(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052466
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】軽量化工業型ヒューズ
(51)【国際特許分類】
H01H 85/175 20060101AFI20240404BHJP
H01H 85/143 20060101ALI20240404BHJP
H01H 85/17 20060101ALI20240404BHJP
H01H 85/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01H85/175
H01H85/143
H01H85/17
H01H85/12
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205026
(22)【出願日】2022-12-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-03
(31)【優先権主張番号】111137426
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】510101697
【氏名又は名称】功得電子工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Conquer Electoronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.26,Wucyuan 5th RD.,Wugu Dist.,New Taipei City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】邱 鴻智
(72)【発明者】
【氏名】邱 柏碩
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA04
5G502BB08
5G502BB16
5G502BC05
5G502BD06
5G502BD11
5G502BE01
5G502BE03
(57)【要約】
【課題】軽量であり且つ組立が容易である工業型ヒューズを提供する。
【解決手段】互いに結合された第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14を有するケース1と、一体成形のヒューズエレメント2とを備え、ヒューズエレメント2は、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14の間に挟持されており、ケース1内に位置する溶断部21と、二つの中間部22と、ケース1の対向する両端部からそれぞれ露出する二つの電極部23とを有し、二つの中間部22は、溶断部21の対向する両端部と二つの電極部23とをそれぞれ連結している。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、少なくとも一つの片状ヒューズエレメントとを備えた軽量化工業型ヒューズであって、
前記ケースは、
第1プラスチック半ケースと、
前記第1プラスチック半ケースと結合して閉鎖型収容空間を構成する第2プラスチック半ケースとを有し、
前記少なくとも一つの片状ヒューズエレメントは、前記第1プラスチック半ケースと第2プラスチック半ケースとの間に挟持されており、各々が、一体的に形成されている溶断部、二つの中間部及び二つの電極部を有し、
前記溶断部は、前記閉鎖型収容空間内に配置され、
前記二つの中間部は、前記溶断部の対向する両端部にそれぞれ連結され、
前記二つの電極部は、前記溶断部から離間している前記二つの中間部22の端部にそれぞれ連結されており、且つ前記ケースの対向する両側部からそれぞれ露出している、軽量化工業型ヒューズ。
【請求項2】
前記第1プラスチック半ケースは、互いに一体的に形成された第1半ケース板及び二つの第1側板を有しており、且つ第1開口を有し、
前記第2プラスチック半ケースは、互いに一体的に形成された第2半ケース板及び二つの第2側板を有しており、且つ第2開口を有し、
前記第1開口と前記第2開口とが互いに重なることで、前記第1プラスチック半ケースと前記第2プラスチック半ケースとによって前記閉鎖型収容空間が構成される、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項3】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1半ケース板の内壁面に、前記二つの第1側板と平行であり且つ前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口からそれぞれ突出する二つの第1係合板が一体的に形成され、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2半ケース板の内壁面に、前記二つの第2側板と平行であり且つ前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口からそれぞれ突出する二つの第2係合板が一体的に形成され、前記二つの第2係合板は、前記二つの第1係合板の外側にそれぞれ配置され、前記第1係合板及び前記第2係合板により、前記溶断部の一部を収容する溶断空間が構成されている、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項4】
前記第1半ケース板は、一体的に形成された二つの第1連結板を更に有し、前記二つの第1連結板は、前記二つの第1係合板の対向する両側部にそれぞれ連結され、且つ前記第1開口の対向する両側部と間隔をおいて平行に配置され、
前記第2半ケース板は、一体的に形成された二つの第2連結板を更に有し、前記二つの第2連結板は、前記二つの第2係合板の対向する両側部にそれぞれ連結され、且つ前記二つの第1連結板の外側に配置されている、請求項3に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項5】
前記二つの第2連結板は、前記第2開口の対向する両側部にそれぞれ一体的に形成されている、請求項4に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項6】
二つの第1係合板と、二つの第1連結板と、内側底板とによって一体的に形成され、前記第1プラスチック半ケース内に配置された第1内側半ケースと、
二つの第2係合板と、二つの第2連結板と、内側上部板とによって一体的に形成され、前記第2プラスチック半ケース内に配置された第2内側半ケースと、を更に備え、前記二つの第2係合板は前記二つの第1係合板の外側に配置され、前記二つの第2連結板は前記二つの第1連結板の外側に配置され、前記第1内側半ケース及び第2内側半ケースによって内側ケースが構成され、前記内側ケースは前記溶断部の一部を包囲している、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項7】
