(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052505
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/317 20060101AFI20240404BHJP
G01N 1/32 20060101ALI20240404BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01J37/317 D
G01N1/32 B
G01N1/28 G
G01N1/28 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091076
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202211206312.9
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】302037630
【氏名又は名称】中国科学院生物物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF BIOPHYSICS OF THE CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.15, Datun Road, Chaoyang District Beijing 100101 CN
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】シュ, タオ
(72)【発明者】
【氏名】ジー, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ウェイシン
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ジン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, クー
【テーマコード(参考)】
2G052
5C101
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA15
2G052EB08
2G052EB13
2G052EC14
2G052EC18
2G052FD20
2G052GA32
2G052GA33
2G052HA12
2G052HC04
2G052HC06
2G052HC32
2G052HC42
2G052JA06
2G052JA08
5C101AA03
5C101AA32
5C101BB06
5C101CC19
5C101FF23
5C101FF27
5C101FF58
5C101GG10
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】本発明は、光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法を提供し、イオンビームを利用してサンプル表面をマークし、レジストレーション基準パターンを取得することと、サンプルに三次元光学結像を行い、第一の三次元光学顕微鏡画像を取得することと、第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定することと、サンプルに対してイオンビーム結像を行い、イオンビームにより励起された画像を取得し、かつ第一位置に基づいて研究すべき目標のイオンビームにより励起される画像における第二位置を決定することと、第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第一スライスを取得することと、を含む。
【効果】該イオンビームの加工方法は操作しやすく、再現性が高くかつ位置決め精度が高い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法であって、
イオンビームを利用してサンプル表面をマークし、レジストレーション基準パターンを取得することと、
前記サンプルに三次元光学結像を行い、第一の三次元光学顕微鏡画像を取得することと、
前記第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、前記レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の前記第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定することと、
前記サンプルに対してイオンビーム結像を行い、イオンビームにより励起された画像を取得し、かつ前記第一位置に基づいて研究すべき目標の前記イオンビームにより励起される画像における第二位置を決定することと、
前記第二位置に基づいて前記サンプルを薄化し、前記研究すべき目標を含む第一スライスを取得することと、を含む
光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法。
【請求項2】
前記第二位置に基づいて前記サンプルを薄化し、前記研究すべき目標を含む第二スライスを取得することと、
前記第二スライスに三次元光学結像を行い、第二の三次元光学顕微鏡画像を取得することであっって、ここで、前記第二スライスに三次元光学結像を行う拡大倍数が前記サンプルに三次元光学結像を行う拡大倍数より高いことと、
前記第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、二次元投影画像を取得することと、
前記二次元投影画像に基づいて前記研究すべき目標の前記第二スライスにおける第三位置を決定することと、
