(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052617
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ミニマルリスクマニューバを遂行するための車両及びその車両の作動方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240404BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240404BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20240404BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W60/00
B60W40/06
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168851
(22)【出願日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0125176
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0115649
(32)【優先日】2023-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ヨンビン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA12
3D241BA22
3D241BA30
3D241BA60
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3D241DB01Z
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3D241DC33Z
3D241DC50B
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ミニマルリスクマニューバを遂行するための車両及びその車両の作動方法に関する。
【解決手段】車両は、少なくとも一つのセンサ、車両の作動を制御するコントローラ、及び少なくとも一つのセンサとコントローラと電気的に接続するプロセッサとを含む。前記プロセッサは、少なくとも一つのセンサから収集される周辺の環境情報及び車両の状態情報に基づいて、道路の路肩停車が必要な状況を感知し、少なくとも一つのセンサを利用して停車が可能な道路の路肩領域を探索し、前記探索された道路の路肩領域に対する停車タイプを決定し、前記コントローラを制御して前記車両が前記決定された停止タイプによって前記探索された道路の路肩領域に停車するように制御することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのセンサ;
車両の作動を制御するコントローラ;及び
前記少なくとも一つのセンサ及び前記コントローラと電気的に接続するプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
前記少なくとも一つのセンサから収集される周辺の環境情報及び車両の状態情報に基づき、道路の路肩停車が必要な状況を感知し、
前記少なくとも一つのセンサを利用して、停車が可能な道路の路肩領域を探索し、
前記探索された道路の路肩領域のサイズに基づいて、前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定し、
前記コントローラを制御し、前記車両が前記決定された停車タイプによって前記探索された道路の路肩領域に停車するように制御する、
車両。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記停車タイプで、完全な路肩停車、半路肩停車、平行停車又は斜め停車のいずれか一つに決定し、又は
前記停車タイプで、完全な路肩停車又は半路肩停車のいずれかと平行停車と斜め停車の中でいずれか一つを含むように決定する、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記探索された道路の路肩領域の幅があらかじめ設定された臨界幅より大きいか等しい場合、完全な路肩停車を前記停車タイプに決定し、
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より小さい場合、半路肩停車を前記停車タイプに決定する、
請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記探索された道路の路肩領域の長さがあらかじめ設定された臨界長さより長いか等しい場合、平行停車を前記停車タイプに決定し、
前記探索された道路の路肩領域の長さが前記臨界長さより短い場合、斜め停車を前記停車タイプに決定する、
請求項2に記載の車両。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記探索された道路の路肩領域の幅があらかじめ設定された臨界幅より大きく、前記探索された道路の路肩領域の長さがあらかじめ設定された臨界長さより長い場合、完全な路肩停車及び平行停車を前記停車タイプに決定し、
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より小さく、前記探索された道路の路肩領域の長さが前記臨界長さより短い場合、半路肩停車及び斜め停車を前記停車タイプに決定し、
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅よりは小さいが、前記探索された道路の路肩領域の長さは前記臨界長さより長い場合、半路肩停車及び平行停車を前記停車タイプに決定し、
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より大きいが、前記探索された道路の路肩領域の長さは前記臨界長さより短い場合、完全な路肩停車及び斜め停車を前記停車タイプに決定する、
請求項2に記載の車両。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記車両が前記探索された道路の路肩領域に停車するように制御される時、前記車両が停車又は後進しないように制御する、
請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記プロセッサは、
停車が可能な道路の路肩領域を探索する際、指定された臨界範囲内で道路の路肩領域を探索する、
請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記プロセッサは、
停車が可能な道路の路肩領域を探索する際、前記既に設定された臨界範囲内で、前記車両が完全な路肩停車及び平行停車が可能な領域を最優先に探索し、その後、半路肩停車が可能な領域を探索する、
請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記プロセッサは、
停車時の走行車線に対する前記車両の最大侵犯サイズを予測し、
走行車線の幅から予測した前記最大侵犯サイズを減算した値があらかじめ設定されたサイズより大きい場合に、半路肩停車が可能な領域と判断する、
請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記プロセッサは、
停車が可能な道路の路肩領域が探索されない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを前記道路の路肩停車から車線停車に変更する、
請求項7に記載の車両。
【請求項11】
車両の作動方法において、
少なくとも一つのセンサから収集される周辺の環境情報及び車両の状態情報に基づいて、路肩停車が必要な状況を感知する作動;
前記少なくとも一つのセンサを利用して、停車が可能な道路の路肩領域を探索する作動;
前記探索された道路の路肩領域のサイズに基づいて、前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動;及び
前記決定された停車タイプによって、探索された道路の路肩領域に前記車両が停車するように制御する作動を含む、
車両の作動方法。
【請求項12】
前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動は、
完全な路肩停車、半路肩停車、平行停車又は斜め停車のいずれか一つに決定するか、又は完全な路肩停車又は半路肩停車のいずれかと平行停車と斜め停車の中でいずれか一つを含むように決定する作動を含む、
請求項11に記載の車両の作動方法。
【請求項13】
