(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052609
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】平面トランス
(51)【国際特許分類】
H01F 30/10 20060101AFI20240404BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240404BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20240404BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240404BHJP
H01F 27/36 20060101ALI20240404BHJP
H01F 27/38 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01F30/10 C
H01F30/10 D
H01F30/10 J
H01F30/10 M
H01F17/04 A
H01F17/04 F
H01F27/00 160
H01F27/28 K
H01F27/28 147
H01F27/28 152
H01F27/28 123
H01F27/36 120
H01F27/38
H01F30/10 F
H01F30/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】36
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023168702
(22)【出願日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202211209817.0
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311225728.X
(32)【優先日】2023-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505326623
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】31-1 Xingbang Road, Guishan Industrial Zone, Taoyuan City 33370, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】顔▲ジュン▼靖
(72)【発明者】
【氏名】曹越
(72)【発明者】
【氏名】張少東
(72)【発明者】
【氏名】頼志和
(72)【発明者】
【氏名】秦英傑
【テーマコード(参考)】
5E043
5E058
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AA01
5E043AA08
5E043AB02
5E043BA01
5E043EA01
5E058BB17
5E058BB19
5E058CC03
5E058CC05
5E070AA11
5E070AB01
5E070BA08
5E070CA16
5E070CB16
5E070CB18
5E070CC02
5E070DA11
5E070DB01
5E070DB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造サイクルを短縮し、フォールトトレランスが高く、製造コストが低く、調整性が高い平面トランスを提供する。
【解決手段】平面トランス1は、磁芯アセンブリ、少なくとも1つのプリント基板3及び少なくとも1つのコイルモジュール4を含み、磁芯アセンブリは、第1磁芯20及び第2磁芯21を含む。少なくとも1つのプリント基板は、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第1コイルを含み、少なくとも1つのコイルモジュールは、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第2コイル及び射出成形層41を含み、射出成形層は、第2コイルの外面を覆い、プリント基板及びコイルモジュールは、それぞれ独立素子である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面トランスであって、前記平面トランスは、磁芯アセンブリと、少なくとも1つのプリント基板と、少なくとも1つのコイルモジュールとを含み、
前記磁芯アセンブリは、第1磁芯及び第2磁芯を含み、
前記プリント基板は、前記第1磁芯及と前記第2磁芯との間に設けられ、第1コイルを含み、
前記コイルモジュールは、前記第1磁芯及と前記第2磁芯との間に設けられ、第2コイル及び射出成形層を含み、前記射出成形層は、第2コイルの外面の少なくとも一部を覆い、
前記プリント基板及び前記コイルモジュールは、それぞれ独立素子である、ことを特徴とする平面トランス。
【請求項2】
前記第1コイルは、前記平面トランスの一次側コイル及び二次側コイルのうちの一方を構成し、前記第2コイルは、前記平面トランスの前記一次側コイル及び前記二次側コイルのうちの他方を構成する、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項3】
前記第2コイルの厚さは、0.01mm以上であり、且つ1.5mm以下であり、前記射出成形層の厚さは、0.4mm以上であり、0.8mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項4】
