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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005310
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シート加圧装置及びシート折り装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/30 20060101AFI20240110BHJP
   B65H 45/18 20060101ALI20240110BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65H45/30
B65H45/18
B65H37/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105438
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】松崎 優莉
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA03
3F108BA09
3F108BB31
3F108CD01
3F108GA01
3F108GB03
(57)【要約】
【課題】 良好に折り目を整えることが可能な小型化されたシート加圧装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 折り処理されたシートの折り目を加圧するシート加圧装置Eであって、シートの折り目を加圧する加圧コロ52と、加圧コロ52をシートの折り目に沿って移動させる加圧モータMTと、加圧コロ52をシート幅方向に案内するとともにシートを押圧する加圧位置からシートから離れた退避位置に案内するカム70と、加圧コロ52が退避位置に案内される前に加圧モータMTを停止し、加圧モータMT停止後の加圧コロ52の慣性力によって加圧コロ52を離間位置に移動させるように加圧モータMTの停止を制御する制御部100を備えた。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り処理されたシートの折り目を加圧するシート加圧装置であって、
シートの折り目を加圧する加圧コロと、
前記加圧コロをシートの折り目に沿って移動させる直流モータと、
前記加圧コロを、シート幅方向に案内するとともにシートを押圧する加圧位置からシートから離れた退避位置に案内する案内手段と、
前記加圧コロが前記退避位置に案内される前に前記直流モータを停止し、前記直流モータ停止後の前記加圧コロの慣性力によって前記加圧コロを離間位置に移動させるように前記直流モータの停止を制御する制御手段と、
を備えたシート加圧装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記直流モータの停止と同時に前記直流モータにショートブレーキを作動させる請求項1に記載のシート加圧装置。
【請求項3】
所定の位置から前記加圧コロが停止するまでの移動量を計測する計測手段と、
前記計測手段にて計測された移動量に基づいてショートブレーキを作動させる位置を設定する設定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記設定手段で設定された位置で前記直流モータに対してブレーキを作動させる請求項2に記載のシート加圧装置。
【請求項4】
前記計測手段は、前記直流モータにて移動する前記加圧コロが所定の位置から停止するまでの移動量を複数回計測し、
前記設定手段は、前記計測手段にて複数回計測された移動量のうち最大移動量と最小移動量を除く移動量の平均値を算出し、算出された移動量に基づきショートブレーキを作動させる位置を設定する請求項3に記載のシート加圧装置。
【請求項5】
前記加圧コロの移動、停止を検出する移動検出手段と、
前記加圧コロが退避位置にあることを検出する位置検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記移動検出手段が前記加圧コロが停止したことを検出し、かつ前記位置検出手段が前記加圧コロが退避位置にあることが検出されない場合、エラーの信号を外部に送信する請求項1~4に記載のシート加圧装置。
【請求項6】
前記加圧コロの移動、停止を検出する移動検出手段と、
前記加圧コロが退避位置にあることを検出する位置検出手段と、を備え、
前記移動検出手段が前記加圧コロが停止したことを検出し、かつ前記位置検出手段が前記押圧コロが退避位置にあることが検出されない場合に、前記制御手段は、次にショートブレーキを作動させる位置を前記加圧コロが退避位置に移動した位置とする請求項3に記載のシート加圧装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記位置検出手段が前記押圧コロが退避位置にあることを検出した時点でブレーキを作動させる請求項6に記載のシート加圧装置。
【請求項8】
