(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000523
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】保管塗料管理装置、保管塗料管理システム、保管塗料管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231225BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G06Q50/10
B65G61/00 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098107
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2022099186
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022209027
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516336688
【氏名又は名称】株式会社源兵衛
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】保管している塗料から作製できる他の色の塗料を容易に把握できる保管塗料管理装置、保管塗料管理システム、保管塗料管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサーバ1は、塗装業者が保管する塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を塗料識別情報に対応づけて記憶する保管塗料情報記憶部131と、塗料それぞれについて、他の塗料と混合することに実現可能な色を特定する色特定部113と、特定された色を示す色票番号情報を塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる保管塗料情報管理部112と、塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と塗料識別情報と色票番号情報とを含む保管塗料情報を端末装置3へ送信する保管塗料情報通知部114と、備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する保管塗料情報記憶部と、
前記少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する色特定部と、
特定された色を示す色情報を前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させる保管塗料情報管理部と、
前記少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、前記色情報と、を利用者が所持する端末装置へ送信する保管塗料情報通知部と、備える、
保管塗料管理装置。
【請求項2】
前記色情報は、色票番号を示す色票番号情報と、マンセル表色系における色相、明度および彩度を示すマンセル表色系情報と、の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の保管塗料管理装置。
【請求項3】
前記色特定部は、測色機により測定して得られるXYZ表色系空間における3次元ベクトルの各要素に基づいて、前記他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する、
請求項1または2に記載の保管塗料管理装置。
【請求項4】
前記保管塗料記憶部は、前記利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報とともに前記少なくとも1つの塗料それぞれの有効期限を示す有効期限情報、品名情報およびメーカ情報に対応づけて記憶し、
前記利用者が過去に発注した塗料の品名情報とメーカ情報とを、発注された日時を示す発注日時情報と前述の利用者識別情報とに対応づけて記憶する発注履歴記憶部と、
予め設定されたリコメンド時期が到来すると、前記保管塗料情報記憶部が記憶する前記有効期限情報を参照して、現時点から有効期限までの期間が予め設定されたリコメンド基準期間以下である前記保管塗料情報を特定する有効期限直前塗料特定部と、
前記リコメンド時期が到来すると、前記発注履歴記憶部が記憶する前記発注日時情報を参照して、現時点から予め設定された発注履歴参照期間だけ遡った時点から現時点までの間に発注された前記塗料の品名情報とメーカ情報とを特定する過去発注塗料特定部と、
前記有効期限直前塗料特定部と前記過去発注塗料特定部との少なくとも一方により特定された前記保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成するリコメンド情報生成部と、を更に備える、
請求項1または2に記載の保管塗料管理装置。
【請求項5】
前記利用者がリコメンドして欲しい塗料の品名情報およびメーカ情報を、前述の利用者識別情報に対応づけて記憶する事前登録塗料記憶部と、
前記保管塗料情報記憶部が新たな保管塗料情報を記憶すると、新たに記憶された保管塗料情報に、前記事前登録塗料記憶部が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれるか否かを判定する事前登録塗料判定部と、を更に備え、
前記リコメンド情報生成部は、前記事前登録塗料判定部により前記事前登録塗料記憶部が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれると判定された前記保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成する、
請求項4に記載の保管塗料管理装置。
【請求項6】
利用者が所持する端末装置と、
利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する保管塗料情報記憶部と、
前記少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する色特定部と、
特定された色を示す色情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させる保管塗料情報管理部と、
前記少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、前記色情報と、を前記端末装置へ送信する保管塗料情報通知部と、備える、
保管塗料管理システム。
【請求項7】
利用者が保管する少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定するステップと、
前記少なくとも1つの塗料それぞれについて特定された色を示す色情報を、前記少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報とともに、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させるステップと、
前記少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色情報と、を利用者が所持する端末装置へ送信するステップと、を含む、
保管塗料管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する保管塗料情報記憶部、
前記少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する色特定部、
特定された色を示す色情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて前記保管塗料情報記憶部に記憶させる保管塗料情報管理部、
前記少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、前記色情報と、を利用者が所持する端末装置へ送信する保管塗料情報通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管塗料管理装置、保管塗料管理システム、保管塗料管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
塗料が密閉容器に収容された塗料製品を販売する塗料製品販売事業者が管理するサーバ端末装置と、サーバ端末装置とネットワークを介して通信可能であり、未使用状態の余剰在庫品として塗料製品を保管している複数の事業者がそれぞれ管理する事業者端末装置と、を備え、サーバ端末装置が、各事業者端末装置から送信された余剰在庫品に関する情報を蓄積する塗料有効利用システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、塗料製品を保管している複数の事業者にとって、自ら保管している塗料と他の事業者が保管している塗料或いは塗料販売業者が販売する原色塗料と混合することにより自ら保管している塗料の色とは異なる色の塗料を作製して使用することが塗料の有効活用の観点から好ましい。このため、事業者が自ら保管している塗料から作製できる塗料の色を簡単に把握できる手段が要請されている。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたもので、保管している塗料から作製できる他の色の塗料を容易に把握できる保管塗料管理装置、保管塗料管理システム、保管塗料管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る保管塗料管理装置は、
利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する保管塗料情報記憶部と、
前記少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する色特定部と、
特定された色を示す色情報を前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させる保管塗料情報管理部と、
前記少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、前記少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、前記色情報と、を利用者が所持する端末装置へ送信する保管塗料情報通知部と、備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色特定部が、少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定し、保管塗料情報管理部が、特定された色を示す色情報を、少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報とともに、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させる。また、保管塗料情報通知部が、少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色情報と、を、利用者が所持する端末装置へ送信する。