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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052306
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】圧縮水素搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20240404BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20240404BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65G63/00 K
B60P3/00 J
F17C13/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158937
(22)【出願日】2022-09-30
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】512172464
【氏名又は名称】株式会社日新
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】横路 美亀雄
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BA04
3E172BB13
3E172BD03
3E172DA90
3E172KA03
(57)【要約】
【目的】圧縮水素入りボンベコンテナを、移動式でありつつ直置き固定式にでき、液化水素貯蔵槽の役割を成して低価格にできるシステムとする。
【構成】直方体枠状のコンテナ本体1の前後の油圧駆動にて外方に拡開する部位付きの2個の前方側ジャッキと2個の後方側ジャッキのそれぞれが油圧駆動を具備し、液化水素を充填できる水素タンクが設けられたボンベコンテナAである。ボンベコンテナAが積載される荷台6を有するトラックBを備える。ボンベコンテナAは前方側から荷台6に積載・分離ができ、分離後にはボンベコンテナAのみで地面部G1上に直置きする。ボンベコンテナAは水素貯蔵所Cと簡易水素ステーションD或いは其の他水素供給所Pとの間を搬送して所望場所に到着後に直ちに前後のジャッキの昇降作用にて荷台6からボンベコンテナAを分離して地面部G1上に直置きし、この直置き後に直ちに液化水素の積込又は排出作業をワンステップにてできる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体枠状のコンテナ本体内に圧縮水素を充填できる多数の水素ボンベが設けられたボンベコンテナと、該ボンベコンテナの全体が積載される荷台を有するトラックとが備えられ、該トラックは1車両に動力装置と前記荷台とが設けられ、該荷台は連結車両として牽引用車両に牽引される構成ではなく運転台後部に固定されてなり、且つ前記ボンベコンテナが積載された前記荷台から前記コンテナの前後に取り付けられたジャッキの油圧駆動作用のみにて前記ボンベコンテナを分離して地面上に直置きされると共に、前記地面上に直置きされた前記ボンベコンテナに対して前後の前記ジャッキのみにて前記荷台に積み上げできるように構成され、
前記コンテナ本体の前部端で幅方向の外方に向かって油圧駆動にて拡開するスライド部付きで且つ上下にも伸縮できる2個の前方側ジャッキと前記コンテナ本体の後部端で幅方向両側に配置されて幅方向に拡開せずに不動で上下のみに伸縮する2個の後方側ジャッキのそれぞれが油圧駆動できると共に、閉じている両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキは前記トラックの少なくとも前記運転台の幅方向の両端と同等又はその両端を超えない範囲に設定されてなり、前記ボンベコンテナの重心位置と同等又はそれより低い位置に前記圧縮水素の積込・排出口が設けられてなり、
前記ボンベコンテナを前記トラックの前記荷台に積載しつつ水素貯蔵槽を備えた水素貯蔵所と圧縮機,ディスペンサを有する簡易水素ステーション又は前記水素貯蔵所と其の他水素供給所との間をそれぞれ搬送し、その所望場所に到着後に直ちに前記荷台から前記ボンベコンテナを前後の前記ジャッキのみにて直置きし、該直置き後に直ちに前記圧縮水素の積込又は排出作業をワンステップにてできるようにしてなることを特徴とした圧縮水素搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、前記水素貯蔵所において圧縮水素を前記水素ボンベに満載にした前記ボンベコンテナを満タンボンベコンテナと、前記圧縮水素を空状とした前記ボンベコンテナを空ボンベコンテナとそれぞれ称しておき、
前記水素貯蔵所において前記満タンボンベコンテナを前述の複数のジャッキを介して積載した前記トラックにて複数存在する内の一つの所望の簡易水素ステーション又は其の他水素供給所に搬送した後に当該箇所で前記満タンボンベコンテナを分離して該満タンボンベコンテナのみで地面部上に直置きさせ、当該箇所で既に直置きされていた前記空ボンベコンテナを,先ほど分離後の前記トラックの前記荷台に積載して前記水素貯蔵所に搬送するようにしてなることを特徴とする圧縮水素搬送システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、前記簡易水素ステーションは、液化水素貯蔵槽を設けた構成とした現水素ステーションに取り換えてなることを特徴として圧縮水素搬送システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記ボンベコンテナ内に具備されてなることを特徴とする圧縮水素搬送システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記トラックに具備され、該トラックと前記ボンベコンテナとの油圧回路が結合されたときのみに該ボンベコンテナの両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキが駆動可能に構成されてなることを特徴とする圧縮水素搬送システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、所望場所に直置きされた前記ボンベコンテナ上には同ボンベコンテナを、4隅の重ね補助片を介して2階又は3階以上に積層できるようにしてなることを特徴とする圧縮水素搬送システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮水素入りボンベコンテナが、移動式でありつつ直置き(じかおき)の固定式にできると共に液化水素貯蔵槽の役割を成すものであると共に、前記ボンベコンテナを分離・積載が昇降操作にて作業も直置き後に直ち(ただち)にでき、水素ステーションも大幅に小型化も可能であり、極めて低価格にしつつ幅広い多くの需要が望める圧縮水素搬送システムに関する。
【0002】
具体的には、圧縮水素を充填できる水素ボンベを設けたボンベコンテナに前方側・後方側に昇降用のジャッキを備え、該ジャッキにて前記ボンベコンテナを上下動させてトラック荷台への積載・分離を効率よく行い、水素貯蔵所と簡易水素ステーション又は水素貯蔵所と其の他簡易水素供給所との間を効率的に循環し、特に前記ボンベコンテナを直置きができ、直置き後の圧縮水素の積込又は排出作業を効率的にできる圧縮水素搬送システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現状において、水素貯蔵所から一般的な水素ステーションへの水素燃料の供給には、図示しないが、水素ガスカードルトレーラによる高圧ガスの状態で運ばれる場合が大半である。その点は、特許文献1において記載されているように、水素ガスカードルトレーラにての運搬可能量として、同文献1では、トレーラ1台あたり、かなり少ない量である。現状では、燃料電池自動車(FCV車)の割合はかなり少ないために、この1台の運搬量でも間に合っている状態である。
【0004】
また、圧縮水素をタンクローリにて運搬している例もあるが、図22の右側の従来技術として、小型石油類タンクローリでは、約2kl(リットル)、中型石油類タンクローリでは、約4klである。大型石油類タンクローリとなると、約16kl~約20klを搬送している。中型石油類タンクローリまでは何とか小回りができるが、到着した水素ステーションに車と共に据え置きしなればならず、運搬効率は悪くならざるを得ない。それが大型圧縮水素タンクローリとなると小回りも出来にくく、水素ステーションに所望の時間留め置く必要があり、効率的な搬送は難しい状況であった。
【0005】
また、大手運送企業等では、図25に示すように、物流効率からプラットフォームで積み荷等を段取りする関係上、その運送するための配送用コンテナは、所定高さの脚部b付き架台a上に設置することが一般的であった。この場合には、前記配送用コンテナの重心Mcの高さは高く位置している。このような物流関係では、仮に、水素ステーションにて、水素ボンベを搬送したとしても、前記架台a上に設置することが予想される。
【0006】
特許文献2では、コンテナ専用輸送車両にてボンベコンテナが積載されつつ産業ガスの輸送(搬送)されている内容が記載されている。特に、図8のみには、トラックでの輸送が記載されているが、明細書全ての記載では、全て、コンテナ専用輸送車両20として記載されている。図面上では、連結車両として牽引される車両として記載されている。具体的には、トレーラそのものであり、ボンベコンテナは牽引される側の被牽引車としてのトレーラであって、該トレーラをけん引する側の車両をトラクタと呼ばれている。