前記第1内側半ケース及び前記第2内側半ケースはセラミック製である、請求項6に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項8】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1半ケース板に二つの第1係合板が一体的に形成され、前記二つの第1係合板の上面は、前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口と面一であり、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2半ケース板に二つの第2係合板が一体的に形成され、前記二つの第2係合板の底面は、前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口と面一であり且つ前記二つの第1係合板にそれぞれ位置合わせされており、前記二つの第1係合板が前記二つの第2係合板にそれぞれ部分的に当接することにより、前記溶断部の一部を収容する溶断空間が構成されている、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項9】
前記第1半ケース板の前記二つの第1係合板はそれぞれ、その上面から前記溶断部に対応して第1係合溝が下方に凹設され、
前記第2半ケース板の前記二つの第2係合板はそれぞれ、その底面から前記溶断部に対応して第2係合溝が上方に凹設されている、請求項3から5、8のいずれか一項に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項10】
前記第1半ケース板は、
前記二つの第1側板と平行になるように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された複数の第1横方向リブと、
前記複数の第1横方向リブを貫通して前記二つの第1側板に連結するように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された第1縦方向リブと、を更に有し、
前記第2半ケース板は、
前記二つの第2側板と平行になるように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成され、各々が、対応の前記第1横方向リブに部分的に当接している複数の第2横方向リブと、
前記複数の第2横方向リブを貫通して前記二つの第2側板に連結するように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成された第2縦方向リブと、を更に有する、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項11】
前記第1半ケース板は、
前記二つの第1係合板の外側にそれぞれ配置されるように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された複数の第1横方向リブと、
前記二つの第1係合板及び前記複数の第1横方向リブを貫通して前記二つの第1側板に連結するように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された第1縦方向リブと、を更に有し、
前記第2半ケース板は、
前記二つの第2係合板の外側にそれぞれ配置されるように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成され、各々が、対応の前記第1横方向リブに部分的に当接している複数の第2横方向リブと、
前記二つの第2係合板及び前記複数の第2横方向リブを貫通して前記二つの第2側板に連結するように前記第2半ケース板に一体的に形成された第2縦方向リブと、を更に有する、請求項9に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項12】
前記第1半ケース板の各前記第1横方向リブに、前記溶断部に対応して第1凹溝が凹設され、各前記第1凹溝の底面は、前記二つの第1係合板における前記第1係合溝の底面と面一であり、
前記第2半ケース板の各前記第2横方向リブに、前記溶断部に対応して第2凹溝が凹設され、各前記第2凹溝の上面は、前記二つの第2係合板における前記第2係合溝の上面と面一である、請求項11に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項13】
前記第1プラスチック半ケースの各前記第1側板は、前記二つの中間部に対応して前記第1側板の平面に形成された第1凹部をそれぞれ有し、前記第1凹部の底面は各前記第1横方向リブにおける前記第1凹溝の底面及び前記二つの第1係合板における前記第1係合溝の底面と面一であり、
前記第2プラスチック半ケースの各前記第2側板は、前記二つの中間部に対応して前記第2側板の平面に形成された第2凹部をそれぞれ有し、前記第2凹部の上面は各前記第2横方向リブにおける前記第2凹溝の上面及び前記二つの第2係合板における前記第2係合溝の上面と面一である、請求項12に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項14】
各前記第1側板の前記平面には、前記第1凹部の対向する両側部にそれぞれ位置する二本の固定ピンが一体的に形成され、各前記固定ピンは、前記二つの第1係合板よりも高くなっており、
各前記第2側板の前記平面には、前記二つの固定ピンを挿嵌させるための二つの固定穴が貫設され、各前記固定ピンは、対応の前記固定穴にそれぞれ挿嵌され、各前記固定ピンの先端は、溶接によって対応の前記固定穴にそれぞれ固定されている、請求項13に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項15】
各前記第2側板の平面には、対応の前記第1側板の外側に位置する二つの位置決め部が一体的に形成されている、請求項12に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項16】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口の内周縁には環状溝が更に形成され、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口の内周縁には、前記第1プラスチック半ケースの前記環状溝に対応するように、互いに対向する二つの係合フランジが更に一体的に突設され、前記二つの係合フランジは前記環状溝に係合させられて当接させられている、請求項13に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項17】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口の内周縁には環状溝が更に形成され、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口の内周縁には、前記第1プラスチック半ケースの前記環状溝に対応するように、互いに対向する二つの係合フランジが更に一体的に突設され、前記二つの係合フランジは前記環状溝に係合させられて当接させられている、請求項14に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項18】