前記制御手段にて前記加圧コロが退避位置に移動した位置で前記直流モータにショートブレーキを作動させたときに、前記移動検出手段が前記加圧コロが停止したことを検出し、かつ前記位置検出手段が前記加圧コロが退避位置にあることが検出された場合、前記設定手段は予め定められた所定の位置をショートブレーキを作動させる位置として設定する請求項6または請求項7に記載のシート加圧装置。
【請求項9】
折られたシートの折り目を前記加圧コロで加圧する位置に搬送する搬送手段を備え、
前記制御手段にて前記加圧コロが退避位置に移動した位置で前記直流モータにショートブレーキを作動させたときに、前記移動検出手段が前記加圧コロが停止したことを検出し、かつ前記位置検出手段が前記加圧コロが退避位置にあることが検出されたことに基づき、前記搬送手段にて折られたシートの折り目を前記加圧コロで加圧する位置に搬送する請求項6または請求項7に記載のシート加圧装置。
【請求項10】
前記搬送手段にて折り位置に搬送された折られたシートに対して前記制御手段は前記加圧コロが退避位置に移動した位置で前記直流モータにショートブレーキを作動させる請求項9に記載のシート加圧装置。
【請求項11】
前記搬送手段にて折り位置に搬送された折られたシートに対して前記設定手段は予め定められた所定の位置をショートブレーキを作動させる位置として設定し、前記制御手段は予め定められた所定の位置でショートブレーキを作動させる請求項9に記載のシート加圧装置。
【請求項12】
シートを折る折り機構と、
請求項1または請求項2のいずれか1つを備える加圧装置と、
を備えるシート折り装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り処理を施したシートの折り目を加圧するシート加圧装置及びシート折り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像が形成されたシートに対して、2つ折りや3つ折り等の各種の折り処理を自動で行うシート折り装置などには、折り処理されたシートの折り目をさらに加圧することによって折り目を整えるための加圧装置を備えたものがある。
【0003】
特許文献1には、加圧用のコロをシートの折り目に沿って加圧しながら転動させることによって折り目を加圧して整える構造の加圧機構(加圧ユニット)を備える加圧装置が開示されている。この加圧ユニットは、コロを所定の角度からバネ付勢によって保持することで、シートの折り目を適度な圧力によって加圧するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-54540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の加圧装置には加圧ユニットをシートの折り目に沿った折り目方向に移動させるための駆動モータを備えている。そして、この加圧装置では駆動モータにて加圧ユニットを移動させてシートの折り目を加圧し、加圧ユニットがホームポジション位置に到達したことをホームポジションセンサが検出したことによって駆動モータを停止して加圧ユニットを停止するようになっている。
【0006】
上述のような加圧装置では、シートの折り目を加圧しながら移動するので移動負荷が大きくなる。そのため、起動トルクに優れる駆動モータとして直流モータを用いている。しかしながら、直流モータを用いた場合、直流モータを停止後に加圧ユニットが慣性移動するため、ホームポジション位置に加圧ユニットが到達した以降に慣性移動に要する距離を確保しなければならない。これによって、加圧装置が大型化する。また、加圧装置の大型化を防ぐために慣性移動する加圧ユニットを所定の位置でストッパーに当接させ、強制的に停止させることも考えられるが、ストッパーに加圧ユニットを当接する際に騒音が発生するため、好ましくない。
【0007】
そこで本発明は、良好に折り目を整えることが可能な小型化されたシート加圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、折り処理されたシートの折り目を加圧するシート加圧装置であって、シートの折り目を加圧する加圧コロと、前記加圧コロをシートの折り目に沿って移動させる直流モータと、前記加圧コロを、シート幅方向に案内するとともにシートを押圧する加圧位置からシートから離れた退避位置に案内する案内手段と、前記制御手段は、前記加圧コロが前記退避位置に案内される前に前記直流モータを停止し、前記直流モータ停止後の前記加圧コロの慣性力によって前記加圧コロを離間位置に移動させるように前記直流モータの停止を制御する制御手段を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシート加圧装置によれば、加圧コロが退避位置に移動する前に直流モータにブレーキを付与するようにしたので、直流モータを採用した際の加圧装置の大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】シート加圧装置及びシート折り装置を備えた画像形成装置システムを示す概略構成図である。
図2】シート加圧装置及びシート折り装置の主要構成を示す断面図である。
図3】シート折り装置の制御系を示すブロック図である。
図4】シート折り装置におけるシートを折る折り動作を示す状態図である。
図5】シート折り装置におけるシート加圧機構の側面を示す側面図である。
