(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052967
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、出力装置、センタ装置用プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240405BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032667
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2022075010の分割
【原出願日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2018150757
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221926
【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】藤原 明仁
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 諒
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正人
(72)【発明者】
【氏名】三木 猛
(57)【要約】
【課題】薬剤容器ごとに設置されている監視装置における電力消費を抑制することが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】薬剤容器Bにおける薬剤使用操作の回数を示す操作回数データをサーバ装置SVに宛てて出力するセンサユニットSUと、操作回数データを取得するサーバ装置SVと、を備えた情報処理システムSであって、センサユニットSUは、既定の送信間隔ごとに操作回数データを出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤容器における薬剤使用操作の回数を示す操作回数データをセンタ装置に宛てて出力する出力手段を備える出力装置と、
前記出力された操作回数データを取得する取得手段を備える前記センタ装置と、
を備えた情報処理システムであって、
前記出力手段は、予め設定された出力間隔ごとに前記操作回数データを出力することを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理システム、出力装置、センタ装置用プログラム及び情報処理方法の技術分野に属する。より詳細には、薬剤容器における薬剤使用操作の回数に関する情報処理を行う情報処理システム及び情報処理方法、当該情報処理システムに含まれる出力装置並びに当該情報処理システムに含まれるセンタ装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、総合病院等の医療機関では、いわゆる院内感染の拡大を防止すべく、消毒薬による手指の消毒作業が推奨されている。また、実際に消毒作業が行われていたか否かについても、各医療機関において管理/監督することが求められている場合もある。
【0003】
ここで、当該医療機関の従事者が手指の消毒を確実に行っているかの確認は、一般的には、その消毒に用いられる消毒薬の使用量から判定される場合が多い。そして、医療機関における当該使用量の管理としては、従来、全ての薬剤容器又は薬液ボトルにおける消毒薬の残量等の確認→医療機関全体での確認結果の集計→使用状態の判定→医療従事者(現場)へのフィードバック、という一連の流れが全て手作業で行われているのが実情であり、人的な手間が過大となっているという問題点があった。
【0004】
そこで従来、各薬剤容器における消毒薬の使用量を自動的に検出し、その検出結果を無線又は有線により一箇所に集約させてその使用状態を確認する試みが行われている。このような試みの一つとして下記特許文献1に開示されている技術がある。この特許文献1に記載されている技術では、各薬剤容器それぞれの位置に監視装置を設置し、当該位置に人の手等が接近したことを当該監視装置により非接触で検出し、その検出結果を監視装置からデータ照合サーバに集約して使用状態の管理等に用いる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術の場合、人の手等の接近を検出する度に、その検出結果を監視装置から電気的にデータ照合サーバに送信することになる。従って、当該検出結果の送信の度に(即ち人の手等の接近の検出の度に)、監視装置からの検出結果の送信に必要な電力が当該監視装置において消費されることになる。
【0007】
そしてこの場合、当該監視装置が例えば電池駆動であった場合、電池交換の労力や電池に関連する運用コストが過大となるという問題点があった。
【0008】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、薬剤容器ごとに設置されている監視装置における電力消費を抑制することが可能な情報処理システム及び情報処理方法、当該情報処理システムに含まれる出力装置並びに当該情報処理システムに含まれるセンタ装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、薬剤容器における薬剤使用操作の回数を示す操作回数データをセンタ装置に宛てて出力する出力手段を備える出力装置と、前記出力された操作回数データを取得する取得手段を備える前記センタ装置と、を備えた情報処理システムであって、前記出力手段は、予め設定された出力間隔ごとに前記操作回数データを出力するように構成される。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の情報処理システムに含まれる前記出力装置であって、前記出力手段を少なくとも備える。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、前記出力装置に接続されたコンピュータを、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のセンタ装置として機能させる。