(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052702
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240404BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B7/02
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024024249
(22)【出願日】2024-02-21
(62)【分割の表示】P 2022067980の分割
【原出願日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2021198173
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】麻生 麻実
(57)【要約】
【課題】容易にユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、複数のユーザのうちのある対象ユーザと複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを複数のユーザの中から特定し、複数の問題のうち、対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、出題履歴情報における近似ユーザの予測対象問題の正誤判定結果に基づいて導出し、導出した予測正解率に基づいて、複数の問題のうち対象ユーザに出題する問題を決定する処理部を備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
複数の前記近似ユーザを特定し、
前記複数の近似ユーザの前記予測対象問題の平均正解率を、前記予測正解率とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記対象ユーザの前記複数の問題の正誤判定結果を要素に含むベクトルと、他の各ユーザの前記複数の問題の正誤判定結果を要素に含むベクトルと、に基づいて導出されたコサイン類似度により前記近似ユーザを特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記複数のユーザのうち、前記コサイン類似度が基準値以上であるユーザを前記近似ユーザとして特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記複数のユーザのうち、前記コサイン類似度が大きい順に選ばれる基準数又は基準割合のユーザを前記近似ユーザとして特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記出題履歴情報と、前記複数のユーザの属性及び特性の少なくとも一方を含む特徴情報と、に基づいて、前記近似ユーザを特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題の難易度の指定を受け付け、
複数の前記予測対象問題の前記予測正解率に基づいて、指定された難易度に対応する予測正解率の問題を、前記対象ユーザに出題する問題として決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記誤答問題についての前記予測正解率を導出する場合には、前記近似ユーザ及び前記対象ユーザの前記誤答問題の平均正解率を前記予測正解率とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題における前記未出題問題の割合、及び前記誤答問題の割合の指定を受け付け、
複数の前記予測対象問題の前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の出題数が指定された割合となるように、前記対象ユーザに出題する問題を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定し、
決定した前記問題を前記対象ユーザに対して出題する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に設けられたコンピュータに、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定する処理、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出する処理、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、語学等の種々の学科の学習に用いることができる端末装置において、当該学科に係るテスト(問題の出題及び回答の正誤判定)を行うことができるものがある。このようなテストでは、ユーザの学習レベルに応じた難易度の問題を出題することで、ユーザの学習レベルを適切に判定したり、テスト自体による学習効果を高めたりすることができる。
【0003】
ユーザの学習レベルに応じた難易度の問題を出題する方法の1つに、当該ユーザに対して未出題である問題の正解率を予測する方法がある。例えば特許文献1には、ユーザ自身による複数の問題の正誤判定結果に基づいて、出題済みの問題に含まれる複数の概念についてのユーザの理解度を分析し、その分析結果に基づいて未出題の問題の正解率を予測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、概念に対する理解度が他の問題の正解率に反映されることを前提としているため、この前提が成り立たない場合(例えば、単語テストのように、複数の概念を組み合わせた問題ではない場合など)には適用することができない。また、上記の前提が成り立つとしても、問題は必ずしも単純な概念の組み合わせのみで構成されるわけではないため、正解率の予測精度が必ずしも高くない。
このように、上記の従来技術を用いると、正解率の予測方法を適用できる問題が限られるとともに、正解率の予測精度が必ずしも高くないため、ユーザの学習レベルに応じた適切な難易度のテストを行うことが容易でないという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、容易にユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理部を備える
ことを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理方法は、
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定し、
決定した前記問題を前記対象ユーザに対して出題する
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、
情報処理装置に設けられたコンピュータに、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定する処理、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出する処理、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容易にユーザの学習レベルに応じた難易度のテストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】単語テストの難易度と、選択する単語の予測正解率との関係を示す図である。
【
図13】予測正解率算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図14】テスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図15】変形例1における特徴ベクトルの例を示す図である。
【
図16】変形例2に係る出題履歴DBの内容例を示す図である。
【
図17】変形例2に係る学習履歴DBの内容例を示す図である。
【
図18】変形例2に係る予測正解率算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図19】変形例2に係る難易度指定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
<学習支援システムの構成>
図1は、本実施形態の学習支援システム1の概略構成図である。
学習支援システム1(情報処理システム)は、サーバ10(情報処理装置)と、通信ネットワークNを介してサーバ10に情報通信可能に接続されている複数の端末装置20と、を備える。通信ネットワークNは、例えばインターネットであるが、これに限られず、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークであってもよい。サーバ10と端末装置20との間の通信経路のうち少なくとも一部は、無線による通信経路であってもよい。
【0014】
学習支援システム1は、端末装置20を使用するユーザに対し、語学の学習を支援する学習支援サービスを提供する。端末装置20は、例えばスマートフォンであるが、これに限られず、タブレット型端末、ノート型のPC(パーソナルコンピュータ)、又は据置型のPC等であってもよい。