図6】シート加圧機構においてZ折りされたシートを加圧する際の加圧動作の状態を示した状態図である。
図7】シート加圧機構における加圧動作時における加圧ユニットの移動状態を示す状態図である。
図8】加圧ユニットの往路における加圧動作を示すフローチャート図である。
図9】加圧ユニットを往路にて停止させるためのブレーキ値の設定動作を示すフローチャート図である。
図10】加圧ユニットの復路における加圧動作を示すフローチャート図である。
図11】加圧ユニットを復路にて停止させるためのブレーキ値の設定動作を示すフローチャート図である。
図12】加圧ユニットの復路動作エラー発生時における第2の実施の形態を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。図1はシート加圧装置及びシート折り装置を備えた画像形成装置システムを示す概略構成図である。図2はシート加圧装置及びシート折り装置の主要構成を示す断面図である。図1に示すように、シート折り装置Cは、シート折り機構Dとシート加圧機構(シート加圧装置)Eとを備えている。そして、シート折り装置Cは、画像形成装置Aと後処理装置Bとの間に配置され、画像形成装置Aから搬送されてくるシートに対して、各種の折り処理及び加圧処理を行った後、後処理装置Bに送られる。本実施形態では、画像形成装置Aとして複写機を用い、この複写機の排紙口にシート折り装置Cが連接され、その下流側において後処理装置Bが連接される。
【0012】
画像形成装置Aは、原稿送り部5で送られる原稿を画像読取部4で読み取り、読み取られた画像を給紙部3から送られたシートに画像形成部2で画像を形成する。画像形成装置Aの洞内部には中継搬送ユニット6が取り付けられている。シートに折り処理や綴じ処理を行わない場合は、第1中継パスP20から排紙トレイ7に搬送される。一方、シートに折り処理や綴じ処理を施す場合は、第2中継パスP21を介して排出ローラ対8からシート折り装置Cに送られる。
【0013】
後処理装置Bは、第1パスP1から第3パスP3を介して綴じ処理トレイ9aにシートを排出し、綴じ処理トレイ9a上のシートの角または一辺の2カ所にステープラ9で針綴じを施し、第2排紙トレイ12bに排出する。なお、針綴じ処理しない場合は、シート折り装置Cから送られてくるシートをそのまま第1パスP1及び第2パスP2を介して第1排紙トレイ12aに排出する。
【0014】
図2に示すようにシート折り装置Cは、シートを折るシート折り機構Dと折られたシートの折り目を加圧して折り目を整えるシート加圧機構Eとで構成される。シート折り機構Dは、図1に示した画像形成装置Aの排出ローラ対8から排出されてくるシートを受けて下流側に送り出す送りローラ対10と、送りローラ対10の下流側に設けられ、シートに折り処理を施す折りローラ対11と、送りローラ対10と折りローラ対11との間に設けられるループ形成空間部20と、シートに設けられる所定の折り目を折りローラ対11のニップ部に向けて案内する突き板15と、シートを送りローラ対10から折りローラ対11に向けて案内する搬送路18とを備えている。
【0015】
送りローラ対10は、モータ駆動によって回転する送り上ローラ10aと、この送り上ローラ10aの回転に従動して回転する送り下ローラ10bとによって構成されている。折りローラ対11は、折り上ローラ11aと折り下ローラ11bとで構成され、送りローラ対10のニップ部から水平方向に延ばした延長線よりも下方に配置されている。つまり、折りローラ対11と送りローラ対10は上下方向に僅かにずれた状態で配置されている。
【0016】
図3は、シート折り装置Cの制御系を示すブロック図である。シート折り装置には、送りローラ対10を駆動する搬送モータMT1と、折りローラ対11を駆動する折りモータMT2と、突き板15を駆動する突きモータMT3と、レジストローラ対10の手前でシートの先端を検出する第1の検出センサS1と、折りローラ対11の手前に配置され、シートの先端を検出する第2の検出センサS2と、突き板の位置を検出するための突き板センサS3と、を備えている。さらに、シート加圧機構Eには、後述する加圧ユニット50及び加圧コロ52を移動させて、シートに折り目を加圧するための加圧モータMTと、加圧ユニット50の位置を検出するためのホームポジションセンサHPSと、加圧ユニット50の移動量を計測して位置を特定するためのエンコーダー90を備えている。
【0017】
CPUを含む制御部100には、エンコーダ-90で発生するパルスをカウンタするカウンタ101や各種のデータを格納するためのRAM、ROMを備えている。制御部100は、画像形成装置Aの設定パネルD上で設定されるシートの種類や折りモード等の情報を、シート後処理装置Bを介して受信する。そして、画像形成装置Aからの各種の情報と各センサS1、S2、S3、HPSの検出結果によって各モータMT1、MT2、MT3、MTの駆動が制御され、シートの搬送、折り、加圧動作が実行される。 また制御部100は、綴じ機Bを介してシートの搬送状況などの情報を画像形成装置Aに送信する。画像形成装置Aは、折り機Cによる搬送不良等を使用者に報知する。
【0018】
