位置に回動すると、駆動シャフト450が図示時計回りに回動して、ギヤ部451と噛み合う押上部材480が退避位置から押上位置に回動する。カム接触部452が接触時位置から離間時位置に回動すると、駆動シャフト450が図示反時計回りに回動して、ギヤ部451と噛み合う押上部材480が押上位置から退避位置に回動する。
【0129】
圧板バネSP1は、駆動シャフト450の他端に引っ掛かっている。圧板バネSP1は、駆動シャフト450を図示時計回りに付勢する。これにより、圧板バネSP1は、駆動シャフト450および押上部材480を介して、圧板102を離間位置から接触位置に向けて付勢する。
【0130】
図13に示すように、作動機構422は、伝達ギヤGtと、入力ギヤG1と、セクタギヤGsと、バネSP2と、バネSP2を保持するバネホルダHと、カムCMと、出力ギヤG2と、2つのアイドルギヤG3,G4とを備える。
【0131】
伝達ギヤGtは、駆動ギヤGdと噛み合っている。
入力ギヤG1は、駆動ギヤGdから伝達ギヤGtを介して駆動力が入力されるギヤである。入力ギヤG1は、第1ギヤG11と、第2ギヤG12と、を備える。
【0132】
第1ギヤG11は、伝達ギヤGtと噛み合っている。第1ギヤG11には、伝達ギヤGtから駆動力が入力される。
【0133】
第2ギヤG12は、第1ギヤG11よりも直径が大きいギヤである。第2ギヤG12は、
図18に示す第2ワンウェイクラッチC4を介して第1ギヤG11に接続される。
【0134】
第2ワンウェイクラッチC4は、圧板102を上昇させる場合には、第1ギヤG11が第2ギヤG12とともに回転できるように、第1ギヤG11と第2ギヤG12とを連結させる機能を有する。第2ワンウェイクラッチC4は、圧板102を下降させる場合には、第1ギヤG11が第2ギヤG12に対して相対回転できるように、第1ギヤG11と第2ギヤG12との連結を切る機能を有している。
【0135】
図17に示すように、セクタギヤGsは、外周面に、第1歯部Gs1と、第2歯部Gs2と、第1欠歯部Gs3と、第2欠歯部Gs4とを有する。第1歯部Gs1および第2歯部Gs2は、入力ギヤG1の第2ギヤG12と噛み合うことが可能な部分である。第1欠歯部Gs3および第2欠歯部Gs4は、入力ギヤG1の第2ギヤG12と噛み合うことができない部分である。
【0136】
第1歯部Gs1、第2歯部Gs2、第1欠歯部Gs3および第2欠歯部Gs4は、セクタギヤGsの外周面において、第1欠歯部Gs3、第1歯部Gs1、第2欠歯部Gs4、第2歯部Gs2の順で並んでいる。詳しくは、第1欠歯部Gs3から、圧板102の上昇時におけるセクタギヤGsの回動方向(
図22参照)の上流側に向けて、第1歯部Gs1、第2欠歯部Gs4、第2歯部Gs2の順で並んでいる。
【0137】
セクタギヤGsは、
図17に示す第1セクタ位置と、
図25に示す第2セクタ位置との間で回動可能である。セクタギヤGsが第1セクタ位置に位置するとき、第1欠歯部Gs3が第2ギヤG12と向かい合う。セクタギヤGsが第2セクタ位置に位置するとき、第2欠歯部Gs4が第2ギヤG12と向かい合う。
【0138】
ここで、第1欠歯部Gs3または第2欠歯部Gs4が第2ギヤG12と向かい合っているときの圧板作動機構420の状態は、非作動状態である。また、第1歯部Gs1が第2ギヤG12と噛み合っているときの圧板作動機構420の状態は、作動状態である。
【0139】
圧板102が上昇する場合には、セクタギヤGsは、第1セクタ位置から第2セクタ位置まで図示時計回りに回動する。圧板102が下降する場合には、セクタギヤGsは、第2セクタ位置から第1セクタ位置まで図示反時計回りに回動する。
【0140】
図15に示すように、セクタギヤGsは、突起Gs5と、保持部Gs6とをさらに有している。突起Gs5は、セクタギヤGsが第1セクタ位置に位置するときに、セクタギヤGsの回動方向において後述するセクタレバーL2と引っ掛かることが可能である。
【0141】
保持部Gs6は、セクタギヤGsが第2セクタ位置に位置するときに、セクタギヤGsの回動方向においてセクタレバーL2と引っ掛かることが可能である。保持部Gs6は、セクタレバーL2の先端が入る凹部を有している。これにより、保持部Gs6は、セクタレバーL2の回動方向においてもセクタレバーL2と引っ掛かることが可能となっている。
【0142】
バネSP2は、圧板102の上昇時におけるセクタギヤGsの回動方向にセクタギヤGsを付勢するバネである。つまり、バネSP2は、セクタギヤGsを図示時計回りに付勢している。
図13に示すように、バネSP2は、セクタギヤGsとバネホルダHの間に位置している。
【0143】
バネホルダHは、バネSP2を保持している。バネホルダHは、セクタギヤGsに対して所定の角度範囲で相対回転可能である。バネホルダHの回動中心とセクタギヤGsの回動中心は、同じである。バネホルダHの直径は、セクタギヤGsの直径と同じである。
【0144】
バネホルダHは、セクタギヤGsの回動方向において、セクタギヤGsの一部と引っ掛かる部分を有する。セクタギヤGsがバネホルダHに対して所定角度だけ相対回転すると、セクタギヤGsの一部がバネホルダHの一部に引っ掛かって、セクタギヤGsとバネホルダHがともに回動するようになっている。
【0145】
バネホルダHは、外周面に、第1歯部H1と、第2歯部H2と、第1欠歯部H3と、第2欠歯部H4とを有する。第1歯部H1および第2歯部H2は、入力ギヤG1の第2ギヤG12と噛み合うことが可能な部分である。第1欠歯部H3および第2欠歯部H4は、入力ギヤG1の第2ギヤG12と噛み合うことができない部分である。
【0146】
セクタギヤGsの軸方向から見て、第1歯部H1は、第1歯部Gs1と合致する形状である。軸方向から見て、第2歯部H2は、第2歯部Gs2と合致する形状である。軸方向から見て、第1欠歯部H3は、第1欠歯部Gs3と合致する形状である。軸方向から見て、第2欠歯部H4は、第2欠歯部Gs4と合致する形状である。
【0147】
カムCMは、バネホルダHに一体に形成されている。これにより、カムCMは、セクタギヤGsに連動して回動するようになっている。
【0148】
カムCMは、
図11に示す離間対応位置と、
図12に示す接触対応位置との間で回動可能である。カムCMの回動中心とバネホルダHの回動中心は、同じである。カムCMは、離間対応位置に位置するとき、圧板102を離間位置に位置させる。カムCMは、接触対応位置に位置するとき、圧板102を接触位置に位置させる。
【0149】
図6に示すように、カムCMの外周面は、カムCMの回動中心から最も遠い先端部CM1を有する。先端部CM1は、カムCMの回動中心に向けて凹む凹部CM11を有する。カムCMが離間対応位置に位置するとき、カムCMの先端部CM1は、カム接触部452と接触する。詳しくは、カムCMが離間対応位置に位置するとき、カム接触部452は、凹部CM11に入る(
図11参照)。これにより、カム接触部452が離間時位置に位置し、押上部材480が退避位置に位置し、圧板102が離間位置に位置する。
【0150】
カムCMの先端部CM1がカム接触部452と接触するとき、圧板バネSP1の付勢力によってカムCMの先端部CM1とカム接触部452の摩擦力が高い状態となっている。これにより、カムCMが離間対応位置に位置するときにおいて、バネSP2の付勢力でバネホルダHが回動することが抑制されている。
【0151】
カムCMが離間対応位置から接触対応位置に回動すると、カムCMの先端部CM1がカム接触部452から離れる。これにより、圧板バネSP1の付勢力によって、カム接触部452が接触時位置に向けて回動し、押上部材480が押上位置に向けて回動し、圧板102が接触位置に向けて回動する。
