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特開2024-52424半導体装置、半導体記憶回路、半導体記憶装置、半導体記憶回路を検査する方法、半導体記憶装置を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052424
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体記憶回路、半導体記憶装置、半導体記憶回路を検査する方法、半導体記憶装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240404BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240404BHJP
   G11C 29/02 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01L27/04 V
H01L27/04 D
H01L27/04 T
G01R31/28 B
G11C29/02 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159126
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 浩一
【テーマコード(参考)】
2G132
5F038
5L206
【Fターム(参考)】
2G132AA08
2G132AB08
2G132AD01
5F038AV17
5F038AV18
5F038CD02
5F038CD14
5F038DT08
5F038DT18
5F038EZ20
5L206AA01
5L206EE08
(57)【要約】
【課題】安定な電圧及び所望のキャパシタンスを内部電源線に提供できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置11は、基準電位線と電源線との間に並列に接続され、各々が直列に接続されたスイッチ及びキャパシタを含むキャパシタ回路15と、キャパシタ回路15に対応付けられたそれぞれの選択信号を生成する選択制御回路17と、選択信号に応答して選択されたキャパシタ回路15のうちの一つが通常動作モードにおいて基準電位線に接続されるべきか否かを示す判定信号を基準電位線のモニタ結果に基づいて生成すると共に基準電位線に接続されたモニタ回路19と、前記判定信号の値に従ってキャパシタ回路15の少なくとも一つに基準電位線を介して選択的に接続される回路を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電位線と第1電源線との間に並列に接続され、各々が直列に接続されたスイッチ及びキャパシタを含む複数のキャパシタ回路と、
前記キャパシタ回路のそれぞれに対応付けられた複数の選択信号を生成するように構成された選択制御回路と、
前記基準電位線に接続されたモニタ回路であって、前記選択信号の各々に応答して選択された前記キャパシタ回路のうちの一つが通常動作モードにおいて前記基準電位線に接続されるべきか否か、を示す判定信号を当該選択信号の選択期間における前記基準電位線に係るモニタ結果に基づいて生成するように構成される、モニタ回路と、
前記判定信号の値に従って前記キャパシタ回路の少なくとも一つに前記基準電位線を介して前記通常動作モードにおいて選択的に接続される回路と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記通常動作モードと異なるプログラムモードにおいて、選択された前記キャパシタ回路に対応する電子フューズに前記判定信号の値を電気的に書き込むための書込制御信号を生成するように構成されたプログラム制御回路をさらに備え、
前記回路は、前記電子フューズの記憶内容に従って前記キャパシタ回路の少なくとも一つに前記基準電位線を介して前記通常動作モードにおいて選択的に接続される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項3】
前記プログラムモード及び前記通常動作モードと異なる設定モードにおいて、前記電子フューズから読み出した値を表す読出信号を生成すると共に前記読出信号を前記キャパシタ回路に提供するように構成された読出回路をさらに備え、
前記読出信号は、読み出された前記電子フューズに対応する前記キャパシタ回路の前記スイッチの開閉を規定する、
請求項2に記載された半導体装置。
【請求項4】
前記キャパシタ回路の少なくとも一つは、前記スイッチ及び前記キャパシタの共有ノードに接続された一電極と、電圧生成回路に接続された他電極とを含む第2スイッチを更に含み、
前記第2スイッチは、前記プログラムモード及び前記通常動作モードと異なる電圧印加モードにおいて前記選択制御回路からの第2選択信号に応答して前記キャパシタに前記電圧生成回路からの電圧を印加するように構成される、
請求項2に記載された半導体装置。
【請求項5】
前記キャパシタ回路の少なくとも一つは、当該キャパシタ回路における前記スイッチ及び前記キャパシタの共有ノードに接続された一電極と、前記基準電位線と異なる第2基準電位線に接続された他電極とを含む第3スイッチを更に含む、
請求項1又は請求項4に記載された半導体装置。
【請求項6】
前記キャパシタは、金属-絶縁膜-半導体キャパシタ構造、又は金属-絶縁膜-金属キャパシタ構造を含む、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項7】
前記回路は、当該半導体装置と一緒に集積される内蔵された電圧レギュレータ回路を含む、
請求項2に記載された半導体装置。
【請求項8】
請求項7に記載された半導体装置と、
前記半導体装置の前記回路に接続された半導体メモリ回路と、
を備え、
前記電圧レギュレータ回路は、前記半導体メモリ回路に電源供給するように構成される、
半導体記憶回路。
【請求項9】
前記半導体メモリ回路は、ダイナミックランダムアクセスメモリ素子を含む、
請求項8に記載された半導体記憶回路。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載された半導体記憶回路と、
前記半導体記憶回路の前記プログラム制御回路に接続され前記電子フューズを含む電子フューズ装置と、
を備える、半導体記憶装置。
【請求項11】
請求項8又は請求項9に記載された半導体記憶回路を準備することと、
前記キャパシタ回路のうちの一つを選択して前記基準電位線に接続することと、
選択された前記キャパシタ回路に前記モニタ回路を前記基準電位線を介して接続して、選択された前記キャパシタ回路が前記通常動作モードにおいて前記基準電位線に接続されるべきか否か、を前記モニタ回路を用いて判定して、判定結果を生成することと、