図4はシートを折る折り動作を示す模式図である。シートの折り動作は、図4に示すように、送りローラ対10は、シートSが到達するまで停止した状態となっており、この状態において上流から送られたシートSの下流端がニップ部に突き当たる。これによって、シートSが整合され、この状態で送りローラ対10が回転することによって、シートSが折りローラ対11に向けて搬送される。
【0019】
図4(a)~(c)に示すように、折りローラ対11は、送りローラ対10から搬送されてくるシートSの下流側をニップした状態で停止し、このニップした位置の上流側に所定長さのループ部を形成する。そして、図4(d)~(f)に示すように突き板15がシートSの第1の折り目F1を折りローラ対11のニップ部に向けて案内し、折りローラ対11で第1の折り目F1と下流側とが重なるようにニップした状態で搬送することでシートSがZ折りされる。
【0020】
折りローラ対11の下流側には、加圧ユニット50を有するシート加圧機構Eが配置されている。図5に示すようにシート加圧機構Eは、加圧ユニット50と、加圧ユニット50を上下方向及びシートの幅方向に移動させる移動機構と、この移動機構を作動させる加圧モータMTとで構成されている。
【0021】
加圧ユニット50は、シートの搬送方向と直交するシートの幅方向に対して回転自在に設けられる複数の加圧コロ(押圧部材)52と、各コロ52がシートの折り目を加圧する方向に付勢させる付勢部バネ(図示せず)と、を備えている。
【0022】
移動機構には、加圧モータMTから駆動が伝達されて回転するピニオン91aと、このピニオン91aに歯合し、ピニオン91aの回転によってスライド移動するラック91bを備えている。ラック91bは加圧ユニット50と連結され、ラック91bがスライド移動することで加圧ユニット50の移動するようになっている。
【0023】
また、図5に示したようにシート加圧機構Eの本体側のフレーム(図示せず)には作動ピン71が設けられおり、加圧ユニット50には作動ピン71に係合して加圧ユニット50を上下方向及びシートの幅方向にガイドするカム70が設けられている。カム70は、複数のコロ52がシートSから離間した退避位置で加圧ユニット50を退避させる退避部701a、701bと、加圧ユニット50をシートの折り目に沿って移動しながら加圧する加圧位置での移動をガイドする加圧部703と、退避部701a、701bと加圧部703との間を繋ぐ中間部702a、702bとで構成されている。
【0024】
さらに、ラック91bには加圧ユニット50の基準となる位置を検出するホームポジションフラグHPF及び前述したホームポジションセンサHPSと、加圧ユニット50の移動量を計測するためのエンコーダー90が設けられている。エンコーダー90は、ピニオン90aの回転に同期して回転する回転盤90aと、回転盤90aのスリットを検出してパルス信号を発生する光学系のセンサ90bを備え、発生するパルスを図3に示すカウンタ101でカウントして移動量を計測する。
【0025】
図6はシート折り機構DでZ折りされたシートの第1、第2の折り目に加圧する加圧動作を示すものである。加圧ユニット50に向けて搬送されたシートSの第1の折り目F1が加圧位置Phに到達する(図6(a)参照)と、加圧ユニット50を駆動させ、加圧ユニット50を図5に示すシート幅方向に沿った第1の方向X1に移動させながら下降させることで、複数のコロ52が第1の折り目F1の上で回転しながら加圧する(図6(b)参照)。この第1の折り目F1の加圧が終了したら、加圧ユニット50をシートSから退避させる(図6(c)参照)。この間に折りローラ対11をシート送り方向に回転させ、上流側の第2の折り目F2を加圧ユニット50の加圧位置Phに導く。この加圧位置Phに第2の折り目F2が到達したら、折りローラ対11を停止させる(図5(d)参照)。そして、加圧ユニット50を駆動させ、図5に示す第1の方向X1とは反対の第2の方向X2に向けて折り返すようにして移動させることで、第2の折り目F2を加圧する(図5(e))。このように、加圧ユニット50をシートSの幅方向に対して、一往復させることで、Z折りされたシートの2カ所を効率よく加圧処理を行うことができ、生産性が向上する。
【0026】
次に、加圧動作時における加圧ユニット50の動作の詳細について、図7に示す加圧ユニット50の移動状態図を参照しつつ、図8~11に示す加圧ユニット50の動作フローチャートに基づき説明する。なお、以下の説明では便宜上、図5に示す第1の方向X1への移動を往路とし、反対の第2の方向X2への移動を復路という。
【0027】
[往路加圧動作]
図8は往復動作する加圧ユニット50の往路における加圧動作を示すフローチャート図である。また、図9は往路において加圧ユニット50を停止させるためのブレーキ値を設定するフローチャート図である。
【0028】
往路における加圧動作について、図8に基づき説明する。シートの第1の折り目F1が加圧位置Phに到達して停止する(図6(a)参照)と、加圧ユニット50を停止させるための往路ブレーキ値を設定する(ST01)。なお、往路ブレーキ値は、エンコーダー90のパルス数であって、初期時には予め定められた初期値が設定され、その後は加圧ユニット50の移動後の停止位置に基づいて、随時更新されるようになっている。
【0029】
