IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤーマン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-美容機器 図1
  • 特開-美容機器 図2
  • 特開-美容機器 図3
  • 特開-美容機器 図4
  • 特開-美容機器 図5
  • 特開-美容機器 図6
  • 特開-美容機器 図7
  • 特開-美容機器 図8
  • 特開-美容機器 図9
  • 特開-美容機器 図10
  • 特開-美容機器 図11
  • 特開-美容機器 図12
  • 特開-美容機器 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052990
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】美容機器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20240405BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033170
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2019141623の分割
【原出願日】2019-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
(57)【要約】
【課題】肌の温めと、不快感を抑えた筋刺激を両立する。
【解決手段】ヘッド20は、第1電極21、第2電極22A、第2電極22B、第2電極
22Cおよび絶縁部23を有する。第1電極21から第2電極22A、第2電極22B、
第2電極22Cまでの距離は、第2電極22A、第2電極22B、第2電極22C同士の
間の距離より短くなっている。RFの信号を身体に出力するときには、第1電極21と第
2電極22A、第2電極22B、第2電極22Cで出力し、EMSのための信号を身体に
出力するときには、第2電極22A、第2電極22B、第2電極22Cから選択した2つ
の電極で出力する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周が円、楕円または三角形である第1電極と、
前記第1電極の周囲に位置し、前記第1電極までの距離が予め定められた第1範囲内で
あり、隣りとの距離が予め定められた第2範囲内である三つの第2電極と、
第1信号を出力するときには前記第1電極と少なくとも一の前記第2電極で出力し、前
記第1信号と周波数が異なる第2信号を出力するときには前記複数の第2電極で出力する
出力部と
を備える美容機器。
【請求項2】
前記第1電極から前記第2電極までの距離は、隣り合う前記第2電極同士の間の距離よ
り短い
請求項1に記載の美容機器。
【請求項3】
前記第2信号の周波数は前記第1信号の周波数より低い
請求項2に記載の美容機器。
【請求項4】
前記第2電極において隣り合う他の第2電極の端面と向かい合う端面は、当該他の第2
電極の端面と平行である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項5】
前記出力部は、前記第2信号を出力する前記第2電極の組を予め定められたタイミング
で変更する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項6】
前記出力部は、前記第2信号を出力する前記第2電極の組を、前記第2信号を出力する
毎に切り替える
請求項5に記載の美容機器。
【請求項7】
前記第2電極の表面は、前記第1電極の表面より突き出ている
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項8】
前記第2電極は、前記第1電極の方向と反対方向へ凸な弧状である
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の美容機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体に電流を流す美容機器の発明として、例えば特許文献1に開示された美容機器があ
る。この美容機器は、中央から枝分かれして直線且つ放射方向に延びた四つの分枝を有す
る第1電極と、各分枝間に位置する三角形の当接部を有し、RF(Radio Frequency:ラ
ジオ波)出力では第1電極と当接部との間にRF電圧を印加し、EMS(Electrical Mus
cle Stimulation)出力では第1電極部と当接部との間にEMS電圧を印加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6445212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFの信号を出力する際には電圧が印加される電極間の距離を長くすると、肌が温まり
にくくなり、電極間の距離を短くするのが好ましい。一方、EMSのための信号を出力す
る際には、電圧が印加される電極間の距離を短くすると、ビリビリとした不快感をユーザ
が覚えることとなる。
【0005】
本発明は、肌の温めと、不快感を抑えた筋刺激を両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、外周が円、楕円または三角形である第1電極と、前記第1電極の周囲に位置
し、前記第1電極までの距離が予め定められた第1範囲内であり、隣りとの距離が予め定