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項17に記載の発明は、出力手段を備える出力装置と、センタ装置と、を備えた情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって、薬剤容器における薬剤使用操作の回数を示す操作回数データを、予め設定された出力間隔ごとに前記センタ装置に宛てて前記出力手段により出力する出力工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの概要構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例に係る情報処理システムの概要構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例に係る情報処理システムに含まれるセンサユニットの概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)はセンサユニットから送信される操作回数データのデータ構造を例示する図であり、(c)はセンサユニットのメモリの記憶内容を例示する図である。
【
図4】実施例に係る情報処理システムに含まれるサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)はメモリに記憶されている内容を例示する図である。
【
図5】実施例に係る情報処理を示すフローチャートであり、(a)は実施例に係る情報処理のうち実施例に係るセンサユニットにおいて実行される情報処理を示すフローチャートであり、(b)は実施例に係る情報処理のうち実施例に係るサーバ装置において実行される情報処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施例に係るサーバ装置における表示例を示す図である。
【
図7】実施例に係るセンサユニットの全体構造を示す図(I)であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は右側面図である。
【
図8】実施例に係るセンサユニットの全体構造を示す図(II)であり、(a)は平面斜視図であり、(b)は底面斜視図である。
【
図9】実施例に係るセンサユニットを構成するカバーの全体構造を示す図(I)であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は裏面図であり、(d)は右側面図である。
【
図10】実施例に係るセンサユニットを構成するカバーの全体構造を示す図(II)であり、(a)は平面斜視図であり、(b)は裏面斜視図である。
【
図11】実施例に係るセンサユニットを構成するベースの全体構造を示す図(I)であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は右側面図である。
【
図12】実施例に係るセンサユニットを構成するベースの全体構造を示す図(II)であり、(a)は平面斜視図であり、(b)は底面斜視図である。
【
図13】実施例に係るセンサユニットの内部構造を示す図であり、(a)は分解正面図であり、(b)は分解右側面図であり、(c)は分解斜視図である。
【
図14】第1変形例に係るセンサユニットの全体構造を示す図であり、(a)は分解正面図であり、(b)は分解右側面図であり、(c)は分解斜視図であり、(d)は正面断面図である。
【
図15】第2変形例に係るセンサユニットの全体構造を示す図であり、(a)は分解正面図であり、(b)は分解斜視図である。
【
図16】第3変形例に係るセンサユニットの全体構造を示す図であり、(a)は分解正面図であり、(b)は分解右側面図であり、(c)は分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本願を実施するための形態について
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、出力装置SUとセンタ装置SVにより構成されており、出力装置SUは出力手段1を、センタ装置SVは取得手段11を、それぞれ備える。
【0016】
この構成において、出力装置SUの出力手段1は、薬剤容器における薬剤使用操作の回数を示す操作回数データをセンタ装置SVに宛てて出力する。そして、センタ装置SVの取得手段11は、出力手段1から出力された操作回数データを取得する。
【0017】
このとき出力手段1は、予め設定された出力間隔ごとに操作回数データを出力する。
【0018】
以上説明したように、実施形態に係る情報処理システムSの動作によれば、出力装置SUの出力手段1からの操作回数データの出力間隔が予め設定された出力間隔であるので、出力装置SUにおける電力消費を抑制することができる。
【実施例0019】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、
図2乃至
図13を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、病院又は医院等の医療機関における消毒薬の使用状況を監視して管理する情報処理システムに本願を適用した場合の実施例である。
【0020】
また、
図2は実施例に係る情報処理システムの概要構成を示すブロック図であり、
図3は当該情報処理システムに含まれるセンサユニットの概要構成を示すブロック図等である。更に、
図4は当該情報処理システムに含まれるサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、
図5は当該情報処理システムにおいて実行される情報処理を示すフローチャートであり、
図6は実施例に係るサーバ装置における表示例を示す図である。更にまた、
図7及び
図8は実施例に係るセンサユニットの全体構造を示す図であり、
図9及び
図10は当該センサユニットを構成するカバーの全体構造を示す図であり、
図11及び
図12は実施例に係るセンサユニットを構成するベースの全体構造を示す図であり、
図13は当該センサユニットの内部構造を示す図である。このとき、
図2乃至
図13では、
図1に示した実施形態に係る情報処理システムSにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該情報処理システムSにおける各構成部材と対応させた部材番号を用いている。
【0021】
実施例に係る情報処理システムSは、例えば、病棟、外来及び手術室等を備える総合病院等の医療機関内に設けられる。より具体的には、