前記射出成形層は、前記プリント基板に対応する位置に設けられる収容部を含み、
前記収容部は、前記射出成形層の表面が内に向かって凹んで形成され、
前記プリント基板は、前記収容部内に位置決められて設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項5】
前記射出成形層は、前記射出成形層の第1側に位置する第1端子部を含み、
前記第1端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記平面トランスは、更に、少なくとも1つの第1接続端子を含み、
前記第1接続端子は、前記第1端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、前記第1接続端子は、前記第1端子部の上部表面及び下部表面に露出されて前記第1端子部の方向に垂直する方向に延在され、前記第1接続端子は、前記第1コイルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項6】
前記プリント基板は、少なくとも1つの欠きを含み、前記欠きは、前記プリント基板における前記第1端子部に隣接する側の縁部から内に向かって凹んで形成され、前記欠きは、対応する前記第1接続端子の少なくとも一部を収容する、ことを特徴とする請求項5に記載の平面トランス。
【請求項7】
前記射出成形層は、前記射出成形層の前記第1側に対向する第2側に位置する第2端子部を含み、前記第2端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記コイルモジュールは、更に、少なくとも1つの第2接続端子を含み、
前記第2接続端子は、前記第2端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、前記第2接続端子は、更に前記第2端子部の上部表面又は下部表面に露出されて前記第2端子部の方向に垂直する方向に延在し、前記第2接続端子は、前記第2コイルに電気的接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の平面トランス。
【請求項8】
前記第2接続端子は、第1湾曲部及び第2湾曲部を含み、
前記第1湾曲部は、前記第2コイルと前記第2湾曲部との間に接続され、その少なくとも一部は、前記第2端子部内に設けられ、前記第1湾曲部は、第2コイルの一端部が少なくとも1回湾曲されて形成され、
前記第2湾曲部の少なくとも一部は、前記第2端子部の上部表面又は下部表面に露出されて前記第2端子部に垂直する方向に延在し、前記第2湾曲部は、前記第1湾曲部の一端部が1回湾曲されて形成され、湾曲部分において∪形構造を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の平面トランス。
【請求項9】
前記第2コイルは、導電シートをプレス加工することによって形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項10】
前記第2コイルは、更に、表面及び凹部を含み、
前記凹部は、前記第2コイルの前記表面が内に向かって凹んで形成される、ことを特徴とする請求項9に記載の平面トランス。
【請求項11】
前記平面トランスは、更に、前記磁芯アセンブリと前記プリント基板の接地端との間に設けられる導電性接着剤を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項12】
前記プリント基板は、1層以上で形成され、
前記プリント基板は、少なくとも1つの補助コイル及び少なくとも1つの遮断構造を含み、
前記補助コイルは、制御信号?を構成し、前記第1コイルとともに平面トランスの一次側コイル又は二次側コイルを構成し、前記遮断構造は、金属導体構造であり、前記プリント基板は、前記第1コイルを含み、前記プリント基板の各層は、前記第1コイル、前記補助コイル及び前記遮断構造のうちの少なくとも一方を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項13】
前記第2コイルは、巻線で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の平面トランス。
【請求項14】
平面トランスであって、前記平面トランスは、磁芯アセンブリと、少なくとも1つのプリント基板と、導磁シートと、少なくとも1つのコイルモジュールとを含み、
前記磁芯アセンブリは、第1磁芯及び第2磁芯を含み、
前記プリント基板は、前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、且つ第1コイルを含み、
前記導磁シートは、漏れインダクタンスのために前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、
前記コイルモジュールは、前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、且つ第2コイル及び射出成形層を含み、前記射出成形層は、前記第2コイルの外面の少なくとも一部を覆い、
前記プリント基板及び前記コイルモジュールは、それぞれ独立素子である、ことを特徴とする平面トランス。
【請求項15】
