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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053141
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】決済処理装置及び決済処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
G07G1/12 361E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159197
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194076
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100165261
【弁理士】
【氏名又は名称】登原 究
(72)【発明者】
【氏名】日吉 誠
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142FA31
(57)【要約】
【課題】 値割引き適用時に効率よく値割引き金額が最大値となる決済処理装置及び決済処理プログラムを提供する。
【解決手段】
本実施形態の決済処理装置は商品情報取得部と、制御部と、を備える。商品情報取得部は、商品の単価を含む商品情報を取得する。制御部は、商品情報と、あらかじめ設定された割引率で前記単価を割引く割引フラグと、あらかじめ設定された値引き額で単価を値引く値引きフラグと、割引フラグおよび値引きフラグが有効である状態を記憶する記憶部に記憶する情報に基づいて、割引フラグが有効な場合、割引率に基づき単価の割引を行い割引結果を算出し、値引きフラグが有効な場合、値引き額に基づき割引結果から値引きを行う。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の単価を含む商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報と、あらかじめ設定された割引率で前記単価を割引く割引フラグと、あらかじめ設定された値引き額で前記単価を値引く値引きフラグと、前記割引フラグおよび値引きフラグが有効である状態を記憶する記憶部に記憶する情報に基づいて、前記割引フラグが有効な場合、前記割引率に基づき単価の割引を行い割引結果を算出し、前記値引きフラグが有効な場合、前記値引き額に基づき前記割引結果から値引きを行う制御部と、
を備える決済処理装置。
【請求項2】
異なる割引率を有する2以上の割引フラグと、異なる値引き金額を有する2以上の値引きフラグを前記記憶部は記憶し、前記制御部はこの情報に基づいて割引率が高い前記割引フラグを有効にし、値引き金額が高い前記値引きフラグから値引きを行う請求項1記載の決済処理装置。
【請求項3】
商品の単価を含む商品情報を取得する商品情報取得部と、
顧客が購入を希望する商品の入力完了を宣言する操作部と、
前記商品情報と、あらかじめ設定された割引率で前記単価を割引く割引フラグと、あらかじめ設定された値引き額で前記単価を値引く値引きフラグと、前記割引フラグおよび値引きフラグが有効である状態を記憶する記憶部に記憶する情報に基づいて、前記操作部により入力完了が宣言されたとき前記割引フラグが有効な場合、前記割引率に基づき単価の合計に対して割引を行い割引結果を算出し、前記値引きフラグが有効な場合、前記値引き額に基づき前記割引結果から値引きを行う制御部と、
を備える決済処理装置。
【請求項4】
異なる割引率を有する2以上の割引フラグと、異なる値引き金額を有する2以上の値引きフラグを前記記憶部は記憶し、前記制御部はこの情報に基づいて割引率が高い前記割引フラグを有効にし、値引き金額が高い前記値引きフラグから値引きを行う請求項2記載の決済処理装置。
【請求項5】
決済処理を実行する決済処理装置に、
商品の単価を含む商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記商品情報と、あらかじめ設定された割引率で前記単価を割引く割引フラグと、あらかじめ設定された値引き額で前記単価を値引く値引きフラグと、前記割引フラグおよび値引きフラグが有効である状態を記憶する記憶手段と、
前記割引フラグが有効な場合、前記割引率に基づき単価の割引を行い割引結果を算出する割引算出手段と、
前記値引きフラグが有効な場合、前記値引き額に基づき前記割引結果から値引きを行う値引き算出手段と、
