(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053152
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】モール型ECサイト構築システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240408BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240408BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159219
(22)【出願日】2022-10-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社瀬戸内に対する説明、2022年7月5日 [刊行物等] 株式会社ギフトグッズに対する説明、2022年7月8日 [刊行物等] 株式会社四国遍路に対する説明、2022年9月7日 [刊行物等] 株式会社アイ・ティー・シーに対する説明、2022年7月20日 [刊行物等] エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に対する説明、2022年8月4日 [刊行物等] セーラー広告株式会社に対する説明、2022年8月4日
(71)【出願人】
【識別番号】521124629
【氏名又は名称】株式会社みどりデジタルサポート
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 貴志男
(72)【発明者】
【氏名】濱谷 充信
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L049BB47
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】安価、短期間でモール型ECサイトを構築でき、また、商品情報更新の手間がかからないモール型ECサイトを構築するシステムを提供する。
【解決手段】モール型ECサイト構築システムは、ネットワーク2に接続されたモールサーバ1を有する。モールサーバ1は、複数の独自店舗型ECサイトにアクセスし、独自店舗型ECサイトに掲載された商品の商品情報を抽出する商品情報抽出部10と、複数の商品情報を記憶するデータベース30と、複数の商品情報を商品購入ページURLにリンクさせて表示する商品表示ページを生成するウェブページ生成部40とを有する。モールサーバ1は、商品情報の抽出および更新を繰り返し実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたモールサーバを備え、
前記モールサーバは、
前記ネットワークを介して複数の独自店舗型ECサイトにアクセスし、該独自店舗型ECサイトのそれぞれから、該独自店舗型ECサイトに掲載された一または複数の商品ごとに、少なくとも商品購入ページURLを含む商品情報を抽出する商品情報抽出部と、
前記商品情報抽出部が抽出した複数の前記商品情報を記憶するデータベースと、
前記データベースに記憶された複数の前記商品情報を読み込んで、複数の前記商品情報を前記商品購入ページURLにリンクさせて表示する商品表示ページを生成するウェブページ生成部と、を備え、
前記商品情報抽出部による前記商品情報の抽出、および、前記データベースに記憶された前記商品情報の更新を、繰り返し実行する
ことを特徴とするモール型ECサイト構築システム。
【請求項2】
前記商品情報抽出部は、
特定の前記独自店舗型ECサイトからの前記商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプトを、複数の前記独自店舗型ECサイトごとに有し、
複数の前記スクレイピングスクリプトを実行することで、複数の前記独自店舗型ECサイトから前記商品情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載のモール型ECサイト構築システム。
【請求項3】
前記モールサーバは、前記商品情報抽出部が抽出した前記商品情報を標準化する標準化部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1記載のモール型ECサイト構築システム。
【請求項4】
前記ウェブページ生成部は、
消費者端末からのアクセスに応じて、前記データベースに記憶された全部または一部の前記商品情報を表示する前記商品表示ページを生成し、
前記消費者端末からの表示条件の指定に応じて、該表示条件に従って前記商品情報を表示する前記商品表示ページを生成する
