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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053166
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】組み付け玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A63H33/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159245
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】北野 嘉久
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA23
2C150BB01
2C150EH16
2C150FB43
(57)【要約】
【課題】略同一の構成を有する単位パーツのみを組み付けることによって立体形状物を作成可能にする。
【解決手段】それぞれ板状をなし、幅方向両端部に切欠1x、1yを有するとともにこの切欠1x、1yに臨む位置において面内方向に凹部42、52、62又は凸部41、51、61が設けられた第1の単位ピース1と、幅方向両端部に切欠2x、2yを有するとともにこの切欠2x、2yに臨む位置において面内方向に凸部41、51、71又は凹部42、52、72が設けられた第2の単位ピース2とを備える組み付け玩具Tにおいて、一方の単位ピース1の凹部42、52、62と他方の単位ピース2の凸部41、51、71とを嵌合させるかすることにより単位ピース1、2同士を回転可能に組み付けることを可能にする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ板状をなし、幅方向両端部に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凹部又は凸部が設けられた第1の単位ピースと、幅方向両端部に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凸部又は凹部が設けられた第2の単位ピースとを備え、複数の単位ピースを組み付けることによって立体形状物を作成可能な組み付け玩具であって、
一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させることが可能である組み付け玩具。
【請求項2】
前記単位ピースを幅方向又は高さ方向に複数隣接させて配置した状態で、隣接する前記単位ピースのうち一方の前記凹部と他方の前記凸部とを嵌合させることができる請求項1記載の組み付け玩具。
【請求項3】
前記単位ピースを幅方向に複数隣接させて配置した状態で、隣接する前記単位ピースの互いに対向する端縁の一方に前記凹部が設けられ、他方に前記凸部が設けられている請求項2記載の組み付け玩具。
【請求項4】
前記第1の単位ピースと前記第2の単位ピースとを、面が交わった状態で組み付けることが可能な請求項1記載の組み付け玩具。
【請求項5】
前記第1の単位ピースが幅方向中間部の下半部に切欠を有しているとともにこの切欠に臨む位置に前記凹部を有し、前記第2の単位ピースが幅方向中間部の上半部に切欠を有しているとともにこの切欠に臨む位置に前記凸部を有している請求項4記載の組み付け玩具。
【請求項6】
幅方向中間に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凹部又は凸部が設けられ、
その他の位置において面内方向に凸部または凹部が設けられた単位ピースを備え、
複数の単位ピースを組み付けることによって立体形状物を作成可能な組み付け玩具であって、
一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させることにより、
これら単位ピース同士を回転可能に組み付けることが可能である組み付け玩具。
【請求項7】
一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させた状態で、これら両単位ピースの下辺が同一平面上に位置している請求項1又は6記載の組み付け玩具。
【請求項8】
前記単位ピースの凹部及び凸部が、当該単位ピースに設けた円柱状の接続部分の上面及び下面にそれぞれ設けられている請求項1又は6記載の組み付け玩具。
【請求項9】
前記接続部分が、前記単位ピースの一端縁の上半部と、他端縁の下半部とに設けられている請求項8記載の組み付け玩具。
【請求項10】
前記接続部分が、幅方向中間部の上半部又は下半部にも設けられている請求項9記載の組み付け玩具。
