(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052413
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】バイアス回路、電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
G05F 3/26 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G05F3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159111
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関谷 勇一
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420NA16
5H420NA27
5H420NB02
5H420NB12
5H420NC02
5H420NC14
5H420NC23
5H420NE03
(57)【要約】
【課題】バンドギャップ回路の起動を可能にするバイアス回路を提供する。
【解決手段】バイアス回路11は、第1電流ブランチ17と、第2電流ブランチ19と、参照電圧出力21を含むバンドギャップ回路13と、スイッチ回路31と、電源電圧の起動の際の起動期間にスイッチ回路31を導通にさせるオン信号を生成すると共に起動の後において参照電圧出力21の変化を受けたことに応答してスイッチを非導通にするオフ信号を出力27に生成するように構成されたスイッチ制御回路33を含む電圧検知回路15を備え、第1電流ブランチ17において、第1電流ミラー回路は第2電流ミラー回路に第1中間ノード39において接続され、第2電流ブランチ19において、第2電流ミラー回路は第1電流ミラー回路に第2中間ノード41において接続され、スイッチ回路31は、第1中間ノード39と第2電源線との間に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続された第1電流ブランチと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続された第2電流ブランチと、基準電圧を提供するように構成された参照電圧出力と、を含むバンドギャップ回路と、
スイッチ回路と、
出力と、前記参照電圧出力に接続された入力と、前記第1電源線と前記第2電源線との間に印加される電源電圧の起動の際の起動期間に前記スイッチ回路を導通にさせるオン信号を前記出力に生成すると共に前記起動の後において前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力の変化を前記入力を介して受けたことに応答して前記スイッチ回路を非導通にするオフ信号を前記出力に生成するように構成されたスイッチ制御回路と、を含む電圧検知回路と、
を備え、
前記バンドギャップ回路は、前記第1電流ブランチに流れる電流に基づく信号を前記第1電流ブランチから前記第2電流ブランチへの方向に伝搬させるように構成されると共に前記第1電源線から給電される第1電流ミラー回路と、前記第2電流ブランチに流れる電流に基づく信号を前記第2電流ブランチから前記第1電流ブランチへの方向に伝搬させるように構成されると共に前記第2電源線から給電される第2電流ミラー回路と、を含み、
前記第1電流ブランチにおいて、前記第1電流ミラー回路は前記第2電流ミラー回路に第1中間ノードにおいて接続され、
前記第2電流ブランチにおいて、前記第2電流ミラー回路は前記第1電流ミラー回路に第2中間ノードにおいて接続され、
前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力は、前記第1中間ノード及び前記第2中間ノードのいずれか一方に接続され、
前記スイッチ回路は、前記第1中間ノードと前記第2電源線との間に接続される、
バイアス回路。
【請求項2】
前記第1電流ブランチは、受動素子、ダイオード接続された第1トランジスタ、及び第2トランジスタを含み、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、及び前記受動素子は、前記第1電流ブランチにおいて前記第1電源線から前記第2電源線への向きに順に直列に接続され、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記第1中間ノードを介して互いに接続され、
前記第2電流ブランチは、ダイオード接続された第3トランジスタ、及び第4トランジスタを含み、
前記第4トランジスタ及び前記第3トランジスタは、前記第1電源線から前記第2電源線への向きに順に直列に接続され、
前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、前記第2中間ノードを介して互いに接続され、
前記第1電流ミラー回路は、前記第1トランジスタ及び前記第4トランジスタを含み、
前記第2電流ミラー回路は、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタを含む、
請求項1に記載されたバイアス回路。
【請求項3】
