IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マルホ発條工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053100
(43)【公開日】2024-04-12
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240405BHJP
   B65B 57/12 20060101ALI20240405BHJP
   B65B 9/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B57/12
B65B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024036684
(22)【出願日】2024-03-11
(62)【分割の表示】P 2021129191の分割
【原出願日】2020-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2019100953
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大浦 茂
(72)【発明者】
【氏名】岡田 章裕
(57)【要約】
【課題】小型化および包装パックを作製する工程の省人化が図れる包装機を提供する。
【解決手段】包装機は、打ち抜き装置173により打ち抜かれた包装パックBP1を撮像する撮像部311と、制御装置90と、を備える。制御装置90は、撮像部311により撮像された包装パックBP1の包装パック画像に基づいて、パックフィルムF4の打ち抜き位置の打ち抜き位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、打ち抜き位置ずれ量からパックフィルムF4の打ち抜き位置に対する打ち抜き位置補正量を算出する打ち抜き位置補正量算出部と、打ち抜き位置補正量に基づいて、フィルム送りローラ2811の回転角度を調整するスリット位置制御部と、打ち抜き位置補正量に基づいて、フィルムガイド2831の位置を調整するフィルムガイド位置制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムの前記ポケットに前記ワークが収容された状態で、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムが貼着されてなる帯状のパックフィルムを、打ち抜くことにより包装パックを製造するための包装機であって、
前記パックフィルムが巻回されるフィルム送りローラを有し、前記フィルム送りローラを予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させることにより、前記パックフィルムを予め設定された第1基準距離ずつ間欠的に送り出す第1搬送部と、
前記第1搬送部により間欠的に搬送される前記パックフィルムが停止したときに前記パックフィルムを打ち抜く打ち抜き装置と、
前記第1搬送部の下流側に配置され前記パックフィルムを案内する案内部を有し、前記案内部の前記パックフィルムの幅方向における位置を変更することにより、前記打ち抜き装置における前記パックフィルムの幅方向における位置を変更する第1フィルム位置変更部と、
前記打ち抜き装置により打ち抜かれた前記包装パックを撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された前記包装パックの包装パック画像に基づいて、前記打ち抜き装置による前記パックフィルムの打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、
前記打ち抜き位置の位置ずれ量から前記打ち抜き位置に対する打ち抜き位置補正量を算出する打ち抜き位置補正量算出部と、
前記打ち抜き位置補正量に基づいて、前記回転角度を調整する回転角度調整部と、
前記打ち抜き位置補正量に基づいて、前記案内部の位置を調整する案内部位置調整部と、を備える、
包装機。
【請求項2】
前記第1フィルム位置変更部は、
前記パックフィルムの厚さ方向における一面側に対向して配置され前記パックフィルム側の面に前記パックフィルムの前記ポケットを案内する溝が形成されたガイド本体と、前記パックフィルムの厚さ方向における他面側に対向して配置された補助板と、を有し前記パックフィルムを案内するフィルムガイドと、
前記フィルムガイドを前記パックフィルムの幅方向に沿って駆動するガイド駆動部と、を有する、
請求項1に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
ポケット部が形成された帯状の容器フィルムに対し内容物を充填した後、容器フィルムに対しポケット部を塞ぐように印刷部が設けられたカバーフィルムを取着することによりPTPフィルムを形成し、その後、PTPフィルムを打ち抜くことにより平面視矩形状のPTPシートを製造するPTP包装機が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたPTP包装機は、打ち抜かれたPTPシートについてポケット部の理想位置からの位置ズレ量と印刷部の理想位置からの位置ズレ量とを検出し、検出された2種類の位置ズレ量の双方に基づいて、PTPフィルムの打ち抜き位置を補正する。そして、このPTP包装機は、フィルム送りローラの1駆動当たりの回転角度を変更して、PTPフィルムの送り出し量を調節することによりPTPフィルムの延長方向における打ち抜き位置の補正を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-157648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PTPフィルムの打ち抜き位置は、PTPフィルムの延長方向のみならず幅方向にもずれる可能性がある。これに対して、特許文献1に記載されたPTP包装機では、PTPフィルムを打ち抜くシート打ち抜き装置全体をPTPフィルムの幅方向へ移動させることにより打ち抜き位置を補正する。しかしながら、この場合、シート打ち抜き装置全体を移動させるための駆動機構が別途必要となるため、その分、PTP包装機が大型化してしまう虞がある。また、打ち抜かれたPTPパックの検査を撮像装置を用いて行うことにより、包装パックを作製する工程の省人化の要請もある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、小型化および包装パックを作製する工程の省人化が図れる包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る包装機は、
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムの前記ポケットに前記ワークが収容された状態で、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムが貼着されてなる帯状のパックフィルムを、打ち抜くことにより包装パックを製造するための包装機であって、
前記パックフィルムが巻回されるフィルム送りローラを有し、前記フィルム送りローラを予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させることにより、前記パックフィルムを予め設定された第1基準距離ずつ間欠的に送り出す第1搬送部と、
前記第1搬送部により間欠的に搬送される前記パックフィルムが停止したときに前記パックフィルムを打ち抜く打ち抜き装置と、
前記第1搬送部の下流側に配置され前記パックフィルムを案内する案内部を有し、前記案内部の前記パックフィルムの幅方向における位置を変更することにより、前記打ち抜き装置における前記パックフィルムの幅方向における位置を変更する第1フィルム位置変更部と、
前記打ち抜き装置により打ち抜かれた前記包装パックを撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された前記包装パックの包装パック画像に基づいて、前記打ち抜き装置による前記パックフィルムの打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、
前記打ち抜き位置の位置ずれ量から前記打ち抜き位置に対する打ち抜き位置補正量を算出する打ち抜き位置補正量算出部と、
前記打ち抜き位置補正量に基づいて、前記回転角度を調整する回転角度調整部と、
前記打ち抜き位置補正量に基づいて、前記案内部の位置を調整する案内部位置調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1フィルム位置変更部が、パックフィルムを案内する案内部を有し、案内部のパックフィルムの幅方向における位置を変更することにより、打ち抜き装置におけるパックフィルムの幅方向における位置を変更する。そして、打ち抜き位置補正量算出部が、前述の打ち抜き位置の位置ずれ量からパックフィルムの打ち抜き位置に対する打ち抜き位置補正量を算出し、案内部位置調整部が、打ち抜き位置補正量に基づいて、案内部の位置を調整する。これにより、打ち抜き装置全体をパックフィルムの幅方向へ移動させるための駆動機構を設けること無く、打ち抜き位置のパックフィルムの幅方向への補正を行うことができる。従って、打ち抜き装置全体をパックフィルムの幅方向へ移動させるための駆動機構を設ける必要が無い分、包装機の小型化が図れる。また、第1撮像部が、打ち抜き装置により打ち抜かれた包装パックを撮像するので、第1撮像部により撮像された包装パックの画像を用いて、包装パックの検査の自動化が可能となる。従って、包装パックを作製する工程における省人化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る包装機の概略正面図である。
図2】実施の形態に係る加熱装置および成形装置の概略構成図である。
図3A】実施の形態に係る固定チャックにより容器フィルムを挟持した状態を示す図である。
図3B】実施の形態に係るチャックフィードにより容器フィルムを挟持した状態を示す図である。
図3C】実施の形態に係るチャックフィードにより容器フィルムを搬送する様子を示す図である。
図4】実施の形態に係るスリット形成装置、印字装置および打ち抜き装置の概略構成図である。
図5A】実施の形態に係るスリット形成装置の一部の拡大図である。
図5B】実施の形態に係るスリット形成装置の動作説明図である。
図6】実施の形態に係る搬送部の概略構成図である。
図7A】実施の形態に係る第1フィルム位置変更部の動作説明図である。
図7B】実施の形態に係る第1フィルム位置変更部を他の方向から見た場合の動作説明図である。
図8】実施の形態に係る制御部のブロック図である。
図9】実施の形態に係る包装機の動作説明図である。
図10】実施の形態に係る包装機の動作説明図である。
図11】実施の形態に係る制御部が実行する位置補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】実施の形態に係る制御部が実行する位置補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】変形例に係る包装機の動作説明図である。
図14】変形例に係る包装機の動作説明図である。
図15A】変形例に係る包装機の一部を示す概略構成図である。
図15B】変形例に係るフィルム位置変更部の動作説明図である。
図16A】変形例に係るカバーフィルムの一例を示す平面図である。
図16B】変形例に係る包装機の動作説明図である。
図17A】変形例に係るチャックユニットの側面図である。
図17B】変形例に係るチャックユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る包装機について、図を参照しながら説明する。本実施の形態に係る包装機は、ブリスタパック、PTPパック等の包装パックを製造するためのものである。ここで、包装パックとは、ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、ポケットを塞ぐように容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有するものである。ここで、ワークとしては、例えばチューブ状容器、錠剤、食品、電子部品、医療機器等が挙げられる。
【0010】
本実施の形態に係る包装機1は、図1に示すように、原料フィルム供給ユニット11と、加熱装置29と、成形装置12と、外観検査装置13、16、31と、カバーフィルム供給ユニット15と、シール装置14と、スリット形成打ち抜きユニット17と、ロータリーサクション32と、を備える。ここで、シール装置14は、容器フィルムF2、カバーフィルムF3およびパックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する搬送部141を有する。また、包装機1は、原料フィルムF1および容器フィルムF2を搬送するチャックフィード232と、固定チャック231と、パックフィルムF4を案内するガイドローラ251と、パックフィルムF4を間欠的に下流側へ搬送する搬送部281と、を備える。更に、包装機1は、容器フィルムF2のその幅方向における位置ずれを規制する滑りガイド293と、容器フィルムF2に張力を印加する張力印加部291と、張力調整部292と、パックフィルムF4に張力を印加する張力印加部252と、を備える。また、包装機1は、後述するスリット形成打ち抜きユニット17のスリット形成装置171におけるパックフィルムF4の位置ずれを補正するためのフィルム位置変更部26と、パックフィルムF4にマークを印字する印字装置27と、スリット形成打ち抜きユニット17から排出されるスクラップを回収する回収ユニット(図示せず)と、を備える。ここで、回収ユニットは、包装パックBPが打ち抜かれた後のパックフィルムF4を短冊状に切断して回収する機構を有する。更に、包装機1は、ロータリーサクション32から排出される形状不良の包装パック或いはワークが包装されていない包装パックのようないわゆる包装パックの不良品を回収する回収ユニット34と、ロータリーサクション32から包装パックを受け取って他の装置へ搬送するベルトコンベヤ331を有するパック搬送装置33と、を備える。
【0011】
また、包装機1は、容器フィルムF2のポケットへワークを供給可能な状態で容器フィルムF2を支持するステージ40と、ホッパ288へ投入されたワークを容器フィルムF2のポケットへ投入するワーク供給装置289と、を備える。ここで、ワーク供給装置289は、ステージ40の上方に容器フィルムF2が配置された状態で、容器フィルムF2の各ポケットへワークを投入していく。なお、このワーク供給装置289は、省略されていてもよい。この場合、容器フィルムF2のポケットへワークを供給する作業を行う作業者は、ステージ40の上方に容器フィルムF2が配置された状態で各ポケットにワークを1つずつ投入していくようにすればよい。