【請求項11】
前記単位ピースの全体を折り曲げ不能な剛性を有する板状に形成している請求項1又は6記載の組み付け玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ板状をなす複数の単位ピースを組み付けることによって立体形状物を作成可能にした組み付け玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、単一種類あるいは複数種類の単位ピースを相互に組み付けることにより、種々の形状のものを作ることができるようにした玩具が開発されている。
【0003】
その一例として、板状の単位ピースを組み付けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1記載のものは、略正方形をなす板状の単位ピースの各辺の中央部に切欠を設けているとともに、各単位ピースの一方の面の四隅部及び中央に係合凸部を設けており、他方の面の四隅部及び中央に係合凹部を設けている。その上で、単位ピースの切欠同士を噛み合わせる、係合凹部に係合凸部を係合させるといった操作により単位ピース同士を組み付けるようになっている。
【0004】
ところで、特許文献1記載の組み付け玩具では、2つの単位ピースを幅方向に隣接させた状態で、互いに向かい合う辺の切欠内にそれぞれ止め部材を挿入することによりこれら2つの単位ピースを連結できるようになっている。この止め部材には軸を内蔵しているので、2つの単位ピースをそれらの境界周りに回転させることができるようになっている。
【0005】
しかし、単位ピースを組み付けて種々の形状のものを作るにあたっては、単位ピース同士を組み付けた状態で他の部材を利用することなく単位ピース間の角度を調整できるようにする要望が存在する。このような要望は、止め部材により2つの単位ピースを連結する特許文献1記載のものでは対応することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-187580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上に着目してなされたもので、略同一の構成を有する単位パーツのみを組み付けることによって立体形状物を作成可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係る組み付け玩具は、それぞれ板状をなし、幅方向両端部に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凹部又は凸部が設けられた第1の単位ピースと、幅方向両端部に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凸部又は凹部が設けられた第2の単位ピースとを備え、複数の単位ピースを組み付けることによって立体形状物を作成可能な組み付け玩具であって、一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させることが可能であるものである。
【0009】
なお、第1の単位ピースと第2の単位ピースとは、異なる形状のものであってもよく、また、同一の形状のものであってもよい。また、面内方向に凸部又は凹部が設けられた第3以降の単位ピースをさらに備えるものであってもよい。
【0010】
請求項2記載の発明に係る組み付け玩具は、前記単位ピースを幅方向又は高さ方向に複数隣接させて配置した状態で、隣接する前記単位ピースのうち一方の前記凹部と他方の前記凸部とを嵌合させることができる請求項1記載のものである。
【0011】
請求項3記載の発明に係る組み付け玩具は、前記単位ピースを幅方向に複数隣接させて配置した状態で、隣接する前記単位ピースの互いに対抗する端縁の一方に前記凹部が設けられ、他方に前記凸部が設けられている請求項2記載のものである。
【0012】
請求項4記載の発明に係る組み付け玩具は、前記第1の単位ピースと前記第2の単位ピースとを、面が交わった状態で組み付けることが可能な請求項1記載のものである。
【0013】
請求項5記載の発明に係る組み付け玩具は、前記第1の単位ピースが幅方向中間部の下半部に切欠を有しているとともにこの切欠に臨む位置に前記凹部を有し、前記第2の単位ピースが幅方向中間部の上半部に切欠を有しているとともにこの切欠に臨む位置に前記凸部を有している請求項4記載のものである。
【0014】
請求項6記載の発明に係る組み付け玩具は、幅方向中間に切欠を有するとともにこの切欠に臨む位置において面内方向に凹部又は凸部が設けられ、その他の位置において面内方向に凸部または凹部が設けられた単位ピースを備え、複数の単位ピースを組み付けることによって立体形状物を作成可能な組み付け玩具であって、一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させることにより、これら単位ピース同士を回転可能に組み付けることが可能であるものである。
