(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052936
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】蓄電デバイス用外装ケース及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/126 20210101AFI20240405BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240405BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240405BHJP
【FI】
H01M50/126
H01M50/105
H01M50/119
H01M50/121
H01G11/78
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031567
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2019190151の分割
【原出願日】2019-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2018220324
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】株式会社レゾナック・パッケージング
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 大介
(72)【発明者】
【氏名】南堀 勇二
(57)【要約】
【課題】テープ密着性の良好な外側層を有すると共に成形状態の良好な蓄電デバイス用外装ケースを提供する。
【解決手段】外側層としての耐熱性樹脂層2と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含んでなる外装材の成形ケースであって、熱融着性樹脂層は、滑剤を含有し、該熱融着性樹脂層中の滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、熱融着性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm
2~1.0μg/cm
2であり、耐熱性樹脂層2の外面2aにおける滑剤量が0.01μg/cm
2未満であり、耐熱性樹脂層2の外面2aのぬれ張力が30mN/m以上である構成とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての滑剤を含有する熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含んでなる外装材を、前記熱融着性樹脂層と前記耐熱性樹脂層とが接触する態様でロール状に重ねたロール体を用い、前記ロール体から前記外装材を引き出し、該引き出された外装材に成形を行って蓄電デバイス用外装ケースを得る工程と、
前記蓄電デバイス用外装ケースの外側層の表面を有機溶媒により滑剤を除去する工程と、
前記外装材の外面に粘着テープを貼り付けて固定する工程と、を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】
前記熱融着性樹脂層は、該熱融着性樹脂層中の前記滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、
前記熱融着性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2であり、
前記耐熱性樹脂層の外面における滑剤量が0.01μg/cm2未満であり、
前記耐熱性樹脂層の外面のぬれ張力が30mN/m以上である請求項1に記載の電池の製造方法。
【請求項3】
滑剤除去後の前記耐熱性樹脂層の外面における滑剤量が0.003μg/cm2以上である請求項1又は2に記載の電池の製造方法。
【請求項4】
滑剤除去後の前記耐熱性樹脂層の外面のぬれ張力が59mN/m以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
【請求項5】
滑剤除去前の前記耐熱性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2である請求項1~4のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電池の製造方法に用いられるロール体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、タブレット等の携帯機器に使用される電池やコンデンサ、ハイブリッド自動車、電気自動車、風力発電、太陽光発電、夜間電気の蓄電用に使用される電池やコンデンサ等の蓄電デバイス用の外装体及びその製造方法に関する。
【0002】
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「ぬれ張力」の語は、JIS K6768-1999に準拠して測定されるぬれ指数(表面張力)を意味する。
【背景技術】
【0003】
近年、スマートフォン、タブレット端末等のモバイル電気機器の薄型化、軽量化に伴い、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気2重層コンデンサ等の蓄電デバイスの外装材としては、従来の金属缶に代えて、耐熱性樹脂層/接着剤層/金属箔層/接着剤層/熱可塑性樹脂層(内側シーラント層)からなる積層体が用いられている。また、電気自動車等の電源、蓄電用途の大型電源、キャパシタ等も上記構成の積層体(外装材)で外装されることも増えてきている。前記積層体に対して張り出し成形や深絞り成形が行われることによって、略直方体形状等の立体形状に成形される。このような立体形状に成形することにより、蓄電デバイス本体部を収容するための収容空間を確保することができる。