前記スイッチ回路は、前記電圧検知回路の前記出力に接続されたゲート、前記第1中間ノード及び前記第2中間ノードのいずれか一方のノードに接続されたドレイン、及び前記第2電源線に接続されたソースを有するトランジスタを含む、
請求項1に記載されたバイアス回路。
【請求項4】
前記電圧検知回路は、前記第1中間ノード及び前記第2中間ノードのいずれか一方のノードに接続された前段回路と、前記前段回路の出力に接続された反転回路と、前記反転回路の出力の変化に応答して前記オフ信号を生成するように構成された出力回路と、を含み
前記反転回路は、前記前段回路の出力からの信号によって制御されるトランジスタと、前記トランジスタに直列に接続された受動素子を含む負荷回路とを含み、
前記負荷回路は、前記起動期間に、前記反転回路の出力の電圧を前記第1電源線又は前記第2電源線のいずれかの電圧に近づける、
請求項1に記載されたバイアス回路。
【請求項5】
前記負荷回路は、前記起動期間に、前記反転回路の出力の電圧を前記第1電源線又は前記第2電源線のいずれかに接続する、
請求項4に記載されたバイアス回路。
【請求項6】
前記負荷回路は、前記トランジスタに直列に接続された抵抗体を含む、
請求項5に記載されたバイアス回路。
【請求項7】
前記反転回路は、前記第1電源線と前記反転回路の出力との間に接続された第1キャパシタと、前記第2電源線と前記反転回路の前記出力との間に接続された第2キャパシタと、を含み、
前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの一方のキャパシタンスは、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの他方のキャパシタンスより大きい、
請求項4に記載されたバイアス回路。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載されたバイアス回路と、
前記バイアス回路の前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力に接続された参照入力を有するレギュレータ回路と、
を備える電圧レギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイアス回路、及び電圧レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バイアス回路を用いるレギュレータ回路を開示する。レギュレータ回路では、バイアス回路で発生した定電圧で誤差増幅器の動作電流を決定し、該誤差増幅器において基準電圧と出力電圧を比較して出力電圧を一定値に制御する。このレギュレータ回路は、電源電圧VDDの立ち上がりを検出してバイアス回路の出力電圧を一時的に大きくする制御回路を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、ディプレッション型トランジスタを用いる技術を開示する。しかしながら、ディプレッション型トランジスタの作成には、追加の工程を必要とする。
【0005】
ディプレッション型トランジスタは、単一のキャパシタの一端に接続される。キャパシタの他端は、電源線に接続される。起動時に、キャパシタの一端の電圧は、電源線VDDの電圧に引き上げられて、短絡用トランジスタを導通させる。次いで、このキャパシタの一端の電圧は、ディプレッション型トランジスタによって電源VSSに引き下げられて、短絡用トランジスタを非導通にする。単一のキャパシタは、実際のレイアウトでは、回路図に現れない見えない寄生キャパシタと結合する。短絡用トランジスタの導通期間は、キャパシタのキャパシタンス及びディプレッション型トランジスタの電流によって規定される。
【0006】
このような技術を用いずに、電源電圧の起動時にバンドギャップ回路を起動させて、バンドギャップ回路を定常状態の動作に移行させることが求められる。
【0007】
本発明は、バンドギャップ回路の起動を可能にするバイアス回路、及びこのバイアス回路を含む電圧レギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1側面に係るバイアス回路は、第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続された第1電流ブランチと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続された第2電流ブランチと、基準電圧を提供するように構成された参照電圧出力と、を含むバンドギャップ回路と、スイッチ回路と、出力、前記参照電圧出力に接続された入力、及び前記第1電源線と前記第2電源線との間に印加される電源電圧の起動の際の起動期間に前記スイッチ回路を導通にさせるオン信号を前記出力に生成すると共に前記起動の後において前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力の変化を前記入力を介して受けたことに応答して前記スイッチ回路を非導通にするオフ信号を前記出力に生成するように構成されたスイッチ制御回路、を含む電圧検知回路と、を備え、前記バンドギャップ回路は、前記第1電流ブランチに流れる電流に基づく信号を前記第1電流ブランチから前記第2電流ブランチへの方向に伝搬させるように構成されると共に前記第1電源線から給電される第1電流ミラー回路と、前記第2電流ブランチに流れる電流に基づく信号を前記第2電流ブランチから前記第1電流ブランチへの方向に伝搬させるように構成されると共に前記第2電源線から給電される第2電流ミラー回路と、を含み、前記第1電流ブランチにおいて、前記第1電流ミラー回路は前記第2電流ミラー回路に第1中間ノードにおいて接続され、前記第2電流ブランチにおいて、前記第2電流ミラー回路は前記第1電流ミラー回路に第2中間ノードにおいて接続され、前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力は、前記第1中間ノード及び前記第2中間ノードのいずれか一方に接続され、前記スイッチ回路は、前記第1中間ノードと前記第2電源線との間に接続される。