図2に例示するように、実施例に係る情報処理システムSは、当該医療機関内の部署(即ち、病棟、外来、手術室等の部署)ごとの予め設定された設置位置に設けられ、且つその天面に例えばプッシュ操作による吐出式の薬剤容器Bが載置されるセンサユニットSU1乃至センサユニットSUn(nは自然数)、センサユニットSU10乃至センサユニットSUm(mは自然数)、センサユニットSU20乃至センサユニットSUx(xは自然数)及びセンサユニットSU30乃至センサユニットSUy(yは自然数)と、中継器TA乃至中継器TDと、サーバ装置SVと、により構成されている。なお以下の説明において、センサユニットSU1乃至センサユニットSUn、センサユニットSU10乃至センサユニットSUm、センサユニットSU20乃至センサユニットSUx及びセンサユニットSU30乃至センサユニットSUyについて共通的に説明する場合、これらを纏めて単に「センサユニットSU」と称する。また中継器TA乃至中継器TDについて共通的に説明する場合、これらを纏めて単に「中継器T」と称する。そして、センサユニットSUが実施形態に係る出力装置SUの一例に相当し、サーバ装置SVが実施例に係るセンタ装置SVの一例に相当する。
【0022】
以上の構成において、
図2に示すように、センサユニットSU1乃至センサユニットSUnは、例えば外来内の受付前や廊下等に、薬剤容器Bがその上に載置されて設置されている。そして、同じく外来内の例えば壁や天井に設定されている中継器TAと、センサユニットSU1乃至センサユニットSUnと、は、予め設定された無線方式(例えば、LPWA(Low Power Wide Area)方式)により無線接続されており、相互にデータの授受が可能となっている。また、センサユニットSU10乃至センサユニットSUmは、例えば病棟一階内の各病室前やナースステーション等に、薬剤容器Bがその上に載置されて設置されている。そして、同じく病棟一階内の例えば壁や天井に設定されている中継器TBと、センサユニットSU10乃至センサユニットSUmと、も、上記無線方式により無線接続されており、相互にデータの授受が可能となっている。また、センサユニットSU20乃至センサユニットSUxは、例えば病棟二階内の各病室前やナースステーション等に、薬剤容器Bがその上に載置されて設置されている。そして、同じく病棟二階内の例えば壁や天井に設定されている中継器TCと、センサユニットSU20乃至センサユニットSUxと、も、上記無線方式により無線接続されており、相互にデータの授受が可能となっている。最後に、センサユニットSU30乃至センサユニットSUyは、例えば手術棟内の各手術室前等に、薬剤容器Bがその上に載置されて設置されている。そして、同じく手術棟内の例えば壁や天井に設定されている中継器TDと、センサユニットSU30乃至センサユニットSUyと、も、上記無線方式により無線接続されており、相互にデータの授受が可能となっている。一方、中継器Tは、例えば手指の消毒状態を管理する管理部門に設置されているサーバ装置SVと例えば有線により接続されている。以上の構成により結果として、サーバ装置SVと各センサユニットSUとは、中継器Tを介して必要なデータの授受が可能とされている。
【0023】
ここで実施例においては、センサユニットSUとサーバ装置SVとは、各センサユニットSUと中継器Tが無線により接続されており、一方中継器Tとサーバ装置SVとは有線により接続されている。しかしながら、センサユニットSUとサーバ装置SVの接続方式は、これに限らない。例えば、中継器Tとサーバ装置SVの接続が無線によるものであってもよい。また、センサユニットSUとサーバ装置SVは、中継器Tを経由せずに、直接、無線又は有線により接続されていてもよい。
【0024】
次に、実施例に係るセンサユニットSUの電気的な構成について、
図3を用いて説明する。なお
図3は、実施例に係るセンサユニットSUの電気的な構成をブロック図等であり、当該センサユニットSUの(機械的な)構造自体については、後ほど
図7乃至
図13を用いて説明する。
【0025】
図3(a)に示すように、実施例に係るセンサユニットSUは、電池等のバッテリ6から供給される電源電力により駆動されるものであり、CPU等からなる処理部1Aと、インターフェース2と、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなるメモリ3と、タクトスイッチ等からなる回数検出スイッチ4Aと、タクトスイッチ等からなる残量検出スイッチ5Aと、により構成されている。また処理部1Aは、カウンタ1Cを備えている。このとき、処理部1Aが実施形態に係る出力手段1の一例及び本願に係る「初期化手段」の一例にそれぞれ相当し、回数検出スイッチ4Aが本願に係る「検出手段」の一例に相当し、カウンタ1Cが本願に係る「計数手段」の一例に相当し、メモリ3が本願に係る「間隔データ記憶手段」の一例及び「出力タイミングデータ記憶手段」の一例にそれぞれ相当する。
【0026】
以上の構成において、インターフェース2は、処理部1Aの制御の下、センサユニットSUに接続されている中継器Tを介した処理部1Aとサーバ装置SVとの間のデータの授受を制御する。一方回数検出スイッチ4Aは、センサユニットSUの上部に載置されている薬剤容器Bにおいてそれに収容されている薬剤(例えば消毒薬)を使用するための鉛直方向下向きの押下操作(即ち上記プッシュ操作)が一度実行されると、当該一度の押下操作のタイミングでオン信号を処理部1Aに出力する。他方残量検出スイッチ5Aは、通常はオン信号を処理部1Aに出力し続けており、上記薬剤の使用によって薬剤容器B自体が軽くなってくると、当該薬剤容器Bの重量(換言すれば、薬剤容器B内に残っている薬剤の重量)が当該薬剤の補充時期(又は薬剤容器Bの交換時期)に対応した重量となったタイミングでオフ信号を出力する。
【0027】
また、処理部1Aのカウンタ1Cは、回数検出スイッチ4Aから上記オン信号が出力される度にカウントアップされることでオン信号を計数し、その結果を操作回数データとしてメモリ3内に一時的に記憶させる。これと並行して処理部1Aは、残量検出スイッチ5Aから上記オフ信号が出力されてきたとき、当該オフ信号に対応した残量フラグを設定してメモリ3内に一時的に記憶させる。このとき上記残量検出スイッチ5Aの機能により、上記残量フラグは、上記薬剤の使用により薬剤容器B自体が軽くなって当該薬剤が所定の重量となったことを示すフラグであることになる。より具体的には、上記残量フラグは、補充時期(又は薬剤容器Bの交換時期)に対応した重量となったことを示すフラグであることになる。そして、上記操作回数データ(即ち、回数検出スイッチ4Aからのオン信号の計数結果を示すデータ)を送信するために予め設定されているタイミングである出力タイミングが到来したとき、処理部1Aは、