【0012】
更に、包装機1は、シール装置14から排出されるパックフィルムF4を案内するローラ241、242、253と、包装機1の各装置を制御する制御装置90と、を備える。なお、図1では図面を明確にするために、制御装置90が、包装機本体50の外側に描かれているが、実際には、包装機本体50の背面側に設置されている。また、包装機1は、原料フィルム供給ユニット11、成形装置12、外観検査装置13、16、31、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14、スリット形成打ち抜きユニット17等を収納する包装機本体50を備える。
【0013】
この包装機1では、矢印AR1で示すように、原料フィルム供給ユニット11から供給された原料フィルムF1が、チャックフィード232により加熱装置29および成形装置12へ搬送される。そして、矢印AR2に示すように、成形装置12において原料フィルムF1から生成された容器フィルムF2が、シール装置14の搬送部141によりステージ40の上方を通って外観検査装置13およびシール装置14へ搬送される。一方、矢印AR3に示すように、カバーフィルム供給ユニット15から供給されたカバーフィルムF3が、シール装置14の搬送部141によりシール装置14へ搬送される。そして、シール装置14が容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することによりパックフィルムF4が生成される。また、矢印AR4に示すように、シール装置14で生成されたパックフィルムF4は、搬送部141により下流側へ搬送される。一方、矢印AR5に示すように、シール装置14の下流側へ搬送されたパックフィルムF4は、搬送部281によりスリット形成打ち抜きユニット17へ間欠的に搬送される。そして、スリット形成打ち抜きユニット17から排出されるスクラップF5は、回収ユニットへ搬送される。
【0014】
原料フィルム供給ユニット11は、容器フィルムF2の元となる帯状の原料フィルムF1を供給する。原料フィルム供給ユニット11は、原料フィルムF1が巻回されたリール111、112と、フィルム自動接着装置113と、を有する。また、原料フィルム供給ユニット11は、リール111、112から供給される原料フィルムF1をフィルム自動接着装置113へ案内するローラ1151、1152、1153と、原料フィルムF1を保持する保持機構1141、1142と、を有する。ここで、保持機構1141、1142は、それぞれ、リール111、112から供給される原料フィルムF1のうち、成形装置12へ送らずに待機させておく方の先端部を保持するチャック1141a、1142aを有する。更に、原料フィルム供給ユニット11は、原料フィルムF1を搬送する搬送部1154と、フィルム押さえ機構116と、フィルム自動接着装置113からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中における原料フィルムF1の下流側への供給を継続させるためのバッファ部117と、バッファ部117から供給される原料フィルムF1を加熱装置29へ案内するローラ1155と、を有する。搬送部1154は、ローラ1154aと、ローラ1154aを駆動するローラ駆動部1154bと、を有する。原料フィルムF1としては、いわゆるソフトフィルム、即ち、厚さが0.1mm未満のポリ塩化ビニル製フィルムのようなプラスチックフィルム、いわゆるハードフィルム、即ち、厚さが0.1mm超のポリ塩化ビニル製フィルムのようなプラスチックフィルム、アルミフィルムのような金属フィルム、或いは、ガスバリヤフィルムのような複合フィルム等が挙げられる。
【0015】
フィルム自動接着装置113は、リール111、112のいずれか一方から供給される原料フィルムF1が無くなったことを検知すると、その一方から供給される原料フィルムF1の終端部分に他方から供給される原料フィルムF1の先端部分を接着する。フィルム自動接着装置113は、リール111、112のいずれか一方から供給された原料フィルムF1に他方から供給される原料フィルムF1を接着する処理を実行している期間だけ、原料フィルムF1の下流側への供給を停止する。
【0016】
フィムル押さえ機構116は、原料フィルムF1に鉛直上方から接触するローラ1161と、ローラ1163と、長尺であり長手方向の一端部がローラ1161の中央部を貫通する軸部(図示せず)に枢支され他端部にローラ1163が回転自在に装着されたアーム1162と、を有する。そして、アーム1162は、その他端部がその一端部を基点として旋回可能となっている。バッファ部117は、ローラ1154a、1155の間に張架された原料フィルムF1におけるローラ1154a、1155の間の部分に鉛直上方から接触して鉛直下方へ押圧することにより、原料フィルムF1に張力を印加する。張力印加部117は、原料フィルムF1に鉛直上方から接触するローラ1171と、長尺であり長手方向の一端部にローラ1171が取り付けられたアーム1172と、を有する。また、バッファ部117は、アーム1172の長手方向における他端部において、アーム1172の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム1172を支持する支持部1173を有する。そして、フィルム押さえ機構116は、アーム1162の他端部をローラ1154aに押さえつける方向へ付勢する付勢手段(図示せず)を有し、アーム1162の他端部に装着されたローラ1163により原料フィルムF1をローラ1154aに押さえつけている。また、バッファ部117は、フィルム自動接着装置113からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中、アーム1162の一端部をフィルム自動接着装置113側に近づく方向へ旋回することにより、原料フィルムF1の下流側への供給を継続する。
【0017】
加熱装置29は、例えば図2に示すように、原料フィルムF1の厚さ方向における両側それぞれに対向して配置されヒータ(図示せず)を内蔵する伝熱板2901、2902と、伝熱板2901、2902を支持するとともに伝熱板2901、2902を鉛直方向へ駆動する駆動ユニット2903、2904と、を有する。伝熱板2901、2902は、例えば熱伝導率が高い金属から形成されている。成形装置12は、原料フィルムF1にポケットPo1を成形することにより帯状の容器フィルムF2を生成する。成形装置12は、原料フィルムF1の鉛直上方に配置された第1金型123と、原料フィルムF1の鉛直下方に配置された第2金型122と、を有する。第2金型122には、原料フィルムF1に形成予定のポケットPo1の内側形状よりも若干小さい外形を有するプラグ122aと、気体を吐出する吐出孔(図示せず)と、が設けられている。ここで、プラグ122aは、吐出孔の内側に配置され吐出孔の外側へ突出可能となっている。また、このプラグ122aには、原料フィルムF1の温度低下を抑制するためのヒータ(図示せず)が内蔵されている。なお、プラグ122aは、ヒータが内蔵されていないものであってもよい。一方、第1金型123には、原料フィルムF1に形成予定のポケットPo1の外側形状に対応した凹部123aが設けられている。また、成形装置12は、第1金型123を鉛直方向へ駆動する駆動部124と、プラグ122aを鉛直方向へ駆動する駆動部125と、気体を供給する気体供給部(図示せず)と、駆動部124、125および気体供給部を支持する装置本体121と、を有する。気体供給部は、例えば成形装置12が設置された工場に設けられたコンプレッサ(図示せず)に接続され、第2金型122の吐出孔へ気体を供給する。第1金型123および第2金型122は、生成しようとする容器フィルムF2のポケットPo1の深さおよび開口部分の面積に応じて適宜変更されてもよい。
【0018】
成形装置12は、成形装置12内に原料フィルムF1が配置された状態で、第1金型123を鉛直下方へ移動させて第1金型123により原料フィルムF1を第2金型122へ押し付ける。これにより、原料フィルムF1におけるポケットPo1の外周部が、第1金型123および第2金型122により挟持(クランプ)された状態となる。そして、成形装置12は、第1金型123のプラグ122aを、成形しようとするポケットPo1の深さに応じた突出量だけ鉛直上方へ突出させて原料フィルムF1を引き延ばす。なお、このときのプラグの突出量は、生成しようとするポケットPo1に要請される肉厚分布に応じて適宜調整してもよい。そして、成形装置12は、プラグ122aを鉛直上方へ突出させた状態で、吐出孔から気体を吐出させることにより、ポケットPo1を有する容器フィルムF2を生成する。
【0019】
固定チャック231は、図3Aに示すように、容器フィルムF2を鉛直下方から支持する支持部231aと、容器フィルムF2の鉛直上方から支持部231aとともに容器フィルムF2を挟持する挟持部231bと、挟持部231bを鉛直方向に駆動する駆動部231cと、を有する。チャックフィード232は、容器フィルムF2を挟持するチャック2321と、チャック2321を容器フィルムF2の送り方向に沿って移動させるチャック移動機構2322と、を有する第2搬送部である。チャック2321は、容器フィルムF2を鉛直下方から支持する支持部2321aと、容器フィルムF2の鉛直上方から支持部2321aとともに容器フィルムF2を挟持する挟持部2321bと、挟持部2321bを鉛直方向に駆動する駆動部2321cと、を有する。なお、チャックフィード232は、容器フィルムF2の幅方向全体に亘る部分を挟持するものであってもよいし、容器フィルムF2の幅方向における両端部を挟持するものであってもよい。或いは、チャックフィード232が、容器フィルムF2の幅方向における一部分を挟持するものであってもよい。
【0020】
ここで、チャックフィード232の動作について説明する。まず、成形装置12が第1金型123と第2金型122とで原料フィルムF1を挟持するとき、固定チャック231が、図3Aの矢印AR21に示すように、容器フィルムF2を挟持する。このとき、チャックフィード232のチャック2321は、図3Aの矢印AR22に示すように、容器フィルムF2の上流側へ移動する。次に、成形装置12が第2金型122から第1金型123を離脱させる前に、チャックフィード232のチャック2321が、図3Bの矢印AR23に示すように、容器フィルムF2を挟持する。続いて、固定チャック231が、図3Bの矢印AR24に示すように、容器フィルムF2の挟持を解除する。その後、チャックフィード232のチャック移動機構2322が、図3Cの矢印AR25に示すようにチャック2321を下流側へ移動させる。これにより、図3Cの矢印AR1に示すように、容器フィルムF2が下流側へ搬送される。固定チャック231が、再び容器フィルムF2を挟持し、チャックフィード232のチャック2321が、容器フィルムF2の挟持を解除する。そして、チャック移動機構2322が、チャック2321を容器フィルムF2の上流側、即ち、固定チャック231へ近づく方向へ移動させる。以後、チャックフィード232が、前述の一連の動作を繰り返すことにより、容器フィルムF2が下流側へ間欠的に搬送されていく。
【0021】
滑りガイド293は、容器フィルムF2に摺接する湾曲面293aを有し、容器フィルムF2を摺動自在に支持する。滑りガイド293における少なくとも湾曲面293aを含む部分は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリアセタール等の樹脂材料またはステンレスのような金属から形成されている。また、容器フィルムF2のポケットPo1の変形を抑制する観点から、湾曲面293aの曲率半径は、少なくともポケットPo1の容器フィルムF2の搬送方向における長さよりも長いほうが好ましい。なお、曲率半径は、容器フィルムF2の幅方向の長さよりも長いほうがより好ましい。張力印加部291は、滑りガイド293と張力調整部292との間に張架された容器フィルムF2における滑りガイド293と張力調整部292との間の部分に接触して鉛直下方へ押圧することにより、容器フィルムF2に張力を印加する。張力印加部291は、容器フィルムF2に接触するローラ2911と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2911が回転自在に取り付けられたアーム2912と、を有する。また、張力印加部291は、アーム2912の長手方向における他端部において、アーム2912の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム2912を支持する支持部2913を有する。張力調整部292は、容器フィルムF2が巻回されるローラ2921と、ローラ2921にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ2922と、を有する。張力調整部292は、パウダクラッチブレーキ2922によりローラ2921の回転トルクを調節して、ローラ2921とシール装置14のローラ141との間に張架される容器フィルムF2に加わる張力を調整する。
【0022】
外観検査装置13は、シール装置14の上流側に配置されている。外観検査装置13は、容器フィルムF2を撮像する撮像部131と、撮像部131を収容する筐体132と、を有する。撮像部131は、ワークがポケットに収納された容器フィルムF2を撮像して得られる画像情報を制御装置90へ送信する第2撮像部である。ここで、撮像部131しては、3次元スキャン装置、レーザスキャン装置等を採用できる。
【0023】
カバーフィルム供給ユニット15は、帯状のカバーフィルムF3を供給する。カバーフィルム供給ユニット15は、カバーフィルムF3が巻回されたリール151と、リール151から供給されるカバーフィルムF3をシール装置14へ案内するローラ1521、1522、1523と、張力調整部153と、位置センサ154と、を有する。カバーフィルムF3としては、アルミフィルムのような金属フィルム、或いは、ガスバリヤフィルムのような複合フィルム等が挙げられる。張力調整部153は、カバーフィルムF3が巻回されるローラ1531と、ローラ1531にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ1532と、を有する。張力調整部153は、パウダクラッチブレーキ1532によりローラ1531の回転トルクを調節して、ローラ1531とシール装置14のローラ141との間に張架されるカバーフィルムF3に加わる張力を調整する。位置センサ154は、カバーフィルムF3に設けられたマークを検出することにより、カバーフィルムF3の搬送方向における予め設定された基準位置からの位置ずれ量を検出する。そして、張力調整部153は、位置センサ154により検出される基準位置からの位置ずれ量に基づいて、基準位置からの位置ずれ量が減少するようにローラ1531の回転トルクを調整する。
