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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052527
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】錠剤印刷装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/07 20060101AFI20240404BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61J3/07 Q
B41J2/165 301
B41J2/165 207
B41J2/165 203
B41J2/165 211
B41J2/165 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119627
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2022158081
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡部 由孝
(72)【発明者】
【氏名】平野 梓
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】生田 亮
【テーマコード(参考)】
2C056
4C047
【Fターム(参考)】
2C056EC23
2C056EC24
2C056EC54
2C056EC56
2C056JB04
2C056JB15
2C056JC21
2C056JC23
4C047CC15
4C047JJ01
4C047JJ12
4C047JJ32
4C047LL10
(57)【要約】
【課題】印刷品質の低下を防止することができる錠剤印刷装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る錠剤印刷装置1は、錠剤Tを搬送する搬送装置20と、搬送装置によって搬送される錠剤Tに対して印刷を行う、インクジェット方式の印刷ヘッド51と、印刷ヘッド51のメンテナンスを行うメンテナンス装置80と、印刷ヘッド51と、メンテナンス装置80を制御する制御装置90と、を備え、制御装置90は、搬送される錠剤Tの種類またはインクの種類のいずれか一方または両方に応じて、メンテナンスの動作を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送される前記錠剤に対してインクを吐出して印刷を行う、インクジェット方式の印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、
前記印刷ヘッドと、前記メンテナンス装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、搬送される前記錠剤の種類または前記インクの種類のいずれか一方または両方に応じて、前記メンテナンスの動作を変更する錠剤印刷装置。
【請求項2】
前記メンテナンス装置は、前記印刷ヘッドのノズル面をワイピングするワイパと、
前記印刷ヘッドから吐出されるインクを受ける液受け部と、
を有し、
前記制御装置は、搬送される前記錠剤が素錠である場合に、前記メンテナンス装置を制御して前記ワイピングを行った後に、前記印刷ヘッドからパージを行うように制御する請求項1に記載の錠剤印刷装置。
【請求項3】
前記制御装置は、搬送される前記錠剤が、コーティング錠である場合に、パージを行う前には、前記ワイピングを行わないように前記メンテナンス装置を制御する請求項2に記載の錠剤印刷装置。
【請求項4】
前記ワイパは、
ワイプ液が供給されたウェットワイパである第1のワイパと、
乾燥したドライワイパである第2のワイパと、
を有する請求項2または請求項3に記載の錠剤印刷装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1のワイパに供給された前記ワイプ液の量に応じて、前記印刷ヘッドによるダミー吐出の吐出回数または吐出量のいずれか一方又は両方を変更するように制御する請求項4に記載の錠剤印刷装置。
【請求項6】
前記メンテナンス装置は、さらに前記ノズル面を吸引する吸引部をさらに備え、
前記ワイピングにおいて、前記印刷ヘッドは、前記吸引部による吸引、前記第1のワイパによるワイピング、前記第2のワイパによるワイピングの順で処理を受ける請求項4に記載の錠剤印刷装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第1のワイパおよび前記第2のワイパによるワイピング回数が所定回数を超えると、前記第1のワイパおよび前記第2のワイパの少なくともいずれかが前記ワイピングする速度を低下させることを特徴とする請求項4記載の錠剤印刷装置。
【請求項8】
前記第2のワイパを乾燥する乾燥ユニットをさらに有し、
前記制御装置は、前記第2のワイパによるワイピング回数が所定回数を超えると、前記乾燥ユニットにより前記第2のワイパを乾燥することを特徴とする請求項4記載の錠剤印刷装置。
【請求項9】
前記第1のワイパに前記ワイプ液を供給するワイプ液供給部をさらに有し、
前記制御装置は、所定時間が経過するごとに、前記ワイプ液供給部から前記第1のワイパに前記ワイプ液を供給することを特徴とする請求項4記載の錠剤印刷装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記ワイプ液供給部から前記第1のワイパに供給される前記ワイプ液の量または前記ワイプ液の供給頻度を、前記インクの種類に応じて変更することを特徴とする請求項9に記載の錠剤印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、錠剤印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤に文字や記号などの識別情報を印刷するため、インクジェット方式の印刷ヘッドを用いて印刷を行う技術が知られている。この技術を用いる錠剤印刷装置は、コンベアにより複数の錠剤を一列で搬送し、コンベア上方に配置されたインクジェット方式の印刷ヘッドのノズルから、その印刷ヘッド下方を通過する錠剤に向けてインク(例えば可食性インク)を吐出し、コンベア上の錠剤に識別情報を印刷する。
【0003】
インクジェット方式の印刷ヘッドでは、その吐出性能の維持のため、定期的に印刷ヘッドのメンテナンスが行われる。また、吐出不良が発生した際にも、吐出性能を回復させるために、印刷ヘッドのメンテナンスが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-58220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
素錠や、OD(Orally Disintegrating)錠など、表面にコーティングが施されていない錠剤(以下、単に素錠という。)は、その表面に付着していた粉が落ちたり、搬送の過程で表面が削れたりして、粉が発生する。発生した粉は、印刷ヘッドのノズル面に付着することがある。ノズル面に付着した粉により、ノズルが塞がれると、吐出不良の原因となる。吐出不良の発生は、印刷品質の低下につながる。
