(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052347
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】装着具及び遊泳補助具
(51)【国際特許分類】
A61D 7/00 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A61D7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159010
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(71)【出願人】
【識別番号】502028441
【氏名又は名称】一般財団法人沖縄美ら島財団
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】梅山 裕史
(72)【発明者】
【氏名】栃木 和真
(72)【発明者】
【氏名】中北 行紀
(72)【発明者】
【氏名】山元 一史
(72)【発明者】
【氏名】香川 太平
(72)【発明者】
【氏名】植田 啓一
(72)【発明者】
【氏名】河津 勲
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 克
(57)【要約】
【課題】尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる、装着具及び遊泳補助具を提供する。
【解決手段】装着具2は、遊泳動物の遊泳を補助するための遊泳補助具に用いられる、装着具であって、内部空間を区画するとともに遊泳動物のうちの尾柄から後側の部分を覆うように構成された、カバー材22と、遊泳動物とカバー材との間に配置されるように構成された、クッション材21と、を備え、カバー材は、カバー材の前端部に、内部空間と連続する開口を有し、開口よりも後側での内部空間の左右方向の長さの最大値は、開口の左右方向の長さよりも長い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊泳動物の遊泳を補助するための遊泳補助具に用いられる、装着具であって、
内部空間を区画するとともに前記遊泳動物のうちの尾柄から後側の部分を覆うように構成された、カバー材と、
前記遊泳動物と前記カバー材との間に配置されるように構成された、クッション材と、
を備え、
前記カバー材は、前記カバー材の前端部に、前記内部空間と連続する開口を有し、
前記開口よりも後側での前記内部空間の左右方向の長さの最大値は、前記開口の左右方向の長さよりも長い、装着具。
【請求項2】
前記カバー材は、互いに連結されるように構成された複数の部分カバー部材に分割されている、請求項1に記載の装着具。
【請求項3】
前記開口は、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長い、請求項1に記載の装着具。
【請求項4】
前記クッション材は、
前クッション部と、
前記前クッション部よりも後側に配置されるように構成された、後クッション部と、
を有し、
前記前クッション部及び前記後クッション部は、それぞれ異なる材料から構成されている、請求項1に記載の装着具。
【請求項5】
前記前クッション部を構成する材料は、前記後クッション部を構成する材料よりも、比重が高い、請求項4に記載の装着具。
【請求項6】
前記カバー材は、前記複数の部分カバー部材のうちいずれか一対の部分カバー部材どうしを位置合わせすることができるように構成された位置合わせ部を有している、請求項2に記載の装着具。
【請求項7】
前記カバー材は、前記カバー材における後側において、器具が取り付けられるように構成された取付部が設けられている、請求項1に記載の装着具。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装着具と、
遊泳器具と、
を備えた、遊泳補助具。
【請求項9】
前記遊泳器具は人工尾びれである、請求項8に記載の遊泳補助具。
【請求項10】
前記装着具及び前記遊泳器具どうしを連結するように構成された、連結器具をさらに備えている、請求項8に記載の遊泳補助具。
【請求項11】
前記連結器具は、前記装着具及び前記遊泳器具のそれぞれに対して、取り外し可能に構成されている、請求項10に記載の遊泳補助具。
【請求項12】
前記連結器具は、前記連結器具の前端部が前記装着具における後側に取り付けられ、前記連結器具の後端部が前記遊泳器具における前側に取り付けられるように構成されている、請求項10に記載の遊泳補助具。
【請求項13】
前記遊泳器具は、前記装着具における嵌合部と嵌合するように構成された被嵌合部を有しており、
前記連結器具は、前記嵌合部及び前記被嵌合部どうしが嵌合した状態で前記装着具及び前記遊泳器具どうしを連結するように構成されている、請求項10に記載の遊泳補助具。
【請求項14】
前記連結器具は、前記装着具に取り付けられるとともに前記遊泳器具を保持するように構成されている、請求項13に記載の遊泳補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装着具及び遊泳補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、尾びれの一部が欠損した遊泳動物の尾びれ残存部に装着されるように構成された人工尾びれがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の人工尾びれは、遊泳動物の尾びれの欠損の範囲が比較的小さい場合には好適であるものの、尾びれの大部分が欠損している場合においては、遊泳動物に装着させようとしても遊泳動物が人工尾びれから脱げてしまう、または装着が困難なおそれがあった。また遊泳に必要な十分な推進力も得られないおそれもあった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためのものであり、尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる、装着具及び遊泳補助具を提供すること目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕遊泳動物の遊泳を補助するための遊泳補助具に用いられる、装着具であって、
内部空間を区画するとともに前記遊泳動物のうちの尾柄から後側の部分を覆うように構成された、カバー材と、
前記遊泳動物と前記カバー材との間に配置されるように構成された、クッション材と、
を備え、
前記カバー材は、前記カバー材の前端部に、前記内部空間と連続する開口を有し、
前記開口よりも後側での前記内部空間の左右方向の長さの最大値は、前記開口の左右方向の長さよりも長い、装着具。
これにより、尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制できる。
【0007】
〔2〕前記カバー材は、互いに連結されるように構成された複数の部分カバー部材に分割されている、〔1〕に記載の装着具。
【0008】
〔3〕前記開口は、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長い、〔1〕又は〔2〕に記載の装着具。
これにより、装着具を、より遊泳動物の尾柄に沿うようにフィットさせることができる。
【0009】
〔4〕前記クッション材は、
前クッション部と、
前記前クッション部よりも後側に配置されるように構成された、後クッション部と、
を有し、
前記前クッション部及び前記後クッション部は、それぞれ異なる材料から構成されている、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の装着具。
これにより、遊泳動物の部分毎にクッション材の材料を変えることができる。
【0010】
〔5〕前記前クッション部を構成する材料は、前記後クッション部を構成する材料よりも、比重が高い、〔4〕に記載の装着具。
これにより、衝撃吸収機能や動力伝達機能を向上させつつ、軽量化が可能である。
【0011】
〔6〕前記カバー材は、前記複数の部分カバー部材のうちいずれか一対の部分カバー部材どうしを位置合わせすることができるように構成された位置合わせ部を有している、〔2〕に記載の装着具。
これにより、一対の部分カバー部材どうしを連結させる際に、一対の部分カバー部材どうしの位置合わせがしやすくなる。