前記第三位置に基づいて前記サンプルを薄化し、前記研究すべき目標を含む第三スライスを取得することと、をさらに含む
請求項1に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項3】
前記サンプルに三次元光学結像を行うか又は前記第二スライスに三次元光学結像を行うことは、具体的に、
前記サンプル又は前記第二スライスを電子顕微鏡の真空チャンバ内の光学顕微鏡結像位置にロードし、サンプルを水平に保持することと、
前記サンプルに垂直する方向に、三次元光学結像技術を利用して前記サンプル又は前記第二スライスに対してマルチチャネル三次元結像を行うことと、を含む
請求項2に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項4】
前記三次元光学結像技術は、共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含む
請求項3に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項5】
明視野結像を利用してレジストレーション基準パターンの画像又はスライス表面形態情報を取得し、蛍光結像を利用して研究すべき目標の画像を取得する
請求項3に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項6】
前記第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影するか又は前記第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、二次元投影画像を取得することは、具体的に、
前記第一の三次元光学顕微鏡画像と前記第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームと同一の視野角の二次元投影画像に投影することを含む
請求項2に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項7】
前記レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の前記第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定することは、具体的に、
前記二次元投影画像における研究すべき目標から前記レジストレーション基準パターンの中心までの二次元画素距離を測定することと、
予め校正された光学結像画素点の大きさに基づいて、前記二次元画素距離を実際の距離に変換することと、
前記実際の距離に基づいて前記第一位置を決定することと、を含む
請求項6に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項8】
前記第一スライスと前記第三スライスの厚さは百ナノメートルレベルであり、透過電子結像又は電子遮断層走査結像に適用することができ、前記第二スライスの厚さはミクロンメートルレベルである
請求項2に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項9】
前記第一スライス又は前記第三スライスに対して三次元光学結像を行い、第三の三次元光学顕微鏡画像を取得することと、
前記第三の三次元光学顕微鏡画像を分析し、前記第一スライス又は前記第三スライス内の前記研究すべき目標の種類及び分布情報を抽出することと、
前記研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導して補助することと、をさらに含む
請求項2に記載のイオンビーム加工方法。
【請求項10】
前記研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導して補助することは、具体的に、
前記第一スライス又は前記第三スライスに対して透過電子結像を行い、透過電子顕微鏡画像を取得することと、
前記研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて前記透過電子顕微鏡画像における前記研究すべき目標の第四位置を位置決めることと、
前記第四位置に基づいて前記透過電子顕微鏡画像において冷凍電子遮断層走査結像データの収集範囲を画定することと、
三次元再構成された冷凍電子遮断層走査画像に対して、対応する第一スライス又は第三スライスの第三の三次元光学顕微鏡画像に関連付け、蛍光情報を利用して研究目標の種類と位置を判別し、冷凍電子遮断層走査画像の分析を補助することと、を含む
請求項9に記載のイオンビーム加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学顕微結像、イオンビーム加工、走査電子顕微結像、電子ブレーキング走査三次元再構成画像などの技術分野に関し、特に光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍電子遮断層走査三次元再構結像技術(cryo-electron tomography,cryo-ET)は、現在、原位置生物構造を研究する技術である。該技術は、急速冷凍又は高圧冷凍により、細胞、組織をほぼ天然の生理的状態での非晶質氷に固定し、さらにサンプルを冷凍薄化し、その後超薄スライスにcryo-ET結像を行い、画像再構成によりサンプルの高精度原位置三次元構造を得る。cryo-ET結像において、電子透過深度が優先されるため、cryo-ET実験を行う重要な前提は、サンプルを数百ナノメートルの厚さの薄片に薄化することである。
【0003】
