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特開2024-52728情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052728
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031004
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2023135757の分割
【原出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2022132520
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
(57)【要約】
【課題】物流に係る温室効果ガスの排出量を適切に計算することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び輸送手段における事業主体からの依頼分の割合を取得する輸送情報取得部と、取得した排出量を割合で按分して荷物の輸送に係る排出量を計算する排出量計算部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得する輸送情報取得部と、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量を前記荷物の量で割って前記荷物に係る排出原単位を計算する原単位計算部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記輸送情報取得部は、第1の排出量を取得し、
前記事業主体が前記荷物に関して排出した前記温室効果ガスの第2の排出量を取得する自社排出量取得部をさらに備え、
前記原単位計算部は、前記第1及び第2の排出量を合計し、合計値を前記荷物の量で割って前記荷物に係る排出原単位を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記荷物の量は、前記荷物のサイズ又は重量で表され、
前記荷物ごとに前記サイズ又は前記重量を記憶する荷物情報記憶部を備え、
前記原単位計算部は、前記荷物の前記サイズ又は前記重量を前記荷物情報記憶部から読み出し、読み出した前記サイズ又は前記重量で前記排出量を割って前記排出原単位を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得するステップと、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得するステップと、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素等の排出量が算定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-164754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物流は複数の輸送業者によって行われることから排出量の計算をどのように行うべきかが定められていない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、物流に係る温室効果ガスの排出量を適切に計算することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得する輸送情報取得部と、取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算する排出量計算部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物流に係る温室効果ガスの排出量を適切に計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ2の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、物流に関する温室効果ガスの排出量を算出しようとするものである。とくに、本実施形態の情報処理システムは、物流に係る荷物1つずつの排出量を算出する。
【0011】
本実施形態では、荷主が物流を管理する輸送業者(以下、荷主から依頼を受けた輸送業者を事業主体という。)に荷物の輸送を依頼し、事業主体自身が荷物を輸送することはあれど、事業主体が他の輸送業者(以下、事業主体以外の輸送業者を単に輸送業者という。)に荷物の輸送を依頼することを想定する。なお、事業主体自身は輸送業者でなくてもよい。例えば、販売主や商社などが事業主体として荷主から荷物の輸送の依頼を受け付けるようにしてもよい。輸送業者では複数の事業主体からの荷物を混載して輸送することがある。本実施形態の情報処理システムでは、輸送業者による温室効果ガスの排出量を、特定の事業主体に紐付く荷物の積載量に応じて按分し、事業主体ごと、ひいては荷物ごとの排出量を算出する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、排出主体となる企業等の事業主体のユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。ユーザは、ユーザ端末1を用いて管理サーバ2にアクセスし、排出量の計算を行うことができる。
【0014】
管理サーバ2は、排出量の計算及び管理を行うコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、荷物情報記憶部231と、依頼量記憶部232と、荷物属性記憶部233と、輸送情報取得部212と、排出量計算部213と、自社排出量取得部214と、原単位計算部215と、排出量集計部216と、出力部217と、を備える。
【0017】
<記憶部>
荷物情報記憶部231は、物流で配送する荷物に関する情報(以下、荷物情報という。)を記憶する。本実施形態において荷物は、荷主が配送を依頼する単位である。荷主は、例えば、12個の製品を配送する場合に、1つの製品を1つの荷物としてもよいし、12個の製品を梱包した1つのダンボール箱を1つの荷物としてもよい。荷物情報には、荷物の量が含まれる。荷物の量は、荷物のサイズ及び/又は重量で表すことができる。本実施形態では、荷物情報には、荷物を特定する情報(荷物ID)に対応付けて、事業主体を特定する情報(事業主体ID)と、サイズ及び/又は重量とが含まれる。配送中には、複数の荷物が1つのパレットやコンテナなどの容器に混載されることがある。なお、1つの荷物を分解して配送することはないものとする。
【0018】
