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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052516
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】積層型電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
H01G4/30 517
H01G4/30 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111039
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0124826
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0173423
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン タエ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、エウン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヨン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】バエク、ラク ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ミ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ウン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AD02
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E001AH04
5E001AJ02
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ23
5E082LL03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サイドマージン部を効率的に形成する積層型電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートが積層方向に交互に積層された積層体を積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、積層方向とは異なる方向に複数の単位チップ210にサイドマージン部用セラミックグリーンシート47の一部分を付着させる段階と、を含む。付着させる段階では、サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体50dと複数の単位チップとの間を圧着してサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を複数の単位チップに付着させる。第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層51と、第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、複数の単位チップと第1弾性層との間に配置された第2弾性層52と、を含み、第1弾性体の弾性係数は50Mpa以上1000MPa以下である。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートとが積層方向に交互に積層された積層体を前記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、
前記積層方向とは異なる方向に、前記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、
前記付着させる段階は、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と前記複数の単位チップとの間を圧着して前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を前記複数の単位チップに付着させることを含み、
前記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、前記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、
前記第1弾性体の弾性係数は50Mpaを超過し、1000MPa以下である、積層型電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記第1弾性係数及び前記第2弾性係数のそれぞれは、50Mpaを超過する、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記第2弾性係数は前記第1弾性係数よりもさらに高く、
前記第1弾性層の厚さは、前記第2弾性層の厚さよりもさらに厚い、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記第1弾性層は不織布を含み、
前記第2弾性層はPET(ポリエチレンテレフタレート;Polyethylene terephthalate)を含み、
前記第1弾性層の厚さは0μmを超過し、2μm以下であり、
前記第2弾性層の厚さは0μmを超過し、1μm以下である、請求項3に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記第1弾性層及び前記第2弾性層のそれぞれは、シリコン(Silicone)、PET(ポリエチレンテレフタレート;Polyethylene terephthalate)、ポリウレタン(PU:Polyurethane)、天然ゴム(Natural rubber)、ポリオレフィン(PO:Polyolefine)及び不織布の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記第1弾性層及び前記第2弾性層のそれぞれの厚さは、0μmを超過し、3μm以下であり、
前記第2弾性層において前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートに向かい合う面の粗さは、前記第1弾性層及び前記第2弾性層が互いに向かい合う面の粗さより粗い、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記付着させる段階は、前記第1弾性体に上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置される前に、第2弾性体に配置された前記複数の単位チップを回転させることをさらに含み、