前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動は、
前記探索された道路の路肩領域の幅があらかじめ設定された臨界幅より大きいか等しい場合、完全な路肩停車を前記停車タイプに決定し、前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より小さい場合、半路肩停車を前記停車タイプに決定する作動を含む、
請求項12に記載の車両の作動方法。
【請求項14】
前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動は、
前記探索された道路の路肩領域の長さがあらかじめ設定された臨界長さより長いか等しい場合、平行停車を前記停車タイプに決定し、前記探索された道路の路肩領域の長さが前記臨界長さより短い場合、斜め停車を前記停車タイプに決定する作動を含む、
請求項12に記載の車両の作動方法。
【請求項15】
前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動は、
前記探索された道路の路肩領域の幅があらかじめ設定された臨界幅より大きく、前記探索された道路の路肩領域の長さがあらかじめ設定された臨界長さより長い場合、完全な路肩停車及び平行停車を前記停車タイプに決定する作動;
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より小さく、前記探索された道路の路肩領域の長さが前記臨界長さより短い場合、半路肩停車及び斜め停車を前記停車タイプに決定する作動;
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅よりは小さいが、前記探索された道路の路肩領域の長さは前記臨界長さより長い場合、半路肩停車及び平行停車を前記停車タイプに決定する作動;及び
前記探索された道路の路肩領域の幅が前記臨界幅より大きいが、前記探索された道路の路肩領域の長さは前記臨界長さより短い場合、完全な路肩停車及び斜め停車を前記停車タイプに決定する作動を含む、
請求項12に記載の車両の作動方法。
【請求項16】
前記探索された道路の路肩領域に前記車両が停車するように制御する作動は、
前記車両が前記探索された道路の路肩領域に停車するように制御される時、前記車両が停車又は後進しないように制御する作動を含む、
請求項11に記載の車両の作動方法。
【請求項17】
前記停車が可能な道路の路肩領域を探索する作動は、
指定された臨界範囲内で道路の路肩領域を探索する作動を含む、
請求項11に記載の車両の作動方法。
【請求項18】
前記停車が可能な道路の路肩領域を探索する作動は、
前記既に設定された臨界範囲内で、前記車両が完全な路肩停車及び平行停車が可能な領域を最優先に探索し、その後、半路肩停車が可能な領域を探索する作動を含む、
請求項17に記載の車両の作動方法。
【請求項19】
前記半路肩停車が可能な領域を探索する作動は、
停車時の走行車線に対する前記車両の最大侵犯サイズを予測する作動;及び
走行車線の幅から予測した前記最大侵犯サイズを減算した値があらかじめ設定されたサイズより大きい場合に、半路肩停車が可能な領域と判断する作動を含む、
請求項18に記載の車両の作動方法。
【請求項20】
前記停車が可能な道路の路肩領域を探索する作動により、停車が可能な道路の路肩領域が探索されない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを前記道路の路肩停車から車線停車に変更する作動をさらに含む、
請求項17に記載の車両の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミニマルリスクマニューバを遂行するための車両及びその車両の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、運転者の運転を支援するために、先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems)が開発されている。ADASは複数の下位の技術分類を持っており、運転者に便宜を提供する。このようなADASは自動運転と呼ばれ、ADS(Automated Driving System)と呼ばれることもある。
【0003】
一方、車両が自動運転を遂行している間に、自動運転システムに異常が発生する可能性がある。このような自動運転システムの異常に対して適切な対処が行われない場合、車両は危険な状態に置かれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示の多様な実施例は、自動運転中に正常な自動運転が不可能な状況が感知された場合、危険を除去(又は、軽減)させるためのミニマルリスクマニューバ (minimal risk maneuver、MRM)を遂行する車両及びその車両の作動方法について開示する。
【0005】
本開示の多様な実施例は、車両の自動運転中に正常な自動運転が不可能な状況が感知された場合、ミニマルリスクマニューバを通じて道路の路肩に停車する装置及びその作動方法について開示する。
【0006】
しかし、本開示で成し遂げようとする技術的課題は、以上に挙げた技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記述から本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の多様な実施例によれば、車両は、少なくとも一つのセンサ、前記車両の作動を制御するコントローラ、少なくとも一つのセンサ及び前記コントローラと電気的に接続するプロセッサを含む。そして前記プロセッサは、前記少なくとも一つのセンサから収集された周辺の環境情報及び車両の状態情報に基づいて、道路の路肩停車が必要な状況を感知し、前記少なくとも一つのセンサを利用して停車が可能な道路の路肩領域を探索し、前記探索された道路の路肩領域のサイズに基づいて、前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定し、前記コントローラを制御して、前記車両が前記決定された停車タイプによって前記探索された道路の路肩領域に停車するように制御できる。
【0008】
本開示の多様な実施例によれば、車両の作動方法は、少なくとも一つのセンサから収集された周辺の環境情報及び車両の状態情報に基づいて、道路の路肩停車が必要な状況を感知する作動、前記少なくとも一つのセンサを利用して停車が可能な道路の路肩領域を探索する作動、前記探索された道路の路肩領域のサイズに基づいて、前記道路の路肩領域に対する停車タイプを決定する作動、及び前記決定された停車タイプによって前記探索された道路の路肩領域に前記車両が停車するよう制御する作動を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の多様な実施例によれば、自動運転中に正常な自動運転が不可能な状況が感知された場合、ミニマルリスクマニューバを遂行することにより、車両の危険を最小化して安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に多様な実施例よる車両のブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の多様な実施例によるミニマルリスクマニューバのタイプを示す図面である。
【
図3a】
図3aは、本開示の多様な実施例による道路の路肩領域に対する例示図である。
【
図3b】
図3bは、本開示の多様な実施例による道路の路肩領域に対する例示図である。
【
図4a】
図4aは、本開示の多様な実施例によって、車両が完全な路肩停車を遂行する例示図である。
【
図4b】
図4bは、本開示の多様な実施例によって、車両が半路肩停車を遂行する例示図である。
【
図5a】
図5aは、本開示の多様な実施例によって、車両が平行停車を遂行する例示図である。
【
図5b】
図5bは、本開示の多様な実施例によって、車両が斜め停車を遂行する例示図である。
【
図6a】
図6aは、本開示の多様な実施例によって、許容されない停車方法を示す例示図である。
【
図6b】
図6bは、本開示の多様な実施例によって、許容されない停車方法を示す例示図である。
【
図7】
図7は、本開示の多様な実施例による車両の作動を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の多様な実施例による車両において、ミニマルリスクマニューバに応じて停車を遂行するフローチャートである。
【
図9a】
図9aは、本開示の多様な実施例によって、停車領域を決定する例示図である。
【
図9b】