められた第2範囲内である三つの第2電極と、第1信号を出力するときには前記第1電極
と少なくとも一の前記第2電極で出力し、前記第1信号と周波数が異なる第2信号を出力
するときには前記複数の第2電極で出力する出力部とを備える美容機器を提供する。
【0007】
また、本発明においては、前記第1電極から前記第2電極までの距離は、隣り合う前記
第2電極同士の間の距離より短い構成としてもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記第2信号の周波数は前記第1信号の周波数より低い構成
としてもよい。
【0009】
また、本発明においては、前記第2電極において隣り合う他の第2電極の端面と向かい
合う端面は、当該他の第2電極の端面と平行である構成としてもよい。
【0010】
また、本発明においては、前記出力部は、前記第2信号を出力する前記第2電極の組を
予め定められたタイミングで変更する構成としてもよい。
【0011】
また、本発明においては、前記出力部は、前記第2信号を出力する前記第2電極の組を
、前記第2信号を出力する毎に切り替える構成としてもよい。
【0012】
また、本発明においては、前記第2電極の表面は、前記第1電極の表面より突き出てい
る構成としてもよい。
【0013】
また、本発明においては、前記第2電極は、前記第1電極の方向と反対方向へ凸な弧状
である構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、RFの信号で肌を温め、EMSのための信号を出力したときに肌の不
快感を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る美容機器1の斜視図。
図2】美容機器1の正面図。
図3】美容機器1の上面図。
図4】美容機器1の側面図。
図5】美容機器1のヘッド20を回転させた状態を示す図。
図6】美容機器1のヘッド20を回転させた状態を示す図。
図7】ヘッド20の拡大図。
図8】美容機器1のブロック図。
図9】第2電極22D~第2電極22Gを有するヘッド20を示す図。
図10】タイプ1~タイプ7のヘッド20における各種寸法を示す図。
図11】体感の評価結果を示す図。
図12】体感の評価結果を示す図。
図13】変形例に係る電極を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る美容機器1の斜視図、図2は、美容機器1の正面図、
図3は、美容機器1の上面図、図4は、美容機器1の側面図である。美容機器1は、電気
信号を顔に出力することにより顔の皮膚の加温や顔の筋肉の収縮を行う機器である。本実
施形態においては、美容機器1は、RFの電気信号と、EMSのための電気信号を出力可
能となっている。
【0017】
美容機器1は、本体10とヘッド20を有する。本体10は、美容機器1を操作するた
めの複数のボタン31と、複数のLED32を有する。本体10は、本発明に係る被把持
部の一例である。美容機器1においては、ボタン31を操作することにより、電源のオン
/オフ、出力する信号の切り替えなど行うことができる。LED32は、発光ダイオード
である。点灯するLED32の数により、出力する電気信号の強さがユーザに示される。
また、本体10は、美容機器1の電源となる電源、身体に出力する電気信号を生成する電
気回路、出力する電気信号を制御する制御部を内部に備える。電源は、例えば二次電池で
あるが、一次電池であってもよく、また、家庭用の交流電源を電源としてもよい。
【0018】
ヘッド20は、第1電極21、第2電極22A、第2電極22B、第2電極22C、絶
縁部23、半球電極40Aおよび半球電極40Bを有する。第1電極21は、本発明に係
る第1電極の一例であり、第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cは、本
発明に係る第2電極の一例である。ヘッド20は、本体10に対して無段階で自在に回転
する。ヘッド20は、本発明に係る回転部の一例である。
【0019】
表面が平坦な絶縁部23は、絶縁性を有する素材で形成されており、第1電極21と第
2電極22Aとの間、第1電極21と第2電極22Bとの間、第1電極21と第2電極2
2Cとの間、第2電極22Aと第2電極22Bとの間、第2電極22Bと第2電極22C
との間、および第2電極22Cと第2電極22Aとの間を絶縁する。絶縁部23の表面は
、本体10に対して傾斜している。例えば、本体10の垂直方向の中心線を含み、正面か
ら見て左右に延びる平面を想定した場合、この想定した面と絶縁部23の表面とのなす角
度θが10度となっている。また、絶縁部23の表面に垂直な絶縁部23の中心線を想定
した場合、この中心線は、ヘッド20の回転軸に対して平行となっておらず、ヘッド20
の回転軸に対して傾斜している。ヘッド20の回転軸に対するこの中心線の傾きの角度も
10度となっている。なお、これらの角度は10度に限定されるものではなく10度以外
の角度であってもよい。
【0020】
第1電極21は、導電性を有する素材で形成されており、RFの電気信号を身体に出力
するときに使用される電極である。本実施形態においては、第1電極21は、外縁が円で
ある円環形状であり、ヘッド20の中央に配置されている。第1電極21の表面は、絶縁
部23の表面に対して平行となっている。本実施形態においては、第1電極21の直径B
は、10mm~30mmの範囲内であるのが好ましい。なお、第1電極21の形状は円環
形状に限定されるものではなく、円盤形状であってもよい。
【0021】
