(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052517
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240404BHJP
H01G 4/38 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111558
(22)【出願日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0125182
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】姜 晟馨
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲ホン▼▲ジェ▼
(72)【発明者】
【氏名】金 玉男
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC06
5E001AC08
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC40
5E082CC03
5E082EE04
5E082EE17
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082PP09
(57)【要約】
【課題】本開示の一側面は、1個の積層型キャパシタで2種類以上の容量実現が可能な積層型キャパシタを提供することができる。
【解決手段】一実施形態による積層型キャパシタは、誘電体層、および誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そしてキャパシタボディーの幅方向両側に配置される2n個以上の端子電極を含み、第1内部電極層は、n+1個の第1内部電極パターンを含み、第2内部電極層は、n個の第2内部電極パターンを含み、nは、1以上の整数である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、および前記誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、
前記キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そして
前記キャパシタボディーの幅方向両側に配置される2n個以上の端子電極を含み、
前記第1内部電極層は、n+1個の第1内部電極パターンを含み、
前記第2内部電極層は、n個の第2内部電極パターンを含み、
前記nは、1以上の整数である、
積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記キャパシタボディーは、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層の積層方向に互いに対向する第1面および第2面、前記第1面および第2面と連結され、長さ方向に互いに対向する第3面および第4面、および前記第1面および第2面と連結され、前記第3面および第4面と連結され、幅方向に互いに対向する第5面および第6面を含み、
前記第1外部電極は、前記キャパシタボディーの第3面に配置され、
前記第2外部電極は、前記キャパシタボディーの第4面に配置され、
前記端子電極は、前記キャパシタボディーの第5面および第6面に配置される、
請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第1内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される前記第1内部電極パターンを含み、
前記第1内部電極層は、前記第1内部電極パターンの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有する、
請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さは、5μm以上である、請求項3に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1内部電極パターンのうちのいずれか一つは前記第1外部電極と連結され、他の一つは前記第2外部電極と連結される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第2内部電極パターンは、前記端子電極のうちの2個以上と連結される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記一つの第2内部電極パターンと連結された端子電極は、互いに連結されない、請求項6に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記第2内部電極パターンは、前記端子電極と連結される2個以上の引出しパターンを有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記引出しパターンの長さ方向の平均長さは、150μm乃至250μmであり、
前記端子電極の長さ方向の平均長さは、190μm乃至500μmである、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記第1内部電極層が前記第1内部電極パターンを3個以上含む場合、前記第1外部電極および前記第2外部電極とそれぞれ連結された2個の第1内部電極パターンを除いた残りの第1内部電極パターンは、前記第1外部電極、前記第2外部電極、および前記端子電極と連結されない、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第2内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される前記第2内部電極パターンを含み、
前記第2内部電極層は、前記第2内部電極パターンの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有する、
請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記第2内部電極パターンは、2個以上の前記第1内部電極パターンと重なるように配置される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記第1内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同一かまたは互いに異なり、
前記第2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同一かまたは互いに異なる、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記第1外部電極および第2外部電極は、それぞれ前記キャパシタボディーと接触する第1ベース電極および第2ベース電極、第1ベース電極および第2ベース電極をそれぞれ覆うように配置される第1中間電極および第2中間電極、および第1中間電極および第2中間電極をそれぞれ覆うように配置される第1表面電極および第2表面電極を含み、
前記第1中間電極および第2中間電極は、導電性金属とベース樹脂を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
誘電体層、および前記誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、
前記キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そして
前記キャパシタボディーの幅方向両側に配置される第1端子電極および第2端子電極を含み、
前記第1内部電極層は、前記第1外部電極と連結される第1-1内部電極パターン、および前記第2外部電極と連結される第1-2内部電極パターンを含み、