前記少なくとも一つの片状ヒューズエレメントの前記溶断部は、第1部と、二つの第2部とを更に有し、
前記第1部は、一字形であり、前記第1係合板及び第2係合板の間に挟持されて前記溶断空間内に配置され、且つ前記第1係合溝及び第2係合溝にそれぞれ係合されており、
前記二つの第2部は、前記第1部の両端部から延出し、且つ対応の前記中間部とそれぞれ連結しており、前記二つの第2部は、対応の前記第1横方向リブと前記第2横方向リブとの間にそれぞれ挟持されて前記閉鎖型収容空間内に配置され、且つ対応の前記第1凹溝及び前記第2凹溝にそれぞれ係合されている、請求項17に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項19】
前記溶断部の前記二つの第2部のそれぞれに孔部が形成され、
前記二つの中間部には、前記第1プラスチック半ケースの前記固定ピンに対応して複数の係合切欠きが形成され、前記係合切欠きには、対応の前記固定ピンがそれぞれ係合されており、
前記二つの中間部の幅は前記溶断部の前記第1部の幅よりも大きく、
前記二つの電極部のそれぞれに貫通孔が貫設されている、請求項18に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項20】
前記片状ヒューズエレメントは複数備えられ、これらの片状ヒューズエレメントは積層されて前記第1プラスチック半ケース及び前記第2プラスチック半ケースの間に挟持されている、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項21】
前記溶断空間内に防爆材が充填されている、請求項4又は8に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項22】
前記防爆材はセラミック砂、けい砂又はガラス繊維である、請求項21に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒューズに関し、特に軽量化工業型ヒューズに関する。
【背景技術】
【0002】
工業型ヒューズは、電力機器又は装置に搭載されてその内部の回路及び電子部品を保護するための保護素子である。従来の工業型ヒューズとしては、
図11A及び
図11Bに示すように、絶縁筒体4と、二つの金属キャップ5と、ヒューズエレメント6とを備えたものが知られている。絶縁筒体4は、セラミック材料製の中空円柱体である。二つの金属キャップ5は、絶縁筒体4の両端の開口部にそれぞれ嵌装されており、電極51を有している。二つの電極51のそれぞれに、図示しないねじによって電極51を対応の回路板に固定するための貫通孔52が形成されている。ヒューズエレメント6は絶縁筒体4内に挿入されて収容され、その両端部は、金属キャップ5にそれぞれ溶接されている。
【0003】
絶縁筒体4の両端の開口部に金属キャップ5を嵌装し、絶縁筒体4内に挿設されたヒューズエレメント6を金属キャップ5に溶接して固定する構成である上記従来の工業型ヒューズは、製造工程が複雑であって簡素化しにくいため、生産コストの削減が困難である。また、上記工業型ヒューズは、絶縁筒体4がセラミック製であって二つの金属キャップ5が金属製であるため重量が大きく、軽量化電力機器や装置での使用に向いていない。従って、上記工業型ヒューズには改良の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、セラミック絶縁筒体及び金属キャップの使用により重量が大きく、且つ組み立て工程が複雑であるという上記工業型ヒューズの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量であり且つ組立が容易である工業型ヒューズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明に係る軽量化工業型ヒューズの特徴は、
ケースと、少なくとも一つの片状ヒューズエレメントとを備え、
前記ケースは、
第1プラスチック半ケースと、
前記第1プラスチック半ケースと結合して閉鎖型収容空間を構成する第2プラスチック半ケースとを有し、
前記少なくとも一つの片状ヒューズエレメントは、前記第1プラスチック半ケースと第2プラスチック半ケースとの間に挟持されており、各々が、一体的に形成されている溶断部、二つの中間部及び二つの電極部を有し、
前記溶断部は、前記閉鎖型収容空間内に配置され、
前記二つの中間部は、前記溶断部の対向する両端部にそれぞれ連結され、
前記二つの電極部は、前記溶断部から離間している前記二つの中間部22の端部にそれぞれ連結されており、且つ前記ケースの対向する両側部からそれぞれ露出している点にある。
【発明の効果】
【0006】
前述したように、本発明に係る工業型ヒューズにおいては、第1プラスチック半ケースと第2プラスチック半ケースとを互いに結合させることにより、閉鎖型収容空間を有するケースを構成している。そして、ヒューズエレメントは、これらの半ケース間に挟持されており、その二つの電極部は、ケースの対向する両側部から露出している。このような構成とすることで、製造工程の単純化及びそれによる生産コストの大幅な削減が可能になる。また、ケースをプラスチック製とすることで、工業型ヒューズは大幅に軽量化するため、軽量化電力機器や装置での使用に向いている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第1実施形態を示す斜視図である。
【
図1B】本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第2実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1Aの軽量化工業型ヒューズを示す分解斜視図である。
【
図3】
図1Aの軽量化工業型ヒューズを示す側面視断面図である。
【
図4】
図1Aの軽量化工業型ヒューズを示す平面視断面図である。
【
図5】
図1Aの軽量化工業型ヒューズのA-A線に沿った断面図である。
【
図6】
図1Aの軽量化工業型ヒューズのB-B線に沿った断面図である。
【
図7A】本発明に係る軽量化工業型ヒューズのヒューズエレメントを示す平面図である。
【
図7B】本発明に係る軽量化工業型ヒューズのヒューズエレメントを示す他の平面図である。
【
図8】本発明に係る軽量化ヒューズの第3実施形態を示す分解斜視図である。
【
図9】本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第4実施形態を示す側面視断面図である。