往路ブレーキ値が設定されると、加圧モータMTを正転駆動する(ST02)。これによって、図7(a)の状態から加圧ユニットが図5の矢印X1で示す第1の方向に移動する。そして、ホームポジションセンサHPSがOFF、すなわちホームポジションセンサHPSがHPフラグHPFを検出しなくなる時点からカウンタ101がエンコーダーパルスのカウントを開始する(ST03-ST04)。つまり、往路においてホームポジションセンサHPSがホームポジションフラグHPFを検出しなくなる位置が往路基準位置となる。
【0030】
その後、カウンタ101のカウンタ値がブレーキ値に到達すると、加圧モータMTにブレーキを作用させる(ST05-ST06)。この過程で、加圧ユニット50の複数のコロ52が図7(a)で示す退避位置から図7(b)で示す加圧位置に移動され、シートの第1の折り目F1を加圧しつつ第1の折り目F1の方向に沿って移動する。これによって、第1の折り目F1が加圧され、シートの膨らみが抑えられる(図6(b)参照)。なお、加圧ユニット50は加圧モータMTにブレーキを作用させた後、慣性によってブレーキの作用に抗して所定量移動して停止する。
【0031】
ここで、本実施の形態では、加圧モータMTとして直流モータを使用しており、ここで作用させるブレーキは、加圧モータMTの整流子をショートさせるショートブレーキである。また、本実施の形態における初期時の往路ブレーキ値は、ホームポジションセンサHPSがOFFする時点から複数のコロ52がシートの第1の折り目F1から離れると目論んだ位置までの距離に相当するエンコーダーのパルス数が設定される。つまり、加圧ユニット50のカム70における第2の中間部702が作動ピン71の位置にあるときにブレーキを作動するようにしている。これによって、加圧ユニット50は、ブレーキを作動させた後に慣性によって図7(c)で示す第2の退避部701bが作動ピン71の位置まで移動して停止する。
【0032】
ブレーキを作用させた後、エンコーダーパルスが停止したことを確認すると、カウンタ101によるエンコーダーパルスのカウントを停止し、エンコーダーパルスのカウント値を往路カウントデータとして制御部100のRAMに格納する(ST07-ST09)。
【0033】
図9に基づき、ブレーキ値の設定について説明すると、先ず往路基準位置から加圧ユニット50が停止するまでの往路カウントデータが5つ(5回分)格納されたならば、この5つのカウントデータから往路ブレーキ値の算出処理を行う(ST20-ST21)。そして、算出された値を次回の往路における往路ブレーキ値として新たに更新する(ST22)。その後、5つ往路カウントデータを全てリセットして、往路ブレーキ値の算出、更新を終了する(ST23)。
【0034】
往路ブレーキ算出処理では、格納された5つのデータのうちの最大値と最小値を除く3つのデータの平均値を算出する。次に、加圧ユニット50が往路基準位置から予め定められた目標往路停止位置に停止するまでの距離に相当するエンコーダーパルス数と、実際に停止するまでの算出されたエンコーダーパルス数の平均値とを比較して算出する。そして、算出した結果から次回のブレーキ値を決定している。具体的な一例を示すと、予め定められた目標停止位置に停止するまでの距離に相当するエンコーダーパルス数を100パルス、往路ブレーキ値を80パルスとし、実際の停止した位置までのエンコーダーパルス数から算出された平均値が103パルスであった場合、実際の停止位置の平均は、目標往路停止位置よりも3パルス分オーバーしているので、往路におけるブレーキの作動位置を3パルス分手前の位置とする。よって、次回の往路ブレーキ値は80パルスから3パルスを減算した77パルスに設定される。なお、加圧ユニット50の目標往路停止位置は、押圧コロ52が退避位置に移動する位置、すなわち加圧ユニット50のカム50の第2の退避部701bが作動ピン71に支持される位置に設定している。
【0035】
上述したように複数回往路動作した際の停止位置から次回のブレーキ作動位置を算出し、往路ブレーキ値の更新を行い、ブレーキを作動させる位置を調整するようにしたので、往路における停止位置のぱらつきが抑えることができる。
【0036】
[復路加圧動作]
次に、復路の加圧動作について説明する。図10は加圧ユニット50の復路における加圧動作を示すフローチャート図である。また、図11は復路において加圧ユニット50を停止させるための復路ブレーキ値を設定するフローチャート図である。
【0037】
復路における加圧動作では、シートの第2の折り目F2が加圧位置に到達して停止する(図12(d)参照)と、加圧ユニット50を停止させるための復路ブレーキ値を設定する(ST30)。この復路ブレーキ値も往路ブレーキ値と同様に、初期時には予め定められた初期値が設定され、その後は加圧ユニット50の移動後の停止位置に基づいて、随時更新されるようになっている。
【0038】