【0007】
その特許文献2の図8(b)では、コンテナの荷降ろしをしているが、どのようにして荷降ろししたかの動作構成は全くの記載がない。トレーラの下部には車輪が複数設けられており、この車輪付きの状態下からの荷降ろしは、クレーム以外は想定しがたいがこの点の記載も全くない。このようなトレーラ方式のボンベコンテナ輸送(搬送)は、物流である輸送効率を考慮したものと認められる。
【0008】
また、引用文献1に示すように、圧縮水素を充填した水素トレーラは、大型化しており、狭い場所では不向きであるのに関わらず、このような水素トレーラを複数台設置するような水素ステーションでは、設備費が高騰せざるを得ない状況であった。特に、水素ステーションにおいて、前記水素トレーラにつき複数台を常駐させることはスペース的には勿論のこと、設備費が高騰化せざるを得ない状況であった。
【0009】
このようなことから、水素貯蔵所から水素ステーションに搬送するのに、ある程度大量な運搬量であって、運転・搬送状態も快適にできると共に、留め置き用としての水素コンテナのみが分離設置でき、低廉価格での搬送システムが要望されている。さらには、水素ステーションでの高価な液化水素貯蔵槽(圧縮水素貯蔵タンク)の対策も望まれている。
【0010】
また、特許文献3ではトラックの荷台に積載可能なコンテナ(キャビネット)に昇降ジャッキ又はアウトリガーが装着され、渡船式貨物ハウスの発明が開示されている。具体的には、昇降ジャッキの昇降駆動を介して、プラットフォーム17(列車又は船舶)箇所での荷上げ(積上げ)、荷降ろしするようにした物流搬送するものである。
【0011】
前記プラットフォーム17箇所を介する搬送システムであり、前記コンテナは前記プラットフォーム個所では、前記昇降ジャッキの却部が下方側に伸長しつつ設置されており、前記コンテナは、常に重心Mcが高くなっており、物流効率を上げる目的の基では、前記コンテナを地上に下げるという記載は存在しない。
【0012】
現在では、任意のコンテナと任意のトラックの荷台とを分離したり、積載するようにしたコンテナの運送システムとしてスワップボディコンテナの普及が進められており、この運送システムに大きな期待を寄せられている。しかしながら、このコンテナは脚部b付き架台aが基本(図25参照)であり、物流効率から前記コンテナを地面部上に直置きはしないという現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2015-155717号公報
【特許文献2】特開2014-210476号公報
【特許文献3】中国特許出願公開第110422499号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような状況下であるため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、圧縮水素(液体水素)を充填できるタンクローリ又はトレーラは、大型化しており、狭い場所では不向きであるし、水素ボンベ付きコンテナが分離(荷降ろし)できずに効率が悪いものであった。このため、トラックに固定した荷台から水素ボンベ付きコンテナを分離でき、さらに効率的に水素ボンベ付きコンテナを搬送できると共に、簡易水素ステーションでの高価な液化水素貯蔵槽(圧縮水素貯蔵タンク)不要対策も図ることができる圧縮水素搬送システムの実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、直方体枠状のコンテナ本体内に圧縮水素を充填できる多数の水素ボンベが設けられたボンベコンテナと、該ボンベコンテナの全体が積載される荷台を有するトラックとが備えられ、該トラックは1車両に動力装置と前記荷台とが設けられ、該荷台は連結車両として牽引用車両に牽引される構成ではなく運転台後部に固定されてなり、且つ前記ボンベコンテナが積載された前記荷台から前記コンテナの前後に取り付けられたジャッキの油圧駆動作用のみにて前記ボンベコンテナを分離して地面上に直置きされると共に、前記地面上に直置きされた前記ボンベコンテナに対して前後の前記ジャッキのみにて前記荷台に積み上げできるように構成され、
前記コンテナ本体の前部端で幅方向の外方に向かって油圧駆動にて拡開するスライド部付きで且つ上下にも伸縮できる2個の前方側ジャッキと前記コンテナ本体の後部端で幅方向両側に配置されて幅方向に拡開せずに不動で上下のみに伸縮する2個の後方側ジャッキのそれぞれが油圧駆動できると共に、閉じている両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキは前記トラックの少なくとも前記運転台の幅方向の両端と同等又はその両端を超えない範囲に設定されてなり、前記ボンベコンテナの重心位置と同等又はそれより低い位置に前記圧縮水素の積込・排出口が設けられてなり、
前記ボンベコンテナを前記トラックの前記荷台に積載しつつ水素貯蔵槽を備えた水素貯蔵所と圧縮機,ディスペンサを有する簡易水素ステーション又は前記水素貯蔵所と其の他水素供給所との間をそれぞれ搬送し、その所望場所に到着後に直ちに前記荷台から前記ボンベコンテナを前後の前記ジャッキのみにて直置きし、該直置き後に直ちに前記圧縮水素の積込又は排出作業をワンステップにてできるようにしてなることを特徴とした圧縮水素搬送システムとしたことにより、前記課題を解決した。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、前記水素貯蔵所において圧縮水素を前記水素ボンベに満載にした前記ボンベコンテナを満タンボンベコンテナと、前記圧縮水素を空状とした前記ボンベコンテナを空ボンベコンテナとそれぞれ称しておき、前記水素貯蔵所において前記満タンボンベコンテナを前述の複数のジャッキを介して積載した前記トラックにて複数存在する内の一つの所望の簡易水素ステーション又は其の他水素供給所に搬送した後に当該箇所で前記満タンボンベコンテナを分離して該満タンボンベコンテナのみで地面部上に直置きさせ、当該箇所で既に直置きされていた前記空ボンベコンテナを,先ほど分離後の前記トラックの前記荷台に積載して前記水素貯蔵所に搬送するようにしてなることを特徴とする圧縮水素搬送システムとしたとしたことにより、前記課題を解決した。
【0017】
請求項3の発明を、請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、前記簡易水素ステーションは、液化水素貯蔵槽を設けた構成とした現水素ステーションに取り換えてなることを特徴として圧縮水素搬送システムとしたことにより、前記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記ボンベコンテナ内に具備されてなることを特徴とする圧縮水素搬送システムとしたことにより、前記課題を解決した。
【0018】
請求項5の発明を、請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、両前記前
方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記トラックに具備され、該ト
ラックと前記ボンベコンテナとの油圧回路が結合されたときのみに該ボンベコンテナの両
前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキが駆動可能に構成されてなることを特徴と
する圧縮水素搬送システムとしたことにより、前記課題を解決した。請求項6の発明を、
請求項1又は2に記載の圧縮水素搬送システムにおいて、所望場所に直置きされた前記タ
ンクコンテナ上には同ボンベコンテナを、4隅の重ね補助片を介して2階又は3階以上に
積層できるようにしてなることを特徴とする圧縮水素搬送システムとしたことにより、前
記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明においては、圧縮水素入りボンベコンテナが、移動式でありつつ直置きの固定式にできると共に圧縮水素の貯蔵槽的役割を成すものであって、低価格にしつつ幅広い多くの需要を望める効果を奏する。具体的には、水素貯蔵所と簡易水素ステーション又は水素貯蔵所と其の他水素供給所との間をボンベコンテナ積載のトラックにて搬送し、それぞれの箇所において地面部上に両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの昇降作用にて直ちに前記ボンベコンテナのみを直置して、該ボンベコンテナをそのまま保管でき液化水素貯蔵槽の役割を成させるものである。さらに、その場所で分離させたボンベコンテナに替えて、直ちに前記トラックには別のボンベコンテナを積載して現地での作業が極めて簡易且つ迅速にできる極めて良好なる圧縮水素搬送システムを提供できる利点がある。さらに、所望場所では、前記ボンベコンテナは直置きにて重心を低くして安定且つ安心した設置ができ、物流方式とは異なる効果を提供できる。
【0020】
また、請求項1の発明においては、特に、前記ボンベコンテナを直置き後に直ちに該ボンベコンテナへの圧縮水素の積込・排出作業を行うのに椅子や踏み台を無しにできるというワンステップにて作業できる大きな効果を奏する。また、前記ボンベコンテナの前部端で幅方向の外方に向かってスライドするスライド部材を介して存在する両前方側ジャッキであるため、前記ボンベコンテナをトラックに積載する場合において、前記ボンベコンテナの前側位置のみの隣接するジャッキの間隔が広がりトラックの荷台に接触しにくくなりトラックの運転者に取って極めて運転操作しやすい圧縮水素搬送システムを提供できる。また、両前方側ジャッキの拡幅作業は人力であり最小費用にて提供できる。特に水素貯蔵所から簡易水素ステーション又は其の他水素供給所への圧縮水素搬送が効率的にできる。
