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特開2024-52551排泄情報処理装置、プログラム及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052551
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】排泄情報処理装置、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240404BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G16H10/00
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137931
(22)【出願日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】P 2022158423
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
(72)【発明者】
【氏名】内田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】家守 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 諒太
(72)【発明者】
【氏名】西島 かおり
【テーマコード(参考)】
5C054
5L099
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE16
5C054FE18
5C054GB02
5C054GB05
5C054HA12
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制可能な排泄情報処理装置、プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】排泄情報処理装置は、取得された第1判定データに含まれる第1判定結果を示す第1コンテンツと、取得された第2判定データD2に含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面(160)の表示を表示手段(24)に指示する表示指示部(98)を備える。表示指示部(98)は、ユーザ・インターフェースを介して第2判定結果を入力するための判定入力画面(110)の表示を表示手段(24)に指示する。判定入力画面(110)又は該判定入力画面(110)とは別の画面(130,140,150)には、第2判定結果を第1判定結果に近づけるための判定支援情報(132,144,152)が含まれる。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、前記データ取得部により取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する表示指示部と、
を備え、
前記表示指示部は、ユーザ・インターフェースを介して前記第2判定結果を入力するための判定入力画面の表示を前記表示手段に指示し、
前記判定入力画面又は該判定入力画面とは別の画面には、前記第2判定結果を前記第1判定結果に近づけるための判定支援情報が含まれることを特徴とする排泄情報処理装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、さらに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、
前記第1判定結果及び前記第2判定結果には、前記大便の性状を示す定量値がそれぞれ含まれ、
前記判定支援情報は、過去に前記目視判定がなされた前記大便の画像群のうち今回の判定対象である画像に類似する複数の類似画像に関して、前記類似画像に対応する前記定量値の母集団における統計量を示す可視情報又は前記統計量から生成される可視情報であることを特徴とする請求項1に記載の排泄情報処理装置。
【請求項3】
前記データ取得部は、さらに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、
前記第1判定結果及び前記第2判定結果には、前記大便の性状に関する定量値が含まれ、
前記判定支援情報は、過去に前記目視判定がなされた前記大便の画像群のうち、指定された前記定量値と同一の値が対応付けられた1つ以上の画像であることを特徴とする請求項1に記載の排泄情報処理装置。
【請求項4】
被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、前記データ取得部により取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する表示指示部と、
を備え、
前記データ取得部は、前記判定処理がなされた前記第1画像データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、
前記第1画像データと前記第1判定データの間の関係性及び前記第2画像データと前記第2判定データの間の関係性を解析し、前記判定処理による判定の傾向に近づけるように、前記第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する判定調整部をさらに備えることを特徴とする排泄情報処理装置。
【請求項5】
被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得する取得ステップと、
取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する指示ステップと、
を1つ又は複数のコンピュータが実行し、
前記指示ステップでは、ユーザ・インターフェースを介して前記第2判定結果を入力するための判定入力画面の表示を前記表示手段に指示し、
前記判定入力画面又は該判定入力画面とは別の画面には、前記第2判定結果を前記第1判定結果に近づけるための判定支援情報が含まれることを特徴とする排泄情報処理プログラム。
【請求項6】
被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得する取得ステップと、
取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する指示ステップと、
を1つ又は複数のコンピュータが実行し、
前記取得ステップでは、前記判定処理がなされた前記第1画像データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、
前記1つ又は複数のコンピュータは、
前記第1画像データと前記第1判定データの間の関係性及び前記第2画像データと前記第2判定データの間の関係性を解析し、前記判定処理による判定の傾向に近づけるように、前記第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する調整ステップをさらに実行することを特徴とする排泄情報処理プログラム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の排泄情報処理装置と、
表示手段を有し、前記排泄情報処理装置と通信可能に構成される端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記排泄情報処理装置が備える前記表示指示部による指示に応じて前記判定支援情報を含む画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする排泄情報処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄情報処理装置、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、トイレ装置に設けられた画像センサを用いて便鉢内を撮影し、得られた画像データに対して解析処理を施すことにより排泄物を分析する排泄物分析システムが開発されている。例えば、撮影機能を有さないトイレ装置で排便が行われた場合には、上記した解析処理を行う代わりに、トイレ装置の使用者により目視判定を行うというシステム運用が想定される。