イオンビーム切断は半導体加工に由来する技術であり、最も早くMarkoらにより2006年に冷凍生体サンプルの薄化に応用された。該技術は高エネルギー粒子(一般的にはガリウムイオン、ヘリウムイオン、キセノンイオン、ネオンイオン、酸素イオン、アルゴンの例等)を用いてサンプル表面を叩き、不要な部分を除去して薄化を実現し、従来のスライスにおけるサンプルの損傷を回避することができ、切断されたシートの表面が非常に平らであり、徐々にcryo-ETサンプルを製造する主流薄化手段となる。しかしイオンビームの薄化プロセスに重要な欠陥が存在し、イオンビームを利用してサンプルに対して行った電子結像はサンプルの薄い表面の形態情報のみを描くしかできないが、サンプルの種類及びサンプル内部に埋め込まれた研究目標を識別することができず、したがって、薄化過程は一般的に「ブラインド切断」であり、加工された薄片に研究しようとする興味目標を含むことを保証しにくく、したがって特定の研究目標に対して「定点」の正確な薄化を行うことができない。
【0004】
光学顕微結像、特に蛍光顕微結像は、生命科学研究の重要な手段である。そのうちの三次元蛍光結像技術は、例えば共焦点結像(confocal microscopy)、構造光結像(structured illumination microscopy)、ライトシート結像(light sheet microscopy)、三次元単分子位置決め結像(3D single molecule localization microscopy)等であり、百ナノメートル~数十ナノメートルの解像度を有し、蛍光標識されたオルガネラ及び亜細胞構造にナノスケール結像を行うことができ、それにより被研究対象の種類及びその三次元空間での位置決め、分布等の様々な重要な情報を取得する。
【0005】
近年、光電関連結像技術(correlative light and electron microscopy)は、すなわち光学顕微結像と電子顕微結像を結合して使用する技術は、イオンビームの切断をガイドするために用いられる。光学顕微結像は、サンプルにおける研究目標を識別し、位置決めすることができ、光学顕微鏡画像を電子顕微鏡画像とレジストレーションすることにより、研究目標の電子顕微鏡画像における位置を位置決めることができ、それによりイオンビームの切断部位を決定する。この技術のコアは、光電像の高精度なレジストレーションである。現在主流のレジストレーション方法はサンプルに基準マーク(fiducial marker)を添加し、又はサンプル中の天然の特殊な構造をレジストレーション基準として、座標変換により光学顕微鏡画像と電子顕微画像をレジストレーションすることである。このような方法は、基準点の選択及び座標変換誤差の影響を受け、精度が低く、再現性が悪く、一般的にはナノスケール細胞器の位置決め切断を満たすことができなく、また、サンプルに基準マークを追加するサンプル製造過程は、実験の複雑度を増加させる。
【0006】
前記のように、従来の光電気関連技術を利用してイオンビーム切断をガイドする動作フローには以下の欠陥が存在する:その一、サンプルに基準マークを添加するサンプル製造過程が複雑である。その二、基準マークの座標変換を利用して光電像レジストレーションを行う誤差が大きく、かつ異なる基準点を選択して得られたレジストレーション結果が異なり、繰り返し精度が低く、ナノスケールのオルガネラに対して位置決め切断を行うことが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の問題に対して、本発明は、光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法を提供し、少なくとも部分的に上記技術的問題を解決するために用いられる。
【0008】
本発明は、イオンビームを利用してサンプル表面をマークし、レジストレーション基準パターンを取得することと、サンプルに三次元光学結像を行い、第一の三次元光学顕微鏡画像を取得することと、第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定することと、サンプルに対してイオンビーム結像を行い、イオンビームにより励起された画像を取得し、かつ第一位置に基づいて研究すべき目標のイオンビームにより励起される画像における第二位置を決定することと、第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第一スライスを取得することと、を含む、光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法を提供している。
【0009】
本発明の実施例によれば、方法は、第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第二スライスを取得することと、第二スライスに三次元光学結像を行い、第二の三次元光学顕微鏡画像を取得することであって、ここで、第二スライスに三次元光学結像を行う拡大倍数がサンプルに三次元光学結像を行う拡大倍数より高いことと、第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、二次元投影画像を取得することと、該二次元投影画像に基づいて研究すべき目標の第二スライスにおける第三位置を決定することと、第三位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第三スライスを取得することと、をさらに含む。
【0010】
