(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052325
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20240404BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20240404BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20240404BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240404BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240404BHJP
【FI】
F21V17/00 155
F21S8/02 420
F21Y101:00 100
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158973
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399018471
【氏名又は名称】国分電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳史
(72)【発明者】
【氏名】神田 太郎
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011EL02
(57)【要約】
【課題】照明器具において、光源から出射された光を効率的に拡散できる。
【解決手段】照明器具(100)は、光を出射する光源(112)と、光源から出射された光が入射する入射口(180B)と、入射口(180B)から入射された光が出射する出射口(180A)とを有する開口部材(180)と、開口部材(180)の入射口(180B)を覆い、光源(112)から出射された光を拡散する拡散部材(190)と、拡散部材(190)を開口部材(180)のに固定する固定部(200)とを備える。固定部(200)は、拡散部材(190)のうちの開口部材(180)の入射口(180B)の外側に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光が入射する入射口と、前記入射口から入射された光が出射する出射口とを有する開口部材と、
前記開口部材の前記入射口を覆い、前記光源から出射された光を拡散する拡散部材と、
前記拡散部材を前記開口部材に固定する固定部と
を備え、
前記固定部は、前記拡散部材のうちの前記開口部材の前記入射口の外側に位置する、照明器具。
【請求項2】
前記拡散部材は、
前記開口部材の前記入射口に対応する本体部と、
前記本体部から外側に突出した突出部と
を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記拡散部材は、前記突出部に設けられた貫通孔を有する、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記固定部は、雄ネジを有し、
前記開口部材は、前記雄ネジに対応してネジ切られたネジ穴を有する、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記固定部は、前記開口部材の前記入射口の外側において互いに離れて位置する複数の固定部品を含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光源は、前記光を出射方向に沿って出射し、
前記開口部材の前記入射口および前記拡散部材は、前記光の前記出射方向に対して斜めに位置する、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記開口部材は、前記入射口を囲む端部を有し、
前記端部は、前記光源側に位置する基準部分を有し、
前記複数の固定部品は、
前記基準部分側に位置する第1固定部品と、
それぞれが前記出射方向に対して直交する方向に位置する第2固定部品および第3固定部品と
を有する、請求項6に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
上方から下方を照らすダウンライト型の照明器具が知られている。特に天井面から壁面を均一に照らす場合、ウォールウォッシャー型の照明器具が用いられる。
【0003】