【
図10】本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第5実施形態を示す側面視断面図である。
【
図11A】従来の工業型ヒューズを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は軽量化工業型ヒューズに関する。以下、複数の実施形態を用いて図面を参照しながら本発明の技術的思想を説明する。
【0009】
図1A、
図2及び
図3に、本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第1実施形態が示されている。本実施形態において、軽量化工業型ヒューズは、ケース1と、少なくとも一つの片状ヒューズエレメント2とを備え、防爆材3を更に備えてもよい。
【0010】
ケース1は、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14を有している。
図3、
図4及び
図5に示すように、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14は、互いに組み合わされて閉鎖型収容空間18を画定している。本実施形態において、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14はいずれも中空半円柱体であり、これらが組み合わされることにより、中空円柱体であるケース1が形成される。ある実施形態において、
図1Bに示すように、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14はいずれも中空半矩形柱状体であり、これらが組み合わされることにより、中空矩形柱状体であるケース1が形成される。なお、ケース1の形状円柱体又は矩形柱状体に限定されない。
【0011】
図2に示すように、ケース1の第1プラスチック半ケース10は、互いに一体的に形成された第1半ケース板11及び二つの第1側板12を有し、且つ第1開口101を有している。本実施形態において、第1半ケース板11は半円筒形であり、二つの第1側板12はいずれも半円形である。第1開口101の内周縁には、環状溝13が更に形成されてもよい。
【0012】
ある実施形態において、第1半ケース板11は、二つの第1係合板111を有しており、複数の第1横方向リブ114と、第1縦方向リブ116とを更に有してもよい。二つの第1係合板111は、二つの第1側板12と平行であり且つ第1プラスチック半ケース10の第1開口101から突出するように、第1半ケース板11の中央側の内壁面上に一体的に形成されている。二つの第1係合板111のそれぞれには、その上面から下方に凹設された第1係合溝112が形成されている。本実施形態において、第1半ケース板11は、一体的に形成された二つの第1連結板113を更に有してもよい。これらの第1連結板113は、二つの第1係合板111の対向する両側部にそれぞれ一体的に連結され、且つ第1開口101の対向する両側部と間隔をおいて平行に配置されるように構成されている。複数の第1横方向リブ114は、二つの第1係合板111の外側に配置され且つ二つの第1側板12と平行になるように、第1半ケース板11の内壁面に一体的に形成されている。第1横方向リブ114のそれぞれに第1凹溝115が凹設されており、各第1凹溝115の底面は、二つの第1係合板111における第1係合溝112の底面と面一である。第1縦方向リブ116は、二つの第1係合板111及び複数の第1横方向リブ114を貫通して二つの第1側板12に連結するように、第1半ケース板11の内壁面に一体的に形成されている。
【0013】
ある実施形態において、各第1側板12の平面には、第1凹部121がそれぞれ形成され、更に、少なくとも一本の固定ピン122がそれぞれ形成されている。二つの第1凹部121の底面は各第1凹溝115の底面及び二つの第1係合溝112の底面と面一である。ある実施形態において、各第1側板12の平面には、第1凹部121の対向する両側部において、二本の固定ピン122が形成されている。本実施形態において、各固定ピン122は二つの第1係合板111よりも高い円柱体である。但し、固定ピン122の数量及び形状はこれに限定されない。
【0014】
ケース1の第2プラスチック半ケース14は、互いに一体的に形成された第2半ケース板15及び二つの第2側板16を有し、且つ第2開口141を有している。本実施形態において、第2半ケース板15は同じく半円筒形であり、各第2側板16は半円形である。また、第2開口141の内周縁には、互いに対向する二つの係合フランジ17が、第1プラスチック半ケース10の環状溝13に対応するように、下方に向かって一体的に突設されている。二つの係合フランジ17の高さは、環状溝13の深さに対応している。本実施形態において、二つの係合フランジ17はいずれも、横方向に長い逆さの略「U」字状であり、且つ、
図2及び
図4に示すように、二つの第2側板16に形成された二つの係合フランジ17は、二つの第1側板12における第1凹部121に対応する間隔をおいて配置されている。
【0015】
ある実施形態において、第2半ケース板15は、二つの第2係合板151を有しており、複数の第2横方向リブ154と、第2縦方向リブ156とを更に有してもよい。二つの第2係合板151は、二つの第2側板16と平行であり且つ第2プラスチック半ケース14の第2開口141から突出するように、二つの第1係合板111にそれぞれ対応して第2半ケース板15の中央側の内壁面上に一体的に形成されている。二つの第2係合板151のそれぞれには、その底面から上方に凹設された第2係合溝152が形成されている。本実施形態において、第2半ケース板15は、二つの第2連結板153を更に有してもよい。これらの第2連結板153、二つの第2係合板151の対向する両側部にそれぞれ一体的に連結され、且つ第2開口141の対向する両側部に一体的に形成されている。本実施形態において、
図4に示すように、二つの第2連結板153は、二つの係合フランジ171のそれぞれと一体的に形成されている。複数の第2横方向リブ154は、二つの第2係合板151の外側に配置され且つ二つの第2側板16と平行になるように、第2半ケース板15の内壁面に一体的に形成されている。第2横方向リブ154のそれぞれに第2凹溝155が凹設されており、各第2凹溝155の上面は、二つの第2係合板151における第2係合溝152の上面と面一である。第2縦方向リブ156は、二つの第2係合板151及び複数の第2横方向リブ154貫通して二つの第2側板16に連結されるように、第2半ケース板15の内壁面に一体的に形成されている。
【0016】