【0021】
引用文献2に示すように、圧縮水素ボンベをトレーラを使って水素貯蔵所と水素ステーションとの間を搬送しているが、その所望箇所では、車体付きで設置していた。これは物流としての効率化と高稼働率化のためであった。所望箇所での設置ではトレーラの重心位置も高く、その圧縮水素の積込又は排出作業を行うのに椅子や踏み台を使っての作業であり、効率的な作業はできない不都合が生じていたが、請求項1の発明では、ボンベコンテナを搬送した水素貯蔵所や簡易水素ステーション内で、前記ボンベコンテナに付きジャッキを介して直置きして(静的構成)、重心を低くしたことで椅子や踏み台を使わないでワンステップにて圧縮水素の積込又は排出作業を行うことができる特有の利点がある(動的構成)。同時に、直置きにて重心を低くすることで安定した設置ができると共に、危険物であっても安全・安心を提供できるものである。
【0022】
また、請求項2の発明においては、水素貯蔵所と簡易水素ステーション又はとの間において、極めて効率的な搬送システムを提供できる。さらに、満タンボンベコンテナ及び空ボンベコンテナを水素貯蔵所と簡易水素ステーション又は水素貯蔵所との間を最高の効率にて搬送することができる利点がある。請求項3の発明では、前記簡易水素ステーションには、液化水素貯蔵槽を設けない構成としたことで、前記簡易水素ステーションには、前記液化水素貯蔵槽が設けられなくとも本発明の主要なボンベコンテナが代わりをする構成であるため、前記簡易水素ステーションとしての設備投資額も少なくでき、簡易水素ステーションの普及化には大きく貢献できる。
【0023】
請求項4の発明では両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記ボンベコンテナ内に具備されていることで、特に、前記ボンベコンテナの上昇・下降の操作を簡易且つ迅速にできる利点がある。請求項5の発明では、両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキの油圧発生装置は前記トラックに具備され、該トラックと前記ボンベコンテナとの油圧回路が結合されたときのみに該ボンベコンテナの両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキが駆動可能に構成されているので、簡易水素ステーション等の経営者にとっては、油圧発生装置が設けられていない前記ボンベコンテナを配備しておくことで比較的安価な設備投資にできる。前記ボンベコンテナの上昇・下降の操作ついては前記トラックの運転者操作にての操作となり、ボンベコンテナを保有する側の担当者は作業が簡易にできる。
【0024】
請求項6の発明では、水素貯蔵所、簡易水素ステーション又は等の所望場所にて、前記ボンベコンテナ相互を積層(積み重ねる)して2階、3階以上にできることで、より省スペース化を図ることができ、圧縮水素ガスの貯蔵槽の役割を果たすことができる。この場合の地面部はコンクリート製による固くて強度的に優れていることは勿論である。
【0025】
この明細書において、単に「ジャッキ」なる用語は、前方側ジャッキ又は後方側ジャッキを含む上位概念としての用語であり、共に重要な構成要素である。請求項1では、2個の前方側ジャッキ、2個の後方側ジャッキと記載しているが、これ以下では、全て両前記前方側ジャッキ、両前記後方側ジャッキを記載しており、両者は同一又は同等の意味内容である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の圧縮水素搬送システムであって、水素貯蔵所と簡易水素ステーション(第1ルート)又は水素貯蔵所と其の他水素供給所(第2ルート)との搬送システムの概要図である。
図2】国内の関東地域上での水素貯蔵所と簡易水素ステーション間との圧縮水素搬送システムの概要図である。
図3】中型タイプのボンベコンテナであって、(A)は該ボンベコンテナの斜視図、(B)は同ボンベコンテナの前側の一部斜視図、(C)は同ボンベコンテナの後側の背面図、(D)は同ボンベコンテナの前側の正面図、(E)は同ボンベコンテナを前後のジャッキによって降下させて地面部上に直置きした側面図である。
図4】小型タイプのボンベコンテナであって、(A)は該ボンベコンテナ斜視図、(B)は同ボンベコンテナの後側の背面図、(C)は同ボンベコンテナの前側の正面図、(D)はさらに別の実施形態のボンベコンテナの斜視図である。
図5】(A)は両前方側複合ジャッキにおいてスライド部材が閉じた状態の断面図、(B)は両前方側複合ジャッキにおいてスライド部材が伸びた状態の断面図、(C)は(B)の斜視図である。
図6図1の本発明の圧縮水素搬送システムの状況図であって、(A)は簡易水素ステーション又は其の他水素供給所内でのボンベコンテナの分離・積載の作業状況図、(B)は水素貯蔵所内でのボンベコンテナの分離・積載の作業状況図である。
図7】本発明の圧縮水素搬送システムにおいて、(A)の(i),(ii),(iii),(iv)はコンテナ内に油圧発生装置を内蔵したタイプのボンベコンテナの積載作業状況図、(B)はボンベコンテナを分離して地面部上に直置きした状態の(A)の(S)部の拡大図である。
図8】本発明の油圧回路図である。
図9】本発明の別の実施形態の圧縮水素搬送システムであって、水素貯蔵所と簡易水素ステーション(第1ルート)又は水素貯蔵所と其の他水素供給所(第2ルート)との搬送システムの概要図である。
図10図9の本発明の圧縮水素搬送システムの状況図であって、(A)は簡易水素ステーション又は其の他水素供給所内でのボンベコンテナの分離・積載の作業状況図、(B)は水素貯蔵所内でのボンベコンテナの分離・積載の作業状況図である。
図11】本発明の圧縮水素搬送システムにおいて、(i),(ii),(iii),(iv)はトラック内に油圧発生装置を内蔵したタイプのボンベコンテナの積載作業状況図。
図12】(A)はボンベコンテナの前方側ジャッキを広げた状態でトラックの荷台をボンベコンテナの下側に挿入せんとする作業状態平面図、(B)は(A)の(Q)箇所の正面図である。
図13】大型タイプにできる中型タイプのボンベコンテナであって、(A)はボンベコンテナ斜視図、(B)は(A)の中間位置ジャッキ箇所の断面図である。
図14】(A)はボンベコンテナの前後のジャッキが短縮されつつトラック後部に固定された荷台に積載された側面図、(B)は前方側ジャッキ箇所の側面図、(C)はトラック荷台の4隅の(W)箇所であって、(D)はボンベコンテナ下部4隅箇所とトラック荷台の4隅箇所の分離した状態図、(E)は(D)の主要部材の斜視図である。
図15】(A)はボンベコンテナの前側からの一部斜視図、(B)は(A)の一部断面とした側面図である。
図16】(A)は荷台前側位置からボンベコンテナを積載した状態図、(B)は別の実施形態の荷台前側位置からボンベコンテナを積載した状態図である。
図17】ボンベコンテナを地面部に直置きした状況の別の実施形態の側面図。
図18】(A)は同一構造のボンベコンテナを2段積みした斜視図、(B)は(A)の側面図であって、下段のボンベコンテナは地面部に直置きされている。
図19】ボンベコンテナの別の実施形態の斜視図である。
図20】大型タイプのボンベコンテナであって、(A)は該ボンベコンテナの斜視図、(B)は(A)のR―R矢視断面図、(C)は同ボンベコンテナの後側で後方側ジャッキが省略された背面図、(D)は同ボンベコンテナの前側箇所の平面図、(E)は同ボンベコンテナがトラックの荷台に積載され、後方側ジャッキが前記荷台後部端よりはみ出して取り付けられている側面図である。
図21】ボンベコンテナを積層できる構成であって、(A)は上側位置となるボンベコンテナの下面側から見た一部斜視図、(B)は下側位置となるボンベコンテナの上面側から見た一部斜視図、(C)は積層される部位の下面側と上面側とのボンベコンテナの要部斜視図、(D)は(C)とは別の実施形態の斜視図である。
図22】本願発明と従来技術との簡易比較図である。
図23】ボンベコンテナを構成する部材であって、(A)は該ボンベコンテナ4本セットを組み込み又は取り外し状態を示す正面図、(B)はその斜視図、(C)はボンベコンテナを支持する枠状部の斜視図、(D)は(C)の枠状部を支持する補強柱部の一部斜視図、(E)は(D)箇所の一部断面とした側面図である。
図24】本発明によるボンベコンテナ搭載のトラック(左側)と従来のタンクローリ(右側)との対比図であって、(A)は準中型(小型)の両者簡易図、(B)は中型の両者簡易図、(C)は大型の両者簡易図と本願発明主要構成である。
図25】本発明によるボンベコンテナを地面部上への直置きした状態図である。
図26】従来技術による現水素ステーションの簡易図である。