前記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、前記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、前記複数の単位チップの少なくとも1つと前記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記付着させる段階は、前記第1弾性体と第2弾性体との間に前記複数の単位チップが配置された後に前記第1弾性体及び前記第2弾性体の間を圧着して、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を前記複数の単位チップに付着させることを含み、
前記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、前記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項9】
複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートとが積層方向に交互に積層された積層体を前記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、
前記積層方向とは異なる方向に、前記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、
前記付着させる段階は、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と前記複数の単位チップとの間を圧着して前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を前記複数の単位チップに付着させることを含み、
前記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、前記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、
前記付着させる段階は、前記第1弾性体に前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置される前に、第2弾性体に配置された前記複数の単位チップを回転させることをさらに含み、
前記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、前記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項10】
複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートとが積層方向に交互に積層された積層体を前記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、
前記積層方向とは異なる方向に、前記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、
前記付着させる段階は、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と前記複数の単位チップとの間を圧着して前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を前記複数の単位チップに付着させることを含み、
前記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、前記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、
前記付着させる段階は、前記第1弾性体と第2弾性体との間に前記複数の単位チップが配置された後に前記第1弾性体及び第2弾性体の間を圧着して、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を前記複数の単位チップに付着させることを含み、
前記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、前記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、前記複数の単位チップと前記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記第1弾性係数、前記第2弾性係数、前記第3弾性係数及び前記第4弾性係数のそれぞれは50Mpaを超過する、請求項7から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記第2弾性係数は前記第1弾性係数よりもさらに高く、
前記第1弾性層の厚さは前記第2弾性層の厚さよりもさらに厚く、
前記第4弾性係数は前記第3弾性係数よりもさらに高く、
前記第3弾性層の厚さは、前記第4弾性層の厚さよりもさらに厚い、請求項7から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項13】
前記第1弾性層及び前記第3弾性層のそれぞれは不織布を含み、
前記第2弾性体及び前記第4弾性層のそれぞれは、PET(Polyethylene terephthalate)を含み、
前記第1弾性層及び前記第3弾性層のそれぞれの厚さは、0μmを超過し、2μm以下であり、
前記第2弾性層及び前記第4弾性層のそれぞれの厚さは、0μmを超過し、1μm以下である、請求項12に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項14】
前記第1弾性層、前記第2弾性層、前記第3弾性層及び前記第4弾性層のそれぞれは、シリコン(Silicone)、PET(ポリエチレンテレフタレート;Polyethylene terephthalate)、ポリウレタン(PU:Polyurethane)、天然ゴム(Natural rubber)、ポリオレフィン(PO:Polyolefine)及び不織布の少なくとも1つを含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項15】
前記第1弾性層、前記第2弾性層、前記第3弾性層及び前記第4弾性層のそれぞれの厚さは、0μmを超過し、3μm以下であり、
前記第2弾性層において、前記サイドマージン部用セラミックグリーンシートに向かい合う面の粗さは、前記第1弾性層及び前記第2弾性層が互いに向かい合う面の粗さより粗く、
前記第4弾性層において、前記複数の単位チップの少なくとも1つに向かい合う面の粗さは、前記第3弾性層及び前記第4弾性層が互いに向かい合う面の粗さよりも粗い、請求項7から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
