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特開2024-52557X線管に真空を形成するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052557
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】X線管に真空を形成するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/16 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
H01J35/16
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023141892
(22)【出願日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】17/957,135
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ランドール・デイゲン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン・エム・ランプ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】X線管アセンブリの真空環境を形成するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】X線管アセンブリに真空環境を形成するシステムは、第1の端部と第2の端部とを有する真空管を含み、真空管の第1の端部は、X線管アセンブリの支持プレートに溶接され、真空管の第2の端部は、ピンチオフされる又はコールドプレスされて、X線管アセンブリのX線管インサート内に真空環境を密封する。X線管アセンブリ内に真空を形成する方法は、真空管の第1の端部をX線管アセンブリの支持プレートに溶接すること、真空管の第2の端部を真空ポンプに結合すること、真空ポンプを使用してX線管アセンブリに真空環境を形成すること、及び真空管の第2の端部をピンチオフして真空環境を密封することを含む。
【選択図】図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線管のX線管インサートに真空を形成するシステムであって、
X線管インサート、
第1の端部と第2の端部とを有する真空管であって、前記第1の端部は前記X線管インサートに結合されている、真空管、
前記真空管の前記第1の端部を前記X線管インサートに結合するソケット、
延長管であって、前記真空管の第2の端部は前記延長管に結合されている、延長管、
前記真空管の第2の端部を前記延長管に結合するアダプタ、及び
前記X線管インサートに真空を形成する真空ポンプであって、前記延長管に結合された真空ポンプ
を含むシステム。
【請求項2】
前記真空ポンプを前記延長管に結合する継手を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記真空ポンプを前記継手に結合するための締結具を更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記延長管は前記アダプタに溶接されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ソケットは前記X線管インサートの支持プレートに結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ソケットは、前記支持プレートに溶接されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記真空管の第1の端部は、前記ソケットにろう付けされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記真空管の第2の端部は、前記アダプタにろう付けされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記真空管が銅である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ソケットはステンレス鋼である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記アダプタはステンレス鋼である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
X線管インサート内に真空を形成する方法であって、
真空管の第1の端部をソケットに取り付けること、
前記ソケットを前記X線管インサートの支持プレートに取り付けること、
アダプタを前記真空管の第2の端部に取り付けること、
前記アダプタに結合された真空ポンプを使用して、前記X線管インサートに真空環境を形成すること、及び
前記ソケットと前記アダプタとの間において前記真空管をピンチオフして、前記真空環境を密封すること
を含む方法。
【請求項13】
延長管を前記アダプタに取り付けることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記延長管を前記真空ポンプに結合することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記延長管は、継手と複数の締結具とを用いて前記真空ポンプに結合される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ソケットは前記支持プレートに溶接される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記真空管は前記支持プレートにろう付けされる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記真空管は前記アダプタにろう付けされる、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
