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特開2024-52985ヒストンデアセチラーゼ6阻害剤としてのイソオキサゾールヒドロキサム酸
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052985
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】ヒストンデアセチラーゼ6阻害剤としてのイソオキサゾールヒドロキサム酸
(51)【国際特許分類】
   C07D 261/18 20060101AFI20240405BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/42 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/473 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
C07D261/18 CSP
C07D413/06
C07D413/12
C07D417/06
C07D417/12
C07D471/04 103
A61K31/42
A61K31/422
A61K31/427
A61K31/437
A61K31/4439
A61K31/4709
A61K31/4725
A61K31/473
A61K31/55
A61K45/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P37/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033023
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2019553370の分割
【原出願日】2018-03-29
(31)【優先権主張番号】62/478,365
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592005010
【氏名又は名称】ザ・ジョージ・ワシントン・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】THE GEORGE WASHINGTONUNIVERSITY
(71)【出願人】
【識別番号】503060525
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ ビリャグラ
(72)【発明者】
【氏名】アラン ピー. コジコウスキ
(72)【発明者】
【氏名】シダ シェン
(57)【要約】
【課題】 疾患を処置する方法を提供すること
【解決手段】 本開示は、式(I)により表される化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば水和物、およびプロドラッグ(式中、Xおよびnは、本明細書に記載されている通りに定義される)を提供する。本開示はまた、HDACの阻害が利益をもたらす、疾患および状態、例えばがんを処置するのに使用するための式(I)の化合物を提供する。一態様では、本開示は、「本開示の化合物」とまとめて称する、以下の式I~Vのいずれか1つを有する化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば水和物およびプロドラッグを提供する。本開示の化合物は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利に関する声明
本発明は、米国国立衛生研究所から授与された認可番号5R01NS079183の政府支援を受けて行われた。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
【0002】
技術分野
本開示は、イソオキサゾール置換ヒドロキサム酸HDAC阻害剤(HDACI)、HDACIを含む医薬組成物、ならびにHDACの阻害が利益をもたらす、疾患および状態、例えばがんを処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
エピゲノミック(epigenomic)なタンパク質の共有結合性翻訳後修飾(post-translational modification:PTM)は、それらのタンパク質の生物学的役割に寄与しており、一つの細胞世代から次の世代へのエピジェネティックな情報の担体として働く。エピジェネティクスとは、遺伝学の最上位または上位にあることを意味し、DNAおよび遺伝子を「オン」または「オフ」にする関連ヒストンへの外部修飾を指す。これらの修飾は、DNA配列を変えることはないが、代わりに、これらの修飾は、細胞が遺伝子を「解読する」方法に影響を及ぼす。PTMは、タンパク質機能の調節、転写、DNA複製、DNA損傷の修復において重要な役割を果たす。
【0004】
エピジェネティックな制御の周辺の主要な事象は、3つの作用様式:ライター、リーダーおよびイレーサーに集中する。ライターは、とりわけ、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)により触媒されるアセチル化を含む、ヒストンに様々なPTMの印を付与することを担う。リーダーは、これらのPTMの印を認識して、これに結合するタンパク質を指し、これにより、その作用を媒介し、イレーサーは、これらの印の除去を触媒するヒストンデアセチラーゼ(HDAC)などの様々な酵素を包含する。アセチル化ヒストンリシン残基の場合、HDACは、アセチルの印の加水分解を触媒して無置換リシン残基を与えることを担う。HDACファミリーは、現在、18種の酵素からなり、これらの酵素は、酵母ファミリーへのその相同性に応じて、4つのサブグループに分類される。HDAC1、2、3および8(酵母Rpd3とのその相同性に応じて、クラスI HDACと分類される)は、遍在的発現および核への局在化を特徴とする。クラスII HDACは、組織特異的発現、および核と細胞質との間のシャトルを示す。酵母Hda1に相同するこれらの酵素は、クラスIIa(HDAC4、5、7および9)およびクラスIIb(HDAC6および10)に細分類される。クラスIVサブファミリーの唯一のメンバーであるHDAC11は、クラスIの酵素とクラスIIの酵素の両方の触媒ドメインとの類似性を示す。クラスI、IIおよびIV HDACは、脱アセチル化活性の補因子として、Zn2+を必要とし、従来的なHDACとも称される。サーチュイン1~7は、その活性が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドに依存し、クラスIIIのHDACを形成する。
【0005】
タンパク質PTM、とりわけ非常に特異的なPTMの印に結びつくものの調節に関与する酵素の薬理学的操作は、細胞の働きをよりよく理解する際に大いなる可能性を保持する。これらの酵素の選択的な低分子モジュレータの発見は、細胞レベルでのこれらのPTMの役割をよりよく理解する化学的手段をもたらすと思われるが、同様に、重要な疾患の改変剤に至ることがある。HDACの分野では、デアセチラーゼ酵素を遮断することができ
る多数の化合物が存在し、いくつかの化合物は、がんの治療に対する市場への道筋を作ってきた。しかし、これらのHDACIの大多数は、アイソフォームにあまり選択的ではない。HDACIの多数は、1種より多いクラスのHDAC酵素全体を阻害し、したがって、パン選択的と分類されている。がん、およびある特定のCNS障害などのヒト疾患を処置するための有望な治療標的であるように思われる様々なHDACアイソフォームの中で、HDAC6は、とりわけ、HDAC6ノックアウト動物が、依然として生存可能な状態あるということを鑑みると、特に魅力的な標的として出現した。HDAC6は、ヒストンタンパク質のPTMにおいて、明白な役割を有していないが、むしろ、α-チューブリン、HSP-90、コルタクチン、HSF-1および他のタンパク質標的のアセチル化状態の調節に関与している。この酵素はまた、細胞からアグリソーム形成に至るまでの、ミスフォールディングされたポリユビキチン化タンパク質の認識およびクリアランスにおいて、ある役割を果たしている。
HDACIは、WO2017/040564に開示されている。HDACの阻害に応答する、がんおよび他の疾患を処置および/または予防するための、新規薬剤、例えば低分子が継続的に必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/040564号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
一態様では、本開示は、「本開示の化合物」とまとめて称する、以下の式I~Vのいずれか1つを有する化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば水和物およびプロドラッグを提供する。本開示の化合物は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。
【0008】
一態様では、本開示は、「本開示の中間体」とまとめて称する、以下の式VI~Xのいずれか1つを有する化合物を提供する。本開示の中間体は、式I~Vを有するヒストンデアセチラーゼ阻害剤を調製するために使用することができる合成中間体である。
【0009】
別の態様では、本開示は、HDACの阻害が利益をもたらす疾患および状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応または自己免疫疾患を処置する方法であって、個体、例えばそれを必要とするヒト患者に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0010】
別の態様では、本開示は、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾患などの、疾患および状態を処置する方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示は、放射線療法および/または化学療法に対するがん細胞の感受性を増大させる方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0012】
別の態様では、本開示は、他の薬物および/または治療的手法と組み合わせた本開示の化合物の使用を提供する。
【0013】
別の態様では、本開示は、他のHDACアイソザイムよりも、HDAC6などの特定のHDACアイソザイムに対して選択性を示す本開示の化合物を提供する。
【0014】
別の態様では、本開示は、目的の疾患または状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾の処置に使用するための本開示の化合物を提供する。
【0015】
別の態様では、本開示は、目的の疾患または状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾患を処置する医薬を製造するための、本開示の化合物の使用を提供する。
【0016】
別の態様では、本開示は、本開示の化合物、および必要に応じて、目的の疾患または状態の処置に有用な第2の治療剤を含む、包装された組成物、ならびに疾患または状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾患の処置に使用するための指示を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0017】
別の態様では、本開示は、本開示の化合物を調製する方法を提供する。
【0018】
本開示の追加的な実施形態および利点は、この後の記載に一部、説明されており、記載から生じるか、または本開示の実施により教示され得る。本開示の実施形態および利点は、特に添付の特許請求の範囲において指摘されている要素および組合せにより認識および到達されるであろう。
【0019】
上述の要約と以下の詳細説明のどちらも、例示的および説明的なものに過ぎず、特許請求されている本発明を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、IFNgの存在下または非存在下での、WM164ヒト黒色腫細胞系における、SS-01-100の活性を示すイムノブロットの例示である。
【0021】
図2図2は、IL-6の存在下または非存在下での、WM164ヒト黒色腫細胞系における、SS-01-100の活性を示すイムノブロットの例示である。
【0022】
図3図3は、WM164ヒト黒色腫細胞系における、SS-02-08の活性を示すイムノブロットの例示である。
【0023】
図4図4は、WM164がん細胞系における、SS-1-100のHDAC活性を示す線グラフである。
【0024】
図5図5は、WM164がん細胞系における、SS-1-100の細胞毒性を示す線グラフである。
【0025】
図6図6は、WM164がん細胞系における、SS-2-08のHDAC活性の活性を示す線グラフである。
【0026】
図7図7は、WM164がん細胞系における、SS-2-08の細胞毒性を示す線グラフである。
【0027】
図8図8は、様々ながん細胞系において、SS-2-08は低い細胞毒性を誘発することを示す線グラフである。
【0028】
図9図9は、様々ながん細胞系において、SS-2-08は、HDAC活性を有することを示す線グラフである。
【0029】
図10図10は、ネクスツラスタット(Nexturastat)AおよびツバスタチンAと比較した、PC3ヒト前立腺細胞系における、SS-2-08の活性(細胞死滅率およびHDAC阻害率)を示す2つの線グラフを含む。
【0030】
図11図11は、ネクスツラスタットAおよびツバスタチンAと比較した、5637ヒト膀胱細胞における、SS-2-08の活性(細胞死滅率およびHDAC阻害率)を示す2つの線グラフを含む。
【0031】
図12図12は、ネクスツラスタットAおよびツバスタチンAと比較した、T24ヒト膀胱細胞における、SS-2-08の活性(細胞死滅率およびHDAC阻害率)を示す2つの線グラフを含む。
【0032】
図13図13は、ネクスツラスタットAおよびツバスタチンAと比較した、SM1マウス黒色腫細胞における、SS-2-08の活性(細胞死滅率およびHDAC阻害率)を示す2つの線グラフを含む。
【0033】
図14図14は、黒色腫細胞における、SS-2-08、ネクスツラスタットA、ツバスタチンAおよびLBH589のアポトーシス活性を示す線グラフである。
【0034】
図15図15は、黒色腫細胞における、SS-2-08、ネクスツラスタットA、ツバスタチンAおよびLBH589の生存率を示す線グラフである。
【0035】
図16図16は、黒色腫細胞における、SS-2-08、ネクスツラスタットA、ツバスタチンAおよびLBH589の細胞毒性を示す線グラフである。
【0036】
図17図17は、同系SM1マウス黒色腫モデルにおいて、SS-2-08がin vivoで腫瘍成長を低減することを示すグラフである。
【0037】
図18図18は、HEK293細胞系における、チューブリンアセチル化試験の結果を示す図である。左側のブロットはアセチル-チューブリンであり、右側のブロット(上下が逆さまである)はGAPDHである。各ブロットの第1のレーンは、24時間、ツバスタチンA(10μM)により処置したHEK-293細胞である。各ブロットの第2のレーンは、ビヒクルで処置された同じ細胞である。次のレーンは、SS-1-100およびSS-2-08が、10nMから10μMまで濃度を向上させたものである。SS-2-08ブロットでは、10μMの用量を二連で行っている。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の詳細な説明
一実施形態では、本開示は、式Iを有するHDACI:
【化1】
ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物およびプロドラッグを提供する(式中、
Xは、以下:
【化2】
からなる群から選択され、
は、水素およびC1~4アルキルからなる群から選択され、
R2は、必要に応じて置換されているC6~C14アリールおよびアラルキルからなる群から選択され、
R3は、必要に応じて置換されているC6~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび-C(=O)NRからなる群から選択され、
4a、R4b、R4eおよびR4fは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
4cとR4dは、これらが結合している炭素原子と一緒になって-C(=O)-を形成し、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
Zは、-O-、-N(R)-および-C(=O)-からなる群から選択されるか、または
Zは、存在せず、
は、水素、C1~4アルキル、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、アラルキル、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群から選択され、
mは、0、1または2であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
【化3】
は、単結合または二重結合を表し、
、R、RおよびRは、水素、C1~6アルキル、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルである)。
【0039】
別の実施形態では、本開示は、式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物およびプロドラッグを提供するが、但し、Zは存在しない場合、Rは、二環式または三環式C10~14アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NRであることを条件とする。
【0040】
一実施形態では、本開示は、Xが、X-1、X-2、X-3またはX-4であり、
Zが、-O-であり、
が、水素およびC1~4アルキルからなる群から選択され、
が、必要に応じて置換されているC~C14アリールであり、
が、必要に応じて置換されているC~C14アリールおよび必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から選択され、
4aおよびR4bが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dが、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択され、
5a、R5b、R5cおよびR5dが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
およびRが、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
が、C1~4アルキルである、
式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物およびプロドラッグを提供する。
【0041】
別の実施形態では、本開示は、XがX-1である、式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは必要に応じて置換されているフェニルである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている1-ナフチルである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている2-ナフチルである。別の実施形態では、Rは、アラルキルである。
【0042】
別の実施形態では、本開示は、XがX-2である、式Iを有するHDACI、ならびに
薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、Zは、-O-である。別の実施形態では、Zは、-N(R)-である。別の実施形態では、Zは、-C(=O)-である。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは、-C(=O)NRである。別の実施形態では、Zは存在せず、Rは、二環式または三環式C10~14アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NRである。
【0043】
別の実施形態では、本開示は、XがX-3である、式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。
【0044】
別の実施形態では、本開示は、XがX-4である、式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。
【0045】
別の実施形態では、本開示は、XがX-5である、式Iを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。
【0046】
別の実施形態では、本開示は、式IIを有するHDACI:
【化4】
ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、
6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルであり、
nは、1、2または3である。
【0047】
別の実施形態では、本開示は、R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~4アルキル、C1~4アルコキシおよびC1~4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式IIを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0048】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式IIを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0049】
別の実施形態では、本開示は、式IIIを有するHDACI:
【化5】
ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供し、
式中、
7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルであり、
nは、1、2または3である。
【0050】
別の実施形態では、本開示は、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~4アルキル、C1~4アルコキシおよびC1~4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式IIIを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0051】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式IIIを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0052】
別の実施形態では、本開示は、式IVを有するHDACI:
【化6】
ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供し、
式中、
4aおよびR4bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dは、水素およびメチルからなる群から独立して選択され、
mは、0または1であり、
nは、1、2または3であり、
【化7】
は、単結合または二重結合を表す。
【0053】
別の実施形態では、本開示は、mが0であり、
【化8】
が、二重結合を表す、式IVを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。
【0054】
別の実施形態では、本開示は、mが1であり、
【化9】
が、単結合を表す、式IVを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。
【0055】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式IVを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0056】
別の実施形態では、本開示は、式Vを有するHDACI:
【化10】
ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供し、
式中、
5aおよびR5cは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択され、
nは、1、2または3である。
【0057】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式Vを有するHDACI、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0058】
別の実施形態では、本開示の化合物は、表1の式Iを有する化合物のいずれか1つまたは複数、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグである。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【0059】
別の実施形態では、本開示は、本開示の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0060】
別の実施形態では、本開示は、例えば、がん、炎症、外傷性脳損傷、神経変性障害、神経系疾患、末梢性神経障害、脳卒中、高血圧症、自己免疫疾患、炎症性疾患およびマラリアの治療的処置に使用するための、本開示の化合物を提供する。別の実施形態では、本開示は、がんの治療的処置において使用するための本開示の化合物を提供する。
【0061】
別の実施形態では、本開示は、放射線療法および/または化学療法の細胞傷害作用に対するがん細胞の感受性を増大させる、本開示の化合物を提供する。
【0062】
別の実施形態では、本開示は、他のHDACアイソザイムよりも、HDAC6を選択的に阻害する本開示の化合物を提供する。
【0063】
別の実施形態では、本開示は、目的の疾患または状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾患を処置する医薬を製造するための、本開示の化合物の使用を提供する。
【0064】
別の実施形態では、本開示は、本開示の化合物、および必要に応じて、目的の疾患または状態の処置に有用な第2の治療剤を含む、包装された組成物、ならびに疾患または状態、例えば、がん、神経系疾患、精神性疾病、神経変性障害、末梢神経障害、脳卒中、高血圧症、炎症、外傷性脳損傷、関節リウマチ、同種移植拒絶反応および自己免疫疾患の処置に使用するための指示を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0065】
別の実施形態では、本開示は、式I~Vを有するヒストンデアセチラーゼ阻害剤を調製するために使用することができる合成中間体を提供する。
【0066】
別の実施形態では、本開示は、式VIを有する化合物:
【化11】
を提供し、
式中、
Xは、X-1、X-2、X-3、X-4およびX-5(式Iに関連して定義されている通りである)からなる群から選択され、
は、水素およびC1~4アルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC~C14アリールおよびアラルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび-C(=O)NRからなる群から選択され