特許文献1には、下方に開口が広がるコーン部の上側の開口の一部を覆う拡散板が光源から出射された光を拡散する照明器具が記載されている。特許文献1に記載の照明器具は、レンズ取付部材によってコーン部の上側に取り付けられた拡散板が、光源が発してコーン部の上側の開口に入射する光の一部を拡散する一方で、残りの光の少なくとも一部が拡散板を通過せずに開口内に入射することにより、天井から床面までの範囲の照度を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の照明器具では、拡散板をコーン部に取り付けるレンズ取付部材が、光源とコーン部の上側の開口とを結ぶ領域を部分的に覆う。このため、光源から出射された光がレンズ取付部材に遮られてしまい、照明器具から拡散される光が充分に拡散されないことがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光源から出射された光を効率的に拡散可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光が入射する入射口と、前記入射口から入射された光が出射する出射口とを有する開口部材と、前記開口部材の前記入射口を覆い、前記光源から出射された光を拡散する拡散部材と、前記拡散部材を前記開口部材に固定する固定部とを備え、前記固定部は、前記拡散部材のうちの前記開口部材の前記入射口の外側に位置する。
【0008】
ある実施形態において、前記拡散部材は、前記開口部材の前記入射口に対応する本体部と、前記本体部から外側に突出した突出部とを有する。
【0009】
ある実施形態において、前記拡散部材は、前記突出部に設けられた貫通孔を有する。
【0010】
ある実施形態において、前記固定部は、雄ネジを有し、前記開口部材は、前記雄ネジに対応してネジ切られたネジ穴を有する。
【0011】
ある実施形態において、前記固定部は、前記開口部材の前記入射口の外側において互いに離れて位置する複数の固定部品を含む。
【0012】
ある実施形態において、前記光源は、前記光を出射方向に沿って出射し、前記開口部材の前記入射口および前記拡散部材は、前記光の前記出射方向に対して斜めに位置する。
【0013】
ある実施形態において、前記開口部材は、前記入射口を囲む端部を有し、前記端部は、前記光源側に位置する基準部分を有し、前記複数の固定部品は、前記基準部分側に位置する第1固定部品と、それぞれが前記出射方向に対して直交する方向に位置する第2固定部品および第3固定部品とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光源から出射された光を効率的に拡散可能な照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】(a)は、本実施形態の照明器具における固定枠の上面図であり、(b)は、本実施形態の照明器具における固定枠の斜視図である。
【
図5】本実施形態の照明器具における固定枠の分解斜視図である。
【
図6】(a)は、本実施形態の照明器具における開口部材の斜視図であり、(b)は、本実施形態の照明器具における開口部材の上面図である。
【
図7】(a)は、本実施形態の照明器具における開口部材および第2弾性部材の上面図であり、(b)は、本実施形態の照明器具における拡散部材が開口部材および第2弾性部材を被覆する上面図である。
【
図8】本実施形態の照明器具における拡散部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
図1を参照して、本実施形態の照明器具100について説明する。
図1は、本発明の実施形態の照明器具100を示す斜視図である。
図1に示すように、照明器具100は、例えば、ダウンライトである。照明器具100は、光を出射する。
【0018】
典型的には、照明器具100は、室内の取付面に取り付けられる。取付面は、例えば、室内の天井である。一例として、照明器具100は、ウォールウォッシャーとして用いられる。また、照明器具100の取付面は、室内の側壁であってもよい。なお、照明器具100は、室外の取付面に取り付けられてもよい。
【0019】
照明器具100は、光源ユニット100Aと、光拡散ユニット100Bとを備える。光拡散ユニット100Bは、光源ユニット100Aに装着される。
【0020】
光源ユニット100Aは、光を出射する。光源ユニット100Aは、第1方向D1に向けて光を出射する。光拡散ユニット100Bは、光源ユニット100Aから出射された光を拡散する。典型的には、光拡散ユニット100Bは、光源ユニット100Aからの光の出射方向に配置される。
【0021】
次に、
図1および
図2を参照して、本実施形態の照明器具100を説明する。
図2は、本実施形態の照明器具100の断面図である。
【0022】
図2に示すように、光源ユニット100Aは、本体部100pと、光源部110と、反射部材120と、放熱部130とを備える。本体部100pは、一端が閉じた略円筒形状である。光源部110および反射部材120は、本体部100p内に収容される。光源部110は、第1方向D1に向けて光を出射する。反射部材120は、光源部110に対して第1方向D1側に配置される。反射部材120は、光源部110から出射された光を反射する。放熱部130は、本体部100pに対して第1方向D1とは反対の方向(第3方向D3)に配置される。放熱部130は、光源部110において発生した熱を放出する。光源部110は、放熱部130の端部に配置される。
【0023】