図27】(A)は公知のコンテナ及び脚部付き架台の斜視図、(B)はプラットフォームと公知のコンテナ及び脚部付き架台の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の圧縮水素搬送システムの実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の主要構成部材としては、ボンベコンテナAとトラックBとで構成されたものである(図1図2図3図4等参照)。前記ボンベコンテナAは、直方体枠状のコンテナ本体1に、2個の特有の前方側ジャッキ2,2及び2個の後方側ジャッキ3,3が設けられている。前記ボンベコンテナA内には、圧縮水素が充填される水素ボンベ4が多数備えている。前記トラックBは、1車両に動力装置(図示しない)と運転台5の後部に固定された荷台6とを有している。該荷台は連結車両(トレーラ)として牽引用車両(トラクタ)に牽引される構成ではなく前記運転台5の後部に着脱が容易にできない状態として固定されている。前記荷台6に前記ボンベコンテナAが積載・分離ができるように構成されている(図1図6図7図9乃至図11参照)。
【0028】
前記ボンベコンテナAは、前記コンテナ本体1内に水素ボンベ4と両前記前方側ジャッキ2,2及び両前記後方側ジャッキ3,3の昇降動作によって、前記トラックBの荷台6に積載・分離できるように構成されている(図6図7図9乃至図11参照)。圧縮水素を充填した満タン又は空のボンベコンテナAを積載したトラックBを所望の水素貯蔵所Cと複数存在する所望の簡易水素ステーションD(第1ルート)又は前記水素貯蔵所Cと其の他水素供給所P(第2ルート)との間に搬送され、満タンのボンベコンテナAを所望の前記簡易水素ステーション又は其の他水素供給所Pに直置きして、当該箇所に直置きされていた空のボンベコンテナAを前記トラックBに積載して1回又は複数回に亘り繰り返して行う圧縮水素搬送システムである(図1図2及び図7参照)。なお、第1ルート乃至第2ルートは、どちらが1番とか2番という順番ではなく、並列関係にある。
【0029】
水素供給先としては、前記簡易水素ステーションD、大手運送企業,地方公共団体等の其の他水素供給所Pが存在している。前記簡易水素ステーションDには、図1に示すように、液化水素貯蔵槽91(液体水素貯蔵タンクともいう)は存在せず、圧縮機93,蓄圧器ユニット94(単に、蓄圧器又は水素蓄圧器ともいう)及びディスペンサ95が備えられている。プレクーラは存在するが省略した。また、前記蓄圧器ユニット94を省略する構成にて簡易ステーションDとして構成されることもある。
【0030】
また、図26に示すように、現在存在する水素ステーション、すなわち、現水素ステーションDexには、所定量〔一般的には、約300キロリットル(kl)程度〕の液化水素貯蔵槽91は設けられている。これ以上又はこれ以下のことも多い。前記水素貯蔵所Cには、大容量(現在では、約1万kl内外)の液化水素貯蔵槽91と気化機92及び圧縮機93を揃えられており、前記液化水素貯蔵槽91,気化機92及び圧縮機93を介して、ボンベコンテナ1の多数の水素ボンベ4内に充填(詰込み)されて、前記簡易ステーションP,現水素ステーションDex,其の他水素供給所P等に配送されるものである。
【0031】
所望又は指定された簡易水素ステーションDの場所に前記満タンのボンベコンテナAを積載(搭載)したトラックBが搬送され、その場所で前記ボンベコンテナAが荷台6から分離されて、地上の地面部G1に直置きされる〔図1及び図9のそれぞれの右側点線枠内及び図6(A)及び図10(A)左側参照〕。該直置きとは、前記地面部G1上に直接に前記ボンベコンテナAの底面が接触するようにして設置されることが基本である(図25参照)。ここで、前記地面部G1とは、地面又は地上Gに設けられた所定厚さ(約30cm前後)のコンクリート製台座としての部位であって、高さとしては、前記地面又は地上Gよりも数cm高く形成されているが、同等高さのこともある。その他に鉄板又は木板が敷設された場所等も前記地面部G1に含まれる。
【0032】
該地面部G1については、該地面部G1に僅かな隙間(数cm程度、約5cm前後)が設けられた場合や強固な数cm程度の高さhの台座等のスペーサ部材99を介在する場合でも(図17参照)、前記直置きの範疇に包含される。このように、直置き設置・保管することは(図25参照)、前記ボンベコンテナAの重心Mcが低くなり、特に転倒しにくくなって安定化すると共に、危険物としての圧縮水素入りのボンベコンテナAを安全な保管ができ、安心化できる。直置きについては、ボンベコンテナAについての基本的な内容であるが、満タンボンベコンテナA1については特に効果大であるが、空ボンベコンテナA0ついても同様である。つまり、直置きについては、満タン及び空を問わず、安定化・安全化ができる。
【0033】
さらに、前記ボンベコンテナAの直置きによりワンステップで作業が可能である。具体的には、液化水素貯蔵槽91から前記ボンベコンテナAへの圧縮水素の積込や、該ボンベコンテナAから前記簡易水素ステーションD,さらには其の他水素供給所Pの設備内での機器・器機等への圧縮水素の排出作業を行うのに椅子や踏み台を無しにできることである。前記ボンベコンテナAの重心Mc位置と同等又はそれより低い位置に存在する前記圧縮水素の積込・排出口が設けられていることで、且つ直置きによりワンステップで作業が可能である。
【0034】
図22に示すように、このようなワンステップにての作業ができることこそが「動的構成」とも言える。前述したように、圧縮水素のボンベコンテナAをジャッキの油圧駆動にて直置き保管ができる(重心Mcが低く)のは、装置としての「静的構成」であるが、ワンステップ作業とが協働しての有機的で且つ有効なる効果となっている。また、圧縮水素のボンベコンテナAを直置き保管ができるのは、従来のガソリン保管とは全く異なり、地面部G1上への設置を要請している(高圧ガス保管法等)。例えば、通風の良い場所の地上が好適である。
【0035】
ここで、本発明の説明において、前記ボンベコンテナAの方向を示す文言として前後方向(長手方向)をX軸方向,幅方向をY軸方向,上下方向をZ軸方向として図3(A),(B)及び図4(A)に示すようにして使用する。具体的には、前後方向のX軸方向とは、前記ボンベコンテナA及び前記トラックBの前方側と後方側とを結ぶ方向の長手方向のことを言い、幅方向とはボンベコンテナA及びトラックBの幅を示すY軸方向のことを言う。また、上下方向のZ軸方向とは、ボンベコンテナA及びトラックBの高さを示す方向のことを言う。前後方向,幅方向及び上下方向のX軸,Y軸,Z軸方向は、主要な図に記載している。
【0036】
〔ボンベコンテナAについて〕
該ボンベコンテナAは、主に、略直方体枠状をなしたコンテナ本体1と、この内部には水素ボンベ4が多数収納されている。該水素ボンベ4には、大きさや形状等、種々のタイプの構造のものが包含されるが後述する。前記コンテナ本体1は、該コンテナ本体1のX軸方向である縦長の略直方体枠状をなしている。前記ボンベコンテナAは、大きさ的には、図24の左側に示すように、大型タイプ、中型タイプ、小型タイプと存在するが、各構成は同等である。
【0037】
具体的には、中型タイプとしての前記コンテナ本体1は、図3及び図4に示すように、横長部材11a,11b,11c,11dの4本の前端側に、前側部材12a,12b,12c,12dの4本がそれぞれ固着されている。さらに前記横長部材11a,11b,11c,11dの4本の後端側に、後側部材13a,13b,13c,13dの4本がそれぞれ固着されることで、縦長の略直方体枠としての12本の部材にて前記コンテナ本体1が構成されている。
【0038】
該コンテナ本体1の両側面の適宜な箇所に補強柱材14,…が複数設けられている。また、コンテナ本体1の底側面にも補強部材15,15…がそれぞれ複数設けられている。前記補強柱材14,…は図面(図3及び図4)の実施形態の数よりも増減することもあるし、前記補強部材15,15も同様に増減することがある。特に、天井面には設けられていない。これは、前記水素ボンベ4の取り出しを考慮したものである。
【0039】
図3(A),(B)に示すように、前記コンテナ本体1の前部端で幅方向の外方に向かってスライド(手動にて)するスライド部材22,22を介して上下に伸縮する2個の前方側ジャッキ2,2が設けられている。具体的には、前記コンテナ本体1の前部端〔図3(A)の右側,図3(B)及び図15(A),(B)参照〕の前側部材12dに筒状固定部23が固着され、該筒状固定部23の内部両側に前記スライド部材22,22がスライド(摺動)可能に設けられ、該スライド部材22,22の先端に油圧ジャッキ21,21が固着されている。該油圧ジャッキ21,21は、シリンダ部21aとピストン部21bとで構成されている。
【0040】
図5に示すように、前記前方側複合ジャッキ2は、筒状固定部23の一部と、該筒状固定部23の内部にスライド可能なスライド部材22と、該スライド部材22の先端に固着された油圧ジャッキ21とから構成されている。図5(A)及び(B)では、左半分と右半分がそれぞれの前方側複合ジャッキ2に相当するものである。該前方側複合ジャッキ2のスライド部材22が特に、油圧発生装置7の油圧駆動にてスライドする構成を成している〔図5(C)参照〕。
【0041】
特に、前記筒状固定部23には大きな力が加わり前記前側部材12dは強固な部材構成が求められるが公知技術であり、実施形態では説明及び図面の詳細図としては省略した。また、前記コンテナ本体1の後部端〔図3(A)の左側〕で幅方向両側に設けられ且つ幅方向に不動としつつ上下に伸縮する2個の後方側ジャッキ3,3がそれぞれ固着されている。具体的には、図3に示すように、後方側ジャッキ3,3の油圧ジャッキ31,31が前記コンテナ本体1の後部端の後側部材13a,13cにそれぞれ固着され、前記油圧ジャッキ31,31には、シリンダ部31a,31a及びピストン部31b,31bが設けられ、該ピストン部31b,31bは前記シリンダ部31a,31aから下方に向かって伸縮可能に構成されている。
【0042】