【0004】
このような立体形状にピンホールや破断等なく良好状態に成形するには内側シーラント層の表面の滑り性を向上させることが求められる。内側シーラント層の表面の滑り性を向上させて良好な成形性を確保するものとして、内側シーラント層にアンチブロッキング剤(AB剤)を含有せしめた構成のものが公知である(特許文献1参照)。
【0005】
更に、耐熱性樹脂層の表面にも滑剤のコーティング層を形成することで、成形性をさらに向上させて成形深さの深い成形を行うことが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-266811号公報
【特許文献2】特許第6222183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、外装材で外装された電池は、他の電子回路等と一緒に筐体内に収納されることが多いが、この時、電池が他の電子回路と接触しないように電池外装材の外面に粘着テープを貼り付けて固定することが行われているが、外装材の外面に滑剤が存在していてはテープの密着性が十分に得られない(粘着テープが剥がれやすい)という問題があった。即ち、成形性向上の観点からは外装材の外面に滑剤が存在していることが望まれる一方、テープ密着性確保の観点からは外装材の外面に滑剤が存在していることは回避する必要があった。
【0008】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、テープ密着性の良好な外側層を有すると共に成形状態の良好な蓄電デバイス用外装ケース及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含んでなる外装材の成形ケースであって、
前記熱融着性樹脂層は、滑剤を含有し、該熱融着性樹脂層中の前記滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、
前記熱融着性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2であり、
前記耐熱性樹脂層の外面における滑剤量が0.01μg/cm2未満であり、
前記耐熱性樹脂層の外面のぬれ張力が30mN/m以上であることを特徴とする蓄電デバイス用外装ケース。
[2]前記成形ケースの成形深さが3mm以上である前項1に記載の蓄電デバイス用外装ケース。
[3]前記熱融着性樹脂層は、複数の熱融着性樹脂フィルムの積層体からなり、前記熱融着性樹脂フィルムは、プロピレンを主成分とするプロピレン系樹脂で形成されている前項1または2に記載の蓄電デバイス用外装ケース。
[4]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての滑剤を含有する熱融着性樹脂層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含んでなる外装材を、前記熱融着性樹脂層と前記耐熱性樹脂層とが接触する態様でロール状に重ねてロール体を得る工程と、
前記ロール体から前記外装材を引き出し、該引き出された外装材に成形を行って蓄電デバイス用外装ケースを得る工程と、
前記蓄電デバイス用外装ケースの外側層の表面を有機溶媒により滑剤を除去する工程と、を含むことを特徴とする蓄電デバイス用外装ケースの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
[1]の発明では、耐熱性樹脂層の外面における滑剤量が0.01μg/cm2未満であり、かつ外面のぬれ張力が30mN/m以上であるから、外側層の表面に固定用テープが十分に密着するテープ密着性の良好な外装ケース(成形ケース)が得られる。また、熱融着性樹脂層中の滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、且つ熱融着性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2であるので、適度な滑剤量が外側層の表面に転写されており、ピンホールや割れの生じない良好な成形が行われた成形ケース(外装ケース)を提供できる。
[2]の発明では、成形深さが3mm以上の深い成形がなされていても、テープ密着性の良好な外装ケース(成形ケース)が得られる。
[3]の発明では、熱融着性樹脂層における滑剤の移動を制御しやすいので、成形状態のより良好な成形ケース(外装ケース)が得られる。
[4]の発明では、外装材を、熱融着性樹脂層と耐熱性樹脂層(外側層)とが接触する態様でロール状に重ねることで、外側層の表面に滑剤が転写され、その後、成形を行うが、その後に外側層の表面を有機溶媒により滑剤を除去することによって、表面の濡れ性を向上させることができるので、外装ケースの外側層の表面に対するテープ密着性を顕著に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は蓄電デバイス用外装材(成形前)の一実施形態を示す断面図である。
【
図2】
図2は
図1の外装材を成形して得られた本発明の蓄電デバイス用外装体(外装ケース)の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る蓄電デバイス用外装ケース10は、外側層としての耐熱性樹脂層2と、内側層としての熱融着性樹脂層3と、これら両層間に配置された金属箔層4とを含んでなる外装材1の成形ケース(
図2参照)であって、前記熱融着性樹脂層3は、滑剤を含有し、該熱融着性樹脂層中の前記滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、前記熱融着性樹脂層3の外面3aにおける滑剤量が0.10μg/cm
2~1.0μg/cm
2であり、前記耐熱性樹脂層2の外面2aにおける滑剤量が0.01μg/cm