前記判定結果を前記プログラム制御回路に提供することと、
を備える、半導体記憶回路を検査する方法。
【請求項12】
前記キャパシタ回路のうちの1つを選択して前記基準電位線に接続することに先立って、前記キャパシタ回路のうちの少なくとも一つを選択して、選択された前記キャパシタ回路に電圧を印加することをさらに備える、
請求項11に記載された半導体記憶回路を検査する方法。
【請求項13】
請求項10に記載された半導体記憶装置を準備することと、
前記キャパシタ回路のうちの1つを選択して前記基準電位線に接続することと、
選択された前記キャパシタ回路に前記モニタ回路を前記基準電位線を介して接続して、選択された前記キャパシタ回路が前記通常動作モードにおいて前記基準電位線に接続されるべきか否か、を前記モニタ回路を用いて判定して、判定結果を生成することと、
前記判定結果を前記プログラム制御回路に提供することと、
前記プログラム制御回路を用いて前記電子フューズ装置に前記判定結果の値を書き込むことと、
を備える半導体記憶装置を製造する方法。
【請求項14】
前記半導体記憶装置の前記電子フューズ装置に格納された値に基づいて前記キャパシタ回路の少なくとも一つを前記基準電位線に接続することをさらに備える、請求項13に記載された半導体記憶装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、半導体記憶回路、半導体記憶装置、半導体記憶回路を検査する方法、及び半導体記憶装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電圧安定化のための複数のキャパシタを含む半導体集積回路において、高電位電源ラインと低電位電源ラインとの間に接続されたキャパシタの不良の有無を検出すると共に検出結果に基づき半導体集積回路を救済する技術を開示する。特許文献1は、半導体集積回路の救済のために、メタルフューズを溶断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-161718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術では、半導体集積回路は、電源ライン間に接続された複数のキャパシタを備える。キャパシタの一端は、それぞれのメタルフューズの一端に接続されると共に、キャパシタの他端は、低電位電源ラインに接続される。メタルフューズの他端は、加速試験用の電源供給ラインに接続される。複数のキャパシタのうちに不良のキャパシタがある場合、不良キャパシタに接続されたメタルフューズを溶断させる。
【0005】
しかしながら、背景技術の半導体集積回路は、メタルフューズの溶断により不良キャパシタを除外することのみを教示する。この除外により、半導体集積回路には、より少ない数の使用可能なキャパシタが残される。
【0006】
本発明は、安定な電圧及び所望のキャパシタンスを内部電源線に提供することができる、半導体装置、半導体記憶回路、半導体記憶装置、半導体記憶回路を検査する方法、及び半導体記憶装置を作製する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る半導体装置は、基準電位線と第1電源線との間に並列に接続され、各々が直列に接続されたスイッチ及びキャパシタを含む複数のキャパシタ回路と、前記キャパシタ回路のそれぞれを選択する複数の選択信号を生成するように構成された選択制御回路と、前記基準電位線に接続され、前記選択信号の各々に応答して、当該選択信号の期間において前記基準電位線のモニタ結果に基づいて選択された当該キャパシタ回路が通常動作モードにおいて前記基準電位線に接続されるべきか否かを示す判定信号を生成するように構成されたモニタ回路と、前記判定信号の値に従って前記キャパシタ回路の少なくとも一つに前記基準電位線を介して選択的に接続される回路と、を備える。
【0008】
本発明の第2側面に係る半導体記憶回路は、第1側面に係る半導体装置と、前記半導体装置の前記回路に接続された半導体メモリ回路とを備える。
【0009】
本発明の第3側面に係る半導体記憶装置は、第2側面に係る半導体記憶回路と、前記半導体記憶回路の前記プログラム制御回路に接続された電子フューズ装置とを備える。
【0010】
本発明の第4側面に係る半導体記憶回路を検査する方法は、第2側面に係る半導体記憶回路を準備することと、前記キャパシタ回路のうちの一つを選択して前記基準電位線に接続することと、選択された前記キャパシタ回路からの前記基準電位線の電位に基づき、選択された前記キャパシタ回路を判定すると共に前記判定信号を生成することと、前記判定信号を前記プログラム制御回路に提供することと、を備える。
【0011】
本発明の第5側面に係る半導体記憶装置を製造する方法は、第3側面に係る半導体記憶装置を準備することと、前記キャパシタ回路のうちの一つを選択して前記基準電位線に接続することと、選択された前記キャパシタ回路からの前記基準電位線の電位に基づき、選択された前記キャパシタ回路を判定すると共に前記判定信号を生成することと、前記判定信号を前記プログラム制御回路に提供することと、前記プログラム制御回路を用いて電子フューズ装置に前記判定信号の値を書き込むことと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記の側面によれば、半導体装置、半導体記憶回路、半導体記憶装置、半導体記憶回路を検査する方法、及び半導体記憶装置を作製する方法が安定な電圧及び所望のキャパシタンスを内部電源線に提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る半導体装置、半導体集積回路、半導体記憶回路、及び半導体記憶装置を概略的に示す図面である。
図2図2(a)、図2(b)、図2(c)、及び図2(d)は、キャパシタ回路の例示的な構造を示す図面である。
図3図3は、図2(a)に示されたキャパシタ回路の信号波形を示す図面である。
図4図4は、図3に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
図5図5は、図2(b)に示されたキャパシタ回路の信号波形を示す図面である。
図6図6は、図5に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
図7図7は、図2(c)に示されたキャパシタ回路の信号波形を示す図面である。
図8図8は、図7に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
図9図9は、図2(b)及び図2(d)に示されたキャパシタ回路15の信号波形を示す図面である。
図10図10は、図9に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