前記第2内部電極層は、前記第1端子電極および前記第2端子電極と連結される第2内部電極パターンを含む、
積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記第1内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される前記第1-1内部電極パターンおよび前記第1-2内部電極パターンを含み、
前記第1内部電極層は、前記第1-1内部電極パターンと前記第1-2内部電極パターンとの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有する、
請求項15に記載の積層型キャパシタ。
【請求項17】
前記第2内部電極パターンは、前記第1-1内部電極パターンおよび前記第1-2内部電極パターンと重なるように配置される、請求項16に記載の積層型キャパシタ。
【請求項18】
前記第1-1内部電極パターンと前記第1-2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが同じかまたは互いに異なる、請求項15に記載の積層型キャパシタ。
【請求項19】
誘電体層、および前記誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、
前記キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そして
前記キャパシタボディーの幅方向両側に配置される第1端子電極乃至第4端子電極を含み、
前記第1内部電極層は、前記第1外部電極と連結される第1-1内部電極パターン、前記第2外部電極と連結される第1-2内部電極パターン、前記第1-1内部電極パターンと前記第1-2内部電極パターンとの間に長さ方向に沿って間隔を置いて配置される第1-3内部電極パターンを含み、
前記第2内部電極層は、前記第1端子電極および前記第2端子電極と連結される第2-1内部電極パターン、および前記第3端子電極および前記第4端子電極と連結される第2-2内部電極パターンを含む、
積層型キャパシタ。
【請求項20】
前記第2-1内部電極パターンは、前記第1-1内部電極パターンおよび前記第1-2内部電極パターンと重なるように配置され、
前記第2-2内部電極パターンは、前記第1-2内部電極パターンおよび前記第1-3内部電極パターンと重なるように配置される、請求項19に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、積層型キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタ(multi-layer ceramic capacitor、MLCC)は、一般に第1内部電極と第2内部電極が積層され、その間に誘電体層を位置し、第1内部電極および第2内部電極は、それぞれ第1外部電極および第2外部電極と連結されることにより、容量が実現される構造を有する。
【0003】
この時、第1内部電極と第2内部電極は、交互に積層され、並列に連結されており、積層型キャパシタの容量は、内部電極の積層数と積層面積、誘電体の誘電率により決定されることによって、一般に1個の容量だけが実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一側面は、1個の積層型キャパシタで2種類以上の容量実現が可能な積層型キャパシタを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面による積層型キャパシタは、誘電体層、および誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そしてキャパシタボディーの幅方向両側に配置される2n個以上の端子電極を含み、第1内部電極層は、n+1個の第1内部電極パターンを含み、第2内部電極層は、n個の第2内部電極パターンを含み、nは、1以上の整数である。
【0006】
キャパシタボディーは、第1内部電極層と第2内部電極層の積層方向に互いに対向する第1面および第2面、第1面および第2面と連結され、長さ方向に互いに対向する第3面および第4面、および第1面および第2面と連結され、第3面および第4面と連結され、幅方向に互いに対向する第5面および第6面を含むことができる。
【0007】
第1外部電極は、キャパシタボディーの第3面に配置され得る。
【0008】
第2外部電極は、キャパシタボディーの第4面に配置され得る。
【0009】
端子電極は、キャパシタボディーの第5面および第6面に配置され得る。
【0010】
第1内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される第1内部電極パターンを含むことができる。
【0011】
第1内部電極層は、第1内部電極パターンの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有することができる。
【0012】
分割部の長さ方向の平均長さは、5μm以上であり得る。
【0013】
第1内部電極パターンのうちのいずれか一つは第1外部電極と連結され、他の一つは第2外部電極と連結され得る。
【0014】
第2内部電極パターンは、端子電極のうちの2個以上と連結され得る。
【0015】
一つの第2内部電極パターンと連結された端子電極は、互いに連結されなくてもよい。
【0016】
第2内部電極パターンは、端子電極と連結される2個以上の引出しパターンを有することができる。
【0017】
引出しパターンの長さ方向の平均長さは、150μm乃至250μmであり得る。
【0018】
端子電極の長さ方向の平均長さは、40μm以上であり得る。
【0019】
第1内部電極層が第1内部電極パターンを3個以上含む場合、第1外部電極および第2外部電極とそれぞれ連結された2個の第1内部電極パターンを除いた残りの第1内部電極パターンは、第1外部電極、第2外部電極、および端子電極と連結されなくてもよい。
【0020】
第2内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される第2内部電極パターンを含むことができる。
【0021】
第2内部電極層は、第2内部電極パターンの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有することができる。
【0022】
分割部の長さ方向の平均長さは、5μm以上であり得る。
【0023】
第2内部電極パターンは、2個以上の第1内部電極パターンと重なるように配置され得る。
【0024】
第1内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同一かまたは互いに異なっていてもよい。
【0025】
第2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同一かまたは互いに異なっていてもよい。
【0026】
第1外部電極は、キャパシタボディーと接触する第1ベース電極、第1ベース電極を覆うように配置される第1中間電極、および第1中間電極を覆うように配置される第1表面電極を含むことができる。
【0027】
第2外部電極は、キャパシタボディーと接触する第2ベース電極、第2ベース電極を覆うように配置される第2中間電極、および第2中間電極を覆うように配置される第2表面電極を含むことができる。
【0028】
前記第1中間電極および第2中間電極は、それぞれ導電性金属とベース樹脂を含むことができる。
【0029】
他の側面による積層型キャパシタは、誘電体層、および誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そしてキャパシタボディーの幅方向両側に配置される第1端子電極および第2端子電極を含み、第1内部電極層は、第1外部電極と連結される第1-1内部電極パターン、および第2外部電極と連結される第1-2内部電極パターンを含み、第2内部電極層は、第1端子電極および第2端子電極と連結される第2内部電極パターンを含むことができる。