【0152】
カムCMが接触対応位置に位置するとき、カムCMの外周面のうち先端部CM1とは反対側の部分が、カム接触部452と接触する。これにより、カム接触部452が接触時位置に位置し、押上部材480が押上位置に位置し、圧板102が接触位置に位置する。
【0153】
カムCMの先端部CM1とは反対側の部分がカム接触部452と接触するときも、圧板バネSP1の付勢力によってカムCMとカム接触部452の摩擦力が高い状態となっている。これにより、カムCMが接触対応位置に位置するときにおいても、バネSP2の付勢力でバネホルダHが回動することが抑制されている。
【0154】
なお、カムCMが接触対応位置に位置するときにおいて、カム接触部452は、カムCMと接触しなくてもよい。例えば、カムCMが接触対応位置に位置するときにおいて、ギヤ部451、カム接触部452または押上部材480が本体筐体10の一部と接触することで、圧板102が接触位置に維持されてもよい。また、カムCMが接触対応位置に位置するときにおいて、圧板102の移動が第2ピックアップローラ111で止められることで、圧板102が接触位置に維持されてもよい。
【0155】
カムCMが接触対応位置から離間対応位置に回動すると、カムCMの先端部CM1によってカム接触部452が圧板バネSP1の付勢力に抗して離間時位置に向けて押される。これにより、カム接触部452が離間時位置に向けて回動し、押上部材480が退避位置に向けて回動し、圧板102が離間位置に向けて回動する。
【0156】
図13に示すように、出力ギヤG2は、カムCMの回動中心を中心にして回動可能となっている。出力ギヤG2は、2つのアイドルギヤG3,G4を介して入力ギヤG1の第1ギヤG11に連結されている(
図19も参照)。これにより、第1ギヤG11に伝達されたモータM3の駆動力が、アイドルギヤG3,G4を介して、出力ギヤG2に伝達されるようになっている。
【0157】
第1ギヤG11、アイドルギヤG3,G4および出力ギヤG2は、モジュールとピッチ円直径が同じであり、歯数も同じとなっている。第2ギヤG12およびセクタギヤGsは、モジュールとピッチ円直径が同じとなっている。
【0158】
出力ギヤG2は、
図18に示す第1ワンウェイクラッチC3を介してカムCMに接続されている。
【0159】
第1ワンウェイクラッチC3は、圧板102が接触位置に位置した状態で、第2ピックアップローラ111にモータM3の駆動力を伝達する場合において、出力ギヤG2をカムCMに対して空転させるためのクラッチである。つまり、第1ワンウェイクラッチC3は、モータM3が正回転しているときに、出力ギヤG2がカムCMに対して相対回転できるように、出力ギヤG2とカムCMとの連結を切る。また、第1ワンウェイクラッチC3は、モータM3が逆回転しているときには、出力ギヤG2とカムCMとを連結する。
【0160】
図15に示すように、切替機構430は、圧板作動機構420の状態を切り替えるための機構である。切替機構430は、セクタレバーL2と、連結バネSP3とを備える。
【0161】
セクタレバーL2は、伝達切替レバーL1に対して相対的に回動可能である。セクタレバーL2は、伝達切替レバーL1と同一の軸を中心にして回動可能である。セクタレバーL2は、
図15に示す回動規制位置と、
図21に示す回動許容位置との間で回動可能である。
【0162】
セクタレバーL2は、回動規制位置に位置するとき、セクタギヤGsの突起Gs5に引っ掛かることでバネSP2の付勢力によるセクタギヤGsの回動を止める。セクタレバーL2は、回動許容位置に位置するとき、セクタギヤGsの突起Gs5から外れることでバネSP2の付勢力によるセクタギヤGsの回動を許容する。
【0163】
セクタレバーL2は、伝達切替レバーL1と連動することが可能となっている。具体的には、伝達切替レバーL1は、突起B1を有する。セクタレバーL2は、突起B2を有する。伝達切替レバーL1が伝達位置から非伝達位置に向けて回動するとき、突起B1が突起B2を押すことで、セクタレバーL2が回動許容位置から回動規制位置に回動する。
【0164】
連結バネSP3は、トーションバネである。連結バネSP3は、コイル部CLと、第1アーム部A1と、第2アーム部A2とを有する。コイル部CLは、セクタレバーL2の回動中心を囲うように配置されている。
【0165】
第1アーム部A1の先端は、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に向けて回動する際に、伝達切替レバーL1によって押されることが可能な位置に位置する。詳しくは、第1アーム部A1の先端は、伝達切替レバーL1の遊星キャリア443側の面に引っ掛かっている。
【0166】
第2アーム部A2は、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に向けて回動する際に、セクタレバーL2を押すことが可能な位置に位置する。詳しくは、第2アーム部A2は、突起B2に引っ掛かっている。突起B2は、突起B1と第2アーム部A2の間に位置する。伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に向けて回動するとき、第2アーム部A2が突起B2を押すことで、セクタレバーL2が回動規制位置から回動許容位置に回動する。
【0167】
図24に示すように、セクタギヤGsが第2セクタ位置に位置するとき、セクタレバーL2の先端は、セクタギヤGsの保持部Gs6に入っている。これにより、圧板102が接触位置に位置するときには、セクタレバーL2は、回動規制位置から回動許容位置まで回動しないように保持部Gs6に引っ掛かるようになっている。伝達切替レバーL1は、セクタレバーL2が保持部Gs6に引っ掛かった状態で、伝達位置と非伝達位置に回動可能となっている。
【0168】
詳しくは、セクタレバーL2の動きが保持部Gs6で止められた状態で、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に回動する場合には、伝達切替レバーL1は、連結バネSP3の付勢力に抗して、伝達位置まで移動する。この際、突起B1は、突起B2から離れていく。セクタレバーL2の動きが保持部Gs6で止められた状態で、伝達切替レバーL1が伝達位置から非伝達位置に回動する場合には、突起B1が突起B2から離れているので、伝達切替レバーL1は、非伝達位置まで回動することができる。
【0169】
次に、制御部CTとシート搬送装置400の動作について詳細に説明する。なお、印刷を行っていないときの各部材の位置は、
図15に示す位置となっている。
【0170】
制御部CTは、複数枚のシートSを印刷するための印刷指示を受けると、モータM3を正回転させる。モータM3が正回転すると、
図15に示すように、駆動ギヤGdが図示反時計回りに回転する。
【0171】
駆動ギヤGdが回転すると、太陽歯車441が回転するが、伝達切替レバーL1が非伝達位置に位置するため、モータM3の駆動力はローラギヤGrに伝達されない。また、
図19に示すように、駆動ギヤGdが回転すると、伝達ギヤGt、第1ギヤG11、アイドルギヤG3,G4および出力ギヤG2が回転する。
【0172】
モータM3の正回転時には、出力ギヤG2から第1ワンウェイクラッチC3を介してカムCMに駆動力が伝達されないので、出力ギヤG2は、止まった状態のカムCMに対して相対的に回転する。また、モータM3の正回転時には、第1ギヤG11から第2ワンウェイクラッチC4を介して第2ギヤG12に駆動力が伝達されるので、
