IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーウェーブの特許一覧

<>
  • 特開-決済システム 図1
  • 特開-決済システム 図2
  • 特開-決済システム 図3
  • 特開-決済システム 図4
  • 特開-決済システム 図5
  • 特開-決済システム 図6
  • 特開-決済システム 図7
  • 特開-決済システム 図8
  • 特開-決済システム 図9
  • 特開-決済システム 図10
  • 特開-決済システム 図11
  • 特開-決済システム 図12
  • 特開-決済システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053175
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20240408BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20240408BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240408BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240408BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20240408BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20240408BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06K7/00 013
G06K7/10 264
G06K7/10 372
G06K7/10 464
G06K19/06 112
G06F21/31
G06F21/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159256
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】大川 雅士
(72)【発明者】
【氏名】榊原 克典
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA74
5L055AA74
(57)【要約】
【課題】PINコード等の暗証番号の入力操作を安全に実施可能な構成を提供する。
【解決手段】携帯端末30において、操作部35により入力操作されたPINコードを記録するように生成されて取得された決済用コード40が記憶部32に記憶され、決済時に、記憶部32に記憶された決済用コード40が表示画面34aに表示されるように表示部34が制御部31により制御される。決済装置10では、ICカードリーダ28aによって接触ICカードCから読み取られた決済情報と表示画面34aに表示された決済用コード40を撮像することで読み取られたPINコードとを利用して接触ICカード決済処理が行われる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携帯する携帯端末と、
ICカードから読み取った決済情報と当該ICカードに関連付けられる暗証番号とを利用して決済処理を行うタッチパネル式の決済装置と、
を備える決済システムであって、
前記携帯端末は、
前記利用者が前記暗証番号を入力操作するための操作部と、
前記操作部により入力操作された前記暗証番号を記録するように生成された情報コードを取得するコード取得部と、
前記コード取得部によって取得された前記情報コード又は前記操作部により入力された前記暗証番号が記憶される記憶部と、
前記情報コードを画面表示可能な表示画面を有する表示部と、
決済時に、前記記憶部に記憶された前記情報コード又は前記コード取得部により前記記憶部に記憶される前記暗証番号を記録するように生成されて取得された前記情報コードが前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御する表示制御部と、
を備え、
前記決済装置は、
筐体と、
前記ICカードから前記決済情報を読み取るカード読取部と、
前記表示画面に表示された前記情報コードを撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記情報コードから前記暗証番号を読み取るコード読取部と、
前記カード読取部によって読み取られた前記決済情報と前記コード読取部によって読み取られた前記暗証番号とを利用して前記決済処理を行う決済処理部と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項2】
前記情報コードには、前記暗証番号に加えて、使用日時に関する情報が記録されることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記情報コードは、前記暗証番号が暗号化されて生成されることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
指の指紋情報を取得する指紋情報取得部と、
前記指紋情報取得部によって取得された前記指紋情報に基づいて指紋認証を行う指紋認証部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記決済時であって前記指紋認証部による指紋認証が成功した場合に、前記情報コードが前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、前記表示画面が前記撮像部にかざされている状態を検出可能な検出部を備え、
前記表示制御部は、前記決済時に前記検出部により前記表示画面が前記撮像部にかざされている状態が検出される場合に、前記情報コードが撮像可能な所定の照度で前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御し、前記検出部により前記表示画面が前記撮像部にかざされている状態が検出されない場合に、前記情報コードが前記所定の照度未満で前記表示画面に表示されるか前記情報コードが表示されないように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項6】