図3(b)に示すように、当該出力タイミングにおける操作回数データbに対して、そのセンサユニットSUを他のセンサユニットSUから識別するための識別データidと、上記残量フラグが設定されている場合は当該残量フラグfを付加し、更にこれらの前後に予め設定された型式のヘッダh及びフッタeを付加した操作回数パケットPを生成する。なお処理部1Aは、上記操作回数パケットP内の各データに加えて、当該センサユニットSUの設置位置(換言すれば、その上部に載置されている薬剤容器Bが設置されている医療機関の建物内の位置又は部署(
図2参照))を示す位置データpsを付加して当該操作回数パケットPを生成してもよい。なお上述したように、残量フラグfはそれがメモリ3に記憶されている場合にのみ操作回数パケットPに含まれるが、この点を
図3(b)では破線で示している。また、上記操作回数パケットPの生成のため、
図3(c)に示すようにメモリ3には、当該メモリ3が備えられているセンサユニットSUに対応する上記識別データid、上記位置データps及び上記操作回数データbに加えて、上記出力タイミングを示す出力タイミングを示す出力タイミングデータotが、不揮発性に記憶されている。
【0028】
次に、実施例に係るサーバ装置SVの電気的な概要構成について、
図4を用いて説明する。
【0029】
図4(a)に示すように、実施例に係るサーバ装置SVは、インターフェース10と、CPU、RAM及びROM等からなる処理部11Aと、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ12と、マウス及びキーボード等からなる操作部13と、HDD(Hard Disc Drive)等からなり且つ管理データDを記憶する記憶部14と、により構成されている。このとき、処理部11Aが実施形態に係る取得手段11の一例並びに本願に係る「表示制御手段」の一例、本願に係る「変更手段」の一例、本願に係る「初期化制御手段」の一例及び本願に係る「出力タイミング変更手段」の一例にそれぞれ相当し、ディスプレイ12が本願に係る「表示手段」の一例に相当し、記憶部14が本願に係る「閾値データ記憶手段」の一例に相当する。
【0030】
以上の構成において、インターフェース10は、処理部11Aの制御の下、中継器Tを介した処理部11Aと各センサユニットSUとの間のデータの授受を制御する。一方記憶部14に記憶されている管理データDには、
図4(b)に例示するように、サーバ装置SVの管理下にあるセンサユニットSUごとに、それが設置されている部門データ及び位置データと、当該センサユニットSUから上記操作回数パケットPとして送信されてきた上記操作回数データbと、当該センサユニットSU上に載置されている薬剤容器Bに収容されている薬剤の使用開始時期データ及び使用期限データと、当該センサユニットSUにおける薬剤についての操作回数の目標値に相当する閾値データと、当該センサユニットSUから上記操作回数パケットPが出力されるべき上記出力タイミングを示す出力タイミングデータと、が含まれている。このとき当該出力タイミングデータとしては、例えば、外来に設置されているセンサユニットSU1乃至センサユニットSUnからの出力タイミング(例えば午前0時ごとの24時間間隔)を基準タイミングとして、当該基準タイミングから例えば
図4(b)に例示するように10秒ずつずらした出力タイミングが、それぞれ、病棟一階に設置されているセンサユニットSU10乃至センサユニットSUm、病棟二階に設置されているセンサユニットSU20乃至センサユニットSUx、及び手術棟に設置されているセンサユニットSU30乃至センサユニットSUyに設定されている。
【0031】
そして処理部11Aは、操作部13において行われた例えば管理者による操作に対応した当該操作部13からの操作信号に基づき、上記管理データDを参照しつつ、各センサユニットSUから送信されてくる上記操作回数パケットPを用いて、実施例に係る情報処理(即ち、各薬剤容器Bにおける薬剤の使用状態の管理処理)を実行する。
【0032】
次に、実施例に係るサーバ装置SV及び各センサユニットSUを中心として実行される実施例に係る情報処理について、具体的に
図5及び
図6を用いて説明する。
【0033】
初めに、実施例に係る情報処理のうち、各センサユニットSUにおいて実行される情報処理について、
図5(a)を用いて説明する。
【0034】
図5(a)に示すように、各センサユニットSUにおいて実行される情報処理は、例えば当該センサユニットSUの電源スイッチがオンとされたタイミングから開始される。そして、センサユニットSUにおいて実行される情報処理が開始されると、先ずセンサユニットSUの処理部1Aは、カウンタ1Cを初期化する旨の初期化指示がサーバ装置SVから送信されているか否かを監視する(ステップS1)。ステップS1の判定において、当該初期化指示がサーバ装置SVから送信されている場合(ステップS1:YES)、処理部1Aはカウンタ1Cにおける現在の計数値を初期化し(即ちゼロリセットし)(ステップS2)、その後後述するステップS3に移行する。
【0035】
一方ステップS1の判定において、上記初期化指示が送信されていない場合(ステップS1:NO)、次に処理部1Aは、薬剤容器Bにおいて上記押下操作が行われることにより回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力されたか否かを監視する(ステップS3)。ステップS2の監視においてオン信号が出力されない場合(ステップS3:NO)、処理部1Aは後述するステップS5に移行する。
【0036】
他方ステップS3の監視において、回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力された場合(ステップS3:YES)、処理部1Aはカウンタ1Cを「1」だけインクリメントする(ステップS4)。次に処理部1Aは、普段はオン信号を出力している残量検出スイッチ5Aからオフ信号が出力されたか否かを監視する(ステップS5)。ステップS5の監視においてオフ信号が出力されたら(ステップS5:YES)、処理部1Aは、メモリ3内に上記残量フラグfを設定する(ステップS6)。