図17に示すように、第2ギヤG12が回転する。しかし、セクタギヤGsの第1欠歯部Gs3が第2ギヤG12と向かい合っているので、セクタギヤGsは回転しない。
【0173】
なお、セクタギヤGsの第2欠歯部Gs4が第2ギヤG12と向かい合った状態で、モータM3が正回転する場合も、同様に、セクタギヤGsは回転せず、かつ、出力ギヤG2は、止まった状態のカムCMに対して相対的に回転する。つまり、圧板102が止まった状態で、モータM3が正回転する場合には、セクタギヤGsは回転せず、かつ、出力ギヤG2は、止まった状態のカムCMに対して相対的に回転する。
【0174】
制御部CTは、モータM3を駆動させた後、ソレノイドアクチュエータSAのピストンSA1を前進位置から後退位置に切り替える。なお、ソレノイドアクチュエータSAの作動の開始は、モータM3の駆動の開始よりも早くてもよいし、モータM3の駆動の開始と同時であってもよい。
【0175】
ソレノイドアクチュエータSAを作動させると、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に回動して、
図21に示すように、伝達切替レバーL1の先端が、遊星キャリア443の爪443Aに引っ掛かる。これにより、モータM3の駆動力がローラギヤGrに伝達され、第2ピックアップローラ111が回転する。なお、この際、圧板102は離間位置に位置するので、圧板102上のシートSの搬送は行われない。
【0176】
また、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に回動すると、セクタレバーL2が、回動規制位置から回動許容位置に回動して、セクタレバーL2の先端が、セクタギヤGsの突起Gs5から外れる。これにより、セクタギヤGsが、バネSP2の付勢力によって図示時計回りに回動する。
【0177】
バネSP2によってセクタギヤGsが回動すると、
図22に示すように、セクタギヤGsの第1歯部Gs1が、第2ギヤG12と噛み合う。これにより、第2ギヤG12からセクタギヤGsに駆動力が伝わって、セクタギヤGsが回動する。
【0178】
第1セクタ位置から所定角度だけセクタギヤGsが回動すると、セクタギヤGsの一部がバネホルダH(
図11参照)に引っ掛かり、バネホルダHがセクタギヤGsとともに回動する。バネホルダHの第1歯部H1が第2ギヤG12に噛み合うと、バネホルダHは、第2ギヤG12からの駆動力によって回動する。詳しくは、バネホルダHは、セクタギヤGsと位相がずれた状態でセクタギヤGsとともに回動する。
【0179】
バネホルダHが回動すると、カムCMが図示時計回りに回動する。これにより、
図23に示すように、カムCMの先端部CM1がカム接触部452から離れていくので、
図11に示す圧板バネSP1の付勢力によって押上部材480が図示反時計回りに回動して、圧板102が離間位置から接触位置に移動する。
【0180】
制御部CTは、圧板102が接触位置に到達する前に、ソレノイドアクチュエータSAのピストンSA1を後退位置から前進位置に切り替える。これにより、
図24に示すように、伝達切替レバーL1が伝達位置から非伝達位置に回動するとともに、セクタレバーL2が回動許容位置から回動規制位置に回動する。
【0181】
伝達切替レバーL1が非伝達位置に位置すると、モータM3の駆動力がローラギヤGrに伝達されなくなり、第2ピックアップローラ111の回転が止まる。これにより、上昇する圧板102上のシートSが第2ピックアップローラ111に接触する前に、第2ピックアップローラ111の回転を止めることができる。
【0182】
モータM3の駆動力で回動するセクタギヤGsの第1歯部Gs1が第2ギヤG12から外れると、セクタギヤGsの回転が止まるとともに、セクタギヤGsの保持部Gs6の凹部にセクタレバーL2の先端が入る。セクタギヤGsとは位相がずれているバネホルダHは、まだ第2ギヤG12と噛み合っているため、セクタギヤGsの回転が止まった後も回動する。
【0183】
セクタギヤGsの図示時計回り方向への回動はセクタレバーL2で規制されているので、止まった状態のセクタギヤGsに対してバネホルダHが回動することで、セクタギヤGsとバネホルダHの間に位置するバネSP2が押し縮められる。モータM3の駆動力で回動するバネホルダHの第1歯部H1が第2ギヤG12から外れると、バネホルダHの回転が止まり、バネホルダHとセクタギヤGsの位相が一致する。
【0184】
以上、圧板102を上昇させる場合の動作をまとめると以下の通りである。
圧板102を上昇させるべく、モータM3を正回転させると、
図22および
図23に示すように、第1ギヤG11が所定方向(図示反時計回り)に回動する。第1ギヤG11が所定方向に回動すると、駆動力が第1ギヤG11、第2ワンウェイクラッチC4および第2ギヤG12を介してセクタギヤGsに伝達されることでセクタギヤGsが第1セクタ位置から第2セクタ位置に回動するとともに、駆動力がセクタギヤGsを介してカムCMに伝達されることでカムCMが離間対応位置から接触対応位置に回動する。つまり、モータM3の駆動力は、
図22および
図23の太線の矢印で示すルートを通って、カムCMに伝達される。
【0185】
一方、第1ギヤG11に伝わった駆動力は、細線の矢印で示すルートを通って、出力ギヤG2にも伝わる。この際、出力ギヤG2の回転速度とカムCMの回転速度が異なると、出力ギヤG2とカムCMが干渉するおそれがある。しかしながら、第1ギヤG11、アイドルギヤG3,G4および出力ギヤG2が同じモジュールとピッチ円直径であり、かつ、第2ギヤG12およびセクタギヤGsが同じモジュールとピッチ円直径であることから、出力ギヤG2はカムCMと同じ速度で回転するため、回転速度の違いによる出力ギヤG2とカムCMの干渉は起こらない。
【0186】
接触位置に位置する圧板102上のシートSの搬送を行う場合、制御部CTは、ソレノイドアクチュエータSAのピストンSA1を前進位置から後退位置に切り替える。この際、セクタギヤGsの保持部Gs6の凹部にセクタレバーL2の先端が入っているので、略止まった状態のセクタレバーL2に対して、伝達切替レバーL1が非伝達位置から伝達位置に切り替わる。これにより、モータM3の駆動力が第2ピックアップローラ111に伝達され、圧板102上のシートSが第2ピックアップローラ111によって搬送される。
【0187】
1枚分のシートSをレジストレーションローラ26まで搬送した後、制御部CTは、ソレノイドアクチュエータSAを制御して、伝達切替レバーL1を伝達位置から非伝達位置に切り替える。
【0188】
その後、制御部CTは、伝達切替レバーL1を非伝達位置から伝達位置に切り替え、伝達位置から非伝達位置に戻す動作を、シートSの枚数に応じた回数行う。最後のシートSの搬送が完了した後、制御部CTは、モータM3を停止させる。
【0189】
その後、制御部CTは、モータM3を所定量だけ逆回転させる。詳しくは、制御部CTは、セクタギヤGsが第2セクタ位置から第1セクタ位置まで回動するように、モータM3を所定時間の間逆回転させる。
【0190】
モータM3が逆回転すると、
図25(b)に示すように、第1ギヤG11が所定方向とは逆方向に回動する。第1ギヤG11が逆方向に回動すると、モータM3の駆動力が第1ギヤG11、アイドルギヤG3,G4、出力ギヤG2および第1ワンウェイクラッチC3を介してカムCMに伝達されることでカムCMが接触対応位置から離間対応位置に回動する。つまり、モータM3の駆動力は、
