(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052299
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/20 20060101AFI20240404BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240404BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240404BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G03G21/20
G03G21/16 161
G03G15/00 460
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158912
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】古山 達也
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
2H171
2H270
【Fターム(参考)】
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LB06
2C058LB36
2H072HB00
2H171FA04
2H171FA06
2H171FA19
2H171GA23
2H171LA03
2H171NA03
2H171QA02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA34
2H270KA57
2H270SA09
2H270SB16
2H270SC21
(57)【要約】
【課題】定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(1)では、筐体(10)と、シート(S)に画像を形成するプロセス部(4)と、シート(S)に画像を定着させる定着器(45)と、シート(S)を切断するための切断刃を有する切断機構(100)と、筐体(10)の外部に排気するファン(F)と、切断刃を移動させるための駆動モータ(M1)と、を備える。ファン(F)は、上下方向において、定着器(45)と駆動モータ(M1)との間に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
シートに画像を形成するプロセス部と、
シートに画像を定着させる定着器と、
前記定着器よりもシートの搬送方向の下流に配置され、前記シートを切断するための切断刃を有するカッターと、
前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排気するファンと、
前記切断刃を移動させるための駆動モータと、を備え、
前記ファンは、上下方向において、前記定着器と前記駆動モータとの間に配置されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記カッターは、
無端状のベルトと、シートの幅方向において前記ベルトを架け渡した一対のプーリと、をさらに備え、
前記ベルトには、前記切断刃が固定され、
前記駆動モータは、前記幅方向の一端側に配置されて前記一対のプーリの一方を駆動する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動モータは、シートの幅方向において前記定着器よりも外側に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ファンは、前記筐体における、シートの幅方向の一端側に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記筐体における、シートの幅方向の他端側に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記駆動モータの回転位置を検出するエンコーダをさらに備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記駆動モータは、ステッピングモータである、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記駆動モータは、前記上下方向において、前記切断刃がシートを切断する切断位置よりも上方に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
シートの幅方向の少なくとも一端側において、前記切断刃の前記幅方向の位置を検知する位置検知センサをさらに備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ファンは、前記上下方向において、前記駆動モータよりも前記定着器に近い位置に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記筐体の内部には、前記上下方向において、前記定着器よりも上方で、シートの幅方向に延びるダクトが配置されており、
前記ファンには、前記ダクトの前記幅方向の一端が接続されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、
前記プロセス部、前記定着器、及び前記カッターにシートを搬送するための駆動力を伝達する駆動伝達機構をさらに備え、
前記駆動伝達機構は、前記感光ドラム、前記現像ローラ、前記転写部、及び前記定着器の少なくとも1つを駆動するためのメインモータを有し、
前記メインモータは、シートの幅方向において、前記駆動モータとは反対側に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記幅方向は、搬送されるシートの搬送方向と交差する方向である、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、
前記プロセス部、前記定着器、及び前記カッターにシートを搬送するための駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
制御基板と、をさらに備え、
前記駆動伝達機構は、前記感光ドラム、前記現像ローラ、前記転写部、及び前記定着器の少なくとも1つを駆動するためのメインモータを有し、
前記駆動モータ、前記制御基板、及び前記メインモータは、シートの幅方向において、同じ側に配置されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記幅方向は、搬送されるシートの搬送方向と交差する方向である、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
筐体と、
シートに画像を形成するプロセス部と、
シートに画像を定着させる定着器と、
前記定着器よりもシートの搬送方向の下流に配置され、前記シートを切断するための切断刃を有するカッターと、
前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排気するファンと、
前記切断刃を移動させるための駆動モータと、を備え、
前記駆動モータは、シートの幅方向の一端側に配置され、