【0012】
〔7〕前記カバー材は、前記カバー材における後側において、器具が取り付けられるように構成された取付部が設けられている、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の装着具。
これにより、カバー材における後側において器具を取り付けることができる。
【0013】
〔8〕〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の装着具と、
遊泳器具と、
を備えた、遊泳補助具。
【0014】
〔9〕前記遊泳器具は人工尾びれである、〔8〕に記載の遊泳補助具。
【0015】
〔10〕前記装着具及び前記遊泳器具どうしを連結するように構成された、連結器具をさらに備えている、〔8〕又は〔9〕に記載の遊泳補助具。
【0016】
〔11〕前記連結器具は、前記装着具及び前記遊泳器具のそれぞれに対して、取り外し可能に構成されている、〔10〕に記載の遊泳補助具。
これにより、連結器具を容易に交換することができ、ひいては、連結器具の剛性等を簡単に調節することができる。
【0017】
〔12〕前記連結器具は、前記連結器具の前端部が前記装着具における後側に取り付けられ、前記連結器具の後端部が前記遊泳器具における前側に取り付けられるように構成されている、〔10〕又は〔11〕に記載の遊泳補助具。
【0018】
〔13〕前記遊泳器具は、前記装着具における嵌合部と嵌合するように構成された被嵌合部を有しており、
前記連結器具は、前記嵌合部及び前記被嵌合部どうしが嵌合した状態で前記装着具及び前記遊泳器具どうしを連結するように構成されている、〔10〕又は〔11〕に記載の遊泳補助具。
【0019】
〔14〕前記連結器具は、前記装着具に取り付けられるとともに前記遊泳器具を保持するように構成されている、〔13〕に記載の遊泳補助具。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる、装着具及び遊泳補助具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】遊泳動物に装着させた本発明の第1実施形態に係る遊泳補助具を斜め上から見た様子を示す、斜視図である。
【
図2】
図1の遊泳補助具を斜め下から見た様子を示す、斜視図である。
【
図3】
図1の遊泳補助具を真上から見た様子を示す、上面図である。
【
図4】
図1の遊泳補助具を真横から見た様子を示す、側面図である。
【
図5】
図1の遊泳補助具を分解した状態で遊泳動物とともに示す、分解斜視図である。
【
図6】
図3の装着具を、
図3のA-A線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、A-A断面を含む斜視図である。
【
図7】
図3の装着具を、
図3のB-B線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、B-B断面を含む斜視図である。
【
図8】
図3の装着具を、
図3のC-C線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、C-C断面を含む斜視図である。
【
図9】
図3の遊泳補助具を、
図3のD-D線に沿った断面により示す、D-D断面図である。
【
図11】
図1の遊泳補助具を遊泳動物に装着させる方法の一例を説明するための説明図である。
【
図12】
図1の遊泳補助具を遊泳動物に装着させる方法の一例を説明するための説明図である。
【
図13】遊泳動物に装着させた本発明の第2実施形態に係る遊泳補助具を斜め上から見た様子を示す、斜視図である。
【
図14】
図13の遊泳補助具を斜め下から見た様子を示す、斜視図である。
【
図15】
図13の遊泳補助具の一部を分解した状態で示す、分解斜視図である。
【
図16】
図13の遊泳補助具を、
図13のE-E線に沿った断面により示す、E-E断面図である。
【
図17】
図13の遊泳補助具を遊泳動物に装着させる方法の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る装着具及び遊泳補助具は、尾びれの一部が欠損した遊泳動物(イルカ、シャチ、クジラ、ジュゴン等)の遊泳を補助するために用いられると好適なものである。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る装着具及び遊泳補助具の実施形態を例示説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態について説明する。
図1~
図12は、本発明の第1実施形態に係る装着具2及び遊泳補助具1を説明するための図面である。
図1は、遊泳動物Wに装着させた本発明の第1実施形態に係る遊泳補助具1を斜め上から見た様子を示す、斜視図である。
図2は、
図1の遊泳補助具1を斜め下から見た様子を示す、斜視図である。
図3は、
図1の遊泳補助具1を真上から見た様子を示す、上面図である。
図4は、
図1の遊泳補助具1を真横から見た様子を示す、側面図である。
図5は、
図1の遊泳補助具1を分解した状態で遊泳動物Wとともに示す、分解斜視図である。
図6は、
図3の装着具2を、
図3のA-A線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、A-A断面を含む斜視図である。
図7は、
図3の装着具2を、
図3のB-B線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、B-B断面を含む斜視図である。
図8は、
図3の装着具2を、
図3のC-C線に沿って切断して斜め後ろから見た様子を示す、C-C断面を含む斜視図である。
図9は、
図3の遊泳補助具1を、
図3のD-D線に沿った断面により示す、D-D断面図である。
図10は、
図9の一部拡大図である。
図6~
図10においては、遊泳動物Wを省略している。
図11~
図12は、
図1の遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させる方法の一例を説明するための説明図である。
【0024】
遊泳補助具1は、遊泳動物Wの遊泳を補助するために用いられるものである。遊泳補助具1が用いられる遊泳動物Wとしては、例えば、イルカ、シャチ、クジラ、ジュゴン等、尾びれを有する種類の動物が好適であり、イルカが特に好適である。また、遊泳補助具1が用いられる遊泳動物Wは、
図5に例示するように、病気や事故等により尾びれの一部が欠損し、それにより残存した尾びれ残存部WFを有していると、好適である。
【0025】
本明細書では、装着具2又は遊泳補助具1について説明する場合等において、特に断りが無い限り、各図に矢印で示すように、装着具2又は遊泳補助具1を装着した遊泳動物Wから見たときの前後左右上下を、それぞれ単に「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」というものとする。すなわち、本明細書では、遊泳動物Wにおける頭から尾びれ残存部WFまでの延在方向を「前後方向」とし、前後方向における頭側を「前」とし、前後方向における尾びれ残存部WF側を「後」とする。また、遊泳動物Wにおける左胸びれから右胸びれまでの延在方向を「左右方向」とし、左右方向における左胸びれ側を「左」とし、左右方向における右胸びれ側を「右」とする。また、遊泳動物Wにおける背から腹までの延在方向を「上下方向」とし、上下方向における背側を「上」とし、上下方向における腹側を「下」とする。
【0026】
また、本明細書においては、
図5に示すように、遊泳動物Wのうち、前後方向において尾びれ残存部WFから前側に連続する部位を「尾柄WP」という。
【0027】
図1~
図4に示すように、第1実施形態において、遊泳補助具1は、装着具2と、器具としての遊泳器具3と、器具としての連結器具4と、を備えている。
装着具2は、遊泳補助具1に用いられるように構成されている。装着具2は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分(すなわち、尾柄WPの少なくとも一部から尾びれ残存部WFの全体までの部分)に装着されるように構成されている。装着具2は、連結器具4を介して、遊泳器具3と連結されるように構成されている。
連結器具4は、装着具2及び遊泳器具3どうしを連結するように構成されている。