【0015】
請求項7記載の発明に係る組み付け玩具は、一方の単位ピースの凹部又は凸部と他方の単位ピースの凸部又は凹部とを嵌合させた状態で、これら両単位ピースの下辺が同一平面上に位置している請求項1又は6記載のものである。
【0016】
請求項8記載の発明に係る組み付け玩具は、前記単位ピースの凹部及び凸部が、当該単位ピースに設けた円柱状の接続部分の上面及び下面にそれぞれ設けられている請求項1又は6記載のものである。
【0017】
請求項9記載の発明に係る組み付け玩具は、前記接続部分が、前記単位ピースの一端縁の上半部と、他端縁の下半部とに設けられている請求項8記載のものである。
【0018】
請求項10記載の発明に係る組み付け玩具は、前記接続部分が、幅方向中間部の上半部又は下半部にも設けられている請求項9記載のものである。
【0019】
請求項11記載の発明に係る組み付け玩具は、前記単位ピースの全体を折り曲げ不能な剛性を有する板状に形成している請求項1又は6記載のものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、略同一の構成を有する単位パーツのみを組み付けることによって立体形状物を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る第1及び第2の単位ピースを示す斜視図。
図2】同実施形態に係る第1の単位ピースを示す正面図。
図3】同実施形態に係る第1の単位ピースを示す背面図。
図4】同実施形態に係る第1の単位ピースを示す平面図及び底面図。
図5】同実施形態に係る第1の単位ピースを示す左側面図及び右側面図。
図6図2におけるA-A線、B-B線及びC-C線に沿った断面図。
図7】同実施形態に係る第2の単位ピースを示す正面図。
図8】同実施形態に係る第2の単位ピースを示す背面図。
図9図7におけるE-E線に沿った断面図。
図10】同実施形態に係る第1及び第2の単位ピースの組み付け態様を示す説明図。
図11】同実施形態に係る第1及び第2の単位ピースの組み付け態様を示す説明図。
図12】同実施形態に係る第1及び第2の単位ピースの組み付け態様を示す説明図。
図13】同実施形態に係る組み付け玩具の組み付け態様を示す説明図。
図14】同実施形態に係る組み付け玩具の組み付け態様を示す説明図。
図15】同実施形態に係る組み付け玩具の組み付け態様を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ述べる。
【0023】
本実施形態の組み付け玩具Tは、それぞれ板状をなす複数の単位ピース1、2を組み付けることによって立体形状物を作成可能なものである。
【0024】
また、本実施形態の組み付け玩具Tは、それぞれ板状をなし、図1図9に示すように、幅方向両端部に切欠1x、1yを有するとともに幅方向中間にも切欠1aを有しこの切欠1x、1y、1aに臨む位置において面内方向に凹部42、52、62及び凸部41、51、61が設けられた一方の単位ピースである第1の単位ピース1と、幅方向両端部に切欠2x、2yを有するとともに幅方向中間にも切欠2aを有しこの切欠2x、2y、2aに臨む位置において面内方向に凸部41、51、71及び凹部42、52、72が設けられた他方の単位ピースである第2の単位ピース2とを備えている。各単位ピース1、2は、その全体が折り曲げ不能な剛性を有する樹脂製のものである。
【0025】
その上で、これら単位ピース1、2同士は、以下のいずれかの操作により回転可能に組み付けることが可能である。
(1)一方の単位ピースである第1の単位ピース1の凹部42、52、62と他方の単位ピースである第2の単位ピース2の凸部41、51、71とを嵌合させる。
(2)一方の単位ピースである第1の単位ピース1の凸部41、51、61と他方の単位ピースである第2の単位ピース2の凹部42、52、72とを嵌合させる。
(3)一方の単位ピースである第1の単位ピース1の凹部42、52、62と他方の単位ピースである他の第1の単位ピース1の凸部41、51、61とを嵌合させる。
(4)一方の単位ピースである第2の単位ピース2の凹部42、52、72と他方の単位ピースである他の第2の単位ピース2の凸部41、51、71とを嵌合させる。
【0026】