前記ファンは、シートの幅方向の他端側に配置されている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリンタなどの画像形成装置としては、画像形成対象のシートを加熱して現像剤像を定着させる定着器を備えたものが知られている。また、従来の画像形成装置として、例えば、下記特許文献1には、定着部の上方に設けられ、用紙が排出される排出部、及び定着部と排出部との間に設けられ、用紙を切断するカッターを設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術では、定着部で生じた熱がカッターを介してカッターを駆動する駆動モータに伝わることを抑制できないおそれがあった。
【0005】
本開示は、定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、筐体と、シートに画像を形成するプロセス部と、シートに画像を定着させる定着器と、前記定着器よりもシートの搬送方向の下流に配置され、前記シートを切断するための切断刃を有するカッターと、前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排気するファンと、前記切断刃を移動させるための駆動モータと、を備え、前記ファンは、上下方向において、前記定着器と前記駆動モータとの間に配置されている。
【0007】
上記構成によれば、ファンが、上下方向において、定着器と駆動モータとの間に配置されている。これにより、定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを抑制することができる画像形成装置を構成することができる。
【0008】
本開示の画像形成装置では、前記カッターは、無端状のベルトと、シートの幅方向において前記ベルトを架け渡した一対のプーリと、をさらに備え、前記ベルトには、前記切断刃が固定され、前記駆動モータは、前記幅方向の一端側に配置されて前記一対のプーリの一方を駆動してもよい。
【0009】
上記構成によれば、駆動モータが、一対のプーリの一方を駆動することにより、切断刃を動作させて切断刃による切断を適切に行うことができる。
【0010】
本開示の画像形成装置では、前記駆動モータは、シートの幅方向において前記定着器よりも外側に配置されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、ファンは定着器で生じた熱を確実に筐体の外部に排気することができ、定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを確実に抑制することができる。
【0012】
本開示の画像形成装置では、前記ファンは、前記筐体における、シートの幅方向の一端側に配置されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、ファンと駆動モータとがともに幅方向の一端側に配置されることとなり、ファンは定着器から駆動モータへの伝熱を効率よく抑えることができる。これにより、駆動モータでの昇温を確実に抑制することができる。
【0014】
本開示の画像形成装置では、前記ファンは、前記筐体における、シートの幅方向の他端側に配置されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、ファン及び駆動モータがそれぞれ幅方向の他端側及び一端側に配置されることとなり、ファンは定着器で生じた熱が駆動モータに伝わる前に筐体の外部に排熱することができる。これにより、駆動モータでの昇温を確実に抑制することができる。
【0016】
本開示の画像形成装置では、前記駆動モータの回転位置を検出するエンコーダをさらに備えてもよい。
【0017】
上記構成によれば、エンコーダを用いて、切断刃の動作位置を正確に把握して切断刃を適切に動作することができる。
【0018】
本開示の画像形成装置では、前記駆動モータは、ステッピングモータであってもよい。
【0019】
上記構成によれば、駆動モータによる、切断刃の動作を精度よく行うことができる。
【0020】
本開示の画像形成装置では、前記駆動モータは、前記上下方向において、前記切断刃がシートを切断する切断位置よりも上方に配置されてもよい。
【0021】
上記構成によれば、カッターがシートを切断した際に生じる塵が駆動モータに付着することを抑制することができ、駆動モータに故障等が生じるのを抑えることができる。
【0022】
本開示の画像形成装置では、シートの幅方向の少なくとも一端側において、前記切断刃の前記幅方向の位置を検知する位置検知センサをさらに備えてもよい。
【0023】
上記構成によれば、位置検知センサにより、切断刃の位置を容易に検知することができる。
【0024】
本開示の画像形成装置では、前記ファンは、前記上下方向において、前記駆動モータよりも前記定着器に近い位置に配置されてもよい。
【0025】
上記構成によれば、定着器から駆動モータに熱が伝わることをさらに抑制することができる。
【0026】
本開示の画像形成装置では、前記筐体の内部には、前記上下方向において、前記定着器よりも上方で、シートの幅方向に延びるダクトが配置されており、前記ファンには、前記ダクトの前記幅方向の一端が接続されてもよい。
【0027】
上記構成によれば、ファンに対して、定着器の熱を含んだ空気を効率よく送風することができる。この結果、定着器から駆動モータに熱が伝わることをさらに抑制することができる。
【0028】
本開示の画像形成装置では、前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、前記プロセス部、前記定着器、及び前記カッターにシートを搬送するための駆動力を伝達する駆動伝達機構をさらに備え、前記駆動伝達機構は、前記感光ドラム、前記現像ローラ、前記転写部、及び前記定着器の少なくとも1つを駆動するためのメインモータを有し、前記メインモータは、シートの幅方向において、前記駆動モータとは反対側に配置されてもよい。
【0029】
上記構成によれば、メインモータが幅方向において駆動モータの反対側に配置されているので、画像形成装置の重量バランスを容易に整えることができ、取扱い性に優れた画像形成装置を容易に構成することができる。
【0030】
本開示の画像形成装置では、前記幅方向は、搬送されるシートの搬送方向と交差する方向であってもよい。
【0031】
上記構成によれば、カッターの切断刃は搬送中のシートを幅方向に沿って切断することができる。
【0032】
本開示の画像形成装置では、前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、前記プロセス部、前記定着器、及び前記カッターにシートを搬送するための駆動力を伝達する駆動伝達機構と、制御基板と、をさらに備え、前記駆動伝達機構は、前記感光ドラム、前記現像ローラ、前記転写部、及び前記定着器の少なくとも1つを駆動するためのメインモータを有し、前記駆動モータ、前記制御基板、及び前記メインモータは、シートの幅方向において、同じ側に配置されてもよい。
【0033】
上記構成によれば、制御基板と駆動モータ及びメインモータとの各間の電気配線の引き回しを容易に行うことができ、電気配線の設置スペースの省スペース化を容易に図ることができる。
【0034】
本開示の画像形成装置では、前記幅方向は、搬送されるシートの搬送方向と交差する方向であってもよい。
【0035】
上記構成によれば、カッターの切断刃は搬送中のシートを幅方向に沿って切断することができる。