これにより、利用者が保管している塗料の容器の画像情報と色情報とを端末装置の表示部に表示させることができるので、利用者が保管している塗料から作製できる他の色の塗料を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る保管塗料管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る端末装置およびクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る端末装置およびクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る保管塗料情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る保管塗料管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される保管塗料通知画像の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る保管塗料管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】実施の形態1に係る端末装置が実行する保管塗料情報表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する保管塗料管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態2に係る端末装置およびクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態2に係る保管塗料情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図12】実施の形態2に係る調色情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図13】変形例に係る調色情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図14】変形例に係る端末装置およびクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図15】変形例に係る端末装置およびクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】変形例に係る保管塗料情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図17】変形例に係る保管塗料管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図18】変形例に係るクラウドサーバが実行する保管塗料管理処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る保管塗料管理装置について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る保管塗料管理装置は、保管塗料情報記憶部と、色特定部と、保管塗料情報管理部と、保管塗料情報通知部と、を備える。保管塗料情報記憶部は、利用者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する。色特定部は、少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する。保管塗料情報管理部は、特定された色を示す色情報を、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部に記憶させる。保管塗料情報通知部は、少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色情報と、を利用者が所持する端末装置へ送信する。ここで、他の塗料」には、他の利用者が保管する塗料のみならず、塗料を製造販売する業者が提供する原色塗料も含まれる。また、他の利用者が保管する塗料には、樹脂と顔料と添加剤と溶剤とを主成分とした塗料が含まれ、原色塗料は、顔料と添加剤と溶剤とを主成分とする塗料が含まれる。
【0010】
本実施の形態に係る保管塗料管理システムは、
図1に示すように、塗装業者が所持する端末装置3と、クラウドサーバ1と、を備え、端末装置3とクラウドサーバ1とはネットワークNW1を介して互いに通信可能となっている。また、ネットワークNW1には、塗料販売業者が所持する端末装置8と、塗料の販売サイトを管理する販売管理サーバ9と、が接続されており、クラウドサーバ1は、端末装置8および販売管理サーバ9との間でネットワークNW1を介して通信可能となっている。ここで、ネットワークNW1は、例えばインターネットである。端末装置8は、例えばパーソナルコンピュータであり、表示部を備え、クラウドサーバ1から送信される後述の塗装業者が塗料を発注したときの注文内容を示す発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、塗料販売業者に注文内容を通知する注文内容通知画像を形成して表示部に表示させる。
【0011】
販売管理サーバ9は、前述の販売サイトに掲載する塗料の色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を互いに対応づけて記憶する出品塗料記憶部(図示せず)を備える。そして、販売管理サーバ9は、クラウドサーバ1から送信される後述の出品要求情報を取得すると、取得した出品要求情報に含まれる色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を抽出して出品塗料記憶部に記憶させる。
【0012】
端末装置3は、例えばスマートフォンであり、
図2に示すように、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、表示部304と、入力部305と、通信部306と、撮像部307と、これらを互いに接続するバス309と、を備える。主記憶部302は、RAMのような揮発性メモリを有し、CPU301の作業領域として使用される。また、主記憶部302は、表示部304に表示させる画像情報を一時的に記憶する画像専用メモリ(図示せず)を有する。補助記憶部303は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU301が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部504は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部305は、例えば表示部304に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部306は、ネットワークNW1に接続され、CPU301から転送される情報を、ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1へ送信したり、クラウドサーバ1からネットワークNW1を介して取得した各種情報をCPU301へ転送したりする。
【0013】
撮像部307は、カメラとDMA(Direct Memory Access)コントローラとを有し、起動された後、DMAコントローラが、カメラで撮像して得られる写真画像情報を、リアルタイムで画像専用メモリへ転送する。また、撮像部307は、CPU301から撮像指令情報が通知されると、撮像指令情報が通知されたタイミングで撮像した写真を示す撮像画像情報を生成してCPU301に通知する。
【0014】
CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、
図3に示すように、受付部311、保管塗料情報取得部312、画像形成部313、表示制御部314、撮像制御部315、新規保管塗料情報生成部316、新規保管塗料情報送信部317、出品要求部318および発注要求部319として機能する。また、
図2に示す補助記憶部303は、
図3に示すように、保管塗料情報記憶部331と、画像記憶部332と、新規保管塗料情報記憶部333と、を有する。また、
図2に示す主記憶部502の画像専用メモリは、表示部504に表示させる画面画像を一時的に記憶する表示画像記憶部521を有する。保管塗料情報記憶部331は、クラウドサーバ1から取得した保管塗料情報に含まれる、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を互いに対応づけて記憶する。ここで、保管塗料色票番号情報は、例えば塗装業者が保管している塗料の日塗工番号を示す色情報である。また、品名情報、メーカ情報は、それぞれ、塗料の品名、塗料の製造元を示す情報である。調色後色票番号情報は、クラウドサーバ1において特定された調色により実現可能な色を示す色票番号情報である。更に、画像情報は、塗装業者が保管する塗料が充填された容器の撮像画像を示す。
【0015】
画像記憶部332は、表示部304に表示する各種通知画像を生成するためのベースとなるベース画像を記憶する。新規保管塗料情報記憶部333は、利用者が新たに保管した塗料の容器の写真を示す画像情報と、塗料識別情報と、を互いに対応づけて記憶する。
【0016】
受付部311は、端末装置3の所持する塗装業者が入力部305に対して行った操作内容を受け付け、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して保管塗料情報取得部312、画像形成部313、撮像制御部315、出品要求部318または発注要求部319に通知する。具体的には、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して自ら保管する塗料の保管状況を確認するに保管している塗料を表示部304に表示させるための保管塗料表示操作を行うと、保管塗料表示操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して保管塗料情報取得部312に通知する。また、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して新たに保管する塗料をクラウドサーバ1に保管塗料として登録するための新規保管塗料登録操作を行うと、新規保管塗料登録操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して画像形成部313および新規保管塗料情報生成部316に通知する。更に、受付部311は、前述の新規保管塗料登録操作を受け付けた後、塗装業者が入力部305に対して新たに保管する塗料が充填された容器の写真を撮像するための撮像操作を受け付けると、撮像操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して撮像制御部315に通知する。また、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して自ら保管する塗料を塗料販売業者の販売サイトへ出品するための出品操作を行うと、出品操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して出品要求部318に通知する。更に、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して自らが保管する塗料と混合するための新たな塗料を発注するための発注操作を行うと、発注操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して発注要求部319に通知する。
【0017】
保管塗料情報取得部312は、受付部311から前述の保管塗料表示操作に応じた操作情報が通知されると、これに応じて、塗装業者を識別する利用者識別情報を含みクラウドサーバ1に対して自らが保管している塗料に関する情報を示す保管塗料情報の送信を要求する保管塗料情報要求情報を生成する。そして、保管塗料情報取得部312は、生成した保管塗料情報要求情報をクラウドサーバ1へ送信することにより、クラウドサーバ1から送信される保管塗料情報を取得する。また、保管塗料情報取得部312は、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を抽出し、抽出した各種情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部331に記憶させる。
【0018】