2未満であり、前記耐熱性樹脂層2の外面2aのぬれ張力が30mN/m以上である構成である(
図2参照)。
【0013】
本発明によれば、耐熱性樹脂層(外側層)2の外面2aにおける滑剤量が0.01μg/cm2未満であり、かつ前記外面2aのぬれ張力が30mN/m以上であるから、外側層2の表面に固定用テープが十分に密着するテープ密着性の良好な外装ケース(成形ケース)が得られる。また、熱融着性樹脂層3中の滑剤含有率が200ppm~8000ppmであり、熱融着性樹脂層の外面における滑剤量が0.10μg/cm2~1.0μg/cm2であるので、成形時において適度な滑剤量が外側層2の表面に転写されており、ピンホールや割れの生じない良好な成形が行われた成形ケース(外装ケース)を提供できる。
【0014】
前記熱融着性樹脂層中の滑剤含有率は500ppm~6000ppmであるのが好ましく、800ppm~4000ppmであるのがより好ましい。
【0015】
前記耐熱性樹脂層2の外面2aにおける滑剤量(有機溶媒含浸布帛による拭き取り後)は0.01μg/cm2未満であることを要する。0.01μg/cm2以上では、テープ密着性が低下する。中でも、前記耐熱性樹脂層2の外面2aにおける滑剤量は0.008μg/cm2以下であるのが好ましく、0.006μg/cm2以下であるのがより好ましい。
【0016】
前記耐熱性樹脂層2の外面2aのぬれ張力は、30mN/m以上であることを要する。30mN/m未満では、テープ密着性が低下する。中でも、前記耐熱性樹脂層2の外面のぬれ張力は、35mN/m以上であるのが好ましく、38mN/m~59mN/mの範囲であるのがより好ましい。
【0017】
上記実施形態では、前記外装材1は、金属箔層4の一方の面(上面)に外側接着剤層(第1接着剤層)5を介して耐熱性樹脂層(外側層)2が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面(下面)に内側接着剤層(第2接着剤層)6を介して熱融着性樹脂層(内側層)3が積層一体化された構成である(
図1参照)。
【0018】
上記蓄電デバイス用外装ケース10の製造方法の一例について以下説明する。外側層としての耐熱性樹脂層2と、内側層としての滑剤を含有する熱融着性樹脂層3と、これら両層間に配置された金属箔層4とを含んでなる外装材1(
図1参照)を準備する。この外装材1の耐熱性樹脂層の外面における滑剤量(即ち有機溶媒含浸布帛による拭き取り前)は、0.10μg/cm
2~1.0μg/cm
2に設定するのが好ましい。0.10g/cm
2未満では十分な成形性が得られ難いし、1.0μg/cm
2を超えると、有機溶媒含浸布帛による拭き取り操作を行っても耐熱性樹脂層の外面の滑剤を十分に除去できずテープ密着性が低下する。また、前記外装材1の熱融着性樹脂層3中の滑剤含有率(即ち有機溶媒含浸布帛による拭き取り前)は、200ppm~9000ppmに設定するのが好ましい。
【0019】
次に、前記外装材を、前記熱融着性樹脂層3と前記耐熱性樹脂層2とが接触する態様でロール状に重ねてロール体を得る。熱融着性樹脂層と耐熱性樹脂層とが接触する態様でロール状に重ねるので、熱融着性樹脂層の滑剤が耐熱性樹脂層の表面に転写される。
【0020】
次に、前記ロール体から前記外装材を引き出し、該引き出された外装材1に成形を行って蓄電デバイス用外装ケース10を得る。前記転写により耐熱性樹脂層の表面にも滑剤が存在するので、良好状態に成形が行われる(成形体にピンホールや割れ等の成形不良が存在しない)。前記成形方法としては、例えば、深絞り成形、張り出し成形、エンボス成形等が挙げられる。
【0021】
次に、前記蓄電デバイス用外装ケース10の耐熱性樹脂層(外側層)2の表面を有機溶媒により滑剤を除去する工程が行われる。上記実施形態では、この有機溶媒により滑剤を除去する工程として、拭き取り工程が行われる。
【0022】
すなわち、前記蓄電デバイス用外装ケース10の耐熱性樹脂層(外側層)2の表面を有機溶媒含浸布帛により拭く(拭き取り工程)。このように外側層の表面を有機溶媒含浸布帛で拭くことによって、外側層の表面の滑剤を除去することができ、かつ表面の濡れ性も向上させることができるので、外側層の表面2aにおけるテープ密着性を顕著に向上させることができる。前記有機溶媒含浸布帛で拭くことによって外側層の表面の滑剤を除去し、前記外側層2の外面2aにおける滑剤量を0.01μg/cm2未満にする。中でも、前記外側層2の外面2aにおける滑剤量を0.008μg/cm2以下にするのが好ましく、0.006μg/cm2以下にするのが特に好ましい。また、外側層2の表面を有機溶媒含浸布帛で拭くことによって前記外側層2の外面2aのぬれ張力を30mN/m以上にすることができる。中でも、外側層2の外面2aのぬれ張力を35mN/m以上にするのが好ましく、38mN/m以上にするのが特に好ましい。
【0023】
前記有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコール類、酢酸ブチル、酢酸エチル等が挙げられる。前記アルコール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。中でも、前記有機溶媒としては、アルコール類を用いるのが好ましい。また、前記布帛としては、布状のものであって有機溶媒を含むことができるものであれば特に限定されず、例えば、織物、不織布、編物等が挙げられる。
【0024】
本発明において、前記外側層2は、耐熱性樹脂層で形成されている。前記耐熱性樹脂層2を構成する耐熱性樹脂としては、外装材1をヒートシールする際のヒートシール温度で溶融しない耐熱性樹脂を用いる。前記耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂層3を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0025】