【0015】
端末装置20には、学習用のアプリケーションプログラム(以下、「学習アプリ231(
図6参照)」と記す)がインストールされており、端末装置20は、この学習アプリ231を実行することで、サーバ10と連携して語学の学習に係る種々のサービスをユーザに提供する。例えば、端末装置20は、学習アプリ231の実行中にユーザから単語(辞書の見出し語、辞書の項目)の検索指示が入力されると、サーバ10から当該単語の意味や例文等を含む項目情報を取得して表示する。また、端末装置20は、学習アプリ231の実行中に、単語の習熟度を測る単語テストを実行することができる。単語テストは、例えば、単語のスペル(表記)に対して訳を回答する問題、又は単語の訳に対してスペルを回答する問題である。端末装置20は、テストを実行する場合には、出題する単語のリスト、及び各単語の表記及び訳のデータをサーバ10から取得し、問題をユーザに出題し、ユーザから問題の回答が入力されると、当該回答の正誤判定を行って結果をユーザに提示する。
上記は、学習支援システム1が提供するサービスの一例であり、これらに限られない。
【0016】
学習支援システム1は、複数の端末装置20をそれぞれ使用する複数のユーザに対して学習支援サービスを提供する。サーバ10は、各ユーザの学習支援サービスの利用状況に係る情報を管理し、当該情報に応じた適切なサービスをユーザに提供する。例えば、複数のユーザへの単語テストの出題状況を分析し、あるユーザに単語テストを実施する場合には、上記の分析結果に基づいて、ユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題する。出題する問題を決定する方法については、後に詳述する。
【0017】
<サーバの構成>
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
サーバ10は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16と、バス17などを備える。サーバ10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0018】
CPU11は、記憶部13に記憶されているサーバ制御プログラム131(プログラム)を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、サーバ10の動作を制御するプロセッサ(処理部)である。なお、サーバ10は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0019】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、サーバ制御プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。サーバ制御プログラム131は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13に記憶されるデータとしては、ユーザ管理DB(データベース)132(特徴情報)、辞書DB133、学習履歴DB134、出題履歴DB135(出題履歴情報)、及び予測正解率DB136などがある。
【0020】
図3は、ユーザ管理DB132の内容例を示す図である。
ユーザ管理DB132には、学習支援サービスを利用する複数のユーザに係るデータが格納されている。ユーザ管理DB132は、各ユーザの属性及び特性の少なくとも一方に係る特徴情報を含む。ユーザ管理DB132の1つのデータ行(レコード)は、1人のユーザに対応する。
図3に示す例では、ユーザ管理DB132は、「ユーザID」、「学年」、及び「志望校」のデータ列(カラム)を有する。
「ユーザID」は、各ユーザに付された固有の符号である。
「学年」は、ユーザの学年である。ユーザが生徒又は学生ではない場合には「一般」のデータが登録される。
「志望校」は、ユーザにより予め入力された志望校である。
なお、ユーザ管理DB132には、ユーザの属性(性別、年齢等)や特性(勉強時間、勉強時間帯、得意な単語の分類等)に係るデータ列がさらに含まれていてもよい。
【0021】
図4は、辞書DB133の内容例を示す図である。
辞書DB133の1つのデータ行(レコード)は、英和辞書の1つの単語(項目)に対応する。辞書DB133の1つのデータ行に含まれる情報が、1つの項目に係る「項目情報」に相当する。辞書DB133は、「単語ID」、「単語」、及び「訳」のデータ列(カラム)を有する。
「単語ID」は、そのデータ行の単語に付された固有の符号である。
「単語」は、単語の表記(スペル)である。
「訳」は、単語の日本語訳である。
なお、辞書DB133には、英和辞書以外の辞書(英英辞書等)に係るデータがさらに格納されていてもよい。
【0022】
図5は、学習履歴DB134の内容例を示す図である。
学習履歴DB134には、学習支援サービスにおける各ユーザの学習履歴に係るデータが格納されている。学習履歴DB134は、ユーザごとに生成されたデータブロックを有する。各データブロックにおける1つのデータ行(レコード)は、そのユーザが検索した単語、又はそのユーザに対して単語テストとして出題された単語に対応する。また、各データブロックは、「ユーザID」、「単語ID」、「検索日」、「出題日」、及び「正誤判定結果」のデータ列(カラム)を有する。
「ユーザID」は、
図3のユーザ管理DB132におけるユーザIDと共通の符号である。
「単語ID」は、そのデータ行に対応する単語の単語IDであり、
図4の辞書DB133における単語IDと共通の符号である。
「検索日」は、そのデータ行の単語が最後に検索された時点を表す日付である。なお、日付に加えて時刻の情報がさらに登録されていてもよい。
「出題日」は、そのデータ行の単語が単語テストにおいて最後に出題された時点を表す日付である。なお、日付に加えて時刻の情報がさらに登録されていてもよい。
「正誤判定結果」は、単語テストにおけるユーザの回答の正誤の判定結果であり、「1」は正答を表し、「0」は誤答を表す。
例えば、
図5に示す学習履歴DB134では、ユーザID「U00000」のユーザが、単語ID「W0012」の単語について「2021年8月12日」の単語テストで回答して正答し、その後の「2021年8月15日」に検索を行っていることが登録されている。
出題履歴DB135及び予測正解率DB136の内容例については後述する。
【0023】
図2に示す操作部14は、マウスなどのポインティングデバイス及びキーボードなどを有し、ユーザによる位置入力及びキー入力などを受け付けてその操作情報をCPU11に出力する。
【0024】
表示部15は、液晶ディスプレイなどの表示装置を備え、CPU11からの表示制御信号に従って表示装置において各種表示を行う。
【0025】
通信部16は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークN上の端末装置20との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0026】
<端末装置20の構成>
図6は、端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
端末装置20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、音声出力部26と、通信部27と、バス28などを備える。端末装置20の各部は、バス28を介して接続されている。
【0027】
CPU21は、記憶部23に記憶されている学習アプリ231等のプログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置20の動作を制御するプロセッサ(処理部)である。なお、端末装置20は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU21が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0028】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、学習アプリ231等のプログラム及び各種データを記憶する。記憶部23は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。
【0029】
操作部24は、表示部25の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネル、及び物理ボタンなどを有し、ユーザによるタッチパネルに対するタッチ操作、及び物理ボタンに対する押下操作などを受け付けてその操作情報をCPU21に出力する。
【0030】
表示部25は、液晶ディスプレイなどの表示装置を備え、CPU21からの表示制御信号に従って表示装置において各種表示を行う。
【0031】