前記検出部は、近接センサ及び照度センサの少なくともいずれか一方を有するセンサ部であり、前記センサ部の検出結果に基づいて、前記表示画面が前記撮像部にかざされている状態を検出することを特徴とする請求項5に記載の決済システム。
【請求項7】
前記検出部は、前記決済装置との間での所定の近距離無線通信が可能な状態を、前記表示画面が前記撮像部にかざされている状態として検出することを特徴とする請求項5に記載の決済システム。
【請求項8】
前記筐体に組み付けられるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、
決済時に前記携帯端末が載置されて前記情報コードよりも大きな開口部が形成される載置部と、
前記載置部と前記撮像部との間を包囲するように前記筐体に組み付けられる包囲部と、
を備え、
前記載置部は、前記開口部に合せるように載置された携帯端末の前記表示画面に表示された前記情報コードが前記開口部を介して前記撮像部により撮像されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項9】
前記載置部には、載置された前記携帯端末の縁部に接触することで前記情報コードを前記開口部に合せるためのガイドが設けられることを特徴とする請求項8に記載の決済システム。
【請求項10】
前記載置部は、前記開口部を囲う周縁部と、前記開口部として前記周縁部の内方を塞ぎ前記撮像部による前記情報コードの撮像を可能とする透明部と、を備え、
前記周縁部の上面と前記透明部の上面とで触感が異なることを特徴とする請求項8に記載の決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済時にPINコード等の暗証番号の入力が要求される決済システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末などが普及した昨今、決済端末へのPINコード等の暗証番号の入力操作手段としてタッチパネルが採用される一方で、決済端末の小型軽量化等のためにPINコード等の入力用の物理ボタンが廃止される傾向にある。物理ボタンが採用される端末であれば、その物理ボタンの凹凸形状や配置等に基づいて視覚障害者等であってもPINコード等を入力操作できるが、フラットなタッチパネルでは、視覚障害者等にとって入力操作が困難という問題がある。
【0003】
このような問題に関して、例えば、下記特許文献1に開示されるタッチパネルが知られている。このタッチパネルは、タッチ式入力層の上に平坦な透明フィルムからなる平坦層が形成され、この平坦層の上に、表面に所定の凹凸パターンが形成された透明フィルムからなる凹凸層が剥離自由に装着されるように構成されている。このような構成により、視覚障害者等であってもPINコード等を入力操作可能なタッチパネル式の決済端末を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-181629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、視覚障害者等が上述のような凹凸層を利用した決済端末に対してPINコード等を入力操作する場合、慣れない操作であることからゆっくりした入力動作となるために、その入力操作時の指の動きからPINコード等を盗み見されやすいという問題がある。健常者であっても同様の問題があるが、視覚障害者等では周囲に他人がいるか容易に認識できないため、この問題が顕著になる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、PINコード等の暗証番号の入力操作を安全に実施可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
利用者が携帯する携帯端末(30,30a,30b)と、
ICカード(C)から読み取った決済情報と当該ICカードに関連付けられる暗証番号とを利用して決済処理を行うタッチパネル式の決済装置(10)と、
を備える決済システム(1)であって、
前記携帯端末は、
前記利用者が前記暗証番号を入力操作するための操作部(35)と、
前記操作部により入力操作された前記暗証番号を記録するように生成された情報コード(40)を取得するコード取得部(31)と、
前記コード取得部によって取得された前記情報コード又は前記操作部により入力された前記暗証番号が記憶される記憶部(32)と、
前記情報コードを画面表示可能な表示画面(34a)を有する表示部(34)と、
決済時に、前記記憶部に記憶された前記情報コード又は前記コード取得部により前記記憶部に記憶される前記暗証番号を記録するように生成されて取得された前記情報コードが前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御する表示制御部(31)と、
を備え、
前記決済装置は、
筐体(11)と、
前記ICカードから前記決済情報を読み取るカード読取部(28a)と、
前記表示画面に表示された前記情報コードを撮像する撮像部(24)と、
前記撮像部により撮像された前記情報コードから前記暗証番号を読み取るコード読取部(21)と、
前記カード読取部によって読み取られた前記決済情報と前記コード読取部によって読み取られた前記暗証番号とを利用して前記決済処理を行う決済処理部(21)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、携帯端末において、操作部により入力操作された暗証番号を記録するように生成されて取得された情報コード又は操作部により入力操作された暗証番号が記憶部に記憶され、決済時に、記憶部に記憶された情報コード又は記憶部に記憶されるP暗証番号を記録するようにコード取得部により取得された情報コードが表示画面に表示されるように表示部が表示制御部により制御される。決済装置では、カード読取部によってICカードから読み取られた決済情報と表示画面に表示された情報コードを撮像することでコード読取部によって読み取られた暗証番号とを利用して決済処理部により決済処理が行われる。
【0009】
これにより、決済装置に対して情報コードを撮像させるだけでその決済装置に暗証番号を読み取らせることができ、決済時での暗証番号の入力操作を不要とすることができる。特に、決済処理に利用する暗証番号は、事前に利用者が入力操作しているので、視覚障害者等であっても自宅等で暗証番号の入力操作を安全に実施することができる。
【0010】