ことを特徴とする請求項1記載のモール型ECサイト構築システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モール型ECサイト構築システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、複数の店舗が出店するショッピングモールタイプの電子商取引サイト(モール型ECサイト)を構築するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の店舗が出店するショッピングモールタイプの電子商取引サイト(以下、「モール型ECサイト」という。)が知られている(例えば、特許文献1)。モール型ECサイトでは、消費者は、複数の店舗の商品を比較でき、所望の商品を購入できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モール型ECサイトは、商品を表示する機能のほか、商品の購入に用いられるカート機能および決済機能などが必要な比較的複雑なシステムであるため、構築に費用と時間がかかる。特に多数の店舗が出店する大型のモール型ECサイトを構築することは容易でない。
【0005】
また、モール型ECサイトに出店している企業が、独自の電子商取引サイト(以下、「独自店舗型ECサイト」という。)を運営していることもある。しかも、消費者の目に触れる機会を増やすため、一つの企業が、独自店舗型ECサイトに加えて、複数のモール型ECサイトに出店することもある。しかし、独自店舗型ECサイトとモール型ECサイトとは別のシステムであるため、独自店舗型ECサイトにおける商品情報(商品説明文、価格など)を更新したとしても、モール型ECサイト内の商品情報には反映されない。したがって、サイトごとに商品情報を更新する作業が発生し、煩雑である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、安価、短期間でモール型ECサイトを構築でき、また、商品情報更新の手間がかからないモール型ECサイトを構築するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様のモール型ECサイト構築システムは、ネットワークに接続されたモールサーバを備え、前記モールサーバは、前記ネットワークを介して複数の独自店舗型ECサイトにアクセスし、該独自店舗型ECサイトのそれぞれから、該独自店舗型ECサイトに掲載された一または複数の商品ごとに、少なくとも商品購入ページURLを含む商品情報を抽出する商品情報抽出部と、前記商品情報抽出部が抽出した複数の前記商品情報を記憶するデータベースと、前記データベースに記憶された複数の前記商品情報を読み込んで、複数の前記商品情報を前記商品購入ページURLにリンクさせて表示する商品表示ページを生成するウェブページ生成部と、を備え、前記商品情報抽出部による前記商品情報の抽出、および、前記データベースに記憶された前記商品情報の更新を、繰り返し実行することを特徴とする。
第2態様のモール型ECサイト構築システムは、第1態様において、前記商品情報抽出部は、特定の前記独自店舗型ECサイトからの前記商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプトを、複数の前記独自店舗型ECサイトごとに有し、複数の前記スクレイピングスクリプトを実行することで、複数の前記独自店舗型ECサイトから前記商品情報を抽出することを特徴とする。
第3態様のモール型ECサイト構築システムは、第1態様において、前記モールサーバは、前記商品情報抽出部が抽出した前記商品情報を標準化する標準化部をさらに備えることを特徴とする。
第4態様のモール型ECサイト構築システムは、第1態様において、前記ウェブページ生成部は、消費者端末からのアクセスに応じて、前記データベースに記憶された全部または一部の前記商品情報を表示する前記商品表示ページを生成し、前記消費者端末からの表示条件の指定に応じて、該表示条件に従って前記商品情報を表示する前記商品表示ページを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1態様によれば、既存の独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出して商品表示ページを生成するので、モール型ECサイトを安価、短期間で構築できる。また、商品情報の抽出と更新を繰り返し行うので、独自店舗型ECサイトにおいて商品情報を更新すれば、モール型ECサイトにおける商品情報も自動的に更新される。そのため、モール型ECサイトにおいて商品情報を更新する手間がかからない。
第2態様によれば、特定の独自店舗型ECサイトからの商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプトを用意しているので、商品情報を漏れなく、正確に抽出できる。そのため、モール型ECサイトにおいて正しい商品情報を表示できる。
