IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社内田洋行の特許一覧

<>
  • 特開-可搬型フレーム 図1
  • 特開-可搬型フレーム 図2
  • 特開-可搬型フレーム 図3
  • 特開-可搬型フレーム 図4
  • 特開-可搬型フレーム 図5
  • 特開-可搬型フレーム 図6
  • 特開-可搬型フレーム 図7
  • 特開-可搬型フレーム 図8
  • 特開-可搬型フレーム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053146
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】可搬型フレーム
(51)【国際特許分類】
   A47B 91/06 20060101AFI20240408BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20240408BHJP
   A47B 97/04 20060101ALI20240408BHJP
   A47B 96/20 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A47B91/06
A47B31/00 Z
A47B97/04 Z
A47B96/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159210
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100107113
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 健一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 安都夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼澤 彩香
(72)【発明者】
【氏名】田中 康介
(72)【発明者】
【氏名】秋田 美紀
【テーマコード(参考)】
3B069
【Fターム(参考)】
3B069CA03
3B069HA09
(57)【要約】
【課題】棚やホワイトボード、収納、薄型のディスプレイを含むICT機器などのオプションを取り付けることができ、移動可能な可搬型フレームにおいて、オプションの取り付け高さ位置の自由度を高める。
【解決手段】車輪又は足部材が設けられ、移動自在な基部1と、前記基部に立設される一対の支柱2L、2Rと、複数の係合穴41が設けられており、前記支柱の互いに対向する面にそれぞれ設けられる一対の棚柱4L、4Rと、所定のオプションを取り付けるために前記棚柱の前記係合穴に嵌入される取付部材5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪又は足部材が設けられ、移動自在な基部と、
前記基部に立設される一対の支柱と、
複数の係合穴が設けられており、前記支柱の互いに対向する面にそれぞれ設けられる一対の棚柱と、
所定のオプションを取り付けるために前記棚柱の前記係合穴に嵌入される取付部材とを備えることを特徴とする可搬型フレーム。
【請求項2】
前記取付部材は、複数の前記係合穴にそれぞれ係合する複数の係合部と、前記棚柱の両側面にそれぞれ接する複数の腕部とを備えることを特徴とする請求項1記載の可搬型フレーム。
【請求項3】
複数の前記係合部は、前記取付部材の上部と下部に設けられ、前記係合穴に嵌入される部分の長さに関し、上部の前記係合部は、下部の前記係合部よりも長い、ことを特徴とする請求項2記載の可搬型フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚やホワイトボード、収納、薄型のディスプレイを含むICT機器などのオプションを取り付けることができるフレームであって移動可能なものに関し、特に、オプションの取り付け位置の自由度を高めた可搬型フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
フリーアドレスや「Activity Based Working(ABW)」(「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方)を導入する企業が増えてきている。フリーアドレスもABWも社員に固定席はなく、社員はその時々の仕事によって好きな席へ移動するスタイルである。オフィスには、このような流れに対応できる柔軟な機能が求められるようになってきている。例えば、棚やホワイトボード、収納、ICT機器などを自由に組み合わせて設置するとともに、それらを打ち合わせの場へ迅速かつ容易に移動させることが求められる。可搬型フレームは、それらさまざまなオプションを取り付けることができ、かつ、容易に移動可能なものであり、そのような要望を満たす。
【0003】
可搬型フレームは、ICTツールや、現場で使うホワイトボードなどのオプションを最適な場所に素早くセッティングできる。キャスター付きの可搬型フレームは荷物を載せた状態でも楽に移動できるので、実機やサンプルを用いての検証スペースを簡単に構築できる。可搬型フレームは、違った機能をもつオプションを取り付けることが可能なので、さまざまオプションを組み合わせることで効率よくグループワークの場を作ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-54302公報「物品搬送システム」