【0030】
第1内部電極層は、長さ方向に沿って間隔を置いて配置される第1-1内部電極パターンおよび第1-2内部電極パターンを含むことができる。
【0031】
第1内部電極層は、第1-1内部電極パターンと第1-2内部電極パターンとの間に幅方向に沿って伸びる分割部を有することができる。
【0032】
分割部の長さ方向の平均長さは、5μm以上であり得る。
【0033】
第2内部電極パターンは、第1-1内部電極パターンおよび第1-2内部電極パターンと重なるように配置され得る。
【0034】
第1-1内部電極パターンと第1-2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが同じかまたは互いに異なっていてもよい。
【0035】
また、他の側面による積層型キャパシタは、誘電体層、および誘電体層を間に置いて積層される第1内部電極層と第2内部電極層を含むキャパシタボディー、キャパシタボディーの長さ方向両側に配置される第1外部電極および第2外部電極、そしてキャパシタボディーの幅方向両側に配置される第1端子電極乃至第4端子電極を含み、第1内部電極層は、第1外部電極と連結される第1-1内部電極パターン、第2外部電極と連結される第1-2内部電極パターン、第1-1内部電極パターンと第1-2内部電極パターンとの間に長さ方向に沿って間隔を置いて配置される第1-3内部電極パターンを含み、第2内部電極層は、第1端子電極および第2端子電極と連結される第2-1内部電極パターン、および第3端子電極および第4端子電極と連結される第2-2内部電極パターンを含む。
【0036】
第2-1内部電極パターンは、第1-1内部電極パターンおよび第1-2内部電極パターンと重なるように配置され得る。
【0037】
第2-2内部電極パターンは、第1-2内部電極パターンおよび第1-3内部電極パターンと重なるように配置され得る。
【0038】
第1-1内部電極パターンと第1-2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同じかまたは互いに異なっていてもよい。
【0039】
第1-3内部電極パターンは、第1-1内部電極パターンまたは第1-2内部電極パターンと長さ方向の平均長さが互いに同じかまたは互いに異なっていてもよい。
【0040】
第2-1内部電極パターンと第2-2内部電極パターンは、長さ方向の平均長さが互いに同じかまたは互いに異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0041】
一側面による積層型キャパシタによれば、1個の積層型キャパシタで2種類以上の容量実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタの断面図である。
【
図3】
図1のキャパシタボディーで内部電極層の積層構造を示す分離斜視図である。
【
図6】他の実施形態による積層型キャパシタのI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図9】また他の実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図10】
図9のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタの断面図である。
【
図11】
図9の第1内部電極層を示す平面図である。
【
図12】
図9の第2内部電極層を示す平面図である。
【
図13】また他の実施形態による積層型キャパシタのI-I’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付した図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0044】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0045】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、または「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、接続されているか、または対向していることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0046】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0047】
図1は一実施形態による積層型キャパシタ100を示す斜視図であり、
図2は
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタ100の断面図であり、
図3は
図1のキャパシタボディー110で内部電極層の積層構造を示す分離斜視図であり、
図4は
図3の第1内部電極層121を示す平面図であり、
図5は
図3の第2内部電極層122を示す平面図である。
【0048】
本実施形態を明確に説明するために方向を定義すれば、図面に表示されたL軸、W軸およびT軸は、それぞれキャパシタボディー110の長さ方向、幅方向および厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向(T軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面(周面)と垂直な方向であり得、一例として誘電体層111が積層される積層方向と同一の概念で使用することができる。長さ方向(L軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面(周面)と平行に伸びる方向であって、厚さ方向(T軸方向)とほぼ垂直な方向になり得、一例として両側に第1外部電極131および第2外部電極132が位置する方向であり得る。幅方向(W軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面(周面)と平行に伸びる方向であって、厚さ方向(T軸方向)および長さ方向(L軸方向)とほぼ垂直な方向であり得、一例として両側に端子電極133が位置する方向であり得る。
【0049】
図1乃至
図5を参照すれば、本実施形態による積層型キャパシタ100は、キャパシタボディー110、キャパシタボディー110の長さ方向(L軸方向)に対向する両端に配置される第1外部電極131および第2外部電極132、そしてキャパシタボディー110の幅方向(W軸方向)両側に配置される端子電極133を含むことができる。
【0050】
キャパシタボディー110は一例として、ほぼ六面体形状であり得る。
【0051】
本実施形態では説明の便宜のために、キャパシタボディー110で厚さ方向(T軸方向)に互いに対向する両面を第1面および第2面、第1面および第2面と連結され、長さ方向(L軸方向)に互いに対向する両面を第3面および第4面、第1面および第2面と連結され、第3面および第4面と連結され、幅方向(W軸方向)に互いに対向する両面を第5面および第6面と定義する。下面である第1面が実装基板に向かう面になることができる。
【0052】
キャパシタボディー110の形状、サイズおよび誘電体層111の積層数は本実施形態の図面に示されたものに限定されるのではない。
【0053】
キャパシタボディー110は、複数の誘電体層111を厚さ方向(T軸方向)に積層した後に焼成したものであり、複数の誘電体層111と誘電体層111を間に置いて厚さ方向(T軸方向)に交互に配置される第1内部電極層121および第2内部電極層122を含む。
【0054】