【0024】
シール装置14は、容器フィルムF2のポケットPo1にワークが収容された状態で、容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することによりポケットPo1をシールする。シール装置14は、前述の搬送部141と、カバーフィルムF3を加熱する加熱部143と、ローラ141に巻回されたカバーフィルムF3をローラ141に押し付ける押圧部142と、を有する。また、シール装置14は、カバーフィルム供給ユニット15から供給されるカバーフィルムF3を加熱部143に案内するローラ1441、1442を有する。搬送部141は、円筒状のホイール141aと、ホイール141aを軸支するシャフト141bと、シャフト141bを回転駆動する駆動部141cと、を有する。ホイール141aの周面には、容器フィルムF2のポケットを掛止する複数の凹部(図示せず)がホイール141aの周方向に沿って並設されている。そして、駆動部141cは、ホイール141aの複数の凹部の一部に容器フィルムF2のポケットが掛止された状態で、ホール141aを回転させる。これにより、容器フィルムF2にカバーフィルムF3が貼着されてなる包装フィルムF4が、シール装置14の下流側へ連続的に搬送される。加熱部143は、カバーフィルムF3が巻回される伝熱ローラ143aを有し、伝熱ローラ143aを加熱することによりカバーフィルムF3を加熱する。伝熱ローラ143aは、熱伝導率の高い金属から形成されている。なお、加熱部143の代わりに加熱機能を備えないローラが設けられていてもよい。押圧部142は、搬送部141のホイール141aに巻回された容器フィルムF2およびカバーフィルムF3に圧接されるローラ1421と、長尺であり長手方向の一端部にローラ1421が回転自在に取り付けられたアーム1422と、を有する。また、押圧部142は、アーム1422の長手方向における他端部において、アーム1422の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム1422を支持するとともにアーム1422の一端部をローラ1421に押し付ける方向へ付勢するアーム駆動部1423を有する。シール装置14は、容器フィルムF2に加熱されたカバーフィルムF3が重ねられた状態で、搬送部141のホイール141aとローラ1421とで挟持することにより、容器フィルムF2のポケットの外周部にカバーフィルムF3を圧着する。
【0025】
外観検査装置16は、パックフィルムF4を撮像する撮像部161と、撮像部161を収容する筐体162と、を有する。撮像部161は、ローラ241、242の間に張架されたパックフィルムF4を撮像して得られる画像情報を制御装置90へ送信する。ここで、制御装置90は、外観検査装置16から取得した画像情報に基づいて、パックフィルムF4における各包装パックBP1に対応する部分の形状不良の有無、汚れ、異物付着の有無、ポケット内への異品種混入の有無、或いは、ポケット内のワークの有無を判定する。そして、制御装置90は、判定結果に基づいて、包装パックBP1の不良品を選別するための制御情報をロータリーサクション32へ出力する。ここで、撮像部161としては、3次元スキャン装置、レーザスキャン装置等を採用できる。
【0026】
ガイドローラ251は、ホイール251aと、ホイール251aを軸支するシャフト251bと、を有する。ホイール251aには、パックフィルムF4のポケットを掛止する複数の凹部(図示せず)がその周方向に沿って並設されている。張力印加部252は、ガイドローラ251とローラ253との間に張架されたパックフィルムF4におけるガイドローラ251とローラ253との間の部分に鉛直上方から接触して鉛直下方へ押圧することにより、パックフィルムF4に張力を印加する。張力印加部252は、パックフィルムF4に鉛直上方から接触するローラ2521と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2521が取り付けられたアーム2522と、を有する。また、張力印加部252は、アーム2522の長手方向における他端部において、アーム2522の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム2522を支持する支持部2523を有する。
【0027】
スリット形成打ち抜きユニット17は、スリット形成装置171と、打ち抜き装置173と、-Y方向側にスリット形成装置171が固定され+Y方向側に打ち抜き装置173が固定された駆動部172と、を有する。スリット形成装置171は、図4に示すように、パックフィルムF4の-Y方向側に配置されたダイユニット1712と、パックフィルムF4の+Y方向側に配置されたヘッド1714と、を有する。ヘッド1714には、パックフィルムF4にスリットを生成するためのカッタ1714aが設けられている。カッタ1714aは、図5Aに示すように、パックフィルムF4におけるスリットを生成する複数(図5Aでは5つ)の部位に対向して配置されている。図4に戻って、ヘッド1714には、駆動部172から-Y方向へ延出するガイド棒1716および動力伝達アーム1717に連結されている。更に、スリット形成装置171は、枠状であり内側にヘッド1714をY軸方向へ摺動自在に支持するヘッド支持部1713と、駆動部172に固定されダイユニット1712およびヘッド支持部1713を纏めて支持する本体部1711と、を有する。ヘッド支持部1713には、カッタ1714aを加熱するためのヒータ(図示せず)が配設されている。
【0028】
打ち抜き装置173は、搬送部281により間欠的に搬送されるパックフィルムF4が停止したときにパックフィルムF4を打ち抜く。打ち抜き装置173は、パックフィルムF4の+Y方向側に配置されたダイユニット1732と、パックフィルムF4の-Y方向側に配置されたヘッド1734と、を有する。ヘッド1734には、パックフィルムF4から包装パックBP1を打ち抜くためのカッタ1734aが設けられている。また、ヘッド1734には、駆動部172から+Y方向へ延出するガイド棒1736および動力伝達アーム1737に連結されている。ダイユニット1732には、パックフィルムF4から打ち抜かれた包装パックBP1をダイユニット1732の+Y方向側へ排出するための開口部1732aが形成されている。更に、打ち抜き装置173は、駆動部172に固定されダイユニット1732を支持する本体部1731を有する。駆動部172は、動力伝達アーム1717をY軸方向に沿って移動させるスリット形成装置駆動部1721と、動力伝達アーム1737をY軸方向に沿って移動させるための打ち抜き装置駆動部1722と、これらを収納する筐体1723と、を有する。
【0029】
印字装置27は、搬送部281により間欠的に搬送されるパックフィルムF4が停止したときにパックフィルムF4に予め設定されたマークを印字する印字ヘッド272と、ダイユニット273と、を有する。印字装置27は、パックフィルムF4におけるマークを形成する部分が印字ヘッド272とダイユニット273との間に介在した状態で、印字ヘッド272をダイユニット273に向けて押し付けることによりパックフィルムF4にマークを打刻する。また、印字装置27は、印字ヘッド272およびダイユニット273を支持する支持部271と、支持部271をパックフィルムF4に対して相対的に移動させる支持部駆動部275と、パックフィルムF4を印字ヘッド272とダイユニット273との間へ案内するローラ276と、を有する。このローラ276の位置は固定されている。支持部駆動部275は、支持部271をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させることにより、印字ヘッド272によりパックフィルムF4に印字されるマークの位置を変更する。
【0030】
フィルム位置変更部26は、図5Bに示すように、スリット形成装置171に送られるパックフィルムF4を案内するガイドローラ261と、ガイドローラ261を回転自在に支持するローラ支持部263と、ガイド駆動部264と、を有する第2フィルム位置変更部である。ガイドローラ261は、3つのホイール261aと、3つのホイール261aを軸支するシャフト261bと、を有する第1ガイドローラである。ガイド駆動部264は、ローラ支持部263を介して、ガイドローラ261を、パックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向(図5Bの矢印AR12参照)およびパックフィルムF4の搬送方向に沿った方向、即ち、Z軸方向(図5Bの矢印AR11参照)へ移動させる。ガイド駆動部264は、例えば図5Bの一点鎖線で示すように、ホイール261aの位置を+X方向側へ距離W1だけずれた位置に変更することにより、スリット形成装置171におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を+X方向側に距離W1だけずれた位置に変更する。
【0031】
搬送部281は、パックフィルムF4が巻回されるフィルム送りローラ2811と、ローラ駆動部2812と、を有する第1搬送部である。フィルム送りローラ2811は、図6に示すように、ホイール2811aと、ホイール2811aを軸支するシャフト2811bと、を有する。ホイール2811aには、パックフィルムF4のポケットPo1を掛止する複数の凹部2811cがホイール2811aの周方向に沿って並設されている。搬送部281は、フィルム送りローラ2811の複数の凹部の一部にパックフィルムF4のポケットが掛止された状態で、フィルム送りローラ2811を回転させることにより、パックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する。ローラ駆動部2812は、ホイール2811aの複数の凹部2811cの一部にパックフィルムF4のポケットPo1が掛止された状態で、シャフト2811bを介して、フィルム送りローラ2811を図6の矢印AR4に示す方向へ予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させる。これにより、パックフィルムF4が、予め設定された第1基準距離ずつ間欠的に打ち抜き装置173へ送り出される。ここで、第1基準距離は、パックフィルムF4の長手方向における1つの包装パックに対応する部分の長さに等しくなるように設定されている。また、搬送部281の+Y方向側には、パックフィルムF4の搬送中にパックフィルムF4がフィルム送りローラ2811から離脱するのを防止するためのフィルム押圧部282が配置されている。フィルム押圧部282は、フィルム送りローラ2811の+Y方向側からフィルム送りローラ2811に巻回されたパックフィルムF4に接触するローラ2821と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2821が取り付けられたアーム2822と、を有する。また、フィルム押圧部282は、アーム2822の長手方向における他端部を回転自在に支持し、アーム2822の一端部をローラ2821に押し付けられる方向へ付勢するアーム駆動部2823有する。
【0032】
フィルム位置変更部283は、搬送部281の下流側に配置されパックフィルムF4を案内するフィルムガイド2831と、フィルムガイド2831をパックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向に沿って駆動するガイド駆動部2832と、を有する第1フィルム位置変更部である。フィルムガイド2831は、図7Aに示すように、パックフィルムF4の厚さ方向における一面側に対向して配置されパックフィルムF4側の面に溝2831dが形成されたガイド本体2831aを有する案内部である。また、フィルムガイド2831は、パックフィルムF4の厚さ方向における他面側に対向して配置された補助板2831bと、ガイド本体2831aおよび補助板2831bを纏めて支持する支持部材2831cと、を有する。ガイド駆動部2832は、支持部材2831cを介して、図7Aの矢印AR5に示すように、フィルムガイド2831をX軸方向に沿って駆動して、フィルムガイド2831のX軸方向における位置を変更する。ガイド駆動部2832は、例えば図7Bの一点鎖線で示すように、フィルムガイド2831の位置を+X方向側へ距離W2だけずれた位置に変更することにより、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を+X方向側に距離W2だけずれた位置に変更する。
【0033】
図1に戻って、ロータリーサクション32は、軸部321と、一端が軸部321に固定され他端部に包装パックBP1を保持するチャックユニット322aが設けられた4つのアーム322と、を有する包装パック保持装置である。チャックユニット322aとしては、真空チャック、静電チャック等を有するものが採用される。また、ロータリーサクション32は、軸部321を回転させる軸部駆動部323を有する。軸部駆動部323は、軸部321を回転させることにより、チャックユニット322aを、包装パックBP1を打ち抜き装置173から受け取るための受け取り位置と、後述の外観検査装置31の撮像部311によりチャックユニット322aに保持された包装パックBP1を撮像するための撮像位置と、に配置する。また、軸部駆動部323は、更に、軸部321を回転させることにより、チャックユニット322aを、チャックユニット322aに保持された包装パックBP1の不良品を回収ユニット34へ排出するための回収位置と、チャックユニット322aに保持された包装パックBP1をパック搬送装置33へ移載するための移載位置と、に配置する。ここで、軸部駆動部323は、制御装置90から入力される制御情報に基づいて、不良品と判定された包装パックBP1を回収位置に配置してからチャックユニット322aによる保持を解除することによりその包装パックBP1を回収ユニット34へ排出する。
【0034】
外観検査装置31は、撮像部311と、撮像部311を収容する筐体312と、を有する。撮像部311は、ロータリーサクション32のチャックユニット322aに保持された状態で前述の撮像位置に配置された包装パックBP1を撮像して得られる画像情報を制御装置90へ送信する第1撮像部である。ここで、撮像部311としては、3次元スキャン装置、レーザスキャン装置等を採用できる。
【0035】
パック搬送装置33は、ベルトコンベヤ331と、ベルトコンベヤ331を駆動する駆動部(図示せず)と、を有する。
【0036】