依頼量記憶部232は、荷主の依頼に関する情報(以下、依頼情報という。)を記憶する。依頼情報には、事業主体を特定する事業主体IDと、事業主体が荷物の配送を依頼した輸送業者を特定する情報(輸送業者ID)と、当該荷物に係る荷主を特定する情報(荷主ID)と、輸送業者に依頼した荷物の量(サイズ及び/又は重量)と、荷物を積載した梱包やパレット、コンテナなどの容器の数とを含む。
【0019】
荷物属性記憶部233は、荷物の属性に関する情報(以下、荷物属性情報という。)を記憶する。荷物属性情報には、荷物を特定する荷物ID、荷物の荷主を特定する荷主ID、ルート、及び輸送手段の少なくともいずれかを含む属性が含まれる。また、荷物属性情報には、荷物の数も含まれうる。
【0020】
<機能部>
輸送情報取得部212は、輸送業者が荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び輸送手段における事業主体からの依頼分の割合を取得する。輸送情報取得部212は、輸送手段ごとに排出量及び依頼分の割合を取得する。輸送情報取得部212は、輸送業者及び輸送手段ごとの排出係数と、輸送業者の活動量とを取得して、活動量に排出係数を乗じて排出量を計算するようにしてもよい。輸送情報取得部212は、輸送業者に対して輸送を依頼した事業主体ごとの荷物の量(サイズ及び/又は重量)を取得して、荷物の量に応じて、特定の輸送業者からの依頼分の割合を算出するようにしてもよい。
【0021】
排出量計算部213は、取得した輸送業者による排出量を、事業主体から輸送業者への依頼分の割合で按分して、特定の事業者に関する荷物の輸送に係る排出量を計算する。
【0022】
自社排出量取得部214は、事業主体自身が荷物に関して排出した温室効果ガスの排出量を取得する。
【0023】
原単位計算部215は、荷物1つごとの排出量(排出原単位)を計算する。原単位計算部215は、輸送業者による排出量のうち事業主体からの依頼分(排出量計算部213が計算した排出量)と、事業主体による排出量との合計値を算出し、合計値を荷物の量で割って、1つの荷物に係る排出原単位を計算する。原単位計算部215は、荷物のサイズ又は重量を荷物情報記憶部231から読み出し、読み出したサイズ又は重量で、上記の合計値を割ることにより、1つの荷物に係る排出量(排出原単位)を計算することができる。
【0024】
原単位計算部215は、上記の合計値を容器の数(対応する依頼情報に含まれる容器の数)で割った容器単位の排出量を計算し、容器単位の排出量を、容器に収容された荷物の数で割って、1つの荷物に係る排出量(排出原単位)を計算するようにしてもよい。容器単位の排出量を計算するにあたり、輸送情報取得部212が、依頼分の割合に代えて、輸送業者から輸送した全ての容器(例えばパレット)の数を取得するようにし、原単位計算部215は、全ての容器の数に対する、当該事業者が依頼した容器の数(事業者及び輸送業者に対応する依頼情報に含まれる容器の数)を、依頼分の割合として計算することができる。
【0025】
排出量集計部216は、排出量を集計する。排出量集計部216は、特定の事業者に対応する荷物情報を荷物情報記憶部231から読み出し、読み出した荷物情報に含まれる荷物IDに対応する属性を荷物属性情報記憶部233から読み出し、読み出した属性ごとに、荷物の数に排出原単位を乗じることにより、ある事業主体が依頼を受けた荷物に係る排出量を集計することができる。
【0026】
出力部217は、集計した排出量を出力する。出力部217は、属性ごとに、集計した排出量を出力することができる。出力部217は、例えば、ユーザ端末1に対して、属性ごとの排出量を送信することができる。
【0027】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0028】
管理サーバ2は、輸送業者から、輸送業者の排出量と、事業主体から輸送業者への依頼分の割合とを取得する(S301)。管理サーバ2は、事業主体に対応する依頼情報に基づいて、輸送業者を特定することができる。管理サーバ2は、排出量に上記割合を乗じて、事業者が輸送業者に依頼した荷物に係る排出量(荷物ごとの排出量)を計算し(S302)、計算した荷物ごとの排出量を、荷物の量で按分して、1つの荷物あたりの排出量(PCF)を計算する(S303)。管理サーバ2は、計算したPCFを、荷物の属性ごとに集計して出力する(S304)。
【0029】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、1つの荷物の配送が複数の輸送業者により行われるような物流においても、荷物ごとの排出量を計算することができる。
【0030】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0031】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得する輸送情報取得部と、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量を前記荷物の量で割って前記荷物に係る排出原単位を計算する原単位計算部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記輸送情報取得部は、第1の排出量を取得し、
前記事業主体が前記荷物に関して排出した前記温室効果ガスの第2の排出量を取得する自社排出量取得部をさらに備え、
前記原単位計算部は、前記第1及び第2の排出量を合計し、合計値を前記荷物の量で割って前記荷物に係る排出原単位を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記荷物の量は、前記荷物のサイズ又は重量で表され、
前記荷物ごとに前記サイズ又は前記重量を記憶する荷物情報記憶部を備え、
前記原単位計算部は、前記荷物の前記サイズ又は前記重量を前記荷物情報記憶部から読み出し、読み出した前記サイズ又は前記重量で前記排出量を割って前記排出原単位を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得するステップと、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目6]
事業主体が荷主からの依頼された荷物の全部又は一部の輸送を依頼した輸送業者が前記荷物を積んだ輸送手段に係る温室効果ガスの排出量、及び前記輸送手段における前記事業主体からの依頼分の割合を取得するステップと、
取得した前記排出量を前記割合で按分して前記荷物の輸送に係る排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0032】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
図1
図2
図3
図4