【0009】
本発明の第2側面に係る電圧レギュレータは、第1側面に係るバイアス回路と、前記バイアス回路の前記バンドギャップ回路の前記参照電圧出力に接続された参照入力を有するレギュレータ回路と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記の側面によれば、バンドギャップ回路の起動を可能にするバイアス回路、及びこのバイアス回路を含む電圧レギュレータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係るバイアス回路を概略的に示す図面である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るバンドギャップ回路の回路接続を示す回路図である。
【
図3】
図3は、例示的なバイアス回路を示す回路図である。
【
図4】
図4は、バイアス回路を用いるレギュレータを概略的に示す図面である。
【
図5】
図5は、
図3及び
図4に示された主要な電圧ノードの波形変化を示す図面である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、本実施形態に係るバイアス回路の実施例を示す図面である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、本実施形態に係るバイアス回路の実施例を示す図面である。
【
図8】
図8(a)、
図8(b)及び
図8(c)は、本実施の形態に係るレギュレータ回路を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一又は類似の要素には、同一又は類似の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るバイアス回路を概略的に示す図面である。
【0014】
バイアス回路11は、バンドギャップ回路13(バンドギャップレファレンス回路)、電圧検知回路15、及びスイッチ回路31を備える。引き続く説明において、「接続」の語句は、「直接」及び「間接」の区別なく用いられる場合、直接の接続だけでなく、別の回路素子(トランジスタ及び抵抗体)を経由した間接の接続をも包含する。
【0015】
バンドギャップ回路13は、第1電流ブランチ17、第2電流ブランチ19、及び基準電圧を提供するように構成された参照電圧出力21を含む。第1電流ブランチ17及び第2電流ブランチ19は、第1電源線23と、第1電源線23と異なる第2電源線25との間に接続される。第1電源線23及び第2電源線25の一方は、例えば高電位電源(Vdd)に接続されており、第1電源線23及び第2電源線25の他方は、例えば低電位電源(Vss)に接続されることができる。
【0016】
電圧検知回路15は、出力27、入力29、及びスイッチ制御回路33を含む。
【0017】
入力29は、参照電圧出力21に接続されて、バンドギャップ回路13出力電圧を受ける。
【0018】
スイッチ制御回路33は、第1電源線23と第2電源線25との間に印加される電源電圧の起動の際の起動期間にスイッチ回路31を導通にさせるオン信号SONを出力27に生成する。また、スイッチ制御回路33は、起動の後においてバンドギャップ回路13の参照電圧出力21の変化を入力29を介して受けたことに応答してスイッチ回路31を非導通にするオフ信号SOFFを出力27に生成するように構成される。
【0019】
電圧検知回路15の出力27は、スイッチ回路31を導通/非導通を制御するようにスイッチ回路31に接続される。具体的には、スイッチ回路31は、スイッチ制御回路33からのオン信号SONに応答して導通になり、スイッチ回路31は、スイッチ制御回路33からのオフ信号SOFFに応答して非導通になる。
【0020】
バンドギャップ回路13は、第1電流ミラー回路35及び第2電流ミラー回路37を含む。第1電流ミラー回路35は、第1電源線23から給電され、また第1電流ブランチ17に流れる電流の大きさに基づく信号を第1電流ブランチ17から第2電流ブランチ19への向き(矢印35aに示される方向)に伝搬させる。この信号伝搬によって、第1電流ミラー回路35は、第1電流ブランチ17の電流を第2電流ブランチ19の電流能力に関連付けることができる。具体的には、第1電流ミラー回路35は、矢印35aに示される方向に第1電流ミラー回路35内において伝搬する信号を生成する。第1電流ミラー回路35は、第1電流ブランチ17に流れる電流に関連付けられた電流を第2電流ブランチ19に流す(帰還する)ように構成されることができる。
【0021】
