(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052412
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】半導体装置、レギュレータ回路、レギュレータ回路を起動する方法
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G05F1/56 320C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159110
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笛木 洋一
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB05
5H430BB09
5H430BB11
5H430BB12
5H430CC05
5H430EE06
5H430EE09
5H430FF04
5H430FF12
5H430FF13
5H430GG08
5H430HH03
5H430KK01
5H430LA01
5H430LA07
(57)【要約】
【課題】突入電流を制限すると共に切替信号の生成を容易にする半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置11は、レギュレータ出力17、レギュレータ出力17を駆動する第1駆動トランジスタを制御する誤差増幅回路19、及びレギュレータ出力17を駆動する1又は複数の第2駆動トランジスタを誤差増幅回路19によって選択的に制御する切替回路21を含む制御回路13と、第1電源線から給電される電流源回路27、電流源回路27からの電流を受ける電流回路29、レギュレータ出力17の起動に応答して電流回路29によって充電又は放電されるキャパシタ、及びキャパシタ30の一電極の電位を判定して、判定結果を示す判定信号を生成するように構成された判定器33、を含む切替判定回路15を備え、切替回路21は、切替判定回路15からの判定信号に応答して第2駆動トランジスタへの誤差増幅回路19による制御を切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レギュレータ出力、前記レギュレータ出力を駆動するように構成された第1駆動トランジスタを制御するように構成された誤差増幅回路、及び前記レギュレータ出力を駆動するように構成された1又は複数の第2駆動トランジスタを前記誤差増幅回路によって選択的に制御するように構成された切替回路、を含む制御回路と、
前記レギュレータ出力と異なる第1電源線から給電されるように構成された電流源回路、前記電流源回路からの電流を受ける電流回路、前記レギュレータ出力の起動に応答して前記電流回路によって充電又は放電されるキャパシタ、及び前記キャパシタの一電極の電位を判定して、判定結果を示す1又は複数の判定信号を生成するように構成された判定器、を含む切替判定回路と、
を備え、
前記レギュレータ出力は、前記第1駆動トランジスタ及び前記第2駆動トランジスタの少なくとも一方を介して前記第1電源線からの電力を受けるように構成され、
前記切替回路は、前記切替判定回路からの前記判定信号に応答して前記第2駆動トランジスタへの前記誤差増幅回路による制御を切り替えるように構成され、
前記誤差増幅回路は、前記レギュレータ出力からのフィードバック電圧と参照電圧との差に応答して動作する、
半導体装置。
【請求項2】
前記電流回路は、前記レギュレータ出力から給電される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項3】
前記判定器は、前記第1電源線から給電される、
請求項1又は請求項2に記載された半導体装置。
【請求項4】
前記電流源回路は、前記第1電源線から給電される、
請求項1又は請求項2に記載された半導体装置。
【請求項5】
前記判定器は、コンパレータ回路又はシュミットトリガー回路のいずれか一方を含む、
請求項1又は請求項2に記載された半導体装置。
【請求項6】
前記切替判定回路は、前記電流源回路からの電流を受ける少なくとも1つの第2電流回路と、前記レギュレータ出力の起動に応答して前記第2電流回路によって充電又は放電される少なくとも1つの第2キャパシタと、を含み、
前記判定器は、前記第2キャパシタの一電極の電位を判定してそれぞれの第2判定結果を示す第2判定信号を生成するように構成され、
前記切替回路は、前記第2判定信号に応答して前記第2駆動トランジスタの一つへの前記誤差増幅回路のより制御を切り替えるように構成される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項7】
前記判定器は、複数のコンパレータ回路を含み、
前記切替回路は、前記コンパレータ回路のそれぞれに関連付けられた複数の切替器を含み、
前記切替器は、前記コンパレータ回路の出力からのそれぞれの信号に応答して前記誤差増幅回路の出力が前記第2駆動トランジスタのそれぞれを制御するか否かを切り替えるように構成される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項8】
前記判定器は、複数のシュミットトリガー回路を含み、
前記切替回路は、前記シュミットトリガー回路のそれぞれに関連付けられた複数の切替器を含み、
前記切替器は、前記シュミットトリガー回路の出力からのそれぞれの信号に応答して前記誤差増幅回路の出力が前記第2駆動トランジスタのそれぞれを制御するか否かを切り替えるように構成される、
請求項6に記載された半導体装置。
【請求項9】
前記判定器は、前記キャパシタの一電極及び前記第2キャパシタの一電極にそれぞれ接続された複数のコンパレータ回路を含み、
前記コンパレータ回路は、参照電圧発生器からの参照電圧を受ける、
請求項6に記載された半導体装置。
【請求項10】
前記判定器は、互いに異なる比較電圧を受けて動作する複数のコンパレータを含むA/D変換器を含み、
前記切替回路は、前記コンパレータのそれぞれに対応する複数の切替器を含み、
前記切替器は、前記A/D変換器の出力からのそれぞれの信号に応答して前記誤差増幅回路の出力が前記第2駆動トランジスタを制御するか否かを切り替えるように構成される、
請求項1又は請求項6に記載された半導体装置。
【請求項11】
前記切替器の各々は、第1スイッチ及び第2スイッチを含み、
前記第1スイッチは、
前記切替器に対応する前記判定信号が、前記切替器に対応する前記第2駆動トランジスタが活性であることを示す場合に、前記誤差増幅回路が前記切替器に対応する前記第2駆動トランジスタのそれぞれを制御するように閉じられ、