この時、キャパシタボディー110の互いに隣接するそれぞれの誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難い程度に一体化され得る。
【0055】
また、キャパシタボディー110は、アクティブ領域とカバー領域112、113を含むことができる。
【0056】
アクティブ領域は、積層型キャパシタ100の容量形成に寄与する部分である。一例として、アクティブ領域は、厚さ方向(T軸方向)に沿って積層される第1内部電極層121または第2内部電極層122が重なった(overlap)領域であり得る。
【0057】
カバー領域112、113は、厚さ方向マージン部として厚さ方向(T軸方向)にアクティブ領域の第1面および第2面側にそれぞれ位置することができる。このようなカバー領域112、113は、単一の誘電体層111または2個以上の誘電体層111がアクティブ領域の上面および下面にそれぞれ積層されたものであり得る。
【0058】
また、キャパシタボディー110は、側面カバー領域をさらに含むことができる。側面カバー領域は、幅方向マージン部として幅方向(W軸方向)にアクティブ領域の第5面および第6面側にそれぞれ位置することができる。このような側面カバー領域は、誘電体グリーンシート表面に内部電極層形成用導電性ペースト層を塗布する時、誘電体グリーンシート表面の一部領域にのみ導電性ペースト層を塗布し、誘電体グリーンシート表面の両方の側面には導電性ペースト層を塗布していない誘電体グリーンシートを積層した後、焼成することによって形成され得る。
【0059】
カバー領域112、113と側面カバー領域は、物理的または化学的ストレスによる第1内部電極層121および第2内部電極層122の損傷を防止する役割になる。
【0060】
一例として、誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、セラミック材料は、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これら成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含むことができる。例えば、BaTiO3系誘電体セラミックにCa、Zrなどが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などを含むことができる。
【0061】
また、誘電体層111にはセラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤などがさらに添加され得る。セラミック添加剤は、例えば遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などを使用することができる。
【0062】
一例として、誘電体層111の平均厚さは、0.5μm乃至10μmであり得る。
【0063】
第1内部電極121と第2内部電極122は、誘電体層111を間に置いて厚さ方向(T軸方向)に沿って互いに対向するように交互に配置され、第1内部電極121と第2内部電極122は、その間に配置された誘電体層111により互いに電気的に絶縁され得る。
【0064】
第1内部電極121は、n+1個の第1内部電極パターン121a、121bを含むことができる。ここで、nは、1以上の整数であり、例えば10以下の整数、1乃至5の整数、または1乃至3の整数であり得る。
図1乃至
図5ではnが1である場合について示す。
【0065】
一例として、第1内部電極層121は、長さ方向(L軸方向)に沿って間隔を置いて配置される第1-1内部電極パターン121aおよび第1-2内部電極パターン121bを含み、第1内部電極層121は、第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bとの間に幅方向(W軸方向)に沿って伸びる分割部を有することができる。第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bは、中間に配置された分割部により電気的に絶縁され得る。
【0066】
第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bとの間の分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さは、5μm以上であり得る。
【0067】
ここで、分割部の長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bが露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bを選び、選ばれた第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bとの間の長さ方向(L軸方向)最短長さを分割部の長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0068】
分割部の長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bで測定された分割部の長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bに対して測定された分割部の長さの算術平均値であり得る。
【0069】
分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さが5μm未満の場合、短絡(short)が発生することがある。分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さの上限は特にないが、分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さが大きくなるほど容量が小さくなるため、容量により適切に設定可能である。
【0070】
第1-1内部電極パターン121aは一端がキャパシタボディー110の第3面を通じて露出することができ、第1-2内部電極パターン121bは一端がキャパシタボディー110の第4面を通じて露出することができる。
【0071】
キャパシタボディー110の第3面を通じて露出する第1-1内部電極パターン121aの端部は第1外部電極131と接続されて電気的に連結され、キャパシタボディー110の第4面を通じて露出する第1-2内部電極パターン121bの端部は第2外部電極132と接続されて電気的に連結され得る。
【0072】
第2内部電極層122は、n個の第2内部電極パターン122aを含むことができる。ここで、nは、1以上の整数であり、例えば10以下の整数、1乃至5の整数、または1乃至3の整数であり得る。
図1乃至
図5ではnが1である場合について示す。
【0073】
一例として、第2内部電極層122は、1個の第2内部電極パターン122aを含むことができる。
【0074】
第2内部電極パターン122aは、2個以上の引出しパターン123を有し、端子電極133のうちの2個以上と連結され得る。
【0075】
例えば、第2内部電極パターン122aは、2個以上の引出しパターン123を有することができ、第2内部電極パターン122aの第1引出しパターン123aはキャパシタボディー110の第5面を通じて露出することができ、第2内部電極パターン122aの第2引出しパターン123bはキャパシタボディー110の第6面を通じて露出することができる。
【0076】
キャパシタボディー110の第5面を通じて露出する第2内部電極パターン122aの第1引出しパターン123aは、第5面に位置する端子電極133のうちのいずれか一つと接続されて電気的に連結され、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出する第2内部電極パターン122aの第2引出しパターン123bは、第6面に位置する端子電極133のうちのいずれか一つと接続されて電気的に連結され得る。
