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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052301
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ケラバ包み用下地金具
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/40 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
E04D3/40 M
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158919
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】593162095
【氏名又は名称】株式会社長谷川工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(71)【出願人】
【識別番号】513192292
【氏名又は名称】株式会社 セキノワークス
(72)【発明者】
【氏名】吉田 誠志
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108AS02
2E108AZ06
2E108BB04
2E108BN06
2E108CC02
2E108DD01
2E108ER03
2E108FF03
2E108GG05
(57)【要約】
【課題】ケラバ包み板用の下地金具を提供すること。
【解決手段】上部に前記ケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7,若しくはケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを設置可能な金具設置部8を有し,下部に前記母屋材1に固定する固定部9を有する下地金具本体Aと、この下地金具本体Aに前記母屋材1の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段12を介して位置決め固定可能に取付けられ,前記母屋材1の端部側に配される外側部に前記ケラバ包み板5の外側板部10を支持する調整外板支持部13を有する調整下地体Bとから成るケラバ包み用下地金具。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
母屋材に固定されたタイトフレームと並設状態で前記母屋材の端部に固定されて、前記タイトフレームに支持された折板屋根材の端部の山部を覆うケラバ包み板を支持するケラバ包み用下地金具であって、
下地金具本体は、鉛直方向に板面を有する金属板で構成され、
この下地金具本体を構成する金属板の上部が略直角に折曲されて、この上部折曲板部が前記ケラバ包み板の天板部を支持する天板支持部,若しくはケラバ包み板の天板部を支持する天板支持部を備えた天板支持金具を設置可能な金具設置部として構成され、
この下地金具本体を構成する金属板の下部が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材に固定する固定部として構成され、
この下地金具本体を構成する金属板の、前記母屋材の端部側に配される側部が略直角に折曲されて、この側部折曲板部が前記ケラバ包み板の外側板部を支持する外板支持部として構成されていることを特徴とするケラバ包み用下地金具。
【請求項2】
母屋材に固定されたタイトフレームと並設状態で前記母屋材の端部に固定されて、前記タイトフレームに支持された折板屋根材の端部の山部を覆うケラバ包み板を支持するケラバ包み用下地金具であって、
上部に前記ケラバ包み板の天板部を支持する天板支持部,若しくはケラバ包み板の天板部を支持する天板支持部を備えた天板支持金具を設置可能な金具設置部を有し,下部に前記母屋材に固定する固定部を有する下地金具本体と、
この下地金具本体に前記母屋材の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段を介して位置決め固定可能に取付けられ,前記母屋材の端部側に配される外側部に前記ケラバ包み板の外側板部を支持する調整外板支持部を有する調整下地体とから成ることを特徴とするケラバ包み用下地金具。
【請求項3】
前記下地金具本体は、上部の前記天板支持部若しくは前記金具設置部と下部の前記固定部との間に立板部を有する形状に構成されていると共に、この立板部に、水平方向に長さを有するスライド用スリットが設けられており、
前記調整下地体は、前記下地金具本体のスライド用スリットに挿入されてこのスライド用スリットに沿ってスライド移動自在なスライド片を有する形状に構成されていることを特徴とする請求項2記載のケラバ包み用下地金具。
【請求項4】
前記下地金具本体は、鉛直方向に板面を有する金属板で構成され、
この下地金具本体を構成する金属板の上部が略直角に折曲されて、この上部折曲板部が前記ケラバ包み板の天板部を面で支持可能な前記天板支持部若しくは前記天板支持金具を面で支持設置可能な前記金具設置部として構成され、
この下地金具本体を構成する金属板の下部が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材に面で載置固定可能な前記固定部として構成され、
この天板支持部若しくは金具設置部と固定部との間の板部が前記立板部として構成されて、この立板部に前記スライド用スリットが設けられていることを特徴とする請求項3記載のケラバ包み用下地金具。