ある実施形態において、各第2側板16の平面には、第2凹部161がそれぞれ形成され、更に、少なくとも一つの固定穴162及び位置決め部163が形成されてもよい。各第2凹部161は、各第1側板12の第1凹部121にそれぞれ対応し、且つ各第2凹部161の上面は、各第2横方向リブ154における第2凹溝155の上面、及び二つの第2係合板151における第2係合溝152の上面と面一である。ある実施形態において、第2側板16には、その平面から貫通した二つの固定穴162が、第1プラスチック半ケース10における二本の固定ピン122にそれぞれ対応して形成されている。固定穴162は、対応の固定ピン122が挿入されるための穴である。本実施形態において、各固定穴162は、円柱体である対応の固定ピン122が挿嵌可能である丸穴に形成されている。但し、固定穴162の数量及び形状はこれに限定されない。二つの位置決め部163は、対応の第1側板12の外側に位置するように、第2側板16の平面に一体的形成されている。すなわち、
図3に示すように、一方の第2側板16における二つの位置決め部163と、対向する他方の第2側板16における二つの位置決め部163との間の距離は、第1プラスチック半ケース10の長さに等しいように設定されている。
【0017】
本実施形態において、第1プラスチック半ケース10の二つの第1側板12における二つの固定ピン122は、対応の第2プラスチック半ケース14の二つの第2側板16における対応の固定穴162にそれぞれ挿入されている。そして、各固定ピン122の先端は、第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14とが互いに対して安定的に連結されてケース1を構成するように、溶接によって対応の固定穴162に固定されている。
図2、
図5及び
図6に示すように、第2半ケース板15の二つの係合フランジ17は、第1半ケース板11の環状溝13に係合させられて当接させられ、その結果、第1開口101と第2開口141とが互いに重なり、且つ第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14とによって閉鎖型収容空間18が構成される。ある実施形態において、二つの第2係合板151は、二つの第1係合板111の外側にそれぞれ配置されている。第1係合板111及び第2係合板151によって溶断空間19が構成される。本実施形態においては、
図3及び
図4に示すように、好ましくは、二つの第2係合板151及び二つの第2連結板153が、二つの第1係合板111及び二つの第1連結板113の外側に配置されている。各第2横方向リブ154は、対応する第1横方向リブ114にそれぞれ部分的に当接している。また、本実施形態においては、
図3及び
図4に示すように、二つの第2側板16のそれぞれに形成された二つの位置決め部163によって第1プラスチック半ケース10が位置決めされ、それにより、第1プラスチック半ケース10の二つの第1側板12の左、右方向における移動が規制される。
【0018】
少なくとも一つの片状ヒューズエレメント2は、第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14との間に挟持されている。本実施形態において、片状ヒューズエレメント2の数量は一つである。片状ヒューズエレメント2は、一体的に形成されている溶断部21、二つの中間部22及び二つの電極部23を有している。溶断部21は、ケース1の閉鎖型収容空間18内に配置されており、且つ一部が溶断空間19内に収容されている。二つの中間部22は、溶断部21の対向する両端部にそれぞれ連結されている。二つの電極部23は、溶断部21から離間している二つの中間部22の端部にそれぞれ連結されており、且つケース1の対向する両側部からそれぞれ露出している。
【0019】
本実施形態において、
図7A及び
図7Bに示すように、該溶断部21は、第1部211と、各中間部22側の二つの第2部212とを有する。第1部211は一字形となっている。
図7Aに示す形態では、二つの第2部212及び二つの中間部22の幅W2は、第1部211の幅W1よりも大きい。一方、
図7Bに示す形態では、二つの中間部22の幅及び二つの第2部212の最大幅W3は、第1部211の幅W1よりも大きく、且つ二つの第2部212の最小幅は、第1部211の幅W1に等しい。また、
図2及び
図7Aに示すように、各第2部212には孔部24が形成されてもよい。孔部24の存在により、溶断時の溶断部21の溶断箇所間の距離を広げることが可能になる。本実施形態において、
図3及び
図4に示すように、溶断部21の第1部211は、第1係合板111及び第2係合板151の間に挟持されて溶断空間19内に配置され、且つ二つの第1係合溝112及び二つの第2係合溝152にそれぞれ係合されている。一方、二つの第2部212は、対応の二つの第1横方向リブ114と二つの第2横方向リブ154との間にそれぞれ挟持されて閉鎖型収容空間18内に配置され、且つ対応の第1凹溝115及び第2凹溝155に係合されている。
【0020】
ある実施形態において、二つの中間部22には、第1プラスチック半ケース10の少なくとも一つの固定ピン122に対応して少なくとも一つの係合切欠き221が形成されており、係合切欠き221は対応の固定ピン122にそれぞれ係合している。本実施形態において、二つの中間部22のそれぞれには、二つの固定ピン122に対応して二つの係合切欠き221が形成されており、ヒューズエレメント2は、四つの固定ピン122の間に係合されて固定されている。但し、係合切欠き221の数量はこの限りではない。また、本実施形態において、
図6に示すように、二つの中間部22はそれぞれ、対応の第1側板12と第2側板16との間に挟持され、且つ二つの中間部22は、二つの第1側板12の第1凹部121及び二つの第2側板16の第2凹部161に係合されている。
【0021】
更に、
図2、
図7A及び
図7Bに示すように、二つの電極部23には、図示しないねじによって電極部23を対応の回路板に固定するための貫通孔231がそれぞれ貫設されている。
【0022】
本実施形態において、防爆材3は溶断空間19内に充填されている。防爆材3としては、セラミック砂、けい砂又はガラス繊維を用い得る。好ましくは、
図3及び
図5に示すように、防爆材3が、ヒューズエレメント2の溶断部21における第1部211を覆うように、溶断空間19の全体に充填されている。これにより、過電流が流されて溶断部21が溶断し始めた際の瞬間的な高熱によって発生し得る炎を消すことができる。
【0023】