画像形成部313は、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、塗装業者が保管する塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を形成する。そして、画像形成部313は、形成した保管塗料通知画像を表示画像記憶部321に記憶させる。また、画像形成部313は、受付部311から新規保管塗料登録操作を示す操作情報が通知されると、新たに保管する塗料の容器の撮像を行うための撮像モード画像を形成し、形成した撮像モード画像を示す画像情報を表示画像記憶部321に記憶させる。
【0019】
表示制御部314は、表示画像記憶部321が記憶する各種画像情報が示す各種画像を表示部304に表示させる。撮像制御部315は、受付部311が新規保管塗料登録操作を受け付けると、撮像部307を起動させる。また、撮像制御部315は、受付部311から撮像操作に応じた操作情報が通知されると、撮像指令情報を撮像部307へ転送する。そして、撮像部307は、撮像指令情報に応じて塗料の容器の写真を撮像するとその写真の撮像画像情報を新規保管塗料情報生成部316に通知する。
【0020】
新規保管塗料情報生成部316は、受付部311から新規保管塗料登録操作に応じた操作情報が通知されると、操作情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を抽出する。また、新規保管塗料情報生成部316は、撮像部307から撮像画像情報が転送されてくると、転送されてきた撮像画像情報に、抽出した利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を付加することにより新規保管塗料情報を生成する。そして、新規保管塗料情報生成部316は、生成した新規保管塗料情報を新規保管塗料情報記憶部333に記憶させる。新規保管塗料情報送信部317は、新規保管塗料情報記憶部333が記憶する新規保管塗料情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0021】
出品要求部318は、受付部311から出品操作に応じた操作情報が通知されると、操作情報に含まれる利用者識別情報および塗料識別情報に基づいて、販売管理サーバ9の販売サイトへの販売品としての掲載を要求する出品要求情報を生成する。ここで、出品要求情報には、利用者識別情報と、塗料識別情報に対応する品名情報およびメーカ情報と、が含まれる。そして、出品要求部318は、生成した出品要求情報をクラウドサーバ1へ送信する。発注要求部319は、受付部311から発注操作に応じた操作情報が通知されると、操作情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報に基づいて、塗料販売業者への塗料の発注を要求する発注要求情報を生成する。そして、発注要求部319は、生成した発注要求情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0022】
クラウドサーバ1は、
図2に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、これらを相互に接続するバス109と、を備え、塗装業者が保管する塗料を管理する保管塗料管理装置として機能する。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリを有し、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、ネットワークNW1に接続されている。
【0023】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、
図3に示すように、新規保管塗料情報取得部111、保管塗料情報管理部112、色特定部113、保管塗料情報送信114、出品要求部115および発注部116として機能する。また、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、保管塗料情報記憶部131と、調色情報記憶部132と、を有する。保管塗料情報記憶部131は、利用者である塗装業者が保管する少なくとも1つの塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報を、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて記憶する。例えば
図4に示すように、保管塗料情報記憶部131は、複数の塗装業者それぞれが保管する塗料の画像情報を含む保管塗料情報を、複数の塗装業者それぞれを識別する利用者識別情報に対応づけて記憶する。ここで、保管塗料情報は、画像情報と、当該画像情報に対応づけられた保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報および調色後色票番号情報と、から構成される。
【0024】
図3に戻って、調色情報記憶部132は、予め設定された複数種類の色それぞれについて、他の色と混合することにより実現できる色を示す色票番号情報を、予め設定された複数種類の色それぞれの色票番号情報に対応づけて記憶する。調色情報記憶部132は、例えば色票番号「19-80B」の塗料について、例えば色票番号「19―60B」の塗料と混合することにより実現可能な色票番号「19-75B」の塗料を示す色票番号情報を、色票番号「19-80B」を示す色票番号情報に対応づけて記憶している。
【0025】
新規保管塗料情報取得部111は、端末装置3から送信される新規保管塗料情報を取得すると、取得した新規保管塗料情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を抽出して保管塗料情報管理部112に通知する。また、新規保管塗料情報取得部111は、抽出した色票番号情報を色特定部113に通知する。
【0026】
色特定部113は、端末装置3から送信された新規保管塗料情報に対応する少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定する。具体的には、色特定部113は、調色情報記憶部132が記憶する色票番号情報の中から、新規保管塗料情報取得部111から通知された色票番号情報に対応する色票番号情報を特定する。そして、色特定部113は、特定した色票番号情報を保管塗料情報管理部112に通知する。
【0027】
保管塗料情報管理部112は、新規保管塗料情報取得部111から通知された利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる。また、保管塗料情報管理部112は、色特定部113から通知された色票番号情報を、その色票番号情報に対応する塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる。
【0028】
保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報記憶部131が記憶する少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色票番号情報と、を含む保管塗料情報を、塗装業者が所持する端末装置3へ送信する。ここで、保管塗料情報通知部114は、端末装置3から送信される保管塗料情報要求情報を取得すると、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、保管塗料情報要求情報に含まれる利用者識別情報に対応する保管塗料情報を特定し、特定した保管塗料情報を保管塗料情報要求情報の送信元の端末装置3へ送信する。また、保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報記憶部131に新たな保管塗料情報が追加されると、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、新たに追加された保管塗料情報の利用者識別情報と同一の利用者識別情報を含む保管塗料情報を特定する。そして、保管塗料情報通知部114は、特定した保管塗料情報を新規保管塗料情報の送信元の端末装置3へ送信する。
【0029】
出品要求部115は、端末装置3から送信される出品要求情報を取得すると、取得した出品要求情報を販売管理サーバ9へ送信する。発注部116は、端末装置3から送信される発注要求情報を取得すると、取得した発注要求情報に含まれるメーカ情報に基づいて、塗料の発注先の端末装置8を特定する。そして、発注部116は、利用者識別情報、色票番号情報および品名情報を含む発注情報を生成し、生成した発注情報を特定した端末装置8へ送信する。
【0030】
次に、本実施の形態に係る保管塗料管理システムの動作について、
図5乃至
図7を参照しながら説明する。まず、
図5に示すように、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して前述の保管塗料表示操作を行うと、端末装置3は、前述の塗装業者の利用者識別情報を含む保管塗料情報要求情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された保管塗料情報要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から保管塗料情報要求情報を取得すると、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、取得した保管塗料情報要求情報に含まれる利用者識別情報に対応する保管塗料情報を特定する(ステップS3)。続いて、特定された保管塗料情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS4)。一方、端末装置3は、保管塗料情報を取得すると、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を抽出する。そして、端末装置3は、抽出した保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を保管塗料情報記憶部331に記憶させる(ステップS5)。
【0031】
その後、端末装置3は、保管塗料情報記憶部331が記憶する、保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、保管塗料通知画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS6)。ここで、端末装置3は、例えば
図6に示すような保管塗料通知画像GA1を表示部304に表示させる。保管塗料通知画像GA1は、塗装業者が保管している塗料が充填された容器の撮像画像GA01、GA02と、塗料の色を表示する帯画像GA011、GA012と、を含む。また、保管塗料通知画像GA1は、保管している塗料のメーカ名を示すメッセージ情報M11、M21と、品名を示すメッセージ情報M12、M22と、色票番号を示すメッセージ情報M13、M23と、を示す。更に、保管塗料通知画像GA1は、帯画像GA011の一部と重なった形で表示され、保管している塗料と混合することにより実現できる塗料の色の色票番号を示すメッセージ情報M24を含む。
【0032】