【0006】
そのため、錠剤の種類によって、効率的な印刷ヘッドのメンテナンスを行うことが求められる。
【0007】
本発明は、印刷品質の低下を防止することができる錠剤印刷装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る錠剤印刷装置は、錠剤を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記錠剤に対してインクを吐出して印刷を行う、インクジェット方式の印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記印刷ヘッドと、前記メンテナンス装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、搬送される前記錠剤の種類または前記インクの種類のいずれか一方または両方に応じて、前記メンテナンスの動作を変更する
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置の概略構成を示す正面図である。
図2】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置の概略構成を示す平面図である。
図3】第1の実施形態に係るメンテナンス装置の概略構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る制御装置の概略構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るメンテナンス工程を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係るメンテナンス装置の動作状態図である。
図7】第2の実施形態に係るメンテナンス工程の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1~6を参照して説明する。
【0011】
(錠剤印刷装置の構成例)
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る錠剤印刷装置1は、供給装置10と、搬送装置20と、検出装置30と、第1の撮像装置40と、印刷装置50と、第2の撮像装置60と、回収装置70と、メンテナンス装置80(図2参照)と、制御装置90とを備える。
【0012】
供給装置10は、ホッパ11及びシュータ12を有している。この供給装置10は、搬送装置20の一端側に位置付けられ、印刷対象物である錠剤Tを搬送装置20に供給することが可能に構成されている。ホッパ11は、多数の錠剤Tを収容し、収容した錠剤Tをシュータ12に順次供給する。シュータ12は、ホッパ11から供給された錠剤Tを一列に整列させて搬送装置20に供給する。供給装置10は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。
【0013】
搬送装置20は、搬送ベルト21、駆動プーリ22、複数の従動プーリ23、モータ24、位置検出器25及び吸引チャンバ26を有する。搬送ベルト21は、無端状のベルトであり、駆動プーリ22及び各従動プーリ23に架け渡されている。駆動プーリ22及び各従動プーリ23は装置本体(図示せず)に回転可能に設けられており、駆動プーリ22はモータ24に連結されている。モータ24は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。位置検出器25は、エンコーダなどの機器であり、モータ24に取り付けられている。この位置検出器25は電気的に制御装置90に接続されており、検出信号を制御装置90に送信する。搬送装置20は、モータ24による駆動プーリ22の回転によって各従動プーリ23と共に搬送ベルト21を回転させ、搬送ベルト21上の錠剤Tを図1中の矢印H1の回転方向、すなわち搬送方向H1に搬送する。
【0014】
搬送ベルト21には、円形状の吸引孔21a(図2参照)が複数形成されている。これらの吸引孔21aは、それぞれ錠剤Tを吸着する貫通孔であり、二本の搬送路を形成するように搬送方向H1に沿って平行に二列に並べられている。各吸引孔21aは、吸引チャンバ26(図1参照)に形成された吸引路(図示せず)を介して吸引チャンバ26内に接続されており、吸引チャンバ26により吸引力を得ることが可能になっている。吸引チャンバ26には、ポンプが吸引管(いずれも図示せず)を介して接続されており、ポンプの作動により吸引チャンバ26内が減圧される。吸引管は、吸引チャンバ26の側面(搬送方向H1と平行な面)の略中央に接続されている。また、ポンプは制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。吸引チャンバ26内が減圧されると、搬送ベルト21の各吸引孔21a上に置かれた錠剤Tは吸引孔21aにより吸引され、搬送ベルト21上に保持される。
【0015】
検出装置30は、複数の検出部31(本実施形態では、二つ)を備える。検出部31は、供給装置10が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。この検出部31は、レーザ光の投受光によって搬送ベルト21上の錠剤TのX方向(図2参照)の位置を検出する。検出部31としては、例えば、変位センサや近接センサなどが用いられる。また、変位センサとしては、例えば、反射型レーザセンサなどの各種のレーザセンサが用いられる。検出装置30は、制御装置90に電気的に接続されており、制御装置90に検出信号を送信する。
【0016】
第1の撮像装置40は、複数の第1の撮像部41(本実施形態では、二つ)を備える。第1の撮像部41は、検出装置30が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。この第1の撮像部41は、検出装置30により検出された錠剤TのX方向の位置情報に基づき、錠剤Tが第1の撮像部41の直下の撮像位置に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む第1の画像(錠剤位置検出用の画像)を取得し、取得した第1の画像を制御装置90に送信する。第1の画像は、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置を検出するために用いられる。第1の撮像部41としては、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第1の撮像装置40は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられる。
【0017】
ここで、錠剤TのX方向及びY方向の位置は、例えば、第1の撮像部41の撮像領域の中心(基準位置)に対するXY座標系の位置である。また、θ方向の位置は、例えば、第1の撮像部41の撮像領域のY方向の中心線に対する錠剤Tの回転度合いを示す位置である。このθ方向の位置は、錠剤Tに割線が設けられている場合や錠剤Tが楕円形や長円形、四角形などに成型されている場合など、錠剤Tが方向性を有する形体である場合に検出される。
【0018】