図9bは、本開示の多様な実施例によって、停車領域を決定する例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付された図面を参照して、本開示の実施例を説明する。
【0012】
本開示の構成及びその作用効果は、以下の詳細な説明を通じて明確に理解されるだろう。本開示の詳細な説明に先立ち、同一の構成要素については、他の図面に示されていても可能な限り同一の符号を使い、公知された構成については、本開示の要旨を曇らせる恐れがあると判断される場合、具体的な説明を省略することもありうる。
【0013】
本開示の具体的な説明に先立ち、本開示で使用される用語は次のように定義できる。
【0014】
車両は、ADS(Automated Driving System)が具備され、自動運転が可能な車両である。例えば、車両は、ADSにより運転者の操作なしに、ステアリング、加速、減速、車線変更及び停車(又は、停止)のうち少なくとも一つを遂行することができる。ADSは、例えば、PDCMS(Pedestrian Detection and Collision Mitigation System)、LCDAS(Lane Change Decision Aid System)、LDWS(Land Departure Warning System)、ACC(Adaptive Cruise Control)、LKAS(Lane Keeping Assistance System)、RBDPS(Road Boundary Departure Prevention System)、CSWS(Curve Speed Warning System)、FVCWS(Forward Vehicle Collision Warning System)、並びにLSF(Low Speed Following)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0015】
運転者(Driver)は、車両を利用する人間であり、自動運転システムのサービスが提供される人間である。
【0016】
車両の制御権限は、車両の少なくとも一つの構成要素及び/又は車両の少なくとも一つの機能を制御する権限である。車両の少なくとも一つの機能は、例えば、ステアリング(steering)機能、加速(acceleration)機能、減速(deceleration)機能(又は、ブレーキング機能)、車線の変更(lane change)機能、車線の感知(lane detect)機能、横方向の制御(lateral control)機能、障害物の認識及び距離の感知機能、パワートレインの制御(powertrain control)機能、安全区域(safe area)の感知機能、エンジンのオン/オフ(engine on/off)機能、パワーのオン/オフ(power on/off)機能、及び車両のロック/ロック解除機能のうち少なくとも一つを含むことができる。上述した車両の機能は、理解を助けるための例示に過ぎず、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0017】
路肩(shoulder)は、車両が走行している方向の最も外側の道路境界(road boundary)(又は、最外側車線の境界)と道路脇(例:縁石(kerb)、ガードレール(guardrail))との間の空間を意味することができる。すなわち、路肩は、道路脇に設置された道路の一部であり、緊急車両が停止したり、又は緊急車両が交通渋滞を迂回したり、又は車両が交通渋滞から抜け出したりすることができる場所を提供する空間を意味することができる。
【0018】
図1は、本開示の多様な実施例による車両のブロック図である。
図1に示した車両の構成は一つの実施例であり、各構成要素は一つのチップ、一つの部品又は一つの電子回路からなるか、チップ、部品及び/又は電子回路との結合から構成されることができる。一つの実施例によれば、
図1に示した構成要素のうち一部は、複数の構成要素に分離され、互いに異なるチップ、互いに異なる部品又は電子回路から構成されることができ、一部の構成要素は結合して、一つのチップ、一つの部品、又は一つの電子回路として構成されてもよい。一つの実施例によれば、
図1に示した構成要素のうち、一部の構成要素が省略されたり、示されていない他の構成要素が追加されたりすることがありうる。
図1の構成要素のうち少なくとも一部の構成要素については、
図2ないし
図6bを参照して説明する。
図2は、本開示の多様な実施例によるミニマルリスクマニューバのタイプを示す図面である。
図3a及び
図3bは、本開示の多様な実施例による路肩領域に対する例示図である。
図4aは、本開示の多様な実施例によって、車両が完全な路肩停車を遂行する例示図であり、
図4bは、本開示の多様な実施例によって、車両が半路肩停車を遂行する例示図である。
図5aは、本開示の多様な実施例によって、車両が平行停車を遂行する例示図であり、
図5bは、本開示の多様な実施例によって、車両が斜め停車を遂行する例示図である。
図6a及び
図6bは、本開示の多様な実施例によって、許容されない停車方法を示す例示図である。
【0019】
図1を参照すれば、車両100は、センサ部110、コントローラ120、プロセッサ130、ディスプレイ140、及び通信装置150を含むことができる。
【0020】
多様な実施例によれば、センサ部110は、少なくとも一つのセンサを利用して、車両100の周辺環境を感知し、感知結果に基づいて周辺環境に関連したデータを生成することができる。例えば、センサ部110は、少なくとも一つのセンサから獲得されたセンシングデータに基づいて、車両の周辺の客体(例:他の車両、人、物体、縁石、ガードレール、車線、障害物)に関する情報を取得できる。車両の周辺の客体に関する情報は、客体の位置、客体のサイズ、客体の形状、客体への距離、及び客体に対する相対速度のうち少なくとも1つを含むことができる。他の例として、センサ部110は、少なくとも一つのセンサを利用して、車両100の位置を測定することができる。センサ部110は、例えば、カメラ、ライダー(light detection and ranging(LIDAR))、レーダー(radio detection and ranging(RADAR))、超音波センサ、赤外線センサ、及び位置測定センサのうち少なくとも一つを含むことができる。しかし、上述したセンサは、理解を助けるための例示に過ぎず、本開示のセンサはこれに限定されない。
【0021】
一つの実施例によれば、カメラは、車両の周辺を撮影して、車両100の前方、後方及び/又は側方に位置する客体を含むイメージデータを生成することができる。一つの実施例によれば、ライダーは、光(又は、レーザ)を利用して、車両100の前方、後方及び/又は側方に位置する客体に関する情報を生成することができる。一つの実施例によれば、レーダーは、電磁気波(又は、電波)を利用して、車両100の前方、後方及び/又は側方に位置する客体に関する情報を生成することができる。一つの実施例によれば、超音波センサは、超音波を利用して、車両100の前方、後方及び/又は側方に位置する客体に関する情報を生成することができる。一つの実施例によれば、赤外線センサは、赤外線を利用して、車両100の前方、後方及び/又は側方に位置する客体に関する情報を生成することができる。
【0022】
一つの実施例によれば、位置測定センサは、車両100の現在位置を測定することができる。位置測定センサは、GPS(Global Positioning System)センサ、DGPS(Differential Global Positioning System)センサ、及びGNSS(Global Navigation Satellite System)センサのうち少なくとも一つを含むことができる。位置測定センサは、GPSセンサ、DGPSセンサ及びGNSSセンサのうち少なくとも一つにより生成される信号に基づいて車両の位置データを生成することができる。
【0023】
多様な実施例によれば、コントローラ120は、プロセッサ130の制御によって、車両100の少なくとも一つの構成要素及び/又は車両の少なくとも一つの機能の作動を制御することができる。少なくとも一つの機能は、例えば、ステアリング機能、加速機能(又は、縦方向の加速機能)、減速機能(又は、縦方向の減速機能、ブレーキング機能)、車線の変更機能、車線の感知機能、障害物の認識及び距離の感知機能、横方向の制御機能、パワートレインの制御機能、安全区域の感知機能、エンジンのオン/オフ機能、パワーのオン/オフ機能及び車両のロック/ロック解除機能のうち少なくとも一つの機能を含むことができる。
【0024】