第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cは、導電性を有する素材で形成
されており、RFの電気信号を身体に出力するときと、EMSのための電気信号を身体に
出力するときに使用される電極である。第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極
22Cの構成は同じであるため、以下の説明で各々を区別する必要がない場合は、第2電
極22と称する。
【0022】
本実施形態においては、第2電極22は、第1電極21の方向と反対方向へ凸な円弧形
状であり、第1電極21と同心で正面から見て第1電極21の外周より外側に配置されて
いる。第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cは、それぞれ円弧形状の周
方向の長さが同じとなっている。また、第2電極22の表面は、絶縁部23の表面に対し
て平行となっている。本実施形態においては、第2電極22A、第2電極22Bおよび第
2電極22Cの外周を結ぶ円の直径Aを20mm~50mmの範囲内とするのが好ましい
【0023】
半球電極40Aおよび半球電極40Bは、ヘッド20において絶縁部23の外周より外
側に配置されている。半球電極40Aおよび半球電極40Bは、導電性を有する素材で形
成されており、先端が半円球に形成された突起の形状となっている。半球電極40Aおよ
び半球電極40Bは、本発明に係る突起の一例である。半球電極40Aおよび半球電極4
0Bは、RFの電気信号を身体に出力するときと、EMSのための電気信号を身体に出力
するときに使用される電極である。また、半球電極40Aおよび半球電極40Bは、例え
ば指圧を行うときにも使用される。
【0024】
図5は、図2に示した状態からヘッド20を90度回転させたときの、美容機器1の正
面、上面、下面、右側面および左側面を示した図である。図6は、図2に示した状態から
ヘッド20を180度回転させたときの、美容機器1の正面、上面、下面、右側面および
左側面を示した図である。
【0025】
ヘッド20は、本体10に対して回転可能となっており、絶縁部23の表面に垂直な絶
縁部23の中心線を想定した場合、この中心線は、ヘッド20の回転軸に対して平行では
なく、ヘッド20の回転軸に対して傾斜しているため、ヘッド20を回転させることによ
り、身体に対して第1電極21の表面および第2電極22の表面を様々な角度で接触させ
ることができる。
【0026】
例えば、図1から図4に示した状態をヘッド20の回転角度が0度の状態と規定する。
回転角度が0度のときは、絶縁部23の表面、第1電極21の表面および第2電極22の
表面は、側面側から見ると、図4に示すように上側に向く状態となるため、本体10を把
持したときに、第1電極21および第2電極の表面をフェイスラインに当てやすくなる。
【0027】
図5に示すように回転角度が90度のときは、絶縁部23の表面、第1電極21の表面
および第2電極22の表面は、正面から見ると左側に向く状態となるため、本体10を把
持したときに、本体10を把持して第1電極21及び第2電極22の表面を顔に当てる際
に、顔の右半分に対して第1電極21および第2電極を当てやすくなる。なお、図示して
いないが、回転角度が270度の場合、絶縁部23の表面、第1電極21の表面および第
2電極22の表面は、正面から見ると右側に向く状態となるため、本体10を把持して第
1電極21及び第2電極22の表面を顔に当てる際に、顔の左半分に対して第1電極21
および第2電極を当てやすくなる。
【0028】
図6に示すように、回転角度が180度のときは、絶縁部23の表面、第1電極21の
表面および第2電極22の表面は、側面側から見ると、下側に向く状態となるため、本体
10を把持したときに、第1電極21および第2電極の表面を鼻に対して当てやすくなる
。また、半球電極40Aおよび半球電極40Bが美容機器1の長手方向の端に位置するた
め、半球電極40Aおよび半球電極40Bを、例えば目尻や小鼻の周囲に当てやすくなる
【0029】
図7は、ヘッド20を拡大した図である。第1電極21の外周から第2電極22Aの内
周までの距離D11、第1電極21の外周から第2電極22Bの内周までの距離D12、
および第1電極21の外周から第2電極22Cの内周までの距離D13は同じ距離(距離
D11=距離D12=距離D13)となっている。隣り合う第2電極22間の距離につい
ては、第2電極22Aと第2電極22Bとの間の距離D21と、第2電極22Bと第2電
極22Cとの間の距離D22と、第2電極22Cと第2電極22Aとの間の距離D23は
、同じ距離となっている(距離D21=距離D22=距離D23)。また、距離D21は
、距離D11より長い距離となっている。即ち、隣り合う第2電極22間の距離は、第1
電極21と第2電極22との間の距離より長い距離となっている。例えば、距離D11、
距離D12および距離D13は、3mmであり、距離D21、距離D22および距離D2
3は、10mmである。なお、距離D21、距離D22、距離D23>距離D11、距離
D12、距離D13の関係を満たしていれば、例えば、距離D11、距離D12および距
離D13は、1mm~10mmの範囲内であり、距離D21、距離D22および距離D2
3は、5mm~20mmの範囲内であってもよい。また、平坦な絶縁部23の表面から第
2電極22の上面までの高さは、絶縁部23の表面から第1電極21の上面までの高さよ
り高くなっている。例えば、絶縁部23の表面から第2電極22の上面までの高さは1.