X線管筐体、
前記X線管筐体内に配置されたX線管インサートであって、陰極アセンブリとアノードアセンブリとを含むX線管インサート、
前記陰極アセンブリと前記アノードアセンブリとの間に結合された支持プレート、
前記X線管インサートの支持プレートに結合された真空管であって、前記X線管インサートは真空環境を含み、前記真空管は、前記X線管インサート内に前記真空環境を密封するように、ピンチされる又はコールドプレスされる、真空管
を含むX線管。
【請求項20】
前記真空管は、前記X線管インサートの支持プレートに溶接されている、請求項19に記載のX線管。
【請求項21】
前記支持プレートに結合されたソケットを更に含む、請求項19に記載のX線管。
【請求項22】
前記真空管は前記ソケットに結合されている、請求項19に記載のX線管。
【請求項23】
前記ソケットは前記支持プレートに溶接されている、請求項19に記載のX線管。
【請求項24】
前記ソケットは前記真空管にろう付けされている、請求項19に記載のX線管。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される対象の実施形態は、X線管アセンブリのシステム及びX線管アセンブリを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線管アセンブリは、X線管インサートに真空環境を含んでいる。真空環境は、X線管アセンブリの製造中に作られる。真空環境は、X線管インサートから延在する真空管を用いて形成される。この真空管は、X線管インサートの開口部の表面に固定されており、製造中にX線管インサートが真空状態に到達した後に密封される。しかし、この方法では、銅材料の無駄が大きくなる、及び/又はX線管アセンブリの修理や整備が困難になる。
【発明の概要】
【0003】
本概要は、発明を実施するための形態において更に詳細に記載される概念を導入するものである。本概要は、請求される対象の本質的な特徴を特定するために使用されるべきではなく、請求される対象の範囲を限定するために使用されるべきでもない。
【0004】
一態様では、真空環境を形成するための装置が、第1の端部と第2の端部とを有する真空管と、前記真空管の第1の端部に結合されたソケットと、前記真空管の第2の端部に結合されたアダプタとを含む。
【0005】
一態様では、X線管の製造方法が、真空管の第1の端部をソケットにろう付けすること、前記真空管をソケットを用いて陽極の基部に取り付けること、アダプタを前記真空管の第2の端部に取り付けること、前記アダプタに結合された真空ポンプを用いて真空管及び陽極に真空環境を形成すること、及び前記真空管の第2の端部の近くで前記真空管をピンチオフして真空環境を密封することを含む。
【0006】
一態様では、X線管のX線管インサートに真空を形成するシステムが、X線管インサートと、第1の端部と第2の端部とを有する真空管であって、前記第1の端部は前記X線管インサートに結合されている、真空管と、前記真空管の前記第1の端部を前記X線管インサートに結合するソケットと、延長管であって、前記真空管の第2の端部は前記延長管に結合されている、延長管と、前記真空管の第2の端部を前記延長管に結合するアダプタと、前記X線管インサートに真空を形成する真空ポンプであって、前記延長管に結合された真空ポンプとを含む。
【0007】
一態様では、X線管インサート内に真空を形成する方法が、真空管の第1の端部をソケットに取り付けること、前記ソケットを前記X線管インサートの支持プレートに取り付けること、アダプタを前記真空管の第2の端部に取り付けること、前記アダプタに結合された真空ポンプを使用して、前記X線管インサートに真空環境を形成すること、及び前記ソケットと前記アダプタとの間において前記真空管をピンチオフして、前記真空環境を密封することを含む。
【0008】
一態様では、X線管が、X線管筐体と、前記X線管筐体内に配置されたX線管インサートであって、陰極アセンブリとアノードアセンブリとを含むX線管インサートと、前記陰極アセンブリと前記アノードアセンブリとの間に結合された支持プレートと、前記X線管インサートの支持プレートに結合された真空管であって、前記X線管インサートは真空環境を含み、前記真空管は、前記X線管インサート内に前記真空環境を密封するように、ピンチされる又はコールドプレスされる、真空管とを含む。
【0009】
本開示は、添付図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより、更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による例示的なX線システムの概略ブロック図を示す。
図2】例示的なX線管のX線管インサートに真空環境を形成するために使用される真空処理アセンブリの概略図を示す。
図3A】例示的な真空処理アセンブリに結合された例示的なX線管のX線管インサートの例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図3B】例示的な真空処理アセンブリに結合された例示的なX線管のX線管インサートの例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図4】X線管のX線管インサートに真空を形成するための例示的な真空処理アセンブリの特定の構成要素を示す。
図5A】X線管のX線管インサートに真空を形成するための例示的な真空処理アセンブリの断面図を示す。
図5B】X線管のX線管インサートに真空を形成するための例示的な真空処理アセンブリの断面図を示す。
図6】例示的な延長管の、例示的な継手を含む第1の端部を示す。
図7】例示的な真空管の第1の端部と、真空管をX線管インサートの支持プレートに接続するためのソケットとを示す。