前述した本発明の第1実施形態から明らかなように、ケース1は、第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14とを互いに連結させることによって形成されたものである。第1半ケース板11と第2半ケース板15と突き合わせて連結させる構造、二つの第1側板12と二つの第2側板16とを突き合わせて連結させる構造、及び、環状溝13と二つの係合フランジ17とを係合させる構造が簡素であるため、製造工程の単純化及びそれによる生産コストの削減が可能になる。また、第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14とを結合させるだけでケース1の閉鎖型収容空間18を構成できるため、工業型ヒューズの効果的な軽量化も可能になる。また、組み立て後のケース1においては、二つの第1係合板111の外側に位置する二つの第2係合板151と、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14とによる3層のバリア構造が存在するので、少なくとも一つの片状ヒューズエレメント2の溶断部21が溶断した際に発生する電気アークガスによる衝撃を効果的に吸収することができ、その結果、プラスチック製のケース1の破裂による危険を回避できる。更に、二つの第1係合板111及び第2係合板151内の溶断空間19に防爆材3が充填されることで、少なくとも一つの片状ヒューズエレメント2の溶断部21が溶断する際に発生し得るケース1の燃焼現象が回避される。第1プラスチック半ケース10内に複数の第1横方向リブ114と一つの第1縦方向リブ116とが形成され、第2プラスチック半ケース14内に複数の第2横方向リブ154と一つの第2縦方向リブ156が形成され、且つ第1プラスチック半ケース10の固定ピン122と第2プラスチック半ケース14の対応の固定穴162とが溶融結合される上記構成によれば、第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14とを組み合わせて構成したケース1の構造的強度が向上する。加えて、第2プラスチック半ケース14に二つの位置決め部163が形成されていることで、組み立て時の第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14の位置ずれが生じにくくなり、その結果、組立工程の更なる簡素化が可能になる。以上のように、本発明に係る工業型ヒューズでは、ケース1をプラスチック製とすることで軽量化が可能になるだけでなく、ケース1の構造的強度が増し、使用時の安全性及び信頼性が向上する。
【0024】
更に、
図8に示すように、他の実施形態において、二つの第1係合板111A及び二つの第1連結板113Aは、内側底板117と共に第1内側半ケース110Aを一体的に形成してもよく、また、二つの第2係合板151A及び二つの第2連結板153Aは、内側上部板157と共に第2内側半ケース150Aを形成してもよい。第1内側半ケース110A及び第2内側半ケース150Aは、互いに結合することで単独の内側ケース100Aを構成することができる。内側ケース100Aは、セラミック製であり、係合又は接着によって第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14内に設置される。ヒューズエレメント2の溶断部21における第1部211をセラミック製の内側ケース100Aで囲むことで、内側ケース100Aが配置された領域の耐温性が向上することになる。
【0025】
図9には、本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第4実施形態が示されている。以下の点を除いて、
図3に示す本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第1実施形態と概ね同一の構成を有する。第4実施形態において、第1プラスチック半ケース10の二つの第1係合板111の上面は、第1プラスチック半ケース10の第1開口101と面一であり、第2プラスチック半ケース14の二つの第2係合板151の底面は、第2プラスチック半ケース14の第2開口141と面一であり且つ二つの第1係合板111にそれぞれ位置合わせされている。組立に際し、二つの第1係合板111の上面は、二つの第2係合板151の底面にそれぞれ当接する。本実施形態においても、二つの第1係合板111に第1係合溝112’が凹設されており、二つの第2係合板151に第2係合溝152’が凹設されている。そして、本実施形態においても、片状ヒューズエレメント2の溶断部21における第1部211は、第1係合板111及び第2係合板151の間に挟持されて溶断空間内に配置され、且つ二つの第1係合溝112’及び第2係合溝152’にそれぞれ係合されている。
【0026】
図10には、本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第5実施形態が示されている。以下の点を除いて、
図3に示す本発明に係る軽量化工業型ヒューズの第1実施形態と概ね同一の構成を有する。第5実施形態において、軽量化工業型ヒューズは、複数の片状ヒューズエレメント2を有し、これらの片状ヒューズエレメント2は積層されて第1プラスチック半ケース10と第2プラスチック半ケース14との間に挟持されている。本実施形態において、軽量化工業型ヒューズは二つの片状ヒューズエレメント2を有し、その厚さは本発明の第1実施形態におけるヒューズエレメント2の半分であってよい。他の形態については上記に基づいて類推すればよく、例えば、ある実施形態において、軽量化工業型ヒューズのヒューズエレメント2を三つにしてもよく、その厚さを本発明の第1実施形態における片状ヒューズエレメント2の三分の一にしてもよい。上記構成によれば、片状ヒューズエレメント2の数量を調整してその厚さを減らすことで、ヒューズエレメント2の過電流耐量を低下させることが可能になる。これにより、第1プラスチック半ケース10及び第2プラスチック半ケース14を組み立てて構成したケース1をそのまま使用しながら、本発明に係る軽量化工業型ヒューズを様々な軽量化設備や装置の回路に使用することが可能になるので、厚さの薄いヒューズエレメント2用のケース1を別途製造する必要がなく、そのコストを省くことができる。
【0027】
上述した実施形態は例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明を上記実施形態により説明したが、本発明はこれら開示された実施形態に限定されず、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱することなく、様々な変更および修飾を加えて均等物とすることができる。したがって、上記実施形態に変更、改変および修飾を加えた内容もまた、本発明の技術的思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0028】
1:ケース
10:第1プラスチック半ケース
110A:第1内側半ケース
100A:内側ケース
101:第1開口
11:第1半ケース板
111、111A:第1係合板
112、112’:第1係合溝
113、113A:第1連結板
114:第1横方向リブ
115:第1凹溝
116:第1縦方向リブ
117:内側底板
12:第1側板
121:第1凹部
122:固定ピン
13:環状溝
14:第2プラスチック半ケース
150A:第2内側半ケース
141:第2開口
15:第2半ケース板
151、151A:第2係合板
152、152‘:第2係合溝
153、153A:第2連結板
154:第2横方向リブ
155:第2凹溝
156:第2縦方向リブ
157:内側上部板
16:第2側板
161:第2凹部
162:固定穴
163:位置決め部
17:係合フランジ
18:閉鎖型収容空間