両前記後方側ジャッキ3,3及び閉じた両前記前方側ジャッキ2,2は前記トラックBの少なくとも運転台5の幅方向の両端と同等又は両端を超えない範囲に設定されている〔図3(C)及び同図(D)の鎖線参照〕。また、両前方側ジャッキ2,2の収納時には、図3(C)に示すように、先端の油圧ジャッキ21,21及びスライド部材22,22は、少なくともトラックBの運転台5の幅と同等又は該運転台5の幅を超えないものとし、幅方向内方に収まるように設定されている。同時に、前記コンテナ本体1も運転台5の幅と同等又は該運転台5の幅を超えない幅に規制されている。
【0043】
具体的には、前記スライド部材22,22を閉じた状態では、荷台6の幅よりも小さくなることが多いが〔図4(C)〕、該荷台6の幅同等又は少し大きくなって形成されたとしても、必ず前記運転台5の幅と同等又は該運転台5の幅を超えない範囲に設定されている〔図4(C)〕。つまり、収納時における前方側ジャッキ2,2は、前記前記運転台5の幅から、はみ出さない状態に構成されている。
【0044】
両前記前方側ジャッキ2,2がコンテナ本体1の幅方向から外方にスライドして突出するときのスライド量は、数十cm乃至約1m以内程度である〔図3(D)及び図4(C)〕。このような構成とすることにより、前記油圧ジャッキ21,21のピストン部21b,21b間を広げることで、図12(A),(B)に示すように、トラックBの荷台6が前記ピストン部21b,21bに著しく接触しにくく運転しやすい運転操作ができ、ひいては該荷台6からの前記ボンベコンテナAの分離・積載を安全且つ迅速にできる。また、前記スライド量をこれ以上長くする場合には、図3(A)及び(B)に示すように、前記前側部材12d、筒状固定部23、スライド部材22,22につき、より強固な材質及び部材として設計製造する必要がある。
【0045】
さらに、スライド量を大きくするには、図15(A),(B)に示すように、筒状固定部23をダブル構造にする。つまり、前記ボンベコンテナAの前端の前側部材12dに前記筒状固定部23,23がダブルに固着され、それぞれに反対方向の外方に向かって油圧駆動にてスライドするスライド部材22,22が設けられている。該スライド部材22,22の外端に油圧ジャッキ21,21が取り付けられて構成されている。このようにダブルのスライド部材22,22の存在によって、前方側ジャッキ2,2の両油圧ジャッキ21,21の両ピストン部21b,21bの間隔が大きく構成され(約1.5m程度、それ以上)、前記トラックBの荷台6を、ボンベコンテナA内に、よりスムーズに入れやすくでき、操縦性に優れ且つ能率的な搬送ができる。
【0046】
前記ボンベコンテナAと前記トラックBとの関係としては、前記ボンベコンテナAが前記トラックBの荷台6に積載(搭載)されたときには、前記ボンベコンテナAは、前記荷台6上の略全体に載るように構成され、特に前記後方側ジャッキ3,3のみが前記荷台6の後端から飛び出すようにして取り付けられている〔図14(A)参照〕。また、図7図11及び図12(A)に示すように、前記ボンベコンテナAは、該ボンベコンテナAの前側からのみ前記トラックBの荷台6に積載ができるように構成されている。また、図6及び図10に示すように、前記ボンベコンテナAの分離・積載の構成が容易にできるように記載されている。
【0047】
前記前方側ジャッキ2のスライド部材22を収納(縮めたとき)したときであって、その油圧ジャッキ21のピストン部21bを収納(縮めたとき)したときの前記ピストン部21bの下端面と、前記トラックBの荷台6の上面との隙間αが数cm程度あり〔図14(B)参照〕、前記スライド部材22がスライド自在に構成されている。
【0048】
また、前記ボンベコンテナAが地面部G1上に直置きされた状態でも、該地面部G1上と前記前方側ジャッキ2の油圧ジャッキ21のピストン部21bの下端面との隙間αが数cm程度存在するように構成されている〔図3(E)参照〕。同様に、前記後方側ジャッキ3の油圧ジャッキ31のピストン部31bを収納(縮めたとき)したとき、該ピストン部31bの下端面との隙間αが形成されている〔図3(E)参照〕。同図において、前記ボンベコンテナAが地面部G1上に直置きされた状態下の前後位置の隙間αは同等であるが、少しは異なることもある。
【0049】
〔水素ボンベ4について〕
前記水素ボンベ4は、全てソーセージタイプであって、その太さ及び長さは略一定の内容量として製造されている。高圧水素容器(約300気圧以上)として構成され、アルミ合金等の軽金属製容器の外側に炭素繊維等の繊維層を積層した略円筒形状をなしている。大型タイプの場合には、図20(A),(E)及び図24(C)に示すように、前記コンテナ本体1の長手方向を向いた前記水素ボンベ4の集合体が、前側、中間、後側と3列となって構成されている。大きさ的には、現在の大型石油類タンクローリ(16kl~20kl)〔図24(C)右側参照〕に対応するものであり、感覚的なイメージ図である。
【0050】
また、中型タイプとしては、図3図18及び図24(B)に示すように、前記コンテナ本体1の長手方向を向いた前記水素ボンベ4の集合体が、前側と後側とで2列とで構成されている。現在の中型タンクローリ(4kl)〔図24(B)右側参照〕に対応しており、この場合も、本発明では、コンテナ本体1付きボンベコンテナAであることから、これまたイメージ図である。さらに、小型タイプでは、現在の小型タンクローリ(2kl)〔図24(A)右側参照〕に対応している。小型タイプの水素ボンベ4の集合体は、図4(A),(D)に示すように、前記水素ボンベ4の集合体が、1列のみとして構成されていることが多い。この図4(D)の場合には、前記水素ボンベ4が全て縦型となって帯状部19bにて集合体がまとめられている。
【0051】
前記水素ボンベ4又は該水素ボンベ4の集合体に対して、前記ボンベコンテナA内への取付構造としては、図23に示されている。実施形態では、図23(C)に示されるように、前後の波型支持部16a,16aが両側の連結棒状部16b,16bを介して平面的にみると方形状を成す枠状部16が構成されている。前後の前記波型支持板16a,16aの対応する位置の半径部に前記水素ボンベ4が載置され、4本が並列に収納される〔図23(B)〕。
【0052】
4本の水素ボンベ4を収納した状態下で、ワイヤ等にて吊るして〔図23(B)〕、前記コンテナ本体1内の4本の補強柱材14に収納されている〔図23(A)〕。この載置構造としては、補強柱材14の中間位置に複数が所定間隔をおいて設けられた突起部14aに前記波型支持部18aの支持棒端部が載置されて、この箇所で屈曲片14bを螺子止することで外れ防止構造がなされている。
【0053】
以上のように、前記水素ボンベ4の集合体として、大型、中型、小型等のタイプ構造のものが種々開発・製造されているが、図24に示すように、圧縮水素の比重0.0695であって(空気の比重を1.00とすると)、高圧に耐え搬送に良好な略円筒形状を成している。なお、ガソリンの比重は、水比重を1.00とした場合に、0.75前後である。また、図3及び図4に示すように、合計12本の水素ボンベ4の集合体として構成されている場合には、個々の水素ボンベ4,4の積込・排出口4d相互関係は図示しないが、1本が連続するようにして構成されており、圧縮水素の積込・排出が効率的にできるように構成されている。
【0054】
〔ボンベコンテナAと荷台6とのロック構成について〕
前記ボンベコンテナAが前記トラックBの前記荷台6に積載されたときには、前記トラックBの振動等で外れないようにするロック装置が設けられている。具体的には、図14(C),(D),(E)に示すように、前記荷台6の4隅には、ロック用部材61が設けられ、該ロック用部材61に対応して前記ボンベコンテナAの下面側の4隅には被ロック用部材17が設けられている。動作としては、前記荷台6上に前記ボンベコンテナAが積載されたら直ぐにハンドル61bを約90度回すことで前記被ロック用部材17の孔部17aに前記ロック用部材61の突起部61aが入り込み篏合状態となって強固で外れないロック状態にでき、この状態にて、前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6に積載して搬送する。
【0055】
〔油圧制御機構について〕
油圧制御機構は、両前記前方側複合ジャッキ2,2と両後方側ジャッキ3,3についての制御機構である。具体的には、図8に示すように、両前記油圧ジャッキ21,21及び31,31のそれぞれの昇降制御機構である。油圧発生装置7の駆動力にて油圧回路74を介して駆動可能に構成されている。
【0056】
前記油圧発生装置7には、図8に示すように、モータ71に油圧ポンプ72が駆動可能に設けられ、切替弁73及び油圧回路74を介して両前記油圧ジャッキ21,21及び31,31のそれぞれが昇降可能となるように結合されている。特に、その両前記油圧ジャッキ21,21(両前方側複合ジャッキ2,2)及び31,31(両後方側ジャッキ3,3)のそれぞれは同時に昇降できる(同期昇降)ように公知技術にて制御されている。なお、リリーフ弁75も設けられている。
【0057】
図8に示す前記油圧発生装置7を有する油圧回路では、具体的には、第1切替弁73Aにて両前記前方側複合ジャッキ2,2の両スライド部材22,22の拡幅制御が行なわれ、第2切替弁73Bにて両前記前方側複合ジャッキ2,2の両前記油圧ジャッキ21,21(両前方側複合ジャッキ2,2)及び31,31(両後方側ジャッキ3,3)のそれぞれは同時に昇降できるように構成されている(同期昇降)。
【0058】
〔油圧発生装置7につき、ボンベコンテナA内蔵型について〕