請求項2の発明では、情報コードには、暗証番号に加えて、使用日時に関する情報が記録される。このため、例えば、情報コードから読み取られた使用日時が現在日時と異なる場合にその情報コードから読み取られた暗証番号を無効とすることで、盗撮等された情報コードを不正利用し難くなり、セキュリティ性を高めることができる。
【0011】
請求項3の発明では、情報コードは、暗証番号が暗号化されて生成される。このため、決済時に画面表示された情報コードが不正に盗撮等されたとしても、その情報コードに記録される暗証番号を盗用され難くなり、セキュリティ性を高めることができる。
【0012】
請求項4の発明では、表示制御部は、決済時であって指紋認証部による指紋認証が成功した場合に、情報コードが表示画面に表示されるように表示部を制御する。これにより、指紋認証が成功しない第三者では情報コードを表示画面に表示させることができない一方で、視覚障害者等であっても情報コードが表示されるように容易に認証操作することができる。
【0013】
請求項5の発明では、表示制御部は、決済時に検出部により表示画面が撮像部にかざされている状態が検出される場合に、情報コードが撮像可能な所定の照度で表示画面に表示されるように表示部を制御し、検出部により表示画面が撮像部にかざされている状態が検出されない場合に、情報コードが上記所定の照度未満で表示画面に表示されるか情報コードが表示されないように表示部を制御する。
【0014】
これにより、検出部により表示画面が撮像部にかざされている状態が検出されない場合には、情報コードが上記所定の照度未満で表示画面に表示されるか情報コードが表示されないため、利用者が携帯端末の表示画面に情報コードが表示されているか確認する場面等での情報コードの盗撮等を防止することができる。特に、情報コードが上記所定の照度未満で表示画面に表示される状態では、利用者だけでなく、利用者となる視覚障害者に対して情報コードをかざす位置を案内する販売員等であっても、携帯端末が情報コードを画面表示する直前の状態であることを視認することができる。
【0015】
請求項6の発明のように、検出部は、近接センサ及び照度センサの少なくともいずれか一方を有するセンサ部であり、このセンサ部の検出結果に基づいて、表示画面が撮像部にかざされている状態を検出するようにしてもよい。
【0016】
請求項7の発明のように、検出部は、決済装置との間での所定の近距離無線通信が可能な状態を、表示画面が撮像部にかざされている状態として検出するようにしてもよい。
【0017】
請求項8の発明では、筐体に組み付けられるアタッチメントは、決済時に携帯端末が載置されて情報コードよりも大きな開口部が形成される載置部と、載置部と撮像部との間を包囲するように筐体に組み付けられる包囲部と、を備え、載置部は、開口部に合せるように載置された携帯端末の表示画面に表示された情報コードが開口部を介して撮像部により撮像されるように形成される。
【0018】
これにより、情報コードが表示された携帯端末を載置部に対してその情報コードを開口部に合せるように載置することで、撮像部による撮像に適した位置に情報コードが位置するため、撮像した情報コードから確実に暗証番号を読み取ることができる。特に、載置部と撮像部との間が包囲部によって包囲されるので、載置状態の情報コードの盗撮等を確実に防止することができる。
【0019】
請求項9の発明では、載置部には、載置された携帯端末の縁部に接触することで情報コードを開口部に合せるためのガイドが設けられる。このため、視覚障害者等であっても携帯端末に表示される情報コードを載置部の開口部に対して容易に合わせることができる。
【0020】
請求項10の発明では、載置部は、開口部を囲う周縁部と、開口部として周縁部の内方を塞ぎ撮像部による情報コードの撮像を可能とする透明部と、を備え、周縁部の上面と透明部の上面とで触感が異なる。これにより、視覚障害者等であっても、載置部の上面を触ることで、開口部の位置、すなわち、携帯端末に表示される情報コードをかざすべき位置を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る決済システムの概要を説明する説明図である。
図2図1の決済装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図3図1の携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図4図4(A)は、作成モード選択時の表示画面を例示する説明図であり、図4(B)は、作成された決済用コードが表示された表示画面を例示する説明図である。
図5】第1実施形態において決済装置の制御部により実行される接触ICカード決済処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態の第2変形例に係る決済用コードに記録される情報を例示する説明図であり、図6(A)は、ヘッダー部、PINコード及び使用予定日が記録される配列状態を示し、図6(B)は、ヘッダー部、コード部、使用予定日、チェックデジットが記録される配列状態を示す。
図7】第1実施形態の第4変形例に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図8】第2実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図9】第2実施形態において携帯端末の制御部により実行される決済用コード表示処理の流れを示すフローチャートである。
図10】第2実施形態の変形例において携帯端末の制御部により実行される決済用コード表示処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第3実施形態に係る決済装置の筐体にアタッチメントが組み付けられた状態を説明する説明図である。
図12図11のアタッチメントが組み付けられた決済装置において、載置部の開口部と撮像部の撮像窓との位置関係を断面的に説明する説明図である。
図13】第3実施形態の変形例に係る決済装置の筐体にアタッチメントが組み付けられた状態を断面的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る決済システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る決済システム1は、接触ICカード決済や、磁気カード決済、非接触決済、QRコード(登録商標)決済などを利用可能な決済装置10と、この決済装置10の決済に利用する携帯端末30とを備えるシステムとして構成されている。