6mmであり、絶縁部23の表面から第1電極21の上面までの高さは1mmとなってい
る。第1電極21と第2電極22の高さの差は、0mm~2mmの範囲内であるのが好ま
しい。なお、距離D11、距離D12および距離D13は同じ距離でなく、予め定められ
た範囲内の距離であってもよい。また、距離D21、距離D22および距離D23につい
ても、同じ距離でなく、予め定められた範囲内の距離であってもよい。
【0030】
また本実施形態においては、第2電極22において隣り合う他の第2電極22の端面と
向かい合う端面は、他の第2電極22の端面と平行となっている。具体的には、第2電極
21Aの周方向の端面で第2電極21B側の端面と、第2電極21Bの周方向の端面で第
2電極21A側の端面は平行となっている。また、第2電極21Bの周方向の端面で第2
電極21C側の端面と、第2電極21Cの周方向の端面で第2電極21B側の端面は平行
となっている。また、第2電極21Cの周方向の端面で第2電極21A側の端面と、第2
電極21Aの周方向の端面で第2電極21C側の端面は平行となっている。
【0031】
図8は、美容機器1のブロック図である。出力部102は、RFの電気信号である第1
周波数の第1信号と、EMSのための電気信号であって第1信号より低い第2周波数の第
2信号を出力する電気回路を有する。出力部102は、本発明に係る出力部の一例である
。出力部102は、制御部101により制御され、第1信号または第2信号を出力する。
出力部102は、第1信号を出力する際には、第2電極22と第1電極21の組または半
球電極40Aと半球電極40Bの組で皮膚に第1信号を出力する。また、出力部102は
、第2信号を出力するときには、第2電極22Aと第2電極22Bの組、第2電極22B
と第2電極22Cの組、第2電極22Cと第2電極22Aの組、半球電極40Aと半球電
極40Bの組のいずれかで第2信号を出力する。
【0032】
制御部101は、例えば、記憶しているプログラムに従って動作するマイクロコンピュ
ータである。制御部101は、出力部102を制御し、身体への電気信号の出力のオン/
オフや、出力する電気信号の種類を制御する。
【0033】
例えば、制御部101は、ボタン31に対して予め定められた操作が行われると、第1
信号と第2信号が交互に出力されるように出力部102を制御する。具体的には、まず制
御部101は、第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cと第1電極21と
の間で身体を介して電流が流れるように第1信号を出力する。第1電極21および第2電
極22が顔の皮膚に接触している場合、出力された第1信号により皮膚が温められ、温め
られた部分の代謝が向上する。本実施形態においては、第1信号の周波数は1MHz~3
MHzの範囲内であるが、この範囲内に限定されるものではなく、皮膚を温める作用があ
れば他の周波数であってもよい。
【0034】
制御部101は、第1信号の出力を開始してから予め定められた時間が経過すると、第
1信号の出力を停止し、第2電極22Aと第2電極22Bの組、第2電極22Bと第2電
極22Cの組、第2電極22Cと第2電極22Aの組のいずれかで、組となった電極間で
身体を介して電流が流れるように第2信号を出力する。この第1信号が出力されている予
め定められた時間は、本実施形態では40msとなっているが、40msに限定されるも
のではなく、他の時間であってもよい。第1電極21および第2電極22が顔の皮膚に接
触している場合、出力された第2信号により顔の表情筋が収縮し、皮膚の張りや弾力が向
上する。本実施形態においては、第2信号の周波数は70kHz~110kHzの範囲内
となっているが、この範囲内に限定されるものではなく、筋肉を収縮させる作用があれば
他の周波数であってもよい。
【0035】
制御部101は、第2信号の出力を開始してから予め定められた時間が経過すると、第
2信号の出力を停止し、第2電極22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cと第1電
極21との間で身体を介して電流が流れるように第1信号を出力する。この第2信号が出
力されている予め定められた時間は、本実施形態では25msとなっているが、25ms
に限定されるものではなく、他の時間であってもよい。この後、制御部101は、上述し
た動作を繰り返すことにより第1信号の出力と第2信号の出力を交互に行い、最初に第1
信号の出力を開始してから予め定められた時間が経過すると、電気信号の出力を停止する
。なお、本実施形態においては、第1信号の出力期間と第2信号の出力期間は同じである
が、第1信号の出力期間と第2信号の出力期間が異なる構成であってもよい。
【0036】
また、制御部101は、第1信号と第2信号を半球電極40Aと半球電極40Bから出
力させる操作が行われると、半球電極40Aと半球電極40Bの組から第1信号と第2信
号が交互に出力されるように出力部102を制御する。
【0037】
本実施形態によれば、第1信号を出力するときには、第1信号を出力するための第1電
極21と第2電極22間の距離が皮膚を温めるのに適した距離(距離D11、距離D12
、距離D13)となっているため、皮膚が加熱されにくくなるということがない。また、
第2信号については、出力する電極間の距離が離れているほど筋肉がより動き、出力する
電極において皮膚に接する面積が大きくなるにつれて単位面積あたりの出力が下がり、筋
肉に対する刺激が少なくなる。本実施形態においては、第2信号を出力するときには、第
2信号を出力する二つの第2電極22間の距離が第2信号を出力するのに適した距離(距