を実現する決済処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済処理装置及び決済処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店において商品や役務を取引する際にPOS(Point Of Sales)端末を用いて決済が行われる。このような決済を処理するPOS端末にはあらかじめ設定されている商品や役務の単価又は小計に対して値割引きを行う機能を有するものがある。
しかしながら、決済に適用する値割引きの組み合わせによっては値割引き金額が最大になるように出力するために時間を要する場合がある。そのような場合、1つの取引に対する顧客の滞在時間が増え、作業効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-226479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は値割引き適用時に効率よく値割引き金額が最大値となる決済処理装置及び決済処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために本実施形態の決済処理装置は商品情報取得部と、制御部と、を備える。商品情報取得部は、商品の単価を含む商品情報を取得する。制御部は、商品情報と、あらかじめ設定された割引率で前記単価を割引く割引フラグと、あらかじめ設定された値引き額で単価を値引く値引きフラグと、割引フラグおよび値引きフラグが有効である状態を記憶する記憶部に記憶する情報に基づいて、割引フラグが有効な場合、割引率に基づき単価の割引を行い割引結果を算出し、値引きフラグが有効な場合、値引き額に基づき割引結果から値引きを行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係るPOS端末の一例を示すブロック図。
図2】第1の実施形態に係るのPLUマスタのデータ構造例を示す図。
図3】第1の実施形態に係る値割引き設定管理ファイルのデータ構造例を示す図。
図4】第1の実施形態に係る会計ファイルのデータ構造例を示す図。
図5】第1の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
図6】第1の実施形態に係る決済処理装置の再計算処理の一例を示すフローチャート。
図7】第1の実施形態に係る決済処理装置の値引きフラグ管理処理の一例を示すフローチャート。
図8】第1の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
図9】第2の実施形態に係る値割引き設定管理ファイルのデータ構造例を示す図。
図10】第2の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
図11】第2の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
図12】第3の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
図13】第3の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、本実施形態について、図面を参照にしながら説明する。
本実施形態ではスーパーマーケットなど小売店にて使用される決済処理を行う決済処理装置としてPOS端末1を一例に挙げ、説明する。本実施形態における商品の単価は税抜きの金額でも良いし、税込みの金額でもよい。
【0008】
図1は第1の実施形態に係るPOS端末1の一例を示すブロック図である。
POS端末1は制御部100、記憶部101、商品読取部102、操作部103、店員側表示部104、客面表示部105、印字部106、通信I/F107、決済媒体読取部108によって構成され、各部はバスを通じて接続される。
【0009】
制御部100はCPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003を備える。CPU1001はPOS端末1全体を制御する。ROM1002はCPU1001の駆動に用いられるプログラムなど各種プログラムや各種データを記憶する。RAM1003は。CPU1001のワークエリアとして使用され、ROM1002や記憶部101に記憶されている各種プログラムと各種データを展開する。制御部101はCPU1001がROM1002や、記憶部101に記憶されRAM1003に展開された情報処理プログラムに従って動作することによってPOS端末1の各種機能処理を実行する。
【0010】
記憶部101はHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されている。記憶部101にはPOS端末1が動作するためにオペレーティングシステム及び他の必要なアプリケーションプログラム等のソフトウェアやユーザー情報などを記憶する。また、記憶部101はPLU(Price Look Up)マスタ1011、値割引設定管理ファイル1012、会計ファイル1013等も記憶されている。