なお、第3方向D3は、第1方向D1の反対の方向である。つまり、第3方向D3は、収容部170から光源部110へ向かう方向である。
【0024】
光源部110は、基板112と、光源113と、光源保持部114と、光源カバー部115とを有する。光源113は、基板112に支持される。光源113は、光を出射方向に出射する。光源113は、複数の発光素子を含み、基板112の実装面に実装される。本実施形態では、光源113は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)アレイであり、複数のLEDを含む。本実施形態では、光源113は、複数のLEDを蛍光体で封止することにより形成されるCOB(Chip on Board)タイプである。なお、光源113は、LEDと蛍光体とを1ユニット化してLEDチップを形成し、複数のLEDチップを基板112の実装面に載置して基板112の導電パターンに電気的に接続するSMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。
【0025】
基板112の実装面の裏面は放熱部130に接する。したがって、光源部110において発生した熱は、放熱部130に伝達され、放熱部130から効果的に放出される。
【0026】
光源保持部114は、例えば、ソケットである。光源保持部114は、基板112を保持する。光源保持部114は、光源113に重なる位置に円形の開口を有する。光源113から出射された光のほぼ全てが、光源保持部114の開口を通過する。
【0027】
光源カバー部115は、光源113に対向する。光源カバー部115は、例えば、ガラス板である。光源カバー部115は、透明または半透明であり、光源113から出射した光を透過する。例えば、光源カバー部115は、光源113を保護するカバー部材である。
【0028】
反射部材120は、光源113から出射された光を反射する。反射部材120は、光源113に対して光源113から光が出射される方向(第1方向D1)に位置する。反射部材120は、筒状である。反射部材120の内径は、光源113からの距離に応じて漸次大きくなる。例えば、反射部材120は、略円錐台状である。
【0029】
光源113から出射された光を効率的に反射するために、反射部材120の少なくとも内面は、反射加工されていることが好ましい。反射加工は、例えば、鏡面、白色塗装、銀色塗装、または、光沢のある金属メッキ加工を含む。あるいは、反射部材120の色は、白色または銀色のような光反射率の高い色彩であってもよい。また、反射部材120は、金属または樹脂から形成される。
【0030】
放熱部130は、光源部110において発生した熱を放出する。放熱部130は、例えば、ヒートシンクである。放熱部130は、光源部110の上部に固定される。
【0031】
放熱部130は、複数のフィン131と、底部132とを有する。複数のフィン131は、底部132と接続する。光源部110は、放熱部130の底部132に固定される。基板112の実装面の裏面は放熱部130の底部132に接する。
【0032】
光源部110において発生した熱は、底部132を介して複数のフィン131に伝達し、フィン131から効果的に放出される。これにより、光源部110の温度上昇を抑制できる。
【0033】
例えば、複数のフィン131は、底部132と一体に形成される。放熱部130は、伝熱性の高い材料で形成されており、例えば金属で形成されていることが好ましい。金属の中でも、成形加工の容易性や照明器具100の軽量化を考慮し、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されていることが好ましい。
【0034】
光拡散ユニット100Bは、固定枠140と、連結枠150と、取付バネ160とを備える。固定枠140は、筒形状または略円筒形状である。連結枠150は、筒形状または略円筒形状である。連結枠150は、光源ユニット100Aと固定枠140とを連結する。ここで、固定枠140が略環状であることは、周方向において固定枠140が一部途切れていることを示す。
【0035】
連結枠150は、遮光板151と、遮光板152とを有する。遮光板151は、光源ユニット100Aおよび固定枠140に取り付けられる。遮光板151は、光源ユニット100Aと固定枠140との間に間隙が生じないよう間隙を覆う。つまり、遮光板151は、光源ユニット100Aと連結枠150との間から光が漏洩することを規制する。
【0036】
遮光板152は、本体部100pおよび遮光板151に取り付けられる。遮光板152は、光源ユニット100Aと固定枠140との間の間隙を覆う。
【0037】
取付バネ160により、光源ユニット100Aは、所定の取付位置に取り付けられる。取付位置は、例えば、天井(図示せず)である。取付バネ160は、固定枠140に固定される。取付バネ160は、弾性を有する金属製である。取付バネ160は、薄板状部材を曲げ加工することにより成形される。本実施形態では、固定枠140に、2個の取付バネ160が固定されるが、取付バネ160の数は3つ以上でもよい。