離D21、距離D22、距離D23)と面積になっているため、第2信号を出力したとき
に皮膚の不快感を抑えることができる。
【0038】
図9は、4つの第2電極22D、第2電極22E、第2電極22Fおよび第2電極22
Gを有するヘッド20Aの一部を示す図である。図9に示す構成の場合、絶縁部23の直
径と第1電極21の直径は、図7に示す絶縁部23および第1電極21の直径と同じであ
る。この場合、第1電極21から第2電極22D、第2電極22E、第2電極22Fおよ
び第2電極22Gのそれぞれまでの距離が距離D11と同じであると、第2電極22D、
第2電極22E、第2電極22Fおよび第2電極22Gの各々の表面の面積は、第2電極
22A、第2電極22Bおよび第2電極22Cの各々の表面の面積より狭くなり、単位面
積あたりの出力が上がり、筋肉に対する刺激が多くなり、不快感を与える虞がある。本実
施形態では、第2電極22の数が3つであり、図9に示す構成と比較すると、電極22A
、第2電極22Bおよび第2電極22Cの各々の表面の面積を広くできるため、単位面積
あたりの出力が下がり、筋肉に対する刺激が少なくなり、不快感を抑えることができる。
【0039】
また、図9に示す構成の場合、隣り合う第2電極22の組で第2信号を出力すると、第
2信号が流れる方向は、図9の上下方向と左右方向となる。一方、本実施形態においては
、第2電極22Aから第2電極22Bの方向、第2電極22Bから第2電極22Cの方向
、第2電極22Cから第2電極22Aの方向の3方向となり、図9に示す構成より、より
多い方向で筋肉を刺激することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、第1信号を40msの期間で出力した後、第2信号を25
msの期間で出力するという出力を繰り返すことにより、肌の温めと筋収縮を短い周期で
繰り返し、温感を維持したまま筋収縮を行うことができる。また、本実施形態では、第2
信号を出力する第2電極22の組が切り替わるため、ヘッド20を移動させなくても、第
2信号を出力する第2電極22の組が切り替わる毎に第2信号が作用する位置が変わり、
第2信号を出力する第2電極22の組を切り替えない構成と比較すると、タッピングと同
様の体感を得ることができ、筋肉をより刺激することができる。なお、第1信号を出力す
る期間を250msとし、第2信号を出力する期間を250msとしてもよい。このよう
な出力によれば、美容機器1の使用者は、第2信号が出力されたときに肌が吸い付くよう
な体感を得ることができる。
【0041】
次に、第1電極21と第2電極22に係る寸法を変更して行った体感評価の結果を、図
10~図12を用いて説明する。体感評価においては、タイプ1、3、5、7のヘッド2
0を作成し、タイプ1、3、5、7のそれぞれについて、第1電極21と第2電極22に
係る寸法を図10に示す寸法とした。なお、第2電極22の面積については、一つの第2
電極22の面積を示している。また、面積比率については、直径Aの円の面積に対する一
つの第2電極22の面積の比率を示している。
【0042】
図11は、第1電極21と第2電極22の高さに差があるタイプ1、3、5、および第
1電極21と第2電極22の高さが同じであるタイプ7について、電極の面積の違いによ
るEMSの体感を比較し、4人の被験者による評価結果を示したものである。図12は、
タイプ1とタイプ5について、EMSの体感の評価を5段階に分けて評価した結果を示し
たものであり、痛くて使用できない場合を1、痛みを我慢できるが悪い場合を2、可も不
可もない場合を3、概ね良い場合を4、改善の余地なく良い場合を5としている。
【0043】
タイプ1とタイプ3との比較では、EMSの体感については、電極の面積が広いタイプ
3についてビリビリ感が少ないとの評価があるものの、顔に当てたときの体感については
、直径Aが小さいタイプ1の方によい評価があり、顔へのEMSについては、第2電極2
2A、第2電極22Bおよび第2電極22Cの全てが顔に当たる直径Aであることが好ま
しい。また、直径Aの円の面積に対する一つの第2電極22の面積の比率という観点に着
目すると、面積比率の大きいタイプ1の方によい評価があり、顔へのEMSについては、
ヘッド20において第2電極22の面積を広くとることが好ましいことが分かる。
【0044】
タイプ1とタイプ5との比較では、第2電極2の面積が広いタイプ1の方がタイプ5よ
り体感の評価が高く、タイプ1とタイプ7との比較では、第2電極2の面積が広いタイプ
1の方がタイプ7より体感の評価が高くなっている。また、直径Aの円の面積に対する一
つの第2電極22の面積の比率という観点に着目すると、タイプ5やタイプ7より面積比
率の大きいタイプ1の方がタイプ5やタイプ7より高い評価となっている。即ち、直径A
が同じである場合、第2電極22の面積を広くし、ヘッド20において第2電極22の面
積を広くするのが好ましい。本発明においては、少なくとも、直径Aの円の面積に対する
一つの第2電極22の面積の比率は、タイプ5の値を超える値が好ましい。より望ましく
は、タイプ1の値である0.155以上の値であるのが好ましい。
【0045】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるこ
となく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、前述の実施形態を以下のように変形
して本発明を実施してもよい。なお、前述した実施形態および以下の変形例は、各々を組
み合わせてもよい。
【0046】