【0077】
引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)平均長さは、150μm乃至250μmであり得る。
【0078】
ここで、引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を引出しパターン123が露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の引出しパターン123を選び、選ばれた引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)最短長さを引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0079】
引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる引出しパターン123で測定された引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の引出しパターン123に対して測定された引出しパターン123の長さの算術平均値であり得る。
【0080】
引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)平均長さは、第1引出しパターン123aまたは第2引出しパターン123bの長さ方向(L軸方向)平均長さを測定することができる。
【0081】
第2内部電極パターン122aは、2個以上の第1内部電極パターン121a、121bと重なるように配置され得る。例えば、第2内部電極パターン122aは、第1-1内部電極パターン121aおよび第1-2内部電極パターン121bと厚さ方向(T軸方向)に重なる。
【0082】
そのために、1個の第2内部電極パターン122aが第1-1内部電極パターン121aおよび第1-2内部電極パターン121bと重なって2個のアクティブ領域を形成し、第2内部電極パターン122aが2個以上の端子電極133と連結されることによって、積層型キャパシタ100は1個の積層型キャパシタ100で2種類以上の容量実現が可能である。
【0083】
つまり、積層型キャパシタ100は、第1内部電極層121と第2内部電極層122が並列にのみ連結されたものではなく、並列および直列が混合された形態に連結されることによって多様な容量実現が可能である。また、このようなコンセプトで第1内部電極パターン121a、121b、第2内部電極パターン122a、および端子電極133の個数を増やせばより多い容量実現が可能である。
【0084】
また、積層型キャパシタ100は、第2内部電極パターン122aのようなフローティング内部電極を有しているため、積層型キャパシタ100の一部で反りなどのクラックが発生しても積層型キャパシタ100を構成する全ての端子で短絡(short)が発生しないことができる。
【0085】
ただし、積層型キャパシタ100の構造上、一つの第2内部電極パターン122aと連結された第1端子電極133aと第2端子電極133bが互いに連結される場合、いつも短絡(short)が発生するため、これらは互いに連結されない。
【0086】
また、第1内部電極パターン121a、121bは、長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに同じかまたは互いに異なっていてもよい。第1内部電極パターン121a、121bの長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに異なる場合、1個の積層型キャパシタ100で互いに同じでない2種類以上の容量実現が可能である。
【0087】
図6は他の実施形態による積層型キャパシタ100のI-I’線に沿って切断した断面図であり、
図7は
図6の第1内部電極層121を示す平面図であり、
図8は
図6の第2内部電極層122を示す平面図である。他の実施形態による積層型キャパシタ100の斜視図は
図1と同一である。
【0088】
図6乃至
図8を参照すれば、第1-1内部電極パターン121aと第1-2内部電極パターン121bは、長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに異なる。例えば、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1-2内部電極パターン121bは長さ方向(L軸方向)の平均長さより大きくてもよい。
【0089】
ここで、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を第1-1内部電極パターン121aが露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の第1-1内部電極パターン121aを選び、選ばれた第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の一側端から他側端をつなぐ最短線分の長さを第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0090】
第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる第1-1内部電極パターン121aで測定された第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の第1-1内部電極パターン121aに対して測定された第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。
【0091】
第1-2内部電極パターン121bの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さと同様な方法で求めることができる。
【0092】
第1内部電極層121および第2内部電極層122は、導電性金属を含み、例えばNi、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属やこれらの合金、例えばAg-Pd合金を含むことができる。
【0093】
また、第1内部電極層121および第2内部電極層122は、誘電体層111に含まれるセラミック材料と同一の組成系の誘電体粒子を含むこともできる。
【0094】
一例として、第1内部電極層121および第2内部電極層122の平均厚さは、0.1μm乃至2μmであり得る。
【0095】
第1外部電極131および第2外部電極132は、互いに異なる極性の電圧が提供され、第1内部電極121および第2内部電極層122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結され得る。
【0096】
第1外部電極131および第2外部電極132は、キャパシタボディー110の第3面および第4面にそれぞれ配置されて第1内部電極層121および第2内部電極層122と接続される第1接続部および第2接続部と、キャパシタボディー110の第1面および第2面と第3面および第4面がなす角部に配置される第1バンド部および第2バンド部をそれぞれ含むことができる。
【0097】
第1バンド部および第2バンド部は、第1接続部および第2接続部でキャパシタボディー110の第1面および第2面の一部までそれぞれ延長され得る。第1バンド部および第2バンド部は、第1接続部および第2接続部でキャパシタボディー110の第5面および第6面の一部までそれぞれさらに延長され得る。第1バンド部および第2バンド部は、第1外部電極131および第2外部電極132の固着強度を向上させるなどの役割になる。
【0098】