19:溶断空間
2:ヒューズエレメント
21:溶断部
211:第1部
212:第2部
22:中間部
221:係合切欠き
23:電極部
231:貫通孔
24:孔部
3:防爆材
4:絶縁筒体
5:金属キャップ
51:電極
52:貫通孔
6:ヒューズエレメント
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、少なくとも一つの片状ヒューズエレメントとを備えた軽量化工業型ヒューズであって、
前記ケースは、
第1プラスチック半ケースと、
前記第1プラスチック半ケースと結合して閉鎖型収容空間を構成する第2プラスチック半ケースとを有し、
前記第1プラスチック半ケースは、第1半ケース板と、二つの第1側板と、二つの第1係合板と、二つの第1連結板とを有し、
前記二つの第1係合板は、前記二つの第1側板と平行になるように前記第1半ケース板の内壁面に設けられ、前記二つの第1連結板は、前記二つの第1係合板の対向する両側部にそれぞれ連結され、
前記第2プラスチック半ケースは、第2半ケース板と、二つの第2側板と、二つの第2係合板と、二つの第2連結板とを有し、
前記二つの第2係合板は、前記二つの第2側板と平行になるように前記第2半ケース板の内壁面に設けられ、前記二つの第2連結板は、前記二つの第2係合板の対向する両側部にそれぞれ連結され、
前記二つの第1係合板、前記二つの第2係合板、前記二つの第1連結板及び前記二つの第2連結板により溶断空間が構成され、
前記少なくとも一つの片状ヒューズエレメントは、前記第1プラスチック半ケースと第2プラスチック半ケースとの間に挟持されており、各々が、一体的に形成されている溶断部、二つの中間部及び二つの電極部を有し、
前記溶断部は、前記閉鎖型収容空間内に配置され、且つ一部が前記溶断空間内に収容され、
前記二つの中間部は、前記溶断部の対向する両端部にそれぞれ連結され、
前記二つの電極部は、前記溶断部から離間している前記二つの中間部22の端部にそれぞれ連結されており、且つ前記ケースの対向する両側部からそれぞれ露出している、軽量化工業型ヒューズ。
【請求項2】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1半ケース板及び前記二つの第1側板は互いに一体的に形成されており、且つ前記第1プラスチック半ケースは第1開口を有し、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2半ケース板及び前記二つの第2側板は互いに一体的に形成されており、且つ前記第2プラスチック半ケースは第2開口を有し、
前記第1開口と前記第2開口とが互いに重なることで、前記第1プラスチック半ケースと前記第2プラスチック半ケースとによって前記閉鎖型収容空間が構成される、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項3】
前記二つの第1係合板は、前記第1プラスチック半ケースの前記第1半ケース板の前記内壁面と一体的に形成され、且つ前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口からそれぞれ突出し、
前記二つの第2係合板は、前記第2プラスチック半ケースの前記第2半ケース板の前記内壁面と一体的に形成され、前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口からそれぞれ突出し、且つ前記二つの第1係合板の外側にそれぞれ配置されている、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項4】
前記二つの第1連結板は、前記二つの第1係合板の前記対向する両側部と一体的に形成され、且つ前記第1開口の対向する両側部と間隔をおいて平行に配置され、
前記二つの第2連結板は、前記二つの第2係合板の前記対向する両側部と一体的に形成され、且つ前記二つの第1連結板の外側に配置されている、請求項3に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項5】
前記二つの第2連結板は、前記第2開口の対向する両側部にそれぞれ一体的に形成されている、請求項4に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項6】
前記二つの第1係合板と、前記二つの第1連結板と、内側底板とによって一体的に形成され、前記第1プラスチック半ケース内に配置された第1内側半ケースと、
前記二つの第2係合板と、前記二つの第2連結板と、内側上部板とによって一体的に形成され、前記第2プラスチック半ケース内に配置された第2内側半ケースと、を更に備え、前記二つの第2係合板は前記二つの第1係合板の外側に配置され、前記二つの第2連結板は前記二つの第1連結板の外側に配置され、前記第1内側半ケース及び第2内側半ケースによって内側ケースが構成され、前記内側ケースは前記溶断部の一部を包囲している、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項7】
前記第1内側半ケース及び前記第2内側半ケースはセラミック製である、請求項6に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項8】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1半ケース板に二つの第1係合板が一体的に形成され、前記二つの第1係合板の上面は、前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口と面一であり、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2半ケース板に二つの第2係合板が一体的に形成され、前記二つの第2係合板の底面は、前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口と面一であり且つ前記二つの第1係合板にそれぞれ位置合わせされており、前記二つの第1係合板が前記二つの第2係合板にそれぞれ部分的に当接することにより、前記溶断部の一部を収容する溶断空間が構成されている、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項9】
前記第1半ケース板の前記二つの第1係合板はそれぞれ、その上面から前記溶断部に対応して第1係合溝が下方に凹設され、
前記第2半ケース板の前記二つの第2係合板はそれぞれ、その底面から前記溶断部に対応して第2係合溝が上方に凹設されている、請求項3から5、8のいずれか一項に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項10】
前記第1半ケース板は、
前記二つの第1側板と平行になるように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された複数の第1横方向リブと、