前記切替器に対応する前記第2駆動トランジスタが非活性であることを示す場合に、前記切替器に対応する前記第2駆動トランジスタを前記誤差増幅回路にから分離するように開かれ、
前記第2スイッチは、前記第1スイッチが開かれる場合に、前記第2駆動トランジスタを非導通にするように構成される、
請求項7又は請求項8に記載された半導体装置。
【請求項12】
第1駆動トランジスタと、
1又は複数の第2駆動トランジスタと、
請求項1に記載された半導体装置と、
を備える、レギュレータ回路。
【請求項13】
請求項12に記載されたレギュレータ回路を準備することと、
前記第1駆動トランジスタ、前記第2駆動トランジスタ、前記レギュレータ回路の前記制御回路、前記電流源回路、及び前記判定器に給電することと、
前記第1駆動トランジスタが前記レギュレータ出力を駆動したことに応答して、前記レギュレータ出力から前記電流回路に給電することと、
前記電流回路に給電することに応答して、前記キャパシタに充電又は放電を行うことと、
前記レギュレータ出力から前記電流回路への給電を開始した後に、前記判定器の前記判定結果に応答して前記第2駆動トランジスタを制御することと、
を備える、
レギュレータ回路を起動する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、レギュレータ回路、及びレギュレータ回路を起動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、定電圧回路を開示する。この定電圧回路は、出力に接続された2つの出力制御トランジスタを含む。これらの出力制御トランジスタは、切替回路及びスイッチによって切り替えられる。切替回路は、切替制御信号に従ってあらかじめ設定された通り動作し、誤差増幅回路の出力端を出力制御トランジスタのいずれか一方に接続する。具体的には、切替回路は、電源の立ち上がり時に出力制御トランジスタのいずれか一方を使用するように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電圧レギュレータを起動するに際して、突入電流(ラッシュカレント又はインラッシュカレント)、具体的には一時的に流れる大きな電流が、電圧レギュレータに流れる可能性がある。電圧レギュレータが大きな電流を流すことを防止するために、電圧レギュレータの駆動能力を起動中に制限する方式がある。しかしながら、この方式は、起動期間から通常動作への切り替えを必要とする。この切替のタイミングは、例えば、電圧レギュレータの出力電圧を監視するコンパレータを用いて切替信号を生成すること、又は起動からある時間の経過の後に切替信号を生成すること、によって特定されることができる。
【0005】
背景技術における電圧レギュレータでは、突入電流が流れる時期及び起動からの必要な経過時間は、電圧レギュレータが組み込まれたシステムに依存することがある。
【0006】
本発明は、突入電流を制限すると共に切替信号の生成を容易にする、半導体装置、レギュレータ回路、レギュレータ回路を起動する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る半導体装置は、レギュレータ出力、前記レギュレータ出力を駆動する第1駆動トランジスタを制御するように構成された誤差増幅回路、及び前記レギュレータ出力を駆動する1又は複数の第2駆動トランジスタを前記誤差増幅回路によって選択的に制御するように構成された切替回路、を含む制御回路と、前記レギュレータ出力と異なる第1電源線から給電されるように構成された電流源回路、前記電流源回路からの電流を受ける電流回路、前記レギュレータ出力の起動に応答して前記電流回路によって充電又は放電されるキャパシタ、及び前記キャパシタの一電極の電位を判定して、判定結果を示す判定信号を生成するように構成された判定器、を含む切替判定回路と、を備え、前記レギュレータ出力は、前記第1駆動トランジスタ及び前記第2駆動トランジスタの少なくとも一方を介して前記第1電源線からの電力を受けるように構成され、前記切替回路は、前記切替判定回路からの前記判定信号に応答して前記第2駆動トランジスタへの前記誤差増幅回路による制御を切り替えるように構成され、前記誤差増幅回路は、前記レギュレータ出力からのフィードバック電圧と参照電圧との差に応答して動作する。
【0008】
本発明の第2側面に係るレギュレータ回路は、第1側面に係る半導体装置と、第1駆動トランジスタと、1又は複数の第2駆動トランジスタと、を備える。
【0009】
本発明の第3側面に係るレギュレータ回路を起動する方法は、第2側面に係るレギュレータ回路を準備することと、前記第1駆動トランジスタ、前記第2駆動トランジスタ、前記レギュレータ回路の前記制御回路、前記電流源回路、及び前記判定器に給電することと、前記第1駆動トランジスタが前記レギュレータ出力を駆動したことに応答して、前記レギュレータ出力から前記電流回路に給電することと、前記電流回路に給電することに応答して、前記キャパシタに充電又は放電を行うことと、前記レギュレータ出力から前記電流回路への給電を開始した後に、前記判定器の前記判定結果に応答して前記第2駆動トランジスタを制御することと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記の側面によれば、突入電流を制限すると共に切替信号の生成を容易にする半導体装置、レギュレータ回路、レギュレータ回路を起動する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る半導体装置及び電圧レギュレータを概略的に示す図面である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る電圧レギュレータ回路を示す回路図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係る半導体装置及び電圧レギュレータを起動する方法の主要な手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一及類似のものには、同一又は類似の符号を付して、複写的な重複的な記述を省略する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る半導体装置及び電圧レギュレータを概略的に示す図面である。
図1では、例示として、高電源線を参照符号「Vdd」として参照すると共に、低電源線を参照符号「Vss」として参照すると共に接地の回路シンボルで描く。
【0014】