【請求項5】
前記調整下地体は、鉛直方向に板面を有する金属板で構成され、
この調整下地体を構成する金属板の、前記母屋材の端部側に配される外側部が略直角に折曲されて、この外側折曲板部が前記調整外板支持部として構成され、
この調整外板支持部の反対側である前記調整下地体を構成する金属板の内側部には、水平方向に長さを有する帯板が一体に突設されていて、この水平帯板がスライド腕部として構成されていると共に、このスライド腕部の上縁部若しくは下縁部が略直角に折曲されて、この直角折曲板部が、前記スライド用スリットに挿入されてこのスライド用スリットに沿ってスライド移動自在なスライド片として構成されていることを特徴とする請求項3記載のケラバ包み用下地金具。
【請求項6】
前記調整下地体は、上部にケラバ包み板の外側天板部を支持する外側天板支持部を有していることを特徴とする請求項2記載のケラバ包み用下地金具。
【請求項7】
前記スライド固定手段は、前記下地金具本体の立板部にビス止め用の下穴若しくは指標が設けられ、この下穴若しくは指標に位置を合わせるビス穴が前記調整下地体のスライド腕部に水平方向に間隔を置いて複数並設状態に設けられていて、複数のビス穴を選択して前記下穴若しくは指標に位置を合わせビス穴に通したビスを下穴若しくは指標を介して前記立板部に止着することにより、下地金具本体に対し調整下地体が位置決め固定されるように構成されていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載のケラバ包み用下地金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根板の端を覆うケラバ包み板を支持するケラバ包み用下地金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の折板屋根のケラバ納め構造は、ケラバ包み板の外側板部の下端がドリルビスによって外壁材および母屋材に締結固定される一方、ケラバ包み板の内側板部がドリルビスによって折板屋根板およびタイトフレームの上部に締結固定されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来のケラバ納め構造は、ケラバ包み板を支持して固定するための下地がなかったため、このケラバ包み板を屋根上で作業者が踏んでしまうと簡単に変形してしまう。また、昨今は異常気象により想定外の強風が吹き荒れることが多くなってきているが、下地なしで固定されているケラバ包み板は、強風に煽られて変形したり、場合によっては吹き飛ばされてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2781953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のケラバ納め構造には、上記のような問題点があるが、これを解決できるケラバ包み板用の下地はこれまでに商品化されていない。
【0006】
本発明は、この点、ケラバ包み板を確固に支持できる専用のケラバ包み用下地金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態で前記母屋材1の端部に固定されて、前記タイトフレーム2に支持された折板屋根材3の端部の山部4を覆うケラバ包み板5を支持するケラバ包み用下地金具であって、
下地金具本体Aは、鉛直方向に板面を有する金属板aで構成され、
この下地金具本体Aを構成する金属板aの上部が略直角に折曲されて、この上部折曲板部が前記ケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7,若しくはケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを設置可能な金具設置部8として構成され、
この下地金具本体Aを構成する金属板aの下部が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材1に固定する固定部9として構成され、
この下地金具本体Aを構成する金属板aの、前記母屋材1の端部側に配される側部が略直角に折曲されて、この側部折曲板部が前記ケラバ包み板5の外側板部10を支持する外板支持部11として構成されていることを特徴とするケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0009】
また、母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態で前記母屋材1の端部に固定されて、前記タイトフレーム2に支持された折板屋根材3の端部の山部4を覆うケラバ包み板5を支持するケラバ包み用下地金具であって、
上部に前記ケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7,若しくはケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを設置可能な金具設置部8を有し,下部に前記母屋材1に固定する固定部9を有する下地金具本体Aと、
この下地金具本体Aに前記母屋材1の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段12を介して位置決め固定可能に取付けられ,前記母屋材1の端部側に配される外側部に前記ケラバ包み板5の外側板部10を支持する調整外板支持部13を有する調整下地体Bとから成ることを特徴とするケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0010】