【0003】
特許文献1には、排泄物の性状又は量をユーザ毎に表示させるとともに、性状又は量が所定のアラート条件を充足する場合にその旨を示すアラート情報を報知させる判定システムが開示されている。また、同文献には、上記したアラート情報は、判定の主体が装置であるか人間であるかを示す情報を含むことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-051449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、日常生活のアクティビティは、使用者の健康状態や生活環境などに応じて異なっている。例えば、アクティビティが高い使用者に関して、撮影機能を有する拠点トイレで排便が行われる頻度が相対的に低下する一方、当該拠点トイレとは異なる撮影機能を有さないトイレ装置で排便が行われる頻度が相対的に高くなる傾向がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1で開示されるように、例えば、判定の主体が装置であるか人間であるかを明確に区別して判定結果を表示させる場合、両者の判定結果の対応関係を視覚的に把握しにくいという問題がある。また、人間による目視判定は、装置による判定処理と比べて、判定結果のバラツキが大きくなる傾向がある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制可能な排泄情報処理装置、プログラム及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る排泄情報処理装置は、被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得するデータ取得部と、前記データ取得部により取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、前記データ取得部により取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する表示指示部と、を備え、前記表示指示部は、ユーザ・インターフェースを介して前記第2判定結果を入力するための判定入力画面の表示を前記表示手段に指示し、前記判定入力画面又は該判定入力画面とは別の画面には、前記第2判定結果を前記第1判定結果に近づけるための判定支援情報が含まれる。
【0009】
このように、第2判定結果を第1判定結果に近づけるための判定支援情報を含む画面を表示するので、使用者は、判定支援情報を参照しつつ目視判定を行うことが可能となり、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0010】
本発明の第2態様に係る排泄情報処理装置では、前記データ取得部は、さらに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、前記第1判定結果及び前記第2判定結果には、前記大便の性状を示す定量値がそれぞれ含まれ、前記判定支援情報は、過去に前記目視判定がなされた前記大便の画像群のうち今回の判定対象である画像に類似する複数の類似画像に関して、前記類似画像に対応する前記定量値の母集団における統計量を示す可視情報又は前記統計量から生成される可視情報であってもよい。これにより、使用者は、表示された可視情報を通じて過去の判定傾向に基づく統計量を確認可能となり、目視判定に伴う判定揺らぎが抑制されるとともに、目視判定に伴う作業負担が削減される。
【0011】
本発明の第3態様に係る排泄情報処理装置では、前記データ取得部は、さらに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、前記第1判定結果及び前記第2判定結果には、前記大便の性状に関する定量値が含まれ、前記判定支援情報は、過去に前記目視判定がなされた前記大便の画像群のうち、指定された前記定量値と同一の値が対応付けられた1つ以上の画像であってもよい。これにより、使用者は、表示された1つ以上の画像を通じて過去の判定傾向を確認可能となり、目視判定に伴う判定揺らぎが抑制される。
【0012】
本発明の第4態様に係る排泄情報処理装置は、被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得するデータ取得部と、前記データ取得部により取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、前記データ取得部により取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する表示指示部と、を備え、前記データ取得部は、前記判定処理がなされた前記第1画像データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、前記第1画像データと前記第1判定データの間の関係性及び前記第2画像データと前記第2判定データの間の関係性を解析し、前記判定処理による判定の傾向に近づけるように、前記第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する判定調整部をさらに備える。
【0013】
このように構成したので、判定調整部の動作を通じて、画像データと判定結果の間の関係性を考慮しつつ、第2判定結果を第1判定結果に自動的に近づけることが可能となり、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0014】
本発明の第5態様に係る排泄情報処理プログラムでは、被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得する取得ステップと、取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する指示ステップと、を1つ又は複数のコンピュータが実行し、前記指示ステップでは、ユーザ・インターフェースを介して前記第2判定結果を入力するための判定入力画面の表示を前記表示手段に指示し、前記判定入力画面又は該判定入力画面とは別の画面には、前記第2判定結果を前記第1判定結果に近づけるための判定支援情報が含まれる。これにより、第1態様に係る排泄情報処理装置の場合と同様に、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0015】
本発明の第6態様に係る排泄情報処理プログラムでは、被判定者が排泄した大便の画像を示す第1画像データに対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記被判定者が排泄した前記大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データを排泄時点と対応付けて取得する取得ステップと、取得された前記第1判定データに含まれる前記第1判定結果を示す第1コンテンツと、取得された前記第2判定データに含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツとを含む判定履歴画面の表示を表示手段に指示する指示ステップと、を1つ又は複数のコンピュータが実行し、前記取得ステップでは、前記判定処理がなされた前記第1画像データを排泄時点と対応付けて取得するとともに、前記目視判定がなされた前記大便の画像を示す第2画像データを排泄時点と対応付けて取得し、前記1つ又は複数のコンピュータは、前記第1画像データと前記第1判定データの間の関係性及び前記第2画像データと前記第2判定データの間の関係性を解析し、前記判定処理による判定の傾向に近づけるように、前記第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する調整ステップをさらに実行する。これにより、第4態様に係る排泄情報処理装置の場合と同様に、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0016】