音声出力部26は、スピーカーを有し、CPU21からの音声出力制御信号に従って、単語の発生やテストの問題文などの音声を出力する。また、音声出力部26は、有線接続又は無線接続された外部の音声出力装置(例えば、イヤホン又はヘッドホン等)に対して音声信号を出力することで、当該音声出力装置から音声を出力させる。
【0032】
通信部27は、アンテナを含む通信モジュール等によって構成され、通信ネットワークN上のサーバ10との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0033】
<学習支援システムの動作>
次に、学習支援システム1の動作について説明する。以下に示す動作における動作主体は、サーバ10のCPU11、及び端末装置20のCPU21であるが、以下では便宜上、サーバ10及び端末装置20を動作主体として記載する場合がある。
【0034】
学習支援システム1による学習支援サービスを受けるユーザは、端末装置20において学習アプリ231を実行し、学習支援システム1にログインする。学習支援システム1へのログインは、例えば、ユーザにより入力されて端末装置20からサーバ10に送信されたユーザID及びパスワードを、サーバ10に予め登録されているユーザID及びパスワードと照合する認証処理により行われる。学習支援システム1にログインしたユーザは、学習アプリ231上で、学習支援サービスの各種機能を実行することができる。
【0035】
(単語検索)
学習支援システム1による学習支援サービスの基本機能の1つは、英和辞書における単語の検索である。ユーザは、学習アプリ231上で所定の操作を行うことで、英和辞書における単語検索を行うための辞書画面40を表示部25に表示させることができる。
【0036】
図7は、辞書画面40を示す図である。
辞書画面40には、検索する単語を指定するための検索ボックス41と、検索された単語の項目情報が表示される項目情報表示領域42と、単語の音声を再生させるための音声再生ボタン43と、単語検索を終了させるための辞書画面終了ボタン44などが表示されている。検索ボックス41に検索したい単語のスペルが入力された状態で検索が実行されると、端末装置20は、当該単語の項目情報をサーバ10に要求する。サーバ10は、当該要求に応じて、辞書DB133から指定された単語の項目情報を取得し、端末装置20に送信する。端末装置20は、取得した項目情報を項目情報表示領域42に表示させる。また、サーバ10は、学習履歴DB134のうち検索を行ったユーザに対応するデータブロックにおいて、単語の検索が行われた検索日を登録する。これにより、ユーザによる単語の検索履歴が記録される。
【0037】
(テスト)
学習支援システム1による学習支援サービスでは、上述した単語テストを行うことができる。以下では、単語のスペル(表記)に対して訳を回答する単語テストを例に挙げて説明する。本実施形態の単語テストでは、辞書DB133に項目として含まれている単語のうち、ユーザが過去に検索を実行しておらず、かつ、過去の単語テストで一度も出題されていない単語(未出題問題)の中から、出題される単語(以下、「出題単語」と記す)が選択される。
ユーザが、学習アプリ231上で単語テストの実行指示を行うと、まず、単語テストの難易度(レベル)を指定するための難易度指定画面50が表示部25に表示される。
【0038】
図8は、難易度指定画面50を示す図である。
難易度指定画面50には、単語テストの難易度を指定するための難易度指定ボタン51と、単語テストを開始させるためのテスト開始ボタン52などが表示されている。本実施形態では、難易度指定ボタン51により、最も難易度の低い「レベル1」から、最も難易度の高い「レベル5」までの5段階の難易度のいずれかを指定することができる。
【0039】
難易度指定ボタン51によりいずれかの難易度が指定された状態でテスト開始ボタン52を選択する操作がなされると、端末装置20は、指定された難易度となる出題単語のリスト(以下、「出題単語リスト」と記す)をサーバ10に要求する。サーバ10は、当該要求に応じて、ユーザにとって指定された難易度となるような出題単語を辞書DB133から取得して出題単語リストを生成する。サーバ10の記憶部13の予測正解率DB136には、当該ユーザに対して過去の単語テストで一度も出題されていない単語について、当該ユーザによる予測正解率の情報が登録されている。サーバ10は、この予測正解率に基づいて、指定された難易度の出題単語を抽出する。具体的には、
図9に示すように、指定された難易度が「レベル5」である場合には、予測正解率が0.0以上0.2未満である単語の中から出題単語を選択し、指定された難易度が「レベル4」である場合には、予測正解率が0.2以上0.4未満である単語の中から出題単語を選択し、指定された難易度が「レベル3」である場合には、予測正解率が0.4以上0.6未満である単語の中から出題単語を選択し、指定された難易度が「レベル2」である場合には、予測正解率が0.6以上0.8未満である単語の中から出題単語を選択し、指定された難易度が「レベル1」である場合には、予測正解率が0.8以上1.0以下である単語の中から出題単語を選択する。
【0040】
出題単語リストに入れる単語の数、すなわち1回の単語テストで出題される単語の数は、設定により予め定められており、本実施形態では10個である。サーバ10は、指定された難易度に対応する予測正解率の単語を10個選択して出題単語リストを作成し、端末装置20に送信する。端末装置20は、出題単語リストを取得すると、表示部25による表示画面を、単語テストを行うためのテスト画面60に遷移させる。
【0041】
図10は、テスト画面60を示す図である。
テスト画面60には、出題単語61と、回答としての訳を入力するためのテキストボックス62と、回答ボタン63などが表示されている。出題単語61は、出願単語リストに含まれる1つの単語である。ユーザは、テキストボックス62に出題単語61の訳を入力して回答ボタン63を選択する操作を行うことで、問題に対して回答することができる。1つの出題単語61に対する回答が完了すると、出題単語リストに含まれる次の出題単語61が表示され、続けて回答することができる。全て(本実施形態では、10個)の出題単語61に対する回答が完了すると、全ての出題単語61の正誤判定結果が表示部25に表示される。あるいは、1つの出題単語61に対する回答が行われるごとに、当該出題単語61の正誤判定結果が表示されてもよい。
【0042】
また、サーバ10は、出題単語リストに入れた単語を、出題済みの単語として学習履歴DB134に記録する。すなわち、学習履歴DB134のうち単語テストを行ったユーザに対応するデータブロックにおいて、出題単語のリストに入れた単語のデータ行を追加し、出題日を登録する。また、各出題単語の正誤判定結果を登録する。これにより、ユーザに対する単語の出題履歴、及び正誤判定結果の履歴が記録される。
【0043】
(予測正解率の算出方法)
次に、上述した予測正解率の算出方法について説明する。
サーバ10は、所定の頻度で(例えば、1か月に1回程度)、全てのユーザ(複数のユーザ)についての、単語テストで未出題の単語の予測正解率を算出する予測正解率算出処理を実行する。本実施形態では、未出題の単語(未出題問題)が、予測正解率を算出する対象である「予測対象問題」に相当する。
【0044】
予測正解率算出処理では、まず、辞書DB133に登録されている全ての単語(言い換えると、単語テストの全ての問題(複数の問題))についての、各ユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの単語の正誤判定結果を含む出題履歴のデータが収集され、出題履歴DB135に登録される。出題済みの単語の正誤判定結果は、直近の所定期間内(例えば、過去3か月以内)において行われたテストにおける正誤判定結果が集計される。上記所定期間に複数回出題されている場合には、最後に出題されたときの正誤判定結果が用いられる。
【0045】
図11は、出題履歴DB135の内容例を示す図である。
出題履歴DB135の1つのデータ行(レコード)は、1人のユーザに対応する。出題履歴DB135には、全てのユーザ(ここでは、ユーザID:U00000~U29999の3万人であるものとする)に対応する数のデータ行を有する。
また、出題履歴DB135の1つのデータ列(カラム)は、1つの単語に対応する。出題履歴DB135は、辞書DB133に登録されている全ての単語(ここでは、単語ID:W0000~W2999の3000語であるものとする)に対応する数のデータ列を有する。
【0046】
各データ行における各単語に対応するデータは、「0」、「1」、又は「null(データなし)」のいずれかである。
「0」は、当該データ行に対応するユーザに対して直近の所定期間内に当該単語が1回以上出題済みであり、かつ最後に出題されたときの正誤判定結果が「誤答」であったことを表す。
「1」は、当該データ行に対応するユーザに対して直近の所定期間内に当該単語が1回以上出題済みであり、かつ最後に出題されたときの正誤判定結果が「正答」であったことを表す。
「null」は、当該データ行に対応するユーザに対して過去に当該単語が1回も出題されていないことを表す。
このように、出題履歴DB135は、全ての単語についての、全てのユーザに対する出題状況(出題履歴の有無)、及び正誤判定結果の情報を含む。