印刷装置50は、印刷ヘッド51と、昇降機構52とを有する。印刷ヘッド51は、第1の撮像装置40が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。印刷ヘッド51は、複数(例えば数百個から数千個)のノズル51a(図2参照)を有し、ノズル51aが一列に並ぶ方向(ノズル列)が水平面内で搬送方向H1と直交(交差の一例)するように設けられている。なお、図2においては、図の簡略化のため、ノズル51aは4個として示している。印刷ヘッド51は、ノズル51aごとの駆動素子の動作によって各ノズル51aから個別にインクを吐出する。この印刷ヘッド51としては、圧電素子、発熱素子又は磁歪素子などの駆動素子を有する各種のインクジェット方式の印刷ヘッドが用いられる。印刷ヘッド51は、昇降機構52(図1参照)により、搬送ベルト21に対して接近または離間するように、昇降動できるようになっている。印刷ヘッド51の昇降動は、印刷ヘッド51のメンテナンス時に行われる。印刷ヘッド51のメンテナンスについては、後述する。印刷装置50は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。
【0019】
第2の撮像装置60は、複数の第2の撮像部61(本実施形態では、二つ)を備える。第2の撮像部61は、印刷装置50が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。第1の撮像部41、検出部31により検出された錠剤TのX方向の位置情報に基づき、錠剤Tが第2の撮像部61の直下の撮像位置に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む第2の画像を取得し、取得した第2の画像を制御装置90に送信する。第2の画像は、錠剤Tに印刷された印刷パターンを検査するために用いられる。第2の撮像部61としては、前述の第1の撮像部41と同様、例えば、CCDやCMOSなどの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第2の撮像装置60は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられる。
【0020】
回収装置70は、第2の撮像装置60が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送装置20における搬送方向H1の下流側の端部に設けられている。搬送装置20は、搬送ベルト21上の錠剤Tが所定の位置、例えば、搬送装置20における搬送方向H1の下流側の端部に到達した場合に錠剤Tの保持を解除する。回収装置70は、搬送装置20による保持が解除されて落下する錠剤Tを不良品と良品とに分けて回収するように構成されている。例えば、落下途中の錠剤Tに気体を吹き付け、錠剤Tの落下方向を不良品と良品で変えることで、あるいは、板等の部材により落下経路を変えることで、落下する錠剤Tを不良品と良品とに分けて回収することが可能である。例えば、不良品は印刷不合格錠であり、良品は印刷合格錠である。回収装置70は制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。
【0021】
メンテナンス装置80は、図2及び図3に示すように、液受け部81と、吸引部82と、ワイパ83と、移動機構84とを備える。メンテナンス装置80は、印刷ヘッド51と、平面視で印刷ヘッド51のノズル51aが並ぶ方向(図2におけるY方向)に並ぶように設けられる。なお、図2では、図の簡略化のため、移動機構84は省略されている。メンテナンス装置80の詳細は、後述する。
【0022】
メンテナンス装置80は、印刷ヘッド51のメンテナンス時に、搬送ベルト21と印刷ヘッド51の間に移動し、印刷ヘッド51の下面(ノズル面)を清掃する。メンテナンス装置は、制御装置90に電気的に接続されており、その駆動が制御装置90により制御される。
【0023】
制御装置90は、各種情報及び各種プログラムに基づいて錠剤印刷装置1の各部、例えば、供給装置10や搬送装置20、検出装置30、第1の撮像装置40、印刷装置50、第2の撮像装置60、回収装置70、メンテナンス装置80などを制御する。また、制御装置90は、位置検出器25や検出装置30から送信される検出情報(例えば検出信号)などを受信し、また、第1の撮像部41や第2の撮像部61から送信される画像情報などを受信する。制御装置90は、例えば、集積回路などの電子回路又はコンピュータなどにより実現される。
【0024】
次に、制御装置90の構成例について、図4を参照して説明する。
【0025】
図4に示すように、制御装置90は、画像処理部91と、記憶部92と、制御部93とを有する。この制御装置90には、入力装置90aや出力装置90bが接続されている。入力装置90aは、例えば、スイッチやタッチパネル、キーボード、マウスなどにより実現される。また、出力装置90bは、例えば、ディスプレイやランプ、メータなどにより実現される。
【0026】
画像処理部91は、第1の撮像装置40により撮像された第1の画像及び第2の撮像装置60によって撮像された第2の画像を取り込み、公知の画像処理技術を用いて画像を処理する。例えば、画像処理部91は、第1の撮像装置40から得られた第1の画像を処理し、錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無を取得し、さらに、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置を取得する。また、画像処理部91は、第2の撮像装置60から得られた第2の画像を処理し、錠剤Tに印刷された印刷パターン(例えば、文字やマーク)の印刷位置や形状、サイズを取得する。画像処理部91は、取得した錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無情報、取得した各錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報、さらに、各錠剤T上の印刷パターンの印刷位置情報、形状情報及びサイズ情報を制御部93に送信する。
【0027】
記憶部92は、処理情報や各種プログラムなどを記憶する。例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部92には、印刷対象の錠剤の種類データ、印刷に使用するインクのデータ、印刷に関する印刷データ、搬送ベルト21の移動速度データなどが記憶される。印刷データは、文字やマークなどの印刷パターンの情報を含む。
【0028】
制御部93は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコンピュータであり、各部を制御する。例えば、制御部93は、記憶部92に記憶された各種情報や各種プログラムに基づいて、供給装置10や搬送装置20、検出装置30、第1の撮像装置40、印刷装置50、第2の撮像装置60、回収装置70、メンテナンス装置80、画像処理部91、記憶部92などを制御する。また、制御部93は、検出装置30や位置検出器25から送信される検出信号などを受信する。なお、制御部93は、例えば、ハードウェア及びソフトウェアの一方又は両方により実現される。