図25(b)の太線の矢印で示すルートを通って、カムCMに伝達される。
【0191】
第1ギヤG11が逆方向に回動し始めるとき、第2ギヤG12は図示しない部材との摩擦抵抗などにより止まった状態に維持されている。そのため、第1ギヤG11は、第2ワンウェイクラッチC4により、第2ギヤG12に対して相対回転する。なお、第2ギヤG12を止めた状態にするには、例えば、第2ギヤG12にフリクションパットを押し付けるなどの方法が挙げられる。
【0192】
カムCMは、接触対応位置から離間対応位置に回動する過程において、カム接触部452を圧板バネSP1の付勢力に抗して押す。これにより、カムCMの押圧力がカム接触部452を介して押上部材480に伝わり、押上部材480が図示時計回りに回動して、圧板102が接触位置から離間位置に移動する。また、カムCMの先端部CM1の凹部CM11の内面は、カムCMを離間対応位置に誘い込むための誘い込み面となっている。圧板102が下降するときのカムCMの回動方向における凹部CM11の下流側の縁がカム接触部452を乗り越えると、カム接触部452が凹部CM11の誘い込み面を押すことで、カムCMが、離間対応位置に誘い込まれるようになっている。
【0193】
また、カムCMに伝達されたモータM3の駆動力は、バネホルダHを介してセクタギヤGsに伝達されるので、
図25(a)に示すように、セクタギヤGsは、第2セクタ位置から第1セクタ位置に回動する。
【0194】
なお、図示は省略するが、セクタギヤGsが第1セクタ位置に到達する直前には、セクタギヤGsの突起Gs5が、セクタレバーL2と接触し、セクタレバーL2を回動規制位置から回動許容位置に向けて少しだけ回動させる。セクタレバーL2が回動すると、
図15に示す突起B2が突起B1を押すことで、伝達切替レバーL1も少しだけ回動する。
【0195】
その後、セクタギヤGsの突起Gs5がセクタレバーL2の先端を超えると、伝達切替レバーL1が図示しないバネで非伝達位置に付勢されることで、伝達切替レバーL1が非伝達位置に戻り、セクタレバーL2も回動規制位置に戻って突起Gs5に引っ掛かる。これにより、各部材の位置が
図15に示す位置に戻る。
【0196】
セクタギヤGsが第2セクタ位置から第1セクタ位置に回動する過程において、セクタギヤGsは、第2ギヤG12と噛み合い、第2ギヤG12を回動させる。しかしながら、第1ギヤG11、アイドルギヤG3,G4および出力ギヤG2が同じモジュールとピッチ円直径であり、かつ、第2ギヤG12およびセクタギヤGsが同じモジュールとピッチ円直径であるため、第2ギヤG12は第1ギヤG11と同じ速度で回転する。そのため、回転速度の違いによる第2ギヤG12は第1ギヤG11の干渉は起こらない。
【0197】
以上、第4実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
圧板102が接触位置に維持された状態において、伝達切替機構410が伝達状態と非伝達状態とに交互に切り替え可能であるので、複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102を接触位置に維持させたまま、第2ピックアップローラ111の駆動と停止を切り替えることができる。そのため、複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102の動きによる音の発生を抑えることができる。
【0198】
第4実施形態では、セクタギヤGsが第2歯部Gs2を有し、バネホルダHが第2歯部H2を有する構成としたが、セクタギヤGsが第2歯部Gs2を有さず、バネホルダHが第2歯部H2を有していない構成としてもよい。
【0199】
セクタギヤを第2セクタ位置から第1セクタ位置に戻す方法は、第4実施形態の方法に限らない。例えば、モータの駆動力によって接触対応位置から離間対応位置に向けて回動するカムを、離間対応位置を通りすぎた通過位置まで回動させた後、モータを停止し、カムの先端部の凹部の誘い込み面によってカムを通過位置から離間対応位置まで戻してもよい。この場合、カムが通過位置に位置するときに、セクタギヤが第1セクタ位置に位置するように構成すればよい。
【0200】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1実施形態とはシート搬送装置の構造が異なるだけであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0201】
図26(a)に示すように、第5実施形態に係るシート搬送装置500は、モータM、押上部材580、伝達切替機構510、圧板作動機構520および切替機構530を備えている。また、シート搬送装置500は、
図3に示す、第1実施形態と略同様の手差しトレイ101、圧板102および第2供給機構110も備えている。
【0202】
図26(a)に示すように、押上部材580は、圧板102を離間位置から接触位置に押し上げる部材である。押上部材580は、押上ギヤ581と、押上カム582とを有する。
【0203】
押上ギヤ581は、モータMから圧板作動機構520を介して駆動力を受けるギヤである。押上カム582は、押上ギヤ581とともに回動するカムである。押上カム582は、図に実線で示す離間対応位置と、二点鎖線で示す接触対応位置とに切り替え可能となっている。
【0204】
押上カム582は、圧板102が接触位置に位置するときに圧板102と接触する接触部582Aを有する。接触部582Aは、シートSの幅方向において、第2ピックアップローラ111の範囲内に位置している。ここで、シートSの幅方向は、第2ピックアップローラ111の軸方向と同じ方向である。
【0205】
伝達切替機構510は、モータMの駆動力を第2ピックアップローラ111に伝達させる伝達状態と、モータMの駆動力を第2ピックアップローラ111に伝達させない非伝達状態とに切り替え可能な機構である。伝達切替機構510は、遊星歯車機構540と、伝達切替レバーLtと、カム511と、を備える。
【0206】
図26(a),
図26(b)に示すように、遊星歯車機構540は、太陽歯車541と、複数の遊星歯車542と、第1構成要素の一例としての遊星キャリア543と、内歯車544とを備える。遊星歯車機構540は、太陽歯車541、遊星キャリア543および内歯車544の3つの構成要素のうち、1つの構成要素の回転が止められた状態となると、残りの構成要素が連動して回転する構造となっている。
【0207】
太陽歯車541は、二段ギヤである。太陽歯車541は、大径ギヤ部541Aと、大径ギヤ部541Aよりも直径が小さい小径ギヤ部541Bとを有する。
【0208】
複数の遊星歯車542は、小径ギヤ部541Bの周囲に配置され、小径ギヤ部541Bと噛み合っている。複数の遊星歯車542は、遊星キャリア543に回転可能に取り付けられている。
【0209】
遊星キャリア543は、太陽歯車541の回転軸を中心にして回転可能である。遊星キャリア543は、外周面に複数の爪543Aを有する。
【0210】
内歯車544は、リング状の部材である。内歯車544は、内周面に位置する内歯544Aと、外周面に位置する外歯544Bとを有する。内歯544Aは、遊星歯車542と噛み合う。なお、
図26(a)や後述する
図27(a)等においては、便宜上、内歯車544の内歯544Aや遊星歯車542等の図示は省略する。
【0211】