半導体装置11は、制御回路13及び切替判定回路15を備える。制御回路13は、レギュレータ出力17、誤差増幅回路19、制御出力20、及び切替回路21を含む。レギュレータ出力17は、内部電源線18に接続されて、内部電源線18に給電する。制御出力20は、誤差増幅回路19の出力に接続され、誤差増幅回路19は、例えば演算増幅器(オペアンプ)OPを含むことができる。
【0015】
誤差増幅回路19は、レギュレータ出力17を駆動する第1駆動トランジスタ23を制御するように構成される。切替回路21は、レギュレータ出力17を駆動する第2駆動トランジスタ25を誤差増幅回路19によって選択的に制御することを可能にするように構成される。誤差増幅回路19は、レギュレータ出力17からのフィードバック電圧と参照電圧との差に応答して動作する。
【0016】
切替判定回路15は、電流源回路27、電流回路29、キャパシタ回路31、及び判定器33を含む。電流源回路27は、電流源27aを含み、またレギュレータ出力17とは異なる第1電源線(例えばVdd)から給電されるように構成されることができる。電流回路29は、電流源回路27からの電流を受けて、電流源回路27に流れる電流に関連付けられた電流を流すように構成される。キャパシタ回路31はキャパシタ30を含む。キャパシタ30は、レギュレータ出力17の起動に応答して電流回路29によって充電又は放電される。判定器33は、キャパシタ回路31のキャパシタ30の一電極30aの電位を判定して判定結果を示す判定信号SDETを生成するように構成される。
【0017】
切替回路21は、切替判定回路15からの判定信号SDETに応答して、第2駆動トランジスタ25への誤差増幅回路19による制御を切り替えるように構成される。切替回路21の出力は、直接に第2駆動トランジスタ25に接続される。
【0018】
電圧レギュレータ12は、レギュレータ回路14、キャパシタ16及び誤差検出回路39を備えることができる。レギュレータ回路14は、半導体装置11と、駆動回路24(第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25)とを含む。
【0019】
誤差検出回路39は、レギュレータ出力17からのフィードバック電圧を誤差増幅回路19に与えるように構成される。具体的には、誤差検出回路39は、レギュレータ出力17の電圧を分圧すると共に、レギュレータ出力17の電圧の分圧値Vrdvを提供するように構成される。分圧値Vrdvは、例えば、誤差増幅回路19の演算増幅器(オペアンプ)OPの正入力(+)に接続され、演算増幅器(オペアンプ)OPの負入力(-)は、参照電圧Vrefを受ける。レギュレータ出力17は、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25を介して第1電源線Vddからの電力を受けるように構成される。誤差検出回路39は、電圧分割を提供する回路として構成され、具体的には、直列に接続された複数の抵抗体38a、38b(例えば、抵抗素子、ダイオード、トランジスタ)を含む。抵抗体38a、38bの共有ノードは、誤差検出回路39の出力39aに接続されて、出力39aに分圧値Vrdvを生成する。
【0020】
半導体装置11では、制御回路13は、誤差増幅回路19に参照電圧Vrefを提供するように構成された基準電圧生成回路41を更に含むことができる。誤差増幅回路19は、参照電圧Vref及び誤差検出回路39からの分圧値Vrdvを受けて、参照電圧Vrefを基準にして分圧値Vrdvの差分△Vを検出する共に差分△Vを増幅することによって、駆動トランジスタ(23及び/又は25)を制御できる。
【0021】
必要な場合には、半導体装置11は、誤差増幅回路19に提供される参照電圧を、半導体装置11の外部から受けることができる。
【0022】
半導体装置11、電圧レギュレータ12、及びレギュレータ回路14によれば、電源の起動に際して、レギュレータ出力17の電圧に基づき誤差増幅回路19を用いて第1駆動トランジスタ23を制御する。切替判定回路15では、電流回路29は、レギュレータ出力17の起動に応答して、キャパシタ回路31のキャパシタ30を充電又は放電する。また、判定器33は、充電又は放電に係るキャパシタ30の一電極30aの電位を判定して判定結果を示す判定信号SDETを生成する。この判定信号SDETに応答する切替回路21を用いて、第2駆動トランジスタ25を誤差増幅回路19によって選択的に制御する。
【0023】
必要な場合は、半導体装置11は、第1駆動トランジスタ23、及び第2駆動トランジスタ25を含むことができる。具体的には、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25は、半導体装置11と共に集積されて半導体集積回路(レギュレータ回路14)を構成することができ、或いは半導体装置11とは別体の半導体装置の半導体チップによって構成されることができる。
【0024】
図1を参照すると、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25は、駆動回路24を構成するように描かれている。しかしながら、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25の一方は、他方とは別体の半導体チップによって構成されることができる。また、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25は、単一の回路シンボルとして描かれているけれども、これらのトランジスタ(23及び25)は、半導体チップにおいて複数のゲート電極を備えるように配置されることができる。
【0025】
図1を参照すると、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25の各々は、電界効果トランジスタ(例えば、Pチャネルトランジスタ)の回路シンボルで描かれている一方で、これらのいずれか一方又は両方は、バイポーラトランジスタを含むことができる。実施の形態においては、駆動トランジスタの制御端子は、バイポーラトランジスタのベース及び電界効果トランジスタのゲートを包含する。駆動トランジスタの第1電流端子は、バイポーラトランジスタのコレクタ及び電界効果トランジスタのソースを包含する。駆動トランジスタの第2電流端子は、バイポーラトランジスタのエミッタ及び電界効果トランジスタのドレインを包含する。引き続く説明、及びその説明により参照される図面において、トランジスタの制御端子、トランジスタの第1電流端子及びトランジスタの第2電流端子は、それぞれ「G」、「S」及び「D」として参照される。Pチャネルトランジスタの基板端子及びNチャネルトランジスタの基板端子は、特段の記述がない場合には、それぞれ、高電源線及び低電源線に接続される。