【0047】
次に、出題履歴DB135の出題状況及び正誤判定結果に基づいて、各ユーザについて、他の全てのユーザのうち単語の習熟傾向が近似する近似ユーザが特定される。ここでは、協調フィルタリングの手法が用いられる。
【0048】
具体的には、まず、近似ユーザを特定する対象である1人の対象ユーザと、他の全てのユーザの各々(以下、「比較ユーザ」と記す)について、特徴ベクトルがそれぞれ特定される。特徴ベクトルは、出題履歴DB135のデータ行における全単語数のデータ(
図11では3000個のデータ)のうち、対象ユーザ及び比較ユーザの双方に対して出題済みである単語(すなわち、対象ユーザ及び比較ユーザのデータ行において値が「0」又は「1」となっている単語)のデータを要素に含むベクトル(ここでは、当該要素からなるベクトル)とする。
【0049】
例えば、全単語数が10個であり、これらの単語についての対象ユーザ、及びある比較ユーザに対応するデータが以下のようになっている場合を例に挙げて説明する(「-」は「null」を表す)。
対象ユーザ:01--01110-
比較ユーザ:101--01-1-
この場合には、対象ユーザ及び比較ユーザに対していずれも出題済みである1、2、6、7、9個目の単語のデータが特徴ベクトルの要素とされ、対象ユーザに対応する特徴ベクトルa、及び比較ユーザに対応する特徴ベクトルbは、以下のように特定される。
特徴ベクトルa=(0,1,1,1,0)
特徴ベクトルb=(1,0,0,1,1)
【0050】
続いて、対象ユーザ及び比較ユーザの特徴ベクトルについてのコサイン類似度を以下の式により算出する。
【0051】
【0052】
コサイン類似度が「1」に近いほど、対象ユーザ及び比較ユーザの特徴(ここでは、単語の習熟傾向)が類似していることを表す。ある対象ユーザについて、残りの全ての比較ユーザとの間でこのコサイン類似度が算出される。
図11のデータ群D1は、ユーザID「U00000」のユーザを対象ユーザとしたときの、他の全ての比較ユーザとのコサイン類似度の算出結果を表す。
なお、少なくとも一方のユーザが「null」となっている単語の数によっては、特徴ベクトルの次元数が少なくなって、コサイン類似度を用いた習熟傾向の比較を所望の精度で行うことができない場合があるため、特徴ベクトルの次元数が所定数未満となるユーザは近似ユーザの抽出対象から除外してもよい。
【0053】
算出されたデータ群D1のコサイン類似度に基づいて、対象ユーザと単語の習熟傾向が近似する近似ユーザが特定される。
例えば、複数のユーザのうち、コサイン類似度が基準値以上(例えば、0.5以上)である比較ユーザを、対象ユーザの近似ユーザとして特定してもよい。
あるいは、複数のユーザのうち、コサイン類似度が大きい順に選ばれる所定の基準数(例えば、「上位10名」等)の比較ユーザを、対象ユーザの近似ユーザとして特定してもよい。
あるいは、複数のユーザのうち、コサイン類似度が大きい順に選ばれる所定の基準割合(例えば、「上位5%」等)の比較ユーザを、対象ユーザの近似ユーザとして特定してもよい。
図11の例では、コサイン類似度が大きい順に選ばれる3人の比較ユーザが近似ユーザとされ、近似ユーザとして、ユーザIDが「U00001」~「U00003」の3名のユーザ(そのコサイン類似度を領域Aに示す)が特定されている。
【0054】
次に、対象ユーザに対して未出題となっている単語(
図11における着色部、すなわち単語IDが「W0002」~「W0004」である3つの単語)について、近似ユーザの正誤判定状況のデータ(
図11における領域B)に基づいて、対象ユーザの予測正解率(
図11における領域C)が算出(導出)される。具体的には、未出題の各単語について、特定した複数の近似ユーザの平均正解率を算出し、対象ユーザの予測正解率とする。例えば、
図11における単語IDが「W0002」の単語については、3人の近似ユーザの正誤判定結果が全て「1」(正答)であるため、予測正解率は「1」と算出される。また、単語IDが「W0003」の単語については、3人の近似ユーザのうち1人が「1」(正答)、2人が「0」(誤答)であるため、予測正解率は「0.33」と算出される。また、単語IDが「W0003」の単語については、3人の近似ユーザのうち1人が「1」(正答)、1人が「0」(誤答)、1人が「null」(未出題)であるため、予測正解率は「0.50」と算出される。
【0055】
このようにして、対象ユーザに対して未出題である全ての単語についての予測正解率のデータ群D2が生成される。
なお、本実施形態では、対象ユーザに対して未出題である単語であっても、対象ユーザが検索済みである単語は出題対象とならないため、検索済みの単語の予測正解率については「null」とされる。よって、本実施形態では、未出題である単語のうち、検索済みでない単語が「予測対象問題」に相当する。ただし、これに限られず、未出題の単語について検索履歴の有無に関わらず出題対象とすることとしてもよい。この場合には、検索履歴のある単語についても、未出題の単語については「予測対象問題」とされ、予測正解率が算出されてデータ群D2に登録される。
予測正解率の導出過程で生成されるデータ群D1及びデータ群D2は、出題履歴DB135に含めてもよいし、記憶部13のうち出題履歴DB135以外の記憶領域に記憶されてもよい。
【0056】
以降、残りの各ユーザを対象ユーザとして、上記と同様の方法により、近似ユーザの特定、及び予測正解率の導出が行われる。各ユーザについての予測正解率のデータ群D2は、予測正解率DB136に登録される。
【0057】
図12は、予測正解率DB136の内容例を示す図である。
予測正解率DB136の1つのデータ行は、1人のユーザに対応し、複数の単語に対応する各データ列(カラム)には、当該ユーザのその単語についての予測正解率(
図11のデータ群D2の値)が登録されている。また、データ行に対応するユーザに対して出題済みの単語及び検索済みの単語については「null」とされる。予測正解率DB136の予測正解率は、上述のとおり、指定された難易度に応じた予測正解率の単語を選択する処理に用いられる。
【0058】
(予測正解率算出処理の制御手順)
次に、予測正解率を算出するための予測正解率算出処理の制御手順について説明する。
図13は、予測正解率算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
上述のとおり、予測正解率算出処理は、1か月に1回などの所定の頻度で実行される。
【0059】
予測正解率算出処理が開始されると、サーバ10のCPU11は、全てのユーザの単語テストの結果データを取得する(ステップS101)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB134の各ユーザのデータブロックから、出題済みの単語、及び当該単語についての正誤判定結果を取得し、その内容を出題履歴DB135に登録する。
【0060】
CPU11は、ユーザの序数を表す変数Nに0を代入する(ステップS102)。以下では、N番目のユーザ(本実施形態では、Nは0から29999まで)を「ユーザN」と記す。
【0061】
CPU11は、変数Nが全ユーザ数未満であるか否かを判別する(ステップS103)。変数Nが全ユーザ数未満であると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU11は、ユーザN(対象ユーザ)と、他の各ユーザ(比較ユーザ)とのコサイン類似度を算出し、
図11に示すデータ群D1を生成する(ステップS104)。
【0062】
CPU11は、コサイン類似度が大きい順に所定の基準数のユーザを抽出し、ユーザNの近似ユーザとして特定する(ステップS105)。なお、コサイン類似度に基づく近似ユーザの特定方法は、上述したとおり、これに限られない。
【0063】
CPU11は、単語の序数を表す変数Mに0を代入する(ステップS106)。以下では、M番目の単語(本実施形態では、Mは0から2999まで)を「単語M」と記す。
【0064】
CPU11は、変数Mが全単語数未満であるか否かを判別する(ステップS107)。変数Mが全単語数未満であると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、単語MをユーザNが検索済みであるか否かを判別する(ステップS108)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB134におけるユーザNのデータブロックにおいて、単語Mのデータ行に検索日が登録されている場合に、単語MをユーザNが検索済みであると判別する。
【0065】
単語MをユーザNが検索済みではないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU11は、単語Mがユーザに対して出題済みであるか否かを判別する(ステップS109)。ここでは、CPU11は、学習履歴DB134におけるユーザNのデータブロックにおいて、単語Mのデータ行に出題日が登録されている場合に、単語MがユーザNに対して出題済みであると判別する。
【0066】
