(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052430
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】支持体、複合容器、および支持体作成用シート
(51)【国際特許分類】
B65D 3/02 20060101AFI20240404BHJP
B65D 73/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65D3/02 B
B65D73/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159132
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】高野 勲
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067BA09A
3E067BA09C
3E067BA12B
3E067BB01A
3E067BB01C
3E067BB02A
3E067BB02C
3E067BB14A
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB07
3E067EC21
3E067EE40
3E067FA04
3E067FB07
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】 簡易に組み立てることができ、袋体を支持する支持体、支持体を備えた複合容器、支持体作成用シートを提供する。
【解決手段】 前面板1と背面板2と、前面板に連設された第1底板7と、背面板2に連設された第2底板8と、第2折り線gを介して前面板、背面板に連設された係止部を有し、係止部は、前面板に連設された部分と、背面板に連設された部分が、第3折り線hを介して連設され、係止部は、第2折り線と第3折り線に挟まれた位置に形成された第4折り線iより、第2折り線側の係止部第1部分と、第3折り線側の係止部第2部分に区分されており、第4折り線の先端が、係止部の外縁に形成された凹部oに位置し、第1底板と第2底板が互い接着されて形成された底部の一部が、係止部第2部分と係止部第1部分の間に位置する凹部に配置されることにより、底面を形成する支持体。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面板と、第1折り線を介して前記前面板に連設された背面板と、
前記前面板に連設された第1底板と、前記背面板に連設された第2底板と、
前記第1底板、前記第2底板を間に挟む位置において、第2折り線を介して前記前面板、前記背面板にそれぞれ連設された係止部と、を有し、
前記係止部は、前記前面板に連設された部分と、前記背面板に連設された部分が、前記第1折り線と同一直線上に延びる第3折り線を介して連設されており、
前記係止部は、前記第2折り線と前記第3折り線に挟まれた位置に形成された第4折り線により、前記第2折り線側の係止部第1部分と、前記第3折り線側の係止部第2部分に区分されており、
前記第4折り線の先端が、前記係止部の外縁に形成された凹部に位置し、
前記第1底板と前記第2底板は互いに接着されて底部を形成し、
前記底部の一部が、前記係止部第2部分と前記係止部第1部分の間に位置する前記凹部に配置されることにより、底面を形成する、支持体。
【請求項2】
前記第1折り線に沿う方向において、前記第2折り線の前記第1底板、前記第2底板側の端点は、前記第1折り線側の端点よりも下方に位置する、請求項1に記載の支持体。
【請求項3】
前記前面板と前記第1底板を区分する折り線は、前記前面板の側に凸の曲線であり、前記背面板と前記第2底板を区分する折り線は、前記背面板の側に凸の曲線である、請求項1に記載の支持体。
【請求項4】
前記第1底板は、前記前面板側の第1底板第1部分と、前記背面板側の第1底板第2部分に区分されており、
前記第1折り線に沿う方向において、前記第1底板の長さは、前記第2底板の長さよりも長く、
前記第1底板第2部分が前記第2底板に接着されている、請求項1に記載の支持体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の支持体内に、袋体が収容されている、複合容器。
【請求項6】
前面板と、第1折り線を介して前記前面板の両側にそれぞれ連設された背面板第1部分、背面板第2部分と、
前記前面板に連設された第1底板と、前記背面板第2部分に連設された第2底板と、
前記前面板から前記背面板第1部分、前記前面板から前記背面板第2部分にそれぞれ跨って前記前面板、前記背面板第1部分、前記背面板第2部分に、第2折り線を介して連設された係止部と、を有し、