図8A】X線管インサートに接続された例示的な真空管の実施形態であって、X線管インサートに真空が形成された後にX線管インサートが密封された実施形態を示す。
図8B】X線管インサートに接続された例示的な真空管の実施形態であって、X線管インサートに真空が形成された後にX線管インサートが密封された実施形態を示す。
図9】例示的なX線管インサートに真空を形成する方法を示す。
図10】例示的なX線管インサート内に真空を形成する代替方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の発明を実施するための形態は、システム(例えば、X線撮像システム)及びシステムに備えられているX線管の様々な実施形態に関する。X線管は、X線管のX線ケーシング又は筐体(図示せず)内に配置されるX線管インサートを含む。真空は、X線管の製造中にX線管インサート内に形成される。真空を形成するために、真空管の第1の端部はX線管インサートの支持プレート又はセンターフレームに接続される。真空管の第2の端部は、接続管又は延長管を通じて真空ポンプに接続される。真空ポンプを使用してX線管インサート内に真空を形成する。真空になった後、真空管は密封され、X線管インサートの真空環境が密閉される。別の実施形態では、真空管の第1の端部はX線管インサートの支持プレート又はセンターフレームに接続され、真空管の第2の端部は、接続管又は延長管を使用せずに真空ポンプに接続される。
【0012】
一部の例では、ソケットを使用して真空管の第1の端部を支持プレートに接続する。更に、アダプタを使用して真空管の第2の端部を延長管の第1の端部に結合することができる。一部の例では、延長管の第2の端部は、複数の締結具を有する継手を使用して真空ポンプに結合される。
【0013】
X線システムは図1に示されている。X線システムは、X線を発生させる機能を有するX線コントローラに連結されたX線管を含む。図2は、X線管のX線管インサート内に真空環境を形成するために使用される真空処理アセンブリの概略図を示す。図3A及び図3Bは、真空環境を形成するための例示的な真空処理アセンブリに結合された例示的なX線管の例示的なX線管インサートの一実施形態の部分断面図を示す。図4は、例示的なX線管の例示的なX線管インサート内に真空を形成するために、例示的なX線管インサートの支持プレート又は中心フレームに結合された真空処理アセンブリの例示的な実施形態の特定の構成要素を示す。図5は、図4の例示的な管アセンブリの断面図である。図6は、例示的な延長管の第1の端部を示し、この第1の端部は、延長管を真空ポンプに接続するための継手を含む。図7は、例示的な真空管の第1の端部と、真空管をX線管インサートの支持プレートに接続するためのソケットとを示す図である。図8A及び図8Bは、X線管インサートに接続された真空管であって、X線管インサートに真空が形成された後にピンチオフされた真空管の例を示す図である。図9は、例示的なX線管インサートに真空を形成する方法を示す図である。図10は、例示的なX線管インサートに真空を形成する別の方法を示す図である。
【0014】
図2図8は、様々な構成要素の相対的な位置関係を表す例示的な構成を示している。互いに直接的に接触している、又は直接的に結合しているように示されている場合、そのような要素は、少なくとも1つの実施例において、それぞれ、直接的に接触している、又は直接的に結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続する又は隣接するように示された要素は、少なくとも一実施例において、それぞれ、互いに連続する又は互いに隣接することができる。一例として、互いに面接触している構成要素は、面接触していると呼ぶことができる。別の例として、少なくとも一例において、互いに離れて配置された要素が、要素と要素との間にスペースのみが存在し、他の構成要素が存在しない場合、互いに離れた要素と呼ぶことができる。また、別の例として、互いに上/下、互いに反対側、又は互いに左/右に示される要素は、互いに対して、上/下、反対側、又は左/右の要素と呼ぶことができる。更に、図に示すように、少なくとも1つの例では、最上部の要素又は要素の最上点は、構成要素の「上部」と呼ぶことができ、最下部の要素又は要素の最下点は、構成要素の「下部」と呼ぶことができる。本明細書では、上部/底部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸に対する相対的なものを表しており、図の要素の互いの位置を説明するために使用される。このように、他の要素の上に示される要素は、一例として、他の要素の上に垂直に配置される。更に別の例として、図に示された要素の形状は、それらの形状を有するもの(例えば、円形のもの、直線のもの、平面のもの、曲線のもの、丸みのあるもの、面取りされたもの、角度が付けられたものなど)と呼ぶことができる。更に、互いに交差するように示された要素は、少なくとも一例において、交差する要素又は互いに交差するものと呼ぶことができる。更に、別の要素内に示された要素、又は別の要素の外側に示された要素は、一例では、別の要素内に示されている又は別の要素の外側に示されていると呼ぶことができる。
【0015】
図1は、被検体又は物体102を撮影するためにX線を発生するように設計されたX線システム100を示す。X線システム100は、図1において、イメージングシステム(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)システム、X線撮影システム、透視システム、インターベンショナルシステム、断層撮影システム等)として構成することができる。しかし、X線システム100は、イメージングや医用機器等の分野以外にも適用可能である。例えば、X線システム100は、結晶撮影システム、セキュリティスキャナ、産業用スキャナ、非破壊検査アプリケーション、X線写真システム等に適用してもよい。撮像システムの例では、X線システム100は、物体又は被検体102(患者、無生物、手荷物、パイプライン、1つ以上の製造部品、及び/又は異物など)を撮影するように構成することができる。
