(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052734
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電話通信の障害原因を特定するゲートウエイ装置、及び、これを有する電話システム、障害原因特定方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/00 20240101AFI20240405BHJP
H04M 1/24 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
H04M3/00 E
H04M1/24 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159174
(22)【出願日】2022-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100144358
【弁理士】
【氏名又は名称】藤掛 宗則
(72)【発明者】
【氏名】名児耶 光一
【テーマコード(参考)】
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K127BA17
5K127NA02
5K127NA03
5K127NA05
5K127NA12
5K201AA02
5K201BB06
5K201EA05
5K201EA08
5K201EC03
5K201ED02
5K201FA08
5K201FB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電話システムに生じた障害の原因が、電話システムの異常であるか、あるいはネットワーク側(網側)の異常であるか、電話システム側の設定ミスなどによる運用上の間違いによる異常であるか、など障害(異常)の原因を特定する電話システム、ゲートウエイ装置、障害原因特定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ゲートウエイ装置1は、ゲートウエイ装置の設定情報を記憶するGW設定情報記憶部、ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する動作履歴記憶部、電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する原因特定リスト記憶部、主装置の設定情報を取得する主装置設定情報受信部及びゲートウエイ装置の動作を統括的に制御するGW制御部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムであって、
前記ゲートウエイ装置は、
前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段と、
前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段と、
前記主装置の設定情報を取得する取得手段と、
前記ゲートウエイ装置の動作を統括的に制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする、
電話システム。
【請求項2】
前記第3の記憶手段が記憶する前記原因特定リストは、動作履歴の種別を示す情報、障害の内容を示す情報、障害が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられて記憶された第1の原因特定リストであり、
前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記第1の原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする、
請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記主装置と前記音声サービスサーバ間で授受されるIPパケットデータを解析するパケットデータ解析手段を有し、
前記第3の記憶手段が記憶する前記原因特定リストは、前記IPパケットデータのIPアドレスを示す情報、当該IPパケットデータのデータ種別を示す情報、異常が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられて記憶された第2の原因特定リストであり、
前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記IPパケットデータの解析結果と前記第2の原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする、
請求項1に記載の電話システム。
【請求項4】
前記第3の記憶手段は、原因特定リストとして前記第1の原因特定リストと前記第2の原因特定リストを記憶し、
前記制御手段は、前記第1の原因特定リストに基づいて前記電話システムが有する機器の障害発生が無いと判別した場合、前記第2の原因特定リストに基づいて前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする、
請求項1に記載の電話システム。
【請求項5】
前記制御手段が特定した障害の原因を示す情報と障害が発生した機器を示す情報とを前記主装置に通知する通知手段を有することを特徴とする、
請求項1乃至4いずれか一項に記載の電話システム。
【請求項6】
前記通知手段は、前記制御手段が、前記電話システムが有する機器に障害が発生したと判別したが、その障害の原因を特定することができなかった場合、前記ゲートウエイ装置の設定情報、前記主装置の設定情報、前記動作履歴情報、前記IPパケットデータの解析結果の各情報を前記主装置に通知することを特徴とする、
請求項5に記載の電話システム。
【請求項7】
電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムの当該ゲートウエイ装置であって、
前記ゲートウエイ装置は、