また、前記下地金具本体Aは、上部の前記天板支持部7若しくは前記金具設置部8と下部の前記固定部9との間に立板部14を有する形状に構成されていると共に、この立板部14に、水平方向に長さを有するスライド用スリット15が設けられており、
前記調整下地体Bは、前記下地金具本体Aのスライド用スリット15に挿入されてこのスライド用スリット15に沿ってスライド移動自在なスライド片17を有する形状に構成されていることを特徴とする請求項2記載のケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0011】
また、前記下地金具本体Aは、鉛直方向に板面を有する金属板aで構成され、
この下地金具本体Aを構成する金属板aの上部が略直角に折曲されて、この上部折曲板部が前記ケラバ包み板5の天板部6を面で支持可能な前記天板支持部7若しくは前記天板支持金具Cを面で支持設置可能な前記金具設置部8として構成され、
この下地金具本体Aを構成する金属板aの下部が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材1に面で載置固定可能な前記固定部9として構成され、
この天板支持部7若しくは金具設置部8と固定部9との間の板部が前記立板部14として構成されて、この立板部14に前記スライド用スリット15が設けられていることを特徴とする請求項3記載のケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0012】
また、前記調整下地体Bは、鉛直方向に板面を有する金属板bで構成され、
この調整下地体Bを構成する金属板bの、前記母屋材1の端部側に配される外側部が略直角に折曲されて、この外側折曲板部が前記調整外板支持部13として構成され、
この調整外板支持部13の反対側である前記調整下地体Bを構成する金属板bの内側部には、水平方向に長さを有する帯板が一体に突設されていて、この水平帯板がスライド腕部16として構成されていると共に、このスライド腕部16の上縁部若しくは下縁部が略直角に折曲されて、この直角折曲板部が、前記スライド用スリット15に挿入されてこのスライド用スリット15に沿ってスライド移動自在なスライド片17として構成されていることを特徴とする請求項3記載のケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0013】
また、前記調整下地体Bは、上部にケラバ包み板5の外側天板部6Aを支持する外側天板支持部18を有していることを特徴とする請求項2記載のケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0014】
また、前記スライド固定手段12は、前記下地金具本体Aの立板部14にビス19止め用の下穴20若しくは指標が設けられ、この下穴20若しくは指標に位置を合わせるビス穴21が前記調整下地体Bのスライド腕部16に水平方向に間隔を置いて複数並設状態に設けられていて、複数のビス穴21を選択して前記下穴20若しくは指標に位置を合わせビス穴21に通したビス19を下穴20若しくは指標を介して前記立板部14に止着することにより、下地金具本体Aに対し調整下地体Bが位置決め固定されるように構成されていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載のケラバ包み用下地金具に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、タイトフレームと並設状態で母屋材の端部に固定でき、ケラバ包み板を確固に支持できてケラバ包み板の変形を防止でき、しかも本発明の下地金具本体は、溶接などの手間を要することなく例えば金属板にプレス曲げ加工等の既存の簡易加工を施すなどして簡易に設計実現可能であると共に、鉛直方向板面を有することで高強度を発揮できるなど、極めて実用性に優れたケラバ包み用下地金具となる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、タイトフレームと並設状態で母屋材の端部に固定でき、ケラバ包み板を確固に支持できてケラバ包み板の変形を防止でき、しかもケラバ包み板は、現場ごとに必要な横幅(働き幅)が異なることが多いが、調整下地体が下地金具本体に対し母屋材の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段を介して位置決め固定可能に取付けられているため、現場状況に応じて調整下地体のスライド位置を自在に調整でき、現場に応じた色々な大きさのケラバ包み板を支持できるなど、極めて実用性に優れたケラバ包み用下地金具となる。
【0017】
また、請求項3記載の発明においては、立板部を有することで高強度を発揮できると共に、この立板部を利用して調整下地体をスライド移動自在に取付け可能な下地金具本体を簡易構成により容易に設計実現可能となるなど、一層実用性に優れた構成のケラバ包み用下地金具となる。
【0018】