なお、PLUマスタ1011、値割引設定管理ファイル1012、会計ファイル1013はPOS端末1からアクセス可能な記憶媒体又は機器に記憶されていればよく、外付けのHDDや店舗内に設置した管理用の端末、サーバなどに記憶されていても良い。
【0011】
商品読取部102は商品などに付された商品コードを光学的または撮像を行い認識する。商品コードとはバーコードなどの一次元コード、あるいは2次元コード等のコードシンボルである。商品読取部102は認識したコードシンボルをデコードし、コードシンボルが示すPLUコード等商品に関する情報を取得する。商品読取部102は、色や凹凸等の商品の特徴量に基づいて商品を認識するオブジェクト認識方式で商品を特定しても良い。また、商品読取部102は商品に付された商品コードの他、商品の値割引についての情報が記載された一次元コードあるいは2次元コード等コードシンボルが記載された商品券(以下、クーポン)を読み取り商品の値割引についての情報(以下、クーポン情報)を取得しても良い。なお、取得したコードシンボルをデコードする処理は制御部101が行っても良い。
【0012】
操作部103は使用者が入力した命令をPOS端末1に出力する。操作部103はPOS端末1に命令を出力するために「0」ないし「9」の置数キーにて構成されたテンキー、小計の実行を命令する小計キー、値割引きの受付を終了する値割引き終了キーなどを備え、押下されたキーを示す信号を命令として出力する。なお、操作部103には商品の単価又は小計から設定された金額分を値引きする値引きプリセットキーや、商品の単価又は小計から設定された割引率で割引く割引プリセットキーを備えていても良い。また、値引きプリセットキー及び割引プリセットキーはそれぞれ異なる値が設定されていても良い。
【0013】
店員側表示部104及び、客面表示部105はPOS端末1に関する情報を表示する。店員側表示部104及び、客面表示部105は液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)の表示デバイスである。
【0014】
店員側表示部104は店員が操作に供するための情報を表示する。店員側表示部104は例えば商品読取部102が読み取った商品情報の他、電子マネーやクレジットカードでの決済に関する画面などを表示する。また、店員側表示部104がタッチパネルである場合、POS端末1に読取から会計処理に移行するための命令を入力するための領域やあらかじめ設定した金額を購入金額である小計に加算するためのプリセットに関する領域などを表示しても良い。なお、店員側表示部104は商品の単価又は小計から設定された金額分を値引きする値引きプリセットに関する領域や、商品の単価又は小計から設定された割引率で割引く割引プリセットに関する領域を表示しても良い。
【0015】
客面表示部105は買い物客に会計を行うために供する情報を表示する。客面表示部105は例えば購入する商品の名称、商品の金額、商品の合計金額である小計等を表示する。また、客面表示機器15は決済方法の選択等のためにタッチパネルであっても良い。
【0016】
印字部106は例えば感熱紙であるレシート用紙に各種の情報を印刷するサーマルプリンタである。印字部106は客が購入した商品等の名称や単価、小計金額、合計金額、値割引額等が印刷されたレシートを発行させる。
【0017】
通信I/F107は有線または無線を介して通信接続された機器との間でデータの送受信を行う。
【0018】
決済媒体読取部108は磁気読取やIC(Integrated Circuit)チップ読取、近距離無線通信等を有し、決済媒体を読み取る。決済媒体は例えばキャッシュレス決済用のカードやキャッシュレス決済用のアプリをインストールした携帯端末でありユーザーIDや電子マネー残高等で構成したユーザー情報と関連付けられる。ユーザー情報は、例えば決済媒体が備えるユーザーID等をもとに関連づけられる。また、決済媒体読取部108は、POS端末1と一体に構成してもPOS端末1に接続して動作する外部装置として構成しても良い。
【0019】
図2は第1の実施形態に係るのPLUマスタ1011のデータ構造例を示す図である。
PLUマスタ1011はPOS端末1が設置された小売店などの店舗で販売される商品のPLUデータによって構成されている。各PLUデータは、商品毎に一意に割り当てられた「PLUコード」、その商品の名称を示す「商品名」、その商品の売値を示す「単価」等の項目で構成されている。
【0020】