内歯車544の外歯544Bは、モータMの駆動力が入力されるギヤG51と噛み合っている。本実施形態では、内歯車544は、モータMの駆動力が入力される入力ギヤの一例である。なお、内歯車544とモータMは、直接連結されていてもよいし、複数のギヤを介して間接的に連結されていてもよい。また、その他のギヤについても、同様に、2つのギヤの連結は、直接または間接的であってもよい。
【0212】
太陽歯車541の大径ギヤ部541Aは、第2分離ローラ112および第2ピックアップローラ111に駆動力を出力するギヤG52と噛み合っている。
【0213】
遊星キャリア543の回転が止められた状態では、モータMからの駆動力が遊星歯車機構540を介して第2分離ローラ112および第2ピックアップローラ111に伝達される。遊星キャリア543の回転が許容された状態では、ギヤG52等が太陽歯車541の回転に対する抵抗になって太陽歯車541の回転を止めることで、モータMからの駆動力が遊星キャリア543に伝達され、遊星キャリア543が空転するようになっている。つまり、遊星キャリア543の回転が許容された状態では、モータMからの駆動力が第2ピックアップローラ111に伝達されず、第2ピックアップローラ111が回転しないようになっている。
【0214】
伝達切替レバーLtは、遊星キャリア543の回転を、止める、または、許容するためのレバーである。伝達切替レバーLtは、
図31(b)に示す伝達位置と、
図27(b)に示す非伝達位置との間で回動可能となっている。伝達切替レバーLtは、伝達位置に位置するとき、遊星キャリア543の爪543Aに引っ掛かって、遊星キャリア543の回転を止める。これにより、伝達切替レバーLtは、伝達位置に位置するとき、伝達切替機構510を伝達状態にさせる。
【0215】
伝達切替レバーLtは、非伝達位置に位置するとき、遊星キャリア543の爪543Aから外れることで、遊星キャリア543の回転を許容する。これにより、伝達切替レバーLtは、非伝達位置に位置するとき、伝達切替機構510を非伝達状態にさせる。伝達切替レバーLtは、図示しないバネにより、非伝達位置から伝達位置に向けて付勢されている。
【0216】
カム511は、伝達切替レバーLtを伝達位置と非伝達位置とに切り替えるためのカムである。
図27(b)に示すように、カム511は、カム面F1と、退避面F2とを有する。
【0217】
カム面F1は、セクタギヤ550の回転軸を中心とする円筒面である。カム面F1は、伝達切替レバーLtと接触可能である。退避面F2は、カム面F1よりもセクタギヤ550の回転軸側に退避している。
【0218】
図31(b)の状態からカム511が回動して、カム面F1が伝達切替レバーLtと接触すると、カム面F1は、伝達切替レバーLtをバネの付勢力に抗して伝達位置から非伝達位置に移動させる。
図27(b)の状態からカム511が回動して、伝達切替レバーLtがカム面F1から外れて、退避面F2が伝達切替レバーLtと向かい合うと、伝達切替レバーLtが、バネの付勢力により、非伝達位置から伝達位置に移動する。
【0219】
カム511は、圧板作動機構520の後述するセクタギヤ550と連動して回動する。詳しくは、カム511は、セクタギヤ550の回転軸を中心に、セクタギヤ550とともに回動する。
【0220】
セクタギヤ550は、後述するように、第2角度の一例としての180°ずつ回動するように構成されている。これにより、カム511は、セクタギヤ550が180°回動するごとに、
図31(b)の位置または
図27(b)の位置に切り替えられ、伝達切替レバーLtが伝達位置または非伝達位置に切り替えられるようになっている。そのため、伝達切替機構510は、セクタギヤ550が180°回動するごとに状態が伝達状態または非伝達状態に切り替えられるように構成される。
【0221】
図26(a)に示すように、圧板作動機構520は、モータMの駆動力を利用して圧板102を作動させる作動状態と、モータMの駆動力を遮断して圧板102を作動させない非作動状態とに切り替え可能な機構である。圧板作動機構520は、前述した内歯車544と、セクタギヤ550と、連動ギヤ560と、バネ521と、移動ギヤ522と、ギヤユニット570と、押上部材580とを備える。
【0222】
図27(a)に示すように、セクタギヤ550は、外周面に、第1歯部551と、第2歯部552と、第1欠歯部553と、第2欠歯部554とを有する。第1歯部551および第2歯部552は、内歯車544の外歯544Bと噛み合うことが可能な部分である。第1欠歯部553および第2欠歯部554は、内歯車544の外歯544Bと噛み合うことができない部分である。第1歯部551、第2歯部552、第1欠歯部553および第2欠歯部554は、セクタギヤ550の外周面において、第1欠歯部553、第1歯部551、第2欠歯部554、第2歯部552の順で並んでいる。
【0223】
詳しくは、第1欠歯部553から、セクタギヤ550の回動方向(
図28参照)の上流側に向けて、第1歯部551、第2欠歯部554、第2歯部552の順で並んでいる。ここで、セクタギヤ550の回動方向とは、内歯車544からセクタギヤ550が駆動力を受けているときのセクタギヤ550の回動方向であり、図の時計回りの方向をいう。
【0224】
セクタギヤ550の回動方向において、第1欠歯部553は、第2歯部552の上流側に位置する。セクタギヤ550の回動方向において、第1歯部551は、第1欠歯部553の上流側に位置する。セクタギヤ550の回動方向において、第2欠歯部554は、第1歯部551の上流側に位置する。セクタギヤ550の回動方向において、第2歯部552は、第2欠歯部554の上流側に位置する。
【0225】
セクタギヤ550は、第1突起555と、第2突起556と、バネ接触部557とを有する。第1突起555、第2突起556およびバネ接触部557は、セクタギヤ550の軸方向における一方側の面から突出する。第1突起555および第2突起556は、後述するセクタレバーLsが引っ掛かることが可能な突起である。
【0226】
第1突起555にセクタレバーLsが引っ掛かっているとき、第1欠歯部553が、内歯車544と向かい合い、内歯車544からセクタギヤ550に駆動力は伝達されない。
図31(a)に示すように、第2突起556にセクタレバーLsが引っ掛かっているとき、第2欠歯部554が、内歯車544と向かい合い、内歯車544からセクタギヤ550に駆動力は伝達されない。
【0227】
図26(a)に示すように、バネ接触部557は、バネ521が接触する部分である。バネ521は、セクタギヤ550の回動方向にセクタギヤ550を付勢するバネである。バネ521は、例えばトーションバネである。バネ521の一端は、バネ接触部557に接触する。バネ521の他端は、本体筐体10の一部13に接触する。
【0228】
連動ギヤ560は、セクタギヤ550とともに回動するギヤである。連動ギヤ560は、セクタギヤ550の軸方向の他方側の面に固定または一体に形成されている。
図27(b)に示すように、連動ギヤ560は、セクタギヤ550が位置する面とは反対の面に、前述したカム511を有する。カム511は、連動ギヤ560に固定または一体に形成されている。
【0229】
図27(a)に示すように、連動ギヤ560は、外周面に、第3歯部561と、第4歯部562と、第3欠歯部563と、第4欠歯部564とを有する。第3歯部561および第4歯部562は、後述する連結位置(二点鎖線の位置)に位置する移動ギヤ522と噛み合うことが可能な部分である。第3歯部561および第4歯部562の歯数は、後述する下流ギヤ572を180°回動させることが可能な数となっている。詳しくは、第3歯部561および第4歯部562の歯数は、後述する上流ギヤ571を、第1角度に180°を加えた角度だけ回動させることが可能な数となっている。