単語MがユーザNに対して未出題であると判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU11は、単語Mの予測正解率として、単語Mについての近似ユーザの平均正解率を算出する(ステップS110)。
【0067】
一方、ステップS108において、単語Mをユーザが検索済みであると判別された場合(ステップS108で“YES”)、又はステップS109において、単語Mがユーザに対して出題済みであると判別された場合には(ステップS109で“YES”)、CPU11は、単語Mについての予測正解率を「null」とする(ステップS111)。
なお、未出題の単語のうち検索済みの単語も出題対象とする場合には、ステップS108の判別ステップが省略される。
【0068】
ステップS110又はステップS110が終了すると、CPU11は、予測正解率DB136に予測正解率の算出結果を登録する(ステップS112)。
【0069】
CPU11は、変数Mをインクリメントし(ステップS113)、処理をステップS107に戻す。ステップS107において、変数Mが全単語数に達していると判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU11は、変数Nをインクリメントし(ステップS114)、処理をステップS103に戻す。ステップS103において、変数Nが全ユーザ数に達していると判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU11は、予測正解率算出処理を終了させる。
【0070】
(テスト処理の制御手順)
次に、単語テストを行うためのテスト処理の制御手順について説明する。
図14は、テスト処理の制御手順を示すフローチャートである。
図14では、端末装置20のCPU21が実行するテスト処理、及びサーバ10のCPU11が実行するテスト処理が併記されている。
【0071】
テスト処理が開始されると、端末装置20のCPU21は、難易度指定画面50を表示部25に表示させる(ステップS201)。
【0072】
CPU21は、難易度を指定する操作(
図8における難易度指定ボタン51を選択した状態でテスト開始ボタン52を選択する操作)がなされたか否かを判別し(ステップS202)、当該操作がなされていないと判別された場合には(ステップS202で“NO”)、再度ステップS202を実行する。難易度を指定する操作がなされたと判別された場合には(ステップS202で“YES”)、CPU21は、指定された難易度の出題単語リストをサーバに要求する(ステップS203)。ここでは、CPU21は、サーバ10に対して出題単語リストの要求信号を送信する。
【0073】
サーバ10のCPU11は、出題単語リストの要求信号を受信すると、予測正解率DB136のうちテストを実行中のユーザ(対象ユーザ)に対応するデータ行を参照し、指定された難易度に対応する予測正解率(
図9参照)の単語を抽出する(ステップS301)。また、CPU11は、抽出した単語を所定数(本実施形態では10個)含み、各単語の表記及び訳のデータを含む出題単語リストのデータを生成して端末装置20に送信する(ステップS302)。
【0074】
端末装置20のCPU21は、出題単語リストを受信すると、テスト画面60を表示部25に表示させて、単語テストを開始する(ステップS204)。ここでは、CPU21は、出題単語リストに含まれる単語の1つをテスト画面60に表示させて、テキストボックス62においてユーザによる訳の回答の入力を受け付け、訳が入力された状態で回答ボタン63が選択されると、出題単語リストの訳のデータと比較して正誤判定を行う。以降、この処理を出題単語リストに含まれる全ての単語について実行する。全ての単語についてユーザからの回答がなされると、CPU21は、全ての単語についての正誤判定結果を表示部25に表示させる。
【0075】
CPU21は、単語テストが終了したか否か(上記の正誤判定結果の表示が行われたか否か)を判別する(ステップS205)。CPU21は、単語テストが終了していないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、再度ステップS205を実行し、単語テストが終了したと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、テスト処理を終了させる。
【0076】
一方、サーバ10のCPU11は、ステップS302で送信した出題単語リストに含まれる単語について、学習履歴DB134に出題日を登録する(ステップS303)。これにより、ユーザに対する当該単語の出題履歴が記録される。また、予測正解率DB136のうちテストを実行中のユーザに対応するデータ行において、出題した単語に対応するデータを「null」に変更する(ステップS304)。これにより、次回以降のテストでは、出題済みの単語は出題単語として抽出されないようになる。
ステップS304が終了すると、CPU11は、テスト処理を終了させる。
【0077】
<変形例1>
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。本変形例は、近似ユーザの特定方法が上記実施形態と異なり、その他の点は上記実施形態と同様である。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
【0078】
上記実施形態では、コサイン類似度の算出に用いるユーザの特徴ベクトルとして、出題履歴DB135(出題履歴情報)における出題済みの単語の正誤判定結果を用いた。これに対し、本変形例では、出題履歴DB135の正誤判定結果と、ユーザ管理DB132に含まれる各ユーザの属性及び特性の少なくとも一方に係る特徴情報と、に基づいて近似ユーザを特定する。
【0079】
図15は、変形例1における特徴ベクトルの例を示す図である。
図15では、ユーザに対応するデータ行において、出題履歴DB135の内容に加え、ユーザ管理DB132における学年及び志望校のデータ列が追加されている。具体的には、「学年」についての「高校1年生」、「高校2年生」…といった区分、及び「志望校」について「A大学」、「B大学」…といった区分に対応するデータ列が追加されている。そして、各ユーザが該当する区分のデータ列が「1」とされ、該当しない区分のデータ列が「null」とされている。本変形例では、出題履歴DB135及びユーザ管理DB132のデータを要素として含む特徴ベクトルaが用いられる。「学年」や「志望校」の区分に相当する要素については、対象ユーザ及び比較ユーザがいずれも「1」となっている区分のみが特徴ベクトルの要素に組み入れられ、対象ユーザ及び比較ユーザの少なくとも一方が「null」となっている区分については特徴ベクトルの要素に組み入れられない。この方法によれば、「学年」や「志望校」の区分が対象ユーザと一致する比較ユーザ、すなわち属性や特性が対象ユーザと共通する比較ユーザについてはコサイン類似度が大きくなり、近似ユーザとして特定されやすくなる。
【0080】
なお、ユーザの特徴情報は、特徴ベクトルの要素に組み入れずに近似ユーザの特定に用いることもできる。
例えば、出題履歴DB135の正誤判定結果のみを要素とする特徴ベクトルによりコサイン類似度を算出した上で、対象ユーザ及び比較ユーザの特徴情報の一致率の高さに応じてコサイン類似度を増大させる補正を行ってもよい。
また、特徴情報の一致率が所定値以下のユーザを、近似ユーザの抽出対象から除外してもよい。
【0081】
<変形例2>
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。
上記実施形態では、対象ユーザに対して未出題である単語の中から、予測正解率に応じて出題する問題が決定された。しかしながら、既に出題済みの単語であっても、対象ユーザが誤答した単語については、再度出題することに意義やメリットがある場合がある。再度出題することによって、学習効果を確認したり、学習の定着を図ったりすることができるためである。
【0082】
そこで、本変形例では、未出題である単語(未出題問題)に加えて、対象ユーザに対して過去に出題済みであり、かつ対象ユーザが誤答した単語(誤答問題)についても、「予測対象問題」とされて予測正解率が算出される。そして、未出題問題及び誤答問題を含む予測対象問題の中から、予測正解率に応じて、対象ユーザに出題する問題が決定される。また、本変形例では、対象ユーザによって過去に検索されている単語であっても出題対象とされる。誤答問題の単語は、出題後に学習のために検索されることが多いためである。ただし、これに限られず、本変形例においても過去に検索済みの単語を出題対象から外すこととしてもよい。
その他の点は上記実施形態と同様である。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。変形例2は、変形例1と組み合わせてもよい。
【0083】
図16は、変形例2に係る出題履歴DB135の内容例を示す図である。
本変形例においても、対象ユーザは、ユーザIDが「U00000」のユーザであるものとする。また、この対象ユーザの近似ユーザは、上記実施形態と同様、ユーザIDが「U00001」~「U00003」の3名のユーザ(そのコサイン類似度を領域Aに示す)であるものとする。対象ユーザに対して未出題の単語(