【0023】
本実施形態に係る決済装置10は、利用者(購入者)が複数の決済方式を選択可能なタッチパネル式の端末である。この決済装置10は、その外郭を構成する筐体11が略薄板状に形成されており、筐体11の表面11aに配置されるタッチパネル23の操作面23aに対して、購入者から見て手前側となる位置に接触ICカード用の挿入口12が設けられ、購入者から見て右側となる位置に磁気カード用のスロット13が設けられている。また、操作面23aの奥側に、撮像部24の撮像窓24aが設けられている。
【0024】
筐体11内には、決済装置10全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部22とともに情報処理装置を構成している。記憶部22には、各種の決済処理を実行するためのプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0025】
また、図2に示すように、決済装置10は、上述した制御部21及び記憶部22に加えて、タッチパネル23、撮像部24、操作部25、報知部26、外部インタフェース27、決済情報読取部28などを備えている。タッチパネル23は、公知のタッチパネル型の表示装置として構成されており、液晶表示器等の公知の表示デバイスとして構成される表示部と、この表示部の表示画面に重ねられて当該表示画面に対して押圧操作(接触)している範囲を操作面23aとして検出可能な透明性の操作パネルとを備えている。このタッチパネル23は、制御部21によって表示部の表示内容が制御される。
【0026】
撮像部24は、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成されるもので、制御部21により制御されて、撮像窓24aを介して外部を撮像した撮像画像データを制御部21に出力するように構成されている。
【0027】
操作部25は、上記操作パネルと筐体11の側面等に設けられる1又は2以上のキーとを備えるように構成されることで、タッチパネル23の操作面23aに対するタッチ操作やキー操作に応じた信号を制御部21に出力するように構成される。
【0028】
報知部26は、LEDなどの発光部やスピーカ、ブザー、バイブレータ等を備えており、制御部21によって発光部の発光状態やスピーカの音声ガイダンス、ブザーの鳴動状態、バイブレータの振動等が制御されることで、決済処理の結果等に応じた所定の報知を行うように構成されている。
【0029】
外部インタフェース27は、決済サーバやPOS端末等の外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行うように機能する。
【0030】
決済情報読取部28は、接触ICカード用のカードリーダ(以下、ICカードリーダ28aともいう)と、磁気カード用のカードリーダ(以下、磁気カードリーダ28bともいう)と、非接触決済用の非接触通信部28cとを備えている。ICカードリーダ28aは、挿入口12に差し込まれた接触ICカードC(図1参照)から読み取った決済情報を、制御部21に出力するように構成されている。磁気カードリーダ28bは、スロット13をスワイプされる磁気カードから読み取った決済情報を、制御部21に出力するように構成されている。非接触通信部28cは、近距離無線通信(NFC)機能等を有し、筐体11内部の表面11a側に設けられるアンテナを利用して、所定の読取面(例えば、操作面23a及びその周囲)にかざされた非接触ICカードや電子マネー用の媒体から読み取った決済情報を、制御部21に出力するように構成されている。なお、ICカードリーダ28aは、「カード読取部」の一例に相当し得る。
【0031】
このように構成される決済装置10では、挿入口12に差し込まれた接触ICカードCからICカードリーダ28aにより決済情報が読み取られることで、制御部21にて接触ICカード決済処理が開始される。この接触ICカード決済処理では、接触ICカード決済で必要なPINコード(暗証番号)の入力に関して、利用者がタッチパネル23を利用してPINコードをタッチ操作するタッチ入力モードと、利用者が自身の携帯端末30を利用してPINコードを読み取らせる読取入力モードとが用意されている。
【0032】
読取入力モードでは、携帯端末30に画面表示された情報コードを撮像部24にて撮像することで、その撮像した情報コードに記録されるPINコードを読み取るための読取処理がなされる。このため、読取入力モードを利用する利用者は、接触ICカードCを利用した決済時に入力すべきPINコードが記録される情報コード(以下、決済用コード40ともいう)を事前に作成して携帯端末30に記憶するための操作を行う。なお、本実施形態では、決済用コード40として、QRコードが採用されているが(図4(B)参照)、これに限らず、他のコード種別の情報コード(例えば、バーコードやデータマトリックスコード、マキシコード等)が採用されてもよい。なお、撮像部24により撮像された決済用コード40からPINコードを読み取る処理を行う制御部21は、「コード読取部」の一例に相当し、接触ICカード決済処理を実施する制御部21は、「決済処理部」の一例に相当し得る。
【0033】
以下、決済用コード40を事前に作成して記憶するための携帯端末30の構成等について、図3を参照して説明する。
携帯端末30は、例えば、利用者が所持するスマートフォン等の携帯型の情報処理端末であって、決済用コード40を事前に作成して決済時に画面表示するためのアプリケーションプログラム(以下、PINコード入力アプリともいう)がインストールされて構成されるものである。
【0034】
携帯端末30は、図3に示すように、CPU等からなる制御部31、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部32、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部33、タッチパネル式の表示部34、タッチパネルに対するタッチ操作や各種操作キーに対する操作に応じた信号を制御部31に出力する操作部35、LEDやスピーカ、ブザー、バイブレータ等を有する報知部36、外部機器とNFC等の近距離無線通信を含めた無線通信可能な通信インタフェースとして構成される通信部37などを備えている。
【0035】