図3は第1の実施形態に係る値割引き設定管理ファイル1012のデータ構造例を示す図である。値割引き設定管理ファイル1012は、商品読取部102が取得したクーポンが記憶している値割引きに関する情報に対応するレコードによって構成されている。各レコードには、値割引種別およびフラグが記述される。フラグは、「0」(無効),「1」(有効)のいずれかに設定される。割引に関する値割引種別のフラグ(以下、割引フラグ)が「1」であるならば、後述の決済処理において入力された値割引種別に示された割引が実施され、「0」であるならば値割引種別に示された割引が実施されない。値引きに関する値割引種別のフラグ(以下、値引きフラグ)が「1」であるならば、後述の決済処理において入力された値割引種別に示された値引きが実施され、「0」であるならば値割引種別に示された値引きが実施されない。また、値引きフラグはあらかじめ有効となる数に制限を設けても良い。なお、値割引き設定管理ファイル1012は操作部103または店員側表示部104が備える値割引きを命令するプリセットキーまたは値割引に関する領域に対応するレコードで一部または全てを構成していても良い。
【0021】
このような構成の値割引き設定管理ファイル1012は、例えばPOS端末1にて実行される割引設定処理にて編集される。すなわち、この値割引を適用する処理において商品読取部102で取得したクーポン情報に対し設定する値割引種別と、フラグの値の入力が受け付けられ、入力された値割引種別およびフラグの値にて値割引き設定管理ファイル1012の内容が更新される。
【0022】
図4は、会計ファイル1013のデータ構造例を示す図である。会計ファイル1013は、POS端末1によって決済された取引の履歴を示す会計情報によって構成されている。各会計情報は、取引毎に割り当てられた「取引番号」、「取引日時」、その取引で決済された各商品の「PLUデータ」、取引の「小計金額」および「合計金額」、値割引の受付を終了した後に実行する再計算処理の「再計算結果」等の項目で構成されている。
【0023】
また、会計情報には、割引きに関するクーポン情報が取得され割引が実施された場合にはクーポン情報に対応する「割引フラグ」の項目が追加され、値引きに関するクーポン情報が取得され値引が実施された場合にはクーポン情報に対応する「値引きフラグ」の項目が追加されて、これらの項目に割引金額と値引き金額が書き込まれる。このように、単価に対する値割引が実施されると、その種別に応じた項目が追加されその値割引の金額が書き込まれるので、取引において実施された値割引の金額とその値割引の種別とが識別可能となる。
【0024】
POS端末1にて実行される商品購入時の決済処理について説明する。
【0025】
図5は第1の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では値引きまたは割引に関する情報をコードシンボルが記載されたクーポンに記載されているクーポン情報から取得される例で説明する。また、実施形態では値引きフラグが有効となる数を制限する。
【0026】
制御部100は商品情報の入力を受け付ける(ACT101)。制御部100は商品読取部102を介して顧客が購入する商品情報を取得する。言い換えれば、制御部100はPLUコードを取得する。PLUコードを取得後、制御部100は取得したPLUコードをもとにPLUコードを含むPLUデータをPLUマスタ1011から抽出し、RAM1003に展開する。また、制御部100はPLUデータから商品名、単価などを抽出し、店員側表示部104と客面表示部105に表示する。
【0027】
制御部100はクーポン情報を受け付ける(ACT102)。制御部100は商品読取部102を介してクーポンからクーポン情報を取得する。クーポン情報取得後、制御部100は対応する値引き又は割引に関するフラグをオンにする(ACT103)。制御部100はクーポン情報から対応する値割引種別のフラグを「1」に変更し、値割引きが有効なものとする。また、割引フラグに関しては割引率が最も高い値割引種別のレコードのフラグを「1」に変更する。つまり、複数の割引に関するクーポン情報を取得した場合は割引率が高いフラグを「1」に変更し、それ以外の割引率に関するフラグは「0」に変更する。値割引が有効になった後、制御部100は単価から有効になった値引き額または割引率をもとに計算処理を行う(ACT104)。計算終了後、制御部100は計算結果を店員側表示部104及び客面表示部105に計算結果を表示する(ACT105)。
【0028】
制御部100は他のクーポンを取得した場合(ACT106のYES)、取得したクーポン情報に対応するフラグを「1」に変更するためにACT103へ戻る。そのため、次に取得したクーポン情報に対応するフラグを有効にした場合、有効となった値引き金額又は割引金額は既に計算されている計算結果から値引きまたは割引きを行う。また、割引きに関するクーポンのクーポン情報を一度受け付けた後に、別の割引率のクーポン情報を受け付けた場合は、割引率の高いレコードのもののみ「1」とし、それ以外はすべて「0」となるようにする。言い換えれば、制御部100は割引率に関するフラグを有効とする場合は1つだけ有効となる状態とするように制御する。