遊泳器具3は、装着具2が装着された遊泳動物W側から伝わる動力に応じて水を掻くように構成されており、第1実施形態では人工尾びれとして構成されている。
【0028】
図4、
図5、
図9に示すように、装着具2は、カバー材22と、クッション材21と、を備えている。
【0029】
カバー材22は、内部空間22Eを区画するように構成されている。カバー材22は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分(すなわち、尾柄WPの少なくとも一部から尾びれ残存部WFの全体までの部分)を覆うように構成されている。内部空間22Eには、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分と、クッション材21とが、収容される。
カバー材22は、遊泳動物Wのうちの尾柄Wから後側の部分を覆うように構成されているので、仮にカバー材22が遊泳動物Wのうちの尾びれ残存部WFのみを覆うように構成されている場合に比べて、尾柄WPをも覆うように構成されるため、遊泳動物Wにおけるより多くの部分を覆うようにされている。これにより、遊泳動物Wの尾びれの大部分が欠損している場合においても、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる。
【0030】
本実施形態において、カバー材22は、一対の部分カバー部材22Pに分割されている。すなわち、これら一対の部分クッション部材21Pどうしは、互いに別体に構成されており、カバー材22は、これら一対の部分カバー部材22Pからなる。カバー材22は、第1部分カバー部材22P1と第2部分カバー部材22P2との2つの部分カバー部材22Pに分割されている。 第1実施形態において、カバー材22は、上下に分割されており、言い換えれば、第2部分カバー部材22P2が第1部分カバー部材22P1の下側に位置するように構成されている。第1部分カバー部材22P1は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、上側の部分を覆うように構成されており、第2部分カバー部材22P2は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、下側の部分を覆うように構成されている。
ただし、カバー材22は、任意の方向に分割されてよい。例えば、カバー材22は、左右に分割されてもよく、言い換えれば、第2部分カバー部材22P2が第1部分カバー部材22P1の左側に位置するように構成されていてもよい。この場合、第1部分カバー部材22P1は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、右側の部分を覆うように構成され、第2部分カバー部材22P2は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、左側の部分を覆うように構成される。
【0031】
図1~
図5に示すように、第1実施形態において、各部分カバー部材22Pは、それぞれ、本体部22Mと、1つ又は複数(第1実施形態では3つ)の固定具受け部22Uと、を有している。
【0032】
カバー材22を構成する一対の部分カバー部材22Pは、互いに連結されるように構成されている。
図9に示すように、これら一対の部分カバー部材22Pが互いに連結されると、各部分カバー部材22Pの内面22IS(具体的には、各部分カバー部材22Pの本体部22Mの内面22IS)どうしが連結されて、内部空間22Eが区画されるようにされている。
各部分カバー部材22Pの本体部22Mは、それぞれ、1つ又は複数(第1実施形態では3つ)の貫通穴22TH1を有している(
図5)。
【0033】
各固定具受け部22Uは、固定具f1を受けるように構成されている。固定具f1は、例えばボルト及び/又はナット等の締結具からなると好適である。これにより、カバー材22を構成する一対の部分カバー部材22Pは、互いに対して取り外し可能に連結されることができる。
各部分カバー部材22Pにおいて、部分カバー部材22Pが有する各固定具受け部22Uは、当該部分カバー部材22Pの本体部22Mの外面上に設けられている。固定具受け部22Uは、筒状に構成されており、固定具受け部22Uの中央穴が、本体部22Mの貫通穴22TH1と連通している(
図5)。カバー材22を構成する一対の部分カバー部材22Pは、1つ又は複数(第1実施形態では3つ)の固定具f1を用いて、各固定具受け部22Uを介して、互いに連結されるように構成されている。具体的には、固定具f1が、複数(第1実施形態では2つ)の部分カバー部材22Pのそれぞれのいずれか1つの固定具受け部22Uとこれに連通する本体部22Mの貫通穴22TH1とに通されて締め付けられることにより、これら複数(第1実施形態では2つ)の部分カバー部材22Pどうしが連結される(
図1、
図2、
図4)。
【0034】
固定具受け部22Uは、予め本体部22Mとは別々に製造された後に本体部22Mに対して接着等により固定されていてもよいし、あるいは、本体部22Mと一体成型により一体に構成されていてもよい。固定具受け部22Uは、本体部22Mとは異なる材料で構成されてもよいし、本体部22Mと同じ材料で構成されてもよい。
【0035】
なお、一対の部分カバー部材22Pは、上記とは異なる構造によって互いに取り外し可能に連結されるように構成されていてもよい。
【0036】
図3、
図4、
図9に示すように、カバー材22は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部を覆うように構成された尾柄カバー部22WPと、尾柄カバー部22WPの後端部から後側へ連続するとともに遊泳動物Wのうちの尾びれ残存部WFを覆うように構成された尾びれ残存部カバー部22WFと、を有している。これに伴い、カバー材22が区画する内部空間22Eは、尾柄カバー部22WPの内面22ISによって区画される尾柄側内部空間22EPと、尾柄側内部空間22EPの後端部から後側へ連続するとともに尾びれ残存部カバー部22WFの内面22ISによって区画される尾びれ残存部側内部空間22EFと、を有している(
図9)。
【0037】
図6や
図9に示すように、カバー材22は、カバー材22の前端部22FEに、内部空間22E(具体的には、尾柄側内部空間22EP)と連続する開口22Dを有している。カバー材22は、開口22Dがあることによって、前端部22FEが開放されている。一方、カバー材22は、その後端部が閉鎖されている。これにより、カバー材22は、前端部22FEが開放され、後端部が閉鎖された、筒状に構成されている。
【0038】
図3~
図9に示すように、クッション材21は、クッション材21の少なくとも一部が、遊泳動物Wとカバー材22との間に配置されるように構成されている。具体的に、クッション材21は、クッション材21の少なくとも一部が、遊泳動物Wの表面とカバー材22の内面22IS(すなわち、各部分カバー部材22Pの内面22IS)との間に配置されるように構成されている。クッション材21は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分(すなわち、尾柄WPの少なくとも一部から尾びれ残存部WFの全体までの部分)を覆うように構成されている。
クッション材21は、クッション性を有する材料から構成される。これにより、クッション材21は、衝撃吸収機能や保護機能を有することができる。
クッション材21の少なくとも一部が遊泳動物Wとカバー材22との間に配置されるように構成されていることにより、カバー材22が遊泳動物Wに接触して遊泳動物Wが損傷を受けるのを抑制でき、ひいては、遊泳動物Wをカバー材22から保護することができる。また、遊泳中にカバー材22が外部の障害物に衝突したとき等において、遊泳動物Wに伝わる衝撃を緩和することができる。
【0039】
図5や
図9に示すように、第1実施形態において、クッション材21は、複数(第1実施形態では4つ)の部分クッション部材21Pに分割されている。すなわち、これら複数の部分クッション部材21Pは、互いに別体に構成されており、クッション材21は、これら複数の部分クッション部材21Pからなる。