【0038】
次に、
図1~
図3を参照して、固定枠140を説明する。
図3は、
図2の固定枠140および取付バネ160の拡大図である。
図3では、発明の理解を容易にするために、固定枠140および取付バネ160のみを示している。
【0039】
固定枠140は、収容部170と、開口部材180と、拡散部材190とを有する。収容部170は、開口部材180および拡散部材190を収容する。
【0040】
収容部170は、略円筒形状である。収容部170の内径は、直径LAである。
【0041】
収容部170は、壁部171と、鍔部172とを有する。壁部171は、第1方向D1に延びる。第1方向D1は、光が出射される方向を示す。壁部171は、収容部170を天井に取り付けた状態のとき、天井孔に位置する。つまり、収容部170を天井に取り付けた状態のとき、壁部171は天井の孔に収容される。
【0042】
鍔部172は、壁部171から第2方向D2の側へ延びる。第2方向D2は、第1方向D1に交差し、第1方向D1から離間する方向を示す。具体的には、第2方向D2は、開口部材180から収容部170へ向かう方向を示す。さらに具体的には、第2方向D2は、開口部材180から壁部171へ向かう方向を示す。鍔部172は、例えば、収容部170を天井に取り付けた状態のとき天井(図示せず)と当接する。
【0043】
開口部材180は、光を反射する反射面を有する。開口部材180の反射面は、開口部材180の内周面に設けられる。開口部材180の反射面は、光源113から出射された光を反射する。また、開口部材180の反射面は、反射部材120が反射した光をさらに反射する。なお、開口部材180は、光源113から出射された光または反射部材120によって反射された光を反射する反射面に反射率の高い部材を有する。開口部材180の反射面は、反射加工されていることが好ましい。反射加工は、例えば、鏡面、白色塗装、銀色塗装、または、光沢のある金属メッキ加工を含む。あるいは、開口部材180の反射面の色は、白色または銀色のような光反射率の高い色彩であってもよい。また、開口部材180の反射面は、金属または樹脂から形成される。なお、開口部材180全体が、反射率の高い部材から形成されてもよい。例えば、開口部材180全体が反射加工されてもよい。開口部材180は、例えば合成樹脂により形成される。また、開口部材180は、金属から形成されてもよい。
【0044】
開口部材180は、上面が底面に対して斜めに傾斜した略円錐台状である。開口部材180は、光源113からの光の出射方向に対して傾斜した方向に延びる貫通孔を有する。開口部材180の形状は、コーン形状とも呼ばれる。開口部材180の内側の直径は、光源113からの距離に応じて漸次大きくなる。
【0045】
開口部材180は、本体部180pと、第1端部181と、第2端部182とを有する。本体部180pは、中空の略円錐台状である。
【0046】
第1端部181は、本体部180pの第1方向D1の側の端部である。第1端部181は、環状である。例えば、第1端部181は、円環状である。第1端部181は、第1開口180Aを囲む。
【0047】
第2端部182は、本体部180pの第3方向D3の側の端部である。第2端部182は、環状である。例えば、第2端部182は、円環状である。第2端部182は、第2開口180Bを囲む。
【0048】
第1開口180Aと第2開口180Bとは、略楕円形状である。第1開口180Aは、略円形状であってもよい。第1開口180Aと第2開口180Bとは、第1方向D1に並ぶ。
【0049】
第1開口180Aは、光が出射される出射面の側に位置する開口である。具体的には、第1開口180Aは、第2開口180Bよりも光源部110から遠い開口である。つまり、第1開口180Aは、第2開口180Bよりも第1方向D1に配置される。第1開口180Aの内径LBは、第2開口180Bの内径LCと異なる。第1開口180Aの内径LBは、第2開口180Bの内径LCよりも大きい。
【0050】
第2開口180Bは、第1開口180Aよりも光源部110の側に位置する開口である。具体的には、第2開口180Bは、開口部材180の第3方向D3の側の開口である。ここでは、第2開口180Bは、第1開口180Aに対して傾斜する。光源部110から出射された光は、第2開口180Bから進入して第1開口180Aを通過して、出射面から出射する。本明細書において、第1開口180Aを出射口と記載することがあり、第2開口180Bを入射口と記載することがある。ここでは、第1開口(出射口)180Aは、光源113からの光が出射される出射方向に対して直交する方向に広がり、第2開口(入射口)180Bは、光源113からの光が出射される出射方向に対して斜めに広がる。
【0051】
第1端部181は、第1方向D1の側の端部である。第1端部181は、第2方向D2に張り出す。つまり、開口部材180の第1端部181は、鍔部172が延びる第2方向D2に延びる。換言すると、開口部材180は、鍔部を有する。