図5に戻って、また、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して前述の新規保管塗料登録操作を行うと、端末装置3は、新たに保管する塗料の容器の撮像を行うための撮像モード画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS7)。このとき、塗装業者は、自身の利用者識別情報とともに、新たに保管する塗料の色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を入力部305に入力する。また、端末装置3は、撮像部307を起動させて撮像部307による撮像が可能な状態とする。ここで、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して前述の撮像操作を行うと、端末装置3は、撮像部307により新たに保管する塗料の容器の写真を撮像する(ステップS8)。次に、端末装置3は、撮像した写真を示す撮像画像情報と、利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報と、を含む新規保管塗料情報を生成する(ステップS9)。続いて、生成された新規保管塗料情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS10)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される新規保管塗料情報を取得すると、取得した新規保管塗料情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を抽出する。そして、クラウドサーバ1は、利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる(ステップS11)。その後、クラウドサーバ1は、調色情報記憶部132が記憶する色票番号情報の中から、抽出した色票番号情報に対応する色票番号情報を特定する。そして、クラウドサーバ1は、特定した色票番号情報を、その色票番号情報に対応する塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる(ステップS12)。
【0033】
次に、クラウドサーバ1は、新たな保管塗料情報とともに、対応付けられた利用者識別情報が同一の保管塗料情報を特定する(ステップS13)。その後、特定した保管塗料情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS14)。一方、端末装置3は、保管塗料情報を取得すると、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を抽出する。そして、端末装置3は、抽出した保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を保管塗料情報記憶部331に記憶させる(ステップS15)。次に、端末装置3は、保管塗料情報記憶部331が記憶する、保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、保管塗料通知画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS16)。
【0034】
また、
図7に示すように、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して自ら保管する塗料を塗料販売業者の販売サイトへ出品するための出品操作を行うと、端末装置3は、前述の出品要求情報を生成する(ステップS17)。続いて、生成された出品要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS18)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される出品要求情報を取得すると、取得した出品要求情報を販売管理サーバ9へ送信する(ステップS19)。一方、販売管理サーバ9は、出品要求情報を取得すると、取得した出品要求情報に含まれる色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を抽出して前述の出品塗料記憶部に記憶させる(ステップS20)。
【0035】
また、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して自らが保管する塗料と混合するための新たな塗料を発注するための発注操作を行うと、端末装置3は、前述の発注要求情報を生成する(ステップS21)。その後、生成された発注要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS22)。一方、クラウドサーバ1は、発注要求情報を取得すると、取得した発注要求情報に含まれるメーカ情報に基づいて、塗料の発注先の端末装置8を特定する(ステップS23)。次に、クラウドサーバ1は、利用者識別情報、色票番号情報および品名情報を含む発注情報を生成する(ステップS24)。続いて、生成された発注情報が、クラウドサーバ1から特定された端末装置8へ送信される(ステップS25)。一方、端末装置8は、発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、塗料の注文内容を塗料販売業者に通知するための注文内容通知画像を形成して表示部に表示させる(ステップS26)。
【0036】
次に、本実施の形態に係る端末装置3が実行する保管塗料情報表示処理について、
図8を参照しながら説明する。なお、この保管塗料情報表示処理は、端末装置3へ電源が投入された後、端末装置3において保管塗料情報表示処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、受付部311は、前述の保管塗料表示操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。ここで、受付部311は、保管塗料表示操作を受け付けていないと判定すると(ステップS201:No)、後述のステップS206の処理が実行される。一方、受付部311は、保管塗料表示操作を受け付けたと判定すると(ステップS201:Yes)、その操作に応じた操作情報を生成して保管塗料情報取得部312に通知する。そして、保管塗料情報取得部312は、通知された操作情報に応じて、塗装業者の利用者識別情報を含む保管塗料情報要求情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する(ステップS202)。これにより、保管塗料情報取得部312は、クラウドサーバ1から送信される保管塗料情報を取得する(ステップS203)。次に、保管塗料情報取得部312は、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を抽出し、抽出した各種情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部331に記憶させる(ステップS204)。続いて、画像形成部313は、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、塗装業者が保管する塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を形成し、表示制御部314が、形成された保管塗料通知画像を表示部304に表示させる(ステップS205)。
【0037】
その後、受付部311は、前述の新規保管塗料登録操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、受付部311は、保管塗料表示操作を受け付けていないと判定すると(ステップS206:No)、後述のステップS216の処理が実行される。一方、受付部311は、新規保管塗料登録操作を受け付けたと判定すると(ステップS206:Yes)、その操作に応じた操作情報を生成して画像形成部313および新規保管塗料情報生成部316に通知する。そして、画像形成部313は、通知された操作情報に応じて、前述の撮像モード画像を形成し、表示制御部314が、形成された撮像モード画像を表示部304に表示させる(ステップS207)。次に、受付部311は、前述の撮像操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、受付部311は、撮像操作を受け付けていないと判定すると(ステップS208:No)、後述のステップS216の処理が実行される。一方、受付部311は、撮像操作を受け付けたと判定すると(ステップS208:Yes)、その操作に応じた操作情報を生成して撮像制御部315に通知する。そして、撮像制御部315は、通知された操作情報に応じて、撮像指令情報を撮像部307へ転送することにより撮像部307に撮像動作を実行させる(ステップS209)。
【0038】
続いて、新規保管塗料情報生成部316は、受付部311から通知される操作情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を抽出する。そして、新規保管塗料情報生成部316は、撮像部307による撮像動作により得られた撮像画像情報に、抽出した利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を付加することにより新規保管塗料情報を生成する(ステップ210)。ここで、新規保管塗料情報生成部316は、生成した新規保管塗料情報を新規保管塗料情報記憶部333に記憶させる。その後、新規保管塗料情報送信部317は、新規保管塗料情報記憶部333が記憶する新規保管塗料情報をクラウドサーバ1へ送信する(ステップS211)。その後、保管塗料情報取得部312は、クラウドサーバ1から送信される保管塗料情報を取得すると(ステップS212)、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報を抽出し、抽出した各種情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部331に記憶させる(ステップS213)。次に、画像形成部313は、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、塗装業者が保管する塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を形成し、表示制御部314が、形成された保管塗料通知画像を表示部304に表示させる(ステップS214)。
【0039】
続いて、受付部311は、前述の出品操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS215)。ここで、受付部311は、出品操作を受け付けていないと判定すると(ステップS215:No)、後述のステップS217の処理が実行される。一方、受付部311は、出品操作を受け付けたと判定すると(ステップS215:Yes)、その操作に応じた操作情報を生成して出品要求部318に通知する。そして、出品要求部318は、通知された操作情報に含まれる利用者識別情報および塗料識別情報に基づいて、前述の出品要求情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する(ステップS216)。
【0040】
その後、受付部311は、前述の発注操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS217)。ここで、受付部311は、発注操作を受け付けていないと判定すると(ステップS217:No)、再びステップS201の処理が実行される。一方、受付部311は、発注操作を受け付けたと判定すると(ステップS217:Yes)、その操作に応じた操作情報を生成して発注要求部319に通知する。そして、発注要求部319は、通知された操作情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報およびメーカ情報に基づいて、塗料販売業者への塗料の発注を要求する発注要求情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する(ステップS218)。次に、再びステップS201の処理が実行される。
【0041】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する保管塗料管理処理について、