前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段と、
前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段と、
前記主装置の設定情報を取得する取得手段と、
前記ゲートウエイ装置の動作を統括的に制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする、
ゲートウエイ装置。
【請求項8】
電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムにおいて、機器の障害発生の原因を特定する障害原因特定方法であって、
前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する工程と、
前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する工程と、
前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する工程と、
前記主装置の設定情報を取得する工程と、
前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定する工程と、を有することを特徴とする、
障害原因特定方法。
【請求項9】
コンピュータを、電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムの当該ゲートウエイ装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段、
前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段、
前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段、
前記主装置の設定情報を取得する取得手段、
前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定する特定手段、として機能させることを特徴とする、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置、電話機、ゲートウエイ装置(以下、GWと称する場合もある)を含んで構成された電話システムに関し、特にゲートウエイ装置において障害(異常)の原因を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電話システムに接続される通信GWは、障害(異常)が発生しやすく市場からの戻入や問い合わせが多く、異常の原因特定に至るまでに多くの時間を要してしまうという問題がある。
例えば、特許文献1に開示された通信障害検出システムでは、端末装置が通信対象とVPN(Virtual Private Network)等の秘密通信ネットワークを介して接続される通信システムにおける通信障害を検出するための通信障害検出システムに関するものである。
この通信障害検出システムは、第1接続確認部が秘密通信ネットワーク上での端末装置と通信対象の秘密通信サーバとの接続確認を行う。また、第2接続確認部が端末装置からゲートウエイまでの端末側ローカルネットワーク内の接続確認を行う。また、第3接続確認部が広域ネットワーク上での端末装置と通信対象の広域ネットワークサーバとの接続確認を行い、いずれのネットワークに障害が生じたかを検出できる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された通信障害検出システムでは、通信ネットワークの障害を検出することはできるが電話システム側の問題については考慮されていない。特に障害の原因が、電話システムの異常であるか、あるいはネットワーク側(網側)の異常であるか、電話システム側の設定ミスなどによる運用上の間違い(ヒューマンエラー等)による異常であるか、など障害(異常)の原因を特定することができない、という課題が残る。
【0005】
本発明は、電話システムに生じた障害の原因が、電話システムの異常であるか、あるいはネットワーク側(網側)の異常であるか、電話システム側の設定ミスなどによる運用上の間違い(ヒューマンエラー等)による異常であるか、など障害(異常)の原因を特定することができるゲートウエイ装置を提供することを、主たる課題とする。また、これを有する電話システム、障害原因特定方法、コンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は、電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムであって、前記ゲートウエイ装置は、前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段と、前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段と、前記主装置の設定情報を取得する取得手段と、前記ゲートウエイ装置の動作を統括的に制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のゲートウエイ装置は、電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムの当該ゲートウエイ装置であって、前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段と、前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段と、前記主装置の設定情報を取得する取得手段と、前記ゲートウエイ装置の動作を統括的に制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の障害原因特定方法は、電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムにおける機器の障害発生の原因を特定する障害原因特定方法であって、前