【0029】
例えば、制御部93は、検出装置30から送信された検出情報、すなわち搬送ベルト21上の錠剤Tが検出されたタイミングに基づき、搬送ベルト21において錠剤TのX方向の位置を取得し、この錠剤TのX方向の位置を示す位置情報に基づき、第1の撮像装置40の撮像タイミング、印刷装置50の印刷ヘッド51の印刷開始タイミング、第2の撮像装置60の撮像タイミングを設定し、それらのタイミングを示すタイミング情報を生成して記憶部92に保存する。印刷開始タイミングとは、印刷ヘッド51の直下の印刷位置に到達した錠剤Tに対して印刷を開始するタイミングである。なお、制御部93は、位置検出器25から送信された検出情報に基づき、搬送ベルト21の移動量(回転量)や速度などの情報を取得することが可能である。
【0030】
また、制御部93は、画像処理部91から送信された錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無情報に基づいて、その有無情報が得られた錠剤Tに対する印刷可否を設定する。そして、制御部93は、印刷可に設定された錠剤Tに対して印刷条件を設定する。このとき、制御部93は、画像処理部91から送信された錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報に基づいて、その位置情報が得られた錠剤Tに対して印刷条件を設定する。例えば、制御部93は、錠剤TのY方向の位置情報や印刷データに基づいて、印刷ヘッド51において対象の錠剤Tの印刷に使用するノズル51aの範囲、すなわち使用ノズル範囲を決定し、その使用ノズル範囲や印刷開始タイミングなどを含む印刷条件を設定する。なお、錠剤Tが方向性を有する形状である場合、制御部93は、錠剤Tのθ方向の位置情報に基づいて、錠剤Tのθ方向の位置に対応させて印刷条件を設定する。一例として、制御部93は、印刷パターンの向きを0度から179度の範囲で1度ずつ回転させた180通りの印刷パターンを記憶部92に登録しておき、それらの印刷パターンの中から、錠剤Tのθ方向の位置に適合する角度の印刷パターンを選択して印刷条件を設定する。
【0031】
また、制御部93は、画像処理部91から送信された、錠剤Tに印刷された印刷パターンの印刷位置情報、形状情報及びサイズ情報に基づいて、印刷パターンが所定形状及び所定サイズで錠剤Tの所定位置に印刷されたか否か、すなわち印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かを判断する(印刷状態検査)。例えば、制御部93は、印刷パターンの形状及びサイズ判断において、検査用の印刷パターンを記憶部92に登録しておき、その検査用の印刷パターンと実際の印刷後の錠剤T上の印刷パターン(錠剤Tに印刷された印刷パターン)とを比較する。
【0032】
なお、制御部93は、適宜各種情報(例えば、錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無情報や位置情報、タイミング情報、印刷条件、印刷良否情報など)を記憶部92に保存するが、対象の錠剤Tが回収装置70により回収されると、例えば、搬送装置20における搬送方向H1の下流側の端部から落下して所定時間(例えば数秒)が経過した時点で、記憶部92から各種情報を削除する。ただし、それらの情報が後工程などで必要となる場合には、錠剤Tごとの各種情報を消去せずに残しておいたり、装置外の保存用メディアに保存しておいたりすることも可能である。錠剤Tごとの各種情報を保存しておく場合には、この情報と製造日時やロット番号などと紐づけて保存しておき、印刷後の錠剤Tについて出荷後に不良品が発生した場合などに遡って原因追及ができるようにしてもよい。
【0033】
(メンテナンス装置の構成例)
次に、メンテナンス装置80の構成について、図3を参照して説明する。図3は、印刷ヘッド51及びメンテナンス装置80を、搬送方向H1における上流側から見たときの図である。メンテナンス装置80は、前述したとおり、液受け部81と、吸引部82と、ワイパ83と、移動機構84とを備える。これらは、メンテナンスをしていないときにおいて、印刷ヘッド51側から、ワイパ83、吸引部82、液受け部81の順で並ぶように位置づけられ、移動機構84により一体となって移動可能に設けられている。
【0034】
液受け部81は、例えば、上部が開口する箱形状に形成されている。この液受け部81は、印刷ヘッド51のメンテナンス時に、対向する印刷ヘッド51の各ノズル51aから吐出されたインクを受ける。液受け部81における、搬送方向H1と直交する方向の長さは、少なくともノズル51aが並ぶノズル列よりも長くなるように設けられる。第1の実施形態においては、液受け部81における、搬送方向H1と直交する方向の長さは、二個並んだ印刷ヘッド51よりも長い(印刷ヘッド二個分よりも長い)。
【0035】
吸引部82は、搬送方向H1に延びるスリット状の吸引口を上部に有する、バキュームワイパである。スリット状の吸引口の長さは、搬送方向H1における印刷ヘッド51の長さと略同じである。吸引部82は、不図示の吸引ポンプに接続されている。吸引ポンプを作動させながら、吸引部82が、印刷ヘッド51のノズル面に近接した状態で、ノズル面を走査するように移動することで、ノズル面に付着したインクを吸引して、除去する。
【0036】
ワイパ83は、印刷ヘッド51のノズル面に当接した状態で摺動することで、ノズル面に付着した粉やインクを払拭して、除去する。ワイパ83は、第1のワイパ83aと、第2のワイパ83bを有する。
【0037】
第1のワイパ83aは、例えば不織布等の吸液性のある繊維材料を上部に有する。第1のワイパ83aには、ワイプ液(例えば、エタノールを含む水溶液)が浸み込んでいる。つまり、第1のワイパ83aは、ウェットワイパである。なお、第1のワイパ83aへのワイプ液の供給は、オペレータが行ってもよく、自動的に供給されるようにしてもよい。ワイプ液が供給されることで、第1のワイパ83aは、ワイプ液が浸み込んだ状態にされる。
【0038】
第2のワイパ83bは、第1のワイパ83aと同様に、例えば不織布等の吸液性のある繊維材料を上部に有する。第2のワイパ83bは、乾燥した(ワイプ液が供給されない)ドライワイパである。
【0039】
移動機構84は、ボールねじ84a、スライダー84b、モータ84cを有する。液受け部81と、吸引部82、ワイパ83とは、スライダー84bに固定され、ボールねじ84bがモータ84cによって回転駆動されることにより、メンテナンス位置と、待機位置とに移動することが可能とされる。ここで、メンテナンス位置とは、印刷ヘッド51のメンテナンス時におけるメンテナンス装置80の位置であって、搬送ベルト21と印刷ヘッド51の間の位置である。また、待機位置とは、メンテナンスをしていない時におけるメンテナンス装置80の位置であって、搬送ベルト21の上方からずれた位置(図1における紙面奥側の位置)である。
【0040】
(印刷工程)
次に、前述の錠剤印刷装置1が行う印刷工程について図1及び図2を参照して説明する。この印刷工程は、検査工程も含む。なお、印刷に要するデータなどの各種情報は、記憶部92に予め記憶されている。
【0041】