図9を参照しながら説明する。なお、この保管塗料管理処理は、クラウドサーバ1において保管塗料管理処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、保管塗料情報通知部114は、端末装置3から送信される保管塗料情報要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報要求情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS103の処理が実行される。一方、保管塗料情報通知部114が、保管塗料情報要求情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、保管塗料情報要求情報に含まれる利用者識別情報に対応する保管塗料情報を特定する。そして、保管塗料情報通知部114は、特定した保管塗料情報を保管塗料情報要求情報の送信元の端末装置3へ送信する(ステップS102)。
【0042】
次に、新規保管塗料情報取得部111は、端末装置3から送信される新規保管塗料情報を取得したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、新規保管塗料情報取得部111は、新規保管塗料情報を取得していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS107の処理が実行される。一方、新規保管塗料情報取得部111が、新規保管塗料情報を取得したと判定すると(ステップS103:Yes)、取得した新規保管塗料情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を抽出して保管塗料情報管理部112に通知する。このとき、新規保管塗料情報取得部111は、抽出した色票番号情報を色特定部113にも通知する。そして、保管塗料情報管理部112は、保管塗料情報管理部112から通知された利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および画像情報を互いに対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる(ステップS104)。続いて、色特定部113は、端末装置3から送信された新規保管塗料情報に対応する少なくとも1つの塗料それぞれについて、他の塗料を用いて調色することに実現可能な色を特定し、特定した色の色票番号情報を保管塗料情報管理部112に通知する。そして、保管塗料情報管理部112は、色特定部113から通知された色票番号情報を、その色票番号情報に対応する塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる(ステップS105)。
【0043】
その後、保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、新たに追加された保管塗料情報の利用者識別情報と同一の利用者識別情報を含む保管塗料情報を特定し、特定した保管塗料情報を新規保管塗料情報の送信元の端末装置3へ送信する(ステップS106)。
【0044】
次に、出品要求部115は、端末装置3から送信される出品要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、出品要求部115は、出品要求情報を取得していないと判定すると(ステップS107:No)、後述のステップS109の処理が実行される。一方、出品要求部115が、出品要求情報を取得したと判定すると(ステップS107:Yes)、取得した出品要求情報を販売管理サーバ9へ送信する(ステップS108)。
【0045】
続いて、発注部116は、端末装置3から送信される発注要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、発注部116は、発注要求情報を取得していないと判定すると(ステップS109:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、発注部116は、発注要求情報を取得したと判定すると(ステップS109:Yes)、取得した発注要求情報に含まれるメーカ情報に基づいて、塗料の発注先の端末装置8を特定する(ステップS110)。その後、発注部116は、利用者識別情報、色票番号情報および品名情報を含む発注情報を生成し、生成した発注情報を特定した端末装置8へ送信する(ステップS111)。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1によれば、色特定部113が、塗装業者が保管する塗料それぞれについて、他の塗料と混合することに実現可能な色の色票番号情報を特定する。そして、保管塗料情報管理部112が、特定された色票番号情報を、塗装業者が保管する塗料が充填された容器の撮像画像を示す画像情報とともに、その塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部131に記憶させる。また、保管塗料情報通知部114が、塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、塗料それぞれの塗料識別情報と、色票番号情報と、を、塗装業者が所持する端末装置3へ送信する。これにより、塗装業者が保管している塗料の容器の画像情報と色情報とを端末装置3の表示部304に表示させることができるので、塗装業者が保管している塗料から作製できる他の色の塗料を容易に把握できる。
【0047】
(実施の形態2)
本実施の形態では、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される保管塗料情報が、保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報とともに、塗装業者が保管している塗料の量を示す保管塗料量情報と、保管している塗料を他の塗料と混合することにより作製される塗料の量を示す調色後塗料量情報と、を含むものである点が実施の形態1と相違する。また、本実施の形態では、塗装業者が所望する自ら保管する塗料と他の塗料とを混合することにより得られる調色後塗料を必要量だけ作製するために必要の他の塗料の必要量を塗装業者に提示する機能を備えるものであってもよい。
【0048】
本実施の形態に係る端末装置2003は、実施の形態に係る端末装置3と同様のハードウェア構成を有し、
図10に示すように、受付部311と、保管塗料情報取得部312、画像形成部2313、表示制御部314と、撮像制御部315と、新規保管塗料情報生成部2316、新規保管塗料情報送信部2317、出品要求部318と、発注要求部319と、必要塗料量取得部2320と、を備える。なお、
図10において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。また、端末装置2003は、保管塗料情報記憶部2331と、画像記憶部332と、新規保管塗料情報記憶部2333と、表示画像記憶部521と、を備える。保管塗料情報記憶部2331は、クラウドサーバ1から取得した保管塗料情報に含まれる、取得した保管塗料情報に含まれる保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報とともに、塗装業者が保管している塗料の量を示す保管塗料量情報と、保管している塗料を他の塗料と混合することにより作製される塗料の量を示す調色後塗料量情報と、を互いに対応づけて記憶する。
【0049】
受付部311は、塗装業者が端末装置2003の表示部304に表示される保管している塗料を他の塗料と混合することにより作製される塗料の最大量を参照しながら、入力部305に対して自ら保管する塗料と他の塗料とを混合することにより得られる調色後塗料の色票番号情報とその必要量とを入力する塗料必要量入力操作を行うと、塗料必要量入力操作を受け付けてその操作に応じた操作情報を生成して必要塗料量取得部2320に通知する。
【0050】
必要塗料量取得部2320は、塗料必要量入力操作に対応する操作情報が通知されると、通知された操作情報が示す調色後塗料の色票番号を示す調色後塗料色票番号情報と、その塗料量を示す必要調色後塗料量情報と、自ら保管する塗料と混合する他の塗料の色票番号を示す混合塗料色票番号情報と、をクラウドサーバ2001へ送信することにより、クラウドサーバ2001から自ら保管する塗料と混合する必要のある塗料の色票番号を示す混合塗料色票番号情報とその塗料の必要塗料量を示す必要混合塗料量情報とを取得する。そして、必要塗料量取得部2320は、取得した混合塗料色票番号情報と必要混合塗料量情報とを画像形成部2313に通知する。
【0051】
画像形成部2313は、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報とともに、前述の保管塗料量情報と調色後塗料量情報とに基づいて、保管塗料通知画像を形成する。ここで、保管塗料量通知画像には、塗装業者が保管している塗料の量と、その塗料を他の塗料と混合することにより作製した調色後塗料の量と、を示すメッセージ情報が含まれている。また、画像形成部2313は、必要塗料量取得部2320から混合塗料色票番号情報と必要混合塗料量情報とが通知されると、通知された混合塗料色票番号情報と必要混合塗料量情報とに基づいて、自らが保管する塗料から他の色の塗料を作製するために混合する必要のある塗料の色票番号とその塗料の必要混合量とを表すメッセージ情報が例えばポップアップ画像として含まれる保管塗料通知画像を形成して表示画像記憶部321に記憶させる。これにより、表示制御部314は、塗装業者が自ら保管する塗料から他の所望する色の塗料を作製する際に必要となる他の色の塗料の色票番号とその必要量とを表すメッセージ情報を表示部304に表示させる。
【0052】
新規保管塗料情報生成部2316は、受付部311から新規保管塗料登録操作に応じた操作情報が通知されると、操作情報に含まれる利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および塗装業者が保管している塗料の量を示す保管塗料量情報を抽出する。また、新規保管塗料情報生成部2316は、撮像部307から撮像画像情報が転送されてくると、転送されてきた撮像画像情報に、抽出した利用者識別情報、色票番号情報、品名情報、メーカ情報および保管塗料量情報を付加することにより新規保管塗料情報を生成する。そして、新規保管塗料情報生成部2316は、生成した新規保管塗料情報を新規保管塗料情報記憶部333に記憶させる。新規保管塗料情報送信部2317は、新規保管塗料情報記憶部333が記憶する新規保管塗料情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0053】
また、本実施の形態に係るクラウドサーバ2001は、実施の形態に係るクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有し、新規保管塗料情報取得部111と、保管塗料情報管理部2112と、色特定部113と、保管塗料情報送信114と、出品要求部115と、発注部116と、調色後塗料量算出部2117と、必要塗料量通知部2118と、必要塗料量算出部2119と、を備える。また、クラウドサーバ2001は、保管塗料情報記憶部2131と、調色情報記憶部2132と、を有する。保管塗料情報記憶部2131は、
図11に示すように、複数の塗装業者それぞれが保管する塗料の画像情報、保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報および調色後色票番号情報とともに、各塗装業者が保管している塗料の量を示す保管塗料量情報と、調色後色票番号情報それぞれに対応する調色後塗料量情報と、を含む保管塗料情報を、複数の塗装業者それぞれを識別する利用者識別情報に対応づけて記憶する。
【0054】
調色情報記憶部2132は、
図12に示すように、予め設定された複数種類の色それぞれについて、前述の他の色と混合することにより実現できる色を示す色票番号情報とともに、その色を実現するための原色塗料(赤色、緑色、青色等)の配合比を示す配合比情報を、予め設定された複数種類の色それぞれの色票番号情報に対応づけて記憶する。
【0055】