【0230】
第3欠歯部563および第4欠歯部564は、連結位置に位置する移動ギヤ522と噛み合うことができない部分である。第3歯部561、第4歯部562、第3欠歯部563および第4欠歯部564は、連動ギヤ560の外周面において、第3欠歯部563、第3歯部561、第4欠歯部564、第4歯部562の順で並んでいる。
【0231】
詳しくは、第3欠歯部563から、連動ギヤ560の回動方向の上流側に向けて、第3歯部561、第4欠歯部564、第4歯部562の順で並んでいる。ここで、連動ギヤ560の回動方向とは、セクタギヤ550の回動方向と同じ方向である。
【0232】
連動ギヤ560の回動方向において、第3欠歯部563は、第4歯部562の上流側に位置する。連動ギヤ560の回動方向において、第3歯部561は、第3欠歯部563の上流側に位置する。連動ギヤ560の回動方向において、第4欠歯部564は、第3歯部561の上流側に位置する。連動ギヤ560の回動方向において、第4歯部562は、第4欠歯部564の上流側に位置する。
【0233】
第1突起555にセクタレバーLsが引っ掛かっているとき、第3欠歯部563は、移動ギヤ522と向かい合う。
図31(a)に示すように、第2突起556にセクタレバーLsが引っ掛かっているとき、第4欠歯部564は、移動ギヤ522と向かい合う。
【0234】
図27(a)に示すように、移動ギヤ522は、図に二点鎖線で示す連結位置と、実線で示す離脱位置との間で移動可能である。移動ギヤ522は、連結位置に位置するとき、連動ギヤ560の第3歯部561または第4歯部562に噛み合うことが可能となっている。これにより、移動ギヤ522は、連結位置に位置するとき、セクタギヤ550から駆動力を受けることが可能となっている。
【0235】
移動ギヤ522は、離脱位置に位置するとき、連動ギヤ560の第3歯部561または第4歯部562に噛み合うことができない。これにより、移動ギヤ522は、離脱位置に位置するとき、セクタギヤ550から駆動力を受けることができない。移動ギヤ522は、後述するセクタレバーLsに回転可能に支持されている。
【0236】
ギヤユニット570は、移動ギヤ522から伝達される駆動力によって圧板102を作動させる機能を有する。詳しくは、ギヤユニット570は、移動ギヤ522から伝達される駆動力を、押上部材580に伝達させることで、圧板102を作動させる。
【0237】
ギヤユニット570は、上流ギヤ571と、下流ギヤ572と、バネ573とを備える。上流ギヤ571は、連結位置に位置する移動ギヤ522と噛み合っている。なお、本実施形態では、上流ギヤ571は、移動ギヤ522が離脱位置に位置する場合でも、移動ギヤ522と噛み合う。
【0238】
上流ギヤ571は、2つの溝571Aを有する。各溝571Aは、上流ギヤ571の回動軸を中心とする円弧状に形成されている。2つの溝571Aは、上流ギヤ571の回動軸に対して点対称となっている。
【0239】
下流ギヤ572は、上流ギヤ571が第1角度以上回動した場合に、上流ギヤ571とともに回動するギヤである。ここで、第1角度は、180°未満の角度であり、本実施形態では、90°未満の角度となっている。
【0240】
下流ギヤ572は、2つの突起572Aを有する。突起572Aは、上流ギヤ571の溝571Aに入る。詳しくは、一方の突起572Aは一方の溝571Aに入り、他方の突起572Aは他方の溝571Aに入る。
【0241】
一方の突起572Aは、上流ギヤ571の回動方向において、一方の溝571Aの上流側の端E1から離れている。ここで、上流ギヤ571の回動方向は、モータMの駆動力で上流ギヤ571が回動する方向である。他方の突起572Aは、上流ギヤ571の回動方向において、他方の溝571Aの上流側の端E1から離れている。
【0242】
バネ573は、上流ギヤ571を初期位置に向けて付勢するバネである。ここで、初期位置とは、上流ギヤ571にモータMの駆動力が入力されていないときの上流ギヤ571の位置をいう。圧板102が離間位置に位置するときの初期位置は、
図27(a)に示す位置である。圧板102が接触位置に位置するときの初期位置は、
図31(a)に示す位置、つまり
図27(a)に示す位置から180°回動した位置である。
【0243】
バネ573は、一方の溝571A内と他方の溝571A内のそれぞれに1つずつ配置されている。一方のバネ573は、一方の突起572Aと一方の溝571Aの上流側の端E1の間に位置する。他方のバネ573は、他方の突起572Aと他方の溝571Aの上流側の端E1の間に位置する。
【0244】
下流ギヤ572は、上流ギヤ571からバネ573を介して駆動力が伝達される。詳しくは、
図29に示すように、上流ギヤ571が初期位置から第1角度未満の範囲で回動する場合、バネ573が上流ギヤ571と下流ギヤ572の間で縮められるだけで、下流ギヤ572は回動しない。
図30に示すように、上流ギヤ571が初期位置から第1角度以上回動した場合、上流ギヤ571がバネ573を介して下流ギヤ572を押すことで、下流ギヤ572が上流ギヤ571とともに回動する。
【0245】
連動ギヤ560の第3歯部561または第4歯部562のすべての歯が移動ギヤ522の歯を押した場合、下流ギヤ572は、180°回動する。下流ギヤ572は、押上ギヤ581と噛み合っている。そのため、下流ギヤ572が180°回動するたびに、押上部材580も180°ずつ回動する。
【0246】
図26(a)に示すように、切替機構530は、圧板作動機構520の状態を切り替えるための機構である。切替機構530は、セクタレバーLsと、ソレノイドアクチュエータSAと、バネ531とを備える。
【0247】
セクタレバーLsは、図に実線で示す回動規制位置と、二点鎖線で示す回動許容位置との間で回動可能である。セクタレバーLsは、回動規制位置に位置するとき、セクタギヤ550の第1突起555または第2突起556に引っ掛かることで、バネ521の付勢力によるセクタギヤ550の回動を止める。セクタレバーLsは、回動許容位置に位置するとき、セクタギヤ550の第1突起555または第2突起556から外れることで、バネ521の付勢力によるセクタギヤ550の回動を許容する。
【0248】
セクタレバーLsの一端部は、第1突起555または第2突起556に引っ掛かる。セクタレバーLsの他端部は、移動ギヤ522を回転可能に支持する。セクタレバーLsの回動軸は、セクタレバーLsの一端部と他端部の間に位置する。
【0249】
セクタレバーLsが回動規制位置に位置するとき、移動ギヤ522が離脱位置に位置する。セクタレバーLsが回動許容位置に位置するとき、移動ギヤ522が連結位置に位置する。
【0250】
ソレノイドアクチュエータSAは、セクタレバーLsを回動規制位置と回動許容位置との間で動かすためのアクチュエータである。ソレノイドアクチュエータSAは、進退可能なピストンSA1を有する。ピストンSA1は、セクタレバーLsに引っ掛かっている。ピストンSA1は、図に示す前進位置と、図示しない後退位置との間で移動可能となっている。
【0251】
バネ531は、セクタレバーLsを、回動許容位置から回動規制位置に向けて付勢する。
【0252】
ソレノイドアクチュエータSAに通電すると、ソレノイドアクチュエータSAが作動して、ピストンSA1は、前進位置から後退位置に移動して、セクタレバーLsを引っ張る。これにより、セクタレバーLsが、バネ531の付勢力に抗して回動規制位置から回動許容位置に移動する。