制御装置90は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)901と、主記憶部902と、補助記憶部903と、入力インタフェース904と、出力インタフェース905と、各部を接続するバス909と、を備える。主記憶部902は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU901の作業領域として使用される。補助記憶部903は、半導体メモリのような不揮発性メモリから構成され、制御装置90の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。入力インタフェース904は、外観検査装置13の撮像部131、外観検査装置16の撮像部161および外観検査装置31の撮像部311それぞれに接続され、撮像部131、161、311それぞれから送信される画像情報を、バス909を介してCPU901へ出力する。出力インタフェース905は、チャックフィード232、ローラ駆動部2812、ガイド駆動部264、2832および支持部駆動部275に接続され、CPU901から入力される制御情報に基づいて、チャックフィード232、ローラ駆動部2812、ガイド駆動部264、2832および支持部駆動部275それぞれへそれらの動作を制御するための制御信号を出力する。
【0037】
制御装置90では、CPU901が、補助記憶部903が記憶するプログラムを主記憶部902に読み込んで実行することにより、容器フィルム画像取得部911、包装パック画像取得部912、容器フィルムポケット位置算出部913、包装パックポケット位置算出部914、マーク位置算出部915、位置ずれ量算出部916、判定部917、ポケット成形位置補正量算出部918、打ち抜き位置補正量算出部919、スリット位置補正量算出部920、マーク位置補正量算出部921、チャックフィード制御部922、搬送制御部923、フィルムガイド位置制御部924、印字制御部925およびスリット位置制御部926として機能する。なお、制御装置90において実現される各機能部は、複数の制御装置から構成されるものであってもよい。例えば、容器フィルム画像取得部911、包装パック画像取得部912、容器フィルムポケット位置算出部913、包装パックポケット位置算出部914、マーク位置算出部915、位置ずれ量算出部916、判定部917、ポケット成形位置補正量算出部918、打ち抜き位置補正量算出部919、スリット位置補正量算出部920およびマーク位置補正量算出部921として機能する制御装置と、チャックフィード制御部922、搬送制御部923、フィルムガイド位置制御部924、印字制御部925およびスリット位置制御部926として機能する制御装置と、の2つの別体の制御装置を備えるものであってもよい。また、補助記憶部903は、包装パックBP1の予め設定された部分それぞれの正規寸法を示す正規寸法情報を記憶する正規寸法記憶部931と、包装パックBP1の良品と不良品とを判別する基準となる良否判定基準情報を記憶する判定基準記憶部932と、を有する。また、判定基準記憶部932は、打ち抜き装置173による打ち抜き位置の位置ずれ量、スリット形成装置171によるスリット形成位置の位置ずれ量、印字装置27により印字されるマークの位置ずれ量および成形装置12により形成されるポケット成形位置の位置ずれ量それぞれに対する補正実行閾値を示す情報を記憶する。この補正実行閾値は、各位置ずれ量の大きさに基づいて、打ち抜き位置、スリット形成位置、マークの位置またはポケット成形位置の補正を実行するか否かを判定するためのものである。
【0038】
容器フィルム画像取得部911は、外観検査装置13の撮像部131により容器フィルムF2を撮像して得られる容器フィルム画像を示す画像情報を、撮像部131から取得する。包装パック画像取得部912は、外観検査装置31の撮像部311によりロータリーサクション32に保持された包装パックBP1を撮像して得られる包装パック画像を示す画像情報を、撮像部311から取得する。
【0039】
容器フィルムポケット位置算出部913は、容器フィルムF2に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離を算出する。具体的には、容器フィルムポケット位置算出部913は、例えば図9に示すように、容器フィルムF2の長手方向に沿って並列する複数の領域P1について、隣接する2つの領域P1のその2つの領域P1の境界部分BL1に最も近いポケットPo1の周縁同士の最短距離A5を算出する。ここで、複数の領域P1は、それぞれ1つの包装パックBP1に対応する部分に相当する。
【0040】
包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1および包装パックBP1に形成されたスリットSL1、SL2に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離を算出する。具体的には、包装パックポケット位置算出部914は、例えば図10に示すように、包装パックBP1の短手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離A1を算出する。また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の短手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離A2を算出する。更に、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離a1を算出する。また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離a2を算出する。ここで、包装パックBP1の短手方向が、パックフィルムF4の長手方向に対応し、包装パックBP1の長手方向が、パックフィルムF4の幅方向に対応する。
【0041】
また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向に沿って形成されたスリットSL1とそのスリットSL1に対して包装パックBP1の短手方向における両側それぞれに位置するポケットPo1のいずれか一方の周縁との間の最短距離A3を算出する。また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における一方の端に最も近いポケットPo1の周縁と、そのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2それぞれと、の間の最短距離a31、a32とのいずれか一方を算出する。更に、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における他方の端に最も近いポケットPo1の周縁と、そのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における他方側に形成されたスリットSL2と、の間の最短距離a33を算出する。
【0042】
マーク位置算出部915は、包装パックBP1に対する包装パックBP1に印字されたマークの相対的な位置が反映された距離を算出する。マーク位置算出部915は、例えば図10に示すように、包装パックBP1の短手方向におけるマークMK1の中央部と、2つのポケットPo1それぞれの周縁と、の間の最短距離A41、A42を算出する。また、マーク位置算出部915は、包装パックBP1の長手方向におけるマークMK1の中央部と、包装パックBP1の長手方向における一方の端と、の間の最短距離a4を算出する。
【0043】
位置ずれ量算出部916は、前述の包装パック画像に基づいて、正規の打ち抜き位置からの打ち抜き位置ずれ量と、正規のスリットSL1、SL2それぞれの位置からのスリット位置ずれ量と、を算出する。また、位置ずれ量算出部916は、前述の包装パック画像に基づいて、前述のマークMK1のマーク位置ずれ量を算出する。更に、位置ずれ量算出部916は、前述の容器フィルム画像に基づいて、ポケットPo1のポケット成形位置のポケット成形位置ずれ量を算出する。具体的には、位置ずれ量算出部916は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された最短距離A1から、包装パックBP1の短手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離A2を差し引いて得られる差分量(A1-A2)を、パックフィルムF4の搬送方向における打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcとして算出する。
【0044】
また、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離の正規寸法a1cと、包装パックBP1の長手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離の正規寸法a2cと、を示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、下記式(1)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する。
Δac=(a1-a1c)-(a2-a2c) ・・・式(1)
ここで、a1は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された包装パックBP1の長手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離を示す。また、a2は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された包装パックBP1の長手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の周縁との間の最短距離を示す。更に、Δacは、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量を示す。
【0045】
また、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向に沿って形成されたスリットSL1とそのスリットSL1に対して包装パックBP1の短手方向における両側それぞれに位置するポケットPo1のいずれか一方の周縁との間の最短距離の正規寸法A3cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された最短距離A3から、取得した情報が示す正規寸法A3cを差し引いて得られる差分量(A3-A3c)を、パックフィルムF4の幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量ΔAsとして算出する。
【0046】
更に、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向における一方の端に最も近いポケットPo1の周縁とそのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2のいずれか一方との間の最短距離の正規寸法a31cと、包装パックBP1の長手方向における他方の端に最も近いポケットPo1の周縁とそのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における他方側に形成されたスリットSL2との間の最短距離の正規寸法a33cと、を示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、下記式(2)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する。
Δas=(a31-a33)-(a31c-a33c) ・・・式(2)
ここで、a31は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された包装パックBP1の長手方向における一方の端に最も近いポケットPo1の周縁とそのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2のいずれか一方との間の最短距離を示す。また、a33は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出されたポケットPo1の周縁とスリットSL2との間の最短距離を示す。更に、Δasは、パックフィルムF4の幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量を示す。
【0047】
ところで、パックフィルムF4の幅方向における熱収縮に起因して、パックフィルムF4の幅方向において隣り合うポケットPo1の間隔と、スリット形成装置171のカッタ1714aの間隔と、が異なってしまう場合がある。これに対して、位置ずれ量算出部916が、前述のように、式(2)の関係式を用いて位置ずれ量を算出することにより、パックフィルムF4の幅方向における位置ずれ量を的確に算出することができる。
【0048】
また、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向に沿って形成されたスリットSL1とそのスリットSL1に対して包装パックBP1の短手方向における両側それぞれに位置するポケットPo1のいずれか一方の周縁との間の最短距離の正規寸法A3cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された最短距離A3から、取得した情報が示す正規寸法A3cを差し引いて得られる差分量(A3-A3c)を、パックフィルムF4の搬送方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量ΔAsとして算出する。
【0049】
更に、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の短手方向におけるマークMK1の中央部と2つのポケットPo1それぞれの周縁との間の最短距離の正規寸法A41c、A42cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、下記式(3)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の搬送方向におけるマークMK1の位置ずれ量を算出する。
ΔAm=(a41-a42)-(a41c-a42c) ・・・式(3)
ここで、A41、A42は、それぞれ、前述のマーク位置算出部915により算出されたマークMK1の中央部と2つのポケットPo1それぞれの周縁との間の最短距離を示す。また、Amは、パックフィルムF4の搬送方向におけるマークMK1の位置ずれ量を示す。
【0050】