【0029】
会計処理に利用される最後のクーポン情報を取得した場合(ACT106のNO)、制御部100は次の商品が入力されたかを確認する(ACT107)。次の商品が入力されていない場合(ACT107のNO)は値割引き終了キーが入力される(ACT108)。POS端末1の使用者は値割引に関する入力を完了したことを命令するために操作部103または店員側表示部104が備える値割引き終了キーを押下またはタップすることで、制御部100は値割引の受け付けを終了する。
【0030】
制御部100は商品読取部102を介して別の商品情報を取得した場合(ACT107のYES)、ACT108を飛ばしてACT109に移行する。
【0031】
決済に供する値割引きの受付を終了した後、制御部100は再計算処理を行う(ACT109)。制御部100は抽出した商品の単価を一定の条件の下で再度値割引きする。
【0032】
制御部100は決済処理を行う(ACT110)。制御部100は再計算処理した計算結果である再計算処理結果をもとに決済を行う。制御部100は決済時に決済媒体読取部108を用いて決済媒体の情報を取得し、決済を行っても良い。
【0033】
制御部100は決済処理の結果をレシートとして発行する(ACT111)。制御部100は決済処理で購入した商品名、単価、小計、合計金額、根割引金額などが記載されたレシートを、印字部106を用いて出力する。
【0034】
制御部100は会計情報を保存する(ACT112)。制御部100は当該取引の情報を会計情報として生成し会計ファイル1013に保存する。
【0035】
次に、再計算処理について説明する。図6は第1の実施形態に係る決済処理装置の再計算処理の一例を示すフローチャートである。再計算処理は決済処理と並行して処理される。再計算処理はクーポン取得時に実行された割引または値引き計算実行後に実施される一定の条件の下で行う割引または値引き計算である。
【0036】
制御部100は商品情報を呼び出す(ACT201)。制御部100は決済処理の段階で取得した商品情報をRAM1003に展開する。
【0037】
制御部100は単価を抽出する(ACT202)。制御部100は値割引を行うために単価のみを抽出しRAM1003に展開する。
【0038】
制御部100は割引フラグを呼び出す(ACT203)。制御部100は値割引設定管理ファイル1012に記憶されている値割引種別の内、割引きに関するレコードから有効となっているレコードを呼び出し、RAM1003に展開する。
【0039】
制御部100は割引率を抽出する(ACT204)。制御部100はRAM1003に展開されたレコードから割引率を抽出する。
【0040】
制御部100は割引計算を行う(ACT205)。制御部100は単価と割引率を抽出すると、単価と割引率で乗算を行う。例えば、フラグが有効となったレコードの割引率が10%とすると単価×0.1で計算を行うことで割引金額を算出する。割引金額の算出後に制御部100は単価から割引金額を減算し、割り引かれた金額を算出する。
【0041】
割引計算終了後、制御部100は値引きフラグを呼び出す(ACT206)。制御部100は値割引設定管理ファイル1012に記憶されている値割引種別の内、値引きに関するレコードから有効となっているレコードを呼び出し、RAM1003に展開する。
【0042】
制御部100は値引き額を抽出する(ACT207)。制御部100はRAM1003に展開されたレコードから値引き額が最も高いレコードを抽出する。具体的にはRAM1003に展開されているレコードの内、対象商品を500円、100円、50円値引く値引きフラグが有効となっている場合、制御部100は値引き額が最も高い500円値引くレコードを抽出する。また、値引き額を抽出するとき、制御部100は既に値引き額を抽出したレコードから抽出しない。
【0043】
制御部100は値引計算を行う(ACT208)。制御部100は割引計算がされた単価に対して抽出した値引き額分減算する。そのため制御部100は単価と値引き額を抽出すると割引計算済み単価-値引き金額を行い値引きした計算結果を出力する。
【0044】
割引計算と値引計算を終了した後、制御部100は残額が0円以下になっているかを確認する(ACT209)。制御部100は割引計算と値引計算の計算の結果である残額が0円以下になっているかを確認する。
【0045】
残高が0円以上の場合(ACT209のNO)、制御部100は他の値引きフラグが有効になっているかを確認する(ACT210)。他の値引きフラグが有効になっている場合(ACT210のYES)、制御部100は抽出していないレコードの中から値引き額が最も高い値引き額を抽出する。