図11図11は、本実施の形態に係る半導体記憶回路を検査する方法及び半導体記憶回路を作製する方法に係る主要な工程を示すフローチャートである。
図12図12は、本実施の形態に係る半導体記憶装置を製造する方法に係る主要な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一及類似のものには、同一又は類似の符号を付して、複写的な重複的な記述を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る半導体装置、半導体集積回路、半導体記憶回路、及び半導体記憶装置を概略的に示す図面である。図2(a)、図2(b)、図2(c)、及び図2(d)は、キャパシタ回路の例示的な構造を示す図面である。
【0016】
図1を参照すると、半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14は、複数のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)、選択制御回路17、モニタ回路19、及びプログラム制御回路21を含む。必要な場合には、半導体装置11は、電子フューズ装置31と一緒に集積されることができ、或いは半導体装置11、半導体集積回路12、及び半導体記憶回路13は、電極22a、22b(例えばパッド電極)を介して別体の電子フューズ装置31に接続されることができる。
【0017】
キャパシタ回路15は、基準電位線25(基準電圧VREF)と第1電源線Vssとの間に並列に接続される。選択制御回路17は、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)のそれぞれを選択する複数の選択信号SSEL(SSEL1、SSEL2、SSEL3)を生成するように構成される。モニタ回路19は、基準電位線25に接続されて、選択信号SSEL(SSEL1、SSEL2、SSEL3)の各々に応答して当該選択信号(SSEL1、SSEL2、SSEL3のいずれか)の選択期間における基準電位線25の電圧又は電流のモニタ結果に基づいて、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を生成するように構成される。判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3の各々)は、選択された当該キャパシタ回路(15a、15b、15cのいずれか)が通常動作モードにおいて基準電位線25に接続されるべきか否か、を示す。プログラム制御回路21は、通常動作モードと異なるプログラムモードにおいて、電子フューズ装置31に判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)の値を電気的に書き込むための書込制御信号SWRT(SWRT1、SWRT2、SWRT3)を生成するように構成される。電子フューズ装置31は、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)のそれぞれに対応付けられた電子フューズ(31a、31b、31c)を含む。
【0018】
半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14は、更に、回路23を含むことができる。回路23は、基準電位線25に接続されている。具体的には、回路23は、通常モードにおいて、電子フューズ(31a、31b、31c)の記憶内容に従って選択的にキャパシタ回路(15a、15b、15c)の少なくとも1つに基準電位線25を介して接続される。
【0019】
回路23は、内蔵された電圧レギュレータ回路、又は内蔵された電圧レギュレータ回路の一部分を含むことができる。この電圧レギュレータ回路は、通常モードにおいて基準電位線25の基準電圧VREFを受けて動作するように構成される。或いは、電圧レギュレータ回路それ自身が、基準電圧VREFを提供することができる。
【0020】
半導体記憶回路13は、半導体装置11及び半導体メモリ回路39を含むことができる。例示的な半導体メモリ回路39は、半導体装置11の回路23に接続されて、回路23、例えば電圧レギュレータ回路からの電源供給を受けることができる。半導体記憶回路13によれば、基準電位線25に所望のキャパシタンスを提供して、半導体装置11の回路23に接続された半導体メモリ回路39の動作を安定にできる。
【0021】
半導体メモリ回路39は、メモリセル39aのアレイ39bを含むことができる。メモリセル39aは、例えばダイナミックランダムアクセスメモリ素子を含む。半導体記憶回路13によれば、基準電位線25に所望のキャパシタンスを提供して、ダイナミックランダムアクセスメモリ素子を含む半導体メモリ回路39の動作を安定にできる。
【0022】
半導体記憶装置14は、半導体記憶回路13及び電子フューズ装置31を含むことができる。電子フューズ装置31は、半導体記憶回路13のプログラム制御回路21に接続される。電子フューズ装置31は、プログラムモードにおいて、プログラム制御回路21によって生成されたプログラム制御信号を受けて、またプログラム制御信号に従って電子フューズ(31a、31b、31c)の記憶内容を変更し又は更新する。
【0023】
半導体記憶装置14によれば、電子フューズ装置31は、半導体記憶回路13のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の各々のための値を格納する。これに従って、半導体記憶装置14は、電圧レギュレータ回路(23)に接続される基準電位線25に所望のキャパシタンスを提供できる。具体的には、半導体記憶装置14は、半導体記憶回路13に接続された電子フューズ(31a、31b、31c)に格納された値に基づき所望のキャパシタンスを基準電位線25に提供して、半導体記憶回路13の半導体メモリ回路39の動作を安定にできる。
【0024】
半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14によれば、キャパシタ回路15は、直列に接続されたキャパシタ及びスイッチを含む複数のキャパシタ回路(15a、15b、15c)を含み、個々のキャパシタ回路(15a、15b、15c)のキャパシタ16bは、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)内のスイッチ16aの開閉に応じて基準電位線25へ接続され又は切り離される。回路23は、電子フューズ装置31(31a、31b、31c)の記憶内容に従って特定される1又は複数のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)に基準電位線25を介して選択的に接続される。キャパシタ16bの接続又は切り離しは、プログラム済みの電子フューズ(31a、31b、31c)の記憶内容によって規定される。