また、請求項4記載の発明においては、溶接などの手間を要することなく例えば金属板にプレス曲げ加工等の既存の簡易加工を施すなどして下地金具本体を簡易に設計実現可能であると共に、金属板の立板部を有することで高強度を発揮でき、しかもこの立板部を利用して調整下地体をスライド移動自在に取付け可能な下地金具本体を簡易構成により容易に設計実現可能となるなど、一層実用性に優れた構成のケラバ包み用下地金具となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、溶接などの手間を要することなく例えば金属板にプレス曲げ加工等の既存の簡易加工を施すなどして下地金具本体のスライド用スリットにスライド移動自在に取付け可能な調整下地体を簡易構成により容易に設計実現可能であると共に、金属板の鉛直方向板面を有することで高強度を発揮できるなど、一層実用性に優れた構成のケラバ包み用下地金具となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、調整下地体上部の外側天板支持部によりケラバ包み板の外側天板部をも支持できる一層実用性に優れた構成のケラバ包み用下地金具となる。
【0021】
また、請求項7記載の発明においては、下地金具本体に対し調整下地体を位置決め固定可能な前記スライド固定手段を、簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成のケラバ包み用下地金具となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例1を示す正面側からの斜視図である。
図2】実施例1を示す背面側からの斜視図である。
図3】実施例1を示す分解正面図である。
図4】実施例1の使用状態を示す説明正面図である。
図5】実施例2を示す正面側からの斜視図である。
図6】実施例2を示す背面側からの斜視図である。
図7】実施例2を示す分解正面図である。
図8】実施例2の使用状態を示す説明正面図である。
図9】実施例2の使用状態を示す説明正面図である。
図10】実施例2の使用状態を示す説明正面図である。
図11】実施例3を示す正面側からの斜視図である。
図12】実施例3を示す背面側からの斜視図である。
図13】実施例3の使用状態を示す説明正面図である。
図14】実施例4を示す正面側からの斜視図である。
図15】実施例4を示す背面側からの斜視図である。
図16】実施例4の使用状態を示す説明正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0024】
・請求項1記載の発明の場合
下地金具本体Aを、下部の固定部9を介して母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態で母屋材1の端部に固定する。
【0025】
折板屋根は、前記タイトフレーム2に折板屋根材3が支持され、この折板屋根材3の端部の山部4がケラバ包み板5で覆われることで浸水が防止される構造であるが、本発明のケラバ包み用下地金具(下地金具本体A)を前記母屋材1の端部に固定しておくと、ケラバ包み板5の天板部6が、下地金具本体A上部の天板支持部7に支持されるか,若しくは下地金具本体A上部の金具設置部8に設置された天板支持金具Cに備えられている天板支持部7に支持されると共に、ケラバ包み板5の外側板部10が、下地金具本体Aの、前記母屋材1の端部側に配されている側部の外板支持部11に支持されることとなる。
【0026】
即ち、本発明のケラバ包み用下地金具(下地金具本体A)がケラバ包み板5の下地として機能し、これによりケラバ包み板5上を屋根作業者が歩いたり強風に煽られたりしても簡単には変形せず、またこの下地金具本体Aにケラバ包み板5を止着(例えばビス止め)固定でき、このような固定構造を採用することによって一層強固にケラバ包み板5が支持される。
【0027】
また、鉛直方向に板面を有する金属板aで構成され、この金属板aの上部が略直角に折曲されて、この上部折曲板部が前記ケラバ包み板5の天板部6を支持する前記天板支持部7,若しくはケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを設置可能な前記金具設置部8として構成され、この金属板aの下部が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材1に固定する前記固定部9として構成され、この金属板aの、前記母屋材1の端部側に配される側部が略直角に折曲されて、この側部折曲板部が前記ケラバ包み板5の外側板部10を支持する前記外板支持部11として構成されている本発明の下地金具本体A(ケラバ包み用下地金具)は、溶接などの手間を要することなく例えばプレス曲げ加工等の既存の加工方法により簡易に設計実現可能であると共に、金属板aの鉛直方向板面を有する形態であることによって高強度を発揮できる。
【0028】
・請求項2記載の発明の場合
下地金具本体Aを、下部の固定部9を介して母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態で母屋材1の端部に固定する。
【0029】
折板屋根は、前記タイトフレーム2に折板屋根材3が支持され、この折板屋根材3の端部の山部4がケラバ包み板5で覆われることで浸水が防止される構造であるが、本発明のケラバ包み用下地金具を前記母屋材1の端部に固定しておくと、ケラバ包み板5の天板部6が、下地金具本体A上部の天板支持部7に支持されるか,若しくは下地金具本体A上部の金具設置部8に設置された天板支持金具Cに備えられている天板支持部7に支持されると共に、ケラバ包み板5の外側板部10が、下地金具本体Aに取付けられている調整下地体Bの外側(前記母屋材1の端部側)部の調整外板支持部13に支持されることとなる。
【0030】
即ち、本発明のケラバ包み用下地金具がケラバ包み板5の下地として機能し、これによりケラバ包み板5上を屋根作業者が歩いたり強風に煽られたりしても簡単には変形せず、また下地金具本体A及び調整下地体Bにケラバ包み板5を止着(例えばビス止め)固定でき、このような固定構造を採用することによって一層強固にケラバ包み板5が支持される。