前記射出成形層は、前記射出成形層の第1側に位置する第1端子部を含み、前記第1端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記平面トランスは、更に、少なくとも1つの第1接続端子を含み、
前記第1接続端子は、前記第1端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、且つ前記第1接続端子は、更に、前記第1端子部の上部表面及び下部表面に露出されて前記第1端子部に垂直する方向に延在し、前記第1接続端子は、前記第1コイルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項16】
前記射出成形層は、前記射出成形層の前記第1側に対向する第2側に位置する第2端子部を含み、且つ前記第2端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記コイルモジュールは、更に、少なくとも1つの第2接続端子を含み、
前記第2接続端子は、前記第2端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、且つ前記第2接続端子は、更に、前記第2端子部の上部表面及び下部表面に露出されて前記第2端子部に垂直する方向に延在し、前記第2接続端子は、前記第2コイルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の平面トランス。
【請求項17】
前記プリント基板は、少なくとも1つの欠きを含み、前記欠きは、前記プリント基板における前記第1端子部に隣接する一側の縁部から内に向かって凹んで形成され、前記欠きは、対応する前記第1接続端子の少なくとも一部を収容する、ことを特徴とする請求項15に記載の平面トランス。
【請求項18】
前記第2コイルは、平角線で構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項19】
前記第2コイルは、複数の前記平角線で構成され、複数の前記平角線は、互いに重なり合う、ことを特徴とする請求項18に記載の平面トランス。
【請求項20】
前記第2コイルは、より線で構成される、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項21】
前記より線には、少なくとも3層のテープが被覆されている、ことを特徴とする請求項20に記載の平面トランス。
【請求項22】
前記第1コイルは、前記平面トランスの一次側コイル及び二次側コイルのうちの一方を構成し、前記第2コイルは、前記平面トランスの前記一次側コイル及び前記二次側コイルのうちの他方を構成する、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項23】
前記第2コイルの厚さは、0.01mm以上であり、且つ1.5mm以下であり、前記射出成形層の厚さは、0.4mm以上であり、0.8 mm以下である、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項24】
前記射出成形層は、収容部を含み、前記収容部は、前記プリント基板に対応する位置に設けられ、且つ前記射出成形層の表面が内に向かって凹んで形成され、前記プリント基板は、前記収容部内に位置決められて設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項25】
前記導磁シートは、前記プリント基板と前記少なくとも1つのコイルモジュールとの間に設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載の平面トランス。
【請求項26】
平面トランスであって、前記平面トランスは、磁芯アセンブリと、少なくとも1つのプリント基板と、少なくとも1つのコイルモジュールと、を含み、
前記磁芯アセンブリは、第1磁芯、第2磁芯及び磁性柱を含み、前記磁性柱は、前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、
前記プリント基板は、前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、且つ第1コイル及び第1中空孔を含み、
前記コイルモジュールは、前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられ、第2中空孔、第2コイル及び射出成形層を含み、前記射出成形層は、前記第2コイルの外面の少なくとも一部を覆い、
前記プリント基板及び前記コイルモジュールは、それぞれ独立素子であり、且つ前記磁性柱は、前記第1中空孔及び前記第2中空孔を貫通する、ことを特徴とする平面トランス。
【請求項27】
前記平面トランスは、導磁シートを含み、前記導磁シートは、漏れインダクタンスのために前記第1磁芯と前記第2磁芯との間に設けられる、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項28】
前記導磁シートは、前記プリント基板と前記少なくとも1つのコイルモジュールとの間に設けられる、ことを特徴とする請求項27に記載の平面トランス。
【請求項29】
前記第2コイルの厚さは、0.01mmであり、且つ1.5mm以下であり、前記射出成形層の厚さは、0.4mm以上であり、0.8 mm以下である、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項30】
前記第2コイルは、導電シートをプレス加工することによって構成される、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項31】