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する工程と、前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する工程と、前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する工程と、前記主装置の設定情報を取得する工程と、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、コンピュータプログラムは、コンピュータを、電話機と、この電話機の動作を制御する主装置と、IPネットワークを介して接続される音声サービスサーバと前記主装置の音声データの授受を仲介するゲートウエイ装置とを含む電話システムの当該ゲートウエイ装置として機能させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記ゲートウエイ装置の設定情報を記憶する第1の記憶手段、前記ゲートウエイ装置の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段、前記電話システムに生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段、前記主装置の設定情報を取得する取得手段、前記ゲートウエイ装置の設定情報と前記主装置の設定情報に基づいて前記電話システムの接続機器の構成を特定し、この特定結果と前記動作履歴情報と前記原因特定リストに基づいて、前記電話システムが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定する特定手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電話システムに生じた障害の原因が、電話システムの異常であるか、あるいはネットワーク側(網側)の異常であるか、電話システム側の設定ミスなどによる運用上の間違い(ヒューマンエラー等)による異常であるか、など障害(異常)が生じている機器とその原因を特定することができるゲートウエイ装置を提供することができる。また、これを有する電話システム、障害原因特定方法、コンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る電話システムの全体構成の一例を説明するための図。
【
図2】GW装置の機能構成の一例を説明するためのブロック図。
【
図3】主装置の機能構成の一例を説明するためのブロック図。
【
図4】GW装置、主装置それぞれの設定情報に基づいて導き出した機器の接続構成に係る情報の一例を示す図。
【
図5】GW装置が記憶する各種動作履歴に係る情報の一例を示す図。
【
図6】パケットデータ解析部によるIPパケットデータの解析結果に係る情報の一例を示す図。
【
図7】障害(異常)の原因を特定するための原因特定リスト1の一例を示す図。
【
図8】障害(異常)の原因を特定するための原因特定リスト2の一例を示す図。
【
図9】GW装置が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を電話システムにおけるゲートウエイ装置(GW装置、GWと示す場合もある)に適用した場合を例に挙げて、図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0013】
[実施形態例]
図1は、本実施形態に係る電話システムSの全体構成の一例を説明するための図である。
電話システムSは、GW装置1(図中に示すGW)、主装置2、保守用PC(パーソナルコンピュータ)3、電話機4、音声サービスサーバ6を含んで構成される。なお、GW装置1と音声サービスサーバ6は、IP(インターネットプロトコル)ネットワーク5を介して相互に情報の授受か可能に接続される。また、各機能部はそれぞれ有線又は無線にて相互に情報の授受か可能に接続される。
【0014】
IPネットワーク5を介して音声サービスサーバ6に接続されたGW装置1は、音声サービスサーバ6と主装置2のデータの授受を仲介したり、主装置2に向けた音声データの送受信を管理したりするものである。
またGW装置1は、主装置2が有する設定情報を受信する機能を有する。またGW装置1は、ネットワーク上において送受信されるIPデータをモニタする機能、及び、モニタしたIPデータ(モニタデータ)を解析する機能を有する。GW装置1の構成の詳細は後述する。
【0015】
主装置2は、当該主装置2に接続される電話機4の呼処理などを制御するものである。具体的には、主装置2は、LCD/LED/スピーカ/マイク等の電話機4が有する機能の実行を制御する。主装置2の構成の詳細は後述する。
なお、ビジネスホンは一般的に、主装置によって複数の回線と電話機を制御し発着信等を行うシステムのことである。
【0016】
保守用PC3は、例えば主装置2の接続電話機や内線番号およびIPアドレスなどの設定を管理する。また保守用PC3は、GW装置1のネットワーク種別、及び、音声サービスサーバ6のドメイン名などの設定を管理する。
【0017】
電話機4は、主装置2と接続される電話機であり、主装置2を介して内線/外線に接続する。電話機4は、主装置2からの指示に応じてLCD/LED/スピーカ/マイク等を動作させ実行する。例えば、電話機4はいわゆる「内線電話」であり、主装置2を介することで公衆電話網を使わずに通話できるものである。
【0018】
音声サービスサーバ6は、音声サービスを提供するサーバである。また音声サービスサーバ6は、主装置2を介して接続された電話機4への発着信を制御する。
【0019】
図2は、GW装置1の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。
GW装置1は、GW制御部101、パケットデータ転送部102、GW設定情報記憶部103、主装置設定情報受信部104、動作履歴記憶部105、原因特定リスト記憶部106、異常情報通知部107、パケットデータ解析部108を有する。またGW装置1は、主装置インタフェース部109、ネットワークインタフェース部110を有する。