復路ブレーキ値が設定されると復路調整値の設定を行う(ST31)。復路調整値は、往路動作において加圧ユニット50が往路基準位置から復路基準位置に到達するまでの距離に相当する予め定められたエンコーダー90のパルス数の基準値と、実際に加圧ユニット50が往路基準位置から停止するまでのエンコーダーパルスのカウント値との差である。例えば、基準値を100パルスとし、往路におけるカウント値が102パルスである場合、基準値の102からカウントデータの100を減算した2パルスが調整値となる。また、減算の結果がマイナスである場合は、調整値は「0」として設定する。なお、復路基準位置は、カム70の第2の退避部701bに予め設定された位置であり、複数の加圧コロ52が退避位置に移動する位置、すなわち押圧ユニット50のカム50の退避部701bが作動ピン71に支持される位置である。
【0039】
復路の調整値が設定されると加圧モータMTを逆転駆動させる(ST32)。これによって、図7(c)の状態から加圧ユニット50が図5の矢印X2で示す第2の方向に移動する。そして、加圧モータMTを逆転駆動と同時にエンコーダー90のパルスのカウントを開始し、カウント値が復路調整値に到達したならば、エンコーダー90のカウントをリセットして、再びカウントを開始させる(ST33-ST35)。これによって、エンコーダー90は押圧ユニット50が復路基準位置に到達した時点からエンコーダー90のパルスのカウントを開始する。ここで、復路調整値が「0」であれば、ステップ33(ST33)、ステップ34(ST34)は実行されずに、ステップ35(ST35)のエンコーダー90のパルスのカウントを開始される。
【0040】
その後、カウンタ101のカウンタ値が復路ブレーキ値に到達すると、加圧モータMTにブレーキを作用させる(ST36-ST37)。この過程で、加圧ユニット50の複数のコロ52が図7(c)で示す退避位置から図7(b)で示す加圧位置に移動され、シートの第2の折り目F2を加圧しつつ第2の折り目F2に沿って移動する。これによって、第2の折り目F2が加圧され、シートの膨らみが抑えられる(図6(e)参照)。なお、加圧ユニット50は加圧モータMTにブレーキを作用させた後、慣性によってブレーキの作用に抗して所定量移動して停止する。
【0041】
ここで、初期時の復路ブレーキ値は、復路基準位置から複数のコロ52がシートの第2の折り目F1から離れると目論んだ位置までの距離に相当するエンコーダーのパルス数が設定される。つまり、加圧ユニット50のカム70における第2の中間部702bが作動ピン71の位置にあるときにブレーキを作用されるようにしている。これによって、通常であれば加圧ユニット50は慣性によって図7(a)で示す第1の退避部701aが作動ピン71の位置まで移動して停止する。
【0042】
ブレーキを作用させた後、エンコーダーパルスが停止したことを確認すると、カウンタ101によるエンコーダーパルスのカウントを停止し、エンコーダーパルスのカウント値を復路カウントデータとして制御部100のRAMに格納する(ST38-ST40)。
【0043】
次に、ホームポジションセンサHPSがONか否かを確認する(ST41)。ホームポジションセンサHPSがONである場合は、加圧ユニット50が往路基準位置を超えた正常な位置で停止したとして復路の加圧動作を終了する。一方、ホームポジションセンサHPSがOFFである場合は、加圧ユニット50が往路基準位置の手前で停止し、複数の加圧コロ52が第2の折り目F2を加圧した状態にある恐れがあるため、復路エラー処理を実行する(ST42)。つまり、ここではホームポジションセンサHPSによって加圧ユニット50の動作エラーを検出している。
【0044】
エラー処理では、復路エラーフラグが「0」か否かを確認する(ST42-1)。復路エラーフラグが「0」であれば、復路エラーフラグを「1」にして、復路動作エラーする(ST42-2~ST42-3)。この復路動作エラーでは、シート折り装置Cの動作を全て停止する。その後、シート折り装置C内の残留シートを取り除くことでエラー解除される。エラーが解除されることでシート折り装置Cを起動することが可能となる。
【0045】
復路エラーフラグが「1」である場合は、連続して復路エラーが発生したとして復路不良エラーとする(ST42-4)。この復路不良エラーでは、シート折り装置Cの動作を全て停止するが、シート折り装置C内の残留シートを取り除いてもエラーは解除しない。ここでは、シート加圧機構Eの部品等に損傷や故障が発生した可能性があることから、業者によって修理が必要である旨を表示部200にて報知するようになっている。なお、本実施の形態のシート折り装置では、エラー解除後にイニシャル動作を行うようになっている。このイニシャル動作で、復路カウントデータがリセットされ、往路ブレーキ値及び復路ブレーキ値は初期時の予め定められた値となる。
【0046】
図11に基づき、復路ブレーキ値の設定について説明する。復路ブレーキ値の設定も往路のブレーキ値の算出方法と同様である。ここでは復路基準位置から加圧ユニット50が停止するまでの復路カウントデータが5つ(5回分)格納されたならば、復路ブレーキ値が算出される(ST50-ST51)。復路ブレーキ値の算出は、最大値と最小値を除く3つのデータの平均値を算出し、算出された平均値と予め定められた目標復路停止位置との距離に相当するエンコーダーパルス数の初期値とを比較して復路ブレーキ値を算出する。そして、算出された値を次回の復路における復路ブレーキ値として新たに更新する(ST52)。その後、5つ復路カウントデータを全てリセットして、ブレーキ値の算出、更新を終了する(ST53)。ここでも復路における移動動作5回毎に復路ブレーキ値を算出して、更新する。なお、加圧ユニット50の目標復路停止位置は、加圧コロ52が退避位置に移動する位置、すなわち加圧ユニット50のカム70の第1の退避部701aが作動ピン71に支持される位置に設定している。