前記第2コイルは、で構成される、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項32】
前記第2コイルは、より線で構成される、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項33】
前記第1コイルは、前記平面トランスの一次側コイル及び二次側コイルのうちの一方を構成し、前記第2コイルは、前記平面トランスの前記一次側コイル及び前記二次側コイルのうちの他方を構成する、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項34】
前記射出成形層は、前記射出成形層の第1側に位置する第1端子部を含み、
前記第1端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記平面トランスは、更に、少なくとも1つの第1接続端子を含み、
前記第1接続端子は、前記第1端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、且つ前記第1接続端子は、更に、前記第1端子部の上部表面及び下部表面に露出されて前記第1端子部に垂直する方向に延在し、前記第1接続端子は、前記第1コイルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項26に記載の平面トランス。
【請求項35】
前記プリント基板は、少なくとも1つの欠きを含み、
前記欠きは、前記プリント基板における前記第1端子部に隣接する一側の縁部から内に向かって凹んで形成され、前記欠きは、対応する前記第1接続端子の少なくとも一部を収容する、ことを特徴とする請求項34に記載の平面トランス。
【請求項36】
前記射出成形層は、前記射出成形層の前記第1側に対向する第2側に位置する第2端子部を含み、
前記第2端子部の上部表面及び下部表面は、前記プリント基板に平行し、
前記コイルモジュールは、更に、少なくとも1つの第2接続端子を含み、
前記第2接続端子は、前記第2端子部に設けられ、その一部が前記射出成形層に覆われ、前記第2接続端子は、更に、前記第2端子部の上部表面及び下部表面に露出されて前記第2端子部に垂直する方向に延伸し、前記第2接続端子は、前記第2コイルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項34に記載の平面トランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランス分野に関し、特に平面トランスに関する。
【背景技術】
【0002】
平面トランスは、通常のトランスに比較すると、磁芯サイズ、特に高さが大幅に縮小されるが、この特徴はスペースが厳しく制限されている電源機器(充電器など)にとって非常に魅力的であるため、多くの電源機器で最初に選択される磁気素子である。
【0003】
現在の伝統的な平面トランスは、単一の基板と磁芯の組み合わせ構造であり、単一の基板は多層構造であり、且つ伝統的な平面トランスのすべてのコイルが単一の基板に形成されるため、当該単一基板は六層以上の基板から成る必要がある。しかし、基板の層数が増えるほど、基板の製造工程が複雑になり、伝統的な平面トランスの製造サイクルが長くなる。また、基板の層数が増えると、工程が複雑になり、フォールトトレランスが低くなるため、伝統的な平面トランスの製造コストが高くなる。さらに、伝統的な平面トランスが基板の層間容量及び/又はコイルの巻き数などを調整する必要がある場合、基板の設計を調整する必要があるが、再設計には時間がかかり、言い換えれば、新しい基板を使用する必要がある。しかし、伝統的な平面トランスで使用される多層基板の製造サイクルが長いため、伝統的な平面トランスの製造には新しい基板を待つために多くの時間がかかり、伝統的な平面トランスの調整性が非常に低い。
【0004】
そのため、如何に上記の問題を克服する平面トランスを開発するかは、現在最も緊急に解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、平面トランスを提供することを目的としており、当該平面トランスは、それぞれ独立素子であるプリント基板及びコイルモジュールを含み、且つコイルモジュールは、第1コイル及び第2コイルを含み、これにより本発明の平面トランスは、製造サイクルを短縮し、フォールトトレランスが高く、製造コストが低く、調整性が高い利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、第1磁芯及び第2磁芯を含む磁芯アセンブリと、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第1コイルを含む少なくとも1つのプリント基板と、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第2コイル及び射出成形層を含む少なくとも1つのコイルモジュールと、を含み、射出成形層は、第2コイルの外面に覆われ、プリント基板及びコイルモジュールは、それぞれ独立素子である、平面トランスを提供する。