【0026】
半導体装置11は、例えば、内部回路35を備えることができ、内部回路35は、レギュレータ出力17に接続されて電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によって駆動される。
【0027】
半導体装置11及び電圧レギュレータ12は、半導体装置11とは別体の半導体チップに集積された外部回路37を駆動するように構成されることができる。
【0028】
電流回路29は、レギュレータ出力17から給電されることができる。半導体装置11及び電圧レギュレータ12によれば、電流回路29は、レギュレータ出力17から給電されるので、電流回路29の充電又は放電の電流はレギュレータ出力17の電圧(電位の変化)に依存し、又は従う。
【0029】
レギュレータ出力17は、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25を介して第1電源線Vddからの電力を受けるように構成されることができる。判定器33は、第1電源線Vddから給電されることができる。半導体装置11及び電圧レギュレータ12によれば、判定器33が第1電源線Vddから給電されるので、判定器33の動作は、レギュレータ出力17の電圧から独立している。必要な場合には、判定器33は、レギュレータ出力17を介して電力を受けることができる。
【0030】
レギュレータ出力17は、第1駆動トランジスタ23及び1又は複数の第2駆動トランジスタ25を介して第1電源線Vddからの電力を受けるように構成されると共に、電流源回路27は、第1電源線Vddから給電されることができる。半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、電流源回路27が第1電源線Vddから給電されるので、電流源回路27の動作がレギュレータ出力17の電圧から独立している。必要な場合には、電流源回路27は、レギュレータ出力17から給電されることができる。
【0031】
キャパシタ30の一電極30aは、電流回路29の出力に接続されると共に、キャパシタ30の一電極30aと異なる他電極30bは、第1電源線Vddに、又は第1電源線Vddと異なる第2電源線(例えば、Vss)に接続されることができる。半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、キャパシタ30の他電極30bは、高電位電源線(例えば、第1電源線Vdd)又は低位電源線(例えば、接地線Vss)に接続されて、充電又は放電のために安定した基準電位を提供できる。
【0032】
半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14では、電流源回路27が、内部電源線18の電位から独立して動作するように、第1電源線Vddからの電力を受ける一方で、電流回路29は、内部電源線18から給電されるように構成される。
図1を参照すると、本実施例では、電流源回路27及び判定器33(必要な場合には、キャパシタ回路31)は、第1電源線Vddからの電力を受けるように構成される一方で、電流回路29は、内部電源線18の電位に依存して或いは応答して動作するように内部電源線18に接続されて、内部電源線18から給電される。
【0033】
駆動回路24が半導体装置11と一緒に集積されるシングルチップの集積回路に構成されるレギュレータ回路14は、複数の電極(例えば、パッド電極)を含むことができる。第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25は、レギュレータ出力17としてパッド電極10cに接続される。誤差検出回路39の出力39aは、パッド電極10dに接続される。レギュレータ出力17には、パッド電極10cを介してキャパシタ16及び誤差検出回路39が接続される。
【0034】
駆動回路24の第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25の少なくとも一方とは別体であるシングルチップの集積回路の半導体装置11では、半導体装置11は、複数の電極(例えば、パッド電極)を含むことができる。レギュレータ出力17は、パッド電極10cに接続される。誤差検出回路39の出力39aは、パッド電極10dに接続される。制御回路13の出力、具体的には制御出力20は、パッド電極10aに接続される。第2駆動トランジスタ25に接続される切替回路21の出力は、パッド電極10bに接続される。
【0035】
半導体装置11、電圧レギュレータ12、及びレギュレータ回路14によれば、切替回路21は、切替判定回路15からの判定信号SDETに応答して第2駆動トランジスタ25への誤差増幅回路19による制御を切り替えるように構成される。具体的には、切替回路21は、判定信号SDETに応答して、誤差増幅回路19の出力19aを第2駆動トランジスタ25の制御端子(ゲート又はベース)に接続し、また誤差増幅回路19の出力19aを第2駆動トランジスタ25の制御端子(ゲート又はベース)から切り離すと共に第2駆動トランジスタ25を非導通にする。
【0036】
既に説明したように、判定器33は、キャパシタ回路31のキャパシタ30の一電極30aの電位を判定して判定結果を示す判定信号SDETを生成するように構成される。このような判定器33は、例示的な切替器として提供されることができる。
【0037】
図2は、本実施の形態に係る電圧レギュレータを示す回路図である。
図2の電圧レギュレータ12は、半導体装置11の切替回路21、駆動回路24(第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25)、誤差検出回路39、並びにキャパシタ16を含む。誤差増幅回路19の演算増幅器opampは、信号(vref_reg)を受ける負入力19b(-)及びフィードバックされる信号(vfb)を受ける正入力19c(+)を有する。
【0038】
切替回路21は、判定信号S
DETに応答して動作する切替器22を含むことができ、切替器22は、誤差増幅回路19の出力19aが第2駆動トランジスタ25を制御するか否かを切替判定回路15の出力からの信号に応答して切り替えるように構成される。具体的には、切替器22は、第2駆動トランジスタ25における制御端子(ゲート又はベース)と判定器33(
図1を参照)との間に接続されることができる。切替器22は、第2駆動トランジスタ25を誤差増幅回路19の出力19aによる制御から切り離し、或いは結合させるように構成される。
【0039】
具体的には、例示的な切替器22の各々は、第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bを含むことができる。