4a、R4b、R4eおよびR4fは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
4cとR4dは、これらが結合している炭素原子と一緒になって-C(=O)-を形成し、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
Zは、-O-、-N(R)-および-C(=O)-からなる群から選択されるか、または
Zは、存在せず、
は、水素、C1~4アルキル、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、アラルキル、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群から選択され、
は、C1~4アルキルであり、
mは、0、1または2であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
【化12】
は、単結合または二重結合を表し、
、R、RおよびRは、水素、C1~6アルキル、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成するか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルである。
【0067】
別の実施形態では、本開示は、式VIを有する化合物を提供するが、但し、Zは存在しない場合、Rは、二環式または三環式C10~14アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NRであることを条件とする。
【0068】
一実施形態では、本開示は、Xが、X-1、X-2、X-3またはX-4であり、
Zが、-O-であり、
が、水素およびC1~4アルキルからなる群から選択され、
が、必要に応じて置換されているC~C14アリールであり、
が、必要に応じて置換されているC~C14アリールおよび必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から選択され、
4aおよびR4bが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dが、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択され、
5a、R5b、R5cおよびR5dが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
およびRが、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
が、C1~4アルキルである、
式VIを有する化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物およびプロドラッグを提供する。
【0069】
別の実施形態では、本開示は、Xが、X-1である、式VIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは必要に応じて置換されているフェニルである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている1-ナフチルである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている2-ナフチルである。別の実施形態では、Rは、アラルキルである。
【0070】
別の実施形態では、本開示は、Xが、X-2である、式VIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、Zは、-O-である。別の実施形態では、Zは、-N(R)-である。別の実施形態では、Zは、-C(=O)-である。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~C14アリールである。別の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは、-C(=O)NRである。別の実施形態では、Zは存在せず、Rは、二環式または三環式C10~14アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NRである。
【0071】
別の実施形態では、本開示は、Xが、X-3である、式VIを有する化合物を提供する。
【0072】
別の実施形態では、本開示は、Xが、X-4である、式VIを有する化合物を提供する。
【0073】
別の実施形態では、本開示は、Xが、X-5である、式VIを有する化合物を提供する。
【0074】
別の実施形態では、本開示は、式VIIを有する化合物:
【化13】
を提供し、
式中、
6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アル
キル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルであり、
nは、1、2または3であり、
は、C1~4アルキルである。
【0075】
別の実施形態では、本開示は、R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~4アルキル、C1~4アルコキシおよびC1~4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式VIIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0076】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式VIIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0077】
別の実施形態では、本開示は、式VIIIを有する化合物:
【化14】
を提供し、
式中、
7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素およびC1~4アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C1~4アルキルであり、
nは、1、2または3であり、
は、C1~4アルキルである。
【0078】
別の実施形態では、本開示は、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eが、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR、-C(=O)NR、-
C(=O)R、C1~4アルキル、C1~4アルコキシおよびC1~4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式VIIIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0079】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式VIIIを有する化合物を提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0080】
別の実施形態では、本開示は、式IXを有する化合物:
【化15】
を提供し、
式中、
4aおよびR4bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択され、
4cおよびR4dは、水素およびメチルからなる群から独立して選択され、
mは、0または1であり、
nは、1、2または3であり、
【化16】
は、単結合または二重結合を表し、
は、C1~4アルキルである。
【0081】
別の実施形態では、本開示は、mが0であり、
【化17】
が、二重結合を表す、式IXを有する化合物を提供する。
【0082】
別の実施形態では、本開示は、mが1であり、
【化18】
が、単結合を表す、式IXを有する化合物を提供する。
【0083】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式IXを有する化合物を提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0084】
別の実施形態では、本開示は、式Xを有する化合物:
【化19】
を提供し、
式中、
5aおよびR5cは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択され、
nは、1、2または3であり、
は、C1~4アルキルである。
【0085】
別の実施形態では、本開示は、nが1である、式Xを有する化合物を提供する。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0086】
別の実施形態では、本開示は、Rが、-CHCHである、式VI~Xのいずれか1つを有する化合物を提供する。
【0087】
別の実施形態では、本開示の中間体は、表1Aの式VIを有する化合物のいずれか1つまたは複数である。
【表1A-1】
【表1A-2】
【表1A-3】
【表1A-4】
【表1A-5】
【表1A-6】
【表1A-7】
【0088】
別の実施形態では、本開示は、本開示の化合物を調製する方法を提供する。
【0089】
別の実施形態では、本開示は、式Iを有する化合物を作製する方法であって、(1)溶媒の存在下で、式VIを有する化合物にNHOHを接触させるステップ、および必要に応じて、(2)式Iを有する化合物を単離するステップを含む方法を提供する。
【0090】
別の実施形態では、本開示は、式IIを有する化合物を作製する方法であって、(1)溶媒の存在下で、式VIIを有する化合物にNHOHを接触させるステップ、および必要に応じて、(2)式IIを有する化合物を単離するステップを含む方法を提供する。
【0091】
別の実施形態では、本開示は、式IIIを有する化合物を作製する方法であって、(1)溶媒の存在下で、式VIIIを有する化合物にNHOHを接触させるステップ、および必要に応じて、(2)式IIIを有する化合物を単離するステップを含む方法を提供する。
【0092】
別の実施形態では、本開示は、式IVを有する化合物を作製する方法であって、(1)溶媒の存在下で、式IXを有する化合物にNHOHを接触させるステップ、および必要に応じて、(2)式IVを有する化合物を単離するステップを含む方法を提供する。
【0093】
別の実施形態では、本開示は、式Xを有する化合物を作製する方法であって、(1)溶媒の存在下で、式Xを有する化合物にNHOHを接触させるステップ、および必要に応じて、(2)式Xを有する化合物を単離するステップを含む方法を提供する。
【0094】
別の実施形態では、本開示は、式V~Xのいずれか1つを有する化合物を作製する方法であって、NHOHを接触させるステップが、塩基の存在下で行われる方法を提供する。一実施形態では、塩基はNaOHである。
【0095】
別の実施形態では、本開示は、式V~Xのいずれか1つを有する化合物を作製する方法であって、NHOHを接触させるステップが、約20℃またはそれ未満の温度で行われる方法を提供する。一実施形態では、温度は、約0℃である。
【0096】
別の実施形態では、本開示は、式V~Xのいずれか1つを有する化合物を作製する方法であって、溶媒が、水、メタノールもしくはテトラヒドロフラン(THF)、またはそれらの混合物を含む方法を提供する。
【0097】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ハロ」または「ハロゲン」は、-Cl、-F、-Brまたは-Iを指す。一実施形態では、ハロは、-Clまたは-Fである。一実施形態では、ハロは、-Clである。
【0098】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ニトロ」は、-NOを指す。
【0099】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「シアノ」は、-CNを指す。
【0100】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ヒドロキシ」は、-OHを指す。
【0101】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アルキル」は、1~12個の炭素原子を含有する無置換の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素、すなわちC1~12アルキル、または指定された炭素原子数を含有する無置換の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素、例えばメチルなどのCアルキル、エチルなどのCアルキル、プロピルまたはイソプロピルなどのCアルキル、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルなどのC1~3アルキルを指す。一実施形態では、アルキルは、C1~10アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、C1~6アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、C1~4アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、直鎖C1~10アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、分岐鎖C3~10アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、直鎖C1~6アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、分岐鎖C3~6アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、直鎖C1~4アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、分岐鎖C3~4アルキルである。別の実施形態では、アルキルは、直鎖または分岐鎖C3~4アルキルである。非限定的な例示的C1~10アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソ-ブチル、3-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが含まれる。非限定的な例示的C1~4アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびイソ-ブチルが含まれる。
【0102】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「シクロアルキル」は、3~12個の炭素原子(すなわちC3~12シクロアルキル)、または指定炭素数
を有する1~3つの環を含有する、飽和および部分不飽和(1つまたは2つの二重結合を含有する)な環式脂肪族炭化水素を指す。一実施形態では、シクロアルキル基は、2つの環を有する。一実施形態では、シクロアルキル基は、1つの環を有する。別の実施形態では、シクロアルキル基は、C3~8シクロアルキル基から選択される。別の実施形態では、シクロアルキル基は、C3~6シクロアルキル基から選択される。非限定的な例示的シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、デカリン、アダマンチル、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニル、シクロヘキセニルが含まれる。
【0103】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「必要に応じて置換されているシクロアルキル」とは、上で定義したシクロアルキルが、無置換である、またはハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-SCH、-SCF、-NR、-C(O)NR、-C(=O)CH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、必要に応じて置換されているC3~8シクロアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリールおよび必要に応じて置換されているヘテロシクロからなる群から独立して選択される、1つ、2つまたは3つの置換基により置換されていることを意味する。一実施形態では、必要に応じて置換されているシクロアルキルは、2つの置換基により置換されている。別の実施形態では、必要に応じて置換されているシクロアルキルは、1つの置換基により置換されている。
【0104】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アルケニル」は、1つ、2つまたは3つの炭素-炭素二重結合を含有する、上で定義したアルキルを指す。一実施形態では、アルケニル基は、C2~6アルケニル基から選択される。別の実施形態では、アルケニル基は、C2~4アルケニル基から選択される。非限定的な例示的アルケニル基には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、sec-ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルが含まれる。
【0105】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アルキニル」は、1~3つの炭素-炭素三重結合を含有する、上で定義したアルキル基を指す。一実施形態では、アルキニルは、1つの炭素-炭素三重結合を有する。一実施形態では、アルキニル基は、C2~6アルキニル基から選択される。別の実施形態では、アルキニル基は、C2~4アルキニル基から選択される。非限定的な例示的アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、2-ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル基が含まれる。
【0106】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ハロアルキル」は、1個または複数のフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素原子により置換されているアルキル基を指す。一実施形態では、アルキル基は、1個、2個または3個のフッ素原子および/または塩素原子により置換されている。別の実施形態では、ハロアルキル基は、C1~6ハロアルキル基である。別の実施形態では、ハロアルキル基は、C1~4ハロアルキル基である。非限定的な例示的ハロアルキル基には、フルオロメチル、2-フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチルおよびトリクロロメチル基が含まれる。
【0107】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アルコキシ」は、末端酸素原子に結合している、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアルキニルを指す。一実施形態では、アルコキシ基は、C1~4アルコ
キシ基から選択される。別の実施形態では、アルコキシ基は、C1~6アルコキシ基から選択される。別の実施形態では、アルコキシ基は、末端酸素原子に結合しているC1~4アルキル、例えば、メトキシ、エトキシおよびtert-ブトキシから選択される。
【0108】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ハロアルコキシ」は、末端酸素原子に結合しているC1~4ハロアルキルを指す。非限定的な例示的ハロアルコキシ基には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシおよび2,2,2-トリフルオロエトキシが含まれる。
【0109】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アリール」とは、6~14個の炭素原子を有する、単環式、二環式または三環式芳香族環系、すなわちC~C14アリールを指す。非限定的な例示的アリール基には、フェニル(「Ph」と略される)基、1-ナフチル基、1-ナフチル基、フェナントリル基、アントラシル基、インデニル基、アズレニル基、ビフェニル基、ビフェニレニル基およびフルオレニル基が含まれる。一実施形態では、アリール基は、フェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルから選択される。一実施形態では、アリールは、二環式または三環式C10~C14芳香族環系である。
【0110】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として本明細書で使用される、用語「必要に応じて置換されているアリール」は、上で定義したアリールが無置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-SCH、-SCF、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~12シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている3~14員のヘテロシクロ(RおよびRは、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~12員のヘテロシクロを形成し、Rは、C1~4アルキルである)からなる群から独立して選択される、1~5つの置換基により置換されていることを意味する。
【0111】
一実施形態では、必要に応じて置換されているアリールは、必要に応じて置換されているフェニルである。一実施形態では、必要に応じて置換されているフェニルは、4つの置換基を有する。別の実施形態では、必要に応じて置換されているフェニルは、3つの置換基を有する。別の実施形態では、必要に応じて置換されているフェニルは、2つの置換基を有する。別の実施形態では、必要に応じて置換されているフェニルは、1つの置換基を有する。非限定的な例示的置換アリール基には、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、2,6-ジ-フルオロフェニル、2,6-ジ-クロロフェニル、2-メチル、3-メトキシフェニル、2-エチル、3-メトキシフェニル、3,4-ジ-メトキシフェニル、3,5-ジ-フルオロフェニル、3,4-ジ-クロロフェニル、3,5-ジ-メチルフェニル、3,5-ジメトキシ、4-メチルフェニル、2-フルオロ-3-クロロフェニル、および3-クロロ-4-フルオロフェニルが含まれる。必要に応じて置換されているアリールという用語は、必要に応じて置換されている縮合シクロアルキル、および必要に応じて置換されている縮合ヘテロシクロ環を有する基を含むことが意図される。非限定例には、以下:
【化20】
が含まれる。
【0112】
本開示では、用語「ヘテロアリール」は、環の1つの少なくとも1個の炭素原子が、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立して選択される、ヘテロ原子により置き換えられている、5~14個の環原子を有する単環式、二環式および三環式芳香族環系、すなわち5~14員のヘテロアリールを指す。一実施形態では、ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有する。一実施形態では、ヘテロアリールは、3個のヘテロ原子を有する。別の実施形態では、ヘテロアリールは、2個のヘテロ原子を有する。別の実施形態では、ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子を有する。非限定的な例示的ヘテロアリール基には、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾニル、クロメニル、キサンテニル、2H-ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、およびフェノキサジニルが含まれる。一実施形態では、ヘテロアリールは、チエニル(例えば、チエン-2-イルおよびチエン-3-イル)、フリル(例えば、2-フリルおよび3-フリル)、ピロリル(例えば、1H-ピロール-2-イルおよび1H-ピロール-3-イル)、イミダゾリル(例えば、2H-イミダゾール-2-イルおよび2H-イミダゾール-4-イル)、ピラゾリル(例えば、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イルおよび1H-ピラゾール-5-イル)、ピリジル(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルおよびピリジン-4-イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イルおよびピリミジン-5-イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イルおよびチアゾール-5-イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イルおよびイソチアゾール-5-イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イルおよびオキサゾール-5-イル)、イソオキサゾリル(例えば、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イルおよびイソオキサゾール-5-イル)およびインダゾリル(例えば、1H-インダゾール-3-イル)から選択される。用語「ヘテロアリール」はまた、可能なN-オキシドを含むことが意図されている。非限定的な例示的N-オキシドは、ピリジルN-オキシドである。
【0113】
一実施形態では、ヘテロアリールは、5員または6員のヘテロアリールである。一実施形態では、ヘテロアリールは、5員のヘテロアリールであり、すなわちヘテロアリールは、5個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、この場合、環の少なくとも1個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、ヘテロ原子により置き換えられている。非限定的な例示的5員のヘテロアリール基には、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルが含まれる。
【0114】
別の実施形態では、ヘテロアリールは、6員のヘテロアリールであり、例えばヘテロアリールは、6個の環原子を有する単環式芳香族環系であり、この場合、環の少なくとも1個の炭素原子が、窒素原子により置き換えられている。非限定的な例示的6員のヘテロア
リール基にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルが含まれる。
【0115】
別の実施形態では、ヘテロアリールは、環の1つの少なくとも1個の炭素原子が、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子により置き換えられている、9~14員の二環式芳香族環系である。非限定的な例示的9~14員の二環式芳香族環系には、以下:
【化21】
が含まれる。
【0116】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される、用語「必要に応じて置換されているヘテロアリール」は、上で定義したヘテロアリールが無置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-SCH、-SCF、-NR、-C(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~12シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている3~14員のヘテロシクロ(RおよびRは、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~12員のヘテロシクロを形成し、Rは、C1~4アルキルである)からなる群から独立して選択される、1~4つの置換基により置換されていることを意味する。一実施形態では、必要に応じて置換されているヘテロアリールは、1つの置換基を有する。利用可能な炭素または窒素原子のいずれも、置換され得る。
【0117】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「複素環」または「ヘテロシクロ」は、3~14個の環員を有する、1つ、2つまたは3つの環を含有する、飽和および部分不飽和(例えば、1つまたは2つの二重結合を含有する)な環式基、すなわち3~14員のヘテロシクロであって、環の1つの少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられている、環式基を指す。ヘテロ原子はそれぞれ、スルホキシドおよびスルホン、ならびに/または窒素原子を含めた、酸素、硫黄からなる群から独立して選択され、これらの原子は、酸化または四級化され得る。用語「ヘテロシクロ」は、環-CH-が-C(=O)-により置き換えられている基、例えば、2-イミダゾリジノンなどの環式ウレイド基、およびβ-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、ε-ラクタムおよびピペラジン-2-オンなどの環式アミド基を含むことが意図されている。用語「ヘテロシクロ」はまた、必要に応じて置換されている縮合アリール基を有する基、例えば、インドリニルを含むことが意図されている。一実施形態では、ヘテロシクロ基は、1つの環、ならびに1個もしくは2個の酸素および/または窒素原子を含有する、5員または6員の環式基から選択される。ヘテロシクロは、利用可能な炭素原子または窒素原子のいずれかを介して、分子の残りに必要に応じて連結され得る。非限定的な例示的ヘテロシクロ基には、ジオキサニル、テトラヒドロピラニル、2-オキソピロリジン-3-イル、ピペラジン-2-オン、ピペラジン-2,6-ジオン、2-イミダゾリジノン、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニルおよびインドリニルが含まれる。
【0118】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される、用語「必要に応じて置換されているヘテロシクロ」は、上で定義したヘテロシクロが無置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-SCH、-SCF、-NR、-C
(=O)NR、-C(=O)R、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC3~12シクロアルキル、必要に応じて置換されているC~C14アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている3~14員のヘテロシクロ(RおよびRは、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~12員のヘテロシクロを形成し、Rは、C1~4アルキルである)からなる群から独立して選択される、1~4つの置換基により置換されていることを意味する。
【0119】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「アラルキル」は、1つ、2つまたは3つの必要に応じて置換されているアリール基により置換されているアルキル基を指す。一実施形態では、必要に応じて置換されているアラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのアリール基により置換されているC1~4アルキルである。一実施形態では、アラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのアリール基により置換されているCまたはCアルキルである。一実施形態では、アラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのフェニル基により置換されているCまたはCアルキルである。非限定的な例示的アラルキル基には、ベンジル、フェネチル、-CHPh、-CH(4-F-Ph)、-CH(4-Me-Ph)、-CH(4-CF-Ph)および-CH(4-F-Ph)が含まれる。
【0120】
本開示では、それ自体で、または別の基の部分として使用される用語「ヘテロアラルキル」は、1つ、2つまたは3つの必要に応じて置換されているヘテロアリール基により置換されているアルキル基を指す。一実施形態では、ヘテロアラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのヘテロアリール基により置換されているC1~4アルキルである。一実施形態では、アラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのヘテロアリール基により置換されているCまたはCアルキルである。一実施形態では、ヘテロアラルキル基は、必要に応じて置換されている1つのヘテロアリール基により置換されているCまたはCアルキルである。非限定的な例示的ヘテロアラルキル基は、以下:
【化22】
を含む。
【0121】
用語「接触させる」とは、当分野で公知なものとして使用されており、一般に、分子レベルでの相互作用により、所望の化学的または物理的変換を実現することができるような方法で、反応剤、試薬、溶媒、触媒および反応性基を一緒にする、例えば反応させることを指す。一部の実施形態では、この接触は、2種の反応剤または試薬を含み、1種の反応剤/試薬を、もう一方の反応剤/試薬に対して、1当量またはそれより多い当量を使用する。この開示の方法の接触ステップは、所望の生成物を調製するのに好適な時間および条件下で行うことができる。別段の指定がない限り、反応剤、試薬、溶媒、触媒および反応性基は、個々に、同時にまたは個別に添加することができる、かつ/または任意の順序で添加することができる。それらは、熱の存在下または非存在下で添加することができ、必要に応じて、不活性雰囲気下で添加することができる。
【0122】
「HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態」という用語は、HDACおよび/またはHDACの作用が、例えば、そのような疾患もしくは状態、またはHDAC阻害剤(例えば、TSA、ピバロイルオキシメチルブタン(AN-9;Pivanex)、FK-228(デプシペプチド)、PXD-101、NVP-LAQ824、SAHA、MS