図16では、単語IDが「W0002」、「W2995」である単語)については、上記実施形態と同様の方法により予測正解率が算出される。
【0084】
本変形例では、さらに、対象ユーザに対して過去に出題され、かつ対象ユーザが誤答した単語(すなわち、正誤判定結果が「0」となっている単語;
図16では、単語IDが「W2996」、「W2998」である単語)についても予測正解率が算出される。誤答問題についても、近似ユーザの正誤判定状況のデータ(
図16における領域B)に基づいて、対象ユーザの予測正解率(
図16における領域C)が算出(導出)される。すなわち、近似ユーザの平均正解率が、対象ユーザの予測正解率とされる。具体的には、単語IDが「W2996」である単語については、3人の近似ユーザのうち1人が「1」(正答)、2人が「0」(誤答)であるため、予測正解率は「0.33」と算出される。また、単語IDが「W2998」である単語については、3人の近似ユーザのうち1人が「1」(正答)、1人が「0」(誤答)、1人が「null」(未出題)であるため、予測正解率は「0.50」と算出される。
【0085】
なお、誤答問題についての予測正解率を導出する場合に、近似ユーザのみの平均正解率に代えて、近似ユーザ及び対象ユーザの平均正解率を予測正解率としてもよい。この場合、
図16において、単語IDが「W2996」である単語については、3人の近似ユーザに対象ユーザを加えた4人のうち、1人が「1」(正答)、3人が「0」(誤答)であるので、予測正解率は「0.25」と算出される。また、単語IDが「W2998」である単語については、上記4人のうち1人が「1」(正答)、2人が「0」(誤答)、1人が「null」(未出題)であるので、予測正解率は「0.33」と算出される。
【0086】
本変形例においても、全てのユーザについて、予測対象問題(未出題問題及び誤答問題)の予測正解率が算出される。また、本変形例では、各ユーザについて算出された予測正解率は、学習履歴DB134に登録される。
【0087】
図17は、変形例2に係る学習履歴DB134の内容例を示す図である。
図17に示す学習履歴DB134では、ユーザごとのデータブロックに、全ての単語に対応するデータ行(レコード)が含まれる。また、各データブロックは、「予測正解率」のデータ列(カラム)を有し、このデータ列に、算出された予測正解率が登録される。
図17の学習履歴DB134を参照することで、未出題問題についての予測正解率と、誤答問題についての予測正解率とを区別して取得することができる。詳しくは、「出題日」及び「正誤判定結果」のデータ列が「null(データなし)」となっているデータ行における予測正解率は、未出題問題についての予測正解率であると判別することができる。また、「正誤判定結果」が「0(誤答)」となっているデータ行における予測正解率は、誤答問題についての予測正解率であると判別することができる。なお、「正誤判定結果」が「1(正答)」となっている単語については、予測正解率は算出されない。
【0088】
なお、上記実施形態と同様に、学習履歴DB134に代えて、予測正解率DB136に予測正解率を登録してもよい。この場合には、例えば、各ユーザについての未出題問題の予測正解率のみが登録された第1データベース(
図12に示す予測正解率DB136と同一のデータベース)とは別個に、各ユーザについての誤答問題の予測正解率のみが登録された第2データベースを生成してもよい。これにより、未出題問題についての予測正解率と、誤答問題についての予測正解率とを区別可能な状態で登録することができる。
【0089】
次に、変形例2に係る予測正解率算出処理について説明する。
図18は、変形例2に係る予測正解率算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
図18は、
図13に示す予測正解率算出処理のフローチャートからステップS108を削除し、ステップS115を追加し、ステップS112をステップS112aに変更したものに相当する。
【0090】
図18のステップS101~S107は、
図13のステップS101~S107と同一である。ステップS107において、変数Mが全単語数未満であると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、単語Mがユーザに対して出題済みであるか否かを判別する(ステップS109)。単語Mがユーザに対して出題済みであると判別された場合には(ステップS109で“YES”)、CPU11は、出題履歴DB135を参照し、ユーザNが単語Mの問題に正答しているか否かを判別する(ステップS115)。ユーザNが単語Mの問題に正答していると判別された場合には(ステップS115で“YES”)、CPU11は、単語Mが予測対象問題ではないと判別し、単語Mについての予測正解率を「null」とする(ステップS111)。
【0091】
ユーザNが単語Mの問題に誤答していると判別された場合(ステップS115で“NO”)、又は、ステップS109において、単語Mがユーザに対して未出題であると判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU11は、単語Mが予測対象問題であると判別し、単語Mの予測正解率として、単語Mについての近似ユーザの平均正解率を算出する(ステップS110)。
【0092】
ステップS110又はステップS110が終了すると、CPU11は、学習履歴DB134に予測正解率の算出結果を登録する(ステップS112a)。なお、上述のとおり、予測正解率DB136に予測正解率の算出結果を登録してもよい。
以降の処理は、
図13のフローチャートと同様である。
【0093】
本変形例におけるテスト処理のフローチャートは、
図14に示す上記実施形態のテスト処理のフローチャートと基本的に同一である。
ただし、
図14のステップS201で表示させる難易度指定画面50において、未出題問題及び誤答問題の出題の割合の指定を受け付けてもよい。
【0094】
図19は、変形例2に係る難易度指定画面50の例を示す図である。
図19に示す難易度指定画面50は、
図8に示す難易度指定画面50に、未出題問題及び誤答問題の各々の出題の割合(パーセント)を指定するためのテキストボックス53を追加したものに相当する。テキストボックス53に「0」から「100」のいずれかの数値を入力した状態でテスト開始ボタン52を選択することで、未出題問題及び誤答問題の出題数がそれぞれ指定した割合となるように複数の問題が出題される。未出題問題及び誤答問題のうち一方のテキストボックス53に数値を入力すると、2つのテキストボックス53における数値の合計が「100」となるように、他方のテキストボックス53に自動的に数値が入力されるようになっていてもよい。
【0095】
なお、難易度指定画面50に、未出題問題用の難易度指定ボタン51と、誤答問題用の難易度指定ボタン51とを別個に設け、CPU11が、未出題問題の第1の難易度、及び誤答問題の第2の難易度の指定をそれぞれ受け付けるようにしていてもよい。この場合には、CPU11は、未出題問題及び誤答問題の予測正解率に基づいて、指定された第1の難易度に対応する未出題問題、及び指定された第2の難易度に対応する誤答問題を、対象ユーザに出題する問題として決定する。
【0096】
本変形例では、未出題問題及び誤答問題をいずれも出題対象とする例を用いて説明したが、これに限られず、誤答問題のみを出題対象としてもよい。この場合、誤答問題のみを予測対象問題とし、誤答問題のみ予測正解率を算出してもよい。
【0097】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ10は、処理部としてのCPU11を有する。CPU11は、複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴DB135(出題履歴情報)に基づいて、複数のユーザのうちのある対象ユーザと複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを複数のユーザの中から特定し、複数の問題のうち、対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、近似ユーザの予測対象問題の正誤判定結果に基づいて導出し、導出した予測正解率に基づいて、複数の問題のうち対象ユーザに出題する問題を決定する。
このように近似ユーザの正誤判定結果を用いる方法によれば、対象ユーザ自身の概念の理解度等の解析結果から予測正解率を導出する従来技術と比較して、予測対象問題(未出題問題及び/又は誤答問題)についての対象ユーザの予測正解率を簡易かつ高精度に導出することができる。よって、導出された予測正解率に基づいて、容易にユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題することができる。例えば単語テストであれば、ユーザが覚えていない単語を予測して出題するといったことが可能となり、効率的な学力アップを行うことができる。また、予測正解率が低い問題を出題して学習することにより、学習レベルが近い近似ユーザが間違えた問題を演習して習得することができるので、競争相手となるユーザに対して優位を確保することができる。