本発明の第7態様に係る排泄情報処理システムは、上記したいずれかの排泄情報処理装置と、表示手段を有し、前記排泄情報処理装置と通信可能に構成される端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記排泄情報処理装置が備える前記表示指示部による指示に応じて前記判定支援情報を含む画面を前記表示手段に表示させる。これにより、第1態様又は第4態様に係る排泄情報処理装置の場合と同様に、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における排泄物分析システムの全体構成図である。
図2図1のトイレ装置が設置されたトイレルームを示す斜視図である。
図3図1及び図2のトイレ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図1のサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】使用者端末の表示パネルに表示される判定入力画面の一例を示す図である。
図6】第1の判定支援画面の一例を示す図である。
図7】第2の判定支援画面の一例を示す図である。
図8】第3の判定支援画面の一例を示す図である。
図9】使用者端末及びサーバ装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図10図4の判定結果情報が有するデータ構造の一例を示す図である。
図11】使用者端末の表示パネルに表示される判定履歴画面の一例を示す図である。
図12】シンボルの表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
[排泄情報処理システム10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態における排泄情報処理装置としてのサーバ装置16が組み込まれた排泄情報処理システム10の全体構成図である。排泄情報処理システム10は、使用者の排泄物を分析して、得られた分析結果を使用者に提示するための「分析サービス」を提供可能に構成される。この排泄情報処理システム10は、具体的には、1つ又は複数のトイレ装置12,14と、サーバ装置16と、1つ又は複数の使用者端末18(「端末装置」に相当)と、を含んで構成される。
【0021】
トイレ装置12は、トイレルームR内に設けられ、排泄物の撮影を通じて画像データを取得する撮影機能と、画像データを含む収集データを外部に送信する通信機能と、を備える。トイレ装置12の具体的な装置構成については、図2及び図3を参照しながら後で詳しく説明する。なお、他のトイレ装置14が、上記した撮影機能及び通信機能を備えていない点に留意する。
【0022】
サーバ装置16は、上記した分析サービスに関する統括的な制御を行うコンピュータであり、クラウド型あるいはオンプレミス型のいずれであってもよい。ここで、サーバ装置16を単体のコンピュータとして図示しているが、サーバ装置16は、これに代わって分散システムを構築するコンピュータ群であってもよい。サーバ装置16の具体的な装置構成については、図4を参照しながら後で詳しく説明する。
【0023】
使用者端末18は、上記した分析サービスの使用者(「被判定者」に相当)が所有又は管理するコンピュータである。使用者端末18は、例えば、タブレット・ラップトップ・スマートフォン・ウェアラブルデバイスを含む携帯型の装置から構成される。使用者端末18は、具体的には、通信モジュール21、プロセッサ22、メモリ23、表示パネル24(「表示手段」に相当)、タッチセンサ25、及びカメラユニット26(「撮影手段」に相当)を含んで構成される。タッチセンサ25の入力機能及び表示パネル24の表示機能を組み合わせることで、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)が構築される。
【0024】
中継装置20は、コンピュータ同士をネットワーク接続するための通信機器であり、例えば、ルータ、ゲートウェイ、又は基地局から構成される。これにより、サーバ装置16は、中継装置20及びネットワークNTを介して、トイレ装置12から送信された第1判定データD1及び第1画像データIm1を含む様々なデータを取得することができる。同様に、サーバ装置16は、中継装置20及びネットワークNTを介して、使用者端末18から送信された第2判定データD2及び第2画像データIm2を含む様々なデータを取得することができる。
【0025】
<トイレ装置12の構成>
図2は、図1のトイレ装置12が設置されたトイレルームRを示す斜視図である。トイレルームRの床面F上には、便器30が設置されている。便器30は、大便器であり、使用者の便を受ける便鉢32と、便鉢32の周囲で立設するリム34と、を有している。例えば、トイレルームRに設けられた洗浄操作部(不図示)が使用者により操作されると、便鉢32に洗浄水が供給され、便鉢32の洗浄及び便鉢32からの便の排出が行われる。洗浄操作部は、トイレルームRに設けられる操作レバーや、後述する操作パネル60に設けられたボタンなど、種々の形態を採用し得る。
【0026】
トイレ装置12は、この便器30に適用される。トイレ装置12は、便座装置40と、操作パネル60と、を備える。なお、以下の説明では、後述する便座44に着座した使用者から見て前方を「前」、後方を「後」、左方を「左」、右方を「右」という。また、鉛直方向上方を「上」、鉛直方向下方を「下」という。
【0027】
便座装置40は、便器30の上部に開閉可能に取り付けられ、本体部42と、便座44と、便蓋46と、を備えている。便座装置40は、便器30に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器30と一体となるように取り付けられてもよい。本体部42の前面には、使用者検知センサ52と、着座検知センサ54と、開閉検知センサ56と、が設けられている。
【0028】
使用者検知センサ52は、便器30の近傍に使用者が存在することを検知するために設けられている。この使用者検知センサ52は、例えば焦電型赤外線センサであり、所定サイクルで信号を送信するとともに、使用者が放出する特定波長の赤外線を受けると、その信号に変化が生じるように構成されている。
【0029】
着座検知センサ54は、使用者が便座44の着座面44bに着座していることを検知するために設けられている。この着座検知センサ54は、例えば赤外線を用いる測距センサであり、所定サイクルで信号を送信するとともに、対象物と着座検知センサ54との距離の変化に応じてその信号に変化が生じるように構成されている。
【0030】
開閉検知センサ56は、便座44の開閉状態を検知するために設けられている。この開閉検知センサ56は、例えばマイクロボタンであり、便座44が便器30から一定角度以上開くと便座44の開状態を検知する。
【0031】
便座44は、環状を呈し、その中央部には開口44aが形成されている。この開口44aは、便座44がリム34上に載置されているとき、便鉢32を開放する。便座44の後端部は本体部42に軸支されており、これにより、便座44は、リム34上に載置される姿勢と、リム34から離れて便鉢32を大きく開放する姿勢との間で回動可能とされている。このような便座44の裏面には、画像センサ58が設けられている。