【0016】
X線システム100は、X線放射ビーム106を生成し、撮影される被検体又は物体102に向けてX線放射ビーム106を照射するように構成された少なくとも1つのX線管104を含むことができる。具体的には、図示の実施形態では、X線管104は、X線放射ビーム106を照射するように構成されており、X線放射ビーム106は被検体102を通過してX線検出器108に向かう。幾つかのシステム構成では、X線管104は、デカルト座標系のX-Y-Z平面内に位置するようにコリメートされた扇形又は円錐形のX線放射ビームを照射することができる。しかしながら、他のビームプロファイル及び/又はシステムも考えられる。X線検出器108の各検出素子は、検出素子位置におけるX線ビーム減衰の測定値である個別の電気信号を生成する。
【0017】
図1には、1つのX線管104及び1つのX線検出器108のみが示されているが、特定の実施形態では、複数のX線管及び/又は複数のX線検出器を使用して、複数のX線放射ビームを投影し、当該ビームを検出してもよい。例えば、CT装置の使用例では、複数の検出器が複数のX線管と協力するように使用され、異なるエネルギーレベルにおける被検体に対応する投影データを取得することができる。
【0018】
X線システム100は、X線管104に電力及び/又はタイミング信号を供給するように構成されたX線コントローラ110又はX線発生器を更に含むことができる。また、そのシステムは、X線検出器素子から受信したアナログデータをサンプリングし、アナログデータを後処理できるようにデジタル信号に変換するデータ収集システムを含むことができる。
【0019】
特定の実施形態では、X線システム100は、プロセッサ114を有するコンピューティング装置112であって、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御するコンピューティング装置112を更に含むことができる。コンピューティング装置112は、コンピューティング装置112に動作可能に結合されたオペレータコンソール116を通じて、例えば、コマンド及び/又は走査パラメータを含むオペレータ入力を受信する。オペレータコンソール116は、キーボード、タッチスクリーン、並びに/又はオペレータがコマンド及び/若しくは走査パラメータを指定することを可能にする他の適切な入力デバイス(図示せず)を含むことができる。
【0020】
図1には、オペレータコンソール116が1つだけ図示されているが、例えば、システムパラメータを入力又は出力する、検査をリクエストする、データをプロットする、及び/又は画像を閲覧するために、複数のオペレータコンソールがX線システム100に含まれていてもよい。更に、ある実施形態では、X線システム100は、例えば、ローカル又はリモートで配置され、例えば、有線及び/又は無線のネットワークを通じて接続された複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及び/又は同様のデバイスに結合することができる。一実施形態では、ディスプレイ120は、コンピューティング装置112と電子通信することができ、システムパラメータ、制御設定、イメージングデータなどを示すグラフィカルインタフェースを表示するように構成することができる。
【0021】
一例では、コンピューティング装置112は、データを記憶装置118に記憶する。記憶装置118としては、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク読み書き(CD-R/W)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、及び/又はソリッドステートストレージドライブ、又は他のタイプの適切な記憶装置がある。
【0022】
更に、コンピューティング装置112は、システム動作を制御するために(X線ビームを形成する、データを収集する、及び/又はデータを処理するなど)、X線コントローラ110及び他のシステム構成要素にコマンドを提供する。このように、特定の実施形態では、コンピューティング装置112は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。具体的には、コンピューティング装置112は、オペレータから供給された及び/又はシステムで定義されたコマンド及びパラメータを用いてX線コントローラ110を動作させることができ、X線コントローラ110はX線管104を制御することができる。このようにして、X線ビーム発生の強度及びタイミングを制御することができる。また、X線管の陽極ターゲットの回転速度は、コンピューティング装置112がX線コントローラ110と協力して調整できることも理解される。陽極ターゲットは、液体金属軸受アセンブリに結合された回転要素とすることができる。
【0023】
様々な方法及びプロセスは、X線システム100のコンピューティング装置(又はコントローラ)の非一時的メモリに実行可能な命令として記憶することができる。一実施形態では、X線コントローラ110は、非一時的メモリに実行可能な命令を含み、X線管104を制御する方法を実行することができる。別の実施形態では、コンピューティング装置112は、非一時的メモリに命令を含み、X線コントローラ110に少なくとも一部の命令を伝送し、X線コントローラ110はX線管出力を調整することができる。
【0024】