【0040】
第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bは、切替器22に対応する判定信号SDETが、当該切替器22に対応する第2駆動トランジスタ25が非活性であることを示す場合に、以下のように動作する。具体的には、第1スイッチ24aは、切替器22に対応する第2駆動トランジスタ25を誤差増幅回路19から分離し、第2スイッチ24bは、この第2駆動トランジスタ25を非道通にするように構成される。
【0041】
第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bは、切替器22に対応する判定信号SDETが、当該切替器22に対応する第2駆動トランジスタ25が活性であることを示す場合に、以下のように動作する。具体的には、第1スイッチ24aは、切替器22に対応する第2駆動トランジスタ25の制御端子が誤差増幅回路19の出力からの信号によって制御されるように構成される。また、第2スイッチ24bは、誤差増幅回路19からの制御が可能なように第2駆動トランジスタ25を他の電源及び他の信号線から切り離すように構成される。
【0042】
具体的には、第1スイッチ24aは、誤差増幅回路19の出力19aと第2駆動トランジスタ25の制御端子との間に接続される。また、第2スイッチ24bは、第2駆動トランジスタ25を非導通にできる電位を与える電源線と第2駆動トランジスタ25の制御端子との間に接続される。第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bの開閉は、排他的である。第2スイッチ24bは、第1スイッチ24aが開かれる場合に、第2駆動トランジスタ25を非導通にするように構成される。
【0043】
これらのスイッチの接続及び開閉によって、第1スイッチ24aは、例えば誤差増幅回路19の出力19aを第2駆動トランジスタ25の制御端子(ゲート又はベース)に接続し又は切り離す。また、上記の接続及び開閉によって、第2スイッチ24bは、例えば誤差増幅回路19の出力19aから切り離された制御端子を有する第2駆動トランジスタ25に電流が流れないように構成される。この構成は、例えば第2駆動トランジスタ25を非道通にすることである。
【0044】
図2に示されるように、第1スイッチ24aが、判定信号S
DETに応答して動作すると共に、第2スイッチ24bは、判定信号S
DETの反転信号に応答して動作する。第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bの動作のために、切替器22は、判定信号S
DETから、判定信号S
DETの反転信号を生成する反転ゲートINVを含むことができる。第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bの各々は、例えばトランジスタを含む伝達ゲートを含むことができ、伝達ゲートは単一チャネル型トランジスタ又は相補チャネル型トランジスタを含むことができる。
【0045】
駆動回路24では、第1電源線Vddの電圧の印加に応答して、第1駆動トランジスタ23が電流I1をレギュレータ出力17に提供する。また、判定信号SDETに応答して第2駆動トランジスタ25が電流I2をレギュレータ出力17に提供する。レギュレータ出力17(reg_out)は、電流Ioutを提供し、電流Ioutは、第1駆動トランジスタ23からの電流I1、又は第1駆動トランジスタ23からの電流I1と第2駆動トランジスタ25からの電流I2との和のいずれかである。例示的な誤差検出回路39は、直列に接続された抵抗体R1、R2を含み、抵抗体R1、R2の共有ノードが出力39aに接続される。
【0046】
図3は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図であり、
図3の切替判定回路は、コンパレータを含む。
図4は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図であり、
図4の切替判定回路は、シュミットトリガー回路を含む。
【0047】
図3及び
図4を参照すると、切替判定回路15は、電流源回路27、電流回路29、キャパシタ回路31、及び判定器33を含む。
【0048】
電流源回路27は、第1電源線Vddに接続された電流Iconstを生成する定電流源27aと、定電流源27aから電流を受けるトランジスタ27b(n型電界効果トランジスタ)とを含む。トランジスタ27bのドレイン(D)及びゲート(G)は、トランジスタ27bがダイオードとして動作するように接続され(以下、このような接続を「ダイオード接続」として参照する)、また定電流源27aに接続される。トランジスタ27bは電流I3を流す。
【0049】
電流回路29は、トランジスタ29a(n型電界効果トランジスタ)、トランジスタ29b(p型電界効果トランジスタ)及びトランジスタ29c(p型電界効果トランジスタ)を含む。トランジスタ29b及びトランジスタ29cは、レギュレータ出力17に接続される内部電源線18から給電される。トランジスタ29a(n型電界効果トランジスタ)のゲート(G)は、トランジスタ27bのゲート(G)に接続されて、トランジスタ27bからのミラー電流を受けるようにトランジスタ27b及びトランジスタ29aは電流ミラー回路を構成する。トランジスタ29b及びトランジスタ29cは、電流ミラー回路を構成するように、これらのトランジスタのゲート(G)がトランジスタ29bのドレイン(D)に接続される。トランジスタ29aは、トランジスタ27bの電流I3に応答してミラー電流I5を流す。トランジスタ29bは、トランジスタ29aからの電流I5を流し、トランジスタ29cは、トランジスタ29bの電流I5に応答してミラー電流I6を流す。
【0050】
キャパシタ回路31は、電流回路29の出力に接続されて、電流I6を受け、或いは電流I6を放出する。具体的には、電流回路29の出力は、キャパシタ回路31のキャパシタ30に一電極30aに接続され、キャパシタ30に他電極30bは、高電位線(Vdd)又は低電位線(Vss)のいずれか、本実施例では、接地線に接続される。キャパシタ30は、電流I6に従って充電され、キャパシタ30に一電極30a(キャパシタ回路31の出力)の電位(vcap)が上昇する。
【0051】
上記説明における電流源回路27及び電流回路29のトランジスタの導電型に対して反対導電型のトランジスタを含む電流源回路27及び電流回路29を用いることができる。このとき、キャパシタ30の他電極30bは、電源Vddに接続される。キャパシタ30は、電流I6に従って放電されて、キャパシタ30に一電極30a(キャパシタ回路31の出力)の電位は降下する。