このように構成される携帯端末30では、PINコード入力アプリの起動に応じて、決済用コード40を作成する作成モードと決済用コード40を画面表示する表示モードが選択可能になる。そして、作成モードの選択時に、図4(A)に例示するように、4桁のPINコードが入力可能な状態になり、利用者が操作部35に対して4桁のPINコードを入力する操作を行うことで、そのPINコードが記録されるように決済用コード40が作成されて記憶部32に記憶される。このように作成された決済用コード40は、PINコード入力アプリの起動時に表示モードが選択されることで、記憶部32から読み出されて、図4(B)に例示するように、表示部34の表示画面34aに表示される。なお、制御部31は、作成モードの選択時に、操作部35により入力操作されたPINコードを記録するように生成された決済用コード40を取得する「コード取得部」の一例に相当し得る。また、制御部31は、表示モードの選択時に、決済用コード40が表示画面34aに表示されるように表示部34を制御する「表示制御部」の一例に相当し得る。なお、作成モード選択時には、視覚障害者等によるPINコードの入力操作を容易にするために、報知部36による音声ガイド等が実施されてもよい。
【0036】
次に、接触ICカードCを利用した決済時に、決済装置10の制御部21にて実施される接触ICカード決済処理について、図5に示すフローチャートを参照して詳述する。
挿入口12に差し込まれた接触ICカードCからICカードリーダ28aにより決済情報(例えば、カード番号など)が読み取られることで、制御部21にて接触ICカード決済処理が開始されると、図5のステップS101に示す判定処理にて、読取入力モードが選択されているか否かについて判定される。ここで、店員等が読取入力モードを選択するための操作を行っていない場合には、タッチ入力モードが選択されているとして(S101でNo)、ステップS103に示すPINコード入力処理がなされる。この処理では、利用者が入力すべきPINコードに応じたタッチ操作をタッチパネル23に対して行うことで、PINコードが入力される。
【0037】
次に、ステップS105に示す決済情報等送信処理がなされて、接触ICカードCから読み取った決済情報や上述のように入力されたPINコード、購入品に関する情報等が外部インタフェース27を介して決済サーバに送信される。この送信に応じて決済サーバから認証成功を示す情報が受信されると、認証成功として(S107でYes)、本接触ICカード決済処理が終了する。一方、入力されたPINコードが誤っているために認証失敗を示す情報が受信されると(S107でNo)、上記ステップS103からの処理が再度なされる。
【0038】
一方、利用者が決済用コード40を利用したPINコード入力を希望等することで、店員等が読取入力モードを選択するための操作を操作部25に対して行っていると、読取入力モードが選択されているとして(S101でYes)、ステップS109に示す撮像処理がなされて、撮像部24により決済用コード40を撮像可能な状態になる。続いて、ステップS111に示すPINコード読取処理がなされ、撮像された決済用コード40からPINコードを読み取るための処理がなされる。
【0039】
そして、PINコード入力アプリの起動時に表示モードを選択した利用者がその携帯端末30に画面表示された決済用コード40を決済装置10の撮像窓24aにかざすことで、撮像された決済用コード40からPINコードが読み取られると、ステップS113に示す決済情報等送信処理がなされる。この処理では、接触ICカードCから読み取った決済情報や上述のように決済用コード40から読み取ったPINコード、購入品に関する情報等が外部インタフェース27を介して決済サーバに送信される。この送信に応じて決済サーバから認証成功を示す情報が受信されると、認証成功として(S115でYes)、本接触ICカード決済処理が終了する。一方、挿入口12に差し込まれた接触ICカードCに対応していない情報コード(例えば、異なる接触ICカードCに対応している決済用コード40)を撮像窓24aにかざしているために認証失敗を示す情報が受信されると(S115でNo)、上記ステップS109からの処理が再度なされる。
【0040】
なお、認証成功時(S107でYes,S115でYes)には、報知部26によって認証が成功したことを示す所定の報知がなされてもよい。同様に、認証失敗時(S107でNo,S115でNo)には、報知部26によって認証が失敗したことを示す所定の報知がなされてもよい。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る決済システム1では、携帯端末30において、操作部35により入力操作されたPINコードを記録するように生成されて取得された決済用コード40が記憶部32に記憶され、決済時に、記憶部32に記憶された決済用コード40が表示画面34aに表示されるように表示部34が制御部31により制御される。決済装置10では、ICカードリーダ28aによって接触ICカードCから読み取られた決済情報と表示画面34aに表示された決済用コード40を撮像することで読み取られたPINコードとを利用して接触ICカード決済処理が行われる。
【0042】
これにより、決済装置10に対して決済用コード40を撮像させるだけでその決済装置10にPINコードを読み取らせることができ、決済時でのPINコードの入力操作を不要とすることができる。特に、決済処理に利用するPINコードは、事前に利用者が入力操作しているので、視覚障害者等であっても自宅等でPINコードの入力操作を安全に実施することができる。
【0043】
なお、本実施形態の第1変形例として、作成モードでは、操作部35により入力操作されたPINコードを記憶部32に記憶し、決済時に表示モードが選択されることで、記憶部32に記憶されるPINコードを記録するように決済用コード40が生成され、このように生成されて取得された決済用コード40が表示画面34aに表示されてもよい。
【0044】
また、本実施形態の第2変形例として、決済用コード40には、単に入力されたPINコードが記録されることに限らず、セキュリティ性を高める他の情報がさらに記録されてもよい。具体的には、例えば、図6(A)に例示するように、作成モードの選択時に操作部35により入力操作された4桁のPINコード及び使用予定日が記録されるように決済用コード40が生成されてもよい。なお、図6(A)では、ヘッダー部に決済用コード40であることを示す「11」が記録され、その後に、入力された4桁のPINコードと使用予定日とを示す「2345」と「20220401」とが記録される例を示している。