図2は、例示的なX線管のX線管インサート202に真空環境を形成するために使用される真空処理アセンブリ200の概略図を示す。図2の例示的な概略図は縮尺通りに示されていない図であり、例示的なX線管のX線管インサート202内に真空環境を形成するための真空処理アセンブリ200の構成要素を表す一般的な概略図である。例示的な真空処理アセンブリ200は、管アセンブリの1つ又は複数の部分を通じてX線管インサート202に結合された真空ポンプ204を更に含む。真空ポンプ204は、X線管の製造中に真空環境を形成する。管又はパイプの第1の部分は、真空管206である。銅は優れた真空環境を作り出すので、X線管インサート202に結合される真空管の好適な材料である。しかし、銅の代わりに他の好適な材料を真空管206に用いてもよい。真空管206の第1の端部は、アダプタ210を介して延長管208の第1の端部に接続することができる。例示的な真空管206は、ソケット212を通じてX線管インサート202に結合された第2の端部を含む。延長管208の第2の端部は、継手214を介して真空ポンプに結合されている。図示の実施例では、延長管208により、真空ポンプ204をX線管インサート202から離れた位置に配置することができる。例えば、製造上の制約により、X線管インサート202と真空ポンプ204との間に特定の長さのチューブ又は配管が必要となることがある。別の実施例では、真空管の第2の端部は、継手によって真空ポンプに直接に結合することができる。様々な長さの真空管206又は延長管208を、製造要件を満たすように使用することができる。更に、延長管208を使用すると、製造中に無駄になる銅が少なくなるため、長い真空管206を使用するよりも有利である。更に、延長管208は、製造工程のうち、真空環境がX線管インサート202内に形成される工程の間だけ、真空管206に取り付けることができる。したがって、製造時間の大部分においてX線管インサート202に取り付けられる管の長さが短くなり、操作が容易になる。
【0025】
例示的なアダプタ210は、真空管206の端部と延長管208の端部を接合するように取り付けるためのスリーブ部分を含む。ある実施例では、真空管206の直径と延長管208の直径は異なるが、他の実施例では、真空管206の直径と延長管208の直径は同じであり、従って、アダプタは2つの端部の間を強固に接続する。例示的なアダプタは、適切な手段(ろう付け及び/又は溶接など)を用いて真空管206及び延長管208に結合することができる。例示的なソケット212は、適切な手段(ろう付け及び/又は溶接など)を用いて、例示的なX線管インサート202及び/又は例示的な真空管206に結合することができる。例示的な継手214は、適切な手段(溶接を含む)を用いて延長管208に結合することができ、また、例えば、複数の取外し可能な締結具(ボルト、ねじ又は他の種類の締結具など)を用いて真空ポンプ204に結合することができる。
【0026】
図3Aは、一実施形態による真空処理アセンブリ200に結合されたX線管インサート202の一部断面図である。図示の実施形態では、X線管インサート202は、陽極アセンブリ306と陰極アセンブリ314とを含む。陽極アセンブリ306及び陰極アセンブリ314は、支持プレート又は中心フレーム308に結合され、筐体又はケーシング(図示せず)内に支持されている。筐体又はケーシングは、陽極ターゲット及び軸受アセンブリ(図示せず)を含む陽極アセンブリ306と、陰極アセンブリ314とを囲んでいる。X線管インサート202は、周囲に比べて比較的低圧の領域又は圧力の掛かっていない領域(例えば、真空)を画定し、この領域では高電圧が印加される。X線管インサート202は、高電圧絶縁も可能な冷却媒体(誘電体油など)で満たされたケーシング又は筐体(図示せず)内に配置することができる。陽極ターゲット及び陽極アセンブリは、X線管インサート202の共通の構成要素であるとして記載されたが、X線管の代替の実施形態では、陽極ターゲット及び陽極アセンブリは別の構成要素であってもよい。支持プレート又は中心フレーム308は、陽極アセンブリ306及び陰極アセンブリ314を支持する。陽極アセンブリ306及び陰極アセンブリ314は、ろう付け及び/又は溶接によって支持プレート308に取り付けることができる。
【0027】
動作中、電子ビームは陰極アセンブリ314によって生成される。特に、陰極アセンブリ314は、複数の電気ケーブル、リード線又はワイヤを通じて1つ又は複数の電気信号を受け取る。電気信号は、陰極アセンブリ314に1つ又は複数のエネルギー及び1つ又は複数の周波数で電子ビームを放出させる電力及びタイミング信号/制御信号を含むことができる。また、電気信号は、陰極アセンブリ314と陽極アセンブリ306との間の電位を少なくとも部分的に制御することができる。一部の実施形態では、陰極カップは、陰極カップ内のフィラメント又は他の電子放出体から放出された電子を集束させて電子ビームを形成する集束要素を含む。
【0028】
陰極アセンブリ314のエミッタからの電子ビームの高速電子は、陽極アセンブリ306内の陽極ターゲットの表面に形成されたターゲットトラックに衝突すると急激に減速し、X線が生成される。電子ビームを形成する高速電子は、電子と陽極ターゲットとの間の電位差によって陽極ターゲットに向かって加速される。X線は、X線管インサート202に形成されたX線放出窓310であって、図1のX線検出器108に向けて配置されたたX線放出窓310を通過し、放出される。
【0029】
陽極アセンブリ306は、陽極アセンブリ306の一端に配置され、動作中に陽極ターゲットを回転させるためのロータ及びステータ312を含む。陽極ターゲットは、ベアリングアセンブリによって回転可能に支持されており、このベアリングアセンブリが回転すると、陽極ターゲットも中心線回りに回転する。陽極ターゲットは、ディスクのような概ね環状の形状を有し、陽極ターゲットの中心にはベアリングアセンブリを受け入れる環状開口部を有している。
【0030】
陽極ターゲットは、複数の金属又は複合材料(タングステン、モリブデン、又は陽極ターゲットに電子が衝突したときに制動放射(すなわち、減速放射)に寄与する任意の材料など)を含むように製造することができる。陽極ターゲットのターゲットトラックは、電子がターゲットトラックに衝突することによって発生する熱に耐えるために、比較的高い耐火度を有するように選択することができる。更に、X線管インサート202内の空間であって、陰極アセンブリ314と陽極アセンブリ306との間の空間は、電子と他の原子との衝突を最小にし、電位を最大にするために、真空圧力になっている。