【0020】
GW制御部101は、例えば音声サービスサーバ6との接続や主装置2とのデータ送受信など、GW装置1が有する各機能部の動作を統括的に制御する。
なお、GW制御部101は、GW装置1に実装されるプロセッサ及び内部メモリを有するコンピュータ装置のハードウエア資源と所定のコンピュータプログラムとの協働により実現される。また、GW装置1は、例えば年月日と時間を表す時刻データと制御動作の同期クロックとを出力するRTC(Real Time Clock)モジュールを有する。
このようにGW制御部101は、GW装置1の動作を統括的に制御する制御手段として機能する。
【0021】
パケットデータ転送部102は、主装置2と音声サービスサーバ6間で送受信するIPパケットデータを転送する。
GW設定情報記憶部103は、GW装置1の動作を規定する設定情報、例えばネットワーク種類、接続方法、音声サービスサーバ6のドメイン名などの各種設定情報を記憶する。
このようにGW設定情報記憶部103は、GW装置1の設定情報を記憶する第1の記憶手段として機能する。
【0022】
主装置設定情報受信部104は、主装置2の動作を規定する設定情報など当該主装置2が記憶している各種設定情報を取得する。
このように主装置設定情報受信部104は、主装置2の設定情報を取得する取得手段として機能する。
動作履歴記憶部105は、GW装置1の動作の履歴を動作履歴情報として記憶するものであり、具体的にはGW制御部101が動作した際に記録する各種動作履歴(システム履歴や通話履歴など)が記憶される。
このように動作履歴記憶部105は、GW装置1の動作履歴を動作履歴情報として記憶する第2の記憶手段として機能する。
【0023】
原因特定リスト記憶部106は、後述する原因特定リスト1(第1の原因特定リスト:
図7に示すテーブルT700)、原因特定リスト2(第2の原因特定リスト:
図8に示すテーブルT800)を記憶する。
このように原因特定リスト記憶部106は、電話システムSが有する各機器に生じた障害の原因を特定するための情報を原因特定リストとして記憶する第3の記憶手段として機能する。
【0024】
異常情報通知部107は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報)と障害が発生した機器を示す情報とを主装置2に送信する。
このように異常情報通知部107は、GW制御部101が特定した障害の原因を示す情報と障害が発生した機器を示す情報とを主装置2に通知する通知手段として機能する。
【0025】
パケットデータ解析部108は、パケットデータ転送部102が送受信するIPパケットデータを解析し、データ種別/通信元と先/データ内容を解析する。解析結果は、例えばGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶される。
このようにパケットデータ解析部108は、主装置2と音声サービスサーバ6間で授受されるIPパケットデータを解析するパケットデータ解析手段として機能する。
【0026】
主装置インタフェース部109は、主装置2や保守用PC3とGW装置1間の各種情報の授受を管理するするインタフェースである。
ネットワークインタフェース部110は、IPネットワーク5とGW装置1間の各種情報の授受を管理するインタフェースである。
【0027】
図3は、主装置2の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。
主装置2は、主装置制御部201、主装置設定情報記憶部202、主装置設定情報送信部203、アラーム通知受信部204、LCD表示通知部205、電話機制御部206、電話機インタフェース207、ネットワークインタフェース208を有する。
【0028】
主装置制御部201は、接続された電話機4の音声や表示などの制御やGW装置1とのデータ送受信など、主装置2が有する各機能部の動作を統括的に制御する。
なお、主装置制御部201は、主装置2に実装されるプロセッサ及び内部メモリを有するコンピュータ装置のハードウエア資源と所定のコンピュータプログラムとの協働により実現される。また、主装置2は、例えば年月日と時間を表す時刻データと制御動作の同期クロックとを出力するRTC(Real Time Clock)モジュールを有する。
主装置設定情報記憶部202は、保守用PC3を介して指示された内容、例えば接続する電話機4や内線番号、IPアドレスなどの各種設定を記憶する。
【0029】
主装置設定情報送信部203は、GW装置1からの要求により主装置設定情報記憶部202が記憶する主装置2の設定情報をGW装置1に送信する。
アラーム通知受信部204は、GW装置1から受信した障害が発生した機器を示す情報と特定原因情報を受信し、受信した内容を主装置制御部201へ通知する。
【0030】
LCD表示通知部205は、主装置制御部201からの指示に応じて、予め登録された運用管理者用の電話機のLCDに特定原因情報等の表示を指示する。
電話機制御部206は、主装置2に接続された電話機4の音声制御、及び、LCD表示や鳴動などの動作を制御する。
【0031】
電話機インタフェース207は、主装置2と電話機4間の各種情報の授受を管理するインタフェースである。
ネットワークインタフェース208は、IPネットワーク5と主装置2間の各種情報の授受を管理するインタフェースである。
【0032】
図4は、GW装置1、主装置2それぞれの設定情報に基づいて導き出した機器の接続構成に係る情報の一例を示す図である。
図4に示すテーブルT400は、GW制御部101が、GW装置1が記憶しているGWの設定情報と、主装置設定情報受信部104から受信した主装置2の設定情報とに基づいて導き出した電話システムSの接続構成を示すものである。
【0033】
テーブルT400中の設定情報T401は、設定情報元の機器(例えばGW装置1や主装置2)を示す情報である。
テーブルT400中の設定項目T402は、GW装置1又は主装置2の設定情報から導き出した設定項目を示す情報であり、例えば機器や回線情報の項目である。
【0034】