前記複数の第1横方向リブを貫通して前記二つの第1側板に連結するように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された第1縦方向リブと、を更に有し、
前記第2半ケース板は、
前記二つの第2側板と平行になるように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成され、各々が、対応の前記第1横方向リブに部分的に当接している複数の第2横方向リブと、
前記複数の第2横方向リブを貫通して前記二つの第2側板に連結するように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成された第2縦方向リブと、を更に有する、請求項2に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項11】
前記第1半ケース板は、
前記二つの第1係合板の外側にそれぞれ配置されるように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された複数の第1横方向リブと、
前記二つの第1係合板及び前記複数の第1横方向リブを貫通して前記二つの第1側板に連結するように前記第1半ケース板の内壁面に一体的に形成された第1縦方向リブと、を更に有し、
前記第2半ケース板は、
前記二つの第2係合板の外側にそれぞれ配置されるように前記第2半ケース板の内壁面に一体的に形成され、各々が、対応の前記第1横方向リブに部分的に当接している複数の第2横方向リブと、
前記二つの第2係合板及び前記複数の第2横方向リブを貫通して前記二つの第2側板に連結するように前記第2半ケース板に一体的に形成された第2縦方向リブと、を更に有する、請求項9に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項12】
前記第1半ケース板の各前記第1横方向リブに、前記溶断部に対応して第1凹溝が凹設され、各前記第1凹溝の底面は、前記二つの第1係合板における前記第1係合溝の底面と面一であり、
前記第2半ケース板の各前記第2横方向リブに、前記溶断部に対応して第2凹溝が凹設され、各前記第2凹溝の上面は、前記二つの第2係合板における前記第2係合溝の上面と面一である、請求項11に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項13】
前記第1プラスチック半ケースの各前記第1側板は、前記二つの中間部に対応して前記第1側板の平面に形成された第1凹部をそれぞれ有し、前記第1凹部の底面は各前記第1横方向リブにおける前記第1凹溝の底面及び前記二つの第1係合板における前記第1係合溝の底面と面一であり、
前記第2プラスチック半ケースの各前記第2側板は、前記二つの中間部に対応して前記第2側板の平面に形成された第2凹部をそれぞれ有し、前記第2凹部の上面は各前記第2横方向リブにおける前記第2凹溝の上面及び前記二つの第2係合板における前記第2係合溝の上面と面一である、請求項12に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項14】
各前記第1側板の前記平面には、前記第1凹部の対向する両側部にそれぞれ位置する二本の固定ピンが一体的に形成され、各前記固定ピンは、前記二つの第1係合板よりも高くなっており、
各前記第2側板の前記平面には、前記二つの固定ピンを挿嵌させるための二つの固定穴が貫設され、各前記固定ピンは、対応の前記固定穴にそれぞれ挿嵌され、各前記固定ピンの先端は、溶接によって対応の前記固定穴にそれぞれ固定されている、請求項13に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項15】
各前記第2側板の平面には、対応の前記第1側板の外側に位置する二つの位置決め部が一体的に形成されている、請求項12に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項16】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口の内周縁には環状溝が更に形成され、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口の内周縁には、前記第1プラスチック半ケースの前記環状溝に対応するように、互いに対向する二つの係合フランジが更に一体的に突設され、前記二つの係合フランジは前記環状溝に係合させられて当接させられている、請求項13に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項17】
前記第1プラスチック半ケースの前記第1開口の内周縁には環状溝が更に形成され、
前記第2プラスチック半ケースの前記第2開口の内周縁には、前記第1プラスチック半ケースの前記環状溝に対応するように、互いに対向する二つの係合フランジが更に一体的に突設され、前記二つの係合フランジは前記環状溝に係合させられて当接させられている、請求項14に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項18】
前記少なくとも一つの片状ヒューズエレメントの前記溶断部は、第1部と、二つの第2部とを更に有し、
前記第1部は、一字形であり、前記第1係合板及び第2係合板の間に挟持されて前記溶断空間内に配置され、且つ前記第1係合溝及び第2係合溝にそれぞれ係合されており、
前記二つの第2部は、前記第1部の両端部から延出し、且つ対応の前記中間部とそれぞれ連結しており、前記二つの第2部は、対応の前記第1横方向リブと前記第2横方向リブとの間にそれぞれ挟持されて前記閉鎖型収容空間内に配置され、且つ対応の前記第1凹溝及び前記第2凹溝にそれぞれ係合されている、請求項17に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項19】
前記溶断部の前記二つの第2部のそれぞれに孔部が形成され、
前記二つの中間部には、前記第1プラスチック半ケースの前記固定ピンに対応して複数の係合切欠きが形成され、前記係合切欠きには、対応の前記固定ピンがそれぞれ係合されており、
前記二つの中間部の幅は前記溶断部の前記第1部の幅よりも大きく、
前記二つの電極部のそれぞれに貫通孔が貫設されている、請求項18に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項20】
前記片状ヒューズエレメントは複数備えられ、これらの片状ヒューズエレメントは積層されて前記第1プラスチック半ケース及び前記第2プラスチック半ケースの間に挟持されている、請求項1に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項21】
前記溶断空間内に防爆材が充填されている、請求項4又は8に記載の軽量化工業型ヒューズ。
【請求項22】
前記防爆材はセラミック砂、けい砂又はガラス繊維である、請求項21に記載の軽量化工業型ヒューズ。