IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ショウワの特許一覧

<>
  • 特開-二酸化炭素発生装置 図1
  • 特開-二酸化炭素発生装置 図2
  • 特開-二酸化炭素発生装置 図3
  • 特開-二酸化炭素発生装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053163
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】二酸化炭素発生装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/50 20170101AFI20240408BHJP
   A62C 13/02 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
C01B32/50
A62C13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159240
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】507157285
【氏名又は名称】株式会社ショウワ
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】藤村 俊秀
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146JA02
4G146JB01
4G146JB06
4G146JC01
(57)【要約】
【課題】手軽に二酸化炭素を発生させることができる二酸化炭素発生装置を提供する。
【解決手段】第2本体部21を人の手Hを使って握りしめる前、第1本体部20の下方が閉止されるように、第1本体部20内に第2本体部21が収納されると共に、該第1本体部20内に、重曹水4とクエン酸水5とが収納される。そして、第2本体部21を人の手Hを使って握りしめる際、第1本体部20内と第2本体部21内とを連通させるため、第1本体部20内から第2本体部21を引っ張り出し、これによって、該第1本体部20内に収納されていた重曹水4とクエン酸水5とを、第2本体部21内に移動させ、その後、該第2本体部21を人の手Hを使って握りしめる。これにより、重曹水4とクエン酸水5とを反応させて、二酸化炭素を発生させる。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底で上方が開放された本体部内に収納された重曹とクエン酸とを反応させるにあたって、該本体部に外部から圧力を加えることにより、前記重曹と前記クエン酸とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなる二酸化炭素発生装置。
【請求項2】
前記本体部は、
硬質樹脂により形成された第1本体部と、
伸縮可能な軟質樹脂により形成された第2本体部と、を有し、
前記第2本体部内には、前記重曹と前記クエン酸とが収納され、該第2本体部に外部から圧力を加えることにより、前記重曹と前記クエン酸とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなる請求項1に記載の二酸化炭素発生装置。
【請求項3】
前記第1本体部は、上方側に位置し、上方及び下方が開放され、
前記第2本体部は、下方側に位置し、有底で上方が開放され、
前記第1本体部内と第2本体部内とは連通されるように、前記第1本体部と前記第2本体部とは連結されてなり、
前記第2本体部に外部から圧力を加える前、前記第1本体部の下方が閉止されるように、前記第1本体部内に前記第2本体部が収納されると共に、該第1本体部内に、前記重曹と前記クエン酸とが収納され、
前記第2本体部に外部から圧力を加える際、前記第1本体部内と前記第2本体部内とを連通させるため、前記第1本体部内から前記第2本体部を引っ張り出し、これによって、該第1本体部内に収納されていた前記重曹と前記クエン酸とを、前記第2本体部内に移動させ、その後、該第2本体部に外部から圧力を加えることにより、前記重曹と前記クエン酸とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなる請求項2に記載の二酸化炭素発生装置。
【請求項4】
前記クエン酸は、前記第2本体部に外部から圧力を加えた際、破断される部材で覆われてなる請求項2又は3に記載の二酸化炭素発生装置。
【請求項5】
前記本体部には、前記上方の開放を開閉する蓋部が着脱自在に設けられ、
前記蓋部には、何も設けられないか、又は、消火器用チューブが設けられるか、或いは、流体を注入できる注入部材が設けられてなる請求項1に記載の二酸化炭素発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二酸化炭素発生装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の発明は、二酸化炭素を含むガスおよびキャリアガスが切り替え可能に導入されるガス導入管とガス排出管とを有し、内部にリチウム複合酸化物を含む二酸化炭素吸収材が充填された反応器と、反応器内の二酸化炭素吸収材に二酸化炭素を反応させて生成された二酸化炭素放出性物質を加熱するためのヒーターと、反応器内の二酸化炭素放出性物質に水蒸気を供給するための水蒸気供給手段と、水蒸気供給手段から反応器内への水蒸気の供給量調節および間欠的な供給を行うための制御手段とを備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-237115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような二酸化炭素発生装置は、二酸化炭素を発生