第1実施形態において、クッション材21は、前後及び上下に分割されており、それにより、第1前クッション部材21F1と第2前クッション部材21F2と第1後クッション部材21R1と第2後クッション部材21R2との4つの部分クッション部材21Pに分割されている。第2前クッション部材21F2及び第2後クッション部材21R2は、それぞれ第1前クッション部材21F1及び第1後クッション部材21R1の下側に位置するように構成されている。第1前クッション部材21F1及び第1後クッション部材21R1は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、上側の部分の表面と、第1部分カバー部材22P1との間に配置されるように構成されている。第1後クッション部材21R1は、第1前クッション部材21F1の後側に位置するように構成されている。第2前クッション部材21F2及び第2後クッション部材21R2は、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分における、下側の部分の表面と、第2部分カバー部材22P2との間に配置されるように構成されている。第2後クッション部材21R2は、第2前クッション部材21F2の後側に位置するように構成されている。
【0040】
図3~
図9に示すように、クッション材21は、クッション材21の内面21IS(具体的に、第1実施形態では、クッション材21の各部分クッション部材21Pの内面21IS)によって、収容空間21Eを区画するように構成されている。第1実施形態においては、クッション材21の各部分クッション部材21Pの内面21ISどうしが連続することによって、収容空間21Eが区画される。収容空間21Eには、遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分が、収容される。
【0041】
図6や
図9に示すように、第1実施形態において、クッション材21は、クッション材21の前端部21FEに、収容空間21Eと連続する開口21Dを有している。クッション材21は、開口21Dがあることによって、前端部21FEが開放されている。一方、クッション材21は、その後端部が閉鎖されている。これにより、クッション材21は、前端部21FEが開放され、後端部が閉鎖された、筒状に構成されている。
【0042】
ここで、以上のように構成された第1実施形態の遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させる方法の一例を、
図11~
図12を参照しつつ説明する。
まず、カバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図11~
図12の例では、第2部分カバー部材22P2)と遊泳器具3とを、連結器具4を介して連結させる(
図11)。
つぎに、クッション材21のうち、上記いずれか一方の部分カバー部材22P(
図11~
図12の例では、第2部分カバー部材22P2)と遊泳動物Wとの間に配置されるように構成された部分一(
図11~
図12の例では、第2前クッション部材21F2及び第2後クッション部材21R2)を、当該上記いずれか一方の部分カバー部材22P(
図11~
図12の例では、第2部分カバー部材22P2)の上に載せ、その上に遊泳動物Wを載せる(
図12)。
つぎに、図示は省略するが、クッション材21のうちの残りの部分(
図11~
図12の例では、第1前クッション部材21F1及び第1後クッション部材21R1)を遊泳動物Wの上に載せ、それによって遊泳動物Wのうちの尾柄WPの少なくとも一部から後側の部分を、クッション材21で包み込む。
つぎに、カバー材22における他方の部分カバー部材22P(
図11~
図12の例では、第1部分カバー部材22P1)の上に被せ、一対の部分カバー部材22Pどうしを合わせた後、一対の部分カバー部材22Pどうしを1つ又は複数(本例では、3つ)の固定具f1を用いて連結させる(
図1)。
以上のようにして、遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させることができる。
ただし、遊泳補助具1は、上記とは異なる方法で遊泳動物Wに装着させてもよい。
【0043】
図3に示すように、上からの平面視において、カバー材22は、開口22Dよりも後側での内部空間22Eの左右方向の長さL22Eの最大値L22EMが、開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長い。すなわち、カバー材22が区画する内部空間22Eは、開口22Dよりも後側において、遊泳動物Wのうち開口22Dよりも左右方向の長さが長い部分を収容できるように構成されている。言い換えれば、
図3に示すように、開口22Dよりも後側における、装着具2を装着した遊泳動物Wの左右方向の長さLWの最大値LWMが、開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長いことが、可能となる。
なお、一般的に、遊泳動物Wの尾びれの大部分が欠損している場合においても、遊泳動物Wの尾びれ残存部WFの左右方向の長さは、遊泳動物Wの尾柄WPの左右方向の長さよりも長いことが多い。したがって、遊泳動物Wの尾びれの大部分が欠損している場合においても、開口22Dよりも後側における、装着具2を装着した遊泳動物Wの左右方向の長さLWの最大値LWMが、開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長いようにすることが、可能である。
したがって、上述のように、上からの平面視において、開口22Dよりも後側での内部空間22Eの左右方向の長さL22Eの最大値L22EMが、開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長いことにより、遊泳動物Wがいったん装着具2を装着した後は、遊泳動物Wが開口22Dから抜け出るのを抑制することができる。このようにして、遊泳動物Wの尾びれの大部分が欠損している場合においても、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる。
なお、第1実施形態では、上述のように、カバー材22が、互いに連結されるように構成された一対の部分カバー部材22Pに分割されているので、装着具2を遊泳動物Wに装着させたり遊泳動物Wから脱着させたりする作業は簡単に行うことができる。
ここで、「開口22Dよりも後側での内部空間22Eの左右方向の長さL22Eの最大値L22EM」とは、開口22Dよりも後側での、前後方向に沿った各位置における内部空間22Eの左右方向の長さL22Eのうちの最大値を指す。
また、「開口22Dよりも後側における、装着具2を装着した遊泳動物Wの左右方向の長さLWの最大値LWM」とは、開口22Dよりも後側での、前後方向に沿った各位置における、装着具2を装着した遊泳動物Wの左右方向の長さLWのうちの最大値を指す。
【0044】
図3に示すように、上からの平面視において、内部空間22Eは、内部空間22Eのうちの(尾柄側内部空間22EPではなく)尾びれ残存部側内部空間22EFにおいて、左右方向の長さL22Eが最大値L22EMをとると、好適である。これにより、装着具2を、より遊泳動物Wに沿うようにフィットさせることができ、ひいては、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのをさらに抑制でき、また、遊泳動物Wが装着具2内で位置ずれするのも抑制でき、遊泳動物Wからの動力をより効果的に装着具2ひいては遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができる。
【0045】
図3に示すように、上からの平面視において、内部空間22Eは、開口22Dから、内部空間22Eの左右方向の長さL22Eが最大値L22EMをとる前後方向位置までにわたって、内部空間22Eの左右方向の長さL22Eが後側に向かうにつれて徐々に増大していると、好適である。これにより、装着具2を、より遊泳動物Wに沿うようにフィットさせることができ、ひいては、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのをさらに抑制でき、また、遊泳動物Wが装着具2内で位置ずれするのも抑制でき、遊泳動物Wからの動力をより効果的に装着具2ひいては遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができる。
【0046】
遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのを抑制する観点から、