【0025】
半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14は、読出回路29を更に含むことができる。
【0026】
読出回路29は、プログラムモード及び通常動作モードと異なる設定モードにおいて、電子フューズ装置31を読み出して読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3)を生成すると共に読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3)をキャパシタ回路15(15a、15b、15c)に提供するように構成される。具体的には、読出回路29は、設定モードにおいて、電子フューズ装置31に読出命令を送信する。この読出命令に応答して、電子フューズ装置31の制御回路32は、読出命令によって特定されたアドレス又は全ての電子フューズ(31a、31b、31c)の記憶内容を読み出して、返答信号を読出回路29に送信する。読出回路29は、返答信号に示された電子フューズ(31a、31b、31c)の記憶内容から読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3の各々)を生成する。
【0027】
本実施例では、読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3)は、選択制御回路17を介してキャパシタ回路15(15a、15b、15c)に供給される。読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3)は、読み出された電子フューズ(31a、31b、31c)に対応するキャパシタ回路(15a、15b、15cのいずれか)のスイッチ16aの導通/非導通を規定する。読出信号SRD(SRD1、SRD2、SRD3)は、通常モードにおいて、電子フューズ装置31の電子フューズ(31a、31b、31c)の値を保持するためにラッチ回路といった保持回路28a、28b、28cを備えることができる。例示的な読出回路29は、保持回路28a、28b、28cを含む。保持回路28a、28b、28cは、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)内に設けられることができる。
【0028】
半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14は、基準電位線25に基準電位VREF(例えば、テスト用の基準電圧)を提供する基準電圧回路33を更に含むことができる。或いは、基準電圧回路33は、設定モード(必要な場合には、通常動作モード)において、基準電位線25に基準電位VREFを提供する。この基準電位VREFは、以下に説明されるように、モニタ回路19によって判定されることができる。必要な場合には、半導体装置11、半導体集積回路12、半導体記憶回路13、及び半導体記憶装置14は基準電圧回路33を含むことなく、基準電位VREFは、回路23、例えば電圧レギュレータ回路から供給されることができる。
【0029】
例示的なモニタ回路19は、以下のように動作するように構成される。具体的には、モニタ回路19は、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が基準電位線25に接続されている期間において、基準電位線25の電位が、第1状態、及び第1状態と異なる第2状態のいずれかにあるか、を判定する。モニタ回路19の典型的な動作では、第1状態は、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が使用に適切な状態であることを表し、例えば、基準電位線25の電位がモニタ回路19による測定によって基準電位VREF以上(より詳細には(VREF-△V)以上、ここで△V(判定のためのマージン))であることである。第2状態は、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が使用に不適な状態にあることを表し、例えば、基準電位VREF未満(より詳細には(VREF-△V)未満)である。
【0030】
例示的なモニタ回路19は、例えばコンパレータ19aと、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の選択と同期して基準電位線25をコンパレータ19aの入力に接続するスイッチ19bとを含むことができる。コンパレータ19aは、比較用の基準電圧(VREF、又はVREF-△V)を生成する電圧生成回路を含むことができる。モニタ回路19は、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の選択と同期して、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を生成する。この実施例では、コンパレータ19aは、選択された選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が、基準電圧回路33によって基準電位線25に印加された基準電位VREFを保持できるか否か、を判定する
【0031】
例示的な別のモニタ回路19は、当該モニタ回路19に流れる電流の大きさに基づき、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の選択と同期して、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を生成する。この実施例では、このモニタ回路19は、例えばモニタ回路19内の電流ミラー回路を介して選択された選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)に流れる電流(例えば、リーク電流)を検知することができる。この電流の大きさは、モニタ回路19内の負荷回路を用いて電圧に変換されて、この電圧は、コンパレータに与えられる。コンパレータの出力は、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が第1状態又は第2状態のいずれであるか、を示す判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を生成する。
【0032】
モニタ回路19からの判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)及び/又はリーク電流の値は、モニタ回路19に接続された電極20(例えばパッド電極)を介して、テスターといった外部装置に提供されることができる。
【0033】