-275およびまたはMGCD0103など)によって処置されることが知られている疾患または状態の発症、進行、発現にとって重要である、あるいは必要となる状態に関する。このような状態の例には、以下に限定されないが、がん、乾癬、線維増殖性障害(例えば、肝線維症)、平滑筋増殖性障害(例えば、アテローム性動脈硬化、再狭窄)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、レット症候群)、末梢性神経障害(シャルコー-マリー-トゥース病、巨大軸索神経変性(GAN))、炎症性疾患(例えば、骨関節炎、関節リウマチ、大腸炎)、血管新生を含む疾患(例えば、がん、関節リウマチ、乾癬、糖尿病性網膜症)、造血障害(例えば、貧血、鎌状赤血球症、サラセミア)、真菌感染、寄生性感染(例えば、マラリア、トリパノソーマ症、蠕虫病、原生動物感染)、細菌感染、ウイルス感染および免疫モジュレートにより処置可能な状態(例えば、多発性硬化症、自己免疫性糖尿病、ループス、アトピー性皮膚炎、アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患;および移植臓器の移植の改善のため)が含まれる。当業者は、化合物が、任意の特定の細胞タイプに対するHDACにより媒介される疾患または状態を、例えば、特定の化合物の活性を評価するために都合よく使用することができるアッセイによって処置するかどうかを容易に判定することができる。
【0123】
用語「第2の治療剤」とは、本開示の化合物とは異なる治療剤であって、目的の疾患または状態を処置することが知られている治療剤を指す。例えば、がんが目的の疾患または状態である場合、第2の治療剤は、例えば、タキソールまたは放射線のような、既知の化学治療薬とすることができる。
【0124】
用語「HDAC」は、タンパク質、例えば、ヒストンのN-末端におけるリシン残基のε-アミノ基からアセチル基を除去する酵素のファミリーを指す。HDACには、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11を含めた、ヒトHDACとすることができる。HDACはまた、原生動物源または真菌源に由来し得る。
【0125】
用語「処置する」、「処置すること」、「処置」などは、疾患もしくは障害、および/またはそれらに関連する症状をなくす、低減する、緩和する、反転させるおよび/または改善することを指す。疾患または状態の処置は、急性もしくは慢性兆候、症状および/または機能不全の処置を含めた、疾患、状態またはそれらに関連する症状が完全になくなることを必要とするものではなく、除外するものでもない。本明細書で使用する場合、用語は「処置する」、「処置すること」、「処置」などは、疾患もしくは状態を有していないが、これらを再発症する、またはこれらの疾患もしくは状態の再発のリスクにある、またはこれらを再発症、またはこれらの疾患もしくは状態を再発し易い対象において、疾患もしくは状態を再発症する可能性、または以前に制御した疾患もしくは状態を再発する可能性を低減することを指す、「予防的処置」を含むことができ、したがって、「処置」は、ぶり返しの予防または再発期の予防も含む。用語「処置する」および同義語は、個体、例えば、以下に限定されないが、このような処置を必要とするヒトおよび獣医学的動物を含めた哺乳動物患者に、治療有効量の本開示の化合物を投与することを企図する。処置は、症候的に、例えば、症状を抑制するように指向させることができる。処置は、例えば、維持療法の文脈内で、短期間にわたり行うことができ、中程度の期間にわたり指向させることができ、または長期処置とすることができる。
【0126】
用語「治療有効量」または「有効用量」とは、本明細書で使用する場合、投与すると、個体、例えばそれを必要とするヒト患者に、目的の状態または疾患の処置のための活性成分を効果的に送達するのに十分な活性成分の量を指す。がんまたは他の増殖障害の場合、治療有効量の薬剤は、望ましくない細胞の増殖を低減する(すなわち、ある程度、遅延させ、好ましくは停止させる)、がん細胞の数を低減する、腫瘍サイズを縮小する、がん細
胞の末梢器官への浸潤を阻止する(すなわち、ある程度、遅延させ、好ましくは停止させる)、腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度、遅延させ、好ましくは停止させる)、腫瘍成長をある程度、阻害する、標的細胞におけるHDACシグナル伝達を低減する、かつ/またはがんに関連する症状の1つまたは複数をある程度、緩和することができる。投与した化合物または組成物が、成長を阻止する、および/または存在するがん細胞を死滅させる範囲内で、細胞分裂停止性および/または細胞傷害性であり得る。
【0127】
「一斉投与」、「組合せ投与」、「同時投与」および類似の言い回しは、2種またはそれより多い薬剤を、処置されている対象に一斉に投与することを意味する。「一斉に」とは、各薬剤が、異なる時点に、任意の順序で、同時または逐次のどちらか一方で投与されることを意味する。しかし、同時に投与されない場合、それらは、所望の治療効果を実現するよう、時間的に連続して、かつ十分に近づけて、個体に投与され、協調的に作用することができることを意味する。例えば、本開示の化合物は、第2の治療剤として、異なる時点に任意の順序で、同時にまたは逐次に投与することができる。本開示の化合物、および第2の治療剤は、任意の適切な形態で、および任意の好適な経路によって、個別に投与することができる。本開示の化合物、および第2の治療剤が一斉に投与されない場合、それらは、それを必要とする対象に任意の順序で投与することができることが理解される。例えば、本開示の化合物は、それを必要とする個体に、第2の治療剤の処置モダリティ(例えば、放射線療法)の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間前)に、第2の治療剤の処置モダリティと同時にまたはその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間後)に投与することができる。様々な実施形態では、本開示の化合物、および第2の治療剤は、1分間の間隔を空けて、10分間の間隔を空けて、30分間の間隔を空けて、1時間未満の間隔を空けて、1時間の間隔を開けて、1時間~2時間の間隔を空けて、2時間~3時間の間隔を空けて、3時間~4時間の間隔を空けて、4時間~5時間の間隔を空けて、5時間~6時間の間隔を空けて、6時間~7時間の間隔を空けて、7時間~8時間の間隔を空けて、8時間~9時間の間隔を空けて、9時間~10時間の間隔を空けて、10時間~11時間の間隔を空けて、11時間~12時間の間隔を空けて、24時間以内の間隔を空けて、または48時間以内の間隔を空けて投与される。一実施形態では、併用療法の構成成分は、1分間~24時間の間隔を空けて投与される。
【0128】
本開示を記載する文脈において(とりわけ、特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」、「an」、「the」および類似の指示対象の使用は、特に示さない限り、単数および複数の両方に及ぶと解釈されたい。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書中において特に示さなれていない限り、その範囲内に収まる個々の値のそれぞれを個別に言及する省略法として単に働くに過ぎず、個々の値および部分範囲はそれぞれ、あたかも本明細書において個々に引用されているかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書において提示されているあらゆる例、または例示的な言い回し(例えば、「など」および「のような」)の使用は、特に主張されていない限り、本開示をよりよく例示することを意図しており、本開示の範囲に対する限定ではない。本明細書中におけるいかなる言い回しも、本開示の実施に必須なものとして、特許請求されていないいずれの要素をも示すものとして解釈されるべきではない。
【0129】
用語「約」は、本明細書で使用する場合、引用数±10%を含む。したがって、「約10」は、9~11を意味する。
【0130】
本開示の化合物のプロドラッグもまた、本開示に含まれている。化合物が、製剤および
/または投与に好適な形態に誘導体化され、次に、in vivoで薬物として放出される、プロドラッグ手法が、首尾よく使用されて、化合物の物理化学特性を一過的に(例えば、生体可逆的に)改変することが十分に確立されている(H. Bundgaard編、「Design
of Prodrugs」、Elsevier、Amsterdam、(1985年);R.B. Silverman、「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action」、Academic Press、San Diego、第8章(1992年);K.M. Hillgrenら、Med. Res. Rev.、15巻、83頁
(1995年)を参照されたい)。HDAC阻害剤の特定のプロドラッグが、WO2008/055068に議論されている。
【0131】
本開示の化合物は、塩として存在することができる。本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、本化合物の塩または双性イオン形態を指す。本化合物の塩は、化合物の最終単離および精製の間に、またはこれとは別に、化合物を好適な陽イオンを有する酸との反応により調製することができる。本化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸と形成される酸付加塩とすることができる。薬学的に許容される塩を形成するために使用することができる酸の例には、硝酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸およびクエン酸などの有機酸が含まれる。本開示の化合物の塩の非限定例には、以下に限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸、硫酸塩、重硫酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、イセチオン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩(phenylproprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸
塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタン二スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびp-トルエンスルホン酸塩が含まれる。さらに、本開示の化合物中に存在する利用可能なアミノ基は、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびに臭化ベンジルおよび臭化フェネチルにより四級化され得る。本明細書において現れる本開示の化合物をいう場合、いずれも、本開示の化合物、および薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグを含むことが意図されている。
【0132】
本開示の化合物はまた、コンジュゲートされ得るか、または治療的使用方法における、化合物の有益な特性を促進する補助部分に連結され得る。このようなコンジュゲートは、目的とする特定の解剖学的部位または領域(例えば、腫瘍)への化合物の送達を増強する、標的細胞における化合物の持続的な治療的濃度を可能にする、化合物の薬物動態特性および薬力学特性を改変する、および/または化合物の治療指数もしくは安全性プロファイルを改善することができる。好適な補助部分は、例えば、アミノ酸、オリゴペプチドまたはポリペプチド、例えば、モノクローナル抗体および他の操作された抗体などの抗体、;ならびに標的細胞または組織における受容体への天然リガンドまたは合成リガンドを含む。他の好適な補助剤は、標的細胞によって、化合物の生体内分布および/または取り込みを促進する、脂肪酸または脂質部分を含む(例えば、Bradleyら、Clin. Cancer Res.(2001年)7巻:3229頁を参照されたい)。
【0133】
本開示の化合物は、HDACを阻害し、様々な疾患および状態の処置に有用である。特に、本開示の化合物は、HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態、例えば、がん
、神経系疾患、神経変性状態、末梢性神経障害、自己免疫疾患、炎症性疾患および状態、脳卒中、高血圧症、外傷性脳損傷、自閉症、ならびにマラリアを処置する方法に使用される。本方法は、それを必要とする個体に治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む。
【0134】
本方法はまた、本開示の化合物に加えて、個体への第2の治療剤を投与するステップを包含する。第2の治療剤は、個体が罹患している疾患または状態を処置するのに有用なものとして知られている、薬物およびアジュバント、例えば、特定のがんを処置するのに有用なものとして知られている化学療法剤および/または放射線などの薬剤から選択される。
【0135】
本開示の化合物は、HDAC6におけるその活性、およびHDAC1と比較したHDAC6に対するその選択性が評価された。選択的HDAC6阻害剤は、以下に限定されないが、関節炎、自己免疫性障害、炎症性障害、がん、神経系疾患(レット症候群など)、末梢性神経障害(CMTなど)、脳卒中、高血圧症、および酸化ストレスが原因因子、またはその結果となる疾患を含めた、様々な疾患状態に関係している。同様に、選択的HDAC6阻害剤は、ラパマイシンと組み合わせて投与されると、腎臓の異種移植片を有するマウスの寿命を延長した。このモデルは、本化合物の免疫抑制特性を評価し、移植拒絶反応のモデルとして働くために、使用された。さらに、選択的HDAC6阻害剤は、ラットの酸化ストレスの一次皮質ニューロンモデルにける神経保護をもたらす。これらの検討により、選択的HDAC6阻害剤は、非毒性の神経保護剤と特定された。
【0136】
本開示の化合物は、薬物のような物理化学的特性を有する、選択的HDAC6剤である。
【0137】
したがって、一実施形態では、本開示は、疾患または状態、例えば、HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態に罹患している個体を処置する方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0138】
本開示の方法は、化合物単独(neat compound)で、または医薬組成物として、本開示の化合物を投与することにより行うことができる。医薬組成物、または本開示の化合物単独の投与は、目的の疾患または状態の発症中またはその後に行うことができる。通常、医薬組成物は、滅菌状態にあり、投与されると有害反応を引き起こすと思われる、毒性化合物も、発がん性化合物も、変異原性化合物も含有しない。
【0139】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態の処置に有用な、第2の治療剤と一緒に投与されてもよい。第2の治療剤は、本開示の化合物とは異なる。本開示の化合物および第2の治療剤は、同時にまたは逐次に投与され得る。さらに、本開示の化合物および第2の治療剤は、単一組成物または2種の個別の組成物から投与され得る。本開示の化合物および第2の治療剤は、同時にまたは逐次に投与されて、所望の効果を実現することができる。
【0140】
第2の治療剤は、その所望の治療効果を実現する量で投与される。第2の治療剤のそれぞれの有効投与量範囲は、当分野で公知であり、第2の治療剤は、このような確立された範囲内で、それを必要とする個体に投与される。
【0141】
したがって、本開示は、HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態を処置する際に、本開示の化合物、および必要に応じて、第2の治療剤を使用する組成物および方法を提供する。
【0142】
本開示はまた、HDACの阻害が利益をもたらす疾患および状態を処置するのに有用な、本開示の化合物、および必要に応じた第2の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
【0143】
HDACの阻害が利益をもたらす疾患および状態を処置するのに有用な、個別にまたは一緒に包装された、本開示の化合物および必要に応じて第2の治療剤、ならびにこれらの活性剤を使用するための指示書を有する添付文書を含むキットがさらに提供される。
【0144】
本開示の化合物および第2の治療剤は、単回単位用量として一緒に、または多回単位用量として個別に投与され得、この場合、本開示の化合物は、第2の治療剤の前に投与されるか、またはその反対である。本開示の化合物の1回分もしくは複数の用量、および/または第2の治療剤の1回分もしくは複数の用量を投与することができる。したがって、本開示の化合物は、1種または複数の第2の治療剤、例えば、以下に限定されないが、抗がん剤と組み合わせて使用することができる。
【0145】
本開示の意味の範囲内では、用語「疾患」または「状態」は、概して、病的状態または病的機能と見なされる、撹乱および/または異常であって、特定の兆候、症状および/または機能不全の形態でそれらが発現し得る、撹乱および/または異常を意味する。以下に実証される通り、本開示の化合物は、HDACの阻害剤であり、HDACの阻害が利益をもたらす疾患および状態、例えば、がん、神経系疾患、神経変性状態、外傷性脳損傷、脳卒中、炎症、自己免疫疾患および自閉症の処置に使用することができる。
【0146】
一実施形態では、本開示は、以下に限定されないが、がん細胞または新生物細胞を死滅させることを含めたがんの処置のため、がん細胞または新生物細胞の成長を阻害するため、がん細胞または新生物細胞の複製を阻害するため、またはそれらの症状を改善するための方法であって、それを必要とする対象に、がんを処置するのに十分な量の本開示の化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本開示の選択的化合物は、PDI受容体に関わる機構による免疫系の再活性化によって、がん細胞の死滅を促進することが可能であることに留意されたい。本開示の化合物は、抗がん剤単独として、または別の抗がん処置、例えば、放射線、化学療法および手術と組み合わせて使用することができる。
【0147】
別の実施形態では、本開示は、放射線療法および/または化学療法の細胞傷害作用に対するがん細胞の感受性を増大させるための方法であって、該細胞に本開示の化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、例えば、水和物およびプロドラッグを、放射線療法および/または化学療法の細胞傷害作用に対する該細胞の感受性を増大させるのに十分な量で接触させるステップを含む方法を提供する。
【0148】
さらなる実施形態では、本開示は、がんを処置する方法であって、(a)それを必要とする個体に、ある量の本開示の化合物を投与するステップ、および(b)個体に、ある量の放射線療法、化学療法、またはその両方を投与するステップを含む方法を提供する。投与量は各々が、がんを処置するのに有効である。別の実施形態では、その量は、がんを処置するのに一緒になって有効である。
【0149】
したがって、本開示のこの併用療法は、様々ながんの処置に対する様々な設定に使用することができる。具体的な実施形態では、処置を必要とする個体は、がんに対する処置を以前に受けている。このような以前の処置には、以下に限定されないが、以前の化学療法、放射線療法、手術、またはがんワクチンなどの免疫療法が含まれる。
【0150】
別の実施形態では、処置されるがんは、放射線療法および/または化学療法に対する感受性を実証した、または放射線療法および/または化学療法に応答することが知られてい
るがんである。このようながんには、以下に限定されないが、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、ユーイング肉腫、精巣がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、喉頭がん、子宮頚がん、鼻咽頭がん、乳がん、結腸がん、膵臓がん、頭頸部がん、食道がん、直腸がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、脳腫瘍または他のCNS新生物が含まれる。
【0151】
さらに別の実施形態では、処置されるがんは、放射線療法および/または化学療法に対する耐性を実証した、または放射線療法および/または化学療法に不応性であることが知られている。がんは、がん細胞の少なくとも一部の有意な部分が死滅しない、またはその細胞分裂が、治療に応答して抑止されない場合、治療に対して不応性である。このような判定は、このような文脈において「不応性」という当分野で許容される意味を使用して、がん細胞に対する処置の有効性をアッセイするための、当分野において公知の任意の方法によって、in vivoまたはin vitroのどちらか一方で行うことができる。具体的な実施形態では、がん細胞の数が有意に低下しないか、または増加するがんが、不応性である。
【0152】
本開示の化合物および方法により処置することができる他のがんには、以下に限定されないが、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、
中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、結腸直腸がん、腎臓がん、膵臓がん、骨がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、口腔がん、鼻腔がん、喉頭がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚がん、子宮がん、精巣がん、小細胞肺癌、膀胱癌、肺がん、上皮性癌、神経膠腫、多形型神経膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、皮膚がん、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫を含む固形腫瘍からなる群から選択されるがんおよび転移;以下に限定されないが、急性リンパ芽球性白血病、急性B細胞リンパ芽球性白血病、急性T細胞リンパ芽球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性単芽球性白血病、急性赤白血病性白血病(erythroleukemic leukemia)、急性巨核芽
球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性非リンパ性白血病、急性未分化白血病、慢性骨髄性白血病(myclocytic leukemia)、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病および多発性骨髄腫;急性および慢性白血病:リンパ芽球性骨髄性および骨髄性白血病を含む血液感染性がん;リンパ腫:ホジキン病および非ホジキンリンパ腫;多発性骨髄腫;ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症;重鎖疾患;および真性多血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0153】
本開示の化合物はまた、以下に限定されないが、上に列挙したがんを含む、新生物または悪性状態への進行を予防するために投与することもできる。このような予防的使用は、既知の状態、または新生物形成もしくはがんへの先行する進行、特に、この場合、過形成、異形成または大部分が特に形成異常からなる非新生物細胞の成長が起こることが疑われる状態への適応を有する(このような異常成長状態の総説に関して、RobbinsおよびAngell、1976年、Basic Pathology、第2版、W.B. Saunders Co.、Philadelphia、68~79頁を参照されたい)。過形成は、構造または機能の著しい変質を伴わない、組織または器官における細胞数の増加を含む制御された細胞増殖の形態である。例えば、子宮内膜の過形成は、多くの場合、子宮内膜がんへと進行し、前がん性結腸ポリープは、多くの場合、がん性病変に変わる。異形成は、1つのタイプの成人または完全に分化した細胞が別のタイプの成人細胞に置き換わった、制御された細胞成長の形態である。異形成は、上皮細胞または結合組織細胞に起こり得る。典型的な異形成には、いくらか障害性の化生上皮が含まれる。形成異常は、がんの前駆体になることが多く、上皮において主に見いだされる。形成異常は、個々の細胞の均質性および細胞の構造的順応性の喪失を含む、非新生
物細胞の成長の最も障害性の高い形態である。形成異常細胞は、多くの場合、異常に大きく、深く、浸潤した核を有し、多形態を示す。形成異常は、慢性刺激または炎症が存在するところに特徴的に発生し、多くの場合、子宮頚部、気道、口腔および胆嚢に見いだされる。
【0154】
代替として、または過形成、異形成もしくは形成異常として特徴づけられる異常な細胞成長の存在に加えて、対象に由来する細胞試料によってin vivoで示されたまたはin vitroで示された、転換された表現型または悪性表現型の1つまたは複数の特徴の存在は、本開示の組成物の予防的/治療的投与の妥当性(desirability)を示し得る。変換された表現型のこのような特徴は、例えば、形態変化、基底層結合のゆるみ、接触阻害の喪失、足場依存性の喪失、プロテアーゼ放出、糖輸送の増大、血清要件の低下、胎児抗原の発現、250,000ダルトンの細胞表面タンパク質の消失を含む。
【0155】
具体的な実施形態では、白板症、上皮の良性所見の過形成病変もしくは異形成病変、またはボーエン病、上皮内癌が、予防的介入の妥当性を示す、前新生物病変である。
【0156】
別の実施形態では、線維嚢胞性疾患(嚢胞性過形成、乳房の形成異常、特に腺疾患(良性の上皮過形成))は、予防的介入の妥当性を示す。
【0157】
本開示の化合物および方法の予防的使用はまた、がんに至る恐れのある、いくつかのウイルス感染にも適応を有する。例えば、ヒトパピローマウイルスは、子宮頚がんに至る恐れがあり(例えば、Hernandez-Avilaら、Archives of Medical Research(1997年)28巻:265~271頁を参照されたい)、エプスタイン-バールウイルス(EBV)はリンパ腫に至る恐れがあり(例えば、Herrmannら、J Pathol(2003年)199
巻(2号):140~5頁を参照されたい)、B型肝炎またはC型肝炎ウイルスは、肝臓癌に至る恐れがあり(例えば、El-Serag、J Clin Gastroenterol(2002年)35巻(5号補遺2):S72~8頁を参照されたい)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)-Iは、T細胞白血病に至る恐れがあり(例えば、Mortreuxら、Leukemia(2003年)17巻(1号):26~38頁を参照されたい)、ヒトヘルペスウイルス-8感染は、カポジ肉腫に至る恐れがあり(例えば、Kadowら、Curr Opin Investig Drugs(2002年)3巻(11号):1574~9頁を参照されたい)、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染は、免疫不全の結果として、がん発症の一因となる(例えば、Dal Maso
ら、Lancet Oncol(2003年)4巻(2号):110~9頁を参照されたい)。
【0158】
他の実施形態では、悪性腫瘍の以下の素因の1つまたは複数を示す対象は、本開示の化合物の投与、および本開示の方法により処置され得る:悪性腫瘍に伴う染色体転座(例えば、慢性骨髄性白血病の場合のフィラデルフィア染色体、濾胞性リンパ腫のt(14;18)など)、家族性ポリポーシスまたはガードナー症候群(結腸がんの考えられる前駆体)、良性モノクローナルガンモパシー(多発性骨髄腫の考えられる前駆体)、メンデル(遺伝的)遺伝パターンを示すがんまたは前がん性疾患を有するヒトとの一親等の同族関係(例えば、結腸の家族性ポリポーシス、ガーデンズ症候群、遺伝性外骨腫、多内分泌腺腫症、アミロイド産生を伴う甲状腺髄様癌および褐色細胞腫、ポイツ-ジェガース症候群、フォンレックリングハウゼンの神経線維腫症、網膜芽細胞腫、頚動脈球腫瘍、皮膚の黒色癌腫、眼内黒色癌、色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失調症、チェディアック-東症候群、白皮症、ファンコーニ再生不良性貧血およびブルーム症候群;RobbinsおよびAngell
、1976年、Basic Pathology、第2版、W.B. Saunders Co.、Philadelphia、11
2~113頁)などを参照されたい)、および発がん性物質への曝露(例えば、喫煙、およびある種の化学品の吸入または接触)。
【0159】
別の具体的な実施形態では、本開示の化合物および本開示の方法は、乳房がん、結腸が
ん、卵巣がんまたは子宮頚がんの進行を予防するために、ヒト対象に投与される。
【0160】
一実施形態では、本開示は、がんを処置する方法であって、(a)それを必要とする個体に、ある量の本開示の化合物を投与するステップ、および(b)個体に、以下に限定されないが、放射線療法、化学療法、手術、またはがんワクチンなどの免疫療法を含めた、1種または複数の追加の抗がん処置モダリティを行うステップを含む方法を提供する。一実施形態では、ステップ(a)を行うステップは、ステップ(b)の実施前である。別の実施形態では、ステップ(a)を行うステップは、ステップ(b)の実施後である。さらに別の実施形態では、ステップ(a)を行うステップは、ステップ(b)の実施と同時である。
【0161】
一実施形態では、追加的な抗がん処置モダリティは、放射線療法および/または化学療法である。別の実施形態では、追加的な抗がん処置モダリティは、手術である。
【0162】
さらに別の実施形態では、追加的な抗がん処置モダリティは、がんワクチンなどの免疫療法である。
【0163】
一実施形態では、本開示の化合物は、追加的な抗がん処置モダリティと共に補助的に行われる。
【0164】
別の実施形態では、追加的な抗がん処置モダリティは、放射線療法である。本開示の方法では、処置されるがんのタイプに応じて、いかなる放射線療法プロトコルも使用することができる。本開示の実施形態は、以下の電磁放射線:ガンマ線(10-20~10-13m)、X線放射線(10-12~10-9m)、紫外線(10nm~400nm)、可視光(400nm~700nm)、赤外線(700nm~1mm)およびマイクロ波放射線(1mm~30cm)、を使用する。
【0165】
例えば、限定するものではないが、X線放射線を行うことができる。特に高エネルギー超高圧(1MeVのエネルギーより高い放射線)は、深部腫瘍に使用することができ、電子線ビームおよび常用電圧X線放射線は、皮膚がんに使用することができる。ラジウム、コバルトおよび他の元素の放射活性同位体などのガンマ線放出性放射性同位体もまた投与することができる。本開示において有用な例示的な放射線療法プロトコルには、以下に限定されないが、低用量放射線の多重源が多角度から組織体積に同時に集中される定位法;腫瘍または他の標的組織に直接、放射活性インプラントを留置することを含む、近接照射療法、組織内照射および腔内照射などの「内部放射線療法」;多用量の外部放射線が、手術中に曝露される標的組織に向けられる術中照射;および局所がんを処置するための高速素粒子の使用を含む、粒子ビーム放射線療法が含まれる。
【0166】
多数のがん処置プロトコルが、現在、電磁放射線、例えばX線によって活性化される放射線増感剤を使用する。X線により活性化される放射線増感剤の例には、以下に限定されないが、メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC、RSU1069、SR4233、EO9、RB6145、ニコチンアミド、5-ブロモデオキシウリジン(BUdR)、5-ヨードデオキシウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジン(FUdR)、ヒドロキシ尿素、シスプラチン、およびこれらの治療的に有効なアナログおよび誘導体が含まれる。
【0167】
がんの光線力学療法(PDT)は、増感剤の放射線活性化剤として可視光を使用する。光線力学的放射線増感剤の例には、以下に限定されないが、ヘマトポルフィリン誘導体、PHOTOFRIN(登録商標)、ベンゾポルフィリン誘導体、NPe6、スズエチオポ
ルフィリン(SnET2)、フェオボルビド-a(pheoborbide-a)、バクテリオクロロ
フィル-a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、およびこれらの治療的に有効なアナログおよび誘導体が含まれる。
【0168】
放射線増感剤は、本開示の化合物に加えて、治療有効量の1つまたは複数の化合物と組み合わせて投与することができ、このような化合物は、以下に限定されないが、標的細胞への放射線増感剤の取り込みを促進する化合物、標的組織への治療剤、栄養素および/または酸素の流れを制御する化合物、追加の放射線を使用してまたは使用しないで、腫瘍に作用する化学療法剤、またはがんもしくは他の疾患を処置するための治療的に有効な他の化合物を含む。放射線増感剤と一緒に使用することができる追加の治療剤の例には、以下に限定されないが、5-フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン、酸素、カルボゲン、赤血球輸血、パーフルオロカーボン(例えば、FLUOSOLW(登録商標)-DA)、2,3-DPG、BW12C、カルシウムチャネル遮断薬、ペントキシフィリン、抗血管新生化合物、ヒドララジンおよびL-BSOが含まれる。
【0169】
一実施形態では、本開示の化合物は、放射線療法および/または化学療法の実施前に投与される。
【0170】
別の実施形態では、本開示の化合物は、放射線療法および/または化学療法と補助的に投与される。
【0171】