従来、積層セラミックキャパシタを小型化しながら容量を増加させるための方法であり、内部電極が本体の幅方向に露出されるようにすることでマージンのない設計を介して内部電極の幅方向の面積を最大化するが、このような単位チップ製作後の焼成前段階において、単位チップの幅方向の内部電極の露出面にサイドマージン部を別途付着する工程が適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1376921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、積層型電子部品にサイドマージン部を効率的に形成することができる積層型電子部品の製造方法を提供する。例えば、サイドマージン部が積層型電子部品に付着される過程での不良発生は効率的に防止されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートとが積層方向に交互に積層された積層体を上記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、上記積層方向とは異なる方向に、上記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、上記付着させる段階は、上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と上記複数の単位チップとの間を圧着して上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を上記複数の単位チップに付着させることを含み、上記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、上記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、上記複数の単位チップと上記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、上記第1弾性体の弾性係数は50Mpaを超過し、1000MPa以下であることができる。
【0007】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートが積層方向に交互に積層された積層体を上記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、上記積層方向とは異なる方向に、上記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、上記付着させる段階は、上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と上記複数の単位チップとの間を圧着して上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を上記複数の単位チップに付着させることを含み、上記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、上記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、上記複数の単位チップと上記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、上記付着させる段階は、上記第1弾性体に上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置される前に第2弾性体に配置された上記複数の単位チップを回転させることをさらに含み、上記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、上記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、上記複数の単位チップと上記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含むことができる。
【0008】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、複数の内部電極パターンと複数のセラミックグリーンシートとが積層方向に交互に積層された積層体を上記積層方向に切断して複数の単位チップを得る段階と、上記積層方向とは異なる方向に、上記複数の単位チップにサイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を付着させる段階と、を含み、上記付着させる段階は、上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置された第1弾性体と上記複数の単位チップとの間を圧着して上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を上記複数の単位チップに付着させることを含み、上記第1弾性体は、第1弾性係数を有する第1弾性層と、上記第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、上記複数の単位チップと上記第1弾性層との間に配置された第2弾性層とを含み、上記付着させる段階は、上記第1弾性体と第2弾性体との間に上記複数の単位チップが配置された後に上記第1弾性体及び上記第2弾性体の間を圧着して上記サイドマージン部用セラミックグリーンシートの一部分を上記複数の単位チップに付着させることを含み、上記第2弾性体は、第3弾性係数を有する第3弾性層と、上記第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、上記複数の単位チップと上記第3弾性層との間に配置された第4弾性層とを含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、積層型電子部品にサイドマージン部を効率的に形成することができる。例えば、サイドマージン部が積層型電子部品に付着される過程での不良発生は効率的に防止されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法によって製造されることができる積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図2図1のI-I'線に沿った断面図である。
図3図1のII-II'線に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態による複数の単位チップを得る段階の積層段階を概略的に示した分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による複数の単位チップを得る段階の切断段階を概略的に示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による複数の単位チップを得る段階の切断段階の実行直後に複数の単位チップの形態を概略的に示した斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による複数の単位チップを得る段階の切断段階の実行直後に複数の単位チップを第1方向から見た平面図である。
図8】本発明の一実施形態による単位チップの形状を概略的に示した斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による付着させる段階の回転段階を概略的に示した側面図である。
図10】本発明の一実施形態による付着させる段階の近接段階を概略的に示した側面図である。
図11】本発明の一実施形態による付着させる段階のパンチング段階を概略的に示した側面図である。
図12】本発明の一実施形態による付着させる段階の仕上げ段階を概略的に示した側面図である。