第3態様によれば、別々の独自店舗型ECサイトから抽出した商品情報を標準化するので、商品表示ページにおいて複数の商品を同一の体裁で表示できる。
第4態様によれば、商品表示ページにおける商品の表示が表示条件に従って変化するので、消費者が商品を選びやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るモール型ECサイト構築システムの全体構成図である。
【
図2】同モール型ECサイト構築システムの機能ブロック図である。
【
図3】同モール型ECサイト構築システムの処理を示すフローチャートである。
【
図4】クラフトビールを扱うモール型ECサイトの商品表示ページの画面イメージである。
【
図5】旅行ツアーを扱うモール型ECサイトの商品表示ページの画面イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るモール型ECサイト構築システムAAは、モールサーバ1を有する。モールサーバ1は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。モールサーバ1は、物理的には、1台のサーバ装置で構成されてもよいし、複数台のサーバ装置を組み合わせて構成されてもよい。また、モールサーバ1として所謂クラウドサーバを用いてもよい。モールサーバ1はインターネットなどのネットワーク2に接続されている。
【0011】
後述のごとく、モールサーバ1は、モール型ECサイトを構築し、ネットワーク2上に提供する。ここで、「モール型ECサイト」とは、複数の店舗が出店するショッピングモールタイプの電子商取引サイトである。
【0012】
ネットワーク2には複数の独自店舗サーバ3が接続されている。独自店舗サーバ3は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。独自店舗サーバ3は独自店舗型ECサイトをネットワーク2上に提供する。すなわち、ネットワーク2上には、複数の独自店舗型ECサイトが存在する。ここで、「独自店舗型ECサイト」とは、一企業が提供する独自の電子商取引サイトをいう。独自店舗型ECサイトは、商品を表示する機能のほか、商品を購入するための決済機能などを有する。
【0013】
モールサーバ1が提供するモール型ECサイトには、複数の独自店舗型ECサイトに掲載されている商品が掲載される。換言すれば、独自店舗型ECサイトを運営する各企業がモール型ECサイトに出店することになる。モール型ECサイトの運営者とモール型ECサイトに出店する企業(独自店舗型ECサイトの運営者)との間には、予め提携契約などが交わされるのが通常である。したがって、モール型ECサイト構築システムAAを構成する独自店舗サーバ3(独自店舗型ECサイト)は、不特定多数ではなく、特定された限定数である。
【0014】
ネットワーク2には消費者端末4が接続されている。消費者端末4は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。消費者端末4はモール型ECサイトの利用者(消費者)が直接操作するものである。消費者端末4としてパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどを用いることができる。消費者端末4はディスプレイなどの表示装置、キーボード、マウスなどの入力装置を有する。また、消費者端末4はウェブブラウザを実行できる。消費者端末4の数は特に限定されないが、通常、複数である。
【0015】
図2に示すように、モールサーバ1は、商品情報抽出部10、標準化部20、データベース30およびウェブページ生成部40を有する。これらは、ハードウエアで構成されてもよいし、ソフトウエアをコンピュータにインストールすることにより実現してもよい。
【0016】
商品情報抽出部10は、ネットワーク2を介して、提携した複数の独自店舗型ECサイトにアクセスする。そして、商品情報抽出部10は、独自店舗型ECサイトのそれぞれから、その独自店舗型ECサイトに掲載された商品ごとに商品情報を抽出する。
【0017】
本明細書において「商品」とは、売買を目的とした物品および役務を意味する。一の独自店舗型ECサイトに掲載される商品の数は、通常複数であるが、一つでもよい。「商品情報」は一つの商品に関する情報のまとまりである。独自店舗型ECサイトに複数の商品が掲載されている場合、その独自店舗型ECサイトにはその商品の数だけ商品情報が掲載されていることになる。商品情報として、商品の名称、価格、説明文、画像などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