図3に示すように、上からの平面視において、遊泳動物Wの尾びれ残存部WFの左右方向の長さLWFの最大値LWFMが、開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長いと、好適である。
ここで、「遊泳動物Wの尾びれ残存部WFの左右方向の長さLWFの最大値LWFM」とは、前後方向に沿った各位置における、遊泳動物Wの尾びれ残存部WFの左右方向の長さLWFのうちの最大値を指す。
【0047】
図6に示すように、第1実施形態において、カバー材22の開口22Dは、上下方向の長さH22Dが左右方向の長さL22Dよりも長い。
図5に示すように、一般的に、遊泳動物Wの尾柄WPは、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長いことが多い。
したがって、開口22Dの上下方向の長さH22Dが開口22Dの左右方向の長さL22Dよりも長いことにより、装着具2を、より遊泳動物Wの尾柄WPに沿うようにフィットさせることができる。これにより、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのをさらに抑制できる。
【0048】
カバー材22が区画する内部空間22Eは、尾柄側内部空間22EPの前後方向の全長にわたって、上下方向の長さH22E(
図4)が左右方向の長さL22E(
図3)よりも長いと、好適である。
図5に示すように、一般的に、遊泳動物Wの尾柄WPは、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長いことが多い。
したがって、尾柄側内部空間22EPの前後方向の全長にわたって、内部空間22Eの上下方向の長さH22Eが内部空間22Eの左右方向の長さL22Eよりも長いことにより、装着具2を、より遊泳動物Wの尾柄WPに沿うようにフィットさせることができる。これにより、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのをさらに抑制でき、また、遊泳動物Wが装着具2内で位置ずれするのも抑制でき、遊泳動物Wからの動力をより効果的に装着具2ひいては遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができる。
【0049】
カバー材22が区画する内部空間22Eは、尾びれ残存部側内部空間22EFの前後方向の少なくとも一部にわたって、上下方向の長さH22E(
図4)が左右方向の長さL22E(
図3)よりも短いと、好適である。
図5に示すように、一般的に、遊泳動物Wの尾びれ残存部WFは、尾びれ残存部WFの少なくとも一部において、上下方向の長さが左右方向の長さよりも短いことが多い。
したがって、尾びれ残存部側内部空間22EFの前後方向の少なくとも一部にわたって、内部空間22Eの上下方向の長さH22Eが内部空間22Eの左右方向の長さL22Eよりも短いことにより、装着具2を、より遊泳動物Wの尾びれ残存部WFに沿うようにフィットさせることができる。これにより、遊泳動物Wが不所望に装着具2から脱げるのをさらに抑制でき、また、遊泳動物Wが装着具2内で位置ずれするのも抑制できる。
【0050】
カバー材22の各部分カバー部材22Pの本体部22Mを構成する材料は、クッション材21を構成する材料よりも硬い(剛性が高い)と好適である。これにより、カバー材22による外傷等からの保護機能を向上でき、また、カバー材22が水中で受ける水抵抗を低減し、より効果的に遊泳を補助することができる。また、カバー材22の各部分カバー部材22Pの本体部22Mを構成する材料は、遊泳動物Wからの動力に応じて変形可能であると好適である。これにより、遊泳動物Wからの動力をより効果的に遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができ、より効果的に遊泳動物Wの遊泳を補助することができる。
これらの観点から、カバー材22の各部分カバー部材22Pの本体部22Mを構成する材料は、例えば、CFRP、強化型プラスチック、GFRP、CFRTP等が好適である。なお、これらの材料の場合、本体部22Mを製造し易いという利点もある。
【0051】
図5や
図9に示すように、第1実施形態において、クッション材21は、前クッション部21Fと、前クッション部21Fよりも後側に配置されるように構成された、後クッション部21Rと、を有している。前クッション部21Fは、主に、遊泳動物Wの尾柄WPを覆うように構成されており、後クッション部21Rは、主に、遊泳動物Wの尾びれ残存部WFを覆うように構成されている。第1実施形態において、前クッション部21Fは、第1前クッション部材21F1と第2前クッション部材21F2とから構成されており、後クッション部21Rは、第1後クッション部材21R1と第2後クッション部材21R2とから構成されている。
前クッション部21Fは、その全体が、同じ材料から構成されている。また、後クッション部21Rは、その全体が、同じ材料から構成されている。
前クッション部21F及び後クッション部21Rは、それぞれ異なる材料から構成されている。
これにより、遊泳動物Wにおける尾柄WP側と尾びれ残存部WF側とでクッション材21の材料を変えることができ、遊泳動物Wの部分毎に、より好適な材料のクッション材21を適用することで、より効果的に遊泳を補助することが可能になる。
【0052】
前クッション部21Fを構成する材料は、後クッション部21Rを構成する材料よりも、比重が高いと、好適である。
クッション材21は、遊泳動物Wにおける尾柄WPを覆う部分のほうが、遊泳動物Wにおける尾びれ残存部WFを覆う部分よりも、高い衝撃吸収機能や動力伝達機能を有していることが好ましい。
前クッション部21Fを構成する材料が、後クッション部21Rを構成する材料よりも、比重が高いことにより、前クッション部21Fの衝撃吸収機能を向上でき、ひいては、遊泳動物Wの尾柄WPがカバー材22(具体的には尾柄カバー部22WP)のエッジ等に当たって損傷を受けるおそれを低減できるとともに、遊泳動物Wの尾柄WPからの動力をより効果的に遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができ、より効果的に遊泳動物Wの遊泳を補助することができる。
また、後クッション部21Rを構成する材料が、前クッション部21Fを構成する材料よりも、比重が低いことにより、それほど高い衝撃吸収機能が必要ではない後クッション部21Rにおいて、軽量化することができる。
このように、上記のようにすることで、クッション材21は、特に高い衝撃吸収機能や動力伝達機能が必要な、遊泳動物Wにおける尾柄WPを覆う部分において、衝撃吸収機能や動力伝達性を向上させつつ、軽量化が可能である。
【0053】
前クッション部21Fを構成する材料は、後クッション部21Rを構成する材料よりも、密度が高いと、好適である。
クッション材21は、遊泳動物Wにおける尾柄WPを覆う部分のほうが、遊泳動物Wにおける尾びれ残存部WFを覆う部分よりも、高い衝撃吸収機能や動力伝達機能を有していることが好ましい。
前クッション部21Fを構成する材料が、後クッション部21Rを構成する材料よりも、密度が高いことにより、前クッション部21Fの衝撃吸収機能を向上でき、ひいては、遊泳動物Wの尾柄WPがカバー材22(具体的には尾柄カバー部22WP)のエッジ等に当たって損傷を受けるおそれを低減できるとともに、遊泳動物Wの尾柄WPからの動力をより効果的に遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができ、より効果的に遊泳動物Wの遊泳を補助することができる。
また、後クッション部21Rを構成する材料が、前クッション部21Fを構成する材料よりも、密度が低いことにより、それほど高い衝撃吸収機能が必要ではない後クッション部21Rにおいて、軽量化することができる。
このように、上記のようにすることで、クッション材21は、特に高い衝撃吸収機能や動力伝達機能が必要な、遊泳動物Wにおける尾柄WPを覆う部分において、衝撃吸収機能や動力伝達性を向上させつつ、軽量化が可能である。
【0054】
前クッション部21Fを構成する材料は、非多孔質状の(すなわち、気泡が無い、中実状の)材料であると好適であり、後クッション部21Rを構成する材料は、多孔質状の(すなわち、多数の気泡がある)材料と好適である。