錠剤印刷装置1が印刷処理を開始すると、モータ24は駆動し、搬送ベルト21はモータ24による駆動プーリ22及び従動プーリ23の回転に伴って搬送方向H1に回転する。搬送ベルト21が搬送方向H1に回転している状態で、錠剤Tがホッパ11からシュータ12に順次供給され、シュータ12により一列に並べられて搬送ベルト21上に一定間隔ではなくランダムに供給される。搬送ベルト21上に供給された錠剤Tは、搬送ベルト21上で二列に並んで所定の移動速度で搬送されていく。
【0042】
搬送ベルト21上の錠剤Tは、検出装置30によって検出される。詳しくは、搬送ベルト21上の錠剤Tが、検出装置30の検出部31の直下の検出位置(例えばレーザ光の照射位置)に到達するタイミングで検出部31により検出され、その錠剤Tが検出されたタイミングに基づき、搬送ベルト21において錠剤TのX方向の位置が制御部93によって認識される。そして、その錠剤TのX方向の位置を示す位置情報が制御部93により生成され、記憶部92に保存される。
【0043】
次に、搬送ベルト21上の錠剤Tが第1の撮像装置40によって撮像される。詳しくは、搬送ベルト21上の錠剤Tが、第1の撮像装置40の直下の撮像位置に到達したタイミングで第1の撮像装置40によって撮像され、その第1の撮像装置40による撮像により得られた第1の画像が制御装置90に送信される。この第1の画像に基づいて、錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無情報、また、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報が画像処理部91により生成され、記憶部92に保存される。錠剤Tの割れや欠け、汚れの有無情報に基づき、対象の錠剤Tへの印刷可否が設定され、また、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報や印刷パターンなどの情報に基づき、印刷可に設定された錠剤T(印刷可の錠剤T)に対する使用ノズル範囲や印刷開始タイミングなどを含む印刷条件が記憶部92に設定される。なお、前述の印刷開始タイミング(錠剤Tに対して印刷を開始するタイミング)に基づいて、錠剤Tに対する吐出タイミング(錠剤Tに対してインクを吐出するタイミング)が決定される。
【0044】
この印刷条件に基づいて印刷が印刷装置50により実行される。つまり、印刷装置50の印刷ヘッド51が、搬送ベルト21上の印刷可の錠剤Tに所定の印刷パターンを印刷するように制御部93により制御される。詳しくは、第1の撮像装置40の下方を通過した搬送ベルト21上の印刷可の錠剤Tは、印刷ヘッド51の直下の印刷位置に到達した印刷開始タイミングで、前述の印刷条件に基づいて印刷ヘッド51によって印刷される。印刷ヘッド51では、各ノズル51aからインクが適宜吐出され、錠剤Tの上面である被印刷面に印刷パターン(例えば、番号、アルファベット、片仮名、記号、図形)が印刷される。この錠剤Tに塗布されたインクは搬送中に乾燥する。なお、気体あるいは熱による乾燥を行う乾燥部(図示せず)を設け、その乾燥部によりインクを乾燥させるようにしても良い。
【0045】
その後、搬送ベルト21上の印刷済の錠剤Tが第2の撮像装置60によって撮像される。詳しくは、搬送ベルト21上の印刷済の錠剤Tは、第2の撮像装置60の直下の撮像位置に到達したタイミングで第2の撮像装置60によって撮像され、その第2の撮像装置60による撮像により得られた第2の画像が制御装置90に送信される。
【0046】
この第2の画像は、制御装置90の画像処理部91によって解析される。詳しくは、錠剤Tに印刷された印刷済の印刷パターンに関する情報、すなわち印刷済の印刷パターンの印刷位置や形状、サイズが画像処理部91により取得される。第2の撮像装置60から送信された第2の画像が画像処理部91により解析され、錠剤Tにおいて印刷済の印刷パターンの印刷位置や形状、サイズを示す検査情報が生成され、記憶部92に保存される。
【0047】
この検査情報に基づいて印刷状態検査が制御部93により実行される。詳しくは、記憶部92に保存された前述の印刷位置や形状、サイズに係る検査情報に基づき、印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かが制御部93により判断され、錠剤Tの印刷良否を示す印刷良否情報が生成されて記憶部92に保存される。例えば、印刷状態検査では、印刷に使用した印刷パターンが検査用の印刷パターンとして記憶部92に保存され、検査用の印刷パターンの所定の印刷位置や形状、サイズに関する良品情報と、記憶部92に保存された実際の印刷済の印刷パターンの印刷位置や形状、サイズに関する検査情報とが比較され、印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否か(合格又は不合格)が判断される。
【0048】
最後、搬送ベルト21上の錠剤Tが回収装置70により回収される。詳しくは、検査後の錠剤Tが搬送ベルト21の移動に伴って搬送ベルト21の下流側の端部に位置すると、搬送ベルト21に保持された状態から解放され、搬送ベルト21から落下して回収装置70により回収される。このとき、合格錠剤の錠剤Tは、そのまま落下して回収装置70により良品として回収されるが、不合格錠剤や非印刷錠の錠剤Tは、搬送ベルト21から落下する途中でエアの吹き付けにより良品と分けて回収装置70により不良品として回収される。
【0049】
(メンテナンス工程)
このような印刷工程を行う印刷運転において、印刷ヘッド51のメンテナンスが、定期的(例えば、10~20分毎)に行われる。メンテナンスの方法としては、例えば、パージや、ワイピング、ダミー吐出がある。パージとは、印刷ヘッド51に液受け部81を対向させた状態で、インクを圧送することで、印刷ヘッド51から液受け部81に向けて、インクを吐出させる動作である。パージ動作を行うことで、ノズル内の気泡や、乾燥して固体化したインクを取り除くことができ、吐出不良を防止することができる。ワイピングとは、印刷ヘッド51のノズル面に対し、吸引部82による吸引や、ワイパ83による払拭をする動作である。ワイピングを行うことで、ノズル面に付着した粉やインクを取り除くことができ、吐出不良を防止することができる。ダミー吐出とは、印刷ヘッド51に液受け部81を対向させた状態で、インクジェットの駆動素子を駆動させ、少量のインクを吐出させる動作(予備吐出動作)である。
【0050】
ところで、前述したように、素錠への印刷においては、粉が発生し、発生した粉がノズル面に付着することがある。通常、インクジェット方式の印刷ヘッドのノズル内では、印刷ヘッドに接続されたインクの容器との水頭差などにより、ノズルに充填されたインクが、吐出口でメニスカスにより凹面を形成するように調整されている。そのため、パージを行うと、ノズルから押し出されたインクの一部は、メニスカスを再び形成するために、ノズルの吐出口及び吐出口の周囲に付着した粉を伴って、ノズルの中に引き込まれることになる。これにより、ノズルが詰まり、吐出不良を引き起こすことがあった。
【0051】
そこで、印刷対象の錠剤Tが素錠である場合には、印刷ヘッド51のメンテナンスにおいて、パージを行う前(吐出動作を行う前)にワイピングを行うことで、ノズル面に付着した粉を除去する。一方、印刷対象の錠剤Tが、粉の発生が無い(または、少ない)コーティング錠(糖衣錠や、フィルムコーティング錠等)である場合には、パージを行う前に、ワイピングを行わなくてもよい。このような、メンテナンス工程の詳細について、説明する。