テーブルT400中の要件定義T403は、設定項目に対する要件定義(例えば、接続方法や機器バージョンなど)を示す情報である。
テーブルT400中の機器情報T404は、要件定義に対する設定情報である。
【0035】
テーブルT400中の行T410に示すように、GW装置1が記憶する設定情報から導き出した接続構成を示す情報がテーブルT400に格納される。
テーブルT400中の行T420に示すように、主装置2が記憶する設定情報から導き出した接続構成を示す情報がテーブルT400に格納される。
【0036】
このようにテーブルT400には、GW装置1と主装置2が有する情報から、GW装置1と主装置2および電話機4、さらに電話機4の台数を導き出して、接続構成の機器種類と台数を把握するための情報が格納される。
また、要件定義で各機器が使用するソフトウェアバージョンおよび、ネットワークへの接続方法や音声サービスサーバを把握し格納する。
さらに、機器情報から機器を特定するIPアドレスや音声サービスサーバのIPアドレスを把握し格納する。これらの情報は、例えば電話システムSが有するいずれの機器に障害(異常)が発生したか、その障害(異常)の原因を特定するために、後述する原因特定リストの検索やIPパケットデータの解析に用いられる情報である。
【0037】
図5は、GW装置1が記憶する各種動作履歴に係る情報の一例を示す図である。
図5に示すテーブルT500は、GW装置1の動作履歴記憶部105で記憶される各種動作履歴を示す情報である。
【0038】
テーブルT500中の履歴種類T501は、当該テーブルT500に格納される履歴の種類を示す情報である。なおここでは一例として4つの種類の履歴(システム履歴、サーバ接続履歴、動作履歴、通話履歴)を示している。
テーブルT500中の記録時間T502は、テーブルT500に履歴を格納(記録)した時間を示す情報である。
テーブルT500中の履歴内容T503は、テーブルT500に格納された履歴内容を示す情報である。
【0039】
テーブルT500中の行T510に示すように、GW装置1のシステム上の動作(起動時の動作やソフトウェアのバージョンアップなど)の履歴を示す情報がシステム履歴としてテーブルT500に格納される。
テーブルT500中の行T520に示すように、音声サービスサーバ6との接続動作(接続要求や接続成功や接続失敗など)の履歴を示す情報がサーバ接続履歴としてテーブルT500に格納される。
【0040】
テーブルT500中の行T530に示すように、GW装置1の音声サービスの動作(ネットワークの接続や切断や通信タイムアウトなど)の履歴を示す情報が動作履歴としてテーブルT500に格納される。
テーブルT500中の行T540に示すように、音声サービスによる通話状態(発信や着信や通話中など)の履歴を示す情報が通話履歴としてテーブルT500に格納される。
【0041】
このようにテーブルT500には、GW装置1のGW制御部101により、システムの動作やサーバ接続動作、通話動作を監視しその結果が動作履歴情報として格納される。これらの情報は、後述する原因特定リスト1との照合(原因特定リスト1の検索)に用いられる情報である。
【0042】
図6は、パケットデータ解析部108によるIPパケットデータの解析結果に係る情報の一例を示す図である。
図6に示すテーブルT600は、GW装置1のパケットデータ解析部108が、パケットデータ転送部102で送受信しているIPパケットデータを解析した結果を示すものである。
【0043】
テーブルT600中の自アドレスT601は、IPパケットデータの送信元アドレスを示す情報である。IPアドレスから、接続構成の機器(GW装置1、主装置2、電話機4、音声サービスサーバ6)からの送信であるか否かを示している。
テーブルT600中の相手アドレスT602は、IPパケットデータの送信先アドレスを示す情報である。IPアドレスから、接続構成のどの機器へのデータであるか否かを示している。
【0044】
テーブルT600中のデータ種別T603は、IPパケットデータの解析結果に基づいたデータ種別(接続要求、発信動作、着信動作など)を示す情報である。
テーブルT600中の記録時間T604は、IPパケットデータの送受信が実行された日時を示す情報である。日時情報により動作を時系列的に整理された一連の動作として示している。
【0045】
テーブルT600中のデータ内容T605は、IPパケットデータであり、このデータを解析した結果が自アドレスT601、相手アドレスT602、データ種別T603、記録時間T604に展開される。
【0046】
テーブルT600中の行T610に示すようにGW装置1を介してネットワークと主装置2間で送受信されるIPパケットデータの解析結果が時系列にテーブルT600に格納される。このようにテーブルT600には、IPパケットデータの解析結果が格納される。この解析結果は、後述する原因特定リスト2との照合(原因特定リスト2の検索)に用いられる情報である。
【0047】
図7は、障害(異常)の原因を特定するための原因特定リスト1の一例を示す図である。
図7に示すテーブルT700は、GW装置1の原因特定リスト記憶部106に記憶される情報である。GW制御部101は、テーブルT500に格納される動作履歴の情報と、テーブルT700に格納されている情報とに基づいて障害(異常)の原因を特定する。
【0048】
テーブルT700中の動作履歴T701は、GW制御部101が、障害(異常)の原因を特定するために解析する動作履歴(システム履歴や通話履歴など)の種別を示す情報である。
テーブルT700中の履歴内容T702は、各種の動作履歴から予め特定された障害(異常)の内容(ネットワークダウン、PPPoE接続切断、サーバ接続失敗、呼制御切断、通話切断)を示す情報である。
【0049】
テーブルT700中の異常発生機器T703は、障害(異常)が発生した機器を示す情報である。GW制御部101は、動作履歴T701と履歴内容T702から障害(異常)が発生した機器を特定する。
テーブルT700中の想定原因T704は、想定される障害(異常)の原因を示す情報である。GW制御部101は、想定原因T704から障害(異常)の原因を特定する。