電子フューズ装置31に記憶されるべき値は、以下のように特定される。モニタ回路19は、キャパシタ回路毎(15a、15b、15c)の選択に応答して基準電位線25に生じる電圧の大きさを判定して、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を生成する。プログラム制御回路21は、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)に対応する電子フューズ(31a、31b、31c)に判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)の値を電気的に書き込む。
【0034】
具体的には、選択制御回路17は、プログラムモードにおいてプログラム制御回路21に書込制御信号SPSEL(SPSEL1、SPSEL2、SPSEL3)を与える。プログラムモードにおいて、書込制御信号SPSEL(SPSEL1、SPSEL2、SPSEL3)は、選択信号SSEL(SSEL1、SSEL2、SSEL3)と同期している。プログラム制御回路21は、書込制御信号SPSEL(SPSEL1、SPSEL2、SPSEL3)に応答して、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)を受ける。プログラム制御回路21は、判定信号SMON(SMON1、SMON2、SMON3)の値を示す書込制御信号SWRT(SWRT1、SWRT2、SWRT3)を電子フューズ装置31に送信する。電子フューズ装置31の制御回路32は、書込制御信号SWRT(SWRT1、SWRT2、SWRT3)に応答して、対応する電子フューズ(31a、31b、31c)に書き込みを行う。
【0035】
図2(a)、図2(b)、図2(c)、及び図2(d)に示されるように、キャパシタ回路の例示的な構造を示す。
【0036】
図2(a)から図2(d)を参照すると、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の各々は、直列に接続されたスイッチ35及びキャパシタ37を含む。キャパシタ37は、例示的には、金属-絶縁膜-半導体キャパシタ構造(MIS構造)、又は金属-絶縁膜-金属キャパシタ構造(MIM構造)を含むことができる。
【0037】
図2(a)を参照すると、例示的なキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の各々は、スイッチ35及びキャパシタ37を含み、スイッチ35の一電極は、基準電位線25に接続される。スイッチ35の他電極及びキャパシタ37の一電極は、共有ノードNDにおいて接続されて、直列接続の回路を形成する。キャパシタ37の他電極は、第1電源線Vssに接続される、例示的なスイッチ35は、相補型の伝達ゲートを含み、具体的にはp型電界効果トランジスタ35p及びn型電界効果トランジスタ35nの並列接続を含む。n型電界効果トランジスタ35n及びp型電界効果トランジスタ35pのゲートは、それぞれ、選択信号(SSEL)と選択信号(SSEL)の反転信号を受ける、図2(a)では、選択信号(SSEL)の反転信号を生成する反転論理ゲート36(インバーター)が描かれている。図2(b)から図2(d)では、反転論理ゲート36は省略される。
【0038】
図2(b)を参照すると、例示的なキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の少なくとも1つは、第2スイッチ38a及び電圧生成回路38bを更に含むことができる。第2スイッチ38aの一端は、スイッチ35及びキャパシタ37の共有ノードNDに接続され、第2スイッチ38aの他端は、電圧生成回路38bの出力に接続される。電圧生成回路38bは、キャパシタ37にスクリーニングのために印加されるべき電圧を生成する。例示的な第2スイッチ38aは、既に説明されたスイッチ35と同様な相補型の伝達ゲートを含み、具体的にはp型電界効果トランジスタ38p及びn型電界効果トランジスタ38nの並列接続を含む。第2スイッチ38aを備える全てのキャパシタ回路15にスクリーニング電圧を印加するために、複数のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の第2スイッチ38aが同時に電圧生成回路38bに接続されることができる。具体的には、選択制御回路17は、プログラムモード、通常動作モード、及び読出モードと異なる電圧印加モードにおいて、第2スイッチ38aの全選択を可能にする第2選択信号を生成する。第2スイッチ38aは、第2選択信号SALLに応答して、複数のキャパシタ回路15にスクリーニング電圧を印加するように動作する。図2(b)には、第2選択信号SALLの反転信号を生成する反転論理ゲート38ba(インバーター)が描かれている。
【0039】
図2(c)を参照すると、例示的なキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の少なくとも1つは、第3スイッチ40を更に含むことができる。第3スイッチ40の一端は、スイッチ35及びキャパシタ37の共有ノードNDに接続され、第3スイッチ40の他端は、第2基準電位線26に接続される。既に説明したように、スイッチ35は、基準電位線25に接続され、基準電位線25は基準電圧回路33に接続される。第3スイッチ40の他端は、第2基準電位線26を介して基準電圧回路34に接続される。例示的な第3スイッチ40は、既に説明されたスイッチ35と同様な相補型の伝達ゲートを含み、具体的にはp型電界効果トランジスタ40p及びn型電界効果トランジスタ40nの並列接続を含む。第3スイッチ40は、スイッチ35と同様に、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)を選択するための選択信号を受ける。この型のキャパシタ回路15のキャパシタ37は、基準電位線25及び第2基準電位線26に同時に接続されることはない。これ故に、あるキャパシタ回路15のスイッチ35及び第3スイッチ40は、排他的には導通すべきである。具体的には、n型電界効果トランジスタ35n及びp型電界効果トランジスタ35pのゲートは、それぞれ、選択信号(SSEL)と異なる別の選択信号(S2SEL)と別の選択信号の反転信号を受ける。複数の基準電位線(25、26)に排他的に接続される複数のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が提供される。モニタ回路19は、第1基準電位線25だけでなく、第2基準電位線26に関する判定を同様に行うことができる。
【0040】