【0052】
印刷ヘッド51のメンテナンス工程を図5に示す。図5に示す処理は、制御装置90による制御を受けて各部が実行する処理である。なお、印刷対象の錠剤Tの種類は、印刷運転を開始する際に、予めオペレータにより入力装置90aを介して、入力され、記憶部92に保存されている。メンテナンス工程を実施している間は、供給装置10による錠剤Tの供給が一時的に停止される。
【0053】
まず、印刷対象の錠剤Tがコーティング錠である場合を説明する。印刷ヘッド51のメンテナンスのタイミングになると、昇降機構52を制御し、印刷ヘッド51を上昇させる(ステップS101)。これにより、搬送ベルト21と、印刷ヘッド51との離間距離が大きくなる。このとき、印刷ヘッド51は、後述するような吸引部82及びワイパ83の移動を行っても、印刷ヘッド51の下面と、吸引部82及びワイパ83とが接触しない高さ位置まで上昇する。
【0054】
次に、移動機構84を制御し、液受け部81が印刷ヘッド51のノズル面と対向するように位置付ける。さらに、昇降機構52を制御し、図6に示すように、ワイピングしたときに、印刷ヘッド51のノズル面に、吸引部82には当接せず、ワイパ83には当接する高さまで印刷ヘッド51を下降させる(ステップS102)。
【0055】
予めオペレータにより入力装置90aを介して入力され、記憶部92に保存された印刷対象の錠剤Tの種類の情報を基に、制御装置90が、錠剤Tがコーティング錠であると判断すると(ステップS103:No)、印刷ヘッド51内のインクを圧送し、パージ動作を行う(ステップS104)。
【0056】
次に、移動機構84を制御し、吸引部82及びワイパ83を、図6における左に向かって移動させる。これにより、印刷ヘッド51は、吸引部82によるバキュームワイピング(ステップS105)、第1のワイパ83aによるウェットワイピング(ステップS106)、第2のワイパ83bによるドライワイピング(ステップS107)を順次受ける。
【0057】
ワイピングが終わると、昇降機構52を制御し、印刷ヘッド51を上昇させる(ステップS108)。印刷ヘッド51が上昇すると、移動機構84を制御し、液受け部81が印刷ヘッド51のノズル面と対向するように位置付ける(ステップS109)。液受け部81と印刷ヘッド51のノズル面とが対向した状態で、印刷ヘッド51のインクジェットの駆動素子を駆動させることで、ダミー吐出を行う(ステップS110)。
【0058】
ダミー吐出が終了すると、移動機構84を制御し、メンテナンス装置80(吸引部82及びワイパ83)を待機位置に移動させ(ステップS111)、昇降機構52を制御し、印刷運転を行う高さ位置まで印刷ヘッド51を下降させる(ステップS112)。印刷ヘッド51が下降すると、メンテナンス工程が終了する。メンテナンス工程が終了すると、供給装置10による錠剤Tの供給を再開し、印刷運転が行われる。
【0059】
続いて、印刷対象の錠剤Tが、素錠である場合を説明する。印刷ヘッド51のメンテナンスのタイミングになると、前述のコーティング錠の場合と同様に、印刷ヘッド51が上昇し(ステップS101)、液受け部81が印刷ヘッド51のノズル面と対向する位置に位置付けられたら、印刷ヘッド51が下降する(ステップS102)。その後、ステップS103において、予めオペレータにより入力装置90aを介して入力され、記憶部92に保存された印刷対象の錠剤Tの種類の情報を基に、制御装置90が、錠剤Tが素錠であると判断すると(ステップS103:Yes)、ステップS113に進み、ワイピングを行う。
【0060】
すなわち、移動機構84を制御し、吸引部82及びワイパ83を、図6における左に向かって移動させる。これにより、印刷ヘッド51は、吸引部82によるバキュームワイピング(ステップS113)、第1のワイパ83aによるウェットワイピング(ステップS114)、第2のワイパ83bによるドライワイピング(ステップS115)を順次受ける。このワイピングにより、印刷ヘッド51のノズル面に付着した粉を取り除くことができる。
【0061】
ワイピングが終わると、昇降機構52を制御し、印刷ヘッド51を上昇させる(ステップS116)。印刷ヘッド51が上昇すると、移動機構84を制御し、液受け部81が印刷ヘッド51のノズル面と対向するように位置づける。さらに、昇降機構52を制御し、図6に示すように、ワイピングしたときに、印刷ヘッド51のノズル面にワイパ83が当接する高さまで印刷ヘッド51を下降させる(ステップS117)。
【0062】
印刷ヘッド51が下降すると、以降は、前述の錠剤Tがコーティング錠のときと同様に、ステップS104以降のステップが実行される。
【0063】
以上、説明したように、第1の実施形態によれば、錠剤印刷装置1は、錠剤Tを搬送する搬送装置20と、搬送装置20によって搬送される錠剤Tに対して印刷を行う、インクジェット方式の印刷ヘッド51と、印刷ヘッド51のメンテナンスを行うメンテナンス装置80と、印刷ヘッド51と、メンテナンス装置80を制御する制御装置90と、を備え、制御装置90は、搬送される錠剤Tの種類に応じて、メンテナンスの動作を変更する。これにより、効率的にメンテナンスを行うことができる。したがって、吐出不良が発生して、印刷品質が低下することを防止することができる。
【0064】
また、第1の実施形態においては、印刷対象が素錠である場合には、パージを行う前(吐出動作を行う前)に、ワイピングが行われる。ワイピングを行うことで、ノズル面に付着した粉を除去することができる。これにより、パージを行った際に、ノズルから押し出されたインクの一部が、メニスカスを再び形成するために、ノズルの中に引き込まれるときに、粉が一緒に引き込まれることを防止することができる。したがって、吐出不良が発生して、印刷品質が低下することを防止することができる。
【0065】
また、第1の実施形態においては、第1のワイパ83aによるウェットワイピングより前に、吸引部82によるバキュームワイピングを行っている。印刷運転により、ノズル面に粉が付着するとともに、ノズル面に付着したインクにも粉が付着して混ざることがある。ウェットワイピングより前に、バキュームワイピングを行うことで、インクに混ざった粉も除去することができる。バキュームワイピングで取り除ききれなかったインクについては、ウェットワイピングで取り除くことができる。さらに、第1のワイパ83aによるウェットワイピングの後には、第2のワイパ83bによるドライワイピングを行っている。ウェットワイピングにより、ノズル面に付着したワイプ液をドライワイピングで取り除くことができる。このようなワイピングにより、印刷ヘッド51の清掃を効率的に行うことができる。
【0066】
一方、印刷対象がコーティング錠である場合には、ノズル面への粉の付着は無いか、ごくわずかであるため、パージを行う前のワイピングは行わなくてもよい。したがって、印刷ヘッドのメンテナンスを行うことで、吐出不良を防止しつつも、メンテナンス時間を短縮することができる。
【0067】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、同一の点については、その説明を省略する。