第2電流ミラー回路37は、第2電源線25から給電され、また第2電流ブランチ19に流れる電流の大きさに基づく信号を第2電流ブランチ19から第1電流ブランチ17への向き(矢印37aに示される方向)に伝搬させる。この信号伝搬によって、第2電流ミラー回路37は、第2電流ブランチ19の電流を第1電流ブランチ17の電流能力に関連付けることができる。具体的には、第2電流ミラー回路37は、矢印37aに示される方向(第2電流ブランチ19から第1電流ブランチ17への方向)に伝搬する信号を生成する。第2電流ミラー回路37は、第2電流ブランチ19に流れる電流に関連付けられた電流を第1電流ブランチ17に流す(帰還する)ように構成されることができる。
【0022】
第1電流ブランチ17において、第1電流ミラー回路35は第2電流ミラー回路37に第1中間ノード39において接続される。また、第2電流ブランチ19において、第2電流ミラー回路37は第1電流ミラー回路35に第2中間ノード41において接続される。
【0023】
バンドギャップ回路13の参照電圧出力21は、第1電流ブランチ17内の第1中間ノード39、及び第2電流ブランチ19内の第2中間ノード41のいずれか一方に接続される。
【0024】
スイッチ回路31は、第1中間ノード39と第2電源線25との間に接続され、或いは第2中間ノード41と第1電源線23との間に接続される。
【0025】
電源電圧の起動の際の起動期間にスイッチ回路31が第1中間ノード39を第2電源線25に接続すると、第1電流ブランチ17の第1電流ミラー回路35及びスイッチ回路31の経路に電流が流れる。第1中間ノード39の電位は、バンドギャップ回路13が通常動作において第1中間ノード39に生成する電圧より第2電源線25の電圧に近い値である。これ故に、スイッチ回路31に流れる電流は、バンドギャップ回路13の通常動作において流れる電流より大きな値である。この電流値に係る信号は、第1電流ミラー回路35を介して第1電流ブランチ17から第2電流ブランチ19に伝搬される。この伝搬により第2電流ブランチ19に流されるべき電流は、バンドギャップ回路13の通常動作において第1電流ミラー回路35を介して第2電流ブランチ19に流れる電流より大きな値である。第2中間ノード41の電位は、第2電流ブランチ19における第2電流ミラー回路37に電流能力に第2電流ブランチ19における第1電流ミラー回路35の電流を釣り合わせるように変化する。
【0026】
スイッチ回路31の導通により、第1中間ノード39及び第2中間ノード41の電位はバンドギャップ回路13が通常動作における値から変更されている。電圧検知回路15は、第1中間ノード39及び第2中間ノード41の一方に接続されたバンドギャップ回路13の参照電圧出力21の変化に応答して、スイッチ回路31を非導通にする信号を生成する。スイッチ回路31が非道通になったことに応答して、既に起動されたバンドギャップ回路13は、通常動作の安定状態に遷移していく。
【0027】
バンドギャップ回路13は、第1電流ブランチ17及び第2電流ブランチ19の少なくとも一方において、第1電流ミラー回路35と第1電源線23との間に及び/又は第2電流ミラー回路37と第2電源線25との間に接続された2端子の受動素子といった回路素子43(抵抗体及びダイオード)を含むことができる。
【0028】
図2は、本実施の形態に係るバンドギャップ回路の回路接続を示す回路図である。
【0029】
バンドギャップ回路13は、少なくとも4つのトランジスタ、
図2においては第1トランジスタ45、第2トランジスタ46、第3トランジスタ47及び第4トランジスタ48を含むことができる。
【0030】
第1電流ブランチ17は、第1中間ノード39、回路素子43、ダイオード接続された第1トランジスタ45、及び第2トランジスタ46を含む。第1トランジスタ45、第2トランジスタ46、及び回路素子43は、第1電流ブランチ17において第1電源線23から第2電源線25への向きに順に直列に接続される。第1トランジスタ45及び第2トランジスタ46は、第1中間ノード39を介して互いに接続される。
【0031】
第2電流ブランチ19は、第2中間ノード41、ダイオード接続された第3トランジスタ47、及び第4トランジスタ48を含む。第4トランジスタ48及び第3トランジスタ47は、第1電源線23から第2電源線25への向きに順に直列に接続される。
【0032】
第1電流ミラー回路35は、第1トランジスタ45及び第4トランジスタ48を含み、第2電流ミラー回路37は、第2トランジスタ46及び第3トランジスタ47を含む。
【0033】
第1トランジスタ45、第2トランジスタ46、第3トランジスタ47及び第4トランジスタ48の各々は、電界効果トランジスタ又はバイポーラトランジスタを含むことができる。トランジスタの制御端子は、符号「G」として参照されて、電界効果トランジスタのゲート及びバイポーラトランジスタのベースを包含する。トランジスタの第1電流端子は、符号「S」として参照されて、電界効果トランジスタのソース及びバイポーラトランジスタのエミッタを包含する。トランジスタの第2電流端子は、符号「D」として参照されて、電界効果トランジスタのドレイン及びバイポーラトランジスタのコレクタを包含する。
【0034】
図2を参照すると、スイッチ回路31は、以下の形態の少なくとも一方の位置に接続されることができる。
接続1:第1中間ノード39と第2電源線25との間。
接続2:第2中間ノード41と第1電源線23との間。
【0035】
接続1の場合に、バイアス回路11は以下のように動作する。