図13】第1弾性層、第2弾性層、第3弾性層、及び第4弾性層が含まれることができる材料の弾性係数の測定方式を分析するための応力-変形率曲線を示した図面である。
図14】PET(ポリエチレンテレフタレート;Polyethylene terephthalate)のように線形弾性挙動を有する材料の弾性係数の測定方式を示したグラフである。
図15】不織布のように非線形弾性挙動を有する材料の弾性係数の測定方式を示したグラフである。
図16】第1弾性層、第2弾性層、第3弾性層、及び第4弾性層が含まれることができる材料の弾性係数を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0012】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0013】
図面において、第1方向は複数のセラミックグリーンシートの積層されている方向または厚さ(T)方向、上記第1方向と垂直な方向である第2方向及び第3方向のうち、上記第2方向は長さ(L)方向、上記第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0014】
図4図8を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法は、複数の内部電極パターン221、222と複数のセラミックグリーンシート201、202とが積層方向(例:第1方向)に交互に積層された積層体200を積層方向(例:第1方向)に切断して複数の単位チップ210を得る段階を含むことができる。バー300は、支持フィルム310上に積層体200が配置された構造を含むことができる。
【0015】
図4を参照すると、支持フィルム310は、導電パターン221'、222'及び複数のセラミックグリーンシート201、202が積層された積層体200を支持する役割を果たすことができる。例えば、支持フィルム310は、積層体200を効果的に支持及び付着するために、ラテックス(Latex)、デンプン、セルロース(cellulose)、タンパク質、IR(イソプレンゴム;Isoprene Rubber)、NBR(ニトリルブタジエンゴム;Nitrile Butadiene Rubber)、SBR(スチレンブタジエンゴム;Styrene Butadiene Rubber)、CR(クロロプレンゴム;Chloroprene Rubber)、シリコンゴム(Silicon Rubber)、シリコン(Silicon系)、ウレタン(Urethane)系、アクリル(Acryl)系、及びこれらの混合剤などの粘着性物質を含むことができる。支持フィルム310と紙面とは互いに平行であることができるが、これに限定されない。
【0016】
複数のセラミックグリーンシート201、202は、セラミックパウダー、有機溶剤、分散剤及びバインダーを含むセラミックペーストから形成されることができる。上記セラミックパウダーは、積層型電子部品100の誘電体層111を形成する原料として、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。複数のセラミックグリーンシート201、202が焼成されると、本体110を構成する誘電体層111になる。
【0017】
一方、一実施形態では、積層体200は、カバー部112、113を形成するカバー部用セラミックグリーンシート203をさらに含むことができる。カバー部用セラミックグリーンシート203は、セラミックグリーンシート201、202と同じ材料及び成分で構成されることができるが、これに制限されるものではなく、焼成過程を経て本体110の上部カバー部112及び下部カバー部113を形成することができる。例えば、カバー部用セラミックグリーンシート203は、積層体の第1方向の一面と他面に形成されることができ、単一の層または複数の層で形成されることができる。
【0018】
内部電極パターン221、222は、導電性金属を含む内部電極用ペーストによってセラミックグリーンシート201、202上に形成されることができる。内部電極パターン221、222に含まれる導電性金属は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、上記導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。セラミックグリーンシート201、202上に内部電極パターン221、222を形成する方法は特に制限されない。例えば、上記導電性金属を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシート201、202にスクリーン印刷またはグラビア印刷して形成することができる。
【0019】
内部電極パターン221、222はストライプ状であることができる。具体的には、内部電極パターンは、第2方向に一定間隔をおいてセラミックグリーンシート201、202の第3方向の両端と接するように形成されることができる。
【0020】
内部電極パターン221、222は、セラミックグリーンシート201に形成された第1内部電極パターン221及び他のセラミックグリーンシート202に形成された第2内部電極パターン222を含むことができる。このとき、第1内部電極パターン221が形成されたセラミックグリーンシートを第1セラミックグリーンシート201、第2内部電極パターン222が形成されたセラミックグリーンシートを第2セラミックグリーンシート202と称することができる。
【0021】
図4に示したように、複数のセラミックグリーンシート201、202は、第1内部電極パターン221と第2内部電極パターン222とが交差積層されるように交互に積層されることができる。これにより、後述する単位チップ210を形成する際に、第1内部電極パターン221は第3面3に露出し、第2内部電極パターン222は第4面4に露出することができる。第1内部電極パターン221は焼成後に第1内部電極121となり、第2内部電極パターン222は焼成後に第2内部電極122となることができる。
【0022】
図5図7を参照すると、バー300を基準に複数のセラミックグリーンシート201、202の積層されている方向を第1方向とするとき、バー300を第1方向と垂直な第2方向に1回以上切断し、第1方向及び第2方向と垂直な第3方向に1回以上切断して複数の単位チップ210を得るが、内部電極パターン221、222が単位チップ210の第1側面S1及び第2側面S2の全てと連結されるように切断する。
【0023】
図5に示したように、積層体200は、互いに直交する切断線C1-C1及びC2-C2に沿って切断されることができる。C1-C1切断線は第2方向と平行な切断線であり、第3方向に実質的に等間隔に配置され、C2-C2切断線は第3方向と平行な切断線であり、第2方向に実質的に等間隔に配置される。C1-C1切断線によって実質的に一定の第3方向の大きさを有する単位チップ210が形成されることができ、C2-C2切断線によって実質的に一定の第2方向の大きさを有する単位チップ210が形成されることができる。
【0024】