新規保管塗料情報取得部2111は、端末装置3から送信される新規保管塗料情報を取得すると、新規保管塗料情報から抽出した色票番号情報を色特定部113とともに調色後塗料量算出部2117に通知する。また、新規保管塗料情報取得部2111は、新規保管塗料情報から抽出した保管塗料量情報を調色後塗料量算出部2117に通知する。色特定部113は、特定した色票番号情報を保管塗料情報管理部112とともに調色後塗料量算出部2117に通知する。
【0056】
調色後塗料量算出部2117は、調色情報記憶部132が記憶する配合比情報の中から、新規保管塗料情報取得部2111および色特定部113のそれぞれから通知された色票番号情報に対応する配合比情報を特定し、特定した配合比情報が示す配合比に基づいて、塗装業者が保管している塗料と他の塗料とを混合することにより作製される塗料の量を調色後塗料量として算出する。そして、調色後塗料量算出部2117は、算出した調色後塗料量を示す調色後塗料量情報を保管塗料情報管理部2112に通知する。
【0057】
保管塗料情報管理部2112は、色特定部113から通知された色票番号情報と調色後塗料量算出部2117から通知される調色後塗料量情報とを、それらに対応する塗料それぞれの塗料識別情報に対応づけて保管塗料情報記憶部2131に記憶させる。そして、保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報記憶部131が記憶する少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色票番号情報と、保管塗料量情報、調色後塗料量情報を含む保管塗料情報を、塗装業者が所持する端末装置3へ送信する。
【0058】
必要塗料量通知部2118は、端末装置2003から送信される調色後塗料色票番号情報と必要調色後塗料量情報と混合塗料色票番号情報とを取得すると、取得した調色後塗料色票番号情報と必要調色後塗料量情報と混合塗料色票番号情報とを必要塗料量算出部2119に通知する。必要塗料量算出部2119は、調色情報記憶部132が記憶する配合比情報の中から、必要塗料量通知部2118から通知される調色後塗料色票番号情報が示す色票番号情報と混合塗料色票番号情報が示す色票番号情報との組み合わせに対応する配合比情報を特定する。そして、必要塗料量算出部2119は、特定した配合比情報が示す配合比と必要調色後塗料量情報が示す塗料量とに基づいて、調色後の塗料を必要量だけ作製するために必要な混合する他の塗料の量を算出する。そして、必要塗料量算出部2119は、算出した混合する他の塗料の量を示す混合塗料量情報を必要塗料量通知部2118に通知する。一方、必要塗料量通知部2118は、必要塗料量算出部2119から混合塗料量情報が通知されると、通知された混合塗料量情報を端末装置2003へ送信する。
【0059】
本実施の形態によれば、塗装業者が、自らが保管する塗料に他の塗料を混合することにより作製できる塗料の量を把握することができる。
【0060】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態によって限定されるものではない。例えば、色情報として、例えばマンセル表色系の色相、明度および彩度を示すマンセル表色系情報を採用してもよい。この場合、保管塗料情報は、塗料のマンセル表色系情報、品名情報、メーカ情報、調色後マンセル表色系情報および画像情報から構成されるようにすればよい。ここで、調色後マンセル表色系情報は、他の塗料と混合して実現可能な塗料の色相、明度および彩度を示す情報である。
【0061】
実施の形態1において、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して所望する塗料の色系統を入力すると、端末装置3が、入力された色系統の塗料並びに他の塗料と混合することにより入力された色系統の塗料を実現可能な塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を表示部304に表示させるものであってもよい。この場合、端末装置3が、受付部311から入力された色系統を示す色系統情報が通知されると、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報の組み合わせの中から、通知された色系統の塗料並びに他の塗料と混合することにより入力された色系統の塗料を実現可能な塗料の組み合わせを特定する色系統塗料特定部を更に備えるものとすればよい。そして、画像形成部313が、色系統塗料特定部により特定された保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、塗装業者が保管する塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を形成するものとすればよい。
【0062】
実施の形態2において、例えば
図13に示すように、調色情報記憶部4132が、予め設定された複数種類の色の異なる塗料それぞれについて、前述の他の塗料と混合することにより実現できる色を示す色票番号情報とともに、その塗料を実現するために混合すべき原色塗料(赤色、緑色、青色等)の配合比を示す配合比情報と原色塗料の種類を示す塗料種類情報とを、予め設定された複数種類の塗料それぞれの色票番号情報とその種類を示す塗料種類情報とに対応づけて記憶するものであってもよい。この場合、端末装置2001の必要塗料量取得部2320は、塗料必要量入力操作に対応する操作情報が通知されると、通知された操作情報が示す調色後塗料の色票番号を示す調色後塗料色票番号情報と、調色後塗料の種類を示す調色後塗料種類情報と、その塗料量を示す必要調色後塗料量情報と、自ら保管する塗料と混合する他の塗料の色票番号を示す混合塗料色票番号情報と、他の塗料の種類を示す混合塗料種類情報と、をクラウドサーバ2001へ送信することにより、クラウドサーバ2001から自ら保管する塗料と混合する必要のある塗料の色票番号を示す混合塗料色票番号情報とその塗料の必要塗料量を示す必要混合塗料量情報とを取得するようにすればよい。
【0063】
ここで、クラウドサーバ2001の必要塗料量通知部2118は、端末装置2003から送信される調色後塗料色票番号情報と調色後塗料種類情報と必要調色後塗料量情報と混合塗料色票番号情報と混合塗料種類情報とを取得すると、取得した調色後塗料色票番号情報と調色後塗料種類情報と必要調色後塗料量情報と混合塗料色票番号情報と混合塗料種類情報とを必要塗料量算出部2119に通知する。また、必要塗料量算出部2119は、調色情報記憶部132が記憶する配合比情報の中から、必要塗料量通知部2118から通知される調色後塗料色票番号情報が示す色票番号情報と調色後塗料種類情報が示す塗料の種類と混合塗料色票番号情報が示す色票番号情報と混合塗料種類情報が示す塗料の種類との組み合わせに対応する配合比情報を特定する。そして、必要塗料量算出部2119が、算出した混合する他の塗料の量を示す混合塗料量情報を必要塗料量通知部2118に通知し、必要塗料量通知部2118が、通知された混合塗料量情報を端末装置2003へ送信するようにすればよい。
【0064】
本構成によれば、塗装業者が、自らが保管する塗料に他の塗料を混合することにより作製できる塗料の量を把握することができる。
【0065】
実施の形態2において、クラウドサーバ1が、複数の塗装業者それぞれが保管する塗料の塗料種類情報および色票番号情報、または、塗料販売業者が保管する塗料の塗料種類情報および色票番号情報を、その塗料が保管されている場所を示す保管場所情報に対応づけて記憶する塗料保管場所記憶部を更に備えるものであってもよい。この場合、保管塗料情報管理部2112が、塗料保管場所記憶部が記憶する保管場所情報を参照して、色特定部113から通知された色票番号情報に対応する保管場所情報を選出するようにすればよい。そして、保管塗料管理部2112は、色票番号情報と調色後塗料量情報とを、それらに対応する塗料それぞれの塗料識別情報、塗料種類情報並びに塗料保管場所情報に対応づけて保管塗料情報記憶部2131に記憶させるようにすればよい。また、保管塗料情報通知部114は、保管塗料情報記憶部131が記憶する少なくとも1つの塗料が充填された容器それぞれの撮像画像と、少なくとも1つの塗料それぞれの塗料識別情報と、色票番号情報と、保管塗料量情報と、調色後塗料量情報と、塗料保管場所情報と、を含む保管塗料情報を、塗装業者が所持する端末装置2003へ送信する。一方、端末装置2003は、保管塗料量情報が示す塗料の保管場所を容器の撮像画像とともに表示部304に表示させる。
【0066】
本構成によれば、端末装置2003の表示部304に、混合できる原色塗料、保管塗料の保管場所が表示されるので、塗装業者は、自らが保管する塗料と混合する塗料を他の塗装業者から引き取って混合する場合、それらに要する時間の目安を把握することができる。例えば、舞鶴市に住んでいる塗装業者が混合したい塗料の保管場所が高知市と表示部304に表示されている場合、その塗装業者は、混合して所望する塗料を得るまでに長時間を要することを認識できる。一方、舞鶴市に住んでいる塗装業者が混合したい塗料の保管場所が福知山市と表示部304に表示されている場合、その塗装業者は、混合して所望する塗料を得るまでに要する時間が比較的短いと認識できる。
【0067】
実施の形態1において、クラウドサーバ1が、測色機2004により測定された保管している塗料の色から自ら保管する塗料と混合することにより作製される他の色の塗料の色票番号を特定するものであってもよい。
【0068】
図14に示すように、本変形例に係る測色機3004は、クラウドサーバ3001と通信可能であり、塗料に白色光を照射したときの反射光を受光し、受光した反射光の波長スペクトルから塗料の色をXYZ表色系空間における3次元ベクトルで表現したときの各要素を算出する。そして、測色機3004は、算出した3次元ベクトルの要素を示す測色結果情報を生成してクラウドサーバ3001へ送信する。
【0069】
クラウドサーバ3001は、実施の形態に係るクラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有し、新規保管塗料情報取得部3111と、保管塗料情報管理部2112と、色特定部3113と、保管塗料情報送信114と、出品要求部115と、発注部116と、調色後塗料量算出部2117と、必要塗料量通知部2118と、必要塗料量算出部2119と、を備える。なお、実施の形態2と同様の構成については
図10と同一の符号を付している。また、クラウドサーバ2001は、保管塗料情報記憶部2131と、調色情報記憶部2132と、XYZ表色系情報記憶部3133と、を有する。XYZ表色系情報記憶部3133は、下記式(1)に示すような、XYZ表色系空間における3次元ベクトルを、予め設定された複数種類の原料塗料の配合比を要素とするn(nは正の整数)次元ベクトルに変換するための変換式を示す情報を記憶する。
【0070】
【数1】
・・・式(1)
ここで、(XYZ)は、XYZ表色系空間における3次元ベクトルを示し、(r
1…r
n)は、予め設定された複数種類の原料塗料の配合比を要素とするn次元ベクトルを示し、Mは変換行列を示す。この変換式としては、クベルカムンク理論等に基づいて導出されたものを採用することができる。
【0071】
新規保管塗料情報取得部3111は、測色機3004から送信される測色結果情報を取得すると、取得した測色結果情報を色特定部3113に通知する。なお、新規保管塗料情報取得部3111は、実施の形態2に係る新規保管塗料情報取得部2111と同様の機能も有する。
【0072】
色特定部3113は、新規保管塗料情報取得部3111から測色結果情報が通知されると、XYZ表色系情報記憶部3133が記憶する前述の式(1)の関係式を示す情報に基づいて、通知された測色結果情報が示すXYZ表色系空間における3次元ベクトルを、予め設定された複数種類の原料塗料の配合比を要素とする多次元ベクトルに変換する。そして、色特定部3113は、調色情報記憶部2132が記憶する色票番号情報の中から、変換して得られた原料塗料の配合比を要素とする多次元ベクトルの要素の比が、原料塗料配合比情報が示す比と同一である色票番号情報を特定する。そして、色特定部3113は、特定した色票番号情報を保管塗料情報管理部2112に通知する。