非多孔質状の材料は、多孔質状の材料に比べて、高い衝撃吸収機能や動力伝達機能を有している傾向がある。そのため、上記のようにすることにより、前クッション部21Fの衝撃吸収機能を向上でき、ひいては、遊泳動物Wの尾柄WPがカバー材22(具体的には尾柄カバー部22WP)のエッジ等に当たって損傷を受けるおそれを低減できるとともに、遊泳動物Wの尾柄WPからの動力をより効果的に遊泳補助具1に伝えて推進力を出すことができ、より効果的に遊泳動物Wの遊泳を補助することができる。
また、非多孔質状の材料は、多孔質状の材料に比べて、重い傾向がある。そのため、上記のようにすることにより、仮に前クッション部21Fを構成する材料及び後クッション部21Rを構成する材料の両方を非多孔質状の材料とする場合に比べて、軽量化が可能である。
このように、上記のようにすることで、クッション材21は、特に高い衝撃吸収機能や動力伝達機能が必要な、遊泳動物Wにおける尾柄WPを覆う部分において、衝撃吸収機能や動力伝達性を向上させつつ、軽量化が可能である。
上記非多孔質状の材料としては、例えば、シリコーン等が好適である。
上記多孔質状の材料としては、例えば、発泡ゴム等が好適である。
ただし、前クッション部21Fを構成する材料及び後クッション部21Rを構成する材料は、それぞれ、非多孔質状の材料及び多孔質状の材料のいずれであってもよい。例えば、前クッション部21Fを構成する材料が、多孔質状の材料であり、後クッション部21Rを構成する材料が、非多孔質状の材料であってもよい。
【0055】
図10~
図11に示すように、第1実施形態において、カバー材22は、一対の部分カバー部材22Pどうしを連結させる際に、一対の部分カバー部材22Pどうしを位置合わせすることができるように構成された、位置合わせ部22Aを有している。
位置合わせ部22Aは、板状に構成されている。位置合わせ部22Aは、その一端部(第1実施形態では、下端部)がいずれか一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)の本体部22Mに連結されており、他方の部分カバー部材22P側(第1実施形態では、第1部分カバー部材22P1側、ひいては、上側)に向かって延在している。位置合わせ部22Aは、一対の部分カバー部材22Pどうしが合わせられた状態(
図10)において、位置合わせ部22Aの内面22ASが他方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第1部分カバー部材22P1)の外面に接触するように、構成されている。位置合わせ部22Aの内面22ASと、他方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第1部分カバー部材22P1)の外面のうち位置合わせ部22Aの内面22ASと接触するように構成された部分とは、形状がほぼ一致しており、それにより、互いに嵌合するように構成されている。ここで、一対の部分カバー部材22Pどうしが合わせられた状態とは、
図10に示すように、第1部分カバー部材22P1の分割面22CSと第2部分カバー部材22P2の分割面22CSとが合わせられた(接触された)状態を指す。
このように構成された位置合わせ部22Aは、作業員によって外側へ(内部空間22Eから離れる方向へ)引っ張られると、一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)との連結部(第1実施形態では、下端部)を基点として外側へ回動することができ(
図10の破線)、その後、作業員が内部空間22Eに向かう方向へ押し込む事により戻ることができる(
図10の実線)。
位置合わせ部22Aが上述のように構成されているので、一対の部分カバー部材22Pどうしを連結させる際において、作業員は、例えば、一対の部分カバー部材22Pどうしを合わせる直前に、位置合わせ部22Aをいったん他方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第1部分カバー部材22P1)から離すように外側へ引っ張り(
図10の破線)、その後、一対の部分カバー部材22Pどうしを合わせるときに、位置合わせ部22Aを内側へ戻すことにより、位置合わせ部22Aの内面22ASと他方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第1部分カバー部材22P1)の外面とを嵌合させることができる(
図10の実線)。これにより、位置合わせ部22Aは、部分カバー部材22Pどうしを嵌合させる作業の時の目印となり、嵌合作業、振れ止め等の作業性向上が期待できる。
なお、本実施形態における位置合わせ部22Aは、剛直な材料から構成されているが、位置合わせ部22Aは、弾性体から構成されていてもよい。
【0056】
位置合わせ部22Aは、予め上記一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)の本体部22Mとは別々に製造された後に当該本体部22Mに対して接着等により固定されていてもよいし、あるいは、当該本体部22Mと一体成型により一体に構成されていてもよい。位置合わせ部22Aは、当該本体部22Mとは異なる材料で構成されてもよいし、当該本体部22Mと同じ材料で構成されてもよい。
【0057】
第1実施形態において、位置合わせ部22Aは、カバー材22(具体的には、上記一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2))における後側(具体的には、後端部)に設けられている。
ただし、位置合わせ部22Aは、カバー材22における任意の位置に設けられてよく、例えば、カバー材22(具体的には、いずれか一方の部分カバー部材22P)における左側又は右側に設けられてもよい。
なお、位置合わせ部22Aは、設けられていなくてもよい。
【0058】
図5、
図9~
図11に示すように、第1実施形態において、カバー材22は、カバー材22における後側において、器具が取り付けられるように構成された取付部22Tが設けられている。第1実施形態において、取付部22Tは、器具としての連結器具4が取り付けられるように構成されている。ただし、取付部22Tは、他の器具(例えば、遊泳器具3)が取り付けられるように構成されてもよい。
これにより、カバー材22における後側において器具を取り付けることができる。
【0059】
より具体的に、第1実施形態において、カバー材22の取付部22Tは、いずれか一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)に形成された1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の貫通穴22TH2と、当該一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)の内面上に設けられた固定具受け部22TQと、を有している。固定具受け部22TQは、1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の固定具f2を受けるように構成されている。固定具f2は、例えばボルト及び/又はナット等の締結具からなると好適である。固定具受け部22TQは、板状に構成されており、1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の貫通穴22TQHを有している。固定具受け部22TQの各貫通穴22TQHと上記部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)の各貫通穴22TH2とは、互いに連通している(
図10)。
一方、
図5、
図9~
図10に示すように、連結器具4は、カバー材22に取り付けられるように構成された取付部4T1を有している。連結器具4の取付部4T1は、1つ又は複数(第1実施形態では3つ)の固定具f2を用いて、カバー材22の取付部22Tに取り付けられるように構成されている。より具体的に、第1実施形態において、連結器具4の取付部4T1は、1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の貫通穴4TH1を有している。
固定具f2が、カバー材22の取付部22Tにおける貫通穴22TQH及び貫通穴22TH2と連結器具4の取付部4T1における貫通穴4TH1とに通されて締め付けられることにより、連結器具4の取付部4T1がカバー材22の取付部22Tに対して取り付けられる(