特に、C2-C2切断線は、第1内部電極パターン221及び第2内部電極パターン222の第2方向の中心部と第1内部電極パターン221及び第2内部電極パターン222が第2方向に離隔した空間とを切断するように形成されるので、単位チップ210の第1内部電極パターン221は第3面3に、第2内部電極パターン222は第4面4に露出することができる。
【0025】
積層体200を切断する手段は特に限定されない。例えば、積層体200をドクターブレード、ダイシングブレードなどのブレード切断法、ギロチン切断法またはレーザー切断法を用いることができる。
【0026】
図6及び図7を参照すると、バー300の切断に応じて、積層体200は複数の単位チップ210に分割されることができる。複数の単位チップ210は、支持フィルム310の粘着性により切断後にも支持フィルム310上に接着されることができる。
【0027】
図6及び図7は、切断により複数の単位チップ210が互いに一定間隔をおいて離隔している構造を示しているが、複数のセラミックグリーンシート201、202及び内部電極パターン221、222の粘性により、複数の単位チップ210は、相互間に接着力が弱くなった状態で実質的に接した状態であることができる。
【0028】
但し、複数の単位チップが互いに離隔していることを排除するものではなく、切断する手段によって一部離隔して配置されることができるが、複数の単位チップ間に離隔した空間の大きさは、隣接する単位チップが互いに接触せずに回転することができる大きさよりは狭いことができる。
【0029】
図8を参照すると、本発明の一実施形態による複数の単位チップ210の内部電極パターン221、222は、単位チップ210の互いに向かい合う第1側面S1及び第2側面S2の全てと連結されるように切断される。これにより、内部電極パターン221、222が形成されることができる面積を最大化して積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができる。但し、内部電極パターン221、222が露出する第1側面S1及び第2側面S2は、外部水分浸透に脆弱な部分であり、後述する外部電極が第1側面S1及び第2側面S2に延びて形成される場合、ショートが発生するおそれがある。
【0030】
後述する本発明の一実施形態の付着させる段階では、サイドマージン部用セラミックグリーンシートを第1側面S1及び/又は第2側面S2に付着及びパンチングして第1サイドマージン部を形成することで、上記耐湿信頼性の問題及びショートが発生するおそれを解決することができる。
【0031】
図9図12を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法は、積層体200の積層方向(例:図8の第1方向)とは異なる方向(例:図8の第3方向)に、複数の単位チップ210にサイドマージン部用セラミックグリーンシート47の複数の第1部分47aを付着させる段階を含むことができる。複数の第1部分47aは、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47の一部分であることができる。上記付着させる段階は、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47が配置された第1弾性体50dと複数の単位チップ210との間を圧着してサイドマージン部用セラミックグリーンシート47の複数の第1部分47aと第2部分47bとの間を切断しながら、複数の第1部分47aを複数の単位チップ210に付着させることを含むことができる。これはパンチング(punching)と表現することができる。
【0032】
第1弾性体50a、50dの弾性係数が低いほど、第1弾性体50a、50dの形態は外部の力によってさらに変形されやすくなり、複数の第1部分47aが複数の単位チップ210に付着される過程で複数の単位チップ210が損傷されることは効率的に抑制されることができる。
【0033】
第1弾性体50a、50dの弾性係数が高いほど、第1弾性体50a、50dの形態はさらに強く維持されることができ、複数の第1部分47aと第2部分47bとの間が切断される過程での切断不良は効率的に抑制されることができる。
【0034】
したがって、第1弾性体50a、50dの弾性係数が最適化される場合、複数の第1部分47aが複数の単位チップ210に付着される過程で複数の単位チップ210が損傷されることと、複数の第1部分47aと第2部分47bとの間が切断される過程での切断不良とは効率的に抑制されることができる。
【0035】
第1弾性体50a、50dは、第1弾性係数を有する第1弾性層51と、第1弾性係数とは異なる第2弾性係数を有し、複数の単位チップ210の少なくとも1つと第1弾性層51の間に配置された第2弾性層52とを含むことができる。これにより、第1弾性体50a、50dの弾性係数はさらに有利に最適化されることができる。
【0036】
第1弾性体50a、50dの弾性係数は、第1弾性体50a、50dに対して直接的に弾性係数を測定する方式で測定されることができ、補間(interpolation)弾性係数とほぼ同じであることができる。補間弾性係数は、第1弾性層51の体積と第1弾性係数の積(第1値)と、第2弾性層52の体積と第2弾性係数の積(第2値)との合計(第3値)から、第1弾性層51の体積と第2弾性層52の体積の合計(第4値)とを除した値として計算されることができる。すなわち、第1値と第2値との合計は第3値であり、第3値から第4値を除した値は第1弾性体50a、50dの弾性係数であることができる。
【0037】
第1弾性体50a、50dの弾性係数は、第1弾性層51及び第2弾性層52の全体的な(overall)弾性係数であることができ、50Mpaを超過し、1000MPa以下であることができる。第1弾性体50a、50dの弾性係数が50Mpaを超過するので、複数の第1部分47aと第2部分47bとの間が切断される過程での切断不良は効率的に抑制されることができる。第1弾性体50a、50dの弾性係数が1000Mpa以下であるため、複数の第1部分47aが複数の単位チップ210に付着される過程で複数の単位チップ210が損傷されることは効率的に抑制されることができる。
【0038】
付着させる段階は、第1弾性体50a、50dと第2弾性体50b、50cとの間に複数の単位チップ210が配置された後に第1弾性体50a、50dと第2弾性体50b、50cの間を圧着して複数の第1部分47aを複数の単位チップ210に付着させることを含むことができる。第2弾性体50b、50cは、第3弾性係数を有する第3弾性層53と、第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、複数の単位チップ210の少なくとも1つと第3弾性層53との間に配置された第4弾性層54を含むことができる。
【0039】
これにより、第2弾性体50b、50cの弾性係数もさらに有利に最適化されることができるので、複数の第1部分47aが複数の単位チップ210に付着される過程で複数の単位チップ210が損傷されることと複数の第1部分47aと第2部分47bとの間が切断される過程における切断不良は、さらに効率的に抑制されることができる。第1弾性係数と第3弾性係数とは互いに同じでも異なっていてもよい。第2弾性係数と第4弾性係数とは、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0040】