させようとすると、大掛かりな装置が必要となるため、手軽に二酸化炭素を発生することができるものではないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、手軽に二酸化炭素を発生させることができる二酸化炭素発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に係る二酸化炭素発生装置は、有底で上方が開放された本体部(2)内に収納された重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とを反応させるにあたって、該本体部(2)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)ことにより、前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなることを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る二酸化炭素発生装置は、上記請求項1に記載の二酸化炭素発生装置において、前記本体部(2)は、
硬質樹脂により形成された第1本体部(20)と、
伸縮可能な軟質樹脂により形成された第2本体部(21)と、を有し、
前記第2本体部(21)内には、前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とが収納され、該第2本体部(21)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)ことにより、前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなることを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る二酸化炭素発生装置は、上記請求項2に記載の二酸化炭素発生装置において、前記第1本体部(20)は、上方側に位置し、上方及び下方が開放され、
前記第2本体部(21)は、下方側に位置し、有底で上方が開放され、
前記第1本体部(20)内と第2本体部(21)内とは連通されるように、前記第1本体部(20)と前記第2本体部(21)とは連結されてなり、
前記第2本体部(21)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)前、前記第1本体部(20)の下方が閉止されるように、前記第1本体部(20)内に前記第2本体部(21)が収納されると共に、該第1本体部(20)内に、前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とが収納され、
前記第2本体部(21)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)際、前記第1本体部(20)内と前記第2本体部(21)内とを連通させるため、前記第1本体部(20)内から前記第2本体部(21)を引っ張り出し、これによって、該第1本体部(20)内に収納されていた前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とを、前記第2本体部(21)内に移動させ、その後、該第2本体部(21)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)ことにより、前記重曹(重曹水4)と前記クエン酸(クエン酸水5)とを反応させ、これによって、二酸化炭素を発生させてなることを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る二酸化炭素発生装置は、上記請求項2又は3に記載の二酸化炭素発生装置において、前記クエン酸(クエン酸水5)は、前記第2本体部(21)に外部から圧力を加えた(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)際、破断される部材(5a)で覆われてなることを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る二酸化炭素発生装置は、上記請求項1に記載の二酸化炭素発生装置において、前記本体部(2)には、前記上方の開放を開閉する蓋部(3)が着脱自在に設けられ、
前記蓋部(3)には、何も設けられないか、又は、消火器用チューブ(10)が設けられるか、或いは、流体を注入できる注入部材(11)が設けられてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
請求項1に係る発明によれば、本体部(2)内に収納された重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とを反応させるにあたって、該本体部(2)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)ことにより、重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とを反応させて、二酸化炭素を発生させているから、非常に簡便な方法で二酸化炭素を発生させることができる。