【0032】
画像センサ58は、複数の受光素子が線状に配置されてなるラインセンサ、又は、複数の受光素子が平面状に配置されてなるエリアセンサであり、1次元又は2次元画像を示す画像信号を送信するように構成されている。受光素子の一例として、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が挙げられる。画像センサ58は、その撮影面が便鉢32内を向くように設けられている。なお、撮影面は、画像センサ58に設けられる受光レンズがなす受光面を意味する。画像センサ58を通じて、使用者が排泄した大便の画像を示す画像データ(以下、「第1画像データIm1」という)が得られる。なお、画像センサ58がラインセンサである場合、複数の1次元画像を時系列順に並べることにより、1つの2次元画像が生成される。
【0033】
便蓋46は、便器30に対して開閉可能に本体部42に軸支されている。これにより、便蓋46は、便器30を覆う姿勢と、便器30から離れて便鉢32を大きく開放する姿勢との間で回動可能とされている。
【0034】
操作パネル60は、例えばトイレルームRの壁面に設置される。操作パネル60は、表示部62と、複数のボタン64と、を備える。表示部62は、例えば、操作パネル60の外側面に設けられた液晶パネルから構成され、様々な可視情報を表示する。複数のボタン64は、便座装置40の複数の動作にそれぞれ対応して設けられている。複数のボタン64には、例えば、便鉢32内を撮影するための撮影ボタン、あるいは便鉢32内に泡を吐出するための吐出ボタンが含まれる。
【0035】
図3は、図1及び図2に示すトイレ装置12の構成の一例を示すブロック図である。トイレ装置12は、センサ群50と、操作パネル60(図2)と、便座装置40(図2)に組み込まれるコントローラ70と、を含んで構成される。
【0036】
センサ群50には、大便の排泄意思を検知するセンサ、又は、大便が落下したことを検知するセンサが含まれる。前者の例として、[1]上記した使用者検知センサ52、着座検知センサ54、及び開閉検知センサ56の他に、[2]使用者による特定のジェスチャを検知するジェスチャ検知センサ、[3]使用者による特定の声を検知する音声センサなどが挙げられる。後者の例として、[1]上記した画像センサ58の他に、[2]大便の落下音を検知する音センサ、[3]溜水の揺れを検知する振動センサなどが挙げられる。
【0037】
操作パネル60には、大便を排泄する意思又は排泄した旨を伝えるための操作子が含まれる。操作子の例として、[1]連続撮影の開始を指示するためのボタン64、[2]連続撮影の終了を指示するためのボタン64、[3]一時的な撮影を指示するためのボタン64、[4]洗浄を含む他の機能ボタンなどが挙げられる。
【0038】
コントローラ70は、トイレ装置12の各部を制御するためのコンピュータである。このコントローラ70は、具体的には、トイレ側通信部72と、トイレ側制御部74と、トイレ側記憶部76と、を含んで構成される。
【0039】
トイレ側通信部72は、内部又は外部の装置に対して電気信号を送受信するインターフェースである。これにより、コントローラ70は、トイレ装置12の内部に設けられる電動ユニットに制御信号を送信可能になるとともに、サーバ装置16に様々なデータを送信可能である。
【0040】
トイレ側制御部74は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)を含むプロセッサによって構成される。トイレ側制御部74は、トイレ側記憶部76に格納されたプログラム及びデータを読み出して実行することで、[1]通常のトイレ機能の他に、[2]画像センサ58による撮影動作を制御する撮影制御部、[2]撮影を通じて得られた第1画像データIm1に対して物体検出処理を施す物体検出部、[3]大便の検出結果に基づいて画像中の大便の性状に関する判定処理を行う判定処理部、及び[4]大便の判定結果(以下、第1判定結果)を含む第1判定データD1をサーバ装置16に送信する送信処理部として機能する。
【0041】
上記した物体検出部は、例えば、いわゆる「物体検出モデル」が構築された学習済みのニューラルネットワークを含んで構成されてもよい。物体検出モデルの種類は、関心領域(ROI)の抽出器が物体の検出器とは別に設けられている「two-stage detector」(例えば、Faster R-CNN、Mask R-CNNやその派生モデル)であってもよいし、抽出器と検出器とが一体的に構成されている「one-stage detector」(例えば、YOLO、SSD、M2Detやこれらの派生モデル)であってもよい。
【0042】
トイレ側記憶部76は、トイレ側制御部74が各構成要素を制御するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。トイレ側記憶部76は、非一過性であり、かつ、コンピュータ読み取り可能な記録媒体で構成されている。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)-ROM、フラッシュメモリなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などの記憶装置である。
【0043】
<サーバ装置16の構成>
図4は、図1に示すサーバ装置16の構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置16は、サーバ側通信部80と、サーバ側制御部82と、サーバ側記憶部84と、を含んで構成される。
【0044】
サーバ側通信部80は、外部の装置に対して電気信号を送受信するインターフェースである。これにより、サーバ装置16は、トイレ装置12(又は使用者端末18)から第1判定データD1(又は第2判定データD2)を受信可能であるとともに、使用者端末18に表示用データ104を送信可能である。
【0045】
サーバ側制御部82は、CPUやGPUを含むプロセッサにより構成される。サーバ側制御部82は、サーバ側記憶部84に格納されたプログラム及びデータを読み出して実行することで、データ取得部90、データ処理部92、判定調整部94、画面生成部96、及び表示指示部98として機能する。
【0046】
データ取得部90は、使用者が排泄した大便の画像を示す第1画像データIm1に対する判定処理により得られる判定結果(つまり、第1判定結果)を含む第1判定データD1を排泄時点と対応付けて取得する。データ取得部90は、トイレ装置12から受信した第1判定データD1を直接的に取得してもよいし、サーバ側記憶部84に予め格納されている第1判定データD1を読み出して取得してもよい。また、データ取得部90は、第1判定データD1と併せて、第1判定データD1に対応する第1画像データIm1を排泄時点と対応付けて取得してもよい。
【0047】
データ取得部90は、使用者が排泄した大便の現物又は画像に対する目視判定により得られる判定結果(つまり、第2判定結果)を含む第2判定データD2を排泄時点と対応付けて取得する。データ取得部90は、使用者端末18から受信した第2判定データD2を直接的に取得してもよいし、サーバ側記憶部84に予め格納されている第2判定データD2を読み出して取得してもよい。また、データ取得部90は、第2判定データD2と併せて、第2判定データD2に対応する第2画像データIm2を排泄時点と対応付けて取得してもよい。
【0048】
なお、上記した「排泄時点」は、実際に排便が行われた排便時点であってもよいし、排便時点との関連性が高い時点であってもよい。「関連性の高い時点」の一例として、画像の撮影時点、判定処理の実行時点、目視判定の実行時点、又はデータの送信時点が挙げられる。
【0049】