【0031】
電子が陽極ターゲットに衝突したときの陽極ターゲットの過熱を回避するために、ロータは、中心線を中心として陽極ターゲットを高速(例えば、90Hz~250Hz)で回転させる。X線管インサートの陽極アセンブリ内で陽極ターゲットが回転することに加えて、CTの用途では、X線管全体が、ガントリ(図示せず)内で、典型的には1Hz又はそれ以上の速度で、撮影される物体又は被検体の周りを回転する。
【0032】
また、図3Aは、X線管インサート202内に真空環境を形成するための例示的な真空処理アセンブリ200を示している。例示的な真空処理アセンブリ200は、図2の関連で説明したように、真空管206、アダプタ210、及び延長管208を含む。ただし、例示的な延長管208は、バルブスリーブ302又はアダプタを使用してバルブ304に結合されている。バルブ304は真空ポンプ204に結合されている。バルブ304は、真空ポンプ204がX線管インサート202内に真空環境を形成することができるように開くことができる。バルブ304は、溶接や締結具を含む任意の適切な方法で真空ポンプ204に結合することができる。
【0033】
図3Bは、一実施形態による真空処理アセンブリ200に結合されたX線管インサート202の代替例の部分断面図を示す。図3Aと同様に、図3Bの図示された実施形態では、X線管インサート202は、陽極アセンブリ306と陰極アセンブリ314とを含む。
【0034】
また、図3Bは、X線管インサート202内に真空環境を形成するための代替の例示的な真空処理アセンブリ200も示している。例示的な真空処理アセンブリ200は、図2で説明したような例示的な真空管206を含む。しかし、例示の真空管は、真空管206がアダプタ210及び延長管208に結合されるのではなく、バルブスリーブ214又はアダプタを使用してバルブ304に直接的に結合されている。バルブ304は真空ポンプ204に結合されている。バルブ304は、真空ポンプ204がX線管インサート202内に真空環境を形成することができるように開くことができる。
【0035】
図4及び図5Aは、X線管インサート202内に真空環境を形成するための例示的な真空処理アセンブリ200の更に詳細な図であり、真空処理アセンブリ200は、真空管206、延長管208、アダプタ210、例示的なソケット212、及び例示的な継手214の例示的な実施形態を含んでいる。図5Bは、代替の例示的な処理アセンブリ200を示す。例示的な真空処理アセンブリ200は、例示的な真空管206を含む。しかしながら、例示の真空管は、真空管206がアダプタ210及び延長管208に結合されるのではなく、バルブスリーブ214又はアダプタを用いてバルブ304に直接に結合される。他の例示的な実施形態では、図4の例示的な実施形態に関して説明した構成要素とは異なる他の構成要素又は追加の構成要素を含むことができる。図示の例では、真空管206は延長管208よりも短いが、真空管206又は延長管208のいずれかは、製造環境の制約に適合するのに必要な長さ又は製造環境の制約に適合するのに求められる長さとすることができる。
【0036】
図4及び図5Aに示す実施例では、真空管206は、X線管インサート202の支持板プレートは中央フレーム308にソケット212を介して結合されている。例示のソケット212は環状リングを含んでおり、環状リングには真空管206の第2の端部が挿入されている。真空管206は環状リングにろう付けすることができる。環状リングは支持プレート308の表面から延在する。ソケット212は、支持プレート308の対応する環状溝にはめ込まれる環状のU形状部分を更に含むことができる。このU形状部分は、支持プレートに溶接されてもよいし、支持プレートに恒久的に固定されてもよい。真空環境を形成することができる方法で真空管をX線管インサート202に接続するソケットであれば、他の構成のソケットを用いてもよい。例示のソケット212は鋼(例えば、ステンレス鋼)であるが、代わりに他の適切な金属を用いてもよい。図7は、支持プレート308に溶接されているソケット212の端部を、支持プレートの反対側から見た図である。真空環境が破壊された場合(例えば、X線管インサートの損傷又は摩耗のため)、及び/又はX線管インサートを修理する必要がある場合、例示の真空管206を取り外し、ソケット212を機械加工して、X線管インサート202を新しい真空管部分及びソケットと共に再使用することができる。
【0037】
真空管206の第2の端部はアダプタ210の内面にろう付けされている。例示のアダプタ210は、真空管206に隣接するフランジ部を含む。更に、アダプタの内側環状溝は、真空管をアダプタにろう付けすることに適合している。例示のアダプタ210は、延長管208の大部分の外径に等しい外径を有するスリーブ部分まで、延長管208の方向にテーパがつけられている。延長管208の端部は、延長管208がアダプタ210内に収まるように、わずかに小さい直径を有している。延長管208がアダプタ210に挿入され、真空ポンプが作動する前に、延長管208はアダプタ210に溶接される。アダプタが真空管から取り外された後(例えば、真空管がピンチオフされた後)、アダプタを機械加工して延長管を再利用することができ、これにより材料の無駄を省くことができる。例示のアダプタは鋼(例えばステンレス鋼)である。
【0038】
例示的な継手214は延長管208の第2の端部に設けられている。一部の例では、継手214は延長管208と一体化されていてもよい。あるいは、継手214は延長管208の端部に溶接してもよいし、他の方法で固定してもよい。例示の継手214は真空ポンプ204に取外し可能に固定されている。図6は、継手214の端部を示しており、継手214は、継手214を真空ポンプ204に接続するために使用することができる締結具602を含んでいる。例示の締結具は、ねじ、ボルトであるが、その代わりに、他の適切な締結具(クリップ、ピンなど)を使用してもよい。