【0036】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、筐体と、シートに画像を形成するプロセス部と、シートに画像を定着させる定着器と、前記定着器よりもシートの搬送方向の下流に配置され、前記シートを切断するための切断刃を有するカッターと、前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排気するファンと、前記切断刃を移動させるための駆動モータと、を備え、前記駆動モータは、シートの幅方向の一端側に配置され、前記ファンは、シートの幅方向の他端側に配置されている。
【0037】
上記構成によれば、ファンと駆動モータとが幅方向の互いに反対側に配置されているので、ファンが定着器で生じた熱を含んだ空気を引っ張ってくることとなり、ファンは定着器で生じた熱が駆動モータに伝わる前に筐体の外部に排熱することができる。これにより、定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを抑制することができる画像形成装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0038】
本開示の一態様によれば、定着器からカッター駆動用の駆動モータに熱が伝わることを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【
図2】画像形成装置の要部構成の配置位置を説明する図である。
【
図3】
図1に示したキャリッジモータ、ファン、及び定着器の上下方向での位置関係を説明する図である。
【
図4】
図1に示した切断機構の具体的な構成を説明する図である。
【
図5】切断機構に設けられたエンコーダの具体的な構成例を説明する図である。
【
図6】
図2に示した駆動伝達機構の要部構成の具体例を説明する図である。
【
図7】上流搬送ローラ及び下流搬送ローラの駆動機構を説明する図である。
【
図8】本開示の実施形態2に係る画像形成装置の要部構成の配置位置を説明する図である。
【
図9】本開示の実施形態3に係る画像形成装置の要部構成の配置位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について
図1乃至
図3を参照しつつ説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例として、トナーを用いてシートSに画像を形成するレーザプリンタについて説明する。
【0041】
〔画像形成装置1の構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の概略構成を説明する図である。
図2は、画像形成装置1の要部構成の配置位置を説明する図である。
図3は、
図1に示したキャリッジモータM1、ファンF、及び定着器45の上下方向での位置関係を説明する図である。以下の説明では、
図1に示すように、画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義する。また、排出トレイTRが設けられている側を前として前後方向を定義する。また、
図1の紙面に垂直な方向において、紙面の手前側を左として左右方向を定義する。左右方向は、例えば、
図2に示すように、定着器45に定着処理されるシートSの幅方向と実質的に一致する。
【0042】
尚、以下の説明では、画像形成装置1として、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示する。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。また、本開示は、画像形成機能、すなわちプリント機能以外の機能、例えば、スキャナ機能、コピー機能、またはファクシミリ機能などの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)であってもよい。
【0043】
また、以下の説明では、カッターとしての切断機構100により、シートSを搬送方向で前後する2つの第1シートと第2シートとに完全に分けて切断する場合を例示して説明する。しかしながら、本開示は、シートSを切断するための切断刃を有するためのものであれば何等限定されない。具体的には、本開示は、シートSを切断するために、折り目を付ける折目加工をしてもよい。また、本開示は、シートSを切断するために、ミシン目を付けるミシン目加工をしてもよい。
【0044】
図1及び
図2に示すように、画像形成装置1は、筐体10と、給送部3と、プロセス部4と、定着器45と、排出トレイTRと、を備える。また、画像形成装置1は、切断機構100と、制御部Cと、ファンFと、駆動伝達機構MUと、を備える。駆動伝達機構MUは、メインモータM0を有する。
【0045】
筐体10は、画像形成装置1の外容器を構成しており、給送部3、プロセス部4、定着器45、切断機構100、駆動伝達機構MU、及び制御部C等の画像形成装置1の要部構成を収容している。
【0046】
〔給送部3の構成〕
給送部3は、シートSを供給する。給送部3は、給送トレイ31と、ピックアップローラ32と、押圧板33と、分離ローラ34と、給送ローラ35と、レジローラ36と、を備える。給送トレイ31は、上面が開放した箱状の部材であり、所定量のシートSを収容する。なお、シートとしては、印刷用紙などの紙媒体に限らず、他にも、例えばOHPシート等のプラスチックからなる樹脂媒体であってもよい。
【0047】
ピックアップローラ32は、給送トレイ31に収容されたシートSを送り出す。すなわち、シートSが送り出される場合、給送トレイ31に収容されたシートSは、押圧板33によってピックアップローラ32に寄せられ、ピックアップローラ32の回転に伴い分離ローラ34に給送される。分離ローラ34は、ピックアップローラ32が送り出したシートSを1枚ずつ分離する。給送ローラ35は、シートSをレジローラ36に向けて搬送する。レジローラ36は、シートSの先端の位置を揃えた後、プロセス部4に向けてシートSを搬送する。
【0048】
〔プロセス部4の構成〕
プロセス部4は、給送部3によって送り出されたシートSに画像を形成するプロセス処理を実行する。具体的にいえば、プロセス部4は、露光器41と、帯電器43と、感光ドラム46と、を有する。また、プロセス部4は、感光ドラム46上にトナーを供給する現像部44と、感光ドラム46上に供給されたトナーをシートSに転写する転写ローラを有する転写部42と、を有する。
【0049】
露光器41は、
図1に一点鎖線にて示す所定の光ビームBを感光ドラム46に照射することにより、感光ドラム46を露光する。具体的にいえば、露光器41は、図示しないレーザ光源と、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を備える。
【0050】
ポリゴンミラー41Gは正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ光源が出射した光ビームBを感光ドラム46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、メインモータM0とは異なるモータである。また、ポリゴンモータ41Mは、制御部Cに接続されており、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してポリゴンミラー41Gを回転駆動する。
【0051】