前記係止部は、前記前面板に連設された部分と、前記背面板第1部分、前記背面板第2部分に連設された部分が、前記第1折り線と同一直線上に延びる第3折り線を介して連設されており、
前記係止部は、前記第2折り線と前記第3折り線に挟まれた位置に形成された第4折り線により、前記第2折り線側の係止部第1部分と、前記第3折り線側の係止部第2部分に区分されており、
前記第4折り線の先端が、前記係止部の外縁に形成された凹部に位置する、支持体作成用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支持体、複合容器、および支持体作成用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟包装袋に板紙を固定して、自律機能を有する容器が、用いられている。例えば、上端を開口した軟包装袋と、厚紙により形成された筒状のスリーブを備え、スリーブが両側端の折罫を介して連設される前面板及び背面板と、前面板及び背面板上に折り線を形成して両側端の押し込みによってスリーブが開口した状態を保持される押込み部と、前面板の下端に折り線を介して連設される第1底板と、背面板の下端に折り線を介して連設して第2接着部により前記第1底板に接着される第2底板とを有する複合容器が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の複合容器では、軟包装袋等の袋体の支持の形態に工夫の余地が残っている。
【0005】
そこで、本開示は、簡易に組み立てることができ、袋体を安定して支持することが可能な袋体の支持体、このような支持体を備えた複合容器、支持体を作成するための支持体作成用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示では、
前面板と、第1折り線を介して前記前面板に連設された背面板と、
前記前面板に連設された第1底板と、前記背面板に連設された第2底板と、
前記第1底板、前記第2底板を間に挟む位置において、第2折り線を介して前記前面板、前記背面板にそれぞれ連設された係止部と、を有し、
前記係止部は、前記前面板に連設された部分と、前記背面板に連設された部分が、前記第1折り線と同一直線上に延びる第3折り線を介して連設されており、
前記係止部は、前記第2折り線と前記第3折り線に挟まれた位置に形成された第4折り線により、前記第2折り線側の係止部第1部分と、前記第3折り線側の係止部第2部分に区分されており、
前記第4折り線の先端が、前記係止部の外縁に形成された凹部に位置し、
前記第1底板と前記第2底板は互いに接着されて底部を形成し、
前記底部の一部が、前記係止部第2部分と前記係止部第1部分の間に位置する前記凹部に配置されることにより、底面を形成する、支持体を提供する。
【0007】
また、本開示の支持体において、
前記第1折り線に沿う方向において、前記第2折り線の前記第1底板、前記第2底板側の端点は、前記第1折り線側の端点よりも下方に位置していてもよい。
【0008】
また、本開示の支持体において、
前記前面板と前記第1底板を区分する折り線は、前記前面板の側に凸の曲線であり、前記背面板と前記第2底板を区分する折り線は、前記背面板の側に凸の曲線であってもよい。
【0009】
また、本開示の支持体において、
前記第1底板は、前記前面板側の第1底板第1部分と、前記背面板側の第1底板第2部分に区分されており、
前記第1折り線に沿う方向において、前記第1底板の長さは、前記第2底板の長さよりも長く、
前記第1底板第2部分が前記第2底板に接着されていてもよい。
【0010】
また、本開示では、
いずれかの前記支持体内に、袋体が収容されている、複合容器を提供する。
【0011】
また、本開示では、
前面板と、第1折り線を介して前記前面板の両側にそれぞれ連設された背面板第1部分、背面板第2部分と、
前記前面板に連設された第1底板と、前記背面板第2部分に連設された第2底板と、
前記前面板から前記背面板第1部分、前記前面板から前記背面板第2部分にそれぞれ跨って前記前面板、前記背面板第1部分、前記背面板第2部分に、第2折り線を介して連設された係止部と、を有し、
前記係止部は、前記前面板に連設された部分と、前記背面板第1部分、前記背面板第2部分に連設された部分が、前記第1折り線と同一直線上に延びる第3折り線を介して連設されており、
前記係止部は、前記第2折り線と前記第3折り線に挟まれた位置に形成された第4折り線により、前記第2折り線側の係止部第1部分と、前記第3折り線側の係止部第2部分に区分されており、
前記第4折り線の先端が、前記係止部の外縁に形成された凹部に位置する、支持体作成用シートを提供する。
【0012】