前記油圧発生装置7が前記ボンベコンテナA内の一部(前端側又は後端側であって、実施形態では、図7(A)の左側で同図(B)に示すように備えられている。前記油圧発生装置7からの両前方側ジャッキ2,2の両油圧ジャッキ21,21及び両後方側ジャッキ3,3の両油圧ジャッキ31,31には前述の油圧回路74が設けられ、前記ピストン部21b及びピストン部31bが伸縮可能に構成されている。この内蔵型であると、前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離に便利であり、より迅速に作業ができる点である。
【0059】
油圧発生装置7の内蔵型(ボンベコンテナA内)での前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載作業について説明する〔図7(A)参照〕。
まず、ボンベコンテナAの両前方側ジャッキ2,2のスライド部材22,22を外方に手動にて引き出して止め、前記ボンベコンテナA内の油圧発生装置7を駆動させて、両前方側ジャッキ2,2の両油圧ジャッキ21,21の両ピストン部21b,21b及び両後方側ジャッキ3,3の両ピストン部31b,31bを同時に伸ばしてそれぞれの脚下端を地面部G1上に着けつつ、前記ボンベコンテナAの底部面がトラックBの荷台6の上面より僅かに高くなった隙間βが生じたときにそれぞれのピストン部の伸ばした状態を保持して前記ボンベコンテナAのみを立たせておく。
【0060】
そこで、図12(A)及び(B)に示す状態をとりつつ、前記トラックBを後退させつつ荷台6を前記ボンベコンテナAの直下に位置させて前記トラックBを止めておく。直後に、前記ボンベコンテナAのそれぞれのピストン部を縮めて前記ボンベコンテナAを前記荷台6上に搭載を完了する。これがボンベコンテナA内蔵型である。
【0061】
〔簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所P内での作業状況〕〔図6(A)左側参照〕
ボンベコンテナA内蔵型でのトラックBからボンベコンテナAの分離について具体的な例として説明する。まず、満タンボンベコンテナA1をトラックBにて簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pに搬送したとき、この場所の所定位置にトラックBを止め、ボンベコンテナAの両前方側ジャッキ2,2のスライド部材22,22を外方に手動にて引き出して止める。そして前記ボンベコンテナA内の油圧発生装置7を駆動させて、両前方側ジャッキ2,2の両油圧ジャッキ21,21の両ピストン部21b,21b及び両後方側ジャッキ3,3の両ピストン部31b,31bを同時に伸ばしてそれぞれの脚下端を地面部G1上に着ける。
【0062】
さらに両ピストン部21b,21b及び両後方側ジャッキ3,3の両ピストン部31b,31bを伸ばし、前記満タンボンベコンテナA1の下面とトラックBの荷台6の上面との間に適宜な隙間β〔約数cmから約10cm程度:図7(A)の(iii)〕を生じさせている状態で、トラックBの荷台6を引き抜く。その後は、再び前記油圧発生装置7を駆動させて、満タンボンベコンテナA1のそれぞれのピストン部を縮めて前記満タンボンベコンテナA1のみを地面部G1上に直置きする〔図6(A)左側下参照〕。
【0063】
〔簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所P内での作業状況〕〔図6(A)右側参照〕
今度は、同一の簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所P内において、前記の満タンボンベコンテナA1とは別の空ボンベコンテナA0が直置き状態下において、まず、該空ボンベコンテナA0の両前方側ジャッキ2,2のスライド部材22,22を外方に手動にて引き出して止める点からトラックBの荷台6に積載するが、この詳細説明は、図7(A)において説明した内容と同じであり説明は省略するが、図6(A)右側の矢印方向に図示されている。
【0064】
〔水素貯蔵所C内での動作状況〕〔図6(B)参照〕
前記空ボンベコンテナA0を水素貯蔵所Cに搬送した後は分離するが、この分離動作は、図面では図6(B)左側図であり、前記満タンボンベコンテナA1をトラックBの荷台6から分離する操作と同一であり〔図6(A)左側参照〕、その説明は省略する。
【0065】
また、水素貯蔵所C箇所で、満タンとなった別の満タンボンベコンテナA1を、同一のトラックBの荷台6に積載作業を行う。この作業は、図面では図6(B)右側図であり、前記空ボンベコンテナA0をトラックBの荷台6に積載する操作と同一であり〔図6(A)右側参照〕あって、同位置であり、その説明は省略する。
【0066】
〔油圧発生装置7につき、トラックB内蔵型について〕(図11参照)
前記油圧発生装置7が前記トラックB内の一部(運転台5側又は荷台6の後端側であって、実施形態では、図11の運転台5の後ろ箇所)に備えられている。
トラックB内蔵型での油圧構成ついて説明しておく(図11参照)。特に、油圧発生装置7がトラックB内蔵型の場合には、カップリング76a,76b及び油圧回路74での油圧ホース74aやホース巻取部74bが設けられている。
【0067】
このトラックBに内蔵型であると、図11に示すように、油圧回路74での油圧ホース74aが「荷台6の長さ+荷台6の高さ」分だけが必要となり、且つ油圧ホース74aの絡まり等を防止したホース巻取部74bの公知技術で可能であり、詳しい図面は省略した。この内蔵型であると、水素貯蔵所C、簡易水素ステーションD及び其の他水素供給所PにおけるボンベコンテナAの積載・分離に少し手間はかかるが、該ボンベコンテナAの費用を特に安価にできる。
【0068】
前記油圧発生装置7のトラックBに内蔵型での前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離について具体例として説明する。
〔簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所内での動作状況〕〔図10(A)参照〕
前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離作業は、前述した前記ボンベコンテナAを該ボンベコンテナA内蔵型と同様であるが、異なる点は図8(A)及び(B)に示すように、前記トラックBの荷台6と前記ボンベコンテナAとが離れないように油圧回路が結合状態となっていることである。
【0069】
この点を詳述すると、油圧発生装置7のトラックBに内蔵型である図11では、運転台5の後方側に設けられ、油圧回路74としての油圧ホース74aは、荷台6の中間位置に設けられたホース巻取部74bを介して前記荷台6の高さ分の長さと端部の油圧カップリング76bが設けられている。該油圧カップリング76bが、前記ボンベコンテナAに設けられた4本の油圧ジャッキの油圧回路74の端に設けられた油圧カップリング76a,76b相互が物理的に結合することで油圧駆動できるように構成されている。
【0070】
つまり、図9乃至図11に示すように、必ず、該ボンベコンテナAとトラックBとが物理的な結合状態(油圧カップリングによる)を保持しつつ操作することになることが必要である。このように、油圧発生装置7のトラックBに内蔵型を利用して、水素ボンベ入りのボンベコンテナAを搭載したトラックBにて水素貯蔵所Cと簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pとを適宜循環する搬送システムとしては(図2及び図9)、特に、動作は前記ボンベコンテナA内蔵型(図7参照)と略同一であると共に、前述の最上位概念又は上位概念としての圧縮水素搬送システムと同一であり、その説明は省略する。
【0071】
〔本発明の最上位概念としての圧縮水素搬送システムについて〕
まず、図1乃至図2に示すように、圧縮水素を前記水素ボンベ4内が空又は満タンに関わらず、該水素ボンベ4の集合体付きのボンベコンテナAについて、前記水素貯蔵所Cと、簡易水素ステーションD,其の他水素供給所P,現水素ステーションDexとの間を搬送しつつ循環等して圧縮水素搬送システムとして構成されている。具体的には、トラックBの荷台6に積載したボンベコンテナAを所望の前記水素貯蔵所C、簡易水素ステーションD又は現水素ステーションDex,其の他水素供給所Pの何れかの場所で両前記前方側ジャッキ2,2及び両前記後方側ジャッキ3,3を縮めて前記ボンベコンテナAを分離して該ボンベコンテナAを地面部G1上に直置きする。
【0072】
その何れかの場所に直置きされている前記ボンベコンテナAを両前記前方側ジャッキ2,2及び両前記後方側ジャッキ3,3を介して積み込んだ前記トラックBにて前記水素貯蔵所C、簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所P等の何れかの場所に搬送し、そこで両前記前方側ジャッキ2,2及び両前記後方側ジャッキ3,3の昇降作用にて前記ボンベコンテナAのみを分離して地面部G1上に直置きさせるような圧縮水素搬送システムである。
【0073】
〔ボンベコンテナAの圧縮水素充填について〕
まず、前記水素貯蔵所Cにおいて圧縮水素を前記水素ボンベ4に満タンにした前記ボンベコンテナAを満タンボンベコンテナA1と、前記圧縮水素を空状とした前記ボンベコンテナAを空ボンベコンテナA0とそれぞれ称しておく。この満タンボンベコンテナA1及び空ボンベコンテナA0の用語は、以下の第1実施形態及び第2実施形態の圧縮水素搬送システムについても同一であり、以後の説明は省略する。