データ処理部92は、後述する排泄物DB100に関わる様々なデータ処理を行う。データ処理部92は、具体的には、データベースの更新処理(レコードの追加・編集・削除など)又はデータベースの検索処理を行う。この検索には、例えば、キーワード検索、あるいは画像の類似検索が含まれる。
【0050】
判定調整部94は、第1画像データIm1と第1判定データD1の間の関係性及び第2画像データIm2と第2判定データD2の間の関係性を解析し、判定処理による判定の傾向に近づけるように、第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する。判定結果に大便の性状に関する定量値が含まれる場合、この関係性は、時間変化に関するトレンド曲線(具体的には、移動平均など)であってもよいし、所定の期間又は時間帯における定量値の統計分布(具体的には、ヒストグラムなど)であってもよい。この場合、判定調整部94は、両者のトレンド曲線又はヒストグラムが一致する方向に、第2判定結果の一部又は全部における定量値のオフセットを調整すればよい。
【0051】
画面生成部96は、ユーザ・インターフェースを介して様々な情報を入出力可能な表示画面を表示するための表示用データ104を生成する。この表示画面の一例として、判定入力画面110(図5)、判定支援画面130,140,150(図6図8)又は判定履歴画面160(図11)などが挙げられる。
【0052】
判定入力画面110は、後述する第2判定結果を入力するために表示される。判定入力画面110上には、例えば、[1]目視判定の対象である撮影画像、[2]画像の撮影に関する文字情報、[3]第2判定結果を入力するためのユーザコントロール、又は[4]判定支援情報を表示させるためのユーザコントロールなどが設けられる。
【0053】
判定支援画面130,140,150は、判定入力画面110とは別の表示画面であって、目視判定を支援するために表示される。この判定支援画面130,140,150(又は判定入力画面110)には、第2判定結果を第1判定結果に近づけるための支援情報(以下、「判定支援情報」という)を含む。判定支援情報の一例として、判定基準の定義又は解説、同一の使用者による過去の判定傾向、過去の判定傾向に基づく推奨値、第1判定結果と第2判定結果の間に不整合や有意差が生じている旨の通知などが挙げられる。
【0054】
例えば、大便の性状に関する定量値が判定結果に含まれる場合、判定支援情報は、過去に目視判定がなされた大便の画像群のうち、指定された定量値と同一の値が対応付けられた1つ以上の画像であってもよい。また、判定支援情報は、過去に目視判定がなされた大便の画像群のうち今回の判定対象である画像に類似する複数の類似画像に関して、類似画像に対応する定量値の母集団における統計量(例えば、平均値又は最頻値)を示す可視情報又は統計量から生成される可視情報であってもよい。
【0055】
判定履歴画面160は、判定結果の履歴を使用者に提示するために表示される。判定履歴画面160上には、例えば、[1]使用者に関する使用者情報、[2]判定結果を時系列順に並べたカレンダー、又は[3]判定調整部94による調整の有無を選択するためのユーザコントロールなどが設けられる。
【0056】
上記したカレンダーは、第1判定結果を示すコンテンツ(以下、第1コンテンツ)と、第2判定結果を示すコンテンツ(以下、第2コンテンツ)とを、排泄時間に関して同一の時系列に並べて一覧表示するものであってもよい。この「コンテンツ」は、例えば、文字、テキスト、シンボル、イラスト、アイコン又はこれらの組み合わせを意味する。また、第1コンテンツと第2コンテンツとは、同一の形態を有してもよいし、実質的に同一の形態を有してもよい。
【0057】
ここで、「実質的に同一の形態」とは、コンテンツの主要部が同一の形態を有することを意味する。例えば、主要部が、大便の性状に応じて予め定められた表現規則に従って表現される場合、第1コンテンツと第2コンテンツとは、主要部を除く残余部の有無又は残余部の表現態様が異なっていてもよい。残余部の一例として、[1]主要部を囲む外縁線、又は[2]主要部とは離れた位置にあるマークなどが挙げられる。また、[1]外縁線の太さ・色・形状などの変更、[2]マークの形状・種類・色・位置などの変更を通じて、残余部の表現態様を異ならせることができる。
【0058】
表示指示部98は、画面生成部96により生成された表示用データ104が示す各種画面の表示を表示可能な表示手段に指示する。この表示手段は、サーバ装置16に直接接続された機器であってもよいし、サーバ装置16とは別のコンピュータに接続された機器であってもよい。
【0059】
サーバ側記憶部84は、サーバ側制御部82が各構成要素を制御するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。サーバ側記憶部84は、非一過性であり、かつ、コンピュータ読み取り可能な記録媒体で構成されている。本図の例では、サーバ側記憶部84には、排泄物に関するデータベース(以下、排泄物DB100)が構築されるともに、第1判定データD1、第2判定データD2、判定結果情報102、及び表示用データ104が格納されている。
【0060】
排泄物DB100により、[1]使用者に関する使用者情報、[2]トイレ装置12に関するトイレ情報、[3]使用者端末18に関する端末情報、及び[4]判定処理又は目視判定に関する判定情報を含む様々な情報がそれぞれ関連付けられている。
【0061】
第1判定データD1は、使用者が排泄した大便の画像を示す第1画像データIm1に対する判定処理により得られる第1判定結果を含む。第2判定データD2は、使用者が排泄した大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む。第1判定結果及び第2判定結果はいずれも、大便の性状(性質又は状態)に関する。大便の「性質」には、形状・色・含有物、又はこれらの時系列的な変化が含まれる。大便の「状態」には、量・大きさ、又はこれらの時系列的な変化が含まれる。
【0062】
判定結果情報102は、第1判定データD1に含まれる第1判定結果と、第2判定データD2に含まれる第2判定結果とを統合したテーブル形式の情報である。判定結果情報102は、例えば、データ処理部92による排泄物DB100の検索処理を通じて生成される。
【0063】
表示用データ104は、大便の性状判定に関わる様々な画面を表示するための画面情報を含む。Webアプリケーションを利用する場合、表示用データ104には、HTML(Hyper Text Markup Language)やCSS(Cascading Style Sheets)に従って記述されたテキストデータ、又は、撮影画像やサムネイルを示す画像データが含まれる。
【0064】
[排泄情報処理システム10の動作]
この実施形態における排泄情報処理システム10は、以上のように構成される。続いて、排泄情報処理システム10の動作、より詳しくは、[1]トイレ装置12による自動判定動作、[2]使用者端末18による判定入力動作、[3]サーバ装置16によるデータ処理動作、及び[4]サーバ装置16及び使用者端末18による履歴表示動作について、図3図12を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
<1.自動判定動作>
まず、トイレ装置12による自動判定動作について、図3を参照しながら説明する。トイレ装置12のコントローラ70は、使用者の排便後又は排便中に、センサ群50からの検出信号又は操作パネル60からの操作信号を受け付けたことを契機として、画像センサ68を制御して、便鉢32内を自動的に撮影する自動撮影モードを実行する。この自動撮影では、所定時間の間に複数回にわたって便鉢32内を撮影する。画像センサ58は、撮影した便鉢32内の画像を示す第1画像データIm1をコントローラ70に送信する。コントローラ70は、第1画像データIm1に対して判定処理を施して大便の性状に関する第1判定結果を得る。コントローラ70は、第1判定結果を示す第1判定データD1を第1画像データIm1と併せてサーバ装置16に送信する。