【0031】
また、ケラバ包み板5の横幅(働き幅)は、現場ごとに必要な幅が異なることが多いが、前記調整下地体Bは、前記下地金具本体Aに前記母屋材1の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段12を介して位置決め固定可能に取付けられているため、現場状況に応じて調整下地体Bのスライド位置を自在に調整でき、様々な現場で本ケラバ包み用下地金具を使用可能となる。
【実施例0032】
本発明の具体的な実施例1について図1図4に基づいて説明する。
【0033】
本実施例は、母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態で前記母屋材1の端部に固定されて、前記タイトフレーム2に支持された折板屋根材3の端部の山部4を覆うケラバ包み板5を支持するケラバ包み用下地金具であって、下地金具本体Aは、上部にケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを着脱自在に設置可能な金具設置部8を有し,下部に前記母屋材1に固定する固定部9を有している。
【0034】
また、図面はタイトフレーム嵌合式と称される折板構造屋根を示している。
【0035】
即ち、図示したタイトフレーム2は、一枚の金属製帯板材が、屋根の勾配方向と直交する左右方向に山谷(凹凸)が連続する形状に折曲形成されて成ると共に、このタイトフレーム2の山部の左右部に、折板屋根材3の山部4の左右の内面に設けられている嵌合部24が嵌合係止する嵌合係止部25が設けられている。
【0036】
一方、図示した折板屋根材3は、塗装鋼板や亜鉛メッキ鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成したものであって、山部5と谷部26が交互に連続する形状に形成されている。
【0037】
さらに具体的には、折板屋根材3は、その一側が谷部26の端から外方へ斜め上方に向かって突出する形状の傾斜部22と、この傾斜部22の上部に内方(谷部26側)に向かって屈曲した後に改めて外方へ斜め上方に向かって突出する形状の屈曲部と、この屈曲部の上端から外方に向かってやや傾斜上方に向かって突出する形状の頂部と、この頂部の端部から上方に向かって突出する下ハゼ部27とを有する形状に構成され、他側は、一側と略左右対称形状の傾斜部22と屈曲部と頂部とを有すると共に、頂部の端部から上方に向かって突出し前記下ハゼ部27に上方から被嵌可能な上ハゼ部28を有する形状に形成されている。そして、傾斜部22の途中部から屈曲部,頂部(下ハゼ部27,上ハゼ部28を含む)に至る部分が前記山部5として構成され、傾斜部22の途中部より下方側が前記谷部26として構成されている。
【0038】
また、この折板屋根材3の前記屈曲部は、傾斜部22の上部から谷部26側に向かって屈曲されている板部の内面が、前記タイトフレーム2の嵌合係止部25に嵌合係止する前記嵌合部24として構成されている。
【0039】
本実施例の前記下地金具本体Aは、鉛直方向に板面を有する縦板状であって下底の幅より上底の幅が小さい略台形状の金属板aで構成されており、この金属板aの上底部分が略直角に折曲されて、この上部折曲板部がケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を備えた天板支持金具Cを面で支持して着脱自在に設置可能な金具設置部8として構成され、この金属板aの下底部分が略直角に折曲されて、この下部折曲板部が前記母屋材1に面で載置して固定する固定部9として構成され、この金属板aの、前記母屋材1の端部側(屋根の外側)に配される側部が略直角に折曲されて、この側部(外側)折曲板部が前記ケラバ包み板5の外側板部10を面で支持する外板支持部11として構成され、この金属板aの、前記外板支持部11の反対側の屋根の内側に配される側部が略直角に折曲されて、この側部(内側)折曲板部が前記折板屋根材3端部の山部4に隣接する傾斜部22を支持する傾斜板沿設部23として構成されている。
【0040】
また、この金具設置部8と、固定部9と、外板支持部11と、傾斜板沿設部23とは、全てが帯板状であると共に、同一方向(図1図3図4において奥側)に折曲形成されており、この金具設置部8,固定部9,外板支持部11,傾斜板沿設部23に囲まれた板部が立板部14として構成されている。
【0041】
また、金具設置部8は、屋根の外側(前記母屋材1の端部側(図1図3図4において左側))に配設される側の部位が水平方向に面方向を有する板状の外側設置部8Bに形成され、屋根の内側(図1図3図4において右側)に配される側の部位が前記外側設置部8Bより一段低く形成されていると共に、この低位置に存する内側金具設置部8Aは、前記折板屋根材3の頂部の傾斜度に同調し屋根の内側に配される部分ほど低くなる板状傾斜設置面に構成されていて、この内側設置部8A上に前記折板屋根材3の端部の山部4(の頂部)を載置しつつ前記外側設置部8Bとの段差部29に下ハゼ部27及び上ハゼ部28を配置し得るように構成されている。
【0042】
また、本実施例の天板支持金具Cについて説明すると、一枚の帯状の金属板が折曲されて構成されている。さらに具体的には、前記帯状金属板の途中部が前記金具設置部8の外側設置部8Bに載置する外側載置板部30として構成され、この外側載置板部30の両側が上方へ立ち上がり折曲され、双方の立ち上がり板部の上端が互いに反対の水平方向に折曲されて、この両端の水平板部が前記天板支持部7として構成され、さらに一方(図面左側)の天板支持部7の先端部が下方へ垂下折曲された上で、この垂下先端(下端)が内側設置部8Aの傾斜度と同調して外側載置板部30の方向へやや上昇するように傾斜折曲されて、この傾斜折曲片部が前記金具設置部8の内側設置部8Aに面接載置可能な内側載置板部31として構成されている。