【0037】
一方ステップS5の判定において、残量検出スイッチ5Aからオフ信号が出力されない場合(ステップS5:NO)、処理部1Aは次に、メモリ3内に出力タイミングデータotとして記憶されている出力タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定において、当該出力タイミングが到来していない場合(ステップS7:NO)、処理部1Aは後述するステップS9に移行する。
【0038】
他方ステップS7の判定において、当該出力タイミングが到来している場合(ステップS7:YES)、処理部1Aは、その時点でのカウンタ1Cの計数値を操作回数データbとして含み、これに加えて上記識別データid及び位置データpsと、設定されている場合の残量フラグfと、を含む上記操作回数パケットPを生成し、それを中継器Tを介してサーバ装置SVに送信する(ステップS8)。
【0039】
次に処理部1Aは、メモリ3に記憶されている出力タイミングデータotや識別データid等を更新するための更新用データがサーバ装置SVから送信されて来たか否かを監視する(ステップS9)。ステップS9の監視において当該更新用データが送信されていない場合(ステップS9:NO)、処理部1Aは、後述するステップS11に移行する。一方ステップS9の監視において当該更新用データが送信されてきた場合(ステップS9:YES)、処理部1Aは、当該更新用データを用いて出力タイミングデータot等を更新する(ステップS10)。その後処理部1Aは、例えばセンサユニットSUの電源スイッチがオフとされた等の理由により実施例に係るセンサユニットSUにおいて実行される情報処理を終了するか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定において、当該情報処理を継続する場合(ステップS11:NO)、処理部1Aは上述したステップS1に戻って、上述してきた処理を繰り返す。
【0040】
他方ステップS11の判定において、当該情報処理を終了する場合(ステップS11:YES)、処理部1Aはそのまま当該処理を終了する。
【0041】
次に、実施例に係る情報処理のうち、サーバ装置SVにおいて実行される情報処理について、
図5(b)を用いて説明する。
【0042】
図5(b)に示すように、サーバ装置SVにおいて実行される情報処理は、例えば当該サーバ装置SVの電源スイッチがオンとされたタイミングから開始される。そして、サーバ装置SVにおいて実行される情報処理が開始されると、先ずサーバ装置SVの処理部11Aは、いずれかのセンサユニットSUから操作回数パケットPが送信されてきたか否かを監視する(
図5(a)ステップS1参照。ステップS15)。ステップS15の判定において、いずれのセンサユニットSUからも操作回数パケットPが送信されてこない場合(ステップS15:NO)、処理部11Aは後述するステップS23に移行する。
【0043】
一方ステップS15の監視において、いずれかのセンサユニットSUから操作回数パケットPが送信されてきた場合(ステップS15:YES)、処理部11Aは、当該送信されてきた操作回数パケットP内の操作回数データbを記憶部14の管理データD内に記憶させると共に、当該操作回数データbを用いてディスプレイ12上の表示を更新する(ステップS16)。
【0044】
ここで、ディスプレイ12上には、例えば
図6(a)に例示するように、例えば病棟一階の病室やナースステーション等の配置を示すマップMと共に、当該マップMにおける各薬剤容器Bの設置位置に対応した表示位置に、その薬剤容器Bを載置しているセンサユニットSUから送信されてくる操作回数パケットPに含まれている操作回数データbの値が、操作回数表示20乃至操作回数表示29として表示される。そして上記ステップS16では、当該操作回数表示20乃至操作回数表示29のうち、その時に操作回数パケットPを送信してきた(上記ステップS15参照)センサユニットSUに対応する操作回数表示が更新される(ステップS16)。なお操作回数表示は、センサユニットSUから送信されてくる操作回数パケットPに含まれている操作回数データbの値(換言すると、送信間隔ごとの操作回数)の表示に限られない。例えば、1日、1週間又は1ヶ月などの所定間隔ごと、或いは、前回の計数値を初期化した時から当該操作回数パケットPが送信されてきたタイミングまでの累積値を表示するように構成してもよい。
【0045】
次に処理部11Aは、ステップS15において受信した操作回数パケットPに含まれていた操作回数データbの値が、当該操作回数パケットPを送信してきたセンサユニットSUに載置されている薬剤容器Bについて設定されている目標値(
図4に示す閾値データ参照)に到達しているか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17の判定において、当該目標値に到達していない場合(ステップS17:NO)、処理部11Aは後述するステップS19に移行する。
【0046】
一方ステップS17の判定において、ステップS15において受信した操作回数パケットPに含まれていた操作回数データbの値が対応する目標値に到達している場合(ステップS17:YES)、処理部11Aは次に、当該目標値に到達した操作回数データbを送信してきたセンサユニットSUに対応する操作回数表示の表示態様を、他の操作回数表示とは異なる表示態様に更新する(ステップS18)。この場合、例えば
図6(a)に例示する操作回数表示22のように、他の操作回数表示20等とは異なる表示態様に更新される。
【0047】
次に処理部11Aは、ステップS15において受信した操作回数パケットPに残量フラグfが含まれているか否か、即ち、当該残量フラグfを送信してきたセンサユニットSUに載置されている薬剤容器B内の薬剤の補充時期(又は薬剤容器Bの交換時期)が到来しているか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19の判定において残量フラグfが含まれていない場合(ステップS19:NO)、当該補充時期又は交換時期ではないとして、処理部11Aは後述するステップS21に移行する。
【0048】
一方ステップS19の判定において当該残量フラグfが含まれている場合(ステップS19:YES)、処理部11Aは、当該残量フラグfを含む操作回数パケットPを送信してきたセンサユニットSUに対応する操作回数表示において、例えば