一例として、第1外部電極131および第2外部電極132は、キャパシタボディー110と接触する第1ベース電極および第2ベース電極、第1ベース電極および第2ベース電極をそれぞれ覆うように配置される第1中間電極および第2中間電極、および第1中間電極および第2中間電極をそれぞれ覆うように配置される第1表面電極および第2表面電極をそれぞれ含むことができる。
【0099】
第1ベース電極および第2ベース電極は、銅(Cu)を含むことができる。また、第1ベース電極および第2ベース電極は、銅(Cu)を主成分として含有し、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、鉛(Pb)、またはこれらの合金のうちの一つ以上の物質とガラスを含むことができる。
【0100】
一例として、第1ベース電極および第2ベース電極の形成方法は、導電性金属およびガラスを含む導電性ペーストにキャパシタボディー110をディッピングして形成したり、導電性ペーストをキャパシタボディー110の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷したり、導電性ペーストをキャパシタボディー110の表面に塗布したりまたは導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタボディー110上に転写して形成することができる。
【0101】
第1ベース電極および第2ベース電極を前述した導電性ペーストで形成することによって、十分な伝導性を維持しながらも、添加したガラスにより第1外部電極131および第2外部電極132の緻密度を高めることによってメッキ液および/または外部水分の浸透を効果的に抑制することができる。
【0102】
一例として、第1ベース電極および第2ベース電極に含まれるガラス成分は、酸化物が混合された組成であり得、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。遷移金属は、亜鉛(Zn)、チタニウム(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群より選ばれ、アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)からなる群より選ばれ、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。
【0103】
第1中間電極および第2中間電極は、第1ベース電極および第2ベース電極上に形成され、第1ベース電極および第2ベース電極を完全に覆う形態に形成され得る。
【0104】
第1中間電極および第2中間電極は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、またはこれらの混合物を含む導電性金属とベース樹脂を含むことができる。
【0105】
第1中間電極および第2中間電極に含まれるベース樹脂は、接合性および衝撃吸水性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えばエポキシ系樹脂を含むことができる。
【0106】
第1中間電極および第2中間電極に含まれる導電性金属は、第1ベース電極および第2ベース電極と電気的に連結され得る材質であれば特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、またはこれらの混合物を含むことができる。
【0107】
第1中間電極および第2中間電極はキャパシタボディー110の第1面および第2面に延長され、第1中間電極および第2中間電極がキャパシタボディー110の第1面および第2面に延長して配置された領域の長さは、第1ベース電極および第2ベース電極がキャパシタボディー110の第1面および第2面に延長して配置された領域の長さより長くてもよい。
【0108】
つまり、第1中間電極および第2中間電極は、それぞれ第1ベース電極および第2ベース電極上に形成され、第1ベース電極および第2ベース電極を完全に覆う形態に形成され得る。
【0109】
一例として、第1表面電極および第2表面電極は、ニッケル(Ni)を主成分として含有することができ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)または鉛(Pb)などの単独またはこれらの合金をさらに含むことができる。第1表面電極および第2表面電極は、積層型キャパシタ100の基板との実装性、構造的信頼性、外部に対する耐久度、耐熱性および等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance、ESR)を改善することができる。
【0110】
一例として、第1表面電極および第2表面電極は、メッキにより形成され得る。第1表面電極および第2表面電極は、スパッタまたは電解メッキ(Electric Deposition)により形成され得る。
【0111】
積層型キャパシタ100は、2n個以上の端子電極133を含むことができる。ここで、nは、1以上の整数であり、例えば10以下の整数、1乃至5の整数、または1乃至3の整数であり得る。
図1ではnが1である場合について示す。
【0112】
一例として、積層型キャパシタ100は、キャパシタボディー110の第5面外側に位置する第1端子電極133aとキャパシタボディー110の第6面外側に位置する第2端子電極133bを含むことができる。
【0113】
第1端子電極133aは、キャパシタボディー110の第5面を通じて露出する第2内部電極パターン122aの第1引出しパターン123aと接続されて電気的に連結され、第2端子電極133bは、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出する第2内部電極パターン122aの第2引出しパターン123bと接続されて電気的に連結され得る。
【0114】
端子電極133は、キャパシタボディー110の幅方向両側に配置されることを除き、第1外部電極131および第2外部電極132と同一である。そのために、端子電極133は、キャパシタボディー110の第5面および第6面にそれぞれ配置される第1接続部および第2接続部と、キャパシタボディー110の第1面および第2面と第5面および第6面がなす角部に配置される第1バンド部および第2バンド部をそれぞれ含むことができる。また、端子電極133は、キャパシタボディー110と接触する第1ベース電極および第2ベース電極、第1中間電極および第2中間電極、および第1ベース電極および第2ベース電極をそれぞれ覆うように配置される第1表面電極および第2表面電極をそれぞれ含むことができる。これに関する説明は第1外部電極131および第2外部電極132で説明したものと同一であるため反復的な説明は省略する。
【0115】
端子電極133は、引出しパターン123が露出しないように引出しパターン123を全て覆うことができ、例えば端子電極133の長さ方向(L軸方向)中央部は引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)中央部と重なるように配置され得る。
【0116】
端子電極133の長さ方向(L軸方向)平均長さは、引出しパターン123の長さ方向(L軸方向)の長さより大きくてもよく、例えば40μm以上、または70μmより大きくてもよい。一例として、端子電極133の長さ方向(L軸方向)平均長さは、190μm乃至500μmであり得る。
【0117】
ここで、端子電極133の長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面で端子電極133の長さ方向(L軸方向)の最短長さを端子電極133の長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0118】
端子電極133の長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1端子電極133aの長さ方向(L軸方向)の長さと第2端子電極133bの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。