一つの実施例によれば、コントローラ120は、プロセッサ130の制御によって、車両100の自動運転及び/又はミニマルリスクマニューバ(minimal risk maneuver、MRM)のために、車両の少なくとも一つの構成要素及び/又は車両の少なくとも一つの機能の作動を制御することができる。例えば、コントローラ120は、ミニマルリスクマニューバのために、ステアリング機能、加速機能、減速機能、車線の変更機能、車線の感知機能、横方向の制御機能、障害物の認識及び距離の感知機能、パワートレインの制御機能及び安全区域の探知機能のうち少なくとも一つの作動を制御することができる。
【0025】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、車両100の全般的な作動を制御することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両100内の構成要素を統合的に制御できるECU(electrical control unit)を含む。例えば、プロセッサ130は、演算処理を遂行することができるCPU(central processing unit)又はMCU(micro processing unit)を含む。
【0026】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、指定されたイベントが発生した時、ADS(Automated Driving System)を活性化させ、車両が自動運転を遂行するように車両100内の構成要素を制御することができる。指定されたイベントは、運転者の自動運転が要請された場合、運転者からの車両の制御権限が委任された場合、又は運転者及び/又は設計者によって指定された条件が満たされた場合に発生させることができる。
【0027】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、自動運転中に車両の状態情報及び周辺の環境情報のうち少なくとも一つに基づいて、正常な自動運転が可能かどうかを決定することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、ADSが活性化された時点から車両内部の構成要素(例:センサ、アクチュエータなど)の機械的状態及び/又は電気的状態をモニタリングし、車両内部の構成要素に機械的欠陥及び/又は電気的欠陥が発生したか否かを示す車両の状態情報を取得できる。車両の状態情報は、車両内部の構成要素の機械的状態及び/又は電気的状態に関する情報を含むことができる。例えば、車両の状態情報は、車両内部の構成要素の機械的状態及び/又は電気的状態に応じて、自動運転に必要な機能が正常に作動できるかどうかを示す情報を含むことができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、ADSが活性化された時点から、センサ部110を通じて車両の周辺の環境情報を獲得できる。
【0028】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両の状態情報に基づいて、自動運転に必要な機能が正常に作動できるかどうかを決定することができる。自動運転に必要な機能は、例えば、車線の感知機能、車線の変更機能、横方向の制御機能、減速(又は、ブレーキ制御)機能、パワートレインの制御(powertrain control)機能、安全区域(safe area)の感知機能、並びに障害物の認識及び距離の感知機能のうち少なくとも一つを含むことができる。プロセッサ130は、自動運転に必要な機能のうち少なくとも一つの機能において正常作動が不可能な場合、正常な自動運転が不可能であると決定できる。
【0029】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両の状態情報に基づいて、車両の状態が一般的な運行条件に適合しているかどうかを決定することができる。例えば、プロセッサ130は、車両の機械的状態の情報(例えば、バッテリー過熱の情報、タイヤ空気圧の情報)が一般的な運行条件に適合しているかどうかを決定することができる。プロセッサ130は、車両の状態が一般的な運行条件に適合しない場合、正常な自動運転が不可能であると決定できる。
【0030】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、周辺の環境情報の少なくとも一つに基づいて、車両の周辺環境が自動運転の作動設計領域(Operation Design Domain、ODD)に適合しているかどうかを決定することができる。作動設計領域は、自動運転が正常に作動する周辺環境の条件を示すことができる。プロセッサ130は、車両の周辺の環境情報が作動設計領域に付合しない場合、正常な自動運転が不可能であると決定できる。
【0031】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、正常な自動運転が不可能な場合、事故リスクを最小限に抑えるためのミニマルリスクマニューバの遂行が必要な状況であると決定できる。プロセッサ130は、ミニマルリスクマニューバの遂行が必要な状況である場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを決定することができる。
【0032】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、ADSシステムは正常に作動するが、運転者に対する異常信号が感知される場合、又は緊急停車が要求される場合にも、事故の危険を最小化するためのミニマルリスクマニューバの遂行が必要な状況であると決定できる。運転者に対する異常信号は、運転者の生体信号に異常がある場合、又はハンドオーバー要請に対する運転者の反応がない場合を含むことができる。緊急停車は、運転者又は警察のような第三者によって要求されることがありうる。
【0033】
一つの実施例によれば、ミニマルリスクマニューバのタイプは、
図2に示したように、車線停車タイプ(traffic lane stop、201)と道路の路肩停車タイプ(road shoulder stop、202)とを含むことができる。
【0034】
車線停車タイプは、直進停車タイプ(straight stop、211)と車線内停車タイプ(in-lane stop、212)とに区分でき、道路の路肩停車タイプは、半路肩停車タイプ(half-shoulder stop、213)と完全な路肩停車タイプ(full-shoulder stop、214)とに区分できる。
【0035】
直進停車タイプ211は、縦方向の減速機能のみを用いて停車するタイプであり、横方向の制御は伴わない。例えば、直進停車タイプは、車線の感知が不可能な状況、又は横方向の制御のためのアクチュエータの欠陥などにより横方向の制御が不可能な状況で遂行できる。
【0036】
車線内停車タイプ212は、車両が、走行中であった車線の境界(boundary)内で停車するタイプである。例えば、車線内停車タイプ212は、車両が横方向の制御及び/又は減速を通じて、走行していた車線の境界内で停車するタイプを意味することができる。走行中の車線は、ミニマルリスクマニューバの遂行が必要であると決定された時点において、車両が走行していた車線を意味することができる。
【0037】
半路肩停車タイプ213は、車両の一部が道路の路肩に位置した状態で停車するタイプであり、車線の変更を伴うことがある。例えば、半路肩停車タイプ213は、車両が縦方向の加速、縦方向の減速及び/又は横方向の制御を通じて、車両の一部だけが道路の境界(又は、最外側車線の境界)を外れて路肩に位置するように移動した後、停車するタイプを意味することができる。
【0038】
完全な路肩停車タイプ214は、車両の全体が道路の路肩に位置した状態で停車するタイプであり、車線の変更を伴うことがある。例えば、完全な路肩停車タイプ214は、車両が縦方向の加速、縦方向の減速及び/又は横方向の制御を通じて、車両の全体が道路の境界を外れて路肩に位置するように移動した後、停車するタイプを意味することができる。
【0039】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両の状態情報、外部の環境情報及び道路交通法のうち少なくとも一つに基づいて、ミニマルリスクマニューバのタイプを車線停車タイプ又は道路の路肩停車タイプのいずれかに決定することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両の状態情報、外部の環境情報及び道路交通法に関係なく、ミニマルリスクマニューバのタイプを設計者によりがあらかじめ指定された基本タイプで決定することができる。あらかじめ指定された基本タイプとは、道路の路肩停車タイプでありうる。これは、道路交通法では、車両故障等による緊急事態が発生した場合、比較的に安全な区域である路肩に車両を停車させることを許容(又は、勧告)しているからである。したがって、本開示の多様な実施例においては、基本タイプを道路の路肩停車タイプにあらかじめ指定することによって、車両のミニマルリスクマニューバが交通の流れに及ぼす影響を最小化しながら、2次衝突が発生する可能性を最小化でき、運転者又は搭乗者が道路外に待避できる。