このように原因特定リスト1は、動作履歴の種別を示す情報、障害の内容を示す情報、障害が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられて記憶された第1の原因特定リストとして記憶される。
【0050】
GW装置1は、テーブルT700中の行T710に示すレコードと、テーブルT500に格納される動作履歴情報とに基づいて障害(異常)の原因を特定する。このようにして障害(異常)が発生した機器、及び、障害(異常)の原因が特定されることになる。
また、想定原因から機器の障害(異常)であるか、又はデータ設定誤りであるかが判別することもできる。
なお、テーブルT700の内容は、例えば保守用PC3にてGW制御部101を介して追加又は変更することが可能である。
【0051】
図8は、障害(異常)の原因を特定するための原因特定リスト2の一例を示す図である。
図8に示すテーブルT800は、GW装置1の原因特定リスト記憶部106に記憶される情報である。GW制御部101は、テーブルT600に格納されるIPデータの解析結果の情報と、テーブルT800に格納されている情報とに基づいて障害(異常)の原因を特定する。
【0052】
テーブルT800中のIPアドレスT801は、IPパケットデータのIPアドレスを示す情報である。GW制御部101は、このIPアドレスと主装置2およびGW装置1で記憶している設定情報とに基づいて異常が発生した機器を特定する。
テーブルT800中のモニタデータの解析T802は、IPパケットデータの解析結果に基づくIPパケットデータのデータ種別を示す情報である。このデータ種別によりGW制御部101は、ネットワークのIP網への接続動作や音声サービスサーバとの接続動作や音声データであるか否かを特定する。
【0053】
テーブルT800中の異常発生機器T803は、IPアドレスと各種設定情報に基づいて特定した異常が発生した機器を示す情報である。
テーブルT800中の想定原因T804は、想定される障害(異常)の原因を示す情報である。GW制御部101は、想定原因T804から障害(異常)の原因を特定する。
このように原因特定リスト2は、前記IPパケットデータのIPアドレスを示す情報、当該IPパケットデータのデータ種別を示す情報、異常が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられて記憶された第2の原因特定リストとして記憶される。
【0054】
GW装置1は、テーブルT800中の行T810に示すレコードと、テーブルT600に格納されるIPデータの解析結果の情報とに基づいて障害(異常)の原因を特定する。このようにして障害(異常)が発生した機器、及び、障害(異常)の原因が特定されることになる。
また、想定原因から機器の障害(異常)であるか、またはデータ設定誤りであるかが判別することもできる。
なお、テーブルT800の内容は、例えば保守用PC3にてGW制御部101を介して追加又は変更することが可能である。
【0055】
図9は、GW装置1が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図9に示す各処理は、主としてGW制御部101により実行制御される。
【0056】
GW制御部101は、GW装置1の設定情報をGW設定情報記憶部103から取得する(S101)。
GW制御部101は、主装置設定情報受信部104を介して、主装置2の設定情報を取得する(S102)。
GW制御部101は、GW装置1の設定情報と主装置2の設定情報に基づいて電話システムSの接続機器の構成を特定する(S102)。
【0057】
GW制御部101は、動作履歴記憶部105に記憶される各種動作履歴に係る情報(T500)からシステム履歴に係る情報を読み出し、原因特定リスト記憶部106の原因特定リスト1(T700)と照合(検索)する(S103)。
【0058】
GW制御部101は、原因特定リスト1と照合した結果、異常発生機器(T703)がGW(GW装置1)で一致する履歴内容(障害(異常)の内容)があるか否かを判別する(S104)。一致した履歴内容がありGW(GW装置1)の障害(異常)であると判別した場合(S104:Yes)、ステップS107の処理へ進む。
【0059】
また、そうでない場合(S104:No)、GW制御部101は、動作履歴記憶部105に記憶される各種動作履歴に係る情報(テーブルT500)から動作履歴に係る情報を読み出し、原因特定リスト記憶部106の原因特定リスト1(T700)と照合(検索)する(S105)。
【0060】
GW制御部101は、原因特定リスト1(T700)と照合した結果、異常発生機器(T703)がGW(GW装置1)で一致する履歴内容があるか否かを判別する(S106)。一致した履歴内容がありGW装置1の障害(異常)であると判別した場合(S106:Yes)、ステップS107の処理へ進む。また、そうでない場合(S106:No)、ステップS109の処理へ進む。
【0061】
GW制御部101は、GW(GW装置1)の障害(異常)の原因(T700/想定原因:T704)を特定する(S107)。
GW制御部101は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報:例えば、サーバ接続異常)と障害が発生した機器(例えば、GW装置1)を示す情報とを異常情報通知部107を介して主装置2へ通知する。また、GW制御部101は、特定原因情報等をGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶する(S108)。その後GW制御部101は、ステップS101の処理に戻る。
【0062】
なお、GW制御部101から通知された特定原因情報等は、主装置2のアラーム情報受信部204、電話機制御部206を介して所定の電話機4(例えば、運用管理者の電話機)のLCDに表示される。
これにより運用管理者は、電話システムに異常があった場合に、GW装置1の異常検出の記録(例えば、保守用のWeb画面)にアクセスせずとも障害(異常)の発生を認識することが可能になり時間短縮を図ることができる。