図2(d)を参照すると、例示的なキャパシタ回路15(15a、15b、15c)の少なくとも1つは、第2スイッチ38a及び電圧生成回路38b、並びに第3スイッチ40を更に含むことができる。第2スイッチ38a、電圧生成回路38b、及び第3スイッチ40の重複する説明は省略される。基準電位線25及び第2基準電位線26は、それぞれ、回路23及び回路24に接続される。例示的な回路23及び回路24は、異なる出力電圧の電圧レギュレータであることができる。複数の基準電位線(25、26)に排他的に接続される複数のキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が提供される。モニタ回路19は、第1基準電位線25だけでなく、第2基準電位線26に関する判定を同様に行うことができる。
【0041】
(実施例1)
図3は、図2(a)に示されたキャパシタ回路15の信号波形を示す図面である。図4は、図3に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
【0042】
信号名、 信号名の説明
TSTE:キャパシタ回路15(15a、15b、15c)のテスト期間を示す信号
EFD: モニタ回路19からプログラム制御回路21へのデータ送信及び電子フューズ(31a、31b、31c)の書込の期間を示す信号
TFE0:選択制御回路17への一番目のキャパシタ回路15の選択命令の期間を示す信号
EN0: 一番目のキャパシタ回路15への選択信号の期間を示す信号
ENB0:一番目のキャパシタ回路15への選択信号(反転されたEN0信号)の期間を示す信号
TFE1:選択制御回路17への二番目のキャパシタ回路15の選択命令の期間を示す信号
EN1: 二番目のキャパシタ回路15への選択信号の期間を示す信号
ENB1:二番目のキャパシタ回路15への選択信号(反転されたEN1信号)の期間を示す信号
MOK: それぞれのキャパシタ回路15に対するモニタ回路19の判定信号の期間を示す信号
(このMOK波形は、一番目のキャパシタ回路が異常であると共に二番目のキャパシタ回路が正常であることを示す)
【0043】
図3を参照して、図4に示された半導体記憶装置の動作を説明する。
【0044】
時刻t0において、テスト信号TSTEが立ち上がり、テスト動作が可能になる。これに応答して、時刻t1において全てのキャパシタセル(15d、15e)が非選択になって、基準電位線25から切り離される。
【0045】
時刻t2から時刻t3の期間において、選択信号TFE0に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15dを選択する信号EN0、ENB0を生成する。キャパシタセル15dが選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続されると共に、キャパシタセル15eは基準電位線25に接続されていない。モニタ回路19は、キャパシタセル15dの状態が使用不能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t3において、キャパシタセル15dは、基準電位線25から切り離される。時刻t3から時刻t4の期間において、キャパシタセル(15d、15e)が非選択になる。
【0046】
時刻t4から時刻t5の期間において、選択信号TFE1に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15eを選択する信号EN1、ENB1を生成する。キャパシタセル15eが選択されて、基準電位線25を介してモニタ回路19に接続されると共に、キャパシタセル15dは基準電位線25に接続されていない。モニタ回路19は、キャパシタセル15eの状態が使用可能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t5において、キャパシタセル15eは、基準電位線25から切り離される。
【0047】
時刻t6から時刻t9の期間において、信号EFDが立ち上がりに応答して、プログラム制御回路21が電子フューズ装置31へ書込を行う。
【0048】
時刻t7において、テスト期間が終了する。
【0049】
時刻t8において、電子フューズ装置31から読み出された電子フューズの値に従って、通常モードにおいて信号EN1、ENB1に応答してキャパシタセル15eが選択される。
【0050】
(実施例2)
図5は、図2(b)に示されたキャパシタ回路15の信号波形を示す図面である。図6は、図5に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
【0051】
実施例2では、実施例1に対して信号SE及びSEBが追加される。信号SE及びSEBは、スイッチ38aに関連付けられる。
【0052】
信号名、 信号名の説明
SE :キャパシタ回路15のスイッチ38aへの選択信号の期間を示す信号
SEB :キャパシタ回路15のスイッチ38aへの選択信号(反転されたSE信号)の期間を示す信号
【0053】
図5を参照して、図6に示された半導体記憶装置の動作を説明する。
【0054】
時刻t0において、テスト信号TSTEが立ち上がり、テスト動作が可能になる。これに応答して、時刻t1において全てのキャパシタセル(15f、15g)が非選択になって、基準電位線25から切り離される。
【0055】
この後に、時刻t10から時刻t11の期間において、全選択信号SE、SEBに応答して、全てのキャパシタセル(15f、15g)のスイッチ35が非導通の状態で、スイッチ38aが導通になる。全てのキャパシタセル(15f、15g)の一電極に、信号VSTに応答して動作する電圧生成回路38bからのスクリーニング電圧が印加される。
【0056】
この印加の後に、時刻t2から時刻t3の期間において、選択信号TFE0に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15dを選択する信号EN0、ENB0を生成する。キャパシタセル15fが選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15fの状態が使用不能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t3において、キャパシタセル15fは、基準電位線25から切り離される。時刻t3から時刻t4の期間において、キャパシタセル(15f、15g)が非選択になる。
【0057】
時刻t4から時刻t5の期間において、選択信号TFE1に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15gを選択する信号EN1、ENB1を生成する。キャパシタセル15eが選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15gの状態が使用可能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t5において、キャパシタセル15gは、基準電位線25から切り離される。時刻t4から時刻t5の期間において、キャパシタセル(15f、15g)が非選択になる。