【0253】
ソレノイドアクチュエータSAへの通電が停止されると、ピストンSA1は、後退位置から前進位置に移動する。これにより、セクタレバーLsが、バネ531の付勢力によって、回動許容位置から回動規制位置に移動する。
【0254】
図26(a)に示すように、制御部CTは、CPU,ROM,RAM、不揮発性メモリなどを有し、予め用意されたプログラムに基づいて各種制御を行うように構成される。制御部CTは、複数枚のシートSの印刷を実行する場合、圧板102を離間位置から接触位置に移動させた後、圧板102を接触位置から動かさずに、第2ピックアップローラ111を断続的に駆動させることで複数枚のシートSを搬送する機能を有する。
【0255】
以下に、制御部CTの動作について詳細に説明する。なお、制御部CTが印刷指示を受けていない状態においては、各部品の位置は
図26(a)の位置となっている。
【0256】
制御部CTは、複数枚のシートSを印刷するための印刷指示を受けると、まず、モータMを回転させる。これにより、ギヤG51、内歯車544および遊星キャリア543が回転する。
【0257】
その後、制御部CTは、ソレノイドアクチュエータSAに通電して、ソレノイドアクチュエータSAを作動させると、
図28(a)に示すように、セクタレバーLsが回動規制位置から回動許容位置に回動する。これにより、セクタレバーLsがセクタギヤ550の第1突起555から外れるとともに、移動ギヤ522が離脱位置から連結位置に移動する。
【0258】
制御部CTは、印刷指示を受けてから最初にソレノイドアクチュエータSAへの通電を行う場合、通電時間を、圧板102を離間位置から接触位置に移動させるために必要な第1時間とする。これにより、ソレノイドアクチュエータSAの作動時間が第1時間となり、セクタレバーLsが、第1時間の間、回動許容位置に維持される。
【0259】
セクタレバーLsが第1突起555から外れると、
図26(a)に示すバネ521の付勢力によって、
図28(a),(b)に示すように、セクタギヤ550、連動ギヤ560およびカム511が回動する。これにより、セクタギヤ550の第1歯部551が内歯車544と噛み合うとともに、連動ギヤ560の第3歯部561が、連結位置に位置する移動ギヤ522と噛み合う。
【0260】
なお、本実施形態では、第1歯部551が内歯車544に噛み合う第1タイミングと、第3歯部561が移動ギヤ522に噛み合う第2タイミングを略同時としているが、第1タイミングよりも第2タイミングが遅いタイミングであればよい。
【0261】
セクタギヤ550が内歯車544と連結し、連動ギヤ560が移動ギヤ522と連結すると、モータMの駆動力が、内歯車544からセクタギヤ550および連動ギヤ560を介して、移動ギヤ522に伝達される。これにより、移動ギヤ522および上流ギヤ571が回動する。
【0262】
上流ギヤ571が回動すると、
図29(a)に示すように、上流ギヤ571と下流ギヤ572の間でバネ573が縮められていく。この間、下流ギヤ572は動かない。
【0263】
上流ギヤ571が初期位置から第1角度以上回動すると、
図30(a)に示すように、上流ギヤ571がバネ573を介して下流ギヤ572を押すので、下流ギヤ572が上流ギヤ571とともに回動する。下流ギヤ572が回動すると、押上部材580が離間対応位置から接触対応位置に向けて回動して、圧板102が離間位置から接触位置に向けて回動する。
【0264】
連動ギヤ560の第3歯部561が、連結位置に位置する移動ギヤ522から外れると、
図31(a)に示すように、下流ギヤ572が初期位置から180°回動した位置で止まる。これにより、押上部材580が接触対応位置で止まり、圧板102が接触位置に維持される。
【0265】
また、連動ギヤ560の第3歯部561が移動ギヤ522から外れると、バネ573の付勢力により、停止した状態の下流ギヤ572に対して上流ギヤ571が回動して、初期位置に移動する。
【0266】
制御部CTは、ソレノイドアクチュエータSAへの通電開始から第1時間経過すると、通電を停止する。なお、第1時間は、ソレノイドアクチュエータSAへの通電開始から、下流ギヤ572が初期位置から180°回動するまでの時間よりも長い時間に設定されている。
【0267】
ソレノイドアクチュエータSAへの通電が停止されると、セクタレバーLsが回動許容位置から回動規制位置に回動する。これにより、セクタレバーLsがセクタギヤ550の第2突起556と引っ掛かることが可能になるとともに、移動ギヤ522が連結位置から離脱位置に移動する。
【0268】
セクタギヤ550の第1歯部551が内歯車544から外れると、モータMの駆動力がセクタギヤ550に伝わらなくなるが、セクタギヤ550は、バネ521の付勢力によって回動する。これにより、セクタギヤ550の第2突起556が、回動規制位置に位置するセクタレバーLsと係合して、セクタギヤ550の回動が止められる。つまり、セクタギヤ550は、
図27(a)の位置から180°回動した位置で止まる。
【0269】
セクタギヤ550が180°回動することで、
図27から
図31の(b)に示すように、カム511も180°回動する。これにより、カム511のカム面F1が伝達切替レバーLtから外れるので、伝達切替レバーLtが非伝達位置から伝達位置に移動する。これにより、伝達切替機構510の状態が非伝達状態から伝達状態に切り替えられる。
【0270】
伝達切替レバーLtが非伝達位置から伝達位置に移動すると、遊星キャリア543の回転が止められる。これにより、太陽歯車541が内歯車544とともに回転するので、第2ピックアップローラ111が回転して、1枚目のシートSの搬送が開始される。
【0271】
制御部CTは、回転する第2ピックアップローラ111によってシートSをレジストレーションローラ26まで搬送するために、ソレノイドアクチュエータSAへの通電を停止してから所定時間後に、ソレノイドアクチュエータSAへの通電を第2時間だけ行う。ここで、第2時間は、上流ギヤ571が第1角度以上回転しない時間であり、第1時間よりも短い。
【0272】
ソレノイドアクチュエータSAの作動時間が第2時間である場合には、
図32から
図34の(a)に示すように、移動ギヤ522は、第2時間だけ連結位置に位置した後、離脱位置に移動する。これにより、モータMの駆動力は、上流ギヤ571に第2時間だけ伝達されるので、上流ギヤ571は、第1角度未満の小さな角度だけ回動した後、バネ573の付勢力で初期位置に戻される。そのため、ソレノイドアクチュエータSAの作動時間が第2時間である場合には、下流ギヤ572が回動しない。これにより、圧板102の位置が接触位置に維持される。
【0273】
一方、セクタギヤ550は、ソレノイドアクチュエータSAの作動時間が第2時間である場合にも、180°回動した後、止まる。詳しくは、セクタギヤ550は、セクタレバーLsが第2突起556から外れた後、バネ521の付勢力や内歯車544からの駆動力によって180°回動し、その後、第1突起555がセクタレバーLsに引っ掛かることで止まる。これにより、
図32から
図34の(b)に示すように、カム511のカム面F1が伝達切替レバーLtを押すので、伝達切替レバーLtが伝達位置から非伝達位置に移動して、伝達切替機構510の状態が伝達状態から非伝達状態に切り替えられる。
【0274】