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、第1磁芯及び第2磁芯を含む磁芯アセンブリと、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第1コイルを含む少なくとも1つのプリント基板と、漏れインダクタンスのために第1磁芯と第2磁芯との間に設けられる導磁シートと、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第2コイル及び射出成形層を含む少なくとも1つのコイルモジュールと、を含み、射出成形層は、第2コイルの外面の少なくとも一部を覆い、プリント基板及びコイルモジュールは、それぞれ独立素子である、平面トランスを提供する。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、磁芯アセンブリと、少なくとも1つのプリント基板と、少なくとも1つのコイルモジュールと、を含み、磁芯アセンブリは、第1磁芯、第2磁芯及び磁性柱を含み、磁性柱は、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、プリント基板は、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、且つ第1コイル及び第1中空孔を含み、コイルモジュールは、第1磁芯と第2磁芯との間に設けられ、第2中空孔、第2コイル及び射出成形層を含み、射出成形層は、前記第2コイルの外面の少なくとも一部を覆い、プリント基板及びコイルモジュールは、それぞれ独立素子であり、且つ磁性柱は、第1中空孔及び第2中空孔を貫通する、平面トランスを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の平面トランスは、それぞれ独立素子であるプリント基板及びコイルモジュールを含み、且つプリント基板は、第1コイルを含み、コイルモジュールは、第2コイルを含むことにより、本発明の平面トランスは、製造サイクルが短く、フォールトトレランスが高く、製造コストが削減され、調整性が高いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の好ましい実施例に係る平面トランスの組み合わせ構造概念図である。
【
図2】
図1に示す平面トランスの分解構造概念図である。
【
図3】
図1に示す平面トランスの第2コイルの構造概念図である。
【
図4】
図1に示す平面トランスのプリント基板の内部配線概念図である。
【
図5】
図1に示す平面トランスの第2コイルの変形例の構造概念図である。
【
図6】本発明の第2の好ましい実施例に係る平面トランスの組み合わせ構造概念図である。
【
図7】
図6に示す平面トランスの分解構造概念図である。
【
図8】本発明の第3の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。
【
図9A】本発明の第4の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。
【
図9B】
図9Aに示す平面トランスの部分組み合わせ構造概念図である。
【
図10】本発明の第5の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。
【
図11】本発明の第6の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴と利点を示す実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変化を有することができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に例示するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0012】
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5を参照すると、
図1は、本発明の第1の好ましい実施例に係る平面トランスの組み合わせ構造概念図であり、
図2は、
図1に示す平面トランスの分解構造概念図であり、
図1に示す平面トランスの第2コイルの構造概念図であり、
図1に示す平面トランスのプリント基板の内部配線概念図である。
図1~
図4に示すように、本実施例の平面トランス1は、回路の薄型化及び高周波の要件を満たすことができ、且つ全自動化組立及びテストに適している。平面トランス1は、磁芯アセンブリ2、少なくとも1つのプリント基板3及び少なくとも1つのコイルモジュール4を含む。
【0013】
磁芯アセンブリ2は、第1磁芯20及び第2磁芯21を含み、第1磁芯20及び第2磁芯21は、平面トランス1の対向する両側に位置する。
【0014】
プリント基板3の数は、1つ又は複数であってもよい。
図2では、1つのプリント基板3を例示している。プリント基板3は、第1磁芯20と第2磁芯21との間に設けられ、且つ第1コイル30(
図4に示す)を含む。第1コイル30は、プリント基板3内に形成され、且つプリント基板3内のトレースまたは導体で構成される。
【0015】
コイルモジュール4の数は、1つ又は複数であってもよい。
図2では、1つのコイルモジュール4を例示している。コイルモジュール4は、第1磁芯20と第2磁芯21との間に設けられ、且つプリント基板3と第2磁芯21との間に位置する。また、コイルモジュール4は、更に、第2コイル40及び射出成形層41を含む。第2コイル40は、銅シート等のプレス加工によって構成される導電シートであってもよいが、これに限定されない。射出成形層41は、射出成形により第2コイル40に形成され、且つ第2コイル40の外面の少なくとも一部を覆う。射出成形層41により、平面トランス1が安全基準の保護要件を満たすことができる。なお、本実施例において、プリント基板3及びコイルモジュール4は、それぞれ独立素子である。即ち、プリント基板3及びコイルモジュール4は、一体に成形されるものではない。また、他の実施例において、コイルモジュール4は、第1磁芯20とプリント基板3との間に位置してもよい。