また、近似ユーザは、その時点での対象ユーザの学力を反映するように選ばれるため、対象ユーザが過去に誤答している誤答問題について、対象ユーザの学力の向上を反映した、その時点における予測正解率を導出することができる。よって、予測正解率に応じて、適切なタイミングで誤答問題を再度出題することができ、誤答問題について効果的な学習を行うことができる。
また、近似ユーザを特定した上で、近似ユーザの正誤判定結果に基づいて対象ユーザの予測正解率を導出するので、予測正解率の導出のために問題の内容を分析する必要がない。よって、上記方法は、任意の種類の問題に適用することができる。
【0098】
また、CPU11は、複数の近似ユーザを特定し、複数の近似ユーザの予測対象問題の平均正解率を、予測正解率とする。これにより、予測正解率の精度を高めることができる。
【0099】
また、CPU11は、対象ユーザの複数の問題の正誤判定結果を要素に含む特徴ベクトルと、他の各ユーザの複数の問題の正誤判定結果を要素に含むベクトルと、に基づいて導出されたコサイン類似度により近似ユーザを特定する。これにより、各ユーザの複数の問題の正誤判定結果を用いる簡易な方法で、近似ユーザを特定することができる。
【0100】
また、CPU11は、複数のユーザのうち、コサイン類似度が基準値以上であるユーザを近似ユーザとして特定する。これにより、対象ユーザとの習熟傾向の類似度が一定水準以上である近似ユーザを特定することができる。
【0101】
また、CPU11は、複数のユーザのうち、コサイン類似度が大きい順に選ばれる基準数又は基準割合のユーザを近似ユーザとして特定する。これにより、対象ユーザとの習熟傾向の類似度が大きい一定数の近似ユーザを特定することができる。
【0102】
また、CPU11は、出題履歴DB135と、複数のユーザの属性及び特性の少なくとも一方を含むユーザ管理DB132(特徴情報)と、に基づいて、近似ユーザを特定する。これにより、近似ユーザをより適切に特定することができ、対象ユーザの予測正解率の精度をさらに高めることができる。
【0103】
また、CPU11は、対象ユーザに出題する問題の難易度の指定を受け付け、複数の予測対象問題の予測正解率に基づいて、指定された難易度に対応する予測正解率の問題を、対象ユーザに出題する問題として決定する。これにより、ユーザの学習レベル及び指定された難易度に応じた適切な難易度の問題を出題することができる。
【0104】
また、変形例2において、CPU11は、誤答問題についての予測正解率を導出する場合には、近似ユーザ及び対象ユーザの誤答問題の平均正解率を予測正解率としてもよい。誤答問題は、対象ユーザにとって誤答しやすい問題であるということができる。このため、近似ユーザのみの平均正解率に代えて、近似ユーザ及び対象ユーザの平均正解率を用いることで、平均正解率をより妥当な方向に、すなわち低くなる方向に調整することができる。これにより、予測正解率の精度をさらに高めることができる。
【0105】
また、変形例2において、CPU11は、対象ユーザに出題する問題における未出題問題の割合、及び誤答問題の割合の指定を受け付け、複数の予測対象問題の予測正解率に基づいて、未出題問題及び誤答問題の出題数が指定された割合となるように、対象ユーザに出題する問題を決定する。これにより、ユーザが所望する割合で未出題問題及び誤答問題を出題することができる。
【0106】
また、本実施形態に係る情報処理システムとしての学習支援システム1のコンピュータとしてのCPU11及びCPU21により実行される情報処理方法は、複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴DB135(出題履歴情報)に基づいて、複数のユーザのうちのある対象ユーザと複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを複数のユーザの中から特定し、複数の問題のうち、対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、近似ユーザの予測対象問題の正誤判定結果に基づいて導出し、導出した予測正解率に基づいて、複数の問題のうち対象ユーザに出題する問題を決定する。
これによれば、対象ユーザ自身の概念の理解度等の解析結果から予測正解率を導出する従来技術と比較して、予測対象問題(未出題問題及び/又は誤答問題)についての対象ユーザの予測正解率を簡易かつ高精度に導出することができる。よって、導出された予測正解率に基づいて、容易にユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題することができる。また、対象ユーザの学力の向上を反映した適切なタイミングで誤答問題を再度出題することができ、誤答問題について効果的な学習を行うことができる。また、近似ユーザを特定した上で、近似ユーザの正誤判定結果に基づいて対象ユーザの予測正解率を導出するので、予測正解率の導出のために問題の内容を分析する必要がない。よって、上記方法は、任意の種類の問題に適用することができる。
【0107】
また、本実施形態に係るプログラムとしてのサーバ制御プログラム131は、情報処理装置としてのサーバ10に設けられたコンピュータとしてのCPU11に、複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴DB135(出題履歴情報)に基づいて、複数のユーザのうちのある対象ユーザと複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを複数のユーザの中から特定する処理、複数の問題のうち、対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、近似ユーザの予測対象問題の正誤判定結果に基づいて導出する処理、及び導出した予測正解率に基づいて、複数の問題のうち対象ユーザに出題する問題を決定する処理、を実行させる。
これによれば、対象ユーザ自身の概念の理解度等の解析結果から予測正解率を導出する従来技術と比較して、予測対象問題(未出題問題及び/又は誤答問題)についての対象ユーザの予測正解率を簡易かつ高精度に導出することができる。よって、導出された予測正解率に基づいて、容易にユーザの学習レベルに応じた適切な難易度の問題を出題することができる。また、対象ユーザの学力の向上を反映した適切なタイミングで誤答問題を再度出題することができ、誤答問題について効果的な学習を行うことができる。また、近似ユーザを特定した上で、近似ユーザの正誤判定結果に基づいて対象ユーザの予測正解率を導出するので、予測正解率の導出のために問題の内容を分析する必要がない。よって、上記方法は、任意の種類の問題に適用することができる。
【0108】
<その他>
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においてサーバ10が実行していた処理の一部又は全部を、端末装置20が実行してもよい。予測正解率の算出、及び予測正解率に基づく問題の選択を端末装置20のCPU21が実行する場合には、端末装置20が「情報処理装置」に相当する。
【0109】
また、ユーザに出題される問題として単語テストにおける単語の訳又はスペルを問う問題を例示したが、これに限られず、正誤の判定が可能な任意の問題であってもよい。よって、上記実施形態の出題方法は、任意の学科(例えば、数学、国語等)の任意の種類の問題(例えば、暗記問題、筆記問題、及び端末装置20の音声出力部26を用いたリスニング問題等)に適用できる。また、学校教育における問題に限られず、自動車教習所等の資格試験における問題や、クイズゲームにおいて出題される問題などに適用することもできる。
【0110】
また、上記実施形態では、難易度指定画面50においてユーザが問題の難易度を指定する例を用いて説明したが、これに限られず、サーバ10のCPU11が、予め定められた難易度設定に従って問題を抽出してもよい。例えば、ユーザが覚えていない可能性が高いと推定される単語(予測正解率が所定値以下である単語)を抽出してもよいし、逆に、ユーザの理解を確認する目的で、ユーザが覚えている可能性が高いと推定される単語(予測正解率が所定値以上である単語)を抽出してもよい。これらの場合には、難易度指定画面50の表示は省略される。
【0111】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0112】
また、上記実施形態における学習支援システム1、サーバ10及び端末装置20の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0113】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記処理部は、
複数の前記近似ユーザを特定し、