露光器41は、光ビームBをポリゴンミラー41Gにより偏向して、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光ドラム46の表面に光ビームBを出射する。露光器41は、光ビームBによって感光ドラム46の表面を走査して感光ドラム46を露光する。これにより、静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。ポリゴンモータ41Mは、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0052】
帯電器43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器を含む。この帯電器43では、図示しない高電圧生成回路により、帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光ドラム46の表面が一様に帯電される。なお、例えば、スコロトロン型の帯電器に代えて、帯電ローラを帯電器43が含む構成でもよい。
【0053】
現像部44は、感光ドラム46上に現像剤としてのトナーを供給するための現像ローラ44Rと、トナーを収容したトナー収容部44Aと、を備える。また、現像部44は、現像ローラ44Rとトナー収容部44Aとをトナーカートリッジとして一体的に構成されている。
【0054】
転写部42は、感光ドラム46との間でシートSを挟む転写ローラを備えており、感光ドラム46からトナー像をシートSに転写する。なお、例えば、転写ローラに代えて、転写ベルトを転写部42が含む構成でもよい。
【0055】
また、感光ドラム46と帯電器43とは、ドラムカートリッジ47として一体的に構成されている。このドラムカートリッジ47は、筐体10に対して、開口10Bから着脱可能になっている。具体的には、筐体10には、
図1に二点鎖線にて例示するように、開口10Bを開閉可能なフロントカバーFCが前面側に設けられている。フロントカバーFCが開口10Bを開放している場合、トナーカートリッジとしての現像部44またはドラムカートリッジ47を着脱し得る。また、フロントカバーFCには、フロントカバーFCの開閉状態を検知するセンサK5が設けられており、その検知結果を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0056】
なお、トナーカートリッジとしての現像部44とドラムカートリッジ47とが互いに分離可能なプロセスカートリッジを用いた場合について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、トナーカートリッジとドラムカートリッジとが分離不可能な一体的なプロセスカートリッジを用いることもできる。
【0057】
プロセス部4では、感光ドラム46の表面が帯電器43により一様に帯電された後、露光器41からの光ビームBにより、制御部Cからの印刷データに基づいた静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。また、現像ローラ44Rは、現像部44の内部からトナーを静電潜像が形成された感光ドラム46の表面に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム46の表面上にトナー像が形成される。その後、給送部3から給送されたシートSが、感光ドラム46と転写部42との間である転写位置に搬送されることによって感光ドラム46の表面上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。
【0058】
〔定着器45の構成〕
トナー像が転写されたシートSは、感光ドラム46及び転写部42によって、定着器45に搬送される。定着器45は、シートSに形成されたトナー像である、画像を定着させる。具体的には、定着器45は、感光ドラム46及び転写部42から搬送されるシートS上のトナー像を熱定着させる。トナー像が熱定着されたシートSは、中間排出ローラ37及び排出ローラ38によって排出トレイTR上に排出される。排出トレイTRは、
図1に実線にて示すように、筐体10の上面の露出部分に設けられたシートSの収容部である。また、排出トレイTRは、定着器45を通過したシートSを排出するための第1排出部を構成している。
【0059】
また、定着器45は、例えば、トナー像が形成されたシートSに接してシートSを加熱する加熱ローラ45HRと、図示しない押圧部によって加熱ローラ45HR側に押圧される加圧ローラ45PRと、加熱ローラ45HRを加熱するヒータ45Hと、を備える。また、定着器45では、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRの間に所定の圧力が加えられた状態で、シートSに対するトナー像の定着処理が行われる。
【0060】
また、加熱ローラ45HRの内部には、例えば、2つのヒータ45Hが設けられている。ヒータ45Hは、例えば、ハロゲンランプを用いて構成されている。ヒータ45Hは、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱ローラ45HRを内側から加熱する。
【0061】
具体的には、制御部Cは、図示しない通電回路の制御を行うことにより、通電回路からヒータ45Hへの供給電流を制御する。これにより、ヒータ45Hから加熱ローラ45HRへの加熱が、制御部Cによって制御される。また、制御部Cは、メインモータM0の制御を行うことにより、加圧ローラ45PRの回転駆動も制御する。そして、定着器45では、トナー像が転写されたシートSが、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間に搬送されることで、トナー像がシートS上に熱定着される。
【0062】
なお、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを有する定着器45を用いた場合について説明したが、本開示の定着器45はこれに限定されない。例えば、加熱ローラ45HRに代えて、基板と基板上に設けられた抵抗発熱体とを有するヒータを備えた加熱ユニットを定着器に用いることができる。また、例えば、シートSを加熱ローラ45HRとで挟持する無端ベルトと、無端ベルトを加熱ローラ45HR側に加圧する加圧パッドを有するニップ形成部材とを設けた加圧パッド方式の定着器を用いることができる。
【0063】
〔搬送路の構成〕
また、画像形成装置1は、
図1に点線にて示すように、シートSを搬送するための空間である搬送路を備える。具体的にいえば、画像形成装置1は、給送部3からプロセス部4に向けてシートSを搬送するための供給搬送路H0と、定着器45を通過したシートSを排出トレイTRに向けて搬送するための第1搬送路H1と、を備える。また、画像形成装置1は、定着器45を通過したシートSを切断機構100に向けて搬送するための第3搬送路H3を備える。換言すれば、第3搬送路H3には、切断機構100が配置されている。
【0064】
詳細にいえば、供給搬送路H0では、ピックアップローラ32の設置箇所がシートSの搬送開始地点であり、後述の後レジセンサK3の設置箇所がシートSの搬送終了地点である。また、供給搬送路H0には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジローラ36が設置されている。これらのピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジローラ36は、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0065】