【0058】
時刻t6から時刻t9の期間において、信号EFDが立ち上がりに応答して、プログラム制御回路21が電子フューズ装置31へ書込を行う。
【0059】
時刻t7において、テスト期間が終了する。
【0060】
時刻t8において、電子フューズ装置31から読み出された電子フューズの値に従って、通常モードにおいて信号EN1、ENB1に応答してキャパシタセル15gが選択される。
【0061】
(実施例3)
図7は、図2(c)に示されたキャパシタ回路15の信号波形を示す図面である。図8は、図7に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
【0062】
実施例3では、実施例1における信号EN0及びENB0並びに信号EN1及びENB1に加えて、キャパシタセル(15j)のための信号EN2及びENB2が示される。
【0063】
信号名、 信号名の説明
EN2: キャパシタセル15jへの選択信号の期間を示す信号
ENB2:キャパシタセル15jへの選択信号(反転されたEN2信号)の期間を示す信号
EN3: キャパシタセル15nへの選択信号の期間を示す信号
ENB3:キャパシタセル15nへの選択信号(反転されたEN3信号)の期間を示す信号
【0064】
図7を参照して、図8に示された半導体記憶装置の動作を説明する。
【0065】
時刻t0において、テスト信号TSTEが立ち上がり、テスト動作が可能になる。これに応答して、時刻t1において全てのキャパシタセル(15h、15i、15j)が非選択になって、基準電位線25から切り離される。
【0066】
時刻t2から時刻t3の期間において、選択信号TFE0に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15hを選択する信号EN0、ENB0を生成する。キャパシタセル15hが選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15hの状態が使用不能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t3において、キャパシタセル15hは、基準電位線25から切り離される。
【0067】
時刻t12から時刻t13の期間において、選択信号TFE2に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15jを選択する信号EN2、ENB2を生成する。キャパシタセル15jが選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15jの状態が使用可能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t13において、キャパシタセル15jは、基準電位線25から切り離される。
【0068】
基準電位線26に接続されるキャパシタセル(15i)を関しても同様に判定される。
【0069】
時刻t6から時刻t9の期間において、信号EFD0が立ち上がりに応答して、プログラム制御回路21が、キャパシタセル(15h)を非選択にすると共にキャパシタセル(15j)を基準電位線25に接続することを表す値を電子フューズ装置31へ書き込む。信号EFD1が変化しないので、基準電位線26は、キャパシタセル(15i)に接続され、キャパシタセル(15j)に接続されない。
【0070】
時刻t7において、テスト期間が終了する。
【0071】
時刻t8において、電子フューズ装置31から読み出された電子フューズの値に従って、通常モードにおいて信号EN2、ENB2に応答してキャパシタセル15jが基準電位線25に接続される。
【0072】
基準電位線26には、キャパシタセル(15i)が接続される。
【0073】
(実施例4)
図9は、図2(b)及び図2(d)に示されたキャパシタ回路15の信号波形を示す図面である。図10は、図9に示された信号波形に従って動作する例示的な半導体記憶装置を示す図面である。
【0074】
実施例4では、キャパシタセル(15k、15m)のために信号EN0及びENB0並びに信号EN1及びENB1に加えて、キャパシタセル(15n)のための信号EN2及びENB2、信号EN3及びENB3、並びに全てのキャパシタセル(15k、15m、15n)のために信号SE及びSEBが示される。
【0075】
信号名、 信号名の説明
EN3: キャパシタセル15nへの選択信号の期間を示す信号
ENB3:キャパシタセル15nへの選択信号(反転されたEN3信号)の期間を示す信号
【0076】
図9を参照して、図10に示された半導体記憶装置の動作を説明する。
【0077】
時刻t0において、テスト信号TSTEが立ち上がり、テスト動作が可能になる。これに応答して、時刻t1において全てのキャパシタセル(15h、15i、15j)が非選択になって、基準電位線25から切り離される。
【0078】
この後に、時刻t10から時刻t11の期間において、全選択信号SE、SEBに応答して、全てのキャパシタセル(15k、15m、15n)のスイッチ35、40が非導通の状態で、スイッチ38aが導通になる。全てのキャパシタセル(15k、15m、15n)の一電極に、信号VSTに応答して動作する電圧生成回路38bからのスクリーニング電圧が印加される。
【0079】
時刻t2から時刻t3の期間において、選択信号TFE0に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15kを選択する信号EN0、ENB0を生成する。キャパシタセル15kが選択されて、基準電位線25を介してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15kの状態が使用不能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t3において、キャパシタセル15kは、基準電位線25から切り離される。
【0080】
時刻t12から時刻t13の期間において、選択信号TFE2に応答して、選択制御回路17は、キャパシタセル15nを選択する信号EN2、ENB2を生成する。キャパシタセル15nがスイッチ35を介して選択されて、基準電位線25を関してモニタ回路19に接続される。モニタ回路19は、キャパシタセル15nの状態が使用可能である、ことを示す判定信号MOKを生成する。この判定信号MOKは、プログラム制御回路21に送られる。時刻t13において、キャパシタセル15nは、基準電位線25から切り離される。
【0081】
基準電位線26に接続されるキャパシタセル(15m)を関しても同様に判定される。
【0082】