具体的には、第1の単位ピース1は、図1図6に示すように、本実施形態では樹脂製であり、概略矩形状をなす板状のものであって、その両側端部に接続部分4、5を備えている。より具体的には、一側端側(左側)及び他側端側(右側)にそれぞれ配された矩形板状をなす左、右のピース本体31、32と、左のピース本体31の下半部の左側に隣接して配された左の接続部分4と、右のピース本体32の上半部の右側に隣接して配された右の接続部分5とを備えている。また、左の接続部分4の上方を左の切欠1xとしているとともに、右の接続部分5の下方を右の切欠1yとしている。さらに、幅方向中央部、換言すれば左、右のピース本体31、32の間における上半部にも中央の接続部分6を備えている。また、幅方向中央部の下半部、換言すれば中央の接続部分6の下方に前述した切欠1aを有する。これら左、右、及び中央の接続部分4、5、6は、いずれも円柱状をなし、凸部41、51、61を上面から突出させて形成しているとともに、凹部42、52、62を下面に形成している。特に、中央の接続部分6に設けた凹部62は、切欠1aに臨む位置に配されている。
【0027】
第2の単位ピースも、本実施形態では樹脂製であり、概略矩形状をなす板状のものであって、その両側端部に接続部分4、5を備えている。より具体的には、図1及び図7図9に示すように、一側端側(左側)及び他側端側(右側)にそれぞれ配された矩形板状をなす左、右のピース本体31、32と、左のピース本体31の下半部の左側に隣接して配された左の接続部分4と、右のピース本体32の上半部の右側に隣接して配された右の接続部分5とを備えている。また、左の接続部分4の上方を左の切欠2xとしているとともに、右の接続部分5の下方を右の切欠2yとしている。さらに、幅方向中央部、換言すれば左、右のピース本体31、32の間における下半部にも中央の接続部分7を備えている。また、幅方向中央部の上半部、換言すれば中央の接続部分7の上方に前述した切欠2aを有する。これら左、右、及び中央の接続部分4、5、7は、いずれも円柱状をなし、凸部71を上面から突出させて形成しているとともに、凹部72を下面に形成している。特に、中央の接続部分7の凸部71は、切欠2aに臨む位置に配されている。換言すれば、この第2の単位ピース2は、中央の接続部分7及び切欠2aの位置以外、第1の単位ピースと同様の構成を有している。
【0028】
なお、第1及び第2の単位ピース1、2のいずれも、凸部41、51、61、71の側面の一部は、凹部42、52、62、72と嵌合した際のトルクの強さを調整すべく平面状に切り欠かれた平面部41a、51a、61a、71aとなっている。また、同じく嵌合した際のトルクの強さを調整すべく、凸部41、51、61、71の下部の外周面には周方向に伸びる突条41b、51b、61b、71bが設けられており、凹部42、52、62、72内には、この突条41b、51b、61b、71bに係り合うことが可能な溝42x、52x、62x、72xが設けられている。これら切欠部41a、51a、61a、71a、突条41b、51b、61b、71b及び溝42x、52x、62x、72xを設けるか否か、また設けた場合の寸法や形状は任意である。
【0029】
ここで、第1の単位ピース1同士、第2の単位ピース2同士、並びに第1及び第2の単位ピース1、2相互は、互いに幅方向に隣接させて配した状態で、一方の単位ピース(第1の単位ピース1)の一側端部(図中右側端部)に設けられた接続部分(右の接続部分5)の凹部52に、他方の単位ピース(第2の単位ピース2)の他側端部(図中左側端部)に設けられた接続部分(左の接続部分4)の凸部41を係り合わせることにより、組み付けることができるようになっている。その際、一方の単位ピース(第1の単位ピース1)の右の切欠1y内に他方の単位ピース(第2の単位ピース2)の左の接続部分4が配され、他方の単位ピース(第2の単位ピース2)の左の切欠2x内に一方の単位ピース(第1の単位ピース1)の右の接続部分5が配されるようになっている。その上で、図10に示すように、第1の単位ピース1の凹部52と第2の単位ピース4の凸部41とを嵌合させた状態で、両単位ピース1、2が接続部分4、5周り、換言すれば、凸部41及び凹部52の共通の軸心a0周りに回動可能になっている。また、図11に示すように、第1の単位ピース1の凹部52と第2の単位ピースの凸部41とを嵌合させた状態で、これら両単位ピース1、2の下辺1s、2sが同一平面P上に位置している。ここで、図10には第1の単位ピース1と第2の単位ピース2とを幅方向に連結する態様を示しているが、第1の単位ピース1同士あるいは第2の単位ピース2同士を幅方向に連結する場合も同様である。さらに、図11に示すように、単位ピース1、2同士を高さ方向に連結することもできる。
【0030】