本発明においては、第1信号と第2信号を交互に出力するときには、第1信号を出力す
るときに使用する第2電極22を、第1信号を出力するタイミングとなる毎に変更するよ
うにしてもよい。例えば、制御部101は、第1電極21と第2電極22Aの組で第1信
号を出力、第2信号を出力、第1電極21と第2電極22Bの組で第1信号を出力、第2
信号を出力、第1電極21と第2電極22Cの組で第1信号を出力という順番で第1信号
を出力し、この出力の順番を繰り返してもよい。また、第1信号を出力する期間内におい
て、第1電極21と組となる第2電極22を予め定められた時間が経過する毎に変更して
もよい。
【0047】
本発明においては、第1信号と第2信号を交互に出力するときには、第2信号を出力す
る第2電極22の組を、第2信号を出力するタイミングとなる毎に変更するようにしても
よい。例えば、制御部101は、第1信号を出力、第2電極22Aと第2電極22Bの組
で第2信号を出力、第1信号を出力、第2電極22Bと第2電極22Cの組で第2信号を
出力、第1信号を出力、第2電極22Cと第2電極22Aの組で第2信号を出力という順
番で第2信号を出力し、この出力の順番を繰り返してもよい。また、第2信号を出力する
期間内において、第2信号を出力する第2電極22の組を予め定められた時間が経過する
毎に変更してもよい。なお、第2信号を出力する第2電極22の組を、第2信号を出力す
るタイミングとなる毎に変更する構成においては、第1信号を出力するときに使用する第
2電極22を、第1信号を出力するタイミングとなる毎に変更するようにしてもよい。
【0048】
第3電極24は、導電性を有する素材で形成されており、第1信号を身体に出力すると
きに使用される電極である。第3電極24は、外縁が楕円である環状の楕円形状に形成さ
れており、ヘッド20の中央に配置されている。第4電極25Aおよび第4電極25Bは
、導電性を有する素材で形成されており、第1信号を出力するときと第2信号を出力する
ときに使用される電極である。第4電極25Aおよび第4電極25Bは、環状の楕円形の
一部を切り取った形状で第3電極24の方向と反対方向へ凸に形成されており、第3電極
24と同心で正面から見て第3電極24の外周より外側に配置されている。
【0049】
第3電極24の外周から第4電極25Aの内周までの距離D14および第3電極24の
外周から第4電極25Bの内周までの距離D15は、同じ距離(D14=D15)となっ
ている。また、第4電極25Aの周方向の端面と第4電極25Bの周方向の端面は平行と
なっており、第4電極25Aの周方向の端面と第4電極25Bの周方向の端面との間の距
離D24は、距離D14(距離D15)より長い距離となっている。また、絶縁部23の
表面から第4電極25Aおよび第4電極25Bの上面までの高さは、絶縁部23の表面か
ら第3電極24の上面までの高さより高くなっている。
【0050】
制御部101は、第4電極25Aおよび第4電極25Bと第3電極24との間で身体を
介して電流が流れるように第1信号を出力する。また、制御部101は、第4電極25A
と第4電極25Bとの間で身体を介して電流が流れるように第2信号を出力する。本変形
例においても、第1信号を出力するときには、第1信号を出力するための電極間の距離が
皮膚を温めるのに適した距離(D14、D15)となっているため、皮膚が加熱されにく
くなるということがない。また、第2信号を出力するときには、第2信号を出力する第4
電極25Aと第4電極25Bとの間の距離が第2信号を出力するのに適した距離(D24
)となっているため、第2信号を出力したときに皮膚の不快感を抑えることができる。
【0051】
本発明においては、第1電極21の形状は、円環形状となっており、第2電極22は円
弧形状であるが、他の形状であってもよい。図13(a)は、第1電極21の変形例であ
る第5電極26と、第2電極22の変形例である第6電極27A、第6電極27Bおよび
第6電極27Cを示した図である。第5電極26は、本発明に係る第1電極の一例であり
、第6電極27A、第6電極27Bおよび第6電極27Cは、本発明に係る第2電極の一
例である。
【0052】
第5電極26は、導電性を有する素材で形成されており、第1信号を身体に出力すると
きに使用される電極である。第5電極26は、三角形の形状に形成されており、ヘッド2
0の中央に配置されている。なお、第5電極26は、貫通した穴を中央に有する構成であ
ってもよい。また、第5電極26の頂点は鋭角でなく弧状であってもよい。第6電極27
A、第6電極27Bおよび第6電極27Cは、導電性を有する素材で形成されており、第
1信号を出力するときと第2信号を出力するときに使用される電極である。第6電極27
A、第6電極27Bおよび第6電極27Cは、台形の形状に形成されており、正面から見
て第5電極26の辺と平行に配置されている。
【0053】
第5電極26の外周から第6電極27Aまでの距離、第5電極26の外周から第6電極
27Bまでの距離および第5電極26の外周から第6電極27Cまでの距離は、同じ距離
となっている。また、第6電極27Aの第6電極27Bに近い端面と、第6電極27Bの
第6電極27Aに近い端面は平行となっており、これらの端面の間の距離は、第5電極2
6の外周から第6電極27Aまでの距離より長くなっている。第6電極27Bの第6電極
27Cに近い端面と、第6電極27Cの第6電極27Bに近い端面は平行となっており、
これらの端面の間の距離は、第5電極26の外周から第6電極27Aまでの距離より長く
なっている。第6電極27Cの第6電極27Aに近い端面と、第6電極27Aの第6電極