本開示では、前記の事項を相互に組み合わせることが可能である。したがって、適用が困難な場合を除き、前記の複数の事項を任意の数だけ適宜組み合わせて課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、簡易に組み立てることができ、袋体を安定して支持することが可能な袋体の支持体、このような支持体を備えた複合容器、支持体を作成するための支持体作成用シートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の一実施形態に係る支持体の開口部側からの斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る支持体の上面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る支持体を下方から見た斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る支持体を作成するためのシートである支持体作成用シートを示す図である。
【
図5】支持体の作成工程において、前面板1側から見た状態を示す図である。
【
図6】支持体の作成工程において、背面板2側から見た状態を示す図である。
【
図7】支持体の作成工程において、前面板1と背面板2が底部9により連結された状態を示す上面図である。
【
図8】支持体の作成工程において、前面板1側から見た状態を示している。
【
図9】完成状態の支持体100を前面板1側から見た図である。
【
図10】本実施形態係る支持体100に支持される袋体の一例を示す正面図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係る複合容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<支持体の構成>
図1は本開示の一実施形態に係る支持体の開口部側からの斜視図である。
図2は本開示の一実施形態に係る支持体の上面図である。
図3は本開示の一実施形態に係る支持体を下方から見た斜視図である。
図1~
図3に示すように、本開示の一実施形態に係る支持体100は前面板1と背面板2(
図1、
図2では、背面板第1部分2a、背面板第2部分2bとしても表記。)により筒状のスリーブを形成している。さらに、スリーブの下方側を塞ぐようにして、底部9、係止部第1部分3a、3b、4a、4bが位置している。底部9は、前面板1に連設する第1底板7と背面板2に連設する第2底板8により構成されている。この底部9は、係止部第1部分3a、3b、4a、4b、係止部第2部分5a、5b、6a、6bとの間で係止されることにより底面として固定される。
【0016】
底部9の反対側である開口から袋体を前面板1と背面板2の間に挿入し、底部9で袋体を保持する。そして、底部9を下方にして支持体100を置くことにより、袋体の自立を支持することができる。
【0017】
図4は、本実施形態に係る支持体を作成するためのシートである支持体作成用シートを示す図である。
図4は、本実施形態に係る支持体の展開図でもある。支持体100を展開した支持体作成用シート100aは所定の坪量を有するマニラボール、ボール紙、カード紙、クラフトボール等の板紙のシートを打ち抜いて形成される。なお、樹脂板により支持体作成用シート100aを形成してもよい。
【0018】
図4に示すように、支持体作成用シート100aには、第1折り線f1、f2、第2折り線g1~g4、第3折り線h1,h2、第4折り線i1~i4、第5折り線j1,j2、第6折り線kが形成されている。支持体作成用シート100aにおいては、前面板1の両側に背面板第1部分2a、背面板第2部分2bが連設されている。具体的には、前面板1は、第1折り線f1を介して背面板第1部分2aと連設されており、第1折り線f2を介して背面板第2部分2bと連設されている。背面板第1部分2aと背面板第2部分2bは、それぞれ第1折り線f1、f2から折り曲げられた後、接着部S1により互いに貼り合わされて背面板2となる。そのため、前面板1と背面板2により筒状のスリーブが形成される。
【0019】
前面板1の下方には、第5折り線j1を介して第1底板7が連設されている。第1底板7は第6折り線kにより、第1底板第1部分7aと第1底板第2部分7bに区分されている。第1底板7のうち第1底板第1部分7aが第5折り線j1を介して前面板1に連設されている。
【0020】
背面板第2部分2bの下方には、第5折り線j2を介して第2底板8が連設されている。第2底板8は、後に接着部S2により第1底板第2部分7bと貼り合わされる。そして、第1底板7と第2底板8により底部9を形成する。底部9は、支持体100の下方において、前面板1と背面板2を連結している。