【0073】
本構成によれば、塗装業者が測色機3004を使用して自らが保管する塗料の色を特定することができるので、塗装業者は自らが保管する塗料の色票番号を調べる必要が無くなり、その分、塗装業者の利便性が向上する。
【0074】
各実施の形態では、塗装業者が保管している塗料に他の塗装業者が保管している塗料或いは原色塗料を混合することにより作製される塗料の色票番号情報が端末装置3の表示部304に表示される例について説明した。但し、これに限らず、例えば塗装業者が保管している塗料に複数種類の塗料を混合することにより作製される塗料の色票番号情報等が端末装置3の表示部304に表示されるものであってもよい。例えば塗装業者が保管している塗料に、塗装業者が保管している他の塗料と原色塗料或いは塗装業者が保管している複数種類の塗料を混合することにより作製できる塗料の色票番号等を表示するものであってもよい。
【0075】
実施の形態1において、クラウドサーバが、有効期限間近の保管塗料、塗装業者が過去に発注した保管塗料または塗装業者が予め登録した保管塗料に関する情報を含むリコメンド情報を自発的に端末装置へ送信する機能を有するものであってもよい。
【0076】
本変形例に係る端末装置5003、クラウドサーバ5003は、実施の形態に係る端末装置3、クラウドサーバ1と同様のハードウェア構成を有するため、ハードウェア構成については
図2と同一の符号を用いて説明する。本変形例に係る端末装置5003では、CPU301が、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、
図15に示すように、受付部311、保管塗料情報取得部312、画像形成部5313、表示制御部314、撮像制御部315、新規保管塗料情報生成部316、新規保管塗料情報送信部317、出品要求部318、発注要求部319、事前登録要求部5320およびリコメンド情報取得部5321として機能する。なお、
図15において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。また、補助記憶部303は、保管塗料情報記憶部331と、画像記憶部332と、新規保管塗料情報記憶部333と、を有する。また、主記憶部502の画像専用メモリは、表示画像記憶部521を有する。受付部311は、塗装業者が、入力部305に対してクラウドサーバ5002に新たに保管塗料情報が登録された場合に塗装業者に対してリコメンドして欲しい塗料を事前にクラウドサーバ5001に登録するための事前登録操作を行うと、事前登録操作を示す操作情報を生成して事前登録要求部5320に通知する。事前登録操作では、リコメンドして欲しい塗料の品名情報およびメーカ情報が入力部305を介して入力される。
【0077】
事前登録要求部5320は、受付部311から前述の事前登録操作を示す操作情報が通知されると、操作情報に基づいて、リコメンドして欲しい塗料の品名情報およびメーカ情報を含む事前登録要求情報を生成してクラウドサーバ5001へ送信する。
【0078】
リコメンド情報取得部5321は、クラウドサーバ5001から送信されるリコメンド情報を取得すると、取得したリコメンド情報に含まれる保管塗料情報を抽出して画像形成部5313に通知する。ここで、リコメンド情報には、有効期限間近の保管塗料、塗装業者が過去に発注した塗料または塗装業者が予め登録した塗料の保管塗料情報が含まれる。
【0079】
画像形成部5313は、実施の形態1と同様に、保管塗料情報記憶部331が記憶する保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報、調色後色票番号情報および画像情報に基づいて、塗装業者が保管する塗料の撮像画像を含む保管塗料通知画像を形成する。また、画像形成部5313は、リコメンド情報取得部5320から保管塗料情報が通知されると、通知された保管塗料情報に基づいて、塗装業者に対して発注または使用を促すためのプッシュ通知画像を形成して、表示画像記憶部321に記憶させる。そして、表示制御部314は、表示画像記憶部321が記憶するプッシュ通知画像を表示部304に表示させる。
【0080】
また、本変形例に係るクラウドサーバ5001では、CPU301が、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、新規保管塗料情報取得部111、保管塗料情報管理部112、色特定部113、保管塗料情報送信114、出品要求部115、発注部3116、有効期限直前塗料特定部5120、過去発注塗料特定部5121、事前登録塗料判定部5122、リコメンド情報生成部5123、リコメンド情報送信部5124および事前登録部5125として機能する。また、補助記憶部103は、保管塗料情報記憶部5131と、調色情報記憶部132と、発注履歴記憶部5133と、事前登録塗料記憶部5134と、を有する。保管塗料情報記憶部5131は、
図16に示すように、複数の塗装業者それぞれが保管する塗料の画像情報、保管塗料色票番号情報、品名情報、メーカ情報および調色後色票番号情報とともに、塗料の有効期限を示す有効期限情報を含む保管塗料情報を、複数の塗装業者それぞれを識別する利用者識別情報に対応づけて記憶する。
【0081】
発注履歴記憶部5133は、塗装業者が過去に発注した塗料の品名情報とメーカ情報とを、発注された日時を示す発注日時情報と前述の利用者識別情報とに対応づけて記憶する。事前登録塗料記憶部5134は、塗装業者がリコメンドして欲しい塗料の品名情報およびメーカ情報を、前述の利用者識別情報に対応づけて記憶する。事前登録部5125は、端末装置5003から事前登録要求情報を取得すると、取得した事前登録要求情報に含まれる品名情報とメーカ情報と利用者識別情報とを抽出し、抽出した品名情報とメーカ情報と利用者識別情報とを互いに対応づけて事前登録塗料記憶部5134に記憶させる。発注部3116は、発注情報を、発注日時情報に対応付けて発注履歴記憶部5133に記憶させる。
【0082】
有効期限直前塗料特定部5120は、予め設定されたリコメンド時期が到来すると、保管塗料情報記憶部5131が記憶する有効期限情報を参照して、現時点から有効期限までの期間が予め設定されたリコメンド基準期間以下である保管塗料情報を特定する。ここで、リコメンド基準期間の長さは特に限定されないが、例えば1週間に設定することができる。そして、有効期限直前塗料特定部5120は、特定した保管塗料情報をリコメンド情報生成部5123に通知する。
【0083】
過去発注塗料特定部5121は、予め設定されたリコメンド時期が到来すると、発注履歴記憶部5133が記憶する発注日時情報を参照して、現時点から予め設定された発注履歴参照期間だけ遡った時点から現時点までの間に発注された塗料の品名情報とメーカ情報とを特定する。ここで、発注履歴参照期間の長さは特に限定されないが、例えば数ヶ月に設定することができる。そして、過去発注塗料特定部5121は、保管塗料情報記憶部5131が記憶する保管塗料情報の中から、特定した品名情報とメーカ情報との組み合わせを含む保管塗料情報を特定し、特定した保管塗料情報をリコメンド情報生成部5123に通知する。
【0084】
事前登録塗料判定部5122は、保管塗料情報記憶部5131が新たな保管塗料情報を記憶すると、新たに記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれるか否かを判定する。そして、事前登録塗料判定部5122は、新たに記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれると判定すると、新たに記憶された保管塗料情報をリコメンド情報生成部5123に通知する。
【0085】
リコメンド情報生成部5123は、有効期限直前塗料特定部5120、過去発注塗料特定部5121または事前登録塗料判定部5122から保管塗料情報が通知されると、通知された保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成する。そして、リコメンド情報送信部5124は、生成されたリコメンド情報を端末装置5003へ送信する。ここで、リコメンド情報送信部5124は、生成されたリコメンド情報を、リコメンド情報の送信先として予めクラウドサーバ5001に登録されている少なくとも1つの端末装置5003全てにブロードキャスト送信する。
【0086】
次に、本変形例に係る保管塗料管理システムの動作について、
図17を参照しながら説明する。なお、
図17において、実施の形態1と同様の処理については
図5および
図7と同一の符号を付している。まず、前述のリコメンド時期が到来すると、クラウドサーバ5001は、保管塗料情報記憶部5131が記憶する有効期限情報を参照して、現時点から有効期限までの期間が予め設定されたリコメンド基準期間以下である保管塗料情報を特定する(ステップS5001)。次に、クラウドサーバ5001は、発注履歴記憶部5133が記憶する発注日時情報を参照して、現時点から予め設定された発注履歴参照期間だけ遡った時点から現時点までの間に発注された塗料の品名情報とメーカ情報とを特定する(ステップS5002)。続いて、クラウドサーバ5001は、特定した品名情報とメーカ情報との組み合わせを含む保管塗料情報を特定する(ステップS5003)。その後、クラウドサーバ5001が、特定した保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成し(ステップS5004)、生成されたリコメンド情報が、クラウドサーバ5001から端末装置5003へ送信される(ステップS5005)。一方、端末装置5003は、リコメンド情報に含まれる保管塗料情報に基づいて、リコメンド画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS5006)。
【0087】
また、クラウドサーバ5001は、端末装置5003から実施の形態1で説明した新規保管塗料情報を取得し(ステップS10)、新たに記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれると判定したとする(ステップS5007)。この場合、クラウドサーバ5001が、新たに記憶された保管塗料情報をリコメンド情報を含むリコメンド情報を生成し(ステップS5008)、生成されたリコメンド情報が、クラウドサーバ5001から端末装置5003へ送信される(ステップS5009)。一方、端末装置5003は、リコメンド情報に含まれる保管塗料情報に基づいて、リコメンド画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS5010)。ここで、端末装置5003は、例えば保管塗料情報に基づいて、クラウドサーバ5001が管理している保管塗料の一覧が掲載されたサムネイル画像を形成して表示部304に表示させるものであってもよい。その後、実施の形態1で説明した保管塗料表示操作を行うと、ステップS1以降の一連の処理が実行される。
【0088】
次に、本変形例に係るクラウドサーバ5001が実行する保管塗料管理処理について、
図18を参照しながら説明する。なお、
図18において実施の形態1と同様の処理については
図9と同一の符号を付している。まず、ステップS101およびS102の処理が行われた後、新規保管塗料情報取得部111が、端末装置3から送信される新規保管塗料情報を取得したと判定したとする(ステップS103:Yes)。この場合、ステップS104乃至S106までの一連の処理が実行された後、事前登録塗料判定部5122は、新たに保管塗料情報記憶部5131に記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせのいずれかが含まれるか否かを判定する(ステップS5101)。ここで、事前登録塗料判定部5122が、新たに保管塗料情報記憶部5131に記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせが含まれないと判定すると(ステップS5101:No)、ステップS107以降の処理が実行される。一方、事前登録塗料判定部5122が、新たに保管塗料情報記憶部5131に記憶された保管塗料情報に、事前登録塗料記憶部5134が記憶する品名情報とメーカ情報との組み合わせが含まれると判定したとする(ステップS5101:Yes)。この場合、リコメンド情報生成部5123は、事前登録塗料記憶部5134に新たに記憶された保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成し、リコメンド情報送信部5124が、生成されたリコメンド情報を端末装置5003へ送信する(ステップS5102)。次に、ステップS107乃至S111までの一連の処理が実行される。