【0040】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、ADSシステムは正常に作動するが、車両の状態が一般的な運行条件に適合しない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定することができる。例えば、プロセッサ130は、ADSシステムは正常に作動するが、バッテリー過熱又はタイヤパンクが感知される場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定できる。
【0041】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、運転者に対する異常信号が感知される場合、又は緊急停車が要求される場合にも、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定することができる。
【0042】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、ミニマルリスクマニューバのタイプが道路の路肩停車タイプに決定された場合、縦方向及び/又は横方向の制御を通じて、車両を路肩に向かって移動させ、車両の少なくとも一部が路肩に位置するよう車両の位置を制御することができる。プロセッサ130は、センサ部110の少なくとも一つのセンサ又は既に保存されたマップデータから道路の路肩に対する位置情報を獲得し、獲得された路肩の位置情報に基づいて、車両を路肩に向かって移動させることができる。道路の路肩は、
図3a及び
図3bに示したように、車両の右側に位置する最も外側の道路境界(road boundary)301、311と道路脇(road edge)の障害物303、313との間の空間305、315を意味することができる。障害物303、313は、例えば、縁石(kerb)又はガードレール(guardrail)でありうる。
【0043】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、ミニマルリスクマニューバのタイプが道路の路肩停車タイプに決定された場合、車両100の停車が可能な道路の路肩を検索することができる。例えば、プロセッサ130は、センサ部110の少なくとも一つのセンサ(例:カメラ、レーダー及び/又はライダー)及び/又は既に保存されたマップデータを利用して、停車が可能な道路の路肩領域を検索することができる。ここで、停車が可能な道路の路肩領域は、幅及び/又は長さが指定された最小幅及び/又は最小長さより大きいか等しく、他の客体(例:他の車両、歩行者、物、障害物等)によって占有されていない道路の路肩領域を意味することができる。
【0044】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両100の現在位置を基準にして指定された臨界範囲内に、停車が可能な道路の路肩領域が存在しない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを変更することができる。例えば、プロセッサ130は、ミニマルリスクマニューバのタイプを車線停車タイプに変更し、車線停車を遂行することができる。
【0045】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両100の現在位置を基準にして指定された臨界範囲内に、停車が可能な道路の路肩領域が多数存在する場合、各領域のサイズ、現在位置からの距離、周辺の障害物のサイズ、又は周辺の障害物の種類のうち少なくとも一つに基づいて、一つの道路の路肩領域を決定することができる。決定された道路の路肩領域は、車両100が停車する道路の路肩領域を意味することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、決定された道路の路肩領域のサイズの情報(例:路肩の幅又は長さの情報)に基づいて、道路の路肩停車のための細部の停車タイプを決定することができる。細部の停車タイプは、半路肩停車、完全な路肩停車、平行停車又は斜め停車のうち少なくとも一つを含むことができる。平行停車は、車両が最外側車線の境界及び/又は最外側車線に隣接する障害物(例:縁石又はガードレール)と平行な状態になるよう停車するタイプである。斜め停車は、車両が最外側車線の境界及び/又は最外側車線に隣接する障害物に対して平行でなく傾いた状態、すなわち最外側車線の境界及び/又は隣接する障害物と一定の角度を成す状態になるよう停車するタイプである。道路の路肩領域のサイズの情報は、センサ部110の少なくとも一つのセンサ(例:カメラ、レーダー及び/又はライダー)から取得されるか、既に保存されたマップデータから取得できる。
【0046】
プロセッサ130は、道路の路肩領域の幅と指定された幅とを比較することができる。指定された幅は、車両の幅、車両の幅に第1臨界値を加えて計算された幅、又は車両のタイプによって、あらかじめ設定された幅である。例えば、車両が乗用車である場合、指定された幅はあらかじめ約2mに設定されうる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、
図4aに示したように、道路の路肩領域401の幅403が指定された幅より大きいか等しい場合、完全な路肩停車が遂行されるように、車両100を制御することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、
図4bに示したように、道路の路肩領域411の幅413が指定された幅より小さい場合、半路肩停車が遂行されるように、車両100を制御することができる。
【0047】
プロセッサ130は、道路の路肩領域の長さと指定された長さとを比較することができる。指定された長さは、車両の長さ、又は車両の長さに第2臨界値を加えて計算された長さ、又は車両のタイプによってあらかじめ設定された長さである。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、
図5aに示したように、道路の路肩領域の長さ501が指定された長さより長いか等しい場合、平行停車503が遂行されるように、車両を制御することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、道路の路肩領域の長さが指定された長さ511より短い場合、斜め停車513が遂行されるように、車両を制御することができる。
【0048】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、道路の路肩領域に向かって移動し、停車タイプによって停車を遂行する間に、車両が停車又は後進しないよう制御できる。例えば、プロセッサ130は、
図6aに示したように、車両100がミニマルリスクマニューバのタイプの遂行を決定した時点の位置、すなわち現在位置600から前方側に走行610した後、道路の路肩領域である第2位置602に向かって後進620しないように、車両を制御することができる。プロセッサ130は、停車する道路の路肩領域が第3位置603である場合、縦方向の減速及び/又は横方向の制御機能を利用して、現在位置600から第1位置601及び第2位置602を経て第3位置603に移動した後、第3位置603に停車するよう車両を制御することができる。また、プロセッサ130は、
図6bに示したように、車両100が現在位置600から第3位置603に移動630した後、第2位置602に向かって後進640しないように、車両を制御することができる。プロセッサ130は、停車する道路の路肩領域が第2位置602である場合、縦方向の減速及び/又は横方向の制御機能を利用して、車両100が現在位置600から第1位置601を経て第2位置602に移動した後、第2位置602に停車するよう車両を制御できる。