また、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向におけるマークMK1の中央部と包装パックBP1の長手方向における一方の端との間の最短距離の正規寸法a4cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、前述のマーク位置算出部915により算出された最短距離a4から、取得した情報が示す正規寸法a4cを差し引いて得られる差分量(a4-a4c)を、パックフィルムF4の幅方向におけるマークMK1の位置ずれ量Δamとして算出する。
【0051】
更に、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、容器フィルムF2の長手方向に沿って並列する複数の領域P1について、隣接する2つの領域P1のその2つの領域P1の境界部分BL1に最も近いポケットPo1の周縁同士の最短距離の正規寸法A5cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、前述の容器フィルムポケット位置算出部913により算出された最短距離A5から、取得した情報が示す正規寸法A5cを差し引いて得られる差分量(A5-A5c)を、容器フィルムF2の搬送方向におけるポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfとして算出する。
【0052】
判定部917は、判定基準記憶部932が記憶する、打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δac、スリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δas、マーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamおよびポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfそれぞれに対する補正実行閾値を示す情報を取得する。判定部917は、打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δac、スリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δas、マーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamまたはポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfそれぞれの絶対値のいずれかが補正実行閾値を超えた場合、打ち抜き位置、スリット形成位置、マーク位置またはポケット成形位置の補正が必要であると判定する。
【0053】
また、判定部917は、判定基準記憶部932が記憶する前述の良否判定基準情報を取得する。そして、判定部917は、良否判定基準情報と外観検査装置16の撮像部161から取得したパックフィルムF4の画像情報とに基づいて、パックフィルムF4における各包装パックBP1に対応する部分の良否を判定する。そして、判定部917は、判定結果に基づいて、包装パックBP1の不良品を選別するための制御情報をロータリーサクション32へ出力する。
【0054】
打ち抜き位置補正量算出部919は、判定部917により打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δacが補正実行閾値を超えたと判定されると、パックフィルムF4の打ち抜き位置に対するパックフィルムF4の搬送方向または幅方向における打ち抜き位置補正量を算出する。打ち抜き位置補正量は、打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δacの絶対値が減少する方向への打ち抜き位置の補正量に相当する。
【0055】
スリット位置補正量算出部920は、判定部917によりスリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasが補正実行閾値を超えたと判定されると、パックフィルムF4のスリット形成位置に対するパックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるスリット形成位置補正量を算出する。スリット形成位置補正量は、スリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasの絶対値が減少する方向へのスリット形成位置の補正量に相当する。また、スリット位置補正量算出部920は、後述する搬送制御部923によりフィルム送りローラ2811を予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させる際の回転角度が変更された場合、この回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのスリット形成位置補正量を算出する。このスリット形成位置補正量は、前述の回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのスリット形成位置の位置ずれ量の絶対値が減少する方向へのスリット形成位置の補正量に相当する。
【0056】
マーク位置補正量算出部921は、判定部917によりパックフィルムF4におけるマークMK1が形成されたマーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamが補正実行閾値を超えたと判定されると、マーク位置に対するマーク位置補正量を算出する。マーク位置補正量は、マーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamの絶対値が減少する方向へのマーク位置の補正量に相当する。また、マーク位置補正量算出部921は、後述する搬送制御部923によりフィルム送りローラ2811の前述の回転角度が変更された場合、この回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのマーク位置補正量を算出する。このマーク位置補正量は、前述の回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのマーク位置の位置ずれ量の絶対値が減少する方向へのマーク位置の補正量に相当する。
【0057】
ポケット成形位置補正量算出部918は、判定部917により容器フィルムF2におけるポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfが補正実行閾値を超えたと判定されると、ポケット成形位置補正量を算出する。ポケット成形位置補正量は、ポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfの絶対値が減少する方向へのポケット成形位置の補正量に相当する。
【0058】
搬送制御部923は、打ち抜き位置補正量算出部919により算出された打ち抜き位置補正量に基づいて、搬送部281がフィルム送りローラ2811を予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させる際の回転角度を調整する回転角度調整部として機能する。搬送制御部923は、判定部917によりパックフィルムF4の搬送方向における打ち抜き位置の位置ずれ量Δacの絶対値が補正実行閾値を超えると判定された場合に、前述の回転角度を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。この制御情報は、打ち抜き位置を、打ち抜き位置補正量算出部919により算出された打ち抜き位置補正量だけパックフィルムF4の搬送方向へずらすように前述の回転角度を調整するためのものである。そして、出力インタフェース905は、搬送制御部923から入力される前述の回転角度を調整するための制御情報に対応する制御信号を生成してローラ駆動部2812へ出力する。
【0059】
フィルムガイド位置制御部924は、打ち抜き位置補正量算出部919により算出された打ち抜き位置補正量に基づいて、フィルムガイド2831の位置を調整する案内部位置調整部として機能する。フィルムガイド位置制御部924は、判定部917によりパックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcの絶対値が補正実行閾値を超えると判定された場合に、フィルムガイド2831の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。この制御情報は、打ち抜き位置を、打ち抜き位置補正量算出部919により算出された打ち抜き位置補正量だけパックフィルムF4の幅方向へずらすようにフィルムガイド2831を移動させるためのものである。そして、出力インタフェース905は、フィルムガイド位置制御部924から入力されるフィルムガイド2831を移動させるための制御情報に対応する制御信号を生成してガイド駆動部2832へ出力する。
【0060】
スリット位置制御部926は、スリット位置補正量算出部920により算出されたスリット形成位置補正量に基づいて、ガイドローラ261の位置を調整するガイドローラ位置調整部として機能する。スリット位置制御部926は、判定部917によりパックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasの絶対値が補正実行閾値を超えると判定された場合に、ガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。この制御情報は、スリット形成位置を、スリット位置補正量算出部920により算出されたスリット位置補正量だけパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へずらすようにガイドローラ261を移動させるためのものである。そして、出力インタフェース905は、スリット位置制御部926から入力される前述のガイドローラ261を移動させるための制御情報に対応する制御信号を生成してガイド駆動部264へ出力する。また、スリット位置制御部926は、搬送制御部923により前述の回転角度が変更された場合、前述のスリット位置補正量算出部920により算出されたスリット位置補正量だけガイドローラ261を移動させるための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。
【0061】
印字制御部925は、マーク位置補正量算出部921により算出されたマーク位置補正量に基づいて、印字装置27の印字ヘッド272の位置を調整する印字ヘッド位置調整部として機能する。印字制御部925は、判定部917によりパックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるマーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamの絶対値が補正実行閾値を超えると判定された場合に、印字ヘッド272の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。この制御情報は、マーク位置を、マーク位置補正量算出部921により算出されたマーク位置補正量だけパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へずらすように印字ヘッド272を移動させるためのものである。そして、出力インタフェース905は、印字制御部925から入力される前述の印字ヘッド272を移動させるための制御情報に対応する制御信号を生成して印字装置27の支持部駆動部275へ出力する。また、スリット位置制御部926は、搬送制御部923により前述の回転角度が変更された場合、ガイドローラ261の位置が前述の回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向への打ち抜き位置のずれ量を減少させるように、ガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。また、印字制御部925は、搬送制御部923により前述の回転角度が変更された場合、前述のマーク位置補正量算出部921により算出されたマーク位置補正量だけ印字ヘッド272を移動させるための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。
【0062】
チャックフィード制御部922は、ポケット成形位置補正量算出部918により算出されたポケット成形位置補正量に基づいて、チャックフィード232が容器フィルムF2を下流側へ予め設定された第2基準距離ずつ間欠的に搬送する際の第2基準距離を調整する送り量調整部として機能する。チャックフィード制御部922は、判定部917によりポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfの絶対値が補正実行閾値を超えると判定された場合に、前述の第2基準距離を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。この制御情報は、第2基準距離を、ポケット成形位置補正量算出部918により算出されたポケット成形位置補正量だけ第2基準距離を増減させるためのものである。そして、出力インタフェース905は、チャックフィード制御部922から入力される前述の第2基準距離を調整するための制御情報に対応する制御信号を生成してチャックフィード232へ出力する。
【0063】
次に、本実施の形態に係る制御装置90が実行する位置補正処理について、図11および図12を参照しながら説明する。この位置補正処理は、例えば制御装置90へ電源が投入されたことを契機として開始される。まず、図11に示すように、包装パック画像取得部912は、外観検査装置31の撮像部311から包装パック画像を示す画像情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。包装パック画像取得部912により画像情報を取得していないと判定されると(ステップS101:No)、後述するステップS122の処理が実行される。一方、包装パック画像取得部912が、画像情報を取得したと判定したとする(ステップS101:Yes)。この場合、包装パックポケット位置算出部914は、包装パック画像に基づいて、包装パックBP1に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離を算出する(ステップS102)。ここでは、包装パックポケット位置算出部914は、前述の包装パックBP1の端とポケットPo1の周縁との間の最短距離A1、A2、a1、a2を算出する。
【0064】