本開示の化合物および追加的な処置モダリティは、相加的または相乗的(すなわち、本開示の化合物と追加的な抗がん処置モダリティとの組合せは、各々を単独で投与した場合のその相加的作用よりも効果的である)に作用することができる。相乗的組合せにより、より少ない投与量の本開示の化合物および/もしくは追加的な処置モダリティ、ならびに/またはより少ない投与頻度の本開示の化合物および/もしくは追加的な処置モダリティを、がんを有する対象に使用することが可能となる。より少ない投与量の本開示の化合物および/もしくは追加的な処置モダリティを利用することができること、ならびに/またはより少ない頻度の本開示の化合物および/もしくは追加的な処置モダリティを投与することができることにより、がんの処置における、本開示の化合物および/または追加的な処置モダリティの効力を低下させることなく、投与に伴う毒性を低減することができる。さらに、相乗効果により、がんの処置の効力の改善、および/または単剤療法としての本開示の化合物および/もしくは追加的な抗がん処置モダリティの投与に伴う有害作用または望ましくない副作用の低下をもたらすことができる。
【0172】
一実施形態では、本開示の化合物は、このようなHDACIが、がんの処置に単独で使用される際に、通常、使用される用量で投与されると、放射線療法と相乗的に作用することができる。別の実施形態では、本開示の化合物は、このようなHDACIが、がんの処置に単剤療法として使用される際に、通常、使用される用量未満の用量で投与されると、放射線療法と相乗的に作用することができる。
【0173】
一実施形態では、放射線療法は、放射線療法ががんの処置に単剤療法として使用される場合に、通常、使用される用量で投与されると、本開示の化合物と相乗的に作用することができる。別の実施形態では、放射線療法は、放射線療法ががんの処置に単剤療法として使用される場合に、通常、使用される用量未満の用量で投与されると、本開示の化合物と相乗的に作用することができる。
【0174】
放射線療法の作用に対してがん細胞を感作するためのHDAC阻害剤としての本開示の化合物の有効性は、当分野で公知の技法を使用してin vitroおよび/またはin
vivoでの、処置後生存の判定により決定することができる。一実施形態では、in
vitroで判定するため、指数関数的に成長する細胞は、既知用量の放射線に曝露させることができ、細胞の生存をモニタリングする。照射された細胞をプレート培養して、約14~約21日間、培養して、コロニーを染色する。生存率は、非照射細胞のプレート培養率でコロニー数を除算したものである。対数スケールでの生存率対均等目盛りでの吸収用量のグラフ作成により、生存曲線が生成される。生存曲線は、一般に、用量が致死量未満となる初期ショルダー領域後の、より高い放射線量において生存している細胞の率の指数関数的低下を示す。本開示の併用療法に使用する場合、化学剤に対して、類似のプロトコルを使用することができる。
【0175】
腫瘍細胞の固有の放射感受性、ならびに低酸素症および宿主免疫などの環境的影響は、in vivoでの検討によって、さらに評価することができる。成長遅延アッセイが、一般に使用される。このアッセイは、放射線に曝露された腫瘍が特定の体積まで再成長するために必要な時間間隔を測定するものである。腫瘍の約50%を制御するために必要な用量は、TCD50アッセイによって決定される。
【0176】
in vivoでのアッセイ系は、実験対象における、移植可能な固形腫瘍系を通常、使用する。正常組織および腫瘍に対する放射線生存パラメータは、in vivoで、当分野において公知の方法を使用してアッセイすることができる。
【0177】
本開示は、がんを処置する方法であって、例えば、化学をベースとする疑似放射線療法を含めた、手術、放射線療法および化学療法という認識されている方法と連携して、有効量の本開示の化合物を投与して、これにより、認識されている治療法の有効性の相乗的増強が実現される方法を提供する。処置の有効性は、臨床検討において、またはマウスもしくは細胞培養物感受性アッセイにおける腫瘍モデルなどのモデル系において測定することができる。
【0178】
本開示は、有効性の改善および/または毒性の低下をもたらす併用療法を提供する。したがって、一態様では、本開示は、放射線療法と連携した放射線増感剤としての本開示の化合物の使用に関する。
【0179】
本開示の併用療法が、1種または複数の追加の抗がん剤と共に本開示の化合物を投与するステップを含む場合、本開示の化合物および追加の抗がん剤は、個体に一斉にまたは逐次に投与することができる。薬剤は、周期的に投与することもできる。周期的治療法は、投与される1種または複数の抗がん剤に対する耐性発現を減じるため、投与される1種または複数の抗がん剤の副作用を回避または低減するため、および/または処置の効力を改善するため、ある期間、1種または複数の抗がん剤を投与すること、次いで、ある期間、1種または複数の異なる抗がん剤を投与すること、およびこの逐次投与を反復すること、すなわちこの周期を含む。
【0180】
追加的な抗がん剤は、一連のセッションにわたり投与され得る。以下に列挙されている追加的な抗がん剤のいずれか1種または組合せが、投与され得る。
【0181】
本開示は、がんを処置する方法であって、それを必要とする個体に、本開示の化合物、および1種もしくは複数の追加の抗がん剤、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法を含む。本開示の化合物および追加的な抗がん剤は、相加的または相乗的に作用することができる。好適な抗がん剤には、以下に限定されないが、ゲムシタビン、カペシタビン、メトトレキセート、タキソール、タキソテレ、メルカプトプリン(mereaptopurine)、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン(procarbizine)、エトポシド、テニポシド、カンパテエイン(campatheein)、ブレオマイシン、ドキソルビ
シン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、L-アスパラギナーゼ、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、タキサン(ドセタキセルおよびパクリタキセルなど)、ロイコボリン、レバミソール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ナイトロジェンマスタード、BCNU、ニトロソ尿素(カルムスチンおよびロムスチンなど)、白金錯体(シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンなど)、メシル酸イマチニブ、ヘキサメチルメラミン、トポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン系、ヘルビマイシンA、ゲニステイン、エルブスタチンおよびラベンダスチンAが含まれる。
【0182】
一実施形態では、抗がん剤は、以下に限定されないが、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、ニトロソ尿素、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、アルキルスルホネート、ブスルファン、トレオスルファン、トリアジン、植物アルカロイド、ビンカアルカロイド(ビネリスチン(vineristine)、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、タキソイド、
DNAトポイソメラーゼ(topoisomcrase)阻害剤、エピポドフィリン(epipodophyllin
)、9-アミノカンプトテシン、カンプトテシン、クリスナトール、マイトマイシン、マイトマイシンC、抗代謝産物、抗フォレート、DHFR阻害剤、トリメトレキセート、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、EICAR、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、ヒドロキシ尿素、デフェロキサミン、ピリミジンアナログ、ウラシルアナログ、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラチトレキセド、シトシンアナログ、シタラビン(ara C)、シトシンアラビノシド、フルダラビン、プリンアナログ、メルカプトプリン、チオグアニン、DNA代謝拮抗薬、3-HP、2’-デオキシ-5-フルオロウリジン、5-HP、アルファ-TGDR、アフィジコリングリシネート、ara-C、5-アザ-2’-デオキシシチジン、ベータ-TGDR、シクロシチジン、グアナゾール(イノシングリコジアルデヒド(inosine glycodialdehyde))、マクベシンII、ピラゾロイミダゾール、ホルモン療法、受容体アンタゴニスト、抗エストロゲン剤、タモキシフェン、ラロキシフェン、メゲストロール、LHRHアゴニスト、ゴセレリン、酢酸リュープロリド、抗アンドロゲン薬、フルタミド、ビカルタミド、レチノイド/デルトイド(deltoid)、cis-レチノイン酸、ビタミンA誘導体、
全トランス型レチノイン酸(ATRA-IV)、ビタミンD3アナログ、El1089、CB1093、ICH1060、光線力学療法、ベルテポルフィン(vertoporfin)、B
PD-MA、フタロシアニン、光増感剤Pc4、デメトキシ-ヒポクレリンA(2BA-2-DMHA)、サイトカイン、インターフェロン-a、インターフェロン-I3、インターフェロン-y、腫瘍壊死因子、血管新生阻害剤、アンジオスタチン(プラスミノーゲン断片)、血管新生抑制性抗トロンビンUI、アンジオザイム、ABT-627、Bay12-9566、ベネフィン、ベバシズマブ、BMS-275291、軟骨由来阻害剤(CDI)、CAI、CD59補体断片、CEP-7055、Col3、コムブレタスタチンA-4、エンドスタチン(コラーゲンXVIII断片)、フィブロネクチン断片、Gro-ベータ、ハロフギノン、ヘパリナーゼ、ヘパリン六糖断片、HMV833、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、IM-862、インターフェロン誘導タンパク質(IP-10)、インターロイキン-12、クリングル5(プラスミノーゲン断片)、マリマスタット、メタロプロテイナーゼ阻害剤(UMP)、2-メトキシエストラジオール、MMI270(CGS27023A)、MoAb IMC-I C11、ネオバスタット、NM-3、パンゼム(panzem)、P1-88、胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、血小板因子-4(PF4)、プリノマスタット、プロラクチン161(D断片)、プロリフェリン関連タンパク質(PRP)、PTK787/ZK222594、レチノイド、ソリマスタット、スクアラミン、SS3304、SU5416、SU6668、SU11248、テトラヒドロコルチゾール-S、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン-1(TSP-1)、TNP-470、トランスフォーミング成長因子-ベータ(TGF-11)、バスキュロスタチン、バソスタチン(
vasostatin)(カルレチクリン(calreticulin)断片)、ZD6126、ZD6474、ファルネシルトランスフェラーゼ(famesyl transferase)阻害剤(FTI)、ビスホスホネート、抗有糸分裂剤、アロコルヒチン、ハリコンドリンB、コルヒチン、コルヒチン誘導体、ドルスタチン(dolstatin)10、マイタンシン、リゾキシン、チオコルヒチン
、トリチルシステイン、イソプレニル化阻害剤、ドーパミン作動性神経毒、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン、細胞周期阻害剤、スタウロスポリン、アクチノマイシン、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン、アントラサイクリン、アドリアマイシン、エピルビシン、ピラルビシン(pirarnbicin)、ゾルビシン、ミトキサントロン、MDR阻害剤、
ベラパミル、Ca2+ATPアーゼ阻害剤、およびタプシガルギンからなる群から選択される薬物とすることができる。
【0183】
本開示に使用することができる他の抗がん剤には、以下に限定されないが、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アルンボマイシン(arnbomycin);酢酸アメタントロン(ametantrone);アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アス
パラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシル酸塩;ビゼルクシン(bizelcsin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブ
ロピリミン;ブスルファン(busul fan);カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシル酸塩;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルルナプラチン(dexorrnaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシル酸塩;ジアジクォン;ドセタキセル;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキセート;エフロミチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸エステルナトリウム;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-nl;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-Ia;インターフェロンガンマ-Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸;レトロゾール;酢酸リュープロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩(mecchlorethamine hydrochloride
);酢酸メゲストロール;メレンゲストロール酢酸;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミツスパー(mitusper);ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファルニド(perfosfarnide);ピポブロ
マン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソルニシン(sparsornycin);スピロゲルマニウム塩酸塩;スピ
ロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード(uracit mustard);ウレデパ;バプレオチド;ベ
ルテポルフルン(verteporfln);ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビン
デシン;ビンデシン硫酸塩;硫酸ビネピジン;ビングリシネート硫酸塩;硫酸ビンロイコシン;ビノレルビン酒石酸塩;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボルゾルク(vorozolc);ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩が含まれる。
【0184】
本開示において使用することができるさらなる抗がん薬には、以下に限定されないが、17-AAG;20-epi-1,25-ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミフォスチン(arnifostine);アミノレブリン酸;アムルビシン;ア
ムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背方化形態形
成タンパク質(anti-dorsalizing morphogenetic protein)1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシン塩;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス制御因子;アプリン酸;araCDP DL PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR-ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン;ベータクラルニシン(betaclarnycin)B;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレ
ン;ビスアジリジニルスペルニン(bisaziridinylsperrnine);ビスナフィド(bisnafide);ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ボルテゾミブ;ブレフレート;ブロ
ピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリアポックスIL-2;カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアルニドトリアゾール(carboxyarnidotriazole);CaRest
M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤;カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタンセラキノン類;シクロプラタム;サイペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクォン;ディデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ5アザシチジン;ジヒドロタキソール、9;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロミチン;エレメネ;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン(fltidarabine);塩酸フルオロダウノルニイン(fluorodaunoruniein
hydrochloride);ホルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムス
チン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミクイモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様増殖因子1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビエイン(iododoxorubiein);イポメアノール4;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラ
リドF;ラルネルラリンNトリアセテート(larnellarin N triacetate);ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;リュープロリド+エストロゲン+黄体ホルモン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミンアナログ;親油性二糖ペプチド;親油性白金錯体;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リゾフィリン;細胞溶解性ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽成長因子サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスティム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+マイオバクテリウム細胞壁sk;モピダモル;多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍抑制因子1に基づく治療剤;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;Nアセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレータ;窒素酸化物酸化防止剤;ニトルリン;O6ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸塩;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金錯体;白金トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫モジュレータ;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン(pyrazoloaeridine);ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;rasGAP阻害剤;脱メチルレテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RHレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンBI;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメティックス;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレータ;一本鎖抗原結合性タンパク質
;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過度活動性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチンミメティック;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;チタノセンジクロリド(titanocene bichloride);トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン系;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、エリトロサイト遺伝子治療;ベラレソール;ベラミン;ベルジン(verdin)系;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスティマラマーが含まれる。
【0185】
本開示の化合物は、放射線療法の作用を疑似すると理解されている、および/またはDNAと直接、接触することにより機能する化学剤と共に投与することができることが本開示のさらなる態様である。がんを処置するために、本開示の化合物と組み合わせて使用する薬剤には、以下に限定されないが、cis-ジアミンジクロロ白金(II)(シスプラチン)、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、タキソールおよびトポイソメラーゼ阻害剤(エトポシド、テニポシド、イリノテカンおよびトポテカンなど)が含まれる。
【0186】
さらに、本開示は、化学療法または放射線療法の毒性が高すぎることが判明した、または判明し得る、例えば、処置される対象にとって、許容できないまたは耐えられない副作用をもたらす、化学療法単独または放射線療法単独の代替として、本開示の化合物を使用するがんの処置方法を提供する。処置される個体は、どの処置が許容可能であるまたは耐えられると見いだされるかに応じて、化学療法、手術または免疫療法などの別の抗がん処置モダリティによって、必要に応じて、処置され得る。
【0187】
本開示の化合物はまた、以下に限定されないが、白血病およびリンパ腫を含めた、ある特定のがんの処置のためなどの、in vitroまたはex vivoの様式で使用することができ、このような処置は、自家移植性幹細胞移植を含む。これは、対象の自家移植造血幹細胞を採集して、これからすべてのがん細胞を除去し、次に、対象に、対象の残存する骨髄細胞集団を根絶するのに有効な量の本開示の化合物を投与し、次に、幹細胞移植片を対象に注入して戻すという多段階法を含むことができる。次に、骨髄機能が回復して、対象が回復している間の支持療法が提供される。
【0188】
がんを処置するための本方法は、本開示の化合物および追加の治療剤、または薬学的に許容されるその塩もしくは水和物の投与をさらに含むことができる。一実施形態では、本開示の化合物を含む組成物は、同一組成物の一部であってもよい、または本開示の化合物を含む組成物とは異なる組成物中に存在し得る、1種または複数の追加の治療剤の投与と一斉に投与される。別の実施形態では、本開示の化合物は、別の治療剤の投与前または投与後に投与される。
【0189】
がんを処置する本方法では、他の治療剤は、制吐剤であってもよい。好適な制吐剤には
、以下に限定されないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロルネタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジンおよびトロピセトロンが含まれる。
【0190】
一実施形態では、制吐剤は、グラニセトロンまたはオンダンセトロンである。別の実施形態では、他の治療剤は、造血コロニー刺激因子であってもよい。好適な造血コロニー刺激因子には、以下に限定されないが、フィルグラスチム、サルグラノスチム(sargrarnostim)、モルグラモスティンおよびエポエチンアルファ(epoietin alfa)が含まれる。
【0191】
さらに別の実施形態では、他の治療剤は、オピオイドまたは非オピオイド鎮痛剤であってもよい。好適なオピオイド鎮痛剤には、以下に限定されないが、モルフィン、ヘロイン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシモルホン、オキシコドン、メトポン、アポモルフィン、ノルモルフィン、エトルフィン、ブプレノルフィン、メペリジン、ロペルミド、アニレリジン、エトヘプタジン、ピミニジン、ベータプロジン、ジフェノキシレート、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、レミフェンタニル、レボルファノール、デキストロメトルファン、フェナゾシン、ペンタゾシン、シクラゾシン、メタドン、イソメタドンおよびプロポキシフェンが含まれる。好適な非オピオイド鎮痛剤には、以下に限定されないが、アスピリン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ジクロフェナク(diclofinac)、ジフルシナル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸(mefanamic acid)、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカムおよびスリンダク
が含まれる。
【0192】
さらに別の実施形態では、他の治療剤は、抗不安剤であってもよい。好適な抗不安剤には、以下に限定されないが、ブスピレン、およびジアゼパム、ロラゼパム、オキザパム、クロラゼペート、クロナゼパム、クロルジアゼポキシドおよびアルプラゾラムなどのベンゾジアゼピン系が含まれる。
【0193】
がんの処置、ならびに放射線療法および化学療法の細胞傷害作用へのがん細胞の感作に加え、本開示の化合物は、疾患、状態、および神経系疾患、神経変性障害および外傷性脳損傷(TBI)などの中枢神経系の損傷の処置方法において使用される。一実施形態では、式Iを有する本開示の化合物であるHDACIは、血液脳関門を通過して、個体の脳においてHDACを阻害することができる。
【0194】
本開示の化合物はまた、CMTなどの末梢性神経障害のモデルにおいて、治療的利益をもたらす。HDAC6阻害剤は、血液神経障壁を通過し、遠位遺伝性運動ニューロパチーの症状を示すトランスジェニックマウスにおいて観察される表現型をレスキューすることが見いだされている。症候性マウスへのHDAC6阻害剤の投与により、アセチル化されたα-チューブリンレベルが増大し、適切なミトコンドリア運動および軸索輸送を回復し、筋肉神経の再生を増大させた。他の末梢性神経障害には、以下に限定されないが、巨大軸索神経変性、ならびにモノニューロパチー、ポリニューロパチー、自律性ニューロパチーおよび神経炎の様々な形態が含まれる。
【0195】
本開示の化合物は、神経系疾患を処置するのに有効な量の本開示の化合物の投与によって、または神経系疾患を処置するのに有効な量の本開示の化合物を含む医薬組成物の投与
によって、神経系疾患を処置するのに有用である。処置することができる神経系疾患には、以下に限定されないが、ハンチントン病、ループス、統合失調症、多発性硬化症、筋ジストロフィー、淡蒼球ルイ体萎縮症(DRRLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)および微細脊髄小脳失調(SCA1、SCA2、SCA3/MJD(マシャド-ジョセフ病)、SCA6およびSCA7)、薬物誘発性運動障害、クロイツフェルト-ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症、ピック病、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、大脳皮質基底核変性症、ジストニア、ミオクローヌス、トゥレット症候群、振戦、舞踏病、不隠下肢症候群、パーキンソン病、パーキンソン症候群、不安症、うつ病、精神疾患、躁うつ病、フリードライヒ運動失調症、脆弱X染色体症候群、脊髄筋ジストロフィー、レット症候群、ルビンシュタイン-テイビ症候群、ウイルソン病、多発梗塞状態、CMT、GANおよび他の末梢性神経障害が含まれる。
【0196】
ある実施形態では、処置される神経系疾患は、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄性筋萎縮症、ループスまたは統合失調症である。
【0197】
シャルコー-マリー-トゥース病(CMT)は、米国において、2,500人あたり約1名に罹患している最も一般的な遺伝性神経障害の1つである。CMTは、下垂足、および頻繁な高揚または落ち込みを伴う鶏状歩行をもたらすことがある、運動神経および感覚神経の両方に影響を及ぼす。低分子熱ショックタンパク質27(HSPB1)の変異により、軸索CMTまたは遠位遺伝性運動ニューロパチー(遠位HMN)が引き起こされる。変異体HSPB1の発現により、アセチル化α-チューブリンレベルが低下して、重症の軸索輸送障害が誘発される。HDAC6iツバスタチンAにより引き起こされる、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)誘発性α-チューブリンの脱アセチル化の薬理学的阻害は、HSPB1変異によって誘発される軸索輸送欠損を修正し、症候性変異体であるHSPB1マウスのCMT表現型をレスキューする。α-チューブリンの脱アセチル化の病原性役割は、変異体であるHSPB1誘発性ニューロパチーにおいて実証されており、遺伝性軸索変性症に対する治療戦略として、HDAC6阻害剤に対する有益な見込みをもたらす。本開示の化合物は、様々な細胞系において、強力なHDAC6アイソフォーム阻害、高いHDAC6選択性、優れたα-チューブリンアセチル化を示す。
【0198】
したがって、別の実施形態では、神経系疾患は、シャルコー-マリー-トゥース病である。
【0199】
本開示の化合物はまた、状態、疾患、CNSに対する損傷を処置する方法において、第2の治療剤と共に使用することもできる。このような第2の治療剤は、特定の状態、疾患または損傷を処置するために当分野で公知の薬物、例えば、以下に限定されないが、気分障害の処置におけるリチウム、ハンチントン病の処置における安息香酸エストラジオールおよびニコチンアミドである。
【0200】
本開示の化合物はまた、TBIの処置において有用である。外傷性脳損傷(TBI)は、米国において毎年、約140万人に起こる、深刻かつ複雑な損傷である。TBIは、アルツハイマー病などの神経変性障害を発症するリスク因子を含めた、広範囲の症状および障害を伴う。
【0201】
TBIは、軸索損傷、細胞死、挫傷および炎症を含めた、いくつかの病変を生じる。炎症カスケードは、炎症誘発性サイトカイン、および他の病変を悪化させる恐れがあるミクログリアの活性化を特徴とする。TBIにおける炎症の役割は、十分に確立されているが、TBIの処置に現在利用可能な有効な抗炎症治療法はない。
【0202】
いくつかの公知のHDAC阻害剤は、急性および慢性神経変性損傷ならびに疾患、例え
ば、アルツハイマー病、虚血性脳卒中、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)および球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の様々な細胞モデルおよび動物モデルにおいて保護性であることが分かっている。実験的な小児のTBIでの最近の研究により、海馬CA3ヒストンH3アセチル化の低下は、損傷後、数時間から数日間、続くことが報告された。これらの変化は、TBIに関連する、実証されている上流の興奮毒性およびストレスカスケードの一因となる。HDACIはまた、非ヒストンタンパク質のアセチル化によって作用する抗炎症作用を有することが報告されている。HDAC6選択的阻害剤である4-ジメチルアミノ-N-[5-(2-メルカプトアセチルアミノ)ペンチル]ベンズアミド(DMA-PB)は、ラットでは、ヒストンH3アセチル化を増大させて、外傷性脳損傷後のミクログリア炎症応答を低減することができることが見いだされており、このことは、HDACIをTBIに関連する神経炎症を阻害するための治療剤として利用できることを実証するものである。
【0203】
したがって、本開示の化合物はまた、炎症および脳卒中の処置、ならびに自閉症および自閉スペクトラム障害の処置において有用である。本開示の化合物はさらに、寄生性感染(例えば、マラリア、トキソプラズマ症、トリパノソーマ症、蠕虫病、原虫感染)を処置するために使用することができる(Andrewsら Int. J. Parasitol. 2000年、3
0巻(6号)、761~768頁を参照されたい)。
【0204】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、マラリアを処置するための使用することができる。本開示の化合物は、アリールアミノアルコール、シンコナアルカロイド、4-アミノキノリン、1型または2型葉酸合成阻害剤、8-アミノキノリン、抗菌剤、ペルオキシド、ナフトキノン系および鉄キレート剤からなる群から選択される、抗マラリア化合物と共投与することができる。抗マラリア化合物には、以下に限定されないが、キニン、キニジン、メフロキン、ハロファントリン(halfantrine)、クロロキン、アモジアキン