【0049】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、指定された時間以内に道路の路肩停車が完了するか否かを判断し、判断結果に基づいてミニマルリスクマニューバのタイプを変更するか否かを決定することができる。プロセッサ130は、指定された時間以内に道路の路肩停車が完了しない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプから車線停車タイプに変更することができる。例えば、プロセッサ130は、指定された時間以内に道路の路肩停車が完了しない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプから車線停車タイプのうち車線内停車タイプに変更し、車線内停車が遂行されるように、車両を制御することができる。プロセッサ130は、車線内停車が指定された時間以内に完了しない場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを車線内停車タイプから直進停車タイプに変更し、直進停車が遂行されるように制御できる。
【0050】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、決定されたミニマルリスクマニューバのタイプに応じて車両を停車させるための作動を遂行し、最小危険要件(Minimal Risk Condition、MRC)が満足しているかどうかを決定することができる。最小危険要件は、車両の速度が0である停車状態を意味することができる。例えば、プロセッサ130は、車両100が決定されたミニマルリスクマニューバのタイプに応じて少なくとも一つの作動を遂行している間、車両100の速度が0である停車状態になるかどうかを決定することができる。プロセッサ130は、車両100の速度が0である状態になれば、最小危険要件が満たされると決定できる。
【0051】
多様な実施例によれば、プロセッサ130は、最小危険要件が満たされた場合、ミニマルリスクマニューバの作動を終了し、自動運転システム(ADS)を待機モード又はオフ(OFF)状態に切り替えることができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、自動運転システム(ADS)を待機モード又はオフ状態に切り替えた後、車両に対する制御権限を運転者(又は、使用者)に移譲するように制御できる。
【0052】
多様な実施例によれば、ディスプレイ140は、車両100に関する情報を視覚的に表示することができる。例えば、ディスプレイ140は、プロセッサ130の制御により、車両100の運転者に車両100の状態に関する様々な情報を提供することができる。車両の状態に関する様々な情報とは、車両に具備される各種の構成要素及び/又は車両の少なくとも一つの機能に対する、正常作動の可否を示す情報又は車両の走行状態を示す情報でありうる。車両の走行状態は、例えば、車両が自動運転中である状態、ミニマルリスクマニューバ中である状態、ミニマルリスクマニューバが完了した状態及び自動運転を終了した状態のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0053】
多様な実施例によれば、通信装置150は、車両100の外部装置と通信することができる。実施例によれば、通信装置150は、プロセッサ130の制御によって車両100の外部からデータを受信し、又は車両100の外部にデータを伝送することができる。例えば、通信装置150は、無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルを利用して通信できる。
【0054】
上述した
図1の説明においては、コントローラ120とプロセッサ130を分離された構成要素として説明したが、多様な実施例によれば、コントローラ120とプロセッサ130は一つの構成要素に統合できる。
【0055】
図7は、本開示の多様な実施例による車両の作動を示すフローチャートである。
【0056】
図7を参照すると、車両100は作動S710でADSを正常に作動させることができる。
【0057】
一つの実施例によれば、車両100は、ADSの正常作動に応じて自動運転を遂行しながら、車両の状態及び周辺環境をモニタリングできる。車両100は、車両の状態及び周辺環境をモニタリングして獲得された情報に基づいて、ミニマルリスクマニューバが必要かどうかを感知することができる。ミニマルリスクマニューバが必要な場合、イベントA1を発生させることができる。
【0058】
一つの実施例によれば、車両100は、ADSの正常作動に応じて自動運転を遂行しながら、運転者(又は、使用者)の介入が必要な状況であるか否かを感知することができる。運転者の介入が必要な場合、車両100はADSを通じて運転者の介入要請(RTI:Request To Intervene)を遂行するか、又は警告を発行することができる。運転者の介入要請又は警告はイベントA2でありうる。車両100は、ADSが正常に作動する状態でイベントA1が発生した場合、作動S720に進行できる。
【0059】
車両100は、ADSが正常に作動する状態でイベントA2が発生した場合、作動S750で指定された時間内に運転者の介入が感知されるかどうかを決定することができる。車両100は、指定された時間内に運転者の介入が感知されない場合、イベントB1が発生したと決定できる。イベントB1が発生した場合、車両100は作動S720で進行できる。車両100は、指定された時間内に運転者の介入が感知される場合、イベントB2が発生したと決定できる。イベントB2が発生した場合、車両100は作動S740で進行できる。
【0060】
車両100は、作動S720でミニマルリスクマニューバ(MRM)が遂行できる。一つの実施例によれば、車両100は、車両の状態情報、周辺の環境情報及び道路交通法のうち少なくとも一つに基づいて、ミニマルリスクマニューバのタイプを決定することができる。一つの実施例によれば、車両100は、車両の状態情報、外部の環境情報及び道路交通法に関係なく、ミニマルリスクマニューバのタイプを設計者によりあらかじめ指定された基本タイプで決定することができる。あらかじめ指定された基本タイプとは、道路の路肩停車タイプでありうる。ミニマルリスクマニューバのタイプは、
図2に示したように、直進停車タイプ211と車線内停車タイプ212とを含む車線停車タイプ201、並びに完全な路肩停車タイプ213と半路肩停車タイプ214とを含む道路の路肩停車タイプ202を含むことができる。
【0061】
車両100は、決定されたミニマルリスクマニューバのタイプに応じて車両を停車させるために、車内の少なくとも一つの構成要素を制御することができる。一つの実施例によれば、車両100は、ミニマルリスクマニューバの遂行中であることを示す情報を他の車両に報知することができる。
【0062】
車両100は、作動S720でミニマルリスクマニューバの遂行によって車両の速度が0になり、最小危険要件が満たされるかどうかを決定することができる。車両100は、最小危険要件を満たす場合、イベントC1が発生したと決定し、作動S730で進行することができる。車両100は、ミニマルリスクマニューバの遂行中に、運転者の介入が感知されるかどうかを決定することができる。車両100は、運転者の介入が感知される場合、イベントC2が発生したと決定し、作動S740で進行することができる。
【0063】
車両100は、作動S730で最小危険要件が満たされる状態を維持することができる。最小危険要件が満たされる状態は、車両が停車した状態を意味することができる。例えば、車両100は、車両の停車状態を維持することができる。例えば、車両100は、停車位置の路面の傾きに関係なく、車両を停車状態に維持するための制御作動を遂行することができる。車両100は、最小危険要件が満たされる状態を維持しながら、イベントD1を発生させるかどうかを決定することができる。イベントD1は、運転者によるADSのオフ及び運転者に車両の制御権限の移譲完了のうち少なくとも一つを含むことができる。車両100は、イベントD1が発生した場合、作動S740で進行できる。
【0064】
車両100は、作動S740でADSを待機モード又はオフ状態に切り替えることができる。車両100は、ADSが待機モード又はオフ状態である間に、自動運転のための作動を遂行しない。
【0065】
以上で説明した作動S710、S720、S730、S750はADSが活性化された状態であり、S740はADSが非活性化された状態でありうる。
【0066】
図8は、本開示の多様な実施例による車両において、ミニマルリスクマニューバに応じて停車を遂行するフローチャートである。
図8の作動は、
図7の作動S720の詳細な作動でありうる。以下の実施例において、各作動は順次に遂行できるが、必ずしも順次に遂行されるわけではない。例えば、各作動の順序が変更されることもあり、少なくとも二つの作動が並列に遂行されてもよい。また、以下の作動は、車両100に備えられたプロセッサ130及び/又はコントローラ120によって遂行されるか、プロセッサ130及び/又はコントローラ120により実行可能な命令語として具現化されてもよい。
【0067】