前記耐熱性樹脂層(外側層)2は、良好な成形性を確保する役割を主に担う部材である、即ち成形時のアルミニウム箔のネッキングによる破断を防止する役割を主に担うものである。
【0026】
前記耐熱性樹脂層(外側層)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、延伸ナイロンフィルム等の延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエステルフィルム等が挙げられる。中でも、前記耐熱性樹脂層2としては、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであって、いずれも熱水収縮率が0.1%~12%であるものを用いるのが好ましい。また、前記耐熱性樹脂層2としては、同時2軸延伸法により延伸された耐熱性樹脂2軸延伸フィルムを用いるのが好ましい。前記ナイロンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロン、6,6ナイロン、MXDナイロン等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂フィルム層2は、単層(単一の延伸フィルム)で形成されていても良いし、或いは、例えば延伸ポリエステルフィルム/延伸ポリアミドフィルムからなる複層(延伸PETフィルム/延伸ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
【0027】
前記耐熱性樹脂層2の厚さは、7μm~50μmであるのが好ましい。上記好適下限値以上に設定することで外装材として十分な強度を確保できると共に、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
【0028】
本発明において、前記金属箔層4は、外装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層4としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔、Cu箔、Ni箔、Ti箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層4の厚さは、10μm~120μmであるのが好ましい。10μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、120μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。中でも、前記金属箔層4の厚さは、10μm~80μmであるのが特に好ましい。
【0029】
前記金属箔層4は、少なくとも内側の面(熱融着性樹脂層3側の面)に、化成処理が施されているのが好ましい。このような化成処理が施されていることで内容物(電池の電解液等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば次のような処理をすることによって金属箔に化成処理を施す。即ち、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
【0030】
前記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m2~50mg/m2が好ましく、特に2mg/m2~20mg/m2が好ましい。
【0031】
前記熱融着性樹脂層(内側層)3は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液等に対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、外装材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
【0032】
前記熱融着性樹脂層3を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸メチル(EAA)、エチレンメタクリル酸メチル樹脂(EMMA)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。
【0033】
前記熱融着性樹脂層3の厚さは、10μm~100μmに設定されるのが好ましい。10μm以上とすることで十分なヒートシール強度を確保できるとともに、100μm以下に設定することで薄膜化、軽量化に資する。中でも、前記熱融着性樹脂層3の厚さは、10μm~80μmに設定されるのがより好ましい。前記熱融着性樹脂層3は、熱融着性樹脂未延伸フィルム層で形成されているのが好ましく、前記熱融着性樹脂層3は、単層であっても良いし、複層であっても良い。
【0034】
本発明において、前記滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族系ビスアミド等が挙げられる。これらの滑剤は、ポリオレフィン、特にポリプロピレン中で移動しやすく、滑剤を染み出させ転写させることに適している。
【0035】
前記飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
【0036】
前記置換アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。また、前記メチロールアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチロールステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0037】
前記飽和脂肪酸ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド等が挙げられる。
【0038】