図6(b)に例示するように、注意喚起表示SBを行う(ステップS20)。この場合の注意喚起表示SBとしては、例えば記憶部14に記憶されている管理データDを参照した使用期限が含まれていると共に、残量フラグfに対応する残量(即ち、薬剤の補充時期又は薬剤容器Bの交換時期に相当する残量)が表示されることが好ましい。なおこの残量は、操作回数に一回の押下操作当たりの使用予測量を乗じた値を使用開始時又は補充直後の薬剤の量から差し引くことで、薬剤の補充時期又は薬剤容器Bの交換時期に相当する残量より多い残量を、処理部11Aによる計算上で算出して表示するように構成してもよい。
【0049】
次に処理部11Aは、例えば操作部13においていずれかのセンサユニットSUにおける上記出力タイミングデータotや識別データid等を更新すべき旨の操作が行われたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定において、当該更新すべき旨の操作が行われていない場合(ステップS21:NO)、処理部11Aは後述するステップS23に移行する。
【0050】
一方ステップS21の判定において、当該更新すべき旨の操作が行われた場合(ステップS21:YES)、処理部11Aは、当該操作に対応する上記更新用データを生成し、当該生成された更新用データを、当該更新の対象たるセンサユニットSUに宛てて送信する(ステップS22。
図5(a)ステップS9参照)。なおこの更新用データと合わせて上記初期化指示を送信してもよい。また当該初期化指示は、更新用データとは無関係に、任意のタイミングで送信してもよい。
【0051】
その後処理部11Aは、例えばサーバ装置SVの電源スイッチがオフとされた等の理由により実施例に係るサーバ装置SVにおいて実行される情報処理を終了するか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定において、当該情報処理を継続する場合(ステップS23:NO)、処理部11Aは上述したステップS15に戻って、上述してきた処理を繰り返す。
【0052】
他方ステップS23の判定において、当該情報処理を終了する場合(ステップS23:YES)、処理部11Aはそのまま当該処理を終了する。
【0053】
次に、
図3(a)に示す電気的な構成を備える実施例に係るセンサユニットSUの構造について、具体的に
図7乃至
図13を用いて説明する。
【0054】
初めに、実施例に係るセンサユニットSUの全体構造について、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0055】
図7(a)にその平面図を、
図7(b)にその正面図を、
図7(c)にその底面図を、
図7(d)にその右側面図をそれぞれ示し、更に
図8(a)にその平面斜視図を、
図8(b)にその底面斜視図をそれぞれ示すように、実施例に係るセンサユニットSUは、その設置場所への固定用の溝R1及び溝R2が底面に形成されたベースBSに対して、
図7及び
図8において図示しないバネにより
図7に示す摺動方向に付勢されたカバーCVが被せられた構造を有している。そして、当該センサユニットSUに載置される薬剤容器Bは、カバーCVの天面(上面)に形成された凹部BPに嵌め込まれて固定される。この状態で当該薬剤容器Bにおいて上記押下操作が行われると、カバーCVが反対方向(
図7(b)における上方向)に上記バネで付勢されつつ押し下げられ、これにより上記回数検出スイッチ4Aから上記オン信号が出力される。なお、ベースBSに対するカバーCVの摺動をスムーズにすると共にカバーCVがベースBSに対して斜めに摺動することを防止する目的で、ベースBSの四隅(角部)には、表面が半円筒状に形成されたガイド部材G1乃至ガイド部材G4が形成されている。
【0056】
次に、実施例に係るセンサユニットSUの上記カバーCVについて、その構造を
図9及び
図10を用いて説明する。
【0057】
図9(a)にその平面図を、
図9(b)にその正面図を、
図9(c)にその裏面図を、
図9(d)はその右側面図をそれぞれ示し、更に
図10(a)にその平面斜視図を、
図10(b)はその裏面斜視図をそれぞれ示すように、実施例に係るセンサユニットSUの上記カバーCVは、その天面(上面)に薬剤容器Bの固定用の上記凹部BPが形成されており、更に上記押下操作時にベースBSの溝R1及び溝R2に重なることとなる裾の部分には、当該溝R1及び溝R2に対向する位置に、切り欠きRC1乃至切り欠きRC4が形成されている。また、カバーCVの裏面には、カバーCVの摺動を付勢する上記バネが通されるカバー側バネ軸JC1及びカバー側バネ軸JC2が上記摺動方向に略平行に形成されている。なお、これらカバー側バネ軸JC1及びカバー側バネ軸JC2の高さは、過度な押下操作によりカバーCVが鉛直方向下向きに下がり過ぎることによる回数検出スイッチ4A及び残量検出スイッチ5Aの破損を防止すべく、当該カバーCVの下がり過ぎを防止する高さとされている。
【0058】
次に、実施例に係るセンサユニットSUの上記ベースBSについて、その構造を
図11及び
図12を用いて説明する。
【0059】
図11(a)にその平面図を、
図11(b)にその正面図を、
図11(c)にその底面図を、
図11(d)はその右側面図をそれぞれ示し、更に
図12(a)にその平面斜視図を、
図12(b)はその裏面斜視図をそれぞれ示すように、実施例に係るセンサユニットSUの上記ベースBSは、その底面に固定用の上記溝R1及び溝R2が形成されており、更にその四隅(角部)には、それぞれ上記ガイド部材G1乃至ガイド部材G4が形成されている。また、ベースBSの上面には、上記バネが通されるベース側バネ軸JB1及びベース側バネ軸JB2が上記摺動方向に略平行に形成されている。
【0060】
次に、実施例に係るセンサユニットSUの内部構造について、
図13を用いて説明する。なお
図13では、説明の都合上、カバーCVの裾部とベースBSの各ガイド部材G1乃至ガイド部材G4の記載を省略している。
【0061】
図13(a)にその分解正面図を、
図13(b)にその分解右側面図を、
図13(c)にその分解斜視図をそれぞれ示すように、実施例に係るセンサユニットSUでは、