【0021】
第1底板7は、支持体作成用シート100aの長手方向における前面板1の中央に位置している。支持体作成用シート100aの長手方向における前面板1の中央とは、第1折り線f1と第1折り線f2の中間の位置である。本実施形態では、支持体作成用シート100aの長手方向において、第1底板7の中間の位置と、第1折り線f1と第1折り線f2の中間の位置が一致している。支持体作成用シート100aの長手方向において、第1底板7の中間の位置とは、後述する2つの端点P2、P2(
図4参照)間の中間の位置である。また、第2底板8は、支持体作成用シート100aの長手方向における背面板第2部分2bの、第1折り線f2とは反対側の端部から形成されている。本実施形態では、第2底板8は、背面板第1部分2aに連設されていない。
図1~
図3に示すように、支持体100が形成された際、左右方向(第1折り線f1と第1折り線f2を結ぶ方向)において、第1底板7は前面板1の中央に位置し、第2底板8は背面板2の中央に位置する。本実施形態では、背面板第1部分2aと背面板第2部分2bを連結して背面板2を形成した状態で、左右方向において互いに一致する位置に第1底板7と第2底板8が設けられている。
【0022】
図4に示すように、前面板1の下方には、第2折り線g2を介して係止部第1部分3aが連設されている。同様に、背面板第1部分2aの下方には、第2折り線g1を介して係止部第1部分3bが連設されている。さらに、係止部第1部分3aの下方には、第4折り線i2を介して係止部第2部分5aが連設されている。同様に、係止部第1部分3bの下方には、第4折り線i1を介して係止部第2部分5bが連設されている。そして、係止部第2部分5aと係止部第2部分5bは、第3折り線h1を介して連設されている。第1折り線f1と第3折り線h1は同一直線上にあり、端点P1が境界点となっている。この端点P1は、第2折り線g1,g2、第4折り線i1,i2の共通の端点でもある。
【0023】
係止部の外縁には凹部が形成されている。具体的には、係止部第1部分3aの外縁と係止部第2部分5aの外縁の間には凹部o1が形成され、係止部第1部分3bの外縁と係止部第2部分5bの外縁の間には凹部o2が形成されている。凹部o1は、第4折り線i2の先端に位置し、凹部o2は、第4折り線i1の先端に位置している。本実施形態では、係止部第1部分3aと係止部第1部分3bは互いに対称な形状であって、第3折り線h1を介して互いに線対称に位置する。また、係止部第2部分5aと係止部第2部分5bは互いに対称な形状であって、第3折り線h1を介して互いに線対称に位置する。
【0024】
前面板1の下方には、第1折り線f2付近にも、第1折り線f1付近と同様に、第2折り線g3を介して係止部第1部分4aが連設されている。同様に、背面板第2部分2bの下方には、第2折り線g4を介して係止部第1部分4bが連設されている。さらに、係止部第1部分4aの下方には、第4折り線i3を介して係止部第2部分6aが連設されている。同様に、係止部第1部分4bの下方には、第4折り線i4を介して係止部第2部分6bが連設されている。そして、係止部第2部分6aと係止部第2部分6bは、第3折り線h2を介して連設されている。第1折り線f2と第3折り線h2は同一直線上にあり、端点P1が境界点となっている。この端点P1は、第2折り線g3,g4、第4折り線i3,i4の共通の端点でもある。このように、前面板1から背面板第1部分2a、前面板1から背面板第2部分2bにそれぞれ跨って前面板1、背面板第1部分2a、背面板第2部分2bに、第2折り線g1~g4を介して係止部が連設されている。
【0025】
第1折り線f1付近と同様に、第1折り線f2付近の係止部の外縁にも凹部が形成されている。具体的には、係止部第1部分4aの外縁と係止部第2部分6aの外縁の間には凹部o3が形成され、係止部第1部分4bの外縁と係止部第2部分6bの外縁の間には凹部o4が形成されている。凹部o3は、第4折り線i3の先端に位置し、凹部o4は、第4折り線i4の先端に位置している。本実施形態では、係止部第1部分4aと係止部第1部分4bは互いに対称な形状であって、第3折り線h2を介して互いに線対称に位置する。また、係止部第2部分6aと係止部第2部分6bは互いに対称な形状であって、第3折り線h2を介して互いに線対称に位置する。
【0026】
本実施形態では、第1折り線f1付近の係止部と、第1折り線f2付近の係止部は、互いに同一な形状となっている。これらの係止部は、完成した支持体においては、底部9を挟んで対向するように配置される。
【0027】
支持体作成用シート100aには、第1折り線f1、f2、第2折り線g1~g4、第3折り線h1,h2、第4折り線i1~i4、第5折り線j1,j2、第6折り線kの計15本の折り線が形成されている。