27Cに近い端面は平行となっており、これらの端面の間の距離は、第5電極26の外周
から第6電極27Aまでの距離より長くなっている。また、絶縁部23の表面から第6電
極27A、第6電極27Bおよび第6電極27Cの上面までの高さは、絶縁部23の表面
から第5電極26の上面までの高さより高くなっている。
【0054】
制御部101は、第5電極26と、第6電極27A、第6電極27Bおよび第6電極2
7Cとの間で身体を介して電流が流れるように第1信号を出力する。また、制御部101
は、第6電極27Aと第6電極27Bの組、第6電極27Bと第6電極27Cの組、第6
電極27Cと第6電極27Aの組のいずれかで身体を介して電流が流れるように第2信号
を出力する。
【0055】
本発明においては、第5電極26、第6電極27A、第6電極27Bおよび第6電極2
7Cに替えて、図13(b)に示すように、第5電極26A、第6電極27D、第6電極
27Eおよび第6電極27Fを採用してもよい。表面が平坦な絶縁部23Aは、絶縁性を
有する素材で形成されている。第5電極26Aは、導電性を有する素材で形成されており
、第1信号を身体に出力するときに使用される電極である。第5電極26Aは、環状の三
角形の形状に形成されており、ヘッド20の中央に配置されている。第6電極27D、第
6電極27Eおよび第6電極27Fは、導電性を有する素材で形成されており、第1信号
を出力するときと第2信号を出力するときに使用される電極である。第6電極27D、第
6電極27Eおよび第6電極27Fは、弧状に形成されており、第5電極26の頂点と向
かい合う位置に配置されている。
【0056】
第5電極26の外周から第6電極27Dまでの距離、第5電極26の外周から第6電極
27Eまでの距離および第5電極26の外周から第6電極27Fまでの距離は、同じ距離
となっている。また、第6電極27Dの第6電極27Eに近い端面と、第6電極27Eの
第6電極27Dに近い端面は平行となっており、これらの端面の間の距離は、第5電極2
6の外周から第6電極27Dまでの距離より長くなっている。第6電極27Eの第6電極
27Fに近い端面と、第6電極27Fの第6電極27Eに近い端面は平行となっており、
これらの端面の間の距離は、第5電極26の外周から第6電極27Dまでの距離より長く
なっている。第6電極27Fの第6電極27Dに近い端面と、第6電極27Dの第6電極
27Fに近い端面は平行となっており、これらの端面の間の距離は、第5電極26の外周
から第6電極27Dまでの距離より長くなっている。また、絶縁部23の表面から第6電
極27D、第6電極27Eおよび第6電極27Fの上面までの高さは、絶縁部23の表面
から第5電極26の上面までの高さより高くなっている。
【0057】
制御部101は、第5電極26と、第6電極27D、第6電極27Eおよび第6電極2
7Fとの間で身体を介して電流が流れるように第1信号を出力する。また、制御部101
は、第6電極27Dと第6電極27Eの組、第6電極27Eと第6電極27Fの組、第6
電極27Fと第6電極27Dの組のいずれかで身体を介して電流が流れるように第2信号
を出力する。
【0058】
上述した実施形態においては、美容機器1は、ユーザの操作に応じて第1信号と第2信
号を交互に出力しているが、予め定められた操作に応じて第1信号のみを出力し、予め定
められた他の操作に応じて第2信号のみを出力してもよい。
【0059】
本発明においては、第2電極22の厚さが第1電極21の厚さより薄く、第1電極21
の表面が第2電極22の表面より絶縁部23側にある構成であってもよい。
【0060】
本発明においては、本体10内に振動モータを配置し、第1信号または第2信号を出力
しているときに制御部101で振動モータを制御してヘッド20を振動させるようにして
もよい。
【0061】
本発明においては、第1電極21の内周面より内側や外側に、肌に光を照射する光源を
配置してもよい。光源としては、例えばLEDを用いる。このLEDは、例えばピーク波
長が465nmである青色光を出力するLEDであってもよい。この青色光は、ヘモグロ
ビンによく吸収されるので、赤ら顔や赤アザに効果的である。色彩の作用としては、リン
パドレナージュ作用や血液循環作用を増大させる。さらに、ストレスや緊張を緩和する効
果等も得ることができる。
【0062】
また、光源のLEDは、例えばピーク波長が522nmである緑色光を出力するLED
であってもよい。この緑色光は、前述の青色光よりも、皮膚浸透度が高いので、真皮深部
のヘモグロビンに吸収され、真皮深部の赤アザに効果的である。色彩の作用としては、乾
燥肌の改善や、皮脂や色素沈着によるシミの除去に適している。また、心身のリラックス
効果等も得ることができる。
【0063】
また、光源のLEDは、例えばピーク波長が592nmである黄色光を出力するLED
であってもよい。この黄色光は、赤色光や橙色光に比べると、皮膚浸透度が高いため、皮
膚表面のシミに効果的である。また、色彩の作用として、老化肌やトラブル肌の改善にも
適している。
【0064】
また、光源のLEDは、例えばピーク波長が609nmである橙色光を出力するLED
であってもよい。この橙色光は、メラニン・ヘモグロビンに吸収され、茶色いシミに効果
的である。また、色彩の作用としては、オイリー肌又はニキビ肌の改善や、代謝機能の適
正化を図る上で重要である。
【0065】
また、光源のLEDは、例えばピーク波長が641nmである赤色光を出力するLED
であってもよい。この赤色光は、皮膚浸透度が高く、皮膚深部のメラニンに反応し、皮膚
の奥深くのシミに効果的である。また、赤色の色彩作用も相まって、赤みがかっている肌