【0066】
<2.判定入力動作>
続いて、使用者端末18による判定入力動作について、図5図8を主に参照しながら説明する。ここでは、使用者が、撮影機能を有さないトイレ装置14で排泄した大便の現物又は画像に対して目視判定を行い、使用者端末18を介して判定結果(以下、「第2判定結果」という)を入力する場合を想定する。
【0067】
使用者は、排便の際に、使用者端末18にインストールされているアプリケーションを起動しておく。そして、使用者は、トイレルームR内のトイレ装置14(図1)で大便を排泄した後、使用者端末18のカメラユニット26を使って、自身が排泄した大便の画像を撮影する。これにより、使用者が排泄した大便の画像を示す画像データ(以下、「第2画像データIm2」ともいう)が得られる。使用者端末18は、第2画像データIm2の取得を契機として、表示パネル24に判定入力画面110を表示させる。以下、使用者端末18は、サーバ装置16との間で必要なデータをやり取りしながら、表示画面の遷移又は更新をリアルタイムで行う。
【0068】
図5は、使用者端末18の表示パネル24に表示される判定入力画面110の一例を示す図である。この判定入力画面110上には、画像情報欄112、文字情報欄114、入力欄116、画像情報欄118、及びボタン120~125が設けられている。
【0069】
画像情報欄112には、使用者端末18のカメラユニット26を用いて撮影された画像データ(つまり、第2画像データIm2)を可視化した画像が表示されている。文字情報欄114には、大便の現物又は画像に関する様々な情報(本図の例では、使用者の名前や撮影日時など)が表示されている。
【0070】
入力欄116は、大便の性状(本図の例では、ブリストル便形状スケール)を選択的に入力するためのユーザコントロールから構成される。画像情報欄118には、入力欄116に現在入力されているスケール値に対応するシンボルが表示されている。
【0071】
[判定基準]と表記されたボタン120は、第1の判定支援画面130(図6参照)に遷移するためのユーザコントロールに相当する。[結果検索]と表記されたボタン121は、第2の判定支援画面140(図7参照)に遷移するためのユーザコントロールに相当する。[過去統計]と表記されたボタン122は、第3の判定支援画面150(図8参照)に遷移するためのユーザコントロールに相当する。
【0072】
[中止]と表記されたボタン123は、判定入力画面110からの入力操作を中止するためのユーザコントロールに相当する。[開始]と表記されたボタン124は、既に入力された判定結果を変更するためのユーザコントロールに相当する。[送信]と表記されたボタン125は、判定入力画面110の表示を終了するためのユーザコントロールに相当する。
【0073】
例えば、使用者が、図5の判定入力画面110上の[判定基準]ボタン120を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定入力画面110から第1の判定支援画面130に一時的に遷移する表示を行う。
【0074】
図6は、第1の判定支援画面130の一例を示す図である。この判定支援画面130上には、テーブル情報欄132と、[戻る]と表記されたボタン134と、が設けられている。テーブル情報欄132には、ブリストル便形状スケールの定義が示されている。本図の例では、大便の形状が、種類番号(あるいは、スケール値)1~7の7種類に分類されている。具体的には、番号1は「コロコロ便」、番号2は「硬い便」、番号3は「やや硬い便」、番号4は「普通便」、番号5は「やや軟らかい便」、番号6は「泥状便」、番号7は「水様便」をそれぞれ示している。なお、使用者がテーブル情報欄132内の該当箇所を指定するクリック操作又はタップ操作を行うと、大便の種類毎の詳細な解説が表示されてもよい。
【0075】
ここでは、テーブル情報欄132が、使用者による目視判定を支援するための「判定支援情報」に相当する。使用者は、判定支援画面130上のテーブル情報欄132の内容を視認することで、客観的な判定基準をその場で確認することができる。これにより、目視判定に伴う判定基準の揺らぎが抑制される。使用者が、判定基準を確認した後、[戻る]ボタン134を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定支援画面130から判定入力画面110に戻る表示を行う。
【0076】
続いて、使用者が、図5の判定入力画面110上の[結果検索]ボタン121を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定入力画面110から第2の判定支援画面140に一時的に遷移する表示を行う。
【0077】
図7は、第2の判定支援画面140の一例を示す図である。この判定支援画面140上には、文字情報欄142、複数の画像情報欄144、複数の文字情報欄146、及び[戻る]と表記されたボタン148が設けられている。
【0078】
文字情報欄142には、図5のボタン121の操作時点にて入力欄116に入力されていた検索キー(ここでは、スケール値又は種類)が表示されている。
【0079】
画像情報欄144には、過去に目視判定がなされた画像群のうち、文字情報欄142の検索キーに対応付けられた画像が表示されている。文字情報欄146は、画像情報欄144内の画像に関する様々な情報(本図の例では、撮影日時や撮影場所など)が表示されている。本図の例では、情報欄のペア(つまり、画像情報欄144及び文字情報欄146)が、縦方向に沿って一列に並んで配置されている。
【0080】
ここでは、1つ以上の画像情報欄144が、使用者による目視判定を支援するための「判定支援情報」に相当する。使用者は、判定支援画面140上の画像情報欄144の内容を視認することで、主観的な判定基準(あるいは、過去の判定傾向)をその場で確認することができる。これにより、目視判定に伴う判定基準の揺らぎが抑制される。使用者が、判定基準を確認した後、[戻る]ボタン148を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定支援画面140から判定入力画面110に戻る表示を行う。
【0081】
続いて、使用者が、図5の判定入力画面110上の[過去統計]ボタン122を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定入力画面110から第3の判定支援画面150に一時的に遷移する表示を行う。
【0082】
図8は、第3の判定支援画面150の一例を示す図である。この判定支援画面150上には、グラフ情報欄152、入力欄154、画像情報欄156、及び[戻る]と表記されたボタン158が設けられている。
【0083】
グラフ情報欄152には、類似画像の母集団に関する統計グラフ(本図の例では、ヒストグラム)が表示されている。ヒストグラムの横軸はスケール値を示すとともに、ヒストグラムの縦軸は頻度を示している。なお、類似画像は、過去に目視判定がなされた画像群のうち、図5の画像情報欄112内にある判定対象の画像と類似する1つ以上の画像に相当する。
【0084】
入力欄154は、入力欄116(図5)と同様に、大便の性状を選択的に入力するためのユーザコントロールから構成される。入力欄154には、グラフ情報欄152内にあるヒストグラムの最頻値(4:普通便)が「推奨値」として予め選択されている。画像情報欄156には、母集団を形成する類似画像を示す複数のサムネイルが横方向に並んで配置されている。
【0085】