その後、制御部CTは、ソレノイドアクチュエータSAへの通電を第2時間だけ行う短時間通電処理を、残りのシートSに応じた回数行う。具体的には、制御部CTは、シートSを1枚分搬送するために、短時間通電処理を2回行うことで、伝達切替機構510の状態を、非伝達状態から伝達状態に切り替えた後、伝達状態から非伝達状態に切り替える。1枚分のシートSに対応した2回の短時間通電処理の間隔は、1枚分のシートSをレジストレーションローラ26まで搬送するための時間に対応した間隔に設定されている。
【0275】
制御部CTは、最後のシートSを搬送する場合、短時間通電処理を1回行った後、ソレノイドアクチュエータSAへの通電を第1時間行う長時間通電処理を1回行う。これにより、短時間通電処理により、圧板102の位置が接触位置に維持されたままシートSの搬送が開始され、長時間通電処理により、第2ピックアップローラ111の回転が停止するとともに、圧板102の位置が離間位置に戻される。
【0276】
つまり、制御部CTは、複数枚のシートSを印刷する場合、最初のシートSに対しては、長時間通電処理を行った後、短時間通電処理を行うことで、圧板102を接触位置に移動させるとともに、最初のシートSを搬送する。残りのシートSのうち最後のシートS以外のシートSを印刷する場合、制御部CTは、1枚のシートSに対して、2回の短時間通電処理を行うことで、圧板102を接触位置に維持したまま、シートSを1枚ずつ搬送する。最後のシートSを印刷する場合、制御部CTは、短時間通電処理を行った後、長時間通電処理を行うことで、最後のシートSを搬送した後、圧板102を離間位置に移動させる。
【0277】
以上、第5実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
圧板102が接触位置に位置する状態において、ソレノイドアクチュエータSAを第1時間よりも短い第2時間で作動させると、圧板102が接触位置に維持された状態で伝達切替機構510の状態が伝達状態または非伝達状態に切り替えられる。そのため、複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102を接触位置に維持させたまま、第2ピックアップローラ111の駆動と停止を切り替えることができるので、複数枚のシートSを印刷する場合において、圧板102の動きによる音の発生を抑えることができる。
【0278】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第6実施形態は、前記した第5実施形態に係るギヤユニット570の位置を変更したものであるため、第5実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0279】
図35に示すように、第2実施形態に係るギヤユニット570の上流ギヤ571は、連結位置に位置する移動ギヤ522とは噛み合い、離脱位置に位置する移動ギヤ522とは噛み合わない位置に位置している。第2実施形態によれば、移動ギヤ522をスムーズに移動させることができる。
【0280】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0281】
第5実施形態において、移動ギヤは、直線的に移動可能であってもよい。
【0282】
第5実施形態において、セクタレバーと移動ギヤが別の駆動源で移動する構成であってもよい。この場合、制御部が、第1駆動源を駆動してセクタレバーを回動許容位置に移動させ、第2駆動源を駆動して移動ギヤを連結位置に移動させてもよい。また、制御部が、第1駆動源を駆動してセクタレバーを回動規制位置に移動させ、第2駆動源を駆動して移動ギヤを離脱位置に移動させてもよい。
【0283】
伝達切替レバーは、伝達位置と非伝達位置とに切り替え可能であればよく、例えば、直線的に移動可能であってもよい。
【0284】
伝達切替レバーが引っ掛かる遊星歯車機構の第1構成要素は、太陽歯車または内歯車であってもよい。
【0285】
第5実施形態において、カムとセクタギヤは一体でなくてもよく、それぞれ別体であってもよい。この場合、例えば、カムとセクタギヤが、ギヤ歯によって直接連結、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されていてもよい。
【0286】
第5実施形態において、連動ギヤとセクタギヤは一体でなくてもよく、それぞれ別体であってもよい。この場合、例えば、連動ギヤとセクタギヤが、ギヤ歯によって直接連結、または、所定数のギヤを介して間接的に連結されていてもよい。
【0287】
伝達切替機構は、例えば振子ギヤなどであってもよい。この場合、振子ギヤは、モータの駆動力を供給ローラに伝達させる伝達位置と、モータの駆動力を供給ローラに伝達させない非伝達位置との間で回動可能である。また、振子ギヤは、セクタギヤが第2角度回動するごとに、伝達位置と非伝達位置とに切り替えられる。
【0288】
第5実施形態において、第2角度は、180°に限らず、例えば、120°や90°などであってもよい。第2角度が120°の場合、セクタギヤの歯部および欠歯部は、3つであってもよい。第2角度が90°の場合、セクタギヤの歯部および欠歯部は、4つであってもよい。
【0289】
圧板作動機構は、前記実施形態の構造に限らず、どのような構造であってもよい。
【0290】
第5実施形態では、セクタレバーLs、ソレノイドアクチュエータSA、カム511および伝達切替レバーLtによって、圧板作動機構と伝達切替機構の状態を切り替えたが、本発明はこれに限定されない。ソレノイドアクチュエータを用いて、圧板作動機構および伝達切替機構の状態を切り替え可能であれば、どのような構造であってもよい。詳しくは、ソレノイドアクチュエータの作動時間が第1時間である場合に、圧板作動機構の状態が作動状態に切り替えられて圧板が移動するとともに、伝達切替機構の状態が伝達状態または非伝達状態に切り替えられ、ソレノイドアクチュエータの作動時間が第1時間よりも短い第2時間である場合に、圧板作動機構の状態が作動状態に切り替えられず圧板の位置が維持されるとともに伝達切替機構の状態が伝達状態または非伝達状態に切り替えられる構造であればよい。
【0291】
第5実施形態において、連動ギヤは、必ずしも必要ではない。この場合、例えば、移動ギヤを、セクタギヤに噛み合う連結位置と、セクタギヤから外れる離脱位置との間で移動可能としてもよい。
【0292】
第5実施形態において、入力ギヤは、内歯車に限らず、例えば第5実施形態の内歯車に直接または間接的に噛み合うギヤであってもよい。
【0293】
バネは、前記実施形態に限らず、線バネ、板バネなどのその他のバネであってもよい。
【0294】
前記実施形態では、シートの幅方向において、押上部材の接触部の全体が供給ローラの範囲内に位置する構成を例示したが、シートの幅方向において、押上部材の接触部の少なくとも一部が、供給ローラの範囲内に位置していればよい。例えば、シートの幅方向において、接触部の一部のみが、供給ローラの範囲内に位置していてもよい。
【0295】
供給ローラは、手差しトレイのシートに対して幅方向の中央とは異なる位置に位置していてもよい。
【0296】
圧板および押上部材は、直線的に移動可能となっていてもよい。
【0297】
第1構成要素、第2構成要素および第3構成要素は、前記実施形態で例示した部材に限らず、適宜変更可能である。
【0298】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0299】
1 画像形成装置
10 本体筐体
10A 開口
50 ドロワ
52 現像カートリッジ
101 手差しトレイ
102 圧板
111 第2ピックアップローラ
150 押上部材
151A 接触部