【0052】
キャパシタ回路31の出力は、判定器33の入力に接続されて、判定器33は、キャパシタ回路31の出力における電圧(vcap)を判定する。
【0053】
実施例1では、
図3に示されるように、判定器33は、少なくとも一つのコンパレータ回路43を含む。コンパレータ回路43は、キャパシタ回路31の出力の電圧を受ける正入力(+)と、判定電圧を生成する参照電圧発生器42から電圧(vref_cmp)を受ける負入力(-)とを有する。コンパレータ回路43は、キャパシタ回路31の出力の電圧(vcap)を電圧(vref_cmp)と比較して、電圧(vcap)が電圧(vref_cmp)を横切る際に判定信号S
DETを生成する。
【0054】
実施例2では、
図4に示されるように、判定器33は、少なくとも1つのシュミットトリガー回路45を含むことができる。シュミットトリガー回路45は、キャパシタ回路31の出力の電圧を受ける入力を有し、入力値に対する反転しきい値はヒステリシス特性を有する。シュミットトリガー回路45は、キャパシタ回路31の出力の電圧(vcap)をしきい値電圧(低しきい値V
TL又は高しきい値V
TH)と比較して、電圧(vcap)がいずれかのしきい値電圧を横切る際に判定信号S
DETを生成する。
【0055】
図5は、
図2、
図3及び
図4に示された回路における主要なノードの波形を示す図面である。
図5の横軸及び縦軸は、それぞれ、時刻及び主要なノードの電圧波形を示す。
【0056】
時刻t0において、電源が投入されて、第1電源線Vddのレベルが上昇する。この上昇に応答して、第1電源線Vddから給電を受ける回路(19、27、31、33、41)が動作し始める。
図5では、誤差増幅回路19に基準電圧を提供する基準電圧生成回路41の波形(vref_reg)が、第1電源線Vddのレベル上昇に応答して、参照電圧Vrefに向けて上昇する。
【0057】
時刻t1において、第1電源線Vddのレベルがトランジスタ27bのしきい値VTH(27b)を超えると、しきい値VTH(27b)以下で僅かな電流を流していたトランジスタ27bが実質的に導通して、電流源回路27の電流(I3)が流れ始める。電流源回路27は、定電流(Iconst)を生成できる。
【0058】
時刻t2において、第1電源線Vddが完全に立ち上がると、基準電圧生成回路41の出力(vref_reg)が参照電圧Vrefを提供する。誤差増幅回路19が誤差増幅の動作を行うと、レギュレータ出力17の電圧(reg_out)が第1駆動トランジスタ23からの電力の供給によって上昇する。レギュレータ出力17の電圧の上昇に応答して、誤差検出回路39からの帰還電圧vfbが誤差増幅回路19に与えられる。帰還電圧vfbの上昇に応答して、第1駆動トランジスタ23からの電力の供給が進む。電流回路29は、レギュレータ出力17から給電される。
【0059】
時刻t3において、レギュレータ出力17の電圧が電流回路29のトランジスタ(29a、29b、29c)のしきい値VT(29b)、VT(29c)を超えると、電流回路29が動作かのうになる。キャパシタ回路31のキャパシタ30の充電又は放電が可能になる。規定の電流値より小さい電流により、キャパシタ30が、例えば充電されるとき、キャパシタ回路31の出力(vcap)の電圧は、徐々に上昇する。
【0060】
時刻t4において、レギュレータ出力17の電圧(reg_out)がトランジスタ(29a、29c)が飽和領域で動作可能な程度に上昇すると、電流回路29の電流ミラー回路が電流ミラーの動作を始める。レギュレータ出力17の電圧(reg_out)の上昇により、キャパシタ回路31のキャパシタ30は、定電流により充電され又は放電されることができる。キャパシタ回路31の出力(vcap)の電圧は、線形に変化する。
【0061】
時刻t5において、レギュレータ出力17の電圧(reg_out)がほぼ正規の電圧Vregになり、これに応答して、誤差検出回路39からの帰還電圧vfbが一定になる。
【0062】
時刻t6において、判定器33が、キャパシタ回路31の出力(vcap)の電圧が判定値を横切ったことを検知すると、判定信号SDETを生成する。判定信号SDETの生成に応答して、駆動回路24は、誤差増幅回路19が第2駆動トランジスタ25を制御することを可能にして、レギュレータの駆動能力が高まる。
【0063】
時刻t4から判定信号SDETの生成までの待機時間Timeは以下の式によって近似的に計算される。
Time=(キャパシタ30の容量)×(判定器33の判定電圧)/(電流回路29の出力電流I6)
待機時間Timeが、レギュレータ出力17の電圧が所望の電圧に達する時刻t5よりも長い時間になるように、調整されることができる。この調整は、例えば、キャパシタ30の容量、判定器33の判定電圧、及び/又は電流回路29の出力電流I6によって可能である。
【0064】
上記の説明から理解されるように、電源投入の際に第1駆動トランジスタ23を用いてレギュレータ出力17を起動して、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14に、安定した制御電圧を生成させる。このように電圧レギュレータが適切に動作した後、つまり電圧レギュレータの起動が完了した後に、第1駆動トランジスタ23に加えて第2駆動トランジスタ25を動作させてレギュレータ出力17における電流駆動能力を高める。
【0065】
本実施の形態に係る半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、電圧レギュレータ12の起動中に駆動回路24の駆動能力が切り替わることを避けられる。これ故に、電圧レギュレータ12の起動中における大電流の供給、及びこれに起因するレギュレータ出力17の電圧変動に係る課題を解決できる。
【0066】
本実施の形態に係る半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、電流回路29の電流がレギュレータ出力17の電圧に依存する。これ故に、待機時間Timeがレギュレータ出力17の電圧の変化に関連付けられる。関連付け無しの回路により生じる可能性のある問題、例えば待機時間の不足や過度の待機時間が生じにくい。
【0067】
これまでの説明から理解されるように、本実施の形態では、電圧レギュレータ12は、レギュレータ回路14、キャパシタ16及び誤差検出回路39を備えることができる。レギュレータ回路14は、制御回路13、切替判定回路15、レギュレータ出力17、及び駆動回路24を含む。キャパシタ16及び誤差検出回路39は、レギュレータ出力17に接続される。制御回路13は、レギュレータ出力17、制御出力20、誤差増幅回路19、切替回路21及び基準電圧生成回路41を含む。制御出力20は、誤差増幅回路19の出力に接続される。