【0043】
また、この天板支持金具Cの前記下地金具本体Aへの取付構造について説明すると、前記外側設置部8Bにボルト通し孔32が貫通形成されている一方、前記外側載置板部30にもボルト孔33が貫通形成されていて、前記内側設置部8Aに前記内側載置板部31を載置すると共に、前記外側設置部8Bに前記外側載置板部30を載置して前記ボルト通し孔32と前記ボルト孔33とを位置合せして連通させてから、この連通孔31・32に下方から取付ボルト34を挿通し、この連通孔31・32より上方へ突出する取付ボルト34のボルト杆に取付ナット35を螺着して締め付けることにより外側設置部8Bに天板支持金具C(の外側載置板部30)が取付けられるように構成されており、この際、前記内側設置部8Aに前記折板屋根材3の端部の山部4が載置されていると、この山部4が内側設置部8Aと前記内側載置板部31に上下から挟み込まれて折板屋根材3の端部の山部4が下地金具本体Aに挟着されるように構成されている。
【0044】
また、この天板支持金具Cは、前記取付ナット35を前記取付ボルト34から取り外すことで簡単に下地金具本体Aから取り外しできるように構成されている。従って、下地金具本体Aに天板支持金具Cが取付けられた状態で工場出荷しても、天板支持金具Cを簡単操作で取り外して内側設置部8Aに折板屋根材3の端部の山部4を載置設置でき、その後再び簡単操作で天板支持金具Cを下地金具本体Aに取付けて折板屋根材3の端部の山部4を下地金具本体Aに装着できるように構成されている。
【0045】
また、前記固定部9は、前記傾斜板沿設部23より屋根の内側に向かって帯状に長く突設する形状に形成されていて、この固定部9の内側突設部を前記タイトフレーム2の端部に突き合わせるようにしてタイトフレーム2と並設させて前記母屋材1の端部に固定し得るように構成されている。
【0046】
また、前記傾斜板沿設部23は、その上部寄り途中部に段差が設けられていて、この段差部が、前記内側設置部8Aに前記折板屋根材3の端部の山部4を載置した際に前記折板屋根材3の嵌合部24が嵌合係止可能な係止段部36として構成されていると共に、この係止段部36より上方側が折板屋根材3の嵌合部24より上方側の上方傾斜部22Aを当接状態で支持可能な傾斜板支持部23Aとして構成され、係止段部36より下方側が折板屋根材3の嵌合部24より下方側の下方傾斜部22Bに近接配設する(下方傾斜部22Bを近接状態で支持可能な)傾斜板近接部23Bとして構成されている。
【0047】
そして、この傾斜板支持部23Aに支持された折板屋根材3の上方傾斜部22A上に、ケラバ包み板5の天板部6より屋根の内側に配設される内側板部37が上方から重ねられるように構成されており、この内側板部37の外方から内側板部37と上方傾斜部22Aとを貫くようにして前記傾斜板支持部23Aにドリルビスなどの止ビス38をビス打ちすることで、この傾斜板支持部23A(下地金具本体A)に折板屋根3と共にケラバ包み板5の内側板部37が固定されるように構成されている。
【0048】
また、前記立板部14の下部には、前記固定部9を前記母屋材1に固定する際の溶接作業用窓39が貫通形成されている。尚、図面の下地金具本体Aには、部品共通化目的で立板部14に後述の実施例2で詳述する調整下地体B取付けのためのスライド用スリット15とスライド許容開口部15Aと下穴20が設けられているが、これらは本実施例では利用しないのでなくとも良い。
【0049】
次に、図4を用いて本実施例の使用方法を説明する。
【0050】
先ず、母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態にして、本実施例の下地金具本体Aを前記母屋材1の端部に溶接固定する。尚、屋根の反対側端部では、本ケラバ包み用下地金具を水平に180度反転して使用する。
【0051】
続いて、天板支持金具Cを下地金具本体Aから取外し(下地金具本体Aを母屋材1に固定する前に予め天板支持金具Cを取り外しておいても良いが)、前記内側設置部8Aに前記タイトフレーム2に支持されている前記折板屋根材3の端部の山部4を載置しつつ前記外側設置部8Bとの段差部29に下ハゼ部27(屋根の反対側端部では上ハゼ部28)を配置し、尚且つ下地金具本体Aの前記係止段部36に折板屋根材3の前記嵌合部24を嵌合係止させた上で再び天板支持金具Cを下地金具本体Aに取付けると、この山部4が内側設置部8Aと前記内側載置板部31とに上下から挟み込まれて折板屋根材3の端部の山部4が下地金具本体Aに挟着される。
【0052】
続いて、天板支持金具Cの上方(外方)からケラバ包み板5を被嵌してその天板部6を天板支持金具Cの天板支持部7に載置すると共に、且つケラバ包み板5の内側板部37を折板屋根材3の上方傾斜部22Aを介して(上方傾斜部22A上に重ねて)下地金具本体Aの傾斜板支持部23Aに支持して内側板部37を上方傾斜部22Aともども傾斜板支持部23Aに止ビス38で止着し、さらにケラバ包み板5の外側板部10を下地金具本体Aの外板支持部11に支持して外側板部10を外板支持部11に上下二箇所を止ビス38で止着すると、ケラバ包み板5が合計三本の止ビス38で本ケラバ包み用下地金具に強固に固定され、本ケラバ包み用下地金具がケラバ包み板5の下地として機能する。
【0053】
図中符号40は建物の外壁材である。
【実施例0054】
本発明の具体的な実施例2について図5図10に基づいて説明する。