【0045】
これにより、決済用コード40から読み取られた使用日時が現在日時と異なる場合にその情報コードから読み取られたPINコードを無効とすることで、盗撮等された決済用コード40を不正利用し難くなり、セキュリティ性を高めることができる。なお、使用予定日は、「使用日時に関する情報」の一例に相当し、例えば、使用時間帯等の情報が「使用日時に関する情報」として決済用コード40に記録されてもよい。
【0046】
また、4桁のPINコードの前後にダミーの数字を配列したコード部を生成して、ヘッダー部にコード部の中での4桁のPINコードの位置を示す情報を記録してもよい。具体的には、例えば、図6(B)に例示するように、ヘッダー部を3桁にして最初の2つの数字「09」がコード部の桁数を示し、最後の1つの数字「2」がコード部の中での4桁のPINコードの開始位置を示してもよい。これにより、盗撮等された決済用コード40から情報が読み取られたとしても、どの数字がPINコードであるか把握できないため、PINコードに関するセキュリティ性を高めることができる。さらに、例えば、図6(B)に例示するように、コード部等に対応するチェックデジットを配置することでも、セキュリティ性を高めることができる。なお、図6(B)の例でも、ヘッダー部に、決済用コード40であることを示す情報が記録されてもよい。
【0047】
また、本実施形態の第3変形例として、決済用コード40は、PINコード等が暗号化されて生成されてもよい。例えば、作成モード時に入力操作されたPINコードを携帯端末30から所定の決済用コード生成サーバに送信することで、この決済用コード生成サーバから暗号化された決済用コード40を携帯端末30が受信して取得することができる。このように、決済用コード生成サーバから決済用コード40を取得する処理を行う制御部31は、「コード取得部」の一例に相当し得る。
【0048】
これにより、決済時に画面表示された決済用コード40が不正に盗撮等されたとしても、その決済用コード40に記録されるPINコードを盗用され難くなり、セキュリティ性を高めることができる。さらに、決済用コード40は、例えば、復号鍵を要しない情報が記録される公開領域と復号鍵を用いて復号可能に暗号化された情報が記録される非公開領域とを有するように構成される一部非公開コードとして携帯端末30又は決済用コード生成サーバ等にて生成されることで、PINコードの秘匿性を高めてもよい。
【0049】
また、本実施形態の第4変形例として、図7に示すように、携帯端末30aが、指の指紋情報を取得する指紋情報取得部38aと、この指紋情報取得部38aによって取得された指紋情報に基づいて指紋認証を行う指紋認証部38bと、を備えるように構成される場合、制御部31は、表示モードの選択時(決済時)に、指紋認証部38bによる指紋認証が成功した場合に、決済用コード40が表示画面34aに表示されるように表示部34を制御してもよい。これにより、指紋認証が成功しない第三者では決済用コード40を表示画面34aに表示させることができない一方で、視覚障害者等であっても決済用コード40が表示されるように容易に認証操作することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に決済システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、表示画面34aが撮像部24にかざされている状態が検出される場合に、決済用コード40が撮像可能な所定の照度で表示画面34aに表示される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係る携帯端末30bは、図8に示すように、上述した携帯端末30に対して、表示画面34aが撮像部24にかざされている状態を検出するための検出部としてセンサ部39をさらに備えるように構成されている。この携帯端末30bでは、不用意に決済用コード40が表示されることを防止するため、制御部31にて表示モードの選択時に決済用コード表示処理が実施される。この決済用コード表示処理では、センサ部39にて表示画面34aが撮像部24にかざされている状態が検出されることで、決済用コード40が撮像可能な所定の照度で表示画面34aに表示されるように表示部34が制御される。
【0052】
センサ部39は、スマートフォン等にて一般的なセンサとして採用される近接センサ39a及び照度センサ39bを備えている。近接センサ39aは、タッチパネルの上方に配置されるスピーカ口(図示略)に近づけられる物体(例えば、利用者の耳)までの距離に応じた信号を制御部31に出力されるように構成されている。照度センサ39bは、上記スピーカ口近傍での照度(周囲の明るさ)に応じた信号を制御部31に出力されるように構成されている。
【0053】
このため、決済用コード40を読取可能に撮像できるように表示画面34aが撮像部24にかざされている状態での近接センサ39aにて検出される距離値と照度センサ39bにて検出される照度値とに基づいて、距離閾値及び照度閾値を設定する。そして、近接センサ39aにて検出される距離値が上記距離閾値未満、又は、照度センサ39bにて検出される照度値が上記照度閾値未満になる状態(以下、コード近接状態ともいう)が検出される場合に、表示画面34aが撮像部24にかざされていると推定(検出)する。
【0054】
以下、表示モードの選択時に、携帯端末30bの制御部31にて実施される決済用コード表示処理について、図9に示すフローチャートを参照して詳述する。
PINコード入力アプリの起動時に表示モードが選択されることで、制御部31にて決済用コード表示処理が開始されると、まず、図9のステップS201に示す決済用コード読出処理がなされ、記憶部32から決済用コード40が読み出される。
【0055】
次に、ステップS203に示す決済用コード低輝度表示処理がなされ、読み出された決済用コード40が、上記所定の照度未満(具体的には、撮像した画像にてセルの明暗を区別不能な暗さ)で表示部34の表示画面34aに表示される。この表示状態(以下、低輝度表示状態ともいう)では、決済用コード40が表示画面34aに表示されていることを視認できても、その決済用コード40を読み取り可能に撮像することができない。
【0056】