次に、包装パックポケット位置算出部914は、包装パック画像に基づいて、包装パックBP1に形成されたスリットSL1、SL2に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離を算出する(ステップS103)。ここでは、包装パックポケット位置算出部914は、前述の包装パックBP1に形成されたスリットSL1、SL2とポケットPo1の周縁との間の最短距離A1、A2、a1、a2を算出する。
【0065】
続いて、マーク位置算出部915は、包装パック画像に基づいて、包装パックBP1に対する包装パックBP1に印字されたマークの相対的な位置が反映された距離を算出する(ステップS104)。ここでは、マーク位置算出部915は、前述のマークMK1の中央部とポケットPo1の周縁との間の最短距離A41、A42と、前述のマークMK1の中央部と包装パックBP1の端との間の最短距離a4と、を算出する。
【0066】
その後、位置ずれ量算出部916は、算出した包装パックBP1に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離から、前述の打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δacを算出する(ステップS105)。
【0067】
次に、判定部917は、打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δacに基づいて、打ち抜き位置の補正が必要か否かを判定する(ステップS106)。ここで、判定部917は、打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAc、Δacの絶対値|ΔAc|、|Δac|の少なくとも一方が前述の補正実行閾値を超えた場合、打ち抜き位置の補正が必要であると判定する。判定部917により打ち抜き位置の補正が不要であると判定されると(ステップS106:No)、後述のステップS114の処理が実行される。
【0068】
一方、判定部917が打ち抜き位置の補正が必要であると判定したとする(ステップS106:Yes)。この場合、打ち抜き位置補正量算出部919は、パックフィルムF4の搬送方向の打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcの絶対値|ΔAc|が補正実行閾値ΔActhを超えているか否かを判定する(ステップS107)。打ち抜き位置補正量算出部919は、パックフィルムF4の搬送方向の打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcの絶対値|ΔAc|が補正実行閾値ΔActh以下であると判定すると(ステップS107:No)、後述するステップS111の処理を実行する。一方、打ち抜き位置補正量算出部919は、パックフィルムF4の搬送方向の打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcの絶対値|ΔAc|が補正実行閾値ΔActhを超えていると判定すると(ステップS107:Yes)、パックフィルムF4の搬送方向への打ち抜き位置補正量を算出する(ステップS108)。続いて、スリット位置補正量算出部920が、搬送部281の回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのスリット形成位置補正量を算出し、マーク位置補正量算出部921が、搬送部281の回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのマーク位置補正量を算出する(ステップS109)。
【0069】
その後、搬送制御部923は、打ち抜き位置補正量算出部919により算出されたパックフィルムF4の搬送方向への打ち抜き位置補正量に基づいて、搬送部281の前述の回転角度を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する(ステップS110)。このとき、スリット位置制御部926は、前述のスリット位置補正量算出部920により算出されたスリット位置補正量だけガイドローラ261を移動させるための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。また、印字制御部925は、前述のマーク位置補正量算出部921により算出されたマーク位置補正量だけ印字ヘッド272を移動させるための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する。
【0070】
次に、打ち抜き位置補正量算出部919は、パックフィルムF4の幅方向の打ち抜き位置の位置ずれ量Δacの絶対値|Δac|が補正実行閾値Δacthを超えているか否かを判定する(ステップS111)。打ち抜き位置補正量算出部919によりパックフィルムF4の幅方向の打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcの絶対値|Δac|が補正実行閾値ΔActh以下であると判定すると(ステップS111:No)、後述するステップS114の処理が実行される。一方、打ち抜き位置補正量算出部919は、パックフィルムF4の幅方向の打ち抜き位置の位置ずれ量Δacの絶対値|Δac|が補正実行閾値Δacthを超えていると判定すると(ステップS111:Yes)、パックフィルムF4の幅方向への打ち抜き位置補正量を算出する(ステップS112)。続いて、フィルムガイド位置制御部924は、打ち抜き位置補正量算出部919により算出されたパックフィルムF4の幅方向への打ち抜き位置補正量に基づいて、フィルムガイド2831の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する(ステップS113)。
【0071】
その後、位置ずれ量算出部916は、算出したスリットSL1、SL2に対するポケットPo1の相対的な位置が反映された距離から、前述のスリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasを算出する(ステップS114)。
【0072】
次に、判定部917は、図12に示すように、スリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasに基づいて、スリット形成位置の補正が必要か否かを判定する(ステップS115)。ここで、判定部917は、スリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasの絶対値のいずれかが前述の補正実行閾値を超えた場合、スリット形成位置の補正が必要であると判定する。判定部917によりスリット形成位置の補正が不要であると判定されると(ステップS115:No)、後述のステップS118の処理が実行される。
【0073】
一方、判定部917がスリット形成位置の補正が必要であると判定したとする(ステップS115:Yes)。この場合、スリット位置補正量算出部920は、パックフィルムF4のスリット形成位置に対するパックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるスリット形成位置補正量を算出する(ステップS116)。続いて、スリット位置制御部926は、スリット位置補正量算出部920により算出されたスリット形成位置補正量に基づいて、ガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する(ステップS117)。
【0074】
その後、位置ずれ量算出部916は、前述の包装パック画像に基づいて、前述のマークMK1のマーク位置ずれ量を算出する(ステップS118)。
【0075】
次に、判定部917は、図12に示すように、マークMK1の位置ずれ量ΔAm、Δamに基づいて、マーク位置の補正が必要か否かを判定する(ステップS119)。ここで、判定部917は、マーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamの絶対値|ΔAm|、|Δam|の少なくとも一方が前述の補正実行閾値を超えた場合、スリット形成位置の補正が必要であると判定する。判定部917によりスリット形成位置の補正が不要であると判定されると(ステップS119:No)、後述のステップS122の処理が実行される。
【0076】
一方、判定部917がマーク位置の補正が必要であると判定したとする(ステップS119:Yes)。この場合、マーク位置補正量算出部921は、マーク位置に対するパックフィルムF4の搬送方向および幅方向へのマーク位置補正量を算出する(ステップS120)。続いて、印字制御部925は、マーク位置補正量算出部921により算出されたマーク位置補正量に基づいて、印字ヘッド272の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する(ステップS121)。
【0077】
その後、容器フィルム画像取得部911は、外観検査装置13の撮像部131から容器フィルム画像を示す画像情報を取得したか否かを判定する(ステップS122)。容器フィルム画像取得部911により画像情報を取得していないと判定されると(ステップS122:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、容器フィルム画像取得部911が、画像情報を取得したと判定したとする(ステップS101:Yes)。この場合、位置ずれ量算出部916は、前述の容器フィルムF2の搬送方向におけるポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfを算出する(ステップS123)。
【0078】
次に、判定部917は、容器フィルムF2におけるポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfに基づいて、ポケット成形位置の補正が必要か否かを判定する(ステップS124)。ここで、判定部917は、ポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfの絶対値|ΔAf|が前述の補正実行閾値を超えた場合、ポケット成形位置の補正が必要であると判定する。判定部917によりポケット成形位置の補正が不要であると判定されると(ステップS124:No)、再びステップS101の処理が実行される。
【0079】
一方、判定部917がポケット成形位置の補正が必要であると判定したとする(ステップS124:Yes)。この場合、ポケット成形位置補正量算出部918は、ポケット成形位置補正量を算出する(ステップS125)。続いて、チャックフィード制御部922は、ポケット成形位置補正量算出部918により算出されたポケット成形位置補正量に基づいて、チャックフィード232が容器フィルムF2を下流側へ予め設定された第2基準距離ずつ間欠的に搬送する際の第2基準距離を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力する(ステップS126)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態に係る包装機1によれば、フィルム位置変更部283が、パックフィルムF4を案内するフィルムガイド2831を有し、フィルムガイド2831をパックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向における位置を変更することにより、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4の幅方向における位置を変更する。そして、打ち抜き位置補正量算出部919が、前述のポケット位置ずれ量からパックフィルムF4の打ち抜き位置に対する打ち抜き位置補正量を算出する。また、フィルムガイド位置制御部924が、打ち抜き位置補正量に基づいて、フィルムガイド2831の位置を調整する。これにより、打ち抜き装置173全体をパックフィルムF4の幅方向へ移動させるための駆動機構を設けること無く、打ち抜き位置のパックフィルムF4の幅方向への補正を行うことができる。従って、打ち抜き装置173全体をパックフィルムF4の幅方向へ移動させるための駆動機構を設ける必要が無い分、包装機1の小型化が図れる。また、包装機1により作製される包装パックBP1の品質管理が行い易くなり、それ故、包装パックBP1の品質向上並びに包装パックBP1を作製する工程における省人化が実現されるという利点もある。
【0081】
ところで、パックフィルムF4の収縮性能のバラツキおよび包装機1の機械的性能のバラツキに起因して、パックフィルムF4の搬送方向における相対位置または幅方向における相対位置がずれることがある。この場合、包装パックBP1の不良品が多量に発生したり、シール装置14、スリット形成装置171、印字装置27または打ち抜き装置173において動作不良が発生したりする虞がある。これに対して、本実施の形態に係る包装機1では、包装パックBP1を撮像して得られる画像情報および容器フィルムF2を撮像して得られる画像情報に基づいて、シール装置14、スリット形成装置171、印字装置27または打ち抜き装置173における容器フィルムF2、パックフィルムF4の送り量が一定となるようにする。従って、パックフィルムF4の搬送方向または幅方向への位置ずれに起因した包装パックBP1の不良品を低減できるとともに、シール装置14、スリット形成装置171、印字装置27または打ち抜き装置173の動作不良の発生を抑制することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係る包装機1によれば、フィルム位置変更部26が、ガイドローラ261をパックフィルムF4の搬送方向またはパックフィルムF4の幅方向へ移動させることにより、スリット形成装置171におけるパックフィルムF4の位置を変更する。また、位置ずれ量算出部916は、包装パック画像に基づいて、スリットSL1、SL2のスリット位置ずれ量を算出し、スリット位置補正量算出部920が、スリットSL1、SL2を形成するスリット位置に対するスリット位置補正量を算出する。そして、ガイド駆動部264が、算出されたスリット位置補正量に基づいて、ガイドローラ261の位置を調整する。これにより、スリット形成装置171全体をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させるための駆動機構を設けること無く、スリット位置のパックフィルムF4の搬送方向または幅方向への補正を行うことができる。従って、スリット形成装置171全体をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させるための駆動機構を設ける必要が無い分、包装機1の小型化が図れる。