商品情報には少なくとも商品購入ページURLが含まれる。「商品購入ページ」とは、独自店舗型ECサイトにおいて商品を購入するためのページである。商品購入ページは、例えば、商品の説明とともに購入ボタンが表示されたページである。商品購入ページにおいて購入ボタンを押下すると決済ページに遷移する。「URL」はUniform Resource Locatorの略である。「商品購入ページURL」とは、商品購入ページのURLを意味する。
【0019】
商品情報抽出部10は、ウェブスクレイピングにより、独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出する。「ウェブスクレイピング」とは、ウェブサイトから情報を抽出するコンピュータソフトウェア技術である。ウェブサイトを構成するウェブページはHTML(Hyper Text Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語で記述されている。ウェブスクレイピングは、マークアップ言語で記述されたウェブページのソースを解析し、特定のタグなどを頼りに、必要な情報を抽出する。
【0020】
独自店舗型ECサイトは企業が独自に構築したサイトであるので、サイトごとに構成が異なる。すなわち、サイト構成(複数のウェブページからなる階層構造)、ページ構成(ウェブページ内の情報の配置)、特定の情報と関連付けられるタグなどが、独自店舗型ECサイトごとに異なる。そのため、共通する一つのスクレイピングスクリプトで複数の独自店舗型ECサイトから商品情報を漏れなく、正確に抽出することは困難である。
【0021】
そこで、特定の独自店舗型ECサイトからの商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプト11を用意しておくことが好ましい。スクレイピングスクリプト11は抽出対象の独自店舗型ECサイトごとに、独自店舗型ECサイトの数だけ用意する。抽出対象の独自店舗型ECサイトは予め提携契約などが交わされた企業のサイトであるから、スクレイピングスクリプト11は予め定められた数となる。スクレイピングスクリプト11は、提携契約などの後、独自店舗型ECサイトの構成に沿って作成される。
【0022】
なお、独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出するには、独自店舗型ECサイトのURLを保持しておく必要がある。特定の独自店舗型ECサイトに特化したスクレイピングスクリプト11を用意する場合には、スクレイピングスクリプト11にその独自店舗型ECサイトのURLを記述しておけばよい。
【0023】
スクレイピングスクリプト11は抽出対象の独自店舗型ECサイトと同じ数だけ用意される。スクレイピングスクリプト11が記述されたスクリプトファイルも、独自店舗型ECサイトと同じ数だけ用意すればよい。そうすれば、モール型ECサイトに出店する店舗の増減に合わせて、スクリプトファイルを追加、削除すればよいので、管理が容易である。ただし、複数のスクレイピングスクリプト11をまとめて1つのスクリプトファイルにしてもよい。
【0024】
商品情報抽出部10は、複数のスクレイピングスクリプト11を実行することで、複数の独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出する。特定の独自店舗型ECサイトからの商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプト11を用意しているので、商品情報を漏れなく、正確に抽出できる。そのため、モール型ECサイトにおいて正しい商品情報を表示できる。
【0025】
標準化部20は必要に応じて設けられる。標準化部20は商品情報抽出部10が抽出した商品情報を標準化する。独自店舗型ECサイトは企業が独自に構築したサイトであるので、同種の情報でも記載態様がサイトごとに異なる。例えば、価格であれば、日本円を示す記号「円」、「¥」の違いなどがある。標準化部20は複数の独自店舗型ECサイトから取得した同種の情報を、予め定められた標準に従うよう変換する。また、標準化部20は、価格などの数値情報を文字列から数値に変換する。これにより、数値情報を用いて商品をソートすることなどが容易となる。
【0026】
データベース30は、商品情報抽出部10が抽出した複数の商品情報を記憶する。モールサーバ1が標準化部20を有する場合、標準化部20が標準化した商品情報がデータベース30に記憶される。
【0027】
ウェブページ生成部40は、データベース30に記憶された複数の商品情報を読み込んで商品表示ページを生成する。「商品表示ページ」は、複数の商品情報を表示するページであり、モール型ECサイトを構成するウェブページである。商品表示ページは、HTML、XMLなどのマークアップ言語で記述される。ウェブページ生成部40は、データベース30から商品情報を読み込んで、商品表示ページのソースを自動生成する。