【0039】
図8Aは、真空管206の端部をピンチする又はコールドプレスすることでX線管インサート202の真空環境を密封した後に、ソケット212を用いて支持プレート308に結合された例示的な真空管206を示している。図8Aに示すように、真空管206は、ソケット212とアダプタ210との間でピンチオフされる。真空管206はソケット212とアダプタ210又は真空管204との間であればどの箇所でもピンチオフすることができるが、X線管インサート202から延在する管の長さを短くするために、真空管206をソケットに近い位置でピンチオフすることが望ましい。
【0040】
図8Bは、真空管206の端部をピンチする又はコールドプレスすることでX線管インサート202の真空環境を密封した後の別の例の真空管206を示す。しかし、図8Bに示す例示的な真空管206は、ソケット212を使用して支持プレートに連結されているのではなく、支持プレート308に直接的に連結されている。図8Bに示すように、真空管206は、ソケット212とアダプタ210との間でピンチオフされている。真空管206は、支持プレート308とアダプタ210又は真空ポンプ204との間のどの箇所でもピンチオフすることができるが、X線管インサート202から延在する管の長さを短くするために、真空管206をソケットに近い位置でピンチオフすることが望ましい。
【0041】
図9は、本明細書に記載された例示的な実施形態を使用してX線管インサート202に例示的な真空環境を形成する例示的な方法900を示す。方法900はブロック902から始まり、ブロック902では、真空管206及びソケット212を支持プレート308に接続する。真空管206は、製造工程の初期の段階で支持プレート308に接続される。上述したように、ソケット212は支持プレート308に溶接され、真空管はソケット212にろう付けされる。このときに、アダプタ210も真空管206にろう付けされる。
【0042】
次に、真空環境を形成するときに、延長管208がアダプタ210に溶接される(ブロック904)。アダプタ210がまだ真空管206に結合されていない場合は、まずアダプタ210が真空管206にろう付けされる。継手214が延長管208に組み込まれていない場合は、継手214も延長管208に溶接される。
【0043】
ブロック906において、真空ポンプ204は、継手214を介して延長管208に結合される。図4図7に示された例では、継手214は、締結具602を用いて真空ポンプ204に結合されている。
【0044】
ブロック908では、真空ポンプを作動させてX線管インサート202内に真空環境を形成する。次に、ブロック910で、真空管206がピンチされる又はコールドプレスされ、X線管インサート202内の真空環境が密封される。これで方法900が終了する。
【0045】
図10は、本明細書に記載された例示的な実施形態を使用してX線管インサート202に例示的な真空環境を形成する例示的な方法1000を示す。方法1000は、ブロック1002から始まり、ブロック1002では、真空管206と、一部の例ではソケット212が支持プレート308に接続される。真空管206は、製造工程の初期の段階で支持プレート308に接続される。上述したように、真空管206がソケット212に接続される場合、ソケット212は支持プレート308に溶接され、真空管はソケット212にろう付けされる。
【0046】
ブロック1004において、真空ポンプ204は、継手214を介して真空管208に結合される。図4図7に示された例では、継手214は、締結具602を用いて真空ポンプ204に結合される。
【0047】
ブロック1006では、真空ポンプを作動させてX線管インサート202内に真空環境を形成する。次に、ブロック1008において、真空管206をピンチする又はコールドプレスして、X線管インサート202内の真空環境を密封する。これで方法1000が終了する。
【0048】
X線管インサート内に真空を形成する例示的なシステムを使用する技術的効果は、延長管208とソケット及びX線管202が再使用可能なので材料の浪費が削減されることである。更に、長い真空管の代わりに延長管を使用することにより、銅を無駄にすることが少なくなる。短い真空管を使用することで、真空環境を形成する前の製造上の懸念や制約を減らすことができる。
【0049】
本開示の様々な実施形態の要素を導入する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「この(the)」は、その要素が1つ以上存在することを意味することが意図されている。用語「第1」、「第2」などは、順序、量、又は重要性を示すものではなく、ある要素を他の要素から区別するために使用されるものである。用語「含む」、「備える」、「有する」は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。本明細書において、用語「に接続される」、「に結合される」などが使用される場合、1つの対象(例えば、材料、要素、構造、部材等)は、1つの対象が他の対象に直接に接続されている又は直接に結合されているかどうか、又は1つの対象と他の対象との間に1つ以上の介在物が存在しているかどうかにかかわらず、他の対象に接続する又は結合することができる。加えて、本開示の「1つの実施形態」又は「実施形態」に言及することは、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するように解釈されることを意図するものではないことが理解されるべきである。本明細書において、「約」及び「実質的に」は、特に断りのない限り、±5%以内の値を表す。
【0050】