【0046】
残高が0円以上または残高が0円以上であっても有効なフラグが存在しない場合(ACT209のYES、ACT210のNO)、制御部100は取引金額を確定する(ACT211)。制御部100は取引金額が確定すると有効になっているフラグも確定する。
【0047】
図7は第1の実施形態に係る決済処理装置の値引きフラグ管理処理の一例を示すフローチャートである。実施形態では有効となる値引きフラグの数を5つまでに制限する。また、値引きフラグ管理処理は決済処理と再計算処理と並行して処理しても良い。
【0048】
制御部100は値引きフラグを取得する(ACT301)。制御部100は値割引種別の内、フラグが有効になっている値引きに関するレコードを取得する。
【0049】
制御部100は有効となっている値引きフラグがあらかじめ設定されている数以下であるかを確認する。有効になっている値引きフラグが設定されている数以下である場合(ACT301のNO)、制御部100は値引きフラグをすべて無効にし、決済処理の値引きに関するクーポン情報を受け付ける処理(ACT102)に戻る。
【0050】
図8は第1の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。決済処理装置であるPOS端末1は単価ごとに決済処理を行うだけでなく小計に対して決済処理を行っても良い。また、図1ないし図7の実施形態の各部と同一部分は同一符号で示す。
【0051】
商品情報を取得し店員側表示部104と客面表示部105を表示した後、制御部100は次の商品情報が入力されているかを確認する(ACT401)。商品情報が入力された場合(ACT401のYES)、ACT101へ戻る。すべての商品情報が入力されている場合(ACT401のNO)、制御部100は小計キーが入力されるまで待機する。
【0052】
制御部100は小計キーが入力されると(ACT402)、制御部100はクーポン情報を受け付ける(ACT102)。
【0053】
クーポン情報を受け付けた後、制御部100は再計算処理を行う。制御部100は小計に対して割引計算と値引計算の処理を行う。
【0054】
このような構成にすることで決済処理装置は、値引きまたは割引を行うためのフラグを有効にするための受付処理時に一度計算を行い、その後、割引率を1つだけ適用し割引計算を行い、割引計算を行ったのちに値引き計算を行う再計算処理を行うことで効率よく値割引き金額が最大値となる決済を行うことができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は会員割引を利用する場合の決済処理を行うものである。第2の実施形態の各部について、図1ないし図8の実施形態の各部と同一部分は同一符号で示す。
【0056】
会員割引は会員情報を記憶する会員カード等の媒体をPOS端末1が取得した場合に実行される割引計算処理である。会員カードは商品読取部102によって取得される。また、本実施形態では会員カードを取得した場合に有効になる割引を会員割引とし、クーポンや操作部103または店員側表示部104が備えるプリセットで入力されることで有効になる割引を通常割引とする。
【0057】
図9は第2の実施形態に係る値割引き設定管理ファイル2012のデータ構造例を示す図である。値割引き設定管理ファイル2012は、通常割引に関するレコードの他、会員割引に関するレコードによって構成される。会員割引に関するレコードは値割引種別およびフラグが記述される。フラグは、「0」(無効),「1」(有効)のいずれかに設定される。このフラグが「1」であるならば、後述の決済処理において入力された値割引種別に示された割引が実施され、「0」であるならば割引種別に示された割引が実施されない。また、本実施形態では制御部100は会員割引とクーポン情報に対応する値割引種別は並列してフラグを有効にしないようにする。
【0058】
図10は第2の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。通常割引となる値割引に関する情報の受付が完了した後、制御部100は会員カード情報を取得する(ACT501)。商品読取部102または決済媒体読取部108を介して会員カードに関する情報を取得する。
【0059】
制御部100は会員割引の割引率が通常割引の割引率より高いか判断する(ACT502)。制御部100は会員割引による割引率と通常割引による割引率のどちらの割引率が高いかを判断する。会員割引の割引率が低い場合(ACT502のNO)は通常割引のフラグを有効なまま保持する。会員割引の割引率が高い場合(ACT502のYES)は、通常割引のフラグを無効にする(ACT503)。制御部100は会員割引のレコードに記載されているフラグを有効にする(ACT504)。