例えば、第1弾性係数、第2弾性係数、第3弾性係数及び第4弾性係数のそれぞれは50Mpaを超過することができる。これにより、複数の第1部分47aと第2部分47bとの間が切断される過程における切断不良は安定して抑制されることができる。
【0041】
例えば、第2弾性係数は第1弾性係数よりもさらに高く、第1弾性層51の厚さは第2弾性層52の厚さよりもさらに厚く、第4弾性係数は第3弾性係数よりもさらに高く、第3弾性層53の厚さは、第4弾性層54の厚さよりもさらに厚いことができる。これにより、第1弾性層51及び/又は第3弾性層53は、複数の単位チップ210に対する緩衝役割を効率的に行うことができ、第2弾性層52及び/又は第4弾性層54は、複数の第1部分47aと第2部分47bとの間を切断する役割を効率的に行うことができる。
【0042】
例えば、第1弾性層51、第2弾性層52、第3弾性層53、及び第4弾性層54のそれぞれの厚さは、0μmを超過し、3μm以下であることができる。例えば、第1弾性体50a、50d及び第2弾性体50b、50cのそれぞれの硬度値は100以下であることができる。例えば、第1弾性層51、第2弾性層52、第3弾性層53、及び第4弾性層54のそれぞれの上下面の面積は500mm×500mm以下であることができる。
【0043】
例えば、不織布はPET(ポリエチレンテレフタレート;Polyethylene terephthalate)よりもさらに低い弾性係数を有することができるので、第1弾性層51及び第3弾性層53のそれぞれに含まれることができる。第2弾性層52及び第4弾性層54のそれぞれはPETを含むことができる。ここで、第1弾性層51及び第3弾性層53のそれぞれの厚さは0μmを超過し、2μm以下であり、第2弾性層52及び第4弾性層54のそれぞれの厚さはことができる。
【0044】
例えば、第1弾性層51、第2弾性層52、第3弾性層53、及び第4弾性層54のそれぞれは、不織布及びPETだけでなく、シリコン(Silicone)、ポリウレタン(PU:Polyurethane)、天然ゴム(Natural rubber)及びポリオレフィン(PO:Polyolefine)の少なくとも1つを代わりにまたはさらに含むことができる。例えば、シリコンはシリコンゴムであることができ、シリコンゴムの弾性係数は60Mpa以上80MPa以下であることができる。
【0045】
第2弾性層52においてサイドマージン部用セラミックグリーンシート47に向かい合う面の粗さは、第1弾性層51及び第2弾性層52が互いに向かい合う面の粗さよりも粗くてもよく、第4弾性層54において複数の単位チップ210の少なくとも1つに向かい合う面の粗さは、第3弾性層53及び第4弾性層54が互いに向かい合う面の粗さよりも粗いことがある。これにより、複数の第1部分47aが複数の単位チップ210に付着される過程で、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47や複数の単位チップ210が横に摺動することは効率的に防止されることができる。例えば、第2弾性層52及び第4弾性層54のそれぞれの上面と下面との間の粗さ差を実現するために、知られた粗さ処理工程は、第2弾性層52及び第4弾性層54のそれぞれの上面と下面とのいずれか一つのみに適用されることができる。
【0046】
図9を参照すると、付着させる段階は、第1弾性体にサイドマージン部用セラミックグリーンシートが配置される前に、第2弾性体50bに配置された複数の単位チップ210を回転させることをさらに含み、第2弾性体50bは、第3弾性係数を有する第3弾性層53と、第3弾性係数とは異なる第4弾性係数を有し、複数の単位チップ210の少なくとも1つと第3弾性層53の間に配置された第4弾性層54とを含むことができる。
【0047】
例えば、複数の単位チップ210は粘着シート38と共に支持台40上に配置されることができ、板41は複数の単位チップ210の上側に配置されることができる。この後、板41は水平方向に転動(tumbling)することができる。粘着シート38は、連結部34によって板41と共に転動することができるため、粘着シート38上の複数の単位チップ210が一括して90度回転されることができる。このとき、支持台40と板41との間を支持する支持柱35も倒れることがある。
【0048】
第1弾性体50a及び/又は第2弾性体50bの弾性係数が低いほど、第1弾性体50a及び/又は第2弾性体50bは、板41の転動に基づく応力が複数の単位チップ210に伝達されることに対する緩衝役割を果たすことができるため、複数の単位チップ210の損傷は防止されることができる。第1弾性体50a及び/又は第2弾性体50bの弾性係数が高いほど、複数の単位チップ210の回転不良は防止されることができる。
【0049】
第1弾性体50aは、互いに異なる第1弾性係数及び第2弾性係数をそれぞれ有する第1弾性層51及び第2弾性層52を含むことができるため、第1弾性体50aの弾性係数は効率的に最適化されることができる。第2弾性体50bは、互いに異なる第3弾性係数及び第4弾性係数をそれぞれ有する第3弾性層53及び第4弾性層54を含むことができるため、第2弾性体50bの弾性係数は効率的に最適化されることができる。第1弾性体50a及び/又は第2弾性体50bの弾性係数の最適化に応じて、複数の単位チップ210の回転は安定して進行されることができ、複数の単位チップ210の損傷は効率的に防止されることができる。
【0050】
一方、図9の第1弾性体50aと図10図12の第1弾性体50dとは、互いに同じでも異なっていてもよい。図9の第2弾性体50bと図10図12の第2弾性体50cとは、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0051】
図10図12を参照すると、付着させる段階は、図10が示す近接段階と、図11が示すパンチング(punching)段階と、図12が示す仕上げ段階が順次行われることを含むことができる。
【0052】
図10図12を参照すると、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47は、上述したセラミックグリーンシート201、202のようにチタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを含むセラミックパウダー、有機溶剤、分散剤及びバインダーを含むセラミックペーストで形成されることができる。但し、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47の組成は、上述したセラミックグリーンシート201、202と必ずしも同じ組成を有する必要はなく、異なる組成を有することができる。これによって、焼成後のマージン部114、115は、誘電体層111とは異なる誘電体の平均粒径、緻密度または硬度を有することができる。
【0053】