【0052】
拡散部材190は、入射した光を拡散する。拡散部材190は、樹脂である。樹脂は、例えば、ポリカーボネートである。拡散部材190は透明である。「透明」は、無色透明、半透明、または有色透明である。換言すれば、「透明」は、例えば、光源113が出射した光を透過させる状態である。また、拡散部材190は、例えば、光拡散材料を樹脂に混ぜて形成される。例えば、拡散部材190は、透明または半透明の樹脂に微小な凹凸を設けることによって形成される。例えば、拡散部材190は、乳白色のような色彩を有していてもよい。例えば、拡散部材190は、レンズ機能を有する形状を有していてもよい。レンズ機能とは、光を屈折させて、光を発散または収束させる機能のことである。なお、拡散部材190は透光性であってもよい。また、拡散部材190は、ガラス板であってもよい。例えば、拡散部材190は、板状である。なお、拡散部材190は、少なくとも入射した光を拡散することができれば板状であることは必須ではない。拡散部材190は、シート状であってもよい。
【0053】
拡散部材190は、開口部材180の第2開口(入射口)180Bを塞ぐ。拡散部材190は、開口部材180よりも光源部110に近い位置に配置される。拡散部材190は、第2端部182と対向する。
【0054】
開口部材180は、支持部184と、延設壁187とをさらに有する。支持部184は、本体部180pの外周面の一部から第2方向D2に向かって延びる。延設壁187は、支持部184の一部から延設される。延設壁187は、支持部184から第3方向D3に延びる。延設壁187は、壁部171と対向する。
【0055】
ここで、開口部材180を詳しく説明する。開口部材180の第1端部181は、第1内縁181Aと、第1外縁181Bとを有する。第1内縁181Aは、本体部100pの内周面の第1方向D1の縁を示す。第1外縁181Bは、本体部100pの外周面の第1方向D1の縁を示す。第1外縁181Bは、第1内縁181Aよりも第2方向D2に位置する。
【0056】
開口部材180の第2端部182は、第2内縁182Aと、第2外縁182Bとを有する。第2内縁182Aは、本体部100pの内周面の第3方向D3の縁を示す。第2外縁182Bは、本体部100pの外周面の第3方向D3の縁を示す。第2外縁182Bは、第2内縁182Aよりも第2方向D2の側に位置する。
【0057】
固定枠140は、第1弾性部材189と、第2弾性部材185とをさらに有する。第1弾性部材189および第2弾性部材185は、それぞれ弾性を有する。第1弾性部材189および第2弾性部材185は、それぞれ環状である。
【0058】
第1弾性部材189は、開口部材180と拡散部材190との間に配置される。詳細には、第1弾性部材189は、開口部材180の第2端部182と拡散部材190との間に配置される。第1弾性部材189は、環状である。第1弾性部材189は、開口部材180の第2端部182と拡散部材190との間の間隙を塞ぐ。
【0059】
例えば、第1弾性部材189は、拡散部材190と開口部材180の第2端部182との間の間隙のうち、光源部110に通じる間隙を塞ぐ。つまり、第1弾性部材189は、開口部材180の下方から光源部110に通じる水の出口を塞ぐ。したがって拡散部材190と開口部材180の第2端部182との間の間隙に水が侵入しても、第1弾性部材189により、光源部110に水が侵入することを抑制できる。
【0060】
第2弾性部材185は、収容部170と開口部材180との間に配置される。第2弾性部材185は、環状である。開口部材180が収容部170に収容される場合、第2弾性部材185は弾性変形する。弾性変形した第2弾性部材185は、収容部170と開口部材180との間の間隙を塞ぐ。したがって、水が収容部170と開口部材180との間の間隙に侵入することを抑制できる。この結果、光源部110に水が付着することを抑制できる。
【0061】
具体的には、第2弾性部材185は、壁部171と鍔部172と開口部材180との間に配置される。第2弾性部材185は、弾性変形して壁部171と鍔部172と開口部材180との間の間隙を塞ぐ。開口部材180が収容部170に収容される時に、第2弾性部材185は壁部171と鍔部172と開口部材180との間で弾性変形する。弾性変形した第2弾性部材185は、壁部171と鍔部172と開口部材180との間の間隙を塞ぐ。
【0062】
固定枠140は、固定部200をさらに有する。固定部200は、拡散部材190を開口部材180に固定する。具体的には、固定部200は、拡散部材190を開口部材180の第2端部182に固定する。固定部200は、拡散部材190に加えて第1弾性部材189を開口部材180に固定してもよい。例えば、固定部200が、第1弾性部材189を保持する拡散部材190を貫通することにより、拡散部材190および第1弾性部材189を開口部材180に固定してもよい。
【0063】