【特許文献2】特開2021-62797公報「物品搬送システム、物品搬送ロボット、および、収容箱」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の可搬型フレームにおいて、オプションの取付高さは予め定められた複数の高さ位置のいずれかに限られ、しかも取り付けたオプションの高さの変更には手間がかかっていた。高さ位置をより自由に、かつ、容易に選択したいという要望が寄せられていた。他方、可搬型フレームは、迅速かつ容易に移動できることが求められている。それらを両立させる必要がある。
【0006】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、オプション取り付けの高さ位置の自由度を高めつつ、安定して迅速かつ容易に移動させることが可能な可搬型フレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る可搬型フレームは、車輪又は足部材が設けられ、移動自在な基部と、前記基部に立設される一対の支柱と、複数の係合穴が設けられており、前記支柱の互いに対向する面にそれぞれ設けられる一対の棚柱と、所定のオプションを取り付けるために前記棚柱の前記係合穴に嵌入される取付部材とを備えるものである。
【0008】
前記取付部材は、複数の前記係合穴にそれぞれ係合する複数の係合部と、前記棚柱の両側面にそれぞれ接する複数の腕部とを備えるようにしてもよい。
【0009】
複数の前記係合部は、前記取付部材の上部と下部に設けられ、前記係合穴に嵌入される部分の長さに関し、上部の前記係合部は、下部の前記係合部よりも長いものでもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、車輪又は足部材が設けられ、移動自在な基部と、前記基部に立設される一対の支柱と、複数の係合穴が設けられており、前記支柱の互いに対向する面にそれぞれ設けられる一対の棚柱と、所定のオプションを取り付けるために前記棚柱の前記係合穴に嵌入される取付部材とを備えるので、オプション取り付けの高さ位置の自由度が高まり、使い勝手が良くなった可搬型フレームを提供することができた。
【0011】
この発明によれば、前記取付部材は、複数の前記係合穴にそれぞれ係合する複数の係合部と、前記棚柱の両側面にそれぞれ接する複数の腕部とを備えるので、オプション取り付けを安定的に行うことができ、安定して迅速かつ容易に移動させることが可能な可搬型フレームを提供することができた。
【0012】
この発明によれば、複数の前記係合部は、前記取付部材の上部と下部に設けられ、前記係合穴に嵌入される部分の長さに関し、上部の前記係合部は、下部の前記係合部よりも長いので、前記取付部材を容易に設置できるとともに、意図しない脱落を防止できた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】発明の実施の形態に係る可搬型フレーム(複数のオプションを取り付けたもの)の斜視図である。
図2図1から複数のオプションを除いた状態を示す斜視図である。
図3図2から棚受を除いた状態を示す斜視図である。
図4図4(a)は発明の実施の形態に係る可搬型フレームの棚受を除いた状態の平面図、同図(b)は同じく正面図、同図(c)は同じく右側面図、同図(d)は同図(b)のア-ア矢視断面図である。
図5図5(a)は発明の実施の形態に係る棚受(ボックス収納用の取付金具)の平面図、同図(b)は同じく正面図、同図(c)は同じく右側面図、同図(d)は同じく左側面図、同図(e)は同じく底面図である。
図6図6(a)は発明の実施の形態に係る棚受(追加ラダー用の取付金具)を棚柱に取り付けた状態を示す拡大斜視図、同図(b)はその分解斜視図である。
図7図7(a)はボックス収納の棚受の部分を棚柱の長さ方向に切断したときの拡大断面図、同図(b)はボックス収納の部分を水平方向に切断したときの拡大断面図、同図(c)はボックス収納を除いた状態を示す図、同図(d)はさらに棚受を除いた状態を示す図である。
図8】発明の実施の形態に係る可搬型フレーム(他のオプションであるモニター取付具を取り付けたもの)の斜視図である。
図9】発明の実施の形態に係る可搬型フレーム(他のオプションである引戸収納を取り付けたもの)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の実施の形態について、図面を参照して説明を加える。
図1は、発明の実施の形態に係る可搬型フレーム(複数のオプションを取り付けたもの)の斜視図である。同図は、オプションとして上から順にラダー61、棚板62、ボックス収納63を取り付けた状態を示す。ラダー61はホワイトボードやパネルなどの面材などを掛けて保持するための部材であり、棚板62はさまざまな物品を載置するための板状の部材であり、ボックス収納63はプランターなどさまざまな物品を収納するための箱状の部材である。
【0015】
図8は、他のオプションを取り付けた例を示す。同図は、他のオプションであるモニター取付具64を取り付けたものを示す。モニター取付具64に設けられた取付穴に薄型液晶表示装置などのモニターが取り付けられる。
【0016】
図9は、引戸収納65を取り付けたものを示す。図の例では、引戸収納65が棚受(取付部材)5を介さずに下部ビーム10に取り付けられている。
【0017】
図1乃至図4に示すように、発明の実施の形態に係る可搬型フレームは、下部ビーム(下部水平保持部)10と、下部ビーム10の両端から垂直に伸びる一対の支柱2L、2Rと、それらの上端に接続される上部ビーム3とを備える。これらは長方形の枠を構成する。下部ビーム10には、床に接するキャスター(車輪)12又は足部材がそれぞれ設けられる4つ脚部11が取り付けられている。図示していないが、足部材とは脚部11に、キャスター12に代えて設けられ床に接する部材のことである。例えばアジャスターやゴム足などである。アジャスターは、ネジの特性を利用して高さを調整できる足部材である。足部材には、滑り止めや防振目的で使用されるゴム製などの部品も含まれる。図4(a)からわかるように、脚部11はそれぞれ下部ビーム10から内側へ45度の方向に取り付けられている。このようにすることで、複数の可搬型フレームを直線上に並べるだけでなく、角度をつけて(例えば90度に)配置することが容易に行える(例えば90度に配置したときに、可搬型フレームの基部1同士の干渉が生じない)。下部ビーム10、脚部11及びキャスター12は、可搬型フレームの移動自在なベース(基部)1を構成する。