【0055】
本実施例は、前記実施例1の下地金具本体Aと、この下地金具本体Aに前記母屋材1の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段12を介して位置決め固定可能に取付けられ,上部にケラバ包み板5の外側天板部6Aを支持する外側天板支持部18を有すると共に、前記母屋材1の端部側に配される外側部に前記ケラバ包み板5の外側板部10を支持する調整外板支持部13を有する調整下地体Bとから構成されているケラバ包み用下地金具に係るものである。
【0056】
具体的には、本実施例の下地金具本体Aは、図5図7に示すように、前記立板部14の上下二箇所に水平方向にスリット長を有する前記スライド用スリット15が設けられ(切欠形成され)ていると共に、この上下のスライド用スリット15は、前記外板支持部11(本実施例ではケラバ包み板5の支持用として機能させるものではない。)側の端部が外板支持部11に至る箇所まで延設形成されていて、この外板支持部11の上下二箇所のスリット開口が、前記調整下地体Bの下地金具本体Aに対する水平方向へのスライド移動を許容するスライド許容開口部15Aとして構成されている。
【0057】
本実施例の調整下地体Bは、鉛直方向に板面を有する縦板状であって、略縦長帯状の金属板bで構成されており、この調整下地体Bを構成する金属板bの上部が略直角に折曲されてこの上部折曲板部が前記外側天板支持部18として構成され、この調整下地体Bを構成する金属板bの前記母屋材1の端部側(図5図7図8図9図10において右側)に配される外側部が略直角に折曲されて、この外側折曲板部が前記調整外板支持部13として構成され、さらにこの調整下地体Bを構成する金属板bは、前記調整外板支持部13の反対側である前記金属板bの内側部(図5図7図8図9図10において左側)の上下二箇所に、水平方向に長さを有する帯板が一体に突設された形状に形成されていて、この上下の水平帯板がスライド腕部16として構成されている。
【0058】
また、上段の前記スライド腕部16は、その上縁部が略直角に折曲されて、この直角折曲板部が前記立板部14の上側に設けられている前記スライド用スリット15に挿入されてこのスライド用スリット15に沿ってスライド移動自在なスライド片17として構成されていると共に、下段の前記スライド腕部16は、その下縁部が略直角に折曲されて、この直角折曲板部が前記立板部14の下側に設けられている前記スライド用スリット15に挿入されてこのスライド用スリット15に沿ってスライド移動自在なスライド片17として構成されており、この上下のスライド腕部16の夫々のスライド片17が、前記下地金具本体Aの図5における手前側から立板部14の上下のスライド用スリット15に挿入されることで、調整下地体Bが下地金具本体Aに立板部14の図5における手前側板面に重合状態で装着されている(図5図7参照)。そして、スライド用スリット15の端部に前記スライド許容開口部15Aが形成されていることにより、このスライド用スリット15に沿って前記スライド片17が水平スライド移動可能となり、その結果調整下地体B(のスライド腕部16)が下地金具本体Aに対し母屋材1の内・外方向に水平重合スライド移動自在となるように構成されている。
【0059】
また、本実施例の調整下地体Bは、下地金具本体Aに装着された際に下地金具本体Aに取付けられた天板支持金具Cと同等の高さ寸法を有するように設定構成されて、天板支持金具Cの天板支持部7と調整下地体Bの調整外板支持部13とでケラバ包み板5の天板部6(外側天板部6A)を支持し得るように構成されているが、本実施例では、上下の前記スライド片17が、同一方向(図5図7図8図9図10において奥側)に折曲形成されている一方で、前記外側天板支持部18と前記調整外板支持部13とはスライド片17と逆方向(図5図7図8図9図10において手前側)に折曲形成されていて、これにより調整下地体Bを下地金具本体Aに対しスライド移動させる際には、外側天板支持部18が天板支持金具Cを避けてスライド移動調整可能となるように構成されており、これによって調整下地体Bを最も内側にスライド移動させた際には、外側の天板支持部7と外側天板支持部18とが前後方向に面一隣接配設されて、この天板支持部7と外側天板支持部18とで前記外側天板部6Aを支持し得るように構成されている。
【0060】
本実施例の前記スライド固定手段12は、図7に示すように、前記下地金具本体Aの立板部14の外側寄りの上下二箇所にビス19止め用の下穴20が設けられている一方、この下穴20に位置を合わせるビス穴21が前記調整下地体Bの上下夫々のスライド腕部16に水平方向に間隔(例えば10mm間隔)を置いて複数(図面は11箇所)並設状態に設けられていて、調整下地体Bのスライド位置調整により複数のビス穴21を選択して前記下穴20に位置を合わせ、選択した上下のビス穴21に通したビス19(例えばドリルビス)を下穴20を介して前記立板部14に止着することにより、下地金具本体Aに対し調整下地体Bが位置決め固定されるように構成されている。尚、下穴20の代わりに立板部14に何らかのビス打ち位置を示す指標が設けられていても良い。
【0061】
次に、本実施例の使用方法を図8図10を用いて説明する。
【0062】
先ず、母屋材1に固定されたタイトフレーム2と並設状態にして、本実施例の下地金具本体Aを前記母屋材1の端部に溶接固定する。尚、屋根の反対側端部では、本ケラバ包み用下地金具を水平に180度反転して使用する。
【0063】