本発明の実施例によれば、サンプルに三次元光学結像を行うか又は第二スライスに三次元光学結像を行うことは、具体的に、サンプル又は第二スライスを電子顕微鏡の真空チャンバ内の光学顕微鏡結像位置にロードし、サンプルを水平に保持することと、サンプルに垂直する方向に、三次元光学結像技術を利用してサンプル又は第二スライスに対してマルチチャネル三次元結像を行うことと、を含む。
【0011】
本発明の実施例によれば、三次元光学結像技術は、共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含む。
【0012】
本発明の実施例によれば、明視野結像を利用してレジストレーション基準パターンの画像を取得し、蛍光結像を利用して研究すべき目標の画像を取得する。
【0013】
本発明の実施例によれば、第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影するか又は第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影することは、具体的に、第一の三次元光学顕微鏡画像と第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームと同一の視野角の二次元投影画像に投影することを含む。
【0014】
本発明の実施例によれば、レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定することは、具体的に、二次元投影画像における研究すべき目標からレジストレーション基準パターンの中心までの二次元画素距離を測定することと、予め校正された光学結像画素点の大きさに基づいて、二次元画素距離を実際の距離に変換することと、実際の距離に基づいて第一位置を決定することと、を含む。
【0015】
本発明の実施例によれば、第一スライスと第三スライスの厚さは百ナノメートルレベルであり、透過電子結像又は電子遮断層走査結像に適用することができ、第二スライスの厚さはミクロンメートルレベルである。
【0016】
本発明の実施例によれば、方法は、第一スライス又は第三スライスに対して三次元光学結像を行い、第三の三次元光学顕微鏡画像を取得することと、第三の三次元光学顕微鏡画像を分析し、第一スライス又は第三スライス内の研究すべき目標の種類及び分布情報を抽出することと、研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導して補助することと、をさらに含む。
【0017】
本発明の実施例によれば、研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導して補助することは、具体的に、第一スライス又は第三スライスに対して透過電子結像を行い、透過電子顕微鏡画像を取得することと、第三の三次元光学顕微鏡画像の研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて透過電子顕微鏡画像における研究すべき目標の第四位置を位置決めることと、第四位置に基づいて透過電子顕微鏡画像において冷凍電子遮断層走査結像データの収集範囲を画定することと、三次元再構成された冷凍電子遮断層走査画像に対して、対応する第一スライス又は第三スライスの第三の三次元光学顕微鏡画像に関連付け、蛍光情報を利用して研究目標の種類と位置を判別し、冷凍電子遮断層走査画像の分析を補助することと、を含む。
【0018】
本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法に応じて、少なくとも以下の有益な効果を含む:
レジストレーションプロセスは光電関連レジストレーションを採用し、イオンビームを直接利用してサンプル表面をエッチングしてレジストレーション基準パターンを取得してレジストレーションを行うことができ、基準マークを追加する必要がなく、実験の複雑度を低下させ、操作しやすくかつ再現性が高い。三次元光学顕微鏡画像投影及びイオンビームエッチングのレジストレーション基準パターンを利用して光電関連レジストレーションを行い、複雑度をさらに低減し、レジストレーション結果の再現性を向上させる。
【0019】
さらに、三次元光学顕微鏡画像投影を利用して目標のスライスにおける位置を決定し、位置決め精度が高く、ナノメートル精度の定点切断を実現することができる。
【0020】
また、最終スライスの三次元光学顕微鏡画像を利用して、目標種類を識別することができ、かつ目標のスライスにおける位置を決定し、これらの情報を利用して冷凍電子遮断層走査結像データの収集及びデータの分析を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図3D】
図3Dは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図3E】
図3Eは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図3F】
図3Fは、本発明の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法が実行する操作に対応する画像を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明のさらに別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法及び光学顕微結像によって冷凍電子遮断層走査結像方法を補助するフローチャートを模式的に示す。
【
図5】
図5は、本発明のさらに別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法及び光学顕微結像によって冷凍電子遮断層結像方法を補助するフローチャートを概略的に示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施例が提供する上記イオンビーム加工方法を実現する埋め込み式三次元光電関連結像装置の構造図を概略的に示す。