【0047】
このように複数回復路動作した際の停止位置から次回のブレーキ作動位置を算出し、復路ブレーキ値の更新を行い、ブレーキを作動させる位置を調整するようにしたので、復路における停止位置のぱらつきが抑えることができる。
【0048】
このように、往路、復路のブレーキ値を更新していくことで、常に適切な位置で加圧ユニット50を停止することが可能となる。また、カム70が使用経過とともに削れて変形し、カム70の第1の退避部701a及び第2の退避部701bが作動ピン71に到達されない状態となることを未然に防止することができる。
【0049】
なお、加圧ユニット50の加圧動作において、加圧モータMTを駆動させているときに、エンコーダーパルスが検出できなければ、制御部100は加圧動作不良とし加圧モータを停止し、エラーを表示部200に表示するようにエラー信号を送信する。
【0050】
[第2の実施の形態]
復路エラーが解除された際における復路加圧動作の第2の実施の形態について説明する。上述の実施の形態では、復路エラーが解除された場合、イニシャル動作で復路ブレーキ値を初期時の予め定められた値として、シート折り装置Cを起動可能としたが、第2の実施の形態では復路エラー解除後の復路ブレーキを作動させる位置をホームポジションセンサHPSがホームポジションフラグHPFを検出した位置としている。
【0051】
図12は、第2の実施の形態におけるエラー発生後における復路の動作を示すフローチャート図である。図12に基づき復路の動作の第2の実施の形態について説明すると、先ず復路ブレーキ値が設定されると復路調整値の設定を行う(ST60)。復路の調整値が設定されると加圧モータMTを逆転駆動させる(ST61)。加圧モータMTを逆転駆動と同時にエンコーダー90のパルスのカウントを開始し、カウント値が復路調整値に到達したならば、エンコーダー90のカウントをリセットして、再びカウントを開始させる(ST62-ST64)。この図12のステップ60(ST60)~ステップ64(ST64)までは、図10におけるステップ31(ST31)~ステップ35(ST35)と同じである。
【0052】
加圧モータMTを逆転によって図5の矢印X2で示す第2の方向に移動する加圧ユニット50のホームポジションフラグPHFがホームポジションセンサPHSで検出されるとブレーキを作動させ加圧モータMTにブレーキを掛ける(ST65~ST66)。このとき、加圧ユニット50はカム70の第1の退避部701aが作動ピン70の位置にある状態でブレーキが作動する。よって、複数の押圧コロ52は退避位置に移動した状態で停止することとなる。
【0053】
そして、ブレーキを作用させた後、エンコーダーパルスが停止したことを確認すると、カウンタ101によるエンコーダーパルスのカウントを停止し、エンコーダーパルスのカウント値を復路カウントデータとして制御部100のRAMに格納する(ST67~ST69)。このとき、加圧ユニット50のカム70の第1、第2の退避部701a、701bは加圧ユニット50を小型化するために移動距離が短くなっているので、ブレーキを作用させた後に慣性で移動する加圧ユニット50は第1の退避部701aの端部が作動ピン71に当接して停止している。
【0054】
一方、加圧ユニット50のホームポジションフラグPHFがホームポジションセンサPHSで検出されずに、エンコーダー90のエンコーダーパルスのカウンタ値が予め定められたパルスの最大値に到達した場合、ホームポジションセンサHPS、ホームポジションフラグPHFやシート加圧機構Eの他の部品に損傷や故障が発生した恐れがあるとし、加圧モータMTにブレーキを掛けて加圧モータMTを停止させ、復路不良エラーとする(ST70~ST72)。なお、予め定められたパルスの最大値は前記加圧ユニット50が復路基準位置からカム70の第1の退避部701aの端部が作動ピン71に到達するまでの移動距離に相当するエンコーダー90のパルス数である。
【0055】
この第2の実施の形態の復路ブレーキ値の算出は、復路ホームポジションフラグHPFがホームポジションセンサHPSで検出されてブレーキが作用して停止した位置までのエンコーダーパルスのカウント値を5回分格納し、この5つのデータを用いて図9に示す往路ブレーキ値設定動作が実行される。つまり、格納された5つのデータのうちの最大値と最小値を除く3つのデータの平均値を算出する。次に、加圧ユニット50が復路基準位置から予め定められた目標復路停止位置に停止するまでの距離に相当するエンコーダーパルス数と算出された平均値とを比較、演算して次回の復路ブレーキ値として設定する。その後、復路ブレーキ値は5回毎に更新される。なお、図12に示す第2の実施の形態におけるエラー解除後の復路加圧動作は、加圧ユニット50をホームポジションセンサHPSが検出したことによって加圧モータMTにブレーキを作動させる際のみに実行される。したがって、新たに復路プレーキ値が設定された以降は、復路の動作は図10に示す復路加圧動作が実行される。