加えて、図12に示すように、第1及び第2の単位ピース1、2は、第1の単位ピース1の切欠1aと第2の単位ピース2の切欠2aとを噛み合わせ、換言すれば第1の単位ピース1の切欠1a内に第2の単位ピース2の幅方向中央の接続部分7を配するとともに第2の単位ピース2の切欠内2aに第1の単位ピース1の幅方向中央の接続部分6を配し、第1の単位ピース1の幅方向中央の接続部分6の凹部62内に第2の単位ピース7の幅方向中央の接続部分7の凸部71を挿入することにより、これらの単位ピース1、2が幅方向中央の接続部分6、7の軸心周りに回動可能となっている。すなわち、第1の単位ピース1と第2の単位ピース2とは、面が交わった状態で組み付けることが可能になっている。なお、第1の単位ピース1の切欠1aに臨む中央の接続部分の凹部62に第1又は第2の単位ピースの左の接続部分4の凸部41を嵌合させても、また、第2の単位ピース2の切欠2aに臨む中央の接続部分の凸部71に第1又は第2の単位ピースの右の接続部分5の凹部52を嵌合させても、2つの単位ピース1、2をT字状に組み付けることが可能である。
【0031】
ここで、単位ピース1、2同士を組み付けることにより形成される形状の例を示す。
【0032】
図13では、第1の単位ピース1を10個組み合わせて平面視星形に形成している。これら10個の単位ピース1間の接合箇所(図中の接続部分5及びこの接続部分5の下方に連結した図示しない接続部分4)を回動させることにより、例えば図14に示すような円形に近い図形(正十角形)に変化させることができる。なお、図13及び図14では、第1の単位ピース1のみを10個組み合わせているが、第2の単位ピース2のみを10個組み合わせても、第1及び第2の単位ピース1、2の両方を使用し合計10個組み合わせても、同様の形状を形成することができる。
【0033】
図15では、第1及び第2の単位ピース1、2を5個ずつ組み合わせ、平面視菱形が連なった形状に形成している。これら単位ピース1、2を計10個組み合わせたものは、中央の接続箇所6、7同士の接続箇所、及び左の接続箇所4と右の接続箇所5との接続箇所を軸に単位ピース1、2が相対回動することにより、同図の(a)に示すような収縮形状と同図の(b)に示すような伸長形状との間で伸縮可能となっている。なお、図15は平面図であるため、第2の単位ピース2の中央の接続箇所7、及び図15中で最も左側に位置するもの以外の第1、第2の単位ピース1、2の左の接続箇所4は同図中に現れていない。
【0034】
ここで、図1は第1及び第2の単位ピース1、2を示す斜視図である。図2は、第1の単位ピース1を示す正面図であり、図3は同背面図である。図4の(a)は同平面図、同図の(b)は同底面図である。図5の(a)は同左側面図、同図の(b)は同右側面図である。図6の(a)は図2におけるA-A線に沿った断面図であり、同図の(b)は同B-B線線に沿った断面図、同図の(c)は同C-C線に沿った断面図である。図7は、第2の単位ピース2を示す正面図であり、図8は同背面図である。図9図7におけるE-E線に沿った断面図である。図10は第1及び第2の単位ピース1、2を幅方向に隣接させた組み付け態様を示す説明図である。図11は第1及び第2の単位ピース1、2を高さ方向に隣接させた組み付け態様を示す説明図である。図12は第1及び第2の単位ピース1、2を面が交わった状態で組み付けた態様を示す説明図である。図13は単位ピース1を10個組み合わせて星形に形成した状態の平面図である。図14は単位ピース1を10個組み合わせて正十角形に形成した状態の平面図である。図15は第1及び第2の単位ピース1、2を5個ずつ組み合わせてパンタグラフ状に形成した状態の平面図である。
【0035】
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、一の単位ピース1、2の面内方向に設けられた凹部42、52、62、72と他の単位ピース1、2の面内方向に設けられた凸部41、51、61、71とを嵌合させることによりこれら単位ピース1、2同士を回転可能に組み付けることができるので、2種類の単位ピース1、2を組み合わせて種々の立体形状物を作成することができるとともに、その立体形状物を手動で動かすこともできる。
【0036】
特に本実施形態では、幅方向又は高さ方向に単位ピース1、2を複数隣接させて配置した状態で、隣接する前記単位ピース1、2のうち一方の凹部42、52、62、72と他方の凸部41、51、61、71とを嵌合させることができるので、凹凸係合により単位ピース1、2同士を幅方向または高さ方向に連結することができる。
【0037】
さらに、複数の単位ピース1、2を幅方向に隣接させて配置した状態で、隣接する単位ピース1、2の互いに対向する端縁の一方に凹部42、52が設けられ、他方に凸部41、51が設けられているので、2つの単位ピース1、2を幅方向に、またこれら単位ピース同士がなす角を変更可能に連結しできる。
【0038】