【0018】
図1乃至図4に示すように、一対の支柱2の内側、すなわち支柱2L、2Rの互いに対向する面には、一対の棚柱4L、4Rがそれぞれ取り付けられている(図4)。棚柱4L、4Rには、それぞれ、その長さ方向に多数の棚受設置穴(係合穴)41が設けられている。複数の棚受設置穴41は高さ方向に所定の間隔(数cm程度の一定の間隔、この間隔が高さ方向の設置位置の自由度に対応する)で配置されている。オプションを取り付けるときには、棚柱4L、4Rの多数の棚受設置穴41のうちの所望の高さのものを選択し、それぞれに棚受(取付部材)5を嵌入する(図2)。棚受5を介してオプションを可搬型フレームに取り付ける(図1)。棚受5は、どのオプションを取り付けるかに応じてそのオプション取付部52(後述)のオプションを受ける部分の形態が若干異なる。図2の棚受5に関しては、上から順番に、ラダー受け用の取付金具、棚受け用の取付金具、ボックス収納受け用の取付金具となっている。
【0019】
可搬型フレームに各種オプションを取り付けた状態で、可搬型フレームを安定して迅速かつ容易に移動できるようにするために、棚受5は以下に説明するような構成となっている。
【0020】
図5は、発明の実施の形態に係る棚受(ボックス収納用の取付金具)5の5面図である。なお、背面図は、正面図と線対称に現れる。図6(a)は発明の実施の形態に係る棚受(追加ラダー用の取付金具)5を棚柱に取り付けた状態を示す拡大斜視図、同図(b)はその分解斜視図である。なお、以下の説明で、棚柱4L、4Rを区別する必要のないときは棚柱4のように示す。支柱2も同様である。
【0021】
図5及び図6に示すように、棚受5は、棚柱係合部51とオプション取付部52とから構成される。なお、これらを一体で構成してもよい。オプション取付部52は、オプションの種類(ラダーやボックス収納)に応じて形状が若干異なるが、オプションをその下面で支える点で共通する。
【0022】
棚柱係合部51は、その下端及び上端からそれぞれ約90度に曲げられて延びる下部係合部51D及び上部係合部51Uと、その左右端からそれぞれ約90度に曲げられて延びる左腕部51L及び右腕部51Rとを備える。下部係合部51D、上部係合部51Uは、それぞれ棚受設置穴41に嵌入されるものであり、これにより棚受5を支柱2に取り付ける。棚受設置穴41に嵌入される部分の長さに関し、上部係合部51Uの係合部は、左腕部51Lの係合部よりも長い(図5(b)及び後述の図7(a))。加えて、抜け防止のために上部係合部51Uの先端はさらに約90度に曲げられている。左腕部51L、右腕部51Rは、それぞれ棚柱4を抱くようにその側面42に接するものである。これによりオプション取り付けの安定性を高めることができる。
【0023】
オプション取付部52はL字状の部材であり、その一方は棚柱係合部51に接続され、他方は略水平に配され、オプションを受け止める。そこにはラダー取付穴(オプション取付穴)52hを備える。図の例では、左腕部51L、右腕部51Rと棚柱の側面42の間にフェルトなどの緩衝材53を備えるが、これは備えなくてもよい。
【0024】
棚受5は、それが棚受設置穴41に嵌入した状態において、上下左右のガタはわずかしかない。すなわち、図7(a)に示すように、下部係合部51D、上部係合部51Uの幅と厚みは棚受設置穴41の左右方向と上下方向の大きさよりそれぞれ少し小さい程度である。図7(b)乃至(d)に示すように、左腕部51Lと右腕部51Rの水平面における間隔は、棚柱4の幅(棚柱4の側面42、42の間隔)よりも少し大きい程度である。
【0025】
以上の構成により、発明の実施の形態によれば、オプション取り付けの高さ位置の自由度が高まり、使い勝手が良くなった可搬型フレームを提供することができた。
【0026】
加えて、左腕部51L、右腕部51Rが、それぞれ棚柱4を抱くようにその側面42に接しているので、オプション取り付けの安定性を維持できた。安定して迅速かつ容易に移動させることが可能な可搬型フレームを提供することができた。
【0027】
この発明によれば、複数の前記係合部は、前記取付部材の上部と下部に設けられ、前記係合穴に嵌入される部分の長さに関し、上部の前記係合部は、下部の前記係合部よりも長いので、前記取付部材を容易に設置できるとともに、意図しない脱落を防止できる。前記取付部材の間にオプションを入れて取り付けることにより、完全に固定できる。
【符号の説明】
【0028】
1 ベース(基部)
10 下部ビーム(下部水平支持部)
11 脚部
12 キャスター(車輪)
2 支柱
2L 左支柱
2R 右支柱
3 上部ビーム(上部水平支持部)
4 棚柱
41 棚受設置穴(係合穴)
42 棚柱の側面
4L 左棚柱
4R 右棚柱
5 棚受(取付部材)
51 棚柱係合部
51D 下部係合部
51L 左腕部
51R 右腕部
51U 上部係合部
52 オプション取付部
52h ラダー取付穴(オプション取付穴)
53 緩衝材(フェルト)
61 ラダー(オプション)
62 棚板(オプション)
63 ボックス収納(オプション)
64 モニター取付具(オプション)
65 引戸収納(オプション)
S 止めねじ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9