(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052645
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】少なくとも1つの、特に搬送される面状要素、特にプラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料を個々の要素に分離する装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/06 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
B65B61/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023170547
(22)【出願日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】10 2022 125 320.1
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】513209213
【氏名又は名称】イェルク フォン ゼッガン マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Joerg von Seggern Maschinenbau GmbH
【住所又は居所原語表記】An der Kolckwiese 10, D-26133 Oldenburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェルク フォン ゼッガン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス フォン ゼッガン
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA01
3E056BA14
3E056BA20
3E056DA01
3E056EA05
3E056FB02
3E056FB10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料の申し分のない分離を可能にする装置を提案する。
【解決手段】少なくとも1つの、特に搬送される面状要素、特にプラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料を個々の要素に分離する装置であって、少なくとも1つの打ち抜き工具を備え、この打ち抜き工具は、アンビルに向かって作業する少なくとも1つの打ち抜き梁11を有し、この打ち抜き梁はスタンド機構を介して保持されている、装置において、打ち抜き梁とスタンド機構とは、振り子ジョイント20を介して互いに結合されており、この振り子ジョイントの振り子運動軸線が、打ち抜き梁の長手方向軸線に対して横方向に延在していることが特定されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの、特に搬送される面状要素、特にプラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料を個々の要素に分離する装置であって、少なくとも1つの打ち抜き工具を備え、該打ち抜き工具は、アンビルに向かって作業する少なくとも1つの打ち抜き梁を有し、該打ち抜き梁はスタンド機構を介して保持されている、装置において、
前記打ち抜き梁(11)と前記スタンド機構(14)とは、振り子ジョイント(20)を介して互いに結合されており、該振り子ジョイント(20)の振り子運動軸線が、前記打ち抜き梁(11)の長手方向軸線に対して横方向に延在していることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記打ち抜き梁(11)は前記振り子ジョイント(20)に懸吊されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記スタンド機構(14)は、前記振り子ジョイント(20)用の収容体を有することを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記収容体は、前記面状要素(4)の搬送方向に対して横方向で前記面状要素(4)の上方に配置された横方向支持体(16)であることを特徴とする、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記横方向支持体(16)は少なくとも3つのシェル要素(18,18’,19)から形成されており、外側の前記シェル要素(18,18’)は前記スタンド機構(14)に結合されており、中間の前記シェル要素(19)は前記打ち抜き梁(11)を支持していて、前記振り子ジョイント(20)に懸吊されていることを特徴とする、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記シェル要素(19)は、前記スタンド機構(14)内で高さ可変に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記シェル要素(19)は前記振り子ジョイント(20)に取り付けられており、該振り子ジョイント(20)は、前記外側のシェル要素(18,18’)内に回動可能に収容されており、前記振り子ジョイント(20)はその延在長さ内に、偏心して形成された部分を有することを特徴とする、請求項5および6記載の装置。
【請求項8】
偏心した前記部分に、前記シェル要素(19)の高さ位置を確定させるための少なくとも1つの確定要素(23)が割り当てられていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記振り子ジョイント(20)は少なくとも1つの楔状のフレーム(26a)内に収容されていることを特徴とする、請求項5および6記載の装置。