図4の例では、第1折り線f1、f2を山折りとしている。この場合、支持体100の形成時には、第3折り線h1、h2は谷折りであり、第2折り線g1~g4、第4折り線i1~i4、第5折り線j1、j2、第6折り線kは全て山折りである。
【0028】
前面板1、背面板2と底部9、係止部を区分する第2折り線g1~g4、第5折り線j1、j2は、概ね、支持体作成用シート100aの長手方向(
図4の左右方向)に沿って形成されている。ただし、本実施形態では、前面板1と第1底板第1部分7aを区分する第5折り線j1、背面板2(背面板第2部分2b)と第2底板8を区分する第5折り線j2は、前面板1、背面板2側に僅かに凸である曲線状となっている。
図4に示すように、支持体作成用シート100aの長手方向の最大長がa(mm)、支持体作成用シート100aの短手方向の最大長がb(mm)としている。一例としては、a=342(mm)、b=134(mm)であるとき、第5折り線j1、j2の曲率半径は、229.65mmである。このとき、支持体作成用シート100aの短手方向における第5折り線j1の中央部と両端部P2、P2の距離は3mmである。支持体作成用シート100aの短手方向(
図4の上下方向)における第5折り線j2の中央部と両端部P2、P2の距離も3mmである。このように、前面板1と第1底板7を区分する第5折り線j1、背面板2と第2底板8を区分する第5折り線j2が、前面板1、背面板2側に僅かに凸な曲線状であることにより、直線状である場合よりも折り曲げ易く、安定した底部9を形成し易くなっている。
【0029】
上述のように、第2折り線g1,g2、第4折り線i1,i2の一方の端点は、いずれも第1折り線f1と第3折り線h1の境界点である端点P1にある。この端点P1は、第1折り線f1に沿う方向である支持体作成用シート100aの短手方向において、第5折り線j1、j2の中点と同じ位置にある。したがって、支持体作成用シート100aの短手方向における第5折り線j1の中央部と両端部P2、P2の距離が3mmである場合、支持体作成用シート100aの短手方向における、第5折り線j1の両端部P2、P2と端点P1の距離も3mmである。
【0030】
本実施形態では、前面板1、背面板2と係止部を区分する第2折り線g1~g4は、前面板1、背面板2側に僅かに凸である曲線状となっている。一例としては、支持体作成用シート100aの長手方向の最大長a=342(mm)、短手方向b=134(mm)であるとき、第2折り線g1~g4の曲率半径は、539.2mmである。このように、前面板1、背面板2と係止部を区分する第2折り線g1~g4が、前面板1、背面板2側に僅かに凸な曲線状であることにより、直線状である場合よりも折り曲げ易く、係止部を形成し易くなっている。
【0031】
また、第3折り線h1を挟んで、係止部が互いに対称な形状となるように、第2折り線g1,第4折り線i1と、第2折り線g2,第4折り線i2は、第3折り線h1に対して互いに線対称に形成されている。同様に、第3折り線h2を挟んで、係止部が互いに対称な形状となるように、第2折り線g3,第4折り線i3と、第2折り線g4,第4折り線i4は、第3折り線h2に対して互いに線対称に形成されている。
【0032】
第1折り線f1、f2、第2折り線g1~g4、第3折り線h1,h2、第4折り線i1~i4、第5折り線j1,j2、第6折り線kは、実際に折り曲げ易いように加工されていてもよいし、実際には加工されていない仮想線であってもよい。現実には、支持体作成用シート100aとして厚みのある板紙を用いるため、折り曲げ易いように加工されていることが好ましい。本実施形態では、一方向にしか折り曲げない第1折り線f1、f2、第4折り線i1~i4、第5折り線j1,j2、第6折り線kは押罫である。また、支持体100の形成過程において、両方向に折り曲げる第2折り線g1~g4、第3折り線h1、h2は、押罫と合わせてミシン目が形成されている。
【0033】
背面板第1部分2aの第1折り線f1と反対側の端部付近には、網掛けして示す接着部S1が形成されている。接着部S1は、支持体作成用シート100aの短手方向(
図4の上下方向)に延びるように形成されている。背面板第1部分2aの外面側に形成された接着部S1は、後に背面板第2部分2bの内面側と接着されて、背面板2を形成する。
【0034】
第1底板第2部分7bの第6折り線kと反対側の端部付近には、網掛けして示す接着部S2が形成されている。接着部S2は、支持体作成用シート100aの長手方向(
図4の左右方向)に延びるように形成されている。第1底板第2部分7bの外面側に形成された接着部S2は、後に第2底板8の内面側と接着されて、底部9を形成する。
【0035】