【0068】
錠剤に対して印刷するためのインクは、その組成物や、印刷対象の錠剤の物性等により、定着材を含むものがある。
【0069】
定着材とは、例えば、糊料やガムベース、増粘安定剤に分類される物質が用いられる。具体的には、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンなどがある。また、オクラ抽出物、海藻セルロース、褐藻抽出物、グルテン、グルテン分解物、コンニャクイモ抽出物、サツマイモセルロース、ナタデココ、マンナン、レンネツトカゼインなどがある。また、アウレオバシジウム培養液、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アマシードガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸、ウェランガム、エレミ樹脂、オゾケライト、カシアガム、ガティガム、カードラン、カラギナン(加工ユーケマ藻類、精製カラギナン、ユーケマ藻末)、カラヤガム、カロブビーンガム、キサンタンガム、キチン、キトサン、グァーガム、グァーガム酵素分解物、グアヤク樹脂、グッタハンカン、グッタペルカ、グルコサミン、酵母細胞壁、サイリウムシードガム、サバクヨモギシードガム、シェラック(白シェラック、精製シェラック)、ジェランガム、ジェルトン、ソルバ、ソルビンハ、タマリンドシードガム、タラガム、チクル、チルテ、ツヌー、低分子ゴム、デキストラン、トラガントガム、トロロアオイ、納豆菌ガム、ニガーグッタ、パラフィンワックス、微小繊維状セルロース、ファーセレラン、フクロノリ抽出物、プルラン、粉末モミガラ、ペクチン、ベネズエラチクル、マクロホモプシスガム、マスチック、マッサランドババラタ、ミルラ、モモ樹脂、ラムザンガム、レッチュデバカ、レバン、ロシディンハ、ロシンなどがある。
【0070】
定着剤を含むインクは、印刷したときに、インクが剥がれたり、擦れて薄くなったりすることを防止することができる。しかしながら、定着剤を含んでいると、インクの粘度が上昇したり、乾燥して固体化したときにノズル面との接着力が強くなったりして、ワイピングしても、十分にインクを取り除くことができないことがある。
【0071】
そこで、第2の実施形態においては、印刷ヘッド51に供給されるインクが定着剤を含むか否か(インクの種類)によって、第1のワイパ83a(ウェットワイパ)に供給するワイプ液の液量と、ダミー吐出の際のドット数を変更する。第2の実施形態の説明の概要を図7に示す。
【0072】
印刷に使用するインクの情報は、予めオペレータにより入力装置90aを介して、制御装置90に入力される。錠剤印刷装置1の印刷運転を開始する前、またはメンテナンス工程を開始する前に、第1のワイパ83aには、ワイプ液が供給される。このとき、インクが定着剤を含んでいる場合は、定着剤を含まない場合と比較して、供給するワイプ液の量を多くする。また、メンテナンス工程におけるダミー吐出(図5のステップS110)において、インクが定着剤を含んでいる場合は、定着剤を含まない場合と比較して、ダミー吐出の回数(ドット数)を多くする。
【0073】
なお、第1のワイパ83aを支持する支持部材を、上部が開口した箱形の容器形状とし、その中にワイプ液を溜めるようにしてもよい。この場合、第1のワイパ83aの下側(ノズル面と当接する側と反対側)の一部が、容器の中に溜まったワイプ液に浸かるようにすることで、長い時間、第1のワイパ83aをウェットの状態を保つことができる。また、第1のワイパ83aに供給するワイプ液の量に加え、容器(第1のワイパ83aの支持部材)の容量を大きくすることでも、第1のワイパ83aが含むワイプ液の量を多くすることができる。また、第1のワイパ83aがワイプ液に浸かる部分の体積を変更することにより、第1のワイパ83aが含むワイプ液の量を変更することができる。
【0074】
以上、説明したように第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施形態においては、インクに定着剤を含むか否かによって、第1のワイパ83aに供給するワイプ液の量を変更する。より具体的には、インクに定着剤を含む場合には、第1のワイパ83aに供給するワイプ液の量を多くする。これにより、ワイプ液を多く含んだ第1のワイパ83aで払拭されることになる。したがって、インクに定着剤を含んでいても、インクを溶かすようにして、ノズル面に付着したインクを除去しやすくなる。
【0075】
また、ウェットワイピングを行うと、ノズル面と、第1のワイパ83aとが当接したときの圧力により、第1のワイパ83aから、ワイプ液が染み出す。染み出したワイプ液の一部は、ノズル内に入り込むことがある。ノズル内にワイプ液が入り込むと、ノズル内のインクが薄まってしまう。第1のワイパ83aが含むワイプ液の量が多いと、染み出すワイプ液の量も多くなり、ノズル内に入り込むワイプ液の量が多くなることがある。そこで、第1のワイパ83aがワイプ液を多く含んだ状態でワイピングした場合には、ダミー吐出において、吐出する回数(ドット数)を多くする。ダミー吐出をすることで、ノズル内に入り込んだワイプ液を排出することができる。これにより、その後、印刷運転を再開した際に、インクが薄くなり、印刷された識別情報の視認性が悪くなることを防止することができる。
【0076】
<他の実施形態>
前述の説明においては、印刷ヘッド51が2つ設けられるとしたが、1つでもよく、3つ以上としてもよい。また、1つの印刷ヘッド51に対して、1つのメンテナンス装置80を設けるようにしてもよく、複数の印刷ヘッド51が1つのメンテナンス装置80を共用するようにしてもよい。
【0077】
また、液受け部81、吸引部82、ワイパ83は一体となって、移動することを例示したが、これに限らず、それぞれ独立して移動可能に設けてもよい。
【0078】
また、ワイパ83、吸引部82、液受け部81が、移動機構84により、印刷ヘッド51に対向するように移動することを例示したがこれに限らない。例えば、印刷ヘッド51を移動させるようにしてもよく、印刷ヘッド51と、メンテナンス装置の両方を移動させるようにしてもよい。つまり、印刷ヘッド51と、メンテナンス装置80が相対的に移動するように構成すればよい。
【0079】
また、第1のワイパ83aへのワイプ液の供給を自動で行う場合、第1のワイパ83aにワイプ液供給部を設ければよい。ワイプ液供給部を設ければ、ワイプ液供給部を制御することで、インクが定着剤を含む場合と、定着剤を含まない場合で、第1のワイパ83aに供給されるワイプ液の量を変更することができる。
【0080】
また、第1のワイパ83aとは別に、ワイプ液供給部(不図示)を設け、定期的に第1のワイパ83aに対してワイプ液を供給するようにしてもよい。定期的に供給するワイプ液の量は、インクの種類によって変更するようにしてもよい。例えば、定着剤を含むインクを使用する場合には、第1のワイパ83aに供給するワイプ液の量を多くするようにしてもよい。あるいはワイプ液を第1のワイパ83aに供給する頻度を高くしてもよい。
【0081】