【符号の説明】
【0022】
1-イオンビームモジュール、2-走査型電子顕微鏡モジュール、3-光学対物レンズモジュール、4-光学ウィンドウ、5-光学励起結像モジュール、6-電子顕微結像切断位置、7-光学顕微鏡結像位置、8-真空チャンバ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下に具体的な実施例を結合し、かつ図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0024】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される用語「含む」、「包含」等は、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部品の存在又は追加を排除するものではない。
【0025】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連続」、「接続」、「固定」等の用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体であってもよい。機械的接続であってもよく、電気的に接続されてもよく又は互いに通信可能であってもよい。直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0026】
本発明の説明において、理解すべきこととして、用語「縦方向」、「長さ」、「周方向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡略化を容易にするためだけであり、サブシステム又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造し操作しなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0027】
図面において、同じ要素は同じ又は類似する参照符号で示される。本発明の理解に混乱をもたらす可能性がある場合、従来の構成又は構造を省略する。かつ図中の各部材の形状、寸法、位置関係は実際の大きさ、比率と実際の位置関係を反映しない。
【0028】
同様に、本発明を簡略化しかつ各開示の態様のうちの一つ又は複数を理解することを助けるために、本発明の例示的な実施例に対する説明において、本発明の各特徴は、一緒に単一の実施例、図面又はその説明に分けられることがある。参照用語「一つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体例」、又は「いくつかの例示」等の説明は、該実施例又は例示を組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴が本発明の少なくとも一つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語への概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例示を指すとは限らない。かつ、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴は、任意の一つ又は複数の実施例又は例示において適切な方式で結合することができる。
【0029】
また、用語「第一」、「第二」は単に説明のために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示することではなく、指示された技術的特徴の数を暗示することではない。したがって、「第一」、「第二」によって限定される特徴は、一つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」の意味は、少なくとも二つ、例えば二つ、三つなどであり、特に明確な具体的な限定がない。
【0030】
図1は、本発明の一実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【0031】
図1に示すように、該光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法は例えば操作S100~操作S140を含むことができる。
【0032】
操作S100において、イオンビームを利用してサンプル表面をマークし、レジストレーション基準パターンを取得する。
【0033】
本発明の一実施例において、サンプルを電子顕微鏡チャンバ内の電子顕微鏡結像位置に予めロードし、かつサンプルを切断角度まで傾斜させ、さらにイオンビームを利用してサンプル表面にマークを行い、レジストレーション基準パターンを得ることができる。ここで、マークの手段は例えばエッチングであってもよい。イオンビームは集束イオンビーム、プラズマビーム又は亜イオンビームなどを用いることができ、具体的なイオンビームのタイプは実際の需要に応じて選択することができ、本発明では限定しない。切断の角度は、電子顕微鏡システムに許容される任意の値であってもよく、実際の応用需要に応じて設定することができ、本発明では限定しない。
【0034】
本発明の実施例において、レジストレーション基準パターンの形状は様々な形状であってもよく、基準の役割をよく果たすことができればよく、本発明では限定しない。
【0035】
図3Aは、本発明の実施例が提供するサンプル表面をマークした後の画像を概略的に示す。
【0036】