<支持体100の作成>
図4に示したような支持体作成用シート100aの状態から支持体100を作成する。具体的な作成は、人手で行ってもよいし、機械加工で行ってもよい。まず。
図4に示した状態から、第1折り線f1,f2で山折りする。この際、同一直線上にある第3折り線h1,h2も山折りされる。そして、第1折り線f1で背面板第1部分2aを折り畳み、第1折り線f2で背面板第2部分2bを順に折り畳むと、背面板第1部分2aの外面に形成された接着部S1に、背面板第2部分2bの内面の一部が重なる。そして、背面板第1部分2aと背面板第2部分2bは接着されて、背面板2を形成する。この結果、
図5、
図6に示すように、前面板1と背面板2が対向して筒状の状態が形成される。
図5は、前面板1側から見た状態を示している。
図6は、背面板2側から見た状態を示している。
【0036】
次に、第1折り線f1,f2が位置する端部同士を内側に押し込むようにして、前面板1、背面板2を撓ませた状態として、第5折り線j1,j2を山折り(
図5から見て)する。そして、第1底板第2部分7bの外面に形成された接着部S2に、第2底板8の内面の一部を重ねる。そして、第1底板第2部分7bと第2底板8を接着して、底部9を形成する。この結果、
図7に示すように、前面板1と背面板2が底部9により連結される。
図7は、作成途中の支持体の上面図である。
【0037】
次に、第3折り線h1、h2が位置する端部同士を内側に押し込む。すると、第4折り線i1~i4が山折り状態となるとともに、第2折り線g1~g4が谷折り状態となる。さらに、第3折り線h1、h2を内側に押し続けると、第3折り線h1、h2は谷折り状態となる。そして、係止部第2部分5a、5bは、係止部第1部分3a、3bに挟まれた内側に入り込み、係止部第2部分6a、6bは、係止部第1部分4a、4bに挟まれた内側に入り込む。このときの状態を
図8に示す。
図8は、前面板1側から見た状態を示している。この時点では、第6折り線kを折り曲げて前面板1と背面板2が接触するようにすると、
図8に示すような状態となる。このとき、係止部第2部分5a、5bは、係止部第1部分3a、3bの内側に重ねられており、係止部第2部分6a、6bは、係止部第1部分4a、4bに重ねられている。
【0038】
図8に示した状態から、第4折り線i1~i4とともに、第6折り線kを上方に押し込む。すなわち、前面板1と背面板2で形成される筒状の内部に押し込む。そして、底部9、係止部第1部分3a、3b、係止部第1部分4a、4bが底面を形成する位置になるよう調整する。底部9においては、第1底板第1部分7aと第1底板第2部分7bが1つの面を形成する位置まで押し込む。また、係止部第1部分3a、3bについても1つの面を形成する位置まで押し込む。さらに、係止部第1部分4a、4bについても1つの面を形成する位置まで押し込む。この際、底部9が係止部第1部分3a、3bに形成された凹部o1、o2、係止部第1部分4a、4bに形成された凹部o3、o4に位置するように調整する。このように調整することにより、底部9の一方の端部が、係止部第1部分3aと係止部第2部分5aの間に挟まれるとともに、係止部第1部分3bと係止部第2部分5bの間に挟まれる。さらに、底部9の他方の端部が、係止部第1部分4aと係止部第2部分6aの間に挟まれるとともに、係止部第1部分4bと係止部第2部分6bの間に挟まれる。
【0039】
係止部第1部分4aと係止部第2部分6aの間と、係止部第1部分4bと係止部第2部分6bの間で底部9のそれぞれの端部を挟むことにより、底部9を固定することができる。そのためには、まず、端点P1から凹部oまでの距離が、端点P1と底部9の最短距離より短い必要がある。さらに、端点P1を有する係止部第1部分、係止部第2部分に、端点P1と距離が端点P1と底部9の最短距離より長くなる箇所が存在する必要がある。このような条件を、係止部第1部分、係止部第2部分が満たすことにより、係止部第1部分4aと係止部第2部分6aの間と、係止部第1部分4bと係止部第2部分6bの間で底部9のそれぞれの端部を挟むことが可能となる。底部9を両側から2つの係止部で挟むことにより、底部9、係止部第1部分3a、3b、4a、4bを1つの底面とすることができ、本実施形態に係る支持体100が完成する。
図9は、完成状態の支持体100を前面板1側から見た図である。完成状態の支持体100の開口部側からの斜視図、上面図、下方から見た斜視図が、それぞれ
図1~
図3となる。
【0040】
図2に示すように、前面板1と背面板2の挟まれた内部を支持体100の上方から見ると、底部9の両開放端が、係止部第1部分3a、3b、4a、4bの一部において上方に位置することがわかる。一方、