【0016】
上記からわかるように、本発明の平面トランス1は、それぞれ独立素子であるプリント基板3及びコイルモジュール4を含み、プリント基板3は、第1コイル30を含み、コイルモジュール4は、第2コイル40を含む。そのため、本発明の平面トランス1は、トランスに必要なコイルを分離して設計することで、第1コイル30及び第2コイル40を形成し、且つそれぞれ2つの独立素子に位置する。このように、本発明の平面トランス1は、第2コイル40がコイルモジュール4に位置するため、プリント基板3の層数を減少することができ、プリント基板3の層数が伝統的な平面トランスの単一基板の層数よりも少ないため、本発明の平面トランス1の製造サイクルは比較的が短くなり、且つプリント基板3の工程が簡単になり、フォールトトレランスが高く、平面トランス1の製造コストを削減することができる。更に、本発明の平面トランス1の調整性も高い。
【0017】
いくつかの実施例において、第1コイル30は、平面トランス1の一次側コイル及び二次側コイルのうちの一方を構成する。第2コイル40は、平面トランス1の一次側コイル及び二次側コイルのうちの他方を構成する。また、第2コイル40の厚さは、0.01mmであってもよく、且つ1.5mm以下であってもよい(好ましくは、第2コイル40の厚さは、0.01mm以上且つ1mm以下である)。第2コイル40のターン数は、2以上である。更に、第1コイル30と第2コイル40との間の安全基準の保護間隔は、0.4mmであり、当該安全基準の保護間隔は、射出成形層41の厚さにより実現されてもよく、又はプリント基板3の厚さにより実現されてもよい。また、射出成形層41の厚さは、0.4mmで以上であり、0.8 mm以下であってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、磁芯アセンブリ2は、更に、少なくとも1つの磁性柱を含み、少なくとも1つの磁性柱は、第1サイド柱22、第2サイド柱23及びセンター柱24を含む。第1サイド柱22及び第2サイド柱23は、磁芯アセンブリ2の対向する両側に位置し、センター柱24は、第1サイド柱22と第2サイド柱23との間に位置し、且つ第1サイド柱22、第2サイド柱23及びセンター柱24は、第1磁芯20と第2磁芯21との間に位置する。また、
図2に示すように、第1サイド柱22、第2サイド柱23及びセンター柱24は、それぞれ2つのサブ磁性柱で構成され、第1サイド柱22の一方のサブ磁性柱、第2サイド柱23の一方のサブ磁性柱及びセンター柱24の一方のサブ磁性柱は第1磁芯20に接続され、第1サイド柱22の他方のサブ磁性柱、第2サイド柱23の他方のサブ磁性柱及びセンター柱24の他方のサブ磁性柱は第2磁芯21に接続される。なお、他の実施例において、第1サイド柱22、第2サイド柱23及びセンター柱24は、それぞれ、単一の構造で構成されて第1磁芯20又は第2磁芯21に接続されてもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、プリント基板3は第1中空孔31を含み、コイルモジュール4は第2中空孔42を含む。第1中空孔31はプリント基板3を貫通し、第2中空孔42はコイルモジュール4を貫通し、且つ第1中空孔31及び第2中空孔42はそれぞれ磁芯アセンブリ2のセンター柱24に対応する位置に設けられ、磁芯アセンブリ2の第1磁芯20及び第2磁芯21平面トランス1の対向する両側からそれぞれプリント基板3及びコイルモジュール4に結合される場合、センター柱24は、第1中空孔31及び第2中空孔42を貫通する。
【0020】
他の実施例において、射出成形層41におけるプリント基板3に対応する位置に収容部43を更に含み、収容部43は、射出成形層41の表面が凹んで形成され、収容部43の形状及び大きさは、プリント基板3の形状及び大きさに対応する。収容部43により位置決め機能を提供することによって、プリント基板3が射出成形層41の収容部43内に位置決められて設けられる。
【0021】
いくつかの実施例において、射出成形層41は、その第1側に位置する第1端子部44を含み、且つ第1端子部44の上部表面及び下部表面は、概ねプリント基板3に平行する。平面トランス1は、更に少なくとも1つの第1接続端子5を含み、第1接続端子5は、射出成形層41において第2コイル40上に射出成形により形成される時に、射出成形層41の第1端子部44の位置に同期に設けられてもよい。第1接続端子5は、第1端子部44の上部表面及び下部表面に概ね垂直し、且つ第1接続端子5の一部は、射出成形層41に覆われる。また、第1接続端子5は、第1端子部44の上部表面及び下部表面に露出されて第1端子部44に垂直する方向に延在する。第1接続端子5の第1端子部44に露出する部分は、プリント基板3のトレース又は導体に溶接により電気的に接続されてもよい。例えば、第1コイル30は、溶接により電気的に接続され、且つ第1接続端子5は、システムボード(図示せず)に插設されてもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、プリント基板3は、少なくとも1つの欠き32を含み、欠き32は、プリント基板3における第1端子部44に隣接する側の縁部から内に向かって凹んで形成され、且つ対応する第1接続端子5の対応する位置に設けられ、各欠き32は、対応する第1接続端子5の少なくとも一部を収容可能であり、且つ第1接続端子5の少なくとも一部は、プリント基板3のトレース又は導体に電気的に接続される。また、欠き32は、半円形構造であってもよいが、これに限らず、実際の必要に応じて異なる形状であってもよい。