時刻t6から時刻t9の期間において、信号EFD0が立ち上がりに応答して、プログラム制御回路21が、キャパシタセル15kを非選択にすると共にキャパシタセル15nを基準電位線25に接続するように選択することを表す値を電子フューズ装置31へ書き込む。信号EFD1が変化しないので、基準電位線26は、キャパシタセル(15m)に接続され、キャパシタセル(15n)に接続されない。
【0083】
時刻t7において、テスト期間が終了する。
【0084】
時刻t8において、電子フューズ装置31から読み出された電子フューズの値に従って、通常モードにおいて信号EN1、ENB1に応答してキャパシタセル15mが接続される。
【0085】
基準電位線26にはキャパシタセル(15m)が接続される。
【0086】
図11は、本実施の形態に係る半導体記憶回路を検査する方法及び半導体記憶回路を作製する方法に係る主要な工程を示すフローチャートである。
【0087】
手順S101では、半導体記憶回路13を準備する。準備は、半導体記憶回路13を製造すること、又は製造以外の方法によって半導体記憶回路13を入手することを含む。
【0088】
手順S102では、キャパシタ回路15のうちの一つを選択して基準電位線25に接続することに先立って、キャパシタ回路15のうちの少なくとも一つを選択して、選択されたキャパシタ回路15に電圧を印加する。キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の全てを選択することができる。この検査方法によれば、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)のキャパシタ37に電圧を印加して、初期不良といった不良モードをスクリーニングできる。
【0089】
手順S103では、キャパシタ回路15のうちの一つを選択して基準電位線25に接続する。
【0090】
手順S104では、選択されたキャパシタ回路15にモニタ回路19を基準電位線25を介して接続して、選択されたキャパシタ回路15が通常動作モードにおいて基準電位線25に接続されるべきか否か、をモニタ回路19を用いて判定する。この判定に従って、判定結果が生成される。例示的には、選択されたキャパシタ回路15からの基準電位線25の電位に基づき、選択されたキャパシタ回路15の状態を判定すると共に判定信号SMONを生成する。
【0091】
手順S105では、判定信号SMONをプログラム制御回路21に提供する。
【0092】
この検査方法によれば、所望のキャパシタンスを基準電位線25に提供できる電子フューズ(31a、31b、31c)に格納されるべき値を生成して、プログラム制御回路21に提供できる。
【0093】
手順S106では、プログラム制御回路21を用いて電子フューズ装置31に判定信号SMONの値を書き込む。この作製方法によれば、電子フューズ装置31に、半導体記憶回路13のスイッチ35の各々のための値を格納できて、半導体記憶回路13に接続された電子フューズ(31a、31b、31c)に格納された値に基づき所望のキャパシタンスを基準電位線25に提供して、半導体記憶回路13の半導体メモリ回路39の動作を安定にできる。
【0094】
図12は、本実施の形態に係る半導体記憶装置を製造する方法に係る主要な工程を示すフローチャートである。
【0095】
手順201では、半導体記憶装置14を準備する。準備は、半導体記憶装置14を製造すること、又は製造以外の方法によって半導体記憶回路13を入手する。
【0096】
手順S202では、キャパシタ回路15のうちの1つを選択して基準電位線25に接続する。
【0097】
手順S203では、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)にモニタ回路19を基準電位線25を介して接続して、選択されたキャパシタ回路15(15a、15b、15c)が通常動作モードにおいて基準電位線25に接続されるべきか否か、をモニタ回路19を用いて判定する。
【0098】
手順S204では、判定結果をプログラム制御回路21に提供する。
【0099】
手順S205では、プログラム制御回路21を用いて電子フューズ装置31に判定結果の値を書き込む。
【0100】
手順S206では、半導体記憶装置14の電子フューズ装置31に格納された値に基づいて、キャパシタ回路15(15a、15b、15c)の少なくとも一つを基準電位線25に接続するように設定する。
【0101】
製造方法によれば、半導体記憶装置14の電子フューズ装置31に格納された値に基づいて、半導体記憶装置14の対応するスイッチ35の開/閉を設定することができる。この設定により、所望のキャパシタ及び/又はキャパシタンス値を基準電位線25に提供できる半導体記憶装置14を製造できる。
【0102】
以上説明したように、実施の形態によれば、安定な電圧及び所望のキャパシタンスを内部電源線に提供することを可能にする半導体装置11、半導体記憶回路13、半導体記憶装置14、半導体記憶回路13を検査する方法、及び半導体記憶装置14を作製する方法が提供される。
【0103】
また、より詳細には、実施の形態によれば、パッケージ組立後のキャパシタ不良を除外して製品歩留りの低下を抑制できる。また、キャパシタにマージンを持たせて、キャパシタ不良があった際にマージン分のキャパシタを使うことを可能にする。この場合に、内部電源電圧の電気特性を損なわないメモリ集積回路を提供できる。
【0104】
ダイナミックランダムアクセスメモリを含む半導体記憶回路13及び半導体記憶装置14では、内部電源電圧の電源安定化のためのキャパシタに関して、パッケージ組立後のキャパシタ不良を制御することを可能にし、これによって製造歩留りの低下を抑制できる。
【0105】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0106】
11・・・半導体装置、12・・・半導体集積回路、13・・・半導体記憶回路、14・・・半導体記憶装置、15・・・キャパシタ回路、15d、15e、15h、15j、15n・・・キャパシタセル、16a・・・スイッチ、16b・・・キャパシタ、17・・・選択制御回路、19・・・モニタ回路、19a・・・コンパレータ、19b・・・スイッチ、21・・・プログラム制御回路、23、24・・・回路、25、26・・・基準電位線、28a・・・保持回路、29・・・読出回路、31・・・電子フューズ装置、33・・・基準電圧回路、33・・・読出回路、35・・・スイッチ、36・・・反転論理ゲート、37・・・キャパシタ、38a・・・スイッチ、38b・・・電圧生成回路、39・・・半導体メモリ回路、39a・・・メモリセル、39b・・・アレイ、40・・・スイッチ、SMON・・・判定信号、SPSEL・・・書込制御信号、SRD・・・読出信号、SSEL・・・選択信号、SWRT・・・書込制御信号、VREF・・・基準電位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12