図13において図示しない薬剤容器Bを載置するカバーCVの裏面に形成された上記カバー側バネ軸JC1及びカバー側バネ軸JC2が、それぞれ、ベース側バネ軸JB1及びベース側バネ軸JB2に被さるようにカバーCVとベースBSとが嵌合される。このとき、付勢用のバネSP1及びバネSP2が間に挟まれることで、薬剤容器Bにおいて上記押下操作が行われてカバーCV自体が鉛直方向下向きに押し下げられても、当該押下操作が終了した後は、バネSP1及びバネSP2の付勢力によりカバーCVが元の位置に戻ることになる。
【0062】
一方、センサユニットSUの内部では、
図13に示すように二枚の基板BD1及び基板BD2がバネSP10乃至バネSP13をその四隅(角部)にそれぞれ挟むようにして積層されている。このとき、
図3に示す処理部1A、インターフェース2及びメモリ3は、基板BD1又は基板BD2のいずれかまたは双方に分けて固定されている。そして、タクトスイッチ等からなる回数検出スイッチ4Aが下側の基板BD1上に、同じくタクトスイッチ等からなる残量検出スイッチ5Aが上側の基板BD2上に、それぞれ固定されている。このとき、残量検出スイッチ5AのベースBSを基準とした高さが、薬剤容器Bにおける薬剤の量が十分である場合にその重量で鉛直方向下向きに下がってくるカバーCVの裏面で当該残量検出スイッチ5Aが押され続けることにより残量検出スイッチ5Aからオン信号が連続して出力されると共に、薬剤の残量が減って上記残量フラグfが設定される程度に薬剤容器Bが軽くなることでバネSP1及びバネSP2の付勢力により鉛直方向上向きにカバーCVが持ち上げられたときには、当該残量検出スイッチ5Aからオフ信号が出力される当該残量検出スイッチ5Aの高さとなるように、バネSP10乃至バネSP13それぞれの長さ及び付勢力が設定されている。また、薬剤容器Bにおける押下操作が行われたときには、当該押下操作によりカバーCV及び基板BD2が鉛直方向下向きに下がることで回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力され、これにより、薬剤容器Bとしての上記操作回数がカウンタ1Cにより計数される。なお、回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力されたこと(即ち、上記押下操作が行われたこと)を視覚的に示すインジケータLが回数検出スイッチ4Aの脇の基板BD1上に固定されており、このインジケータLの例えば点滅により、押下操作の実行が外部から確認可能となる。
【0063】
以上説明したように、実施例に係る情報処理システムSにおける情報処理によれば、センサユニットSUの処理部1Aからの操作回数データbを含む操作回数パケットPの送信間隔が予め設定された送信間隔であるので、センサユニットSUにおける電力消費を抑制することができる。
【0064】
また、操作回数パケットPの送信間隔を24時間とする場合は、送信された操作回数パケットPを当該送信の度に取得することで(
図5(b)ステップS15参照)、操作回数データbとしての必要頻度とのバランスを取りつつ、センサユニットSUにおける電力消費をより効果的に抑制することができる。なお、この送信間隔は、一回の上記押下操作に要する時間よりも長い送信間隔であれば、上記24時間の他に、例えば、6時間、12時間、又は24時間よりも長い送信間隔としてもよい。
【0065】
更に、センサユニットSUが電池等のバッテリ6により駆動されるので、当該センサユニットSUにおける消費電力を抑制することで、バッテリ6の交換の労力及びバッテリ6に関連する運用コストを削減することができる。
【0066】
更にまた、センサユニットSU自体で押下操作を検出し、その回数を計数するので、確実に操作回数データbを生成して送信することができる。
【0067】
また、薬剤容器BとセンサユニットSUとが一対一に対応付けられており、一の薬剤容器Bにおける押下操作の回数を示す操作回数データbを、当該一の薬剤容器Bに対応付けられている一のセンサユニットSUがサーバ装置SVに宛てて送信するので、各薬剤容器Bについて正確な操作回数を示す操作回数データbをサーバ装置SVに送信することができる。なお実施例では、中継器Tを介してサーバ装置SVに操作回数パケットPを送信する構成としたが、これ以外に、各センサユニットSUから直接サーバ装置SVに操作回数パケットPを送信するように構成してもよい。
【0068】
更に、センサユニットSU(換言すれば薬剤容器B)を識別するための識別データidを含む操作回数パケットPがセンサユニットSUから送信され、サーバ装置SVにおいて、操作回数データbにより示される押下操作の回数を、当該操作回数データbに付加されて出力された識別データidに関連付けて表示するので(
図6参照)、薬剤容器Bごとの使用回数を一元的に認識することができる。
【0069】
更にまた、各薬剤容器Bの医療機関等の施設内における設置位置を示す位置データpsを更に含む操作回数パケットPがセンサユニットSUから送信され、サーバ装置SVにおいて、当該設置位置を含む施設のマップMと共に、当該設置位置に設置されている薬剤容器Bにおける押下操作の回数をマップM内の当該設置位置のそれぞれに表示させるので(
図6参照)、施設における設置位置に設置されている薬剤容器Bごとの使用回数を、当該施設のマップMと共に認識することができる。
【0070】
また、薬剤容器Bごとの薬剤の残量を薬剤容器Bごとに表示させる場合は(
図6(b)参照)、各薬剤容器Bにおける残量を迅速に認識することができる。
【0071】
更に、薬剤の使用期限を薬剤容器Bごとに表示させる場合は(
図6(b)参照)、各薬剤容器Bにおける使用期限を迅速に認識することができる。
【0072】
更にまた、押下操作の回数が既定の目標値を越えたか否かを表示させる場合は(
図6(a)参照)、その目標値の到達度を迅速に認識することができる。なおこの目標値は、目標値以外の特定の閾値としてもよい。
【0073】
また、センサユニットSUに記憶されている出力タイミングデータot等をサーバ装置SVから変更可能であるので(
図5(b)ステップS22参照)、例えば押下操作の管理者等が、その意思に基づいて操作回数パケットPの出力間隔を変更することができる。なお上記出力タイミングデータotは、例えば、薬剤容器Bの施設内における設置位置、薬剤の使用の必要性、又は季節の少なくともいずれか一つに基づいて変更することもできる。この場合は、サーバ装置SVにおいて、目的に応じて操作回数パケットPの取得頻度を制御することができる。
【0074】