ここでは、グラフ情報欄152が、使用者による目視判定を支援するための「判定支援情報」に相当する。使用者は、判定支援画面150上のグラフ情報欄152の内容を視認することで、過去の判定傾向に基づく推奨値をその場で確認することができる。これにより、目視判定に伴う判定揺らぎが抑制されるとともに、目視判定に伴う作業負担が削減される。使用者が、判定結果の推奨値を確認した後、[戻る]ボタン158を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、判定支援画面150から判定入力画面110に戻る表示を行う。
【0086】
図5に戻って、使用者は、必要に応じて判定支援を受けつつ、入力欄116への入力操作が終了した後に[送信]ボタン126を押すクリック操作又はタップ操作を行うと、使用者端末18は、第2判定結果を示す第2判定データD2を第2画像データIm2と併せてサーバ装置16に送信する。なお、第2判定結果が一旦確定すると、パッシブ表示であった[変更]ボタン125がアクティブに変更される。そして、入力欄116に入力されているスケール値を変更した上で、アクティブ化された[変更]ボタン125を押すことにより、第2判定結果の修正を行うことができる。
【0087】
<3.データ処理動作>
続いて、サーバ装置16によるデータ処理動作について、主に図4を参照しながら説明する。
【0088】
[1]トイレ装置12による自動判定動作が終了した後、サーバ装置16のサーバ側通信部80は、トイレ装置12からの第1判定データD1及び第1画像データIm1をそれぞれ受信する。そして、データ取得部90は、第1判定データD1及び第1画像データIm1を排泄時点と対応付けて取得する。そして、データ処理部92は、データ取得部90により取得された様々なデータを適宜加工して、排泄物DB100を更新するデータ処理を行う。
【0089】
[2]使用者端末18による判定入力動作が終了した後、サーバ装置16のサーバ側通信部80は、使用者端末18からの第2判定データD2及び第2画像データIm2をそれぞれ受信する。そして、データ取得部90は、第2判定データD2及び第2画像データIm2を排泄時点と対応付けて取得する。そして、データ処理部92は、データ取得部90により取得された様々なデータを適宜加工して、排泄物DB100を更新するデータ処理を行う。
【0090】
[3]サーバ装置16のサーバ側制御部82(より詳しくは、判定調整部94)は、使用者からも要求に応じて又は自動的に、第1画像データIm1と第1判定データD1の間の関係性及び第2画像データIm2と第2判定データD2の間の関係性を解析し、判定処理による判定の傾向に近づけるように、第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する。そして、データ処理部92は、判定調整部94による調整結果(つまり、調整後の第2判定結果)を適宜加工して、排泄物DB100を更新するデータ処理を行う。
【0091】
<4.履歴表示動作>
続いて、サーバ装置16及び使用者端末18による履歴表示動作について、図4のブロック図、及び図9図12を参照しながら説明する。図9は、サーバ装置16及び使用者端末18による履歴表示動作の一例を示すシーケンス図である。
【0092】
図9のステップSP10において、使用者端末18は、判定履歴の表示を開始する指示操作(以下、「開始指示操作」ともいう)を受け付けたか否かを確認する。開始指示操作をまだ受け付けていない場合(ステップSP10:NO)、使用者端末18は、この開始指示操作を受け付けるまでの間、ステップSP10に留まる。一方、開始指示操作を受け付けた場合、使用者端末18は、次のステップSP12に進む。
【0093】
ステップSP12において、使用者端末18は、ステップSP10での開始指示操作にて要求された表示条件を取得した後、この表示条件をサーバ装置16に提供する。具体的には、使用者端末18は、使用者の識別情報や日付範囲などの表示条件を含む表示条件データをサーバ装置16に送信する。
【0094】
ステップSP14において、サーバ装置16は、ステップSP12で提供された表示条件を取得する。具体的には、サーバ装置16のデータ取得部90は、使用者端末18から送信された表示条件データを受信することにより表示条件を取得する。
【0095】
ステップSP16において、サーバ装置16(より詳しくは、データ処理部92)は、ステップSP14で取得された表示条件をキーとするデータ処理、つまり、排泄物DB100に対する検索処理を行う。これにより、該当する使用者に関する判定結果情報102が得られる。
【0096】
図10は、判定結果情報102が有するデータ構造の一例を示す図である。本図の例では、判定結果情報102は、使用者ID、排泄日時、画像ファイル名、トイレ情報、及び判定結果(AI/人間)の間の対応関係を示すテーブル形式のデータである。「トイレ情報」は、トイレの位置に関する識別情報を示している。例えば、トイレ装置12にて排便された場合には「トイレ情報」としてトイレ装置12の識別情報が入力され、別のトイレ装置14にて排便された場合には「トイレ情報」として使用者端末18の位置情報が入力される。判定結果の「AI(Artificial Intelligence)」欄には、判定処理の有無、又は第1判定結果が入力される。判定結果の「人間」欄には、目視判定の有無、第2判定結果(判定調整部94による調整前又は調整後)が入力される。
【0097】
図9のステップSP18において、サーバ装置16(より詳しくは、画面生成部96)は、ステップSP16で得られた判定結果情報102を用いて、表示対象である判定履歴画面160(図11)を生成する。具体的には、画面生成部96は、データ処理部92からの判定結果情報102を用いて、判定履歴画面160を可視的に表現するための画面情報を含む表示用データ104を生成する。
【0098】
ステップSP20において、サーバ装置16(より詳しくは、表示指示部98)は、ステップSP18で生成された判定履歴画面160の表示を指示する。具体的には、表示指示部98は、画面生成部96からの表示用データ104を該当する使用者端末18に送信する。
【0099】
ステップSP22において、使用者端末18は、ステップSP20での表示指示に従って判定履歴画面160を表示パネル24に表示させる。以下、使用者端末18は、サーバ装置16との間で必要なデータをやり取りしながら、表示画面の遷移又は更新をリアルタイムで行う。
【0100】
図11は、使用者端末18の表示パネル24に表示される判定履歴画面160の一例を示す図である。この判定履歴画面160上には、文字情報欄162、画像情報欄164、ゲージバー166、及びボタン167,168が設けられている。
【0101】
文字情報欄162には、日付を示す文字列を上下方向に並べて配置してなるカレンダーが表示されている。画像情報欄164には、大便の形状(図6参照)を示す複数のシンボル170が二次元配列をなして表示されている。具体的には、各々のシンボル170は、文字情報欄162内の日付の配列方向を第1方向、ゲージバー166が延びる方向を第2方向として格子状に配置されている。つまり、シンボル170の位置は、各々の排便時点(第1方向は「日付」、第2方向は「時間帯」)を空間的に表現している。なお、シンボル170Aは判定処理により得られた第1判定結果を示すとともに、シンボル170Bは目視判定により得られた第2判定結果を示している。
【0102】
[調整なし]と表記されたボタン167は、判定調整部94による調整が行われる前の第2判定結果を選択するためのユーザコントロールである。[調整あり]と表記されたボタン168は、判定調整部94による調整が行われた後の第2判定結果を選択するためのユーザコントロールである。つまり、ボタン167,168の操作を通じて、第2判定結果の内容を切り替えることができる。
【0103】