【0056】
第2の実施の形態では、ホームポジションセンサHPSがホームポジションフラグHPSを検出したことに基づき加圧モータMTにブレーキをかけるため、確実に加圧ユニット50がカム70の第1の退避部701aが作動ピン71に到達した状態で停止できる。これによって、加圧コロ52が退避位置に移動した状態でシートが搬送されるようになる。また、エラーが加圧機構Eの部品の損傷や故障などによる業者による修繕が必要な不良エラーか、設定値の再設定などによって自己復帰可能な動作エラーか、が解る。
【0057】
[第2の実施の形態の変形例1]
上述の第2の実施の形態では、図12におけるエラー解除後の復帰加圧動作を5回実行させ、5回分のエンコーダーパルスのカウント値から次の復路ブレーキ値を算出したが、図12におけるエラー解除後の復帰加圧動作が正常であった場合、復路ブレーキ値を初期時における予め定められた初期値に設定し、以降は図10で示す復路加圧動作を実行するようにしてもよい。この場合、初期値を用いた復路ブレーキ値から5回分のエンコーダーパルスのカウント値によって次の復路ブレーキ値を設定する。
【0058】
これによって、ホームポジションセンサHPSのホームポジションフラグHPFの検出によってブレーキを作動させた際に発生する、カム70の第1の退避部701aの端部が作動ピン71に当接する当接音の発生を抑えることができる。
【0059】
[第2の実施の形態の変形例2]
復路エラー解除後に実行される上述の第2の実施の形態に示す復路動作は、シート折り装置Cを再度起動させ、シート折り機構DでZ折りされたシートに対して実行したが、シート折り機構Dを作動させずに、シート加圧機構Eのみを作動させて第2の実施の形態に示す復路動作を実行させてもよい。つまり、シートがない状態で実行させ、復路不良エラーが発生しないことを確認した後にシート折り装置Cによるシートの搬送、折りの動作を再開させる。そして、折られたシートの折り目を復路によって加圧する際はホームポジションセンサHPSがホームポジションフラグHPSを検出したことに基づき加圧モータMTにブレーキをかける。これによって、エラーが発生した場合にシートの取り除き作業をなくすことができ、また取り除きにより破棄されるシートをなくすことができる。
【0060】
[第2の実施の形態の変形例3]
復路エラー解除後に実行される上述の第2の実施の形態に示す復路動作をシートがない状態でシート加圧機構Eのみを作動させ、復路不良エラーが発生しないことを確認したならば、復路ブレーキ値を初期時に用いた予め定められた初期値に設定し、シート折り装置Cを再度起動させ、シート折り機構DでZ折りされたシートに対して図10に示す復路加圧動作を実行させてもよい。これによって、エラーが発生した場合にシートの取り除き作業をなくすことができ、また取り除きにより破棄されるシートをなくすことができる。また、カム70の第1の退避部701aの端部が作動ピン71に当接する当接音の発生を抑えることができる。
【0061】
上記の実施の形態では、ホームポジションセンサHPSによって復路における加圧ユニット50の動作エラーを検出したが、往路においてもカム70の第2の退避部が作動ピン71に到達したことを検出する検出センサを設け、この検出センサよって往路における加圧ユニット50の動作エラーを検出するようにしてもよい。また、エラー解除後の往路加圧動作を第2の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例1、変形例2、変形例3のいずれか1つのように動作させてもよい。
【0062】
このように、Z折り処理によって、シートSに2か所以上の折り目がある場合に、加圧ユニット50をカム70に沿って第1の方向X1に移動させることで第1の折り目F1を加圧し、この移動とは逆方向の第2の方向X2にカム70を移動することによって、第2の折り目F2を加圧することができる。このように、カム70を一往復する間にシートSの2か所の折り目を加圧することができるので、シートSの搬送スピードを低下させることなく、高速に加圧処理を行うことができる。また、加圧コロ52が退避位置に移動する前に直流モータにブレーキを付与するようにしたので、加圧装置の大型化を防ぐことができる。さらに、複数回分の加圧ユニットの停止位置のデータから直流モータにブレーキを作動させるタイミングを調整したので加圧ユニットのぱらつきを抑えることができる。
【符号の説明】
【0063】
A 画像形成装置
B 後処理装置
C シート折り装置
D シート折り機構
E シート加圧機構(シート加圧装置)
F1 第1の折り目
F2 第2の折り目
MT 加圧モータ
Ph 加圧位置
S シート
X1 第1の方向(往路)
X2 第2の方向(復路)
10 送りローラ対
11 折りローラ対
15 突き板
18 搬送路
50 加圧ユニット
52 加圧コロ(加圧部材)
53 移動機構
70 カム
701a 第1の退避部
701b 第2の退避部
702a 第1の中間部
702b 第2の中間部
703 加圧部
71 作動ピン
90 エンコーダー
HPS ホームポジションセンサ
HPF ホームポジションフラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12