なお、前記水素ボンベ4において、前記「空」は、「空」及び「空に近く少量の場合」も
含む。
【0074】
〔本発明の基本的な圧縮水素搬送システムについて〕
まず、前記水素貯蔵所Aにおいて前記満タンボンベコンテナA1を両前記前方側ジャッキ2,2及び両前記後方側ジャッキ3,3を介して積み込んだ前記トラックBにて複数存在する内の1つの所望の簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pに搬送する(図1参照)。そして、到着した前記簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pの地面部G1上に前記満タンボンベコンテナA1を両前記前方側ジャッキ2及び両前記後方側ジャッキ3の昇降作用にて前記満タンボンベコンテナA1のみを分離して前記地面部G1上に直置きさせる(図1及び図2参照)。
【0075】
次いで、この簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pで既に直置きれていた空ボンベコンテナA0を、先ほど分離した同一の前記トラックBの荷台6に積載、この状態で前記水素貯蔵所Cに搬送して、該水素貯蔵所Cの地面部G1上に前記空ボンベコンテナA0を分離して該空ボンベコンテナA0を直置きさせる。このようにしてなる圧縮水素搬送システムである。
【0076】
図2において、関東地区における所望の水素貯蔵所Cから多く存在する1つの所望の簡易水素ステーションDに搬送される例を示した簡略図である。図2の所望の1つの前記水素貯蔵所Cが、所望の1つの前記簡易水素ステーションDと矢印的に結ばれている。具体的には、前記水素貯蔵所Cは関東地区の多数の内の1つの水素貯蔵所Cと結ばれ、さらに、前記簡易水素ステーションDは関東地区の多数の内の1つの簡易水素ステーションDと結ばれている。
【0077】
以上の説明では1回のみの搬送であるが、搬送距離によっても異なる。実際には、1日に数回も循環することもある。この場合には、前記水素貯蔵所Cは1箇所であって、前記簡易水素ステーションDは一般にはそれぞれ異なる該簡易水素ステーションDとなる。特に、1台のトラックBであっても、満タンボンベコンテナA1と空ボンベコンテナA0とを別のコンテナ搬送を繰り返しての作業であり、前記水素貯蔵所Cでも、前記簡易水素ステーションD又は現水素ステーションDexでも、直ちに分離及び積載の時間のみの作業であるため、極めて効率的な圧縮水素の搬送ができる。
【0078】
前述の説明では、前記水素貯蔵所C、簡易水素ステーションD又は現水素ステーションDexとの間を順序よく循環などしているが、場合によっては、同じ場所といえる箇所を2度等複数回と搬送することもあるが、これも循環の概念に含まれる。具体的には、前記満タンボンベコンテナA1を搭載して所望のN(図面には表示無し)なる簡易水素ステーションDに向かったが、全く足りなくなったM(図面には表示無し)なる簡易水素ステーションDに向かい、元の簡易水素ステーションDの箇所の空ボンベコンテナA0を搭載して持ち帰るような場合であっても、循環関係であり、種々の事例は存在する。
【0079】
この上位概念の実施形態でも前記水素貯蔵所Cでも、簡易水素ステーションD及び其の他水素供給所Pでも、その箇所の地面部G1上に満タンボンベコンテナA1又は空ボンベコンテナA0のみで直置きできる。このようにボンベコンテナAの直置きによって、まず、重心Mcが低くなって転倒しにくく、安全・安心な保管ができる。特に、強風や地震の際にも転倒しないで安定性を確保できる。また、該ボンベコンテナAの直置きによりワンステップで作業が可能である。
【0080】
具体的には、該ワンステップとは、この明細書中では、本発明の主要構成部である前記ボンベコンテナAへの圧縮水素の積込(液化水素貯蔵槽91から)や、前記ボンベコンテナAから簡易水素ステーションD,其の他水素供給所Pの設備内での機器・器機等への圧縮水素の排出作業を行うのに椅子や踏み台を無しにできることを言う。特に、本発明ではこのようなワンステップにて作業ができる効果を奏する。
【0081】
図2に示すような具体的な鳥瞰図的な図において、多く存在する所望の1つの水素貯蔵
所C(例えば横浜)から、これまた多く存在する所望の1つの簡易水素ステーションD(例えば東京の某所)に満タンボンベコンテナA1を搬送するが、これは一例であり、その横浜の1つの水素貯蔵所Cから埼玉の某所の簡易水素ステーションDに満タンボンベコンテナA1を搬送することもある。この場合にも、該満タンボンベコンテナA1を直置きできる。
【0082】
前記満タンボンベコンテナA1を直置きした箇所の簡易水素ステーションDからは、直置きされた空ボンベコンテナA0を引き取り搬送する。具体的には、該空ボンベコンテナA0を両前方側ジャッキ2及び両後方側ジャッキ3を介してトラックBの荷台6に積載して水素貯蔵所Cに搬送して、該水素貯蔵所Cにて圧縮水素を前記空ボンベコンテナA0内に充填して満タンボンベコンテナA1として段取りしておく。図2では、このように東京都、神奈川県、千葉県での京浜工業地帯、京葉工業地帯、鹿島臨海工業地帯等を考慮した搬送俯瞰の概要であり、あらゆる適用に対応できる。
【0083】
〔ボンベコンテナAの2階建て、3階建てについて〕
必要に応じては、同一の簡易水素ステーションD箇所に、前記満タンボンベコンテナA1を2階建てに設置することも多い〔図1の略中央図、図18(A),(B)〕。2階建て、3階建てに安全且つ確実にするために、前記ボンベコンテナAには、図21に示すように、該ボンベコンテナAの上面側のコンテナ本体1の4隅には、重ね補助片16aが溶接等にて固着されている。
【0084】
図21に示すように、前記重ね補助片16aは、平面的にみて板片を約90度曲げたのみの形状・構成を成し、2階側となる前記ボンベコンテナAの下面側のコンテナ本体1の4隅が、1階側となる前記ボンベコンテナAの上面側のコンテナ本体1の4隅の重ね補助片16aを抱くようにしてズレが生ずることなく2階側の前記ボンベコンテナAを積層できる。このような2階建ての例として、図18に示されている。また、図1の圧縮水素搬送システムの直置きした場合にも開示されている。
【0085】
また、3階建てにする場合には、2階となった前記ボンベコンテナAの上側に、3階側となる前記ボンベコンテナAの下面側のコンテナ本体1の4隅が、2階側となる前記ボンベコンテナAの上面側のコンテナ本体1の4隅の重ね補助片16aを抱くようにしてズレが生ずることなく3階側の前記ボンベコンテナAを積層できる。この3階建ての図面は省略する。また、前記重ね補助片16aは、前記ボンベコンテナAの主要な図面(図3図4図13図20参照)に記載されている。また、図21(D)示すように、前記重ね補助片16aの上側が少し開いて形成され、2階等に積層しやすくなるように、改良型重ね補助片16bとして形成されることも多い。
【0086】
このように、2階建て、3階建て、これ以上にするには、埠頭等で使用するリーチスタッカー等を使用して積み上げ・積み降ろしを行う。このように簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pに該満タンボンベコンテナA1を直置きすることこそが現存する液化水素貯蔵槽としても役割を成す。さらには、直置きした箇所にて2階建て、3階建て(仮置きも含む)にすれば都市部等での普及化を図り得る。このように、現在の簡易水素ステーション(現水素ステーションDex)に存在している高価なる液化水素貯蔵槽に替わる設備を提供できる利点もある。
【0087】
〔ボンベコンテナAの他の実施形態について:中間補強〕
図13(A)に示したボンベコンテナA(大型タイプ)の長手方向(X軸方向)の略中央位置に、該ボンベコンテナAの補強用として中間位置ジャッキ8が必要に応じて設けられている。具体的には、前記コンテナ本体1の横長部材11a,11dの長手方向の略中央位置に、前記中間位置ジャッキ8,8が外方向に少しのスライド(小拡幅)できるように設けられている。該中間位置ジャッキ8は、スライド部材82,筒状固定部83,油圧ジャッキ81,シリンダ部81a,ピストン部81bとで構成されている。
【0088】
前記中間位置ジャッキ8の筒状固定部83が、前記コンテナ本体1の補強部材16に筒状固定部83が固着され、該筒状固定部83に前記スライド部材82がスライドできるように構成され、該スライド部材82の先端に油圧ジャッキ81が固着されて構成されている。該油圧ジャッキ81が固着されて構成されている。該油圧ジャッキ81は、シリンダ部81aとピストン部81bでなっている。前記油圧ジャッキ81は、本来的には、図20に示す大型に設けるのが通常であるが、図11の中型にも設けることがあるとの理由で設置したものである。
【0089】
以上のように構成されたボンベコンテナAのコンテナ本体1において、スライドが閉じられ状態下での両側の中間位置ジャッキ8,8は、少なくとも前記トラックBの幅位置と同等又はその幅位置より飛び出さないように構成されている〔図13(B)点線参照〕。
さらに、ボンベコンテナAの補強用として図18に示すように、前記コンテナ本体1の横長部材11a及び11dの断面係数をかなり大きく形成して補強部材として構成する場合もある。
【0090】
図17に示したボンベコンテナAは、コンテナ本体1の変形例であって、直方体状を成さないタイプである。具体的には、上側の横長部材11b,11cと前側部材12b及び後側部材13bからなる枠状部が外れている。かかる構造でも、両側面の補強斜材18を増加させることで、強度的には対抗できる。このタイプの前記ボンベコンテナAは、特に、コンテナ本体1から水素ボンベ4の取り出し、設置が容易にできる利点がある。