【請求項10】
前記楔状のフレーム(26a)に少なくとも1つのスピンドル駆動装置(27)が割り当てられていることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの、特に搬送される面状要素、特にプラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料を個々の要素に分離する装置であって、少なくとも1つの打ち抜き工具を備え、この打ち抜き工具は、アンビルに向かって作業する少なくとも1つの打ち抜き梁を有し、この打ち抜き梁はスタンド機構を介して保持されている、装置に関する。
【0002】
プラスチックシートまたはプラスチック複合材料から、例えば食品、日用品、工具およびこれに類するもの用のパッケージが製造される。その際には、例えば巻き上げられているプラスチックシートが、例えば深絞りにより容器を成形し、この容器への充填を行い、容器を封止した後に個々の要素に分離される。
【0003】
この分離作業のために、上述した分離装置が使用される。この分離装置は少なくとも1つの打ち抜き工具を備えている。この打ち抜き工具によって、迅速なサイクルの際にも、プラスチックシートの個々の要素の分離が可能となる。打ち抜き工具は大きな力で作業する。この大きな力は、打ち抜きにより行われる押潰し分離時に確実な分離を達成するために必要となる。
【0004】
この場合に問題となるのは、打ち抜き工具における力が、規則的に点状に、例えば中央の1点または例えば打ち抜き工具の自由端部における2点に加えられることである。それぞれ異なる力作用によって、力が大きくかつ打ち抜き梁とアンビルとが互いに押し合わされる際に大きな力が生じる。この大きな力は、打ち抜きに関与する工具の僅かな撓みを招いてしまう。この撓みの結果、打ち抜き工具同士の間に、不十分な打ち抜きを引き起こす間隙が形成される。頻繁な補正が必要となり、打ち抜き時の付加的な力消費によって、打ち抜き工具の早期の摩耗が生じる。
【0005】
したがって、本発明の根底にある課題は、冒頭に記載した形態の装置を改良して、プラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料の申し分のない分離が可能となるようにすることである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、打ち抜き梁とスタンド機構とが、振り子ジョイントを介して互いに結合されており、この振り子ジョイントの振り子運動軸線が、打ち抜き梁の長手方向軸線に対して横方向に延在していることによって解決されている。
【0007】
本発明に係る装置では、打ち抜き梁がスタンド機構内に相対回動不能に保持されていない。それどころか、打ち抜き梁は振り子ジョイントを介して支承されている。これによって、打ち抜き梁が内部に保持されたスタンド機構に対する打ち抜き梁の旋回が可能となる。
【0008】
振り子運動可能性によって、まず、打ち抜き時に打ち抜き梁を対向部材としてのアンビルに位置適正に当て付けることができることが達成されている。さらに、1つの振り子ジョイントによって、打ち抜き梁の中央での懸吊が提供されており、この中央での懸吊によって、より大きな力の発生時に自由端部での打ち抜き梁の撓みが可能となる。アンビルの外側でアンビルに相応の反力が加えられると、アンビルには、正確に逆向きの撓みが生じる。力が外側に加えられるので、そこに窪みが形成される。打ち抜き梁とアンビルとを互いに密に当て付け合うことができるため、その結果、申し分のない所望の分離が生じる。
【0009】
本発明では、振り子運動軸線が、打ち抜き梁の長手方向軸線に対して横方向に向けられていて、ひいては、プラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料の搬送方向に対して平行に向けられている。
【0010】
打ち抜き梁は、好ましくは振り子ジョイントに懸吊されている。このために、スタンド機構は、好ましくは振り子ジョイント用の収容体を有する。
【0011】
本発明の一改良形態によれば、収容体は、面状要素の搬送方向に対して横方向で面状要素の上方に配置された横方向支持体であることが特定されている。この横方向支持体はタイ梁のように形成されている。横方向支持体は、分離すべきプラスチックシートまたはプラスチックシート複合材料の上方に配置されている。このために、横方向支持体はスタンド機構によって保持される。横方向支持体はその各々の自由端部で相応のスタンドに立設されてもよい。この場合、これらのスタンドは、搬送される面状要素の両側に配置されている。
【0012】
本発明の次の改良形態は、横方向支持体が少なくとも3つのシェル要素から形成されており、外側のシェル要素がスタンド機構に結合されており、中間のシェル要素が打ち抜き梁を支持していて、振り子ジョイントに懸吊されていることを特定している。この構成によれば、横方向支持体はコンパクトに形成されている。同形に形成された3つのシェル要素は、互いに合同に重なり合って位置していてもよい。このとき、両方の外側のシェル要素は、位置不変にスタンド機構に結合されている。両方の外側のシェル要素は、振り子ジョイントを介して中間のシェル要素を相互間に保持している。つまり、この中間のシェル要素は、両方の外側のシェル要素の間で自由に振り子運動することができる。このとき、中間のシェル要素は打ち抜き梁を支持している。
【0013】
本発明の次の改良形態は、中間のシェル要素が、スタンド機構内で高さ可変に取り付けられていることを特定している。この場合には、面状要素が互いに異なる際のそれぞれ異なる打ち抜きタスクへの適合を行うことができる。高さ可変性は、好ましくは、振り子ジョイントの、中間のシェル要素を支持する偏心して形成された部分によって保証されている。振り子ジョイントは外側のシェル要素内に配置されていて、外側から、例えば外側の縁部のローレットによって回動位置調整することができる。その際、偏心した部分には、さらに、打ち抜きタスク用に振り子ジョイントの高さを確定させるべく、シェル要素の高さ位置を確定させるための確定要素が割り当てられている。