また、供給搬送路H0には、フロントカバーFC側に分岐路H00が設けられている。フロントカバーFCが開口10Bを開放している状態において、例えば、ユーザは、画像形成装置1の外部から手差しによってシートSを分岐路H00に挿入することが可能である。そのため、ユーザは、分岐路H00を介してシートSを供給搬送路H0に搬入することが可能である。
【0066】
供給搬送路H0は、トレイセンサK1と、前レジセンサK2と、後レジセンサK3とを有している。トレイセンサK1は、給送トレイ31の近傍に設けられている。トレイセンサK1は、給送トレイ31の有無を検知する。トレイセンサK1は、例えば、光センサを用いて構成されている。トレイセンサK1は、給送トレイ31の有無を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0067】
前レジセンサK2は、シートSの後端を検知する。後レジセンサK3は、シートSの前端を検知する。前レジセンサK2及び後レジセンサK3は、各々シートSが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。
【0068】
また、前レジセンサK2及び後レジセンサK3は、検知結果を制御部Cに出力する。具体的には、前レジセンサK2は、制御部Cに対して、シートSの前端が前レジセンサK2の位置に到達したタイミングからシートSの後端が前レジセンサK2の位置を通過するまでの間はON信号を出力し、それ以外の間はOFF信号を出力する。同様に、後レジセンサK3は、制御部Cに対して、シートSの前端が後レジセンサK3の位置に到達したタイミングからシートSの後端が後レジセンサK3の位置を通過するまでの間はON信号を出力し、それ以外の間はOFF信号を出力する。
【0069】
第1搬送路H1では、供給搬送路H0の搬送終了地点がシートSの搬送開始地点であり、排出トレイTRとの連結箇所G2がシートSの搬送終了地点である。つまり、第1搬送路H1は、後レジセンサK3の設置箇所と、排出トレイTRにおける、筐体10の上面側で露出されてユーザがシートSを回収可能な端部である連結箇所G2との間の搬送路である。また、第1搬送路H1には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、中間排出ローラ37及び排出ローラ38が設置されている。これらの中間排出ローラ37及び排出ローラ38は、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0070】
第1搬送路H1には、センサK4が定着器45と中間排出ローラ37との間に設けられている。センサK4は、例えば、光センサを用いて構成されている。センサK4は、定着器45と中間排出ローラ37との間において、シートSの有無を検知するように構成されている。センサK4は、シートSの有無を制御部Cに出力するよう構成されている。換言すれば、センサK4は、シートSが定着器45を通過したか否かについて検知して、制御部Cに通知する。
【0071】
第3搬送路H3のシートSの搬送開始地点は、第1搬送路H1との合流箇所G1である。合流箇所G1は、排出ローラ38の搬送方向の上流に設けられている。
【0072】
一方、第3搬送路H3のシートSの搬送終了地点は、排出トレイTRに連結された連結箇所G2である。連結箇所G2は、合流箇所G1は異なる箇所である。連結箇所G2は、排出ローラ38の搬送方向の下流に設けられている。
【0073】
第3搬送路H3は、
図1に示すように、第1搬送路H1とは異なる搬送路である。第3搬送路H3は、第1搬送路H1の上方に設置されている。
【0074】
また、合流箇所G1の近傍には、シートSを第1搬送路H1または第3搬送路H3に振り分けるためのフラップFPが設けられている。制御部Cは、フラップFPを駆動することにより、シートSを第1搬送路H1または第3搬送路H3に振り分ける。制御部Cは、シートSを切断機構100で切断しない場合にはシートSを排出トレイTRに向けて第1搬送路H1に搬送する。また、制御部Cは、シートSを切断する場合にはシートSを切断機構100に向けて第3搬送路H3に搬送する。
【0075】
フラップFPは、例えば、駆動モータM2からの駆動力により、動作するように構成されている。駆動モータM2は、メインモータM0とは異なるモータである。駆動モータM2は、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してフラップFPを駆動する。駆動モータM2は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0076】
また、第3搬送路H3には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、切断機構100を挟むように、第3搬送路H3での搬送方向に沿って上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bが順次設けられている。上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bは、例えば、メインモータM0からの駆動力により、動作するように構成されている。
【0077】
〔ファンF及びダクトDの構成〕
また、画像形成装置1では、
図1に点線にて示すように、ファンFが上下方向において、定着器45の上方に設けられている。具体的にいえば、画像形成装置1では、ファンFは、上下方向において、定着器45と、切断機構100に設けられた駆動モータとしてのキャリッジモータM1との間であって、キャリッジモータM1よりも定着器45に近い位置に配置されている。
【0078】
具体的には、
図3に示すように、ファンFの中心位置P4は、上下方向において定着器45の中心位置P5とキャリッジモータM1の中心位置P1との間に配置される。また、ファンFの中心位置P4は、定着器45の中心位置P5よりも上方の位置、かつ、キャリッジモータM1の中心位置P1よりも下方の位置である。ファンFの中心位置P4は、定着器45の外形における上端位置よりも上方の位置であってもよい。ファンFの少なくとも一部が、定着器45の中心位置P5よりも上方の位置にあってもよい。
【0079】
また、ファンFは、
図2に示すように、筐体10における、シートSの幅方向の一端側に配置されている。シートSの幅方向は、搬送されるシートSの搬送方向と交差する方向である。また、ファンFには、ダクトDの一端D1が接続されている。ダクトDは、筒体であり、筐体10の内部に設けられた空気の流通路を構成している。
【0080】
具体的にいえば、ダクトDは、上下方向において、定着器45よりも上方の位置で、他端D2がシートSの幅方向の他端側で定着器45に向かって延びるよう構成されている。ファンFは、ダクトDを介して、筐体10の内部の空気、特に定着器45の近傍の空気を外部に排気する。換言すれば、ファンFは、プロセス部4の自己発熱と、定着器45がプロセス部4に与える熱を排気するために、プロセス部4と定着器45の間の空気を排気する機能を有している。
【0081】