【0083】
更に、本実施の形態に係る包装機1は、位置ずれ量算出部916が、包装パック画像に基づいて、マークMK1のマーク位置ずれ量を算出し、マーク位置補正量算出部921が、算出されたマーク位置ずれ量からマーク位置に対するマーク位置補正量を算出する。そして、印字制御部925が、算出されたマーク位置補正量に基づいて、印字装置27の印字ヘッド272の位置を調整する。これにより、包装機1内においてパックフィルムF4にマークMK1を印字する構成において、マークMK1の位置ずれの発生を抑制することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係るフィルム位置変更部26は、搬送制御部923により搬送部281の前述の回転角度が変更された場合、回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのスリット形成位置の位置ずれ量を減少させるように、ガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力する。また、印字制御部925は、前述のように搬送部281の回転角度が変更された場合、回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのマーク位置の位置ずれ量を減少させるように、印字ヘッド272の位置を調整するための制御情報を生成して出力する。これにより、前述のように搬送部281の回転角度が変更された場合、回転角度の変更に伴うパックフィルムF4の搬送方向へのスリット形成位置およびマーク位置の位置ずれの発生を抑制することができる。
【0085】
更に、本実施の形態に係る包装機1では、シール装置14の上流側に配置され、容器フィルムF2を撮像する撮像部131と、成形装置12の下流側に配置され、容器フィルムF2を厚さ方向から挟持して容器フィルムF2を下流側へ第2基準距離ずつ間欠的に搬送するチャックフィード232と、を備える。また、位置ずれ量算出部916が、撮像部131により撮像された容器フィルムF2の容器フィルム画像に基づいて、ポケット成形位置のポケット成形位置ずれ量を算出し、ポケット成形位置補正量算出部918が、ポケット成形位置ずれ量からポケット成形位置補正量を算出する。そして、チャックフィード制御部922が、ポケット成形位置補正量に基づいて、第2基準距離を調整する。これにより、ポケット成形位置の容器フィルムF2の搬送方向への位置ずれの発生を抑制することができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る包装機1は、前述のロータリーサクション32を備える。これにより、打ち抜き装置173から包装パックBP1を受け取ってから、外観検査装置31の撮像部311による包装パックBP1の撮像までを円滑に行うことができる。従って、包装パックBP1の製造効率を高めることができる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば図13に示すように、包装パックBP2が、その長手方向に沿って2本のスリットSL21、SL22が形成されたものであるとする。この場合、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP2の短手方向における2本のスリットSL21、SL22それぞれとポケットPo1の周縁との間の最短距離A61、A62を算出してもよい。この場合、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の短手方向における2本のスリットSL21、SL22それぞれとポケットPo1の周縁との間の最短距離の正規寸法A61c、A62cを示す情報を取得する。そして、位置ずれ量算出部916は、下記式(4)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の搬送方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量を算出するようにしてもよい。
ΔAs=(A61-A62)-(A61c-A62c) ・・・式(4)
ここで、A61、A62は、それぞれ、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出された包装パックBP2の短手方向における2本のスリットSL21、SL22それぞれとポケットPo1の周縁との間の最短距離を示す。また、Asは、パックフィルムF4の搬送方向における2本のスリットSL21、SL22の形成位置の位置ずれ量を示す。
【0088】
実施の形態において、包装パックポケット位置算出部914が、例えば図14に示すように、包装パックBP1の短手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の中心との間の距離B1と、包装パックBP1の短手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の中心との間の距離B2と、を算出してもよい。また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における一方の端とその一方の端に最も近いポケットPo1の中心との間の距離b1と、包装パックBP1の長手方向における他方の端とその他方の端に最も近いポケットPo1の中心との間の距離b2と、を算出してもよい。
【0089】
また、実施の形態において、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向に沿って形成されたスリットSL1とそのスリットSL1に対して包装パックBP1の短手方向における両側それぞれに位置するポケットPo1のいずれか一方の中心との間の距離B3を算出してもよい。また、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における一方の端に最も近いポケットPo1の中心と、そのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2それぞれと、の間の距離b31、b32を算出してもよい。更に、包装パックポケット位置算出部914は、包装パックBP1の長手方向における他方の端に最も近いポケットPo1の中心と、そのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における他方側に形成されたスリットSL2と、の間の距離b33を算出してもよい。
【0090】
更に、実施の形態において、マーク位置算出部915は、例えば図14に示すように、包装パックBP1の短手方向におけるマークMK1の中央部と、2つのポケットPo1それぞれの中心と、の間の距離B41、B42を算出してもよい。
【0091】
実施の形態では、位置ずれ量算出部916が、正規寸法記憶部931が記憶するポケットPo1の周縁とスリットSL2との間の最短距離の正規寸法a31c、a33cを示す情報を取得し、前述の式(2)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、位置ずれ量算出部916が、正規寸法記憶部931が記憶するポケットPo1の周縁とスリットSL2との間の最短距離の正規寸法a31c(a32c、a33c)を示す情報を取得し、包装パック画像から算出されたポケットPo1の周縁とスリットSL2との間の最短距離a31(a32、a33)から正規寸法a31c(a32c、a33c)を差し引いて得られる差分量を、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量として算出してもよい。
【0092】
或いは、位置ずれ量算出部916は、正規寸法記憶部931が記憶する、包装パックBP1の長手方向におけるポケットPo1の周縁とそのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2との間の最短距離の正規寸法a31c、a32cを示す情報を取得し、下記式(5)の関係式に基づいて、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量を算出する。
Δas=(a31-a32)-(a31c-a32c) ・・・式(5)
ここで、a31、a32は、前述の包装パックポケット位置算出部914により算出されたポケットPo1の周縁とそのポケットPo1に対して包装パックBP1の長手方向における両側それぞれに形成されたスリットSL2との間の最短距離を示す(図10参照)。また、Δasは、パックフィルムF4の幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量を示す。
【0093】
実施の形態では、印字装置27が、パックフィルムF4を印字ヘッド272とダイユニット273との間に介在させた状態で、印字ヘッド272をダイユニット273へ押し付けることによりパックフィルムF4にマークを打刻する例について説明した。但し、印字装置27の構成はこれに限らず、例えばレーザマーカ装置であってもよい。また、包装パックBP1にマークを設ける必要が無い場合、印字装置27を省略してもよい。この場合、制御装置90は、マーク位置算出部915、マーク位置補正量算出部921および印字制御部925を省略した構成とすればよい。
【0094】
実施の形態では、ポケット成形位置補正量算出部918により算出されたポケット成形位置補正量に基づいて、チャックフィード232が容器フィルムF2を下流側へ予め設定された第2基準距離ずつ間欠的に搬送する際の第2基準距離を調整する例について説明した。但し、これに限らず、例えば制御装置90が、ポケット成形位置補正量算出部918により算出されたポケット成形位置補正量に基づいて、張力調整部292のパウダクラッチブレーキ2922を制御して、ローラ2921の回転トルクを調節する構成であってもよい。
【0095】
実施の形態において、包装機が、例えば図15Aに示すように、成形装置12の下流側に配置されたエッジセンサ20031と、加熱装置29の上流側に配置されたフィルム位置変更部21155、と、更に備えるものであってもよい。ここで、エッジセンサ20031は、容器フィルムF2の幅方向における両端部に対向して配置された2組のレーザ源20031aと受光部20031bとを備え、容器フィルムF2の幅方向における両端部の位置を検出する。具体的には、エッジセンサ20031は、例えばレーザ源2031aから出射されたレーザ光が、容器フィルムF2の両端部のいずれか一方に遮られて受光部20031bに到達しなかった場合、2つの受光部20031bにおけるレーザ光を受光しなかった受光部20031bの識別信号を制御装置へ出力する。なお、エッジセンサは、容器フィルムF2の幅方向における片方の端部のみに対向して配置された1つのレーザ源と受光部とを備え、容器フィルムF2の幅方向における片方の端部の位置を検出するものであってもよい。
【0096】
フィルム位置変更部21155は、例えば図15Bに示すように、成形装置12に送られる原料フィルムF1を案内するガイドローラ21155aと、ガイドローラ21155aを回転自在に支持するローラ支持部21155bと、ガイド駆動部21155eと、を有する第3フィルム位置変更部である。ガイドローラ21155aは、円筒状のローラ本体21155dと、ローラ本体21155dの筒軸方向における両端部に配設された2つの円板状のガイド部21155cと、を有する第2ガイドローラである。ガイド駆動部21155eは、ローラ支持部21155bを介して、ガイドローラ21155aを、原料フィルムF1の幅方向、即ち、X軸方向(図15Bの矢印AR201参照)へ移動させる。ガイド駆動部21155eは、例えば図15Bの一点鎖線で示すように、ガイドローラ21155aの位置を+X方向側へずらずことにより、成形装置12における原料フィルムF1のX軸方向における位置を+X方向側へずれた位置に変更する。
【0097】
また、本変形例に係る制御装置は、実施の形態1で説明した制御装置90と同様の構成を有し、制御装置90が有する機能に加えて、原料フィルム位置補正量算出部と、ローラ位置調整部と、を有する。原料フィルム位置補正量算出部は、エッジセンサ20031により検出される容器フィルムF2の両端部の位置に基づいて、原料フィルムF1の幅方向における原料フィルム位置補正量を算出する。具体的には、原料フィルム位置補正量算出部は、エッジセンサ20031からレーザ光を受光しなかった受光部20031bの識別信号を受信すると、2つの受光部20031b間の距離から原料フィルムF1の幅との差分の1/2に相当する距離だけ識別信号に対応する受光部20031bから他方の受光部20031b側へずらすための原料フィルム位置補正量を算出する。
【0098】
ローラ位置調整部は、原料フィルム位置補正量に基づいて、ガイドローラ21155aの位置を調整する第2ガイドローラ位置調整部である。ローラ位置調整部は、ガイドローラ21155aの位置を調整するための制御情報を生成して制御装置の出力インタフェースへ出力する。そして、出力インタフェースは、ローラ位置調整部から入力される制御情報に対応する制御信号を生成してガイド駆動21155eへ出力する。
【0099】
本構成によれば、原料フィルムF1の幅方向の位置調整を人手で行う必要が無くなるので、包装パックBP1を作製する工程における省人化を図ることができる。
【0100】
実施の形態において、カバーフィルムF3は、図16Aに示すように、容器フィルムF2に接着させる接着領域AA31と、容器フィルムF2におけるポケットPo1に対向する位置に配置され容器フィルムF2に接着させない非接着領域AA32と、を有するものであってもよい。そして、位置ずれ量算出部916が、外観検査装置31の撮像部311により撮像された包装パック画像に基づいて、図16Bに示すように、ポケットPo1の位置に対する非接着領域AA32の非接着領域位置ずれ量A301を算出してもよい。この場合、ポケット成形位置補正量算出部918は、非接着領域位置ずれ量A301からポケット成形位置補正量を算出するようにすればよい。
【0101】
本構成によれば、カバーフィルムF3が接着領域AA31と非接着領域AA32とを有するものである場合、ポケットPo1の位置と非接着領域AA32の位置とのずれを低減することができるので、包装パックBP1の外観不良の発生率を低減することができる。
【0102】
実施の形態では、包装機1が、固定チャック231を備える例について説明したが、これに限らず、固定チャック231が無い構成であってもよい。
【0103】