【0036】
バイアス回路11によれば、電圧検知回路15が、第1電源線23と第2電源線25との間に印加される電源電圧の起動の際の起動期間にスイッチ回路31を導通させると、第1電流ブランチ17の第1トランジスタ45及びスイッチ回路31の経路に電流が流れる。第1中間ノード39の電位は、バンドギャップ回路13が通常動作において第1中間ノード39に生成する電圧より第2電源線25の電圧に近い値である。これ故に、第1トランジスタ45に流れる電流は、バンドギャップ回路13の通常動作において流れる電流より大きな値である。この電流の大きさは、第1電流ミラー回路35内における信号を介して伝達させて第4トランジスタ48及び第3トランジスタ47を流れる電流を規定する。第1電流ミラー回路35に基づく第2電流ブランチ19の電流は、バンドギャップ回路13の通常動作においてダイオード接続された第3トランジスタ47に流れ得る電流より大きな値である。第2中間ノード41の電位は、ダイオード接続された第3トランジスタ47に電流能力に応じて第4トランジスタ48からの電流を減らすように変化する。第2中間ノード41の電位は、バンドギャップ回路13が通常動作において第2中間ノード41に生成する電圧より第1電源線23の電圧に近い値である。
【0037】
接続2の場合に、バイアス回路11は以下のように動作する。
【0038】
電圧検知回路15が、第1電源線23と第2電源線25との間に印加される電源電圧の起動の際の起動期間にスイッチ回路31を導通させると、第2電流ブランチ19において第3トランジスタ47及びスイッチ回路31の経路に電流が流れる。第2中間ノード41の電位は、バンドギャップ回路13が通常動作において第2中間ノード41に生成する電圧より第1電源線23の電圧に近い値である。これ故に、第3トランジスタ47に流れる電流は、バンドギャップ回路13の通常動作において流れる電流より大きな値である。この電流の大きさは、第2電流ミラー回路37内における信号を介して伝達させて第2トランジスタ46及び第1トランジスタ45を流れる電流を規定する。第2電流ミラー回路37に基づく第1電流ブランチ17の電流は、バンドギャップ回路13の通常動作においてダイオード接続された第1トランジスタ45に流れ得る電流より大きな値である。第1中間ノード39の電位は、ダイオード接続された第1トランジスタ45に電流能力に応じて第2トランジスタ46からの電流を減らすように変化する。第1中間ノード39の電位は、バンドギャップ回路13が通常動作において第1中間ノード39に生成する電圧より第2電源線25の電圧に近い値である。
【0039】
このように、スイッチ回路31の導通により、第1中間ノード39及び第2中間ノード41の電位はバンドギャップ回路13が通常動作における値から変更されている。しかしながら、この変更は、バンドギャップ回路13の起動を可能にする。
【0040】
電圧検知回路15は、第1中間ノード39及び第2中間ノード41の一方に接続されたバンドギャップ回路13の参照電圧出力の変化に応答して、スイッチ回路31を非導通にする信号SOFFを生成する。スイッチ回路31が非道通になったことに応答して、既に起動されたバンドギャップ回路13は、通常動作の安定状態に遷移していく。
【0041】
例示的なスイッチ回路31は、電圧検知回路15の出力27に接続された制御電極(G)、第1電源線23又は第2電源線25に接続された第1電流電極(S)、及び第1中間ノード39及び第2中間ノード41のいずれか一方のノードに接続された第2電流電極(D)を有するトランジスタを含むことができる。
【0042】
スイッチ回路31が第1中間ノード39及び第2中間ノード41のいずれに又は両方に接続される回路では、起動時に、電圧検知回路15はスイッチ回路31を確実に導通させる制御を行うように構成される。スイッチ回路31が導通になったバンドギャップ回路13では、起動時に、第1中間ノード39及び第2中間ノード41が、それぞれ、第2電源線25の電位及び第1電源線23の電位に近づく。起動時における第1中間ノード39又は第2中間ノード41の電位は電圧検知回路15に伝わり、電圧検知回路15は、スイッチ回路31を非導通にする制御を行うように構成される。スイッチ回路31が非導通になったバンドギャップ回路13では、第1中間ノード39及び第2中間ノード41の電位は、通常動作時における定常状態に向けて変化していく。
【0043】
図3は、例示的なバイアス回路を示す回路図である。電圧検知回路15は、前段回路51と、反転回路53と、出力回路55を含む。
【0044】
電圧検知回路15では、前段回路51は、第1中間ノード39及び第2中間ノード41のいずれか一方のノード、
図3では第2中間ノード41からの信号を受ける反転器を含む。反転回路53は、前段回路51の出力からの信号を受ける反転器を含む。出力回路55は、反転回路53からの信号を受ける反転器を含む。
【0045】
反転回路53は、電源電圧の起動時に、反転回路53の入力に関係なく、スイッチ回路31を導通させる信号(論理値:ハイ(H)又はロウ(L)の信号)を出力回路55の出力に確実に提供できるプルダウン回路52bを含む。プルダウン回路52bは、前段回路51の出力からの信号に応答して動作するトランジスタ52aの第2電流電極(D)と第2電源線25(Vss)との間に接続された抵抗素子(52b)を含む。抵抗素子は、電源電圧の起動時に反転回路53の入力に関係なく、出力回路55にロウ信号を提供する。このロウ信号に応答して、出力回路55は、スイッチ回路31を導通させるON信号を生成できる。