の改善に適しており、血行の促進効果等を得ることができる。また、いわゆるスリミング
ケアにも適している。
【0066】
また、光源のLEDは、例えばピーク波長が870nmおよび940nmである赤外光
を出力するLEDであってもよい。この赤外光は、真皮深部の水分、メラニン、ヘモグロ
ビンに反応するため、コラーゲンの増加に有効である。詳細には、線維芽細胞の活性化作
用があり、新しいコラーゲンを効果的に作り出すことができる。なお、光源は、2以上の
LEDを有する構成で複数の光を出力する構成であってもよい。
【0067】
上述した実施形態においては、ヘッド20に突起40が配置されているが、突起40が
ヘッド20に配置されていない構成であってもよい。
【0068】
上述した実施形態においては、ヘッド20の回転軸に対して、絶縁部23の表面に垂直
な絶縁部23の中心線の傾きの角度が固定となっているが、ヘッド20の回転軸に対して
、絶縁部23の表面に垂直な絶縁部23の中心線の傾きの角度を変更できる構成であって
もよい。
【0069】
本発明においては、第2信号の周波数をボタン31で行われた操作に応じて変更しても
よい。上述した実施形態では、第2信号の周波数は70kHzとなっているが、ボタン3
1で行われた操作に応じて、例えば5kHや100kHz、5Hz、10Hzなど他の周
波数に変更してもよい。
【0070】
本発明においては、ヘッド20、第1電極21および第2電極22のサイズを身体への
使用に適したサイズに変更し、第1信号や第2信号を脚や腹部へ出力してもよい。
【0071】
上述した実施形態においては、美容機器1は、第1信号と第2信号を交互に出力してい
るが、第1信号のみを予め定められた周期で出力してもよい。また、美容機器1は、第2
信号のみを予め定められた周期で出力してもよい。
【0072】
本発明においては、絶縁部23の表面から第1電極21の表面までの高さと、絶縁部2
3の表面から第2電極22の表面までの高さは同じであってもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、距離D11、距離D12および距離D13は、距離D2
1、距離D22および距離D23より短い距離となっているが、距離D11、距離D12
および距離D13は、距離D21、距離D22および距離D23より長い距離としてもよ
い。この構成の場合、出力部102は、第2信号を出力するときには、第1電極21と第
2電極22Aの組、第1電極21と第2電極22Bの組、第1電極21と第2電極22C
の組のいずれかで出力する。また、この構成の場合、出力部102は、第1信号を出力す
るときには、第2電極22Aと第2電極22Bの組、第2電極22Bと第2電極22Cの
組、第2電極22Cと第2電極22Aの組のいずれかの組で出力してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…美容機器、10…本体、20…ヘッド、21…第1電極、22A、22B、22C…
、第2電極、23…絶縁部、24…第3電極、25A、25B…第4電極、31…ボタン
、32…LED、26…第5電極、27A~27E…第6電極、40A、40B…半球電
極、101…制御部、102…出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周が円、三角形、または曲線で構成される三角形である、第1電極と、
各々、前記第1電極の外周に対向し、当該外周と平行なまたは実質的に同一の曲率を有する縁を有し、前記第1電極の周囲において前記第1電極を中心に配置された3つの第2電極であって、各第2電極において隣り合う他の第2電極の端面と向かい合う端面は当該他の第2電極の端面と平行となるように配置され、各第2電極から隣り合う第2電極の端面までの距離は前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも大きくなるように配置された、第2電極と、
皮膚を温める作用を有する第1信号を出力するときには前記第1電極と少なくとも一の前記第2電極で出力する一方、前記第1信号よりも低い周波数の、筋肉を収縮させる作用がある第2信号を出力するときには、前記3つの第2電極から選択された2つの前記第2電極で出力する出力部と
を備える美容機器。
【請求項2】
前記第2信号を出力している間、前記3つの第2電極から2つの前記第2電極を所定のタイミングで選択し直す
請求項1に記載の美容機器
【請求項3】
ユーザに把持される本体部と、
ヘッド面を有し前記本体部に対して回転可能に接続されるヘッド部であって、前記第1電極および前記第2電極が当該ヘッド面に設けられたヘッド部と
を更に有する
請求項1または2に記載の美容機器。
【請求項4】
前記ヘッド部に設けられ、前記ヘッド部に接触したユーザの皮膚に光を照射する光源を更に有する、
請求項3に記載の美容機器。
【請求項5】
前記光源は、青色LED、緑色LED、黄色LED、橙色LED、赤色LED、赤外光LEDのうち2つ以上を含む
請求項4に記載の美容機器。
【請求項6】
前記ヘッド面は、前記ヘッド部の回転軸に対して傾斜している
請求項3に記載の美容機器。
【請求項7】
前記ヘッド部に設けられ、先端が半円球状である半球電極を更に有する
請求項3~5のいずれか一つに記載の美容機器。
【請求項8】
前記半球電極は、前記ヘッド面よりも前記本体部側に位置する、互いに隣り合う第1の半球電極および第2半球電極を含む
請求項7に記載の美容機器。
【請求項9】
前記第2電極の表面は、前記第1電極の表面よりも突き出ている
請求項1~7のいずれか一つに記載の美容機器。