固定部200が拡散部材190を第2端部182に固定する際に、第1弾性部材189は弾性変形する。第1弾性部材189は、弾性変形することにより、拡散部材190と開口部材180の第2端部182との間の間隙を塞ぐ。したがって、収容部170の側に水が侵入することを抑制できる。この結果、光源部110に水が侵入することを抑制できる。
【0064】
固定枠140は、遮光シート210をさらに有する。遮光シート210は、周方向に延びる円弧形状である。遮光シート210は、収容部170の内周面に沿って延びる。遮光シート210は、収容部170と開口部材180の第2開口180Bとの間に位置する。遮光シート210は、収容部170の開口部を遮る。これにより、収容部170からの光漏れを抑制できる。
【0065】
固定枠140は、支持部220をさらに有する。支持部220は、略環状である。支持部220の一端は、支持部220の他端と分断されてもよい。支持部220は、収容部170の上面と対向する。支持部220は、収容部170に取り付けられる。収容部170の上面と支持部220との間に連結枠150が位置する。連結枠150は、収容部170の上面と支持部220との間に挿入される。
【0066】
次に、
図1~
図4を参照して本実施形態の照明器具100における固定枠140を説明する。
図4(a)は、本実施形態の照明器具100における固定枠140の上面図であり、
図4(b)は、本実施形態の照明器具100における固定枠140の斜視図である。
【0067】
図4(a)および
図4(b)に示すように、収容部170は、開口部材180および拡散部材190を収容する。拡散部材190は、開口部材180の第2開口180Bを覆う。拡散部材190は、開口部材180の第2開口180Bと同様に、光源113からの光の出射方向に対して傾いて配置される。拡散部材190の面積は、開口部材180の第2開口180Bの面積よりも大きい。このため、開口部材180の第2開口180Bは、拡散部材190に覆われる。
【0068】
収容部170は、壁部171と、鍔部172とを有する。壁部171は、略円筒形状である。開口部材180および拡散部材190は、壁部171に囲まれる。
【0069】
固定部200は、開口部材180に拡散部材190を固定する。固定部200は、開口部材180の上部に拡散部材190を固定する。これにより、拡散部材190は、開口部材180の第2開口180Bを覆った状態で開口部材180に固定される。
【0070】
固定部200は、拡散部材190を開口部材180に複数の箇所で固定してもよい。例えば、固定部200は、拡散部材190を開口部材180に3箇所で固定する。固定部200は、拡散部材190の上側、左側、右側を開口部材180に固定する。
【0071】
固定部200は、固定部品200a、200b、200cを有する。固定部品200aは、拡散部材190の上側に位置し、固定部品200bは、拡散部材190の左側に位置し、固定部品200cは、拡散部材190の右側に位置する。
【0072】
ここでは、固定部品200a、200b、200cは、雄ネジまたはビスである。固定部品200a、200b、200cは、拡散部材190を開口部材180に固定する。
【0073】
図5は、本実施形態の照明器具100における固定枠140および取付バネ160の分解斜視図である。
図5に示すように、固定枠140は、収容部170、開口部材180、第1弾性部材189、第2弾性部材185、拡散部材190、固定部200、遮光シート210および支持部220に分解できる。
【0074】
収容部170の外周面には取付バネ160が取り付けられる。ここでは、取付バネ160は、収容部170の周方向に対向する位置に取り付けられる。
【0075】
開口部材180は、収容部170に収容される。開口部材180の外周径は、収容部170の内周径とほぼ等しいか、または、若干小さい。
【0076】
開口部材180は、本体部180pと、第1端部181と、第2端部182とを有する。開口部材180において、本体部180pの外周面の一部から第2方向D2に突出した支持部184が設けられる。支持部184は、円弧状である。
【0077】
開口部材180において、支持部184から第3方向D3に延設壁187が設けられる。延設壁187は、収容部170の壁部171と対向する。
【0078】
開口部材180において、本体部180pの外周面の一部から第2方向D2に突出した保持部186が設けられる。保持部186は、支持部184に対して周方向にずれた位置に、支持部184よりも第1端部181側に配置される。保持部186は、円弧状である。保持部186は、第1端部181の鍔部とともに第2弾性部材185を保持する。
【0079】
開口部材180および第2弾性部材185は、収容部170に収容される。開口部材180の本体部180pの側方には貫通孔183が設けられる。
【0080】
収容部170において壁部171には、3つの開口部171pが設けられる。開口部171pの下方には固定部173が取り付けられる。固定部173は、本体部180pの貫通孔183を貫通して開口部材180を収容部170に固定する。