、プログアニル、クロロプログアニル(chloroproquanil)、ピリメタミン、プリマキン
、8-[(4-アミノ-1-メチルブチル)アミノ]-2,6-ジメトキシ-4-メチル-5-[(3-トリフルオロメチル)フェノキシ]キノリンコハク酸塩(WR238,605)、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アジスロマイシン、フルオロキノロン、アルテムエーテル、アレエーテル(areether)、アルテスネイト、アルテリン酸、アトバコンおよびデフェリオキサミンとすることができる。一実施形態では、抗マラリア化合物は、クロロキンである。
【0205】
本開示の化合物はまた、イメージング剤として使用することができる。特に、放射標識された、同位体標識された、または蛍光標識されたHDACIを供給することにより、これらの標識化合物は、HDAC、HDACを発現する組織および腫瘍を画像化することができる。本開示の標識化合物はまた、有効量の標識化合物、または、標識化合物を含有する組成物を投与することにより、がん、または他のHDAC媒介性疾患、例えば脳卒中に罹患している患者を画像化することができる。一実施形態では、標識HDACIは、ポジトロン放射線を発することができ、ポジトロン断層法(PET)に使用するのに好適である。通常、本開示の標識化合物は、HDACを高濃度で発現する組織または標的の領域を特定するために使用される。標識HDACIの蓄積の程度は、放射活性発光量を定量するための公知の方法を使用して定量することができる。さらに、標識HDACIは、フルオロフォア、またはin vitroで特定のHDACアイソフォームもしくは細胞小器官の移動を追跡することが可能な類似のレポーターを含有することができる。
【0206】
画像化法に有用な本開示の化合物は、PET、SPECT、ガンマカメラ、MRIおよび類似装置などの、任意の標準放射線装置によって検出するのに好適な1種または複数の放射線の形態を発光することが可能な1種または複数の放射性同位体を含有する。同位体は、トリチウム(H)および炭素(11C)を含有する。本開示のHDACIはまた、
画像化法のためのフッ素(18F)およびヨウ素(123I)の同位体を含有することができる。通常、本開示の標識化合物は、11C標識、すなわち11C-メチル基を有するアルキル基、または18F、123I、125I、131I、またはそれらの組合せにより置換されているアルキル基を含有する。
【0207】
本開示の蛍光標識化合物は、本開示の画像化法に使用することもできる。このような化合物は、FITC、カルボシアミン部分、またはin vitroでHDACタンパク質の可視化を可能にする他のフルオロフォアを有する。
【0208】
本開示の標識化合物および使用方法は、体液および細胞試料を使用して、in vivoで、特にヒトに関して、ならびに診断的用途および研究用途などのin vitroでの用途のためであってもよい。画像化方法は、WO03/060523に議論されている。通常、本方法は、細胞または組織に、放射標識されている、同位体標識されている、蛍光標識されている、またはタグ付けされている(ビオチンによるタグ付けなど)本開示の化合物を接触させるステップ、および使用した可視化法、すなわち、放射線画像(radiographic image)に関すると、約1~約30mCiの放射標識化合物をもたらすのに十分
な量に応じて、放射線画像、蛍光画像または類似の画像タイプを作製するステップを含む。
【0209】
画像化方法は、少なくとも2:1となる放射強度の標的対バックグラウンド比、または約5:1、約10:1または約15:1となる標的とバックグラウンドとの間の放射強度の比を生じることが可能な、本開示の標識化合物の使用を含む。
【0210】
一部の方法では、本開示の標識化合物は、身体の組織から迅速に排出されて、個体に投与された放射標識化合物の放射線への長期曝露を回避する。一部の実施形態では、本開示の標識化合物は、約24時間未満に身体から排出される。一部の実施形態では、本開示の標識化合物は、約16時間、12時間、8時間、6時間、4時間、2時間、90分または60分未満で身体から排出される。一部の実施形態では、本開示の標識化合物は、約60分~約120分で排出される。
【0211】
同位体標識されている、および蛍光標識されている誘導体に加えて、本開示はまた、診断目的、治療目的または研究目的のために、目的のHDACアイソフォームに関連するバイオ分子を同定するためのタグ(ビオチンなど)を含有する誘導体の使用を具現化する。
【0212】
本開示の化合物はまた、自己免疫疾患および炎症の処置において有用である。本開示の化合物は、移植片拒絶反応および移植拒絶の克服、ならびに関節炎形態の処置に特に有用である。
【0213】
最新の移植プログラムが成功しているにも関わらず、現在の治療レジメンに伴う腎毒性、心血管疾患、糖尿病および高脂血症、ならびに移植後の悪性腫瘍の出現、および慢性的な拒絶反応に起因する移植片喪失により、最小限の免疫抑制に関連する長期同種移植片機能を実現する努力が推進されている。同様に、クローン病および潰瘍性大腸炎を含めた炎症性腸疾患(IBD)の出現が増加している。動物の検討により、フォークヘッド転写ファミリーメンバーであるFoxp3を発現するT制御性細胞(Treg)は、自己反応性免疫およびアロ反応性免疫の制限に重要であることが示されている。さらに、Tregは、共刺激遮断、免疫抑制または他の戦略による誘導後に、ナイーブな宿主に養子移入されて、治療作用の利益を実現することができる。しかし、臨床試験では、移入後のその抑制機能を維持するのに十分なTregを発生させる試みは不成功であった。マウスによる検討により、HDACIは、Tregの抑制機能が増大することにより、少なくともかなりの部分、免疫応答を制限すること(R. Taoら、Nat Med、13巻、1299~1307
頁、(2007年))、およびHDAC6の選択的標的化は、とりわけ、この点で有効であることが示されている。
【0214】
器官移植により、拒絶反応は、移植して数日後に直ちに発症し始めるので、拒絶反応の処置よりもむしろ予防が、最重要の考慮事項である。患者が、既に問題を引き起こしている疾患を呈する場合、自己免疫性が逆のことが該当する。したがって、低用量のRPM(ラパマイシン)で14日間、処置されたHDAC6-/-マウスに、臨床的な移植集団において、慢性拒絶反応の耐性誘導およびその発症に対する耐性の兆候、長期の移植片機能の継続的な大きな喪失を示すかどうかを評価する。耐性は、非選択的なHDACIおよびRPMを使用すると起こり得るように、長期生存性同種移植片を有するマウスが、その後の第三者の心臓移植片を拒絶して、いかなる免疫抑制なしに、さらなるドナー同種移植片を受け入れるかどうかを試験することにより評価する。これらのin vivoでの検討(sutides)は、ドナー細胞をチャレンジしたレシピエントリンパ球を使用する、ELI
SPOTおよびMLR活性の評価を伴う。慢性拒絶反応に対する保護は、長期生存性同種移植片レシピエントにおける、宿主の抗ドナー液性応答の解析、ならびに移植片移植による動脈硬化および間質性線維症の解析によって評価する。
【0215】
HDAC6の標的化の重要性は、臨床的にモニタリングされるように、生化学的に重要な読み出しを追求した追加の移植モデルで評価する。したがって、腎移植レシピエントでの標的化におけるHDAC6の効果(タンパク尿であるBUNをモニタリングする)、および膵島同種移植片(血中グルコースレベルをモニタリングする)を評価する。腎移植は、行われている最も一般的な器官の移植であり、腎臓は、多機能、例えば、酸/塩基代謝、血圧、赤血球生成の調節を行うので、このモデルにおける効力が、HDAC6標的化に利用できることが示される。同様に、臨床的な膵島同種移植片が、通常、移植後、最初の1年または2年後に失われることを考慮すると、膵島移植は、依然として満たされていない大きなニーズである。CNI維持治療法なしに、膵島生存を延ばすための安全かつ非毒性手段を有することは、重要な進歩になると思われる。移植検討はまた、floxed型HDAC6を有するマウスの使用により強化される。既存のFoxp3-Creマウスを使用して、TregにおいてまさにHDAC6の欠失の影響を試験する。この手法は、例えば、T細胞(CD4-Cre)および樹状細胞(CD11c-Cre)において、HDAC6の標的化に展開することができる。タモキシフェン調節したCreを使用して、移植の維持に対する誘導のHDAC6の重要性(短期対HDAC6I維持療法の場合に関連する)を、移植後の様々な期間において、タモキシフェンを投与して、HDAC6欠失を誘発させることにより評価する。
【0216】
自己免疫性の検討も行う。この場合、既存の疾患の遮断は、とりわけ重要であり、HDAC6の標的化は、追加治療に対するいかなる要件もなしに、効果的になり得る(非常に侵襲性の完全なMHCミスマッチ移植モデルでは、短期間の低用量RPMの場合に必要であることと対照的である)。大腸炎を有するマウスの検討により、HDAC6-/-Tregは、疾患の調節にWT Tregよりも効果的であり、ツバシンは、大腸炎を一旦、発症したときに処置を開始した場合、マウスをレスキューすることができることが示された。これらの検討を、Treg(Foxp3/Cre)対T細胞(CD4=Cre)対DC(CD11c-Cre)におけるHDAC6の欠失が、大腸炎の発症および重症度に異なって影響を及ぼすかどうかを評価することにより展開する。同様に、大腸炎の制御を、タモキシフェン調節Creによる大腸炎の発症後の様々な間隔において、HDAC6欠失を誘発させることにより評価する。
【0217】
本化合物が、DBA1/Jマウスにおける、コラーゲン誘発性関節炎モデルでの抗関節炎効力を実証することが想定される。この試験では、DBA1/Jマウス(雄、7~8週)を使用し、群当たり、8匹の動物とする。全身性関節炎は、II型ウシコラーゲンおよ
びCFA、ならびに21日目にIFAブースター注射により誘発させる。本開示の化合物を、50mg/kgおよび100mg/kgで、28日目に、2週間、連続して投与し、平均関節炎スコア対処置データ日数からその効果を決定する。
【0218】
宿主-ドナー組織タイプのマッチングにより、移植片拒絶反応を回避する努力がされているにも関わらず、移植手順の大部分において、免疫抑制治療が、宿主におけるドナー器官の生存率に重要となる。アザチオプリン、メトトレキセート、シクロホスファミド、FK-506、ラパマイシンおよびコルチコステロイドを含めた、様々な免疫抑制剤が移植手順に使用されてきた。
【0219】
本開示の化合物は、同種移植拒絶、遅延型過敏症、実験的自己免疫性脳脊髄炎、フロイントアジュバント関節炎および移植片対宿主病などの、液性免疫および細胞媒介性免疫反応を抑制する、免疫抑制剤として使用することができる。本開示の化合物は、関節リウマチの処置のため、乾癬の処置のため、ならびにI型糖尿病、クローン病およびループスなどの他の自己免疫疾患の処置のための器官移植後の器官拒絶反応の予防に有用である。
【0220】
治療有効量の本開示の化合物を、例えば、器官の拒絶反応、または移植片対宿主病を予防する目的、ならびに、疾患および状態、特に自己免疫疾患、ならびに炎症性疾患および状態を処置する目的を含めた、免疫抑制に使用することができる。自己免疫および炎症性疾患の例には、以下に限定されないが、橋本甲状腺炎、悪性貧血、アジソン病、乾癬、糖尿病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、関節炎(関節リウマチ、慢性進行性関節炎(arthritis chronic progrediente)および変形性関節炎)およびリウマチ性疾患、自己免疫血液学的障害(溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血および特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、強皮症(sclerodoma)、ウェグナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、乾癬、スティーブン-ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼疾患、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(I型糖尿病)、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎および春季カタル、間質性肺線維症、乾癬性関節炎および糸球体腎炎が含まれる。
【0221】
本開示の化合物は、単独で、またはシクロスポリン、ラパマイシン、メトトレキセート、シクロホスファミド、アザチオプリン、コルチコステロイド、および当業者に公知の類似の薬剤などの、自己免疫疾患、炎症、移植および移植片の処置に有用であることが知られている第2の治療剤と共に使用することができる。
【0222】
HDAC、特にHDAC6によって媒介されるさらなる疾患および状態には、以下に限定されないが、喘息、心臓肥大、巨大軸索神経変性、モノニューロパチー、単神経炎、ポリニューロパチー、自律性ニューロパチー、一般に神経炎、および一般に神経症が含まれる。これらの疾患および状態も、本開示の方法によって処置することができる。
【0223】
本方法では、医薬実務に準拠して、通常、製剤化される1つまたは複数の本開示の化合物の治療有効量が、それを必要とするヒトに投与される。このような処置が適応を有するかどうかは、個々の場合に依存し、存在する兆候、症状および/または機能不全、特定の兆候、症状および/または機能不全を発症するリスク、ならびに他の因子を考慮に入れた、医療的アセスメント(診断)次第である。
【0224】
本開示の化合物は、任意の好適な経路によって、例えば、経口、口内、吸入、局所、舌下、直腸、膣、嚢内、または腰椎穿刺による鞘内、経尿道、鼻腔、経皮、すなわち経皮または非経口(静脈内、筋肉内、皮下、冠動脈内、皮内、乳房内、腹腔内、関節内、鞘内、
眼球後、肺内注射および/または特定部位における外科的埋め込みを含む)投与によって投与することができる。非経口投与は、ニードルもしくはシリンジを使用して、または高圧技法を使用して行うことができる。
【0225】
医薬組成物は、本開示の化合物が、その所期の目的を達成する有効量で投与されるのに十分な量で存在するものを含む。正確な配合、投与経路および投与量は、診断された状態または疾患を鑑みて、個々の医師により決定される。投与量および間隔は、個々に調節して、治療作用を維持するのに十分な、本開示の化合物のレベルを実現することができる。
【0226】
本開示の化合物の毒性および治療的効力は、例えば、LD50(集団の50%が致死に至る用量)およびED50(集団の50%において治療有効な用量)を決定するため、細胞培養物または実験動物において、標準医薬手順により決定することができる。毒性作用と治療効果との間の用量比が治療指数であり、この指数は、LD50とED50との間の比として表される。高い治療指数を示す化合物が好ましい。このような手順から得られるデータは、ヒトに使用する投与量範囲の製剤化に使用することができる。投与量は、毒性がほとんどない、または全くなしに、ED50を含む体循環化合物濃度の範囲内に収まるのが好ましい。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で様々となり得る。治療有効量の決定は、とりわけ、本明細書において提示されている詳細な開示に照らし合わせると、当業者の能力の範囲内に十分にある。
【0227】
治療に使用するために必要な本開示の化合物の治療有効量は、処置される状態の性質、望ましいその活性の時間の長さ、ならびに患者の年齢および状態により様々となり、最終的には、担当医師により決定される。投与量および間隔は、個々に調節して、所望の治療効果を維持するのに十分な、HDACIの血漿中レベルを実現することができる。所望の用量は、単回用量で、または適切な間隔で、例えば、1日あたり、1回、2回、3回、4回またはそれより多い分割用量として投与される多回用量として都合よく投与することができる。多回用量が、多くの場合、望ましい、または必要となる。例えば、本開示の化合物は、以下の頻度:4用量分を4日間の間隔で、1日あたり1用量分として送達する(q4d×4);4用量分を3日間の間隔で、1日あたり1用量分として送達する(q3d×4);5日間の間隔で、1日あたり1用量分を送達する(qd×5);1週間あたり1用量分で3週間(qwk3);1日当たり5用量分で、2日の休止、および1日あたり別の5用量分(5/2/5);または状況に好適と決定された任意の用量レジメンで投与することができる。
【0228】
本開示の化合物を含む組成物の投与量、またはこれを含有する組成物は、体重あたり、約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kgとすることができる。組成物の投与量は、以下に限定されないが、約1μg/kg、10μg/kg、25μg/kg、50μg/kg、75μg/kg、100μg/kg、125μg/kg、150μg/kg、175μg/kg、200μg/kg、225μg/kg、250μg/kg、275μg/kg、300μg/kg、325μg/kg、350μg/kg、375μg/kg、400μg/kg、425μg/kg、450μg/kg、475μg/kg、500μg/kg、525μg/kg、550μg/kg、575μg/kg、600μg/kg、625μg/kg、650μg/kg、675μg/kg、700μg/kg、725μg/kg、750μg/kg、775μg/kg、800μg/kg、825μg/kg、850μg/kg、875μg/kg、900μg/kg、925μg/kg、950μg/kg、975μg/kg、1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/
kgまたは200mg/kgを含む任意の投与量とすることができる。上記の投与量は、平均的な場合の例示であるが、一層多いまたは一層少ない投与量が利点となる個々の場合もあり得、このようなものも、本開示の範囲内にある。実際に、医師は、個々の患者にとって最適な実際の投与レジメンを決定し、これは、具体的な患者の年齢、体重および応答により様々となり得る。
【0229】
本開示の方法に使用される本開示の化合物は、通常、1用量当たり、約0.005~約500ミリグラム、1用量当たり約0.05~約250ミリグラム、または1用量当たり約0.5~約100ミリグラムの量で投与される。例えば、本開示の化合物は、1用量あたり、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450または500ミリグラムの量で投与することができ、すべての用量は、0.005~500ミリグラムの間となることを含む。
【0230】
本開示の化合物は、通常、所期の投与経路および標準医薬実務に関して選択された医薬用担体を含む混合物中で投与される。本開示による使用のための医薬組成物は、本開示の化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む、1種または複数の生理的に許容可能な担体を使用する、慣用的な方法で製剤化される。
【0231】
用語「担体」は、本開示の化合物が一緒に投与される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を指す。このような医薬用担体は、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油などの、石油、動物、植物または合成起源のものを含め、水および油などの液体とすることができる。担体は、生理食塩水、ガムアカシア、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、ウレアなどとすることができる。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤を使用することができる。薬学的に許容される担体は、無菌である。本開示の化合物が静脈内投与される場合、水が担体となる。生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、特に注射溶液の場合、液体担体として使用することができる。好適な医薬用担体には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤が含まれる。本発明の組成物は、所望の場合、湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝化剤を少量、含有することもできる。
【0232】
本開示は、本開示の化合物の溶媒和物の調製および使用を包含する。溶媒和物は、通常、化合物の生理学的活性も毒性も著しく変えず、このまま、薬理学的等価体として機能することができる。用語「溶媒和物」とは、本明細書で使用する場合、例えば、溶媒分子の本開示の化合物に対する比が、それぞれ、約2:1、約1:1または約1:2である二溶媒和物、一溶媒和物または半溶媒和物などの、本開示の化合物と溶媒分子との組合せ、物理的会合および/または溶媒和である。この物理的会合は、水素結合を含めたイオン性結合および共有結合の様々な程度を含む。ある特定の場合、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれた場合などの、溶媒和物が単離され得る。したがって、「溶媒和物」は、溶媒相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。本開示の化合物は、水、メタノールおよびエタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和物形態として存在することができ、本開示は、本開示の化合物の溶媒和物形態および非溶媒和物形態の両方を含むことが意図されている。1つのタイプの溶媒和物は、水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である、溶媒和物の特定のサブグループに関する。溶媒和物は、通常、薬理学的等価物として機能することができる。溶媒和物の調製は、当分野において公知である。例えば、フルコナゾールと酢酸エチルと、および水との溶媒和物の調製を記載している、M. Cairaら、J. Pharmaceut. Sci.、93巻(3号):601~611頁(
2004年)を参照されたい。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの類似の調製は、van
Tonderら、AAPS Pharm. Sci. Tech.、5巻(1号):論文12(2004年)およ
びA.L. Binghamら、Chem. Commun. 603~604頁(2001年)によって記載さ
れている。典型的で非限定的な、溶媒和物を調製する方法は、所望の溶媒(有機物、水またはこれらの混合物)に、20℃超から約25℃の温度において、本開示の化合物を溶解すること、次に、結晶を形成するのに十分な速度でこの溶液を冷却すること、および公知の方法、例えばろ過により結晶を単離することを含む。赤外分光法などの分析技法を使用して、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認することができる。
【0233】
これらの医薬組成物は、例えば、慣用的な混合、溶解、造粒、ドラジェ作製、乳化、カプセル封入、捕捉または凍結乾燥という工程により製造することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。治療有効量の本開示の化合物が経口投与される場合、組成物は、通常、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液剤またはエリキシル剤の形態となる。錠剤形態で投与される場合、組成物は、ゼラチンまたはアジュバントなどの固体担体をさらに含有することができる。錠剤、カプセル剤および散剤は、本開示の化合物を約0.01%~約95%、好ましくは約1%~約50%含有する。液状形態で投与する場合、水、石油、または動物もしくは植物起源の油などの液体担体を加えることができる。組成物の液状形態は、生理食塩水溶液、デキストロースまたは他のサッカライド溶液、またはグリコールをさらに含有することができる。液状形態で投与される場合、組成物は、約0.1重量%~約90重量%、好ましくは約1重量%~約50重量%の本化合物を含有する。
【0234】
治療有効量の本開示の化合物が静脈内、皮膚または皮下注射により投与される場合、組成物は、発熱物質不含の、非経口的に許容可能な水溶液剤の形態にある。pH、等張性、安定性などを考慮した、このような非経口的に許容可能な溶液の調製は、当分野の範囲内にある。静脈内、皮膚または皮下注射に好ましい組成物は、通常、等張性ビヒクルを含有する。本開示の化合物は、10~30分間の間隔にわたり、または数時間にわたり、他の流体と共に注入され得る。
【0235】
本開示の化合物は、当分野で周知の薬学的に許容される担体と容易に組み合わせることができる。このような担体により、活性剤を、処置される患者に経口摂取させるための、錠剤、丸剤、ドラジェ剤、カプセル剤、液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などとして製剤化することが可能となる。経口使用向け医薬調製物は、固体賦形剤に本開示の化合物を加え、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望の場合、好適な補助剤を添加した後に、顆粒の混合物を加工することによって得ることができ、錠剤またはドラジェ剤のコアが得られる。好適な賦形剤には、例えば、充填剤およびセルロース調製物が含まれる。所望の場合、崩壊剤を加えることができる。
【0236】
本開示の化合物は、注射による、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与向けに製剤化することができる。注射用製剤は、単位剤形で、例えば、アンプルで、または保存剤の添加された多回用量容器中で供給され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液剤、溶液剤またはエマルション剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤用作用剤を含有することができる。
【0237】
非経口投与向けの医薬組成物は、水溶性形態の活性剤の水溶液を含む。さらに、本開示の化合物の懸濁液を、適切な油性の注射用懸濁液剤として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルには、脂肪油または合成脂肪酸エステルが含まれる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を向上させる物質を含むことができる。必要に応じて、この懸濁液はまた、好適な安定化剤、または化合物の溶解度を増大させる作用剤も含有することができ、非常に高濃度の溶液の調製が可能となる。代替的に、本組成物は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌発熱物質不含水を用いる構成用の粉末形態とすることができる。
【0238】
本開示の化合物はまた、例えば、慣用的な坐剤用基剤を含有する、坐剤または滞留浣腸剤などの直腸用組成物で製剤化され得る。これまでに記載した製剤に加えて、本開示の化合物はまた、デポ調製物として製剤化することもできる。このような長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)により、または筋肉内注射により投与することができる。したがって、例えば、本開示の化合物は、好適なポリマー物質もしくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルションとして)、またはイオン交換樹脂を用いて製剤化することができる。
【0239】
特に、本開示の化合物は、デンプンまたはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で、またはカプセル剤もしくはオブル(ovule)剤で、単独もしくは賦形剤との混合物で、または着香剤もしくは着色剤を含有するエリキシル剤または懸濁液剤の形態で、経口、口内もしくは舌下に投与することができる。このような液体調製物は、懸濁化剤などの薬学的に許容される添加物と共に調製することができる。本開示の化合物はまた、非経口的に、例えば、静脈内、筋肉内、皮下または冠動脈内に注入され得る。非経口投与の場合、本開示の化合物は、他の物質、例えば、塩、またはマンニトールもしくはグルコースなどのモノサッカライドを含有することができる滅菌水溶液の形態で、最良に使用されて、血液と等張性の溶液が作製される。
【0240】
追加的な実施形態として、本開示は、本開示の方法を実施するために、それらの使用を促進する方法で、包装された1つもしくは複数の化合物または組成物を含むキットを含む。単純な一実施形態では、キットは、密封ボトルまたは容器などの容器中に包装された、方法を実施するために有用な本明細書に記載されている化合物または組成物(例えば、本開示の化合物および必要に応じた第2の治療剤を含む組成物)を、容器に貼付された、または本開示の方法を実施する化合物または組成物の使用を説明したキット中に含まれるラベルと共に含む。好ましくは、本化合物または組成物は、単位剤形中で包装される。本キットは、意図する投与経路、例えばシリンジ、ドリップ用バッグまたはパッチ剤により、組成物を投与するための好適なデバイスを含むことができる。別の実施形態では、本化合物は、凍結乾燥体である。この例では、本キットは、凍結乾燥体の再構成に有用な溶液を含有する追加の容器をさらに含むことができる。
【0241】
本開示の化合物は、HDAC6効力、およびこれまでの化合物に比べて、BEIの改善された、HDAC1およびHDAC8に対する選択性が向上していることを実証している。本化合物の改善された特性、特に、BEIの向上およびHDAC8での効力の低下は、本化合物が、以下に限定されないが、免疫抑制剤および神経保護剤などの用途に有用であることを示している。例えば、本開示の化合物は、通常、100μM未満、25μM未満、10μM未満、1μM未満、0.5μM未満、および0.2μM未満の、HDAC6に対する結合親和性(IC50)を有する。
【実施例0242】
一般合成法および手順
出発材料および溶媒はすべて、市販の供給業者から試薬純度で購入し、特に明記されていない限り、さらなる精製を何ら行うことなく入手したまま使用した。水分に敏感な反応における媒体として使用する乾燥溶媒は、Sigma-Aldrichから無水グレードで購入し、アルゴン下で取り扱った。反応はすべて、不活性(アルゴン)雰囲気下、乾燥条件中で行った。マイクロ波反応は、Biotage Initiatorマイクロ波用反応器中で実施した。反応は、シリカゲルをコーティングしたガラス製プレート(TLC
LuxPlateシリカゲル60F254、Merck)上の薄層クロマトグラフィーによりモニタリングし、254nmで、および/または適切な色素を使用して可視化した。示されている場合、合成中間体は、適切な溶媒混合物を使用して、CombiFlas
hシステムの230~400メッシュのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。最終生成物は、Shimadzu分取液体クロマトグラフを使用する分取HPLC[ACE 5AQ(150×21.2mm) 5μm粒子サイズ。方法1:25~100% MeOH/HO、30分間;100% MeOH、5分間;100~25%
MeOH/HO、4分間。方法2:8~100% MeOH/HO、30分間;100% MeOH、5分間;100~8% MeOH/HO、4分間。方法3:0% MeOH、5分間;0~100% MeOH/HO、25分間;100% MeOH、5分間;100~0% MeOH/HO、4分間。流速=17mL/分]により、254および280nmでモニタリングしながら精製した。溶媒はどちらも、0.05%TFAによりスパイクした。Hおよび13C NMRスペクトルは、Bruker DPX-400またはAVANCE-400分光計を使用し、それぞれ、400MHzおよび100.6MHzで記録した。ケミカルシフト(δスケール)は、TMSと比較した、百万分率(ppm)で報告する。H NMRスペクトルは、以下の順で報告する:プロトンの多重度および数;シグナルは、以下:s(シングレット)、d(ダブレット)、dd(ダブレットのダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)、bs(ブロードなシグナル)として特徴づける。HRMSスペクトルは、LCMS-IT-TOF(Shimadzu)によるESIを使用して記録した。すべての最終化合物の純度は、分析用HPLC[ACE 3AQ C18カラム(150×4.6mm、粒子サイズ3μM);H2O中0.05%TFA/MeOH中0.05%TFAのグラジエント溶出系;流速=1.0mL/分]により決定した。化合物はすべて、HPLC分析によって決定される>95%の純度で試験した。
実施例1
5-(2-ベンズアミドエチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-1-100)
【化23】
【0243】
SS-1-95:3-ブチン-1-オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加え
た。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をHOでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H). 13C NMR (100
MHz, CDCl3) δ 168.04, 134.05, 132.01, 123.39, 80.27, 70.26, 36.55, 18.36.
【0244】
SS-1-97B:SS-1-95(180mg、0.9mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N(0.06mL、1.13mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物(participate)をろ別し、
ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS-1-97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS-1-97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.37mL、2.7mmol)および塩化ベンゾイル(252mg、1.8mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(140mg、90%)。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 7.93 (dd, J = 5.3, 3.2 Hz,
3H), 7.58 - 7.53 (m, 1H), 7.49 (dd, J = 8.1, 6.6 Hz, 2H), 3.57 (td, J = 7.1, 6.0 Hz, 2H), 2.55 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 2.7 Hz, 1H).
【0245】
SS-1-99:マイクロ波反応管中で、SS-1-97B(140mg、0.8mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO(201mg、2.4mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(367mg、2.4mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(140mg、61%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.73 (dd, J = 5.2, 3.2 Hz, 2H), 7.50 (ddd, J = 6.6, 3.9, 1.3 Hz, 1H), 7.46 - 7.36 (m, 2H), 6.51 (s, 2H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.82 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 172.65, 167.78, 159.92, 156.62, 134.05, 131.76, 128.67, 126.91, 102.74, 62.21, 37.89, 27.16, 14.13.
【0246】
SS-1-100:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(160mg、4.0mmol)を50%水性NHOH(1.6mL、約50当量)に溶解した。1:1 THF/MeOH(6mL)中のSS-1-99(140mg、0.5mmol)の溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×15mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAcで洗浄すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(60mg、43%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7
.53 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 6.63 (s, 1H),
3.60 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 3.09 (t, J = 6.7 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.44, 166.42, 157.44, 156.17, 134.28, 131.25, 128.31(2C), 127.12(2C), 101.13, 37.22, 26.29.ESI HRMS計算値C13
:[M+H]、m/z276.0979;実測値:276.0984。
実施例2
5-(2-(3,4-ジクロロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-2-08)
【化24】
【0247】
SS-2-05:3-ブチン-1-オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をHOでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(260mg、65%)。
【0248】
SS-2-06:SS-2-05(260mg、1.3mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N2H4(0.1mL、3.2mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、所望の生成物が白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。中間体の撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.54mL、3.9mmol
)および塩化3,4-ジクロロベンゾイル(543mg、2.6mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色固体として得られた(220mg、70%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 3.61 (q, J =
6.2 Hz, 2H), 2.53 (td, J = 6.3, 2.6 Hz, 2H), 2.07 (t, J = 2.6 Hz, 1H).
【0249】
SS-2-07:マイクロ波反応管中で、SS-2-06(220mg、0.9mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO(227mg、2.7mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(408mg、2.7mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色固体として得られた(250mg、78%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.85
(t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.82 - 7.71 (m,
2H), 6.76 (s, 1H), 4.34 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.60 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.11 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C
NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.53, 164.23, 159.60, 156.10, 134.60, 134.17, 131.34, 130.84, 129.16, 127.54, 102.46, 61.80, 37.40, 26.31, 14.01.
【0250】
SS-2-08:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(224mg、5.6mmol)を50%水性NHOH(2.0mL、約50当量)に溶解した。SS-1-99(250mg、0.7mmol)の1:1 THF/MeOH(10mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×15mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtO/EtOAc(10:1)で洗浄すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(70mg、29%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.46 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.87 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.83 - 7.72 (m, 2H), 6.63 (s, 1H), 3.59 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.09 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.27, 164.14, 157.44, 156.18, 134.53, 134.10, 131.28, 130.76, 129.11, 127.48, 101.20, 37.40, 26.13.ESI
HRMS計算値C1312Cl:[M+H]、m/z344.0205;実測値:344.0198。
実施例3
5-(2-(2-ナフトアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-3-66)
【化25】
【0251】
2-(ブタ-3-イン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(SS-1-95)の合成:3-ブチン-1-オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をHOでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J =
7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 168.0, 134.1, 132.0, 123.4, 80.3, 70.3, 36.6, 18.4.
【0252】
N-(ブタ-3-イン-1-イル)-2-ナフトアミド(SS-3-62)の合成:SS-1-95(215mg、1.08mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N(0.1mL、2.7mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS-1-97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS-1-97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.25mL、1.6mmol)および塩化2-ナフトイル(246mg、1.3mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグ
ラフィー(0~30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(170mg、70%、粗製)。
【0253】
エチル5-(2-(2-ナフトアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-2-64)の合成:マイクロ波反応管中で、SS-2-62(170mg、0.76mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO(191mg、2.28mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(344mg、2.28mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色固体として得られた(150mg、58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (s, 1H), 7.86 - 7.77 (m, 4H), 7.57 - 7.45 (m, 2H), 6.90 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.85 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.20 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 172.8, 168.0, 160.02,
156.7, 134.9, 132.7, 131.3, 129.0, 128.6, 127.9, 127.8, 127.6, 126.9,
123.6, 102.8, 62.3, 38.1, 27.3, 14.2.
【0254】
5-(2-(2-ナフトアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-3-66)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(142mg、3.55mmol)を50%水性NHOH(1.4mL、約50当量)に溶解した。SS-3-64(150mg、0.44mmol)の1:1 THF/MeOH(5mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~10% MeOH/DCM)および分取HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(15mg、10%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.45 (br s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.85 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.03 - 7.88 (m, 3H), 7.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.63 - 7.57 (m, 2H), 6.66 (s, 1H),
3.66 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 6.7 Hz, 2H).ESI HRMS計算値C1716:[M+H]、m/z326.1135;実測値:326.1137。
実施例4
5-(2-([1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-3-67)
【化26】
【0255】
2-(ブタ-3-イン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(SS-1-95)の合成:3-ブチン-1-オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をHOでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J =
7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 168.0, 134.1, 132.0, 123.4, 80.3, 70.3, 36.6, 18.4.
【0256】
N-(ブタ-3-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド(SS-3-63)の合成:SS-1-95(215mg、1.08mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N(0.1mL、2.7mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS-1-97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS-1-97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.25mL、1.6mmol)および塩化[1,1’-ビフェニル]-3-カルボニル(280mg、1.3mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~30%のEt
OAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(140mg、52%、粗製)。
【0257】
エチル5-(2-([1,1’-ビフェニル]-3-イルカルボキサミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-65)の合成:マイクロ波反応管中で、SS-3-63(170mg、0.56mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO(144mg、1.69mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(255mg、1.69mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(100mg、49%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (s, 1H), 7.76 - 7.65 (m,
2H), 7.58 - 7.51 (m, 2H), 7.45 - 7.38 (m, 3H), 7.36 - 7.30 (m, 1H), 7.06 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.78 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.33
(t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 172.8, 168.0, 160.0, 156.6, 141.7, 140.1, 134.7, 130.3, 129.1, 128.9 (2C), 127.8, 127.2 (2C), 125.9, 125.8, 102.7, 62.2, 38.0, 27.1, 14.1.
【0258】
5-(2-([1,1’-ビフェニル]-3-イルカルボキサミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-3-67)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(90mg、2.2mmol)を50%水性NHOH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS-3-65(100mg、0.27mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~10% MeOH/DCM)および分取HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(30mg、32%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 11.47 (br s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.81 (t, J = 5.6 Hz, 1H),
8.08 (s, 1H), 7.82 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.72 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.41 (t,
J = 7.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.63 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.12 (t, J = 6.8 Hz, 3H).ESI HRMS計算値C1916:[M-H]
、m/z350.1146;実測値:350.1132。
実施例5
5-(3-(3,4-ジクロロフェノキシ)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-4-10)
【化27】
【0259】
エチル5-(3-ヒドロキシプロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-4-07)の合成:マイクロ波反応管中で、5-ヘキシン-1-オール(300mg、3.57mmol)のEtOAc(5mL)溶液に、NaHCO(900mg、10.7mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(1.6g、10.7mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(680mg、96%)。1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 6.42 (s, 1H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.70 (t, J =
6.1 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.97 - 1.88 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.2, 160.3, 156.5, 101.8, 62.2, 61.3, 30.2, 23.3, 14.2.
【0260】
エチルエチル5-(3-ブロモプロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-4-08)の合成:SS-4-07(680mg、3.42mmol)の撹拌したDCM(30mL)溶液に、0℃でCBr(1.70g、5.13mmol)およびPhP(1.35g、5.13mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、室温において1時間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~40%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(850mg、83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.46 (s, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.43 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.01 (t,
J = 7.3 Hz, 2H), 2.33 - 2.18 (m, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 173.6, 160.1, 156.6, 102.3, 62.3, 31.9, 30.2, 25.3, 14.3.
【0261】
エチル5-(3-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-4-09)の合成:SS-4-08(464mg、2.85mmol)の撹拌したDMF(15mL)溶液に、室温で3,4-ジクロロフェノール(850mg、3.41mmol)およびCsCO(1.87g、5.70mmol)を加えた。得られた混合物を、80℃で2時間、加熱した。この反応物を飽和水性NHCl(5mL)でクエンチし、EtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(490mg、80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.96 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.00 (t,
J = 7.5 Hz, 2H), 2.26 - 2.08 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 174.3, 160.1, 157.7, 156.5, 132.9, 130.8, 124.2, 116.4, 114.5, 102.0, 66.9, 62.2, 27.0, 23.4, 14.2.
【0262】
5-(3-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-4-10)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(150mg、3.72mmol)を50%水性NHOH(1.5mL、約50当量)に溶解した。SS-4-09(160mg、0.47mmol)の1:1 THF/MeOH(6mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(65mg、40%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.45 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J =
2.9 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.06
(t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.96 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.15 - 2.03 (m,
2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.8, 157.9, 157.5, 156.3, 131.6, 131.0, 122.4, 116.4, 115.5, 100.7, 67.2, 40.2, 39.9, 39.7, 39.5, 39.3, 39.1, 38.9, 26.4, 22.6.ESI HRMS計算値C1313Cl:[M+H]、m/z331.0247;実測値:331.0264。
実施例6
5-(4-(5,6-ジクロロ-1H-インドール-1-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-3-94)
【化28】
【0263】
エチル5-(4-ヒドロキシブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-86)の合成:マイクロ波反応管中で、5-ヘキシン-1-オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO(504mg、6.0mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J =
6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0264】
エチル5-(4-ブロモブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-88)の合成:SS-3-86(100mg、0.47mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でCBr(232mg、0.47mmol)およびPhP(184mg、0.47mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、室温において1時間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~40%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(90mg、89%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.41 (s, 1H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.40 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.89 - 1.87 (m, 4H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 174.7, 160.2, 156.5, 101.8, 62.1, 32.8, 31.8, 26.0, 25.9, 14.2.
【0265】
エチル5-(4-(5,6-ジクロロ-1H-インドール-1-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-92)の合成:SS-3-88(90mg、0.33mmol)の撹拌したDMF(3mL)溶液に、室温で5,6-ジクロロ-1H-インドール(56mg、0.30mmol)およびCsCO(217mg、0.66mmol)を加えた。得られた混合物を、80℃で終夜、加熱した。この反応物を飽和水性NHCl(5mL)でクエンチし、EtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(90mg、80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68 (s, 1H), 7.39 (s, 1H),
7.08 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.42 (dd, J = 3.1, 0.7 Hz, 1H), 6.35
(s, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.92 - 1.85 (m, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 174.5, 160.2, 156.6, 134.9, 129.7, 128.3, 125.7, 123.6, 122.1, 110.9, 101.9, 101.3, 62.3, 46.3, 29.5, 26.4, 25.0, 14.3.
【0266】
5-(4-(5,6-ジクロロ-1H-インドール-1-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-3-94)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(76mg、1.9mmol)を50%水性NHOH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS-3-92(90mg、0.24mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(35mg、39%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43 (s, 1H), 9.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.51 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.46 (d, J =
3.1 Hz, 1H), 4.22 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.82 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.65 - 1.75 (m, 2H), 1.65 - 1.54 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 174.3, 157.4, 156.3, 134.7, 131.3, 127.9, 123.5, 121.5, 121.4, 111.7, 100.6, 100.5, 45.2, 29.14, 25.27, 24.12.ESI HRMS計算値
1616Cl:[M+H]、m/z368.0563;実測値:368.0545。
実施例7
5-(4-(6-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-4-01)
【化29】
【0267】
エチル5-(4-ヒドロキシブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-86)の合成:マイクロ波反応管中で、5-ヘキシン-1-オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO(504mg、6.0mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J =
6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0268】
エチル5-(4-オキソブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-98)の合成:SS-3-86(150mg、0.70mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、室温でクロロクロム酸ピリジニウム(300mg、1.4mmol)を加えた。得られた混合物を、同一温度で2時間、撹拌した。次に、過剰の固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~60%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、88%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.75 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 7.3 Hz,
2H), 2.53 (td, J = 7.1, 1.0 Hz, 2H), 2.11 - 1.94 (m, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 200.91, 174.33, 160.07, 156.47, 101.93, 77.48, 77.16, 76.84, 62.13, 42.60, 25.84, 19.83,
14.15. 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 200.9, 174.3, 160.1, 156.5, 101.9, 62.1, 42.6, 25.8, 19.8, 14.1.
【0269】