【0068】
駆動回路24は、第1駆動トランジスタ23と、第1駆動トランジスタ23を制御するように構成された誤差増幅回路19と、1又は複数の第2駆動トランジスタ25とを含むことができる。切替回路21は、誤差増幅回路19による第2駆動トランジスタ25の選択的な駆動を可能にする。
【0069】
レギュレータ出力17は、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25を介して第1電源線Vddからの電力を受けるように構成される。これ故に、定常状態では、第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25は、第1電源線Vddからの電力をレギュレータ出力17に提供できる。
【0070】
切替判定回路15は、電流源回路27と、電流源回路27に接続された電流回路29と、電流回路29によって充電又は放電されるキャパシタ回路31、キャパシタ回路31の出力の電位を判定するように構成された1又は複数の判定器33を含む。キャパシタ回路31は、対応する電流回路29によって充電又は放電される1又は複数のキャパシタ30を含む。判定器33の各々は、対応するキャパシタ30の一電極30aの電位を判定して判定結果を示す判定信号SDETを生成するように構成される。
【0071】
駆動回路24は、判定器33からの判定信号SDETに応答して、駆動回路24の第2駆動トランジスタ25を選択的に駆動可能にする。
【0072】
上記のような半導体装置11及び電圧レギュレータ12を起動する方法が提供される。
図6は、この方法の主要な手順を示すフローチャートである。
【0073】
この方法では、手順S101において、半導体装置11、電圧レギュレータ12又はレギュレータ回路14を準備する。電圧レギュレータ12は、
図1から
図5の実施の形態から理解されるように、レギュレータ回路14、キャパシタ16、及び誤差検出回路39を含む。レギュレータ回路14は、半導体装置11、駆動回路24(第1駆動トランジスタ23及び第2駆動トランジスタ25)、誤差検出回路39、並びに基準電圧生成回路41を含むことができる。誤差検出回路39は、レギュレータ出力17の電圧を分圧すると共に半導体装置11の誤差増幅回路19に分圧値Vrdvを提供するように構成される。基準電圧生成回路41は、半導体装置11の誤差増幅回路19に参照電圧Vrefを提供するように構成される。
【0074】
手順S102において、電圧Vddから第1駆動トランジスタ23、第2駆動トランジスタ25、電圧レギュレータ12の制御回路13、電流源回路27、及び判定器33に給電する。
【0075】
手順S103において、第1駆動トランジスタ23がレギュレータ出力17を駆動したことに応答して、レギュレータ出力17から電流回路に29給電する。
【0076】
手順S104において、レギュレータ出力17から電流回路29に給電することに応答して、キャパシタ30に充電又は放電を行う。
【0077】
手順S105において、レギュレータ出力17から電流回路29への給電を開始した後に、判定器33の判定結果に応答して第2駆動トランジスタ25を制御する。
【0078】
この起動方法によれば、電圧レギュレータ12の起動に際して、レギュレータ出力17の電圧に基づく誤差増幅回路19の出力における値を用いて第1駆動トランジスタ23を制御する。切替判定回路15では、レギュレータ出力17の起動に応答して、電流回路29がキャパシタ回路31のキャパシタ30を充電又は放電する。また、充電又は放電に係るキャパシタ回路31のキャパシタ30の一電極30aの電位を判定器33が判定して判定結果を示す判定信号SDETを生成する。この判定信号SDETに応答する切替回路21を用いて、第2駆動トランジスタ25を誤差増幅回路19によって選択的に制御できる。
【0079】
図7は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図であり、
図7の切替判定回路15は、互いに異なる比較電圧を受けて動作する複数のコンパレータを含むA/D変換器を含むことができる。
【0080】
実施例3では、判定器33は、複数の判定回路33a、具体的にはN+1個のコンパレータcomp[0]~comp[N]を含む。コンパレータcomp[0]~comp[N]は、正入力(+)にキャパシタ回路31の出力を受けると共に、それぞれの比較電圧(vref_cmp_[0]~ref_cmp_[N])を受ける負入力(-)とを有する。これらの基準電圧は、それぞれの判定電圧を生成する参照電圧発生器42a[0]~42a[N]から提供される。
【0081】
キャパシタ回路31の出力の電圧vcapは、電流回路29による充電又は放電により変化する。この電圧変化は、互いに異なる判定電圧のコンパレータcomp[0]~comp[N]を用いて順に検出される。比較電圧(vref_cmp_[0]~vref_cmp_[N])は、例えば大きい値から小さい値に順に並べることができる。
【0082】
図1及び
図7に示された回路図から理解されるように、駆動回路24は、N+1個のコンパレータcomp[0]~comp[N]に対応するN+1個の第2駆動トランジスタ25を含む。N+1個の第2駆動トランジスタ25は、N+1個のコンパレータcomp[0]~comp[N]からのN+1個の判定信号S
DET[N:0](comp_out[0]~comp_out[N])にそれぞれ応答して動作する。具体的には、N+1個の第2駆動トランジスタ25は、N+1個の判定信号S
DET[N:0](comp_out[0]~comp_out[N])にそれぞれ応答して動作するN+1個の切替器22によって切り替えされる。切替器22の各々は、第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bを含むことができる。切替器22の各々内の第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bは、当該切替器22への判定信号S
DET[N:0]の1つに応答する。
【0083】
半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、
図3及び
図7から理解されるように、判定器33として1又は複数のコンパレータ回路43を用いることができる。コンパレータ回路43の比較しきい値は、互いに異なることができる。切替回路21は、コンパレータ回路43にそれぞれ対応する切替器22を含むことができる。