【0014】
スタンド機構内での振り子ジョイントの高さ可変の取付けに関して、本発明の代替形態は、振り子ジョイントが楔状のフレーム内に収容されていることを特定している。振り子ジョイントは、このような楔状のフレーム内で移動させられてもよく、楔状のフレームが、変更された水平な向きから移動させられることで、振り子ジョイントの高さ配置の変更が達成可能となる。
【0015】
楔状のフレームには、好ましくはスピンドル駆動装置が割り当てられている。このスピンドル駆動装置は楔状のフレームに当て付けられていて、スピンドル駆動装置の作動によって楔状のフレームの位置変更が生じるようになっている。この限りにおいて、楔状のフレームの位置変更を外側から、相応に形成されたスピンドル駆動装置によって行うことができる。スピンドル駆動装置には、好ましくは、さらに、スピンドル駆動装置と楔状のフレームとの規定の位置を確定させるべく、確定機構が割り当てられている。
【0016】
本発明の実施例は図面に示してある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】面状要素を搬送して、容器を成形し、この容器を封止し、この容器を互いに切り離す装置の概略的な側面図である。
【
図3】打ち抜き工程中に面状要素を押し切るための本発明に係る装置の斜視図である。
【
図4】本発明に係る装置の構成部材の斜視的な部分断面図である。
【
図6】
図4および
図5に示した構成部材の斜視的な部分断面図である。
【
図7】本発明に係る装置の構成部材の代替的な実施形態の斜視的な部分断面図である。
【
図8】本発明に係る装置の構成部材の代替的な実施形態の斜視的な側面図である。
【
図9】本発明に係る装置の構成部材の代替的な実施形態の斜視的な部分断面図である。
【0018】
図1に示した装置は機枠1を有している。この機枠1は複数の作業ステーションを有している。符号2は深絞りステーションを表している。この深絞りステーションでは、ロール3から繰り出された面状要素4、特にシート帯材に容器5が成形される。この容器5の成形後、面状要素4は矢印6に沿って引き続き搬送され、例えば対象物で満たされ、封止ステーション26にガイドされる。この封止ステーション26において、容器5は封止シート7によって閉鎖される。
【0019】
次いで、容器5は切断ステーション8に搬送される。この切断ステーション8では、容器5が、回転するカッタ9によって面状要素4の搬送方向に対して平行に切断される。面状要素4の搬送方向に対して横方向の切断は、打ち抜き装置10によって行われる。
【0020】
図2には、打ち抜き装置10の構成部材、つまり、打ち抜き工具の打ち抜き梁11が示してある。この打ち抜き梁11は面状要素4の全幅にわたって延在している。この面状要素4は、搬送のために、その長手方向縁部でチェーン12に保持されている。
図2に示した容器5は、面状要素4の搬送方向(矢印6)に対して横方向で打ち抜き装置10によって互いに分離することができる。打ち抜きは線13に沿って行われる。
【0021】
図3には、打ち抜き工程中の打ち抜き装置10が示してある。矢印6で示した搬送方向に沿って打ち抜き装置10に供給された面状要素4が押し切られる。
図2に示した打ち抜き梁11はスタンド機構14に取り付けられている。さらに、このスタンド機構14には、打ち抜き下側工具15も取り付けられている。
【0022】
スタンド機構14は、スタンド17に立設された横方向支持体16を備えている。この横方向支持体16は3つのシェル要素18,18’,19から形成されている。
【0023】
図4および
図5には、シェル要素19が振り子ジョイント20を介してシェル要素18,18’に結合されていることが示してある。
図5に双方向矢印25で明示したように、シェル要素19は、両方の外側のシェル要素18,18’の内側で振り子運動することができる。シェル要素19は打ち抜き梁11を支持している。
【0024】
図4および
図6には、振り子ジョイント20が、偏心した部分を有していることが示してある。これによって、シェル要素18,18’に対するシェル要素19の高さ変更が可能となる。振り子ジョイント20の偏心した部分には、ディスク21が配置されている。このディスク21は、中間のシェル要素19内に収容されている。高さ調整はローレット部分22を介して行うことができる。確定要素23が孔列24に対応している。確定要素23によって、振り子ジョイント20の回動位置を確定させることができる。
【0025】
図7および
図8には、シェル要素19の代替的な実施形態が示してある。このシェル要素19は、やはり振り子ジョイント20を介してシェル要素18,18’に結合されているものの、シェル要素19の高さ変更用の代替的な機構が形成されている。この代替的な機構は、水平線に対して斜めに配置された楔状のフレーム26aを備えている。このフレーム26aには、スピンドル駆動装置27が割り当てられている。このスピンドル駆動装置27はフレーム26aに当て付けられている。
図8には、シェル要素19がじかに示してある。
【0026】
図9には、スピンドル駆動装置27がシェル要素19の内部で外向きにハンドグリップ28にまでガイドされていることが示してある。さらに、別のハンドグリップ29が設けられている。この別のハンドグリップ29は、スピンドル駆動装置27を緊締するために用いられる。
【0027】
図8には、楔状のフレーム26aがその楔形状をフレーム部分の内部、つまり、フレーム26aの内側に有していることが示してある。このフレーム26aの移動によって、シェル要素19の配置の高さ変更が行われる。
【外国語明細書】