更に、センサユニットSUにおいて計数された押下操作の回数の初期化タイミングがサーバ装置SVから制御可能であるので(
図5ステップS1参照)、例えば押下操作の管理者等の任意のタイミングで初期化された操作回数パケットPを取得することができる。
【0075】
更にまた、操作回数パケットPのセンサユニットSUからの出力タイミングをずらすように変更可能であるので(
図4(b)参照)、複数のセンサユニットSUから一度に操作回数パケットPが送信されることによるデータ量の増大等を防止することができる。
【0076】
[変形例]
次に、上述した実施形態に対応する変形例について、
図14乃至
図16を用いて説明する。なお以下に説明する変形例において、実施例に係るセンサユニットSUと同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0077】
(1)第1変形例
先ず第1変形例として、上述した実施例では、残量検出スイッチ5Aを用いて残量フラグfの設定を行ったが、以下に説明する第1変形例では、異なる方法で残量フラグfの設定を行う。
【0078】
即ち、
図14(a)にその分解正面図を、
図14(b)にその分解右側面図を、
図14(c)にその分解斜視図を、
図14(d)にその正面断面図をそれぞれ示すように、第1変形例に係るセンサユニットの内部では、基板BD1は一枚のみであり、その上面に回数検出スイッチ4Aが、その下面に残量検出スイッチ5Aが、それぞれ固定されている。そして、L字型の板状の残量検出部材20がカバーCVの裏面から下方に延在されており、カバーCVとベースBSとが嵌合された状態では、
図14(d)に示すように、残量検出部材20の先端が鉛直方向下向きに向けられた残量検出スイッチ5Aに対向する位置となるように構成されている。そして、残量検出部材20の先端とカバーCVの裏面との距離が、薬剤容器Bにおける薬剤の量が十分である場合はその重量で鉛直方向下向きに下がってくるカバーCVの動きにより残量検出スイッチ5Aはオフとされ、薬剤の残量が減って残量フラグfが設定される程度に薬剤容器Bが軽くなることでバネSP1及びバネSP2の付勢力により鉛直方向上向きにカバーCVが持ち上げられたときには、当該残量検出部材20の先端の接触により残量検出スイッチ5Aからオン信号が出力される当該距離となるように設定されている。即ち、第1変形例では、実施例と異なり、残量検出スイッチ5Aからオン信号が出力されたタイミングで残量フラグfが設定されることとなる。また、薬剤容器Bにおける押下操作が行われたときには、当該押下操作によりカバーCVが鉛直方向下向きに下がることで回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力され、これにより、薬剤容器Bとしての上記操作回数がカウンタ1Cにより計数される。
【0079】
(2)第2変形例
次に第2変形例として、上述した実施例では、残量検出スイッチ5Aを用いて残量フラグfの設定を行ったが、以下に説明する第2変形例では、非接触型の距離センサにより残量フラグfの設定を行う。
【0080】
即ち、
図15(a)にその分解正面図を、
図15(b)にその分解斜視図をそれぞれ示すように、第2変形例に係るセンサユニットの内部では、基板BD1は一枚のみであり、その上面に、回数検出スイッチ4Aと、例えば光学式又は超音波式の距離センサLLと、がそれぞれ固定されている。なお第2変形例では上記残量検出スイッチ5Aは用いられない。そして、距離センサLLによりカバーCVの裏面までの距離を直接検出することで、薬剤容器B内の薬剤の残量が減って残量フラグfが設定される程度に薬剤容器Bが軽くなることでバネSP1及びバネSP2の付勢力により鉛直方向上向きにカバーCVが持ち上げられたことを検出する。そして、当該距離センサLLの検出結果により、残量フラグfが設定されるべきタイミングが計られることになる。なお、薬剤容器Bにおける押下操作が行われたときには、当該押下操作によりカバーCVが鉛直方向下向きに下がることで回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力され、これにより、薬剤容器Bとしての上記操作回数がカウンタ1Cにより計数される。本第2変形例において、距離センサLLは、残量を連続的に計量できる。そして操作回数データbの出力と同じタイミングに残量を出力することで、管理者は薬剤の補充時期を予測することができる。
【0081】
(3)第3変形例
次に第3変形例として、上述した実施例では、残量検出スイッチ5Aを用いて残量フラグfの設定を行ったが、以下に説明する第3変形例では、センサユニットSU自体では残量フラグfの設定を行わず、操作回数データbを取得したサーバ装置SVにおいて、一回の押下操作による使用量と当該操作回数とを乗じることで薬剤の残量を算出する。
【0082】
即ち、
図16(a)にその分解正面図を、
図16(b)にその分解右側面図を、
図16(c)にその分解斜視図をそれぞれ示すように、第3変形例に係るセンサユニットの内部では、基板BD1は一枚のみであり、その上面に、回数検出スイッチ4Aのみが固定されている。なお第3変形例では、上記残量検出スイッチ等を用いたセンサユニットでの残量の検出は行われない。そして、薬剤容器Bにおける押下操作が行われたときには、当該押下操作によりカバーCVが鉛直方向下向きに下がることで回数検出スイッチ4Aからオン信号が出力され、これにより、薬剤容器Bとしての上記操作回数がカウンタ1Cにより計数される。
【0083】
(4)その他の変形例
最後にその他の変形例として、操作回数パケットPの送信間隔として予め定められた送信間隔の間に薬剤容器Bにおける押下操作が一度も行われなかった場合には、当該送信間隔が経過したとしても操作回数パケットPを送信しないように構成してもよい。この場合には、センサユニットSUにおける電力消費を更に抑制することができる。
【0084】
また、上述した実施例及び各変形例は、薬剤としての消毒液を収容する薬剤容器Bにおける使用状況を管理する場合の本願を適用したが、これ以外に、例えば石鹸等の液体を収容する薬剤容器における使用状況を管理する場合の本願を適用してもよい。
【0085】
更に、
図5にそれぞれ示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を、実施例に係る処理部1A又は処理部11Aとして機能させることも可能である。