実施の形態では、包装機1が、外観検査装置16を備える例について説明したが、これに限らず、外観検査装置16が無い構成であってもよい。この場合、例えば外観検査装置31において、外観検査装置16の役割を担うようにすればよい。また、実施の形態では、外観検査装置31の撮像部311がロータリーサクション32のチャックユニット322aに保持された状態で前述の撮像位置に配置された包装パックBP1を撮像する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、外観検査装置31の撮像部311が、パック搬送装置33のベルトコンベヤ331に載置された包装パックBP1を撮像するものであってもよい。
【0104】
実施の形態において、搬送制御部923が、パックフィルムF4の搬送方向における打ち抜き位置の位置ずれ量Δacが0でない限り、その都度、位置ずれ量Δacを0にするように、フィルム送りローラ2811の回転角度を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。或いは、搬送制御部923が、予め設定された期間中、パックフィルムF4の搬送方向における打ち抜き位置の位置ずれ量Δacのトレンドを観測し、観測された位置ずれ量Δacの平均値または最大値に基づいて、前述の回転角度を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。
【0105】
実施の形態において、フィルムガイド位置制御部924が、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcが0でない限り、その都度、位置ずれ量ΔAcを0にするようにフィルムガイド2831の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。或いは、フィルムガイド位置制御部924が、予め設定された期間中、パックフィルムF4の幅方向における打ち抜き位置の位置ずれ量ΔAcのトレンドを観測し、観測された位置ずれ量ΔAcの平均値または最大値に基づいて、フィルムガイド2831の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。
【0106】
実施の形態において、スリット位置制御部926は、パックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasが0でない限り、その都度、位置ずれ量ΔAs、Δasを0にするようにガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。或いは、スリット位置制御部926が、予め設定された期間中、パックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるスリット形成位置の位置ずれ量ΔAs、Δasのトレンドを観測し、観測された位置ずれ量ΔAs、Δasの平均値または最大値に基づいて、ガイドローラ261の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。
【0107】
実施の形態において、印字制御部925が、パックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるマーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamが0でない限り、その都度、位置ずれ量ΔAm、Δamを0にするように印字ヘッド272の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。或いは、印字制御部925が、予め設定された期間中、パックフィルムF4の搬送方向または幅方向におけるマーク位置の位置ずれ量ΔAm、Δamのトレンドを観測し、観測された位置ずれ量ΔAm、Δamの平均値または最大値に基づいて、印字ヘッド272の位置を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。
【0108】
実施の形態において、チャックフィード制御部922は、ポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfが0でない限り、その都度、位置ずれ量ΔAfを0にするようにチャックフィード232の送り量である第2基準距離を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。或いは、チャックフィード制御部922が、予め設定された期間中、ポケット成形位置の位置ずれ量ΔAfのトレンドを観測し、観測された位置ずれ量ΔAfの平均値または最大値に基づいて、前述の第2基準距離を調整するための制御情報を生成して出力インタフェース905へ出力するものであってもよい。
【0109】
実施の形態では、制御装置90は、包装機本体50内に設置されている例について説明したが、これに限らず、包装機本体50の外部に配置されるものであってもよい。
【0110】
実施の形態では、フィルム位置変更部283により、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を変更する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、搬送部281が、フィルム送りローラ2811をパックフィルムF4のX軸方向へさせることにより、パックフィルムF4のX軸方向における位置を変更するローラ駆動部(図示せず)を有し、搬送部281が、フィルム位置変更部として機能するものであってもよい。そして、印字装置27では、搬送部281においてパックフィルムF4がX軸方向へずらされた場合、それに応じて、印字ヘッド272の位置をX軸方向へ移動させるようにすればよい。
【0111】
本構成によれば、フィルム位置変更部283を省略することにより部品点数を削減することができるので、包装機1の簡素化および小型化を図ることができる。
【0112】
実施の形態において、カバーフィルムF3に文字またはマークが印字されている場合、制御装置90が、外観検査装置31により撮像して得られる包装パックBP1の画像に基づいて、カバーフィルムF3の容器フィルムF2に対する相対的な位置ずれ量を算出するものであってもよい。この場合、制御装置90は、例えばカバーフィルムF3に印字されている文字またはマークと包装パックBP1の端縁との間の距離に基づいて、カバーフィルムF3の容器フィルムF2に対する位置ずれ量を算出するようにしてもよい。そして、制御装置90は、算出されたカバーフィルムF3の容器フィルムF2に対する位置ずれ量に基づいて、位置センサ154で用いられるカバーフィルムF3の基準位置を調整するようにしてもよい。
【0113】
実施の形態において、ロータリーサクション32が、例えば図17Aおよび図17Bに示すような、チャックユニット4033を有するものであってもよい。チャックユニット4033は、ロータリーサクション32の4つのアーム322それぞれに着脱自在に固定される。チャックユニット4033は、複数(図17Bでは6つ)の吸着ヘッド4333と、弾性材料から形成され複数の吸着ヘッド4333それぞれの先端部に装着された吸着パッド4332と、矩形箱状であり複数の吸着ヘッド4333を纏めて支持しアーム322に対して着脱自在であるヘッド支持部4331と、を有する。吸着ヘッド4333の内側には、包装パックBP1の吸着時に減圧状態で維持される管4333aが設けられている。また、ヘッド支持部4331の内側には、管4333aそれぞれに連通する管4331aが設けられている。更に、ヘッド支持部4331の側壁には、複数の窓4331bが設けられている。これにより、吸着パッド4332の交換を行う作業者の作業性を高めることができるとともに、ヘッド支持部4331の軽量化を図ることができる。また、支持部4331の-Z方向側には、アーム322から+Z方向側へ突出する角柱状の固定用ピン(図示せず)が嵌入される孔(図示せず)が設けられている。そして、ヘッド支持部4331は、アーム322の固定用ピンが孔に嵌入されることにより、アーム322に固定される。そして、チャックユニット4033がアーム322に固定された状態において、管4331aは、アーム322に設けられ真空ポンプ(図示せず)に接続された排気管322bに連通する。また、吸着パッド4332、吸着ヘッド4333および支持部4331の少なくとも一部は、例えば樹脂から形成されている。この場合、吸着パッド4332、吸着ヘッド4333およびヘッド支持部4331の少なくとも一部が、例えば3Dプリンタを用いて作製されるものであってもよい。
【0114】
ところで、包装パックBP1は、その全体が反った状態(湾曲した状態)でロータリーサクション32に受け渡される場合がある。この場合、外観検査装置31において、撮像部311の焦点がずれたりすることにより、包装パックBP1における撮像対象部分の撮影画像が不鮮明になってしまい、包装パックBP1に設けられたマークの認識或いは包装パックBP1に付着した異物または汚れの有無の検査を精度良く行えなくなる虞がある。また、外観検査装置31において撮像された撮影画像を用いて、包装パックBP1の測長を行う場合、包装パックBP1の全体が反った状態になっていると、包装パックBP1の長さを精度良く検出できない。
【0115】
これに対して、本変形例に係るチャックユニット4033は、図17Aに示すように、包装パックBP1を、複数の吸着パッド4332に吸着させた状態で保持する。これにより、包装パックBP1を平坦にしてから撮像部311により撮像できるので、撮像部311により撮像して得られる撮影画像の鮮明度を高めることができる。従って、外観検査装置31による包装パックBP1に設けられたマークの認識或いは包装パックBP1に付着した異物または汚れの有無の検査の精度を高めることができる。また、外観検査装置31において撮像された撮影画像を用いて、包装パックBP1の測長を行う場合、包装パックBP1の長さを精度良く検出できる。
【0116】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0117】
本出願は、2019年5月30日に出願された日本国特許出願特願2019-100953号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2019-100953号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、錠剤、医療機器等を包装するためのパックフィルムの製造に好適である。
【符号の説明】
【0119】
1:包装機、11:原料フィルム供給ユニット、12:成形装置、13,16,31:外観検査装置、14:シール装置、15:カバーフィルム供給ユニット、17:スリット形成打ち抜きユニット、26,283:フィルム位置変更部、27:印字装置、29:加熱装置、32:ロータリーサクション、33:パック搬送装置、34:回収ユニット、40:ステージ、50:包装機本体、90:制御装置、111,112,151:リール、113:フィルム自動接着装置、116:フィルム押さえ機構、117:バッファ部、121:装置本体、122:第2金型、122a:プラグ、123:第1金型、123a:凹部、124,125,172,231c,2321c:駆動部、131,161,311:撮像部、132,162,312,1723:筐体、141,1154:搬送部、142:押圧部、143:加熱部、143a:伝熱ローラ、153,292:張力調整部、154:位置センサ、171:スリット形成装置、173:打ち抜き装置、231:固定チャック、231a,271,1173,2321a,2523:支持部、231b,2321b:挟持部、232:チャックフィード、241,242,253,276,1151,1152,1153,1154a,1155,1161,1163,1171,1421,1441,1442,1521,1522,1523,1531,2521,2821,2911:ローラ、141a,251a,261a,2811a:ホイール、141b,251b,261b,2811b:シャフト、251,261:ガイドローラ、252,291:張力印加部、281:搬送部、263:ローラ支持部、264:ガイド駆動部、272:印字ヘッド、273,1712,1732:ダイユニット、275:支持部駆動部、282:フィルム押圧部、288:ホッパ、289:ワーク供給装置、293:滑りガイド、293a:湾曲面、321:軸部、322,1162,1172,1422,2522,2822:アーム、322a,4033:チャックユニット、322b:排気管、323:軸部駆動部、331:ベルトコンベヤ、901:CPU、902:主記憶部、903:補助記憶部、904:入力インタフェース、905:出力インタフェース、909:バス、911:容器フィルム画像取得部、912:包装パック画像取得部、913:容器フィルムポケット位置算出部、914:包装パックポケット位置算出部、915:マーク位置算出部、916:位置ずれ量算出部、917:判定部、918:ポケット成形位置補正量算出部、919:打ち抜き位置補正量算出部、920:スリット位置補正量算出部、921:マーク位置補正量算出部、922:チャックフィード制御部、923:搬送制御部、924:フィルムガイド位置制御部、925:印字制御部、926:スリット位置制御部、931:正規寸法記憶部、932:判定基準記憶部、1141,1142:保持機構、1141a,1142a,2321:チャック、1423:アーム駆動部、1154b,2812:ローラ駆動部、1532,2922:パウダクラッチブレーキ、1711,1731:本体部、1713:ヘッド支持部、1714,1734:ヘッド、1714a,1734a:カッタ、1716,1736:ガイド棒、1717,1737:動力伝達アーム、1721:スリット形成装置駆動部、1722:打ち抜き装置駆動部、1732a:開口部、2322:チャック移動機構、2811:フィルム送りローラ、2811c:凹部、2831:フィルムガイド、2931a:ガイド本体、2831b:補助板、2831c:支持部材、2831d:溝、2832:ガイド駆動部、2901,2902:伝熱板、2903,2904:駆動ユニット、4331:ヘッド支持部、4331a,4333a:管、4332:吸着パッド、4333:吸着ヘッド、A1,A2,A3,A5,A41,A42,A61,A62,a1,a2,a4,a31,a32,a33:最短距離、AA32:非接着領域、B1,B2,B3,B41,B42,b1,b2,b31,b32,b33,W1,W2:距離、BL1:境界部分、BP1,BP2:包装パック、ΔAc,ΔAf,ΔAm,ΔAs,Δac,Δam,Δas:位置ずれ量、F1:原料フィルム、F2:容器フィルム、F3:カバーフィルム、F4:パックフィルム、F5:スクラップ、MK1:マーク、P1:領域、Po1:ポケット、SL1,SL2,SL21,SL22:スリット。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B