【0023】
その他の実施例において、射出成形層41は、射出成形層41の第2側に位置する第2端子部45を含み、射出成形層41の第1側と第2側は対向する。また、第2端子部45の上部表面及び下部表面は、概ねプリント基板3に平行する。また、コイルモジュール4は、更に、少なくとも1つの第2接続端子46(例えば、
図3に示す2つの第2接続端子46)を含み、第2接続端子46の少なくとも一部は、第2端子部45内に設けられ、各第2接続端子46の一端は、第2コイル40の対応する端部が接続され、第2端子部45内に設けられる。各第2接続端子46の他端は、第2端子部45の上部表面又は下部表面に露出されて第2端子部45に垂直する方向に延在する。2つの第2接続端子46は、システムボードに插設されてもよい。いくつかの実施例において、2つの第2接続端子46と、それぞれ第2コイル40の2つの対向する端部とは、一体成形構造であってもよい。言い換えると、2つの第2接続端子46は、第2コイル40の2つの対向する端部から延伸されて形成され、且つ第2接続端子46の他端が第2端子部45の上部表面又は下部表面に露出されて第2端子部45に垂直する方向に延在させるために、各第2接続端子46は、第2コイル40の対応する端部が90度に少なくとも1回湾曲されていてもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、導電シートで構成される第2コイル40は、更に、表面400及び及凹部401を含み、凹部401は、表面400から内に向かって凹んで形成される。凹部401を設けることによって、表皮効果を減少し、平面トランス1の変換効率を向上させることができる。その他の実施例において、第2接続端子46が第2コイル40の対応する端部と一体成形構造である場合、第2接続端子46の表面にも同様に凹部を有しもよい。
【0025】
いくつかの実施例において、
図1に示すように、平面トランス1は、更に磁芯アセンブリ2とプリント基板3との間に設けられる導電性接着剤6を含み、磁芯アセンブリ2とプリント基板3とは、導電性接着剤6により互いに導通されてもよい。いくつかの実施例において、導電性接着剤6は、概ね磁芯アセンブリ2の中央とプリント基板3の接地端との間に設けられる。
【0026】
図4を参照すると、いくつかの実施例において、プリント基板3は、第1コイル30を含む以外、更に少なくとも1つの補助コイル33及び少なくとも1つの遮断構造34を含む。各補助コイル33及び各遮断構造34の設置位置は、プリント基板3内のいずれかの一層又は多層の空間であってもよく、
図4に示す位置に設けられることに限定されない。補助コイル33は、回路の制御信号線を構成としてもよく、且つ第1コイル30とともに平面トランス1の一次側コイル又は二次側コイルを構成してもよい。また、補助コイル33の線径は、一次コイル30の線径以下である。遮断構造34は、EMI電磁干渉を抑制するための金属導体構造である。いくつかの実施例においてプリント基板3は、第1コイル30を含み、プリント基板3の各層は、第1コイル30、補助コイル33及び遮断構造34のうちの少なくとも一方を含んでもよい。
【0027】
図5は、
図1に示す平面トランスの第2コイルの変形例の構造概念図である。いくつかの実施例において、
図5に示すように、少なくとも1つの第2接続端子46は、第1湾曲部460及び第2湾曲部461を含んでもよい。第1湾曲部460は、第2コイル40の対応する端部と第2湾曲部461との間に接続され、且つ少なくとも一部が第2端子部45内に設けられる。また、第1湾曲部460は、第2コイル40の1つの端部が少なくとも1回湾曲されて形成される。第2湾曲部461は、少なくとも一部が第2端子部45の上部表面又は下部表面に露出されて第2端子部45に垂直する方向に延在し、且つ第2湾曲部461は、第1湾曲部460の一端部が1回湾曲されて形成されることで、第2湾曲部461が湾曲部分において∪形構造462を含む。∪形構造462の形成により、第2コイル40全体のリード長さを増加させることができる。
【0028】
図6は、本発明の第2の好ましい実施例に係る平面トランスの組み合わせ構造概念図であり、
図7は、
図6に示す平面トランスの分解構造概念図である。
図6及び
図7に示すように、本実施例の平面トランス1aの構造は、
図1に示す平面トランス1構造に類似しており、且つ同一要素符号は、同一要素、構造及び機能を表すため、説明を省略する。しかし、
図1に示すコイルモジュール4の第2コイル40は、導電シートで構成され、本実施例のコイルモジュール4の第2コイル40aは、巻線で構成されるが、射出成形層41は、依然として射出成形により第2コイル40aに成形され、第2コイル40aの外面の少なくとも一部を覆う。また、コイルモジュール4の各第2接続端子46aの一端は第2コイル40aの対応する端部に接続され、且つ各第2接続端子46aと第2コイル40の対応する端部とは一体成形構造である。
【0029】
本発明の第3の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。
図8に示すように、本実施例の平面トランス1bの構造は、