【0060】
また、決済処理装置であるPOS端末1は小計に対して割引計算と値引き計算を行ってもい。図11は第2の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。制御部100は図8で説明した小計に対する決済処理に加え、ACT106の処理終了後にACT501ないしACT504の処理を実行する。
【0061】
この構成においても決済処理装置であるPOS端末1は効率よく値割引き金額が最大値となる決済を行うことができる。また、有効にするフラグの優先順位を設けることで会員割引を実施している店舗において会員割引とクーポンなどによる割引が同率であっても効率よく処理を行うことが出来る。
【0062】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は決済機能を有する会員カードを利用する場合の決済処理を行うものである。第3の実施形態の各部について、図1ないし図11の実施形態の各部と同一部分は同一符号で示す。
【0063】
決済機能付きの会員カードは商品読取部102または決済媒体読取部108によって取得される。また、本実施形態では会員カードを取得した場合に有効になる割引を会員割引とし、クーポンや操作部103または店員側表示部104が備えるプリセットで入力されることで有効になる割引を通常割引とする。
【0064】
図12は第3の実施形態に係る決済処理装置の単価ごとに値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。制御部100は決済処理を行うとき(ACT110)に会員カード情報を取得する(ACT701)。なお、制御部100は再計算処理終了までに決済を行わない。
【0065】
値割引き終了キーが入力された後、制御部100は一度目の再計算処理を実行する(ACT109)。制御部100は会員割引の割引率が通常割引の割引率より高いか判断する(ACT702)。制御部100は会員割引による割引率と通常割引による割引率のどちらの割引率が高いかを判断する。会員割引の割引率が低い場合(ACT702のNO)は通常割引のフラグを有効なまま保持し、決算処理に移行する(ACT706)。会員割引の割引率が高い場合(ACT702のYES)は、通常割引のフラグを無効にする(ACT703)。制御部100は会員割引のレコードに記載されているフラグを有効にする(ACT704)。
【0066】
制御部100は再計算処理を行う(ACT705)。制御部100は会員割引のフラグが有効な場合は会員割引による割引計算を実行する。
【0067】
制御部100は決済処理を行う(ACT706)。制御部100は取得した会員カード情報をもとに決済を行う。
【0068】
また、POS端末1は小計に対する値割引き操作を行う場合であっても再計算処理を行っても良い。図13は第3の実施形態に係る決済処理装置の小計に対する値割引き操作を行う決済処理の一例を示すフローチャートである。
制御部100は小計キー入力後にクーポン情報を受け付け、再計算処理終了後に会員カード情報を取得する。カード情報取得後、制御部100は会員割引の方が通用割引よりも割引率が高いかを確認し、通常割引のフラグを有効にしたまま決済処理を行うか会員割引のフラグを有効にし、再計算処理を行う。
【0069】
この構成においても決済処理装置であるPOS端末1は効率よく値割引き金額が最大値となる決済を行うことができる。また、決済を再計算処理の後に行うことで値割引き金額が最大値ではない状態での決済を防ぐことが可能となる。
【0070】
上記実施形態にて開示した構成は、種々変形実施可能である。具体的な変形例としては
、例えば次のようなものがある。
【0071】
制御部100が再計算処理を実行し、再計算処理の結果残額が0円以下の状態で且つ、有効なフラグが存在していた場合、取引金額確定後フラグを無効にしてもよい。また、店員は無効にした値割引種別と対応するクーポン情報が記載されたクーポンを買い物客に返還する。
【0072】
また、第2の実施形態及び第3の実施形態において再計算処理を2回行っているが、再計算処理を会員カード情報を受け付けた後に一度だけ実行するようにしてもよい。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、そのさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
100…制御部
101…記憶部
1011…PLUマスタ
1012…値割引設定管理ファイル
1013…会計ファイル
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13