エチル5-(4-(6-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-99)の合成:SS-3-98(130mg、0.62mmol)および6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(104mg、0.62mmol)の撹拌したEtOH/AcOH(5mL/0.5mL)溶液に、室温でNaBH(OAc)(262.8mg、1.24mmol)を加えた。次に、得られた混合物を同一温度において、終夜、撹拌した。次に、この反応物を飽和NaHCO水溶液(5mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~20%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.95 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.43
(q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.29 - 3.12 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.3 Hz,
2H), 2.69 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.94 - 1.88 (m, 2H), 1.80 - 1.72 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.1, 160.2, 156.5, 143.8, 128.8, 126.8, 124.1, 120.1, 111.5, 101.7, 62.2, 51.1, 49.5, 28.1, 26.7, 25.7, 25.2, 22.1, 14.2.
【0270】
5-(4-(6-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-4-01)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(116mg、2.9mmol)を50%水性NHOH(1.0mL、約50当量)に溶解した。SS-3-99(130mg、0.36mmol)の1:1 THF/MeOH(6mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(100mg、62%、TFA塩)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43 (s, 1H), 6.93 (dd, J = 8.7, 2.6
Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 3.29 - 3.16 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.3
Hz, 2H), 1.86 - 1.77 (m, 2H), 1.69 - 1.64 (m, 2H), 1.57 - 1.50 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 174.5, 157.4, 156.3, 143.8, 128.1, 126.3, 123.8, 118.1, 111.6, 100.5, 50.0, 48.5, 27.4, 25.7, 24.7,
24.4, 21.3.ESI HRMS計算値C1721Cl:[M+H]、m/z350.1266;実測値:350.1251。
実施例8
5-(4-(6-クロロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-4-02)
【化30】
【0271】
エチル5-(4-ヒドロキシブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-86)の合成:マイクロ波反応管中で、5-ヘキシン-1-オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO(504mg、6.0mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J =
6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0272】
エチル5-(4-オキソブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-98)の合成:SS-3-86(150mg、0.70mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、室温でクロロクロム酸ピリジニウム(300mg、1.4mmol)を加えた。得られた混合物を、同一温度で2時間、撹拌した。次に、過剰の固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~60%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、88%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.75 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 7.3 Hz,
2H), 2.53 (td, J = 7.1, 1.0 Hz, 2H), 2.11 - 1.94 (m, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 200.91, 174.33, 160.07, 156.47, 101.93, 77.48, 77.16, 76.84, 62.13, 42.60, 25.84, 19.83,
14.15. 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 200.9, 174.3, 160.1, 156.5, 101.9, 62.1, 42.6, 25.8, 19.8, 14.1.
【0273】
エチル5-(4-(6-クロロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-3-100)の合成:SS-3-98(130mg、0.62mmol)および6-クロロ-4,4-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(121mg、0.62mmol)の撹拌したEtOH/AcOH(5mL/0.5mL)溶液に、室温でNaBH(OAc)(262.8mg、1.24mmol)を加えた。次に、得られた混合物を同一温度において、終夜、撹拌した。次に、この反応物を飽和NaHCO水溶液(5mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~20%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(100mg、42%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.10 (d,
J = 2.6 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J =
9.5 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.32 - 3.19 (m, 4H), 2.85 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.80 - 1.64 (m, 6H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.1, 160.3, 156.5, 142.5, 132.9, 126.6, 126.1, 120.3, 111.7, 101.8, 62.2, 51.3, 45.9, 36.8, 32.3, 30.6 (2C), 26.8, 25.6, 25.3, 14.3.
【0274】
5-(4-(6-クロロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-4-02)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(89mg、2.2mmol)を50%水性NHOH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS-3-99(100mg、0.28mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(100mg、75%、TFA塩)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43 (s, 1H), 7.07 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.94 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.54 (s, 1H), 3.28 - 3.21 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.71
- 1.46 (m, 6H), 1.19 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 174.5, 163.0, 157.4, 142.5, 132.5, 126.2, 125.3, 118.4, 111.9, 100.5, 50.2,
44.7, 40.2, 39.9, 39.7, 39.5, 39.3, 39.1, 38.9, 36.0, 31.8, 30.2 (2C), 25.6, 24.6, 24.5.ESI HRMS計算値C1924Cl:[M+H]、m/z378.1579;実測値:378.1566。
実施例9
5-(4-(2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミドの合成
(SS-1-54)
【化31】
【0275】
5-(4-ブロモブチル)-2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン(SS-1-49)の合成:SS-1-36(300mg、1.15mmol)の撹拌したDMF(5mL)溶液に、NaH(60%、140mg、3.45mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で15分間、撹拌し、次いで、1,6-ジブロモブタン(364mg、1.7mmol)を滴下して加えた。この混合物を室温で1時間、撹拌した。反応の完了後、1N HCl水溶液を加えて、pHを6~7へと中和した。次に、この反応溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、NaSOで脱水して減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1~3%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS-1-49が無色油状物としてもたらされた。この生成物を次のステップに、直接、使用した。
【0276】
2,8-ジクロロ-5-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン(SS-1-50)の合成:SS-1-49(200mg、0.5mmol)の撹拌したキシレン/DMF(2/2mL)溶液に、Arによる保護下、室温でナトリウムアセチリド懸濁液(0.2mL、キシレン中の18重量%スラリー)を加えた。次に、この混合物を40℃で終夜、撹拌した。反応の完了後、この反応溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、NaSOで脱水して減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1~3%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS-1-50が無色油状物としてもたらされた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.09 - 7.07 (m, 4H), 6.97 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.10 (s, 4H), 2.14 (td, J = 7.0, 2.6 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 1.67- 1.64 (m, 2H), 1.55 - 1.51
(m, 2H).
【0277】
エチル5-(4-(2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート(SS-1-52)の合成:マイクロ波反応管中で、SS-1-50(100mg、0.30mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO(75mg、0.90mmol)および2-クロロ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(135mg、0.90mmol)
を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1~20%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS-1-52が明黄色油状物としてもたらされた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.09 - 7.08 (m, 4H), 6.96 - 6.93 (m, 2H), 6.31 (s, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.10 (s,
4H), 2.74 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.76 - 1.59 (m, 4H), 1.41 (t, J
= 7.1 Hz, 3H).
【0278】
5-(4-(2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド(SS-1-54)の合成:0℃で固体のNaOH(80mg、2.0mmol)をNHOH(0.5mL)の50%水溶液に溶解した。次に、上記の激しく撹拌したヒドロキシルアミン溶液に、0℃で30分間、1:1 THF/MeOH(2/2mL)中のSS-1-52(100mg、0.20mmol)の溶液を滴下して加えた。反応の完了後、1N HCl水溶液を加えて、PHを6~7へと中和した。次に、この混合物溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、NaSOで脱水して減圧下で濃縮した。MeOH(0.05%TFA)/HO(0.05%TFA)グラジエント(5~100%、方法2)を使用する分取HPLCにより粗生成物を精製すると、所望の生成物SS-1-54が白色粉末としてもたらされた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.09 - 7.07 (m, 4H), 6.95 - 6.92
(m, 2H), 6.37 (s, 1H), 3.66 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.09 (s, 4H), 2.72 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.63 - 1.57 (m, 2H);ESI HRMS計算値C2222Cl:[M+H]、m/z446
.1033;実測値:446.1020。
実施例10
HDACアイソフォーム阻害
【0279】
HDAC1およびHDAC6に対する実施例1~9の化合物のIC50値を以下の通り決定した:
【0280】
HDAC1、2、4、5、6、7、8、9、10および11のアッセイは、単離した組換えヒトタンパク質を使用した。HDAC3/NcoR2複合体をHDAC3アッセイに使用した。HDAC1、2、3、6、10および11のアッセイに対する基質は、p53残基379-382(RHKKAc)に由来する蛍光性ペプチドである。HDAC8に対する基質は、p53の残基379-382(RHKAcKAc)に基づく蛍光性ジアシルペプチドである。アセチル-Lys(トリフルオロアセチル)-AMC基質をHDAC4、5、7および9のアッセイに使用した。化合物をDMSOに溶解し、30μMで開始した3倍段階希釈による10種の用量のIC50モードで試験した。対照化合物であるトリコスタチンA(TSA)は、5μMで開始した3倍段階希釈による10種の用量ICsoで試験した。IC50値は、用量/応答傾きに曲線あてはめることにより抽出した。アッセイは、二連で行い、IC50値は、両方の実験からのデータの平均値である。
材料
【0281】
ヒトHDAC1(GenBank受託番号NM_004964):Sf9細胞におけるバキュロウイルス発現系により発現させた、C末端GSTタグを有する完全長(MW=79.9kDa)。酵素は、50mM Tris-HCl、pH8.0、138mM NaCl、20mM グルタチオンおよび10%グリセロール中にあり、-80℃で>6か月間、安定である。純度は、SDS-PAGEによって>10%である。比活性は、25mM Tris/Cl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM
MgCl、0.1mg/ml BSA、100μM HDAC基質および13.2ng/μl HDACI、30℃で30分間のインキュベートとなるアッセイ条件下では、20U/μg(1U=1pmol/分)である。
【0282】
ヒトHDAC6(GenBank受託番号BC069243):Sf9細胞におけるバキュロウイルス発現系により発現させた、N末端GSTタグを有する完全長(MW=159kDa)。酵素は、50mM Tris-HCl、pH8.0、138mM NaCl、20mM グルタチオンおよび10%グリセロール中にあり、-80℃で>6か月間、安定である。純度は、SDS-PAGEによって>90%である。比活性は、25mM Tris/Cl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl、および0.1mg/ml BSA、30μM HDAC基質および5ng/μl HDAC6、30℃で60分間のインキュベートであるアッセイ条件下では、50U/μg(1U=1pmol/分)である。
【0283】
HDAC1およびHDAC6の基質:p300およびCBPアセチルトランスフェラーゼ(リシン381、382)1-6による制御アセチル化の部位である、p53(Arg-His-Lys-Lys(Ac))の残基379-382に基づいた、HDACに対するアセチル化ペプチド基質は、p53のヒストンH3およびヒストンH4アセチル化部位上でパターン化されている基質のパネル中でHDACに対して最良である。
【0284】
参考文献:W. Guら、Cell(1997年)90巻、595頁;K. Sakaguchiら、Genes
Dev.、(1998年)12巻、2831頁;L. Liuら、Mal. Cell. Biol.、(19
99年)19巻、1202頁;A. Itoら、EMBO J.、(2001年)20巻、1331
頁;N.A. Barlevら、Mal. Cell、(2001年)8巻、1243頁;およびA. Itoら
、EMBO J.、(2002年)21巻、6236頁。
【0285】
反応緩衝液:50mM Tris-HCl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl、1mg/ml BSA。
アッセイ条件
【0286】
HDAC1:反応用緩衝液中の75nM HDAC1および50μM HDAC基質とし、1%DMSOを最終とする。30℃で2時間、インキュベートする。HDAC6:反応緩衝液中の12.6nM HDAC6および50μM HDAC基質とし、1%DMSOを最終とする。30℃で2時間、インキュベートする。
IC50の算出
【0287】
IC50値はすべて、GraphPad Prismバージョン5およびS字用量-応答(変数傾き)の式を使用して、自動的に計算する:Y=底部+(上部-底部)/(1+10^((LogEC50-X)*HillSlope))(式中、Xは濃度の対数であり、Yは応答であり、Yは、底部から始まり、S次形状を有する上部に至る)。大部分の場合、「底部」は0に設定され、「上部」は、「120%未満」に設定する。これは、4つのパラメータロジスティック式と同じである。IC50曲線はまた、GraphPad
Prismを使用して線を引く。これらの結果が、表1Bに示されている。
【表1B-1】
【表1B-2】
実施例11
SS-2-08のスクリーニング
【0288】
いくつかの前臨床スクリーニングアッセイにおけるSS-2-08の活性を表2に提示する。SS-2-08は、エームス活性が欠如しており、HDAC6に対して良好な効力、ならびにHDAC1およびHDAC11に対する選択性を示す。SS-2-08を、哺乳動物のミクロソーム酵素(S9ミックス)の存在下、および非存在下で、2株のSalmonella typhimurium(TA98およびTA1537)と共にインキュベートして、この化合物の可能な変異原性を検討した。どちらの株に対しても、有意な数の復帰突然変異株コロニーは観察されず、したがってミニ-エームスアッセイの条件下では、SS-2-08の変異原性が欠如していることを支持している。SS-2-08は、hERGに対して、>30μMとなるIC50を有する。
【表2】
実施例12
細胞培養
【0289】
glutamax(Invitrogen)、100μg/mL ストレプトマイシン、100U/mL ペニシリン(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(Greiner Bio-one)、1%非必須アミノ酸(Invitrogen)および1.6%NaHCO(Invitrogen)を補給した、DMEM(ダルベッコの改変イーグル培地)およびF12培地の1:1混合物中で、マウス神経芽細胞腫(N2a)細胞を37℃および7.5%COで成長させた。細胞を分割するため、Versene(Invitrogen)で細胞を洗浄し、0.05%トリプシン-EDTA(Invitrogen)で解離させた。DRGニューロンを、12か月齢の成体Thy1.2-HSPB1 S135Fマウスから培養した。DRGニューロンを脊髄から切除し、冷HBSS(MgClおよびCaClを含まない。Invitrogen)に維持した。DRGニューロンを抽出するため、切除した組織を37℃で、45分間、コラゲナーゼD(1mg/mL)と共にインキュベートし、次いで、0.05%トリプシン-EDTA(Invitrogen)と共に、37℃で30分間、インキュベートした。この細胞懸濁液を、10%ウシ胎児血清(Greiner-Bio)、1%非必須アミノ酸(Invitrogen)、0.14%炭酸水素ナトリウム(Invitrogen)および200nM L-グルタミン(Invitrogen)を補給したDMEM:F12培地を含有するDRG PREP培地で洗浄した。ポリ-L-オルニチン-(Sigma-Aldrich)およびラミニン-(Sigma-Aldrich)をコーティングしたカバーガラス上にDRGニューロンを播種し、4mM L-glutamax(Invitrogen)
、10%ウシ胎児血清(GreinerBio)、50μg/mLストレプトマイシン、50U/mLペニシリン(Invitrogen)、0.045%NaHCO(Invitrogen)および1.6μg神経成長因子(Millipore)を補給した、1:1のDMEMとF12培地の混合物中で成長させた。N2a細胞およびDRGニューロンを37℃で終夜、処理し、投与量は、10nM~1μMの化合物の範囲、または等用量のDMSO(Sigma-Aldrich)とした。
ウエスタンブロット解析
【0290】
処置した細胞をリン酸緩衝液生理食塩水(PBS)で洗浄し、製造業者の指示書に従い、EpiQuik Total Histone Extraction Kit(EpiGentek)を使用して採集した。組織をマウスから切除し、液体窒素中でスナップ凍結した。組織の解離は、LysisMatrix Dビーズを含有する管を使用することにより行った。タンパク質濃度は、製造業者の指示書に従い、microBCAキット(Thermo Fisher Scientific Inc.、Pittsburgh、PA、USA)を使用して決定した。12%ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)ゲル上で試料を分ける前に、等量のタンパク質を含有する試料に、還元性試料緩衝液(Thermo Scientific)を補給し、95℃で5分間、加熱した。電気泳動後、タンパク質を、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜(Millipore Corp.、Bedford、MA、USA)に移した。非特異的結合を、Tris緩衝化生理食塩水Tween(TBST)、50mM TRIS、150mM NaCl、0.1%Tween-20(Applichem、Darmstadt、Germany)中で希釈した、5%ウシ血清アルブミン(BSA)中で膜を1時間、室温でインキュベートすることによりブロッキングし、次いで、一次抗体で終夜、インキュベートした。抗体(TBS-Tに希釈)は、α-チューブリン(1/5000、T6199、Sigma-Aldrich)、アセチル化α-チューブリン(1/5000、T6793モノクローナル、Sigma-Aldrich)、ヒストンH3アセチルk9+k14(1/1000、9677L、Cell Signaling)およびヒストン4(1/1000、ab10158、Abcam)に向けたものであった。アルカリホスファターゼ(抗マウスまたは抗ウサギ、1/5000、Sigma-Aldrich)に結合した二次抗体を使用して、一次抗体のシグナルを検出した。ブロットは、ECF基質(Enhanced Chemical Fluorescence、GE
Healthcare、Uppsala、Sweden)を加えることにより可視化し、ImageQuant LAS4000で画像化した。温和な再ブロット用緩衝液(Millipore)を適用して、ブロットをストリップした。ImageQuant TLバージョン7.0ソフトウェアを使用して、ブロットを定量した。図18を参照されたい。
実施例13
細胞培養
【0291】
10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/ml)、L-グルタミン(2mM)および2-メルカプトエタノール(50μM)(完全培地)を補給したRPMI1640培地中で、ヒト黒色腫細胞WM164を培養し、加湿条件下、37℃および5%COで成長させた。
イムノブロット
【0292】
280mM NaCl、50mM Tris HCL PH8.0、0.5%Igepal、5mM MgCl2、10%グリセロールおよび1Xプロテアーゼ阻害剤(Roche)、ホスファターゼ阻害剤(Santa Cruz Biotechnology)を含有する緩衝液中に細胞を溶解した。溶解物を氷上で8分間、音波照射し(30秒間を2サイクル、30秒の休止)、次に、6×ゲルローディング用緩衝液と混合し、5分間、
煮沸した。次に、試料を10%または4~15%のグラジエントゲル上で分け、ニトロセルロース膜に移した。5%ミルク-PBS-Tweenで膜をブロッキングした。バンドを、700チャネルと800チャネルの両方を使用するLI-COR Odyssey画像化システムを用いてブロットを走査することにより検出した。イムノブロットに使用した抗体には、Santa Cruz Biotechnologyから購入した、抗アセチル-α-チューブリン(SC-23950)および抗α-チューブリン(SC-32293)が含まれた。抗HDAC6(C0226)は、Assay Biotech製であった。抗GAPDH(68795)は、Sigma Aldrich製であった。抗STAT3(12640)、抗P-STAT3 Y-705(9138)、抗P-STAT3
S727(9136)および抗Acetil-STAT3(2523)は、Cell signalingから購入した。抗PD-L1(PA5-28115)は、Thermo Scientificから得た。抗FLAG(F1804)抗体は、Sigma製であった。
【0293】
IL-6(30ng/uL)またはIFNg(100ng/uL)の存在下または非存在下で、様々な濃度のSS-01-100およびSS-02-08でヒト黒色腫WM164細胞を処置した。HDAC6の天然基質である、アセチル化チューブリンのレベルは、試験した条件のすべてにおいて向上した。図1~3を参照されたい。
実施例14
細胞培養物
【0294】
10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/ml)、L-グルタミン(2mM)および2-メルカプトエタノール(50□M)(完全培地)を補給したRPMI1640培地中で、すべての細胞を培養し、加湿条件下、37℃および5%COで成長させた。
細胞毒性アッセイ
【0295】
細胞を、黒色の透明平底96ウェルプレートで所望の密度でプレート培養した。細胞成長の24時間後に、すべてのウェルから培地を除去し、製造プロトコルを使用して、新鮮培地を蛍光CellTox色素と共に加えた。次に、このプレートを様々な濃度の化合物で、目的の化合物により処理した。プレート培養の直後に、ベースラインの読み取りを行った。次に、このプレートを24時間、インキュベートした後、次の読み取りを行い、これを24時間時の読取値と見なした。Molecular Devices分光光度計(SpectraMax)と一対になったSoftMax Pro Microplate
Data Acquisitionおよび解析ソフトウェアを使用して、アッセイの測定値を収集した。
HDACアッセイ
【0296】
細胞を、白色の透明平底96ウェルプレートで終夜、10,000個細胞/ウェルの密度でプレート培養した。次に、24時間後に、このプレートを、所望の濃度の目的の化合物で処理し、37℃および5%COで1時間、インキュベートした。化合物とのインキュベート後、製造プロトコルに従い、顕色剤を基質に加えて混合し、プレートに直接、加えた。SpectraMaxを使用して、プレート培養の直後にプレートを1時間15分、読み取り、2分毎に読み取りを行った。
【0297】
様々な濃度のSS-2-08およびSS-01-100で、ヒト黒色腫WM164細胞を処置し、これらの化合物の潜在的な細胞傷害作用に関連するHDAC活性を評価した。図4~7に示される通り、どちらの化合物も、これらの細胞中で最小限の細胞毒性作用を維持しながら、用量依存的にHDAC活性を低下させた。
【0298】
同じ実験手法の後に、ヒト細胞系:HCT116、H1299、H2122およびマウス:4T1、FARN、LLC、GL261、B16で、SS-2-08のHDAC活性阻害および細胞毒性を評価した。すべての試験した細胞系で、SS-2-08によりHDAC活性が低下した。図9を参照されたい。さらに、SS-2-08の細胞毒性は、10μMまでの最小であった。図9を参照されたい。
【0299】
いくつかの細胞系において、SS-2-08の細胞毒性およびHDAC活性阻害を、公知のHDAC6阻害剤であるネクスツラスタットAおよびツバスタチンAと比較した。図10~13を参照されたい。
実施例15
細胞培養
【0300】
1%最小必須媒体(MEM)非必須アミノ酸溶液、10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)を補給したRPMI1640培地で、マウス黒色腫SM1細胞を培養し、次に、加湿条件下、37℃および5%COで成長させた。
ApoTox-Glo Triplex Assay(登録商標)対照
【0301】
アッセイ対照のジギトニン(D141-100MG)、イオノマイシン(I064-1MG)およびマイトマイシンC(M4287-2MG)はSigmaから購入した。対照のプレート培養評価により、化合物のプレート(30μg/mLのジギトニン、100μMのイオノマイシンおよび25μg/mLのマイトマイシン)に対するHDACiの最適な対照濃度を選択した。
ApoTox-Glo Triplex Assay(登録商標)
【0302】
プロトコル推奨アッセイ対照と共に、個々のHDACiでマウス黒色腫細胞を処置した。製造業者プロトコルに従い、生存率/毒性試薬を加えた。1つの波長400Ex/505Em(生存率)および485Ex/520Em(細胞毒性)で蛍光を測定した。次に、カスパーゼ3/7試薬を加え、インキュベート後に、Lm578で発光を測定した(アポトーシス)。SpectraMaxを使用して、アッセイ測定値を収集した。解析中に、LBHを対照化合物として使用した。
【0303】
SS-2-08は、黒色腫細胞において、アポトーシスを誘発しない。公知のHDAC6阻害剤であるネクスツラスタットAおよびツバスタチンAおよびパンHDAC阻害剤であるLBH589に対して、アポトーシス、生存率および細胞毒性を評価した。図14~16を参照されたい。
実施例16
検討設計
【0304】
マウスを含む動物実験は、George Washington UniversityにおけるIACUCによりすべて承認を受けたプロトコルに準拠して行った。C57/BL/6マウスは、Charles River(Massachusetts-Wilmington、USA)から得た。in vivoでの腫瘍検討用のマウスに、100μLの1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で懸濁させた1.0×10個のSM1黒色腫細胞を右脇腹に皮下注射した。皮下注射後に、腫瘍が容易に触知可能になるまで、腫瘍成長をモニタリングした。触知可能になると(直径が5~8mm)、次に、動物を、ビヒクル対照、または25mg/kgおよび50mg/kgの用量のSS-2-08で腹腔内に、1週間に3回、処置した。腫瘍成長は、1週間に2回、記録した。腫瘍が4000mmに到達すると、マウスを安楽死させた。収集した値を、処置群に対する平均腫瘍体積(mm)および標準偏差として表す。
【0305】
SS-2-08により、図17に示される通り、同系マウスのSM1黒色腫腫瘍の腫瘍成長が低下した。
【0306】
本明細書において引用されている特許および刊行物はすべて、これらの全体が参照により完全に組み込まれている。
【0307】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式Iを有する化合物:
【化32】