図3Aに示すように、レジストレーション基準パターンを「十字」型にエッチングし、該「十字」型レジストレーション基準図は、基準の役割を果たすことができる。
【0037】
操作S110において、サンプルに三次元光学結像を行い、第一の三次元光学顕微鏡画像を取得する。
【0038】
本発明の一実施例において、まず、電子顕微鏡の真空チャンバ内にローディングされたサンプルを光学顕微鏡結像位置に置き、サンプルを水平に保持する。次に、サンプルに垂直な方向で、三次元光学結像技術を利用してマルチチャネル三次元結像を行い、結像領域はエッチングされたレジストレーション基準パターン及び研究すべき目標をカバーする。
【0039】
図3Bは、本発明の実施例が提供するサンプルに三次元光学結像を行った後の画像を概略的に示す。
【0040】
図3Bに示すように、五角星形状は、研究すべき目標を示し、イオンビームによりサンプルをマークし、「十字」型レジストレーション基準図を得て、「十字」型レジストレーション基準図に基づいて研究すべき目標の位置範囲を決定することができる。
【0041】
理解すべきこととして、三次元光学結像技術は、三次元結像を実現することができる任意の光学結像技術であってもよい。
【0042】
本発明の一実施例において、三次元光学結像技術は、共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含むことができる。例えば、三次元結像過程において、埋め込み式共焦点顕微鏡に基づいてサンプルの異なる層面を走査した後に得られた明視野及び蛍光信号を検知することができ、明視野結像を利用してレジストレーション基準パターンの画像を取得し、蛍光結像を利用して研究すべき目標の画像を取得する。
【0043】
操作S120において、第一の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、レジストレーション基準パターンに基づいて研究すべき目標の第一の三次元光学顕微鏡画像における第一位置を決定する。
【0044】
本発明の実施例において、サンプルに垂直な方向に撮像された第一の三次元光学顕微鏡画像を計算によりイオンビームの切断角度に投影することにより、イオンビームと同じ視野角の二次元投影画像を得ることができる。
【0045】
図3Cは、本発明の実施例が提供する第一の三次元光学顕微鏡画像を投影した後の二次元投影画像を概略的に示す。
【0046】
図3Cに示すように、該二次元投影画像に基づいて、該投影画像の蛍光チャネルにおいて、研究すべき目標を選択し、該研究すべき目標に対応する位置からレジストレーション基準パターンの中心までの二次元画素距離を測定し、予め校正された光学結像画素点の大きさに基づいて、二次元画素距離を実際の距離に変換する。
【0047】
操作S130において、サンプルに対してイオンビーム結像を行い、イオンビームにより励起された画像を取得し、かつ第一位置に基づいて研究すべき目標のイオンビームで励起された画像における第二位置を決定する。
【0048】
本発明の一実施例において、まず電子顕微鏡の真空チャンバ内にローディングされたサンプルを光学顕微鏡結像位置から電子顕微結像位置に移動し、サンプルを切断角度まで傾斜させ、サンプルに対してイオンビーム結像を行い、結像領域はレジストレーション基準パターン及び研究目標をカバーする。
【0049】
図3Dは、本発明の実施例が提供する集束イオンビームにより励起された画像を概略的に示す。
【0050】
図3Dに示すように、集束イオンビームにより励起された電子画像を取得した後、電子顕微鏡に内蔵された測距機能を利用し、操作S120で測定された目標から基準パターンの中心までの距離に応じて、イオンビームにより励起された電子画像において同一の基準画像の中心を基点として、同じ距離を測定し、それにより目標のイオンビームにより励起された画像における第二位置を決定する。
【0051】
操作S140において、第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第一スライスを取得する。
【0052】
本発明の一実施例において、サンプルを切断角度まで傾斜し、操作S130により決定された研究すべき目標のイオンビームで励起された電子画像における第二位置に基づいてサンプルを薄化し、最終的に研究すべき目標を含有する第一スライスを取得する。この第一スライスは、透過電子結像と電子遮断層走査結像とに適用することができる。
【0053】
図3Eは、本発明の実施例が提供する第一スライス画像を概略的に示す。
【0054】
図3Eに示すように、上記操作に基づいて、研究すべき目標を含むスライスを正確に取得することができる。
【0055】
本発明の実施例によれば、操作S100~操作S140に記載の光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法の位置決め精度はサイズが大きい研究目標に適用される。
【0056】
図2は本発明の別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【0057】
図2に示すように、該光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法は
図1に示すイオンビーム加工方法と比較して、二つのステップの位置決め方法を採用し、位置決め精度をさらに向上させる。例えば操作S200~操作S270を含むことができ、ここで、操作S200~操作S230は操作S100~操作S130と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0058】
操作S240において、第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第二スライスを取得する。