図12は、シンボル170の表示態様の一例を示す図である。図12(A)は表示態様の第1例、(B)は表示態様の第2例、及び(C)は表示態様の第3例をそれぞれ示している。各図の左側には、第1判定結果(「AI判定」の結果)に対応するシンボル170Aを示している。一方、各図の右側には、第2判定結果(「人間判定」の結果)に対応するシンボル170Bを示している。
【0104】
図12(A)に示す第1例では、シンボル170A,170Bは、同一の形態を有している。シンボル170A,170Bを同一の時系列に並べて一覧表示することで、使用者が判定履歴画面160を視認する際に、両者の判定結果の区別に対する意識をなくすことができる。
【0105】
図12(B)に示す第2例では、シンボル170A,170Bは、実質的に同一の形態を有している。この場合、シンボル170Bは、シンボル170Aと同一の形態を有する主要部172と、主要部172を囲む太い外縁線からなる残余部174と、から構成される。シンボル170A,170Bを同一の時系列に並べて一覧表示することで、使用者が判定履歴画面160を視認する際に、両者の判定結果の区別に対する意識を低くすることができる。
【0106】
図12(C)に示す第3例では、シンボル170A,170Bは、実質的に同一の形態を有する。この場合、シンボル170Bは、シンボル170Aと同一の形態を有する主要部172と、主要部172から離れて配置されたマークからなる残余部176と、から構成される。シンボル170A,170Bを同一の時系列に並べて一覧表示することで、使用者が判定履歴画面160を視認する際に、両者の判定結果の区別に対する意識を低くすることができる。
【0107】
図9のステップSP24において、使用者端末18は、判定履歴の表示を終了する指示操作(以下、「終了指示操作」ともいう)を受け付けたか否かを確認する。終了指示操作をまだ受け付けていない場合(ステップSP24:NO)、使用者端末18は、この終了指示操作を受け付けるまでの間、ステップSP24に留まる。一方、終了指示操作を受け付けた場合(ステップSP24:NO)、使用者端末18は、次のステップSP26に進む。
【0108】
ステップSP26において、使用者端末18は、ステップSP22で行われていた判定履歴画面160の表示を終了する。このようにして、サーバ装置16及び使用者端末18は、大便の判定履歴を表示させるための履歴表示動作を終了する。
【0109】
<実施形態による作用効果>
以上のように、この実施形態における排泄情報処理装置としてのサーバ装置16は、被判定者(ここでは、使用者)が排泄した大便の画像を示す第1画像データIm1に対する判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データD1を排泄時点と対応付けて取得するとともに、使用者が排泄した大便の現物又は画像に対して目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データD2を排泄時点と対応付けて取得するデータ取得部90と、取得された第1判定データD1に含まれる第1判定結果を示す第1コンテンツ(ここでは、シンボル170A)及び取得された第2判定データD2に含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツ(ここでは、シンボル170B)を含む判定履歴画面160の表示を表示手段(ここでは、表示パネル24)に指示する表示指示部98と、を備える。
【0110】
また、この実施形態における排泄情報処理方法及びプログラムでは、1つ又は複数のコンピュータが、判定処理により得られる第1判定結果を含む第1判定データD1を排泄時点と対応付けて取得するとともに、目視判定により得られる第2判定結果を含む第2判定データD2を排泄時点と対応付けて取得する取得ステップと、第1判定データD1に含まれる第1判定結果を示す第1コンテンツ(つまり、シンボル170A)及び第2判定データD2に含まれる第2判定結果を示す第2コンテンツ(つまり、シンボル170B)を含む判定履歴画面160の表示を表示手段(ここでは、表示パネル24)に指示する指示ステップと、を実行する。
【0111】
また、この実施形態における排泄情報処理システム10は、上記したサーバ装置16と、表示手段(ここでは、表示パネル24)を有し、サーバ装置16と通信可能に構成される端末装置(ここでは、使用者端末18)と、を備える。そして、使用者端末18は、サーバ装置16が備える表示指示部98による指示に応じて判定支援情報を含む画面(ここでは、判定支援画面130,140,150)を表示パネル24に表示させる。
【0112】
[1]表示指示部98は、ユーザ・インターフェースを介して第2判定結果を入力するための判定入力画面110の表示を表示パネル24に指示する。判定入力画面110又は該判定入力画面110とは別の画面(つまり、判定支援画面)には、第2判定結果を第1判定結果に近づけるための判定支援情報(ここでは、テーブル情報欄132、画像情報欄144、グラフ情報欄152)が含まれる。このように、第2判定結果を第1判定結果に近づけるための判定支援情報を含む画面を表示するので、使用者は、判定支援情報を参照しつつ目視判定を行うことが可能となり、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0113】
[2]データ取得部90は、判定処理がなされた第1画像データIm1を排泄時点と対応付けて取得するとともに、目視判定がなされた大便の画像を示す第2画像データIm2を排泄時点と対応付けて取得する。サーバ装置16は、第1画像データIm1と第1判定データの間の関係性及び第2画像データIm2と第2判定データの間の関係性を解析し、判定処理による判定の傾向に近づけるように、第2判定結果の全部又は一部を一括して調整する判定調整部94をさらに備える。このように構成したので、判定調整部94の動作を通じて、画像データと判定結果の間の関係性を考慮しつつ、第2判定結果を第1判定結果に自動的に近づけることが可能となり、大便の現物又は画像に対して目視判定を行う際の判定揺らぎを抑制することができる。
【0114】
[変形例]
本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記した実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0115】
上記した実施形態では、トイレ装置12が画像処理機能の一部を担うエッジコンピューティングの場合を例に挙げて説明したが、画像処理機能の分担方法はこの構成に限られない。例えば、[1]自動判定機能、もしくは[2]物体検出機能及び自動判定機能をサーバ装置16(より詳しくは、図4のサーバ側制御部82)に担わせてもよい。
【0116】
上記した実施形態では、使用者端末18が有するカメラユニット26を用いて大便の画像を撮影する場合を例に挙げて説明したが、使用者端末18の装置構成はこれに限られない。例えば、使用者端末とは別体の撮影機器(例えば、デジタルカメラ)を用いて大便の画像を撮影した後、使用者端末と撮影機器を接続することにより、使用者端末に第2画像データIm2を供給してもよい。
【符号の説明】
【0117】
10…排泄情報処理システム、12…トイレ装置、16…サーバ装置(排泄情報処理装置)、18…使用者端末(端末装置)、90…データ取得部、94…判定調整部、98…表示指示部、110…判定入力画面、130,140,150…判定支援画面、132…テーブル情報欄(判定支援情報)、144…画像情報欄(判定支援情報)、152…グラフ情報欄(判定支援情報)、160…判定履歴画面、170A…シンボル(第1コンテンツ)、170B…シンボル(第2コンテンツ)、D1…第1判定データ、D2…第2判定データ、Im1…第1画像データ、Im2…第2画像データ
図1
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図12