また、ファンFとダクトDの一端D1との間には、図示しないフィルタが配置されている。画像形成装置1では、例えば、切断機構100において、紙粉などの塵が生じた場合でも、ファンFの機能によって塵をフィルタ側に吸引して、塵が筐体10の内部に飛散するのを抑制しつつ、フィルタで捕集するよう構成されている。
【0082】
また、筐体10は、後側開口10Cを有している。後側開口10Cは、筐体10の後面側に設けられている。また、筐体10は、
図1に二点鎖線にて例示するように、後側開口10Cを開閉可能なリアカバーRCを有している。リアカバーRCは、筐体10の後面側に設けられている。このリアカバーRCは、後側開口10Cを閉塞する閉塞部材を構成する。更には、リアカバーRCは、定着器45を通過したシートSを排出するための第2排出部としての第2排出トレイも構成している。
【0083】
換言すれば、リアカバーRCは、後側開口10Cを閉塞することにより、第2排出トレイも閉塞可能となっている。一方、リアカバーRCは、後側開口10Cを開放することにより、定着器45及び中間排出ローラ37によって搬送されたシートSを収容する第2排出トレイとして機能し得る。これにより、定着器45を通過したシートSを折り曲げることなく第2排出トレイに排出可能となる。また、リアカバーRCは、リアカバーRCの開閉状態を検知するセンサK6を有している。センサK6は、リアカバーRCの開閉状態を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0084】
〔切断機構100の構成〕
次に、
図4及び
図5も用いて、切断機構100について具体的に説明する。
図4は、
図1に示した切断機構100の具体的な構成を説明する図である。
図5は、切断機構100に設けられたエンコーダENの具体的な構成例を説明する図である。
【0085】
図1に示すように、切断機構100は、上下方向において、定着器45よりも上側で筐体10の内部に収容されている。また、
図2に示すように、切断機構100は、前後方向において、定着器45よりも後側で、かつ、左右方向、つまりシートSの幅方向に平行に配置されている。また、本実施形態1では、キャリッジモータM1は、
図2に示すように、シートSの幅方向において定着器45よりも外側で、ファンFと同様に、幅方向の一端側に配置されている。
【0086】
切断機構100は、周知のカッター機構である。具体的にいえば、切断機構100は、固定部材101と、カッターキャリッジ102と、切断刃としての丸刃103Aと、固定刃103Bと、一対のプーリ104及び105と、無端状のベルト106と、を備える。
【0087】
固定部材101は、筐体10に固定されている。固定部材101には、シートSが通過するための開口部107がシートSの幅方向に沿って形成されている。固定部材101は、シートSの幅方向において、ベルト106を架け渡した一対の各プーリ104及び105を回転可能に支持している。
【0088】
カッターキャリッジ102は、ベルト106に連結されている。また、カッターキャリッジ102は、丸刃103Aを回転可能に支持している。換言すれば、丸刃103Aは、カッターキャリッジ102を介してベルト106に固定されている。また、固定刃103Bは、上下方向において、開口部107の上方で、開口部107を通過したシートSを丸刃103Aと挟持するように固定部材101に配置されている。
【0089】
プーリ105は、キャリッジモータM1からの駆動力が伝達されるよう構成されている。キャリッジモータM1は、プーリ105を回転駆動することにより、プーリ104とともにベルト106を回転動作させる。さらに、キャリッジモータM1は、ベルト106を回転動作させることにより、カッターキャリッジ102及び丸刃103AをシートSの幅方向に移動させる。これにより、シートSに対して丸刃103A及び固定刃103Bによる切断処理が実行されて、シートSは、搬送方向で前後する、第1シートと第2シートとに完全に分けられる。
【0090】
換言すれば、画像形成装置1では、キャリッジモータM1が一対のプーリ104及び105の一方のプーリ105を駆動することにより、丸刃103Aを動作させている。これにより、画像形成装置1では、切断機構100において、丸刃103Aによる切断を適切に行うことができる。
【0091】
また、切断機構100は、
図4に示すように、シートSの幅方向の一端側において、丸刃103Aの幅方向の位置を検知する位置検知センサK8と、シートSの幅方向の他端側において、丸刃103Aの幅方向の位置を検知する位置検知センサK9とを備える。位置検知センサK8及びK9は、例えば、カッターキャリッジ102と当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いて構成されている。また、位置検知センサK8及びK9は、各々検知結果を制御部Cに出力する。これにより、制御部Cは、丸刃103Aの位置を容易に検知することができる。
【0092】
なお、位置検知センサK8及びK9のうち、例えば、シートSの幅方向の少なくとも一端側に配置された位置検知センサK8のみ配置して、位置検知センサK9の設置を省略する構成でもよい。
【0093】
キャリッジモータM1は、メインモータM0とは異なるモータである。キャリッジモータM1は、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してカッターキャリッジ102を駆動する。キャリッジモータM1は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0094】
また、
図4に示すように、キャリッジモータM1は、上下方向において、丸刃103AがシートSを切断する切断位置、つまり開口部107よりも上方に配置されている。これにより、画像形成装置1では、切断機構100がシートSを切断した際に生じる塵がキャリッジモータM1に付着することを抑制することができ、キャリッジモータM1に故障等が生じるのを抑えることができる。
【0095】
図5に示すように、切断機構100は、キャリッジモータM1の回転位置を検出するエンコーダENを備える。具体的にいえば、切断機構100では、プーリ105はキャリッジモータM1の図示しない回転軸に連結された回転ローラ108Aを介在させて回転するよう構成されている。回転ローラ108Aには、駆動ギヤ108B及び108Cが順次接続されており、キャリッジモータM1の回転に応じて回転するよう構成されている。駆動ギヤ108Cには、エンコーダENの回転部材ENPが駆動ギヤ108Cと一体回転するように連結されている。
【0096】
また、回転部材ENPの表面には、例えば、光の透過または不透過を検出するために、図示しない所定の印刷パターンが形成されている。また、エンコーダENは、例えば、光センサK10が設置されており、光センサK10は回転部材ENPの印刷パターンを検知するよう構成されている。また、光センサK10は、検知結果を制御部Cに出力する。これにより、画像形成装置1では、制御部CはエンコーダENを用いて丸刃103Aの動作位置を正確に把握して丸刃103Aを適切に動作することができる。
【0097】
キャリッジモータM1としては、例えば、ステッピングモータを用いることができる。これにより、画像形成装置1では、キャリッジモータM1による、丸刃103Aの動作を精度よく行うことができる。また、この場合、エンコーダENの設置を省略することができる。但し、エンコーダENの代わりに、丸刃103Aの動作位置を検知する検知部材を設けることが好ましい。