【0081】
開口部材180の第2端部182上に第1弾性部材189が配置され、第1弾性部材189の上に拡散部材190が配置される。固定部200は、拡散部材190を開口部材180の第2端部182に固定する。ここでは、固定部品200a~200cが拡散部材190を開口部材180の第2端部182に固定する。
【0082】
収容部170の壁部171と開口部材180との間に遮光シート210が挿入される。遮光シート210は、壁部171の3つの開口部171pのうちの2つの開口部171pを遮る。なお、壁部171の3つの開口部171pの残り開口部171pは、延設壁187によって遮られる。
【0083】
支持部220は、収容部170の壁部171の上面と対向する。支持部220は、収容部170に取り付けられる。上述したように、収容部170の壁部171の上面と支持部220との間に連結枠150が挿入される。
【0084】
次に、
図1~
図6を参照して本実施形態の開口部材180を説明する。
図6(a)は、本実施形態の照明器具100における開口部材180の斜視図であり、
図6(b)は、本実施形態の照明器具100における開口部材180の第2開口180Bの上面図である。
【0085】
図6(a)および
図6(b)に示すように、開口部材180は、本体部180pと、第1端部181と、第2端部182とを有する。開口部材180には、本体部180pおよび第2端部182の外周面から、外側に突起した突起部183a、183b、183cが設けられる。突起部183a、183b、183cには窪み180a、180b、180cが設けられている。窪み180a、180b、180cは、固定部品200a、200b、200cに対応してネジ切られたネジ穴であってもよい。
【0086】
開口部材180の窪み180a、180b、180cには、固定部200の固定部品200a、200b、200cが挿入される。開口部材180の窪み180a、180b、180cは、第2端部182の周囲に位置する。窪み180aは、窪み180b、180cよりも第3方向D3の側に位置する。窪み180b、180cは、光源113からの光の出射方向に対して直交する方向に位置する。
【0087】
また、窪み180aは、第2端部182のうち光源113側に位置する。本明細書において、第2開口(入射口)180Bを囲む第2端部182のうち光源113側の位置を第2開口(入射口)180Bの基準位置と記載することがある。このため、窪み180aは、第2開口180Bの基準位置に位置し、固定部品200aは、第2開口180Bの基準位置に配置される。また、窪み180b、180cに配置される固定部品200b、固定部品200cは、光源113からの光の出射方向に対して直交する方向に位置する。本明細書において、固定部品200aを第1固定部品と記載することがあり、固定部品200b、200cを第2固定部品、第3固定部品と記載することがある。
【0088】
突起部183a、183b、183cにおいて、第2端部182から第3方向D3の側の先端は窪み180a、180b、180cの縁の一部と対向するように突起する。これにより、突起部183a、183b、183cの窪み180a、180b、180cに固定部品200a、200b、200cを挿入できるとともに、突起部183a、183b、183cに第1弾性部材189を挿入できる。
【0089】
次に、
図1~
図7を参照して、本実施形態の照明器具100における開口部材180の第2端部182を覆う第1弾性部材189および拡散部材190を説明する。
図7(a)は、本実施形態の照明器具100における第2開口180Bおよび第1弾性部材189の上面図であり、
図7(b)は、本実施形態の照明器具100における拡散部材190が開口部材180および第1弾性部材189を被覆する上面図である。
【0090】
図7(a)に示すように、第1弾性部材189は、開口部材180の第2端部182を覆う。なお、第1弾性部材189は、開口部材180の窪み180a、180b、180cの一部を覆ってもよい。
【0091】
図7(b)に示すように、拡散部材190は、開口部材180の第2開口180B上の第1弾性部材189を覆う。拡散部材190は、固定部品200a、200b、200cで開口部材180に固定される。
【0092】
図8は、本実施形態の照明器具100における拡散部材190の平面図である。
図8に示すように、拡散部材190は、開口部材180の第2開口180Bに対応する本体部192と、本体部192から本体部192の厚さ方向に対して直交する方向に広がる突出部194とを有する。ここでは、本体部192は、略楕円形状であり、突出部194は、本体部192に対応する第2開口180Bの基準位置側半分に対して本体部192から外側に突出する。
【0093】