図2においては、係止部第2部分5a、5bが重ね合わせられているとともに、係止部第2部分6a、6b重ね合わせられていることがわかる。そして、重ね合わせられた係止部第2部分5a、5bは、底部9の一方の開放端の上方に位置し、重ね合わせられた係止部第2部分6a、6bは、底部9の他方の開放端の上方に位置する。
【0041】
また、
図3に示すように、支持体100を下方の底面側から見ると、底部9の両開放端が、係止部第1部分3a、3b、4a、4bで支えられていることがわかる。このような支持体100に袋体を入れると、袋体の基本的な重量は、底部9、係止部第1部分3a、3b、4a、4bからなる底面で支えられ、前面板1、背面板2により倒れないように支えられる。本実施形態に係る支持体100は、このようにして、袋体を自立させることができる。
【0042】
<袋体について>
本実施形態に係る支持体100に支持される袋体について説明する。
図10は、本実施形態係る支持体100に支持される袋体の一例を示す正面図である。本実施形態に係る支持体100は、
図10に示すような、いわゆるスタンディングパウチと呼ばれる袋体を支持するために好適である。
図10に示す袋体は、積層フィルムであるおもて面フィルム11,裏面フィルム12,底面フィルム13を用いて構成される。積層フィルムは、少なくとも基材層とシーラント層を有している。底面フィルム13は、折込部13aにおいて折り返されて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12の間に挟まれる。そして、所定の箇所において、対向するシーラント層同士に熱を加えてヒートシールすることにより袋体が形成される。
【0043】
図10において、網掛けされた部分はヒートシールにより形成されたシール部である。シール部としては、上部シール部14、側部シール部15a、15b、底部シール部16が形成されている。底部シール部16は、第1底部シール部16aと第2底部シール部16bに区分される。上部シール部14、側部シール部15a、15b、第2底部シール部16bでは、おもて面フィルム11と裏面フィルム12が接合されている。第1底部シール部16aは、底面フィルム13が、おもて面フィルム11,裏面フィルム12と接合されている。
【0044】
上記のような構成により、下方には、底部ガセット部17が形成され、袋体の自立を可能としている。また、上記各シール部の内縁により収容部18が区画される。
図10の例では、内容物を省略しているが、実際には、収容部18には内容物が充填されている。内容物は、例えば上部シール部14の形成前に、上方から充填される。そして、充填後、上部シール部14を形成して袋体は封止される。袋体には、開封のために、ノッチ19が、側部シール部15a、15bに設けられている。消費者は、このノッチ19を用いて開封することにより、内容物を取り出すことができる。特に、開封して上部が開放された後、袋体が倒れないようにするため、支持体100に収容すると有益である。
【0045】
図11は、本開示の一実施形態に係る複合容器を示す図である。
図11は、袋体10を支持体100に挿入した状態となっている。
図11の例では、既にノッチ19から開封した袋体を挿入した状態を示しているが、未開封の袋体10を支持体100に挿入して、複合容器を形成してもよい。
【0046】
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1折り線fに沿う方向において、第2折り線gの第1底板、第2底板側の端点p2は、第1折り線側の端点p1よりも下方に位置するようにしたが、第2折り線を折り曲げて係止部第2部分を底面の一部として安定させることができれば、必ずしも第2底板側の端点p2は、第1折り線側の端点p1よりも下方に位置する必要はない。
【0047】
また、本開示においては、特に組み合わせに困難を有する構成でない限り、上記実施形態で示された構成要素を適宜組み合わせることができる。また、本開示においては、上記実施形態で示された構成要素の一部を省略した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・前面板
2・・・背面板
2a・・・背面板第1部分
2b・・・背面板第2部分
3a、3b、4a、4b・・・係止部第1部分
5a、5b、6a、6b・・・係止部第2部分
7・・・第1底板
7a・・・第1底板第1部分
7b・・・第1底板第2部分
8・・・第2底板
9・・・底部
10・・・袋体
100・・・支持体
100a・・・支持体作成用シート
f1、f2・・・第1折り線
g1~g4・・・第2折り線
h1,h2・・・第3折り線
i1~i4・・・第4折り線
j1,j2・・・第5折り線
k・・・第6折り線
o1~o4・・・凹部
P1、P2・・・端点