続いて、天板支持金具Cを下地金具本体Aから取外し(下地金具本体Aを母屋材1に固定する前に予め天板支持金具Cを取り外しておいても良いが)、前記内側設置部8Aに前記タイトフレーム2に支持されている前記折板屋根材3の端部の山部4を載置しつつ前記外側設置部8Bとの段差部29に下ハゼ部27(屋根の反対側端部では上ハゼ部28)を配置し、尚且つ下地金具本体Aの前記係止段部36に折板屋根材3の前記嵌合部24を嵌合係止させた上で再び天板支持金具Cを下地金具本体Aに取付けると、この山部4が内側設置部8Aと前記内側載置板部31とに上下から挟み込まれて折板屋根材3の端部の山部4が下地金具本体Aに挟着される。
【0064】
続いて、調整下地体Bを前記スライド固定手段12を介して下地金具本体Aに装着固定した上で、調整下地体B,天板支持金具Cの上方(外方)からケラバ包み板5を被嵌してその天板部6を天板支持金具Cの天板支持部7に載置すると共に外側天板部6Aを調整下地体Bの外側天板支持部18に載置し、且つケラバ包み板5の内側板部37を折板屋根材3の上方傾斜部22Aを介して(上方傾斜部22A上に重ねて)下地金具本体Aの傾斜板支持部23Aに支持して内側板部37を上方傾斜部22Aともども傾斜板支持部23Aに止ビス38で止着し、さらにケラバ包み板5の外側板部10を調整下地体Bの調整外板支持部13に支持して外側板部10を調整外板支持部13に上下二箇所を止ビス38で止着すると、ケラバ包み板5が合計三本の止ビス38で本ケラバ包み用下地金具に強固に固定され、本ケラバ包み用下地金具がケラバ包み板5の下地として機能する。
【0065】
また、ケラバ包み板5の横幅(働き幅)は、現場ごとに必要な幅が異なることが多いが、本実施例の場合、調整下地体Bは、前記下地金具本体Aに前記母屋材1の延長方向外側へスライド移動可能且つスライド固定手段12を介して11段階に選択して位置決め固定可能であるため、現場状況に応じて調整下地体Bのスライド位置を自在に調整でき、様々な現場で本ケラバ包み用下地金具を使用可能である。
【0066】
具体的には、例えば図8は、横幅の小さいケラバ包み板5に合わせて下地金具本体Aに対し調整下地体Bを最も接近した状態で固定した場合(図8中の最も右側のビス穴21を利用してビス19止した場合)を示しており、図9は、図のそれより横幅の大きいケラバ包み板5に合わせて下地金具本体Aに対する調整下地体Bのスライド調整範囲の中間位置で調整下地体Bを固定した場合(図9中で右側(左側)から数えて6箇所目のビス穴21を利用してビス19止した場合)を示しており、図10は、図9のそれよりさらに横幅の大きいケラバ包み板5に合わせて下地金具本体Aに対して調整下地体Bを最も離間した状態で固定した場合(図10中の最も左側のビス穴21を利用してビス19止した場合)を示しているが、この他の大きさのケラバ包み板5用としても、調整下地体Bをスライド調整して位置決め固定することにより対応可能である。
【0067】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例0068】
本発明の具体的な実施例3について図11図13に基づいて説明する。
【0069】
本実施例のケラバ包み用下地金具は、前記実施例1において、前記下地金具本体Aの上部に前記ケラバ包み板5の天板部6を支持する天板支持部7を有して、前記天板支持金具Cを用いることなく、この下地金具本体A上部の天板支持部7にケラバ包み板5の天板部6を直接支持し得るように構成されている場合である。
【0070】
具体的には、本実施例の下地金具本体Aは、前記実施例1と同等の構成を具備するものであるが、前記天板支持金具Cの高さ寸法と同等の高さ寸法分下地金具本体Aの高さが前記実施例1より高く設定されていると共に、前記実施例1でいうところの前記外側設置部8Bに相当する部位が本実施例では天板支持部7として構成され、前記内側設置部8Aに相当する部位は、折板屋根材3の端部の山部4(の頂部)を載置し得る山部設置部41として構成されている。尚、本実施例の天板支持部7には、前記天板支持金具C取付用の取付ボルト34を挿通するためのボルト通し孔32は形成されていない。
【0071】
また、本実施例では、前記山部設置部41に載置された折板屋根材3の端部の山部4の頂部も、ドリルビスを採用した止ビス38により山部設置部41に固定されている場合を示している。
【0072】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例0073】
本発明の具体的な実施例4について図14図16に基づいて説明する。
【0074】
本実施例のケラバ包み用下地金具は、前記実施例2の調整下地体Bを前記実施例3の下地金具本体Aに組み合わせて、前記実施例2と同様に現場状況に応じて調整下地体Bのスライド位置を自在に調整できるようにした場合である。
【0075】
他の構成は、前記実施例2及び前記実施例3と同様である。
【0076】
尚、本発明は、実施例1~4に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0077】
1 母屋材
2 タイトフレーム
3 折板屋根材
4 山部
5 ケラバ包み板
6 天板部
6A 外側天板部
7 天板支持部
8 金具設置部(Aの上部の)
9 固定部
10 外側板部
11 外板支持部
12 スライド固定手段
13 調整外板支持部
14 立板部
15 スライド用スリット
16 スライド腕部
17 スライド片
18 外側天板支持部
19 ビス
20 下穴
21 ビス穴
A 下地金具本体
a 金属板
B 調整下地体
b 金属板
C 天板支持金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16