ここでは、突出部194に貫通孔190a、190b、190cが設けられる。貫通孔190a、190b、190cのそれぞれは、拡散部材190を厚さ方向に貫通する。貫通孔190aは、本体部192に対応する第2開口180Bの基準位置に対向して設けられる。貫通孔190b、190cは、本体部192に対応する第2開口180Bの略中心を基準として光源113からの光の出射方向に対して直交する位置に設けられる。
【0094】
本実施形態によれば、拡散部材190には、第2開口180Bの基準位置側に貫通孔190a、190b、190cが設けられるため、光源113に近い側から固定部品200a、200b、200cで拡散部材190を固定できる。また、拡散部材190には、第2開口180Bの基準位置に対して対向する側には固定部品200a、200b、200cが配置されないため、拡散部材190のうちの第1方向D1の側において光を効率的に拡散できるため、照明器具100をウォールウォッシャーとして用いた際に壁の上面も効率的に照射できる。
【0095】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0096】
(1)本実施形態では、開口部材180の第2開口180Bは、第1開口180Aに対して傾斜したが、これに限られない。例えば、第1開口180Aと第2開口180Bは、第2方向D2に平行な開口であってもよい。
【0097】
(2)本実施形態では、光源113は、LEDであったがこれに限られない。例えば、光源113は、白熱電球、有機EL(Electro Luminescence)素子、または、LED電球であってもよい。
【0098】
(3)本実施形態では、光源ユニット100Aは、光拡散ユニット100Bに対して固定されていたが、これに限られない。連結枠150は、光源ユニット100Aを傾動自在に支持してもよい。また、連結枠150は、固定枠140に対して周方向に回転してもよい。
【0099】
(4)本実施形態では、光源ユニット100Aは、開口部材180と拡散部材190との間に位置する第1弾性部材189を備えたが、これに限られない。開口部材180と拡散部材190との間に第1弾性部材189が配置されず、拡散部材190は、開口部材180の第2端部182と直接的に接触してよい。
【0100】
(5)本実施形態では、固定部200は、開口部材180の第2開口180Bの外側で拡散部材190を開口部材180に複数箇所で固定したが、これに限られない。固定部200は、拡散部材190を開口部材180に1箇所で固定してもよい。また、固定部200は、拡散部材190を所定の範囲で開口部材180に固定してもよい。
【0101】
(6)本実施形態では、固定部200は、雄ネジまたはビスを含んだが、これに限られない。固定部200は、開口部材180の第2開口180Bの外側で開口部材180および拡散部材190の側部を覆うカバーであってもよい。この場合、カバーは、開口部材180に係合する爪部を有してもよい。あるいは、固定部200は、開口部材180に拡散部材190を接着する接着剤であってもよい。
【0102】
(7)本願は、さらに以下の付記を開示する。なお、以下の付記は本発明を限定するものではない。
【0103】
[付記1]
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光が入射する入射口と、前記入射口から入射された光が出射する出射口とを有する開口部材と、
前記開口部材の前記入射口を覆い、前記光源から出射された光を拡散する拡散部材と、
前記拡散部材を前記開口部材に固定する固定部と
を備え、
前記固定部は、前記拡散部材のうちの前記開口部材の前記入射口の外側に位置する、照明器具。
【0104】
[付記2]
前記拡散部材は、
前記開口部材の前記入射口に対応する本体部と、
前記本体部から外側に突出した突出部と
を有する、付記1に記載の照明器具。
【0105】
[付記3]
前記拡散部材は、前記突出部に設けられた貫通孔を有する、付記2に記載の照明器具。
【0106】
[付記4]
前記固定部は、雄ネジを有し、
前記開口部材は、前記雄ネジに対応してネジ切られたネジ穴を有する、付記3に記載の照明器具。
【0107】
[付記5]
前記固定部は、前記開口部材の前記入射口の外側において互いに離れて位置する複数の固定部品を含む、付記1に記載の照明器具。
【0108】
[付記6]
前記光源は、前記光を出射方向に沿って出射し、
前記開口部材の前記入射口および前記拡散部材は、前記光の前記出射方向に対して斜めに位置する、付記5に記載の照明器具。
【0109】
[付記7]
前記開口部材は、前記入射口を囲む端部を有し、
前記端部は、前記光源側に位置する基準部分を有し、
前記複数の固定部品は、
前記基準部分側に位置する第1固定部品と、
それぞれが前記出射方向に対して直交する方向に位置する第2固定部品および第3固定部品と
を有する、付記6に記載の照明器具。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、照明器具を提供する。
【符号の説明】
【0111】
100 照明器具
110 光源部
120 反射部材
180 開口部材
190 拡散部材
200 固定部