図1に示す平面トランス1に類似しており、且つ同一要素符号は、同一要素、構造及び機能を表す。
図1に示す平面トランス1に含まれるプリント基板3は1つであるが、本実施例の平面トランス1bに含まれるプリント基板3の数は2つである。そのうち一方のプリント基板3は、第1磁芯20とコイルモジュール4との間に介在され、他方のプリント基板3は、第2磁芯21とコイルモジュール4との間に介在される。
【0030】
なお、前述したように、本発明の平面トランスのプリント基板の数及びコイルモジュールの数は、例えば、2つのコイルモジュール及び1つのプリント基板を含む等、実際の必要に応じて任意に変更してもよい。
【0031】
図9Aは、本発明の第4の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図であり、
図9Bは、
図9Aに示す平面トランスの部分組み合わせ構造概念図である。本実施例の平面トランス1cの構造は、
図8に示す平面トランス1bに類似しており、且つ同一要素符号は、同一要素、構造及び機能を表す。しかし、本実施例において、平面トランス1cは、更に、漏れインダクタンスのために第1磁芯20と第2磁芯21との間に設けられる導磁シート7を含む。
【0032】
そして、
図1に示すコイルモジュール4の第2コイル40は導電シートで構成されているのと比較して、本実施例のコイルモジュール4の第2コイル40bは、少なくとも1つの平角線を含み、射出成形層41は、依然として射出成形により第2コイル40bに成形され、第2コイル40bの外面の少なくとも一部を覆う。また、コイルモジュール4の各第2接続端子46aの一端は第2コイル40bの対応する端部に接続され、且つ各第2接続端子46aと第2コイル40bの対応する端部とは一体成形構造である。いくつかの実施例において、第2コイル40bは、単一の平角線で構成されてもよく、複数の平角線で構成されてもよい。また、第2コイル40bが複数の平角線で構成される場合、複数の平角線は、互いに重なり合う。
【0033】
いくつかの実施例において、導磁シート7は、一方のプリント基板3とコイルモジュール4との間に介在されてもよい。そして、導磁シート7は、更に、第3中空孔70を含み、第3中空孔70は、導磁シート7を貫通しており、第3中空孔70は、磁芯アセンブリ2のセンター柱24に対応する位置に設けられる。磁芯アセンブリ2の第1磁芯20及び第2磁芯21が、平面トランス1Cの対向する両側からそれぞれプリント基板3及びコイルモジュール4に結合されると、センター柱24は、第3中空孔70を貫通することになる。
【0034】
いくつかの実施例において、
図9A及び
図9Bに示す平面トランス1cの2つのプリント基板3は、コイルモジュール4の異なる側に位置してもよいが、これに限定されない。
図10は、本発明の第5の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。いくつかの実施例において、平面トランス1cの2つのプリント基板3は、コイルモジュール4の同一側に位置してもよい。
【0035】
図11は、本発明の第6の好ましい実施例に係る平面トランスの分解構造概念図である。本実施例の平面トランス1eの構造は、
図1に示す平面トランス1に類似しており、且つ同一要素符号は、同一要素、構造及び機能を表す。しかし、本実施例において、平面トランス1eは、更に、漏れインダクタンスのために第1磁芯20と第2磁芯21との間に設けられる導磁シート7を含む。
【0036】
また、
図1に示すコイルモジュール4の第2コイル40が導電シートで構成されているのと比較して、本実施例のコイルモジュール4の第2コイル40cは、より線をで構成されるが、射出成形層41は、依然として射出成形により第2コイル40cに成形され、第2コイル40cの外面の少なくとも一部を覆う。また、コイルモジュール4の各第2接続端子46aの一端は第2コイル40cの対応する端部に接続され、且つ各第2接続端子46aは第2コイル40cの対応する端部と一体成形構造である。
【0037】
いくつかの実施例において、本実施例のコイルモジュール4は、更に巻枠47を含み、巻枠47には、第2コイル40cが巻かれ、更に射出成形層41は、射出成形により巻枠47に成形され、巻枠47を覆う。
【0038】
いくつかの実施例において、第2コイル40cのより線には、少なくとも3層のテープが被覆されてもよい。
【0039】
前述したように、本発明は、平面トランスに関するものであり、当該平面トランスは、それぞれ独立素子であるプリント基板及びコイルモジュールを含み、且つコイルモジュールは、第1コイル及び第2コイルを含み、これにより本発明の平面トランスは、製造サイクルを短縮し、フォールトトレランスが高く、製造コストが低く、調整性が高い利点を有する。
【符号の説明】
【0040】
1、1a、1b、1c、1d、1e: 平面トランス
2: 磁芯アセンブリ
3: プリント基板
4: コイルモジュール
20: 第1磁芯
21: 第2磁芯
30: 第1コイル
40、40a、40b、40c: 第2コイル
41: 射出成形層
22: 第1サイド柱
23: 第2サイド柱
24: センター柱
31: 第1中空孔
42: 第2中空孔
43: 収容部
44: 第1端子部
5: 第1接続端子
32: 欠き
45: 第2端子部
46、46a: 第2接続端子
400: 表面
401: 凹部
6: 導電性接着剤
460: 第1湾曲部
461: 第2湾曲部
462: ∪形構造
33: 補助コイル
34: 遮断構造
47: 巻枠
【外国語明細書】