それゆえ、本発明によれば、手軽に二酸化炭素を発生させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、伸縮可能な軟質樹脂により形成された第2本体部(21)内に、重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とを収納し、該第2本体部(21)に外部から圧力を加える(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)ことにより、重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とを反応させて、二酸化炭素を発生させているから、機械などを利用せずとも、人の手(H)を利用して、第2本体部(21)に外部から圧力を加えやすくすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、硬質樹脂により形成された第1本体部(20)内に、重曹(重曹水4)と、クエン酸(クエン酸水5)と、第2本体部(21)とを収納しておくことにより、使用前に、第1本体部(20)に外部から相当な圧力が加わらない限り、重曹(重曹水4)と、クエン酸(クエン酸水5)とが反応することがない。これにより、意図しない時点で、重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とが反応してしまうような事態を低減させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、クエン酸(クエン酸水5)は、第2本体部(21)に外部から圧力を加えた(例えば、図2(b)に示すように、人の手(H)を使って、第2本体部(21)を握りしめる)際、破断される部材(5a)で覆われているから、意図しない時点で、重曹(重曹水4)とクエン酸(クエン酸水5)とが反応してしまうような事態を低減させることができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、蓋部(3)に、何も設けていなければ、簡易浮き輪や、野菜や花などの発育促進に二酸化炭素発生装置(1)を使用することができる。また、蓋部(3)に消火器用チューブ(10)が設けられていれば、簡易消火器として二酸化炭素発生装置(1)を使用することができる。或いは、蓋部(3)に、流体を注入できる注入部材(11)が設けられていれば、浮き輪や、簡易ベッドなどを膨らます際に、二酸化炭素発生装置(1)を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る二酸化炭素発生装置の一実施形態を示す一部縦断面図である。
図2】同実施に係る二酸化炭素発生装置の一部縦断面図を示し、(a-1)は、図1に示す状態から第2本体部を引っ張り出し、その第2本体部内に重曹水とクエン酸水を収納させた状態を示し、(a-2)は、(a-1)に示す破線丸部分の拡大図を示し、(b)は、人の手で第2本体部を握りしめることによって外部から圧力を加えている状態を示し、(c)は、重曹水とクエン酸水が反応して、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生することによって、第2本体部が膨張している状態を示す図である。
図3】同実施形態に係る蓋部にバルブ付きの消火器用チューブを取り付けた状態を示す一部縦断面図である。
図4】同実施形態に係る蓋部に注入部材を取り付けた状態を示す一部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る二酸化炭素発生装置の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0020】
<二酸化炭素発生装置の説明>
図1に示すように、二酸化炭素発生装置1は、ペットボトルのような外観からなり、具体的には、上面2aが開放され、下面2bが閉止された本体部2を有している。この本体部2は、図2(a-1)に示すように、第1本体部20と、第2本体部21と、で構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0021】
<第1本体部の説明>
第1本体部20は、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂などの硬質樹脂により形成されている。そしてさらに、図2(a-1)に示すように、この第1本体部20は、筒状の首部20aと、この首部20aより径大に形成されると共に一体的に連結されている筒状の本体部20bと、で構成されている。この首部20aは、図1及び図2(a-1)に示すように、中空状で、上面20a1及び下面20a2が開放された筒状に形成されると共に、上面20a1側外周面には、雄ネジ部20a3が設けられている。この雄ネジ部20a3には、図1及び図2(a-1)に示すように、断面視コ字状の蓋部3が着脱自在に螺合されている。すなわち、図1及び図2(a-1)に示すように、蓋部3の内周面には、雌ネジ部3a3が設けられており、この雌ネジ部3a3が、雄ネジ部20a3に螺合することにより、蓋部3が着脱自在に螺合されることとなる。これにより、この蓋部3によって、この首部20aの上面20a1が、開放又は閉止されることとなる。
【0022】
一方、本体部20bは、図2(a-1)に示すように、中空状で、上面20b1及び下面20b2が開放され、下面20b2側に向かって末広がり状に形成された筒状に形成されている。この本体部20b内は、図1及び図2(a-1)に示すように、首部20a内と連通され、図1に示すように、重曹水4と、クエン酸水5とを収納できるようになっている。なお、この時点で、重曹水4とクエン酸水5とが反応しないように、クエン酸水5は、ナイロンなどの破断容易な部材5aで覆われている。このようにすれば、意図しない時点で、重曹水4とクエン酸水5とが反応してしまうような事態を低減させることができる。
【0023】
<第2本体部の説明>
第2本体部21は、軟質ポリ塩化ビニルなどの伸縮可能な軟質樹脂により形成されている。そして、この第2本体部21は、図2(a-1)に示すように、中空状で、上面21aが開放され、下面21bが閉止された形状に形成されている。そしてさらに、図2(a-1)に示すように、第1本体部20内と、第2本体部21内とは連通されている。具体的には、図2(a-2)に示すように、第2本体部21の上面21a側の側面21cが、本体部20bの下面20b2側の側面20b3に溶着することによって、第1本体部20と第2本体部21とが連結されている。これにより、第1本体部20内と、第2本体部21内とは連通されることとなる。