続いて、ステップS205に示すセンサ値取得処理にて、近接センサ39aの検出値及び照度センサ39bの検出値が取得された後、ステップS207に示す判定処理にて、コード近接状態であるか否かについて判定される。ここで、近接センサ39aにて検出される距離値が上記距離閾値以上であり、かつ、照度センサ39bにて検出される照度値が上記照度閾値以上である場合には、コード近接状態でないと判定されて(S207でNo)、ステップS203からの処理がなされて、低輝度表示状態が維持される。
【0057】
そして、利用者が表示画面34aを撮像部24にかざさすようにして近づけることで、近接センサ39aにて検出される距離値が上記距離閾値未満、又は、照度センサ39bにて検出される照度値が上記照度閾値未満になると、コード近接状態であると判定されて(S207でYes)、ステップS209に示す決済用コード高輝度表示処理がなされる。この処理では、決済用コード40が上記所定の照度で表示部34の表示画面34aに表示される。この表示状態(以下、高輝度表示状態ともいう)では、決済用コード40が表示画面34aに表示されていることを容易に視認でき、かつ、その決済用コード40を読み取り可能に撮像することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る決済システム1では、携帯端末30bの制御部31にてなされる決済用コード表示処理において、決済時にセンサ部39の検出結果によりコード近接状態が検出される場合に(S207でYes)、決済用コード40が撮像可能な所定の照度で表示画面34aに表示されるように表示部34が制御され(S209)、コード近接状態が検出されない場合に(S207でNo)、決済用コード40が上記所定の照度未満で表示画面34aに表示されるように表示部34が制御される(S203)。
【0059】
これにより、コード近接状態が検出されない場合には、決済用コード40が上記所定の照度未満で表示画面34aに表示される低輝度表示状態となるため、利用者が携帯端末30bの表示画面34aに決済用コード40が表示されているか確認する場面等での決済用コード40の盗撮等を防止することができる。特に、決済用コード40が上記所定の照度未満で表示画面34aに表示される低輝度表示状態では、利用者だけでなく、利用者となる視覚障害者に対して決済用コード40をかざす位置を案内する販売員等であっても、携帯端末30bが決済用コード40を画面表示する直前の状態であることを視認することができる。
【0060】
なお、制御部31にてなされる決済用コード表示処理では、コード近接状態が検出されない場合に(S207でNo)、決済用コード40が低輝度表示状態で表示画面34aに表示されるように表示部34が制御されることに限らず、決済用コード40が表示されないように表示部34が制御されてもよい。
【0061】
また、センサ部39は、近接センサ39a及び照度センサ39bの双方を備えるように構成されることに限らず、どちらか一方を備えるように構成されてもよく、その一方の検出結果に基づいてコード近接状態を検出してもよい。また、センサ部39は、NFCを利用して検出される決済装置10からの電波の強弱に応じてコード近接状態を検出してもよい。また、センサ部39は、他のセンサ、例えば、水平面に対する表示画面34aの傾きを検出可能な三軸センサを備えて、この三軸センサの検出結果に基づいてコード近接状態を検出してもよい。
【0062】
また、決済用コード表示処理では、センサ部39の検出結果を利用せずに、利用者が操作部35等に対して特定の行動を行った場合、例えば、操作部35に対して特定の操作が行われた場合に、決済用コード40を高輝度表示状態で表示画面34aに表示し、特定の行動が行われていない場合に決済用コード40を低輝度表示状態で表示画面34aに表示するか決済用コード40を非表示にしてもよい。
【0063】
本実施形態の変形例として、決済用コード40の表示に関するセキュリティ性をさらに高めるため、コード近接状態が検出されるだけでなく、さらに、携帯端末30bと決済装置10との間での所定の近距離無線通信が可能である場合に、決済用コード40を高輝度表示状態で表示画面34aに表示するようにしてもよい。
【0064】
以下、本実施形態の変形例において、携帯端末30bの制御部31にて実施される決済用コード表示処理について、図10に示すフローチャートを参照して詳述する。
上述のようにしてコード近接状態であると判定された後(図10のS207でYes)、ステップS211に示す近距離通信処理がなされ、NFC等の所定の近距離無線通信を利用して予め決められた確認信号が決済装置10に対して送信される。この送信に応じて決済装置10から表示許可信号が受信されると(S213でYes)、決済装置10との間での所定の近距離無線通信が可能であるとして、上記ステップS209の決済用コード高輝度表示処理がなされる。一方、決済装置10との距離が離れているために表示許可信号が受信されない場合には(S213でNo)、コード近接状態であると判定される場合でも(S207でYes)、低輝度表示状態が維持される。そして、高輝度表示状態時に、決済装置10から決済完了情報が受信されると(S215でYes)、その旨が報知部36により報知されて(S217)、本決済用コード表示処理が終了する。
【0065】
このように、センサ部39の検出結果だけでなく、携帯端末30bと決済装置10との間での所定の近距離無線通信が可能である状態を検出して、これらの検出時に決済用コード40を高輝度表示状態で表示画面34aに表示することで、不用意に決済用コード40が表示されることを確実に防止することができる。
【0066】
なお、携帯端末30bと決済装置10との間での所定の近距離無線通信には、NFCが採用されることに限らず、両者で利用可能な近距離無線通信、例えば、Bluetooth(登録商標)が採用されてもよい。また、決済用コード表示処理では、センサ部39の検出結果を利用せずに、決済装置10との間での所定の近距離無線通信が可能である場合に、表示画面34aが撮像部24にかざされている状態が検出されているとして、決済用コード40を高輝度表示状態で表示画面34aに表示し、決済装置10との間での所定の近距離無線通信ができない場合に、決済用コード40を低輝度表示状態で表示画面34aに表示するようにしてもよい。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に決済システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、撮像部にかざされた表示画面を隠すためのアタッチメントが決済装置の筐体に組み付けられる点が、上記第2実施形態と主に異なる。したがって、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