【0028】
また、ウェブページ生成部40は、消費者端末4からのアクセスに応じて、消費者端末4に商品表示ページを配信する。消費者は消費者端末4のウェブブラウザを通して商品表示ページを閲覧する。これにより、消費者がモール型ECサイトを利用できる。
【0029】
つぎに、
図3に示すフローチャートに基づき、モール型ECサイト構築システムAAの処理を説明する。
まず、商品情報抽出部10は、ネットワーク2を介して複数の独自店舗型ECサイトにアクセスし、独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出する(ステップS10)。ここで、商品情報抽出部10は、特定の独自店舗型ECサイトからの商品情報の抽出に特化したスクレイピングスクリプト11を有することが好ましい。商品情報抽出部10は、独自店舗型ECサイトごとの複数のスクレイピングスクリプト11を実行することで、複数の独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出する。
【0030】
つぎに、必要に応じて、標準化部20は、商品情報抽出部10が抽出した商品情報を標準化する(ステップS20)。
【0031】
つぎに、データベース30は、商品情報抽出部10が抽出した複数の商品情報を記憶する(ステップS30)。あるいは、データベース30は、標準化部20が標準化した商品情報を記憶する。
【0032】
モールサーバ1は、以上の商品情報抽出(ステップS10)から商品情報記憶(ステップS30)までの処理を、定期的にまたは不定期で、繰り返し実行する。なお、商品情報記憶処理(ステップS30)では、新規の独自店舗型ECサイトから初めて商品情報を抽出した場合には、データベース30に商品情報の登録を行う。一方、独自店舗型ECサイトからの商品情報の抽出が2回目以降の場合には、データベース30に登録されている商品情報を新しい情報に更新する。
【0033】
このように、モールサーバ1は、商品情報抽出部10による商品情報の抽出、および、データベース30に記憶された商品情報の更新を繰り返し実行する。そのため、抽出対象の独自店舗型ECサイトにおいて商品情報が更新されると、データベース30に記憶された商品情報が自動的に更新される。
【0034】
商品情報抽出(ステップS10)から商品情報記憶(ステップS30)までの処理の繰り返し頻度は、特に限定されず、1週間毎、1日毎、1時間毎など、適宜設定できる。また、消費者端末4からモール型ECサイトにアクセスがあるたびなど、不定期で商品情報抽出(ステップS10)から商品情報記憶(ステップS30)までの処理を実行してもよい。繰り返し頻度を高くすれば、データベース30に記憶された商品情報を最新に維持しやすい。商品情報として更新頻度の高い情報、例えば、在庫情報を独自店舗型ECサイトから抽出してモール型ECサイトに掲載する場合には、繰り返し頻度を高くすることが好ましい。一方、繰り返し頻度を低くすれば、独自店舗型ECサイトへのアクセスの頻度が低くなるので、独自店舗サーバ3への負荷を低減できる。
【0035】
つぎに、ウェブページ生成部40は、データベース30から商品情報を読み込んで商品表示ページを生成する(ステップS40)。ウェブページ生成処理(ステップS40)は、消費者端末4からモール型ECサイトにアクセスがあったタイミングで実行すればよい。また、消費者端末4からのアクセスとは関係なく、商品情報抽出(ステップS10)からウェブページ生成(ステップS40)までの一連の処理を、定期的にまたは不定期で、繰り返し実行してもよい。
【0036】
消費者が消費者端末4を介してモール型ECサイトにアクセスすると、ウェブページ生成部40は商品表示ページを消費者端末4に配信する。消費者は消費者端末4のウェブブラウザを通じて商品表示ページを閲覧する。
【0037】
図4は、モール型ECサイトとしてクラフトビールを取り扱うサイトにおける商品表示ページの一例である。
図4に示す商品表示ページには、タイル状に並べられた複数の商品情報表示領域41のそれぞれに商品情報が表示される。図示の例では、商品情報として、商品の画像、名称、価格、地域(クラフトビールの生産地)、出店者名(クラフトビールの醸造所)が商品情報表示領域41に表示されている。これらの情報は、商品情報抽出部10により独自店舗型ECサイトから抽出されたものである。
【0038】
標準化部20は、別々の独自店舗型ECサイトから抽出した商品情報を標準化する。そのため、複数の独自店舗型ECサイトから抽出した商品が混在している場合でも、商品表示ページにおいて複数の商品を同一の体裁で、統一感をもって表示できる。
【0039】