【0063】
GW制御部101は、動作履歴記憶部105に記憶される各種動作履歴に係る情報(テーブルT500)からサーバ接続履歴に係る情報を読み出し、原因特定リスト記憶部106の原因特定リスト1(T700)と照合(検索)する(S109)。
【0064】
GW制御部101は、原因特定リスト1(T700)と照合した結果、異常発生機器(T703)がネットワークで一致する履歴内容があるか否かを判別する(S110)。一致した履歴内容がありネットワークの障害(異常)であると判別した場合(S110:Yes)、ステップS111の処理へ進む。また、そうでない場合(S110:No)、ステップS112の処理へ進む。
【0065】
GW制御部101は、ネットワークの障害(異常)の原因(T700/想定原因:T704)を特定する(S111)。
なお、GW制御部101は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報:例えば、サーバアドレスの設定誤り)と障害が発生した機器(例えば、ネットワーク)を示す情報とを異常情報通知部107を介して主装置2へ通知する。また、GW制御部101は、特定原因情報等をGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶する。その後GW制御部101は、ステップS101の処理に戻る。
【0066】
なお、GW制御部101から通知された特定原因情報等は、主装置2のアラーム情報受信部204、電話機制御部206を介して所定の電話機4のLCDに表示される。
【0067】
GW制御部101は、動作履歴記憶部105に記憶される各種動作履歴に係る情報(テーブルT500)から通話履歴に係る情報を読み出し、原因特定リスト記憶部106の原因特定リスト1(T700)と照合(検索)する(S112)。
【0068】
GW制御部101は、原因特定リスト1(T700)と照合した結果、異常発生機器(T703)が主装置(主装置2)で一致する履歴内容があるか否かを判別する(S113)。一致した履歴内容があり主装置(主装置2)の障害(異常)であると判別した場合(S113:Yes)、ステップS114の処理へ進む。また、そうでない場合(S113:No)、ステップS115の処理へ進む。
【0069】
GW制御部101は、主装置(主装置2)の障害(異常)の原因(T700/想定原因:T704)を特定する(S114)。
なお、GW制御部101は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報:例えば、発着信シーケンス異常)と障害が発生した機器(例えば、主装置2)を示す情報とを異常情報通知部107を介して主装置2へ通知する。また、GW制御部101は、特定原因情報等をGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶する。その後GW制御部101は、ステップS101の処理に戻る。
【0070】
なお、GW制御部101から通知された特定原因情報等は、主装置2のアラーム情報受信部204、電話機制御部206を介して所定の電話機4のLCDに表示される。
【0071】
GW制御部101は、原因特定リスト1と照合した結果、異常発生機器(T703)が電話機(電話機4)で一致する履歴内容があるか否かを判別する(S115)。一致した履歴内容があり電話機(電話機4)の障害(異常)であると判別した場合(S115:Yes)、ステップS116の処理へ進む。また、そうでない場合(S115:No)、ステップS117の処理へ進む。
【0072】
GW制御部101は、電話機(電話機4)の障害(異常)の原因(T700/想定原因:T704)を特定する(S116)。
なお、GW制御部101は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報:例えば、サーバアドレスの設定誤り)と障害が発生した機器(例えば、ネットワーク)を示す情報とを異常情報通知部107を介して主装置2へ通知する。また、GW制御部101は、特定原因情報等をGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶する。その後GW制御部101は、ステップS101の処理に戻る。
【0073】
GW制御部101は、パケットデータ転送部102を介して、GW装置1を経由するネットワーク上のIPパケットデータを取得し、パケットデータ解析部108を介して、取得したIPパケットデータを解析する(S117)。なお解析結果は、例えばGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶される。
【0074】
GW制御部101は、IPパケットデータの解析結果(T600)のデータ種別(T603)とデータ内容(T605)からIPパケットデータの異常を検出する(S118)。
GW制御部101は、異常が検出されたIPパケットデータと原因特定リスト2(T800)とを照合(検索)する(S119)。
【0075】
GW制御部101は、例えば原因特定リスト2(T800)のモニタデータの解析(T802)と照合した結果、一致する内容(例えば、通信タイムアウト)があるか否かを判別する(S120)。一致する内容が無い場合(S120:No)、S101の処理へ戻る。またそうでない場合(S115:Yes)、GW制御部101は、原因特定リスト2(T800)の異常発生機器(T803)から障害(異常)が生じている接続構成機器(例えば、主装置)を特定する(S121)。
【0076】
GW制御部101は、障害(異常)が生じている接続構成機器として特定した機器の障害(異常)の原因(T800/想定原因:T804)を特定する(S122)。
GW制御部101は、特定した障害の原因を示す情報(特定原因情報:例えば、通信タイムアウト)と障害が発生した機器(例えば、主装置2)を示す情報とを異常情報通知部107を介して主装置2へ通知する。また、GW制御部101は、特定原因情報等をGW装置1が有する記憶装置(メモリ等/不図示)に記憶する(S123)。その後GW制御部101は、ステップS101の処理に戻る。