図8のフローチャートは、ミニマルリスクマニューバによって停車を遂行することを例示しているが、他の実施例によれば、たとえミニマルリスクマニューバの状況でなくても、車両が使用者の要求に応じて停車を遂行する場合にも同一又は類似に使用できる。
【0068】
図8を参照すると、車両100は、作動S801でミニマルリスクマニューバのタイプ(MRMのタイプ)を道路の路肩停車タイプに決定することができる。一つの実施例によれば、車両100は、正常な自動運転が不可能な場合、道路の路肩停車を許容(又は、勧告)する道路交通法に基づき、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定できる。これは、車両100のミニマルリスクマニューバによる車両の停車が交通の流れに及ぼす影響を最小化し、2次衝突が発生する可能性を最小化しながら運転者及び/又は搭乗者が道路外に待避しやすくするためである。一つの実施例によれば、車両100は、車両の状態情報及び/又は周辺の環境情報に基づいて、ADSシステムは正常に作動するが、車両の状態が一般的な運行条件に適合していないことと確認された場合、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定できる。一つに実施例によれば、車両100は、運転者に対する異常信号が感知される場合、又は緊急停車の要求が感知される場合にも、ミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車タイプに決定することができる。
【0069】
他の実施例によれば、車両100は、使用者の停車要請に対する対応として道路の路肩停車タイプを決定することができる。
【0070】
以後の作動は、ミニマルリスクマニューバによる停車であれ、使用者の停車要請による停車であれ、同様に適用できる。
【0071】
車両100は、作動S803で道路の路肩を検索することができる。一つの実施例によれば、車両100は、少なくとも一つのセンサ(例:カメラ、レーダー及び/又はライダー)を利用して停車が可能な道路の路肩領域を探索したり、既に保存されたマップデータを利用して停車が可能な道路の路肩領域を検索したりすることができる。停車が可能な道路の路肩領域は、幅及び/又は長さが指定された最小幅及び/又は最小長さより大きいか等しく、他の客体(例:他の車両、歩行者、物、障害物等)によって占有されていない道路の路肩領域を意味することができる。
【0072】
車両100は、作動S805で停車領域及び停車タイプを決定することができる。一つの実施例によれば、プロセッサ130は、車両100の現在位置を基準にして指定された臨界範囲内に、停車が可能な道路の路肩領域が多数存在する場合、各領域のサイズ、現在位置からの距離、周辺の障害物のサイズ、又は周辺の障害物の種類のうち少なくとも一つに基づいて、一つの道路の路肩領域を決定することができる。決定された道路の路肩領域は、車両100が路肩停車を遂行するための停車領域を意味することができる。
【0073】
プロセッサ130は、停車する道路の路肩領域が決定されれば、細部の停車タイプを決定できる。細部の停車タイプは、半路肩停車、完全な路肩停車、平行停車又は斜め停車のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0074】
一つの実施例によれば、プロセッサ130は、道路の路肩領域の幅及び/又は長さを指定された幅及び/又は長さと比較し、比較した結果によって、完全な路肩停車、半路肩停車、平行停車又は斜め停車のうちいずれか一つの停車タイプ、又は二つの停車タイプを決定することができる。
【0075】
例えば、プロセッサ130は、道路の路肩領域の幅及び長さが指定された幅及び長さより大きい場合、完全な路肩停車及び平行停車を選択することができる。他の例として、プロセッサ130は、道路の路肩領域の幅及び長さが指定された幅及び長さより小さい場合、半路肩停車及び斜め停車を選択することができる。また、他の例として、プロセッサ130は、道路の路肩領域の幅が指定された幅より小さく、道路の路肩領域の長さは指定された長さより長い場合、半路肩停車及び平行停車を選択することができる。
【0076】
車両100は、作動S807で停車領域、すなわち決定された道路の路肩領域への移動のための移動経路を設定することができる。決定された道路の路肩領域への移動経路は、現在の位置情報、決定された道路の路肩領域の位置情報、及び/又は周辺の客体(例:他の車両、歩行者、障害物)のうち少なくとも一つに基づいて設定することができる。この時、移動経路は、中間停車又は後進しないように設定されることができる。すなわち、路肩停車のために決定された道路の路肩領域に移動する途中には、車両の停車又は後進は許されない。
【0077】
車両100は、作動S809で設定された移動経路に従って移動した後、決定された道路の路肩領域に停車することができる。一つの実施例によれば、車両100は、一つの情報に基づいて、縦方向の加速、縦方向の減速、及び横方向の制御のうち少なくとも一つを制御し、設定された移動経路に沿って道路の路肩領域に移動することができる。一つの実施例によれば、車両100は、道路の路肩領域に移動して、作動S805で決定された細部の停車タイプに応じて停車を遂行することができる。例えば、決定された細部の停車タイプが完全な路肩停車及び平行停車である場合、車両100は、車両の全体が道路の境界(又は、最外側車線)を外れて路肩領域に位置するように移動しながら、車両が最外側道路の境界線及び/又は道路脇の障害物(例:縁石又はガードレール)に平行な状態で停車するよう制御できる。他の例として、決定された細部の停車タイプが半路肩停車及び斜め停車である場合、車両100は、車両の一部だけ道路の境界を外れて道路の路肩領域に位置するように移動しながら、車両が最外側道路の境界線及び/又は道路脇の障害物に対して傾いた状態、又は一定の角度を成す状態で停車するよう制御できる。
【0078】
車両100は、道路の路肩領域への移動及び停車を遂行する間に、車両が停車又は後進しないように制御することができる。
【0079】
上述した
図8のように道路の路肩停車が完了された場合、車両100は、
図8の作動を終了し、
図7の作動S730で進行することができる。
【0080】
図示されていないが、作動S803で停車が可能な道路の路肩領域が検索されない場合、車両100はミニマルリスクマニューバのタイプを道路の路肩停車から車線停車に変更することができる。
【0081】
上述した説明で、車両100は、停車が可能な道路の路肩領域の探索及び/又は検索をする時、指定された臨界範囲内において車両100が完全な路肩停車及び平行停車が可能な領域を最優先に探索及び/又は検索することができる。しかし、完全な路肩停車及び平行停車が可能な道路の路肩領域がない場合、半路肩停車が可能な領域を探索及び/又は検索することができる。半路肩停車が可能な領域は、車両100が半路肩停車及び平行停車を遂行しても、または半路肩停車及び斜め停車を遂行しても、他の車両の走行に影響を及ぼさない領域に決定することができる。例えば、車両100は、
図9aに示したように半路肩停車及び平行停車を遂行する場合、または
図9bに示したように半路肩停車及び斜め停車を遂行する場合に、走行車線に対する車両100の最大侵犯サイズ(M
t)901、951を予測することができる。車両100は、走行車線の幅(W)から予測される最大侵犯サイズ(M
t)を引いた値(W-M
t)が、あらかじめ設定されたサイズ(W
v)(例:他の車両910、960のサイズ)より大きい場合(W‐M
t>W
v)のみ、当該領域を半路肩停車が可能な道路の肩車領域として決定することができる。ここで、走行車線の幅(W)は、センサ部110の少なくとも一つのセンサ、又は既に保存されたマップデータから取得できる。予測される最大侵犯サイズ(M
t)は、当該道路の路肩領域の幅(M
s)903、道路の路肩領域の長さ953及び/又は車両100のサイズ(例:幅及び/又は長さ)に基づいて計算することができる。ここで、道路の路肩領域の長さ953は、路肩に存在する他の客体(例:他の車両、歩行者、物、障害物など)961,962との間の領域として決定することができる。他の車両のサイズ(W
v)は、事業者によりあらかじめ設定されることができる。例えば、他の車両のサイズは、複数の車両の平均幅、又は車両の最大幅に設定することができる。他の例として、他の車両のサイズは、複数の車両の平均幅又は車両の最大幅に、あらかじめ設定された第3臨界値を加えた値に設定することもできる。上述した他の車両のサイズ(W
v)は例示に過ぎず、本開示の多様な実施例はこれに限定されない。
【0082】