【0098】
なお、固定刃103Bに代えて、キャリッジモータM1によってカッターキャリッジとともに移動する移動刃を用いることもできる。また、切断機構100は、丸刃103A及び固定刃103Bのうち、切断刃としての丸刃103Aのみ有する構成であってもよい。また、切断機構100は、丸刃103Aに代えて、幅方向に延びる切断刃を上下方向に揺動させ、固定刃103Bとの間にシートSを挟み込んで切断する構成であってもよい。
【0099】
〔駆動伝達機構MUの構成〕
次に、
図6も用いて、駆動伝達機構MUについて具体的に説明する。
図6は、
図2に示した駆動伝達機構MUの要部構成の具体例を説明する図である。駆動伝達機構MUは、切断機構100にシートSを搬送するための駆動力を伝達する機能を有している。また、シートSは、シートSの幅方向と交差する搬送方向に搬送されるので、切断機構100の丸刃103Aは搬送中のシートSを幅方向に沿って切断することができる。
【0100】
また、
図6に示すように、駆動伝達機構MUは、メインモータM0と、メインモータM0からの駆動力によって回転動作する、後述の複数の駆動ギヤとを有する。なお、
図6では、説明の簡略化のために、メインモータM0からの駆動力によって回転動作する駆動ギヤのうち、中間排出ローラ37と、給送部3でのピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジローラ36とを各々回転動作する駆動ギヤの図示及び説明は省略する。
【0101】
メインモータM0は、制御部Cからの動作指示に基づいて、上述したように、第1搬送路H1及び第3搬送路H3に各々設けられてシートSを搬送するための搬送ローラを駆動する。また、メインモータM0は、感光ドラム46、現像ローラ44R、転写部42、及び定着器45の少なくとも1つを駆動する。
【0102】
具体的にいえば、画像形成装置1では、メインモータM0は、制御部Cからの動作指示に基づいて、感光ドラム46、現像ローラ44R、転写部42の転写ローラ、及び定着器45の加圧ローラ45PRを駆動する。メインモータM0は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0103】
詳細にいえば、駆動伝達機構MUは、メインモータM0の回転軸に直接的に連結されて、メインモータM0の回転に応じて回転動作する駆動ギヤY1を備えている。駆動ギヤY1には、感光ドラム46を回転させるための駆動ギヤY2が連結されている。駆動ギヤY2には、現像ローラ44Rを回転させるための駆動ギヤY3が連結されている。
【0104】
また、駆動ギヤY2には、駆動ギヤY6が連結され、駆動ギヤY6及び駆動ギヤY8を介在させて、加圧ローラ45PRを回転させるための駆動ギヤY9が連結されている。
【0105】
また、駆動ギヤY2には、駆動ギヤY11、駆動ギヤY12、駆動ギヤY13、及び駆動ギヤY14を介在させて、排出ローラ38を回転させるための駆動ギヤY15が連結されている。
【0106】
駆動ギヤY15には、駆動ギヤY16及び駆動ギヤY17を介在させて、上流搬送ローラ40Aを回転させるための駆動ギヤY18が連結されている。また、駆動ギヤY15には、駆動ギヤY19及び駆動ギヤY20を介在させて、下流搬送ローラ40Bを回転させるための駆動ギヤY21が連結されている。
【0107】
以上のように、駆動伝達機構MUでは、上述の駆動ギヤY1等を備えている。そして、駆動伝達機構MUは、駆動ギヤY1等を介して、メインモータM0からの駆動力を、プロセス部4の各部、定着器45、及び搬送ローラに伝達することによって、メインモータM0を駆動源として構成している。
【0108】
また、駆動伝達機構MUでは、
図2に示すように、メインモータM0はシートSの幅方向において、キャリッジモータM1とは反対側に配置されている。これにより、本実施形態1では、画像形成装置1の重量バランスを容易に整えることができ、取扱い性に優れた画像形成装置1を容易に構成することができる。
【0109】
〔制御部Cの構成〕
制御部Cは、例えば、CPU、RAM、ROM、及び入出力回路を備えている。制御部Cは、ROMに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、画像形成制御を実行する。また、制御部Cは、例えば、トレイセンサK1、前レジセンサK2、後レジセンサK3、センサK4~K7、位置検知センサK8及びK9、及び光センサK10から取得した情報に応じて、画像形成制御以外の制御処理も適宜実行する。
【0110】
また、制御部Cは、制御基板C1に搭載された状態で筐体10の内部に設けられている。具体的にいえば、制御基板C1は、制御部Cに含まれたCPUなどの電子部品と、電子部品を実装したプリント回路基板とを備える(図示せず)。本実施形態1では、制御基板C1は、
図2に示すように、前後方向において、切断機構100の後側で、かつ、シートSの幅方向の他端側、つまり左右方向において、駆動伝達機構MU側に配置されている。
【0111】
以上のように、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFが、上下方向において、定着器45とキャリッジモータM1との間に配置されている。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、定着器45からカッター駆動用のキャリッジモータM1に熱が伝わることを抑制することができる。
【0112】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、キャリッジモータM1はシートSの幅方向において、定着器45よりも外側に配置されている。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFは定着器45で生じた熱を確実に筐体10の外部に排気することができる。従って、本実施形態1の画像形成装置1では、定着器FからキャリッジモータM1に熱が伝わることを確実に抑制することができる。
【0113】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFとキャリッジモータM1とがともにシートSの幅方向の一端側に配置されている。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFは定着器45からキャリッジモータM1への伝熱を効率よく抑えることができる。この結果、本実施形態1の画像形成装置1では、キャリッジモータM1での昇温を確実に抑制することができる。
【0114】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFは、上下方向において、キャリッジモータM1よりも定着器45に近い位置に配置されている。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、定着器45からキャリッジモータM1に熱が伝わることをさらに抑制することができる。
【0115】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、筐体10の内部の上下方向において、定着器45よりも上方で、シートSの幅方向に延びるダクトDが配置されている。また、ダクトDのシートSの幅方向の一端D1は、ファンFに接続されている。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、ファンFに対して、定着器45の熱を含んだ空気を効率よく送風することができる。この結果、本実施形態1の画像形成装置1では、定着器45からキャリッジモータM1に熱が伝わることをさらに抑制することができる。