【0084】
また、半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、
図3、
図4及び
図7から理解されるように、コンパレータ回路43の一部又は全部は、シュミットトリガー回路45に置き換えられることができる。また、1又は複数のシュミットトリガー回路45は、判定器33として用いられることができる。切替回路21は、シュミットトリガー回路45にそれぞれ対応する切替器22を含むことができる。シュミットトリガー回路45の上しきい値及び下しきい値の少なくとも一方は互いに異なることができる。
【0085】
図8は、本実施の形態に係る半導体装置の切替判定回路を示す回路図であり、
図8の切替判定回路15は、コンパレータを含むけれども、コンパレータの一部又は全部は、シュミットトリガー回路に置き換えることができる。
【0086】
実施例4では、切替判定回路15は、複数の電流回路29を含むことができる。電流回路29のうち少なくとも1つは、トランジスタ29a及びトランジスタ29bを含む電流供給回路28aと、電流供給回路28aからミラー電流を受ける電流ブランチ回路28bとを含む。電流回路29のうちの残りは、電流供給回路28aに接続されてミラー電流を受ける電流ブランチ回路28bを含むことができる。電流ブランチ回路28bの各々は、電流供給回路28aのトランジスタ29bと電流ミラー回路を構成するように接続されたトランジスタ29cを含む。
【0087】
図8に示された切替判定回路15では、具体的には、電流回路29は、例えば単一の電流供給回路28aと、N+1個の電流ブランチ回路28bを含むことができる。N+1個の電流ブランチ回路28bは、符号「29[0]」から「29[N]」によって参照される。N+1個の電流ブランチ回路28bに対応して、キャパシタ回路31は、N+1個のキャパシタ30[0]~30[N]を含む。N+1個のキャパシタ30(1)~30[N]は、それぞれ、電流ブランチ回路(29[0]~29[N])の出力に接続される。N+1個のキャパシタ30[0]~30[N](cap_cmp[0]~cap_cmp[N])は、コンパレータcomp[0]~comp[N]の正入力(+)に接続される。N+1個のキャパシタ30(1)~30[N]のそれぞれの出力の電圧
(vcap[0]~vcap[N])は、電流ブランチ回路(29[0]~29[N])による充電又は放電により変化する。これらのキャパシタ30[0]~30[N]の電圧変化は、それぞれのコンパレータcomp[0]~comp[N]を用いて検出され、コンパレータcomp[0]~comp[N]は、参照電圧発生器42からの共通の判定電圧(例えば、電圧vref_cmp)を負入力(-)に受ける。
【0088】
駆動回路24は、n+1個のコンパレータcomp[0]~comp[N]に対応するN+1個の第2駆動トランジスタ25を含む。N+1個の第2駆動トランジスタ25は、N+1個のコンパレータcomp[0]~comp[N]からのN+1個の判定信号SDET[N:0](comp_out[0]~comp_out[N])にそれぞれ応答して動作する。具体的には、N+1個の第2駆動トランジスタ25は、N+1個の判定信号SDET[N:0](comp_out[0]~comp_out[N])にそれぞれ応答して動作するN+1個の切替器22によって切り替えされる。切替器22の各々は、第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bを含むことができる。切替器22の各々内の第1スイッチ24a及び第2スイッチ24bは、当該切替器22への判定信号SDET[N:0]のうちの対応する一信号に応答する。
【0089】
この実施例では、以下の少なくとも一方の形態が適用可能である。
形態1:電流ブランチ回路(29[0]~29[N])が、互いに異なるミラー電流I6[0]~I6[N]を生成する。
形態2:N+1個のキャパシタ30[0]~30[N]が、それぞれ、互いに異なる容量値cap_cmp[0]~cap_cmp[N]を有する。
【0090】
半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、判定器33として1又は複数のコンパレータ回路43を用いることができる。切替回路21は、コンパレータ回路43にそれぞれ対応する切替器22を含むことができる。また、半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、判定器33として1又は複数のシュミットトリガー回路45を用いることができる。切替回路21は、シュミットトリガー回路45にそれぞれ対応する切替器22を含むことができる。
【0091】
図7及び
図8を参照しながら説明したように、切替判定回路15は、複数の判定信号S
DET[N:0]を生成するために、コンパレータ回路43又はシュミットトリガー回路45といった複数の判定回路(43、45)を含むことができる。具体的には、半導体装置11、電圧レギュレータ12及びレギュレータ回路14によれば、判定器33は、以下のいずれかの形態を含むことができる。複数のコンパレータ回路43、複数のシュミットトリガー回路45、少なくとも1つのコンパレータ回路43、又は少なくとも1つのシュミットトリガー回路45。
【0092】
図7及び
図8を参照しながら説明したように、切替判定回路15は、複数の充電/放電回路(29、30、31)を含むことができ、判定器33は、それぞれの充電/放電回路(29、30、31)に対応する判定信号S
DET[N:0]を生成する。
【0093】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
11・・・半導体装置、12・・・電圧レギュレータ、13・・・制御回路、14・・・レギュレータ回路、15・・・切替判定回路、17・・・レギュレータ出力、19・・・誤差増幅回路、19a・・・出力、21・・・切替回路、22・・・切替器、23・・・第1駆動トランジスタ、24・・・駆動回路、24a、24b・・・スイッチ、25・・・第2駆動トランジスタ、27・・・電流源回路、29・・・電流回路、30・・・キャパシタ、30a・・・一電極、30b・・・他電極、31・・・キャパシタ回路、33・・・判定器、35・・・内部回路、37・・・外部回路、39・・・誤差検出回路、41・・・基準電圧生成回路、43・・・シュミットトリガー回路、43・・・コンパレータ回路、45・・・シュミットトリガー回路、47・・・論理回路、SDET・・・判定信号、Vdd・・・電源線、Vrdv・・・分圧値、Vref・・・参照電圧、Vss・・・接地線。