先に示された修正形態に加えて、本記載の趣旨及び範囲を逸脱することなく、当業者によって多くの他の変形形態及び代替構造が考えられ、特許請求の範囲には、このような修正形態、構造、及び実施形態が含まれることが意図される。したがって、上記の情報は、現在最も実用的で好ましい態様であると考えられるものに関して特に詳細に記載されているが、当業者には、本明細書に記載された原則及び概念から逸脱することなく、形態、機能、操作方法、及び使用方法(これらに限定されることはない)などについて、多くの修正形態が可能であることが明らかである。また、本明細書において、実施例及び実施形態は、あらゆる点において単なる例示であることを意味しており、いかなる方法においても限定的に解釈されるべきではない。
【0051】
[実施形態1]
X線管のX線管インサートに真空を形成するシステムであって、
X線管インサート、
第1の端部と第2の端部とを有する真空管であって、前記第1の端部は前記X線管インサートに結合されている、真空管、
前記真空管の前記第1の端部を前記X線管インサートに結合するソケット、
延長管であって、前記真空管の第2の端部は前記延長管に結合されている、延長管、
前記真空管の第2の端部を前記延長管に結合するアダプタ、及び
前記X線管インサートに真空を形成する真空ポンプであって、前記延長管に結合された真空ポンプ
を含むシステム。
[実施形態2]
前記真空ポンプを前記延長管に結合する継手を更に含む、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態3]
前記真空ポンプを前記継手に結合するための締結具を更に含む、実施形態2に記載のシステム。
[実施形態4]
前記延長管は前記アダプタに溶接されている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態5]
前記ソケットは前記X線管インサートの支持プレートに結合されている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態6]
前記ソケットは、前記支持プレートに溶接されている、実施形態5に記載のシステム。
[実施形態7]
前記真空管の第1の端部は、前記ソケットにろう付けされている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態8]
前記真空管の第2の端部は、前記アダプタにろう付けされている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態9]
前記真空管が銅である、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態10]
前記ソケットはステンレス鋼である、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態11]
前記アダプタはステンレス鋼である、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態12]
X線管インサート内に真空を形成する方法であって、
真空管の第1の端部をソケットに取り付けること、
前記ソケットを前記X線管インサートの支持プレートに取り付けること、
アダプタを前記真空管の第2の端部に取り付けること、
前記アダプタに結合された真空ポンプを使用して、前記X線管インサートに真空環境を形成すること、及び
前記ソケットと前記アダプタとの間において前記真空管をピンチオフして、前記真空環境を密封すること
を含む方法。
[実施形態13]
延長管を前記アダプタに取り付けることを更に含む、実施形態11に記載の方法。
[実施形態14]
前記延長管を前記真空ポンプに結合することを更に含む、実施形態12に記載の方法。
[実施形態15]
前記延長管は、継手と複数の締結具とを用いて前記真空ポンプに結合される、実施形態13に記載の方法。
[実施形態16]
前記ソケットは前記支持プレートに溶接される、実施形態11に記載の方法。
[実施形態17]
前記真空管は前記支持プレートにろう付けされる、実施形態11に記載の方法。
[実施形態18]
前記真空管は前記アダプタにろう付けされる、実施形態11に記載の方法。
[実施形態19]
X線管筐体、
前記X線管筐体内に配置されたX線管インサートであって、陰極アセンブリとアノードアセンブリとを含むX線管インサート、
前記陰極アセンブリと前記アノードアセンブリとの間に結合された支持プレート、
前記X線管インサートの支持プレートに結合された真空管であって、前記X線管インサートは真空環境を含み、前記真空管は、前記X線管インサート内に前記真空環境を密封するように、ピンチされる又はコールドプレスされる、真空管
を含むX線管。
[実施形態20]
前記真空管は、前記X線管インサートの支持プレートに溶接されている、実施形態19に記載のX線管。
[実施形態21]
前記支持プレートに結合されたソケットを更に含む、実施形態19に記載のX線管。
[実施形態22]
前記真空管は前記ソケットに結合されている、実施形態19に記載のX線管。
[実施形態23]
前記ソケットは前記支持プレートに溶接されている、実施形態19に記載のX線管。
[実施形態24]
前記ソケットは前記真空管にろう付けされている、実施形態19に記載のX線管。




【符号の説明】
【0052】
100 X線システム
102 被検体
104 X線管
106 X線放射ビーム
108 X線検出器
110 X線コントローラ
112 コンピューティング装置
114 プロセッサ
116 オペレータコンソール
118 記憶装置
120 ディスプレイ
200 真空処理アセンブリ
202 X線管インサート
204 真空ポンプ
206 真空管
208 延長管
210 アダプタ
212 ソケット
214 継手
302 バルブスリーブ
304 バルブ
306 陽極アセンブリ
308 支持プレート
310 X線放出窓
312 ステータ
314 陰極アセンブリ
602 締結具
900 方法
1000 方法

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【外国語明細書】