本開示の多様な実施例によれば、車両を制御する車両制御装置は、前記車両の故障情報が感知される場合、又は停車要請が受信される場合に、獲得された外部の環境情報に基づいて、少なくとも一つの停車が可能な領域を探索する。そして前記車両制御装置は、前記探索された停車が可能な領域のサイズ又は横方向の長さの情報に基づいて、斜め停車タイプ又は平行停車タイプを決定する。また、前記車両制御装置は、前記停車が可能な領域に前記決定された停車タイプで停車するように、車両の走行を制御するプロセッサ110を含むことができる。
【0083】
一つの実施例によれば、停車が可能な領域は路肩に位置することができる。
【0084】
一つの実施例によれば、前記プロセッサ110は、前記路肩の幅の情報に基づいて、完全な路肩停車タイプ又は半路肩停車タイプの停車を制御できる。
【0085】
一つの実施例によれば、半路肩停車タイプの停車が遂行される場合、前記プロセッサ110は、一般車線(又は、走行車線)を侵犯する車両の横方向の長さを算出し、算出された横方向の長さが既に設定された値以下である場合、停車プロセスを終了することができる。
【0086】
上述したように、本開示の多様な実施例によれば、正常な自動運転が不可能な車両が道路の路肩に停車することによって、交通の流れへの影響を最小限に抑えながら、2次衝突が発生する可能性も最小限に抑えることができ、運転者又は搭乗者は道路外に待避できる。
【0087】
一つ以上の例示的な実施例において、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアで具現化されれば、これらの機能は、コンピュータで読み取り可能な媒体上に、一つ以上の命令又はコードとして保存又は伝送されることができる。コンピュータで読み取り可能な媒体は、ある場所から他の場所へのコンピュータプログラムの伝達を容易にする任意の媒体を含む、通信媒体及びコンピュータ記憶媒体の全てを含む。保存媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体である。限定ではない例として、このようなコンピュータで読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、又その他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の自己保存デバイス、或いは命令又はデータ構造の形で、希望するプログラムコードを伝達又は保存するのに使用でき、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むことができる。また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、任意の接続を含むことができる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、ラジオ及び超高周波のような無線技術を使用して、Webサイト、サーバ又はその他の遠隔ソースから送信される場合、前記の同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、又は赤外線、ラジオ及び超高周波のような無線技術が媒体の定義に含まれる。ここで使用されたディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途〈多目的〉ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含む。ここで、Diskは通常データを磁気的に再生するのに対し、Discはデータをレーザによって光学的に再生する。前記の組み合わせも、コンピュータで読み取り可能な媒体の範囲内に含まれなければならない。
【0088】
実施例がプログラムコード又はコードセグメントで具現化される場合、プログラムコード又はコードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス又はコマンド、データ構造又はプログラム命令文の任意の組み合わせを示すことができると認識しなければならない。また、コードセグメントは、情報、データ、引数(argument)、パラメータ又はメモリコンテンツを伝達及び/又は受信することによって、他のコードセグメント又はハードウェアの回路に接続することができる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリの共有、メッセージの伝達、トークンの伝達、ネットワーク送信などを含む任意の適当な手段を利用して、伝達、発送又は伝送することができる。さらに、ある側面において、方法又はアルゴリズムの段階及び/又は作動は、コンピュータプログラムという物に統合できる、機械で読み取り可能な媒体及び/又はコンピュータで読み取り可能な媒体上に、コード及び/又は命令のいずれか、又はこれらの任意の組み合わせやセットとして常駐することができる。
【0089】
ソフトウェアにおける具現化では、ここで説明した技術は、ここで説明した機能を遂行するモジュール(例えば、プロシージャ、関数など)で具現化できる。ソフトウェアのコードは、メモリユニットに保存でき、プロセッサによって実行できる。メモリユニットは、プロセッサ内で具現化されることも、又はプロセッサ外部で具現化されることもできる。この場合、メモリユニットは、公知のように多様な手段によってプロセッサに通信可能に接続される。
【0090】
ハードウェアの具現化において、処理ユニットは、一つ以上のオンデマンド型集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラミング可能なロジックデバイス(PLD)、現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、並びにここで説明した機能を遂行するように設計された他の電子ユニット、又はその組み合わせで具現化できる。
【0091】
上述したことは、一つ以上の実施例を含む。もちろん、上述した実施例を説明する目的で、構成要素(コンポーネント)又は方法の可能なすべての組み合わせを記述できるわけではなく、当業者であるならば、多様な実施例に対する多くの追加の組み合わせ及び置換が可能であることを認識できるだろう。したがって、説明した実施例は、添付された請求範囲の真意及び範囲内にある、すべての代案、変形及び改造を含む。
【0092】
ここで記載したように、「推論する」又は「推論」という用語は、一般的にイベント及び/又はデータによって捕捉される1セットの観測から、システム、環境及び/又はユーザーの状態に関して判断又は推論するプロセスをいう。推論は、特定の状況や作動(動作)を識別するのに利用でき、例えば、状態に対する確率分布を生成することもできる。推論は確率的なことでありうるし、すなわちデータ及びイベントの考察に基づいた該当状態に対する確率分布の計算でありうる。また、推論は、1セットのイベント及び/又はデータから上位レベルのイベントを構成するのに利用される技術を指すこともできる。このような推論は、1セットの観測されたイベント及び/又は保存されたイベントデータからの新しいイベント又は作動(動作)、そしてイベントが時間的に密接に関係しているかどうか、イベントとデータとが一つ又は複数のイベント及びデータソースから出てくるかを推定させる。
【0093】
さらに、本開示で使用されたように、「構成要素(コンポーネント)」、「モジュール」、「システム」などの用語は、これに限定されるものではないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアといった、コンピュータと関連のあるエンティティを含むものである。例えば、構成要素(コンポーネント)は、これに限定されるものではないが、プロセッサ上で実行する、プロセス、プロセッサ、客体(オブジェクト)、実行可能な実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータでありうる。例えば、演算デバイス上で駆動するアプリケーション及び演算デバイスの両方が構成要素(コンポーネント)でありうる。一つ以上の構成要素(コンポーネント)がプロセス及び/又は実行スレッド内に常駐でき、構成要素(コンポーネント)が一つのコンピュータに集中されてもよく、又は二つ以上のコンピュータの間で分散されてもよい。また、これらの構成要素(コンポーネント)は、各種のデータ構造を保存した各種のコンピュータで読み取り可能な媒体から実行できる。構成要素(コンポーネント)は、一つ以上のデータパケット(例えば、ローカルシステム及び分散システムにおける、他の構成要素(コンポーネント)及び/又は信号によって、他のシステムとインターネットなどのネットワークを介して相互作用する、ある構成要素(コンポーネント)からのデータ)を持つ信号に従うなど、ローカル及び/又は遠隔プロセスによって通信することができる。