例えば、付着させる段階における周辺温度は、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47の変形及び/又は亀裂の防止のために50℃~150℃に調節されることができる。これは、熱圧着と表現されることができる。または、付着させる段階における周辺温度は、サイドマージン部用セラミックグリーンシート47の乾燥防止のために50℃以下に調節されることもできる。
【0054】
例えば、接着剤(例:アクリル、エポキシ)は、第2弾性層52と板41との間に配置されることができ、第4弾性層54と支持台40との間に配置されることもできる。
【0055】
例えば、焼成過程は、複数の第1部分47aが付着された複数の単位チップ210に行われることができる。焼成過程は、還元雰囲気の1000~1300℃の温度で行われることができるが、これに限定されない。この後、本体110の第3面3及び第4面4のそれぞれに外部電極131、132を形成して積層型電子部品100を製造することができる。
【0056】
一方、第1サイドマージン部214及び第2サイドマージン部215が形成された単位チップ210は、追加的な工程なしに焼成して本体110を形成することができるが、これに制限されるものではなく、電気導電性に優れた金属を含む導電性ペーストを第3面3及び第4面4にそれぞれ配置し、本体110と共に同時に焼成することで外部電極131、132を形成して積層型電子部品100を製造することができる。
【0057】
図13の応力-変形率曲線の縦軸と横軸は、それぞれ応力(Stress)と変形率(Strain)とである。第1弾性体及び/又は第2弾性体に応力(Stress)を加え始めると、変形率(Strain)は弾性係数(modulus of resilience)の範囲内で線形的に増加することができる。このとき、曲線の傾きは弾性係数に対応することができる。
【0058】
図14の5つの曲線は、PETサンプル(sample)の5回測定によって得られた5つの応力-変形率曲線を示し、線形弾性挙動を有するPETの弾性係数は、5回測定の応力-変形率曲線が線形的な範囲内における応力-変形率曲線の傾きの平均値として測定されることができる。
【0059】
図15の5つの曲線は、不織布サンプル(sample)の5回測定によって得られた5つの応力-変形率曲線を示し、非線形弾性挙動を有する不織布の弾性係数は、5回測定の応力-変形率曲線の初期接線の傾きの平均値として測定されることができる。
【0060】
図14及び図15の10つの応力-変形率曲線は、TIRA社の引張測定機により得られ、サンプルの形態は板状であり、上記板の上下面の面積は5mm×5mmである。
【0061】
図16の弾性係数は以下の表1の測定値によってまとめた。ここで、0.8T_70、0.6T_50(粗さ)、0.4T_70、0.4T_70(粗さ)及び0.2T_70のそれぞれは、第1及び第2弾性層を含む第1弾性体に対応し、第1弾性層及び第2弾性層に含まれた材料又は体積比が互いに異なるように調節された構造を含むことができる。
【0062】
【表1】
【0063】
以下、図1図3を参照して、本発明の一実施形態による製造方法により製造されることができる積層型電子部品100について説明する。但し、積層型電子部品100は第1~第3の形態で制限されず、内部電極及び外部電極の形態及び数は、実装位置または用途に応じて多様である。
【0064】
積層型電子部品100は、誘電体層111及び誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含む本体110と、本体110上に配置される外部電極131、132とを含むことができる。
【0065】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0066】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではなく、実質的に六面体状を有することができる。
【0067】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1面1及び第2面2、第1面1及び第2面2と連結され、第2方向に互いに対向する第3面3及び第4面4、第1面~第4面と連結され、第3方向に互いに対向する第1側面S1及び第2側面S2を有することができる。
【0068】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0069】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0070】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0071】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部112、113とを含むことができる。
【0072】
また、上記容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1内部電極121及び第2内部電極122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0073】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112及び上記容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0074】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0075】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0076】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。
【0077】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0078】
マージン部114、115は、本体110の第1側面S1に配置されたマージン部114と第2側面S2に配置されたマージン部115とを含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記本体110の第3方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0079】
マージン部114、115は、図3に示したように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切断した断面(cross-section)で第1内部電極121及び第2内部電極122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0080】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0081】
本発明の一実施形態によると、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第1側面S1及び第2側面S2に露出するように切断した後、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向に積層してマージン部114、115を形成することができる。