また、商品情報表示領域41は表示対象の商品に対応する商品購入ページURLがリンク情報として埋め込まれている。商品購入ページURLも商品情報抽出部10により独自店舗型ECサイトから抽出されたものである。このように、商品表示ページは商品をそれに対応する商品購入ページURLにリンクさせて表示する。そのため、消費者が特定の商品情報表示領域41をクリックすれば、その商品の商品購入ページに遷移する。
【0040】
商品購入ページは独自店舗型ECサイトにおいて商品を購入するためのページである。商品購入ページでは、商品の説明とともに購入ボタンが表示される。消費者が商品購入ページにおいて購入ボタンを押下すると決済ページに遷移する。消費者は独自店舗型ECサイトに搭載されたカート機能および決済機能を利用して商品を購入する。したがって、モール型ECサイトがカート機能および決済機能を有する必要がない。
【0041】
商品購入ページは表示条件指定領域42を含んでもよい。図示の例では、表示条件として、価格帯(最低価格、最高価格)、地域(クラフトビールの生産地)の入力欄が表示条件指定領域42に表示されている。
【0042】
消費者が消費者端末4を介してモール型ECサイトにアクセスすると、ウェブページ生成部40は初期画面としてデータベース30に記憶された全部の商品情報を表示する商品表示ページを消費者端末4に配信する。あるいは、おすすめの商品だけなど、データベース30に記憶された一部の商品情報を表示する商品表示ページを初期画面としてもよい。なお、取り扱い商品が多数ある場合には、複数ページに分割して表示してもよい。
【0043】
消費者端末4に商品表示ページが表示された後、消費者は、必要に応じて、表示条件指定領域42に表示条件を入力する。入力された表示条件はウェブページ生成部40に送信される。ウェブページ生成部40は、消費者端末4からの表示条件の指定に応じて、その表示条件に従って商品情報を表示する商品表示ページを生成する。例えば、価格帯が指定された場合には、その価格帯に属する商品のみを表示する商品表示ページを生成する。そして、ウェブページ生成部40は新たに生成した商品表示ページを消費者端末4に配信する。
【0044】
標準化部20は、独自店舗型ECサイトから抽出した価格などの数値情報を文字列から数値に変換する。そのため、価格などの数値情報を用いた絞り込みが可能となる。
【0045】
このように、商品表示ページにおける商品の表示は、消費者が指定した表示条件に従って変化する。そのため、消費者は商品の絞り込みができ、商品を選びやすい。
【0046】
図5は、別のモール型ECサイトとして旅行ツアーを取り扱うサイトにおける商品表示ページの一例である。
図5に示す商品表示ページには、行形式で並べられた複数の商品情報表示領域41のそれぞれに商品情報が表示される。図示の例では、商品情報として、商品の画像、名称(ツアー名)、説明文、価格、地域(旅行の目的地)、出店者名(旅行会社)が商品情報表示領域41に表示されている。これらの情報は、商品情報抽出部10により独自店舗型ECサイトから抽出されたものである。
【0047】
また、商品情報表示領域41には「予約」ボタンが表示されている。このボタンは表示対象の商品に対応する商品購入ページURLがリンク情報として埋め込まれている。このように、商品購入ページへのリンクは、商品情報の表示部に埋め込むほか、明示的なボタンに埋め込んでもよい。
【0048】
商品購入ページは表示条件指定領域42を含んでもよい。図示の例では、表示条件として、価格順(昇順、降順)、価格帯(最低価格、最高価格)、地域(旅行の目的地)の入力欄が表示条件指定領域42に表示されている。消費者が表示条件指定領域42に表示条件を入力すると、表示条件に従って商品表示ページにおける商品の表示が変化する。
【0049】
以上のように、モール型ECサイト構築システムAAによれば、既存の独自店舗型ECサイトから商品情報を抽出して商品表示ページを生成するので、モール型ECサイトを安価、短期間で構築できる。商品の購入に必要なカート機能および決済機能は独自店舗型ECサイトに搭載されているものを利用し、モール型ECサイトが有する必要がないので、この点においてもモール型ECサイトを安価、短期間で構築できる。
【0050】
また、商品情報の抽出と更新を繰り返し行うので、独自店舗型ECサイトにおいて商品情報を更新すれば、モール型ECサイトにおける商品情報も自動的に更新される。そのため、独自店舗型ECサイトの運営者(モール型ECサイトの出店者)は、自身の独自店舗型ECサイトにおける商品情報を更新するだけでよく、モール型ECサイトにおいて商品情報を更新する必要がなく、手間がかからない。
【符号の説明】
【0051】
AA モール型ECサイト構築システム
1 モールサーバ
10 商品情報抽出部
11 スクレイピングスクリプト
20 標準化部
30 データベース
40 ウェブページ生成部
2 ネットワーク
3 独自店舗サーバ
4 消費者端末