また、第1のワイパ83aが含むワイプ液の量(第1のワイパ83aの湿潤状態)を検出する湿潤状態検出センサを設けることもできる。湿潤状態検出センサは、検出値を制御装置90に送信する。制御装置90は、湿潤状態検出センサから送信された検出値に基づいて、第1のワイパ83aの湿潤状態を判断することができる。制御装置90は判断結果に基づいて、ダミー吐出の回数を変更するように制御してもよい。あるいは、予め実験等により第1のワイパ83aにワイプ液を供給してからの経過時間やワイピング回数と、湿潤状態との関係を求めておき、これを基に、ワイピングを行うタイミングにおける第1のワイパ83aの湿潤状態を判断して、ダミー吐出の回数を変更するように制御してもよい。
【0082】
また、印刷対象の錠剤Tが素錠である場合には、パージを行う前にワイピングを行うことで、粉を除去することを例示したが、粉の除去の方法はこれに限らない。例えば、印刷ヘッド51のノズル面に対して、直接、洗浄液を供給するようにしてもよい。つまり、ノズル面に付着した粉を除去することが可能であればよい。
【0083】
また、第2のワイパ83bは、ノズル面に付着したワイプ液(洗浄液)を除去することができればよく、例えばブレードとしてもよい。
【0084】
また、印刷に使用するインクの情報は、オペレータにより入力装置90aを介して、制御装置90に入力されることを例示したが、これに限らない。例えば、錠剤印刷装置1がRFタグ読み取り部を備え、インクの容器(ボトルやカートリッジ)が、錠剤印刷装置1に取り付けられた際に、インクの容器に付されたRFタグを読み取ることで、インクの情報を得るようにしてもよい。また、インクの容器にバーコードや二次元コードが取り付けられており、これを読み取ることで、錠剤印刷装置1に、インクの情報が入力されるようにしてもよい。
【0085】
また、第1のワイパ83aに供給するワイプ液の量は、インクの組成に応じて調節してもよい。例えば、定着剤の種類や、含有量に応じて、調節してもよい。また、ダミー吐出の回数は、第1のワイパ83aに供給したワイプ液の量に応じて変更してもよい。つまり、ワイプ液の量を多くするにしたがって、ダミー吐出の回数を多くするようにしてもよい。
【0086】
また、ダミー吐出においては、インクに定着剤を含むか否かで吐出回数を変更することを例示したが、これに限らない。例えば、ダミー吐出における一回の吐出毎の吐出量を変更するようにしてもよい。また、吐出回数と吐出量の両方を変更するようにしてもよい。
【0087】
また、前述したメンテナンス工程は、印刷運転において、定期的に行うことを例示したが、これに限らず、ノズル51aの吐出不良や、第2の画像に基づいて印刷不良が検出された際に行ってもよい。メンテナンス工程を行えば、印刷ヘッド51の吐出性能を回復させることができる。
【0088】
また、前述したメンテナンス工程は、第1のワイパ83a、第2のワイパ83bによるワイピングの速度については特に述べなかったが、移動機構84を制御することにより、第1のワイパ83aおよび第2のワイパ83bの移動速度(印刷ヘッド51のノズル面をワイパ83が摺動する速度)を制御するようにしてもよい。例えば、制御部93は印刷ヘッド51のワイピング回数をカウントしておき、所定回数を超えたときに、第1のワイパ83aおよび第2のワイパ38bの移動速度を低下させるよう、移動機構84の移動速度を低下させるようにしてもよい。あるいは、制御部93は錠剤印刷装置1の運転開始からの時間を測り、所定時間が経過したことによりワイパ83によるワイピング回数が所定回数を超えたと判断し、これによって第1のワイパ83aおよび第2のワイパ83bの移動速度を低下させるよう、移動機構84の移動速度を低下させるようにしてもよい。印刷ヘッド51のノズル面も稼働時間が長くなるにつれインクが固着し、堆積していく場合がある。しかしながら、制御部93により移動機構84の移動速度を低下させることで、特に第1のワイパ83aに保持されているワイプ液が印刷ヘッド51のノズル面に十分に供給され、ノズル面に固着していたインクを好適に除去することができる。ワイピングが所定回数を超えたとき、あるいは所定時間を経過したときに限らず、錠剤印刷装置1の稼働開始から徐々に速度を低下させるように制御してもよい。なお、ワイピングの速度を低下させるのは、第1のワイパ83aおよび第2のワイパ83bのうちいずれか一方のみでもよく、第1のワイパ83aの移動速度のみを低下させることにより印刷ヘッド51のノズル面にワイプ液を十分に供給し、固着したインクを除去するようにしてもよい。この場合、第1のワイパ83aと第2のワイパ83bとを独立して移動できるように構成すると良い。例えば、第1のワイパ83aと第2のワイパ83bのうち一方を移動機構84で移動させ、他方と移動機構とは異なる移動機構で(移動機構84と同じ方向に)移動させるようにしてもよい。
【0089】
また、第2のワイパ83bはドライワイパであるが、稼働時間が長くなるにつれ、印刷ヘッド装置51のノズル面に付着したインクや、第1のワイパ83aから供給されたワイプ液を第2のワイパ83bが吸収することにより、徐々に濡れてきてしまう。そこで、第2のワイパ83bを乾燥する乾燥ユニット(不図示)を設け、制御部93は、例えばワイパ83によるワイピング回数が所定回数を上回った時点で、あるいは錠剤印刷装置1の稼働時間が所定時間を経過した時点で、乾燥ユニットにより第2のワイパ83bを乾燥するようにしてもよい。乾燥ユニットは乾燥用の気体を印刷ヘッド51のノズル面から離れる方向に吐出することにより第2のワイパ83bを乾燥させるものが好ましい。乾燥用気体により印刷ヘッド51のノズル面が乾燥し、ノズル51aのインクが固まって印刷不良につながることを防止するためである。乾燥ユニットは、例えば錠剤Tに塗布されたインクを乾燥する乾燥部から不図示の配管で乾燥用気体を供給するようにしてもよい。乾燥ユニットから第2のワイパ83bに供給する乾燥用気体は、徐々に流量を増加させるようにしてもよい。つまり、第2のワイパ83bによるワイピング回数が多くなるごとに、乾燥ユニットによる乾燥用気体の供給量を増やし、第2のワイパ83bをより確実に乾燥させるようにしてもよい。
【0090】
ここで、前述の錠剤Tとしては、医薬用、飲食用、洗浄用、工業用あるいは芳香用として使用される錠剤を含めることができる。また、錠剤Tとしては、裸錠(素錠)や糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠などがあり、硬カプセルや軟カプセルなど各種のカプセル錠も錠剤Tに含めることができる。さらに、錠剤Tの形状としては、円盤形やレンズ形、三角形、楕円形など各種の形状がある。また、印刷対象の錠剤Tが医薬用や飲食用である場合には、使用するインクとして可食性インクが好適である。この可食性インクとしては、合成色素インク、天然色素インク、染料インク、顔料インクのいずれを使用しても良い。
【0091】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 錠剤印刷装置
10 供給装置
20 搬送装置
21 搬送ベルト
30 検出装置
40 第1の撮像装置
50 印刷装置
51 印刷ヘッド
60 第2の撮像装置
70 回収装置
80 メンテナンス装置
81 液受け部
82 吸引部
83 ワイパ
83a 第1のワイパ
83b 第2のワイパ
84 移動機構
90 制御装置
T 錠剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7