または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、式中、
Xは、
【化33】

からなる群から選択され、
は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリールおよびアラルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび-C(=O)NR からなる群から選択され、
4a 、R 4b 、R 4e およびR 4f は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4c およびR 4d は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
4c とR 4d は、これらが結合している炭素原子と一緒になって-C(=O)-を形成し、
5a 、R 5b 、R 5c およびR 5d は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
Zは、-O-、-N(R )-および-C(=O)-からなる群から選択されるか、または
Zは、存在せず、
は、水素、C 1~4 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、アラルキル、必要に応じて置換
されている5~14員のヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群から選択され、
mは、0、1または2であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
【化34】

は、単結合または二重結合を表し、
、R 、R およびR は、水素、C 1~6 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成するか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであるが、但し、
Zが存在しない場合、R は、二環式または三環式C 10~14 アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NR であることを条件とする、
化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項2)
XがX-1である、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項3)
が、必要に応じて置換されているフェニルである、上記項1もしくは2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項4)
が、必要に応じて置換されている1-ナフチルである、上記項1もしくは2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項5)
が、必要に応じて置換されている2-ナフチルである、上記項1もしくは2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項6)
XがX-2である、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項7)
Zが-O-である、上記項6に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項8)
XがX-3である、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項9)
XがX-4である、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項10)
XがX-5である、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項11)
式II:
【化35】

を有する、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、式中、
6a 、R 6b 、R 6c 、R 6d およびR 6e は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびR は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであり、
nは、1、2または3である、
化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項12)
6a 、R 6b 、R 6c 、R 6d およびR 6e が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシおよびC 1~4 ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、上記項11に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項13)
6a 、R 6b 、R 6c 、R 6d およびR 6e が、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~4 アルキルおよびC 1~4 アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される、上記項12に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項14)
式III:
【化36】

を有する、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、式中、
7a 、R 7b 、R 7c 、R 7d およびR 7e は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびR は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか
、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであり、
nは、1、2または3である、
化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項15)
7a 、R 7b 、R 7c 、R 7d およびR 7e が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシおよびC 1~4 ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、上記項14に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項16)
7a 、R 7b 、R 7c 、R 7d およびR 7e が、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~4 アルキルおよびC 1~4 アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択される、上記項15に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項17)
式IV:
【化37】

を有する、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、式中、
4a およびR4bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択され、
R4cおよびR4dは、水素およびメチルからなる群から独立して選択され、
mは、0または1であり、
nは、1、2または3であり、
【化38】

は、単結合または二重結合を表す、
化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項18)
mが0であり、
【化39】

が、二重結合を表す、上記項17に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項19)
mが1であり、
【化40】

が、単結合を表す、上記項17に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項20)
式V:
【化41】

を有する、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、式中、
5a およびR 5c は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~4 アルキルおよびC 1~4 アルコキシからなる群から独立して選択され、
nは、1、2または3である、
化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項21)
nが1または2である、上記項1~20のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項22)
5-(2-ベンズアミドエチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(3,4-ジクロロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(2-ナフトアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-([1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(5,6-ジクロロ-1H-インドール-1-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(6-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(6-クロロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-(3,4-ジクロロフェノキシ)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-ブロモベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-フルオロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-クロロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(4-メトキシベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-(ジメチルアミノ)ベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-シクロプロピルベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(3,4-ジフルオロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(3-クロロ-4-フルオロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4-クロロ-3-フルオロベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(3-(ジメチルアミノ)ベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(3-(ピリジン-3-イル)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-ベンズアミドプロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(4,5-ジクロロインドリン-1-カルボキサミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-((6,7-ジクロロイソキノリン-3-イル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-(5,6-ジクロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-((5,6-ジクロロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)オキシ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(4-((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(4,5-ジクロロインドリン-1-イル)-4-オキソブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-((6,7-ジクロロキノリン-2-イル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-(5,6-ジクロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-(5,6-ジクロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
2-(3-(ヒドロキシカルバモイル)イソオキサゾール-5-イル)エチル4,5-ジクロロインドリン-1-カルボキシレート;
5-(2-((6,7-ジクロロナフタレン-2-イル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-((5,6-ジクロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(フェナントリジン-6-イルアミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(2-(3,4-ジクロロフェニル)アセトアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(6,7-ジクロロ-1-オキソ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-((5,6-ジクロロイソキノリン-1-イル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(2-(2-フェニルアセトアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
2-(3-(ヒドロキシカルバモイル)イソオキサゾール-5-イル)エチル(3,4-ジクロロフェニル)(メチル)カルバメート;
5-(2-((5,6-ジクロロイソキノリン-1-イル)オキシ)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(2-(N-ブチルベンズアミド)エチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(3-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(3-(ナフタレン-1-イルアミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(3-(キノリン-8-イルアミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(8-クロロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-b]インドール-5-イル)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-((4-クロロフェニル)(シクロヘキシル)アミノ)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-(ビス(4-クロロフェニル)アミノ)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
5-(4-((4-クロロベンジル)(4-クロロフェニル)アミノ)ブチル)-N-ヒドロキシイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-ヒドロキシ-5-(3-(ナフタレン-1-イルオキシ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;および
N-ヒドロキシ-5-(3-(キノリン-8-イルオキシ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド
からなる群から選択される、上記項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(項23)
上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびに薬学的に許容される賦形剤および/または担体を含む組成物。
(項24)
(a)上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、
(b)HDACの阻害が利益をもたらす疾患または状態の処置において有用な、第2の治療剤、ならびに
(c)必要に応じた賦形剤および/または薬学的に許容される担体
を含む、組成物。
(項25)
前記第2の治療剤が、がんの処置に有用な化学療法剤を含む、上記項24に記載の組成物。
(項26)
HDACの阻害が利益をもたらす、疾患または状態を処置する方法であって、前記方法が、それを必要とする個体に、治療有効量の上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
(項27)
前記HDACがHDAC6である、上記項26に記載の方法。
(項28)
前記疾患または状態の処置に有用な、治療有効量の第2の治療剤を投与するステップを
さらに含む、上記項26に記載の方法。
(項29)
上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、および前記第2の治療剤が、同時に投与される、上記項28に記載の方法。
(項30)
上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、および前記第2の治療剤が、個別に投与される、上記項28に記載の方法。
(項31)
前記疾患または状態が、がんである、上記項26に記載の方法。
(項32)
前記疾患ががんであり、前記第2の治療剤が、化学療法剤、放射線および免疫療法の1つまたは複数である、上記項28に記載の方法。
(項33)
前記第2の治療剤が、放射線を含み、前記放射線が、必要に応じて、放射線増感剤および/または治療剤と共に投与される、上記項28に記載の方法。
(項34)
前記疾患または状態が、神経系疾患、神経変性障害、末梢神経障害、精神性疾病または外傷性脳損傷である、上記項26に記載の方法。
(項35)
前記疾患または状態が脳卒中である、上記項26に記載の方法。
(項36)
前記疾患または状態が炎症または自己免疫疾患である、上記項26に記載の方法。
(項37)
前記疾患または状態がシャルコー-マリー-トゥース病である、上記項26に記載の方法。
(項38)
前記自己免疫疾患または前記炎症の処置に有用な、治療有効量の第2の治療剤を投与するステップをさらに含む、上記項36に記載の方法。
(項39)
前記疾患または状態が、自閉症、またはレット症候群を含む自閉症スペクトラム障害である、上記項26に記載の方法。
(項40)
前記疾患または状態がうつ病または双極性障害である、上記項26に記載の方法。
(項41)
放射線療法および/または化学療法の細胞傷害作用に対するがん細胞の感受性を増大させる方法であって、前記方法が、前記放射線療法および/または前記化学療法に対する前記細胞の感受性を増大させるのに十分な量の上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、前記細胞を接触させるステップを含む、方法。
(項42)
前記細胞が、in vivoでの細胞である、上記項41に記載の方法。
(項43)
免疫抑制を生じさせる方法であって、前記方法が、それを必要とする個体に、有効量の上記項1~22のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
(項44)
前記化合物が、蛍光色素、 H、 11 C、 18 F、 123 I、 125 Iおよび 131 Iから選択される放射性同位体、分子タグまたはそれらの混合物で標識されている、上記項
1~22のいずれか一項に記載の化合物。
(項45)
前記標識が、C 11 メチル基を含む、上記項44に記載の化合物。
(項46)
放射線画像化方法であって、前記方法が、細胞または組織を、上記項44に記載の放射標識化合物と接触させるステップを含む、方法。
(項47)
接触させた細胞または組織の放射線画像を作製するステップをさらに含む、上記項46に記載の方法。
(項48)
式VIを有する化合物:
【化42】

であって、式中、
Xは、
【化43】

からなる群から選択され、
は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリールおよびアラルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび-C(=O)NR からなる群から選択され、
4a 、R 4b 、R 4e およびR 4f は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4c およびR 4d は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
4c とR 4d は、これらが結合している炭素原子と一緒になって-C(=O)-を形成し、
5a 、R 5b 、R 5c およびR 5d は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シア
ノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
Zは、-O-、-N(R )-および-C(=O)-からなる群から選択されるか、または
Zは、存在せず、
は、水素、C 1~4 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、アラルキル、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群から選択され、
は、C 1~4 アルキルであり、
mは、0、1または2であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
【化44】

は、単結合または二重結合を表し、
、R 、R およびR は、水素、C 1~6 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成するか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであるが、
但し、Zが存在しない場合、R は、二環式または三環式C 10~14 アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NR であることを条件とする、
化合物。
(項49)
XがX-1である、上記項49に記載の化合物。
(項50)
が必要に応じて置換されているフェニルである、上記項48または49に記載の化合物。
(項51)
が必要に応じて置換されている1-ナフチルである、上記項48または49に記載の化合物。
(項52)
が必要に応じて置換されている2-ナフチルである、上記項48または49に記載の化合物。
(項53)
XがX-2である、上記項48に記載の化合物。
(項54)
Zが-O-である、上記項48または53に記載の化合物。
(項55)
XがX-3である、上記項48に記載の化合物。
(項56)
XがX-4である、上記項48に記載の化合物。
(項57)
XがX-5である、上記項48に記載の化合物。
(項58)
式VII:
【化45】

を有する、上記項48に記載の化合物であって、式中、
6a 、R 6b 、R 6c 、R 6d およびR 6e は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびR は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであり、
nは、1、2または3である、
化合物。
(項59)
式VIII:
【化46】

を有する、上記項48に記載の化合物であって、式中、
7a 、R 7b 、R 7c 、R 7d およびR 7e は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキル、ハロアルコキシ、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロアリールおよび必要に応じて置換されている5員または6員のヘテロシクロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびR は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであり、
nは、1、2または3である、
化合物。
(項60)
式IX:
【化47】

を有する、上記項48に記載の化合物であって、式中、
4a およびR 4b は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~4 アルキルおよびC 1~4 アルコキシからなる群から独立して選択され、
4c およびR 4d は、水素およびメチルからなる群から独立して選択され、
mが、0または1であり、
nは、1、2または3である、
化合物。
(項61)
式X:
【化48】

を有する、上記項48に記載の化合物であって、式中、
5a およびR 5c は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~4 アルキルおよびC 1~4 アルコキシからなる群から独立して選択され、
nは、1、2または3である、
化合物。
(項62)
エチル5-(2-ベンズアミドエチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(3,4-ジクロロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(2-ナフトアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-([1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(5,6-ジクロロ-1H-インドール-1-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(6-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(6-クロロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(3,4-ジクロロフェノキシ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(2,8-ジクロロ-10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-ブロモベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-フルオロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-クロロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-メトキシベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-(ジメチルアミノ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-シクロプロピルベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(3,4-ジフルオロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(3-クロロ-4-フルオロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-クロロ-3-フルオロベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(3-(ジメチルアミノ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(3-(ピリジン-3-イル)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-ベンズアミドプロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4,5-ジクロロインドリン-1-カルボキサミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((6,7-ジクロロイソキノリン-3-イル)アミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(5,6-ジクロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((5,6-ジクロロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)オキシ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(4,5-ジクロロインドリン-1-イル)-4-オキソブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((6,7-ジクロロキノリン-2-イル)アミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(5,6-ジクロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(5,6-ジクロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((4,5-ジクロロインドリン-1-カルボニル)オキシ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((6,7-ジクロロナフタレン-2-イル)アミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((5,6-ジクロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)アミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(フェナントリジン-6-イルアミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(2-(3,4-ジクロロフェニル)アセトアミド)エチル)イソオ
キサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(6,7-ジクロロ-1-オキソ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((5,6-ジクロロイソキノリン-1-イル)アミノ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(2-フェニルアセトアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(((3,4-ジクロロフェニル)(メチル)カルバモイル)オキシ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-((5,6-ジクロロイソキノリン-1-イル)オキシ)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(2-(N-ブチルベンズアミド)エチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-((3,4-ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(ナフタレン-1-イルアミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(キノリン-8-イルアミノ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(8-クロロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-b]インドール-5-イル)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-((4-クロロフェニル)(シクロヘキシル)アミノ)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-(ビス(4-クロロフェニル)アミノ)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(4-((4-クロロベンジル)(4-クロロフェニル)アミノ)ブチル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;
エチル5-(3-(ナフタレン-1-イルオキシ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート;および
エチル5-(3-(キノリン-8-イルオキシ)プロピル)イソオキサゾール-3-カルボキシレート
からなる群から選択される、上記項48に記載の化合物。
(項63)
上記項1に記載の化合物を作製する方法であって、前記方法が、
(1)式VIを有する化合物:
【化49】

であって、式中、
Xは、
【化50】

からなる群から選択され、
は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリールおよびアラルキルからなる群から選択され、
は、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよび-C(=O)NR からなる群から選択され、
4a 、R 4b 、R 4e およびR 4f は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
4c およびR 4d は、水素およびC 1~4 アルキルからなる群から独立して選択されるか、または
4c とR 4d は、これらが結合している炭素原子と一緒になって-C(=O)-を形成し、
5a 、R 5b 、R 5c およびR 5d は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-NR 、-C(=O)NR 、-C(=O)R 、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から独立して選択され、
Zは、-O-、-N(R )-および-C(=O)-からなる群から選択されるか、または
Zは、存在せず、
は、水素、C 1~4 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、アラルキル、必要に応じて置換されている5~14員のヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群から選択され、
は、C 1~4 アルキルであり、
mは、0、1または2であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
【化51】

は、単結合または二重結合を表し、
、R 、R およびR は、水素、C 1~6 アルキル、必要に応じて置換されているC 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC ~C 14 アリール、必要に
応じて置換されている5~14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成するか、または
およびR は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されている3~12員のヘテロシクロを形成し、
は、C 1~4 アルキルであるが、
但し、Zが存在しない場合、R は、二環式または三環式C 10~14 アリール、9~14員の二環式もしくは三環式ヘテロアリール、または-C(=O)NR であることを条件とする、
式VIを有する化合物を、溶媒の存在下でNH OHと接触させるステップ、
および
(2)式Iを有する化合物を単離するステップ
を含む、方法。
(項64)
式VIを有する化合物をNH OHと接触させる前記ステップが、NaOHの存在下で行われる、上記項63に記載の方法。
(項65)
式VIを有する化合物をNH OHと接触させる前記ステップが、約0℃の温度で行われる、上記項63または64に記載の方法。
(項66)
前記溶媒が、水、メタノールもしくはテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物を含む、上記項63~65のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18