前記不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド等が挙げられる。
【0039】
前記脂肪酸エステルアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ステアロアミドエチルステアレート等が挙げられる。前記芳香族系ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-システアリルイソフタル酸アミド等が挙げられる。
【実施例0040】
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
【0041】
<実施例1>
厚さ40μmのアルミニウム箔4の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり10mg/m2であった。
【0042】
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、2液硬化型のウレタン系接着剤(厚さ2μm)5を介して厚さ25μmの二軸延伸6ナイロンフィルム2をドライラミネートした(貼り合わせた)。
【0043】
次に、エチレン-プロピレンランダム共重合体、1000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および1000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、1000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出することにより、シーラントフィルム(内側層)3を得た後、該シーラントフィルム3の第1無延伸フィルム面を、オレフィン系接着剤(厚さ2μm)6を介して前記ドライラミネート後のアルミニウム箔4の他方の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、しかる後、40℃で10日間エージングする(加熱する)ことによって、
図1に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
【0044】
得られた外装材を裁断して縦200mm×横200mmの大きさのシートを得た。このシートに対してプレス成型機を用いて、縦150mm×横150mm×深さ5mmの成形品を作成した(プレス速度:20spm、しわ抑え圧力1.60MPa)。得られた成形品の外側層2の表面に対してエタノール含浸布帛(旭化成社製のベンコット(商品名))を用いて拭き取り操作を行って、
図2に示す蓄電デバイス用外装ケース10を得た。
【0045】
<実施例2>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、6000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および6000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、6000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、
図2に示す蓄電デバイス用外装ケース10を得た。
【0046】
<実施例3>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、500ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および500ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、500ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、
図2に示す蓄電デバイス用外装ケース10を得た。
【0047】
<実施例4>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、7000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および5000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、7000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、
図2に示す蓄電デバイス用外装ケース10を得た。
【0048】
<実施例5>
拭き取り操作の際に、エタノール含浸不織布に代えて、酢酸エチル含浸不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして、
図2に示す蓄電デバイス用外装ケース10を得た。
【0049】
<比較例1>
成形品に対してエタノール含浸布帛を用いた拭き取り操作は行わないものとした以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0050】
<比較例2>
拭き取り操作の際に、エタノール含浸布帛に代えて、溶媒非含浸乾燥布帛(旭化成社製のベンコット(商品名))を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0051】
<比較例3>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、100ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および100ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、100ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0052】