【0119】
図9はまた他の実施形態による積層型キャパシタ100を示す斜視図であり、
図10は
図9のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタ100の断面図であり、
図11は
図9の第1内部電極層121を示す平面図であり、
図12は
図9の第2内部電極層122を示す平面図である。
【0120】
本実施形態による電子部品は、前記電子部品と類似しているため、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0121】
【0122】
そのために、積層型キャパシタ100は、3個の第1内部電極パターン121a、121b、121c、2個の第2内部電極パターン122a、122b、および4個以上の端子電極133を含む。
【0123】
一例として、第1内部電極層121は、長さ方向(L軸方向)に沿って間隔を置いて順次に配置される第1-1内部電極パターン121a、第1-3内部電極パターン121c、および第1-2内部電極パターン121bを含むことができる。
【0124】
第1内部電極層121は、第1-1内部電極パターン121aと第1-3内部電極パターン121cとの間に幅方向(W軸方向)に沿って伸びる分割部を有することができ、第1-3内部電極パターン121cと第1-2内部電極パターン121bとの間に幅方向(W軸方向)に沿って伸びる分割部を有することができる。
【0125】
第1-1内部電極パターン121aと第1-3内部電極パターン121cは、中間に配置された分割部により電気的に絶縁され得、第1-3内部電極パターン121cと第1-2内部電極パターン121bは、中間に配置された分割部により電気的に絶縁され得る。
【0126】
第1-1内部電極パターン121aは、一端がキャパシタボディー110の第3面を通じて露出することができ、第1-2内部電極パターン121bは、一端がキャパシタボディー110の第4面を通じて露出することができる。
【0127】
キャパシタボディー110の第3面を通じて露出する第1-1内部電極パターン121aの端部は、第1外部電極131と接続されて電気的に連結され得、キャパシタボディー110の第4面を通じて露出する第1-2内部電極パターン121bの端部は、第2外部電極132と接続されて電気的に連結され得る。
【0128】
反面、第1-3内部電極パターン121cは、キャパシタボディー110の内部にのみ位置し、第3面乃至第6面を通じて露出しない。したがって、第1-3内部電極パターン121cは、第1外部電極131および第2外部電極132と電気的に連結されず、端子電極133とも連結されない。
【0129】
第2内部電極層122は、長さ方向(L軸方向)に沿って間隔を置いて配置される第2-1内部電極パターン122aおよび第2-2内部電極パターン122bを含み、第2内部電極層122は、第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bとの間に幅方向(W軸方向)に沿って伸びる分割部を有することができる。第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bは、中間に配置された分割部により電気的に絶縁され得る。
【0130】
第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bとの間の分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さは、5μm以上であり得る。
【0131】
ここで、分割部の長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bが露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bを選び、選ばれた第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bとの間の長さ方向(L軸方向)最短長さを分割部の長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0132】
分割部の長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bで測定された分割部の長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の第2-1内部電極パターン122aと第2-2内部電極パターン122bに対して測定された分割部の長さの算術平均値であり得る。
【0133】
分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さが5μm未満の場合、短絡(short)が発生することがある。分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さの上限は特にないが、分割部の長さ方向(L軸方向)平均長さが大きくなるほど容量が小さくなるため、容量により適切に設定可能である。
【0134】
第2-1内部電極パターン122aは、2個以上の引出しパターン123を有し、端子電極133のうちの2個以上と連結され得、第2-2内部電極パターン122bも2個以上の引出しパターン123を有し、端子電極133のうちの2個以上と連結され得る。
【0135】
例えば、第2-1内部電極パターン122aは、2個の引出しパターン123を有し、第2-1内部電極パターン122aの第1引出しパターン123aは、キャパシタボディー110の第5面を通じて露出して第5面に位置する第1端子電極133aと接続されて電気的に連結され、第2-1内部電極パターン122aの第2引出しパターン123bは、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出して第6面に位置する第2端子電極133bと接続されて電気的に連結され得る。
【0136】
同様に、第2-2内部電極パターン122bは、2個の引出しパターン123を有し、第2-2内部電極パターン122bの第3引出しパターン123cは、キャパシタボディー110の第5面を通じて露出して第5面に位置する第3端子電極133cと接続されて電気的に連結され、第2-2内部電極パターン122bの第4引出しパターン123dは、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出して第6面に位置する第4端子電極133dと接続されて電気的に連結され得る。
【0137】
第2-1内部電極パターン122aは、第1-1内部電極パターン121aおよび第1-3内部電極パターン121cと厚さ方向(T軸方向)に重なり、第2-2内部電極パターン122bは、第1-3内部電極パターン121cおよび第1-2内部電極パターン121bと厚さ方向(T軸方向)に重なる。
【0138】
そのために、2個の第2内部電極パターン122a、122bが3個の第1内部電極パターン121a、121b、121cと重なって3個のアクティブ領域を形成し、2個の第2内部電極パターン122a、122bが4個の端子電極133と連結されることによって、積層型キャパシタ100は1個の積層型キャパシタ100で2種類乃至6種類の容量実現が可能である。
【0139】
また、第1内部電極パターン121a、121b、121cは、長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに同一かまたは互いに異なっていてもよく、第2内部電極パターン122a、122bも長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに同じかまたは互いに異なっていてもよい。第1内部電極パターン121a、121b、121cおよび第2内部電極パターン122a、122bの長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに異なる場合、1個の積層型キャパシタ100で互いに同じでない2種類以上の容量実現が可能である。