【0059】
本発明の一実施例において、サンプルを切断角度まで傾斜し、操作S230により決定された研究すべき目標のイオンビームにより励起された画像における第二位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含有する第二スライスを取得する。操作S240は粗い薄化であり、したがって、第二スライスの厚さはミクロンレベルであってもよく、それにより後続にさらに細い薄化を行う。
【0060】
図3Fは本発明の実施例が提供する第二スライス画像を概略的に示す。
【0061】
図3Fに示すように、
図3Eに示す第一スライス画像と比較して、明らかに操作S240は粗い薄化であり、薄化後の第二スライスの厚さは第一スライスよりはるかに大きい。
【0062】
操作S250において、第二スライスに対して三次元光学結像を行い、第二の三次元光学顕微鏡画像を取得する。
【0063】
本発明の一実施例において、まず、第二スライスを電子顕微鏡の真空チャンバ内の光学顕微鏡結像位置にロードし、サンプルを水平に保持する。次に、サンプルに垂直な方向で、三次元光学結像技術を利用して第二スライスにマルチチャネル三次元結像を行う。ここで、第二スライスに対して三次元光学結像を行う拡大倍数はサンプルに対して三次元光学結像を行う拡大倍数より高いことができ、結像範囲はレジストレーション基準パターンを含む必要がなく、第二スライスを結像領域にほぼ充満させることができ、これにより結像精度及び結像速度を向上させる。
【0064】
本発明の一実施例において、三次元光学結像技術は共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含むことができる。例えば、三次元結像過程において、埋め込み式共焦点顕微鏡に基づいてサンプルの異なる層面を走査した後に得られた明視野及び蛍光信号を検出することができ、明視野結像を利用してスライス表面形態情報を取得し、蛍光結像を利用して研究すべき目標の画像を取得する。
【0065】
操作S260において、第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビームの切断角度に投影し、二次元投影画像を得て、二次元投影画像に基づいて研究すべき目標の第二スライスにおける第三位置を決定する。
【0066】
本発明の一実施例において、第二の三次元光学顕微鏡画像をイオンビーム切断角度に投影した後に得られた二次元投影画像も明視野結像により取得された第二スライス表面形態情報を含み、二次元投影画像に第二スライスの表面形状情報を含むことができ、人工識別、画像フィッティングなどの方法により、研究すべき目標の第二スライスにおける第三位置を決定する。操作S260の位置決め精度は操作S130の位置決め精度より高く、オルガネラ、亜細胞構造などのナノスケール目標を正確に位置決めすることができる。
【0067】
操作S270において、第三位置に基づいてサンプルを薄化し、研究すべき目標を含む第三スライスを取得する。
【0068】
本発明の一実施例において、サンプルを切断角度まで傾斜し、操作S260により決定された研究すべき目標の第二スライスにおける第三位置に基づいてサンプルを薄化し、最終的に研究すべき目標を含む第三スライスを取得し、得られた第三スライスの画像は
図3Eに示す第一スライス画像と類似し、スライスの厚さはナノスケールであり、
図3Fに示す第二スライスの厚さよりはるかに小さい。この第三スライスは、透過電子結像と電子遮断層走査結像とに適用することができる。
【0069】
本発明の実施例によれば、操作S200~操作S270に記載の光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法は、サイズが小さい研究目標、例えばオルガネラ、亜細胞構造などのナノスケール研究目標に適用される。
【0070】
図4は本発明のまた別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【0071】
図4に示すように、該光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法は操作S100~操作S140を基礎とし、さらに操作S150~操作S160を含む。
【0072】
操作S150において、第一スライスに対して三次元光学結像を行い、第三の三次元光学顕微鏡画像を取得し、第三の三次元光学顕微鏡画像を分析し、第一スライス内の研究すべき目標の種類及び分布情報を抽出する。
【0073】
本発明の一実施例において、第一スライスを電子顕微鏡の真空チャンバ内の光学顕微鏡結像位置に配置し、サンプルの方向に垂直であり、三次元光学結像技術を利用して第一スライスに対して三次元マルチチャネル光学結像を行い、第一スライス内の研究すべき目標の種類、分布等の情報を取得することができる。ここで、三次元光学結像技術は共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含むことができる。
【0074】
操作S160において、第三の三次元光学顕微鏡画像における研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導し補助する。
【0075】
本発明の一実施例において、第一スライスを透過電子顕微鏡に転移して透過電子結像を行い、さらに透過電子顕微鏡画像を対応する第三の三次元光学顕微鏡画像に関連付けることにより、光学顕微鏡情報により透過電子顕微鏡画像における研究目標の第四位置を位置決めることができ、第四位置に基づいて透過電子顕微鏡画像において冷凍電子遮断層走査結像データの収集範囲を画定する。三次元再構成された冷凍電子遮断層走査画像に対して、対応する第一スライスの第三の三次元光学顕微鏡画像に関連してもよく、蛍光情報を利用して研究目標の種類及び位置を判別し、冷凍電子遮断層走査画像の分析を補助する。