【0082】
マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であることができる。また、本発明の一実施形態によると、支持フィルムから上記単位チップを上記セラミックグリーンシートが積層された方向に分離した後、上記単位チップを分離した方向に垂直な方向に移動させて粘着テープに上記単位チップの第2側面が接するように配列する配列段階を含むことで信頼性が向上した積層型電子部品を製造することができるので、マージン部114、115の平均幅が15μm以下である場合にも優れた信頼性を確保することができる。
【0083】
マージン部114、115の平均幅は、マージン部114、115の第3方向の平均大きさを意味することができ、容量形成部Acの側面で等間隔の5つ地点で測定したマージン部114、115の第3方向の大きさを平均した値であることができる。
【0084】
複数の内部電極121、122は、誘電体層111を挟んで交互に配置されることができる。
【0085】
複数の内部電極121、122は、第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。第1内部電極121及び第2内部電極122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3面3及び第4面4にそれぞれ連結されることができる。
【0086】
具体的には、第1内部電極121の一端は第3面3に連結され、第2内部電極122の一端は第4面4に連結されることができる。
【0087】
第1内部電極121は第4面4から離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3から離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置され、第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置され、第2内部電極122と連結されることができる。
【0088】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されずに、第2外部電極132と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面4で一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面3で一定距離離隔して形成されることができる。
【0089】
このとき、第1内部電極121及び第2内部電極122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
【0090】
本体110は、第1内部電極パターン221が印刷されたセラミックグリーンシート201と第2内部電極パターン222が印刷されたセラミックグリーンシート202とを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0091】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0092】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4にそれぞれ配置され、第1外部電極131は第1内部電極121と、第2外部電極132は第2内部電極122と電気的に連結されることができる。
【0094】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0095】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0096】
例えば、外部電極131、132は、本体110の表面に配置され、内部電極121、122と直接接する電極層及び電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0097】
電極層に対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0098】
また、電極層は本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。また、電極層は本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0099】
電極層に含まれる導電性金属として、電気導電性に優れた材料を用いることができ、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びこれらの合金のうち1つ以上であることができる。
【0100】
めっき層は実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層の種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち1つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層から形成されることもできる。
【0101】
めっき層に対するより具体的な例を挙げると、めっき層は、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0102】
以上で、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定しようとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属するといえる。
【0103】
なお、本開示において用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に記載されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0104】
本開示で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0105】
40 支持台
41 板
47 サイドマージン部用セラミックグリーンシート
47a サイドマージン部用セラミックグリーンシートの複数の第1部分
47b サイドマージン部用セラミックグリーンシートの第2部分
50a、50d 第1弾性体
50b、50c 第2弾性体
51 第1弾性層
52 第2弾性層
53 第3弾性層
54 第4弾性層
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
121、122 内部電極
131、132 外部電極
140 サイドマージン部用セラミックグリーンシート
200 積層体
201、202 セラミックグリーンシート
203 カバー用セラミックグリーンシート
210 単位チップ
214、215 サイドマージン部
221、222 内部電極パターン
300 バー
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