前記複数の近似ユーザの前記予測対象問題の平均正解率を、前記予測正解率とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記処理部は、前記対象ユーザの前記複数の問題の正誤判定結果を要素に含むベクトルと、他の各ユーザの前記複数の問題の正誤判定結果を要素に含むベクトルと、に基づいて導出されたコサイン類似度により前記近似ユーザを特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記処理部は、前記複数のユーザのうち、前記コサイン類似度が基準値以上であるユーザを前記近似ユーザとして特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記処理部は、前記複数のユーザのうち、前記コサイン類似度が大きい順に選ばれる基準数又は基準割合のユーザを前記近似ユーザとして特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記処理部は、前記出題履歴情報と、前記複数のユーザの属性及び特性の少なくとも一方を含む特徴情報と、に基づいて、前記近似ユーザを特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題の難易度の指定を受け付け、
複数の前記予測対象問題の前記予測正解率に基づいて、指定された難易度に対応する予測正解率の問題を、前記対象ユーザに出題する問題として決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記処理部は、前記誤答問題についての前記予測正解率を導出する場合には、前記近似ユーザ及び前記対象ユーザの前記誤答問題の平均正解率を前記予測正解率とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題における前記未出題問題の割合、及び前記誤答問題の割合の指定を受け付け、
複数の前記予測対象問題の前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題が指定された割合となるように、前記対象ユーザに出題する問題を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項10>
情報処理システムのコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出し、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定し、
決定した前記問題を前記対象ユーザに対して出題する
ことを特徴とする情報処理方法。
<請求項11>
情報処理装置に設けられたコンピュータに、
複数の問題についての、複数のユーザへの出題履歴の有無、及び出題済みの問題の正誤判定結果を含む出題履歴情報に基づいて、前記複数のユーザのうちのある対象ユーザと前記複数の問題の習熟傾向が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定する処理、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答している誤答問題の少なくとも一方である予測対象問題に対する当該対象ユーザの予測正解率を、前記出題履歴情報における前記近似ユーザの前記予測対象問題の前記正誤判定結果に基づいて導出する処理、
導出した前記予測正解率に基づいて、前記複数の問題のうち前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0114】
1 学習支援システム(情報処理システム)
10 サーバ(情報処理装置)
11 CPU(処理部)
12 RAM
13 記憶部
131 サーバ制御プログラム
132 ユーザ管理DB
133 辞書DB
134 学習履歴DB
135 出題履歴DB
136 予測正解率DB
14 操作部
15 表示部
16 通信部
17 バス
20 端末装置
21 CPU
23 記憶部
231 学習アプリ
24 操作部
25 表示部
26 音声出力部
27 通信部
28 バス
40 辞書画面
50 難易度指定画面
60 テスト画面
N 通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、複数のユーザに出題した複数の問題の正誤判定結果に基づいて、前記複数のユーザのうちの対象ユーザと前記複数の問題の正誤判定結果が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答した誤答問題のそれぞれに対する前記対象ユーザの予測正解率を、前記近似ユーザの前記正誤判定結果に基づいて導出し、前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の中から前記対象ユーザに出題する問題を決定する処理部を備えることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに出題した複数の問題の正誤判定結果に基づいて、前記複数のユーザのうちの対象ユーザと前記複数の問題の正誤判定結果が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答した誤答問題のそれぞれに対する前記対象ユーザの予測正解率を、前記近似ユーザの前記正誤判定結果に基づいて導出し、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の中から前記対象ユーザに出題する問題を決定する
処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題と前記誤答問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題とを決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記未出題問題に対して導出された前記予測正解率が指定された予測正解率に対応する前記未出題問題と、前記誤答問題に対して導出された前記予測正解率が指定された予測正解率に対応する前記誤答問題とを、前記対象ユーザに出題する問題として決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題の難易度の指定を受け付け、
指定された前記難易度に対応する予測正解率に基づいて、前記未出題問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題と前記誤答問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題とを決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記対象ユーザに出題する問題における前記未出題問題の割合、及び前記誤答問題の割合のうちの少なくとも一方の割合を受け付け、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題のうちの少なくとも一方の問題の出題数が、前記受け付けた割合となるように、前記対象ユーザに出題する問題の出題数を決定する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
前記受け付けた割合に基づいて、前記対象ユーザに出題する問題における前記未出題問題の割合、及び前記誤答問題の割合を特定し、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の出題数が前記特定した割合となるように、前記未出題問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題と前記誤答問題のうちの前記対象ユーザに出題する問題とを決定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理システムのコンピュータが、
複数のユーザに出題した複数の問題の正誤判定結果に基づいて、前記複数のユーザのうちの対象ユーザと前記複数の問題の正誤判定結果が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答した誤答問題のそれぞれに対する前記対象ユーザの予測正解率を、前記近似ユーザの前記正誤判定結果に基づいて導出し、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の中から前記対象ユーザに出題する問題を決定する
処理を実行する情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に設けられたコンピュータに、
複数のユーザに出題した複数の問題の正誤判定結果に基づいて、前記複数のユーザのうちの対象ユーザと前記複数の問題の正誤判定結果が近似する近似ユーザを前記複数のユーザの中から特定し、
前記複数の問題のうち、前記対象ユーザに対して未出題である未出題問題、及び前記対象ユーザが過去に誤答した誤答問題のそれぞれに対する前記対象ユーザの予測正解率を、前記近似ユーザの前記正誤判定結果に基づいて導出し、
前記未出題問題及び前記誤答問題のそれぞれに対して導出された前記予測正解率に基づいて、前記未出題問題及び前記誤答問題の中から前記対象ユーザに出題する問題を決定する
処理を実行させるプログラム。