図10)。
このように、第1実施形態では、連結器具4の取付部4T1が、固定具f2を用いて、カバー材22の取付部22Tに対して取り付けられるように構成されているので、連結器具4は、カバー材22ひいては装着具2に対して、容易に取り付けることができるように構成されているとともに、カバー材22ひいては装着具2に対して、取り外し可能に構成されている。
【0060】
固定具受け部22Tは、予め上記いずれか一方の部分カバー部材22P(第1実施形態では、第2部分カバー部材22P2)の本体部22Mとは別々に製造された後に当該本体部22Mに対して接着等により固定されていてもよいし、あるいは、当該本体部22Mと一体成型により一体に構成されていてもよい。固定具受け部22Tは、当該本体部22Mとは異なる材料で構成されてもよいし、当該本体部22Mと同じ材料で構成されてもよい。
【0061】
なお、カバー材22の取付部22Tは、固定具受け部22TQを有さずに、上記いずれか一方の部分カバー部材22P(例えば、第2部分カバー部材22P2)に形成された1つ又は複数の貫通穴22TH2のみを有していてもよい。
【0062】
図5、
図9に示すように、第1実施形態において、連結器具4は、遊泳器具3に取り付けられるように構成された取付部4T2を有している。より具体的に、第1実施形態において、連結器具4の取付部4T2は、1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の貫通穴4TH2を有している。
一方、遊泳器具3は、連結器具4に取り付けられるように構成された取付部3Tを有している。遊泳器具3の取付部3Tは、1つ又は複数(第1実施形態では3つ)の固定具f3を用いて、連結器具4の取付部4T2に取り付けられるように構成されている。より具体的に、第1実施形態において、遊泳器具3の取付部3Tは、1つ又は複数(第1実施形態では、3つ)の貫通穴3THを有している。
固定具f3が、遊泳器具3の取付部3Tにおける貫通穴3THと連結器具4の取付部4T2における貫通穴4TH2とに通されて締め付けられることにより、連結器具4の取付部4T2が遊泳器具3の取付部3Tに対して取り付けられる(
図9)。
このように、第1実施形態では、連結器具4の取付部4T2が、固定具f3を用いて、遊泳器具3の取付部3Tに対して取り付けられるように構成されているので、連結器具4は、遊泳器具3に対して、容易に取り付けることができるように構成されているとともに、遊泳器具3に対して、取り外し可能に構成されている。
【0063】
上述のように、第1実施形態において、連結器具4は、装着具2及び遊泳器具3のそれぞれに対して、取り外し可能に構成されている。
これにより、必要に応じて、連結器具4を、異なる構成(材質、厚さ等)を有する別の連結器具4に容易に交換することができ、ひいては、連結器具4の剛性等を簡単に調節することができる。
ただし、連結器具4は、装着具2及び遊泳器具3の少なくとも一方に対して、取り外しできないように構成されていてもよい。
【0064】
ただし、装着具2と連結器具4との取り付けや、連結器具4と遊泳器具3との取り付けに関わる構造は、上記のもの以外のものでもよい。
【0065】
図5、
図9に示すように、第1実施形態において、連結器具4は、連結器具4の前端部が装着具2における後側に取り付けられ、連結器具4の後端部が遊泳器具3における前側に取り付けられるように構成されている。
これにより、遊泳動物W側からの動力を、連結器具4を介して、遊泳器具3へ効果的に伝えることができ、良好な推進力を得ることができる。
【0066】
遊泳動物W側からの動力を遊泳器具3へ効果的に伝える観点から、連結器具4は、強度が高いとともに柔軟に弾性変形できるように構成されていると好適である。
このような観点から、連結器具4を構成する材料としては、例えば、CFRP、金属(鉄、アルミ、真鍮、ステンレス鋼(SUS)、チタン、合金等)等が好適である。
また、同様の観点から、連結器具4は、第1実施形態のように、板状に構成されている(言い換えれば、板ばねから構成されている)と好適である(
図5)。連結器具4の上下方向の厚さは、連結器具4の左右方向の長さよりも小さいと、好適である。
【0067】
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。
図13~
図17は、本発明の第2実施形態に係る装着具2及び遊泳補助具1を説明するための図面である。
図13は、遊泳動物Wに装着させた本発明の第2実施形態に係る遊泳補助具1を斜め上から見た様子を示す、斜視図である。
図14は、
図13の遊泳補助具1を斜め下から見た様子を示す、斜視図である。
図15は、
図13の遊泳補助具1の一部を分解した状態で示す、分解斜視図である。
図16は、
図13の遊泳補助具1を、
図13のE-E線に沿った断面により示す、E-E断面図である。
図17は、
図13の遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させる方法の一例を説明するための説明図である。
本発明の第2実施形態は、装着具2と遊泳器具3との連結に関わる構造のみが、第1実施形態と異なる。装着具2の構成については、特に断りが無い限り、第1実施形態に関して上述したものと同様でよい。
【0068】
図13~
図17に示すように、第2実施形態において、遊泳器具3は、装着具2における嵌合部23と嵌合するように構成された被嵌合部3Dを有している。
装着具2の嵌合部23は、装着具2の外面(すなわち、カバー材22の外面)のうち後側に位置する一部によって構成されている。より具体的に、
図13~
図17の例では、嵌合部23は、カバー材22の第2部分カバー部材22P2の外面のうち後側に位置する一部によって構成されている(
図16)。本例において、嵌合部23は、後側へ向かって突出した凸面状に構成されている。
ただし、嵌合部23は、カバー材22の第1部分カバー部材22P1の外面のうち後側に位置する一部によって構成されてもよい。
本例において、遊泳器具3の被嵌合部3Dは、遊泳器具3における前側に設けられており、後側へ向かって窪んだ凹面状に構成されている。
【0069】
図13~
図14、
図16に示すように、第2実施形態において、連結器具4は、嵌合部23及び被嵌合部3Dどうしが嵌合した状態で装着具2及び遊泳器具3どうしを連結するように構成されている。
【0070】
第2実施形態によれば、嵌合部23及び被嵌合部3Dが互いに嵌合した状態で装着具2及び遊泳器具3どうしが連結器具4によって互いに連結されるので、第1実施形態に比べて、遊泳補助具1の軽量化や小型化が可能である。
なお、第1実施形態は、装着具2及び遊泳器具3が互いから離れた状態で連結器具4によって互いに連結されるので、第2実施形態に比べて、推進力が得られやすくなる。
【0071】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、連結器具4が、装着具2に取り付けられるように構成されている。具体的には、連結器具4の取付部4T1が、固定具f2を用いて、カバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図13~
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)の取付部22Tに対して取り付けられるように構成されている(
図16)。
【0072】
第2実施形態においては、
図13~
図17に示すように、連結器具4が、遊泳器具3を保持するように構成されており、すなわち、遊泳器具3を保持するように構成された保持部4Lを有している。
より具体的に、
図16に示すように、第2実施形態において、連結器具4の保持部4Lは、遊泳器具3の下側を略前後方向に延在するように構成された第1延在部4LAと、遊泳器具3の上側を略前後方向に延在するように構成された第2延在部4LCと、第1延在部4LAの後端部及び第2延在部4LCの後端部どうしを連結する連結部4LBと、を有している。第1延在部4LAの上面と第2延在部4LCの下面と連結部4LBの前面により、溝4LDが区画されている。連結器具4の保持部4Lは、この溝4LD内に遊泳器具3の一部(好適には、左右方向における中央部)を収容することにより、遊泳器具3を保持するように構成されている。本実施形態において、遊泳器具3は、固定具等を用いて連結器具4に取り付けられはしないものの、