一方で、第1の単位ピース1と第2の単位ピース2とを、面が交わった状態で組み付けることが可能であるので、平面視した状態で線が交わる部位を形成することもできる。より具体的には、第1の単位ピース1が幅方向中央部の下半部に切欠1aを有しているとともにこの切欠1aに臨む位置に凹部62を有し、第2の単位ピース2が幅方向中央部の上半部に切欠2aを有しているとともにこの切欠2aに臨む位置に凸部71を有しているので、切欠1a、2a同士の噛み合い部位を中心に両単位ピース1、2を回動可能な状態で連結することができる。
【0039】
加えて、一の単位ピースの凹部と他の単位ピースの凸部とを嵌合させた状態で、これら両単位ピースの下辺が同一平面P上に位置しているので、両単位ピースを連結した際の見栄えを整えることができる。
【0040】
単位ピースの凹部及び凸部が、当該単位ピース1、2に設けた円柱状の接続部分4、5の上面及び下面にそれぞれ設けられているいるとともに、接続部分4、5が、単位ピースの右端縁の上半部と、左端縁の下半部とに設けられているので、隣接する単位ピース1、2の凹部52と凸部41とを嵌合させた状態でこれらの接続部分4、5をピース本体31、32と同じ高さ寸法を有する円柱状の部位として一体に認識させ、見栄えを整えることができる。
【0041】
そして、幅方向中央の上半部又は下半部にも接続部分6、7が設けられているので、中央の接続部分6、7を介して第1及び第2の単位ピース1、2を面が交わるように連結することが可能になる。
【0042】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、第1の単位ピースと第2の単位ピースとを面が交わった状態で組み付けることが可能であるが、単位ピースの端縁同士のみを連結可能なものであってもよい。しかしながら、第1及び第2の単位ピースを面が交わった状態で組み付けることが可能であれば、前述したように平面視した状態で線が交わる部位を形成することもできる。一方、単位ピースの端縁同士のみを連結可能なものである場合、一方の単位ピースと他方の単位ピースとが同一の形状を有する、すなわち単一の種類の単位ピースのみで構成されるものであってもよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、第1及び第2の単位ピースのいずれも左側端縁の下半部及び右側端縁の上端部に接続部を設けているが、第1の単位ピースの両側端縁の下半部及び第2の単位ピースの両側端縁の上半部に接続部を設けてもよい。この場合、第1の単位ピースの幅方向中央部の下半部及び第2の単位ピースの幅方向中央部の上半部に切欠を設けるとともに、両側端縁の下半部及び幅方向中央部の上半部に切欠を設けた第3の単位ピース及び両側端縁の上半部及び幅方向中央部の下半部に切欠を設けた第4の単位ピースを用意し、これら第1~第4の単位ピースを備えるようにしてもよい。
【0045】
加えて、上述した実施形態では、単位ピースの幅方向両端部に加えて幅方向中間、より具体的には中央部に切欠を設けているが、幅方向中間の切欠は必ずしも設ける必要はない。また、幅方向中間の切欠を幅方向中央部でなく他の部位に設けてもよい。
【0046】
さらに、上述した実施形態では、第1及び第2の単位ピースにおいて、円柱状に形成した接続部の上面に凸部、下面に凹部をそれぞれ設けているが、上面に凹部、下面に凸部をそれぞれ設けるようにしてもよい。但し、円柱状に形成した接続部の上面に凸部、下面に凹部をそれぞれ設けると、2つの単位ピースを幅方向に隣接させて連結した時にこれら単位ピースの下面が同一平面上に配されるので、連結した単位ピースを天板面等に安定して載置できる。
【0047】
加えて、上述した実施形態では、単位ピースの全体を折り曲げ不能な剛性を有する板状に形成しているが、可撓性を有する素材により板状に形成された単位ピースを用いてもよい。但し、単位ピースの全体を折り曲げ不能な剛性を有する板状に形成しているものであれば、単位ピース同士を組み付ける際に単位ピースが変形しにくいので凹部と凸部とを嵌合させる際の位置決めが容易であり、扱いやすい。
【0048】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0049】
T…組み付け玩具
1…第1の単位ピース
1x、1y、1a…切欠
2…第2の単位ピース
2x、2y、2a…切欠
4…(左の)接続部分
41…凸部
42…凹部
5…(右の)接続部分
51…凸部
52…凹部
6、7…(中央の)接続部分
61、71…凸部
62、72…凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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