【0046】
バンドギャップ回路13は、スイッチ回路31の導通に応答して、前段回路51の入力にハイ信号を提供する。この信号に応答して、前段回路51は、反転回路53にロウ信号を提供する。この信号に応答して、反転回路53は、プルダウン回路52bに打ち勝って、出力回路55にハイ信号を提供する。出力回路55は、反転回路53の出力の変化に応答して、スイッチ回路31を非導通にするオフ信号SOFFを生成する。
【0047】
図4は、バイアス回路を用いるレギュレータを概略的に示す図面である。
【0048】
レギュレータ12は、本実施の形態に係るバイアス回路11、及び電圧レギュレータ14を含む。電圧レギュレータ14は、バイアス回路11のバンドギャップ回路13の参照電圧出力21に接続された参照入力16aを有する。電圧レギュレータ14は、出力16bに電源電圧VDDLを提供する。
【0049】
図5は、
図3及び
図4に示された主要な電圧ノード(VDDL,b1_in、powerup、bh、b1)の波形変化を示す。時刻t0において、外部電源Vddが立ち上がると、バイアス回路11及び電圧レギュレータ14が給電される。バイアス回路11のバンドギャップ回路13は、参照電圧出力21に適切な参照電圧を生成していない。
【0050】
電圧検知回路15の反転回路53のプルダウン回路52bの働きにより、出力回路55は、電源電圧の立ち上がりに際して速やかに、出力に、スイッチ回路31を導通させる信号powerupを生成する。スイッチ回路31の導通により、バンドギャップ回路13は起動される。
【0051】
時刻t1においては、スイッチ回路31のトランジスタ十分に導通する。スイッチ回路31の導通に応答して、トランジスタ45の制御電極(G)及び第2電流電極(D)に接続されたノードbh(第1中間ノード39)が、低くなる。
【0052】
時刻t2において、電流ミラー回路35による信号の伝搬により、ノードb1(第2中間ノード)は、電源電圧Vddに近い電圧値に上昇する。ノードb1(第2中間ノード41)の電圧上昇に応答して、前段回路51の出力がロウ信号を生成する。
【0053】
時刻t3において、このロウ信号に応答して、反転回路53の出力(b1_in)は、ハイ信号を生成する。出力回路55は、反転回路53の出力からの信号に応答して信号powerupを反転させる。反転された信号powerupに応答して、スイッチ回路31が非導通になる。
【0054】
時刻t3においてスイッチ回路31が開くので、バイアス回路11では、起動されたバンドギャップ回路13は、バンドギャップ回路13自身の安定状態(通常動作の状態)に向けて変化していく。時刻t4において、バンドギャップ回路13は安定状態に到達する。ノードbhは、電源電圧Vddからp型電界効果トランジスタのしきい値VTP程度の低い値に落ち着き、ノードb1は、n型電界効果トランジスタのしきい値VTN程度の値に落ち着く。
【0055】
図6(a)及び
図6(b)は、本実施形態に係るバイアス回路の実施例を示す図面である。
【0056】
図6(a)を参照すると、バイアス回路11aが示されている。
【0057】
バイアス回路11aでは、電圧検知回路15aは、前段回路51a、反転回路53a、及び出力回路55aを含む。前段回路51aは、バンドギャップ回路13の第2中間ノード41に接続されたトランジスタ50aを含み、トランジスタ50aは、負荷回路として動作するダイオード接続されたトランジスタ50bに共有ノード50cにおいて接続される。
【0058】
反転回路53aは、共有ノード50cに接続されたトランジスタ52aを含み、トランジスタ52aは、負荷回路として動作する抵抗素子(52b)の一端と共有ノード52cにおいて接続される。抵抗素子(52b)の他端は、第2電源線25(Vss)に接続される。抵抗素子(52b)は、トランジスタ52aが非導通又は弱い電流能力のときに、プルダウン抵抗として動作する。
【0059】
出力回路55aは、共有ノード52cに接続されたインバータ54aを含み、出力回路55a出力は、スイッチ回路31のトランジスタ32aの制御電極に接続される。トランジスタ32aは、バンドギャップ回路13の第1中間ノード39と第2電源線25との間に接続される。
【0060】
具体的には、トランジスタ52aは、ダイオード接続されたトランジスタ50bと電流ミラー回路を形成する。このミラー比に応じて、反転回路53aのトランジスタ52aに流れる電流を小さくでき、プルダウン抵抗に流れる電流を低減でき、またこの電流値及びプルダウン抵抗値は、インバータ54aのしきい値より高いハイレベルを生成することを容易にする。
【0061】
図6(b)を参照すると、バイアス回路11bが示されている。
【0062】
バイアス回路11bでは、電圧検知回路15bは、前段回路51b、反転回路53b、及び出力回路55bを含む。前段回路51bは、バンドギャップ回路13の第1中間ノード39に接続されたトランジスタ50dを含み、トランジスタ50dは、負荷回路として動作するダイオード接続されたトランジスタ50eに共有ノード50fにおいて接続される。
【0063】