【0089】
続いて、有効期限直前塗料特定部5120は、前述のリコメンド時期が到来したか否かを判定する(ステップS5103)。ここで、有効期限直前塗料特定部5120が、リコメンド時期が未だ到来していないと判定すると(ステップS5103:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、有効期限直前塗料特定部5120は、リコメンド時期が到来したと判定すると(ステップS5103:Yes)、保管塗料情報記憶部5131が記憶する有効期限情報を参照して、現時点から有効期限までの期間が予め設定されたリコメンド基準期間以下である保管塗料情報を特定する(ステップS5104)。次に、過去発注塗料特定部5121は、発注履歴記憶部5133が記憶する発注日時情報を参照して、現時点から予め設定された発注履歴参照期間だけ遡った時点から現時点までの間に発注された塗料の品名情報とメーカ情報とを特定する(ステップS5105)。続いて、過去発注塗料特定部5121は、保管塗料情報記憶部5131が記憶する保管塗料情報の中から、特定した品名情報とメーカ情報との組み合わせを含む保管塗料情報を特定する(ステップS5106)。その後、リコメンド情報生成部5123が、特定された保管塗料情報を含むリコメンド情報を生成し、リコメンド情報送信部5124が、生成されたリコメンド情報を端末装置5003へ送信する(ステップS5107)。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0090】
本構成によれば、クラウドサーバ5001が、有効期限間近の保管塗料、塗装業者が過去に発注した保管塗料または塗装業者が予め登録した保管塗料に関する情報を含むリコメンド情報を自発的に端末装置5003へ送信する。これにより、塗装業者は、端末装置5003を介してクラウドサーバ5001が管理する塗料の在庫の状況を確認するための保管塗料表示操作を行わなくても塗装業者に塗料の在庫の状況を把握することができるので、塗装業者の利便性を高めることができる。また、リコメンド情報が、リコメンド情報の送信先として予めクラウドサーバ5001に登録されている少なくとも1つの端末装置5003全てにブロードキャスト送信される。従って、例えば複数の塗装業者で塗料の在庫を使用する場合、複数の塗装業者の間での在庫塗料の使用頻度の偏りを抑制することができる。
【0091】
前述の変形例では、リコメンド情報送信部5124が、リコメンド情報を、リコメンド情報の送信先として予めクラウドサーバ5001に登録されている少なくとも1つの端末装置5003全てにブロードキャスト送信する例について説明した。但し、これに限らず、リコメンド情報送信部5124が、リコメンド情報を、塗装業者が登録しているSNS(Social Network Service)を管理するSNS管理サーバへ送信するものであってもよい。
【0092】
また、前述の変形例では、クラウドサーバ5001が、リコメンド情報を、新規保管塗料情報を生成する新規保管塗料情報生成部316を有する端末装置5003へ送信する例について説明した。但し、これに限らず、クラウドサーバ5001が、リコメンド情報を、例えば塗料を発注するための発注要求情報を生成する発注要求部319を有し、新規保管塗料情報生成部316を有さない端末装置へ送信するものであってもよい。
【0093】
実施の形態1において、クラウドサーバが、塗装業者が所望する色、種類、系統の塗料、または、既に登録されている他の塗料と調色することにより塗装業者が所望する色の塗料を実現できる塗料が新たに登録されると、新たに登録された塗料に関する情報を含むリコメント情報を自発的に端末装置へ送信する機能を有するものであってもよい。ここで、他の塗料としては、塗装業者が既に在庫として保管している塗料、或いは、予め設定された原色塗料が挙げられる。また、クラウドサーバが、塗装業者が、予め登録した地域に存在する塗料の保管元において新たに塗料が登録されると、新たに登録された塗料に関する情報を含むリコメント情報を自発的に端末装置へ送信する機能を有するものであってもよい。
【0094】
実施の形態1において、クラウドサーバが、保管塗料の残量が予め設定された基準残量以下になると、当該保管塗料に関する情報を含むリコメンド情報を自発的に端末装置へ送信する機能を有するものであってもよい。
【0095】
実施の形態1において、クラウドサーバが、予め設定された基準価格以下の価格の塗料が出品された場合、当該塗料に関する情報を含むリコメンド情報を自発的に端末装置へ送信する機能を有するものであってもよい。例えば5000円以下の塗料が出品された場合にその塗料に関する情報を含むリコメンド情報を端末装置へ送信するものであってもよい。また、クラウドサーバが、出品された塗料の購買状況を監視する機能を有し、出品された塗料が購買されると、これに応じて、予め設定された運送業者が所有する端末装置へ塗料の引き取りを依頼するための依頼情報を送信するものであってもよい。
【0096】
実施の形態1では、塗装業者が新たに保管する塗料を登録する場合、塗装業者は、新たに保管する塗料の色票番号情報、品名情報およびメーカ情報を入力する新規保管塗料登録操作を入力部305に対して行う例について説明した。但し、これに限らず、例えば、塗装業者が、新たに保管する塗料の容器の側壁等に貼付されている、塗料の色票番号、品名、メーカ名が記載されたラベルを撮像部307により撮像すると、撮像した写真に含まれるラベルに記載された色票番号、品名、メーカ名を推定する機能を有するものであってもよい。この場合、端末装置3は、撮像部307により撮像された写真画像の中からラベルの画像部分を抽出し、抽出した画像から色票番号、品名、メーカ名に対応する文字列が記載された部分を推定し、推定した部分に記載された文字列から色票番号、品名、メーカ名を推定する新規保管塗料情報推定部を備えるものであってもよい。ここで、新規保管塗料情報推定部は、例えば、文字特性解析、パターンマッチング技術を組み合わせた方法、或いは、畳み込みニューラルネットワークを利用した画像認識技術を利用した方法を用いて、文字列を推定し、推定した文字列から、色票番号、品名、メーカ名に相当する文字列を抽出する。そして、新規保管塗料情報生成部316は、塗料情報推定部により推定された色票番号、品名、メーカ名を示す色票番号情報、品名情報、メーカ情報を含む新規保管塗料情報を生成して新規保管塗料情報記憶部333に記憶させるようにすればよい。なお、ラベルの写真画像の取得方法は、撮像部307を用いた方法に限定されるものではなく、光学式スキャナによりラベルをスキャンすることによる方法であってもよい。
【0097】
本構成によれば、塗装業者が、色票番号、品名情報、メーカ名を入力する操作を省略することができるので、その分、塗装業者の新規保管塗料登録操作における手間を低減できるという利点がある。
【0098】
実施の形態1において、クラウドサーバ1が、端末装置3から端末装置3を所持する塗装業者とは異なる他の利用者が保管する塗料の保管塗料情報の送信を要求する保管塗料情報要求情報を取得すると、これに応じて、他の利用者が保管する塗料の保管塗料情報を端末装置3へ送信するものであってもよい。この場合、保管塗料要求情報は、端末装置3を所持する塗装業者の利用者識別情報と、他の利用者の利用者識別情報と、を含むものとすればよい。そして、クラウドサーバ1は、端末装置3から保管塗料情報要求情報を取得すると、保管塗料情報記憶部131が記憶する保管塗料情報の中から、取得した保管塗料情報要求情報に含まれる、他の利用者の利用者識別情報に対応する保管塗料情報を特定し、特定した保管塗料情報を端末装置3へ送信するようにすればよい。
【0099】
実施の形態1において、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して所望する塗料の種類と購入希望金額とを入力する希望塗料表示操作を行うと、所望する塗料の種類と購入希望金額とを示す情報を含む保管塗料情報要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信されるものであってもよい。また、クラウドサーバ1は、当該保管塗料情報要求情報を取得すると、取得した保管塗料要求情報に含まれる所望する種類の塗料であって購入希望金額を示す情報を抽出し、抽出した情報に基づいて、塗装業者が所望する種類の塗料であって購入希望金額を示すに合致する塗料の保管塗料情報を端末装置3へ送信するものであってもよい。そして、端末装置3は、当該保管塗料情報を取得すると、取得した保管塗料情報に基づいて、塗装業者が所望する種類の塗料であって購入希望金額を示すに合致する塗料の一覧を示す塗料一覧通知画像を形成して表示部304に表示させるものであってもよい。この場合、塗装業者は、表示部304に表示された塗料一覧通知画像を参照して、新たな塗料を発注するための発注操作を行うことができる。
【0100】
また、本発明に係るクラウドサーバ1、2001、3001、5001および端末装置3、2003、5003の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するクラウドサーバ1、2001、3001、5001および端末装置3、2003、5003を構成してもよい。
【0101】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するクラウドサーバ1、2001、3001、5001および端末装置3、2003、5003して機能する。
【0102】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、塗装業者が自ら保管している塗料の保管状況を管理するための装置として好適である。
【符号の説明】
【0104】
1,2001,3001,5001:クラウドサーバ、3,2003,5003:端末装置、3a:操作釦、101,301:CPU、102,302:主記憶部、103,303:補助記憶部、106,306:通信部、109,309:バス、111,2111,3111:新規保管塗料情報取得部、112,2112:保管塗料情報管理部、113,3113:色特定部、114:保管塗料情報通知部、115,318:出品要求部、116,3116:発注部、131,331,2131,5131:保管塗料情報記憶部、132:調色情報記憶部、304:表示部、305:入力部、307:撮像部、311:受付部、312:保管塗料情報取得部、313,2313:画像形成部、314:表示制御部、315:撮像制御部、316,2316:新規保管塗料情報生成部、317,2317:新規保管塗料情報送信部、319:発注要求部、321:表示画像記憶部、332:画像記憶部、333,2333:新規保管塗料情報記憶部、2117:調色後塗料量算出部、2118:必要塗料量通知部、2119:必要塗料量算出部、2320:必要塗料量取得部、3004:測色機、3133:XYZ表色系情報記憶部、5120:有効期限直前塗料特定部、5121:過去発注塗料特定部、5122:事前登録塗料特定部、5123:リコメンド情報生成部、5124:リコメンド情報送信部、5125:事前登録部、5133:発注履歴記憶部、5134:事前登録塗料記憶部、5320:事前登録要求部、5321:リコメンド情報取得部、GA1:保管塗料通知画像、GA01,GA02:撮像画像、GA011,GA012:帯画像、M11,M12,M13,M21,M22,M23,M24:メッセージ情報、NW1:ネットワーク