【0076】
図5は本発明のさらに別の実施例が提供する光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法のフローチャートを概略的に示す。
【0077】
図5に示すように、該光学顕微結像に基づくイオンビーム加工方法は操作S200~操作S270を基礎として、さらに操作S280~操作S290を含む。
【0078】
操作S280において、第三スライスに対して三次元光学結像を行い、第三の三次元光学顕微鏡画像を取得し、第三の三次元光学顕微鏡画像を分析し、第三スライス内の研究すべき目標の種類及び分布情報を抽出する。
【0079】
本発明の一実施例において、第三スライスを電子顕微鏡の真空チャンバ内の光学顕微鏡結像位置に配置し、サンプルに垂直な方向において、三次元光学結像技術を利用して第三スライスに対して三次元マルチチャネル光学結像を行い、第三スライス内の研究すべき目標の種類、分布等の情報を取得することができる。ここで、三次元光学結像技術は共焦点結像方法又は構造光照明結像方法又は三次元単分子位置決め結像方法又はライトシート結像方法を含むことができる。
【0080】
操作S290において、第三の三次元光学顕微鏡画像における研究すべき目標の種類及び分布情報に基づいて冷凍電子遮断層走査結像データの収集及び分析を指導し補助する。
【0081】
本発明の一実施例において、第三スライスを透過電子顕微鏡に転移して透過電子結像を行い、さらに透過電子顕微鏡画像を対応する第三の三次元光学顕微鏡画像に関連付けることにより、光学顕微鏡情報により透過電子顕微鏡画像における研究目標の第四位置を位置決めることができ、第四位置に基づいて透過電子顕微鏡画像において冷凍電子遮断層走査結像データの収集範囲を画定する。三次元再構成された冷凍電子遮断層走査画像に対して、対応する第三スライスの第三の三次元光学顕微鏡画像に関連してもよく、蛍光情報を利用して研究目標の種類及び位置を判別し、冷凍電子遮断層走査画像分析を補助する。
【0082】
図6は、本発明の実施例が提供する上記イオンビーム加工方法を実現する埋め込み式三次元光電関連結像装置の構造図を概略的に示す。
【0083】
図6に示すように、該埋め込み式三次元光電関連結像装置は、イオンビームモジュール1、走査型電子顕微鏡モジュール2、光学対物レンズモジュール3、光学ウィンドウ4、光学励起結像モジュール5、電子顕微結像切断位置6、光学顕微鏡結像位置7、真空チャンバ8を含むことができる。
【0084】
イオンビームモジュール1、走査型電子顕微鏡モジュール2及び光学対物レンズモジュール3は同一の真空チャンバ8の内部に設置されてもよく、光学ウィンドウ4は真空チャンバ8の側壁に開設され、かつ光学対物レンズモジュール3及び光学励起結像モジュール5と光路の連通を実現する。電子顕微結像切断位置6はイオンビームモジュール1と走査型電子顕微鏡モジュール2の下方に設置され、光学顕微鏡結像位置7は光学対物レンズモジュール3の下方に設置され、サンプルは電子顕微結像切断位置6と光学顕微鏡結像位置7との間に切り替えることができる。
【0085】
イオンビームモジュール1はサンプルにイオンビーム切断を行うために用いられ、走査型電子顕微鏡モジュール2はサンプルに走査電子顕微結像を行うために用いられ、光学ウィンドウ4は真空チャンバ8の内外の光路を接続するために用いられ、光学励起結像モジュール5は共焦点結像の走査励起光を提供し、かつ励起光を光学対物レンズモジュール3によりサンプルに透過し、サンプルの異なる層面を走査することにより三次元結像を実現し、同時に光学励起結像モジュール5はさらに光学対物レンズモジュール3が収集した明視野信号及び蛍光信号を検知し、かつコンピュータにより画像を収集するために用いられる。
【0086】
なお、上記構造の埋め込み式三次元光電関連結像装置は本発明の実施例が提供するイオンビーム加工方法の一つの構造を実現することができるだけであり、本発明の提供するイオンビーム加工方法を限定するものではない。
【0087】
以上をまとめると、本発明の実施例が提供するレジストレーションプロセスは、光電関連レジストレーションを採用し、イオンビームを直接利用してサンプル表面をエッチングしてレジストレーション基準パターンを取得してレジストレーションを行うことができ、基準マークを追加する必要がなく、実験の複雑度を低下させ、操作しやすくかつ再現性が高い。三次元光学顕微鏡画像投影及びイオンビームエッチングのレジストレーション基準パターンを利用して光電関連レジストレーションを行い、複雑度をさらに低減し、レジストレーション結果の再現性を向上させる。さらに、三次元光学顕微鏡画像投影を利用して目標のスライスにおける位置を決定し、位置決め精度が高く、ナノ精度の定点切断を実現することができる。また、最終のスライスの三次元光学顕微鏡画像を利用して、目標種類を識別することができ、かつ目標のスライスにおける位置を決定し、これらの情報を利用して冷凍電子遮断層走査結像データ収集及びデータ分析を補助することができる。
【0088】
以上に述べた具体的な実施例は、本発明の目的、技術的解決手段及び有益な効果をさらに詳細に説明し、理解すべきこととして、以上の記載は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換、改善なども、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。