<比較例4>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、10000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および10000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、10000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0053】
<比較例5>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、7000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および7000ppmのエルカ酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、7000ppmのベヘン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用い、エージング温度を50℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0054】
<比較例6>
シーラントフィルム3として、エチレン-プロピレンランダム共重合体、200ppmのエチレンビスオレイン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルム、エチレン-プロピレンブロック共重合体および200ppmのエチレンビスオレイン酸アミドを含有してなる厚さ21μmの第2無延伸フィルム、エチレン-プロピレンランダム共重合体、200ppmのエチレンビスオレイン酸アミドおよび3000ppmのシリカ粒子(アンチブロッキング剤)を含有してなる厚さ4.5μmの第1無延伸フィルムがこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出して得たシーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装ケースを得た。
【0055】
【0056】
上記のようにして得られた蓄電デバイス用外装ケースについて、外側層の表面に存在する滑剤量および内側層の表面に存在する滑剤量を評価し、外側層の表面のぬれ張力(ぬれ指数)を測定すると共に、成形性、外観およびテープ密着性を評価した。
【0057】
<外側層の表面に存在する滑剤量の評価法>
各蓄電デバイス用外装ケース10から縦100mm×横100mmの矩形状の試験片を2枚切り出した後、これら2枚の試験片を外側層が内側になるように重ね合わせて互いの外側層表面の周縁部同士をヒートシール温度250℃でシール幅5mmでヒートシールして袋体を作製した。この袋体の内部空間内にシリンジを用いてアセトン1mLを注入し、この袋体の内面とアセトンとが接触した状態で3分間放置した後、袋体内のアセトンを抜き取った。この抜き取った液中に含まれる成分量をガスクロマトグラフを用いて測定、分析することにより、外装ケース10の外側層2の表面(外面)2aに存在する滑剤量(μg/cm2)を求めた。
【0058】
<内側層の表面に存在する滑剤量の評価法>
各蓄電デバイス用外装ケース10から縦100mm×横100mmの矩形状の試験片を2枚切り出した後、これら2枚の試験片を内側層が内側になるように重ね合わせて互いの内側層表面の周縁部同士をヒートシール温度250℃でシール幅5mmでヒートシールして袋体を作製した。この袋体の内部空間内にシリンジを用いてアセトン1mLを注入し、この袋体の内面とアセトンとが接触した状態で3分間放置した後、袋体内のアセトンを抜き取った。この抜き取った液中に含まれる成分量をガスクロマトグラフを用いて測定、分析することにより、外装ケース10の内側層3の表面(外面)3aに存在する滑剤量(μg/cm2)を求めた。
【0059】
<ぬれ張力の測定法>
JIS K6768-1999に準拠して、各蓄電デバイス用外装ケースの外側層の表面2aのぬれ指数(表面張力)を測定した。
【0060】
<成形性評価法>
外装材1に対し、プレス成型機を用いて縦150mm×横150mm×深さ5mmの成形を行って成形品を得た際の成形品を目視で調べて、割れ、ピンホールが全く発生しなかったものを「○」とし、割れ又はピンホールが発生していたものを「×」とした。
【0061】
<外観評価法>
得られた外装ケース10の表面を目視で調べて、内側層の表面に白粉が発生していたものを「×」、内側層の表面に白粉が発生していなかったものを「○」とした。
【0062】
<テープ密着性評価法>
各蓄電デバイス用外装ケースの最大面から縦145mm×横145mmの矩形状の試験片を採取した。前記試験片における外側層2の表面に幅5mm×長さ100mmの粘着テープを貼り付けた後、重さ2kgのローラーで粘着テープに荷重をかけながらローラーを粘着テープ上で5往復させた。その後、25℃の室内で1時間静置した。次に、JIS K6854-3(1999)に準拠して、島津製作所製ストログラフAGS-5kNXを用いて、一方のチャックで前記試験片を挟着固定し、他方のチャックで粘着テープを挟着固定して、180°剥離強度を測定した。この剥離強度から下記判定基準に基づいてテープ密着性を評価した。
(判定基準)
「◎」…剥離強度が6N/5mm以上である(合格)
「○」…剥離強度が5N/5mm以上、6N/5mm未満である(合格)
「×」…剥離強度が5N/5mm未満である。
【0063】
表から明らかなように、本発明の実施例1~5の外装ケースは、良好な成形がなされていると共にテープ密着性も良好であった。これに対し、本発明の規定範囲を逸脱する比較例1~6では、「成形性」、「外観」及び「テープ密着性」のうち少なくとも1つ以上の評価が悪かった。なお、比較例3、6では、成形性不良の評価結果であったため、テープ密着性の評価は行わなかった。