図16に示すように、遊泳器具3は、前側に位置する装着具2と後側に位置する連結器具4の保持部4Lとによって挟まれることとなるので、遊泳器具3が連結器具4の保持部4Lから外れるのが抑制される。
【0073】
以上のように構成された第2実施形態の遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させる方法の一例は、
図11~
図12を参照しつつ上述した第1実施形態の遊泳補助具1を遊泳動物Wに装着させる方法の一例と同様でよい。
なお、カバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図13~
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)と遊泳器具3とを、連結器具4を介して連結させる際には、例えば、まず遊泳器具3の左右方向における中央部を連結器具4の保持部4Lの溝4LD内に収容し、その後、カバー材22の嵌合部23及び遊泳器具3の被嵌合部3Dどうしを嵌合させて、連結器具4を装着具2に取り付ける(具体的には、連結器具4の取付部4T1を、固定具f2を用いて、カバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図13~
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)の取付部22Tに対して取り付ける)と、好適である。
【0074】
第2実施形態においては、
図17に示すように、遊泳器具3が、装着具2のカバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)に対して取り付けられるように構成されている。
より具体的には、当該いずれか一方の部分カバー部材22P(
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)は、1つ又は複数(
図17の例では、2つ)の貫通穴22TH3を有している。さらに具体的に、
図17の例では、当該いずれか一方の部分カバー部材22P(
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)に、貫通穴22TH3が、左右に1つずつ形成されている。各貫通穴22TH3は、装着具2の嵌合部23上に位置しており、ひいては、遊泳器具3の被嵌合部3Dが外側から被さるような位置に配置されている。そして、ドリルビス等の固定具f4が、例えば内側から、貫通穴22TH3に通されるとともに遊泳器具3の内部へ挿入されることにより、遊泳器具3が、当該いずれか一方の部分カバー部材22P(
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)に対して取り付けられる。
このように、遊泳器具3が、装着具2のカバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22P(
図17の例では、第2部分カバー部材22P2)に対して取り付けられるように構成されていることにより、装着具2と遊泳器具3との間の連結が不所望に外れるのを抑制できる。
ただし、遊泳器具3が、装着具2のカバー材22におけるいずれか一方の部分カバー部材22Pに対して取り付けられるように構成されていなくてもよい。
【0075】
なお、上述した各実施形態において、クッション材21は、任意の数の部分クッション部材21Pに分割されてよく、また、任意の方向及び任意の位置で複数の部分クッション部材21Pに分割されてよい。例えば、第1前クッション部材21F1及び第1後クッション部材21R1が一体に構成されてもよい。また、第2前クッション部材21F2及び第2後クッション部材21R2が一体に構成されてもよい。
また、クッション材21は、その全体が一体に構成されてもよい。
【0076】
上述した各実施形態において、クッション材21は、カバー材22と遊泳動物Wとの間の隙間をほぼ又は完全に埋めるように配置されていると好適であるが、カバー材22と遊泳動物Wとの間の隙間をほぼ又は完全に埋めるように配置されていなくてもよい。
クッション材21は、カバー材22と遊泳動物Wとの間の隙間の形状に沿うように予め成形等によって形成されていてもよいし、そうでなくてもよく、例えば、カバー材22と遊泳動物Wとの間に配置される前の状態においては直方体形状等の任意の形状をなしていてもよい。
【0077】
上述した各実施形態において、クッション材21は、
図4に示すように、クッション材21の前端部21FEが、カバー材22の前端部22FEよりも、前側に位置していると、好適である。
これにより、遊泳動物Wがカバー材22の前端部22FEに当たって損傷を受けるのを効果的に抑制できる。
【0078】
上述した各実施形態において、カバー材22の一対の部分カバー部材22Pは、いずれか一方側において、蝶番によって互いに連結されていてもよい。この場合も、カバー材22ひいては装着具2の装着や脱着の作業がしやすくなる。この場合、位置合わせ部22Aは設けられなくてもよい。
【0079】
カバー材22は、互いに連結されるように構成された3つ以上の部分カバー部材22Pに分割されていてもよい。カバー材22は、任意の方向及び任意の位置で複数の部分カバー部材22Pに分割されてよい。この場合も、尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られるとともに、カバー材22ひいては装着具2の装着や脱着の作業がしやすくなる。
この場合、カバー材22は、複数の部分カバー部材22Pのうちいずれか一対の部分カバー部材22Pどうしを位置合わせすることができるように構成された位置合わせ部22Aを有していてもよい。カバー材22は、複数対の部分カバー部材22Pのそれぞれの対毎に、当該位置合わせ部22Aを有してもよい。位置合わせ部22Aの構成については、上述したものと同様でよい。
【0080】
カバー材22は、分割されずに、その全体が一体に構成されていてもよい。この場合も、尾びれの大部分が欠損している場合においても遊泳動物が不所望に脱げるのを抑制でき、かつ、装着も可能な上、遊泳に必要な十分な推進力も得られる。なお、この場合、カバー材22が分割されている場合に比べて、カバー材22ひいては装着具2の装着や脱着の作業がややしにくくおそれがあるが、遊泳動物の身体には柔軟性があるため、作業員が遊泳動物の身体を押し込む又は引っ張る等して、カバー材22を装着又は脱着させることが可能である。
【0081】
装着具2及び遊泳補助具1は、以上に説明した構成に限られず、様々な変形例が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係る装着具及び遊泳補助具は、尾びれの一部が欠損した遊泳動物(イルカ、シャチ、クジラ、ジュゴン等)の遊泳を補助するために用いられると好適なものである。
【符号の説明】
【0083】
1:遊泳補助具、
2:装着具、
21:クッション材、 21P:部分クッション部材、 21F:前クッション部、 21F1:第1前クッション部材(部分クッション部材)、 21F2:第2前クッション部材(部分クッション部材)、 21R:後クッション部、 21R1:第1後クッション部材(部分クッション部材)、 21R2:第2後クッション部材(部分クッション部材)、 21IS:内面、 21E:収容空間、 21FE:前端部、 21D:開口、
22:カバー材、 22FE:前端部、 22D:開口、 22P:部分カバー部材、 22P1:第1部分カバー部材(部分カバー部材)、 22P2:第2部分カバー部材(部分カバー部材)、 22M:本体部、 22IS:内面、 22E:内部空間、 22EP:尾柄側内部空間、 22EF:尾びれ残存部側内部空間、 22U:固定具受け部、 22WP:尾柄カバー部、 22WF:尾びれ残存部カバー部、 22A:位置合わせ部、 22AS:内面、 22CS:分割面、 22T:取付部、 22TH1、22TH2、22TH3:貫通穴、 22TQ:固定具受け部、 22TQH:貫通穴、
23:嵌合部、
3:遊泳器具(器具)、 3T:取付部、 3TH:貫通穴、 3D:被嵌合部、
4:連結器具(器具)、 4T1、4T2:取付部、 4TH1、4TH2:貫通穴、 4L:保持部、 4LA:第1延在部、 4LB:連結部、 4LC:第2延在部、 4LD:溝、
f1、f2、f3、f4:固定具、
W:遊泳動物、 WP:尾柄、 WF:尾びれ残存部