本実施形態に係る決済装置10の筐体11には、図11に示すように、アタッチメント50が着脱可能に組み付けられる。このアタッチメント50は、決済時に携帯端末30bが載置されて決済用コード40よりも大きな開口部52が形成される載置部51と、載置部51と撮像部24の撮像窓24aとの間を包囲するように筐体11に組み付けられる包囲部53と、を備えるように構成されている。
【0069】
載置部51は、図12に示すように、開口部52に合せるように載置された携帯端末30bの表示画面34aに表示された決済用コード40が開口部52を介して撮像部24により撮像されるように形成されている。包囲部53は、載置部51に対して外縁から垂下するように連なり、筐体11への組み付け時に、接触ICカード用の挿入口12を露出させつつ、載置部51に載置された携帯端末30bの決済用コード40が撮像部24による撮像に適した状態で位置するように形成されている。具体的には、包囲部53は、例えば、載置部51に載置された携帯端末30bの表示画面34aと撮像窓24aとの距離が10cm程度となるように形成することができる。
【0070】
特に、載置部51は、開口部52を囲う周縁部51aと、開口部52として周縁部51aの内方を塞ぎ撮像部24による決済用コード40の撮像を可能とする透明部51bと、を備えている。透明部51bは、例えば、アクリル板であって、周縁部51aの上面と透明部51bの上面とで触感を異ならせるため、周縁部51aの上面には、触れた指で凸凹を感じることができる表面加工が施されている。
【0071】
このように構成されるアタッチメント50を組み付けた決済装置10に決済用コード40を読み取らせる場合、利用者は、PINコード入力アプリの起動時に表示モードが選択された状態の携帯端末30bを、低輝度表示状態の決済用コード40を開口部52に合せるようにして、載置部51に載置する。これにより、周縁部51aによって近接センサ39a及び照度センサ39bが覆われるためにコード近接状態であると判定されて、決済用コード40が高輝度表示状態で表示画面34aに表示されて、撮像部24により撮像される。
【0072】
このように、本実施形態では、決済用コード40が表示された携帯端末30bを載置部51に対してその決済用コード40を開口部52に合せるように載置することで、撮像部24による撮像に適した位置に決済用コード40が位置するため、撮像した決済用コード40から確実にPINコードを読み取ることができる。特に、載置部51と撮像部24との間が包囲部53によって包囲されるので、載置状態の決済用コード40の盗撮等を確実に防止することができる。そして、撮像部24による決済用コード40の撮像時には、外光(太陽光や蛍光灯など)が影響することもないので、撮像時の反射光等に起因する映り込みを防止することができる。
【0073】
特に、載置部51は、周縁部51aの上面と透明部51bの上面とで触感が異なるように構成されるため、視覚障害者等であっても、載置部51の上面を触ることで、開口部52の位置、すなわち、携帯端末30bに表示される決済用コード40をかざすべき位置を正確に把握することができる。なお、透明部51bを除く構成であっても、載置部51の上面を触ることで、開口部52の位置、すなわち、携帯端末30bに表示される決済用コード40をかざすべき位置を正確に把握することができる。
【0074】
本実施形態の変形例として、撮像部24にかざされた表示画面34aを隠すためのアタッチメントは、上述したアタッチメント50のように筐体11の表面11aを全て覆うように形成されることに限らず、少なくとも撮像窓24aを囲うように形成されてもよい。
【0075】
具体的には、例えば、図13に例示するアタッチメント60のように、携帯端末30bが立てかけられるようにして載置されて決済用コード40よりも大きな開口部62が形成される載置部61と、筐体11の表面11aのうち撮像窓24aの近傍を包囲するように筐体11に組み付けられる包囲部63と、を備えるように構成されることでも、上記効果を奏する。この構成では、包囲部63内に反射ミラー64を配置することで、表面11aに対して立てかけられた状態での決済用コード40であっても撮像部24にて解読可能に撮像することができる。
【0076】
特に、アタッチメント60では、載置された携帯端末30bのセンサ部39側の縁部に接触することで決済用コード40を開口部62に合せるためのガイド61aが、載置部61に下端に設けられている。このガイド61aは、携帯端末30bの載置時にセンサ部39を覆うように形成されている。これにより、視覚障害者等であっても携帯端末30bに表示される決済用コード40を載置部61の開口部62に対して容易に合わせることができる。
【0077】
なお、上述したアタッチメント50の載置部51に、載置された携帯端末30bの縁部に接触することで決済用コード40を開口部52に合せるためのガイドが設けられることでも、上記効果を奏する。
【0078】
また、撮像部24にかざされた表示画面34aを隠すためのアタッチメントが決済装置10の筐体11に組み付けられる本実施形態等の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0079】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明は、接触ICカード決済や、磁気カード決済、非接触決済、QRコード決済などの複数の決済方式を選択可能な決済装置10を備える決済システム1に採用されることに限らず、少なくとも接触ICカード決済を利用可能な決済装置を備える決済システムに採用されてもよい。
【0080】
(2)決済用コード40に記録されるPINコード(暗証番号)は、4桁の数字であることに限らず、例えば、5桁以上の文字であってもよい。
【0081】
1…決済システム
10…決済装置
11…筐体
21…制御部(コード読取部,決済処理部)
24…撮像部
28a…ICカードリーダ(カード読取部)
30,30a,30b…携帯端末
31…制御部(コード取得部,表示制御部)
32…記憶部
34…表示部
34a…表示画面
35…操作部
40…決済用コード(情報コード)
C…接触ICカード(ICカード)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13