【0140】
図13は他の実施形態による積層型キャパシタ100のI-I’線に沿って切断した断面図であり、
図14は
図13の第1内部電極層121を示す平面図であり、
図15は
図13の第2内部電極層122を示す平面図である。他の実施形態による積層型キャパシタ100の斜視図は
図1と同一である。
【0141】
図13乃至
図15を参照すれば、第1-1内部電極パターン121a乃至第1-3内部電極パターン121cは、長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに異なる。例えば、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1-3内部電極パターン121cの長さ方向(L軸方向)の平均長さより大きくてもよく、第1-3内部電極パターン121cの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1-2内部電極パターン121bの長さ方向(L軸方向)の平均長さより大きくてもよい。
【0142】
ここで、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を第1-1内部電極パターン121aが露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の第1-1内部電極パターン121aを選び、選ばれた第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の一側端から他側端をつなぐ最短線分の長さを第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0143】
第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる第1-1内部電極パターン121aで測定された第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の第1-1内部電極パターン121aに対して測定された第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。
【0144】
第1-2内部電極パターン121bおよび第1-3内部電極パターン121cの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第1-1内部電極パターン121aの長さ方向(L軸方向)の平均長さと同様な方法で求めることができる。
【0145】
また、第2-1内部電極パターン122aおよび第2-2内部電極パターン122bは、長さ方向(L軸方向)の平均長さが互いに異なる。例えば、第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは第2-2内部電極パターン122bは長さ方向(L軸方向)の平均長さより大きくてもよい。
【0146】
ここで、第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の長さは、L-T面を第2-1内部電極パターン122aが露出する時までW軸方向に沿って研磨した後、露出させた切断面で任意の第2-1内部電極パターン122aを選び、選ばれた第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の一側端から他側端をつなぐ最短線分の長さを第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の長さとすることができる。
【0147】
第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、露出させた切断面で選ばれた任意の3個、5個、または10個の互いに異なる第2-1内部電極パターン122aで測定された第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。または、第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、任意の3個、5個、または10個の互いに異なる切断面で同一の第2-1内部電極パターン122aに対して測定された第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の長さの算術平均値であり得る。
【0148】
第2-2内部電極パターン122bの長さ方向(L軸方向)の平均長さは、第2-1内部電極パターン122aの長さ方向(L軸方向)の平均長さと同様な方法で求めることができる。
【0149】
一方、積層型キャパシタ100は、キャパシタボディー110の第5面外側に位置する第1端子電極133aおよび第3端子電極133cと、キャパシタボディー110の第6面外側に位置する第2端子電極133bおよび第4端子電極133dを含むことができる。
【0150】
第1端子電極133aと第3端子電極133cは、第5面上で長さ方向(L軸方向)に沿って間隔を置いて配置され、第2端子電極133bと第4端子電極133dは、第6面上で長さ方向(L軸方向)に沿って間隔を置いて配置され得る。
【0151】
第1端子電極133aは、キャパシタボディー110の第5面を通じて露出する第2-1内部電極パターン122aの第1引出しパターン123aと接続されて電気的に連結され、第2端子電極133bは、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出する第2-1内部電極パターン122aの第2引出しパターン123bと接続されて電気的に連結され得る。第3端子電極133cは、キャパシタボディー110の第5面を通じて露出する第2-2内部電極パターン122bの第3引出しパターン123cと接続されて電気的に連結され、第4端子電極133dは、キャパシタボディー110の第6面を通じて露出する第2-2内部電極パターン122bの第4引出しパターン123dと接続されて電気的に連結され得る。
【0152】
積層型キャパシタ100は、nが増加することによって、第1-3内部電極パターン121c、第2-2内部電極パターン122b、第3端子電極133cおよび第4端子電極133dを複数含むことができる。
【0153】
この場合、複数の第1-3内部電極パターン121cのそれぞれは、第1外部電極131および第2外部電極132と電気的に連結されず、端子電極133とも連結されず、複数の第2-2内部電極パターン122bのそれぞれは、第3端子電極133cおよび第4端子電極133dと接続されて電気的に連結され、複数の第2-2内部電極パターン122bのそれぞれは、2個の第1-3内部電極パターン121cと厚さ方向(T軸方向)に重なることができる。
【0154】
以上を通じて本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0155】
100:積層型キャパシタ
110:キャパシタボディー
111:誘電体層
112、113:カバー領域
121:第1内部電極層
121a:第1-1内部電極パターン
121b:第1-2内部電極パターン
121c:第1-3内部電極パターン
122:第2内部電極層
122a:第2-1内部電極パターン
122b:第2-2内部電極パターン
123:引出しパターン
123a:第1引出しパターン
123b:第2引出しパターン
123c:第3引出しパターン
123d:第4引出しパターン
131:第1外部電極
132:第2外部電極
133:端子電極
133a:第1端子電極
133b:第2端子電極
133c:第3端子電極
133d:第4端子電極