【0116】
駆動伝達機構MUは、実施形態1の構成に限らない。本開示の変形例について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0117】
図7は、上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bの駆動機構を説明する図である。
図7において、本変形例1と実施形態1との主な相違点は、駆動モータM3を設けて、駆動モータM3によって上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bを駆動する点である。すなわち、実施形態1の駆動伝達機構MUにおける、駆動ギヤY16、駆動ギヤY17、駆動ギヤY18、駆動ギヤY19、駆動ギヤY20、及び駆動ギヤY21の各ギヤに代えて、駆動モータM3及び複数の駆動ギヤを備えている。なお、以下の説明では、駆動伝達機構MUにおいて、上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bを駆動する駆動機構についてのみ説明する。
【0118】
図7に示すように、本変形例1では、駆動伝達機構MUは、駆動モータM3を備えている。駆動モータM3は、メインモータM0とは異なるモータである。駆動モータM3は、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立して上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bを駆動する。駆動モータM3は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0119】
また、駆動伝達機構MUは、駆動モータM3の回転軸に直接的に連結されて、駆動モータM3の回転に応じて回転動作する駆動ギヤY30及び駆動ギヤY33を備えている。駆動ギヤY30には、駆動ギヤY31を介在させて、上流搬送ローラ40Aを回転させるための駆動ギヤY32が連結されている。また、駆動ギヤY33には、駆動ギヤY34を介在させて、下流搬送ローラ40Bを回転させるための駆動ギヤY35が連結されている。
【0120】
以上の構成により、本変形例1では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本変形例1では、上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bは、専用の駆動モータM3によって駆動されるので、切断機構100に搬入出される、シートSの搬送動作を精度よく行うことができる。この結果、本変形例1では、切断機構100による、シートSの高精度な切断処理を容易に行うことができる。
【0121】
なお、駆動モータM3の代わりに、例えば、駆動モータM2からの駆動力を用いて、フラップFPと、上流搬送ローラ40A及び下流搬送ローラ40Bとを駆動する構成でもよい。
【0122】
〔実施形態2〕
本開示の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0123】
図8は、本開示の実施形態2に係る画像形成装置1の要部構成の配置位置を説明する図である。
図8において、本実施形態2と実施形態1との主な相違点は、筐体10における、シートSの幅方向の他端側にファンFを配置した点である。
【0124】
〔画像形成装置1の構成〕
図8に示すように、本実施形態2の画像形成装置1では、メインモータM0を有する駆動伝達機構MUは、キャリッジモータM1と同様に、筐体10における、シートSの幅方向の一端側に配置されている。また、ファンFは、筐体10における、シートSの幅方向の他端側に配置されている。また、ダクトDでは、一端D1がファンFに接続されている。またダクトDでは、他端D2がシートSの幅方向の一端側で定着器45に向かって延びるよう構成されている。
【0125】
以上の構成により、本実施形態2では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本実施形態2では、ファンF及びキャリッジモータM1がシートSの幅方向の互いに反対側に配置されている。これにより、本実施形態2の画像形成装置1では、ファンFが定着器45で生じた熱を含んだ空気を引っ張ってくることとなり、ファンFは定着器45で生じた熱がキャリッジモータM1に伝わる前に筐体10の外部に排熱することができる。この結果、本実施形態2の画像形成装置1では、定着器45からキャリッジモータM1に熱が伝わることを抑制することができ、キャリッジモータM1での昇温を確実に抑制することができる。
【0126】
〔実施形態3〕
本開示の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0127】
図9は、実施形態3に係る画像形成装置1の要部構成の配置位置を説明する図である。
図9において、実施形態3と実施形態1との主な相違点は、筐体10における、シートSの幅方向の一端側に駆動伝達機構MUと制御基板C1とを配置した点である。
【0128】
図9に示すように、本実施形態3では、メインモータM0を有する駆動伝達機構MUは、キャリッジモータM1と同様に、筐体10における、シートSの幅方向の一端側に配置されている。また、制御基板C1もまた、キャリッジモータM1と同様に、筐体10における、シートSの幅方向の一端側に配置されている。換言すれば、本実施形態3では、キャリッジモータM1、制御基板C1、及びメインモータM0は、シートSの幅方向において、同じ側に配置されている。
【0129】
以上の構成により、本実施形態3では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本実施形態3では、制御基板C1がシートSの幅方向において、キャリッジモータM1とメインモータM0と同じ側に配置されているので、制御基板C1とキャリッジモータM1及びメインモータM0との各間の電気配線の引き回しを容易に行うことができる。この結果、本変形例2では、電気配線の設置スペースの省スペース化を容易に図ることができる。
【0130】
上述した各実施形態及び各変形例においては、第3搬送路H3に切断機構100を配置した構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。例えば、第3搬送路H3を設けることなく、第1搬送路H1において、排出ローラ38の搬送方向の上流側に切断機構100を配置する構成でもよい。この場合、画像形成装置1の本体を小型化することができる。
【0131】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
1 画像形成装置
4 プロセス部
42 転写部
44R 現像ローラ
45 定着器
46 感光ドラム
10 筐体
100 切断機構(カッター)
103A 丸刃(切断刃)
104、105 プーリ
106 ベルト
F ファン
D ダクト
D1 一端
EN エンコーダ
M1 キャリッジモータ(駆動モータ)
MU 駆動伝達機構
M0 メインモータ
C 制御部
C1 制御基板
S シート