反転回路53bは、共有ノード50fに接続されたトランジスタ52dを含み、トランジスタ52dは、負荷回路として動作する抵抗素子(52e)の一端と共有ノード52fにおいて接続される。抵抗素子(52e)の他端は、第1電源線23(Vdd)に接続される。抵抗素子(52e)は、トランジスタ52dが非導通又は弱い電流能力のときに、プルアップ抵抗として動作する。
【0064】
出力回路55aは、共有ノード52fに接続されたインバータ54bを含み、出力回路55a出力は、スイッチ回路31のトランジスタ32bの制御電極に接続される。トランジスタ32bは、バンドギャップ回路13の第2中間ノード41と第1電源線23との間に接続される。
【0065】
具体的には、トランジスタ52dは、ダイオード接続されたトランジスタ50eと電流ミラー回路を形成する。このミラー比に応じて、反転回路53bのトランジスタ52dに流れる電流を小さくでき、プルアップ抵抗に流れる電流を低減でき、またこの電流値及びプルアップ抵抗値は、インバータ54aのしきい値より低いロウレベルを生成することを容易にする。
【0066】
プルダウン抵抗又はプルアップ抵抗を利用する回路は、起動期間に、当該回路の出力が抵抗体(プルダウン抵抗又はプルアップ抵抗)を介して第1電源線23又は第2電源線25のいずれかに接続される。プルダウン抵抗及びプルアップ抵抗を利用すると、起動時に、電圧検知回路15b内のある回路ノードが、確実に第2電源線25の電位に近い値又は第1電源線23の電位に近い値に設定される。プルダウン抵抗又はプルアップ抵抗を利用する回路は、出力回路55aの直前段に配置されることがよい。
【0067】
出力回路55a、55bは、プルダウン抵抗又はプルアップ抵抗を利用する回路の後段に接続される。出力回路55a、55bは、スイッチ回路31のトランジスタ32a又は32bのいずれかの使用、及び第1中間ノード39又は第2中間ノード41のいずれかからの入力に応じて、反転回路から非反転回路に置き換えられることができる。また、前段回路51a、51bは、プルダウン抵抗又はプルアップ抵抗を利用する回路の前段に接続される。前段回路51a、51bは、スイッチ回路31のトランジスタ32a又は32bのいずれかの使用、及び第1中間ノード39又は第2中間ノード41のいずれかからの入力に応じて、反転回路から非反転回路に置き換えられることができる。
【0068】
これまでの説明から理解されるように、電圧検知回路15(15a、15b)は、スイッチ回路31のトランジスタ32a又は32bのいずれかの使用、及び第1中間ノード39又は第2中間ノード41のいずれかからの入力に応じて、変更されることができる。
【0069】
図7(a)及び
図7(b)は、本実施形態に係るバイアス回路の実施例を示す図面である。
【0070】
図7(a)を参照すると、バイアス回路11cが示されている。
【0071】
バイアス回路11cでは、電圧検知回路15cは、前段回路51a、反転回路53c、及び出力回路55aを含む。
【0072】
反転回路53cは、共有ノード50cに接続されたトランジスタ52aを含み、トランジスタ52aは、共有ノード52cにおいて負荷回路(52b)と接続される。反転回路53cは、さらに、共有ノード52cに接続された第1キャパシタ52g及び第2キャパシタ52h(直列キャパシタにより電源電圧を分圧する回路)を含み、第1キャパシタ52gは、第1電源線23と共有ノード52cとの間に接続されると共に、第2キャパシタ52hは、第2電源線25と共有ノード52cとの間に接続される。第2キャパシタ52hのキャパシタンスは第1キャパシタ52gのキャパシタンスに比べて非常に大きく、このキャパシタンス比により、起動時には、共有ノード52cの電位は、一時的に、第2電源線25の電位に近くなる。
【0073】
図7(b)を参照すると、バイアス回路11dが示されている。
【0074】
バイアス回路11dでは、電圧検知回路15dは、前段回路51b、反転回路53d、及び出力回路55bを含む。
【0075】
反転回路53dは、共有ノード50fに接続されたトランジスタ52dを含み、トランジスタ52dは、共有ノード52fにおいて負荷回路(52e)と接続される。反転回路53dは、さらに、共有ノード52fに接続された第1キャパシタ52i及び第2キャパシタ52j(直列キャパシタにより電源電圧を分圧する回路)を含み、第1キャパシタ52iは、第1電源線23と共有ノード52fとの間に接続されると共に、第2キャパシタ52jは、第2電源線25と共有ノード52cとの間に接続される。第1キャパシタ52iのキャパシタンスは第2キャパシタ52jのキャパシタンスに比べて非常に大きく、このキャパシタンス比により、起動時には、共有ノード52fの電位は、一時的に、第1電源線23の電位に近くなる。
【0076】
これまでの説明から理解されるように、スイッチ回路31は、第1中間ノード39又は第2中間ノード41に接続されることができる。第1中間ノード39に接続されるスイッチ回路31は、その導通に応答して第1中間ノード39を第2電源線25の電位に近づけ、第2中間ノード41に接続されるスイッチ回路31は、その導通に応答して第2中間ノード41を第1電源線23の電位に近づける。
【0077】
また、電圧検知回路15の入力は、バンドギャップ回路13の第1中間ノード39又は第2中間ノード41に接続されることができる。
【0078】
具体的には、変化の形態は、以下になる。
【0079】
形態1
スイッチ回路31が第1中間ノード39に接続されると共に電圧検知回路15が第2中間ノード41に接続される場合、電圧検知回路15は、入力値に対して出力値を反転させる反転器として構成される。