【0077】
なお、GW制御部101から通知された特定原因情報等は、主装置2のアラーム情報受信部204、電話機制御部206を介して所定の電話機4のLCDに表示される。
【0078】
また、GW制御部101は、異常情報通知部107を介して、電話システムが有する機器に障害が発生したと判別したが、その障害の原因を特定することができなかった場合、GW装置1の設定情報、主装置2の設定情報、動作履歴情報(T500)、IPパケットデータの解析結果(T600)の各情報を主装置2に通知するように構成することもできる。
【0079】
これにより運用管理者は、GW装置1において障害(異常)の発生はあったが、その障害(異常)の原因を特定することまでには至らなかった場合、障害(異常)が発生したときの状態(電話システムの設定データ、動作履歴、IPパケットデータなど)を確認することができる。そのため、障害(異常)の発生原因を解析するまでの作業時間を大幅に削減することが可能になる。
【0080】
このように、本実施形態に係る電話システムS、GW装置1では、GW装置1の設定情報と主装置2の設定情報に基づいて電話システムSの接続機器の構成を特定し、この特定結果と動作履歴情報と原因特定リストに基づいて、電話システムSが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害(異常)が発生したと判別した場合にはその障害(異常)の原因を特定することができる。
【0081】
これにより電話システムに生じた障害(異常)の原因が、電話システムの異常であるか、あるいはネットワーク側(網側)の異常であるか、電話システム側の設定ミスなどによる運用上の間違い(ヒューマンエラー等)による異常であるか、など障害(異常)の原因を特定することができる。
【0082】
また、電話システムによる電話サービスの提供に異常があった場合の原因特定は、構成する機器やネットワークの状態など多岐にわたるため原因特定まで相当な時間が要する場合が多い。これに対して本実施形態に係る電話システムS、GW装置1では、各機器のどこに異常があるかの早期検出が可能になる。
【0083】
また、原因特定リスト1(第1の原因特定リスト)は、動作履歴の種別を示す情報、障害の内容を示す情報、障害が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられている。
【0084】
GW装置1は、当該GW装置1の設定情報と主装置2の設定情報に基づいて電話システムSの接続機器の構成を特定し、この特定結果と動作履歴情報と第1の原因特定リストに基づいて、電話システムSが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することができる。
【0085】
また、GW装置1は、主装置2と音声サービスサーバ6間で授受されるIPパケットデータを解析するパケットデータ解析部108を有する。
原因特定リスト2(第2の原因特定リスト)は、IPパケットデータのIPアドレスを示す情報、当該IPパケットデータのデータ種別を示す情報、異常が発生した機器を示す情報、想定される障害の原因を示す情報が関連付けられている。
【0086】
GW装置1は、当該GW装置1の設定情報と主装置2の設定情報に基づいて電話システムSの接続機器の構成を特定し、この特定結果とIPパケットデータの解析結果と第2の原因特定リストに基づいて、電話システムSが有する機器の障害発生の有無を判別し、障害が発生したと判別した場合にはその障害の原因を特定することができる。
【0087】
上記説明は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲が、これらの例に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれ、例えば上述した各実施形態の一部を適宜組み合わせても良い。
【0088】
また、本発明は、情報処理システム、情報処理装置においてなされる各処理の手順を含む方法であっても良い。
また、本発明は、コンピュータに、上述した情報処理システム、情報処理装置においてなされる各処理の手順を実行させるためのコンピュータプログラム、アプリケーションソフトウエアであっても良い。このコンピュータプログラムは、各種記録媒体、あるいはネットワーク、クラウド上のDBを介して流布させることが可能なものである。このコンピュータプログラムがROMなどの記憶装置を有するコンピュータにインストールされることで実行可能となり、上述の情報処理システム、情報処理装置を実現する。また、本発明は、上述した情報処理システム、情報処理装置においてなされる各処理の手順を含む方法であっても良い。
【0089】
また、本発明は、コンピュータに、上述した情報処理システム、情報処理装置においてなされる各処理の手順を実行させるためのコンピュータプログラムであっても良い。このコンピュータプログラムは、各種記録媒体、あるいはネットワークを介して流布させることが可能なものである。このコンピュータプログラムがROMなどの記憶装置を有するコンピュータにインストールされることで実行可能となり、上述の情報処理システム、情報処理装置を実現する。
【符号の説明】
【0090】
1・・・GW装置、2・・・主装置、3・・・保守用PC、4・・・電話機、5・・・IPネットワーク、6・・・音声サービスサーバ、101・・・GW制御部、102・・・パケットデータ転送部、103・・・GW設定情報記憶部、104・・・主装置設定情報受信部、105・・・動作履歴記憶部、106・・・原因特定リスト記憶部、107・・・異常情報通知部、108・・・パケットデータ解析部、109・・・主装置インタフェース部、110・・・ネットワークインタフェース部、201・・・主装置制御部、202・・・主装置設定情報記憶部、203・・・主装置設定情報送信部、204・・・アラーム通知受信部、205・・・LCD表示通知部、206・・・電話機制御部、207・・・電話機インタフェース、208・・・ネットワークインタフェース、S・・・電話システム。