【0024】
ところで、このように形成される第2本体部21は、図1に示すように、本体部20b内に、重曹水4と、クエン酸水5とが収納されている際、本体部20bの下面20b2(図2(a-1)参照)の開放を閉止するため、本体部20b内に収納されるようになっている。これにより、第2本体部21に邪魔されることにより、重曹水4と、クエン酸水5とは、図1に示すように、本体部20b内に留まることとなる。
【0025】
<二酸化炭素発生装置の使用例の説明>
かくして、上記のように構成される二酸化炭素発生装置1は、次のように使用される。
【0026】
まず、図1に示す状態から、図2(a-1)に示す状態にするため、本体部20b内に収納されている第2本体部21を引っ張り出す。これにより、図2(a-1)に示すように、本体部20b内と第2本体部21内とが連通することとなるから、本体部20b内に収納されていた重曹水4と、クエン酸水5とが第2本体部21内に移動することとなる。これにより、図2(a-1)に示すように、第2本体部21内に、重曹水4と、クエン酸水5とが収納されることとなる。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、例えば、人の手Hを使って、第2本体部21を握りしめて、第2本体部21に外部から圧力を加える。これにより、クエン酸水5を覆っている部材5aに圧力が加わり、これによって、部材5aが破断することとなる。かくして、部材5aが破断すると、クエン酸水5を覆っていたものがなくなり、これによって、クエン酸水5が外部に放出されることとなるから、クエン酸水5と重曹水4とが反応することとなる。これにより、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生し、この炭酸ガス(二酸化炭素)によって、図2(c)に示すように、第2本体部21が急激に膨らむこととなる。なお、この際、図2(c)に示すように、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生すると共に、水Wが生成されることとなる。
【0028】
したがって、このようにすれば、手軽に二酸化炭素を発生させることができる。
【0029】
ところで、このような二酸化炭素発生装置1の使用方法としては、図2(c)に示すような状態にした後、発生した水Wが錘となるから、図2(c)に示す状態のまま、この二酸化炭素発生装置1を海などに投げ入れれば、簡易浮き輪として使用することができる。
【0030】
また、図2(c)に示すような状態にした二酸化炭素発生装置1の蓋部3を取り外すようにすれば、野菜や花などに、炭酸ガス(二酸化炭素)と水Wをあげることができ、これによって、野菜や花などの発育促進に利用することができる。
【0031】
一方、図3に示すように、蓋部3にバルブ10a付きの消火器用チューブ10を取り付けることもできる。これにより、図2(c)に示すような状態にした後、バルブ10aを解放させれば、消火器用チューブ10から炭酸ガス(二酸化炭素)が放出されることとなるから、キャンプなどで使用した火を消すなどの簡易消火器として使用することができる。また、炭酸ガス(二酸化炭素)が放出されなくなった後は、蓋部3を取り外し、炭酸ガス(二酸化炭素)で消火した箇所に水W(図2(c)参照)を撒けば、確実に消火することができる。
【0032】
また一方、図4に示すように、蓋部3に断面視弾頭形状の注入部材11を取り付けることもできる。これにより、図2(c)に示すような状態にした後、浮き輪や、簡易ベッドなどの注入口(図示せず)に注入部材11を差し込めば、注入部材11より炭酸ガス(二酸化炭素)が放出され、これによって、浮き輪や、簡易ベッドなどを膨らますことができる。
【0033】
かくして、このようにして、二酸化炭素発生装置1は様々な用途に使用することができる。
【0034】
<変形例の説明>
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、重曹水4と、クエン酸水5を例に説明したが、重曹水4を重曹の粉末にし、又は、クエン酸水5をクエン酸の粉末にして使用しても良い。ただし、重曹水4と、クエン酸水5にした方が、反応速度が早まるため、好ましい。
【0035】
また、本実施形態においては、本体部2を、第1本体部20と、第2本体部21と、で構成する例を示したが、本体部2を、第1本体部20又は第2本体部21の何れかだけで構成しても良い。しかしながら、本体部2を、第1本体部20と、第2本体部21と、で構成するのが好ましい。このようにすれば、第2本体部21は、伸縮可能な軟質樹脂で形成されているから、機械などを利用せずとも、人の手Hを利用して、第2本体部21に外部から圧力を加えやすくなるためである。
【0036】
さらには、第1本体部20を硬質樹脂により形成しておけば、第1本体部20内に、重曹水4と、クエン酸水5と、第2本体部21とを収納しておくことにより、使用前に、第1本体部20に外部から相当な圧力が加わらない限り、重曹水4と、クエン酸水5とが反応することがない。これにより、意図しない時点で、重曹水4とクエン酸水5とが反応してしまうような事態を低減させることができる。
【0037】
したがって、本体部2を、第1本体部20と、第2本体部21と、で構成するのが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
1 二酸化炭素発生装置
2 本体部
20 第1本体部
21 第2本体部
3 蓋部
4 重曹水(重曹)
5 クエン酸水(クエン酸)
5a 部材
10 消火器用チューブ
11 注入部材
H 人の手

図1
図2
図3
図4