【0091】
〔本発明の第1実施形態の圧縮水素搬送システムについて〕
この第1実施形態は、図1図6及び図7に示すように、基本的な圧縮水素搬送システムにおいて、前記油圧発生装置7を前記ボンベコンテナAに内蔵型にしたタイプであり、該ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離に便利であり、前記ボンベコンテナAの価格は少し割高とはなるが、より迅速に作業ができる利点がある。
【0092】
前記水素貯蔵所Dにおいて前記満タンボンベコンテナA1を両前方側ジャッキ2,2及び両後方側ジャッキ3,3を介して積載したトラックBにて複数存在する内の一つの所望の簡易水素ステーションD及び其の他水素供給所Pに向かって搬送するが〔図1上側の大矢印の搬送状態参照〕、特に、満タンボンベコンテナA1又は空ボンベコンテナA0を搭載したトラックBにて水素貯蔵所Cと、簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pとを適宜循環する搬送システムは、前述の上位概念としての圧縮水素搬送システムと同一であり、その説明は省略する。
【0093】
特に、油圧発生装置7の内蔵型(ボンベコンテナA内)での前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離について説明する。
〔簡易水素ステーション又は内での作業状況〕〔図6(A)参照〕
簡易水素ステーションD又はEの地面部G1上に満タンボンベコンテナA1を両前方側ジャッキ2,2及び両後方側ジャッキ3,3の昇降作用にて荷台6から満タンボンベコンテナA1を分離し、該満タンボンベコンテナA1のみを前記地面部G1上に直置きさせる〔図5(A)の左側〕。そして簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pで既に直置きれていた空ボンベコンテナA0を、先ほど分離した前記トラックBの荷台6に積載する〔図6(A)の右側〕。この状態で水素貯蔵所Dに搬送する。
【0094】
該水素貯蔵所Cの地面部G1上に空ボンベコンテナA0を分離して該空ボンベコンテナA0を直置きさせる〔図6(B)の左側〕。ここで、先ほど分離した前記トラックBの荷台6に、別の満タンボンベコンテナA1を積載して〔図6(B)の右側〕、次の所望の水素ステーションD又は其の他水素供給所Pに搬送する。こうように、1台のトラックBにて、満タンボンベコンテナA1、空ボンベコンテナA0を積載・分離させる作業を成して効率的に圧縮水素の搬送できる圧縮水素搬送システムである。
【0095】
〔本発明の第2実施形態の圧縮水素搬送システムについて〕
この第2実施形態は、前述の基本的な圧縮水素搬送システムにおいて、前記油圧発生装置7を前記トラックBに内蔵型にしたタイプであり、その概要の出願システム図としては図9乃至図11に示す通りである。満タンボンベコンテナA1又は空ボンベコンテナA0の分離・積載の基本的なシステムは、図1の本発明の第1実施形態の圧縮水素搬送システムと同一であるが、特に、前記ボンベコンテナAの価格は格安にできる。
【0096】
この第2実施形態は、油圧発生装置7をトラックBに内蔵型であって、前記ボンベコンテナAをトラックBの荷台6への積載・分離ができるが、何よりも簡易水素ステーションDでの経済的な負担が少なく導入しやすい。一般的には、簡易水素ステーションDの経営者は、満タンボンベコンテナA1、空ボンベコンテナA0,使用中のボンベコンテナAとして最低3台が必要とされており、トラックBに内蔵型の油圧発生装置7とすることが、簡易水素ステーションDの建設へのハードルを低くしたものである。特に、水素ボンベ4入りのボンベコンテナAを搭載したトラックBにて水素貯蔵所Cと簡易水素ステーションD又は其の他水素供給所Pとを適宜循環する搬送システムは、前述の上位概念としての圧縮水素搬送システムと同一であり、その説明は省略する。
【0097】
次のような「圧縮水素搬送用のボンベコンテナ」とすることもある。
「直方体枠状のコンテナ本体内に圧縮水素を充填できる多数の水素ボンベが設けられたボンベコンテナであって、該ボンベコンテナの全体は、トラック後部の荷台に積載される構成をなし、前記該トラックは1車両に動力装置と前記荷台とが設けられ該荷台は連結車両として牽引用車両に牽引される構成ではなく運転台後部に固定された構造をなし、
前記荷台との積載・分離は前記コンテナ本体の前後に取り付けられたジャッキの油圧駆動のみにてできると共に、前記分離は前記荷台に積載されている前記ボンベコンテナが前後の前記ジャッキのみにて地面部上に直置きされ、且つ前記積載は地面部上に直置きされている前記ボンベコンテナAに対して前後の前記ジャッキのみにて積み上げできるように構成され、
前記コンテナ本体の前部端で幅方向の外方に向かって拡開するスライド部材付きで且つ上下にも伸縮できる2個の前方側ジャッキと前記コンテナ本体の後部端で幅方向両側に配置されて幅方向に拡開せずに不動で上下のみに伸縮する2個の後方側ジャッキのそれぞれが油圧駆動できると共に、閉じている両前記前方側ジャッキ及び両前記後方側ジャッキは前記トラックの少なくとも前記運転台の幅方向の両端と同等又はその両端を超えない範囲に設定されてなることを特徴とした圧縮水素搬送用のボンベコンテナ。」
【0098】
また、将来的に、自動運転乃至AI運転が普及すれば、拡幅できる前方側ジャッキ2は、その拡幅量が少なくなって小拡幅となる可能性は大であるが、自動運転乃至AI運転の誤動作を考慮すると拡幅がゼロにはなり得ない。また、現状において、ボンベコンテナAの前端及び後端にも拡幅できる前方側ジャッキ2と同一構成の後方側ジャッキ3を備えても、前記ボンベコンテナAの前後区別を設け、後ろ側を小拡幅にして実施していても、後方側ジャッキ3を小拡幅と判断して、本発明の技術的範囲内に包含されるものである。
【0099】
圧縮水素搬送システムとして、水素貯蔵所Cと、簡易水素ステーションD,其の他水素供給所P,現水素ステーションDexとの間を搬送しつつ循環等して圧縮水素の排出・積載を行うシステムであるが、前記水素貯蔵所Cと簡易水素ステーションDとの間、前記水素貯蔵所Cと其の他水素供給所Pとの間、前記水素貯蔵所Cと現水素ステーションDexとの間を専用で搬送システムとして構成することもある。
【0100】
以上のような本発明において、主要な構成としては、トラックBの運転台5の後部に固定した荷台6にボンベコンテナAを積載しつつ搬送ができ、該ボンベコンテナAと前記荷台6との積載・分離はジャッキ(両前方側ジャッキ2,2及び両後方側ジャッキ3,3)の油圧駆動のみにてでき、前記分離は前記荷台6から前述したジャッキのみにて前記ボンベコンテナAの直置きができ、且つ該直置き後に直ちに圧縮水素の積込又は排出作業をワンステップにてできると共に、前記積載は、前記直置きから前記ジャッキのみにて前記荷台6に前記ボンベコンテナAを積み上げ得るという技術的な構成である。なお、両前記前方側複合ジャッキ2には、前記タンクコンテナAの幅方向の外方に向かって油圧駆動にて拡開するスライド部材22が設けられている。
【0101】
また、圧縮水素搬送システムとしての前記ボンベコンテナAの前後に取り付けられた前記ジャッキの構造は、前後では異なる構成であったが、前側のジャッキの構造、すなわち、前記コンテナ本体1の前部端で幅方向の外方に向かって拡開するスライド部材22,22付きで且つ上下にも伸縮できる2個の前方側ジャッキ2,2と同一の構成を、前記コンテナ本体1の後部端に設けることもある。この場合には、構成部材として割高となるが、本件発明と同等効果を奏する。
【0102】
最後に、同日出願済の特願2022-158835では、2個の前方側ジャッキにおいて、幅方向の外方に向かって拡開するスライド部材22,22は手動にて動作させる構成であるが、本件特許出願での2個の前方側複合ジャッキ2,2は、幅方向の外方に向かってスライド部材22,22が油圧駆動にて動作する構成を成しているのみであり、この油圧制御について、本件出願では、図6図8と共に説明文でも詳述しており、他の構成部又は構成材としては殆ど同一である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明では、特に、圧縮水素の搬送システムであるが、各種の液化ガス(LPガス等)の搬送にも多いに利用することができる。つまり、LPガス搬送システムとして利用できる。さらに、本発明のボンベコンテナAは、水やアルコール、ベンゼン、塩酸など積載物の特性に合せて、安全で且つ公害にならないタンク構造にすることにより、特殊な液体のほか、水素マグネシウム(MgH2)など粉体や粒体の貯蔵及び輸送・搬送を可能とするシステムである。このように産業上の利用性は格段と高いものである。
【符号の説明】
【0104】
A…ボンベコンテナ、A1…満タンボンベコンテナ、A0…空ボンベコンテナ、
1…コンテナ本体、22…スライド部材、2…前方側ジャッキ、3…後方側ジャッキ、
4…水素ボンベ、B…トラック、5…運転台、6…荷台、C…水素貯蔵所、
D…簡易水素ステーション、P…其の他水素供給所、Mc…重心、
Dex…現水素ステーション、7…油圧発生装置、91…液化水素貯蔵槽。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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