【0080】
形態2
スイッチ回路31が第2中間ノード41に接続されると共に電圧検知回路15が第1中間ノード39に接続される場合、電圧検知回路15は、入力値に対して出力値を反転させる反転器として構成される。
【0081】
形態3
スイッチ回路31及び電圧検知回路15の入力が第2中間ノード41に接続される場合、電圧検知回路15は、入力値に対して出力値を反転させない非反転器として構成される。
【0082】
形態4
スイッチ回路31及び電圧検知回路15の入力が第1中間ノード39に接続される場合、電圧検知回路15は、入力値に対して出力値を反転させない非反転器として構成される。
【0083】
図1に示されるように、電圧検知回路15は、前段回路51、反転回路53、及び出力回路55を含む。前段回路51は、バンドギャップ回路13に接続され反転回路53の前置される回路を含み、出力回路55は、スイッチ回路31に接続され反転回路53の後置される回路を含む。
【0084】
図6(a)から
図7(b)に示されるように、電圧検知回路15は、プルアップ抵抗、プルダウン抵抗、又は直列キャパシタによる電圧分圧回路を含み、これらは、反転回路53の一部として提供される。
【0085】
電圧検知回路15が反転器として動作する回路では、前段回路51は反転器であり、出力回路55は反転器である。或いは、前段回路51は非反転器であり、出力回路55は非反転器である。
【0086】
電圧検知回路15が非反転器として動作する回路では、前段回路51は非反転器であり、出力回路55は反転器である。或いは、前段回路51は反転器であり、出力回路55は非反転器である。
【0087】
本実施の形態に係るバイアス回路11は、例えば電圧レギュレータ14に適用されることができ、またこれに限定されることなく、基準電圧を必要とする回路に適用されることができる。
【0088】
図8(a)、
図8(b)及び
図8(c)は、本実施の形態に係るレギュレータ回路を示す図面である。
【0089】
図8(a)を参照すると、レギュレータ回路14aは、誤差増幅回路61a、出力トランジスタ61b、基準電圧生成回路61c、及び電圧分割回路61dを含む。レギュレータ回路14aは、出力VDDLに制御された電圧を提供する。電圧分割回路61dは、出力VDDLに接続されて、出力VDDLの分圧電圧(帰還電圧)を生成する。誤差増幅回路61aは、基準電圧生成回路61cからの基準電圧及び電圧分割回路61dからの帰還電圧を受けて、出力トランジスタ61bを制御する信号を生成する。本実施形態に係るバイアス回路11は、例えば基準電圧生成回路61cに含まれることができる。
【0090】
図8(b)を参照すると、レギュレータ回路14bは、誤差増幅回路61aがボルテージフォロアーとして提供されている。本実施形態に係るバイアス回路11は、例えば誤差増幅回路61aの演算増幅器に接続されることができる。
【0091】
図8(c)を参照すると、レギュレータ回路14cは、基準電圧生成回路61f及び差動増幅回路61gを含む。差動増幅回路61gは、基準電圧生成回路61fからの基準電圧及び電圧分割回路61dからの帰還電圧を受けて、出力トランジスタ61bを制御する信号を生成する。本実施形態に係るバイアス回路11は、例えば差動増幅回路61gの電流源トランジスタにバイアス電圧を提供する。差動増幅回路61gは、電流ミラー回路を構成する負荷のトランジスタ60a、60bと、基準電圧生成回路61fの基準電圧及び電圧分割回路61dの帰還電圧をそれぞれ受ける入力トランジスタ60c、60dと、電流源のトランジスタ60eを含む。トランジスタ60eは、バイアス回路11の出力に接続されて定電流源を構成する。入力トランジスタ60c、60dは、共にトランジスタ60eの電流を流し、電流ミラー回路のトランジスタ60a、60bに接続される。
【0092】
以上説明したように、本実施の形態によれば、バンドギャップ回路の起動を可能にするバイアス回路、及びこのバイアス回路を含む電圧レギュレータを提供できる。
【0093】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
11、11a、11b、11c、11d・・・バイアス回路、12・・・レギュレータ、13・・・バンドギャップ回路、14、14a、14b、14c・・・レギュレータ回路、15、15a、15b、15c、15d・・・電圧検知回路、16a・・・参照入力、16b・・・出力、17・・・第1電流ブランチ、19・・・第2電流ブランチ、21・・・参照電圧出力、23・・・第1電源線、25・・・第2電源線、27・・・出力、29・・・入力、31・・・スイッチ回路、32a、32b・・・トランジスタ、33・・・スイッチ制御回路、35・・・第1電流ミラー回路、35a・・・矢印、37・・・第2電流ミラー回路、37a・・・矢印、39・・・第1中間ノード、41・・・第2中間ノード、43・・・回路素子、45、46、47、48、50a、50b、50d、50e、52a、52d・・・トランジスタ、50c、50f、52c、52f・・・共有ノード、51、51a、51b・・・前段回路、52b・・・プルダウン回路、52g、52h、52i、52j・・・キャパシタ、53、53a、53b、53c、53d・・・反転回路、54a、54b・・・インバータ、55、55a、55b・・・出力回路